JPWO2019112014A1 - 選定分子の導入方法および阻害剤を含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

小胞輸送またはリソソーム膜融合の阻害剤を標的細胞または標的組織の内部に取り込ませる阻害剤処理工程と、選定分子を含む導入液と前記標的細胞または標的組織とを接触させて、前記標的細胞または標的組織へ選定分子を導入する導入工程と、を含む選定分子の導入方法。

Description

本発明は、選定分子の導入方法および阻害剤を含有する組成物に関する。
細胞内の分子機構を解明するために、細胞に一定量の外来遺伝子、タンパク質などの選定分子を導入する手法が広く行われている。選定分子を細胞内に導入する手法としては、ウイルスを用いた生物学的手法、エレクトロポレーションやマイクロインジェクションなどの物理学的手法、リポフェクションなどの化学的手法、プラズマを用いた方法(特許文献1:特開2013−255475号公報)などが知られている。
特開2013−255475号公報
しかしながら、上記のような選定分子の導入法には、細胞への導入効率において未だ改善の余地がある。ここで、本発明者らは、選定分子が細胞へ効率的に導入されても、細胞内で分解されてしまい、選定分子の機能を十分に発揮できずに実質的な導入効率が低下してしまう場合も多い点に着目した。したがって、選定分子が導入後も細胞内で安定に存在し、選定分子の機能を高効率に発揮できるような導入方法が望まれる。
本発明は、標的細胞または標的組織への選定分子の導入効率を向上させることのできる選定分子の導入方法を提供することを目的とする。
[1] エンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路の阻害剤を、標的細胞または標的組織の内部に取り込ませる阻害剤処理工程と、
選定分子を含む導入液と前記標的細胞または前記標的組織とを接触させて、前記標的細胞または前記標的組織へ前記選定分子を導入する導入工程と、を含む選定分子の導入方法。
[2] 前記導入工程では、前記選定分子はエンドサイトーシスを介して前記標的細胞または前記標的組織に導入される、[1]に記載の導入方法。
[3] 前記導入工程では、前記標的細胞または前記標的組織へプラズマを照射することによって前記選定分子を導入する、[1]または[2]に記載の導入方法。
[4] 前記阻害剤は、前記標的細胞または前記標的組織を構成する細胞の細胞膜を透過することが可能な低分子化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の導入方法。
[5] 前記低分子化合物は、ノコダゾール、クロロキン、LY−294002およびワートマニンからなる群より選ばれる少なくとも1つである、[4]に記載の導入方法。
[6] 前記阻害剤処理工程において、前記阻害剤を含有する組成物を前記標的細胞または前記標的組織に接触させて、前記阻害剤を前記標的細胞または前記標的組織の内部に取り込ませる、[1]〜[5]のいずれかに記載の導入方法。
[7] [6]に記載の導入方法に用いる、前記阻害剤を含有する組成物。
[8] 前記標的細胞または前記標的組織の培地である、[7]に記載の組成物。
本発明によれば、標的細胞または標的組織への選定分子の導入効率を向上させることができる。
エンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路を示す模式図である。 L−929細胞にノコダゾール処理をせず、照射時間1msec、電圧15kVのプラズマ条件でGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像である。 L−929細胞にノコダゾール1μMで処理をして、照射時間1msec、電圧15kVのプラズマ条件でGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像である。 L−929細胞にノコダゾール100μMで処理をして、照射時間5msec、電圧15kVのプラズマ条件でGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像である。 ノコダゾール(1μM)の処理時間を変化させて、プラズマ照射時間5msecの条件下で細胞にGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示すグラフである。 