JPWO2019146379A1 - ガラス基板及びその製造方法 - Google Patents

ガラス基板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019146379A1
JPWO2019146379A1 JP2019567947A JP2019567947A JPWO2019146379A1 JP WO2019146379 A1 JPWO2019146379 A1 JP WO2019146379A1 JP 2019567947 A JP2019567947 A JP 2019567947A JP 2019567947 A JP2019567947 A JP 2019567947A JP WO2019146379 A1 JPWO2019146379 A1 JP WO2019146379A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
glass
less
substrate according
slow cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019567947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7256473B2 (ja
Inventor
博通 梅村
博通 梅村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Publication of JPWO2019146379A1 publication Critical patent/JPWO2019146379A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7256473B2 publication Critical patent/JP7256473B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B25/00Annealing glass products
    • C03B25/04Annealing glass products in a continuous way
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B25/00Annealing glass products
    • C03B25/04Annealing glass products in a continuous way
    • C03B25/06Annealing glass products in a continuous way with horizontal displacement of the glass products
    • C03B25/08Annealing glass products in a continuous way with horizontal displacement of the glass products of glass sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C15/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C19/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by mechanical means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

本発明は、熱収縮率が小さいため、高精細のディスプレイ基板として好適であり、剥離帯電を引き起こしにくいガラス基板及びその製造方法を提供することを技術的課題とする。本発明のガラス基板は、質量百分率で、SiO250〜70%、Al2O310〜25%、B2O30%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、Na2O 0.005〜0.3%を含有し、β−OH値が0.18/mm未満、歪点が735℃以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、高精細のディスプレイに好適であり、他の部材と接触させた後で剥離しても静電気の帯電を引き起こしにくいガラス基板及びその製造方法に関するものである。
従来から液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、ハードディスク、フィルター、センサー等の基板として、ガラスが広く使用されている。近年では、従来の液晶ディスプレイに加えて、低温ポリシリコンTFTや有機ELといった高精細のディスプレイが盛んに開発され、一部では既に実用化されている。
高精細のディスプレイに用いられるガラス基板には、特に次の(1)〜(5)の特性が要求される。
(1)無アルカリガラスであること。すなわちガラス基板中のアルカリ金属酸化物の含有量が多いと、熱処理時にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招く。
(2)熱収縮率が低く、熱安定性に優れていること。すなわちガラス基板は、成膜、アニール等の工程で数百度に熱処理される。熱処理の際に、ガラス基板が熱収縮すると、パターンズレ等が発生しやすくなる。例えば低温ポリシリコンTFTの製造工程では400〜600℃の熱処理工程が存在し、この熱処理工程でガラス基板が熱収縮し、寸法変化が生じる。この寸法変化が大きいと、TFTの画素ピッチにズレが生じ、表示不良の原因となる。また有機ELの場合、わずかな寸法変化でも表示不良となる虞れがあり、熱収縮率の極めて低いガラス基板が要求されている。
(3)ガラス基板の撓みに起因する不具合を抑制するため、ヤング率や比ヤング率が高いこと。
(4)ガラスの製造の観点から、溶融性や耐失透性に優れていること。
(5)ディスプレイの製造工程で要求される耐薬品性やエッチング性能を有すること。
特許文献1には、高精細のディスプレイに適した無アルカリガラス基板が提案されている。
特開2016−183091号公報
