JPWO2019163087A1 - 網目状透明導電体を備える構造体、アンテナ構造体、電波遮蔽構造体及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、パッシブ相互変調(PIM)特性の劣化を抑制した網目状透明導電体を備える構造体などを提供することにある。
請求項2に記載の発明は、前記縁取部は、電界の最も高い部分の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体である。
請求項3に記載の発明は、前記縁取部は、前記面部の縁を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体である。
請求項4に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性材料で構成された基板と、前記基板の一方の表面上に設けられ、電波の送受信を行うアンテナ素子部と、を備え、前記アンテナ素子部は、網目状の導電性材料で構成され予め定められた形状を有する面部と、導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部とを有することを特徴とするアンテナ構造体である。
請求項5に記載の発明は、前記アンテナ素子部は、放射電極と接地電極とを備え、前記縁取部は、前記放射電極と前記接地電極とが近接する、当該放射電極の部分と当該接地電極の部分とに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ構造体である。
請求項6に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性の基板と、前記基板の一方の表面上に設けられ、少なくとも予め定められた周波数帯の電波の透過を抑制する電波遮蔽部と、を備え、前記電波遮蔽部は、網目状の導電性材料で構成された面部と、導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部とを有することを特徴とする電波遮蔽構造体である。
請求項7に記載の発明は、前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した部分に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電波遮蔽構造体である。
請求項8に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性の第1の基板と、前記第1の基板の一方の表面上に設けられ、予め定められた方向に延びる第1の電極と、可視光を透過する電気絶縁性の第2の基板と、前記第2の基板の一方の表面上に設けられ、前記方向と交差する方向に延びる第2の電極と、を備え、前記第1の電極と前記第2の電極とは、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、対向するように配置されるとともに、網目状の導電性材料で構成された面部と、導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部とをそれぞれ有することを特徴とするタッチパネルである。
請求項9に記載の発明は、前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した前記第1の電極及び前記第2の電極の部分に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルである。
請求項2に記載の発明によれば、電界の最も高い部分の近傍に設けない場合に比べ、IM波の発生が抑制される。
請求項3に記載の発明によれば、囲むように設けられていない場合に比べ、IM波の発生がより抑制される。
請求項5に記載の発明によれば、放射電極と接地電極とが近接する部分に設けない場合に比べ、IM波の発生が抑制される。
請求項7、9に記載の発明によれば、アンテナ構造体に近接した部分に設けない場合に比べ、IM波の発生が抑制される。
また、液晶パネルなどの表示デバイス上に設けられ、指などにより入力をするタッチパネルは、タッチ部を構成する電極を、可視光に対して透明であって、表示デバイスが容易に視認できる導電体(透明導電体)で構成されていることが求められている。
第1の実施の形態では、網目状透明導電体を備える構造体の一例として、アンテナ構造体を説明する。
図1は、アンテナ構造体を説明する平面図である。図1(a)は、第1の実施の形態が適用されるアンテナ構造体1、図1(b)は、比較のために示すアンテナ構造体2である。
アンテナ構造体1、2は、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)として構成されている。
アンテナ素子部12は、例えば800MHz帯と2.1GHz帯との2周波を共用する周波共用アンテナ12aと、グランド(GND)に接続されるアンテナGND12bとを備える。周波共用アンテナ12aは、根本部が1つで、先端部が3つに分かれて、一方向に延びている。そして、アンテナGND12bは、フィルム11上において周波共用アンテナ12aの両側に2つ設けられている。2つのアンテナGND12bは、周波共用アンテナ12aの先端部が延びる一方向と交差する方向(ここでは、直交する)方向に延びている。
ここで、フィルム11が基板の一例であり、周波共用アンテナ12aが放射電極の一例であり、アンテナGND12bは、接地電極の一例である。
縁取部βは、周波共用アンテナ12a及びアンテナGND12bの縁(縁辺)を縁取って繋ぐように設けられている。このようにすることで、周波共用アンテナ12a及びアンテナGND12bの形状に切り出された面部αの縁において、枝状の突起の先端が縁取部βにより接続されている。つまり、縁取部βは、枝状の突起がそのまま残らないように設けられている。
アンテナ素子部12に用いられる網目状透明電体を構成する導電体材料は、電気伝導度が高く、網目状に加工しやすい材料であればよい。例えば、導電体材料に、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)などを用いればよい。
