JPWO2019117185A1 - ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

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Abstract

ポリプロピレン系樹脂(A)49〜90質量部、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)9〜50質量部及び無機充填剤(C)0質量部以上10質量部未満を含み、さらに、(i)滑剤(D)及び界面活性剤(E)を各々0.2〜0.6質量部、若しくは、(ii)滑剤(D)又は界面活性剤(E)を0.6質量部を超えて1.2質量部以下含み、[但し、成分(A)、(B)及び(C)の合計を100質量部とする。]ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]が40〜70Pa・s、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]が50〜330Pa・sであり、それらの比[(B)η/(A)η]が7.2以下であるポリプロピレン系樹脂組成物が開示される。

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体に関し、より詳しくは、ピラートリム、ドアトリム、ドアパネルなどの自動車内外装部材の製造に好適なポリプロピレン系樹脂組成物、及びその成形体に関する。
ピラートリム、ドアトリム、ドアパネルなどの自動車内外装部材の原料としては、軽量で成形性に優れる各種樹脂の使用が試みられている。例えば、アクリロニトリル−スチレン系樹脂(AS系樹脂)又はポリプロピレン系樹脂(PP系樹脂)の表面をポリ塩化ビニル等の軟質樹脂表皮で被って皮革調に加飾した部材や、シボ加工したAS系樹脂やPP系樹脂表面に塗装を施して皮革調に加飾した部材が使用されている。
近年、自動車の生産工程の簡略化や、使用後の材料のリサイクルの要求が高まって来ている。このような点から、自動車内外装部材においても、シボ加工などの表面加工を行った樹脂成形体を、塗装を施すことなく用いる要求が高まっている。しかし、塗装を施していないPP系樹脂の成形体は、組み立て時や使用時に傷が生じ易い。
そこで、自動車内外装部材として好適な特性を有すると共に、耐傷付き性に優れた成形体を製造する為の方法や組成物が提案されている。例えば、フィラーにより強度を向上させる方法(特許文献1参照)、結晶性に優れた樹脂成分を用いることにより硬度を向上させる方法(特許文献2参照)、タルク及び傷付き改良剤を含み、アイゾット衝撃強度及び耐傷付き性に優れるポリプロピレン系組成物(特許文献3参照)、特定のプロピレン・エチレンブロック共重合体とタルクと脂肪酸アミドを含み、耐突出白化性及び耐傷付き性に優れるプロピレン系樹脂組成物(特許文献4参照)、3種類の特定のポリプロピレンと特定のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを含み、物性バランス及び耐傷付き性に優れるポリプロピレン系樹脂組成物(特許文献5参照)が提案されている。
さらに自動車内外装部材の用途においては、引っかき傷などの傷だけでなく、ゴム等の軟質物で擦ることによる表面状態の悪化もまた問題となる。自動車内外装部材の表面は、例えば靴底で蹴られる事態も生じ易いからである。そこで、2種類の特定のポリプロピレン系樹脂と特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と脂肪酸アミド(滑剤)と界面活性剤を含み、耐足蹴り傷付き性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物(特許文献6参照)が提案されている。
特開2009−079117号公報 特開2012−132024号公報 特開2002−060560号公報 特開2003−055529号公報 特開2004−051769号公報 国際公開第2014/046086号
本発明者らは、滑剤及び/又は界面活性剤のブリード量が多くなる樹脂組成物を提供できれば、無機充填剤を含まない又は無機充填剤の含有量が少ない場合であっても、耐足蹴り傷付き性が向上し、また耐足蹴り傷付き性以外の表面特性(例えば耐摩擦性、耐擦傷性)もまた向上するであろうと考えた。また、これに伴い無機充填剤の含有量を低減できるので、軽量化に有利であると考えた。
すなわち本発明の目的は、滑剤及び/又は界面活性剤のブリード量が多く、耐足蹴り傷付き性及びその他の表面特性が優れ、無機充填剤の含有量を低減できるポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定条件で測定したポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]とエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]の比[(B)η/(A)η]が特定の低い範囲内とし、且つ各成分の配合量を好適な範囲内とすることが非常に有効であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]ポリプロピレン系樹脂(A)49〜90質量部、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)9〜50質量部及び無機充填剤(C)0質量部以上10質量部未満を含み、
さらに、
(i)滑剤(D)及び界面活性剤(E)を各々0.2〜0.6質量部、
若しくは、
(ii)滑剤(D)又は界面活性剤(E)を0.6質量部を超えて1.2質量部以下
含み、