上記したようにディスプレイに用いられるガラス基板には、アルカリ金属酸化物を含有しない無アルカリガラス基板が使用されているが、静電気の帯電が問題になることがある。もともと絶縁体であるガラスは非常に帯電しやすいが、無アルカリガラスは、特に帯電しやすく、一旦帯電した静電気が逃げずに維持される傾向がある。液晶ディスプレイなどの製造工程において、ガラス基板の帯電は様々な工程で引き起こされるが、成膜工程などにおいてガラス基板を金属や絶縁体のプレートと接触させた後、剥離することで起こる帯電は、剥離帯電と呼ばれる。ガラス基板の剥離帯電は、常圧の大気中の工程はもちろんのこと、基板表面の薄膜のエッチングを行う工程や成膜工程など、真空の工程中でも発生する。帯電したガラス基板に導電性の物質が近づくと放電が起こる。そして帯電している静電気の電圧は数10kVにも達するため、放電によってガラス基板表面の素子や電極線、あるいはガラス基板そのものの破壊(絶縁破壊あるいは静電破壊)が起こり、表示不良の原因となる。液晶ディスプレイの中でも特に低温ポリシリコンTFTディスプレイは、ガラス基板表面に薄膜トランジスタなどの微細な半導体素子や電子回路が形成されるが、この素子や回路は静電破壊に非常に弱いため特に問題となる。また帯電した環境中に存在するダストを引き寄せて基板表面の汚染の原因ともなる。
ガラス基板の帯電防止策としてはイオナイザを用いて電荷を中和する、あるいは環境中の温度を上げ、蓄積した電荷を空中に放電させる方法などがよく知られている。しかし、これらの対策はコストアップの要因になる他、工程中に帯電を引き起こす場所が多岐にわたるため、効果的な対策を打つことが難しいという問題が残る。さらにプラズマプロセスのような真空プロセス中ではこれらの手段を用いることができない。従って液晶ディスプレイを初めとするフラットパネルディスプレイ用途には、帯電しにくいガラス基板が強く求められている。
本発明は、熱収縮率が低いため、高精細のディスプレイ基板として好適であり、剥離帯電を引き起こしにくいガラス基板を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明のガラス基板は、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、NaO 0.005〜0.3%を含有し、β−OH値が0.18/mm未満、歪点が735℃以上であることを特徴とする。
また本発明のガラス基板の製造方法は、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、NaO 0.005〜0.3%を含有するガラスとなるように調製されたガラスバッチを準備する原料準備工程、ガラスバッチを電気溶融炉で溶融する溶融工程、溶融ガラスを板状に成形する成形工程、板状のガラスを徐冷炉で徐冷する徐冷工程、徐冷した板状ガラスを所定寸法に切断する加工工程を含み、β−OH値が0.18/mm未満、歪点が735℃以上のガラス基板を得ることを特徴とする。
本発明者の知見によると、無アルカリガラス基板は、β−OH値が低下するほど熱収縮率は低下するが、β−OH値が0.18/mm未満になると、顕著に帯電しやすくなる。本発明によれば、β−OH値が0.18/mm未満であるにもかかわらず、ガラスの比抵抗を低下させる作用を有するNaOを0.005質量%以上含有するため、ガラス基板の帯電を抑制することが可能である。一方、Bを多量に含有するガラスにNaOを含有させると、ガラス溶融時にBがナトリウム化合物として揮発しやすくなる。そのため本発明では、Bを3質量%未満に規制しており、ガラス溶融時におけるBの揮発を抑え、ガラス中のNaO量の安定化を図ることができる。これによって熱収縮率が低く、帯電しにくいガラス基板を安定して得ることが可能となる。
なお、「β−OH値」は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の式を用いて求めた値を指す。
β−OH値 = (1/X)log(T1/T2)
X:ガラス肉厚(mm)
T1:参照波長3846cm−1における透過率(%)
T2:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
本発明においてガラス基板のβ−OH値を低下させる方法としては、以下の方法が挙げられる。(1)含水量の低いガラスバッチ(含水量の少ないガラス原料や、含水量の少ないガラス体を細かく粉砕したガラスカレット)を選択する。(2)ガラス中の水分量を減少させる作用を有する成分(Cl、SOなど)を添加する。(3)炉内雰囲気中の水分量を低下させる。(4)溶融ガラス中でNバブリングを行う。(5)小型溶融炉を採用する。(6)溶融ガラスの流量を大きくする。(7)電気溶融炉を採用する。
上記したように本発明のガラス基板を製造する場合、β−OH値を低下するという観点から、できるだけ含水量の低いガラスバッチを使用し、電気溶融炉を用いることが好ましい。電気溶融炉を用いてガラスバッチを溶融する場合、溶融炉内におけるガス燃焼等に起因する雰囲気の水分量の上昇が抑えられるため、ガス燃焼炉に比べて溶融ガラス中の水分量を低減しやすい。そのため電気溶融炉で製造したガラスは、β−OH値が低下する。またβ−OH値が低下するほど、ガラスの歪点が高くなり、熱収縮率の低いガラス基板が得られやすくなる。電気溶融炉は、バーナーを用いない完全電気溶融炉であることが望ましいが、溶融初期において補助的に輻射加熱を行うためのバーナーやヒーターを備えた電気溶融炉であっても良い。
本発明において、ガラス基板の熱収縮率が20ppm以下、15ppm以下、12ppm以下、10ppm以下、9ppm以下、8ppm以下、7ppm以下、6ppm以下、特に5ppm以下であることが好ましい。ただしガラス基板の熱収縮率を0ppmにするには、生産性の著しい低下を伴うため、1ppm以上、2ppm以上、特に3ppm以上であることが好ましい。またガラス基板の熱収縮率の目標値に対するばらつきは±1.0ppm以下、特に±0.5ppm以下であることが好ましい。ガラス基板の熱収縮率が高いと、低温ポリシリコンTFTや有機ELのディスプレイの表示不良が発生しやすくなり、またガラス基板の熱収縮率のばらつきが大きいと、ディスプレイ基板を安定して生産することができなくなる。ガラス基板の熱収縮率のばらつきを小さくするためには、ガラス原料の水分量を調整したり、徐冷工程の冷却速度を調整すれば良い。