PIM評価システム100は、2つの信号発生器(SG:Signal Generator)110A、110B、2つの電力増幅器(HPA:High Power Amplifier)120A、120B、信号混合器(Hybrid Coupler)130、分波器(Duplexer)140、測定対象物(DUT:Device Under Test)150、バンドパスフィルタ(Filter)160、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)170及び信号解析器(SA:Signal Analyzer)180を備える。なお、信号発生器110AをSG1、信号発生器110BをSG2、電力増幅器120AをHPA1、電力増幅器120BをHPA2と表記する。
入出力特性が非線形性を有する部分に、2以上の周波数(ここでは、周波数f1、f2)が入力すると、これらの周波数と異なる周波数の信号を発生する。
例えば、周波数f1、f2の2つの信号が、非線形を有する部分に入射すると、周波数mf1、nf2の高調波に加え、周波数がmf1±nf2である相互変調(IM:Intermodulation)波が発生する(m、nは1以上の整数)。例えば、f2−f1は、2次のIM波、2f1−f2は、3次のIM波、3f1−2f2は、5次のIM波である。
一般に、IM波の強度(振幅及び電力)は、次数が低いほど大きい。よって、次数の低いIM波が、受信する周波数帯域において発生すると、求めようとする信号の受信がIM波によって妨害されてしまう。
なお、アンテナ構造体1、2などパッシブな部品において発生するIMがPIMである。
900MHz帯として、周波数f1を925MHz、周波数f2を960MHzとし、3次のIM波f3M(=2f1−f2)である890MHzを評価した。
1800MHz帯として、周波数f1を1805MHz、周波数f2を1730MHzとし、3次のIM波f3M(=2f1−f2)である1880MHzを評価した。
2100MHz帯として、周波数f1を2110MHz、周波数f2を2170MHzとし、3次のIM波f3M(=2f1−f2)である2050MHzを評価した。
900MHz帯、1800MHz帯及び2100MHz帯のいずれにおいても、縁取部βを備えるアンテナ構造体1は、縁取部βを備えないアンテナ構造体2に比べ、IM波の大きさ(電力)が小さい。
図4は、網目状の形状が格子である面部αと縁取部βとの位置関係を説明する図である。図4(a)は、面部αを構成する格子の交点と縁取部βとの距離Dが小さい場合(|D|≦d)、図4(b)は、面部αを構成する格子の交点と縁取部βとの距離Dが大きい場合(|D|>d)である。
なお、値dは、格子毎の面積(格子の開口部分の面積)、格子の幅、視認する距離などによって決めればよい。
図5は、面部αの網目状の形状を説明する図である。図5(a)は、面部αの網目状の形状が格子である場合、図5(b)は、変形例である面部αの網目状の形状がランダムネットワークである場合である。
図5(a)に示す、面部αの網目状の形状が格子である場合、規則的であるためにモアレが発生しやすく、アンテナ素子部12が視認されやすい。これに対して、図5(b)に示す、面部αの網目状の形状がランダムネットワークである場合、モアレの発生が抑制されるために、より視認されにくい。なお、面部αの網目状の形状は、他の形状であってもよい。
第2の実施の形態では、網目状透明導電体を備える構造体の一例として、電波遮蔽構造体4を説明する。電波遮蔽構造体4とは、電波を反射することで、電波遮蔽構造体4を通過して電波が伝搬することを遮断(シールド)するものをいう。なお、特定の周波数帯域の電波を透過するように構成してもよい。ここでは、電波遮蔽構造体4は、電波の伝搬を遮断する場合の他、特定の周波数帯域の電波を透過し、他の周波数帯の電波を遮断する周波数選択構造体(FSS:Frequency Select Sheet)である場合を含む。
このような、電波遮蔽構造体4は、室間の間仕切りとして用いられる場合など、可視光に対して透明であることが求められる場合がある。例えば、会議室など内部を視認したいが、電波の到達を遮断したい場合などである。
なお、フィルム41は、第1の実施の形態で説明したフィルム11と同様であればよい。電波遮蔽部42に用いられる網目状透明導電体を構成する導電体材料は、第1の実施の形態で説明したアンテナ素子部12に用いられる網目状透明導電体を構成する導電体材料と同様であればよい。フィルム41が、基板の他の一例である。
そこで、第2の実施の形態が適用される電波遮蔽構造体4では、電波遮蔽部42が縁取部βを備えることで、面部αの縁に枝状の突起が生じにくくなっている。よって、第1の実施の形態が適用されるアンテナ構造体1と同様に、PIM特性の劣化が抑制される。
第3の実施の形態では、網目状透明導電体を備える構造体の一例として、タッチパネル6を説明する。タッチパネル6は、指、ペンなどの接触などにより、接触した位置の情報を出力する。タッチパネル6は、液晶ディスプレイなどの表示デバイス上に重ねて配置されて用いられる場合には、表示デバイスの視認性を確保するために、透明であることが求められる。
なお、上記のフィルムは、第1の実施の形態で説明したフィルム11と同様であればよい。X方向電極61、Y方向電極62に用いられる網目状透明導電体を構成する導電体材料は、第1の実施の形態で説明したアンテナ素子部12に用いられる網目状透明導電体を構成する導電体材料と同様であればよい。
ここで、可視光に対する透過性が高いガラスやフィルムが第1の基板の一例であり、可視光の透過性が高い他のガラスやフィルムが第2の基板の一例である。そして、X方向電極61が第1の電極の一例であり、Y方向電極62が第2の電極の一例である。
そこで、第3の実施の形態が適用されるタッチパネル6では、X方向電極61、Y方向電極62が縁取部βを備えることで、面部αの縁に枝状の突起が生じにくくなっている。よって、第1の実施の形態が適用されるアンテナ構造体1と同様に、PIM特性の劣化が抑制される。
請求項2に記載の発明は、前記縁取部は、電界の最も高い部分の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体である。
請求項3に記載の発明は、前記縁取部は、前記面部の縁を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体である。
