JPWO2019187218A1 - 新規タンパク質、新規遺伝子、形質転換体、形質転換体の製造方法、および新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法 - Google Patents

新規タンパク質、新規遺伝子、形質転換体、形質転換体の製造方法、および新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

新たな蛍光タンパク質を提供する。本発明の新規タンパク質は、下記(F1)または(F2)のタンパク質であることを特徴とする。(F1) 配列番号1のアミノ酸配列において、170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質(F2) 前記(F1)のアミノ酸配列に対して、170番目のアミノ酸を含む同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質

Description

本発明は、新規タンパク質、新規遺伝子、形質転換体、形質転換体の製造方法、および新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法に関する。
蛍光タンパク質として、GFP(Green Fluorescent Protein)やYFP(Yellow Fluorescent Protein)等が、一般的に用いられている(非特許文献1)。前記蛍光タンパク質は、研究等の様々な用途に使用されている。しかしながら、各種用途に適した蛍光タンパク質が、必ずしも存在するわけではない。このため、新たな蛍光タンパク質が求められている。
Chalfie M et al., "Green fluorescent protein as a marker for gene expression", Science, February 1994, Vol.263, no.5148, p802-805.
そこで、本発明は、新たな蛍光タンパク質を提供することを目的とする。
本発明の新規タンパク質は、下記(F1)または(F2)のタンパク質であることを特徴とする。
(F1) 配列番号1のアミノ酸配列において、
170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質
(F2) 前記(F1)のアミノ酸配列に対して、170番目のアミノ酸を含む同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質
本発明の新規遺伝子は、下記(f1)または(f2)のポリヌクレオチドであることを特徴とする。
(f1) 配列番号3の塩基配列において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、N以外のアミノ酸をコードするコドンに変異しているポリヌクレオチド
(f2) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基を含む同一性が80%以上の塩基配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
本発明の形質転換体は、前記本発明の新規遺伝子を含むことを特徴とする。
本発明の形質転換体の製造方法は、宿主に、前記本発明の新規遺伝子を導入する導入工程を含むことを特徴とする。
本発明の新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法は、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質または前記本発明の新規タンパク質に変異を導入した候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する選抜工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、新規な蛍光タンパク質を提供できる。
図1は、実施例2における各タンパクの蛍光強度を示すグラフである。
<新規タンパク質>
本発明の新規タンパク質は、前述のように、下記(F1)または(F2)のタンパク質であることを特徴とする。
(F1) 配列番号1のアミノ酸配列において、
170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質
(F2) 前記(F1)のアミノ酸配列に対して、170番目のアミノ酸を含む同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質
本発明者らは鋭意研究の結果、前記配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質において、170番目のアミノ酸が、前記タンパク質の乾燥耐性と関連性を有することを見出した。このため、本発明の新規タンパク質によれば、170番目のアミノ酸をN(アスパラギン)以外の任意のアミノ酸とすることにより、前記タンパク質の乾燥耐性を調整でき、例えば、乾燥した条件下においても、強い蛍光を発するタンパク質を得られる。なお、上記推定は、本発明を何ら制限しない。
以下、前記新規タンパク質は、新規蛍光タンパク質ともいう。前記新規蛍光タンパク質は、本発明者らが新たに作製したタンパク質である。本発明において、前記新規蛍光タンパク質は、例えば、1種類のタンパク質を含んでもよいし、2種類以上のタンパク質を含んでもよい(以下、同様)。
配列番号1のアミノ酸配列は、以下の通りである。以下のアミノ酸配列において、四角で囲んだアミノ酸(N)は、170番目のアミノ酸(アスパラギン)である。前記配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質を、例えば、CpYGFPともいう。
前記(F1)のタンパク質は、配列番号1における170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸である。N以外のアミノ酸は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり、好ましくは、DまたはEである。
前記(F1)のタンパク質は、例えば、配列番号2および6のアミノ酸配列からなるタンパク質があげられる。前記(F1)が配列番号2および6のアミノ酸配列からなるタンパク質である場合、前記(F1)は、それぞれ、YGFP N170Dのアミノ酸配列、およびYGFP N170Eのアミノ酸配列ともいう。
前記(F1)における配列番号2および6のアミノ酸配列は、以下の通りである。前記配列番号2および6のアミノ酸配列は、前記配列番号1のアミノ酸配列において、四角で囲んだ170番目のアミノ酸が、それぞれ、DおよびEの場合に対応する。
前記(F2)のタンパク質は、例えば、前記(F1)の170番目のアミノ酸が保存され、前記(F1)のアミノ酸配列に対して、80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質ということもできる。前記(F2)において、「同一性」は、例えば、前記(F2)が、前記乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(F2)のアミノ酸配列において、「同一性」は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記「同一性」は、例えば、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出できる(以下、同様)。
本発明の新規タンパク質は、下記(F3)のタンパク質でもよい。
(F3) 前記(F1)の170番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質
前記(F3)のタンパク質は、前記(F1)の170番目のアミノ酸が保存され、前記(F1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質ということもできる。前記(F3)において、「同一性」は、例えば、前記(F3)が、前記乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(F3)のアミノ酸配列において、「1もしくは数個」は、例えば、1〜43個、1〜33個、1〜22個、1〜11個、1〜9個、1〜7個、1〜5個、1〜3個、1または2個である。本発明において、個数の数値範囲は、例えば、その範囲に属する正の整数を全て開示するものである。つまり、例えば、「1〜5個」との記載は、「1、2、3、4、5個」の全ての開示を意味する(以下、同様)。
