JPWO2019082835A1 - 車両用操向装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面の状態に影響されず、経年によるステアリング操舵系の機構特性の変化に左右されず、操舵角等の車両運転情報に対して同等の操舵トルクを容易に実現することが可能な車両用操向装置を提供する。【解決手段】操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、車両運転情報に応じた目標捩れ角及び捩れ角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、捩れ角制御部が、目標捩れ角及び捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、目標捩れ角速度及び捩れ角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、モータ電流指令値に基づいてモータを駆動制御する。【選択図】図9

Description

本発明は、トーションバーの捩れ角等を車両運転情報に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現し、路面の状態に影響されず、経年による機構系特性の変化に左右されない高性能な車両用操向装置に関する。
車両用操向装置の1つである電動パワーステアリング装置(EPS)は、車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力(操舵補助力)を付与するものであり、インバータから供給される電力で制御されるモータの駆動力を、減速機構を含む伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力として付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、トーションバーを有するコラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTsを検出するトルクセンサ10及び操舵角θhを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(MCU、MPU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(=Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI(比例積分)制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
このように、従来の電動パワーステアリング装置でのアシスト制御では、運転者の手入力にて加えられた操舵トルクをトーションバーの捩れトルクとしてトルクセンサで検出し、主にそのトルクに応じたアシスト電流としてモータ電流を制御している。しかしながら、この方法で制御を行なう場合、路面の状態(例えば傾斜)の違いにより、操舵角によって異なる操舵トルクとなってしまうことがある。モータ出力特性の経年使用によるバラツキによっても、操舵トルクに影響を与えることがある。
かかる問題を解決するために、例えば、特許第5208894号公報(特許文献1)に示されるような電動パワーステアリング装置が提案されている。特許文献1の電動パワーステアリング装置では、運転者の触覚特性に基づく適切な操舵トルクを与えるために、操舵角又は操舵トルクと手応え量との関係に基づいて決定される操舵角と操舵トルクとの関係(操舵反力特性マップ)に基づいて、操舵トルクの目標値を設定している。
特許第5208894号公報
しかしながら、特許文献1の電動パワーステアリング装置では、操舵反力特性マップを予め求めておかなければならず、また、操舵トルクの目標値と検出される操舵トルクとの偏差に基づいて制御を行っているので、操舵トルクに対する影響が残ってしまうおそれがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、路面の状態に影響されず、経年によるステアリング操舵系の機構特性の変化に左右されず、操舵角等の車両運転情報に対して同等の操舵トルクを容易に実現することが可能な車両用操向装置を提供することにある。
本発明は、任意のバネ定数を有するトーションバー及び捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置に関し、本発明の上記目的は、車両運転情報に応じた目標捩れ角及び前記捩れ角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
または、本発明の上記目的は、車両運転情報に応じた目標捩れ角、前記捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
