JP5064618B2 - 水処理用フィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水や下水、排水などに含まれる汚染物質を除去する水処理器に用いるフィルターであり、より詳しくは、水溶液中の重金属類を除去し、活性炭などと共に固化することでより効率よく汚染物質を除去することができる、水処理能力や性能に優れた水処理用フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般家庭などで使用される水処理器の交換カートリッジフィルターは、活性炭で塩素や有機物を除去し、中空糸膜でミクロサイズの汚れ、赤サビや細菌などを取る構造を有しているのが一般的である。
【0003】
具体的な構造としては、円筒形の容器からなるカートリッジ内に活性炭の部屋と中空糸膜の部屋とにそれぞれを収納配置し、水をカートリッジ内に導入して活性炭の部屋へ送ってカルキ臭やカビ臭などをとり、次いで中空糸の部屋へ送り、活性炭で取り除けなかったものを除去するというものが挙げられる(例えば、特開平10−85729号公報)。
【0004】
また、中空糸膜からなるチューブを円筒形の容器からなるカートリッジの中心に配置してその外周側に活性炭を配置して、外周側から水を流し、活性炭の層を通過させた後、中空糸膜を通過させて処理済の水をカートリッジから出すという構造のものも使用されている(特開平8―71541号公報)。
【0005】
いずれの構成においても活性炭は、活性炭が通過せず、水のみが通過するような小径の孔を有する膜に仕切られた部屋の中に粒状で蓄えられた状態で用いられるものであった。
【0006】
特開平2−17989号公報には、多孔質プラスチック・マトリックス内に活性炭粒子をトラップした水処理器が開示されている。多孔質プラスチック・マトリックス中に活性炭を分散させることによって小さな粒径の活性炭を使用できるようにしたものである。
【0007】
また、米国特許第4753728号にもポリマーで活性炭を固めたフィルターで、しかもそのポリマーとして1.0g/10min未満(ASTM D1238、190℃、15kg Load)である低メルトインデックスのポリマーを用いたものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、まず特開平10−85729号公報や特開平8―71541号公報に開示されたような構造のフィルターでは、中空糸膜が高価である上に、フィルター全体における中空糸膜の占める体積割合が大きく、例えばスペースや重量の面で小型にならざるを得ない蛇口直結型水処理器の交換カートリッジフィルターとして用いるには、活性炭の使用量が制限される構造となっていた。
【0009】
従って、活性炭の使用量が制限されることによって、塩素などが取れる寿命は比較的短いのが現状であった。
【0010】
また、粒状の活性炭を用いると水が活性炭の層中を通過するときに、自然と水みちがついてしまい、活性炭を部分的にしか使うことができないので、塩素などを除去する性能の寿命が短くなってしまうことになる。
【0011】
特開平2−17989号公報や米国特許第4753728号公報に示すような多孔質プラスチック・マトリックス中に活性炭を分散させて固化したフィルターを用いている。このような構造にすることによって、より粒径の小さな活性炭を使うことができるので効率がよくなり、しかもフィルター全体に水の流れるようにすることができることから、活性炭による塩素などの除去性能を長持ちさせることが可能である。
【0012】
しかし、水処理用フィルターは濁りや塩素などの除去性能もさることながら十分な流量が得られるものでなければ使い勝手の面で不満が残る。従来の水処理用フィルターでは、濁りや塩素などの除去性能に優れたものはどうしても流量が十分に得られず、流量を得ようとすれば濁りや塩素の除去性能が落ちるという二律背反の性質があって、いずれか片方を重視するかもしくはいずれの性能も程々のものを用いるしかなかったといった問題があった。
【0013】
特に蛇口直結型水処理器に用いるフィルターは前記のように軽量で小型であることが求められるが、活性炭や、イオン交換樹脂などをプラスチック内に分散させたようなフィルターの場合、通常2.0〜3.0L/min程度の流量を必要とするが、塩素や重金属類などを除去する性能を上げるために、粒径の細かい粉末状の活性炭や粒径の細かいイオン交換樹脂などを使用すると流量が十分に得られないといった問題があることがわかった。
【0014】
