JPWO2019150827A1 - 椅子 - Google Patents

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JPWO2019150827A1
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亮介 山尾
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    • A47CCHAIRS; SOFAS; BEDS
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A47C7/02Seat parts
    • A47C7/14Seat parts of adjustable shape; elastically mounted ; adaptable to a user contour or ergonomic seating positions

Abstract

背面から座面まで身体の姿勢変化に追従することより、身体支持機能を発揮し、着座感を向上させることができる椅子を提供することを課題とし、布帛によって一体的に形成された座面部と背面部とを有する椅子であって、布帛は、(a)フレームに張設されるとともに、(b)椅子前方から見たとき、(b−1)座面部では左右方向および奥行き方向のいずれか一方の方向にわたってフレームに固定され、背面部では椅子の少なくとも上下方向にわたってフレームに固定され、または(b−2)座面部では少なくとも奥行き方向にわたってフレームに固定され、背面部では左右方向にフレームに固定され、(c)座面部と背面部との間でフレームに固定されていない自由部が布長において150mm〜750mmの範囲内で存在することを特徴とする椅子とする。

Description

本発明は、椅子に関する。
従来、椅子は、多くの場合、人体の背中を支持する部分(背面部)の布帛及び臀部や大腿部を支持する部分(座面部)の布帛が、それぞれ分離されて構成され、フレームなどの支持部材にそれぞれ取付けられて支持されている。そのため、背面部及び座面部との間に空隙が形成され、その空隙付近で椅子を構成する布帛が人体を追従しにくく、特に座骨下に体圧分布が集中しやすい問題がある。また、腰が椅子によって十分に支持されないため、姿勢が固定されず、不安定であり、腰痛を誘発される問題もある。上記した点を改善する椅子として、例えば、シートクッション後部からシートバック下部にかけて、着座面を構成しうる布体をハンモック式に張架したものが知られている(特許文献1)。また、着座者の背、腰、尻および大腿に沿って柔軟に変形し着座者を支える連続した一枚の布状のテンション材で一体形成された椅子も提案されている(特許文献2)。
実開平06−017542号公報 特開2002−119361号公報
特許文献1に記載されている椅子は、シートクッション(座面部)とシートバック(背面部)の結合部において、身体を支持することができるものの、布片の接合位置の調整により、効果が大きく異なるものであるため、十分な支持効果を得るための接合位置を選定することが難しい。また、結合部の境界で保持力の変化が発生しやすく、分散される圧力の差により、腰を十分に支持できないため、座骨下に応力が集中し、保持力が低い部分に腰痛を誘発する可能性がある。また、特許文献2に記載の椅子では、座面部と背面部とを連続した一枚の布状のテンション材で一体形成するので、テンション材が着座者の体型に応じて変形し、座面部と背面部とで隙間なく連続的に着座者の体を支えることはできる。しかしながら、背面部でのテンション材の固定が十分ではなく、テンション材が実質的に布帛両端でのみフレームに固定されていることになるので、座り直し、姿勢変化など、上体の揺れが発生した際に、テンション材がその動きに追従し、背面部を安定に支持することが難しい。
そこで本発明は、背面部から座面部まで身体の姿勢変化に追従でき、安定的に身体支持機能を発揮し、着座感を向上させることができる椅子を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため本発明は、次のいずれかの構成を有する。
(1) 布帛によって一体的に形成された座面部と背面部とを有する椅子であって、布帛は、
(a)フレームに張設されるとともに、
(b)椅子前方から見たとき、(b−1)座面部では左右方向および奥行き方向のいずれか一方の方向にわたってフレームに固定され、背面部では椅子の少なくとも上下方向にわたってフレームに固定され、または(b−2)座面部では少なくとも奥行き方向にわたってフレームに固定され、背面部では左右方向にフレームに固定され、
(c)座面部と背面部との間でフレームに固定されていない自由部が布長において150mm〜750mmの範囲内で存在する
ことを特徴とする椅子。
(2) 前記座面部における布帛のバネ定数が10N/mm以上45N/mm以下であることを特徴とする、前記(1)記載の椅子。
(3) 前記座面部における布帛の引張弾性係数は30N/mm以上150N/mm以下であることを特徴とする、前記(1)または(2)記載の椅子。
(4) 前記布帛は、複数枚の布帛が連結されて一体に形成されていることを特徴とする、前記(1)〜(3)いずれかに記載の椅子。
(5) クッション材が前記布帛上面の少なくとも一部に積層されていることを特徴とする、前記(1)〜(4)いずれかに記載の椅子.
