JPWO2019150910A1 - β型サイアロン蛍光体及びその製造方法、並びに発光装置 - Google Patents

β型サイアロン蛍光体及びその製造方法、並びに発光装置 Download PDF

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Abstract

Al−Kα線を励起X線源として用いたX線光電子分光スペクトルにおいて、結合エネルギーが103.5eVのときの光電子強度をX、結合エネルギーが102.0eVのときの光電子強度をYとした場合に、2.5>Y/Xを満たすβ型サイアロン蛍光体である。

Description

本発明は、β型サイアロン蛍光体及びその製造方法、並びに発光装置に関する。
一次光を発する発光素子と、一次光を吸収して二次光を発する蛍光体とを組み合わせた発光装置は、低消費電力化、小型化、高輝度且つ広範囲な色再現性が期待される次世代の発光装置として注目され、活発に研究開発が行なわれている。例えば、青色から紫色の短波長の可視光を発光する発光素子と蛍光体とを組み合わせ、発光素子の発光と蛍光体によって波長変換された光との混色により白色光を得る発光装置が提案されている(特許文献1)。
近年、液晶ディスプレイのバックライト、照明、フラットパネルディスプレーなどの発光装置では高輝度化が求められており、それに伴って発光装置の高出力化も進んでいる。発光装置の高出力化は発熱量の増加につながるため、蛍光体の温度上昇に伴う発光強度の低下により、発光装置の信頼性が低下してしまう。そのため、耐久性(特に、耐熱性)に優れた蛍光体が求められており、結晶構造の安定したβ型サイアロン蛍光体に代表される窒化物又は酸窒化物の蛍光体に注目が集まっている。
β型サイアロン蛍光体の製造方法としては、窒化ケイ素と、窒化アルミニウムと、酸化ユーロピウムのような光学活性元素化合物とを所定のモル比で混合して2000℃付近の温度で焼成し、得られた焼成物を粉砕した後、粉末状の焼成物を酸処理する方法が知られている(特許文献2)。また、原料の焼成後に窒素雰囲気下での熱処理と希ガス雰囲気での熱処理とを行う方法も知られている(特許文献3)。
特許第4769132号公報 特許第4210761号公報 特許第5508817号公報
しかしながら、特許文献2及び3のような公知の方法によって製造されるβ型サイアロン蛍光体は、そのままの状態では耐久性(特に、耐熱性)が十分ではなく、このβ型サイアロン蛍光体を発光装置に用いると、信頼性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、信頼性の高い発光装置を製造可能なβ型サイアロン蛍光体及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、信頼性が高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、β型サイアロン蛍光体を特定の条件下で熱処理して表面改質することにより、信頼性の高い発光装置を与える耐久性(特に、耐熱性)に優れたβ型サイアロン蛍光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、上記のような特性を有するβ型サイアロン蛍光体をX線光電子分光分析した結果、Al−Kα線を励起X線源として用いたX線光電子分光スペクトルにおいて、特定の2つの位置の結合エネルギーにおける光電子強度(Counts/s)の比が特定の範囲にあることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体は、Al−Kα線を励起X線源として用いたX線光電子分光スペクトルにおいて、結合エネルギーが103.5eVのときの光電子強度をX、結合エネルギーが102.0eVのときの光電子強度をYとした場合に、2.5>Y/Xを満たす。
また、本発明の実施形態に係る発光装置は、上記のβ型サイアロン蛍光体を含む。
さらに、本発明の実施形態に係るβ型サイアロン蛍光体の製造方法は、β型サイアロン蛍光体及び水の合計質量に対して0.5質量%以上の水を共存させた状態で、150℃以上の温度にてβ型サイアロン蛍光体を熱処理する。
本発明によれば、信頼性の高い発光装置を製造可能なβ型サイアロン蛍光体及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、信頼性が高い発光装置を提供することができる。
実施例1及び比較例1のβ型サイアロン蛍光体のX線光電子分光スペクトルである。 実施例1及び比較例1〜2のβ型サイアロン蛍光体のFT−IRで測定したクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルである。