または、本発明の上記目的は、車両運転情報に応じた目標捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記第1回転角より求められる目標回転角並びに前記第2回転角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備することにより、或いは、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備することにより、或いは、前記車両運転情報に基づいて目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、前記目標操舵トルクを、前記捩れ角制御部で使用される前記目標捩れ角に変換する変換部とを更に備えることにより、或いは、前記目標操舵トルク生成部が、車速感応である基本マップを用いて前記車両運転情報より第1トルク信号を求める基本マップ部と、車速感応であるダンパゲインマップを用いて角速度情報に基づいて第2トルク信号を求めるダンパ演算部と、操舵状態に応じて前記車両運転情報をヒステリシス補正して第3トルク信号を求めるヒステリシス補正部とを具備し、前記第1トルク信号、前記第2トルク信号及び前記第3トルク信号より前記目標操舵トルクを算出することにより、或いは、前記モータ電流指令値に、操舵トルクに基づいて演算されるアシスト電流指令値を加算して求められる電流指令値に基づいて、前記モータを駆動制御することにより、より効果的に達成される。
本発明の車両用操向装置によれば、車両運転情報に応じた目標捩れ角に基づいて演算される目標捩れ角速度又は目標角速度に対して比例補償による速度制御を行うことにより、目標捩れ角に捩れ角が追従するように動作し、車両運転情報に対して所望の操舵トルクを実現し、運転者の操舵の感覚に基づく適切な操舵トルクを与えることができる。捩れ角制御部が捩れ角速度又は角速度を制御する速度制御部を備えており、これにより目標捩れ角への追従性が向上し、更に、運転者から入力される操舵角の変化による捩れ角への影響を抑制し、急な操舵に対する目標捩れ角への捩れ角の追従性を向上することができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)内の構成例を示すブロック図である。 EPS操舵系と各種センサの設置例を示す構造図である。 本発明の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 目標操舵トルク生成部の構成例を示すブロック図である。 基本マップの特性例を示す線図である。 ダンパゲインマップの特性例を示す線図である。 ヒステリシス補正部の特性例を示す線図である。 捩れ角制御部の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。 目標操舵トルク生成部の動作例を示すフローチャートである。 捩れ角制御部の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 シミュレーションで使用する操舵角の時系列例を示すグラフである。 捩れ角制御を行わない場合のシミュレーション結果である。 捩れ角制御を行う場合のシミュレーションでの目標操舵トルクの出力例を示す線図である。 捩れ角制御を行う場合のシミュレーション結果である。 捩れ角制御部の構成例(第2実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の動作例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 捩れ角制御部の構成例(第3実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の動作例(第3実施形態)を示すフローチャートである。 本発明の構成例(第4実施形態)を示すブロック図である。 位相補償部の挿入例を示すブロック図である。
本発明は、路面の状態に影響されず、操舵角、車速、操舵状態等の車両運転情報に対して同等の操舵トルクを実現するための車両用操向装置であり、トーションバーの捩れ角等を、車両運転情報に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現している。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず、本発明に係る車両用操向装置の1つである電動パワーステアリング装置に関連する情報を検出する各種センサの設置例について説明する。図3は、EPS操舵系と各種センサの設置例を示す図であり、コラム軸2にはトーションバー2Aが備えられている。操向車輪8L,8Rには路面反力Fr及び路面情報μが作用する。トーションバー2Aを挟んでコラム軸2のハンドル側には上側角度センサが設けられ、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2の操向車輪側には下側角度センサが設けられており、上側角度センサはハンドル角θを検出し、下側角度センサはコラム角θを検出する。操舵角θhはコラム軸2の上部に設けられた舵角センサで検出され、ハンドル角θ及びコラム角θの偏差から、下記数1及び数2によってトーションバーの捩れ角Δθ及びトーションバートルクTtを求めることができる。なお、Ktはトーションバー2Aのバネ定数である。
