JPWO2019176109A1 - 電動機制御方法及び電動機制御装置 - Google Patents

電動機制御方法及び電動機制御装置 Download PDF

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Abstract

電動機に対するトルク指令値に基づいて電圧指令値を演算し、電源電圧及び電圧指令値に基づいて変調率を演算し、変調率に応じて、電圧指令値の大きさと電動機への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインを演算し、電圧指令値及び補償ゲインに基づいて補償後電圧指令値を演算し、補償後電圧指令値に基づいて電動機への出力電圧を制御する電動機制御方法において、補償ゲインを所定の上限以下に制限する。

Description

本発明は、電動機制御方法及び電動機制御装置に関する。
JP2003-309993Aには、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、直流電圧を交流電圧に変換することで3相交流モータへの印加電圧を制御するモータ制御装置が提案されている。このモータ制御装置では、通常変調時(変調率≦1)の正弦波駆動方式と過変調時(変調率>1)の矩形波駆動方式を滑らかに切り替える観点から、演算された変調率に応じた補償ゲインで電圧指令値を補正し、電圧指令値の大きさとモータへの出力電圧の大きさの間の線形性を維持する処理(電圧線形補償)が実行される。
上記モータ制御装置において、何らかの要因でトルク指令値が急激に変化した場合に、ノイズ及び空間高調波などの影響により、変調率が増大することがある。これにより、変調率に応じて補償ゲインも過大な値に演算される。この過大な補償ゲインで補正された電圧指令値に基づいてモータへの出力電圧が制御されることで、モータの出力電流及び当該出力電流に基づく出力トルクの振動が生じる。
本発明は、変調率の増大に起因する電動機の出力トルクの振動を好適に抑制し得る電動機制御方法及び電動機制御装置を提供することにある。
本発明のある態様によれば、電動機に対するトルク指令値に基づいて電圧指令値を演算し、電源電圧及び電圧指令値に基づいて変調率を演算し、変調率に応じて、電圧指令値の大きさと電動機への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインを演算し、電圧指令値及び補償ゲインに基づいて補償後電圧指令値を演算し、補償後電圧指令値に基づいて電動機への出力電圧を制御する電動機制御方法が提供される。そして、この電動機制御方法では、補償ゲインを所定の上限以下に制限する。
また、本発明の他の態様によれば、電動機に対するトルク指令値に基づいて電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、電源電圧及び電圧指令値に基づいて変調率を演算する変調率演算部と、変調率に応じて、電圧指令値の大きさと電動機への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインを演算する補償ゲイン演算部と、電圧指令値及び補償ゲインに基づいて補償後電圧指令値を演算する補償後電圧指令値演算部と、補償後電圧指令値に基づいて電動機への出力電圧を制御する出力制御部と、を有する電動機制御装置が提供される。そして、この電動機制御装置は、補償ゲインを所定の上限以下に制限する補償ゲイン制限部を有する。
図1は、本発明の第1実施形態による電動機制御装置の概略構成図である。 図2は、補償ゲインの設定方法の例を説明する図である。 図3は、第2実施形態による電動機制御装置の概略構成図である。 図4は、第3実施形態による電動機制御装置の概略構成図である。 図5は、第4実施形態による電動機制御装置の概略構成図である。 図6は、第5実施形態による電動機制御装置の概略構成図である。
以下、図1〜図6に基づいて、本発明の第1実施形態〜第5実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、記載の簡略化のため、電流及び電圧等の三相成分及びd−q座標成分を、「dq軸電流値(id,iq)」、及び「三相電流値(iu,iv,iw)」等のように必要に応じてまとめて表記する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の電動機制御装置100の概略構成図である。すなわち、本実施形態の電動機制御方法は、電動機制御装置100により実行される。
図示のように、本実施形態の電動機制御装置100は、電動車両などに搭載されて車両の駆動輪に接続される電動機としてのモータ80の動作を制御する装置である。特に、電動機制御装置100は、電動車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に基づいたモータ80の要求負荷などに基づいて定まるトルク指令値T*に応じて、モータ80の動作を制御する。
本実施形態の電動機制御装置100は、トルク指令値T*に基づいて電圧指令値としてのdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を演算する電圧指令値演算部1と、変調率mの演算及び変調率mに基づいたdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)の線形補償処理を行う電圧補償処理部2と、補償後の電圧指令値である補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)に基づいてモータ80への出力電圧を制御する出力制御部3と、を有している。
特に、電圧指令値演算部1は、電流指令生成部11と、干渉電圧生成部12と、電流ベクトル制御部13と、を有している。また、電圧補償処理部2は、変調率演算部20と、補償ゲイン演算部22と、補償ゲインリミット部24と、電圧線形補償部26と、を有している。さらに、出力制御部3は、dq軸/UVW相変換部43と、PWM変換部44と、インバータ45と、回転数演算部49と、UVW相/dq軸変換部50と、を有している。
そして、電動機制御装置100の電圧指令値演算部1、電圧補償処理部2、及び出力制御部3が備える各構成の機能は、CPU等の各種演算・制御装置、ROM及びRAM等の各種記憶装置、並びに入出力インターフェース等を備える電動機制御装置100を構成する1又は2以上のコンピュータにより実現される。以下では、電圧指令値演算部1、電圧補償処理部2、及び出力制御部3の詳細を説明する。
先ず、電圧指令値演算部1の電流指令生成部11は、トルク指令値T*を取得するともに、回転数演算部49からモータ回転数Nを受信する。そして、電流指令生成部11は、トルク指令値T*及びモータ回転数Nに基づき、d軸電流指令値id*、及びq軸電流指令値iq*を演算する。
より詳細には、電流指令生成部11は、トルク指令値T*、モータ回転数N、及びdq軸電流指令値(id*,iq*)の間の関係を定めた所定のテーブルに基づいて、トルク指令値T*及びモータ回転数Nからdq軸電流指令値(id*,iq*)を演算する。なお、上記テーブルは、例えば、モータ回転数N及びトルク指令値T*に対して、所定のモータ温度の場合に所望のトルクを得る観点から好適なdq軸電流指令値(id*,iq*)を実験的又は解析的な方法で予め定めたものである。
