JPWO2019107026A1 - 含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、撥液剤、これを含む樹脂組成物及び硬化膜 - Google Patents

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Abstract

フッ素原子含有率の調整が容易な樹脂構造を有し、表面偏析性に優れ、少量の使用量であっても十分なレベリング性、撥水撥油、撥液性等を発現する含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、撥液剤、これを含む樹脂組成物及び硬化膜を提供する。具体的には、1分子中に、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(A)の残基と、前記(A)以外の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基及び/又は2価のカルボン酸(C)の残基と、を有し、それらが下記式(1)〔Xは水素原子、重合性基を有する有機基(x1)又は酸基を有する有機基(x2)である〕で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)である含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる。

Description

本発明は、硬化膜の表面平滑性や撥水撥油性等の表面改質剤として、あるいは撥液剤として好適に用いることができる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、及びこれを含む樹脂組成物とその硬化膜に関する。
従来、フッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤は、レベリング性、濡れ性、浸透性、ブロッキング防止性、滑り性、撥水撥油性、防汚性などに優れる点から、各種コーティング材料、表面改質剤等に広く使用されている。
このフッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤(以下、これらを併せて単に「フッ素系界面活性剤」という。)を配合した活性エネルギー線硬化性組成物からなる塗料を塗布、硬化させて得られる硬化膜は、優れた表面特性を発現する一方で、加熱、加湿、酸・アルカリ等の薬品への暴露、汚れ除去のための洗浄等によって、フッ素系界面活性剤の一部が硬化膜表面から脱離又は揮発しやすくなり、その結果、製造ラインが汚染されたり、塗膜表面の防汚性が低下したりするという問題があった。
このような問題を解決する手段として、フッ素系界面活性剤の構造中に活性エネルギー線硬化性の官能基を含有させ、硬化膜の表面に強固に結合させる方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1で提供されている含フッ素重合性樹脂を活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の一成分とすることで、前述の硬化膜表面から離脱等の問題は低減され、表面の防汚性等の機能を長期間維持できるようになった。しかしながら、各種性能バランスに優れたフッ素系界面活性剤とするためには、前記特許文献1のようなアクリル系共重合体では1分子中に含ませることができるフッ素原子含有率に上限があり、組成物への添加量を多くする必要があった。
また近年、フッ素系界面活性剤の一用途として撥液剤が知られている。撥液剤は、有機EL(Electro-Luminescence)素子、量子ドットディスプレイ、TFT(Thin Film Transistor)アレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造における、発光層等の有機層をドットとして、インクジェット(IJ)法にてパターン印刷する場合の、隣接するドット間におけるインクの混合防止とドット形成におけるインクの均一塗布のため、感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により隔壁を形成させる際のこの感光性樹脂組成物中に含ませる添加剤であり、撥インク剤とも称される(例えば、特許文献2参照)。
隔壁は、その上面に十分な撥液性を発現させる必要があり、その為、フッ素系界面活性剤を感光性樹脂組成物に配合するものであるが、一方で、隔壁側面を含む隔壁で囲まれたドット形成用の開口部は親インク性を有する必要がある。前記特許文献2で提供されている撥液剤を含むレジスト組成物から得られる膜は、このような隔壁を形成できるものではあるが、より精細なパターン印刷を行おうとする際には上面における撥液性が十分ではない場合があったり、また隔壁側面にもフッ素系界面活性剤由来成分が移行することにより開口部の親インク性が不十分になったりすることがあり、更なる高性能(より高い撥液性の発現、より少量添加での効果発現)な撥液剤が求められている。
特開2012−092308号公報 特開2010−140043号公報
上記実情を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、フッ素原子含有率の調整が容易な樹脂構造を有し、活性エネルギー線硬化性組成物の1成分として用いたときの表面偏析性に優れ、少量の使用量であっても十分なレベリング性、撥水撥油、撥液性等を発現することが可能な、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、撥液剤、これを含む樹脂組成物及び硬化膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、フッ素を含むアルキレン鎖を有する構造単位と、その他の2価の炭化水素基からなる構造単位とが直鎖状に連結され、連結部分に活性エネルギー線硬化性の官能基が含まれる構造を有する含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、1分子中に、少なくとも一つの、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)の残基と、
少なくとも一つの、前記(A)以外の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基及び/又は2価のカルボン酸(C)の残基と、を有し、
それらが下記構造式(1)
〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂及び撥液剤、これを含む樹脂組成物及びその硬化膜を提供するものである。
更に、本発明は、1分子中に、少なくとも一つの、両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)、又は
両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基と
少なくとも一つの、前記(A)以外の2価の水酸基含有化合物(F)の残基と、を有し、
それらが下記構造式(1)
〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂、その製造方法及び撥液剤、これを含む樹脂組成物及びその硬化膜を提供するものである。
本発明により、レベリング性、撥水撥油、撥液性等に優れる表面を有する硬化膜を得る際に好適に用いることができる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を提供することができる。また本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は撥液剤として用いることができ、近年ますます高精細化する有機EL素子、量子ドットディスプレイ、TFTアレイ、薄膜太陽電池等の光学素子の製造におけるパターン形成に使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の材料として好適である。
実施例1で得た含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−i)のGPCチャートである。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は、1分子中に、少なくとも一つの、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)の残基と、
少なくとも一つの、前記(A)以外の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基及び/又は2価のカルボン酸(C)の残基と、を有し、
それらが下記構造式(1)
〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする。以下、これを含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−1)と称する場合がある。
更に、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は、1分子中に、少なくとも一つの、両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)、又は
両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基と
少なくとも一つの、前記(A)以外の2価の水酸基含有化合物(F)の残基と、を有し、
それらが下記構造式(1)
〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする。以下、これを含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−2)と称する場合がある。
従来、フッ素系界面活性剤等の含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル鎖(但し、前記アルキル鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)あるいはパーフルオロアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)を有するアクリル系単量体と、これと共重合可能な単量体とを共重合して得られるものが数多く提供されてきた。またパーフルオロアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する二官能性の単量体と、他の重合性単量体との共重合体も提供されている。これらの中には、分子構造中の側鎖に該当する部分に活性エネルギー線硬化性の官能基を導入することで、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂としたものも提供されている。
これらのアクリル系共重合法を応用して得られる含フッ素化合物は、パーフルオロアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する二官能性の単量体を用いているため、1分子中に含まれるフッ素原子含有率を高くしようとすると、ゲル化を起こしてしまう。そのため、1分子中に導入可能なフッ素原子量には上限があり、設計上の自由度が低い。また、フッ素原子が本来有する撥水撥油性、レベリング性等について一定の効果を発現させるためには、組成物中への含フッ素化合物(フッ素系界面活性剤)の配合量を多くする必要がある。さらには、二官能性の単量体を用いてアクリル系単量体の共重合法を採用する為、ゲル化を抑制する製造法を用いる必要があり、その結果、比較的低分子量の共重合体を含みやすくなるという問題も生じている。
本発明では、これらの問題点を解決するために、工業的入手が容易な原料を用いて新たな構造を有する含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を設計したものである。尚、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
また、本発明における残基、具体的には、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)の残基、2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基、2価の水酸基含有化合物(F)の残基は、いずれも構造中の水酸基における水素原子を取り除いた構造、すなわち、鎖状の構造単位であって、両末端が「O−」になっていることを言うものであり、原料として、それぞれ、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)、2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)、2価の水酸基含有化合物(F)を用いることに限られるものではない。同じく2価のカルボン酸(C)の残基、両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)の残基、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基は、いずれも構造中のカルボキシ基における水素原子を取り除いた構造、すなわち、鎖状の構造単位であって、両末端が「C(=O)O−」になっていることを言うものである。
前記両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)、前記両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)中のアルキレン鎖は、フッ素原子を有する部分構造であり、アルキレン鎖における水素原子の少なくとも一つがフッ素原子に置換されているものであって、フルオロアルキレン鎖であっても、これが酸素原子を介して連結してなるフルオロアルキレンエーテル鎖であってもよく、またアルキレン鎖としては、直鎖状、分岐状、あるいはその一部が環を形成してなるシクロアルキレン構造を含むものであってもよい。
これらの中でも、取扱上の容易さの観点から、炭素原子数が1〜6のパーフルオロアルキレン鎖あるいは炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン鎖が酸素原子を介して複数連結してなるパーフルオロアルキレンエーテル鎖であることが好ましく、フッ素原子含有率の調整が容易である点から、パーフルオロアルキレンエーテル鎖であることが好ましい。さらに、パーフルオロアルキレンエーテル鎖の両末端に直接水酸基が結合した構造であっても、フッ素原子を有さないアルキレン鎖を介して、水酸基が結合した構造であってもよい。
尚、1分子中に含まれるフッ素原子が直接結合している炭素原子の数は1〜100の範囲であることが好ましく、パーフルオロアルキレン鎖の場合は、前記の様に炭素原子数は1〜6の範囲であることが好ましく、特に4〜6の範囲であることが好ましい。パーフルオロアルキレンエーテル鎖の場合は、フッ素原子が直接結合している炭素原子の数が1〜6であって且つ繰り返し数が1〜50の範囲であることが好ましく、特に炭素原子数が1〜3のアルキレン鎖を繰り返し単位として有し、繰り返し数が1〜50の範囲のパーフルオロアルキレンエーテル鎖であることが好ましい。
前記両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)の残基は、前述のように両末端が「O−」になっているものであって、例えば、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖を「Rf」とする場合、この残基は「−O−Rf−O−」で表される構造単位である。
同じく、前記両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)の残基は、前述のように両末端が「C(=O)O−」となっているものであって、前記と同様のRfを用いると「−O−C(=O)−Rf−C(=O)−O−」で表される構造単位である。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−1)は、前記の様に、「−O−Rf−O−」で表される構造単位と、前記(A)以外の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基及び/又は2価のカルボン酸(C)の残基とを有する。
前記2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基は、芳香環部分を「φ」とする場合、「−O−φ−O−」で表される構造単位である。
この芳香環部分は、単一の、ベンゼン環やナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アセナフテン、フルオレン、フルオランテン、ピレン等の縮合環からなるものであっても、2個以上のベンゼン環、縮合環が直接結合、あるいは、分岐状又は直鎖状のアルキレン鎖(水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい)、酸素原子、硫黄原子、−NR−(但し、Rは水素原子又はアルキル基)等の2価の連結基で結合されてなる構造であってもよく、またベンゼン環、縮合環上には、水酸基以外の1価の置換基を有していてもよい。さらに1分子中に存在する2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基は全て同一であっても、異なるものを有しているものであってもよい。
前記置換基としては、一価のものであればよく、例えば、例えば、臭素原子、塩素原子、沃素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリールオキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等のアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
これらの中でも、後述する製造方法で工業的に容易に製造できる観点から、環上に置換基を有していてもよい、ビフェノール、ビスフェノール、ビナフトール又はナフタレンジオール由来の構造単位であることが好ましく、ビフェノール、ビスフェノール由来の構造単位であることが特に好ましく、ビスフェノールA又はビスフェノールF由来の構造単位であることが最も好ましい。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−1)における2価のカルボン酸(C)の残基は、前述のように例えば骨格部分をRとする場合、「−O−C(=O)−R−C(=O)−O−」で表される構造単位である。
このRの部分は、特に限定されるものではなく、脂肪族化合物由来であっても、芳香環を有するものであっても良い。例えば、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸等の脂肪族系の2価カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類、及びこれらの芳香環上に前記1価の置換基を有する化合物由来の構造単位等が挙げられ、1分子中に存在する2価のカルボン酸(C)の残基は、同一のものからなるものであっても、異なる残基を複数種有するものであってもよい。これらの中でも、後述する製造方法における、工業的な原料入手容易性、得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の耐熱性、表面偏析性等の性能バランスに優れる点から、コハク酸、マレイン酸に由来する構造単位〔残基〕であることが好ましい。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−2)は、前記の様に、「−O−C(=O)−Rf−C(=O)−O−」で表される構造単位、あるいは、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基と、前記(A)以外の2価の水酸基含有化合物(F)の残基とを有する。
前記両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基は、ジカルボン酸無水物(E)の骨格部分をRとする場合、「−O−C(=O)−R−C(=O)−O−Rf−O−」で表される構造単位、または「−O−C(=O)−R−C(=O)−O−Rf−O−C(=O)−R−C(=O)−O−」で表される構造単位である。