Figure 2019082835
Figure 2019082835
なお、トーションバートルクTtは、例えば特開2008−216172号公報で示されるトルクセンサを用いて検出することも可能である。
次に、本発明の構成例について説明する。
図4は本発明の構成例(第1実施形態)を示すブロック図であり、運転者のハンドル操舵はEPS操舵系/車両系100内のモータでアシスト制御される。車両運転情報である操舵角θhに応じた目標操舵トルクTrefを出力する目標操舵トルク生成部120には、操舵角θhの他に、車両運転情報である車速Vs及び右切り/左切り判定部110から出力される右切り又は左切りの操舵状態STsが入力される。目標操舵トルクTrefは変換部130で目標捩れ角Δθrefに変換され、目標捩れ角Δθrefは、トーションバー2Aの捩れ角Δθと共に捩れ角制御部140に入力される。捩れ角制御部140は、捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefとなるようなモータ電流指令値Imcを演算し、モータ電流指令値ImcによりEPSのモータが駆動される。
右切り/左切り判定部110は、モータ角速度ωmを基に操舵が右切りか左切りかを判定し、判定結果を操舵状態STsとして出力する。即ち、モータ角速度ωmが正の値の場合は「右切り」と判定し、負の値の場合は「左切り」と判定する。なお、モータ角速度ωmの代わりに、操舵角θh、ハンドル角θ又はコラム角θに対して速度演算を行って算出される角速度を用いても良い。
図5は目標操舵トルク生成部120の構成例を示しており、目標操舵トルク生成部120は、基本マップ部121、微分部122、ダンパゲイン部123、ヒステリシス補正部124、乗算部125並びに加算部126及び127を備え、操舵角θhは基本マップ部121、微分部122及びヒステリシス補正部124に入力され、右切り/左切り判定部110から出力される操舵状態STsはヒステリシス補正部124に入力される。
基本マップ部121は、基本マップを有し、基本マップを用いて、車速Vsをパラメータとするトルク信号(第1トルク信号)Tref_aを出力する。基本マップはチューニングにより調整されており、例えば、図6(A)に示されるように、トルク信号Tref_aは、操舵角θhの大きさ(絶対値)|θh|が増加するにつれて増加し、車速Vsが増加するにつれても増加するようになっている。なお、図6(A)において、符号部121Aは操舵角θhの符号(+1、−1)を乗算部121Bに出力しており、操舵角θhの大きさからマップによりトルク信号Tref_aの大きさを求め、これに操舵角θhの符号を乗算し、トルク信号Tref_aを求める構成となっているが、図6(B)に示されるように、正負の操舵角θhに応じてマップを構成しても良く、この場合、操舵角θhが正の場合と負の場合とで変化の態様を変えても良い。
微分部122は、操舵角θhを微分して舵角速度ωhを算出し、舵角速度ωhは乗算部125に入力される。
ダンパゲイン部123は、舵角速度ωhに乗算されるダンパゲインDを出力する。乗算部125にてダンパゲインDを乗算された舵角速度ωhは、トルク信号(第2トルク信号)Tref_bとして加算部127に入力される。ダンパゲインDは、ダンパゲイン部123が有する車速感応型のダンパゲインマップを用いて、車速Vsに応じて求められる。ダンパゲインマップは、例えば、図7に示されるように、車速Vsが高くなるに従って徐々に大きくなる特性を有する。ダンパゲインマップは操舵角θhに応じて可変としても良い。なお、ダンパゲイン部123及び乗算部125でダンパ演算部を構成している。
ヒステリシス補正部124は操舵角θh及び操舵状態STsに基づき、下記数3に従ってトルク信号(第3トルク信号)Tref_cを演算する。なお、下記数3では、x=θh、y=Tref_cとしており、Ahysはヒステリシス幅である。
Figure 2019082835
右切り操舵から左切り操舵、左切り操舵から右切り操舵へ切り替える際に、最終座標(x1,y1)の値に基づき、切り替え後の数3の“b”に以下の数4を代入する。これにより、切り替え前後の連続性が保たれる。
Figure 2019082835