そして、電流指令生成部11は、演算したdq軸電流指令値(id*,iq*)を電流ベクトル制御部13に出力する。
干渉電圧生成部12は、トルク指令値T*、電源電圧としてのバッテリ電圧Vdc、及び回転数演算部49からのモータ回転数Nを取得する。干渉電圧生成部12は、実験又は解析により予め定められたテーブルを用いて、トルク指令値T*及びモータ回転数Nからd軸干渉電圧vd_dcpl*、及びq軸干渉電圧vq_dcpl*を演算する。干渉電圧生成部12は、演算したdq軸干渉電圧(vd_dcpl*,vq_dcpl*)を電流ベクトル制御部13に出力する。
電流ベクトル制御部13は、電流指令生成部11からdq軸電流指令値(id*,iq*)を受信し、干渉電圧生成部12からdq軸干渉電圧(vd_dcpl*,vq_dcpl*)を受信する。さらに、電流ベクトル制御部13は、出力制御部3のUVW相/dq軸変換部50から、モータ80の出力電流であるd軸電流値id、及びq軸電流値iqを受信する。
電流ベクトル制御部13は、dq軸電流値(id,iq)、dq軸電流指令値(id*,iq*)、及びdq軸干渉電圧(vd_dcpl*,vq_dcpl*)に基づき、d軸及びq軸の間で相互に干渉し合う速度起電力項を抑制する非干渉制御、及び電流フィードバック制御による電流ベクトル制御を行うことで、dq軸電流値(id,iq)がdq軸電流指令値(id*,iq*)に近づくようにd軸電圧指令値vdi*及びq軸電圧指令値vqi*を演算する。そして、電流ベクトル制御部13は、演算したdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を電圧補償処理部2の変調率演算部20及び電圧線形補償部26に出力する。
次に、電圧補償処理部2の変調率演算部20は、バッテリ電圧Vdcを取得するとともに、電流ベクトル制御部13からdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を受信する。変調率演算部20は、以下の式(1)に基づいて、バッテリ電圧Vdc及びdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)から変調率mを演算する。
Figure 2019176109
ここで、Vai*は、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)の振幅を意味する。以下、本実施形態においては、これを「電圧振幅指令値Vai*」と称する。すなわち、電圧振幅指令値Vai*は、以下の式(2)により定まる。
Figure 2019176109
なお、Vdi*及びVqi*はそれぞれ、d軸電圧振幅指令値及びq軸電圧振幅指令値を意味する。
すなわち、変調率mは、バッテリ電圧Vdc対するdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)の大きさ(実効値)の割合に相当するパラメータである。したがって、変調率mが1以下に演算される領域は、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)に対してバッテリ電圧Vdcに余裕がある通常変調領域であり、変調率mが1を超える領域が過変調領域となる。例えば変調率mは、モータ回転数Nに応じて好適な値に演算される。そして、変調率演算部20は、演算した変調率mを補償ゲイン演算部22に出力する。
補償ゲイン演算部22は、変調率演算部20から変調率mを受信する。補償ゲイン演算部22は、電動機制御装置100の図示しないメモリ等に予め記憶された変調率−補償ゲインテーブルを参照して、変調率mから補償ゲインKcompを設定する。
ここで、変調率m>1となる過変調領域において、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)に基づく三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさがバッテリ電圧Vdcに起因する制限を越えるため、モータ80への出力電圧を三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に完全に調整することができない。このため、三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の波形に対してモータ80への出力電圧の波形のピーク部分が台状に欠ける電圧降下が生じる。
すなわち、この場合には、三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさとモータ80の出力電圧の基本波成分の大きさとの間の関係の線形性が崩れることなる。これに対して、本実施形態では、上記電圧降下を補償するべく、三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)を補正するための補償ゲインKcompが設定される。以下、補償ゲインKcompを設定する具体的な態様について説明する。
図2は、補償ゲインKcompの設定方法の例を説明する図である。特に図2(a)には、変調率mに応じた電圧降下率Vdr、図2(b)には変調率mに応じて設定される補償ゲインKcomp(変調率−補償ゲインテーブル)、図2(c)には電圧降下率Vdrと補償ゲインKcompの乗算値を示している。
ここで、電圧降下率Vdrとは、補償ゲインKcompによる電圧降下の補償が実行されない場合において、変調率mに応じたモータ80への出力電圧の大きさに対する三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさの比率として定義される。電圧降下率Vdrは、予め実験的又は解析的に定めることができる。図2(a)から理解されるように、電圧降下率Vdrは上記線形性が維持される変調率m≦1の領域ではほぼ1となるが、上記線形性が崩れる変調率m>1の領域において1未満の値をとる。
したがって、本実施形態において補償ゲイン演算部22は、変調率m>1における電圧降下率Vdrを補償する観点から、補償ゲインKcompを電圧降下率Vdrの逆数に設定する(図2(b)参照)。このように設定された補償ゲインKcompを用いて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)を補正すれば、補償ゲインKcompと電圧降下率Vdrが相互に打ち消しあい(図2(c)参照)、上記電圧降下の影響が含まれない補正後の三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)を得ることができる。結果として、補償ゲインKcompによって補正された三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさは、モータ80への実際の出力電圧の大きさに対する線形性が維持されることとなる。
そして、補償ゲイン演算部22は、演算した補償ゲインKcompを補償ゲインリミット部24に出力する。
次に、補償ゲインリミット部24は、補償ゲイン演算部22から補償ゲインKcompを受信する。補償ゲインリミット部24は、補償ゲインKcompを所定の上限以下に制限する。より詳細には、補償ゲインリミット部24は、補償ゲインKcompの上限を予め定められた制限値Km_upperで制限して制限後補償ゲインKcomp_limを演算する。制限値Km_upperの意義について説明する。