前記におけるRの部分は、特に限定されるものではなく、脂肪族化合物由来であっても、芳香環を有するものであっても良い。例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等に由来する構造が挙げられ、1分子中に複数有するR’は同一構造のものであっても、異なる構造のものを複数種含むものであってもよい。これらの中でも、後述する製造方法における、工業的な原料入手容易性、得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の耐熱性、表面偏析性等の性能バランスに優れる点から、無水コハク酸、無水マレイン酸に由来する構造単位であることが好ましい。
前記(A)以外の2価の水酸基含有化合物(F)の残基は、前述の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基、及び脂肪族ジオールの残基が挙げられ、骨格部分を「R」とする場合、「−O−R−O−」で表される構造単位である。
前記におけるRの部分は前述の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基として挙げたφと同様のもの、又はアルキレン鎖、オキシアルキレン鎖、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロ環が挙げられ、1分子中に複数有するRは同一構造のものであっても、異なる構造のものを複数種含むものであってもよい。これらの中でも、後述する製造方法における、工業的な原料入手容易性、得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の耐熱性、表面偏析性等の性能バランスに優れる点から、炭素数1〜6のアルキレン鎖であることが好ましい。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は、前述のように線状の構造であって、前記で詳述した末端にエーテル結合を形成する酸素原子を有する構造単位が、下記構造式(1)
〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする。
前記有機基(x1)に含まれる重合性基としては、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基が挙げられ、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としたときの重合性の観点から、(メタ)アクリロイル基を含有する有機基であることが好ましい。
前記構造式(1)において、Xとして重合性基を有する1価の有機基(x1)とする方法としては、例えば、Xが水素原子である2級水酸基に対して、イソシアネート基、カルボキシ基又は、カルボン酸ハライド基と、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
これらの中でも、反応が容易である観点より、2級水酸基に対して、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを反応させてなる基であることが好ましく、下記構造式(2)
〔式(2)中、Yは2価の連結基であり、Rは水素原子又はメチル基である〕
で表される構造を含む連結基であることが特に好ましい。
前記イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、下記で示される化合物が挙げられ、1つのイソシアネート基と1つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体、1つのイソシアネート基と2つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体、1つのイソシアネート基と3つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体、1つのイソシアネート基と4つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体、1つのイソシアネート基と5つの(メタ)アクリロイル基を有する単量体等が挙げられる。
〔式(3)中、R’は炭素原子数2から4のアルキレン鎖であり、Rは水素原子又はメチル基であり、nは1〜5の整数である。〕
これらイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの具体的な製品の例としては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズAOI」など)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズMOI」など)、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズBEI」など)が挙げられる。
更に、ジイソシアネート化合物の一つのイソシアネート基に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物付加させて得られる化合物が挙げられる。該反応で用いるジイソシアネート化合物は、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記一般式(1)中のXは、そのうちの少なくとも一つは前記の様に重合性基を有する1価の有機基(x1)であるが、1分子中に存在する複数の連結基においては、更に酸基を有する1価の有機基(x2)を併有するものであることが、後述する硬化性組成物、特にはレジスト組成物として用いる際には好ましいものである。
前記酸基としては特に限定されるものではなく、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、特にアルカリ可溶性が良好であることや、原料入手容易性の観点からカルボキシ基を有する連結基とすることが好ましい。
前記酸基の導入方法としては特に限定されず、例えば、Xが水素原子である2級水酸基に対して酸無水物基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂をネガ型のレジスト組成物として用いる場合には、酸基の導入はアルカリ現像性により優れたものとなり、高精細なパターン形成により有用なものである。このような観点から、酸基の導入量については、用いる用途やその性能レベルによって適宜設定されるものであるが、酸価としては5〜120mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、7〜100mgKOH/gの範囲にあることがより好ましく、更に10〜80mgKOH/gの範囲にあることが最も好ましいものである。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は、前記の様に鎖状の構造単位を有するものであるが、その末端については、原料として用いた化合物に由来するものであって特に限定されないが、後述する製造方法で合成する場合は、末端は水素原子、グリシジル基、又はカルボキシ基である。原料の仕込み比や、反応順序によって、これらの末端構造がおのずと決まるものであり、樹脂中に含まれる複数の化合物が、同一の末端構造を有する物のみからなっていても、異なる末端構造を有する化合物の混合物であっても好ましく用いることができる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、下記式で表されるものを挙げることができる。尚、下記式中、m、nはそれぞれ繰り返し数を表し、1以上の整数である。またPFPEはパーフルオロアルキレンエーテル鎖を示す。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂におけるフッ素原子含有率は、用途や所望の撥水撥油性、撥液性、レベリング性等に応じて容易に設定することが可能であるが、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした場合の他の樹脂や化合物、溶剤等との相溶性の観点から、1〜45質量%の範囲であることが好ましく、特に3〜40質量%の範囲であることが好ましい。
このフッ素原子含有率は、樹脂設計時の原料種、その割合から算出されるものではあるが、燃焼イオンクロマトグラフィーによって実測することもできる。本発明では後者の実測値において、前記範囲であることが好ましい。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、硬化性樹脂組成物とする際に他の配合成分との相溶性が良好であり、高度なレベリング性や撥水撥油性、撥液性を容易に実現することができることから、数平均分子量(Mn)は、500〜100,000の範囲が好ましく、1,000〜50,000の範囲がより好ましい。また、重量平均分子量(Mw)は、5,000〜200,000の範囲が好ましく、10,000〜100,000の範囲がより好ましい。なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂としては、後述する硬化性樹脂組成物としたときの硬化性に優れ、硬化膜表面における長期にわたる撥水撥油、撥液性等に優れる観点より、活性エネルギー線硬化性の官能基濃度が0.5〜3.0mmol/gの範囲であることが好ましい。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではないが、原料の工業的入手容易性と製造上の生産効率に優れる観点から、下記の方法で製造することが好ましい。
製法1:水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とエポキシ基とを有する化合物(a1)と、2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)及び/又は2価のカルボン酸(a3)とを必須の原料として反応させて得られる反応物中の2級水酸基に、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させる方法。
製法2:水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とカルボキシ基又は水酸基とを有する化合物(a5)と、2価のエポキシ化合物(a6)とを必須の原料として反応させて得られる反応物中の2級水酸基に、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させる方法。
まず製法1について詳述する。
水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とエポキシ基とを有する化合物(a1)における、アルキレン鎖は、前述と同意であり、すなわち、炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン鎖、又は炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン鎖が酸素原子で連結してなる繰り返し構造を有するパーフルオロアルキレンエーテル鎖であることが好ましい。
前記化合物(a1)は例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができる。
前記化合物(a1)中の末端エポキシ基は反応性に優れるため、2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)又は2価のカルボン酸(a3)とのエポキシ基の開環反応によって、線状の化合物が得られるとともに、その連結基部分にエポキシ基由来の2級水酸基を生じさせることができる。
前記の2級水酸基に対して、前述のように活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させることによって、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を容易に得ることができる。
この反応において、所望の分子量に調整する為、あるいは耐熱性、フッ素原子含有率の調整等のために、前記化合物(a1)以外の2価のエポキシ化合物(a6)を併用してもよい。
このようにして得られる樹脂における末端構造、すなわち含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の末端は、用いる原料割合に応じて、水素原子、グリシジル基、カルボキシ基のいずれのものも得ることができる。
前記化合物(a1)と、前記2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)又は2価のカルボン酸(a3)との使用割合、あるいは、併用する2価のエポキシ化合物(a6)の使用割合は特に限定されるものではないが、例えば、前記化合物(a1)中のエポキシ基及び必要に応じて併用される2価のエポキシ化合物(a6)のエポキシ基の合計モル数に対し、フェノール性水酸基あるいはカルボキシ基の合計モル数を0.9〜1.1の範囲で用いることが好ましい。この反応は、通常のエポキシ基の開環反応であるため、無溶剤若しくは有機溶剤中で、4級オニウム塩類、イミダゾール類、TPPなどの触媒を用い、150〜180℃で撹拌することで容易に反応物を得ることができる。
ここで用いることができる有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール化合物、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル化合物、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
前記2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)としては、例えば、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールZ、ビナフトール、ジヒドロキシナフタレン、及びこれらの芳香環上に前述の1価の置換基を有する化合物等が挙げられる。
さらに、下記構造式で表される化合物であってもよい。
(式中Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、アリール基、アラルキル基の何れかであり、pは1〜4の整数、lは0又は1、qは1又は2である。)
これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、工業的な原料入手容易性、得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の耐熱性、表面偏析性等の性能バランスに優れる点から、ビフェノール、ビスフェノール、ビナフトール又はナフタレンジオールを用いることが好ましく、特にビスフェノールA、ビスフェノールFを用いることが好ましい。
前記2価のカルボン酸(a3)としては、脂肪族系、芳香族系のいずれであってもよく、例えば、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸等の脂肪族系の2価カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類、及びこれらの芳香環上に前記1価の置換基を有する化合物等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、工業的な原料入手容易性、得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の耐熱性、表面偏析性等の性能バランスに優れる点から、コハク酸、マレイン酸を用いることが好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)としては、イソシアネート基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を用いることが、反応性が良好である観点から好ましく、前述のものをいずれも挙げることができ、2−エチルイソシアナトアクリレート、2−エチルイソシアナトメタアクリレートを用いることが好ましい。また、これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。この反応は、通常のイソシアネート基と水酸基との反応であるため、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物等のウレタン化触媒を用い、前記で得られた2級水酸基を有する生成物に対して、前記化合物(a4)を滴下しながら加え、50〜120℃に加熱するなどの方法で行うことができる。
前記活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)の使用割合は、目的とする官能基濃度に応じて適宜設定可能であり、例えば、2級水酸基に対して、イソシアネート基のモル数を0.3〜1.0の範囲で用いることが好ましい。
また、分子量の調整等のために併用してもよい、2価のエポキシ化合物(a6)としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物をエポキシ化した化合物などであってもよい。
さらに後述するレジスト用の硬化性組成物とする時には、更に酸基を導入したものであることが好ましい。この酸基は、例えば、イソシアネート基と反応していない2級水酸基に対して、酸無水物基含有化合物(a7)を反応させることによって、容易に得ることができる。
前記酸無水物基含有化合物(a7)としては、特に限定されるものではなく、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。反応が容易である観点からは、無水コハク酸、無水マレイン酸を用いることが好ましい。
次に製法2について詳述する。
製法2では、水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とカルボキシ基又は水酸基とを有する化合物(a5)と、2価のエポキシ化合物(a6)とを必須の原料として反応させて得られる反応物中の2級水酸基に、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させて、活性エネルギー線硬化性の官能基を導入するものであるが、この時に用いる2価のエポキシ化合物、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)は、製法1で用いるものと同様の化合物を挙げることができ、好ましいものも同様である。
水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とカルボキシ基又は水酸基とを有する化合物(a5)における、アルキレン鎖は、前述と同意であり、すなわち、炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン鎖、又は炭素原子数1〜6のパーフルオロアルキレン鎖が酸素原子で連結してなる繰り返し構造を有するパーフルオロアルキレンエーテル鎖であることが好ましい。
前記化合物(a5)は例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができる。下記式中PFPEは前記と同様である。末端にカルボキシ基を導入する方法としては、末端に水酸基を有する化合物に対して、ジカルボン酸無水物を反応させることで容易に得ることが可能である。
化合物(a5)中のカルボキシ基又は水酸基と、2価のエポキシ化合物(a6)との反応は、通常のエポキシ基の開環反応であり、この反応により、2級水酸基を有する連結基で化合物(a5)と化合物(a6)とが連結された構造の反応物が得られる。この2級水酸基に対して、製法1と同様の原料及び反応によって、活性エネルギー線硬化性の官能基や、酸基を導入することができる。
また、所望の分子量に調整する為、あるいは耐熱性、フッ素原子含有率の調整等のために、前記化合物(a5)以外の前述の2価のカルボン酸(a3)や、前述の2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)を併用してもよい。
このようにして得られる樹脂における末端構造、すなわち含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の末端は、用いる原料割合に応じて、水素原子、グリシジル基、カルボキシ基のいずれのものも得ることができる。