そこで本発明は、水道水や下水、排水などに含まれる汚染物質を除去する水処理フィルターにおいて、濁りや塩素も除去することができ、それらの水を処理する性能が長期にわたって維持でき、蛇口直結型水処理器のようなサイズが制限される用途においても、浄水性能が高く、しかも十分な流量が得られる水処理用フィルターの提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1では、水から汚染物質を除去するための水処理用フィルターにおいて、活性炭とともに短繊維を高分子量多孔質ポリマーからなる結合材で固化し、前記短繊維自身が絡み合うことで空隙を形成していることを特徴とする。
【0016】
活性炭とともに短繊維を結合材で固化することによって、短繊維にてフィルター内の水の通路を確保することができるので、例えば粒径の小さな活性炭を用いて濁りや塩素の除去性能を向上させても十分な流量を得ることができる。また、短繊維の配合量を調節することによって流量を自由に調節することができる。
【0017】
請求項2では短繊維の素材がセルロース繊維である水処理用フィルターとしており、天然素材である植物繊維から得られるものであるため、安全性、濡れ性の点ですぐれている。
【0018】
請求項3では活性炭は粒径の異なる少なくとも2種類の活性炭を併用した水処理用フィルターとしており、活性炭として2種類の粒径のものを混合して用いることによって、活性炭による濁りや塩素などを除去する性能を十分なものに保持すると同時に、十分な流量を得やすくすることができる。
【0019】
請求項4では活性炭として、60−100メッシュパス粒状活性炭及び100メッシュパス粉末活性炭を重量比で1対1〜4対1の割合で混合したものを用いた水処理用フィルターとしている。
【0020】
活性炭の粒径を以上のような所定の割合で混合して用いることによって、活性炭による濁りや塩素などを除去する性能を十分なものに保持すると同時に、十分な流量を得る上でより適切な範囲である。
【0021】
請求項5では、活性炭に結合材を10〜40重量%配合しており、かつフィルター本体の密度が0.4〜0.65g/cm3である水処理用フィルターとしている。
【0022】
フィルターを通過する流量は、活性炭と結合材との混合比や、成形する際の圧力のかけ方にも左右される。固化したフィルター本体の密度を0.4〜0.65g/cm3の範囲内に設定することによって、水処理用フィルターとしてコンパクトなサイズであっても十分な流量を確保することができ、かつ十分に水の濁りや塩素を取り除くこともできる。
【0023】
請求項6では、結合材としてメルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg Load)の高分子量多孔質ポリマーを使用する水処理用フィルターとしている。
【0024】
結合材としてこのようなメルトインデックスのものを用いることによって、活性炭を固化する際に結合材が液状に溶融せず活性炭を覆ってしまうことがないので、適度にバインダーとして働かせることができ、しかもより少ない量の結合材で活性炭を固めることができるので、フィルター中に含まれる活性炭の量を多くすることができ、水を処理する性能を向上させることができる。
【0025】
請求項7では、水道の蛇口に直結するタイプの水処理器に用いるフィルターである水処理用フィルターとしており、全体に水の流れを行き渡らせることができて蛇口直結型の水処理器であってサイズに制限があっても活性炭による塩素などを除去する性能の高いものを得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の水処理用フィルターの斜視図であり、図2は水処理用フィルターに濾過層およびキャップを取り付けたところの斜視図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は水処理器の断面図である。
【0027】
本発明の水処理用フィルター1は、例えば図4に示すような蛇口直結型の水処理器Sに装着使用するものである。形状は例えば図1に示すように中心軸位置孔を有する円筒形状である。
【0028】
水処理用フィルター1は例えば次のような構成にて水処理器内に配置して用いられる。図2に示すものでは45〜50mmφ×90〜100mm程度のサイズを有する円筒形の水処理用フィルター1の外周面に、濾過層2を被覆配置し、その頂面及び底面部分には不透水性のキャップ3、4がかぶさっており、前記水処理用フィルター1との間を水が通らないように水密性をもって接続されている。また、水処理用フィルター1と底面のキャップ3には中心軸位置に孔を有しており、水処理用フィルター1の円筒の中心軸位置に10〜15mmφ程度の孔5を有した構造となっている。