以下、本発明に係るβ型サイアロン蛍光体及びその製造方法、並びに発光装置の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、以下の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本明細書において「β型サイアロン蛍光体」とは、β型窒化ケイ素(Si34)のSi位置にAlが、N位置にOが部分的に置換した固溶体であり、一般式:Si6-zAlzz8-zで表すことができる。式中、zは0〜4.2である。また、β型サイアロン蛍光体は、紫外光から可視光の幅広い波長域で励起され、緑色発光する。
本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、Al−Kα線を励起X線源として用いたX線光電子分光スペクトルにおいて、結合エネルギーが103.5eVのときの光電子強度をX、結合エネルギーが102.0eVのときの光電子強度をYとした場合に、2.5>Y/Xを満たす。2.5≦Y/Xであると、β型サイアロン蛍光体の耐久性が十分に向上しないため、信頼性が高い発光装置を得ることができない。
ここで、X線光電子分光スペクトルは、各光電子強度の結合エネルギーの値から官能基などを特定することができる。結合エネルギーが103.5eVのときの光電子強度は、Si−N結合を示しており、結合エネルギーが102.0eVのときの光電子強度は、Si−O結合の存在を示している。
2.5>Y/Xを満たす場合、Si−N結合に対するSi−O結合の割合が高くなるため、β型サイアロン蛍光体の表面が加水分解して酸化層が十分に形成されている(すなわち、表面改質が十分に行われている)と考えられる。β型サイアロン蛍光体の表面に酸化層が十分に形成されていると、更なる加水分解が抑制される。その結果、発光装置中でβ型サイアロン蛍光体の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質の発生が抑制されるため、発光装置の信頼性が向上する。
X線光電子分光スペクトルは、X線光電子分光分析(XPS)によって得ることができる。その測定条件は以下の通りである。
測定装置:X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ社製PHI5000VersaProbeII)
出力:15kV−50W
測定領域:200μmφ
パスエネルギー:187eV
ステップサイズ:50ms
本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、FT−IRを用いたクベルカ−ムンク(Kubelka−Munk:以下、「K−M」と略することがある)関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3650cm-1のときのKM値をA、波数が2600cm-1のときのKM値をDとした場合に、0.15<A/Dを満たすことが好ましい。
ここで、本明細書において「クベルカ−ムンク関数の値」とは、物質の反射率を物質固有の吸収の指標となる値に変換する関数であり、吸光係数を散乱係数で除すること(吸光係数/散乱係数)によって得ることができる。
FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルは、波数の値から官能基などを特定することができる。波数が3650cm-1のときのKM値は、Si−OH結合を示しており、波数が2600cm-1のときのKM値は、β型サイアロン蛍光体の構造由来のピークを示している。
0.15<A/Dを満たす場合、β型サイアロン蛍光体の構造に占めるSi−OH結合の割合が高くなるため、β型サイアロン蛍光体の表面が加水分解して酸化層が十分に形成されている(すなわち、表面改質が十分に行われている)と考えられる。そのため、β型サイアロン蛍光体の更なる加水分解が抑制される結果、発光装置中でβ型サイアロン蛍光体の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生し難くなり、発光装置の信頼性が向上する。
クベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルはフーリエ変換赤外吸収分析(FT−IR)によって得ることができる。測定は、パーキンエルマー社製Spectrum Oneを用いて行った。測定サンプルはβ型サイアロン蛍光体を希釈せずにペレット化すればよい。
本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3650cm-1のときのKM値をA、波数が3400cm-1のときのKM値をBとした場合に、0.2<A/Bを満たすことが好ましい。
ここで、波数が3400cm-1のときのKM値は、吸着水のO−H結合を示している。
0.2<A/Bを満たす場合、吸着水のO−H結合に比べて酸化層のSi−OH結合の割合が高くなるため、β型サイアロン蛍光体の表面が加水分解して酸化層が十分に形成されていると考えられる。そのため、発光装置中でβ型サイアロン蛍光体の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生し難くなり、発光装置の信頼性が向上する。