この反応は、通常のエポキシ基の開環反応であるため、無溶剤若しくは有機溶剤中で、4級オニウム塩類、イミダゾール類、TPPなどの触媒を用い、150〜180℃で撹拌することで容易に反応物を得ることができる。
ここで用いることができる有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール化合物、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル化合物、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
この後の反応は製法1と同様である。上記の各反応は、化学量論的に反応が進行することから、原料として用いた各化合物が未反応の状態で系内に残存することがほぼないため、得られる樹脂中に低分子量の化合物が含まれにくいという特徴を有する。このため、得られた樹脂を従来のフッ素系界面活性剤と同様にして用いた際に、硬化中の揮発、硬化膜表面からの離脱等を効果的に抑制することが可能である。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂は、それ自体を活性エネルギー線硬化性組成物の主剤として用いることができるが、極めて優れた表面改質性能を有しているため、活性エネルギー線硬化性組成物に添加するフッ素系界面活性剤(フッ素系表面改質剤)として用いることで、硬化膜に優れた撥水、撥油、撥液性(撥インキ性)等の防汚性や優れたレベリング性を付与することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を配合したものであるが、その主成分としては、前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂以外の活性エネルギー線硬化性樹脂(II)又は活性エネルギー線硬化性単量体(III)を含有する。なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、活性エネルギー線硬化性樹脂(II)と活性エネルギー線硬化性単量体(III)とは、それぞれ単独で用いても併用しても良い。また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂〔以下、これを含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)と称する場合がある〕は、当該活性エネルギー線硬化性組成物において、表面改質剤として機能する。
前記活性エネルギー線硬化性樹脂(II)は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂、マレイミド基含有樹脂、カルド型樹脂等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ、また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基含有モノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基含有多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記した脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物との反応は、例えば、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用し得るウレタン化触媒は、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレート樹脂の中でも特に脂肪族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが硬化膜の透明性に優れ、かつ、活性エネルギー線に対する感度が良好で硬化性に優れる点から好ましい。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、該二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸及び、グリコール類の重縮合によって得られる硬化性樹脂等が挙げられる。α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエステル等が挙げられる。
前記α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸やその酸無水物としては、例えば、芳香族飽和二塩基酸、脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。
前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるもの等が挙げられる。
前記アクリルアクリレート樹脂は、アクリロイル基を含有するアクリル樹脂である。具体的には、グリシジルメタクリレートを共重合したアクリル樹脂にアクリル酸を付加した化合物、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを共重合したアクリル樹脂に2−ヒドロキシエチルアクリレートや4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどを付加した化合物、水酸基含有モノマーを共重合したアクリル樹脂に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加した樹脂等が挙げられる。
前記マレイミド基含有樹脂としては、例えば、N−ヒドロキシエチルマレイミドとイソホロンジイソシアネートとをウレタン化して得られる2官能マレイミドウレタン化合物、マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られる2官能マレイミドエステル化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とをエステル化して得られる4官能マレイミドエステル化合物、マレイミド酢酸と多価アルコール化合物とをエステル化して得られる多官能マレイミドエステル化合物等が挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化型樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記カルド樹脂とは一般に、環状の基が高分子鎖に直接結合した構造を有する樹脂の総称であり、例えば、下記の構造を有する樹脂を例示することができる。
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。R’は水素原子またはメチル基を表す。nは0〜20の整数である。)
前記活性エネルギー線硬化性単量体(III)としては、例えば、エチレン性不飽和結合を一つ以上有する化合物を例示することができる。
エチレン性不飽和結合を一つ有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン及びその誘導体等の芳香族ビニル化合物;N−ビニルピロリドン等のビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−置換マレイミド;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等の重合性単量体;
アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトンを付加させた重合性単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、又はこれらの酸無水物を付加させた重合性単量体;
(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−2−スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はこれらの塩等;
ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマー等のマクロモノマーなどが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を二つ有する活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を三つ有する活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を四つ有する活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を5つ以上有する活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物等が挙げられる。
これらのなかでも特に硬化塗膜の硬度に優れる点からトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらの活性エネルギー線硬化性単量体(III)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を表面改質剤として使用する場合、その使用量は、得られる硬化膜のレベリング性、撥水撥油性、防汚性を十分なものにすることが容易であって、且つ該組成物の硬化後の硬度や透明性も十分なものとすることとのバランスに優れる観点から、前記活性エネルギー線硬化性樹脂(II)及び活性エネルギー線硬化性単量体(III)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)単独又は前述の活性エネルギー線硬化性組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化膜とすることができる。この活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を挙げることができる。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化膜とする場合には、光重合開始剤を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤や光増感剤を添加する必要はないが、添加しても何ら問題はない。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
上記の光重合開始剤の中でも、活性エネルギー線硬化性組成物中の前記活性エネルギー線硬化性樹脂(II)及び活性エネルギー線硬化性単量体(III)との相溶性に優れる点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びベンゾフェノンが好ましく、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、活性エネルギー線硬化性組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜15質量部がより好ましく、0.3〜7質量部がさらに好ましい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、用途、特性等の目的に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、粘度や屈折率の調整、あるいは、塗膜の色調の調整やその他の塗料性状や塗膜物性の調整を目的に各種の配合材料、例えば、各種有機溶剤、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂等の各種樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボン、酸化チタン、アルミナ、銅、シリカ微粒子等の各種の有機又は無機粒子、その他の重合開始剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、顔料、染料、分散剤、分散安定剤、シリコーン系、炭化水素系界面活性剤等を併用することができる。
上記の各配合成分中、有機溶媒は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の溶液粘度を適宜調整する上で有用であり、特に薄膜コーティングを行うためには、膜厚を調整することが容易となる。ここで使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線であるが、具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。
これらの中でも特に紫外線であることが好ましく、酸素等による硬化阻害を避けるため、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、紫外線を照射することが好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、紫外線にて硬化した後、熱処理を行ってもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の塗工方法は用途により異なるが、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター等を用いた塗布方法、あるいは各種金型を用いた成形方法等が挙げられる。
本発明の硬化膜は、優れた防汚性、耐擦傷性等を有するため、物品の表面に塗布・硬化することで、物品の表面に防汚性、耐擦傷性等を付与することができる。加えて、本発明の硬化膜は硬化膜表面に付着した汚れをふき取った後も硬化膜表面の防汚性を維持できる。また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)は、塗材に表面改質剤として添加することで、その塗材にレベリング性を付与することもできるため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、高いレベリング性を有する。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)又は活性エネルギー線硬化性組成物を用いて防汚性を付与できる物品としては、TACフィルム等の液晶ディスプレイ(LCD)の偏光板用フィルム;プラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ画面;タッチパネル;携帯電話等の電子端末の筐体又は画面;液晶ディスプレイ用カラーフィルター(以下、「CF」という。)用透明保護膜;液晶TFTアレイ用有機絶縁膜;CD、DVD、ブルーレイディスク等の光学記録媒体;インサートモールド(IMD、IMF)用転写フィルム;コピー機、プリンター等のOA機器用ゴムローラー;コピー機、スキャナー等のOA機器の読み取り部のガラス面;カメラ、ビデオカメラ、メガネ等の光学レンズ;腕時計等の時計の風防、ガラス面;自動車、鉄道車輌等の各種車輌のウインドウ;太陽電池用カバーガラス又はフィルム;化粧板等の各種建材;住宅の窓ガラス;家具等の木工材料、人工・合成皮革、家電の筐体等の各種プラスチック成形品、FRP浴槽などが挙げられる。これらの物品表面に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化膜を形成することで、物品表面に防汚性を付与することができる。また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を各物品に適した各種塗料に添加し、塗布・乾燥することで、物品表面に防汚性を付与することも可能である。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を添加し、レベリング性を向上するとともに、塗膜に防汚性や耐薬品性を付与できる塗材としては、TACフィルム等のLCDの偏光板用フィルムのハードコート材、アンチグレア(AG:防眩)コート材又は反射防止(LR)コート材;プラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ画面用ハードコート材;タッチパネル用ハードコート材;印刷インク、インクジェットインク又は塗料;携帯電話の等の電子端末筐体用塗料又はハードコート材;携帯電話の画面用ハードコート材;CF表面を保護する透明保護膜用塗料;液晶TFTアレイの有機絶縁膜用塗料;CD、DVD、ブルーレイディスク等の光学記録媒体用ハードコート材;インサートモールド(IMD、IMF)用転写フィルム用ハードコート材;コピー機、プリンター等のOA機器用ゴムローラー用コート材;コピー機、スキャナー等のOA機器の読み取り部のガラス用コート材;カメラ、ビデオカメラ、メガネ等の光学レンズ用コート材;腕時計等の時計の風防、ガラス用コート材;自動車、鉄道車輌等の各種車輌のウインドウ用コート材;太陽電池用カバーガラス又はフィルムの反射防止膜用塗料;化粧板等の各種建材用印刷インキ又は塗料;住宅の窓ガラス用コート材;家具等の木工用塗料;人工・合成皮革用コート材;家電の筐体等の各種プラスチック成形品用塗料又はコート材;FRP浴槽用塗料又はコート材などが挙げられる。
さらに、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)又は活性エネルギー線硬化性組成物を用いて耐擦傷性(耐スクラッチ性)及び防汚性を付与できる物品としては、LCDのバックライト部材であるプリズムシート又は拡散シート等が挙げられる。また、プリズムシート又は拡散シート用コート材に本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を添加することで、該コート材のレベリング性を向上するとともに、コート材の塗膜に耐擦傷性(耐スクラッチ性)及び防汚性を付与することができる。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)の硬化膜は低屈折率であるため、LCD等の各種ディスプレイ表面への蛍光灯等の映り込みを防止する反射防止層中の低屈折率層用塗材としても用いることができる。また、反射防止層用の塗材、特に反射防止層中の低屈折率層用塗材に本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を添加することで、塗膜の低屈折率を維持しつつ、塗膜表面に防汚性を付与することもできる。
さらに、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)又は活性エネルギー線硬化性組成物を用いることができるその他の用途として、光ファイバクラッド材、導波路、液晶パネルの封止材、各種光学用シール材、光学用接着剤等が挙げられる。
特に、LCD用偏光板の保護フィルム用コート材用途のうち、アンチグレアコート材として本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いる場合、上記した各組成のうち、シリカ微粒子、アクリル樹脂微粒子、ポリスチレン樹脂微粒子等の無機又は有機微粒子を、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中の硬化成分の全質量の0.1〜0.5倍量となる割合で配合することで防眩性に優れたものとなるため好ましい。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)又は活性エネルギー線硬化性組成物を、LCD用偏光板の保護フィルム用アンチグレアコート材に用いる場合、コート材を硬化させる前に凹凸の表面形状の金型に接触させた後、金型と反対側から活性エネルギー線を照射して硬化し、コート層の表面をエンボス加工して防眩性を付与する転写法にも適用できる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を含む硬化性組成物は、レジスト組成物として好適に用いられる。レジスト組成物としては、例えば、フォトレジスト組成物、カラーレジスト組成物等が挙げられる。前記フォトレジスト組成物は、例えば、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)とフォトレジスト剤からなり、このフォトレジスト剤は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、放射線感応性物質(感光性物質)、溶剤を含む。
