JPWO2019130655A1 - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

窒化物半導体レーザ素子(100)は、第1クラッド層(102)と、第1光ガイド層(120)と、活性層(130)と、第2光ガイド層(140)と、第2クラッド層(105)と、を備え、活性層(130)は単一量子井戸構造を有し、第1光ガイド層(120)は活性層(130)に隣接した第1隣接層(120a)と活性層(130)から離れた第1離間層(120b)と、を備え、第2光ガイド層(140)は活性層(130)に隣接した第2隣接層(140a)と活性層(130)から離れた第2離間層(140b)と、を備え、第1光ガイド層(120)及び第2光ガイド層(140)は、屈折率が活性層(130)よりも小さいInxGa1−xN層(0≦x<1)からなり、第1隣接層(120a)は、第1離間層(120b)よりIn組成比率が大きく、第2隣接層(140a)は、第2離間層(140b)よりIn組成比率が大きい。

Description

本開示は、窒化物半導体レーザ素子に関する。
なお、本願は、平成28年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発/次々世代加工に向けた新規光源・要素技術開発/高効率加工用GaN系高出力・高ビーム品質半導体レーザーの開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願である。
従来、窒化物半導体レーザ素子が様々な用途で使用されている。特に、照明及び加工用途では、消費電力を低減するために、発振閾値の低い窒化物半導体レーザ素子が求められている。発振閾値を低減するために、量子井戸層数を削減することが効果的であり、量子井戸層数を1とすることが最も効果的である(特許文献1参照)。
ところが、量子井戸層数を1にすると、光強度分布が広がり、量子井戸層と光とのオーバーラップ(光閉じ込め係数Γv)が低下する。光閉じ込め係数Γvが低下すると、光の増幅効率が低下するため発振閾値が増大する。これにより、量子井戸層数を1にすることによる発振閾値の低減効果の少なくとも一部が相殺される。さらに、光強度分布が広がると、光吸収率が高いドーピングされたクラッド層、特に、Mgがヘビードープされたp型クラッド層への光染み出しが増えるため、導波路損失αiが増加する。これにより、スロープ効率が低下する。
光強度分布の広がりを抑制するために、特許文献2に記載された半導体レーザ素子においては、量子井戸層とクラッド層との間に配置されたInGaNからなる光ガイド層のIn組成比率を2%以上、6%以下とし、かつ、n型クラッド層の膜厚をn型クラッド層及びp型クラッド層の合計膜厚の65%以上、85%以下としている。このように、光ガイド層の屈折率を高めることで光を量子井戸層に集中させ、かつ、光強度分布をn型クラッド層側に寄せることで導波路損失αiを低減しようとしている。
特開平11−340580号公報 特開2013−12599号公報
しかしながら、特許文献2に記載された半導体レーザ素子においては、光がn型クラッド層側に寄るため、屈折率が高い活性層及び光ガイド層に存在する光の割合が減る。これにより、屈折率導波構造を形成した場合、光導波領域と非導波領域との等価屈折率差が減少し、半導体レーザ素子における基本モードを導波路内に閉じ込めることができなくなるため、意図しない高次モードの発振が発生する。したがって、半導体レーザ素子の光出力が低下する。
本開示は、このような課題を解決するものであり、発振閾値及び導波路損失を低減し、さらに高次モードの発振を抑制することにより、光出力を増加させた窒化物半導体レーザ素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様は、窒化物半導体からなる第1導電型の第1クラッド層と、前記第1クラッド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第1光ガイド層と、前記第1光ガイド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる活性層と、前記活性層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第2光ガイド層と、前記第2光ガイド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第2導電型の第2クラッド層と、を備え、前記活性層は、単一の井戸層からなる単一量子井戸構造を有し、前記第1光ガイド層は、前記活性層に隣接した第1隣接層と、前記第1隣接層より前記活性層から離れた第1離間層と、を備え、前記第2光ガイド層は、前記活性層に隣接した第2隣接層と、前記第2隣接層より前記活性層から離れた第2離間層と、を備え、前記第1隣接層、前記第2隣接層、前記第1離間層及び前記第2離間層は、屈折率が前記活性層よりも小さいInGa1−xN層(0≦x<1)からなり、前記第1隣接層は、前記第1離間層よりIn組成比率が大きく、前記第2隣接層は、前記第2離間層よりIn組成比率が大きい。
