JPWO2019182002A1 - λ/4型電波吸収体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体を提供することを目的とする。本発明は、モリブデンを含む抵抗皮膜、誘電体層、及び反射層をこの順で有するλ/4型電波吸収体である。

Description

本発明は、優れた耐久性を有するλ/4型電波吸収体に関する。
近年、携帯電話やスマートフォン等の携帯通信機器の普及が急速に進んでおり、また自動車等において多くの電子機器が搭載されるようになり、これらから発生する電波・ノイズが、電波障害、他の電子機器の誤動作等の問題が多発している。このような電波障害、誤動作等を防止する方策として、各種の電波吸収体が検討されている。例えば、特許文献1には、厚さがほぼλ/4(ここでλは、誘電体内での電波の波長を表す。)の誘電体スペーサの裏面に完全反射体を装着し、表面にイオンプレーティング、蒸着、スパッタ等によって作成した抵抗皮膜を有するλ/4型電波吸収体が開示されている。
特開平5−114813号公報
従来のλ/4型電波吸収体は、抵抗皮膜であるITO(スズドープ酸化インジウム)、誘電体及びアルミニウム等の導電層を積層させた構造である。このITOは、低コスト化等の理由からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の高分子フィルムに成膜されていることが多い。高分子フィルムは高い温度にて加熱することができないため、ITOを加熱成膜することができず、アモルファス状態での成膜となる。アモルファス膜は比抵抗が高く、大気中での耐久性・薬品安定性等が低い。このため、通常は成膜されたITO膜を後工程でアニールして結晶化させることにより膜物性を向上させる。
しかしながら、高分子フィルムはアニール温度を高くすることができないため、例えば140℃で1時間というような、比較的低い温度で長い時間でのアニールが必要となる。従って、アニール工程の必要がない金属膜をITOの代わりに抵抗皮膜として用いることができれば、成膜後のアニールは必要なくなり、大幅な生産性の向上とコストの低減が期待できる。また、ITOは、インジウムを多く含むが、インジウムは埋蔵量よりも多い使用量が見込まれている金属であり、資源枯渇が懸念されている。このため、ITOに代わる抵抗皮膜材料の開発が期待されている。
ただ、多くの金属膜は、376.7Ω/□を有するλ/4型電波吸収体用抵抗皮膜として用いた場合、大気中での耐久性に劣り、λ/4型電波吸収体の電波吸収性が経時的に低下してしまうことがあるという問題がある。λ/4型電波吸収体用抵抗皮膜は、表面抵抗値が376.7Ω/□±10%でなければならない。
本発明は、上記現状に鑑み、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体を提供することを目的とする。
本発明は、モリブデンを含む抵抗皮膜、誘電体層、及び反射層をこの順で有するλ/4型電波吸収体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、金属膜をλ/4型電波吸収体の抵抗皮膜として用いた場合に耐久性が劣る原因について検討した。その結果、λ/4型電波吸収体を構成する抵抗皮膜の表面抵抗値が、経時的に大きく変動してしまうことが電波吸収性低下の一因となっていることを見出した。
これまでにITOに代わるλ/4型電波吸収体の抵抗皮膜としてステンレス鋼(鉄・クロム合金、SUS)やニッケル・クロム合金等の合金や、チタン等の金属が検討されてきた。例えば、抵抗皮膜としてSUSやニッケル・クロム合金を用いた場合、抵抗皮膜の表面には厚さ10nm以下の不動態皮膜が形成され、安定化する。しかしながら、このような抵抗皮膜を放置すると、大気中の塩分(塩素イオン)が表面に付着することにより、不動態皮膜が破壊され、抵抗皮膜自体も損傷して、表面抵抗値が変動してしまうものと考えられた。また、例えば、抵抗皮膜としてチタンを用いた場合には、表面抵抗値が376.7Ω/□を満足するチタンの膜厚が1nm程度と、薄くなる。このために、抵抗皮膜を放置すると、大気中の酸素によりチタンが酸化され、表面から酸化チタンに置換されて表面抵抗値が変動してしまうものと考えられた。
本発明者らは、鋭意検討の結果、モリブデンを含有する合金を用いて抵抗皮膜を形成した場合には、大気下に放置したときにでも抵抗皮膜の表面抵抗値の変動を小さくして、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体を製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のλ/4型電波吸収体は、モリブデンを含む抵抗皮膜、誘電体層、及び反射層をこの順で有する。すなわち、本発明のλ/4型電波吸収体は、抵抗被膜、誘電体及び反射層がこの順で積層された層構造を有する。抵抗被膜と誘電体及び、誘電体と反射層との間には、粘着層等の他の層が積層されてもよい。抵抗皮膜と反射層を、誘電体層を介してλ/4離れた位置に配置することによりλ/4型電波吸収体を得ることができる。また、抵抗皮膜がモリブデンを含有することにより、大気下に放置したときにでも抵抗皮膜の表面抵抗値の変動を小さくして、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体とすることができる。耐久性が向上する理由についてはこの理論に束縛されるものでないが、モリブデンを含有することで酸化性雰囲気下のみならず、還元性雰囲気下においても耐食性が向上するためではないかと考えられる。なお、ここでλは、上記誘電体内での電波の波長を表す。