数3及び数4においてAhys=1[Nm]、a=0.3と設定し、0[deg]から開始し、+50[deg]、−50[deg]の操舵をした場合の、ヒステリシス補正されたトルク信号Tref_cの線図例を図8に示す。即ち、ヒステリシス補正部124からのトルク信号Tref_cは、0の原点→L1(細線)→L2(破線)→L3(太線)のようなヒステリシス特性である。
なお、ヒステリシス特性の出力幅を表す係数であるAhys及び丸みを表す係数であるaを、車速Vs及び/又は操舵角θhに応じて可変としても良い。
トルク信号Tref_a、Tref_b及びTref_cは、加算部126及び127で加算され、加算結果が目標操舵トルクTrefとして出力される。
なお、舵角速度ωhは、操舵角θhに対する微分演算により求めているが、高域のノイズの影響を低減するために適度にローパスフィルタ(LPF)処理を実施している。また、ハイパスフィルタ(HPF)とゲインにより、微分演算とLPFの処理を実施しても良い。更に、舵角速度ωhは、操舵角θhではなく、上側角度センサが検出するハンドル角θ又は下側角度センサが検出するコラム角θに対して微分演算とLPFの処理を行って算出しても良い。舵角速度ωhの代わりにモータ角速度ωmを使用しても良く、この場合、微分部122は不要となる。
変換部130は、トーションバー2Aのバネ定数Ktの逆数の符号を反転した−1/Ktの特性を有しており、目標操舵トルクTrefを目標捩れ角Δθrefに変換する。
捩れ角制御部140は、目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθに基づいてモータ電流指令値Imcを演算する。図9は捩れ角制御部140の構成例を示すブロック図であり、捩れ角制御部140は、入力制限部141、レート制限部142、捩れ角フィードバック(FB)補償部143、捩れ角速度演算部144、速度制御部150、出力制限部145及び減算部146を備える。
入力制限部141は、通信やマイコン、ECUの演算等において、目標捩れ角Δθrefが異常値となった場合に、捩れ角制御部140が異常なモータ電流指令値Imcを出力しないように、目標捩れ角Δθrefの上下限値を制限する。目標捩れ角Δθrefに対する上限値及び下限値を予め設定しておき、入力した目標捩れ角Δθrefが上限値以上の場合は上限値を目標捩れ角Δθref’とし、下限値以下の場合は下限値を目標捩れ角Δθref’とし、それ以外の場合は目標捩れ角Δθrefをそのまま目標捩れ角Δθref’として出力する。設定する上限値及び下限値としては、制御上使用する捩れ角の最大値及び最小値でも良いし、検出可能な捩れ角の範囲の最大値及び最小値でも良い。これにより、安全性の確保を図る。
レート制限部142は、目標捩れ角Δθrefが異常値となった場合に、値が連続的に変化せず、不連続的に変動することを防止するために、目標捩れ角Δθref’の変化量に対して制限をかける。通常では目標捩れ角は連続的に変化し、レート制限部142による制限はかからないが、何らかの異常により一時的に目標捩れ角が異常値になった場合、レート制限部142により制限をかけることによって、不連続的な変化を防止する。例えば、1サンプル前の目標捩れ角Δθref’からの差分を変化量とし、その変化量の絶対値が所定の値より大きい場合、変化量の絶対値がその所定の値となるように目標捩れ角Δθref’を加減算し、目標捩れ角Δθref”として出力し、所定の値以下の場合は、目標捩れ角Δθref’をそのまま目標捩れ角Δθref”として出力する。1サンプル前の目標捩れ角Δθref’に対する差分の割合を変化量とする等により、制限をかけても良い。
なお、入力制限部141とレート制限部142の配置は逆にしても良いが、図9のような配置が好ましい。また、異常値や不連続値への対応を別の手段で行なう場合等では、入力制限部141及び/又はレート制限部142は削除可能である。
捩れ角FB補償部143は、減算部146で算出される目標捩れ角Δθref”と捩れ角Δθの偏差Δθに対して補償値CFB(伝達関数)を乗算し、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθが追従するような目標捩れ角速度ωrefを出力する。補償値CFBは単純なゲインKppでも、PI制御の補償値など一般的に用いられている補償値でも良い。目標捩れ角速度ωrefは速度制御部150に入力される。捩れ角FB補償部143と速度制御部150により、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθを追従させ、所望の操舵トルクを実現することが可能となる。
捩れ角速度演算部144は、捩れ角Δθに対する微分演算により捩れ角速度ωtを算出し、捩れ角速度ωtは速度制御部150に入力される。微分演算として、HPFとゲインによる擬似微分を行なっても良い。