【0029】
この水処理用フィルター1を水処理器Sに取り付けたときの水の流れは、濾過層2側から、水を取り込み、濾過層2で大きなごみなどの汚れを取った後、水処理用フィルター1を通過して残留塩素や有機物を除去し、孔5内に湧き出して水処理器Sの浄水口Jから出されるという行程で処理が行われる。
【0030】
一般的に水処理器Sには、浄水口Jと原水口Gを備えており、水の流れを矢印で示すように水道Wから供給された水を切替レバーCなどによって、処理を行う経路へ水を誘導して処理した水を出す場合と、何も処理せずそのまま通過させて原水で出す場合を切りかえることができるようになっている。そして、処理する場合には、前記のような行程で処理されることになる。
【0031】
本発明の水処理用フィルター1は、活性炭および短繊維を結合材で固化した多孔質成形体であり、結合材としては低メルトインデックスの高分子量多孔質ポリマーを用いる。
【0032】
活性炭は60メッシュパス以上のものを用いることができ、60メッシュパス未満であると、結合材で活性炭を固めることが困難になることと、水処理用フィルター1中の空隙が大きくなりすぎて活性炭に接触することなく水処理用フィルター1を通過してしまう水が多くなるので濁りや塩素などを除去する性能が悪くなるので好ましくない。
【0033】
以上の水処理用フィルター1に用いられる結合材と活性炭における更に好ましい形態として、粒子の大きいもの及び粒子の小さいものの2種類の活性炭を用い、粒径の大きい第1の活性炭としては60−100メッシュパスの粒状活性炭を用い、粒径の小さい第2の活性炭としては100メッシュパスの粉末活性炭を用いる。そして粒径の大きい活性炭と粒径の小さい活性炭を重量比で1対1から4対1の割合で混合し、このような活性炭を低メルトインデックスの結合材で固化する。
【0034】
このような2種類の粒径分布を有する活性炭を前記のような比率で混ぜて使用することによって、60−100メッシュパスの粒状活性炭同士の隙間に適当に100メッシュパス以上の粉末状活性炭が存在し、塩素や濁りなどの除去性能が長期に渡って得られるという能力を兼ね備えた水処理用フィルター1を得ることができる。
【0035】
ここで上記の第1の活性炭として60メッシュパス未満のものを用いると、やはり結合材で活性炭を固めることが困難になることと、水処理用フィルター1中の空隙が大きくなりすぎて活性炭に接触することなく水処理用フィルター1を通過してしまう水が多くなるので水の塩素などの除去性能が悪くなるので好ましくない。
【0036】
そして第2の活性炭として100メッシュパスよりも細かい、例えば325メッシュパス以上の活性炭を用いると水処理用フィルター1の空隙部分が少なくなってしまい十分な流量が得られなくなるので好ましくない。
【0037】
また、本発明では活性炭とともに短繊維を用いている。短繊維自身が絡み合うことで空隙を有し、活性炭とともに短繊維を入れることによって水処理用フィルター1の空隙率を増加させて水の通路を確保することができる。このように短繊維によって水の通路を確保することができるので、例えば、濁りや塩素などの除去性能を向上を狙って活性炭として比較的粒径の細かいものを用いたとしても、十分な流量を確保することができるようになる。また、短繊維の径、長さ、量を調節することによって、流量の調節を自在に行うことも可能である。
【0038】
本発明に用いることができる短繊維としては、水処理用として用いることから無害なものであることや水の通路をつくって流量を確保するための空隙を有する繊維であるものが好ましく綿、麻、木材などの植物性繊維、および絹、羊毛などの動物性繊維、またカーバイド、石油などを原料として合成した高分子化合物から紡糸したナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維を用いることができるが、その中でも天然繊維である植物繊維から得られるセルロール繊維を用いることが安全性、濡れ性の理由から最も好ましいといえる。また、空隙を持たせるためには1本の繊維径が太いモノフィラメントではなく、細繊維を多数束ねたり絡み合わせたりしたものを用いることが好ましい。
【0039】
低メルトインデックスの結合材としては、水処理用フィルターとしての用途として問題なく使用できるために無毒性であることが必要になるとともに、単体で成形した場合に多孔質体を形成しやすい樹脂であることが好ましい。具体的には分子量が数十万〜数百万程度の超高分子量ポリエチレンで原料の粒子径が約100μm、カサ密度0.3g/cm3未満の樹脂であって、メルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg
Load)であるものが挙げられる。
【0040】
結合材のメルトインデックスが、1.1g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg Load)未満であると、フィルター成形時の流れが悪く、活性炭を固めるためには、結合材の量を多くしなければならない。そうするとフィルター内に占める活性炭の量が少なくなるので、水を処理する性能は低くなってしまう。
【0041】
また、結合材のメルトインデックスが、2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg Load)をこえると、フィルター成形時に溶融したポリマーが活性炭の細孔部を覆ってしまい、水が活性炭を通過できなくなるので好ましくない。
【0042】
結合材が上記のようなメルトインデックスを有するポリマーであることによって高温において適度な粘度であるがゆえ、活性炭ブロック成形時に溶融したポリマーが活性炭の細孔部を覆ってしまうことがない。また多孔質体を形成することは活性炭ブロックのフィルター機能を損なわない有効な結合材である。
【0043】
さらに活性炭と結合材を混合する割合は活性炭に対して結合材を10〜40重量%配合し、かつ水処理用フィルター1の密度が0.4〜0.65g/cm3を有したものとすることによって、例えば、蛇口直結型水処理器では、通常必要とされる動水圧0.1MPaにて2.0L/minを上回る流量を確保することが可能である。
【0044】
活性炭に対する結合材の配合量が10重量%未満であると活性炭を固化することが困難となり、40重量%を超えると結合材が活性炭の表面を覆う部分が多くなりすぎて、活性炭を有効に使用することができなくなるので好ましくない。
【0045】
また、固化後の水処理用フィルター1の密度が0.4g/cm3未満になると剛性が低くなってしまい、フィルターが脆く崩れやすいので好ましくない。0.65g/cm3を超えると硬め過ぎとなって水処理用フィルター1の空隙がすくなく十分な流量を得ることができなくなるので好ましくない。
【0046】
水処理用フィルター1の作成方法としては、次のような方法が挙げられる。所定量の活性炭と短繊維と結合材を混合し、金型に充填後200℃前後の温度にて所定時間加熱、圧縮し、冷却することによって水処理用フィルター1を作成することができる。前記の加熱後に圧縮量を調整することによって、水処理用フィルター1の密度を上記のような0.4〜0.65g/cm3の範囲内に調整することができる。
【0047】
以上のような、2種類の所定の粒径を有する活性炭を所定の比率で混合し、しかも結合材のメルトインデックスも前記のような所定の範囲のものを用いて更に短繊維を混合することによって、活性炭により水の塩素や汚れなどを除去する効果が大きく、しかも流量の面でも十分な流量を確保することができる。よって、蛇口直結型水処理器のようにフィルターの重さや大きさが制限されコンパクトさが求められるような状態においても十分な性能と能力を持ったフィルターを提供することができる。
【0048】
濾過層2は、これを配置することで1次フィルターの役割を果たし、固化した活性炭ブロックの早期目詰まりを防止することができる。仮に球形のもので表現するとサイズが5μmφ相当以上のものを除去することができればよく、不織布、織布などの繊維材などを用いることができ、不織布を用いる場合は3デニール程度の繊維径を用いた厚み0.5mm程度のものを用いることができ、目付量でいえば50〜100g/m3程度である。そうすることによって、水処理用フィルター1にて目詰まりを起こすし易いようなサイズの汚れを除去することができるとともに濾過層2で目詰まりを起こしてしまうというような問題も防止することができる。
【0049】
なお、水処理用フィルター1には上記のような活性炭や短繊維以外にも、水の濁りや塩素などを除去できるような添加物を別途混入してもよく、また、前記の濾過層2および本発明の水処理用フィルターとしては前記の水処理用フィルター1以外に、浄水効果を有する別のフィルターと組み合わせて用いることも本発明に含まれるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1では、水から汚染物質を除去するための水処理用フィルターにおいて、活性炭とともに短繊維を高分子量多孔質ポリマーからなる結合材で固化し、前記短繊維自身が絡み合うことで空隙を形成していることを特徴とする。
【0051】