本発明の新規蛍光タンパク質は、乾燥耐性を有する。乾燥耐性を有するとは、例えば、タンパク質が、乾燥しても、蛍光活性を有することである。乾燥とは、例えば、タンパク質が水性溶媒中に存在する場合と比較して、前記タンパク質の水和水が相対的に減少した状態である。
前記乾燥耐性の測定方法は、特に制限されず、例えば、対象蛍光タンパク質について、乾燥前後において、蛍光強度を測定し、乾燥前の蛍光強度と乾燥後の蛍光強度とを比較することにより、前記対象蛍光タンパク質の乾燥耐性を確認できる。前記乾燥耐性の測定方法は、例えば、後述する実施例3の測定方法に準じて行ってもよい。
本発明の新規蛍光タンパク質は、例えば、以下のような化学的特性を有する。以下の励起波長、励起極大波長、蛍光波長および蛍光極大波長は、例えば、350〜650nmの波長の範囲における化学的特性である。
励起波長:350〜650nm
励起極大波長:386〜514nm
蛍光波長:350〜650nm
蛍光極大波長:506〜524nm
本発明の新規蛍光タンパク質が前記YGFP N170Dである場合、前記YGFP N170Dの励起波長は、例えば、400〜410nmであり、蛍光波長は、例えば、503〜513nmである。
本発明の新規蛍光タンパク質が前記YGFP N170Eである場合、前記YGFP N170Eの励起波長は、例えば、401〜411nmであり、蛍光波長は、例えば、500〜510nmである。
前記励起波長、前記励起極大波長、前記蛍光波長、および前記蛍光極大波長の測定方法は、特に制限されず、例えば、JIS K0120に基づいて行うことができる。前記励起波長および前記蛍光波長の測定方法は、例えば、後述する実施例2の測定方法に準じて行ってもよい。
前記新規蛍光タンパク質は、乾燥耐性および蛍光活性を有していればよく、例えば、さらに、その他の活性を有してもよい。
<新規遺伝子>
本発明の新規遺伝子は、前述のように、下記(f1)および(f2)の少なくとも一方のポリヌクレオチドからなることを特徴とする。
(f1) 配列番号3の塩基配列において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、N以外のアミノ酸をコードするコドンに変異しているポリヌクレオチド
(f2) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基を含む同一性が80%以上の塩基配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
前記新規遺伝子は、前記本発明の新規蛍光タンパク質をコードする遺伝子であることから、以下、新規蛍光タンパク質遺伝子ともいう。前記新規蛍光タンパク質遺伝子は、例えば、1種類のポリヌクレオチドを含んでもよいし、2種類以上のポリヌクレオチドを含んでもよい(以下、同様)。
前記(f1)における配列番号3の塩基配列は、以下の通りである。以下の塩基配列において、四角で囲んだ塩基(A)は、508番目の塩基である。下線を引いた塩基(G)は、381番目の塩基である。前記配列番号3の塩基配列がコードするタンパク質を、例えば、CpYGFPともいう。また、配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを、CpYGFPのポリヌクレオチドともいう。
前記(f1)のポリヌクレオチドは、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、N以外のアミノ酸をコードするコドンである。前記N以外のアミノ酸をコードするコドンは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYをコードするコドンであり、好ましくは、DまたはEをコードするコドンである。
本発明の新規蛍光タンパク質遺伝子において、508番目の塩基は、例えば、Gに置換されている。
前記(f1)のポリヌクレオチドは、例えば、配列番号4および7の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。前記(f1)が配列番号4および7の塩基配列からなるポリヌクレオチドである場合、前記(f1)は、YGFP N170D’およびYGFP N170Eのポリヌクレオチドともいう。YGFP N170D’およびYGFP N170Eのポリヌクレオチドは、それぞれ、YGFP N170Dのアミノ酸配列、およびYGFP N170Eのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。
配列番号4および7の塩基配列は、以下の通りである。前記配列番号4および7の塩基配列は、前記配列番号3の塩基配列において、それぞれ、四角で囲んだ508番目の塩基が、Gに置換されている場合、ならびに四角で囲んだ508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目が、G、A、およびGに置換されている場合に対応する。下線を引いた塩基(G)は、381番目の塩基である。
前記(f2)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が保存され、前記(f1)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドということもできる。前記(f2)において、「同一性」は、例えば、前記(f2)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(f2)の同一性は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記(f1)において、508番目の塩基が、Gに置換されている場合、前記(f2)のポリヌクレオチドは、前記(f1)の508番目の塩基が保存されていることが好ましい。この場合、前記(f2)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f1)の508番目の塩基が保存され、前記(f1)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである。前記(f1)において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目が、G、A、およびGに置換されている場合、前記(f2)のポリヌクレオチドは、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が保存されていることが好ましい。この場合、前記(f2)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目が保存され、前記(f1)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである。
本発明の新規蛍光タンパク質遺伝子において、381番目の塩基は、例えば、Aに置換されている。
前記(f2)のポリヌクレオチドは、例えば、配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチドがあげられる。前記(f2)が配列番号5からなる塩基配列である場合、前記(f2)は、YGFP N170Dのポリヌクレオチドともいう。YGFP N170Dのポリヌクレオチドは、YGFP N170Dのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。
配列番号5の塩基配列は、以下の通りである。前記配列番号5の塩基配列は、前記配列番号3の塩基配列において、四角で囲んだ508番目の塩基および下線を引いた381番目の塩基が、それぞれ、GおよびAに置換されている場合に対応する。
本発明の新規遺伝子は、下記(f3)〜(f7)のポリヌクレオチドでもよい。