本発明のガラス基板の成形方法は、特に制限されるものではないが、徐冷工程を長くできるという観点からはフロート法が好ましく、またガラス基板の表面品位の向上を図ったり、その厚みを小さくするという観点からは、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法が好ましい。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表裏面となるべき面が成形体に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため板厚方向の中央部がオーバーフロー合流面であり、両表面が火造り面であるガラス基板が得られる。これにより未研磨で表面品位に優れた(表面粗さやうねりが小さい)ガラス基板を安価に製造することができる。
本発明において、ダウンドロー法を採用する場合、徐冷炉の長さ(高低差)は3m以上であることが好ましい。徐冷工程は、ガラス基板の歪を除去するための工程であるが、徐冷炉が長いほど、板状ガラスの冷却速度を調整しやすく、ガラス基板の熱収縮率を小さくすることが容易となる。よって徐冷炉の長さは、5m以上、6m以上、7m以上、8m以上、9m以上、特に10m以上であることが好ましい。
本発明において、徐冷工程における板状ガラスの冷却速度が、徐冷点から(徐冷点−100℃)の温度範囲で50〜1000℃/分、100〜1000℃/分、100〜800℃/分、300℃/分〜800℃/分の平均冷却速度であることが好ましい。ガラス基板の熱収縮率は、板状ガラスを徐冷する時の冷却速度でも変動する。すなわち速く冷却されたガラス基板は、熱収縮率が高くなり、逆にゆっくり冷却されたガラス基板は、熱収縮率が低くなる。
本発明において、徐冷した板状ガラスには切断加工が施される。すなわち成形された板状のガラス(ガラスリボン)を所定寸法に切断する。その後、端面部からの破損を防止するため、端面研削加工や端面研磨加工を施してもよい。こうして得られるガラス基板の短辺は1500mm以上、長辺は1850mm以上であることが好ましい。すなわちガラス基板の寸法が大きくなるほど、ガラス基板の生産効率が向上するため、その短辺は、1950mm以上、2200mm以上、2800mm以上、特に2950mm以上が好ましく、長辺は2250mm以上、2500mm以上、3000mm以上、特に3400mm以上であることが好ましい。
本発明において、ガラス基板の厚みは0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、特に0.4mm以下であることが好ましい。厚みを小さくするほどガラス基板の軽量化を図ることができ、モバイル型ディスプレイ基板に好適となる。ただしガラス基板の厚みが小さくなりすぎると、剥離帯電により破損しやすくなるため、0.1mm以上、さらには0.2mm以上が好ましい。
本発明のガラス基板の剥離帯電をさらに抑えるためには、少なくとも一方の表面が微細凹凸面であることが望ましい。微細凹凸面の表面形状としては、表面粗さRaが0.1〜10nmとなるようにすればよい。ガラス基板表面を微細凹凸面にするための方法としては、研磨装置を用いた物理的研磨や、ガラス基板にエッチング液を塗布したり、エッチングガスを噴霧したりする化学エッチングによる方法を採用すれば良い。後者の化学エッチングを採用すると、ガラス基板にガラス粉などが付着しにくく、表面の清浄化が図れるため好ましい。本発明のガラス基板は、もともと剥離帯電を引き起こしにくいため、その表面に微細な凹凸を形成する場合でも、その加工時間を短縮し、生産性の向上を図ることが可能となる。
本発明によれば、熱収縮率が低いため高精細のディスプレイ基板として好適であり、剥離帯電を引き起こしにくいガラス基板を安定して得ることが可能である。
ガラス基板の熱収縮率を測定する方法を示す説明図である。 ガラス基板の剥離帯電量の測定に用いる装置を示す説明図であり、(a)はガラス基板をテーブルから離間させた状態を示す説明図、(b)はガラス基板をテーブルに載置した状態を示す説明図である。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載の数値を最小値及び最大値としてそれぞれ含む範囲を意味する。
本発明のガラス基板は、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、NaO 0.005〜0.3%を含有する。上記のように各ガラス構成成分の含有量を規制した理由を以下に説明する。尚、以下の各成分の%表示は、特に断りのない限り、質量%を指す。
SiOの含有量が少なくなると、耐薬品性、特に耐酸性が低下しやすくなると共に、歪点が低下しやすくなる。また密度が高くなり、ガラス基板の軽量化が図りにくくなる。ガラスの密度は、2.70g/cm未満、さらには2.65g/cm未満であることが好ましい。一方、SiOの含有量が多くなると、高温粘度が高くなって溶融性が低下しやすくなり、またエッチングする場合に時間がかかる。さらにSiO系結晶、特にクリストバライトが析出して液相線粘度が低下、つまり耐失透性が低下しやすくなる。よってSiOは、50%以上、55%以上、58%以上、60.5%以上、さらには61%以上が好ましく、70%以下、65%以下、64%以下、63.5%以下、63%以下、62.5%以下、さらには62%以下が好ましい。
Alの含有量が少なくなると、歪点が低下し、熱収縮率が大きくなると共に、ヤング率が低下してガラス基板がたわみやすくなる。一方、Alの含有量が多くなると、耐BHF(バッファードフッ酸)性が低下し、ガラス表面に白濁が生じやすくなると共に、耐クラック抵抗性が低下して破損しやすくなる。さらにガラス中にSiO−Al系結晶、特にムライトが析出して、液相線粘度が低下しやすくなる。よってAlは、10%以上、13%以上、15%以上、16%以上、17%以上、17.5%以上、さらには18%以上が好ましく、25%以下、23%以下、21%以下、20%以下、19%以下、19.7%以下、さらには19.5%以下が好ましい。