本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3200cm-1のときのKM値をC、波数が3400cm-1のときのKM値をBとした場合に、0.7<C/Bを満たすことが好ましい。
ここで、波数が3200cm-1のときのKM値は、酸化層のAl−OH結合を示している。
0.7<C/Bを満たす場合、吸着水のO−H結合に比べて酸化層のAl−OH結合の割合が高くなるため、β型サイアロン蛍光体の表面が加水分解して酸化層が十分に形成されていると考えられる。そのため、発光装置中でβ型サイアロン蛍光体の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生し難くなり、発光装置の信頼性が向上する。
上記のような特徴を有する本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、β型サイアロン蛍光体及び水の合計質量に対して0.5質量%以上の水を共存させた状態で、150℃以上の温度にてβ型サイアロン蛍光体を熱処理することによって製造することができる。共存させる水の量が0.5質量%未満又は加熱温度が150℃未満であると、β型サイアロン蛍光体の表面の加水分解が不十分となり、酸化層が十分に形成されない。
β型サイアロン蛍光体及び水の合計質量に対して0.5質量%以上の水を共存させた状態にする方法としては特に限定されないが、例えば、β型サイアロン蛍光体と水とを混合した後、混合物(水の含有量0.5質量%以上)を密閉状態にすればよい。
熱処理時の圧力条件は、特に限定されないが、0.05MPa以上のゲージ圧下にて熱処理を行うことが好ましい。上記のような圧力条件下で熱処理を行うことにより、β型サイアロン蛍光体の表面の加水分解を効率的に行うことができる。このような圧力条件下で熱処理を行うための方法としては、特に限定されず、例えば、密閉容器を用い、密閉状態で加熱処理を行えばよい。
上記の熱処理前のβ型サイアロン蛍光体としては、特に限定されず、公知の方法によって得られたものであればよい。具体的には、上記の熱処理前のβ型サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素と、窒化アルミニウムと、酸化ユーロピウムのような光学活性元素化合物とを含む混合原料粉末を焼成し、得られた焼成物を粉砕することによって得ることができる。なお、上記の熱処理前のβ型サイアロン蛍光体は、必要に応じて酸処理、不活性雰囲気下で熱処理を行ってもよい。また、上記の熱処理前のβ型サイアロン蛍光体として、市販品を用いることも可能である。
上記の熱処理を行った後、大気中、100℃以上、好ましくは100〜600℃で更に熱処理してもよい。更なる熱処理を行うことにより、β型サイアロン蛍光体の吸着水及び結晶水を除去することができるため、発光装置の信頼性が向上する。
このようにして得られる本実施形態のβ型サイアロン蛍光体は、発光装置内の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生し難いため、発光装置に用いるのに有用である。
本実施形態の発光装置は、上記のβ型サイアロン蛍光体を含む。この発光装置において、β型サイアロン蛍光体は発光部材に一般に用いられる。発光部材は、β型サイアロン蛍光体を封止材料(例えば、シリコーン樹脂)と混合して硬化することによって得ることができる。発光部材は、β型サイアロン蛍光体以外の蛍光体を含んでいてもよい。
また、本実施形態の発光装置は、種々の発光素子を含むことができる。発光素子としては、特に限定されないが、好ましくは240〜480nmの波長の光を発する紫外LED又は青色LED、より好ましくは440〜470nmの波長の光を発する青色LEDである。例えば、上記のβ型サイアロン蛍光体は、紫外LED又は青色LEDと組み合わせることにより、白色発光装置(白色LED)を得ることができる。
上記のような特徴を有する本実施形態の発光装置は、発光装置内の温度が上昇した際に、アンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生し難いβ型サイアロン蛍光体を含んでいるため、信頼性が高い。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
β型サイアロン蛍光体(デンカ株式会社製GR−SW529B)95質量%とイオン交換水5質量%とを混合した。次に、内側をテフロン(登録商標)ライニングされたSUS316製容器(50cc)に混合物20gを入れた後、密閉状態にて、温度200℃で168時間、熱処理を行った。熱処理時の容器内のゲージ圧を測定したところ1.62MPaであった。次に、熱処理後のβ型サイアロン蛍光体を、イオン交換水をかけながらナイロン篩(目開き150μm)に通した後、孔径が10μm以下の濾紙を用いて濾過した。濾物をイオン交換水3Lで洗浄して濾過を再度行った後、80℃で25時間乾燥させることにより、実施例1のβ型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例2)
