JPWO2019102860A1 - 振動板、およびこの振動板を有する電気音響変換器 - Google Patents

振動板、およびこの振動板を有する電気音響変換器 Download PDF

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Abstract

中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板を有するスピーカユニットにおいて、高調波歪みを低減することを可能にする。中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部と、前記振動板本体部の剛性が最大値である第1方向と交わる方向であって、前記剛性が前記最大値よりも小さい値である第2方向に延びるリブが設けられた保護部材とを備えるスピーカユニット、を提供する。

Description

本開示は、マイクロフォンユニットやスピーカユニットなどの振動と電気信号の変換を行う電気音響変換器、およびその振動板に関する。
特許文献1には、中高音域において広い指向特性を実現するために、一対の縦割り筒状面が並列に形成され、隣接する縦割り筒状面の一方の側部どうしの間で谷部が形成される振動板を用いたリッフェル型スピーカの中央キャップに上記谷部と同じ方向に延びる溝を設けることが記載されている。なお、スピーカユニットにおける中央キャップは、ボイスコイルなどを含む電気音響変換部(以下、単に「変換部」)への埃などの異物の進入を防ぐ保護部材であり、センタキャップ或いはダストキャップとも呼ばれる。
特許文献2には、スピーカユニットの振動板とダストキャップ境界に当該振動板の半径方向に延びる補強片を設けることで振動板の過度な変形を抑止し、当該スピーカユニットの音圧周波数特性を平坦化する技術が開示されている。
特許文献3には、トラック型スピーカユニットのダストキャップをV字形状にて補強する事で音圧周波数特性の平坦化および高調波歪の低減を実現する技術が開示されている。
特開2016−72955号公報 特開2008−103856号公報 特開2009−267875号公報
リッフェル型スピーカでは、振動板の中心から外周に至る方向に応じて当該振動板の剛性が異なる。このため、特定の周波数で上記振動板を振動させると特定の振動モードの分割振動が発生し易く、ボイスコイルに過度な負荷が掛かって変形する。このボイスコイルの変形に起因して変換部における磁気特性にバラツキが生じ、高調波歪が発生しやすい、といった問題がある。特許文献1の振動板とダストキャップは中高音域での指向性改善を目的としたものであり、上記高調波歪みについては関知していない。特許文献2に開示の補強片は、センタキャップ周縁部とコーンとをブリッジ状に掛け渡すことでコーンの変形を低減するものであるが、センタキャップ自体の強度を増すものではなく、ボイスコイルボビンの変形抑制をするものではない。また、この補強片はセンタキャップ全体あるいはコーン全体にわたって補強するものではないので、補強の効果は限定されると考えられる。特許文献3に開示の技術には、適用範囲が狭いといった問題がある。特許文献3に開示の技術は、トラック型ボイスコイルを備えることを前提としており、円形ボイスコイルを有するスピーカユニットには適用できないからである。加えて、特許文献3に開示の技術には、以下のような問題もある。すなわち、特許文献3のダストキャップは、略V字状の嵌入部がボビンの内部空間に嵌入されてボビンと接着されているため、ボビンとダストキャップとの固定部分は嵌入部の両端の線状部分が接着されるのみとなるので、組み立てるうえでの安定性や、使用時の耐久性に難がある。また、特許文献3の構造でボイスコイルが露出しないようにするためには、さらに第2のダストキャップが必要になる。
本開示は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板を有する電気音響変換器において、高調波歪みを低減することを可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本開示の一態様による振動板は、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部と、前記振動板本体部の前記中心から前記外周に至る方向の剛性が最大値である第1の方向と交わる方向であって、前記剛性が前記最大値よりも小さい値である第2の方向に延びるリブが設けられた保護部材と、を有することを特徴とする。
この態様の振動板では、保護部材にリブを設けることで、振動板本体部の剛性の低い方向(第2の方向)における当該保護部材の変形が抑制される。このため、スピーカユニットやマイクロホンなどの電気音響変換器を上記振動板を用いて構成すれば、当該振動板と電気信号の変換のために上記保護部材に連結されるボイスコイルが振動板の剛性の異方性に起因して変形することが抑制される。つまり、本態様の振動板を用いた電気音響変換器では、振動板本体部の中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なることに起因するボイスコイルの変形が抑制され、当該ボイスコイルの変形に起因する高調波歪みを低減することができる。ここで注目すべき点は、振動と電気信号の変換のために上記振動板に接合されるコイル(スピーカユニットやマイクロホンであれば、ボイスコイル)の形状には特段の制約はない点である。したがって、本態様によれば、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板を有する電気音響変換器において高調波歪みを低減することが可能になる。