ノコダゾール(1μM)の処理時間を変化させて、プラズマ照射時間1msecの条件下で細胞にGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示すグラフである。 クロロキンを含まない培地(std)、クロロキンを5μM含む培地(5μM)またはクロロキンを15μM含む培地(15μM)で阻害剤処理をして、プラズマ照射時間を1msecから10msecまで変化させた時の(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示すグラフである。 ノコダゾールの濃度を変化させたときの、標準化した細胞生存率および遺伝子導入効率を示すグラフである。 クロロキンの濃度を変化させたときの、標準化した細胞生存率および遺伝子導入効率を示すグラフである。 LY−294002の濃度を変化させたときの、標準化した細胞生存率および遺伝子導入効率を示すグラフである。 ワートマニンの濃度を変化させたときの、標準化した細胞生存率および遺伝子導入効率を示すグラフである。 MG63細胞(ヒト骨肉腫線維芽細胞)を用いて、ノコダゾールの濃度を変化させたときの遺伝子発現を示す画像である。ノコダゾール処理をしなかったときの(A)蛍光画像および(B)明視野画像、ノコダゾール1.0μMで処理したときの(C)蛍光画像および(D)明視野画像、ノコダゾール0.1μMで処理したときの(E)蛍光画像および(F)明視野画像を示す。 MDCK細胞(イヌ腎臓上皮細胞)を用いて、プラズマ照射後にノコダゾールを処理したときの遺伝子発現を示す画像である。ノコダゾール処理をしなかったときの(A)蛍光画像および(B)明視野画像、ノコダゾール1.0μMで処理したときの(C)蛍光画像および(D)明視野画像、ノコダゾール0.1μMで処理したときの(E)蛍光画像および(F)明視野画像を示す。 MG63細胞(ヒト骨肉腫線維芽細胞)を用いて、プラズマ照射後にノコダゾールを処理したときの遺伝子発現を示す画像である。ノコダゾール処理をしなかったときの(A)蛍光画像および(B)明視野画像、ノコダゾール1.0μMで処理したときの(C)蛍光画像および(D)明視野画像、ノコダゾール0.1μMで処理したときの(E)蛍光画像および(F)明視野画像を示す。 ノコダゾール処理しなかった細胞およびノコダゾール1μMで処理した細胞中において、導入から24時間後の選定分子(プラスミド遺伝子)の残存量をPCR法により定量化したときの(A)Cq値および(B)遺伝子増幅曲線を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の選定分子の導入方法は、エンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路の阻害剤を、標的細胞または標的組織の内部に取り込ませる阻害剤処理工程と、選定分子を含む導入液と標的細胞または標的組織とを接触させて、標的細胞または標的組織へ選定分子を導入する導入工程とを含む。
[阻害剤処理工程]
本発明の阻害剤処理工程では、上記阻害剤を標的となる細胞または組織の内部に取り込ませる。阻害剤処理工程としては、例えば阻害剤を含有する組成物と標的細胞または標的組織(以下、「標的細胞等」と略す場合がある)とを、標的細胞等の中に阻害剤が取り込まれるのに十分な時間、接する状態に置けばよい。具体的には、適当な濃度の阻害剤を含む培養液、固形培地などの培地(阻害剤を含有する組成物)で標的細胞等を培養する方法、培養液を除去した後、阻害剤を含む水溶液(阻害剤を含有する組成物)を標的細胞等が収容された容器に添加する方法などを用いることができる。なお、阻害剤処理工程の最適な条件は各阻害剤および細胞種ごとに異なる。阻害剤の濃度は、細胞障害を起こさず、かつ、阻害剤の効果が有効な濃度であることが好ましい。処理時間は、好ましくは1分以上2時間以下、より好ましくは10分以上60分以下である。なお、阻害剤処理工程は、導入工程の前であっても、後であってもよい。選定分子の導入による細胞障害が強い場合、阻害剤処理工程を導入工程のあとで行うことで、細胞障害を抑制することができる。
(阻害剤)
まず、図1を参照して、細胞の小胞輸送を説明する。
