JPWO2019146324A1 - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、無段変速機の各部材の潤滑の方法として、潤滑パイプを設けることが開示されている。
図6の(a)は、ケース部材80を、ハウジング(コンバータカバー)側から見た平面図である。図6の(b)は、図6の(a)に示したケース部材80の要部拡大図である。
なお、図5および図6では、説明の便宜上、紙面手前側の端面にハッチングを付して示している。
図5の(a)に示すように、変速機ケースの構成部品であるケース部材80には、回転伝達軸(第1軸、第2軸、第3軸、第4軸)の支持孔81,82,83,84が設けられている。
これら支持孔81,82,83,84のうち、支持孔81,84は貫通孔であり、残りの支持孔82,83は有底の支持孔である。
サイドカバー(図示せず)にも、複数の回転伝達軸を支持する支持孔が設けられており、複数の回転伝達軸は、長手方向の一端と他端が、ケース部材80とサイドカバー(図示せず)で、それぞれ回転可能に支持されている。
この供給孔861には、無段変速機が備える油圧制御回路(図示せず)から、潤滑油OLが供給されるようになっている。
ケース部材80において油路86は、サイドカバー側(紙面手前側)の領域と、ハウジング側(紙面奥側)の領域との境界を規定する壁部85内に設けられている。
油路86は、第2軸の軸線X2と第3軸の軸線X3とを結ぶ直線L1に沿って直線状に設けられている。
そのため、油路86における紙面手前側に膨出した領域が、ケース部材80の剛性強度を高めるためのリブとして機能している。
支持筒825は、油路86に連絡しており、油路86を通流する潤滑油OLの一部が、支持筒825から第2軸(図示せず)内の油路に供給される。
さらに、支持孔82内で第2軸の一端を支持するベアリング(図示せず)が、支持筒825から供給される潤滑油OLで潤滑されるようになっている。
さらに、支持孔83内で第3軸の一端を支持するベアリング(図示せず)が、支持筒835から供給される潤滑油OLで潤滑されるようになっている。
油路832もまた、油路86に連絡しており、油路86を通流する潤滑油OLの一部が、油路832から支持孔83内に供給される。
屈曲部892は、支持孔84で回転可能に支持されたデフケース(図示せず)の外周を迂回する形状で屈曲している。屈曲部892における支持孔84との対向部には、油孔89cが設けられている。この油孔89cは、支持孔84で回転可能に支持されたデフケース(図示せず)を向いている。
支持部840には、壁部85内を周壁部851側の下方に向けて延びる油路841が連絡している。油路841は、支持部840の下方で紙面手前側に開口しており、この油路841には、誘導パイプ89の他端89bが、紙面手前側から取り付けられている。
さらに、第1支持部と第2支持部とを結び、且つ、外側面に突出する形状であることから、第1支持部と第2支持部との間に発生する応力に対する強度リブとしての機能を付加することができる。
図1は、無段変速機5の概略構成図である。
図1では、無段変速機5における回転駆動力の伝達経路であって、バリエータ50から駆動輪6までの範囲を模式的に示している。
図2は、ケース部材8を説明する図であって、ケース部材8を、サイドカバー9側の内側面側から見た図である。図2の(a)は、ケース部材8をサイドカバー9側から見た平面図であり、図2の(b)は、図2の(a)における要部拡大図である。
図3は、ケース部材8を説明する図であって、ケース部材8を外側面側から見た図である。図3の(a)は、ケース部材8をハウジング側(サイドカバー9とは反対側)から見た平面図であり、図3の(b)は、図3の(a)における要部拡大図である。
図1に示すように、変速機ケース10の構成部品であるケース部材8には、回転伝達軸(第1軸1、第2軸2、第3軸3、第4軸4)の支持孔81,82,83,84が設けられている。
これら支持孔81,82,83,84のうち、支持孔81,84は、壁部85を貫通する貫通孔であり、残りの支持孔82,83は有底の支持孔である。
回転伝達軸(第1軸1、第2軸2、第3軸3、第4軸4)は、サイドカバー9とケース部材8で、ベアリングB1,B2,B3,B4を介して回転可能に支持されている。
この周壁部851には、紙面手前側からサイドカバー9(図1参照)が組み付けられて、ボルト(図示せず)で固定される。
支持壁810の内周には、ベアリングB1が支持されており、第1軸1における支持孔81内に位置する領域は、ベアリングB1を介して支持壁810で回転可能に支持されている。
第1軸1における収容室55内に位置する領域には、バリエータ50のプライマリプーリ51が設けられている。
この第2軸2における収容室55内に位置する領域には、バリエータ50のセカンダリプーリ52が設けられている。