より好ましい態様の振動板においては、前記振動本体部と前記保護部材は、前記振動本体部の前記中心の位置と前記保護部材の中心の位置とが、同じ第1位置となるように互いに設けられ、前記リブは、前記第1位置を通り、前記第2の方向に沿って延びることを特徴とする。この態様によれば、保護部材の変形抑止効果が最も高くなる。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記保護部材には、前記リブとしての第2リブが延びる方向と交差する方向に延びる第1リブがさらに設けられることを特徴とする。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記第1リブが延びる方向が前記第1の方向であることを特徴とする。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記保護部材には、前記第2リブが設けられ、前記第2リブが延びる方向と交差する方向に延びる第1リブは設けられないことを特徴とする。
さらに好ましい態様において上記振動板は、上記振動板本体部には、一対の縦割り筒状面が並列に形成され、上記振動板本体部は、隣接する縦割り筒状面の一方の側部どうしの間で谷部を形成した翼状部と、該翼状部の上記谷部の両端を閉塞する端板部と、谷部が延伸する途中に該谷部の深さ方向に形成され、前記振動板本体部の振動と電気信号との変換を行うコイルのボビンが連結される筒状部と、該筒状部と連通する貫通穴と、を有し、保護部材は、貫通穴を覆うように上記ボビンに接合される振動板であることを特徴とする。この態様によれば、低域から高域まで広い指向特性を実現しつつ、高調波歪みを低減することが可能になる。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記第1の方向は、前記谷部が延びる方向と略平行であることを特徴とする。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記リブは、前記谷部が延びる方向と略直交する方向に延びることを特徴とする。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記振動板本体部は、前記振動板本体部の前記中心から前記外周までの、前記リブが延びる前記第2の方向における第2距離が、前記振動板本体部の前記中心から前記外周までの前記第1の方向における第1距離よりも大きいことを特徴とする。
さらに別の好ましい態様の振動板においては、振動板本体部と保護部材とを一体成型したことを特徴とする。この態様によれば、本開示の振動板を、例えば真空成形やプレス成形等により簡便に製造ずることが可能になる。
また、より好ましい態様の振動板においては、前記振動板本体部は、前記保護部材の外側に固定されることを特徴とする。
上記課題を解決するために本開示の一態様による電気音響変換器は、上記各態様の何れかの振動板を備えることを特徴とする。この態様によっても、高調波歪みを低減することが可能になる。
本開示の電気音響変換器の一実施形態のスピーカユニット100の構成を示す分解斜視図である。 スピーカユニット100の組立状態を示す斜視図である。 スピーカユニット100の組立状態を示す半断面斜視図である。 スピーカユニット100の振動板本体部10の正面図である。 図4におけるV−V線に沿った振動板本体部10の断面図である。 図4におけるVI−VI線に沿うダストキャップ62の断面図である。 第1変形例に係る振動板本体部10aの正面図である。 図7におけるVIII−VIII線に沿った振動板本体部10aの断面図である。 図7におけるIX−IX線に沿った振動板本体部10aの断面図である。 図7におけるX−X線に沿ったダストキャップ62cの断面図である。 第2変形例に係る振動板本体部10bの正面図である。 第3変形例に係る振動板本体部10cの正面図である。
以下図面を参照しつつ本開示の実施の形態を説明する。
図1〜図6は、本開示の振動板が用いられた電気音響変換器の一実施形態であるスピーカユニット100を示す。
実施形態のスピーカユニット100は、振動板1と、振動板1を往復駆動するアクチュエータ2と、振動板1およびアクチュエータ2を支持するための支持枠3と、振動板1を支持枠3に往復移動が可能に支持するエッジ部4とを有する。なお、図1および図2において、エッジ部4が設けられている側を上、アクチュエータ2が設けられている側を下とするように上下方向を設定し、後述する振動板1(より正確には振動板本体部10)の谷部の延びる方向を縦方向(第1の方向の一例)、当該縦方向と直交する方向を横方向(第2の方向の一例)とする。また、上方を向く面を表面、下方を向く面を裏面とし、さらに、図示したように、縦方向をx方向(第1の方向の一例)、横方向をy方向(第2の方向の一例)、上下方向をz方向(谷部の深さ方向の一例)と称する場合もあるものとする。