上記モリブデンの含有量の下限は特に限定されないが、より耐久性を高める観点から、5重量%が好ましく、7重量%がより好ましく、9重量%が更に好ましく、11重量%がより更に好ましく、13重量%が特に好ましく、15重量%が非常に好ましく、16重量%が最も好ましい。また、上記モリブデンの含有量の上限は、表面抵抗値の調整の容易化の観点から、30重量%が好ましく、25重量%がより好ましく、20重量%が更に好ましい。
上記抵抗皮膜は、上記モリブデンを含有していれば特に限定されないが、ニッケル及びクロムを更に含有することが好ましい。
抵抗皮膜にモリブデンに加えてニッケル及びクロムを含有することでより耐久性に優れたλ/4型電波吸収体とすることができる。ニッケル、クロム及びモリブデンを含有する合金としては、例えば、ハステロイB−2、B−3、C−4、C−2000、C−22、C−276、G−30、N、W、X等の各種グレードが挙げられる。
上記抵抗皮膜がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、モリブデンの含有量が5重量%以上、ニッケルの含有量が40重量%以上、クロムの含有量が1重量%以上であることが好ましい。
モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量が上記範囲であることで、より耐久性に優れたλ/4型電波吸収体とすることができる。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が7重量%以上、ニッケル含有量が45重量%以上、クロム含有量が3重量%以上であることがより好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が9重量%以上、ニッケル含有量が47重量%以上、クロム含有量が5重量%以上であることが更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が11重量%以上、ニッケル含有量が50重量%以上、クロム含有量が10重量%以上であることがより更に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が13重量%以上、ニッケル含有量が53重量%以上、クロム含有量が12重量%以上であることが特に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が15重量%以上、ニッケル含有量が55重量%以上、クロム含有量が15重量%以上であることが非常に好ましい。上記モリブデン、ニッケル及びクロムの含有量は、モリブデン含有量が16重量%以上、ニッケル含有量が57重量%以上、クロム含有量が16重量%以上であることが最も好ましい。
また、上記ニッケルの含有量は、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることが更に好ましい。上記クロム含有量の上限は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることが更に好ましい。
上記抵抗皮膜の上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属としては、例えば、鉄、コバルト、タングステン、マンガン、チタン等が挙げられる。上記抵抗皮膜がモリブデン、ニッケル及びクロムを含有する場合、上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の上限は、抵抗皮膜の耐久性の観点から、好ましくは45重量%、より好ましくは40重量%、更に好ましくは35重量%、より更に好ましくは30重量%、特に好ましくは25重量%、非常に好ましくは23重量%である。上記モリブデン、ニッケル及びクロム以外の金属の合計含有量の下限は、例えば1重量%以上である。
上記抵抗皮膜が鉄を含有する場合、抵抗皮膜の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は25重量%、より好ましい上限は20重量%、更に好ましい上限は15重量%であり、好ましい下限は1重量%である。上記抵抗皮膜がコバルト及び/又はマンガンを含有する場合、抵抗皮膜の耐久性の観点から、それぞれ独立して、含有量の好ましい上限は5重量%、より好ましい上限は4重量%、更に好ましい上限は3重量%であり、好ましい下限は0.1重量%である。上記抵抗皮膜がタングステンを含有する場合、抵抗皮膜の耐久性の観点から、含有量の好ましい上限は8重量%、より好ましい上限は6重量%、更に好ましい上限は4重量%であり、好ましい下限は1重量%である。
上記抵抗皮膜は、ケイ素及び/又は炭素を含有してもよい。抵抗皮膜がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、それぞれ独立して、1重量%以下であることが好ましく0.5重量%以下であることがより好ましい。また、抵抗皮膜がケイ素及び/又は炭素を含有する場合、上記ケイ素及び/又は炭素の含有量は、0.01重量%以上であることが好ましい。
上記含有量の測定は、X線光電分光法(XPS)により測定することができる。
より具体的には、(アルバックファイ社製、PHI5000 VersaProbeII、又はその同等品)を用いて、X線源を単色化AlKα(1486.6eV)、Arイオンの加速電圧を1kVにして、表面のXPSスペクトルを測定する。
上記抵抗被膜は、基材を有していてもよい。基材は樹脂フィルムであってよく、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、並びにポリウレタンフィルム等が挙げられる。基材フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば10〜300μmである。