[但し、成分(A)、(B)及び(C)の合計を100質量部とする。]
以下の方法により測定される、ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]が40〜70Pa・s、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]が50〜330Pa・sであり、それらの比[(B)η/(A)η]が7.2以下であるポリプロピレン系樹脂組成物。
[粘度の測定方法]
長さ40mm、内径1mmのキャピラリー内で、温度210℃、せん断速度1000/sの条件で、キャピラリーから流出する際のポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度を測定する。
[2]以下の方法により測定される滑剤(D)及び界面活性剤(E)の合計ブリード量が600μg以上である[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[ブリード量の測定方法]
ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形体(サイズ:縦240mm、横80mm、厚さ3mm)を温度50℃の条件で9時間熱処理した後、該射出成形体をジクロロメタン洗浄液10mLで洗浄し、洗浄後の該洗浄液10mLを回収して5mLに濃縮したものを試験液とし、該試験液をガスクロマトグラフィーに供し、絶対検量線法により、射出成形体の表面にブリードしていた滑剤(D)の量(ブリード量)及び射出成形体の表面にブリードしていた界面活性剤(E)のブリード量を求める。
[3]滑剤(D)が脂肪酸アミドである[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[4]脂肪酸アミドが、炭素原子数8〜25の脂肪酸アミド及びその2量体からなる群より選ばれる1種以上の脂肪酸アミドである[3]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[5]界面活性剤(E)が、炭素原子数8〜25のエステル基を1つ以上有する化合物である[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[6][1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
[7]自動車内外装部材である[6]に記載の成形体。
[8]自動車ドア部材又はピラー部材である[7]に記載の成形体。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)及びゴム成分であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の特定条件で測定した粘度の比[(B)η/(A)η]が比較的小さいので、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が多く、耐足蹴り傷付き性及びその他の表面特性が優れている。また、耐足蹴り傷付き性などの表面特性が優れているので、無機充填剤の含有量を低減できる。その結果、軽量化にも有利である。
滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が多くなる理由は必ずしも明らかではない。ただし、おそらく両成分の粘度特性の差が小さいことによりゴム成分であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)が微分散し、これに伴いゴム成分間に存在するポリプロピレン系樹脂(A)の領域が減少し、ゴム成分中に溶解拡散している滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)がゴム成分間を移行し易くなることに起因するものと考えられる。
実施例におけるスカッフ足蹴り試験方法を説明する為の模式図である。
<ポリプロピレン系樹脂(A)>
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂(A)の種類は特に限定されず、プロピレン単独重合体であっても良いし、プロピレンと他のモノマーとの共重合体であっても良い。特に、少なくともプロピレン・α−オレフィン共重合体を含むことが好ましく、プロピレン・α−オレフィン共重合体及びプロピレン単独重合体を併せて含むことがより好ましい。
プロピレン単独重合体とは、プロピレンのみを重合して得られるホモポリマーのみならず、プロピレンと少量のα−オレフィンを共重合して得られる重合体(実質的な単独重合体)を包含する意味である。この少量のα−オレフィンは、好ましくはエチレン及び炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンである。特に、エチレンが好ましい。
プロピレン単独重合体において、プロピレン含量は好ましくは98mol%以上、100mol%以下であり、エチレン及び炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンの含量は好ましくは0mol%以上、2mol%以下である。
プロピレン単独重合体の、JIS K 7210に準拠した方法で測定したメルトフローレート(MFR、230℃、21.16kg)は、通常10g/10分以上、300g/10分以下である。このメルトフローレートの範囲の上限値は、好ましくは270g/10分、より好ましくは250g/10分である。