振動板1は、振動板本体部10とダストキャップ62とを有する(図1参照)。振動板本体部10は、図4および図5に拡大して示したように、翼状部11と、翼状部11の谷部16(後述)の両端を閉塞する端板部12と、翼状部11の背部に固定された筒状部13と、エッジ部4との接続のためのリング板部14とを含む一体に形成した構成とされる。翼状部11では、一対の縦割り筒状面15が並列に形成されるとともに、隣接する縦割り筒状面15の一方の側部どうしの間で谷部16が形成されている。縦割り筒状面15とは、筒状の面の一部を縦割りにして切り取った面のことであり、縦割り筒状面15の側部とは、縦割り筒状面15において筒状の面の湾曲する方向の側の部位のことである。
縦割り筒状面15は、必ずしも単一円弧面でなくても良い。例えば、複数の曲率を連続させたもの、周方向(横方向)に沿う断面が放物線形状やスプライン曲線など曲率が一定ないし連続的に変化するもの、角筒状面としたもの、階段状に複数の段差部を有する形状としたものなどを縦割り筒状面15として採用することができ、一方向(縦割り筒状面15の周方向:横方向)に湾曲し、その一方向と直交する方向(縦割り筒状面15の縦方向)へは直線状となっていれば良い。なお、図5に示すように、縦割り筒状面15のz−y平面における形状は、複数の曲率を連続させた、上に凸となる形状とされている。
一対の縦割り筒状面15は、図5に示すように、その突出方向を同じ表面側に向けて並列に配置されるとともに、隣接する側部どうしが、縦割り筒状面15の周方向に沿う断面でU字状をなすようにわずかに間隔をあけて対向され、その下端縁が接合され、直線状に延在する接合部17が形成されている。
翼状部11の外周縁は、図4に示すように、正面視がほぼ円形となるように形成されているが、真円形ではなく、谷部16の両端間の距離が、谷部16と直交する方向の最大距離(図4では紙面の左右方向に沿う翼状部11の最大距離)よりも若干小さく形成されている。言い換えると、翼状部11の外周縁において、谷部16と直交する方向の最大距離が最も大きく、正面視では、その最大距離を外径とする円形に対して谷部16の両端が若干半径方向の内側に配置されている。この翼状部11の正面視における円形の中心を通る軸を翼状部11の軸C1とする(図5参照)。ここで、振動板本体部10の中心は、翼状部10の正面視における円形の中心の位置であるため、軸C1は、振動板本体部10の中心を通る。さらに、振動板本体部10の中心の位置は、振動板本体部10を正面視したときに、谷部16における谷部16の両端から等距離の位置であり、この位置も軸C1は通る。
端板部12は、外周縁が翼状部11の谷部16と直交する方向の最大距離を最大直径とする円形に形成されるとともに、その外周縁から翼状部11の谷部16の両端に向かって円錐面状に延びることにより、谷部16の両端を閉塞している。換言すれば、一対の縦割り筒状面15が並列に形成されて谷部16を有する翼状部11が、外周の形状を円形とするために、谷部16の両端に開いている面を補間するように、円錐面の一部をなすような形状の端板部12が形成される。そして、この端板部12の外周縁および翼状部11の外周縁に沿って外側に一周して、リング板部14が接続されている。このリング板部14は円錐面状に形成される。
筒状部13は、谷部16が延伸する方向の途中の位置に設けられ、翼状部11には貫通穴19が設けられる(図1参照)。また、筒状部13は、谷部16の深さ方向に筒状に形成され(図3参照)、翼状部11とボイスコイル20との間を連結するようにボイスコイル20の上端部に接合される(図3参照)。更に、筒状部13は、その筒状部の中心を通る軸C2(図5参照)と翼状部11の軸C1とを一致させて配置される。この場合、筒状部13は、上端から下端に向けて漸次縮径するようにテーパした筒形状とされるとともに、翼状部11の接合部17の下端よりも下方にまで延びており、その下端部に、径が一定の直管部18が一体に形成されている。直管部18に、後述するボイスコイル20のボビン20aが接着剤等を用いてその上端が直管部18から僅かに突出するように接合される。
以上のような構成としたため、振動板本体部10は、振動板本体部10の中心から外周に至る方向の1つである第1の方向(谷部16の延びる方向)の剛性と、振動板本体部10の中心から外周に至る方向の1つであって、当該第1の方向に直交する第2の方向の剛性が異なり、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる。具体的には、振動板本体部10においては、第2の方向の方が第1の方向よりも剛性が低く、変形し易い。なお、振動板本体部10は、その材質が限定されるものではなく、スピーカユニットの振動板として一般的に用いられる合成樹脂、紙、金属等の材料を用いて振動板本体部10を構成すれば良い。例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなるフィルムを真空成形、或いは合成樹脂の射出成型で振動板本体部10を一体成形すれば、振動板本体部10を比較的容易に成形することができる。