このように、単一量子井戸構造を有する半導体レーザ素子においては、量子井戸構造だけに着目すると、複数の量子井戸層を有する半導体レーザ素子より、原理的に発振閾値を低減し得る。一方、光強度分布に着目すると、単一量子井戸構造を有する半導体レーザ素子においては、屈折率が高い量子井戸層が少なくなるため、一般に光強度分布が広がり、光と活性層とのオーバーラップが減少し、発振閾値の低下を招き得る。しかしながら、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子は、活性層に隣接し屈折率が比較的高い第1隣接層及び第2隣接層を備えるため、多重量子井戸構造を有する比較例の窒化物半導体レーザ素子と同様の光強度分布を形成し得る。したがって、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子によれば、単一量子井戸構造による発振閾値の低減効果を最大限に発揮し得る。さらに、活性層に隣接する第1光ガイド層及び第2光ガイド層が、活性層に近付くにしたがって順に屈折率が高くなる構成を備えるため、光を活性層の近傍に閉じ込めることができる。したがって、窒化物半導体レーザ素子の導波路損失αi及び発振閾値を低減し、さらに、高次モードの発振を抑制することができる。よって、窒化物半導体レーザ素子のスロープ効率及び光出力を増加させることができる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記第1隣接層及び前記第2隣接層のIn組成比率は、1%以上、2.6%以下であってもよい。
これにより、窒化物半導体レーザ素子の光伝播領域における等価屈折率と、その外部の領域における等価屈折率との差を5×10−3程度以上にできるため、光を導波路内に閉じ込めることができる。これに伴い、光の横モードを安定化でき、かつ、導波路損失及び発振閾値電流密度をより一層低減できる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記第1離間層及び前記第2離間層の各々は、前記活性層から離れるほどIn組成比率が小さくなる複数の層を含んでもよい。
この場合、第1離間層及び第2離間層の各々は、活性層から離れるほど屈折率が低くなる複数の層を含む。これにより、第1光ガイド層及び第2光ガイド層の屈折率分布の形状を、理想的な光強度分布を得られる形状により一層近づけることが可能となる。したがって、導波路損失及び発振閾値をより一層低減できる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記第1離間層及び前記第2離間層の少なくとも一方において、前記複数の層のうち、前記活性層から最も離れた層が、GaNからなってもよい。
このように、活性層に隣接する位置にIn組成比率が高い第1隣接層及び第2隣接層を配置し、第1光ガイド層及び第2光ガイド層のうち活性層から最も離れた位置にInGaNより屈折率が低いGaNからなる層を配置することにより、光閉じ込め係数Γvを増大させつつも、導波路損失αiを低く保つことができる。これにより、発振閾値をより一層低減できる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記第1離間層及び前記第2離間層の各々において、前記複数の層は、前記活性層から最も離れたGaNからなる層と、In組成比率が0より大きい二つ以上の層と、を含んでもよい。
このように、第1光ガイド層及び第2光ガイド層の各々が、活性層から離れるほど屈折率が低くなる三つ以上の層を含むため、第1光ガイド層及び第2光ガイド層の屈折率分布の形状を、理想的な光強度分布を得られる形状により一層近づけることが可能となる。また、第1光ガイド層及び第2光ガイド層のうち活性層から最も離れた位置にInGaNより屈折率が低いGaNからなる層を配置することにより、光閉じ込め係数Γvを増大させつつも、導波路損失αiを低く保つことができる。これにより、発振閾値をより一層低減できる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記活性層より前記第2クラッド層側には、積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に光を閉じ込める光閉じ込め構造が形成されており、前記第2離間層は、前記第1離間層よりも層数が多くてもよい。
このような光閉じ込め構造によって光を積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に閉じ込めることで、さらに発振閾値を低減できる。ここで、光閉じ込め構造を有する第2クラッド層側においては、光強度分布が広がる場合に、光閉じ込め構造によって光の損失が発生するおそれがある。しかしながら、第2クラッド層側に配置された第2光ガイド層の層数を多くすることで、第2クラッド層側の光強度分布をより一層理想的な分布に近付けることが可能となる。したがって、光閉じ込め構造において生じる光の損失を抑制できる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記第1隣接層は、前記第1離間層の前記第1隣接層に接する層より膜厚が小さく、前記第2隣接層は、前記第2離間層の前記第2隣接層に接する層より膜厚が小さくてもよい。