(6) 前記布帛の張力を調整可能とする手段を備えていることを特徴とする、前記(1)〜(5)いずれかに記載の椅子。
本発明の椅子は、布帛によって一体的に形成された座面部と背面部とを有することで、着座者の身体を連続的に支持することができ、ほぼ理想的な保持力が確保される。特に、フレームに固定されない自由部が一定の範囲内の長さで布帛に存在することにより、座り直しや姿勢変化など、上体の揺れが発生した際に、布帛がその動きに追従でき、背中から臀部及び腰下部までを安定的に支持することができる。そして布帛と着座者との接触面積の拡大により、体圧がより広く分散され、着座感も向上する。
図1は、本発明を適用した事務用椅子の後斜め方向からの斜視図である。 図2は、本発明を適用した事務用椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図3は、本発明を適用した事務用椅子の張力調整手段の図である。 図4は、実施例1、2、5での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図5は、実施例3、6での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図6は、実施例4、比較例3での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図7は、実施例7での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図8は、比較例1での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。 図9は、比較例2での布帛固定部を示す、椅子の前斜め方向からの斜視図である。
本発明に係る椅子は、例えば図1に示すように、布帛によって一体的に形成された座面部と背面部とを有する椅子であって、布帛は、
(a)フレームに張設されるとともに、
(b)椅子前方から見たとき、(b−1)座面部では左右方向および奥行き方向のいずれか一方の方向にわたってフレームに固定され、背面部では椅子の少なくとも上下方向にわたってフレームに固定され、または(b−2)座面部では少なくとも奥行き方向にわたってフレームに固定され、背面部では左右方向にフレームに固定され、
(c)座面部と背面部との間でフレームに固定されていない自由部が布長において150mm〜750mmの範囲内で存在する
ものである。
図1において、布帛3は背面部フレーム1と座面部フレーム2に張設されている。背面部フレーム1としては、椅子前方から見たときに左右(着座者の側面)に位置する左右フレーム部を有していればいいが、椅子としての機械的強度を高める観点から、図1に示すように略コの字状に形成されることが好ましい。図1に示す略コの字状の背面部フレーム1は、水平方向に横断するように配される上段フレーム部と、この上段フレーム部の両端部から(もしくは両端部を通るように)伸び、互いに対向して配置された一対の左右フレーム部からなる。座面部フレーム2も、椅子前方から見たときに左右(着座者の側面)にかつ奥行き方向に対向配置される一対の奥行きフレーム部を有していればいいが、椅子としての機械的強度を高める観点から、略コの字状に形成されることが好ましい。略コの字状の座面部フレーム2は、水平方向に横断するように配される下段フレーム部と、この下段フレーム部の両端部から(もしくは両端部を通るように)伸び、互いに対向して配置された一対の奥行きフレーム部からなることが好ましい。
背面部フレーム1と座面部フレーム2としては、その2つのフレームが一体成形されたフレームを用いることもできるが、本実施形態のように、別々に成形したフレームを連結して用いることが好ましい。背面部フレーム1と座面部フレーム2が別々に成形されたものであることにより、二つのフレームの間隔と角度を適宜調整することができるので、姿勢変化及び体格差により容易に対応可能となる。
座面部と背面部とを一体的に形成する布帛は、連続した1枚の布帛が椅子前方から見たとき、座面部では左右方向および奥行き方向のいずれか一方の方向にわたってフレームに固定され、背面部では椅子の少なくとも上下方向にわたってフレームに固定されるか、または、座面部では少なくとも奥行き方向にわたってフレームに固定され、背面部では左右方向にフレームに固定される。
中でも、布帛は、その一部が背面部の左右において背面部フレーム1の上下方向にわたって固定され、座面部の前方において座面部フレーム2の左右方向に固定されることが好ましい。これにより、座り直し、姿勢変化など、上体の揺れが発生した際にも、布帛がその動きにより追従しやすく、背面部をより安定に支持することができる。