ここで、アルカリ可溶性とは、アルカリ化合物の水溶液(現像液)に溶解する性質のことをいう。具体的には、例えば、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のKOH水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解する性質を例示することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液に可溶のものであれば特に限定はないが、カルボキシ基、フェノール性水酸基及びスルホン酸基の群から選ばれる少なくとも1つの酸基又はその塩を有する樹脂が好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、光硬化性を有さないアルカリ可溶性樹脂(光硬化性基不含有のアルカリ可溶性樹脂)や、光硬化性を有するアルカリ可溶性樹脂(光硬化性基含有のアルカリ可溶性樹脂)等を例示することができる。
前記光硬化性基不含有のアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、以下の樹脂等が挙げられる。
・酸性基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂(1)。
・反応性基を持つ(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られる酸性基を有さない重合体と、該反応性基に対して反応性を有する反応性基と酸基とを有する化合物とを反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(2)
前記光硬化性基含有のアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、以下の樹脂等が挙げられる。
・エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他の重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに不飽和モノカルボン酸の付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部にポリカルボン酸の酸無水物を付加反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(3)。
・カルボキシ基と重合性不飽和基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(4)
・カルボキシ基と重合性不飽和基を有するカルド型樹脂(5)
以下に、上記(1)〜(5)について詳細に説明する。
前記アルカリ可溶性樹脂(1)としては、例えば、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂やスルホン酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。中でも、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
前記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルアジピン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタル酸等の重合性単量体;
アクリル酸にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトンを付加させた重合性単量体;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにコハク酸、マレイン酸、フタル酸、又はこれらの酸無水物を付加させた重合性単量体等が挙げられる。これらのカルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。前記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体の中でも、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
前記スルホン酸基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸−2−スルホプロピル、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はこれらの塩等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(1)を調製する際は、本発明の効果を損なわない範囲で他の重合性単量体を併用しても良い。他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン及びその誘導体等の芳香族ビニル化合物;N−ビニルピロリドン等のビニル化合物;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−置換マレイミド;
ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマー等のマクロモノマーなどが挙げられる。他の重合性単量体は1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
上記他の重合性単量体の中でも、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドが、透明性が良好で、耐熱性を損ないにくい点から好ましい。
これら他の重合性単量体の使用量は、全重合性単量体成分中95質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(1)の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルマレイミド等の水酸基を含まない重合性単量体と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性単量体との共重合体;
(メタ)アクリル酸と、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体;
(メタ)アクリル酸とスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とスチレンとα−メチルスチレンとの共重合体;(メタ)アクリル酸とシクロヘキシルマレイミドとの共重合体等が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂(1)の中でもベンジル(メタ)アクリレートを用いたアルカリ可溶性樹脂が好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂(1)の酸価は、10〜300の範囲が好ましく、20〜350の範囲がより好ましく、30〜300の範囲がさらに好ましい。また、前記アルカリ可溶性樹脂(1)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜100,000の範囲が好ましく、3,000〜70,000の範囲がより好ましく、4,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。
尚、アルカリ可溶性樹脂(1)において、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られるカルボキシ基含有アルカリ可溶性樹脂のカルボキシ基にエポキシ基含有不飽和化合物を付加させたアルカリ可溶性樹脂(1−1)は、光硬化性基含有のアルカリ可溶性樹脂として使用することもできる。
前記エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジル−α−エチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。また、耐熱性の向上、着色剤として顔料を用いた際の分散性の向上を図れることから、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が好ましい。
前記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が有する脂環式エポキシ基としては、例えば、2,3−エポキシシクロペンチル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕基等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
前記カルボキシ基を含有するアルカリ可溶性樹脂のカルボキシ基部分に、前記エポキシ基含有不飽和化合物を付加させるには、公知の手法を用いることができる。例えば、カルボキシ基含有アルカリ可溶性樹脂とエポキシ基含有不飽和化合物とを、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;ピリジン、トリフェニルホスフィン等の触媒の存在下、有機溶剤中、反応温度50〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより、樹脂のカルボキシ基にエポキシ基含有不飽和化合物を付加することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂(1−1)の酸価は、10〜300の範囲が好ましく、20〜250の範囲がより好ましく、30〜200の範囲がさらに好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂(1−1)のGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、2,000〜100,000の範囲が好ましく、4,000〜50,000の範囲がより好ましく、5,000〜30,000の範囲がさらに好ましい。
また、前記アルカリ可溶性樹脂(1)の中でも、エーテルダイマーやアダマンチル基等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを重合性単量体として用いて得られたアルカリ可溶性樹脂(1−2)が好ましい。
前記エーテルダイマーとしては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらのエーテルダイマーは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
溶液重合法で用いる溶媒は、通常のラジカル重合反応で使用されるものでよい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これら溶媒は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合性単量体を重合する際には、必要に応じて、重合開始剤を使用しても良い。重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物などが挙げられる。これら重合開始剤は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。これらの重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とするアルカリ可溶性樹脂の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のアルカリ可溶性樹脂が得られることから、全重合性単量体成分に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましく、0.2〜10質量%の範囲がより好ましい。
また、分子量調整のために、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系連鎖移動剤;α−メチルスチレンダイマー等が挙げられるが、連鎖移動効果が高く、反応系内に残存する重合性単量体を低減でき、入手も容易な、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸が好ましい。連鎖移動剤を使用する場合の使用量は、用いる単量体の組み合わせや、反応条件、目標とする単量体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、ゲル化することなく重量平均分子量が数千〜数万のアルカリ可溶性樹脂を得られることから、全単量体に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(2)は、反応性基を持つ(メタ)アクリル系重合性単量体を必須の成分として重合させて得られる酸性基を有さない重合体と、該反応性基に対して反応性を有する基と酸基とを有する化合物とを反応させて得られる。アルカリ可溶性樹脂(2)は、例えば、以下のアルカリ可溶性樹脂が例示できる。
・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
・グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基を有する化合物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
・2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する重合性単量体を必須の成分として重合体を得た後、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基を有する化合物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂。
前記アルカリ可溶性樹脂(2)の重量平均分子量は、塗膜形成が良好で耐熱性に優れる塗膜が得られることから、GPCにて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲が好ましく、2,000〜10,000の範囲がより好ましく、2,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。また、必要に応じ、前記アルカリ可溶性樹脂(1)の調製に用いる重合性単量体を併用してアルカリ可溶性樹脂(2)を得ても良い。
本発明で用いるアルカリ可溶性樹脂(3)は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他の重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに不飽和モノカルボン酸の付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部にポリカルボン酸の酸無水物を付加反応させて得られる。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記アルカリ可溶性樹脂(3)の原料であるエポキシ基含有(メタ)アクリレート以外の他の重合性単量体として、ノルボルネン骨格、ジシクロペンタジエン骨格等の脂環式構造を有するモノマーを用いると、硬化物の耐熱性、機械的強度を向上できるため好ましい。
また、脂環式構造を有さない重合性単量体を前記エポキシ基含有(メタ)アクリレート以外の他の重合性単量体として用いてもよい。このような重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体等のビニル芳香族類;
ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−s−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸−N,N−ジ−i−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等のビニル化合物類;
シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のモノマレイミド類;N−(メタ)アクリロイルフタルイミド等が挙げられる。
上記の他の重合性単量体の中でも、硬化物の耐熱性、機械的強度を向上できることから、スチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル及びモノマレイミド類の中から少なくとも1種を用いることが好ましい。スチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル及びモノマレイミド類の使用割合は、他の重合性単量体の全量を基準として1〜70モル%が好ましく、3〜50モル%がより好ましい。
なお、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他の重合性単量体との共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法等の公知の重合方法を用いることができる。使用する溶剤はラジカル重合に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、通常用いられている有機溶剤を使用することができる。
前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他の重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性モノマーに由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものがより好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものがさらに好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂(3)は、例えば、上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと他の重合性単量体との共重合体のエポキシ基部分に、不飽和モノカルボン酸(重合性成分)と、ポリカルボン酸の酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる事により得られる。
前記不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。これらの不飽和モノカルボン酸は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。この不飽和モノカルボン酸を用いることで、前記アルカリ可溶性樹脂(3)に重合性を付与することができる。
前記不飽和モノカルボン酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させることが好ましく、30〜100モル%に付加させることがより好ましく、50〜100モル%に付加させることがさらに好ましい。
前記ポリカルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等のジカルボン酸の酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の3つ以上のカルボキシ基を有するカルボン酸の無水物などが挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸が好ましい。これらのポリカルボン酸の酸無水物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。このポリカルボン酸の酸無水物を用いることで、前記アルカリ可溶性樹脂(3)にアルカリ可溶性を付与することができる。
前記ポリカルボン酸の酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させることが好ましく、20〜90モル%に付加させることがより好ましく、30〜80モル%に付加させることがさらに好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂(3)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜100,000の範囲が好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。また、前記アルカリ可溶性樹脂(3)の分散度(Mw/Mn)は、2.0〜5.0の範囲が好ましい。