(f3) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基以外の塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(f4) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなり、前記相補的な配列において、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基に対応する塩基が保存され、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(f5) 配列番号1のアミノ酸配列において、170番目のアミノ酸が、N以外のアミノ酸であるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(f6) 前記(f5)の170番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(f7) 前記(f5)の170番目のアミノ酸以外のアミノ酸配列に対して、80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
前記(f3)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が保存され、前記(f1)のポリヌクレオチドにおいて、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドということもできる。前記(f3)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(f3)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(f3)の「1もしくは数個」は、例えば、1〜132個、1〜99個、1〜66個、1〜33個、1〜26個、1〜20個、1〜13個、1〜7個、1個、2個、3個、または4個である。前記(f1)において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、DまたはEをコードするコドンに置換されている場合、前記(f3)のポリヌクレオチドは、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が保存されていることが好ましい。この場合、前記(f3)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f1)の508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が保存され、前記(f1)の塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドである。前記「1もしくは数個」は、例えば、前述の説明を援用できる。
前記(f4)において、「ハイブリダイズするポリヌクレオチド」は、例えば、前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、完全または部分的に相補的なポリヌクレオチドである。前記ハイブリダイズは、例えば、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出できる。前記ハイブリダイゼーションアッセイは、特に制限されず、例えば、ザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載されている方法を採用することもできる。
前記(f4)において、「ストリンジェントな条件」は、例えば、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件、高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。ストリンジェンシーの程度は、当業者であれば、例えば、温度、塩濃度、プローブの濃度および長さ、イオン強度、時間等の条件を適宜選択することで、設定可能である。「ストリンジェントな条件」は、例えば、前述したザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載の条件を採用することもできる。
前記(f5)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(f5)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、乾燥耐性を有する塩基配列であればよい。前記(f5)のポリヌクレオチドの塩基配列は、例えば、前記配列番号1のアミノ酸配列および170番目のアミノ酸に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能である。前記(f5)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質は、例えば、前記本発明の新規タンパク質における(F1)のタンパク質ということもでき、その説明を援用できる。
前記(f6)において、アミノ酸配列に関する「1もしくは数個」は、例えば、前記(f6)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(f6)の「1もしくは数個」は、例えば、1〜43個、1〜33個、1〜22個、1〜11個、1〜9個、1〜7個、1〜5個、1〜3個、1または2個である。前記(f6)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質は、前記本発明の新規タンパク質における前記(F3)のタンパク質ということもでき、その説明を援用できる。
前記(f7)において、アミノ酸配列に関する「同一性」は、例えば、前記(f7)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記(f7)の同一性は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記(f7)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質は、前記本発明の新規タンパク質における前記(F2)のタンパク質ということもでき、その説明を援用できる。
本発明において、前記各種ポリヌクレオチドは、例えば、公知の遺伝子工学的手法または合成手法によって製造できる。
<新規タンパク質の発現ベクター>
本発明の発現ベクターは、前述のように、前記本発明の新規遺伝子を含むことを特徴とする。本発明の発現ベクターによれば、例えば、前記発現ベクターを前記宿主に導入することで、前記本発明の新規タンパク質を容易に製造できる。本発明の発現ベクターは、例えば、前記本発明の新規遺伝子の説明等を援用できる。
前記発現ベクターは、例えば、前記本発明の新規遺伝子である前記ポリヌクレオチドがコードする新規タンパク質を発現可能なように、機能的に、前記ポリヌクレオチドを含んでいればよく、その他の構成は、特に制限されない。
前記発現ベクターは、例えば、骨格となるベクター(以下、「基本ベクター」ともいう。)に、前記ポリヌクレオチドを挿入することで作製できる。前記ベクターの種類は、特に制限されず、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜決定できる。前記ベクターは、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターがあげられる。前記ベクターは、例えば、バイナリーベクターが好ましい。植物に形質転換を行う場合、前記ベクターは、T−DNA型バイナリーベクターが好ましい。アグロバクテリウムを使用する方法により、植物に形質転換を行う場合、前記ベクターは、例えば、pBI121ベクター、pPZP202ベクター、pBINPLUSベクター、pBIN19ベクター、pBIG2113N、pBIG2113SF、pRI101DNAベクター(TaKaRa社製)、pRI201DNAベクター(TaKaRa社製)、pRI909DNAベクター(TaKaRa社製)、pRI910DNAベクター(TaKaRa社製)等があげられる。大腸菌等の微生物に形質転換を行う場合、前記ベクターは、例えば、pETDuet−1ベクター(ノバジェン社)、pQE−80Lベクター(QIAGEN社)、pBluescript II SKベクター、pET101/D−TOPOベクター(Invitrogen社製)、pGEX−6P−1ベクター(Amersham Biosciences社製)、pcDNA3.2/V5−GW/D−TOPOベクター(Invitrogen社製)、pEGFPベクター、pcDNA3.1−hygro(−)ベクター(Invitrogen社製)等があげられる。