速度制御部150は、目標捩れ角速度ωrefに捩れ角速度ωtが追従するようなモータ電流指令値(制限前モータ電流指令値)Imcbを算出する。減算部151で目標捩れ角速度ωrefと捩れ角速度ωtとの差分(ωref−ωt)を算出し、その差分に補償部152にて補償値Kvを乗算し、モータ電流指令値Imcbとして出力する。補償値Kvとして比例(P)補償の補償値を使用するが、比例積分(PI)補償等の補償値でも良い。
出力制限部145は、速度制御部150から出力されるモータ電流指令値Imcbの上下限値を制限して、モータ電流指令値Imcを出力する。入力制限部141と同様に、モータ電流指令値Imcbに対する上限値及び下限値を予め設定して制限をかける。
このような構成において、本実施形態の動作例を図10〜図12のフローチャートを参照して説明する。
動作を開始すると、右切り/左切り判定部110は、モータ角速度ωmを入力し、モータ角速度ωmの符号を基に操舵が右切りか左切りかを判定し、判定結果を操舵状態STsとして、目標操舵トルク生成部120に出力する(ステップS10)。
目標操舵トルク生成部120は、操舵状態STsと共に、操舵角θh及び車速Vsを入力し、目標操舵トルクTrefを生成する(ステップS20)。目標操舵トルク生成部120の動作例については、図11のフローチャートを参照して説明する。
目標操舵トルク生成部120に入力された操舵角θhは基本マップ部121、微分部122及びヒステリシス補正部124に、操舵状態STsはヒステリシス補正部124に、車速Vsは基本マップ部121及びダンパゲイン部123にそれぞれ入力される(ステップS21)。
基本マップ部121は、図6(A)又は(B)に示される基本マップを用いて、操舵角θh及び車速Vsに応じたトルク信号Tref_aを生成して、加算部126に出力する(ステップS22)。
微分部122は操舵角θhを微分して舵角速度ωhを出力し(ステップS23)、ダンパゲイン部123は図7に示されるダンパゲインマップを用いて車速Vsに応じたダンパゲインDを出力し(ステップS24)、乗算部125は舵角速度ωh及びダンパゲインDを乗算してトルク信号Tref_bを演算し、加算部127に出力する(ステップS25)。
ヒステリシス補正部124は、操舵角θhに対して、操舵状態STsに応じて数3及び数4による演算を切り替えてヒステリシス補正を実施し(ステップS26)、トルク信号Tref_cを生成し、加算部127に出力する(ステップS27)。なお、数3及び数4におけるヒステリシス幅Ahys、a、x1及びy1は予め設定し保持されているが、数4より操舵方向(右切り、左切り)別にbを予め算出し、x1及びy1の代わりにbを保持するようにしても良い。
そして、加算部127にてトルク信号Tref_b及びTref_cが加算され、更に、その加算結果にトルク信号Tref_aが加算部126にて加算され、目標操舵トルクTrefが演算される(ステップS28)。
目標操舵トルク生成部120で生成された目標操舵トルクTrefは変換部130に入力され、変換部130で目標捩れ角Δθrefに変換される(ステップS30)。目標捩れ角Δθrefは捩れ角制御部140に入力される。
捩れ角制御部140は、目標捩れ角Δθrefと共に、捩れ角Δθを入力し、モータ電流指令値Imcを演算する(ステップS40)。捩れ角制御部140の動作例については、図12のフローチャートを参照して説明する。
捩れ角制御部140に入力された目標捩れ角Δθrefは入力制限部141に、捩れ角Δθは捩れ角速度演算部144及び減算部146にそれぞれ入力される(ステップS41)。
入力制限部141は、予め設定された上限値及び下限値により目標捩れ角Δθrefの上下限値を制限し、目標捩れ角Δθref’としてレート制限部142に出力し(ステップS42)、レート制限部142は、目標捩れ角Δθref’の変化量に対して制限をかけて、目標捩れ角Δθref”として減算部146に出力する(ステップS43)。
減算部146では、目標捩れ角Δθref”から捩れ角Δθを減算することにより、偏差Δθが算出される(ステップS44)。偏差Δθは捩れ角FB補償部143に入力され、捩れ角FB補償部143は、偏差Δθに補償値CFBを乗算することにより偏差Δθを補償し(ステップS45)、目標捩れ角速度ωrefを速度制御部150に出力する。
捩れ角Δθを入力した捩れ角速度演算部144は、捩れ角Δθに対する微分演算により捩れ角速度ωtを算出し(ステップS46)、速度制御部150に出力する。
速度制御部150では、目標捩れ角速度ωrefと捩れ角速度ωtの差分が減算部151で算出され、その差分に補償部152で補償値Kvによる比例処理を施され、比例処理結果がモータ電流指令値Imcbとして出力制限部145に出力される(ステップS47)。
出力制限部145は、予め設定された上限値及び下限値によりモータ電流指令値Imcbの上下限値を制限し(ステップS48)、モータ電流指令値Imcとして出力する(ステップS49)。