前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(4)は、例えば、エポキシ樹脂にα,β−不飽和モノカルボン酸又はエステル部分にカルボキシ基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを付加させ、さらに、多塩基酸無水物を反応させることにより得られる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(市販品として、三菱ケミカル株式会社製の「エピコート828」、「エピコート1001」、「エピコート1002」、「エピコート1004」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「NER−1302」(エポキシ当量323,軟化点76℃))、ビスフェノールF型樹脂(市販品として、三菱ケミカル株式会社製の「エピコート807」、「EP−4001」、「EP−4002」、「EP−4004」等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のアルコール性水酸基とエピクロルヒドリンの反応により得られるエポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「NER−7406」(エポキシ当量350,軟化点66℃))、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルグリシジルエーテル(市販品として、三菱ケミカル株式会社製の「YX−4000」)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EPPN−201」、三菱ケミカル株式会社製の「EP−152」、「EP−154」、ダウケミカル日本株式会社製の「DEN−438」)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EOCN−102S」、「EOCN−1020」、「EOCN−104S」)、トリグリシジルイソシアヌレート(市販品として、日産化学工業株式会社製の「TEPIC」)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(市販品として、日本化薬株式会社製の「EPPN−501」、「EPN−502」、「EPPN−503」)、フルオレンエポキシ樹脂(市販品として、新日鐵化学株式会社製のカルドエポキシ樹脂「ESF−300」)、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社製の「セロキサイド2021P」、「セロキサイドEHPE」)、ジシクロペンタジエンとフェノールの反応によるフェノール樹脂をグリシジル化したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬株式会社製の「XD−1000」、DIC株式会社製の「EXA−7200」、日本化薬株式会社製の「NC−3000」、「NC−7300」)、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(特開平4−355450号公報参照)等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
エポキシ樹脂の他の例としては共重合型エポキシ樹脂が挙げられる。共重合型エポキシ樹脂としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルメチルシクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイド等のエポキシ基を有するモノマーと、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有さない重合性単量体とを共重合させて得られる共重合体が挙げられる。
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記共重合型エポキシ樹脂の分子量は、1,000〜200,000の範囲が好ましい。また、共重合型エポキシ樹脂の原料として用いるエポキシ基を有するモノマーの使用量は、エポキシ基を有さないモノマーに対して10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜50質量%の範囲がより好ましい。
前記共重合型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、日油株式会社製の「CP−15」、「CP−30」、「CP−50」、「CP−20SA」、「CP−510SA」、「CP−50S」、「CP−50M」、「CP−20MA」等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂の分子量は、塗膜形成が良好でα,β−不飽和モノカルボン酸の付加反応時のゲル化を防止できることから、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として、200〜200,000の範囲が好ましく、300〜100,000の範囲がより好ましい。
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましく、アクリル酸が反応性に良好なことからより好ましい。エステル部分にカルボキシ基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルとしては、アクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、アクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、アクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−サクシノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル、メタクリル酸−2−フタロイルオキシエチル、メタクリル酸−2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル、クロトン酸−2−サクシノイルオキシエチル等が挙げられ、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチル及びアクリル酸−2−フタロイルオキシエチルが好ましく、アクリル酸−2−マレイノイルオキシエチルがより好ましい。これらのα,β−不飽和モノカルボン酸及びα,β−不飽和モノカルボン酸エステルは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルと、エポキシ樹脂との付加反応は、公知の方法を用いることができ、例えば、エステル化触媒存在下、50〜150℃の温度で反応させる方法が挙げられる。エステル化触媒としては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩等を用いることができる。
α,β−不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの使用量は、原料となるエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対し0.5〜1.2当量の範囲が好ましく、0.7〜1.1当量の範囲がより好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルが付加したエポキシ樹脂に、さらに付加させる多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、無水テトラヒドロフタル酸及びビフェニルテトラカルボン酸二無水物がより好ましい。これらの多塩基酸無水物は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
多塩基酸無水物の付加反応についても公知の方法を用いることができ、α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルの付加反応と同様な条件下で連続して反応させることができる。多塩基酸無水物の使用量は、アルカリ現像性及び塗膜形成を良好なものとできることから、生成するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価が10〜150の範囲となるような量が好ましく、20〜140の範囲となるような量がより好ましい。
また、カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂として特開平6−49174号公報記載のナフタレン含有樹脂;特開2003−89716号公報、特開2003−165830号公報、特開2005−325331号公報、特開2001−354735号公報記載のフルオレン含有樹脂;特開2005−126674号公報、特開2005−55814号公報、特開2004−295084号公報等に記載の樹脂も例示できる。また、市販品としては、ダイセル化学工業株式会社製の「ACA−200M」等も例示できる。
前記カルド樹脂型樹脂(5)は、カルボキシ基と重合性不飽和基とを有する。一般に、カルド型樹脂は高耐熱性、溶剤溶解性、高透明性、高屈折率、低複屈折、高ガス透過性等の種々の特性を有する高分子材料であり、カラーフィルターの各画素やブラックマトリックスを形成する際のバインダー樹脂として用いられており、特にブラックマトリックスを形成する際のバインダー樹脂として好ましく使用できる。
前記カルド型樹脂とは環状の基が高分子主鎖に直接結合した構造を持つ樹脂の総称であるが、主鎖にかさ高い置換基が存在することにより、(1)ポリマー主鎖の回転束縛、(2)主鎖および側鎖のコンフォメーション規制、(3)分子間パッキングの阻害、(4)側鎖の芳香族置換基導入による芳香族性の増加、などが発現され、さらに物性上の特徴として、高耐熱性、溶剤溶解性、高透明性、高屈折率、低複屈折などに加えて、より高いガス透過性を示すとされている。
前記カルド型樹脂(5)としては、例えば、下記一般式で示される樹脂を好ましく挙げることができる。
式中Xは、下記化学式で示される基であり、Yはジカルボン酸無水物からカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基であり、Zはテトラカルボン酸二無水物から2個のカルボン酸無水物基を除いた残基である。nは0〜20の整数である。)
前記Yを誘導するジカルボン酸無水物(カルボン酸無水物基を除く前のジカルボン酸無水物)の具体例としては、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる
また、前記Zを誘導するテトラカルボン酸二無水物(2個のカルボン酸無水物基を除く前のテトラカルボン酸二無水物)の具体例としては、例えば無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記カルド樹脂の重量ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000が好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、5,000〜15,000が最も好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、上記のアルカリ可溶性樹脂(1)〜(5)のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、アルカリ可溶性樹脂は、後述する顔料分散剤と併用することで、基板上の非画素部に未溶解物が残存することなく、基板との密着性に優れた、高濃度の色画素を形成できるため好ましい。具体的には、アルカリ可溶性樹脂の一部を後述の顔料分散剤とともに、分散処理工程に使用することが好ましい。この場合、アルカリ可溶性樹脂は、顔料に対して5〜200質量%の範囲で使用することが好ましく、10〜100質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂としては、上記のアルカリ可溶性樹脂(1)〜(5)以外のアルカリ可溶性樹脂を使用しても良い。このような樹脂として、例えば、酸性基としてフェノール性水酸基を有する重合性単量体を必須成分として用いて得られるアルカリ可溶性樹脂や、酸性基としてスルホン酸基を有する重合性単量体を必須成分として用いて得られるアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。ここで、前記フェノール性水酸基を有する重合性単量体としては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。また、これらの単量体の芳香環に結合したフェノール性水酸基及びビニル基以外の1個以上の水素原子が、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミド基に置換された化合物等も挙げられる。また、酸性基としてスルホン酸基を有する重合性単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アリルオキシプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、又はこれらの塩等が挙げられる。
本発明の組成物をレジスト組成物に用いる場合、アルカリ可溶性樹脂の組成物中の含有割合は、硬化膜の外観や基板への密着性が良好となることから、全固形分中に0.1〜80質量%の範囲が好ましく、1〜60質量%の範囲がより好ましい。
レジスト組成物に用いられる放射性感応性物質(感光性物質)としては、上記アルカリ可溶性樹脂と混合し、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、イオン線、分子線、γ線、等を照射することにより、アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を変化させる物質であれば用いることができる。
前記放射線感応性物質としては、例えば、キノンジアジド系化合物、ジアゾ系化合物、ジアジド系化合物、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、ハロゲン化有機化合物と有機金属化合物との混合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、そして特開昭59−152号公報に記載されているポリ(オレフィンスルホン)化合物等が挙げられる。
前記キノンジアジド系化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、その他1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド等のキノンジアジド誘導体のスルホン酸クロライド等が挙げられる。
前記ジアゾ化合物としては、例えば、p−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとの縮合物の塩、例えばヘキサフルオロ燐酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩又は過ヨウ素酸塩と上記縮合物との反応性生物であるジアゾ樹脂無機塩、USP3,300,309号明細書に記載されているような、上記縮合物とスルホン酸類との反応生成物であるジアゾ樹脂有機塩等が挙げられる。
前記アジド化合物及びジアジド化合物としては、例えば、特開昭58−203438号公報に記載されているようなアジドカルコン酸、ジアジドベンザルメチルシクロヘキサノン類及びアジドシンナミリデンアセトフェノン類、日本化学会誌No.12、p1708−1714(1983年)記載の芳香族アジド化合物又は芳香族ジアジド化合物等が挙げられる。
前記ハロゲン化有機化合物としては、例えば、有機化合物のハロゲン化物であれば用いることができるが、具体例としては、ハロゲン含有オキサジアゾール系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チアゾール系化合物、ハロゲン含有オキサゾール系化合物、ハロゲン含有トリゾール系化合物、ハロゲン含有2−ピロン系化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素系化合物、ハロゲン含有芳香族炭化水素系化合物、その他のハロゲン含有ヘテロ環状化合物、スルフェニルハライド系化合物等の各種化合物、更に例えばトリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェート、クロロテトラブロモメタン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモビフェニル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(クロロエチルエーテル)テトラクロロビスフェノールA、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のハロゲン系難燃剤として使用されている化合物、ジクロロフェニルトリクロロエタン等の有機クロロ系農薬として使用されている化合物等も挙げられる。
前記有機酸エステルとしては、例えば、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、前記有機酸アミドとしては、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド等が挙げられる。さらに、有機酸イミドとしては、カルボン酸イミド、スルホン酸イミド等が挙げられる。これらの放射線感応性物質は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
レジスト組成物において、放射線感応性物質の配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して10〜200質量部の範囲が好ましく、50〜150質量部の範囲がより好ましい。
レジスト組成物に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコールエーテル類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;
セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;ジエチレルグリコールモノメチルエーテル、ジエチレルグリコールモノエチルエーテル、ジエチレルグリコールジメチルエーテル、ジエチレルグリコールジエチルエーテル、ジエチレルグリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコール類;トリクロロエチレン、フロン溶剤、HCFC、HFC等のハロゲン化炭化水素類;パーフロロオクタンの様な完全フッ素化溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族類;ジメチルアセチアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤など、成書「溶剤ポケットハンドブック」(有機合成化学協会編、オ−ム社)に記載されている溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
レジスト組成物のもう一つの具体的形態であるカラーレジスト組成物は、例えば、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)とカラーレジスト剤からなり、このカラーレジスト剤は、例えば、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、着色剤を含む。
カラーレジスト組成物に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、前記フォトレジスト組成物に用いるアルカリ可溶性樹脂等を用いることができる。