熱処理を200℃で48時間行ったこと以外は実施例1と同様の条件で処理を行うことにより、実施例2のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時の容器内のゲージ圧を測定したところ1.62MPaであった。
(実施例3)
実施例2のβ型サイアロン蛍光体を、大気中、大気圧にて150℃で5時間、更に熱処理を行うことにより、実施例3のβ型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例4)
実施例2のβ型サイアロン蛍光体を、大気中、大気圧にて80℃で5時間、更に熱処理を行うことにより、実施例4のβ型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例5)
熱処理を150℃で48時間行ったこと以外は実施例1と同様の条件で処理を行うことにより、実施例5のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時のゲージ圧を測定したところ0.52MPaであった。
(実施例6)
β型サイアロン蛍光体(デンカ株式会社製GR−SW529B)99.5質量%とイオン交換水0.5質量%とを混合したこと以外は実施例2と同様の条件で処理を行うことにより、実施例6のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時のゲージ圧を測定したところ0.68MPaであった。
(比較例1)
熱処理前のβ型サイアロン蛍光体(デンカ株式会社製GR−SW529B)を比較例1とした。
(比較例2)
β型サイアロン蛍光体(デンカ株式会社製GR−SW529B)を、大気中、大気圧にて200℃で168時間、熱処理を行った。次に、熱処理後のβ型サイアロン蛍光体を、イオン交換水をかけながらナイロン篩(目開き150μm)に通した後、孔径が10μm以下の濾紙を用いて濾過した。濾物をイオン交換水3Lで洗浄して濾過を再度行った後、80℃で25時間乾燥させることにより、比較例2のβ型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例3)
熱処理を100℃で48時間行ったこと以外は実施例1と同様の条件で処理を行うことにより、比較例3のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時のゲージ圧を測定したところ0.13MPaであった。
(比較例4)
熱処理を50℃で48時間行ったこと以外は実施例1と同様の条件で処理を行うことにより、比較例4のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時のゲージ圧を測定したところ0.02MPaであった。
(比較例5)
β型サイアロン蛍光体(デンカ株式会社製GR−SW529B)を水と混合せず、β型サイアロン蛍光体20gを用いたこと以外は実施例2と同様の条件で処理を行うことにより、比較例5のβ型サイアロン蛍光体を得た。なお、熱処理時のゲージ圧を測定したところ0.06MPaであった。
上記の実施例及び比較例における熱処理条件を表1にまとめた。
Figure 2019150910
上記の実施例及び比較例で得られたβ型サイアロン蛍光体について、X線光電子分光分析、フーリエ変換赤外吸収分析及び信頼性評価を行った。
X線光電子分光分析及びフーリエ変換赤外吸収分析は、上記した条件で測定を行った。また、信頼性評価は下記の通りにして行った。
<信頼性評価>
実施例及び比較例で得られたβ型サイアロン蛍光体2.5g、シリコーン樹脂(東レダウコーニング株式会社製OE6656)47.5gを自転公転式の混合機(株式会社シンキー製あわとり練太郎(登録商標)ARE−310)で混合した。次に、凹型のパッケージ本体の底部に発光素子(LED)を配置して基板上の電極とワイヤボンディングした後、発光素子を覆うように混合物をマイクロシリンジから注入し、150℃で硬化させた。その後、110℃×10時間のポストキュアを行って封止することにより、LEDパッケージとした。発光素子には、発光ピーク波長が448nm、大きさが1.0mm×0.5mmの大きさのものを用いた。
次に、直流安定化電源と接続したLEDパッケージを85℃、85%RHの恒温恒湿槽に入れ、90mAで通電して点灯させた状態にて1000時間暴露を行った。暴露前後のLEDパッケージの全光束を測定し、暴露後のLEDパッケージの全光束保持率を算出した。全光束保持率が93%以上であれば、信頼性が高いと判定することができる。
上記の各評価結果を表2に示す。
Figure 2019150910