上述のように、本実施形態では、補償ゲイン演算部22が電圧線形補償部26による線形化処理を行うべく補償ゲインKcompを設定した。しかしながら、図2(a)及び図2(b)から理解されるように、変調率mが一定以上の値となる領域(特に1.1以上の領域)において、上記電圧降下率Vdrがより低い値となることで、補償ゲインKcompが過大な値に演算される。
特に、何らかの要因でトルク指令値T*が急激に変化したシーンにおいて、ノイズ及び空間高調波などの影響で変調率mが所望の値よりも瞬間的に過大に演算されることがある。この場合には、補償ゲインKcompも過大な値に演算されることとなるので、当該補償ゲインKcompに基づいて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の補正を実行すると、補正後の三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に基づくモータ80の出力電流も過大な値となる。そして、電流ベクトル制御部13が、この過大な出力電流を検出して電流フィードバック制御を実行することで、モータ80の出力電流及び出力トルクがハンチング(振動)する。
このような出力トルクを抑制する観点から、本実施形態の補償ゲインリミット部24は、補償ゲインKcompを制限値Km_upper以下に制限する処理を行う。ここで、制限値Km_upperは、当該制限値Km_upperにより補償ゲインKcompを制限してなる制限後補償ゲインKcomp_limに基づいて、三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の補正が実行された場合に、モータ80の出力電流及び出力トルクの振動が許容範囲に抑えられるか否かという観点から任意に設定することができる。
例えば、制限値Km_upperは、図2(b)に示したテーブルに基づいて特定の変調率m(例えば1.1)に対して定まる補償ゲインKcompの値(例えば4.1)に設定することができる。
そして、補償ゲインリミット部24は、演算した制限後補償ゲインKcomp_limを電圧線形補償部26に出力する。
電圧線形補償部26は、補償ゲインリミット部24から制限後補償ゲインKcomp_limを受信する。そして、電圧線形補償部26は、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び制限後補償ゲインKcomp_limに基づいて、補償後d軸電圧指令値vdcomp*及び補償後q軸電圧指令値vqcomp*を演算する。
具体的に、電圧線形補償部26は、先ず、以下の式(3)に基づいて、dq軸電圧振幅指令値(Vdi*,Vqi*)から、補償後dq軸電圧振幅指令値(Vdcomp*,Vqcomp*)を演算する。
Figure 2019176109
さらに、電圧線形補償部26は、補償後dq軸電圧振幅指令値(Vdcomp*,Vqcomp*)にdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)の位相を適用して、補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を演算する。
そして、電圧線形補償部26は、演算した補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)をdq軸/UVW相変換部43に出力する。
dq軸/UVW相変換部43は、電圧線形補償部26からdq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を受信する。そして、dq軸/UVW相変換部43は、後述する位置検出センサ48で検出したモータ80の回転子の電気角θを用いて、以下の式(4)に基づき補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に変換する。
Figure 2019176109
そして、dq軸/UVW相変換部43は、演算した三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)をPWM変換部44に出力する。
PWM変換部44は、直流電圧センサ46で検出されるバッテリ電圧Vdc、及びdq軸/UVW相変換部43からの三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)を取得する。PWM変換部44は、デッドタイム補償処理及び電圧利用率向上処理によって三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に対応したパワー素子駆動信号(Duu*,Dul*,Dvu*,Dvl*,Dwu*,Dwl*)を生成する。そして、PWM変換部44は、生成したパワー素子駆動信号(Duu*,Dul*,Dvu*,Dvl*,Dwu*,Dwl*)をインバータ45に出力する。
インバータ45は、直流電圧センサ46からのバッテリ電圧Vdc、及びPWM変換部44からのパワー素子駆動信号(Duu*,Dul*,Dvu*,Dvl*,Dwu*,Dwl*)に基づいて、バッテリ電圧Vdcを擬似的に三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に変換してモータ80に印加するよう、図示しない駆動回路(三相ブリッジ回路)のパワー素子を駆動する。これにより、モータ80は、インバータ45により印加された三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)に応じて各相にU相電流iu、V相電流iv、及びW相電流iwが出力され、所望の出力トルクが実現されることとなる。
また、モータ80には、モータ80の回転子の電気角θを検出する位置検出センサ48が設けられている。さらに、モータ80には、インバータ45との間のU相配線及びV相配線に電流センサ47u及び電流センサ47vがそれぞれ設けられている。
位置検出センサ48により検出された電気角θは、回転数演算部49及びUVW相/dq軸変換部50に出力する。u相電流センサ47uにより検出されたu相電流値iu、及びv相電流センサ47vにより検出されたv相電流値ivは、UVW相/dq軸変換部50に出力される。
回転数演算部49は、位置検出センサ48からの電気角θの時間当たりの変化量(=モータ角速度)から、モータ回転数Nを演算する。さらに、回転数演算部49は、電流指令生成部11及び干渉電圧生成部12に出力する。
UVW相/dq軸変換部50は、位置検出センサ48からの電気角θ、電流センサ47uからのu相電流値iu、及び電流センサ47vからのv相電流値ivに基づいて、dq軸電流値(id,iq)を演算する。
先ず、UVW相/dq軸変換部50は、W相電流iwを以下の式(5)に基づいて演算する。
Figure 2019176109
すなわち、U相電流iu、V相電流iv、及びW相電流iwは、相互に位相が120°異なるため、位置検出センサ48からのu相電流値iu及びv相電流値ivに基づき、上記(5)からW相電流iwを決定することができる。
さらに、UVW相/dq軸変換部50は、電気角θに基づいて、下記の式(6)を用いて、三相電流値(iu,iv,iw)からdq軸電流値(id,iq)への変換を行う。
Figure 2019176109
UVW相/dq軸変換部50は、求めたdq軸電流値(id,iq)を電流ベクトル制御部13にフィードバックする。