このように、第1離間層及び第2離間層より屈折率が高い第1隣接層及び第2隣接層の膜厚を小さくすることで、屈折率が高い領域を活性層付近の狭い領域に集中させることができるため、光を活性層付近の狭い領域に集中させることができる。これにより、光閉じ込め係数Γvの向上による発振閾値低減と、導波路損失αiの低減によるスロープ効率の向上とが、より一層顕著となる。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、第1導電型は、n型であり、第2導電型は、p型であってもよい。
また、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子の一態様において、前記光閉じ込め構造として、前記第2クラッド層にリッジ部が形成されていてもよい。
本開示によれば、発振閾値及び導波路損失を低減し、さらに高次モードの発振を抑制することにより、光出力を増加させた窒化物半導体レーザ素子を提供できる。
図1は、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の全体構成を示す模式的な断面図である。 図2は、比較例の窒化物半導体レーザ素子の全体構成を示す模式的な断面図である。 図3は、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子及び比較例の窒化物半導体レーザ素子の発光層の構造並びに屈折率及び光の分布を示す図である。 図4は、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の第1隣接層及び第2隣接層のIn組成比率と、発振閾値電流密度及び等価屈折率差Δnとの関係を示すグラフである。 図5Aは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第1工程を示す模式的な断面図である。 図5Bは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第2工程を示す模式的な断面図である。 図5Cは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第3工程を示す模式的な断面図である。 図5Dは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第4工程を示す模式的な断面図である。 図5Eは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第5工程を示す模式的な断面図である。 図5Fは、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法の第6工程を示す模式的な断面図である。 図6は、変形例に係る窒化物半導体レーザ素子の全体構成を示す模式的な断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに接する状態で配置される場合にも適用される。
(実施の形態)
実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子について説明する。
[全体構成]
まず、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子の全体構成について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100の全体構成を示す模式的な断面図である。図1には、窒化物半導体レーザ素子100の発光層103の拡大図が併せて示されている。
窒化物半導体レーザ素子100は、窒化物半導体層を含むレーザ素子である。本実施の形態では、窒化物半導体レーザ素子100は、共振器を形成する二つの端面を有する半導体レーザ素子である。図1においては、窒化物半導体レーザ素子100のレーザ発振方向に垂直な断面が示されている。
図1に示されるように、窒化物半導体レーザ素子100は、基板101と、第1クラッド層102と、発光層103と、電子障壁層104と、第2クラッド層105と、コンタクト層106と、絶縁層107と、第2導電側電極108と、パッド電極109と、第1導電側電極110と、を備える。
基板101は、窒化物半導体レーザ素子100の基材である。本実施の形態では、基板101は、主面が(0001)面であるn型六方晶GaN基板である。基板101は、GaN基板に限定されず、窒化物半導体層を積層し得る基板であればよい。例えば、基板101は、SiC基板、サファイア基板などであってもよい。
第1クラッド層102は、基板101の上方に配置され、窒化物半導体からなる第1導電型のクラッド層である。第1クラッド層102は、AlGa1−xN(0<x<1)からなる。本実施の形態では、第1導電型は、n型である。また、第1クラッド層102は、Siがドープされ、2μmの膜厚を有するAlGa1−xN(x=0.03)層である。第1クラッド層102におけるSi濃度は1×1017cm−3である。第1クラッド層102の構成はこれに限定されない。第1クラッド層102は、1μm以上の膜厚を有する第1導電型のAlGa1−xN(0<x<1)層であればよい。
発光層103は、第1クラッド層102の上方に配置された、窒化物半導体からなる層であり、発光する層を含む。図1に示されるように、発光層103は、第1光ガイド層120と、活性層130と、第2光ガイド層140と、を備える。