捩れ角制御部140から出力されたモータ電流指令値Imcに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される(ステップS50)。
なお、図10〜図12におけるデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
本実施形態による目標操舵トルクへの追従性の効果について、シミュレーション結果を基に説明する。
先ず、従来のアシスト制御のみを行った場合のシミュレーション結果を示す。通常の操舵を想定し、図13に示されるように、操舵角θhを、約30degの振幅で、約1.0Hzの周波数で、正弦波状に変化させ、その場合の操舵角θh及び操舵トルク(トーションバートルク)Ttの応答のシミュレーションを行った。なお、図13において、横軸は時間[sec]、縦軸は操舵角[deg]である。
シミュレーション結果の時系列波形を図14に示す。図14において、横軸は操舵角[deg]、縦軸は操舵トルク[Nm]であり、操舵角がプラスの場合、操舵トルクもプラスとなるように符号を反転して調整している。アシスト制御では目標操舵トルクは存在しないので、アシスト制御のみを行った場合は、出力されたままの特性となっている。
次に、捩れ角制御を行った場合のシミュレーション結果を示す。捩れ角制御では、捩れ角FB補償部143及び速度制御部150での補償部152の補償値は共に比例ゲインとし、捩れ角速度演算部144は、カットオフ周波数が50Hzで、伝達関数が下記数5で表されるHPFの構造としている(Thpfはフィルタの時定数)。
Figure 2019082835
入力する操舵角θhは、アシスト制御のみを行った場合と同じく、図13に示されるような正弦波状のデータで、この場合、目標操舵トルク生成部120から出力される目標操舵トルクTrefは図15に示されるような波形となる。図15において、横軸は操舵角[deg]、縦軸は目標操舵トルク[Nm]である。
図16がシミュレーション結果で、横軸は操舵角[deg]、縦軸は操舵トルク[Nm]であり、図14の場合と同様に、操舵角がプラスの場合、操舵トルクもプラスとなるように符号を反転して調整している。図15及び図16から、全域において目標操舵トルクに比較的良く追従していることがわかる。
本発明の他の構成例について説明する。
トーションバー2Aの捩れ角Δθは、数1で示されるように、ハンドル角θ及びコラム角θの偏差として置き換えることができるので、図9に示される第1実施形態での捩れ角制御部140を、第1実施形態が有する効果はそのままで、図17に示されるような構成例(第2実施形態)に等価交換することができる。
第2実施形態での捩れ角制御部には、第1実施形態での捩れ角制御部140と比べると、目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθの他に、ハンドル角(第1回転角)θ及びコラム角(第2回転角)θが入力され、捩れ角Δθに対する捩れ角速度演算部144の代わりに、ハンドル角θ及びコラム角θそれぞれに対する角速度演算部244及び247が追加され、更に加算部248が追加されている。目標捩れ角速度ωrefにハンドル角θを微分演算して算出されるハンドル角速度(第1角速度)ωを加算したものを目標角速度ωrefcとすることにより、速度制御部150をコラム角速度(第2角速度)の速度制御構成と見ることができる。
第2実施形態の動作例は、第1実施形態と比較すると、捩れ角制御部の動作が異なるだけで、他の動作は同じである。
第2実施形態の捩れ角制御部の動作例を図18のフローチャートで示しており、動作開始から捩れ角FB補償を行なうステップS45までは第1実施形態と同じ動作で、捩れ角FB補償部143から出力された目標捩れ角速度ωrefは加算部248に入力される。また、ハンドル角θを入力した角速度演算部244は、微分演算によりハンドル角速度ωを算出し(ステップS46A)、ハンドル角速度ωは加算部248で目標捩れ角速度ωrefを加算され、目標角速度ωrefcとして速度制御部150に出力される(ステップS46B)。コラム角θを入力した角速度演算部247は、微分演算によりコラム角速度ωを算出し(ステップS46C)、速度制御部150に出力する。そして、速度制御部150は、目標角速度ωrefc及びコラム角速度ωに基づいて速度制御を行う(ステップS47)。それ以降は、第1実施形態と同じ動作である。
捩れ角Δθをハンドル角θ及びコラム角θの偏差に置き換えることにより、第2実施形態の他に、図19に示されるような構成例(第3実施形態)に、第1実施形態が有する効果はそのままで、捩れ角制御部140を等価交換することができる。
第3実施形態での捩れ角制御部には、第2実施形態での捩れ角制御部と比べると、捩れ角Δθが入力されておらず、加算部349が追加されている。目標捩れ角Δθref”にハンドル角θを加算したものを目標回転角θrefcとし、目標回転角θrefcとコラム角θとの偏差Δθに補償値CFBを乗算し、更にハンドル角速度ωを加算したものを目標角速度ωrefcとすることにより、第2実施形態の場合と同様に、速度制御部150をコラム角速度の速度制御構成と見ることができる。