さらに、前記の布帛には、座面部と背面部との間でフレームに固定されない自由部が150mm〜750mmの範囲内で存在することが重要である。かかる自由部が150mm以上であることにより、より腰部及び臀部を追従しやすくなり、より支持力が高まる。自由部は200mm以上であることがより好ましく、250mm以上であることがさらに好ましい。自由部が150mmを下回る場合、腰部及び臀部と布帛との接触面積が十分なものとはならず、特に、最も大きい荷重がかかる臀部のみが自由部に支持されることになるので、その部分が大きく変形し、沈みこみやすく、さらに座骨下に体圧が集中しやすくなる。一方、自由部が750mm以下であることにより、着座時に臀部の沈みこみが適切なものとなる。自由部は、700mm以下であることがより好ましく、650mm以下であることがさらに好ましい。
布帛の固定は、例えば、張設する布帛の端部に複数の孔を設け、一方フレームにはフックなどを設け、かかるフックで布帛の孔を引っ掛けることで張設することが可能である。また、布帛の固定部長さ方向にワイヤーなどの棒状部材を設け、その棒状部材をフレームに引っ掛けるようにすることもできる。棒状部材を布帛に設けるにあたっては、布帛を袋状にして、その袋状の部分に棒状部材を内挿すればよい。さらに、布帛端部に紐などの張設部材をとりつけ、かかる紐をフレームに結び付けるようにすることもできる。
座面部における布帛、すなわち人体の臀部が位置することになると考えられる部位の布帛は、バネ定数が10N/mm以上45N/mm以下であることが好ましい。このバネ定数とは、布帛をバネにみたてた数値であり、具体的には、布帛が張設された座面の中心位置を、鉛直方向に、長径300mm×短径250mmの楕円の加圧板により加圧したときの、荷重[N]と布帛の沈み込み量[mm]から得るものである。荷重は200N以上までとし、荷重[N]と布帛の沈み込み量[mm]の関係をプロットし、200N加重時のグラフ接線の傾きをバネ定数とする。なお、200Nの荷重は、着座者が座面に座ったときに布帛に掛かる平均荷重と考えられる。座面部における布帛のかかるバネ定数が上記範囲であることで、椅子の人へのフィット感(なじみ易さ)が向上され着座者を快適に感じさせることができる。
また、座面部における布帛は、着座者の体重を支持するための十分な強度及び着座者の身体形状に合わせ適宜変形して程良いフィット感を与えるため、一定の荷重で伸び止まる引張弾性係数を持つ布帛が好ましい。具体的には30N/mm以上150N/mm以下であることが好ましい。布帛の引張弾性係数を上記範囲にすることで、通常の使用においては十分な伸長性を持つ一方、異常な荷重が負荷されたときには伸び止まり、姿勢変化に追従しつつも身体を支持することができる。すなわち、適度な引張弾性係数を備えた布帛は姿勢変化に適度に伸び、身体に追従し、身体を支持させることが出来る。なお、引張弾性係数の評価にあたっては、340N/5cmの荷重を負荷するが、この負荷は、人が通常の動作で行うような着座の際の荷重を想定しているものである。
また、布帛は一つから成るものでもいいが、図7のように複数枚の布帛を連結し一枚にしたものが好ましい。例えば、背面部の上部に固定される布帛は座面部に固定される布帛より、引張弾性係数が低いものにすることが好ましい。布帛を上記構成にすることで、背面部の上部は相対的に伸びやすく、相対的に低い荷重がかかる上半身をホールドし、背面部の下部及び座面部は、相対的に高い荷重がかかる下半身を、沈み込みなく、適度に伸び、支持するなど、各部位にかかる荷重に合わせ、適宜変形し、身体を支持することが可能である。また、上記構成の椅子を車輌のシートに用いた場合は、背面の下部及び座面部は、ペダル操作および急激な速度変化による骨盤の動きを抑制するなど、布帛が各部位における動きを制御する機能を付与することも可能である。
複数枚の布帛の連結手段は当技術分野で通常行われているものであれば、特に制限されずに採用することができ、例えば、縫製、接着、振動溶着なども含まれる。
本発明において、布帛の形態としては、織物、編物のいずれであってもよく、従来公知の方法によって製造することができる。織物は、平織、綾織、朱子織や、これらの組織を組み合わせた二重織等の組織を用途に応じて適宜選定することができる。また、編物は、よこ編み、たて編み等のいずれであってもよい。なかでも、織物が好ましい。材質、繊維太さ、組織、機械的特性を代えることにより、硬度、弾力、フィット性を容易にコントロールすることができる。
また、布帛を構成する材料はとくに限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂が好ましく、繊維状に成形可能で、繊維構造体にした際に布帛として要求される弾性係数、伸長率を発揮できるものが好ましい。その他、合成繊維、天然繊維などを特に限定することなく用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂類、ナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリアミド樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン樹脂類、あるいはこれらの樹脂を2種類以上混合した樹脂などを用いることができる。また、撚糸や仮撚糸や他のポリエステルとの混繊糸でも構わないが、コストや耐久性、および強度の観点から長繊維であることが好ましい。また所望する特性が得られるのであればレザーや合成レザー、メッシュ材、不織布、フィルムなどであってもよい。