ダストキャップ62は、貫通穴19と略同じ直径を有する扁平なドーム状部材であり、貫通穴19を塞ぐように、ボイスコイル20の上端の外周に接合され、その外側に振動板本体部10が接着される。つまり、本実施形態では、振動板本体部10、ダストキャップ62およびボイスコイル20は、通常のスピーカと同様に一体結合されている。ダストキャップ62は、貫通穴19を介した異物(例えば、埃など)の侵入からアクチュエータ2を保護する保護部材である。ダストキャップ62の表面には、図1、図2および図4に示すように、各々直径方向に延びる2つの溝部62aが互いに直交するように形成されている。なお、図5では、図面が煩雑になることを避けるため、溝部62aの描画は省略されている。図6は、図4におけるVI−VI線に沿ったダストキャップ62の断面図である。図6に示すように、ダストキャップ62の裏面には、溝部62aに沿って直径方向に端から端まで延びるリブ62bが形成されている。つまり、ダストキャップ62の裏面には、各々直径方向に延びる2つのリブ62bが互いに直交するように形成されている。2つのリブ62bは、ダストキャップ62を正面視したときに、横方向に延びるリブ62b(第2リブの一例)と、縦方向に延びるリブ62b(第1リブの一例)を含む。そして、ダストキャップ62は、上記2つの溝部62aのうちの一方が谷部16が延びる方向に延び、他方が谷部16が延びる方向と直交するように振動板本体部10の中央(より正確には、直管部18から僅かに突出するボイスコイル20の上端)に接合される。同様に、ダストキャップ62を正面視したときに、2つのリブ62bのうちの一方(第1リブの一例)が谷部16が延びる方向に延び、2つのリブ62bのうちの他方(第2リブの一例)が谷部16が延びる方向と直交するように、ダストキャップ62は、振動板本体部10の中央に接合される。ダストキャップ62に上記溝部62aおよびリブ62bを設けた理由、および2つの溝部62aのうちの一方が谷部16の方向に延び、他方が谷部16と直交するようにダストキャップ62を振動板本体部10に接合した理由については後に明らかにする。また、ダストキャップ62を正面視したときに、横方向に延びるリブ62bが延びる方向と谷部16が延びる方向が略直交していても良いし、縦方向に延びるリブ62bが延びる方向と谷部16が延びる方向が互いに略平行になっていても良い。また、ダストキャップ62は、翼状部11の軸C1及び筒状部13の軸C2がダストキャップ62の中心C(第1位置の一例)を通るように、振動板10に接着される。ここで、ダストキャップ62の中心Cの位置は、図4のように、ダストキャップ62を正面視したときに、ドーム形状の外形を形成する円の中心の位置である。ダストキャップ62の正面視において、2つのリブ62bの一方は、ダストキャップ62の中心Cを通り、横方向に沿って延びており、2つのリブ62bの他方は、ダストキャップ62の中心Cを通り、縦方向に沿って延びている。
ダストキャップ62についてもその材質が限定されるものではなく、スピーカユニットの振動板として一般的に用いられる合成樹脂、紙、金属等の材料を用いてダストキャップ62を構成すれば良い。例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなるフィルムの真空成形、或いは合成樹脂の射出成型でダストキャップ62を一体成形すれば、ダストキャップ62を比較的容易に成形することができる。
アクチュエータ2は、外部から供給される駆動電流に応じて振動板1を振動させるボイスコイルモータ、すなわちスピーカユニット100において振動板1の振動と電気信号の変換を行う変換部である。アクチュエータ2は、振動板本体部10背部の筒状部13に接合されたボイスコイル20と、支持枠3に固定された磁石機構21とを含む。ボイスコイル20は、図1に示すように円筒状のボビン20aの回りにコイル20bが巻回された円形ボイスコイルである。図3に示すように、ボイスコイル20は、その上端部が翼状部11の背部の筒状部13の直管部18から僅かに突出するように当該直管部18に嵌合して固定され、当該上端部にはダストキャップ62が接合される。ボイスコイル20の外周部は、ダンパー22を介して支持枠3に支持されており、ボイスコイル20は支持枠3に対してボイスコイル20の軸方向に沿って往復移動自在である。ダンパー22は一般的なダイナミックスピーカに用いられる材料のものが適用される。
磁石機構21は、環状の磁石23と、この磁石23の一方の極に固定されたリング状のアウターヨーク24と、他方の極に固定されたインナーヨーク25とを備えており、インナーヨーク25の中心のポール部25aの先端部がアウターヨーク24内に配置されることにより、これらアウターヨーク24とインナーヨーク25との間に、環状に磁気ギャップ26が形成され、この磁気ギャップ26内にボイスコイル20の端部(コイル20bが巻回されている部分)が挿入状態に配置される。
支持枠3は、例えば金属材により成形され、図示例では、円形の枠状に形成されたフランジ部30と、フランジ部30の下方に延びる複数のアーム部31と、これらアーム部31の下端に形成された環状フレーム部32とを備えている。そして、そのフランジ部30の内側の空間に接合部17を下方に向けて振動板本体部10が配置され、振動板本体部10のリング板部14がエッジ部4の内周部に接着され、このエッジ部4を介してフランジ部30の上面に振動板本体部10が支持されている。したがって、エッジ部4は、振動板本体部10のリング板部14に対応して円形リング状に形成される。このエッジ部4も、一般的なダイナミックスピーカに用いられている材料のものを適用することができる。
本実施形態のスピーカユニット100では、振動板本体部10を振動の方向(谷部16の深さ方向であるz方向)に振動可能に支持する支持部35は、支持枠3とエッジ部4によって構成される。また、支持枠3の環状フレーム部32に、磁石機構21のアウターヨーク24が取り付けられることにより、磁石機構21と支持枠3とが一体に固定される。