前記発現ベクターは、例えば、前記ポリヌクレオチドの発現および前記ポリヌクレオチドがコードする前記本発明の新規タンパク質の発現を調節する、調節配列を有することが好ましい。前記調節配列は、例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル配列、複製起点配列(ori)等があげられる。前記発現ベクターにおいて、前記調節配列の配置は特に制限されない。前記発現ベクターにおいて、前記調節配列は、例えば、前記ポリヌクレオチドの発現およびこれがコードする前記新規タンパク質の発現を、機能的に調節できるように配置されていればよく、公知の方法に基づいて配置できる。前記調節配列は、例えば、前記基本ベクターが予め備える配列を利用してもよいし、前記基本ベクターに、さらに、前記調節配列を挿入してもよいし、前記基本ベクターが備える調節配列を、他の調節配列に置き換えてもよい。
前記発現ベクターは、例えば、さらに、選択マーカーのコード配列を有してもよい。前記選択マーカーは、例えば、薬剤耐性マーカー、蛍光タンパク質マーカー、酵素マーカー、細胞表面レセプターマーカー等があげられる。
<新規タンパク質の製造方法>
本発明の新規タンパク質の製造方法は、特に制限されず、例えば、遺伝子工学的手法により製造してもよいし、公知の合成方法により製造してもよい。前者の場合、本発明の製造方法は、前記本発明の新規遺伝子を発現させる発現工程を含む。これにより、本発明の新規タンパク質の製造方法は、例えば、前記本発明の新規蛍光タンパク質を容易に製造できる。
前記本発明の新規遺伝子であるポリヌクレオチドの発現は、例えば、前記本発明の発現ベクターを使用して行ってもよい。
前記ポリヌクレオチドを発現させる方法は、特に制限されず、公知の方法が採用でき、例えば、無細胞タンパク質合成系を使用してもよいし、宿主を使用してもよい。
前者の場合、無細胞タンパク質合成系において前記ポリヌクレオチドを発現させることが好ましい。この場合、前記ポリヌクレオチドの発現には、発現ベクターを使用してもよい。前記無細胞タンパク質合成系は、例えば、細胞抽出液と、各種成分を含むバッファーと、目的のポリヌクレオチドが導入された発現ベクターとを用いて、公知の方法により行うことができ、例えば、市販の試薬キットが使用できる。
後者の場合、例えば、前記ポリヌクレオチドが導入された前記宿主を使用し、前記宿主の培養により、前記宿主において前記ポリヌクレオチドを発現させることが好ましい。このように、例えば、前記ポリヌクレオチドを宿主に導入することで、本発明の新規タンパク質を合成する形質転換体を製造でき、また、前記形質転換体の培養により、本発明の新規タンパク質を合成できる。
前記宿主は、例えば、微生物、植物、動物、昆虫またはこれらの培養細胞等の非ヒト宿主、単離したヒト細胞またはその培養細胞等があげられ、好ましくは、植物である。前記宿主が植物の場合、前記植物は、例えば、植物体またはその部分であってもよい。前記植物体の部分は、例えば、器官、組織、細胞または栄養繁殖体等があげられる。前記器官は、例えば、花弁、花冠、花、葉、種子、果実、茎、根等があげられる。前記組織は、例えば、前記器官の部分である。前記細胞は、例えば、前記植物体またはその組織から採取した細胞、前記細胞の培養細胞、プロトプラスト、カルス等があげられる。前記植物の由来は、特に制限されず、例えば、アブラナ科、ナス科、イネ科、マメ科、バラ科、ナデシコ科、キク科、リンドウ科、ゴマノハグサ科、クマツヅラ科、サクラソウ科、サボテン科、ラン科等があげられる。前記アブラナ科は、例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)等のシロイヌナズナ属等があげられる。前記ナス科は、例えば、タバコ(Nicotiana tabacum)等のタバコ属、ペチュニア(Petunia×hybrida)等のツクバネアサガオ属(Petunia)、ニーレンベルギア(Nierembergia hippoamanica)等のアマモドキ属、カリブラコア(Calibrachoa hybrid Cultivar)等のカリブラコア属等があげられる。前記イネ科は、例えば、トウモロコシ(Zea mays)等のトウモロコシ属、イネ(Oryza sativa)等のイネ属等があげられる。前記マメ科は、例えば、ダイズ(Glycine max)等のダイズ属等があげられる。前記バラ科は、例えば、バラ(Rosa)等のバラ属等があげられる。前記ナデシコ科は、例えば、カーネーション(Dianthus caryophyllus)等のナデシコ属等があげられる。前記キク科は、例えば、栽培ギク(Chrysantemum morifolium)等のキク属、ガーベラ(Gerbera cvs.)等のガーベラ(オオセンボンヤリ)属等があげられる。前記リンドウ科は、例えば、トルコキキョウ(Eustoma grandiflorum)等のユーストマ属等があげられる。前記ゴマノハグサ科は、例えば、トレニア(Torenia fournieri)トレニア属等があげられる。前記クマツヅラ科は、例えば、バーベナ(Garden verbena)等のバーベナ属等があげられる。前記サクラソウ科は、例えば、シクラメン(Cyclamen persicum)等のシクラメン属等があげられる。前記サボテン科は、例えば、アウストロキリンドロプンティア属、アストロフィツム属、エキノカクツス属、エキノセレウス属、エキノプシス属、エピフィラム属、オプンティア属、カニバサボテン属、カマエセレウス属、キリンドロプンティア属、ギムノカリキウム属、シャコバサボテン属、セレニセレウス属、テフロカクツス属、ネオブクスバウミア属、ネオライモンディア属、ノパレア属、フェロカクツス属、マミラリア属、メロカクツス属、リプサリス属、ロセオカクツス属、ロフォフォラ属等があげられる。前記ラン科は、例えば、ファレノプシス(Phalaenopsis cvs.)等のファレノプシス(コチョウラン)属、シンビジウム(Cymbidium cvs.)等のシンビジウム(シュンラン)属、デンドロビウムのノビル系(Dendrobium nobile hybrids)、デンドロビウムのデンファレ系(D. phalaenopsis hybrids)等のデンドロビウム(セッコク)属、オンシジウム(Oncidium cvs.)等のオンシジウム属、カトレア(Cattleya cvs.)等のカトレア属等があげられる。前記微生物は、例えば、真核生物、原核生物等があげられる。前記原核生物は、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属等の細菌があげられる。前記真核生物は、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母等があげられる。前記動物細胞は、例えば、COS細胞、CHO細胞等があげられ、前記昆虫細胞は、例えば、Sf9、Sf21等があげられる。
前記ポリヌクレオチドを前記宿主に導入する方法、すわなち、前記宿主の形質転換の方法は、特に制限されず、例えば、前記発現ベクターを用いて導入する方法でもよいし、前記発現ベクターを用いずに導入する公知の方法でもよい。後者の場合、前記導入方法は、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜設定できる。前記導入方法は、例えば、ヒートショック法、酢酸リチウム法、パーティクルガン等の遺伝子銃による導入法、リン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、リポソームを用いるリポフェクション法、エレクトロポレーション法、超音波核酸導入法、DEAE−デキストラン法、微小ガラス管等を用いた直接注入法、ハイドロダイナミック法、カチオニックリポソーム法、導入補助剤を用いる方法、アグロバクテリウムを介する方法等があげられる。前記リポソームは、例えば、リポフェクタミンおよびカチオニックリポソーム等があげられ、前記導入補助剤は、例えば、アテロコラーゲン、ナノ粒子およびポリマー等があげられる。前記宿主が植物の場合、前記導入方法は、アグロバクテリウムを介する方法が好ましい。前記本発明の新規遺伝子であるポリヌクレオチドは、例えば、前記本発明の発現ベクターにより前記宿主に導入してもよい。