請求項4に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性材料で構成された基板と、前記基板の一方の表面上に設けられ、電波の送受信を行うアンテナ素子部と、を備え、前記アンテナ素子部は、網目状に加工された可視光を透過しにくい厚さの導電性材料で構成され、予め定められた形状を有する面部と、前記面部の縁の少なくとも一部において、当該面部の縁に生じる突起の先端を縁取るように導電性材料で構成された縁取部とを有することを特徴とするアンテナ構造体である。
請求項5に記載の発明は、前記アンテナ素子部は、放射電極と接地電極とを備え、前記縁取部は、前記放射電極と前記接地電極とが近接する、当該放射電極の部分と当該接地電極の部分とに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ構造体である。
請求項6に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性の基板と、前記基板の一方の表面上に設けられ、少なくとも予め定められた周波数帯の電波の透過を抑制する電波遮蔽部と、を備え、前記電波遮蔽部は、網目状に加工された可視光を透過しにくい厚さの導電性材料で構成された面部と、前記面部の縁の少なくとも一部において、当該面部の縁に生じる突起の先端を縁取るように導電性材料で構成された縁取部とを有することを特徴とする電波遮蔽構造体である。
請求項7に記載の発明は、前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した部分に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電波遮蔽構造体である。
請求項8に記載の発明は、可視光を透過する電気絶縁性の第1の基板と、前記第1の基板の一方の表面上に設けられ、予め定められた方向に延びる第1の電極と、可視光を透過する電気絶縁性の第2の基板と、前記第2の基板の一方の表面上に設けられ、前記方向と交差する方向に延びる第2の電極と、を備え、前記第1の電極と前記第2の電極とは、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、対向するように配置されるとともに、網目状に加工された可視光を透過しにくい厚さの導電性材料で構成された面部と、前記面部の縁の少なくとも一部において、当該面部の縁に生じる突起の先端を縁取るように導電性材料で構成された縁取部とをそれぞれ有することを特徴とするタッチパネルである。
請求項9に記載の発明は、前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した前記第1の電極及び前記第2の電極の部分に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルである。
Claims (9)
- 可視光を透過する電気絶縁性材料で構成された基板と、
前記基板の一方の表面上に設けられ、網目状の導電性材料で構成され、予め定められた形状を有する面部と、
前記基板の前記一方の表面上に設けられ、導電性材料で前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部と
を有する網目状透明導電体を備える構造体。 - 前記縁取部は、電界の最も高い部分の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体。
- 前記縁取部は、前記面部の縁を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の網目状透明導電体を備える構造体。
- 可視光を透過する電気絶縁性材料で構成された基板と、
前記基板の一方の表面上に設けられ、電波の送受信を行うアンテナ素子部と、を備え、
前記アンテナ素子部は、
網目状の導電性材料で構成され予め定められた形状を有する面部と、
導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部と
を有することを特徴とするアンテナ構造体。 - 前記アンテナ素子部は、放射電極と接地電極とを備え、
前記縁取部は、前記放射電極と前記接地電極とが近接する、当該放射電極の部分と当該接地電極の部分とに設けられていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ構造体。 - 可視光を透過する電気絶縁性の基板と、
前記基板の一方の表面上に設けられ、少なくとも予め定められた周波数帯の電波の透過を抑制する電波遮蔽部と、を備え、
前記電波遮蔽部は、
網目状の導電性材料で構成された面部と、
導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部と
を有することを特徴とする電波遮蔽構造体。 - 前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した部分に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電波遮蔽構造体。
- 可視光を透過する電気絶縁性の第1の基板と、
前記第1の基板の一方の表面上に設けられ、予め定められた方向に延びる第1の電極と、
可視光を透過する電気絶縁性の第2の基板と、
前記第2の基板の一方の表面上に設けられ、前記方向と交差する方向に延びる第2の電極と、を備え、
前記第1の電極と前記第2の電極とは、前記第1の基板と前記第2の基板との間において、対向するように配置されるとともに、
網目状の導電性材料で構成された面部と、
導電性材料にて前記面部の縁の少なくとも一部を縁取るように構成された縁取部と
をそれぞれ有することを特徴とするタッチパネル。 - 前記縁取部は、外部に設けられる複数の周波数帯の電波を送受信するアンテナ構造体に近接した前記第1の電極及び前記第2の電極の部分に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。
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