は、融剤として働き、粘性を低下して溶融性を改善する成分である。Bの含有量が多くなると、溶融ガラスが揮発してガラス成分が変動しやすい。またBの含有量が多くなるほど、歪点が低下すると共に、耐熱性や耐酸性も低下しやすくなる。さらにヤング率が低下してガラス基板のたわみ量が大きくなりやすい。よってBは、3%未満、2%以下、1.7%以下、1.5%以下、1.4%以下、1%以下、さらには実質的に含有しないことが好ましい。ただし溶融性を向上し、耐BHF性や耐クラック性の低下を防ぐという観点から、Bは0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上、さらには0.5%以上含有させても良い。
上記したようにガラスのβ−OH値は、ガラス溶融炉に投入されるガラスバッチに含まれる水分の影響を受けやすく、特にホウ素源となるガラス原料は吸湿性があり、また結晶水を含むものもあるため、ガラス中に水分を持ち込みやすい。そのためガラス中のBの含有量を少なくするほど、ガラスのβ−OH値は低下しやすくなる。またβ−OH値が低下するほど、ガラスの歪点が高くなり、ガラス基板の熱収縮率の低下を図りやすくなる。以上の理由から、本発明においては、できるだけBを少なくすることが好ましく、実質的にBを含有しないことが望ましい。ここで実質的にBを含有しないとは、意図的に原料としてBを含有させないという意味であり、不純物からの混入を否定するものではない。具体的にはBの含有量が0.1%以下であることを意味する。
MgOは、高温粘性を下げて溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分であるが、過剰に導入すると、SiO系結晶、特にクリストバライトが析出して液相線粘度が低下しやすくなる。さらにMgOは、BHFと反応して生成物を形成しやすい成分である。MgOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなり、MgOが多くなると、耐失透性や歪点が低下しやすくなる。よってMgOの含有量は、10%以下、9%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3.5%以下、特に3%以下であることが好ましい。また1%以上、1.5%以上、特に2%以上であることが好ましい。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて溶融性を顕著に高める成分である。またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多くなりすぎると、ガラスが失透しやすくなると共に、熱膨張係数が高くなりやすい。よってCaOの含有量は、15%以下、12%以下、11%以下、8%以下、特に6%以下であることが好ましい。また1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、特に5%以上であることが好ましい。
SrOは、ガラスの分相を抑制し、耐失透性を高める成分である。さらに歪点を低下させずに高温粘性を下げて溶融性を高めると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。一方、SrOの含有量が多くなると、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出しやすくなって耐失透性が低下しやすくなる。よってSrOの含有量は、10%以下、7%以下、5%以下、4%以下、特に3%以下であることが好ましい。また0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.5%以上、1.0%以上、特に1.5%以上であることが好ましい。
BaOは、耐失透性を顕著に高める成分である。BaOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。一方、BaOの含有量が多くなると、密度が高くなりすぎると共に、溶融性が低下しやすくなる。またBaOを含む失透結晶が析出しやすくなって液相温度が上昇しやすくなる。よってBaOの含有量は、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10.5%以下、10%以下、9.5%以下、特に9%以下であることが好ましい。また1%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、特に7%以上であることが好ましい。
NaOは、ガラスの比抵抗を低下する成分である。NaOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。一方、NaOの含有量が多くなると、熱処理時にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招く。よってNaOは、0.005%以上、0.008%以上、0.01%以上、0.02%以上、0.025%以上、0.03%以上、さらには0.05%以上が好ましく、0.3%以下、さらには0.2%以下が好ましい。
NaO以外のアルカリ金属酸化物としてKOを添加してもよい。KOもガラスの比抵抗を低下する成分である。KOの含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。一方、KOの含有量が多くなると、熱処理時にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招く。よってKOは、0.001%以上、0.002%以上、0.005%以上、0.01%以上、0.02%以上、0.025%以上、0.03%以上、さらには0.05%以上が好ましく、0.3%以下、さらには0.2%以下が好ましい。KOは、NaOより多く含有させることが可能である。
さらに、NaO、KO以外のアルカリ金属酸化物であるLiOも、適宜添加することが可能である。ただしアルカリ金属酸化物の含有量が多くなると、熱処理時にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招くため、アルカリ金属酸化物の総量(NaO、LiO及びKOの合量)は0.4%以下とすることが好ましい。