細胞内に選定分子を導入する場合、一部の分子はエンドサイトーシスを介して細胞外から細胞内に取り込まれる。選定分子を包み込んだ小胞は、初期エンドソームに輸送された後、後期エンドソームへの成熟(1)を経て、酸性のリソソームと膜融合(2)する。選定分子は、リソソーム中に含まれる分解酵素によって分解される。一方、小胞から細胞質に放出された選定分子は、細胞質においてオートファゴソームによって包み込まれる(オートファゴソームの形成(3))。そこにリソソームが融合(2)してオートリソソームとなると、選定分子は分解酵素によって分解される。これらの分解経路を免れた場合、選定分子は細胞質内または核内に放出され(図1中の点線矢印)、選定分子の目的の機能を発揮し、研究や実用的な用途に用いることが可能となる。
すなわち、選定分子の導入効率を向上させるためには、上記のエンドサイトーシス経路(A)やオートファジー経路(B)を介したリソソーム分解を阻害して、選定分子を含有する小胞、および、小胞から細胞質に放出された選定分子を安定化させることが有用であると考えられる。このため、本発明で用いられる阻害剤は、上記のような細胞内分解経路の阻害剤であり、好ましくはエンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路の阻害剤である。
本発明の阻害剤としては、好ましくは、(A)エンドサイトーシスを介したリソソーム分解経路のうち、後期エンドソームへの成熟(1)もしくはリソソームの膜融合(2)の阻害剤、または、(B)オートファジーを介したリソソーム分解経路のうち、オートファゴソームの形成(3)もしくはリソソームとの膜融合(2)の阻害剤である。
初期エンドソームから後期エンドソームへの成熟(1)の阻害剤としては、ノコダゾール、バフィロマイシン等が挙げられる。リソソームの膜融合(2)の阻害剤としては、酸性のリソソームの内腔をアルカリ化してリソソームの活性を抑制する、クロロキン、Lys05等が挙げられる。オートファゴソームの形成(3)の阻害剤としては、イノシトールリン脂質のリン酸化を行う酵素であるPI3Kの阻害剤などの阻害剤がある。PI3Kの阻害剤としては、LY−294002(2−(4−モルホリニル)−8−フェニル−4H−1−ベンゾピラン−4−オン)およびワートマニン、3−metyladenine等が挙げられる。そのほかにも、オートファジーの阻害剤としては、タンパク質合成阻害剤(例えばシクロヘキシミド等)、H(+)−ATPase阻害剤(例えばバフィロマイシンA1等)、酸性タンパク質分解酵素阻害剤(例えばLeupeptin、E64d、ペプスタチンA等)などの阻害剤が挙げられる。
本発明の阻害剤は、受動輸送によって細胞膜を透過することが可能な低分子化合物であることが好ましい。受動輸送とは、濃度勾配を利用してエネルギーを消費しない輸送をいい、例えば単純拡散、促進拡散などが挙げられる。細胞膜を容易に透過し、有効に機能する化合物としては、例えば分子量が1000以下である化合物が挙げられる。培地中の低分子化合物の濃度は、好ましくは10nM〜100μMである。
本発明の低分子化合物は、ノコダゾール、クロロキン、LY−294002およびワートマニンからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
阻害剤処理工程において標的細胞等と接触させる培地中のノコダゾールの濃度は、好ましくは0.01μM以上100μM以下、より好ましくは0.1μM以上10μM以下である。
阻害剤処理工程において標的細胞等と接触させる培地中のクロロキンの濃度は、好ましくは0.01μM以上100μM以下、より好ましくは1μM以上100μM以下である。
阻害剤処理工程において標的細胞等と接触させる培地中のLY−294002の濃度は好ましくは0.01μM以上100μM以下、より好ましくは0.5μM以上50μM以下である。
阻害剤処理工程において標的細胞等と接触させる培地中のワートマニンの濃度は好ましくは0.001μM以上0.1μM以下、より好ましくは0.001μM以上0.05μM以下である。
(標的細胞)
本発明の選定分子の導入方法において用いる標的細胞とは、選定分子を導入する標的となる細胞のことを示し、特に特定の種類の細胞に限定されるものではない。このような標的細胞の具体例としては、ヒトを含む動物細胞、生物の個体または組織から採取された細胞、生物の個体または組織内の細胞、植物細胞、微生物細胞などが挙げられる。また、細胞は接着細胞であってもよく、浮遊細胞であってもよい。本発明においては、複数の標的細胞に同時に選定分子の導入を行うこともできる。これらの標的細胞は、単一の種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、上記の生物の個体または組織から採取された細胞には、医薬品の研究開発などに用いられる生物の個体に戻すことを前提としない細胞と、再生医療などに用いられる生物の個体に戻すことを前提とする細胞とが含まれる。また、上記の生物の個体または組織から採取された細胞には、生物の個体または組織から採取された細胞から培養された細胞も含まれる。