前記重合性化合物は、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合又は架橋反応可能な光重合性官能基を有する化合物であれば特に限定されることなく用いることができる。このような重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有する重合性化合物等が挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートの(メタ)アクリル酸の部分を、イタコン酸に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸に代えたマレイン酸エステル等も挙げられる。
前記芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸、多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルは、単一物であっても、混合物であってもよい。このようなエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンから得られるエステル等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有する重合性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
上記以外の重合性化合物としては、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;フタル酸ジアリル等のアリルエステル;ジビニルフタレート等のビニル基を有する化合物などが挙げられる。
また、前記重合性化合物として、酸基を有する重合性化合物を用いてもよい。この酸基を有する重合性化合物としては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応の水酸基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましい。また、前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールを用いたものが特に好ましい。これらのモノマーは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、酸基を有するモノマーと酸基を有しないモノマーとを併用してもよい。
さらに、酸基を有する多官能の重合性化合物の好ましい具体例として、例えば、東亞合成株式会社から「アロニックスTO−1382」として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物が挙げられる。この多官能の重合性化合物は、他の多官能の重合性化合物と併用することもできる。
前記酸基を有する多官能の重合性化合物の酸価は、現像性、硬化性等が良好となることから、0.1〜40の範囲が好ましく、5〜30の範囲がより好ましい。また、異なる酸価の多官能の重合性化合物を2種以上併用する場合や酸基を有しない多官能の重合性化合物を併用する場合には、全多官能の重合性化合物を混合した後の混合物の酸価が上記の範囲内になるようにすることが好ましい。
前記カラーレジスト組成物において、前記重合性化合物の含有割合は、全固形分中、5〜80質量%の範囲であることが好ましく、10〜70質量%の範囲であることがより好ましく、20〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。また、後述する着色剤に対する前記重合性化合物の比率は、5〜200質量%であることが好ましく、10〜100質量%の範囲であることがより好ましく、20〜80質量%の範囲であることがさらに好ましい。
前記着色剤としては、着色が可能なものであれば、顔料でも染料でも特に制限無く用いることができる。また、顔料は有機顔料、無機顔料のいずれであっても用いることができる。前記有機顔料としては、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等の各色相の顔料を使用することができる。また、有機顔料の化学構造としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等が挙げられる。なお、下記の「C.I.」は、カラーインデックスを意味する。
前記赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242又は254が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、209、224又は254がより好ましい。
前記緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン7、36又は58が好ましい。
前記青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6がより好ましい。
前記黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180又は185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー83、138、139、150又は180がより好ましい。
前記紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19又は23が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット23がより好ましい。
前記オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントオレンジ38又は71が好ましい。
液晶表示装置および有機EL表示装置に用いるカラーフィルターの3原色の各画素は、赤(R)、緑(G)、青(B)であるため、前記赤色顔料、緑色顔料及び青色顔料を主成分とし、色再現性を向上する目的で、黄色、紫色、オレンジ等の色の有機顔料を色相調整として用いてもよい。
また、前記無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
なお、前記有機顔料の平均粒径は、カラー液晶表示装置および有機EL表示装置の輝度を高めるため、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下がさらに好ましい。これらの平均粒径となるよう、有機顔料を分散処理して使用することが好ましい。また、前記有機顔料の平均一次粒径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、40nm以下がさらに好ましく、10〜30nmの範囲が特に好ましい。なお、有機顔料の平均粒径は、動的光散乱式の粒度分布計で測定したものであり、例えば、日機装株式会社製のナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置「UPA−EX150」、「UPA−EX250」等で測定することができる。
前記カラーレジスト組成物を、ブラックマトリックス(BM)を形成するのに用いる場合に用いる着色剤としては、黒色であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ボーンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、黒鉛、鉄黒、チタンブラック等が挙げられる。また、2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせでも構わない。これらの中でも、遮光率、画像特性の観点からカーボンブラック、チタンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製のMA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B等が挙げられ、エボニックデグサジャパン株式会社製のPrintex3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Print ex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack 350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170等が挙げられ、キャボットジャパン株式会社製のMonarch120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8等が挙げられ、コロンビヤンカーボン社製のRAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000等が挙げられる。
上記のカーボンブラックの中でも、カラーフィルターのブラックマトリックスに要求される高い光学濃度及び高い表面抵抗率を有するものとして、樹脂で被覆されたカーボンブラックを用いるのが好ましい。なお、樹脂で被覆されたカーボンブラックは、例えば、特開平9−26571号公報、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−238863号公報又は特開平11−60989号公報に記載の方法で、公知のカーボンブラックを処理することにより得ることができる。
また、前記チタンブラックの作製方法としては、特開昭49−5432号公報記載の二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気下で加熱し還元させる方法、特開昭57−205322号公報記載の四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法、特開昭60−65069号公報及び特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法、特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法等が挙げられる。チタンブラックの市販品としては、例えば、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C等が挙げられる。
2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせとしては、赤色、緑色、青色の三色の顔料を混合した黒色顔料が挙げられる。黒色顔料を調製するために混合使用可能な色材としては、ビクトリアピュアブルー(C.I.42595)、オーラミンO(C.I.41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(C.I.45160)、ローダミンB(C.I.45170)、サフラニンOK70:100(C.I.50240)、エリオグラウシンX(C.I.42080)、No.120/リオノールイエロー(C.I.21090)、リオノールイエローGRO(C.I.21090)、シムラーファーストイエロー8GF(C.I.21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(C.I.21095)、シムラーファーストレッド4015(C.I.12355)、リオノールレッド7B4401(C.I.15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(C.I.74160)、リオノールブルーSM(C.I.26150)、リオノールブルーES(C.I.ピグメントブルー15:6)、リオノーゲンレッドGD(C.I.ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(C.I.ピグメントグリーン36)等が挙げられる。
黒色顔料を調製するために混合使用可能なその他の色材としては、例えば、C.I.黄色顔料20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、C.I.オレンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.赤色顔料9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、37、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:4、22、60、64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等が挙げられる。
黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合、平均一次粒径は0.01〜0.08μmの範囲が好ましく、現像性が良好なことから0.02〜0.05μmの範囲がより好ましい。また、使用するカーボンブラックのジブチルフタル酸(以下、「DBP」と略記する。)吸収量は、40〜100cm/100gの範囲が好ましく、分散性・現像性が良好なことから50〜80cm/100gの範囲がより好ましい。さらに、使用するカーボンブラックのBET法による比表面積は50〜120m/gの範囲が好ましく、分散安定性が良好なことから60〜95m/gの範囲がより好ましい。
また、カーボンブラックは、粒子形状が有機顔料等と異なり、1次粒子が融着したストラクチャーと呼ばれる状態で存在し、また後処理により粒子表面に微細な細孔を形成させる場合がある。したがって、カーボンブラックの粒子形状を表すため、一般的には、前記有機顔料と同じ方法で求められる1次粒子の平均粒径の他に、DBP吸収量(JIS K6221)とBET法による比表面積(JIS K6217)を測定しストラクチャーや細孔量の指標とすることが好ましい。
また、着色剤として染料も使用することができる。このような染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、クマリン系染料、トリメチン系染料、アントラキノン系染料など、その他の染料を使用することもできる。
前記その他の染料としては、例えば、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料等が挙げられ、具体的には、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている種々の染料等が挙げられる。
前記その他の染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、;C.I.ソルベントレッド45、49、125、130;C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;等のC.I.モーダント染料等が挙げられる。
上記で挙げた着色剤のうち、最終的に得られる硬化膜の耐光性、耐候性及び堅牢性が優れるという点において、顔料を使用することが好ましいが、色相の調整を行うため、必要に応じて顔料に染料を併用してもよい。
前記顔料と染料との含有量比率は、質量比〔顔料:染料〕で1:99〜99:1が好ましく、99:1〜40:60が好ましく、95:5〜60:40がより好ましい。このような比率で顔料と染料とが含まれることにより、透過スペクトルの最適化が容易な硬化膜が得られやすい。さらに、耐熱性、耐薬品性が良好な硬化膜を形成しやすい。
前記カラーレジスト組成物中の前記着色剤の含有比率は、全固形分中、1質量%以上であることが好ましく、5〜80質量%の範囲であることがより好ましく、5〜70質量%の範囲であることがさらに好ましい。
また、前記カラーレジスト組成物をカラーフィルターの赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素の形成に用いる場合、カラーレジスト組成物中の前記着色剤の含有比率は、全固形分中、5〜60質量%の範囲であることが好ましく、10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
さらに、前記カラーレジスト組成物をカラーフィルターのブラックマトリックスの形成に用いる場合、カラーレジスト組成物中の着色剤の含有比率は、全固形分中、20〜80質量%の範囲であることが好ましく、30〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
また、前記有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理又は不純物を除去するための有機溶剤や水などによる洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法などによる除去処理などが施されていてもよい。さらに粒径が均一であることが好ましく、粒径が均一な有機顔料は、例えば、顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで得ることができる。
前記顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料1質量部あたり、好ましくは1質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。顔料分散剤の使用量がこの範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液(有機溶剤に分散したもの)が得られる傾向があるため好ましい。
前記顔料分散剤としては、界面活性剤;顔料の中間体もしくは誘導体;染料の中間体もしくは誘導体;ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂型分散剤等が挙げられる。これらの中でも、窒素原子を有するグラフト共重合体、窒素原子を有するアクリル系ブロック共重合体、ウレタン樹脂分散剤等が好ましい。これらの分散剤は、窒素原子を有しているため、窒素原子が顔料表面に対して親和性をもち、窒素原子以外の部分が媒質に対する親和性を高めることにより、分散安定性が向上する。なお、これらの分散剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記顔料分散剤の市販品としては、エフカーケミカルズ社製の「エフカ」シリーズ(「「エフカ46」等);ビックケミー・ジャパン株式会社製の「Disperbyk」シリーズ、「BYK」シリーズ(「BYK−160」、「BYK−161」、「BYK−2001」等);日本ルーブリゾール株式会社製の「ソルスパース」シリーズ;信越化学工業株式会社製の「KP」シリーズ、共栄社化学株式会社製の「ポリフロー」シリーズ;楠本化成株式会社製の「ディスパロン」シリーズ;味の素ファインテクノ株式会社製の「アジスパー」シリーズ(「アジスパーPB−814」等)などが挙げられる。
また、前記顔料分散液の調製の際に用いられる有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記顔料分散液の調製方法としては、着色剤の混練分散工程及び微分散工程を経る方法、微分散工程のみで行う方法等が挙げられる。前記混練分散工程では、着色剤、アルカリ可溶性樹脂の一部、及び必要に応じて前記分散剤を混合し混練する。混練に用いる機械は、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは二軸の押出機等が挙げられ、これらの混練機を用いて強い剪断力を加えながら分散することにより着色剤を分散することができる。また、着色剤は、上記の混練を行う前に、ソルトミリング法等によって粒子サイズを微細化しておくことが好ましい。
一方、前記微分散工程では、前記混練分散工程で得られた着色剤を含む組成物に溶剤を加えたもの、又は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、溶剤及び必要に応じて前記分散剤を混合したものを、ガラス、ジルコニアやセラミックの微粒の分散用メディアと共に分散機を用いて混合分散することにより、着色剤の粒子を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
また、カラーフィルターの透過率、コントラスト等を向上する観点から、着色剤の一次粒子の平均粒径は、10〜100nmであることが好ましく、10〜60nmであることがより好ましい。なお、この着色剤の平均粒径は、動的光散乱式の粒度分布計で測定したものであり、例えば、日機装株式会社製のナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置「UPA−EX150」、「UPA−EX250」等で測定することができる。
レジスト組成物には、光重合開始剤を含んでいてもよい。