本発明においては、ガラス基板に上記成分に加えて次の成分を含有させることが可能である。
本発明のガラス基板はFeを0.005〜0.1%含有することが好ましい。Feは、NaOと同様、ガラスの比抵抗を低下させる作用を有する成分であり、Feを一定量以上含有させることによって、ガラス基板の帯電を抑制する効果がより高まる。Feは、0.005%以上、0.008%以上、特に0.01%以上含有することが好ましい。ただしFeを0.1%超含有すると、ガラスの透過率が低下するためディスプレイ基板として好ましくなくなるおそれがあるため、Feは0.1%以下が好ましい。
本発明のガラス基板はSnOを0.001〜0.5%含有することが好ましい。SnOは、高温域で良好な清澄作用を有し、歪点を高めると共に高温粘性を低下させる成分である。またモリブデン電極を使用した電気溶融炉の場合、電極を浸食しないという利点がある。一方、SnOの含有量が多くなると、SnOの失透結晶が析出しやすくなり、またZrOの失透結晶の析出を促進しやすくなる。よってSnOの含有量は、0.001〜0.5%、0.001〜0.45%、0.001〜0.4%、0.01〜0.35%、0.1〜0.3%、特に0.15〜0.3%であることが好ましい。
さらに、本発明のガラス基板が含有してもよいその他の成分について説明する。
ZnOは、溶融性を高める成分である。しかしZnOの含有量が多くなると、ガラスが失透しやすくなると共に歪点が低下しやすくなる。ZnOの含有量は0〜5%、0〜4%、0〜3%、特に0〜2%であることが好ましい。
ZrOは、化学的耐久性を高める成分であるが、ZrOの含有量が多くなると、ZrSiOの失透ブツが発生しやすくなる。ZrOの含有量は、0〜5%、0〜4%、0〜3%、特に0.01〜2%であることが好ましい。
TiOは、高温粘性を下げて溶融性を高めると共に、ソラリゼーションによる着色を抑制する成分であるが、TiOの含有量が多くなると、ガラスが着色して透過率が低下しやすくなる。TiOの含有量は、0〜5%、0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜0.1%であることが好ましい。
は、歪点を高めると共に、アノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶の析出を抑制する成分である。ただしPを多量に含有させると、ガラスが分相しやすくなる。Pの含有量は、好ましくは、0〜0.15%未満、0〜1%、0〜0.1%であり、特にガラスのリサイクルを容易にするという点から実質的に含有しないこと、具体的には0.01%未満であることが望ましい。
Cl、F、SO、C、CeO或いはAl、Si等の金属粉末は合量で3%まで含有させることができる。AsやSbは、清澄剤として有用であるが、環境や電極の浸食防止の観点から実質的に含有しないことが望ましい。ここで実質的に含有しないとは、AsとSbの合量が0.1%以下であることを意味する。
本発明のガラス基板は、β−OH値が0.18/mm未満である。ガラスのβ−OH値が低下するほど、ガラスの歪点が高くなり、熱収縮率が低くなるため、β−OH値は、0.15/mm未満、0.12/mm以下、0.1/mm以下、0.07/mm以下、特に0.05/mm以下であることが好ましい。ただしガラス基板の帯電を抑制するという観点から、β−OH値は0.01/mm以上、0.02/mm以上、特に0.03/mm以上であることが好ましい。
本発明のガラス基板は、歪点が735℃以上である。ガラス基板の熱収縮率を低下させるためには、歪点をできるだけ高くすることが望ましく、740℃以上、745℃以上、さらには750℃以上であることが好ましい。ただし歪点を高めようとするほど、ガラス溶融時や成形時の温度が高くなり、ガラス基板の製造コストが高騰するため、歪点は800℃以下とすることが好ましい。
本発明のガラス基板は、歪点と同様の理由で、徐冷点が、780℃以上、790℃以上、800℃以上、810℃以上、特に820℃以上であることが好ましい。ただし徐冷点を高めようとするほど、ガラス溶融時や成形時の温度が高くなり、ガラス基板の製造コストが高騰するため、徐冷点は850℃以下、さらに840℃以下とすることが好ましい。
本発明のガラス基板は、ヤング率が80GPa以上であることが好ましい。ヤング率が高いほど、ガラス基板のたわみが小さくなり、搬送時や梱包時のハンドリングが容易となる。ヤング率は、81GPa以上、82GPa以上、83GPa以上、84GPa以上、さらには85GPa以上が好ましい。
本発明のガラス基板は、104.5dPa・sに相当する温度が、1330℃以下、1320℃以下、特に1310℃以下であることが好ましい。104.5dPa・sに相当する温度が高くなると、成形時の温度が高くなりすぎて、製造歩留まりが低下しやすくなる。
本発明のガラス基板は、102.5dPa・sに相当する温度が1670℃以下、1660℃以下、特に1650℃以下であることが好ましい。102.5dPa・sに相当する温度が高くなると、ガラスが溶融し難くなり、泡等の欠陥が増加したり、製造歩留まりが低下しやすくなる。
本発明のガラス基板は、液相温度が1250℃未満、1240℃未満、1230℃未満、特に1220℃未満であることが好ましい。このようにすれば、ガラス製造時に失透結晶が発生し難くなるため、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形しやすくなる。これにより、ガラス基板の表面品位を向上すると共に、製造歩留まりの低下を抑えることができる。ガラス基板の大型化やディスプレイの高精細化の観点から、ガラスの耐失透性を高め、表面欠陥となり得る失透物を極力抑える意義は非常に大きい。
本発明のガラス基板は、液相温度における粘度が104.9dPa・s以上、105.0dPa・s105.1dPa・s以上、105.2dPa・s以上、特に105.3dPa・s以上であることが好ましい。このようにすれば、ガラス成形時に失透が生じ難くなるため、オーバーフローダウンドロー法で板状に成形しやすくなり、ガラス基板の表面品位を高めることができる。尚、液相温度における粘度は、成形性の指標であり、液相温度における粘度が高い程、成形性が向上する。
(実施例1)