ここで、上記とは別の側面から捉えれば、本発明に用いる標的細胞には、大腸菌、放線菌、枯草菌などの原核細胞や、酵母、昆虫細胞、ヒト以外の動物細胞、ヒトの個体から採取された細胞、ヒトの個体に含まれる細胞、植物細胞などの真核細胞が含まれる。ヒト以外の動物細胞としては、特に限定されないが、例えばマウス、ラット、イヌ、ウサギ、ヤギ等に由来する細胞が挙げられる。
さらに、本発明に用いる標的細胞には、赤血球ゴーストやリポソームなどの脂質二重膜構造をもつものも含まれる。
また、本発明に用いる標的細胞は、特に処理を施されていないものであってもよいが、選定分子の導入効率を向上するためには、遺伝子導入の際に一般的に用いられる、コンピテントセルとしての処理を施されたものであってもよい。具体例としては、塩化カルシウムで処理され、細胞膜の構造が変化してDNA分子を透過しやすくなった大腸菌のコンピテントセルなどが挙げられる。
(標的組織)
一方、本発明に用いられる標的組織とは、選定分子を導入する標的となる組織のことを示し、特に特定の種類の組織に限定されるものではない。このような標的組織の具体例としては、移植に用いられるドナーからの臓器、再生医療の方法を用いて再構成された皮膚や歯根などの組織、カルス培養で構築された植物の分化前の組織、などが挙げられる。これらの標的組織は、単一の種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
[導入工程]
本発明の導入工程では、選定分子を含む導入液と標的細胞または標的組織とを接触させて、標的細胞または標的組織に選定分子を導入させる。
(選定分子)
本発明の標的細胞または標的組織内への選定分子の導入方法において用いる選定分子とは、標的細胞等に導入するために選定した分子のことを示し、特定の種類の分子に限定されるものではない。このような選定分子の具体例としては、DNA、RNA、その他の核酸分子もしくはそれらの誘導体、シグナル伝達蛋白質や転写調節因子などのタンパク質やペプチドおよびその誘導体などの高分子化合物があげられる。
また、上記DNAあるいはRNAは一本鎖もしくは二本鎖であってもよく、また線状、環状であってもよい。核酸分子の誘導体には、ベクター、アンチセンスポリヌクレオチド、デコイポリヌクレオチド、リボザイム、siRNAなどが含まれる。ポリヌクレオチドの分子量は特に限定されない。
さらに、上記のタンパク質分子、タンパク質分子誘導体には、シグナル伝達因子や、転写調節因子、各種酵素、各種受容体、抗体あるいは抗体のFab部分、ゲノム編集用タンパク質、経口投与ができないタンパク質医薬品などが含まれる。
他の選定分子としては、低分子生理活性物質、薬剤候補品などが挙げられ、これらの中でも医薬品などの生理活性な低分子化合物であって、他の導入方法では組織内あるいは細胞内に導入されづらい低分子化合物が好ましい。他の導入方法では組織内あるいは細胞内に導入されづらい低分子化合物とは、分子量が1000以上の低分子、膜透過性の低い分子、などである。
なお、上述の各種選定分子は、単一の種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(導入液)
選定分子を含む導入液は、水または水溶液などの適当な媒体に懸濁させることが好ましい。該水溶液または懸濁液の溶媒または分散媒としては、例えば生理食塩水やpH緩衝溶液などが挙げられる。
なお、標的細胞等に選定分子を含む導入液を接触させる際には、例えば標的細胞等に選定分子を含む液体を滴下する方法、選定分子を含む液体と標的細胞等とを混合する方法などを用いることができる。また、別の方法としては、標的細胞等を含む分散液または懸濁液等に選定分子を含む液体を添加する方法も用いることができる。
また、本発明の導入工程では、選定分子はエンドサイトーシスを介して標的細胞または標的組織に導入されることが好ましい。選定分子がエンドサイトーシスを介して標的細胞等に導入される際に、選定分子を内包した初期エンドソームが生じ、この初期エンドソームが後期エンドソームを経てリソソーム分解されることを阻害することで、選定分子を安定化することができるからである。