支持枠3に振動板本体部10を取り付けた状態において、縦割り筒状面15は、図5に示すように、谷部16を介して対向している両縦割り筒状面15の周方向に沿う断面(横方向の断面)において、これら縦割り筒状面15の湾曲方向に沿って最も外側(谷部16からの距離が最も大きくなる位置)の先端どうしを結ぶ線を境界線H(図5の一点鎖線参照)とするとき、先端から谷部16に向かうにしたがって境界線Hから漸次離間する方向に湾曲する。
前述したように、縦割り筒状面15は、単一円弧面だけでなく、複数の曲率を連続させたもの、断面が放物線形状やスプライン曲線など曲率が一定ないし連続的に変化するもの、角筒状面としたもの、階段状に複数の段差部を有する形状としたものなどを採用することができるが、その先端どうしを結ぶ境界線Hを超えない形状の凸面とするのが好ましい。なお、図1において符号33は、ボイスコイル20を外部に接続するための端子を示している。
このように構成されたスピーカユニット100は、振動板本体部10に固定されたアクチュエータ2のボイスコイル20に音声信号に応じた駆動電流が流れると、その駆動電流によって生じる磁束変化と、磁気ギャップ26内の磁界とにより、ボイスコイル20に駆動電流に応じた駆動力が作用し、磁界と直交する方向(ボイスコイル20の軸方向、図5では矢印で示す上下方向であるz方向)にボイスコイル20を振動させる。これにより、このボイスコイル20に接続されている振動板本体部10が、谷部16の深さ方向に沿って振動し、表面から再生音が放射される。
この場合、振動板本体部10は、その大部分の面積を形成するように翼状部11が構成され、その谷部16の両端付近の限られた狭い面積に端板部12が形成されている。このため、振動板本体部10の大部分を構成する翼状部11の縦割り筒状面15から放射される音が、スピーカユニット100から放射される音として支配的になる。従って、リッフェル型スピーカユニットに用いられている振動板と同様に中高音域で広い指向性が得られる。
しかも、振動板本体部10は、その外周部が谷部16の深さ方向に往復振動が可能なように、エッジ部4により支持枠3に支持されているので、接合部17から外周部までの振動板本体部10の全体がアクチュエータ2によって一様に振動し、いわゆるピストンモーションによる振動が発生する。このため、従来のダイナミックスピーカと同様に、低音域においても高い音圧を有する。この場合、谷部16の両端が開放状態であると、振動板により放射された音波の一部が、その開放された空間を通って振動板の裏面側に抜けていくが、端板部12により谷部16の両端が塞がれた状態となっているので、音波の振動板本体部10の裏面側への抜けを防止し、振動板本体部10の前面の全体から効率的に放音することができる。したがって、本実施形態のスピーカユニット100によれば、低音域から中高音域までの可聴帯域の全域で広い指向性を実現することができる。
このように構成されたスピーカユニット100において、振動板本体部10の背部には筒状部13が設けられており、筒状部13の下端部にアクチュエータ2のボイスコイル20の上端部が嵌合して接合できるように、筒状部13が筒状の形状に形成されている。このため、縦割り筒状面15を直線状の接合部17で接合した形状の翼状部11を有する振動板本体部10であるにもかかわらず、通常のダイナミックスピーカと同様に、振動板本体部10を円筒状のボイスコイル20の周方向の全長にわたって接合することができる。したがって、振動板本体部10とボイスコイル20とが広い面積で強固に高い耐久性を持って接続され、これらの間の振動の伝達ロスが小さくなり、振動板本体部10とボイスコイル20との間で振動を確実に伝達することができる。しかも、本実施形態のスピーカユニット100には、アクチュエータ2として通常のダイナミックスピーカに用いられているものを適用することができ、安価に製造することができる。
一般にリッフェル型スピーカでは、振動板本体部10の中心から外周へ至る方向に応じて振動板本体部10の剛性が異なるが故に、特定の周波数で振動板本体部10を振動させると振動板本体部10に特有の振動モードの分割振動が発生し、その分割振動に応じてダストキャップ62および筒状部13が変形する。筒状部13が変形すると、当該筒状部13に連結されているボイスコイル20に過度な負荷が掛かり、ボイスコイル20も変形する。このボイスコイル20の変形によりアクチュエータ2における磁気特性にバラツキが生じ、高調波歪みが発生する。
これに対して、本実施形態のスピーカユニット100では、振動板本体部10の剛性が低い方向(谷部16と直交する方向)に延びるリブ62bがダストキャップ62に設けられており、当該方向のダストキャップ62の変形は当該リブ62bによって抑制される。つまり、谷部16と直交する方向に延びるリブ62bは、特定の周波数で振動板本体部10を振動させたときに振動板本体部10に生じる分割振動によりダストキャップ62が変形しないように当該ダストキャップ62を補強する補強部材の役割を担う。これが、振動板本体部10の剛性が低い方向(谷部16と直交する方向)に延びるリブ62bをダストキャップ62に設けた理由である。なお、谷部16と同じ方向に延びるリブ62bも上記補強部材の役割を担うが、当該リブ62bによる補強効果は谷部16と直交する方向に延びるリブ62bによる補強効果よりも低い。