表1、2は、本発明の実施例ガラス(試料No.1〜9)と従来ガラス(試料No.10)を示すものである。尚、表中のNaO、KO、Fe、ZrO以外の成分の含有量は、小数第2位を四捨五入したものである。
Figure 2019146379
Figure 2019146379
表1、2のガラス試料は、次にようにして作製した。まず表中の組成となるようにガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れた後、1600〜1650℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶融にあたっては、白金スターラーを用いて撹拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。こうして得られた各試料について、歪点、徐冷点、密度、ヤング率、104.5dPa・sに相当する温度、102.5dPa・sに相当する温度、液相温度TL、液相温度における粘度ηTL(dPa・s)についてLog10ηTLを測定した。
尚、表1、2中の歪点、徐冷点は、ASTM C336の方法で測定した。
密度は、ASTM C693によるアルキメデス法で測定した。
ヤング率は、JISR1602による曲げ共振法により測定した。
104.5dPa・s及び102.5dPa・sに相当する温度は、白金球引き上げ法で測定した。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに投入し、1100℃から1350℃に設定された温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、ガラス中に失透(結晶異物)が認められた温度を測定した。
液相温度における粘度Log10ηTLは、白金球引き上げ法で液相温度におけるガラスの粘度ηTLを測定し、Log10ηTLを算出した。
β−OH値は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の式を用いて求めた。
β−OH値 = (1/X)log(T1/T2)
X:ガラス肉厚(mm)
T1:参照波長3846cm−1における透過率(%)
T2:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
表1および2から明らかなように、No.1〜9の各試料は、歪点が735℃以上、徐冷点が785℃以上であるため、熱収縮率を20ppm以下にしやすいガラスである。またヤング率が80.4GPa以上であるため、たわみにくく、液相温度TLが1246℃以下、液相温度における粘度ηTLが104.9dPa・s以上であるため、成形時に失透が生じ難い。特にNo.1、2、7〜9の各試料は、液相温度における粘度ηTLが105.2dPa・s以上であるため、オーバーフローダウンドロー法に適したものであった。
(実施例2)
表2の試料No.8及び10のガラスとなるようにガラスバッチを調製した。次いで、このガラスバッチを電気溶融炉に投入し、1600〜1650℃で溶融した後、清澄槽、均質化槽内で溶融ガラスを清澄均質化した後、ポット内で成形に適した粘度に調整した。次いで溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー装置により板状に成形した後、長さ5mの徐冷炉において、徐冷点から(徐冷点−100℃)の温度範囲での平均冷却速度を385℃/分に設定して徐冷した。その後、板状ガラスを切断し、端面加工することにより、1500×1850×0.7mmの寸法を有するガラス基板を作製した。
こうして得られた各ガラス基板のβ−OH値及び熱収縮率を測定したところ、試料No.8のガラス基板のβ−OH値は0.1/mm、熱収縮率は10ppmであった。一方、試料No.10のガラス基板のβ−OH値は0.3/mm、熱収縮率は25ppmであった。
ガラス基板の熱収縮率は、次の方法で測定した。まず図1(a)に示すように、ガラス基板の試料として160mm×30mmの短冊状試料Gを準備した。この短冊状試料Gの長辺方向の両端部のそれぞれに、#1000の耐水研磨紙を用いて、端縁から20〜40mm離れた位置でマーキングMを形成した。その後、図1(b)に示すように、マーキングMを形成した短冊状試料GをマーキングMと直交方向に沿って2つに折り割って、試料片Ga、Gbを作製した。そして、一方の試料片Gbのみを、常温(25℃)から500℃まで5℃/分で昇温させ、500℃で1時間保持した後に、5℃/分で常温まで降温させる熱処理を行った。上記熱処理後、図1(c)に示すように、熱処理を行っていない試料片Gaと、熱処理を行った試料片Gbを並列に配列した状態で、2つの試料片Ga、GbのマーキングMの位置すれ量(△L1、△L2)をレーザー顕微鏡によって読み取り、下記の式により熱収縮率を算出した。尚、式中のlは、初期のマーキングM間の距離である。
熱収縮率 = [{△Ll(μm)+△L2(μm)}×10]/l(mm)(ppm)
次に上記の試料No.8、10の各ガラス基板につき、図2に示す装置を使用して剥離帯電の評価を行った。
図2(a)に示すようにガラス基板Gの支持台1は、ガラス基板Gの四隅を支持するテフロン(登録商標)製のパッド2を備えている。支持台1には、昇降可能な金属アルミニウム製のテーブル3が設けられており、図2(b)に示すようにテーブル3を上下させることによって、ガラス基板Gとテーブル3を接触させた後、ガラス基板Gを剥離させることにより、ガラス基板Gを帯電させることができる。尚、テーブル3は、アースされている。またテーブル3には単数または複数の孔(図示省略)が形成されており、この孔がダイヤフロム型の真空ポンプ(図示省略)に接続されている。真空ポンプを駆動させると、テーブル3の孔から空気が吸引され、これによってガラス基板Gをテーブル3に真空吸着させることができる。またガラス基板Gの上方10mmの位置には表面電位計4が設置され、これによってガラス基板Gの中央部に発生する帯電量を連続測定する。またガラス基板Gの上方にはイオナイザ付きエアーガン5が設置されており、これによってガラス基板Gの帯電を徐電することができる。
この装置を用いて次の工程で、ガラス基板の剥離帯電を測定した。尚、実験は温度25℃、湿度40%のクリーンブース内で行った。帯電量は、雰囲気、特に大気中の湿度に影響を受けて大きく変化するため特に湿度の調整には配慮が必要である。