本発明の導入工程では、標的細胞または標的組織へプラズマを照射することによって選定分子を導入することが好ましい。本発明者らの検討により、導入工程でプラズマを用いた場合、エンドサイトーシスによる小胞を介して、選定分子は細胞内に導入されることがわかった。プラズマを用いた選定分子の導入方法としては、特開2013−255475号公報または特開2013−255474号公報に記載の方法を用いることができる。
プラズマを用いた選定分子の導入方法では、導入効率を上げるためにプラズマ照射の時間を延長したり、電圧を上昇させることができる。しかし、こうした条件下では、細胞障害性が高くなる。本発明では、阻害剤で標的細胞等を処理することで、安定的に細胞内に選定分子を維持することができるため、プラズマ照射の条件を緩和させても、高効率に選定分子の導入を行うことができる。その結果として、細胞の生存率を高めることができる。このようなプラズマ照射時間としては、0.1msec以上5msec以下のごく短時間であることが好ましい。
また、導入液には、エンドサイトーシスを利用した汎用のトランスフェクション試薬を添加することもできる。この場合は、選定分子の導入工程において、必ずしもプラズマ照射を行わなくてもよい。
(阻害剤を含有する組成物)
阻害剤を含有する組成物は、上記の選定分子の導入方法に用いられる。阻害剤を含有する組成物は、阻害剤を含有することができる液体または固体(液体の凍結物を含む)であれば特に限定されないが、好ましくは阻害剤を安定的に含有することができる液体または固体である。阻害剤を含有する組成物は、阻害剤を含有した水溶液(生理食塩水、pH緩衝溶液等)、標的細胞等または標的組織の培地等であってよく、好ましくは標的細胞等または標的組織の培地である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
96ウェルプレートにマウス線維芽細胞L−929細胞を播種しCOインキュベーターで24時間培養した。培地をアスピレーターで吸引除去し、各ウェルにノコダゾール(阻害剤)を含まない培地、ノコダゾールを1μM含む培地、またはノコダゾールを100μM含む培地を100μL加え、30分間COインキュベーター内で培養した。その後、培地をアスピレーターで吸引除去し、pAcGFP1−N1プラスミド(選定分子)溶液6.0μg/6.0μLを各ウェルに滴下した。96ウェルプレートをプラズマ照射装置にセットし、プラズマを照射後速やかに培地を100μL加え、COインキュベーターに戻し24時間培養した。培養後の細胞を顕微鏡下で観察した。
図2に、ノコダゾール処理をしなかったときの(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像を示す。図3に、ノコダゾール1μMで処理したときの(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像を示す。図4に、ノコダゾール100μMで処理したときの(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)ウェルの中心部の明視野画像、(C)ウェルの中心部の蛍光画像を示す。
実施例1において、プラズマの照射条件は、周波数20kHz、電圧15kVpp、電極間距離1mm、照射時間は1msecまたは5msecであった。
(実施例2)
ノコダゾール1μMでの阻害剤処理工程において、処理時間を1分から120分の間で変化させた点以外は、実施例1と同様にして選定分子の導入を行った。図5に、プラズマ照射時間5msecの条件下で細胞にGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示す。図6に、プラズマ照射時間1msecの条件下で細胞にGFP発現プラスミドを導入したときの、(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示す。ノコダゾールを加えないとき(コントロール)の値を点線で示す。遺伝子導入効率(%)は、Cytell(Cytell Cell Imaging System:GEヘルスケア社製)を用いて、(GFP発現細胞数/生存細胞数)として求めた。
(実施例3)