第2軸2における支持孔82内に位置する領域は、支持孔82の内周に、ベアリングB2を介して回転可能に支持されている。
バリエータ50では、プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52におけるベルト53の巻き掛け半径を変更することで、第1軸1に入力された回転駆動力が、巻き掛け半径に応じて決まる変速比で変速されて、第2軸2に伝達される。
第2軸2に伝達された回転駆動力は、ギア21に噛合したカウンタギア31を介して第3軸3に伝達されて、第3軸3を軸線X3回りに回転させる。
第3軸3に伝達された回転駆動力は、ギア32に噛合したファイナルギア41を介して差動装置42に伝達される。
これにより、差動装置42と、この差動装置42に連結されたアクスルシャフト43が、軸線X4回りに回転して、アクスルシャフト43が連結された駆動輪6,6が、伝達された回転駆動力で回転する。
この供給孔861は、ケース部材8にサイドカバー9を組み付けた際に、サイドカバー9内に形成された油路に連絡する。
サイドカバー9内の油路は、無段変速機が備える油圧制御回路(図示せず)に連絡しており、この供給孔861には、油圧制御回路(図示せず)からの潤滑油OLが供給されるようになっている。
ケース部材8において油路86は、サイドカバー側(紙面手前側)の領域と、ハウジング側(紙面奥側)の領域とを区画する壁部85内に設けられている。
油路86は、第2軸の軸線X2と第3軸の軸線X3とを結ぶ直線L1に沿って直線状に設けられている。
そのため、油路86を囲む壁部85の素材(肉)が紙面手前側に膨出した領域では、油路86囲む壁部85の素材(肉)が、ケース部材8の剛性強度を高めるためのリブとして機能している。
支持筒825は、油路86に連絡しており、油路86を通流する潤滑油OLの一部が、支持筒825の吐出口825aから第2軸2内の油路22に供給される。
油路22内に供給された潤滑油OLは、セカンダリプーリ52の遠心油圧のキャンセル室54に供給される。
この漏出した潤滑油OLにより、支持孔82内で第2軸2の一端を支持するベアリングB2(図1参照)が潤滑されるようになっている。
さらに、支持孔83内で第3軸3の一端を支持するベアリングB3(図1参照)が、支持筒835から供給される潤滑油OLの一部で潤滑されるようになっている。
本実施形態では、油路86を通流する潤滑油OLの一部が、油路832の吐出口832aから支持孔83の内側に供給される。これにより、支持部830内のベアリングB3(図1参照)と、支持部830で回転可能に支持された第3軸3が、供給された潤滑油OLで潤滑される。
油路87は、無段変速機5の設置状態を基準とした鉛直線方向で、第3軸3の軸線X3を通る鉛直線VLに沿って設けられている。
そのため、油路87における紙面奥側に膨出した領域が、ケース部材8の剛性強度を高めるためのリブとして機能している。
図4および図2の(b)に示すように、油路87は、油路86側の大径部871と、大径部871から軸線X4側の下方に延びる小径部872と、を有している。
小径部872の先端の吐出口872aは、第4軸4の支持孔84を囲む支持部840の内周に開口している。
油路87は、支持部830(支持孔83)と支持部840(支持孔84)とを、最短距離で結ぶ直線形状の油路である。
図2の(b)において油路88は、紙面手前側に突出しており、油路88の先端の吐出口88aは、壁部85における支持部830と支持部840との間の領域に開口している。
この状態において、油路88の吐出口88aは、支持孔84で回転可能に支持されたデフケース(図示せず)外周に対向して設けられている。
ケース部材8の壁部85では、油路87が設けられた領域(油路86と油路87との接続部870から、支持孔84の支持部840に及ぶ領域)が、ハウジング側に膨出している。
そのため、ケース部材8では、油路87を囲む壁部85の素材(肉)が、補強用のリブとして機能するようになっている。
すなわち、ケース部材8では、図4の(b)における油路86の領域が、サイドカバー9側に膨出しており、油路87の領域が、サイドカバー9とは反対側(ハウジング側)に膨出している。
そのため、紙面手前側に膨出する油路87を囲む素材(肉)と、紙面奥側に膨出する油路86を囲む素材(肉)とが、ケース部材8の剛性強度をいっそう高めることができる補強用のリブとして機能するようになっている。
一方、従来例にかかるケース部材80の場合には、図6の(b)に示すように、軸線X3を通る鉛直線VLを横切って、リブ120が設けられている。
このリブ120は、壁部85に紙面手前側に膨出する領域を別途設けて形成したものである。
そのため、従来例にかかる無段変速機では、第2軸(軸線X2)から第3軸(軸線X3)を経て第4軸(軸線X4)に至る範囲に、剛性強度を補うためのリブ120が、直線L2に沿って設けられている。