プロピレン単独重合体の製造方法は特に限定されない。例えば、公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、プロピレンを単独重合し、あるいは必要に応じてプロピレンを少量のα−オレフィンと共に重合してプロピレン単独重合体を得ることができる。オレフィン重合用触媒の具体例としては、チタン系触媒、メタロセン系触媒が挙げられる。特に、チタン系触媒が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂(A)としてプロピレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、そのα−オレフィンは、好ましくはエチレン及び炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンであり、より好ましくはエチレン、1−ブテン、1−へキセン及び1−オクテンがからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンであり、特に好ましくはエチレンである。エチレン及び炭素原子数4〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンの含量は、好ましくは15mol%以上、49mol%以下、より好ましくは20mol%以上、45mol%以下である。プロピレン・α−オレフィン共重合体は、ブロック共重合体でもあっても良いし、ランダム共重合体であっても良い。特に、ブロック共重合体が好ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体のJIS K 7210に準拠した方法で測定したメルトフローレート(MFR、230℃、21.16N荷重)は、通常0.5g/10分以上、80g/10分以下、好ましくは9g/10分以上、75g/10分以下である。
ポリプロピレン系樹脂(A)が、プロピレン単独重合体及びプロピレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、プロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィン共重合体を混合すれば良い。また、プロピレン単独重合体のセグメントと、プロピレン・α−オレフィン共重合体のセグメントを有するブロック共重合体を用いても良い。ポリプロピレン系樹脂(A)100質量%中、プロピレン単独重合体の割合は好ましくは0〜65質量%、より好ましくは1〜65質量%、特に好ましくは5〜65質量%であり、プロピレン・α−オレフィン共重合体の割合は好ましくは35〜100質量%、より好ましくは35〜99質量%、特に好ましくは35〜95質量%である。
<エチレン・α−オレフィン共重合体(B)>
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、エチレンを主成分とする共重合体である。α−オレフィンは、好ましくは炭素原子数3〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−へキセン及び1−オクテンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンである。中でも、1−ブテン、1−オクテンが特に好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のエチレン含量は好ましくは65mol%以上、90mol%以下、より好ましくは75mol%以上、85mol%以下である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のJIS K 7210に準拠した方法で測定したメルトフローレート(MFR、230℃、21.16N荷重)は、通常0.5g/10分以上、80g/10分以下、好ましくは9g/10分以上、60g/10分以下である。
<無機充填剤(C)>
本発明に用いる無機充填剤(C)の種類は特に限定されず、公知の無機充填剤を使用できる。無機充填剤(C)の具体例としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、石膏、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄が挙げられる。さらに、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム等の金属からなる金属粉末又は金属繊維も挙げられる。中でも、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維等が好ましく、タルクがより好ましい。タルクの平均粒径は、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜6μmである。
<滑剤(D)>
本発明に用いる滑剤(D)の種類は特に限定されず、公知の滑剤を使用できる。滑剤(D)としては、脂肪酸アミド、金属石鹸、炭化水素が好ましく、脂肪酸アミドがより好ましい。
脂肪酸アミドは、飽和脂肪酸アミドであっても良いし、不飽和脂肪酸アミドであっても良い。脂肪酸アミドとしては、炭素原子数8〜25の脂肪酸アミド及びその2量体からなる群より選ばれる1種以上の脂肪酸アミドが好ましく、炭素原子数8〜25の脂肪酸アミドがより好ましく、炭素原子数15〜25の脂肪酸アミドが特に好ましい。
脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、パルミチン酸アミド、ミリスチン酸アミド、ラウリン酸アミド、カプリル酸アミド、カプロン酸アミド、n−オレイルパルミトアミド、n−オレイルエルカアミド、及びそれらの2量体が挙げられる。中でも、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、及びそれらの2量体が好ましい。脂肪酸アミドは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