第1光ガイド層120は、第1クラッド層102の上方に配置された、窒化物半導体からなる層である。第1光ガイド層120は、第1クラッド層102より高い屈折率を有し、光をガイドする。第1光ガイド層120は、活性層130に隣接した第1隣接層120aと、第1隣接層120aより活性層130から離れた第1離間層120bと、を備える。第1隣接層120a及び第1離間層120bは、屈折率が活性層130よりも小さいInGa1−xN層(0≦x<1)からなり、第1隣接層120aは、第1離間層120bよりIn組成比率が大きい。なお、In組成比率とは、窒化物半導体に含まれる13族(IIIA族)の元素におけるInの割合である。
本実施の形態では、第1隣接層120aは、アンドープInGa1−xN(x=0.02)からなり、13nmの膜厚を有する。第1離間層120bは、活性層130から離れるほどIn組成比率が小さくなる複数の第1離間要素層を含む。図1に示される例では、第1離間層120bは、二つの第1離間要素層122及び123を含む。第1離間要素層122、第1離間要素層123の順に活性層130から遠ざかり、In組成比率が小さくなる。本実施の形態では、第1離間要素層122は、アンドープInGa1−xN(x=0.008)からなり、40nmの膜厚を有する。第1離間要素層123は、アンドープGaNからなり、200nmの膜厚を有する。
活性層130は、第1光ガイド層120の上方に配置された、窒化物半導体からなる層であり、単一の井戸層からなる単一量子井戸構造を有する。本実施の形態では、活性層130は、アンドープInGa1−xN(x=0.066)からなり、7.5nmの膜厚を有する。
第2光ガイド層140は、活性層130の上方に配置された、窒化物半導体からなる層である。第2光ガイド層140は、第2クラッド層105より高い屈折率を有し、光をガイドする。第2光ガイド層140は、活性層130に隣接した第2隣接層140aと、第2隣接層140aより活性層130から離れた第2離間層140bと、を備える。第2隣接層140a及び第2離間層140bは、屈折率が活性層130よりも小さいInGa1−xN層(0≦x<1)からなり、第2隣接層140aは、第2離間層140bよりIn組成比率が大きい。
本実施の形態では、第2隣接層140aは、アンドープInGa1−xN(x=0.02)からなり、13nmの膜厚を有する。第2離間層140bは、活性層130から離れるほどIn組成比率が小さくなる複数の第2離間要素層を含む。図1に示される例では、第2離間層140bは、三つの第2離間要素層142、143及び144を含む。第2離間要素層142、第2離間要素層143、第2離間要素層144の順に活性層130から遠ざかり、In組成比率が小さくなる。本実施の形態では、第2離間要素層142は、アンドープInGa1−xN(x=0.008)からなり、40nmの膜厚を有する。第2離間要素層143は、アンドープInGa1−xN(x=0.003)からなり、67nmの膜厚を有する。第2離間要素層144は、アンドープGaNからなり、5nmの膜厚を有する。
電子障壁層104は、発光層103から第2クラッド層への電子の漏れを抑制する層である。本実施の形態では、電子障壁層104は、AlGa1−xN(x=0.35)からなり、5nmの膜厚を有する。なお、電子障壁層104の構成はこれに限定されず、発光層103から第2クラッド層への電子の漏れを抑制する機能を実現できる構成であればよい。
第2クラッド層105は、第2光ガイド層140の上方に配置された、窒化物半導体からなる第2導電型の層である。第2クラッド層105は、AlGa1−xN(0<x<1)からなる。本実施の形態では、第2導電型は、p型である。第2クラッド層105は、Mgがドープされたp型のAlGaN/GaN超格子層を含む。第2クラッド層105におけるMg濃度は1×1019cm−3である。AlGaN/GaN超格子層は、Alの平均組成比が3%であり、1.5nmの膜厚を有するAlGaN層と、1.5nmの膜厚を有するGaN層とが交互にそれぞれ200層積層された層である。第2クラッド層105の構成はこれに限定されない。第2クラッド層105は、0.1μm以上、1μm以下の膜厚を有する第2導電型のAlGa1−xN(0<x<1)層であればよい。また、第2クラッド層105には、積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に光を閉じ込める光閉じ込め構造として、幅15μmのリッジ部111が形成されている。
コンタクト層106は、第2クラッド層105の上方に配置された、第2導電型の窒化物半導体からなる層である。本実施の形態では、コンタクト層106は、Mgがドープされ、50nmの膜厚を有するGaN層である。コンタクト層106におけるMg濃度は1×1020cm−3である。コンタクト層106の構成はこれに限定されない。コンタクト層106は、Mgがドープされた第2導電型のGaN層であればよい。
絶縁層107は、第2クラッド層105の上方に配置された、絶縁材料からなる層である。本実施の形態では、絶縁層107は、コンタクト層106の上面の一部及び側面と、第2クラッド層105の上面に配置され、200nmの膜厚を有するSiOからなる層である。絶縁層107の構成は、これに限定されない。絶縁層107は、100nm以上500nm以下の膜厚を有する絶縁材料で形成された層であればよい。