ここで、X線光電子分光分析及びフーリエ変換赤外吸収分析の結果について、代表例として、実施例1及び比較例1のβ型サイアロン蛍光体のX線光電子分光スペクトルを図1に示す。また、実施例1及び比較例1〜2のβ型サイアロン蛍光体のクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルを図2に示す。
表2に示されるように、実施例1〜6のβ型サイアロン蛍光体は2.5>Y/Xであり、全光束保持率が93%以上の信頼性が高いLEDパッケージを得ることができた。
これに対して比較例1のβ型サイアロン蛍光体は、熱処理を行わなかったため、表面に酸化層が十分に形成されておらず、2.5≦Y/Xとなった(Si−N結合に対するSi−O結合の割合が低くなった)。その結果、このβ型サイアロン蛍光体は、温度上昇の際にアンモニウムイオンなどのイオン性物質が発生してしまい、LEDパッケージの全光束保持率(信頼性)が低下したと考えられる。
比較例2のβ型サイアロン蛍光体は、大気中で熱処理を行ったため、表面の加水分解が十分に進行しなかった。また、比較例3及び4のβ型サイアロン蛍光体は、熱処理温度が低すぎたため、表面の加水分解が十分に進行しなかった。さらに、比較例5のβ型サイアロン蛍光体は、熱処理の際に、β型サイアロン蛍光体及び水の合計質量に対して0.5質量%以上の水を共存させた状態にしなかったため、表面の加水分解が十分に進行しなかった。そのため、これらのβ型サイアロン蛍光体は、表面に酸化層が十分に形成されておらず、2.5≦Y/Xとなり(Si−N結合に対するSi−O結合の割合が低くなり)、LEDパッケージの全光束保持率(信頼性)が低下したと考えられる。
また、実施例2と実施例3とを比較すると、熱処理の後、大気中、100℃以上の温度で更に熱処理することにより、LEDパッケージの全光束保持率(信頼性)が向上した。これは、更なる熱処理によってβ型サイアロン蛍光体の吸着水が除去されたためであると考えられる。実際、クベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルをみると、吸着水のO−H結合を示すKM値Bが低下し、A/B、C/Bの値が上昇した。
更なる熱処理を行う場合であっても、実施例4のように熱処理温度が100℃未満であった場合、LEDパッケージの全光束保持率(信頼性)の向上効果は十分に得られなかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、信頼性の高い発光装置を製造可能なβ型サイアロン蛍光体及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、信頼性が高い発光装置を提供することができる。
本発明のβ型サイアロン蛍光体は、白色発光装置、有色発光装置などの様々な発光装置に用いることができる。白色発光装置としては、液晶ディスプレイ、液晶パネルのバックライト、照明装置、信号装置、画像表示装置などが挙げられる。また、本発明のβ型サイアロン蛍光体及び発光装置は、プロジェクター用途としても使用することができる。

Claims (8)

  1. Al−Kα線を励起X線源として用いたX線光電子分光スペクトルにおいて、結合エネルギーが103.5eVのときの光電子強度をX、結合エネルギーが102.0eVのときの光電子強度をYとした場合に、2.5>Y/Xを満たすβ型サイアロン蛍光体。
  2. FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3650cm-1のときのKM値をA、波数が2600cm-1のときのKM値をDとした場合に、0.15<A/Dを満たす、請求項1に記載のβ型サイアロン蛍光体。
  3. FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3650cm-1のときのKM値をA、波数が3400cm-1のときのKM値をBとした場合に、0.2<A/Bを満たす、請求項1又は2に記載のβ型サイアロン蛍光体。
  4. FT−IRを用いたクベルカ−ムンク関数の値(KM値)のスペクトルにおいて、波数が3200cm-1のときのKM値をC、波数が3400cm-1のときのKM値をBとした場合に、0.7<C/Bを満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体を含む発光装置。
  6. β型サイアロン蛍光体及び水の合計質量に対して0.5質量%以上の水を共存させた状態で、150℃以上の温度にてβ型サイアロン蛍光体を熱処理する、β型サイアロン蛍光体の製造方法。
  7. 前記熱処理が0.05MPa以上のゲージ圧下にて行われる、請求項6に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
  8. 前記熱処理の後、大気中、100℃以上の温度で更に熱処理する、請求項6又は7に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
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