クロロキン二リン酸5μMまたは15μMで阻害剤処理し、プラズマ照射時間を変化させた点以外は、実施例1と同様にして選定分子の導入を行った。図7に、クロロキンを含まない培地(std)、クロロキンを5μM含む培地(5μM)またはクロロキンを15μM含む培地(15μM)で処理をして、プラズマ照射時間を1msecから10msecまで変化させた時の(A)生存細胞数および(B)遺伝子導入効率を示す。
(実施例4)
ノコダゾールの濃度を変化させた点以外は、実施例1と同様にして選定分子の導入を行い、細胞生存率および遺伝子導入効率を求めた。プラズマの照射条件は、周波数20kHz、電圧15kVpp、電極間距離1mm、照射時間は1msecであった。結果はノコダゾールを加えないとき(コントロール)の値を1として標準化し、図8に示す。コントロールは点線で示す(P<0.05)。以下の実施例5〜7では、同様に標準化した値を示す。
(実施例5)
阻害剤としてクロロキンを用いた点以外は実施例4と同様にして、細胞の生存率および遺伝子導入効率を求めた。結果を図9に示す。
(実施例6)
阻害剤としてLY−294002を用いた点以外は実施例4と同様にして、細胞の生存率および遺伝子導入効率を求めた。結果を図10に示す。
(実施例7)
阻害剤としてワートマニンを用いた点以外は実施例4と同様にして、細胞の生存率および遺伝子導入効率を求めた。結果を図11に示す。
(実施例8)
実施例1とは異なる細胞(ヒト骨肉腫線維芽細胞、MG63細胞)を用いた以外は実験1と同様の実験を行った。ノコダゾールの濃度は1μMまたは0.1μMであった。
図12に、ノコダゾール処理をしなかったときの(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)1ウェル全体の明視野画像を示す。また、ノコダゾール1μMで処理したときの(C)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(D)1ウェル全体の明視野画像を示す。そして、ノコダゾール0.1μMで処理したときの(E)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)1ウェル全体の明視野画像を示す。
(実施例9)
実施例1とは異なる細胞(イヌ腎臓上皮細胞MDCK細胞、ヒト骨肉腫線維芽細胞MG63細胞)を用いて、プラズマ照射後にノコダゾールを処理したときの遺伝子導入効率を検証した。具体的には以下の手順で実験を行った。
96ウェルプレートにイヌ腎臓上皮細胞MDCK細胞およびヒト骨肉腫線維芽細胞MG63細胞をそれぞれ播種しCOインキュベーターで24時間培養した。培地をアスピレーターで吸引除去し、pAcGFP1−N1プラスミド(選定分子)溶液6.0μg/6.0μLを各ウェルに滴下した。96ウェルプレートをプラズマ照射装置にセットし、プラズマを照射後各ウェルにノコダゾール(阻害剤)を含まない培地、ノコダゾールを1μM含む培地、またはノコダゾールを0.1μM含む培地を100μL加え、30分間COインキュベーター内で培養した。その後、培地をアスピレーターで吸引除去し、速やかに培地を100μL加え、COインキュベーターに戻し24時間培養した。培養後の細胞を顕微鏡下で観察した。なお、プラズマの照射条件は、実施例1と同様であった。
図13にMDCK細胞、および図14にMG63細胞について、それぞれノコダゾール処理をしなかったときの(A)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(B)1ウェル全体の明視野画像を示す。また、ノコダゾール1μMで処理したときの(C)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(D)1ウェル全体の明視野画像を示す。そして、ノコダゾール0.1μMで処理したときの(E)96ウェルプレートの1ウェル全体を撮影した蛍光画像、(F)1ウェル全体の明視野画像を示す。
(実施例10)
ノコダゾール(阻害剤)の処理による細胞内外来遺伝子量の変化を検証した。実施例1と同様の方法によって、マウス線維芽細胞L−929細胞に選定分子を導入し、24時間培養した。ノコダゾールの濃度は1μMであった。培養したウェル8個から細胞を回収し、High Pure PCR Template Preparation Kit(Roche社製)を用いてDNAを回収および精製した。精製したDNAの50ngをPCR反応キットSYBR GreenI (Fast Start Essential DNA Green Master、Roche社製)に加え、PCR装置(LightCycler 96system、Roche社製)で40サイクル増幅した。尚、GFP遺伝子を増幅するために用いた2つのプライマーpAcGFP1−N1−ForとpAcGFP1−N1−Revの配列は、以下のとおりである。