第2導電側電極108は、コンタクト層106の上方に配置される導電材料からなる層である。第2導電側電極108は、コンタクト層106と接触する。本実施の形態では、第2導電側電極108は、コンタクト層106側から順に膜厚40nmのPd及び膜厚35nmのPtが積層された積層膜である。第2導電側電極108の各金属膜の膜厚及び膜構成はこれに限定されない。第2導電側電極108は、例えば、Cr、Ti、Ni、Pd、Pt及びAuの少なくとも一つで形成された単層膜又は多層膜であってもよい。また、第2導電側電極108は、絶縁層107上にも形成されてもよい。
パッド電極109は、第2導電側電極108の上方に配置されたパッド状の電極である。本実施の形態では、パッド電極109のリッジ部111の長手方向(つまり、レーザ発振方向)の寸法は900μmであり、リッジ部111の幅方向(つまり、基板101の主面に平行でレーザ発振方向に垂直な方向)の寸法は150μmである。パッド電極109は、第2導電側電極108側から順に膜厚100nmのTi、膜厚35nmのPt及び膜厚1500nmのAuが積層された積層膜である。パッド電極109の各金属膜の膜厚及び膜構成はこれに限定されない。パッド電極109は、例えば、Ti及びAu、Ni及びAuなどの積層膜であってもよい。
第1導電側電極110は、基板101の下方に配置される電極である。本実施の形態では、第1導電側電極110は、基板101側から順に膜厚5nmのTi、膜厚10nmのPt及び膜厚1000nmのAuが積層された積層膜である。第1導電側電極110の各金属膜の膜厚及び膜構成はこれに限定されない。第1導電側電極110は、例えば、Ti及びAuなどの積層膜であってもよい。
[作用及び効果]
次に、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100の作用及び効果について、比較例と比較しながら説明する。図2は、比較例の窒化物半導体レーザ素子900の全体構成を示す模式的な断面図である。図2には、窒化物半導体レーザ素子900の発光層903の拡大図が併せて示されている。
図2に示される比較例の窒化物半導体レーザ素子900は、発光層903の構成において、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100と相違し、その他の構成において一致する。比較例の窒化物半導体レーザ素子900の発光層903は、第1光ガイド層920と、活性層930と、第2光ガイド層940と、を備える。
第1光ガイド層920は、本実施の形態に係る第1離間要素層122及び123を備える。第2光ガイド層940は、本実施の形態に係る第2離間要素層142、143及び144を備える。活性層930は、量子井戸層931及び932と、障壁層933と、を備える。つまり、比較例の窒化物半導体レーザ素子900は、二重量子井戸型の半導体レーザ素子である。量子井戸層931及び933の構成は、本実施の形態に係る活性層130と同様である。障壁層933は、10nmの膜厚を有し、GaNからなる層である。
ここで、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100と比較例の窒化物半導体レーザ素子900との発光層の構成を、図3を用いて比較する。図3は、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100及び比較例の窒化物半導体レーザ素子900の発光層の構造並びに屈折率及び光の分布を示す図である。図3においては、各窒化物半導体レーザ素子の発光層の層構成が示されており、各層の屈折率分布が、層構成を示す図の右隣に実線で模式的に示されている。また、発光層の屈折率分布に対応する光強度分布の概要が破線で示されている。
本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100のように単一量子井戸構造を有する半導体レーザ素子においては、量子井戸構造だけに着目すると、複数の量子井戸層を有する半導体レーザ素子より、原理的に発振閾値を低減し得る。一方、光強度分布に着目すると、単一量子井戸構造を有する半導体レーザ素子においては、屈折率が高い量子井戸層が少なくなるため、一般に光強度分布が広がり、光と活性層130とのオーバーラップが減少し、発振閾値の低下を招き得る。しかしながら、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100は、活性層130に隣接し屈折率が比較的高い第1隣接層120a及び第2隣接層140aを備えるため、二重量子井戸構造を有する比較例の窒化物半導体レーザ素子900と同様の光強度分布を形成し得る。したがって、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100によれば、単一量子井戸構造による発振閾値の低減効果を最大限に発揮し得る。さらに、活性層130に隣接する第1光ガイド層120及び第2光ガイド層140が、活性層130に近付くにしたがって順に屈折率が高くなる構成を備えるため、光を活性層130の近傍に閉じ込めることができる。したがって、窒化物半導体レーザ素子100の導波路損失αi及び発振閾値を低減し、さらに、高次モードの発振を抑制することができる。よって、窒化物半導体レーザ素子のスロープ効率及び光出力を増加させることができる。