前記光重合開始剤としては、例えばビイミダゾール化合物、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物が好ましい。また、特開2008−181087号公報に記載された光カチオン重合開始剤(例えば、オニウムカチオンとルイス酸由来のアニオンとから構成されているもの)を用いてもよい。中でも、感度の点で、オキシム化合物が好ましい。
前記のビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
前記アルキルフェノン化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー等が挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア369、907(以上、BASFジャパン社製)等の市販品を用いてもよい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア819(チバ・ジャパン社製)等の市販品を用いてもよい。
前記オキシム化合物としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE−01、OXE−02(以上、BASFジャパン社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。
また、連鎖移動を起こしうる基を有する重合開始剤として、特表2002−544205号公報に記載されている光重合開始剤を使用してもよい。前記の連鎖移動を起こしうる基を有する重合開始剤としては、例えば、下記式の化合物等が挙げられる。
さらに重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
レジスト組成物には、さらに重合開始助剤が含まれていてもよい。重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて用いられ、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。
重合開始助剤としては、例えば、アミン化合物、チアゾリン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられる。前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
前記チアゾリン化合物としては、例えば下記で表される化合物等が挙げられる。
前記アルコキシアントラセン化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
前記チオキサントン化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、例えば、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
また、レジスト組成物は、さらに多官能チオール化合物を含有していてもよい。この多官能チオール化合物は、分子内に2個以上のスルファニル基を有する化合物である。なかでも、脂肪族炭化水素基に隣接するスルファニル基を2個以上有する化合物を用いると、高感度でパターンを形成することができるため好ましい。
レジスト組成物に含まれる溶剤は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(−COO−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(−O−を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(−COO−と−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(−CO−を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記エステル溶剤としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記エーテル溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
前記エーテルエステル溶剤としては、例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
前記ケトン溶剤としては、例えば、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
前記アルコール溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
前記芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
前記アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。
溶剤の含有量は、レジスト組成物に対して、好ましくは60〜95質量%であり、より好ましくは70〜90質量%である。言い換えると、レジスト組成物の固形分は、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%である。溶剤の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になる傾向がある。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)以外の界面活性剤を含有させても良い。前記界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤、フッ素原子およびエチレン性不飽和結合を有する界面活性剤等が挙げられる
更に又、レジスト組成物は、必要に応じて充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機アミン化合物、硬化剤等の種々の添加剤を含んでもよい。
前記充填剤としては、例えば、ガラス、アルミナなどの微粒子が挙げられる。
前記密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記の酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及びテトラキス[メチレン−3−(3,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンなどが挙げられる。
前記の紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系;2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−へキシルオキシフェノールなどのトリアジン系などが挙げられる。
前記の凝集防止剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
有機アミン化合物の添加により、現像時に未露光部の基板上に残渣を生じることがなく、かつ基板への密着性に優れた画素を与えることができる。前記有機アミン化合物としては、例えば、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミンなどのモノアルキルアミン類;
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類;メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、エチル−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類;
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類;ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類;ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジエチル−n−プロピルアミン、メチルジ−n−プロピルアミン、エチルジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類;
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類;メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類;2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類;4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類;ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−n−ブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ジ−n−ペンタノールアミン、ジ−n−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類;
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類;トリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリイソブタノールアミン、トリ−n−ペンタノールアミン、トリ−n−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類;3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類;
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類;1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類;1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類;
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−tert−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類;o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類;m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
前記硬化剤としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂としてカルボキシ基を有する樹脂を使用する場合、加熱されることによって該カルボキシ基と反応してアルカリ可溶性樹脂を架橋することができる化合物等が挙げられる。また、単独で重合して硬化膜を作製し得る化合物も挙げられる。前記の化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油などのエポキシ樹脂や、これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂及びその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族又は芳香族のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
前記のオキセタン化合物としては、例えば、カーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
硬化剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物などを含有する場合には、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させ得る化合物を含んでいてもよい。該化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などが挙げられる。
前記の多価カルボン酸類としては、例えば、フタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸類;こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類;
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。
前記多価カルボン酸無水物類としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物類;無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類;無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類;エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
前記のカルボン酸無水物類としては、エポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを用いてもよい。前記のエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名でアデカハードナーEH−700(旭電化工業(株)製)、リカシッドHH、MH−700(いずれも、新日本理化(株)製)などが挙げられる。
前記の硬化剤は、単独でも2種以上を組合せて用いてもよい。
また、レジスト組成物は、分子量1,000以下の有機酸を含有してもよい。前記の有機酸としては、例えば、特開平5−343631号公報に開示された有機酸が挙げられる。具体的には、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、フタル酸、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、好ましくはマロン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸が挙げられる。
レジスト組成物の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)の含有量は、レジスト組成物の種類、塗工方法、目的とする膜厚等によって異なるが、少量添加で本発明の上記効果を発現できることからレジスト組成物中の固形分100質量部に対して0.0001〜10質量部が好ましく、0.00001〜5質量部がより好ましく、0.01〜2質量部がさらに好ましい。
レジスト組成物の塗工方法は用途により異なるが、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター、静電塗装等を用いた塗布方法、あるいは各種金型を用いた成形方法等が挙げられる。
上記のレジスト組成物は、可視光、紫外光等の光を照射することにより樹脂の溶解性、粘度、透明度、屈折率、伝導度、イオン透過性等の物性が変化するものである。この活性エネルギー線硬化性組成物の中でも、レジスト組成物(フォトレジスト組成物、カラーフィルター用のカラーレジスト組成物等)は、高度なレベリング性が要求される。通常、半導体又は液晶に関するフォトリソグラフィーにおいては、レジスト組成物をスピンコーティングやスリットコーティングによって、厚さが0.01〜5μm程度になるようにシリコンウェハー又は各種金属を蒸着したガラス基板上に塗布するのが一般的である。この際、塗布膜厚の振れは、半導体や液晶素子の品質の低下や欠陥となり得るが、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)は、この組成物の添加剤として用いることで、その高いレベリング性により均一な塗膜を形成することができるため、半導体、液晶素子の生産性向上、高機能化等が可能となる。
このような観点から、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)は撥液剤として好適に用いることができる。撥液剤として用いる場合には、前述のアルカリ可溶性樹脂を主成分とするネガ型のレジスト組成物(感光性樹脂組成物)に用いることが好ましく、当該組成物における固形分全量に対して、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を0.01〜5.0質量%で用いることが好ましい。
前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)を撥液剤として用いてなるネガ型のレジスト組成物を基材表面に塗布し、露光及び現像することで、パターンを有する硬化膜を得ることができる。このパターンは隔壁とも称されるものであり、その上部に本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I)が偏析して硬化しており、撥インク性を発揮して、IJ法にてオアターン印刷を行う際に、隔壁で囲まれた領域内に均一にインクを塗布することができる、また、隔壁を超えて所望しない領域にインクが注入されることを抑制し、インクを所望のパターンで良好に印刷することが可能となる。
このようにして隔壁を用いてIJ法で印刷された光学素子は、有機EL阻止、液晶素子のカラーフィルター、有機TFTアレイ素子等として好適に用いることができる。
以下、本発明に関連するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明や表中の「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準であり、固形分又は有効成分を示すものである。
実施例1:含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(I−i)の製造
撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、下記式で表される両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル化合物(以下、「化合物(1)と略記する。水酸基当量は、740g/eq。繰り返し数を示すaは5、bは7である。)50部、エピクロロヒドリン62.5部及びエタノール20部を仕込んだ。次いで、窒素気流下で攪拌を開始し、フラスコ内温度を50℃に保ちながら、49%水酸化ナトリウム水溶液8.3部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温して3時間攪拌した後、室温に戻した。
次いで、室温に戻した反応液を、イオン交換水を用いて洗浄した。洗浄は、反応液にイオン交換水50部を加えて撹拌後、静置して水層を分液により分離する操作を2回繰り返すことにより行った。洗浄した反応液中から、未反応のエピクロロヒドリンを減圧蒸留することにより留去し、濾過して取り出すことで、下記式(a1−1)で表されるポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端にエポキシ基を有する化合物(以下、「化合物(a1−1)」と略記する。)52.2部を得た。この化合物(a1−1)は透明液体で、エポキシ当量は1,112g/eq.であり、下記化合物(a1−1)中の繰り返し単位数nの平均値は0.4であった。
次いで、撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、化合物(a1−1)47.4部とビスフェノールAジグリシジルエーテル17.2部とビスフェノールA16.0部と、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBPH)1000ppmを仕込み、150℃で40時間加熱し、Mw28,000の化合物(2)を得た。ついで、化合物(2)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈したNV=50%の溶液161部にウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.03部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.1部を加え、空気気流下で攪拌を開始し、75℃に昇温したのち、2−アクリロイルオキシエチルアクリレート19.4部を1時間かけて滴下し、75分で30分撹拌し、80℃に昇温して更に2時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2360cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。次いでPGMEAを加え、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−i)を10%含有するPGMEA溶液を得た。