<界面活性剤(E)>
本発明に用いる界面活性剤(E)の種類は特に限定されず、公知の界面活性剤を使用できる。特に、ポリプロピレン系樹脂組成物中において帯電防止剤としての作用を奏する界面活性剤が好ましい。
界面活性剤(E)の代表例としては、エステル型界面活性剤が挙げられる。エステル型界面活性剤としては、炭素原子数8〜25のエステル基を1つ以上有する化合物が好ましく、炭素原子数15〜25のエステル基を1つ以上有する化合物がより好ましい。これら化合物のエステル基の数は、好ましくは1つ又は2つである。エステル型界面活性剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、多価カルボン酸エステルが挙げられる。中でも、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
グリセリン脂肪酸エステル(すなわち、脂肪酸モノグリセリド)の具体例としては、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、リノレイン酸モノグリセリド、ラウリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、マルガリン酸モノグリセリドが挙げられる。中でも、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドが好ましい。
ジグリセリン脂肪酸エステル(すなわち、脂肪酸ジグリセリド)の具体例としては、ステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リノレイン酸ジグリセリド、ラウリン酸ジグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、ミリスチン酸ジグリセリド、ベヘン酸ジグリセリド、マルガリン酸ジグリセリドが挙げられる。中でも、ステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸ジグリセリドが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、着色剤、顔料紫外線吸収剤、核剤などのその他の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合しても良い。
配合する各成分の混合順序は任意である。各成分を同時に混合しても良いし、一部の成分を混合した後に他の成分を混合する多段階の混合方法を用いても良い。
<ポリプロピレン系樹脂組成物>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物においては、以下の方法により測定される、ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]が40〜70Pa・s、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]が50〜330Pa・sであり、それらの比[(B)η/(A)η]が7.2以下である。
[粘度の測定方法]
長さ40mm、内径1mmのキャピラリー内で、温度210℃、せん断速度1000/sの条件で、キャピラリーから流出する際のポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度を測定する。
ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]は40〜70Pa・sであり、好ましくは42〜65Pa・s、より好ましくは45〜55Pa・sである。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]は50〜330Pa・sであり、好ましくは50〜300Pa・s、より好ましくは50〜250Pa・sである。粘度[(B)η]が適度に低い場合は、引張伸び等の物性が向上する。
ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]とエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]の比[(B)η/(A)η]は7.2以下であり、好ましくは6.8以下、より好ましくは6.4以下である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、以下の方法により測定される滑剤(D)及び界面活性剤(E)の合計ブリード量が600μg以上であることが好ましい。
[ブリード量の測定方法]
ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形体(サイズ:縦240mm、横80mm、厚さ3mm)を温度50℃の条件で9時間熱処理した後、該射出成形体をジクロロメタン洗浄液10mLで洗浄し、洗浄後の該洗浄液10mLを回収して5mLに濃縮したものを試験液とし、該試験液をガスクロマトグラフィーに供し、絶対検量線法により、射出成形体の表面にブリードしていた滑剤(D)の量(ブリード量)及び射出成形体の表面にブリードしていた界面活性剤(E)のブリード量を求める。
滑剤(D)のブリード量は、好ましくは280μg以上、より好ましくは320μg以上、特に好ましくは360μg以上、最も好ましくは450μg以上である。
界面活性剤(E)のブリード量は、好ましくは320μg以上、より好ましくは600μg以上、特に好ましくは650μg以上、最も好ましくは700μg以上である。