ここで、第1隣接層120a及び第2隣接層140aのIn組成比率について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100の第1隣接層120a及び第2隣接層140aのIn組成比率と、発振閾値電流密度及び等価屈折率差Δnとの関係を示すグラフである。図4には、In組成比率と、発振閾値電流密度との関係が実線で示され、In組成比率と等価屈折率差Δnとの関係が破線で示されている。
一般的な半導体レーザ素子においては、消費電力を低減するために、発振閾値電流密度を2kA/cm以下程度とすることが要求される。図4に示されるように、第1隣接層120a及び第2隣接層140aのIn組成比率を1%以上、3%以下とすることで発振閾値電流密度を2kA/cm以下に保つことができる。
また、等価屈折率差Δnが5×10−3未満である場合には、光を導波路内に十分に閉じ込めることができないため、レーザ光の横モードが不安定となり、窒化物半導体レーザ素子100の電流光出力特性を示すグラフにキンクと呼ばれる折れ曲がりが生じる。しかしながら、図4に示されるように、第1隣接層120a及び第2隣接層140aのIn組成比率を2.6%以下とすることで、等価屈折率差Δnを5×10−3以上とすることができるため、光を導波路内に閉じ込めることができ、キンクの発生を抑制できる。
本実施の形態では、上述のとおり第1隣接層120a及び第2隣接層のIn組成比率は、いずれも1%以上、2.6%以下である。このため、光の横モードを安定化でき、かつ、導波路損失及び発振閾値電流密度を低減できる。
また、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100では、第1離間層120b及び第2離間層140bの少なくとも一方が含む複数の層のうち活性層130から最も離れた第1離間要素層123及び第2離間要素層144がGaNからなる。このように、活性層130に隣接する位置にIn組成比率が高い第1隣接層120a及び第2隣接層140aを配置し、第1光ガイド層120及び第2光ガイド層140のうち活性層130から最も離れた位置にInGaNより屈折率が低いGaNからなる層を配置することにより、光閉じ込め係数Γvを増大させつつも、導波路損失αiを低く保つことができる。これにより、発振閾値をより一層低減できる。
また、第1離間層120b及び第2離間層140bは、活性層130から最も離れたGaNからなる層と、In組成比率が0より大きい二つ以上の層と、を含む。このように、第1光ガイド層120及び第2光ガイド層140の各々が、活性層130から離れるほど屈折率が低くなる三つ以上の層を含むため、第1光ガイド層120及び第2光ガイド層140の屈折率分布の形状を、理想的な光強度分布を得られる形状により一層近づけることが可能となる。また、第1光ガイド層120及び第2光ガイド層140のうち活性層130から最も離れた位置にInGaNより屈折率が低いGaNからなる層を配置することにより、光閉じ込め係数Γvを増大させつつも、導波路損失αiを低く保つことができる。これにより、発振閾値をより一層低減できる。
また、本実施の形態では、活性層130より第2クラッド層105側には、積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に光を閉じ込める光閉じ込め構造が形成されており、第2離間層140bは、第1離間層120bよりも層数が多い。このような光閉じ込め構造によって光を積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に閉じ込めることで、さらに発振閾値を低減できる。ここで、光閉じ込め構造を有する第2クラッド層105側においては、光強度分布が広がる場合に、光閉じ込め構造によって光の損失が発生するおそれがある。しかしながら、第2クラッド層105側に配置された第2光ガイド層の層数を多くすることで、第2クラッド層105側の光強度分布をより一層理想的な分布に近付けることが可能となる。したがって、光閉じ込め構造において生じる光の損失を抑制できる。
また、本実施の形態では、第1隣接層120aは、第1離間層120bの第1隣接層120aに接する層より膜厚が小さく、第2隣接層140aは、第2離間層140bの第2隣接層140aに接する層より膜厚が小さい。このように、第1離間層120b及び第2離間層140bより屈折率が高い第1隣接層120a及び第2隣接層140aの膜厚を小さくすることで、屈折率が高い領域を活性層130付近の狭い領域に集中させることができるため、光を活性層付近の狭い領域に集中させることができる。これにより、光閉じ込め係数Γvの向上による発振閾値低減と、導波路損失αiの低減によるスロープ効率の向上とが、より一層顕著となる。
[製造方法]
次に、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100の製造方法について、図5A〜図5Fを用いて説明する。図5A〜図5Fは、本実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100の製造方法の各工程を示す模式的な断面図である。
まず、図5Aに示されるように、基板101を準備し、基板101上に、基板101側から順に、第1クラッド層102、発光層103、電子障壁層104、第2クラッド層105及びコンタクト層106を形成する。本実施の形態では、有機金属気相成長法(Metalorganic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)により、各層の成膜を行う。