第3実施形態の動作例は、第2実施形態と比較すると、捩れ角制御部の動作が異なるだけで、他の動作は同じである。
第3実施形態の捩れ角制御部の動作例を図20のフローチャートで示しており、動作開始からレート制限を行なうステップS43までは第2実施形態と同じ動作で、レート制限部142から出力された目標捩れ角Δθref”は加算部349に入力される。加算部349にはハンドル角θも入力されており、目標捩れ角Δθref”及びハンドル角θの加算結果が目標回転角θrefcとして出力される(ステップS43A)。目標回転角θrefcは減算部146にてコラム角θを減算され、偏差Δθが算出される(ステップS44)。それ以降は、第2実施形態と同じ動作である。
なお、第2及び第3実施形態において、減速機構を単純に減速比変換とすることにより、モータ角速度を減速比で除算したデータを、コラム角速度ωとして使用しても良い。この場合、角速度演算部247は不要となる。また、ハンドル角θの代わりに操舵角θhを使用しても良い。
第1〜第3実施形態での捩れ角制御部から出力されるモータ電流指令値Imcに、従来のEPSにおいて操舵トルクに基づいて演算される電流指令値(アシスト電流指令値)を、例えば、図2に示される電流指令値演算部31から出力される電流指令値Iref1又は電流指令値Iref1に補償信号CMを加算した電流指令値Iref2等を加算しても、所望の操舵トルクを実現することが可能である。
第1実施形態に対して、上記の内容を適用した構成例(第4実施形態)を図21に示す。アシスト制御部400は、電流指令値演算部31、又は、電流指令値演算部31、補償信号生成部34及び加算部32Aから構成される。アシスト制御部400から出力されるアシスト電流指令値Iac(図2における電流指令値Iref1又はIref2に相当)と、捩れ角制御部140から出力されるモータ電流指令値Imcは、加算部460で加算され、加算結果である電流指令値Icは電流制限部470に入力され、最大電流を制限された電流指令値Icmに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される。
上述の実施形態(第1〜第4実施形態)での目標操舵トルク生成部120において、コストや処理時間を重視する場合等では、ダンパ演算部及び/又はヒステリシス補正部124を省略しても良い。ダンパ演算部を省略する場合、微分部122及び加算部127も省略可能で、ヒステリシス補正部124を省略する場合、右切り/左切り判定部110及び加算部127も省略可能である。また、基本マップ部121の前段又は後段に位相補償を行なう位相補償部128を挿入しても良い。つまり、図5中の破線で囲まれた領域Rの構成を、図22(A)又は(B)に示されるような構成にしても良い。位相補償部128において、位相補償として位相進み補償を設定し、例えば、分子のカットオフ周波数を1.0Hz、分母のカットオフ周波数を1.3Hzとした1次フィルタで位相進み補償を行う場合、スッキリしたフィールを実現することができる。目標操舵トルク生成部に関しては、車両運転情報に基づいた構成であるならば、上述の構成に限られない。
なお、図1及び図3では本発明をコラム型EPSに適用しているが、本発明はコラム型等の上流型に限られず、ラック&ピニオン等の下流型EPSにも適用可能である。更に、目標捩れ角に基づくフィードバック制御を行うということでは、トーションバー(バネ定数任意)及び捩れ角検出用のセンサを少なくとも備えるステアバイワイヤ反力装置等にも適用可能である。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
2A トーションバー
3 減速機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33、470 電流制限部
34 補償信号生成部
100 EPS操舵系/車両系
110 右切り/左切り判定部
120 目標操舵トルク生成部
121 基本マップ部
123 ダンパゲイン部
124 ヒステリシス補正部
128 位相補償部
130 変換部
140 捩れ角制御部
141 入力制限部
142 レート制限部
143 捩れ角フィードバック(FB)補償部
144 捩れ角速度演算部
145 出力制限部
150 速度制御部
152 補償部
244、247 角速度演算部
400 アシスト制御部

Claims (12)

  1. 任意のバネ定数を有するトーションバー及び捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    車両運転情報に応じた目標捩れ角及び前記捩れ角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、