前記宿主の培養の方法は、特に制限されず、前記宿主の種類に応じて適宜設定できる。前記宿主の培養に使用する培地は、特に制限されず、前記宿主の種類に応じて適宜決定できる。
前記宿主の培養に使用する培地の形態は、特に制限されず、例えば、固体培地、液体培地、寒天培地等、従来公知の培地を適宜使用できる。前記培地に含まれる成分は、特に制限されない。前記培地は、例えば、市販の培地を含んでもよい。前記宿主が植物である場合、前記植物の市販培地は、特に制限されず、例えば、Murashige-Skoog(MS)培地等があげられる。前記宿主が植物細胞である場合、前記植物細胞の市販培地は、特に制限されず、例えば、ハイポネックス培地、MS培地、Gamborg B5(B5)培地、White培地等があげられる。前記宿主が微生物である場合、前記微生物の市販培地は、特に制限されず、例えば、LB培地、スーパーブロス培地、M9培地等があげられる。前記培地は、例えば、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記培地のpHは、特に制限されず、例えば、pH6〜8の範囲、pH6.5〜7.5の範囲である。
前記宿主の培養方法は、特に制限されず、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜決定できる。前記宿主が植物の場合、前記培養方法は、例えば、前記植物を土壌栽培、水性栽培する方法等があげられる。前記植物が植物細胞の場合、前記培養方法は、例えば、カルス培養、根の培養、胚珠培養、胚培養等があげられる。
前記宿主の培養時の培養温度は、特に制限されず、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜決定できる。前記宿主が植物の場合、前記培養温度は、例えば、植物の生育可能温度、生育最適温度等があげられる。具体的には、前記培養温度は、例えば、15〜40℃の範囲、30〜37℃の範囲等で行うことができる。前記宿主が植物細胞の場合、前記培養温度は、例えば、植物細胞の生育可能温度、生育最適温度等があげられる。具体的には、前記培養温度は、例えば、15〜40℃の範囲、30〜37℃の範囲等で行うことができる。
前記宿主は、例えば、好気的条件下で培養してもよく、嫌気的条件下で培養してもよい。前記好気的条件または嫌気的条件は、特に制限されず、従来公知の方法を用いて設定できる。
<形質転換体>
本発明の形質転換体は、前述のように、前記本発明の新規遺伝子を含むことを特徴とする。本発明の形質転換体は、前記本発明の新規遺伝子を含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の形質転換体は、前記本発明の新規遺伝子を含むため、例えば、乾燥耐性を有する。本発明の形質転換体は、例えば、前記本発明の新規タンパク質等の説明を援用できる。
本発明において、前記形質転換体は、特に制限されず、動物、植物等があげられるが、植物が好ましい。前記形質転換体が動物である場合、前記形質転換体としては、例えば、ヒト大腸がん細胞等のがん細胞があげられる。前記形質転換体が植物である場合、前記植物および植物の由来は、特に制限されず、例えば、前述の説明を援用できる。具体的に、前記植物は、例えば、植物体またはその部分であってもよい。前記植物体の部分は、例えば、器官、組織、細胞または栄養繁殖体等があげられる。前記器官は、例えば、花弁、花冠、花、葉、種子、果実、茎、根等があげられる。前記組織は、例えば、前記器官の部分である。前記細胞は、例えば、前記植物体またはその組織から採取した細胞、前記細胞の培養細胞、プロトプラスト、カルス等があげられる。
本発明において、前記形質転換体が植物の場合、本発明の形質転換体は、例えば、さらに繁殖させることができる。この際、本発明の形質転換体は、前記繁殖材料として使用できる。前記繁殖材料は、特に制限されず、例えば、前記形質転換体の全体でもよいし、部分でもよい。前記形質転換体が、前記植物体またはその部分の場合、前記繁殖材料は、例えば、種子、果実、シュート、塊茎等の茎、塊根等の根、株、プロトプラスト、カルス等があげられる。
本発明の形質転換体の繁殖方法は、特に制限されず、公知の方法が採用できる。前記繁殖方法は、例えば、有性生殖および無性生殖のいずれでもよく、好ましくは無性生殖である。前記無性生殖による繁殖は、例えば、栄養繁殖(vegetative propagation)があげられ、栄養生殖(vegetative reproduction)ともいう。前記栄養繁殖の方法は、特に制限されず、前記植物体またはその部分の場合、例えば、挿し芽、挿し木による繁殖、器官からの植物個体への細分化、カルスによる増殖等があげられる。前記器官は、例えば、前述したような葉、茎、根等が利用できる。
前記形質転換体を栄養繁殖することにより得られる繁殖体を、以下、本発明の栄養繁殖体という。本発明の栄養繁殖体は、前記本発明の形質転換体と同一の性質を有することが好ましい。本発明の栄養繁殖体は、前記形質転換体と同様に、特に制限されず、例えば、植物体またはその部分があげられる。
また、前記形質転換体を有性生殖した場合、例えば、種子、これから生育した生育体等の子孫が得られる。本発明の子孫は、前記本発明の形質転換体と同一の性質を得ることが好ましい。本発明の子孫は、例えば、前記形質転換体と同様に、例えば、植物体またはその部分のいずれでもよい。
本発明の形質転換体は、例えば、さらに加工してもよい。加工する前記形質転換体の種類は、特に制限されず、例えば、花、葉、枝等があげられる。前記形質転換体の加工品は、特に制限されず、例えば、花、葉、枝等を乾燥させたポプリ、押し花、ドライフラワー、プリザーブドフラワー、樹脂密封品等があげられる。また、本発明の加工品は、例えば、前記形質転換体の栄養繁殖体、器官、組織または細胞の加工品でもよい。
<形質転換体の製造方法>
本発明の形質転換体の製造方法は、前述のように、宿主に、本発明の新規遺伝子を導入する導入工程を含むことを特徴とする。本発明の形質転換体の製造方法は、宿主に、本発明の新規遺伝子を導入する導入工程を含むことを特徴とし、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の形質転換体の製造方法によれば、例えば、前記本発明の形質転換体を容易に製造できる。
本発明の形質転換体の製造方法は、さらに、前記宿主に、前記新規遺伝子を発現させる発現工程を含んでいてもよい。
前記導入工程において、本発明の新規遺伝子を前記宿主に導入する方法は、特に制限されず、例えば、前記本発明の新規タンパク質の製造方法における前記ポリヌクレオチドを前記宿主に導入する方法の説明を援用できる。本発明の製造方法において、前記宿主は、植物が好ましい。
前記発現工程は、例えば、宿主内で、本発明の新規遺伝子から本発明の新規タンパク質を発現させる工程である。前記発現工程において、前記宿主は、例えば、本発明の新規遺伝子または前記発現ベクターが導入された形質転換体であることが好ましく、前記形質転換体の培養により、前記宿主において本発明の新規タンパク質を発現させることが好ましい。
前記宿主が植物の場合、本発明の形質転換体の製造方法は、さらに、前記導入工程により得られた形質転換体を繁殖する繁殖工程を含んでもよい。前記繁殖工程における繁殖方法は、例えば、前述の説明を援用できる。また、本発明の形質転換体の製造方法は、繁殖した形質転換体から採種する採種工程を含んでもよく、さらに、前記採種工程で得られた種子から生育体を生育する生育工程を含んでもよい。
<新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法>
本発明の新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」ともいう。)は、前述のように、前記本発明の新規タンパク質に変異を導入した候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する選抜工程を含むことを特徴とし、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明のスクリーニング方法によれば、例えば、蛍光活性を有するタンパク質を容易にスクリーニングできる。本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記本発明の新規タンパク質、新規遺伝子、発現ベクター、および製造方法等の説明を援用できる。