次に、図5Bに示されるように、コンタクト層106上に、SiOなどからなるマスク107Aを形成する。本実施の形態では、例えば熱CVDにより、膜厚300nm程度のマスク107Aを形成する。
続いて、図5Cに示されるように、マスク107Aをパターニングする。本実施の形態では、フォトリソグラフィ法及びフッ化水素酸を用いるエッチング法により、マスク107aの一部を選択的に除去する。これにより、例えば幅15μmの帯状のマスク107Aを形成する。このとき、六方晶GaNである基板101の自然へき開面(m面)を利用して共振端面を形成することを考慮して、マスク107Aの帯状の部分の長手方向(つまり、レーザ発振方向)は六方晶GaNのm軸方向に平行とする。
次に、図5Dに示されるように、帯状に形成されたマスク107Aを用いて、コンタクト層106及び第2クラッド層105をエッチングすることで、コンタクト層106及び第2クラッド層105にリッジ部111を形成する。コンタクト層106及び第2クラッド層105のエッチングとしては、例えば、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma;ICP)エッチング法を用いるとよい。
次に、マスク107Aを、フッ化水素酸などを用いたエッチング法によって除去した後、コンタクト層106及び第2クラッド層105を覆うように、絶縁層107を成膜する。絶縁層107としては、プラズマCVDにより、例えば膜厚200nmのSiOを形成する。続いて、フォトリソグラフィ法とエッチング法とにより、図5Eに示されるようにリッジ部111上の絶縁層107のみを除去して、コンタクト層106の上面を露出させる。
次に、コンタクト層106の露出部以外にレジストパターンを形成する。続いて、例えば電子ビーム(Electron Beam;EB)蒸着法により、少なくともリッジ部111上において露出したコンタクト層106の上に、PdとPtとが積層された金属積層膜を形成する。その後、リフトオフ法により、レジストパターンとレジストパターン上の金属積層膜とを除去して、第2導電側電極108を形成する。続いて、第2導電側電極108及び絶縁層107を覆うようにパッド電極109を形成する。具体的には、パッド電極109を形成しない部分にフォトリソグラフィ法によってレジストをパターニングし、基板101の上方の全面に真空蒸着法などによってTi、Pt及びAuが積層された金属積層膜を形成し、リフトオフ法を用いて不要な部分を除去する。このように、所定形状のパッド電極109を形成する。さらに、基板101の下面(つまり、リッジ部111が形成された面とは反対側の面)に第1導電側電極110を形成する。具体的には、例えば基板101の下面をダイヤモンドスラリにより研磨して、基板101の厚さが100μm程度になるまで薄膜化する。その後、例えばEB蒸着法により、基板101の下面に、Ti、Pt及びAuが積層された金属積層膜からなる第1導電側電極110を形成する。
以上のような工程により、図5Fに示されるような窒化物半導体レーザ素子100が形成される。
(変形例など)
以上、本開示に係る窒化物半導体レーザ素子について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態においては、第1離間層120b及び第2離間層140bの各々は、複数の層を備えたが、第1離間層120b及び第2離間層140bの少なくとも一方は単層であってもよい。ここで、このような変形例に係る窒化物半導体レーザ素子について図6を用いて説明する。図6は、変形例に係る窒化物半導体レーザ素子200の全体構成を示す模式的な断面図である。図6に示されるように、窒化物半導体レーザ素子200は、基板101と、第1クラッド層102と、発光層203と、電子障壁層104と、第2クラッド層105と、コンタクト層106と、絶縁層107と、第2導電側電極108と、パッド電極109と、第1導電側電極110と、を備える。窒化物半導体レーザ素子200は、発光層203の構成において、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100と相違し、その他の構成において一致する。
発光層203は、第1光ガイド層220と、活性層130と、第2光ガイド層240と、を備える。第1光ガイド層220は、第1隣接層220aと、第1隣接層220aよりIn組成比率が小さい第1離間層220bと、を備え、第2光ガイド層240は、第2隣接層240aと、第1隣接層220aよりIn組成比率が小さい第2離間層240bと、を備える。第1隣接層220a及び第2隣接層240aは、それぞれ、実施の形態の第1隣接層120a及び第2隣接層140aと同様の構成を有する。一方、第1離間層220bは、実施の形態と異なり、単一のInGa1−xN層(0≦x<1)からなる。また、第2離間層240bは、二つの第2離間要素層143及び144を備える。
このような構成を有する窒化物半導体レーザ素子200においても、実施の形態に係る窒化物半導体レーザ素子100と同様に、活性層130が単一量子井戸構造を有し、かつ、活性層130に隣接する第1光ガイド層220及び第2光ガイド層240が、活性層130に近付くにしたがって順に屈折率が高くなる構成を備える。したがって、窒化物半導体レーザ素子200においても、窒化物半導体レーザ素子100と同様に、発振閾値及び導波路損失αiを低減できる。