上記誘電体としては特に限定されず、有機発泡体、有機高分子シート、有機高分子フィルム等の、従来公知のλ/4型電波吸収体に用いられる誘電体を用いることができる。また、上記誘電体層の厚さは、上記誘電体層に用いる誘電体内における電波の波長の4分の1の長さである。
上記反射層の材料は特に限定されず、従来公知のλ/4型電波吸収体に用いられる電波反射膜を用いることができる。電磁反射膜としては、金属薄膜、例えば、アルミニウム薄膜、銅薄膜、銀薄膜、鉄薄膜、及び金属化合物薄膜、例えばITO薄膜等が挙げられる。また、上記反射層の厚さは、特に限定されないが、好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は2.0mmである。
本発明のλ/4型電波吸収体は、上記抵抗皮膜の少なくとも一方の表面上にバリア層を有することが好ましく、上記抵抗皮膜の両方の表面上にバリア層を有することがより好ましい。
抵抗皮膜の少なくとも一方の表面にバリア層を形成することによって高温高湿下における耐久性が向上し、更に耐久性に優れるλ/4型電波吸収体とすることができる。また、抵抗皮膜の両方の表面にバリア層を形成することによって、高温高湿下における耐久性を更に向上させ、同時に耐久性に更に優れるλ/4型電波吸収体とすることができる。上記バリア層の材料としては、例えば、金属化合物が挙げられ、具体的にはSiO、SiO、Al、MgAl、CuO、CuN、TiO、TiN、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)等が挙げられる。なかでも高温高湿下での耐久性をより向上できることから、ケイ素、チタン及び銅の、酸化物又は窒化物を含むことが好ましい。なお、上記バリア層の材料は、単独で用いてもよく複数を組み合わせて用いてもよい。
上記バリア層の厚みは特に限定されないが9nm以下であることが好ましい。
バリア層が9nm以下であることでより高温高湿下の耐久性に優れたλ/4型電波吸収体とすることができる。高温高湿下の耐久性をさらに高める観点から、上記バリア層の厚みのより好ましい上限は8nm、更に好ましい上限は7nm、さらにより好ましい上限は6nm、特に好ましい上限は5nm、とりわけ好ましい上限は4nm、非常に好ましい上限は3.4nmである。驚くべきことに、上記上限以下であることにより高温高湿下の耐久性をより向上できることが見出だされた。上記バリア層の厚みの下限は特に限定されないが、高温高湿下の耐久性を高める観点から、0.3nmであることが好ましく、0.5nmであることがより好ましく、0.7nmであることが更に好ましく、0.8nmであることが特に好ましい。
上記バリア層の厚みは、断面測定により測定できる。
より具体的には、抵抗皮膜にカーボン蒸着を施し、FIB−SEM(FEI社製、Scios、又はその同等品)により断面を作製後、その断面をTEM(日本電子社製、JEM−ARM200F、又はその同等品)を用いて、加速電圧200kVで測定する。
本発明のλ/4型電波吸収体の製造方法は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の基材にイオンプレーティング、蒸着、スパッタ等の方法により抵抗皮膜と、必要に応じてバリア層を形成し、抵抗皮膜又はバリア層上に粘着テープを介して誘電体層と反射層を積層することによって製造することができる。なお、各層の積層方法は粘着テープに限定されない。
本発明によれば、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記PETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、厚みが9.9nmの抵抗皮膜を形成した。スパッタリングは表1の組成を持つ合金をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。次いで、形成した抵抗皮膜上に粘着テープ(寺岡製作所707#4、厚み30μm)を介して厚み300μmのポリカーボネートからなる誘電体層を積層し、更に誘電体層上に粘着テープを介して厚さ2mmのアルミニウムからなる反射層を積層してλ/4型電波吸収体を得た。
なお、抵抗皮膜の厚さは、上記バリア層の厚みと同様にして測定した。
(実施例2)
基材として、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記PETフィルム上にケイ素ターゲットを使い、DCパルススパッタリングにより、出力1.0kW、Arガス流量100sccm及び酸素ガス流量10sccmを導入して圧力0.12Paとなるように調整し、厚みが3.4nmのバリア層1を形成した。次いで、バリア層1上にDCパルススパッタリングにより、厚みが9.1nmの抵抗皮膜を形成した。スパッタリングは表1の組成を持つ合金をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmを導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。その後、抵抗皮膜上に実施例1と同様の方法で誘電体層と反射層を積層してλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例3)