活性炭とともに短繊維を結合材で固化することによって、短繊維にてフィルター内の水の通路を確保することができるので、例えば粒径の小さな活性炭を用いて濁りや塩素の除去性能を向上させても十分な流量を得ることができる。また、短繊維の配合量を調節することによって流量を自由に調節することができる。
【0052】
請求項2では短繊維の素材がセルロース繊維である水処理用フィルターとしており、天然素材である植物繊維から得られるものであるため、安全性、濡れ性の点ですぐれている。
【0053】
請求項3では活性炭は粒径の異なる少なくとも2種類の活性炭を併用した水処理用フィルターとしており、活性炭として2種類の粒径のものを混合して用いることによって、活性炭による濁りや塩素などを除去する性能を十分なものに保持すると同時に、十分な流量を得やすくすることができる。
【0054】
請求項4では活性炭として、60−100メッシュパス粒状活性炭及び100メッシュパス粉末活性炭を重量比で1対1〜4対1の割合で混合したものを用いた水処理用フィルターとしている。
【0055】
活性炭の粒径を以上のような所定の割合で混合して用いることによって、活性炭による濁りや塩素などを除去する性能を十分なものに保持すると同時に、十分な流量を得る上でより適切な範囲である。
【0056】
請求項5では、活性炭に結合材を10〜40重量%配合しており、かつフィルター本体の密度が0.4〜0.65g/cm3である水処理用フィルターとしている。
【0057】
フィルターを通過する流量は、活性炭と結合材との混合比や、成形する際の圧力のかけ方にも左右される。固化したフィルター本体の密度を0.5〜0.65g/cm3の範囲内に設定することによって、水処理用フィルターとしてコンパクトなサイズであっても十分な流量を確保することができ、かつ十分に水の濁りや塩素を取り除くこともできる。
【0058】
請求項6では、結合材としてメルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg Load)の高分子量多孔質ポリマーを使用する水処理用フィルターとしている。
【0059】
結合材としてこのようなメルトインデックスのものを用いることによって、活性炭を固化する際に結合材が液状に溶融せず活性炭を覆ってしまうことがないので、適度にバインダーとして働かせることができ、しかもより少ない量の結合材で活性炭を固めることができるので、フィルター中に含まれる活性炭の量を多くすることができ、水を処理する性能を向上させることができる。
【0060】
請求項7では、水道の蛇口に直結するタイプの水処理器に用いるフィルターである水処理用フィルターとしており、全体に水の流れを行き渡らせることができて蛇口直結型の水処理器であってサイズに制限があっても活性炭による塩素などを除去する性能の高いものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理用フィルターの斜視図である。
【図2】水処理用フィルターに濾過層およびキャップを取り付けたところの斜視図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】水処理器の断面図である。
【符号の説明】
1 水処理用フィルター
2 濾過層
3 キャップ
4 キャップ
5 孔
Claims (7)
- 水から汚染物質を除去するための水処理用フィルターにおいて、活性炭とともに短繊維を高分子量多孔質ポリマーからなる結合材で固化し、前記短繊維自身が絡み合うことで空隙を形成していることを特徴とする水処理用フィルター。
- 短繊維の素材がセルロース繊維である請求項1記載の水処理用フィルター。
- 活性炭は粒径の異なる少なくとも2種類の活性炭を併用した請求項1又は2記載の水処理用フィルター。
- 活性炭として、60−100メッシュパス粒状活性炭及び100メッシュパス粉末活性炭を重量比で1対1〜4対1の割合で混合したものを用いた請求項3記載の水処理用フィルター。
- 活性炭に結合材を10〜40重量%配合しており、かつフィルター本体の密度が0.4〜0.65g/cm3である請求項1〜4の何れか1項に記載の水処理用フィルター。
- 結合材としてメルトインデックスが、1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kg Load)の高分子量多孔質ポリマーを使用する請求項1〜5の何れか1項に記載の水処理用フィルター。
- 水道の蛇口に直結するタイプの水処理器に用いるフィルターである請求項1〜6の何れか1項に記載の水処理用フィルター。
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