    前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、
    前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、
    前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。
  2. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項1に記載の車両用操向装置。
  3. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項1又は2に記載の車両用操向装置。
  4. 任意のバネ定数を有するトーションバー及び捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    車両運転情報に応じた目標捩れ角、前記捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、
    前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、
    前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、
    前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、
    前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。
  5. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項4に記載の車両用操向装置。
  6. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項4又は5に記載の車両用操向装置。
  7. 任意のバネ定数を有するトーションバー及び捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
    車両運転情報に応じた目標捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角及び前記第1回転角より求められる目標回転角並びに前記第2回転角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、
    前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、
    前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて比例補償を行なうことにより制限前モータ電流指令値を算出する速度制御部と、
    前記制限前モータ電流指令値の上下限値を制限して、前記モータ電流指令値を出力する出力制限部とを具備し、
    前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。
  8. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項7に記載の車両用操向装置。
  9. 前記捩れ角制御部が、
    前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項7又は8に記載の車両用操向装置。
  10. 前記車両運転情報に基づいて目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、
    前記目標操舵トルクを、前記捩れ角制御部で使用される前記目標捩れ角に変換する変換部とを更に備える請求項1乃至9のいずれかに記載の車両用操向装置。
  11. 前記目標操舵トルク生成部が、
    車速感応である基本マップを用いて前記車両運転情報より第1トルク信号を求める基本マップ部と、
    車速感応であるダンパゲインマップを用いて角速度情報に基づいて第2トルク信号を求めるダンパ演算部と、
    操舵状態に応じて前記車両運転情報をヒステリシス補正して第3トルク信号を求めるヒステリシス補正部とを具備し、
    前記第1トルク信号、前記第2トルク信号及び前記第3トルク信号より前記目標操舵トルクを算出する請求項10に記載の車両用操向装置。
  12. 前記モータ電流指令値に、操舵トルクに基づいて演算されるアシスト電流指令値を加算して求められる電流指令値に基づいて、前記モータを駆動制御する請求項1乃至11のいずれかに記載の車両用操向装置。
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