本実施形態のスピーカユニット100では、振動板本体部10の分割振動に起因するダストキャップ62の変形が抑制され、筒状部13の変形および当該筒状部13に連結されたボイスコイル20の変形も抑制される。このため、本実施形態のスピーカユニット100では、ボイスコイル20の変形に起因する高調波歪みが低減される。以上が、本実施形態のスピーカユニット100において高調波歪みが低減される理由である。このように、本実施形態のスピーカユニット100によれば、リッフェル型の振動板を用いることで低音域から高音域まで広い指向特性を実現しつつ、ボイスコイルの形状とは無関係に高調波歪みを低減することが可能になる。
なお、ダストキャップ62の裏面のリブ62bに沿って延びる溝部62aを形成したのは以下の2つの理由による。第1に、リブ62bの形成に起因するダストキャップ62の質量の増加を相殺するためである。ダストキャップ62の質量が増加すると、振動体1全体の質量が増加し、駆動により多くの電力が必要となるといった不具合が発生する。ダストキャップ62の表面に、その裏面のリブ62bに沿って延びる溝部62aを形成した第1の理由はこの不具合の発生を回避するためである。第2の理由は、広い指向性を実現するための振動面を確保するためであり、谷部16と同じ方向に延びる溝部62aは主にこの理由により設けられている。
以上、本開示の一実施形態について説明したがこの実施形態を以下のように変形しても良い。
(1)上記実施形態では、リッフェル型振動板を有するスピーカユニットへの本開示の適用例を説明した。しかし、本開示の適用対象は、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部を有するスピーカユニットであれば良く、具体的には、振動板を正面視したときの形状が楕円形状またはトラック形状の振動板を有するスピーカユニットであっても良い。楕円形状またはトラック形状の振動板を有するスピーカユニットは、例えばテレビ受像機などスピーカユニットの設置領域が細長く制限される機器に用いられることが多い。楕円形状またはトラック形状の振動板も中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なることはリッフェル型スピーカの振動板と変わりはない。例えば楕円形状の振動板であれば、長軸方向の部分の剛性(振動板の中心から長軸方向に沿って外周まで至る部分の剛性)は短軸方向の部分の剛性(振動板の中心から短軸方向に沿って外周まで至る部分の剛性)よりも低いことが一般的であり、振動板としての剛性は、長軸方向よりも短軸方向の方が高くなる。つまり、力を振動板に加えたときに、長軸方向よりも短軸方向に歪みを生じやすく、当該振動板を有するスピーカユニットにおいても振動板の分割振動に起因する高調波歪みが発生し得る。しかし、楕円形状の振動板を有するスピーカユニットのダストキャップに当該振動板の長軸方向に延びるリブ(換言すれば、短軸方向と直交する方向に延びるリブ)を設けることで、高調波を低減することができる。
(2)上記実施形態では、ダストキャップ62を補強するためのリブ62bが、当該ダストキャップ62の裏面に形成されており、ダストキャップ62の表面には、リブ62bの形成に起因する質量増加の回避および振動面の確保のための溝部62aが裏面のリブ62に沿って形成されていた。しかし、楕円状の振動板またはトラック型の振動体であれば、ダストキャップの表面にリブを設け、裏面に溝部を設けても良い。これらの振動板では振動面の確保に配慮する必要はないからである。また、上記実施形態では、ダストキャップ62には、互いに直交する2つのリブ62bが裏面に形成され、かつ2つのリブ62bのうちの一方が振動板本体部10の剛性が低い方向(すなわち、振動板本体部10の剛性が高い方向と直交する方向)に延びるようにダストキャップ62が振動板本体部10に接合されていた。しかし、ダストキャップ62にリブ62bを1つだけ設け、当該リブ62bが振動板本体部10の剛性が高い方向と交わる方向(より好ましくは、振動板本体部10の剛性が高い方向と直交する方向)に延びるようにダストキャップ62を振動板本体部10に接合しても良い。前述したように、振動板本体部10の剛性が高い方向に延びるリブ62bをダストキャップ62に設けてもその補強効果は低いからである。また、各々異なる方向に延びる3つ以上のリブ62bをダストキャップ62に設け、何れかのリブ62bが振動板本体部10の剛性が高い方向と交わる方向に延びるようにダストキャップ62を振動板本体部10に接合しても良い。これらの態様によっても、振動板本体部10の分割振動に起因する高調波歪みを低減することができるからである。
上記(1)及び(2)に関連する第1乃至第3変形例を以下に説明する。図7に示すように、変形例1の振動板1aは、振動板本体部10aとダストキャップ62cを有している。振動板本体部10aは、正面視で外周縁が楕円形状となるように形成されている。振動板本体部10aの振動面を有する振動部40は、図8に示すように、x−z平面において直線状に延び、図9に示すように、y−z平面において直線状に延びるように形成される。また、振動板本体部10aの正面視において、振動部40の中央部には、z方向に振動部40を貫通する貫通穴が設けられ、この貫通孔を塞ぐように、ダストキャップ62cが設けられている。ダストキャップ62cの外側には、振動部40が接着される。ダストキャップ62cは、振動部40に形成された貫通穴と略同じ直径を有する扁平なドーム状部材であるが、ダストキャップ62とは異なり、図10に示すように、ドーム状形状の内周面側(裏面側)に、溝62dが形成されている。溝62dは、ダストキャップ62cを正面視したときに互いに直交する2つの溝62dである。