本発明の椅子においては、クッション材が前記の布帛の上面の少なくとも一部に積層されることも好ましい。本発明の椅子は、例えば、シートカバーが積層配置されて使われることも好ましいが、前述の布帛と最終的にシート表面を形成するシートカバーとの間に、クッション材が積層配置することも好ましい。クッション材は、振動・衝撃を吸収、減衰するものであり、着座時の入力荷重を分散し、着座者への反力をきわめて小さくすることができる補助的な手段であることが好ましい。クッション材は、例えば硬軟や厚さを考慮し、樹脂製繊維の詰め物でも良いが、ウレタンフォームが好ましい。
さらに、本発明の椅子には、布帛の張力を調整可能とする手段を設けることが好ましい。張力調整可能手段を利用することにより姿勢変化及び体格差にさらに容易に対応可能となる。ここで、図3に張力調整手段5を示す。これは、布帛3の一端を巻き取る装置であり、巻取り量を調整することにより、布帛の張力を調整可能とするものである。図示しないが、座面部フレーム2の前後方向へスライドし、布帛の張力を調整可能なスライド装置を設けることもできる。
次に、本発明の椅子について、実施例に基づいて説明する。実施例において用いた特性の測定方法は、下記のとおりである。
1.布帛のバネ定数
JIS−K−6400−2(2012) E法を参考とし、シート用静荷重撓み試験機(日本電産シンポ株式会社製FGS−TV特、2軸手動走行仕様)を用い、R30付き楕円板(短径250mm×長径φ300mm)の加圧治具の中心を座面の中心位置(ヒップポイント(JASO Z−221によるシートに着座したときの人体マネキンの胴体と大腿部の回転中心に相当するポイント))にあわせ、布帛に接する位置を初期位置(0N)とし、試験を開始する。加圧速度270mm/minで、200N以上の荷重まで加圧し、200N荷重時の荷重と座面沈み込み量[mm]とのグラフ接線の傾きをそれぞれ5つのサンプルについて測定し、その平均を算出した。
2.引張弾性係数
JIS−L−1096(2010) 8.14.1 A法を参考とし、定速伸長型試験機を用い、直径300mmの円形の試験片を、椅子前方から見たとき、左右方向と平行方向に200mmのつかみ間隔、50mmのつかみ幅にて、引張速度200mm/分で引っ張り、測定を行った。引張荷重−ひずみ結果の曲線において、340N/5cm荷重を負荷した時のグラフ接線傾きをそれぞれ5つのサンプルについて測定し、その平均を算出した。
3.着座快適性評価
被験者5名で各椅子に60分間着座し、官能評価を行った。着座姿勢はゆったりした着座ポジションが取れるように椅子の位置及び角度を決め、身体の各部にターゲットマークを貼り付けてヒップポイントを中心に姿勢計測を行い、着座再現性を確保できるようにした。結果は、はまり込み感、フィット感、不快感、座骨圧迫度、腰部違和感それぞれについて5点法で評定し、各評価項目について被験者5名分の点の平均を算出し、それを各評価項目の評価結果とした。さらに、5つの評価項目の評価結果の平均を算出し、これを総合評価とした。なお、評価基準は表1のとおりである。
Figure 2019150827
(実施例1)
緯糸として、700dtexの“ハイトレル”(登録商標)モノフィラメント弾性糸(東レ・モノフィラメント(株)製H23R−0.270W−CJ2C)を、また、経糸として、総繊度1670dtex−288フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸(東レ(株)製高強力ポリエスエル)に200T/mの甘撚を掛けた糸を用い、緯糸密度33本/inch(2.54cm)、経糸密度25本/inch(2.54cm)として、平織の織物を作成した。得られた織物を180℃の温度で2分間、熱処理を行い、経糸密度25本/inch、緯糸密度40本/inchの布帛を得た。上記布帛1枚を用い、布帛の緯糸方向が背面部フレーム1の上下方向になるように配置し、該背面部フレーム1の両側部において上下方向に固定して張設した。そして座面部フレーム2の前端部において左右方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして450mm存在するようにし、図4に示す構成の椅子を得た。着座評価を行った結果、布帛が適度に伸び、臀部及び腰下部を支持し、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1に用いたポリエステル糸を経緯の糸に用い、緯糸密度30本/inch、経糸密度28本/inchとして、平織の織物を作製した。