実施例2:含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(2−i)の製造
撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、前記化合物(1)と同様の式で表され、aが5、bが7の水酸基当量754g/eqである化合物(3)50部、無水マレイン酸6.5部を仕込んだ。次いで、窒素気流下で攪拌を開始し、フラスコ内温度を160℃に上昇させ、1時間撹拌した。その後、エステル化触媒としてジブチルスズジラウレート0.01部を加えフラスコ内温度を170℃に昇温させ、5時間撹拌した。そして、室温に戻すことで、下記式(a5−1)で表されるポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端にカルボキシ基を有する化合物(以下、「化合物(a5−1)」と略記する。)56.5部を得た。この化合物(a5−1)は透明液体で、酸価は64.0mgKOH/gであった。
次いで、撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、化合物(a5−1)50部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量485g/eq)23部とテトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBPH)1000ppmを仕込み、150℃で30時間加熱し、Mw53,000の化合物(4)を得た。次いで、化合物(4)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈したNV=60%の溶液146部にウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.02部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.03部と2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.20部を加え、空気気流下で攪拌を開始し、75℃に昇温した。そして、2−アクリロイルオキシエチルアクリレート6.7部を1時間かけて滴下し、75℃で1時間撹拌後、80℃に昇温して更に4時間攪拌することで、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2270cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。最後にPGMEAを加え、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(2−i)を10%含有するPGMEA溶液を得た。
実施例3:含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−ii)の製造
撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、化合物(a1−1)49.0部とビスフェノールFジグリシジルエーテル16.3部とビスフェノールF14.6部と、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBPH)1000ppmを仕込み、150℃で40時間加熱し、Mw26,000の化合物(5)を得た。ついで、化合物(5)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈したNV=50%の溶液160部にウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.03部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.1部を加え、空気気流下で攪拌を開始し、75℃に昇温したのち、2−アクリロイルオキシエチルアクリレート20.1部を1時間かけて滴下し、75分で30分撹拌し、80℃に昇温して更に2時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2360cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。次いでPGMEAを加え、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−ii)を10%含有するPGMEA溶液を得た。
実施例4:含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−iii)の製造
撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、化合物(a1−1)51.4部と1,6−ナフタレンジグリシジルエーテル15.2部と1,6−ナフタレンジオール12.2部と、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBPH)1000ppmを仕込み、150℃で40時間加熱し、Mw27,000の化合物(6)を得た。ついで、化合物(6)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈したNV=50%の溶液158部にウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.03部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.1部を加え、空気気流下で攪拌を開始し、75℃に昇温したのち、2−アクリロイルオキシエチルアクリレート21.1部を1時間かけて滴下し、75分で30分撹拌し、80℃に昇温して更に2時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2360cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。次いでPGMEAを加え、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−iii)を10%含有するPGMEA溶液を得た。
実施例5:含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−iv)の製造
撹拌装置、温度計、冷却管及び滴下装置を備えたガラスフラスコに、化合物(a1−1)48.4部とビスフェノールAジグリシジルエーテル17.6部とビスフェノールA16.4部と、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBPH)1000ppmを仕込み、150℃で40時間加熱し、Mw28,000の化合物(7)を得た。ついで、化合物(7)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈したNV=50%の溶液165部に、無水コハク酸5.7部とトリフェニルホスフィン3000ppmを仕込み、110℃へ昇温して4時間ホールドした。酸価により、反応終点を確認したのち、75℃へ冷却し、ウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.03部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.1部を加え、空気気流下で2−アクリロイルオキシエチルアクリレート19.4部を1時間かけて滴下し、75分で30分撹拌し、80℃に昇温して更に2時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2360cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。次いでPGMEAを加え、含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂(1−iv)を10%含有するPGMEA溶液を得た。
比較合成例1
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、前記化合物(a1−1−1)20部、溶媒としてジイソプロピルエーテル20部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.02部及び中和剤としてトリエチルアミン3.1質量部を仕込み、空気気流下にて攪拌を開始し、フラスコ内を10℃に保ちながらアクリル酸クロライド2.7質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、10℃で1時間攪拌し、昇温して30℃で1時間攪拌した後、50℃に昇温して10時間攪拌することにより反応を行い、ガスクロマトグラフィー測定にてアクリル酸クロライドの消失が確認された。次いで、溶媒としてジイソプロピルエーテル40部を追加した後、イオン交換水80部を混合して攪拌してから静置し水層を分離させて取り除く方法による洗浄を3回繰り返した。次いで、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.02部を添加し、脱水剤として硫酸マグネシウム8部を添加して1日間静置することで完全に脱水した後、脱水剤を濾別した。次いで、減圧下で溶媒を留去することによって、下記式で表されるパーフルオロポリエーテル鎖の両末端にアクリロイル基を有する化合物(8)21.5部を得た。
(式中、aは平均5、bは平均8である。なお、オキシパーフルオロメチレン単位とオキシパーフルオロエチレン単位とはランダム結合である。)
次いで、撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてメチルイソブチルケトン63質量部を仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら105℃に昇温した。その後、上記で得られた化合物(8)21.5部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート41.3部と、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート9.4部をメチルイソブチルケトン126部に溶解した重合開始剤溶液135.4部との3種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を105℃に保ちながら同時に2時間かけて滴下した。滴下終了後、105℃で10時間攪拌した後、減圧下で溶媒を留去することによって、重合体67.5部を得た。次いで、上記で得られた重合体に溶媒としてメチルエチルケトン74.7部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.1部及びウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.06部を仕込み、空気気流下で攪拌を開始し、60℃を保ちながら2−アクリロイルオキシエチルアクリレート44.8部を1時間で滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、80℃に昇温して10時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定でイソシアネート基由来の2360cm−1付近の吸収ピークの消失を確認した。次いで、溶媒としてメチルエチルケトン37.4部を添加し、重合性フッ素系化合物を50%含有するメチルエチルケトン溶液224.6部を得た。この重合性フッ素系化合物の分子量をGPC(ポリスチレン換算分子量)で測定した結果、数平均分子量2,200、重量平均分子量6,500であった。また、フッ素含有率は11%であった。
<塗膜の形成方法>
DIC株式会社製ユニディックRS20−160を3.0部、東亞合成化学株式会社製アロニックスM−402を1.2部、実施例及び比較製造例で得られた樹脂を固形分比で0.1%、0.5%、1.0%、2.0%添加し、PGMEAで希釈し、NV19.5%になるように溶液を調製した。調整溶液1mLを7cm×7cmのガラス基板の中央部分に滴下し、回転数1000rpm、回転時間10秒でスピンコ−ティングした後、80℃で3分間加熱乾燥させ溶剤を揮発させた。次に、乾燥した塗膜に紫外線硬化装置(空気雰囲気下、高圧水銀灯、紫外線照射量0.5kJ/m2)で紫外線(UV)を照射して硬化させた。更に230℃で20分間熱処理し、実施例6〜10及び比較例1として塗膜を作製した。フッ素系界面活性剤を用いない以外は、比較例1と同様にして、比較例2の塗膜を作製した。
<PGMEAの接触角の測定>
塗膜表面について、接触角測定装置(協和界面科学株式会社製「MODEL CA−W701」)を用いて、PGMEAの接触角を測定した。結果を表1に示す。比較例2(ブランク)の接触角は15°であった。

Claims (19)

  1. 1分子中に、少なくとも一つの、両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)の残基と、
    少なくとも一つの、前記(A)以外の2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)の残基及び/又は2価のカルボン酸(C)の残基と、を有し、
    それらが下記構造式(1)
    〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
    で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
    且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  2. 1分子中に、少なくとも一つの、両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)の残基、又は
    両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)とジカルボン酸無水物(E)との反応物の残基と
    少なくとも一つの、前記(A)以外の2価の水酸基含有化合物(F)の残基と、を有し、
    それらが下記構造式(1)
    〔式(1)中、Xは水素原子、重合性基を有する1価の有機基(x1)又は酸基を有する1価の有機基(x2)である〕
    で表される連結基で結合されてなる構造単位を有し、
    且つ1分子中に含まれる前記構造式(1)で表される連結基のうち少なくとも一つは重合性基を有する1価の有機基(x1)であることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  3. 末端が、水素原子、カルボキシ基又はグリシジル基である請求項1又は2記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  4. 前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂のフッ素原子含有率が3〜40質量%の範囲である請求項1〜3の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  5. 前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量が5,000〜200,000の範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  6. 前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の活性エネルギー線硬化性の官能基濃度が0.5〜3.0mmol/gの範囲である請求項1〜5の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  7. 前記両末端が水酸基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(A)、前記両末端がカルボキシ基であって水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)(D)が、パーフルオロアルキレンエーテル鎖を有するものである請求項1〜6の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  8. 前記2価のフェノール性水酸基含有化合物(B)、前記2価の水酸基含有化合物(F)が、芳香環上に置換基を有していてもよい、ビフェノール、ビスフェノール、ビナフトール又はナフタレンジオールである請求項1〜7の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  9. 前記構造式(1)が、下記構造式(2)
    〔式(2)中、Yは2価の連結基であり、Rは水素原子又はメチル基である〕
    で表される構造である請求項1〜8のいずれか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂。
  10. 水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とエポキシ基とを有する化合物(a1)と、2価のフェノール性水酸基含有化合物(a2)及び/又は2価のカルボン酸(a3)とを必須の原料として反応させて得られる反応物中の2級水酸基に、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の製造方法。
  11. 水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換されたアルキレン鎖(但し、前記アルキレン鎖はエーテル性の酸素原子を有するものを含む。)とカルボキシ基又は水酸基とを有する化合物(a5)と、2価のエポキシ化合物(a6)とを必須の原料として反応させて得られる反応物中の2級水酸基に、活性エネルギー線硬化性の官能基とイソシアネート基とを有する化合物(a4)を反応させることを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の製造方法。
  12. さらに2級水酸基に対して酸無水物基含有化合物(a7)を反応させるものである請求項10又は11記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂の製造方法。
  13. 請求項1〜9の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことを特徴とする撥液剤。
  14. 請求項1〜9の何れか1項記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂と、前記含フッ素活性エネルギー線硬化性樹脂以外の活性エネルギー線硬化性樹脂(II)又は活性エネルギー線硬化性単量体(III)を含む、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  15. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂(II)、活性エネルギー線硬化性単量体(III)がアルカリ可溶性である請求項14記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  16. さらに重合開始剤を含む請求項14又は15記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  17. レジスト組成物である、請求項14〜16の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  18. 請求項14〜17の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜。
  19. 隔壁である請求項18記載の硬化膜。
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