また、図7に示すように、2つの溝62dに沿って直径方向に端から端まで延びる2つのリブ62eが、互いに直交するように、ダストキャップ62cの外周面(表面側)に形成されている。2つのリブ62eは、ダストキャップ62cの表面から、裏面から表面に向かう方向に突出している。図8に示すように、振動部40の下方には筒状部13が設けられている。また、図7に示すように、振動部40の外周縁には、エッジ部4との接続のための楕円形状のリング板部14aが設けられている。なお、振動部40、筒状部13、リング状部14a及びダストキャップ62cは、一体的に成形されるが、これらの部材の各々を個別に形成し、接着剤等によって一体化させても良い。なお、図示は省略するが、楕円形状のリング状板部14aと接続するエッジ部4は、リング状板部14aの楕円形状に合うように形成され、支持枠3のフランジ部30及びアーム部31も、振動板本体部10aの正面視における楕円形状に合わせて形成される。なお、その他の構成は前述の実施形態と同じである。
図7に示すように、楕円形状の振動板本体部10aは、正面視における縦方向(x方向)の大きさ(長径の長さ、又は長軸方向の長さ)が、正面視における横方向(y方向)の大きさ(短径の長さ、又は短軸方向の長さ)よりも大きい。また、正面視における振動板本体部10aの長軸と短軸の交点を中心Cとすると、図8及び図9に示すように、中心Cから振動板本体部10aの外周(中心Cから振動部40の外縁)までの、縦方向(x方向)における距離L1は、中心Cから外周までの、横方向(y方向)における距離L2よりも大きい。従って、振動板本体部10aは、中心Cから外周に至る方向に応じて剛性が異なる。具体的には、振動板本体部10aにおいて、縦方向(長軸方向)に沿って中心Cから外周に至る部分(以下、長軸部分とする)の剛性は、横方向(短軸方向)に沿って中心Cから外周に至る部分(以下、短軸部分とする)の剛性よりも小さい。このような振動板本体部10aが振動するときには、振動板本体部10aの中心から外周へ至る方向に応じて振動板本体部10aの剛性が異なるため、特定の周波数で振動板本体部10aに特有の振動モードの分割振動が発生する。上述のように、短軸部分は長軸部分よりも剛性が高いため、振動板本体部10aの振動時においては、短軸部分は振動板本体部10aの筒状部13に大きな力を及ぼしつつ、振動方向に大きく変形する。一方、長軸部分は剛性が低いため、振動板本体部10aの筒状部13に及ぼす力は大きくなく、振動方向への変位は小さい。従って、振動板本体部10aの振動時においては、短軸部分が長軸部分よりも振動方向に大きく変形するため、振動板本体部10a全体の剛性に関しては、振動板本体部10aの横方向(短軸方向、第2の方向の一例)の剛性は、縦方向(長軸方向、第1の方向の一例)の剛性よりも小さい。つまり、振動板本体部10aの横方向(短軸方向)に沿って中心から外周に至る方向の剛性は、縦方向(長軸方向)に沿って中心から外周に至る方向の剛性よりも低い。従って、正面視が楕円形状の振動板本体部10aの剛性が最大となる方向は、縦方向(長軸方向)となる。このように、振動板本体部10aの縦方向(長軸方向)の剛性が、他の方向の剛性よりも高いため、振動体本体部10aに分割振動が発生し、その分割振動に応じた力がダストキャップ62c及び筒状部13に及ぼされる。ダストキャップ62cに形成された2つのリブ62eのうちの少なくとも一方が、縦方向に交差する方向に延びていれば、横方向に沿って中心Cから外周に至る方向の振動板本体部10aの剛性を増大させることができる。本変形例1のダストキャップ62cの2つのリブ62eのうちの1つは、縦方向と交差する方向の1つである横方向に延びている。従って、本変形例1においては、振動板本体部10aの分割振動に起因するダストキャップ62aの変形が抑制され、ボイスコイル20の変形による磁気特性の高周波歪みを低減することができる。
また、上述の実施形態におけるダストキャップ62の2つの互いに直交するリブ62bが形成されているが、これを1つのリブとしても良い。例えば、図11に示すように、第2変形例の振動体1bは、振動板本体部10bとダストキャップ62fを有している。ダストキャップ62fには、中心Cから横方向に沿って外周まで至る方向に延びるリブ62gが形成されているが、中心Cから縦方向に沿って外周まで至る方向に延びるリブは形成されていない。他の構成は、上述の実施形態の振動体1と同様である。この変形例においても、振動板本体部10bの分割振動に起因するダストキャップ62fの変形が抑制され、ボイスコイル20の変形による磁気特性の高周波歪みを低減することができる。また、上述の第1変形例におけるダストキャップ62cの2つのリブ62bは、互いに直交するように形成されているが、これを1つのリブとしても良い。図12に示すように、第3変形例の振動体1cは、振動板本体部10cとダストキャップ62hを有している。ダストキャップ62hには、中心Cから縦方向に沿って外周に至る方向に延びるリブ62iが形成されているが、中心Cから横方向に沿って外周に至る方向に延びるリブは形成されていない。他の構成は、第1変形例の振動体1aと同様である。この変形例においても、振動板本体部10cの分割振動に起因するダストキャップ62hの変形が抑制され、ボイスコイル20の変形による磁気特性の高周波歪みを低減することができる。