(1)ガラス基板Gを支持台1の支持パッド2上に載置する。
(2)イオナイザ付きエアーガン5によりガラス基板Gを徐電する。
(3)テーブル3を上昇させてガラス基板Gに接触させると共に、真空吸着させてテーブル3とガラス基板Gを20秒間密着させる。
(4)テーブル3を下降させることでガラス基板Gをテーブル3から剥離し、ガラス基板Gの中央部に発生する帯電量を表面電位計4で連続的に測定する。
(5)上記(3)と(4)の工程を繰り返すことにより、計5回の剥離評価を連続して行う。
各測定における最大帯電量を求め、これらを積算して剥離帯電量とする。
その結果、試料No.8のガラス基板の剥離帯電量が1000Vであったのに対し、試料No.10の剥離帯電量は2000Vと大きかった。また試料No.8のガラス基板の一方の面にエッチングガスを噴霧し、表面粗さRaを1nmにした後、剥離帯電量を測定したところ、800Vであった。
G ガラス試料(ガラス基板)
M マーキング
1 支持台
2 パッド
3 テーブル
4 表面電位体
5 イオナイザ付きエアーガン

Claims (14)

  1. 質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、NaO 0.005〜0.3%を含有し、β−OH値が0.18/mm未満、歪点が735℃以上であることを特徴とするガラス基板。
  2. 質量百分率で、Feを0.005〜0.1%含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス基板。
  3. 質量百分率で、SnOを0.001〜0.5%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板。
  4. ヤング率が80GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板。
  5. 熱収縮率が20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス基板。
  6. 短辺が1500mm以上、長辺が1850mm以上の寸法を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス基板。
  7. 厚みが0.7mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラス基板。
  8. 少なくとも一方の表面が微細凹凸面であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板。
  9. 微細凹凸面の表面粗さRaが0.1〜10nmであることを特徴とする請求項8に記載のガラス基板。
  10. 質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0%以上3%未満、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜10%、BaO 0〜15%、NaO 0.005〜0.3%を含有するガラスとなるように調製されたガラスバッチを準備する原料準備工程、ガラスバッチを電気溶融炉で溶融する溶融工程、溶融ガラスを板状に成形する成形工程、板状のガラスを徐冷炉で徐冷する徐冷工程、徐冷した板状ガラスを所定寸法に切断する加工工程を含み、β−OH値が0.18/mm未満、歪点が735℃以上のガラス基板を得ることを特徴とするガラス基板の製造方法。
  11. 徐冷工程における板状ガラスの冷却速度が、徐冷点から(徐冷点−100℃)の温度範囲で50℃/分〜1000℃/分の平均冷却速度であることを特徴とする請求項10に記載のガラス基板の製造方法。
  12. 少なくとも一方の表面を化学エッチングすることを特徴とする請求項10又は11に記載のガラス基板の製造方法。
  13. 少なくとも一方の表面を物理的研磨することを特徴とする請求項10又は11に記載のガラス基板の製造方法。
  14. 表面粗さRaを0.1〜10nmにすることを特徴とする請求項12又は13に記載のガラス基板の製造方法。
JP2019567947A 2018-01-23 2018-12-28 ガラス基板及びその製造方法 Active JP7256473B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018008672 2018-01-23
JP2018008672 2018-01-23
PCT/JP2018/048458 WO2019146379A1 (ja) 2018-01-23 2018-12-28 ガラス基板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019146379A1 true JPWO2019146379A1 (ja) 2020-11-19
JP7256473B2 JP7256473B2 (ja) 2023-04-12

Family

ID=67395915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019567947A Active JP7256473B2 (ja) 2018-01-23 2018-12-28 ガラス基板及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP7256473B2 (ja)
KR (1) KR102516142B1 (ja)
CN (1) CN111630010A (ja)
TW (1) TWI758576B (ja)
WO (1) WO2019146379A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021031307A (ja) * 2019-08-14 2021-03-01 日本電気硝子株式会社 ガラス基板
JP7392909B2 (ja) 2019-11-25 2023-12-06 日本電気硝子株式会社 磁気記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気記録装置