前記候補タンパク質は、前記本発明の新規タンパク質に変異を導入したタンパク質である。前記新規タンパク質に導入する変異の種類は、特に制限されず、例えば、アミノ酸の欠失、置換、挿入および/または付加である。具体例として、前記候補タンパク質は、例えば、前記新規タンパク質のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、または前記新規タンパク質のアミノ酸配列に対して、80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質があげられる。
前記候補タンパク質のアミノ酸配列において、「1もしくは数個」は、例えば、1〜43個、1〜33個、1〜22個、1〜11個、1〜9個、1〜7個、1〜5個、1〜3個、1または2個である。
前記候補タンパク質のアミノ酸配列において、「同一性」は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
前記候補タンパク質は、前記候補タンパク質のアミノ酸配列に基づき、公知のタンパク質の合成方法により製造してもよいし、遺伝子工学的手法により製造してもよい。後者の場合、本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記新規タンパク質をコードする塩基配列、すなわち、本発明の新規遺伝子に変異を導入し、変異ポリヌクレオチドを作製する変異工程、前記変異ポリヌクレオチドから前記候補タンパク質を発現させる発現工程を含む。
前記変異工程において、前記新規遺伝子に導入する変異は、特に制限されず、例えば、塩基の欠失、置換、挿入および/または付加である。前記新規遺伝子への変異の導入方法は、特に制限されず、例えば、公知のポリヌクレオチドへの変異導入方法により実施でき、具体例として、前記本発明の新規遺伝子のポリヌクレオチドのランダムな断片化とPCRを用いる再結合により、遺伝子を再構築する方法(いわゆる、DNAシャフリング法)等があげられる。
前記発現工程において、前記変異ポリヌクレオチドを発現させる方法は、特に制限されず、例えば、前述の本発明の新規タンパク質の製造方法の説明を援用でき、無細胞タンパク質合成系を使用してもよいし、宿主を使用してもよい。前記宿主は、例えば、原核生物、特に、大腸菌(Escherichia coli)を用いることが好ましい。
本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記発現工程において得られた候補タンパク質を精製する工程を含んでもよい。前記精製方法は、特に制限されず、例えば、塩析、各種カラムクロマトグラフィー等があげられる。前記各種精製工程において使用する溶媒は、特に制限されず、例えば、緩衝液が使用できる。本発明のスクリーニング方法は、例えば、前記発現工程において得られた候補タンパク質を、そのまま後述する選抜工程で使用してもよいし、部分的に精製した部分精製候補タンパク質を使用してもよいし、単一に精製した精製候補タンパク質を使用してもよい。
前記選抜工程は、候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸が、N以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する工程である。
前記選抜工程において、選抜された候補タンパク質の170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸は、N以外のアミノ酸である。N以外のアミノ酸は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり、好ましくは、DまたはEである。
前記選抜工程において、前記選抜された候補タンパク質は、170番目のアミノ酸が、例えば、DまたはEに置換されており、且つ乾燥耐性を有することが好ましい。
前記選抜工程において、前記候補タンパク質のアミノ酸配列の同定方法は、特に制限されず、例えば、公知のアミノ酸の同定方法により実施できる。前記候補タンパク質を前記変異ポリヌクレオチドから発現させる場合、前記候補タンパク質のアミノ酸配列は、例えば、前記変異ポリヌクレオチドの塩基配列のコドンを対応するアミノ酸配列に置き換えることで同定してもよい。
前記選抜工程において、前記候補タンパク質の乾燥耐性の確認方法は、特に制限されず、公知の乾燥耐性の確認方法が使用でき、例えば、前記乾燥耐性の測定方法と同様の方法により、確認できる。
本発明のスクリーニング方法は、前記選抜工程において、前記配列番号1のアミノ酸配列に対して、80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、乾燥耐性を有するタンパク質を選抜することが好ましい。前記「同一性」は、例えば、前記選抜された候補タンパク質が、前記乾燥耐性を有する範囲であればよい。前記「同一性」は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。
[実施例1]
本発明のスクリーニング方法により、新規蛍光タンパク質をスクリーニングできることを確認した。
(1)発現ベクターの構築
Error−prone PCR法を用いて、変異ポリヌクレオチドを作製し、前記変異ポリヌクレオチドをベクターに連結して、変異ポリヌクレオチド発現ベクターを構築した。具体的には、以下のようにして行った。まず、CpYGFPのポリヌクレオチド(配列番号3)を、以下のプライマーセットを用いて、PCR(Polymerase Chain Reaction)により増幅し、ランダムに変異が挿入された変異ポリヌクレオチドを得た。PCR反応液は、GeneMorph II Random Mutagenesis Kit(200550、Agilent Technologies社製)のキットを用い、説明書に従って調製した。
プライマーセット
プライマー配列1(配列番号8)
5'-ATGCTTCCGGCTCGTATGTTG-3'
プライマー配列2(配列番号9)
5'-GTACGGCCGACTAGTAGGCC-3'
前記変異ポリヌクレオチドを、制限酵素HindIIIおよびEcoRIを用いて切断し、前記制限酵素で切断したpEGFPベクター(clonetec社製)に連結した。前記pEGFPベクターは、EGFP部分において、CpYGFPのポリヌクレオチド(配列番号3)の5’末端にHisタグ配列を付加した配列(CpYGFPベクター挿入配列(配列番号10))が挿入されたベクターを使用した。前記ベクター挿入配列(配列番号10)の塩基配列は、以下の通りである。以下の塩基配列において、かっこで囲んだ塩基配列が、CpYGFPのポリヌクレオチドに対応する塩基配列であり、かっこで囲んだ外における下線部の塩基配列が、Hisタグ配列である。前記変異ポリヌクレオチドを挿入したベクターを、変異ポリヌクレオチド発現ベクターとした。このようにして、多数の変異ポリヌクレオチド発現ベクターを得た。
(2)大腸菌への導入
大腸菌DH5α株に、前記変異ポリヌクレオチド発現ベクターを、それぞれ単独で、ヒートショック法により形質導入した。得られた形質転換体を、抗生物質(カルベニシリン)100μg/mLを含有するLB培地を用いて培養した。
(3)蛍光活性の確認
そして、培養した菌体を集菌し、光源として、LEDUV光源(NS375LIM、ナイトライド・セミコンダクター株式会社製)、フィルタとして、UL360(オーエムジー株式会社製)を用いて、前記菌体の蛍光活性を確認した。
(4)大腸菌のシーケンス
前記(3)で蛍光活性が確認できた菌体のコロニーを収集し、プラスミドを精製し、以下の条件でダイレクトシーケンスに供した。シーケンスプライマーは、前記(1)の前記プライマーセットを用いた。その結果、蛍光活性が確認できた前記菌体は、前記本発明の新規遺伝子(配列番号4)を有していることが確認できた。これらの結果から、本発明のスクリーニング方法により、本発明の新規蛍光タンパク質をスクリーニングできることがわかった。
[ダイレクトシーケンスの条件]