滑剤(D)及び界面活性剤(E)の合計ブリード量は、好ましくは600μg以上、より好ましくは800μg以上、特に好ましくは900μg以上である。
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に含まれる各成分の量について説明する。これら各成分の量は成分(A)、(B)及び(C)の合計100質量部を基準とする。
ポリプロピレン系樹脂(A)の量は49〜90質量部であり、好ましくは50〜90質量部、より好ましくは70〜90質量部である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の量は9〜50質量部であり、好ましくは10〜50質量部、より好ましくは20〜50質量部である。
無機充填剤(C)の量は0質量部以上10質量部未満である。すなわち無機充填剤(C)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に含まれていても良いし、含まれていなくても良い。無機充填剤(C)が含まれている場合、その量は10質量部未満であり、好ましくは0.1質量部以上10質量部未満、より好ましくは0.2〜8質量部である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、滑剤(D)及び界面活性剤(E)の両方、若しくは一方を含む。
(i)滑剤(D)及び界面活性剤(E)の両方を含む場合:
滑剤(D)及び界面活性剤(E)の各々の量は0.2〜0.6質量部であり、好ましくは0.3〜0.5質量部である。
(ii)滑剤(D)及び界面活性剤(E)のうちの一方を含む場合:
滑剤(D)又は界面活性剤(E)の量は0.6質量部を超えて1.2質量部以下であり、好ましくは0.7〜1.0質量部、より好ましくは0.7〜0.9質量部である。
以上説明した各成分の配合の順序は任意である。例えば、各成分をバンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置により混合又は溶融混練することにより、ポリプロピレン系樹脂組成物が得られる。
<成形体>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、成形性に優れているので、様々な成形法に使用できる。本発明の成形体の具体例としては、射出成形体、発泡成形体、射出発泡成形体、押出成形体、ブロー成形体、真空・圧空成形体、カレンダー成形体、延伸フィルム、インフレーションフィルムが挙げられる。特に、射出成形体が好ましい。成形体を製造する場合の成形条件は特に制限されず、公知の条件を採用できる。
本発明の成形体は、優れた成形性を有する。また、ポリプロピレン系樹脂(A)を含むので十分な剛性を有し、エチレン・α−オレフィン(B)を含むので十分な耐衝撃性も有する。さらに滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が多いので、無機充填剤を含まない又は無機充填剤の含有量が少ない場合であっても、耐足蹴り傷付き性及びその他の表面特性が優れている。
本発明の成形体の用途は、特に限定されない。好適な用途の具体例としては、ドアパネル、ピラートリム、ドアトリム、ドアロアガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車内外装部材、エンジンルーム周辺部品、その他自動車部品、家電部品、食品容器、飲料容器、医療容器が挙げられる。中でも、自動車内外装部材の用途が好ましく、自動車ドア部材の用途、ピラー部材の用途が特に好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例で使用した各材料は以下の通りである。
<ポリプロピレン系樹脂(A)>
「A−1」:プロピレン・エチレンブロック共重合体(プライムポリマー社製、MFR(230℃、2.16kg)=70g/10分、エチレン含量=40mol%)
「A−2」:プロピレン単独共重合体(プライムポリマー社製、商品名J137M、MFR(230℃、2.16kg)=30g/10分)
「A−3」:プロピレン単独共重合体(プライムポリマー社製、商品名J13B、MFR(230℃、2.16kg)=200g/10分)
「A−4」:プロピレン単独共重合体(プライムポリマー社製、商品名J137G、MFR(230℃、2.16kg)=30g/10分)
<エチレン・α−オレフィン共重合体(B)>
「B−1」:エチレン・1−オクテン共重合体(EOR)(ダウ・ケミカル社製、ENGAGE(登録商標)8100、MFR(230℃、2.16kg)=2.0g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−2」:エチレン・1−オクテン共重合体(EOR)(ダウ・ケミカル社製、ENGAGE(登録商標)8200、MFR(230℃、2.16kg)=9.0g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−3」:エチレン・1−オクテン共重合体(EOR)(ダウ・ケミカル社製、ENGAGE(登録商標)8137、MFR(230℃、2.16kg)=26g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−4」:エチレン・1−オクテン共重合体(EOR)(ダウ・ケミカル社製、ENGAGE(登録商標)8407、MFR(230℃、2.16kg)=60g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−5」:エチレン・1−ブテン共重合体(EBR)(三井化学社製、タフマー(登録商標)、MFR(230℃、2.16kg)=60g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−6」:エチレン・1−ブテン共重合体(EBR)(三井化学社製、タフマー(登録商標)、MFR(230℃、2.16kg)=6.7g/10分、エチレン含量=80mol%)