JPWO2021131668A1 (ja) * 2019-12-23 2021-07-01
JPWO2022038976A1 (ja) * 2020-08-19 2022-02-24

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255478A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス基板
JP2015013800A (ja) * 2010-03-23 2015-01-22 日本電気硝子株式会社 ガラス基板
WO2016185976A1 (ja) * 2015-05-18 2016-11-24 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス基板
WO2016194693A1 (ja) * 2015-06-02 2016-12-08 日本電気硝子株式会社 ガラス
WO2017122576A1 (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 日本電気硝子株式会社 ガラス
WO2018038059A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 旭硝子株式会社 無アルカリガラス
JP2019055895A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 Agc株式会社 ホウケイ酸ガラスおよびその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013099970A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 AvanStrate株式会社 フラットパネルディスプレイ用ガラス基板およびその製造方法
JP7004488B2 (ja) 2015-03-10 2022-01-21 日本電気硝子株式会社 ガラス基板

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255478A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス基板
JP2015013800A (ja) * 2010-03-23 2015-01-22 日本電気硝子株式会社 ガラス基板
WO2016185976A1 (ja) * 2015-05-18 2016-11-24 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス基板
WO2016194693A1 (ja) * 2015-06-02 2016-12-08 日本電気硝子株式会社 ガラス
WO2017122576A1 (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 日本電気硝子株式会社 ガラス
WO2018038059A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 旭硝子株式会社 無アルカリガラス
JP2019055895A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 Agc株式会社 ホウケイ酸ガラスおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR102516142B1 (ko) 2023-03-29
TWI758576B (zh) 2022-03-21
JP7256473B2 (ja) 2023-04-12
CN111630010A (zh) 2020-09-04
KR20200110299A (ko) 2020-09-23
WO2019146379A1 (ja) 2019-08-01
TW201936533A (zh) 2019-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5679513B2 (ja) ガラス基板及びその製造方法
JP6365826B2 (ja) ガラス
JP7256473B2 (ja) ガラス基板及びその製造方法
US6881692B2 (en) Alkali-free glass and glass plate for a display
JP5780487B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JP2011148685A (ja) 強化ガラスおよび強化ガラスの製造方法
JP2004091244A (ja) 無アルカリガラス基板及びその製造方法
JP2001151534A (ja) 液晶ディスプレイ用ガラス基板
JP4378769B2 (ja) ガラス基板
JP4756856B2 (ja) ガラス組成物およびその製造方法
TW201739713A (zh) 無鹼玻璃
JP2024050689A (ja) 寸法安定性高速エッチングガラス
JP2002029776A (ja) 耐クラック性に優れた無アルカリガラス
JPWO2019177070A1 (ja) ガラス
TW202039390A (zh) 無鹼玻璃
TW202031613A (zh) 無鹼玻璃
JP2008013434A (ja) 耐クラック性に優れた無アルカリガラス
KR20160023698A (ko) 무알칼리 유리
KR102229428B1 (ko) 무알칼리 유리
CN114080369B (zh) 玻璃基板
US20220242775A1 (en) Method for producing glass substrate
JP2008001588A (ja) 無アルカリガラスおよび無アルカリガラス基板
WO2014208524A1 (ja) 無アルカリガラス
JP5469103B2 (ja) ガラス組成物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7256473

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150