以上説明した第1実施形態に係るによれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の電動機制御方法では、電動機としてのモータ80に対するトルク指令値T*に基づいて電圧指令値としてのdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を演算し、電源電圧としてのバッテリ電圧Vdc及びdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)に基づいて変調率mを演算する。さらに、変調率mに応じて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさとモータ80への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインKcompを演算する。そして、第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び補償ゲインKcompに基づいて補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を演算し、補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)に基づいてモータ80への出力電圧を制御する。
そして、本実施形態では、補償ゲインKcompを所定の上限である制限値Km_upper以下に制限する。
すなわち、本実施形態では、トルク指令値T*に応じてdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を設定し(電流指令生成部11、干渉電圧生成部12、及び電流ベクトル制御部13参照)、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)に基づいて変調率mを演算する(変調率演算部20)。さらに、演算した変調率mに応じて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさとモータ80への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインKcompを設定する(補償ゲイン演算部22及び図2参照)。そして、この補償ゲインKcompを所定の制限値Km_upper以下に制限する(補償ゲインリミット部24)。したがって、制限値Km_upper以下に制限された補償ゲインKcomp(制限後補償ゲインKcomp_lim)に基づいて、モータ80への出力電圧が制御されることとなる(電圧線形補償部26、dq軸/UVW相変換部43、PWM変換部44、及びインバータ45)。
このため、トルク指令値T*が急峻に変化した場合などの変調率mが過大に演算されるシーンにおいても、補償ゲインKcompが過大な値をとらないように制限されることとなる。したがって、過大な補償ゲインKcompを用いることによるモータ80への出力電圧及びモータ80の出力電流の急激な変化に起因する出力トルクの振動を好適に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記電動機制御方法を実行するために好適な電動機制御装置100が提供される。
具体的に、電動機制御装置100は、電動機としてのモータ80に対するトルク指令値T*に基づいて電圧指令値としてのdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を演算する電圧指令値演算部1と、電源電圧としてのバッテリ電圧Vdc及びdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)に基づいて変調率mを演算する変調率演算部20と、変調率mに応じて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)の大きさとモータ80への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインKcompを演算する補償ゲイン演算部22と、dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び補償ゲインKcomp(制限後補償ゲインKcomp_lim)に基づいて補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を演算する補償後電圧指令値演算部としての電圧線形補償部26と、補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)に基づいてモータ80への出力電圧を制御する出力制御部3と、を有する。そして、本実施形態では、補償ゲインKcompを所定の上限である制限値Km_upper以下に制限する補償ゲイン制限部としての補償ゲインリミット部24を有する。
これにより、本実施形態の電動機制御方法を好適に実行し得る具体的な構成が提供されることとなる。
(第2実施形態)
以下では、図3を参照して第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は、第2実施形態の電動機制御装置200の概略構成図である。すなわち、本実施形態の電動機制御方法は、電動機制御装置200により実行される。
図示のように、電動機制御装置200は、第1実施形態の電動機制御装置100の構成に対して、電圧指令値演算部1及び電圧補償処理部2の構成が異なる。特に、電圧指令値演算部1は、電流指令生成部11、干渉電圧生成部12、及び電流ベクトル制御部13に加えて、電圧振幅生成部30と、電圧位相生成部32と、電圧位相制御部34と、制御モード判定部36と、電圧指令値切替部38と、を備える。
すなわち、本実施形態の電動機制御装置200は、所定の条件に応じて、電流ベクトル制御部13による電流ベクトル制御と電圧位相制御部34による電圧位相制御を選択的に切り替えてモータ80の作動を制御する構成を有する。
さらに、電圧補償処理部2は、第1実施形態の補償ゲインリミット部24に代えて、変調率リミット部25が設けられている。すなわち、電圧補償処理部2は、変調率演算部20と、補償ゲイン制限部として機能する変調率リミット部25と、補償ゲイン演算部22と、を有している。
以下では、電動機制御装置200の各構成の機能について、第1実施形態の電動機制御装置100と異なる点を中心に詳細に説明する。
本実施形態の電流ベクトル制御部13は、第1実施形態と同様に演算した電圧指令値(第1実施形態のdq軸電圧指令値(vdi*,vqi*))を第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)として電圧指令値切替部38に出力する。
電圧振幅生成部30は、バッテリ電圧Vdc及び変調率指令値m*を取得する。ここで、変調率指令値m*は、電圧位相制御が実行される場合に用いる変調率mの値として好適な固定値に設定される。
特に、変調率指令値m*は、上記図2(b)に示すテーブルから当該変調率指令値m*に対応する補償ゲインKcompの値であれば、当該補償ゲインKcompの制限を行わなくとも出力トルクの振動をもたらさない程度の値(例えば1.1)に予め設定される。
そして、電圧振幅生成部30は、下記式(7)に基づき、バッテリ電圧Vdc及び変調率指令値m*から第2電圧振幅指令値Vav*を演算する。