基材として、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記PETフィルム上に、DCパルススパッタリングにより、厚みが9.1nmの抵抗皮膜を形成した。スパッタリングは表1の組成を持つ合金をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。次いで、抵抗皮膜上にケイ素ターゲットを使い、出力1.0kW、Arガス流量100sccm及び酸素ガス流量10sccmを導入して圧力0.12Paの条件でDCパルススパッタリングを行うことにより、厚さ2.2nmの二酸化ケイ素からなるバリア層2を形成した。その後、バリア層2上に実施例1と同様の方法で誘電体層と反射層を積層してλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例4)
基材として、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意した。上記PETフィルム上にケイ素ターゲットを使い、出力1.0kW、Arガス流量100sccm及び酸素ガス流量10sccmを導入して圧力0.12Paの条件でDCパルススパッタリングを行うことにより、厚みが3.4nmのバリア層1を形成した。次いで、バリア層1上にDCパルススパッタリングにより、厚みが9.2nmの抵抗皮膜を形成した。スパッタリングは表1の組成を持つ合金をターゲットに用い、出力0.4kW、Arガス流量100sccmで導入して圧力0.12Paとなるように調整して行った。次いで、抵抗皮膜上にケイ素ターゲットを使い、出力1.0kW、Arガス流量100sccm及び酸素ガス流量10sccmを導入して圧力0.12Paの条件でDCパルススパッタリングを行うことより、厚さ2.2nmの二酸化ケイ素からなるバリア層2を形成した。その後、バリア層2上に実施例1と同様の方法で誘電体層と反射層を積層してλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例5、6)
抵抗皮膜及びバリア層1、2の厚さを表1の通りとした以外は実施例4と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例7)
バリア層1の厚さを表1の通りとした以外は実施例2と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例8)
バリア層2の厚さを表1の通りとした以外は実施例3と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
(実施例9〜12)
スパッタリングのターゲットに用いる合金の組成及び抵抗皮膜の厚さを表1の通りとした以外は実施例4と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
(比較例1)
抵抗皮膜の組成及び厚さを表1の通りとした以外は実施例1と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
(比較例2)
抵抗皮膜の組成及び厚さと、バリア層1、2の厚さを表1の通りとした以外は実施例4と同様にしてλ/4型電波吸収体を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたλ/4型電波吸収体について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(電磁波吸収性能の評価)
PNAマイクロ波ネットワーク・アナライザ N5227A(キーサイト社製)、PNA−Xシリーズ2ポート用ミリ波コントローラ N5261A(キーサイト社製)、ホーンアンテナ FSS−07(HVS社製)を用いて電波吸収測定装置を構成した。この電波吸収測定装置を用いて、得られたλ/4型電波電磁波吸収体のWバンド(75〜110GHz)での電波吸収量をJIS R1679に基づいて測定した。なお、λ/4型電波吸収体は、電波入射方向が垂直入射かつ基材側からの入射となるようにセットした。得られた吸収量について、測定範囲における最大の電波吸収量が20dB以上であった場合をA、20dB未満であった場合をBとして電磁波吸収性能を評価した。
(電磁波吸収能耐久性の評価)
各実施例、比較例における抵抗被膜の両端部に銀ペーストで電極を作り、その電極間に実施例1と同様にして誘電体層及び反射層を積層し、各実施例、比較例に対応する測定用λ/4型電波吸収体を作製した。作製した後抵抗を測定した(試験前の抵抗)。次いで、測定用のλ/4型電波吸収体を温度85℃、湿度85%下で500時間放置する高温高湿試験を行い、その後抵抗を測定した。得られた抵抗の値から試験前後での抵抗の変化率(試験後の抵抗/試験前の抵抗)を求めることで電磁波吸収能耐久性を評価した。
Figure 2019182002
本発明によれば、優れた耐久性を発揮するλ/4型電波吸収体を提供できる。

Claims (6)

  1. モリブデンを含む抵抗皮膜、誘電体層、及び反射層をこの順で有するλ/4型電波吸収体。
  2. 前記抵抗皮膜の少なくとも一方の表面上にバリア層を有する、請求項1に記載のλ/4型電波吸収体。
  3. 前記バリア層の厚みが9nm以下である、請求項2に記載のλ/4型電波吸収体。
  4. 前記バリア層は、ケイ素、チタン及び銅の、酸化物または窒化物を含む、請求項2又は3に記載のλ/4型電波吸収体。
  5. 前記抵抗皮膜は、ニッケル及びクロムを更に含有する、請求項1、2、3又は4のいずれかに記載のλ/4型電波吸収体。
  6. 前記抵抗皮膜におけるモリブデンの含有量が5重量%以上、ニッケルの含有量が40重量%以上、クロムの含有量が1重量%以上である、請求項5に記載のλ/4型電波吸収体。
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