すなわち、ケース部材80では、軸線X3を通る鉛直線VLを横切ってリブ120を設けることで、必要な剛性強度を確保していた。
(1)無段変速機5(駆動力伝達装置)は、トルクコンバータが配置される側の外側面と、駆動力伝達機構が配置される側の内側面と、を有するケース部材8を有する。
ケース部材8は、第3軸3を支持するベアリングB3(第1ベアリング)が支持される支持孔83(第1支持部)と、第4軸4を支持するベアリングB4(第2ベアリング)が支持される支持孔84(第2支持部)と、ベアリングB3およびベアリングB4へ供給する潤滑油OLを供給する油路87(第1潤滑油路)と、を有する。
油路87は、ケース部材8から外側面側に突出し、且つ、支持孔83と支持孔84とを結ぶ直線形状を有する。
油路87(第1潤滑油路)は、支持孔83(第1支持部)と支持孔84(第2支持部)とを結ぶ管状の形状の油路である。
これにより、ケース部材8の内側面側に配置される駆動力伝達機構を構成するギアのレイアウトの制約が緩和される。
さらに、支持孔83と支持孔84とを結ぶ油路87は、当該油路87を囲むケース部材8の肉が外側面側に突出する形状で形成されている。そのため、無段変速機5の稼働時に、支持孔83と支持孔84との間に発生する応力に対する強度リブとしての機能を付加することができる。
また、誘導パイプ89を廃止したことで、ケース部材8の作製コストの低減が可能となる。
(2)油路87(第1潤滑油路)と供給孔861(潤滑油受け部)とを接続する油路86(第2潤滑油路)を有する。
供給孔861には、駆動力伝達機構(バリエータ50、差動装置42)が収容される変速機ケース10(ケース本体部)から潤滑油が受け渡される。
油路86は、駆動力伝達機構に向けて潤滑油OLを噴出する吐出口832a(潤滑油噴出孔)を有する油路832を備えている。
吐出口832aを有する油路832は、ケース部材8の内周面側で突出している。
そこで、駆動力伝達機構に向って潤滑油OLを噴出する吐出口832aを有する油路832は、油路87とは異なり、内側に突出させて駆動力伝達機構に近い位置に配置する。
これにより、潤滑量が不足するような車両状況であっても、駆動力伝達機構を適切に潤滑できる。
(3)吐出口825a(潤滑油噴出孔)から吐出される潤滑油OLは、ベルト式の無段変速機5の遠心油圧のキャンセル室54に供給される。
(4)ベアリングB3(第1ベアリング)は、駆動力伝達機構の出力軸から動力が伝達される第3軸3を支持する。
ベアリングB4(第2ベアリング)は、第3軸3から動力が伝達される第4軸4を支持する。
第4軸4は、駆動輪6に接続する軸である。
複数のギアから構成されるギア列であって、少なくとも1つのギアが、ギア列の収容ケース内のオイルを掻き上げ得るように構成された装置にも適用可能である。このような装置として、入力された回転を減速して出力する減速装置が例示される。
油路87の形状は、実施形態に示した形状にのみ限定されない。壁部85における油路87が設けられる領域、およびその周囲の領域の形状等に応じて、適宜変更可能である。
すなわち、支持孔83と支持孔84とを結ぶ曲線形状や、湾曲点を複数持つ湾曲形状や、屈曲点を複数持つ屈曲形状であっても良い。
Claims (4)
- トルクコンバータが配置される側の外側面と、駆動力伝達機構が配置される側の内側面と、を有するケース部材を有する駆動力伝達装置であって、
前記ケース部材は、
第1ベアリングが支持される第1支持部と、
第2ベアリングが支持される第2支持部と、
前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングへ供給する潤滑油を供給する第1潤滑油路と、
を有し、
前記第1潤滑油路は、前記外側面側に突出し、且つ、前記第1支持部と前記第2支持部とを結ぶ形状を有する駆動力伝達装置。 - 請求項1に記載の駆動力伝達装置において、
前記第1潤滑油路と、前記駆動力伝達機構が収容されるケース本体部から潤滑油を受け渡される潤滑油受け部と、を接続する第2潤滑油路を有し、
前記第2潤滑油路は、前記駆動力伝達機構に向って潤滑油を噴出する潤滑油噴出孔を有し、
前記第2潤滑油路は、前記内側面側に突出している駆動力伝達装置。 - 請求項2に記載の駆動力伝達装置において、
前記潤滑油噴出孔は、ベルト式無段変速機の遠心油圧キャンセル室に潤滑油を供給するものである駆動力伝達装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動力伝達装置において、
前記第1ベアリングは、前記駆動力伝達機構の出力軸から動力が伝達される第3軸を支持し、
前記第2ベアリングは、前記第3軸から動力が伝達される第4軸を支持するものである駆動力伝達装置。
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