シーケンサー ABI 3130xl(Applied Biosystems社製)
シーケンス試薬 BigDye Terminator V1-1 cycle sequencing kit(Applied Biosystems社製)
[実施例2]
本発明の新規タンパク質が蛍光活性を有することを確認した。
(1)サンプル精製
実施例1で得られた、前記本発明の新規遺伝子(配列番号4)を有する菌体のコロニーを収集し、抗生物質(カルベニシリン)100μg/mLを含有するLB培地において、37℃で18時間培養した。そして、培養した菌体を、6000rpm、4℃の条件で、10分間遠心し、集菌した。得られたペレットを、PBS溶液を用いて、1回洗浄した。前記洗浄後のペレットを、1.6mLのPBS溶液に懸濁した。つぎに、得られた懸濁液を、超音波ホモジナイザー(QSONICA、和研薬株式会社製)を用いて、Amp30%、1分間の条件で、超音波処理した。そして、前記処理後の懸濁液を、1300rpm、4℃の条件で、10分間遠心し、得られた上清を回収した。前記上清に、0.2ml(50%スラリー)のTALON(登録商標)Metal Affinity Resin(Z5502N、TAKARA社製)を加え、室温で1時間反応させた。前記反応液を、PBS溶液を用いて洗浄した後、300mMのイミダゾールを含有する0.5mlのPBS溶液を加え、タンパク質を溶出させた。そして、アミコンウルトラ−0.5(UFC5010、Merck Millipore社製)を用いて、前記反応液のバッファー交換を行い、PBS溶液に置換した。前記形質転換体から得られた精製サンプルを、YGFP N170Dタンパク質とし、以下の実験に使用した。前記各精製サンプル中のタンパク質濃度は、前記各サンプルを、10%SDS溶液で希釈した後、Pierce BCA Protein Assay Kit(♯23225、Pierce社製)を用いて発色させ、マイクロプレートリーダー(Infinite(登録商標) M1000Pro、TECAN社製)を用いて、562nmにおける吸光度を測定することにより決定した。また、同様にして、前記本発明の新規遺伝子(配列番号7)を有する菌体から、YGFP N170Eタンパク質を含む精製サンプルを調製した。
(2)蛍光活性の測定
前記YGFP N170Dタンパク質および前記YGFP N170Eタンパク質を、それぞれ、前記(1)で得られた前記タンパク質濃度に基づき、前記サンプル中のタンパク質濃度が、2μmol/Lとなるように希釈した。前記希釈後のサンプル70μLについて、前記マイクロプレートリーダーを用い、下記測定条件で蛍光強度(FI)を測定した。また、ポジティブコントロールとして、前記YGFP N170Dおよび前記YGFP N170Eに代えて、既知の蛍光タンパク質であるBK15(配列番号11)を用いた以外は同様にして、測定した。配列番号11のアミノ酸配列は、以下の通りである。以下のアミノ酸配列において、四角で囲んだアミノ酸(N)は、170番目のアミノ酸(アスパラギン)である。
(測定条件)
励起波長:350〜650nm(バンド幅:5nm)
蛍光(検出)波長:350〜650nm(バンド幅:5nm)
レーザー強度(Gain):100
YGFP N170Dについて、励起波長(Ex)が405nmであり、蛍光波長(Em)が508nmの場合の結果を、YGFP N170Eについて、励起波長(Ex)が406nmであり、蛍光波長(Em)が505nmの場合の結果を、および、ポジティブコントロール(BK15)について、励起波長(Ex)が398nmであり、蛍光波長(Em)が512nmの場合の結果を、表1に示す。表1に示すように、YGFP N170D、およびYGFP N170Eは、BK15と比較して、より高い蛍光活性を示した。この結果から、本発明の新規蛍光タンパク質が、蛍光活性を有することがわかった。
[実施例3]
本発明の新規タンパク質が乾燥耐性を有することを確認した。
前記実施例2のYGFP N170DおよびYGFP N170Eを使用し、乾燥耐性を測定した。乾燥耐性の測定は、以下のようにして行った。
前記YGFP N170Dタンパク質およびYGFP N170Eタンパク質を、それぞれ、前記実施例2(1)で得られた前記タンパク質濃度に基づき、前記サンプル中のタンパク質濃度が、5、および0.5μg/mLとなるように希釈した。乾燥耐性の測定は、マイクロフィルトレーション装置(Bio−Dot(登録商標)、Biorad社製)を用いて行った。前記装置に、濾紙として、3枚のバイオドットSFフィルターペーパー(1620161、Biorad社製)、メンブレンとして、ニトロセルロースメンブレン(162-0147、Biorad社製)を配置した。前記装置のウェルに、500μLの前記希釈後の各サンプル(それぞれ、2.5、および0.25μgの前記タンパク質に相当)を分注した。そして、プロトコルに従い、吸引濾過を行い、前記サンプルに含まれるタンパク質を、前記メンブレンに吸着させた。前記吸着後の前記膜について、MINI UV LED UNIT(NITRIDE社製)を用い、紫外光条件下(395nm)において、PowerShot SX420 IS(Canon社製)で撮影した(ブロット直後)。前記撮影は、ISO感度ISO3,200、絞り値 F3.5、シャッタースピード 1/20の条件で行った。次に、前記膜を、室温で静置し、水分を蒸発させた。そして、前記乾燥開始から1日後(Day1)、および7日後(Day7)に、ブロット直後における撮影と同様の条件で、撮影を行った。また、コントロール1として、前記YGFP N170DおよびYGFP N170Eに代えて、前記BK15を使用し、コントロール2として、前記サンプルに代えて、タンパク質未添加のPBS溶液(0μg)を用いた以外は同様にして、実験を行った。
この結果を図1に示す。図1は、ブロット直後、Day1およびDay7における、YGFP N170Dの蛍光を撮影した結果であり、各図において、左から順に、2.5、0.25および0μgの前記タンパク質を吸着させた結果を示し、上から順に、YGFP N170D、YGFP N170EおよびBK15の結果を示す。図1に示すように、ブロット直後では、2.5μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいて、YGFP N170D、YGFP N170EおよびBK15のバンドが検出された。0.25μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいても、YGFP N170D、YGFP N170EおよびBK15のバンドがわずかに検出された。Day1では、2.5μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいて、YGFP N170DおよびYGFP N170Eのバンドが検出された。一方、BK15のバンドはわずかに検出された。さらに、0.25μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいて、YGFP N170Eのバンドがわずかに検出された。Day7では、2.5μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいて、YGFP N170DおよびYGFP N170Eのバンドが検出された。一方、BK15のバンドはわずかに検出された。さらに、0.25μgのタンパク質を吸着させたレーンにおいて、YGFP N170Eのバンドがわずかに検出された。このように、YGFP N170DおよびYGFP N170Eは、乾燥開始から1日および7日が経過しても、蛍光活性を有していた。以上から、本発明の新規蛍光タンパク質が、BK15と比較して、乾燥耐性を有することがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
この出願は、2018年3月30日に出願された日本出願特願2018―068235を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
本発明によれば、新規な蛍光タンパク質を提供できる。このため、本発明は、例えば、生命科学分野、医療分野、農芸分野等の分野において、極めて有用な技術といえる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