pAcGFP1−N1−For:ATAGCGGTTTGACTCACGGG
pAcGFP1−N1−Rev:GATCGGGGTAGCGTGAGAAG
図15に、PCR法により得られたCq値および遺伝子増幅曲線を示す。Cq値とは、目的の遺伝子配列の増幅が始まり、定量的な増加(直線的な増加)が始まる手前のサイクル数を計算によって求めたものであり、図15の(B)の矢印で示された時点のサイクル数をいう。目的の遺伝子配列が多く含まれると、増幅が早く立ち上がるため、Cq値は小さくなる。また、Cq値の逆数は目的遺伝子配列の初期量に比例する。
<結果>
図2〜4に示すように、遺伝子導入する際に、ノコダゾール1μMまたは100μMで処理すると、ノコダゾールを処理しない場合に比べて、GFPを発現している細胞数が増加していた。阻害剤なしの条件下では、1msecという短時間のプラズマ照射では、遺伝子の導入効率は低いが、阻害剤で処理することにより、遺伝子の導入効率および発現効率を上昇させることができた。また、この結果は、図2のように、従来はGFPの発現が見られず、遺伝子導入されていないと判断されていた細胞でも、実際は細胞内に遺伝子が導入されており、それらの多くは分解されていたことを示唆するものである。
同様に、図5(B)に示すように、ノコダゾール(1μM)で処理した細胞では、ノコダゾール処理をしない細胞(点線)に比べて、遺伝子の導入効率が大幅に上昇していた。また、図6(B)の結果からも、ノコダゾール処理によって、遺伝子導入効率は顕著に上昇していた。なお、この結果から、ノコダゾールの処理時間は1分以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましいと考えられる。
また、ノコダゾールの濃度が1μMの条件において、プラズマの照射時間が1msecの場合、照射時間が5msecの場合に比べて、遺伝子導入効率は維持したまま(図5(B)および図6(B))、細胞障害性は改善していた(図5(A)および図6(A))。
従来では、機能を発揮させるのに十分な量の選定分子を導入するためには、強度のプラズマ照射が必要であった。しかし、プラズマの照射時間を長くしたり、印加電圧を強くすると細胞障害を引き起こすため、高い導入率と細胞生存率を両立させることは難しかった。本発明によれば、ノコダゾールで処理することで、細胞内に導入された選定分子の分解が抑制されるため、弱いプラズマ照射条件下でも、選定分子は安定化されて高濃度で細胞内に維持される。したがって、細胞死を抑制することができ、選定分子の機能を高効率で発揮する細胞を多く得ることができる。
同様に、図7(B)に示すように、クロロキンの濃度が5μMまたは15μMの培地で処理し、プラズマ照射した細胞では、クロロキン処理をしない細胞(std)に比べて遺伝子の導入効率が上昇していた。すなわち、クロロキンで処理した場合、プラズマ照射時間を短くしても、長時間の照射と同程度の遺伝子導入効率を得ることができる。なお、図7(A)に示すように、プラズマの照射時間が長くなると、細胞障害性が高くなるため、細胞の生存率が低下する。したがって、クロロキン処理を行い、短時間のプラズマ照射を行うことにより、選定分子の導入効率を維持しつつ、細胞の生存率を向上させるため、選定分子が導入された細胞をより多く得ることができる。このため、細胞の生存率も考慮にいれた、遺伝子導入効率を向上させることができる。
図8〜11の結果より、ノコダゾール、クロロキンだけでなく、LY−294002またはワートマニンで細胞を処理した場合も、これらを処理しなかった場合に比べて、遺伝子導入率は有意に上昇していた。図8より、ノコダゾールの濃度は0.1μM以上10μM以下の場合に、図9より、クロロキンの濃度は1μM以上100μM以下の場合に、図10より、LY−294002の濃度は0.5μM以上50μM以下の場合に、また、図11より、ワートマニンの濃度は0.01μM以下の低濃度の処理で、遺伝子の導入効率はより顕著に上昇した。これまでエンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソームによる分解を抑制する化合物として知られていたこれらの阻害剤が、エンドサイトーシスによる選定分子の導入の効率を上昇させることがわかった。