Figure 2019176109
電圧振幅生成部30は、演算した第2電圧振幅指令値Vav*を電圧位相制御部34及び制御モード判定部36に出力する。
電圧位相生成部32は、モータ回転数N、トルク指令値T*、及びバッテリ電圧Vdcを取得する。そして、電圧位相生成部32は、これら各値に基づいて実験又は解析により予め定められたマップを参照して電圧位相α*を演算する。そして、電圧位相生成部32は、演算した電圧位相α*を電圧位相制御部34に出力する。
電圧位相制御部34は、トルク指令値T*を取得する。また、電圧位相制御部34は、電圧振幅生成部30から第2電圧振幅指令値Vav*、電圧位相生成部32から電圧位相α*、及びUVW相/dq軸変換部50からdq軸電流値(id,iq)を受信する。
そして、電圧位相制御部34は、dq軸電流値(id,iq)からトルク推定値Tcalを演算する。さらに、電圧位相制御部34は、演算したトルク推定値Tcalがトルク指令値T*に近づくように、第2電圧振幅指令値Vav*、電圧位相α*、トルク指令値T*、及びdq軸電流値(id,iq)に基づいて第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)を演算する。そして、電圧位相制御部34は、演算した第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)を電圧指令値切替部38に出力する。
制御モード判定部36は、電圧指令値切替部38からdq軸電圧指令値(vd*,vq*)、電流指令生成部11からdq軸電流指令値(id*,iq*)、電圧振幅生成部30から第2電圧振幅指令値Vav*、及びUVW相/dq軸変換部50からdq軸電流値(id,iq)を受信する。そして、制御モード判定部36は、これらのパラメータの間の関係が所定条件を満たすか否かに基づいて、電流ベクトル制御と電圧位相制御との間の移行要求信号を生成する。
具体的に、制御モード判定部36は、上記パラメータの関係に応じてモータ80の回転数が一定以上の高回転領域であると判断できる場合には電圧位相制御に移行又は維持し、そうでない場合(低回転領域である場合)には電流ベクトル制御へ移行又は維持するように移行要求信号を生成する。
そして、制御モード判定部36は、生成した移行要求信号を電圧指令値切替部38に出力する。
電圧指令値切替部38は、電流ベクトル制御部13から第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)、電圧位相制御部34から第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)、及び制御モード判定部36から移行要求信号を受信する。そして、電圧指令値切替部38は、これらの値及び信号に基づいて、dq軸電圧指令値(vd*,vq*)を演算する。
具体的に、電圧指令値切替部38は、移行要求信号に基づいて、次の制御モードとして電流ベクトル制御又は電圧位相制御の何れかを選択する。電圧指令値切替部38は、電流ベクトル制御を選択した場合には第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)をdq軸電圧指令値(vd*,vq*)として電圧補償処理部2及び電圧線形補償部26に出力する。一方、電圧指令値切替部38は、電圧位相制御を選択した場合には第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)をdq軸電圧指令値(vd*,vq*)として電圧補償処理部2及び電圧線形補償部26に出力する。
次に、本実施形態の電圧補償処理部2について説明する。電圧補償処理部2の変調率演算部20は、バッテリ電圧Vdc及び電圧指令値切替部38からのdq軸電圧指令値(vd*,vq*)を受信する。変調率演算部20は、以下の式(8)から、バッテリ電圧Vdc及びdq軸電圧指令値(vd*,vq*)に基づき変調率mを演算する。
Figure 2019176109
ここで、Va**は、dq軸電圧指令値(vd*,vq*)の振幅(d軸振幅指令値Vd*とq軸振幅指令値Vq*のそれぞれの2乗の和の平方根)を意味する。そして、変調率演算部20は、変調率mを変調率リミット部25に出力する。
変調率リミット部25は、変調率指令値m*を取得し、変調率演算部20から変調率mを受信する。そして、変調率リミット部25は、変調率mの上限を変調率指令値m*を用いて規定した制限後変調率mlimを演算する。
具体的に、変調率リミット部25は、以下の式(9)に基づき、変調率指令値m*及び変調率mの小さい方を制限後変調率mlimとして演算する。そして、変調率リミット部25は、制限後変調率mlimを補償ゲイン演算部22に出力する。
Figure 2019176109
補償ゲイン演算部22は、図2(b)で示した変調率−補償ゲインテーブルを参照して、変調率リミット部25からの制限後変調率mlimに基づいて制限後補償ゲインKcomp_limを演算する。
ここで、本実施形態では、変調率リミット部25において予め変調率mを制限して制限後変調率mlimを演算している。したがって、補償ゲイン演算部22が当該制限後変調率mlimに基づいて変調率−補償ゲインテーブルを参照して第1実施形態と同様の演算方法で演算する補償ゲインKcompは、実質的に第1実施形態の制限後補償ゲインKcomp_limに相当することとなる。
そして、補償ゲイン演算部22は、演算した制限後補償ゲインKcomp_limを電圧線形補償部26に出力する。
電圧線形補償部26は、dq軸電圧指令値(vd*,vq*)及び制限後補償ゲインKcomp_limに基づいて、補償後dq軸電圧振幅指令値(Vdcomp*,Vqcomp*)を演算する。具体的に、具体的に、電圧線形補償部26は、先ず、以下の式(10)に基づいて、dq軸電圧振幅指令値(Vd*,Vq*)から、補償後dq軸電圧振幅指令値(Vdcomp*,Vqcomp*)を演算する。
Figure 2019176109
さらに、電圧線形補償部26は、補償後dq軸電圧振幅指令値(Vdcomp*,Vqcomp*)にdq軸電圧指令値(vd*,vq*)の位相を適用して、補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)を演算する。
なお、dq軸/UVW相変換部43、PWM変換部44、インバータ45、回転数演算部49、UVW相/dq軸変換部50、及びモータ80の動作は第1実施形態と同様である。
以上説明した第2実施形態の構成による動作を説明する。
本実施形態の電流ベクトル制御は、例えば変調率m<1となる非高回転領域において選択される。このため、変調率リミット部25は、上記式(9)に基づいて演算された変調率mをそのまま補償ゲイン演算部22に出力する。すなわち、基本的には、電圧指令値切替部38が演算したdq軸電圧指令値(vd*,vq*)は、電圧線形補償部26において補正されることなくそのまま出力制御部3に出力される。
しかしながら、本実施形態の電流ベクトル制御においても、トルク指令値T*が急激に変化して、瞬間的に変調率mが過大な値に演算されるシーンが想定される。このようなシーンにおいて、本実施形態では、変調率リミット部25は、上記式(9)に基づき、変調率mを変調率指令値m*によって制限した制限後変調率mlimを補償ゲイン演算部22に出力することとなる。この場合、補償ゲイン演算部22は、制限後変調率mlimから補償ゲインKcompを演算する。したがって、この補償ゲインKcompは上限が制限された第1実施形態と同様の制限後補償ゲインKcomp_limに補正されるため、過大な補償ゲインKcompを用いることに起因する出力トルクの振動を好適に抑制することができる。