下記(F1)または(F2)のタンパク質であることを特徴とする、新規タンパク質。
(F1) 配列番号1のアミノ酸配列において、
170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質
(F2) 前記(F1)のアミノ酸配列に対して、170番目のアミノ酸を含む同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質
(付記2)
前記(F1)のタンパク質が、配列番号2および6の少なくとも一方のアミノ酸配列からなるタンパク質である、付記1記載の新規タンパク質。
(付記3)
下記(f1)および(f2)の少なくとも一方のポリヌクレオチドからなることを特徴とする、新規遺伝子。
(f1) 配列番号3の塩基配列において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、N以外のアミノ酸をコードするコドンに変異しているポリヌクレオチド
(f2) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基を含む同一性が80%以上の塩基配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(付記4)
前記配列番号3の塩基配列において、
508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、DおよびEの少なくとも一方をコードするコドンである、付記3記載の新規遺伝子。
(付記5)
381番目の塩基が、Aに置換された、付記3または4記載の新規遺伝子。
(付記6)
前記(f1)のポリヌクレオチドが、配列番号4および7の少なくとも一方の塩基配列からなるポリヌクレオチドである、付記3から5のいずれかに記載の新規遺伝子。
(付記7)
前記(f2)のポリヌクレオチドが、配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチドである、付記3から6のいずれかに記載の新規遺伝子。
(付記8)
付記3から7のいずれかに記載の新規遺伝子を含むことを特徴とする、発現ベクター。
(付記9)
付記3から7のいずれかに記載の新規遺伝子を含むことを特徴とする、形質転換体。
(付記10)
前記形質転換体が、植物である、付記9記載の形質転換体。
(付記11)
宿主に、付記3から7のいずれかに記載の新規遺伝子を導入する導入工程を含むことを特徴とする、形質転換体の製造方法。
(付記12)
さらに、前記宿主に、前記新規遺伝子を発現させる発現工程を含む、付記11記載の形質転換体の製造方法。
(付記13)
前記宿主が、植物である、付記11または12記載の形質転換体の製造方法。
(付記14)
配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質または付記1もしくは2記載の新規タンパク質に変異を導入した候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する選抜工程を含むことを特徴とする、新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法。
(付記15)
前記選抜工程において、
前記配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸が、DまたはEであり、
且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する、付記14記載のスクリーニング方法。
(付記16)
配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは付記3から6のいずれかに記載の新規遺伝子に変異を導入した変異ポリヌクレオチドがコードする候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する、付記14または15記載のスクリーニング方法。

Claims (16)

  1. 下記(F1)または(F2)のタンパク質であることを特徴とする、新規タンパク質。
    (F1) 配列番号1のアミノ酸配列において、
    170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であるアミノ酸配列からなるタンパク質
    (F2) 前記(F1)のアミノ酸配列に対して、170番目のアミノ酸を含む同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質
  2. 前記(F1)のタンパク質が、配列番号2および6の少なくとも一方のアミノ酸配列からなるタンパク質である、請求項1記載の新規タンパク質。
  3. 下記(f1)および(f2)の少なくとも一方のポリヌクレオチドからなることを特徴とする、新規遺伝子。
    (f1) 配列番号3の塩基配列において、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、N以外のアミノ酸をコードするコドンに変異しているポリヌクレオチド
    (f2) 前記(f1)のポリヌクレオチドに対して、508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基を含む同一性が80%以上の塩基配列からなり、且つ、乾燥耐性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
  4. 前記配列番号3の塩基配列において、
    508番目の塩基、509番目の塩基、および510番目の塩基が、DおよびEの少なくとも一方をコードするコドンである、請求項3記載の新規遺伝子。
  5. 381番目の塩基が、Aに置換された、請求項3または4記載の新規遺伝子。
  6. 前記(f1)のポリヌクレオチドが、配列番号4および7の少なくとも一方の塩基配列からなるポリヌクレオチドである、請求項3から5のいずれか一項に記載の新規遺伝子。
  7. 前記(f2)のポリヌクレオチドが、配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチドである、請求項3から6のいずれか一項に記載の新規遺伝子。
  8. 請求項3から7のいずれか一項に記載の新規遺伝子を含むことを特徴とする、発現ベクター。
  9. 請求項3から7のいずれか一項に記載の新規遺伝子を含むことを特徴とする、形質転換体。
  10. 前記形質転換体が、植物である、請求項9記載の形質転換体。
  11. 宿主に、付記3から7のいずれかに記載の新規遺伝子を導入する導入工程を含むことを特徴とする、形質転換体の製造方法。
  12. さらに、前記宿主に、前記新規遺伝子を発現させる発現工程を含む、請求項11記載の形質転換体の製造方法。
  13. 前記宿主が、植物である、請求項11または12記載の形質転換体の製造方法。
  14. 配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質または請求項1もしくは2記載の新規タンパク質に変異を導入した候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する選抜工程を含むことを特徴とする、新規蛍光タンパク質のスクリーニング方法。
  15. 前記選抜工程において、
    前記配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸に対応するアミノ酸が、DまたはEであり、
    且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する、請求項14記載のスクリーニング方法。
  16. 配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは請求項3から6のいずれか一項に記載の新規遺伝子に変異を導入した変異ポリヌクレオチドがコードする候補タンパク質から、配列番号1のアミノ酸配列における170番目のアミノ酸がN以外のアミノ酸であり、且つ乾燥耐性を有するタンパク質を選抜する、請求項14または15記載のスクリーニング方法。
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