「B−7」:エチレン・1−ブテン共重合体(EBR)(三井化学社製、タフマー(登録商標)、MFR(230℃、2.16kg)=2.2g/10分、エチレン含量=80mol%)
<無機充填剤(C)>
「C−1」:タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM−209、平均粒径(レーザー回折)4〜5μm)
<滑剤(D)>
「D−1」:エルカ酸アミド(日本精化社製、ニュートロン(登録商標)S)
<界面活性剤(E)>
「E−1」:ステアリン酸モノグリセリド(花王社製、エレクトロストリッパー(登録商標)TS−5)
<実施例1a〜10a、比較例1a〜10a>
表1〜4に示す各成分(質量部)、及び、その他の添加剤として、フェノール系酸化防止剤(BASF社製、商品名Irganox(登録商標)1010)0.1質量部、リン系酸化防止剤(BASF社製、商品名Irgafos168)0.05質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA製、商品名LA−52)0.05質量部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名Tinuvin(登録商標)120)0.05質量部、核剤(ADEKA製、商品名アデカスタブ(登録商標)NA−11)0.1質量部を含むポリプロピレン系樹脂組成物を調製した。
そして、これらポリプロピレン系樹脂組成物の各物性を下記の方法により測定あるいは評価した。結果を表1〜3に示す。
[粘度(η)]
東洋精機製作所製のCAPIROGRAPH―1Dを用いて、長さ40mm、内径1mmのキャピラリー内に成分(A)を充填し、温度210℃、せん断速度1000/sの条件で、キャピラリーから流出する際の成分(A)の粘度[(A)η]を測定した。また同じ条件で、成分(B)の粘度[(B)η]も測定した。そして、これら測定値から両者の比[(B)η/(A)η]を算出した。
[スカッフ足蹴り試験(ゴム摩擦による耐傷付き性試験)]
樹脂組成物を金型に射出成形して製造した表面にシボを有する成形体を、成形後1週間以上経過後、試験前に23℃恒温状態で2時間以上静置して状態調節したものを、テストピース(縦240mm、横80mm、厚さ3mm)として用いた。
評価には、図1に示すスカッフ足蹴り試験装置を用いた。このスカッフ足蹴り試験装置は、テストピース1を固定具(不図示)によって固定する台座3と、摩擦物(ゴム試験片)2を先端に装着した金属製の振り子7とパンタグラフ4を具備する装置である。摩擦物(ゴム試験片)2としては、ショアA表面硬度が75であるゴム片(本田技研工業社製、品番18215−SA0−000)を用いた。この装置は、テストピース1の傷付き試験面6から20cmの高さ5より振り子7を作動させ、振り子7の先端に装着した摩擦物(ゴム試験片)2が、テストピース1の試験面6上を摩擦して通過させることにより、靴底での足蹴り状態を再現するものである。
具体的には、作業員2人で次の操作手順に従って試験を行った。
1.テストピース1を装置の台座3上に固定した。
2.デジタルデップスゲ−ジを振り子7上部にセットし、ゲージの先端を振り子7上部へ当て、ゲージの目盛りが0mmになることを確認した。
3.パンタグラフ4のレバーを回転させ、台座3を上昇させゲージの目盛りが0.3mmになるよう合せた。
4.ゴム試験片2を装着した振り子7先端を傷付き試験面6より20cmの高さ5まで引き上げた。
5.振り子7を放し、テストピース1の試験面6へゴム試験片2を擦った。
そして試験面6の状態を目視にて確認し、以下の基準により評価した。評価結果は等級5が最も良好、等級1が最も不良を表す。
「1」:摩擦部の表面の白化が著しく目立っていた。
「2」:摩擦部の表面の白化が目立っていた。
「3」:摩擦部の表面がやや白化していた。
「4」:摩擦部にゴムが擦った跡が有ったが、白化は無かった。
「5」:ゴムが擦った跡も白化も無かった。
[ブリード量]
ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形体(サイズ:縦240mm、横80mm、厚さ3mm)を温度50℃の条件で9時間熱処理した後、この射出成形体をジクロロメタン洗浄液10mLで洗浄し、洗浄後の洗浄液10mLを回収して5mLに濃縮したものを試験液とした。この試験液をガスクロマトグラフィーに供し、絶対検量線法により、射出成形体の表面にブリードしていた滑剤(D)及び界面活性剤(E)のブリード量を求めた。
試験装置としては、滑剤(D)に対してはアジレント・テクノロジー社製の7890B GC System、界面活性剤(E)に対してはアジレント・テクノロジー社製の6890N GC Systemを使用した。
Figure 2019117185
Figure 2019117185
Figure 2019117185
Figure 2019117185
表1〜4に示す通り、実施例1a〜10aのポリプロピレン系樹脂組成物は、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が高く、耐足蹴り傷付き性が優れていた。