一方、本実施形態の電圧位相制御は、例えば変調率m≧1となる高回転領域において選択される。ここで、電圧位相制御は、モータ80の動作が過渡的である場合(トルク指令値T*が大きく変化するシーンなど)に選択される傾向にあるため、変調率mが過大に設定される状況が生じ易い。これに対して、本実施形態では、上述のように、変調率mを変調率指令値m*によって制限した制限後変調率mlimに基づいて補償ゲインKcompを演算するので、変調率mが過大になり易い電圧位相制御においても好適に出力トルクの振動を抑制することができる。
特に、本実施形態では、トルク指令値T*が急激に増大してモータ80の動作点が非高回転領域から高回転領域に遷移して電流ベクトル制御から電圧位相制御に切り替わるシーンにおいて、図3で説明した制御ロジックにしたがい、電圧指令値切替部38が出力する電圧振幅指令値Va*が、第1電圧振幅指令値Vai*から第2電圧振幅指令値Vav*に切り替わることとなる。
すなわち、電流ベクトル制御から電圧位相制御に切り替わるタイミングにおいては、電圧振幅指令値Va*が第1電圧振幅指令値Vai*からより高い値の第2電圧振幅指令値Vav*に瞬間的に切り替わることとなり、ノイズ等の影響も相俟って電圧振幅指令値Va*に基づいて演算される変調率mが急激に増加する。このため、この変調率mをそのまま用いて補償ゲインKcompを演算すると、当該補償ゲインKcompも過大な値となる。
これに対して、本実施形態の電動機制御方法では、変調率mを変調率指令値m*によって制限した制限後変調率mlimに基づいて補償ゲインKcompを演算するので、このような電流ベクトル制御から電圧位相制御への切り替わるタイミングにおいても出力トルクの振動を好適に抑制することができる。
以上説明した第2実施形態に係るによれば、第1実施形態の作用効果に加えて以下に説明する作用効果を奏する。
本実施形態の電動機制御方法では、トルク指令値T*に基づいて生成されるdq軸電流指令値(id*,iq*)にモータ80の出力電流であるdq軸電流値(id,iq)が追従するように演算される第1電圧指令値としての第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を用いる電流ベクトル制御と、バッテリ電圧Vdcと所定の変調率指令値m*に基づく電圧ノルム指令値Va*及びバッテリ電圧Vdcとトルク指令値T*に基づく電圧位相α*に基づいて演算される第2電圧指令値としての第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)を用いる電圧位相制御と、の間で所定の条件に応じて制御モードを選択し、選択された制御モードに応じて、第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)の一方をdq軸電圧指令値(vd*,vq*)として設定する。
これにより、電流ベクトル制御及び電圧位相制御の何れの制御モードが選択されている状況下であっても、トルク指令値T*の急峻な変化などに起因して補償ゲインKcompが過大な値となることを抑制することができる。結果として、電流ベクトル制御及び電圧位相制御の何れの制御モードにおいても、モータ80の出力トルクの振動の好適な抑制を実現することができる。
特に変調率mが過大に設定される状況がより生じ易い電圧位相制御において、補償ゲインKcompの制限を実行することで、出力トルクの振動抑制をより効果的に発揮することができる。
さらに、本実施形態では、補償ゲインKcompの制限は、制御モードが電流ベクトル制御から電圧位相制御へ切り替えられる際に実行される。すなわち、本実施形態における変調率リミット部25による変調率mの制限を、変調率mがより過大な値に演算され易い電流ベクトル制御から電圧位相制御への切り替えの際に実行することで、変調率mが急激に増加しやすい当該切り替えのタイミングにおいてより確実に、出力トルクの振動抑制をより一層効果的に発揮することができる。
また、本実施形態では、補償ゲインKcompの制限は、バッテリ電圧Vdc及びdq軸電圧指令値(vd*,vq*)に基づいて演算される変調率mの上限を変調率指令値m*に設定することで実行される(図3の変調率演算部20を参照)。
すなわち、変調率mの上限が、補償ゲインKcompの制限を行わなくとも出力トルクの振動をもたらさない程度の値に予め設定される変調率指令値m*に設定されることとなる。
これにより、既存の装置に対して大幅な制御ロジックの変更を伴うことなく、補償ゲインKcompを出力トルクの振動をもたらさない大きさに制限する構成を実現することができる。
また、本実施形態では、上記電動機制御方法を実行するために好適な電動機制御装置200が提供される。特に、電動機制御装置200は、第1実施形態で説明した電動機制御装置100の構成に対して、電圧指令値演算部1のさらなる態様を提供する。
より詳細には、電圧指令値演算部1は、トルク指令値T*に基づいて電流指令値としてのdq軸電流指令値(id*,iq*)を生成する電流指令生成部11と、該dq軸電流指令値(id*,iq*)にモータ80の出力電流であるdq軸電流値(id,iq)が追従するように第1電圧指令値としての第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)を演算する電流ベクトル制御部13と、バッテリ電圧Vdcと所定の変調率指令値m*に基づいて電圧ノルム指令値Va*を演算する電圧振幅生成部30と、バッテリ電圧Vdcとトルク指令値T*に基づいて電圧位相α*を演算する電圧位相生成部32と、電圧ノルム指令値Va*及び電圧位相α*に基づいて第2電圧指令値としての第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)を演算する電圧位相制御部34と、所定の条件に応じて、第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)の一方を選択する制御モード判定部36と、第1dq軸電圧指令値(vdi*,vqi*)及び第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)の内の選択された一方をdq軸電圧指令値(vd*,vq*)として設定する電圧指令値切替部38と、を有する。
これにより、本実施形態の電動機制御方法を好適に実行し得る具体的な構成が提供されることとなる。
(第3実施形態)
以下では、図4を参照して第3実施形態について説明する。なお、第2実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、第3実施形態の電動機制御装置300の概略構成図である。すなわち、本実施形態の電動機制御方法は、電動機制御装置300により実行される。
図4に示すように、本実施形態の電動機制御装置300は、第2実施形態の電動機制御装置200に対して、変調率リミット部25が制御モード判定部36から移行要求信号を受信する点で異なる。
そして、本実施形態の変調率リミット部25は、受信した移行要求信号に基づいて、電流ベクトル制御及び電圧位相制御の何れの制御モードが選択されているかを検出し、当該検出結果に基づいて変調率mの制限の態様を変更する。