また、上記実施の形態においては、光閉じ込め構造として、第2クラッド層105にリッジ部111が形成されたが、光閉じ込め構造は、積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に光を閉じ込める構造であればよい。例えば、第2クラッド層に、第2クラッド層より屈折率が低い層を埋め込んでもよい。
また、上記実施の形態においては、窒化物半導体レーザ素子100が電子障壁層104を備えたが、窒化物半導体レーザ素子は、必ずしも電子障壁層104を備えなくてもよい。
また、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示の窒化物半導体レーザ素子は、消費電力が低い光源として、例えば照明用光源、加工用光源などに適用できる。
100、200、900 窒化物半導体レーザ素子
101 基板
102 第1クラッド層
103、203、903 発光層
104 電子障壁層
105 第2クラッド層
106 コンタクト層
107 絶縁層
107A マスク
108 第2導電側電極
109 パッド電極
110 第1導電側電極
120、220、920 第1光ガイド層
120a、220a 第1隣接層
120b、220b 第1離間層
122、123 第1離間要素層
130、930 活性層
140、240、940 第2光ガイド層
140a、240a 第2隣接層
140b、240b 第2離間層
142、143、144 第2離間要素層
931、932 量子井戸層
933 障壁層

Claims (9)

  1. 窒化物半導体からなる第1導電型の第1クラッド層と、
    前記第1クラッド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第1光ガイド層と、
    前記第1光ガイド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる活性層と、
    前記活性層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第2光ガイド層と、
    前記第2光ガイド層の上方に配置された、窒化物半導体からなる第2導電型の第2クラッド層と、を備え、
    前記活性層は、単一の井戸層からなる単一量子井戸構造を有し、
    前記第1光ガイド層は、前記活性層に隣接した第1隣接層と、前記第1隣接層より前記活性層から離れた第1離間層と、を備え、
    前記第2光ガイド層は、前記活性層に隣接した第2隣接層と、前記第2隣接層より前記活性層から離れた第2離間層と、を備え、
    前記第1隣接層、前記第2隣接層、前記第1離間層及び前記第2離間層は、屈折率が前記活性層よりも小さいInGa1−xN層(0≦x<1)からなり、
    前記第1隣接層は、前記第1離間層よりIn組成比率が大きく、
    前記第2隣接層は、前記第2離間層よりIn組成比率が大きい
    窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記第1隣接層及び前記第2隣接層のIn組成比率は、1%以上、2.6%以下である
    請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記第1離間層及び前記第2離間層の各々は、前記活性層から離れるほどIn組成比率が小さくなる複数の層を含む
    請求項1又は2記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記第1離間層及び前記第2離間層の少なくとも一方において、前記複数の層のうち、前記活性層から最も離れた層が、GaNからなる
    請求項3記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記第1離間層及び前記第2離間層の各々において、前記複数の層は、前記活性層から最も離れたGaNからなる層と、In組成比率が0より大きい二つ以上の層と、を含む
    請求項4記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記活性層より前記第2クラッド層側には、積層方向及びレーザ発振方向に垂直な方向に光を閉じ込める光閉じ込め構造が形成されており、
    前記第2離間層は、前記第1離間層よりも層数が多い
    請求項3〜5の何れか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記第1隣接層は、前記第1離間層の前記第1隣接層に接する層より膜厚が小さく、
    前記第2隣接層は、前記第2離間層の前記第2隣接層に接する層より膜厚が小さい
    請求項1〜6の何れか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 第1導電型は、n型であり、
    第2導電型は、p型である
    請求項1〜7の何れか1項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記光閉じ込め構造として、前記第2クラッド層にリッジ部が形成されている
    請求項6記載の窒化物半導体レーザ素子。
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