得られた織物を180℃の温度で2分間、経方向にのみ7%オーバーフィードしながら実施例1と同じ乾熱処理を行い、経糸密度28本/inch、緯糸密度32本/inchの布帛を得た。上記布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図4に示したように、上記布帛1枚を背面部フレーム1の両側部において上下方向、そして座面部フレーム2の前端部において左右方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして450mm存在するようにして椅子を構成した。着座評価を行った結果、布帛が適度に伸び、臀部及び腰下部を支持し、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1に用いたポリエステル糸を緯糸、700dtexの“ハイトレル”(登録商標)モノフィラメント弾性糸を経糸に用い、緯糸密度30本/inch、経糸密度28本/inchとして、平織の織物を作製した。得られた織物を180℃の温度で2分間、経方向に7%、緯方向に15%オーバーフィードしながら同様な乾熱処理を行い、経糸密度32本/inch、緯糸密度32本/inchの布帛を得た。上記布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図5に示したように、1枚の布帛を、背面部フレーム1の両側部において上下方向および上端部で左右方向に、そして座面部フレーム2の両側部において奥行き方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして300mm存在するようにして椅子を構成した。得られた椅子は、着座評価を行った結果、布帛が適度に伸び、臀部及び腰下部を支持し、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例2と同様な布帛を用い、布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図6に示したように、1枚の布帛を、背面部フレーム1の両側部において上下方向、そして座面部フレーム2の両側部において奥行き方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして175mm存在するようにして椅子を構成した。布帛が伸び、臀部及び腰下部を支持し、やや快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1と同様な布帛を用い、布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図4に示したように、上記布帛1枚を背面部フレーム1の両側部において上下方向、そして座面部フレーム2の前端部において左右方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして680mm存在するようにして椅子を構成した。着座評価を行った結果、布帛が十分に伸び、臀部及び腰下部を支持し、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例6)
緯糸として、繊度2300dtexの“ハイトレル”(登録商標)モノフィラメント(東レ・モノフィラメント(株)製H43R−0.490WT150)を、また、経糸として、実施例1にて経糸として使用した糸を用い、緯糸密度26本/inch、経糸密度27本/inchとして、平織の織物を作成した。得られた織物を160℃の温度で2分間、経方向にのみ20%オーバーフィードしながら乾熱処理を行ない、経糸密度27本/inch、緯糸密度31本/inchの布帛を得た。上記布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図5に示したように、連続した1枚の布帛を、背面部フレーム1の両側部において上下方向および上端部で左右方向に、そして座面部フレーム2の両側部において奥行き方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして300mm存在するようにして椅子を構成した。着座が柔らかい反面、沈み量がやや大きく、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1と同様な布帛2枚を用い、座面部および背面部下部では布帛の経糸方向が椅子の左右方向になるように、そして背面部上部では布帛の経糸方向が椅子の上下方向になるように、それら2枚を縫製し、連続した1枚の布帛を得た。連結された1枚の布帛は、椅子の上下方向の布長が830mmで、上から300mm、下から530mmの位置に連結部を有していた。