具体的に、変調率リミット部25は、制御モードとして電流ベクトル制御が選択されていることを検出した場合には、第2実施形態の場合と同様に上記式(9)に基づいて制限後変調率mlimを演算する。すなわち、変調率mと変調率指令値m*のうちの小さい方を制限後変調率mlimに設定し、補償ゲイン演算部22に出力する。
一方、変調率リミット部25は、制御モードとして電圧位相制御が選択されていることを検出した場合には、制限後変調率mlimとして変調率指令値m*を設定する。すなわち、制御モードとして電圧位相制御が選択されている場合には、変調率リミット部25は、変調率mの値にかかわらず、固定の変調率指令値m*を制限後変調率mlimとして補償ゲイン演算部22に出力する。
そして、補償ゲイン演算部22は、図2(b)で示した変調率−補償ゲインテーブルを参照して、変調率リミット部25からの制限後変調率mlimに基づいて制限後補償ゲインKcomp_limを演算する。したがって、本実施形態の電圧位相制御の下では、補償ゲイン演算部22は、常に変調率指令値m*に基づいて制限後補償ゲインKcomp_limを演算することとなる。
以上説明した第3実施形態に係るによれば、第2実施形態の作用効果に加えて以下に説明する作用効果を奏する。
本実施形態の電動機制御方法では、補償ゲインKcompの制限は、制御モードとして電圧位相制御が選択されている場合に、変調率mを変調率指令値m*に固定することで実行される。
これにより、電圧位相制御が選択されているシーンにおいて、演算される変調率mの大きさにかかわらず、固定の変調率指令値m*に基づいた補償ゲインKcompが制限後補償ゲインKcomp_limに設定されることとなる。
ここで、電圧位相制御においては、基本的には、変調率mを変調率指令値m*に固定して(第2電圧振幅指令値Vav*を固定して)、電圧位相α*を調節することで第2dq軸電圧指令値(vdv*,vqv*)が調節される。このため、本実施形態の構成であれば電圧位相制御において用いる変調率指令値m*に応じた補償ゲインKcompがそのまま、制限後補償ゲインKcomp_limとなるため、複雑な制御ロジックを構築することなく、簡易な構成で電圧位相制御における補償ゲインKcompの制限を実現することができる。
(第4実施形態)
以下では、図5を参照して第4実施形態について説明する。なお、第2実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の電動機制御装置400は、第2実施形態の電動機制御装置200に対して、電圧補償処理部2の構成が異なる。
図5に示すように、本実施形態の電圧補償処理部2は、第2実施形態における変調率リミット部25に代えて、第1実施形態の電圧補償処理部2と同様に補償ゲインリミット部24が設けられている。したがって、本実施形態の電圧補償処理部2は、変調率演算部20と、補償ゲイン演算部22と、補償ゲイン制限部として機能する補償ゲインリミット部24と、電圧線形補償部26と、を有する。
変調率演算部20は、第2実施形態と同様に、バッテリ電圧Vdc及び電圧指令値切替部38からのdq軸電圧指令値(vd*,vq*)に基づき変調率mを演算し、補償ゲイン演算部22に出力する。
補償ゲイン演算部22は、第1実施形態と同様に、予め定められた変調率−補償ゲインテーブル(図2)を参照して、変調率演算部20から受信した変調率mに基づいて、補償ゲインKcompを設定する。
また、本実施形態の補償ゲイン演算部22は、変調率指令値m*を受信する。そして、補償ゲイン演算部22は、第1実施形態で説明した変調率‐補償ゲイン制限値マップに基づき、変調率指令値m*から補償ゲインKcompの上限値である上限補償ゲインKm*_upperを演算する。
そして、補償ゲイン演算部22は、演算した補償ゲインKcomp、及び上限補償ゲインKm*_upperを補償ゲインリミット部24に出力する。
補償ゲインリミット部24は、以下の式(11)に基づいて、制限後補償ゲインKcomp_limを演算する。
Figure 2019176109
すなわち、補償ゲインリミット部24は、補償ゲインKcompを上限補償ゲインKm*_upperで制限した値を制限後補償ゲインKcomp_limとして演算する。そして、補償ゲインリミット部24は、制限後補償ゲインKcomp_limを電圧線形補償部26に出力する。
これにより、電圧線形補償部26では、制限後補償ゲインKcomp_limに基づいて、補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)が演算され、さらにこれに基づいて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)が設定されることとなる。
以上説明した第4実施形態に係るによれば、第3実施形態の作用効果に加えて以下に説明する作用効果を奏する。
本実施形態の電動機制御方法では、補償ゲインKcompの上限を変調率指令値m*に応じた所定の制限値である上限補償ゲインKm*_upperに設定することで実行される。
これにより、既存の装置に対して大幅な制御ロジックの変更を伴うことなく、補償ゲインKcompを変調率指令値m*に基づいて定まる上限補償ゲインKm*_upperに以下に制限する構成を実現することができる。特に、本実施形態の電動機制御方法では、第2実施形態の電動機制御装置200と比べて、変調率演算部20の構成を変更することなく、補償ゲインKcompの制限を実現することができる。
(第5実施形態)
以下では、図6を参照して第5実施形態について説明する。なお、第4実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、第5実施形態の電動機制御装置500の概略構成図である。すなわち、本実施形態の電動機制御方法は、電動機制御装置500により実行される。
図6に示すように、本実施形態の電動機制御装置500は、第4実施形態の電動機制御装置400に対して、補償ゲインリミット部24が制御モード判定部36から移行要求信号を受信する点で異なる。
そして、本実施形態の補償ゲインリミット部24は、受信した移行要求信号に基づいて、電流ベクトル制御及び電圧位相制御の何れの制御モードが選択されているかを検出し、当該検出結果に基づいて補償ゲインKcompの上限の設定態様を変更する。
具体的に、補償ゲインリミット部24は、制御モードとして電流ベクトル制御が選択されていることを検出した場合には、第4実施形態の場合と同様に上記式(11)に基づいて制限後補償ゲインKcomp_limを演算する。すなわち、補償ゲインKcompを上限補償ゲインKm*_upperで制限した値を制限後補償ゲインKcomp_limに設定し、電圧線形補償部26に出力する。
一方、補償ゲインリミット部24は、制御モードとして電圧位相制御が選択されていることを検出した場合には、制限後補償ゲインKcomp_limとして上限補償ゲインKm*_upperを設定する。すなわち、制御モードとして電圧位相制御が選択されている場合には、補償ゲインリミット部24は、補償ゲインKcompの値にかかわらず、固定された上限補償ゲインKm*_upperを電圧線形補償部26に出力する。
これにより、電圧線形補償部26では、固定された上限補償ゲインKm*_upperに基づいて補償後dq軸電圧指令値(vdcomp*,vqcomp*)が演算され、これに基づいて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)が設定されることとなる。