(3)上記実施形態では、振動板1を構成する振動板本体部10とダストキャップ62(異物の侵入からアクチュエータ2を保護する保護部材)とが、それぞれ別個の部材であった。これは、振動板1を、ボイスコイル20をその上端が直管部18から僅かに突出するように筒状部13に固定して振動板本体部10を製造し(手順1)、その後、ボイスコイル20の上端(すなわち、ボビン20aの上端)にダストキャップ62を接合して貫通穴19を塞ぐ(手順2)、といった簡単な手順で精度よく振動板1を製造することを可能にするためであるが、振動板本体部10とダストキャップ62の両者を一体成型することで振動板1を構成しても良い。
(4)上記実施形態における振動板1を単体で提供しても良い。すなわち、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部と、当該振動板本体部の振動と電気信号の変換を行う変換部を異物の進入から保護する保護部材であって、当該振動板本体部の剛性が高い方向と交わる方向に延びるリブが設けられた保護部材とを有する振動板を単体で製造・販売しても良い。
(5)振動板に接続されたボイスコイルにより当該振動板の振動を交流信号に変換して出力するマイクロフォンユニットに本開示を適用しても良い。このようなマイクロフォンユニットにおいても、振動板の中心から外周に至る方向に応じて当該振動板の剛性が異なる場合には、その剛性の異方性に起因する高調波成分が出力信号に含まれることとなるが、本開示を適用することで当該高調波成分を低減することができるからである。また、本開示の適用対象はマイクロフォンユニットやスピーカユニットなどの電気音響変換器には限定されず、振動と電気信号の変換を行う変換器であれば良い。すなわち、中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部と、当該振動板本体部の振動と電気信号の変換を行う変換部と、異物の進入から当該変換部を保護する保護部材であって、当該振動板本体部の剛性が高い方向と交わる方向に延びるリブが設けられた保護部材と、を有する変換器であれば、本開示を適用することで、出力信号に含まれる高調波歪み、或いは入力信号に応じた振動板の駆動により放射される音に含まれる高調波歪みを低減することができる。
1…振動板、2…アクチュエータ(変換部)、3…支持枠、4…エッジ部、10…振動板本体部、11…翼状部、12…端板部、13…筒状部、14…リング板部、15…縦割り筒状面、16…谷部、17…接合部、18…直管部、19…貫通穴、20…ボイスコイル、20a…ボビン、20b…コイル、21…磁石機構、22…ダンパー、23…磁石、24…アウターヨーク、25…インナーヨーク、25a…ポール部、26…磁気ギャップ、30…フランジ部、31…アーム部、32…環状フレーム部、35…支持部、62…ダストキャップ(保護部材)、62a…溝部、62b…リブ。

Claims (12)

  1. 中心から外周に至る方向に応じて剛性が異なる振動板本体部と、
    前記振動板本体部の前記中心から前記外周に至る方向の剛性が最大値である第1の方向と交わる方向であって、前記剛性が前記最大値よりも小さい値である第2の方向に延びるリブが設けられた保護部材と、を有する振動板。
  2. 前記振動本体部と前記保護部材は、前記振動本体部の前記中心の位置と前記保護部材の中心の位置とが、同じ第1位置となるように互いに設けられ、
    前記リブは、前記第1位置を通り、前記第2の方向に沿って延びる請求項1に記載の振動板。
  3. 前記保護部材には、前記リブとしての第2リブが延びる方向と交差する方向に延びる第1リブがさらに設けられる請求項1又は2に記載の振動板。
  4. 前記第1リブが延びる方向が前記第1の方向である請求項3に記載の振動板。
  5. 前記保護部材には、前記第2リブが設けられ、前記第2リブが延びる方向と交差する方向に延びる第1リブは設けられない請求項1又は2に記載の振動板。
  6. 前記振動板本体部には、一対の縦割り筒状面が並列に形成され、
    前記振動板本体部は、
    隣接する前記縦割り筒状面の一方の側部どうしの間で谷部を形成した翼状部と、
    前記翼状部の前記谷部の両端を閉塞する端板部と、
    前記谷部が延伸する途中に前記谷部の深さ方向に形成され、前記振動板本体部の振動と電気信号との変換を行うコイルのボビンが連結される筒状部と、
    前記筒状部と連通する貫通穴と、を有し、
    前記保護部材は、前記貫通穴を覆うように前記ボビンに接合される請求項1から5のいずれか1項に記載の振動板。
  7. 前記第1の方向は、前記谷部が延びる方向と略平行である請求項6に記載の振動板。
  8. 前記リブは、前記谷部が延びる方向と略直交する方向に延びる請求項6又は7に記載の振動板。
  9. 前記振動板本体部は、前記振動板本体部の前記中心から前記外周までの、前記リブが延びる前記第2の方向における第2距離が、前記振動板本体部の前記中心から前記外周までの前記第1の方向における第1距離よりも大きい請求項1から5のいずれか1項に記載の振動板。
  10. 前記振動板本体部と前記保護部材は、一体成型される請求項1から9のいずれか1項に記載の振動板。
  11. 前記振動板本体部は、前記保護部材の外側に固定される請求項1から9のいずれか1項に記載の振動板。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の振動板を備える電気音響変換器。
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