この布帛を、図7に示したように、背面部フレーム1の両側部において上下方向に、そして座面部フレーム2の前端部において左右方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして450mm存在するようにして椅子を構成した。着座評価を行った結果、布帛が適度に伸び、臀部及び腰下部を支持し、特に、背面部の上部は良く伸び、上半身をホールド感が得られ、快適な着座性能を示した。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1と同様な布帛2枚を用い、それぞれ布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図8に示したように、背面部フレーム1の両側部において上下方向、そして座面部フレーム2の両側部において奥行き方向に、それぞれ固定して張設し、椅子を構成した。得られた椅子は、布帛が背面部及び座面部とで別体として構成され、互いに連結されておらず、着座時に布帛が臀部及び腰下部まで接触せず、座骨下が沈み、体圧が集中し、快適ではなかった。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1と同様な布帛を用い、布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図9に示したように、1枚の布帛を、背面部フレーム1の上端部において左右方向に、座面部フレーム2の前端部において左右方向に固定して張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして800mm存在するようにして椅子を構成した。得られた椅子は布帛がフレームの前後端部のみで固定され、両側部は全く固定されていないため、着座時に臀部の沈みこみが大きく、快適ではなかった。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1と同様な布帛を用い、布帛の緯糸方向が椅子の左右方向になるようにし、図6に示したように、1枚の布帛を、背面部フレーム1の両側部において上下方向、そして座面部フレーム2の両側部において奥行き方向に固定し張設し、それら固定部間で布帛がフレームに固定されない自由部が布長にして75mm存在するようにして椅子を構成した。得られた椅子は布帛がフレームに固定されすぎていて、着座時に布帛が臀部及び腰下部に追従せず、座骨下に体圧が集中し、快適ではなかった。物性評価及び着座評価結果を表2に示す。
Figure 2019150827
本発明に係る椅子は、クッション性能を利用する各種用途の椅子として利用可能である。例えば、電車、乗用車などの車輌のシート、ソファ、カウチ、フォールディングチェア、リクライニングシート、介護用椅子、事務用椅子などとして利用可能である。
1 背面部フレーム
2 座面部フレーム
3 布帛
4 固定部
5 張力調整手段
6 座面部と背面部との間で布帛がフレームに固定されない自由部
7 2枚の布帛が縫製されている連結部

Claims (6)

  1. 布帛によって一体的に形成された座面部と背面部とを有する椅子であって、布帛は、
    (a)フレームに張設されるとともに、
    (b)椅子前方から見たとき、(b−1)座面部では左右方向および奥行き方向のいずれか一方の方向にわたってフレームに固定され、背面部では椅子の少なくとも上下方向にわたってフレームに固定され、または(b−2)座面部では少なくとも奥行き方向にわたってフレームに固定され、背面部では左右方向にフレームに固定され、
    (c)座面部と背面部との間でフレームに固定されていない自由部が布長において150mm〜750mmの範囲内で存在する
    ことを特徴とする椅子。
  2. 前記座面部における布帛のバネ定数が10N/mm以上45N/mm以下であることを特徴とする、請求項1記載の椅子。
  3. 前記座面部における布帛の引張弾性係数は30N/mm以上150N/mm以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の椅子。
  4. 前記布帛は、複数枚の布帛が連結されて一体に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の椅子。
  5. クッション材が前記布帛上面の少なくとも一部に積層されていることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載の椅子.
  6. 前記布帛の張力を調整可能とする手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の椅子。
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