以上説明した第5実施形態に係るによれば、第4実施形態の作用効果に加えて以下に説明する作用効果を奏する。
本実施形態の電動機制御方法では、補償ゲインKcompの制限は、制御モードとして電圧位相制御が選択されている場合に、補償ゲインKcompを上限補償ゲインKm*_upperに固定することで実行される。
これにより、電圧位相制御が選択されているシーンにおいて、設定される補償ゲインKcompの大きさにかかわらず、固定の上限補償ゲインKm*_upperに基づいて三相電圧指令値(vu*,vv*,vw*)が設定されることとなる。
したがって、電圧位相制御において用いる変調率指令値m*に応じた固定の上限補償ゲインKm*_upperがそのまま、制限後補償ゲインKcomp_limとなるため、複雑な制御ロジックを構築することなく、簡易な構成で電圧位相制御における補償ゲインKcompの制限を実現することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記各実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記各実施形態において説明した電圧指令値演算部1、電圧補償処理部2、及び出力制御部3における各種の演算・制御は一例であり、上記各実施形態に限定されるものではない。
また、上記各実施形態における補償ゲインKcompの制限を、ある特定の制御シーンにおいてのみ実行するようにしても良い。例えば、補償ゲインKcompの制限を、電流ベクトル制御から電圧位相制御への切り替えのタイミングにおいてのみ実行するようにしても良い。これにより、変調率mが急激に増大し易いシーンに絞って補償ゲインKcompの制限にかかる演算が実行されることとなるので、出力トルクの振動抑制効果を維持しつつも、演算負担を軽減することができる。
さらに、上記各実施形態では、電動機として3相で動作するモータ80の例を説明したが、3相以外のモータに対して、上記各実施形態の構成を適用することも可能である。また、上記各実施形態では、電動機制御装置100、200、300、400、500が、電動車両に搭載されるモータ80を制御する場合を想定して説明した。しかしながら、電動車両以外の家電機器、産業機器、及び医療機器等の他の種々の装置に用いられるモータに本発明の電動機制御装置の構成を適用しても良い。

Claims (9)

  1. 電動機に対するトルク指令値に基づいて電圧指令値を演算し、
    電源電圧及び前記電圧指令値に基づいて変調率を演算し、
    前記変調率に応じて、前記電圧指令値の大きさと前記電動機への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインを演算し、
    前記電圧指令値及び前記補償ゲインに基づいて補償後電圧指令値を演算し、
    前記補償後電圧指令値に基づいて前記電動機への出力電圧を制御する電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインを所定の上限以下に制限する、
    電動機制御方法。
  2. 請求項1に記載の電動機制御方法であって、
    前記トルク指令値に基づいて生成される電流指令値に前記電動機の出力電流が追従するように演算される第1電圧指令値を用いる電流ベクトル制御と、前記電源電圧と所定の変調率指令値に基づく電圧ノルム指令値及び前記電源電圧と前記トルク指令値に基づく電圧位相に基づいて演算される第2電圧指令値を用いる電圧位相制御と、の間で所定の条件に応じて制御モードを選択し、
    選択された前記制御モードに応じて、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の一方を前記電圧指令値として設定する、
    電動機制御方法。
  3. 請求項2に記載の電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインの制限は、
    前記制御モードが前記電流ベクトル制御から前記電圧位相制御へ切り替えられる際に実行される、
    電動機制御方法。
  4. 請求項2又は3に記載の電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインの制限は、
    前記電源電圧及び前記電圧指令値に基づいて演算される前記変調率の上限を前記変調率指令値に設定することで実行される、
    電動機制御方法。
  5. 請求項4に記載の電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインの制限は、
    前記制御モードとして前記電圧位相制御が選択されている場合に、前記変調率を前記変調率指令値に固定することで実行される、
    電動機制御方法。
  6. 請求項2又は3に記載の電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインの制限は、
    該補償ゲインの上限を前記変調率指令値に応じた所定の制限値に設定することで実行される、
    電動機制御方法。
  7. 請求項6に記載の電動機制御方法であって、
    前記補償ゲインの制限は、
    前記制御モードとして前記電圧位相制御が選択されている場合に、前記補償ゲインを前記制限値に固定することで実行される、
    電動機制御方法。
  8. 電動機に対するトルク指令値に基づいて電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、
    電源電圧及び前記電圧指令値に基づいて変調率を演算する変調率演算部と、
    前記変調率に応じて、前記電圧指令値の大きさと前記電動機への出力電圧の基本波成分の大きさの関係を線形化するための補償ゲインを演算する補償ゲイン演算部と、
    前記電圧指令値及び前記補償ゲインに基づいて補償後電圧指令値を演算する補償後電圧指令値演算部と、
    前記補償後電圧指令値に基づいて前記電動機への出力電圧を制御する出力制御部と、
    前記補償ゲインを所定の上限以下に制限する補償ゲイン制限部と、を有する、
    電動機制御装置。
  9. 請求項8に記載の電動機制御装置であって、
    前記電圧指令値演算部は、
    前記トルク指令値に基づいて電流指令値を生成する電流指令生成部と、
    該電流指令値に前記電動機の出力電流が追従するように第1電圧指令値を演算する電流ベクトル制御部と、
    前記電源電圧及び所定の変調率指令値に基づいて電圧ノルム指令値を演算する電圧振幅生成部と、
    前記電源電圧及び前記トルク指令値に基づいて電圧位相を演算する電圧位相生成部と、
    前記電圧ノルム指令値及び前記電圧位相に基づいて第2電圧指令値を演算する電圧位相制御部と、
    所定の条件に応じて、前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の一方を選択する制御モード判定部と、
    前記第1電圧指令値及び前記第2電圧指令値の内の選択された一方を前記電圧指令値として設定する電圧指令値切替部と、を有する、
    電動機制御装置。
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