一方、比[(B)η/(A)η]が比較的大きい比較例1a〜3a、5a及び6aのポリプロピレン系樹脂組成物は、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が低く、耐足蹴り傷付き性が劣っていた。また、ゴム成分であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を含まない比較例4aのポリプロピレン系樹脂組成物も、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が低く、耐足蹴り傷付き性が劣っていた。
無機充填剤(C)の含有量が多い比較例7a〜10aのポリプロピレン系樹脂組成物は、無機充填剤(C)によって耐足蹴り傷付き性が改善された。しかし、このような組成物は全体としての比重が高いので軽量化の観点からは好ましくない。
<実施例1b〜12b、比較例1〜5b>
表5〜7に示すように各成分の量を変更したこと以外は、実施例1aと同様にしてポリプロピレン系樹脂組成物を調製した。これらポリプロピレン系樹脂組成物の各物性を実施例1aと同様に測定あるいは評価した。結果を表5〜7に示す。
Figure 2019117185
Figure 2019117185
Figure 2019117185
表5〜7に示す通り、実施例1b〜10bのポリプロピレン系樹脂組成物は、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が高く、耐足蹴り傷付き性が優れていた。
一方、比[(B)η/(A)η]が比較的大きい比較例1b、2b、4b及び5bのポリプロピレン系樹脂組成物は、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が低く、耐足蹴り傷付き性が劣っていた。また、ゴム成分であるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を含まない比較例3bのポリプロピレン系樹脂組成物も、滑剤(D)及び/又は界面活性剤(E)のブリード量が低く、耐足蹴り傷付き性が劣っていた。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、射出成形体などの各種の成形体を製造する為の材料として有用である。本発明の成形体は、特に、ドアパネル、ピラートリム、ドアトリム、ドアロアガーニッシュ、インストルメントパネルなどの自動車内外装部材として非常に有用である。
1 テストピース
2 摩擦物(ゴム試験片)
3 台座
4 パンタグラフ
5 振り子の高さ(20cm)
6 試験面
7 振り子

Claims (8)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)49〜90質量部、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)9〜50質量部及び無機充填剤(C)0質量部以上10質量部未満を含み、
    さらに、
    (i)滑剤(D)及び界面活性剤(E)を各々0.2〜0.6質量部、
    若しくは、
    (ii)滑剤(D)又は界面活性剤(E)を0.6質量部を超えて1.2質量部以下
    含み、
    [但し、成分(A)、(B)及び(C)の合計を100質量部とする。]
    以下の方法により測定される、ポリプロピレン系樹脂(A)の粘度[(A)η]が40〜70Pa・s、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度[(B)η]が50〜330Pa・sであり、それらの比[(B)η/(A)η]が7.2以下であるポリプロピレン系樹脂組成物。
    [粘度の測定方法]
    長さ40mm、内径1mmのキャピラリー内で、温度210℃、せん断速度1000/sの条件で、キャピラリーから流出する際のポリプロピレン系樹脂(A)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の粘度を測定する。
  2. 以下の方法により測定される滑剤(D)及び界面活性剤(E)の合計ブリード量が600μg以上である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
    [ブリード量の測定方法]
    ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形体(サイズ:縦240mm、横80mm、厚さ3mm)を温度50℃の条件で9時間熱処理した後、該射出成形体をジクロロメタン洗浄液10mLで洗浄し、洗浄後の該洗浄液10mLを回収して5mLに濃縮したものを試験液とし、該試験液をガスクロマトグラフィーに供し、絶対検量線法により、射出成形体の表面にブリードしていた滑剤(D)の量(ブリード量)及び射出成形体の表面にブリードしていた界面活性剤(E)のブリード量を求める。
  3. 滑剤(D)が脂肪酸アミドである請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 脂肪酸アミドが、炭素原子数8〜25の脂肪酸アミド及びその2量体からなる群より選ばれる1種以上の脂肪酸アミドである請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 界面活性剤(E)が、炭素原子数8〜25のエステル基を1つ以上有する化合物である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
  7. 自動車内外装部材である請求項6に記載の成形体。
  8. 自動車ドア部材又はピラー部材である請求項7に記載の成形体。
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