図12に示すように、ヒトの線維芽細胞に、ノコダゾールを1.0μMまたは0.1μM処理して遺伝子導入すると、ノコダゾール処理をしない場合に比べて、GFPを発現している細胞数が増加していた。また、図13に示すように、イヌ由来の細胞に、ノコダゾールを1.0μMまたは0.1μM処理して遺伝子導入すると、ノコダゾール処理をしない場合に比べて、GFPを発現している細胞数が増加していた。従って、細胞の種類によらず、ノコダゾールなどの細胞内分解機構を阻害する化合物で処理した場合には、それらの化合物で処理しなかった場合に比べて、遺伝子の発現率は有意に上昇することが明らかになった。
また、図13,14に示すように、遺伝子導入工程の後にノコダゾール処理を行った場合でも、ノコダゾール処理をしない場合に比べて、GFPを発現している細胞数の増加が見られた。阻害剤処理工程は、導入工程の前に行っても、後に行っても、選定分子の導入効率を上昇させることができることがわかった。
図15に示すように、ノコダゾール処理をした細胞中に残存している外来遺伝子のDNA量は、ノコダゾール処理をしていない細胞中に残存しているDNA量の約1.44倍であった。実施例1〜9(図2〜14)の結果から、阻害剤処理によって、導入された遺伝子(選定分子)の発現が上昇していることがわかったが、図15の結果から、上記の遺伝子発現の上昇は、細胞中に存在する導入された遺伝子の量がノコダゾール等の阻害剤を処理することで有意に上昇していることによることが明らかになった。エンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路の阻害剤は、導入工程によって細胞内に取り込まれた選定分子を安定化する働きがあり、選定分子を含有した小胞そのものを分解に導く経路および小胞から遊離した選定分子が分解されることを抑制することが明らかになった。よって、これまでより選定分子の量を少なくしたり、プラズマ照射条件を弱くしても選定分子を導入することが可能になるとともに、これまで選定分子の導入が難しかった細胞への選定分子の導入が可能になることが証明された。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、これまで導入が困難であった細胞へ選定分子を導入することができ、外来の遺伝子やタンパク質を高発現した細胞を多数獲得することができる。これにより、特定の分子の生体内での働きを解析する研究や、医療・農業・環境を含む広い分野での応用が可能となる。例えば、医療分野では細胞医療、再生医療、および遺伝子治療などがあり、農業分野や環境分野では育種や品種改良などに用いることができる。

Claims (8)

  1. エンドサイトーシスまたはオートファジーを介したリソソーム分解経路の阻害剤を、標的細胞または標的組織の内部に取り込ませる阻害剤処理工程と、
    選定分子を含む導入液と前記標的細胞または前記標的組織とを接触させて、前記標的細胞または前記標的組織へ前記選定分子を導入する導入工程と、を含む選定分子の導入方法。
  2. 前記導入工程では、前記選定分子はエンドサイトーシスを介して前記標的細胞または前記標的組織に導入される、請求項1に記載の導入方法。
  3. 前記導入工程では、前記標的細胞または前記標的組織へプラズマを照射することによって前記選定分子を導入する、請求項1または2に記載の導入方法。
  4. 前記阻害剤は、前記標的細胞または前記標的組織を構成する細胞の細胞膜を透過することが可能な低分子化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導入方法。
  5. 前記低分子化合物は、ノコダゾール、クロロキン、LY−294002およびワートマニンからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項4に記載の導入方法。
  6. 前記阻害剤処理工程において、前記阻害剤を含有する組成物を前記標的細胞または前記標的組織に接触させて、前記阻害剤を前記標的細胞または前記標的組織の内部に取り込ませる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導入方法。
  7. 請求項6に記載の導入方法に用いる、前記阻害剤を含有する組成物。
  8. 前記標的細胞または前記標的組織の培地である、請求項7に記載の組成物。
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