JP2021123288A - 車両用操向装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】路面の状態に影響されず、経年によるステアリング操舵系の機構特性の変化に左右されず、操舵角等に対して同等の操舵トルクを容易に実現することが可能な車両用操向装置を提供する。【解決手段】操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、目標捩れ角に対して捩れ角を追従させるようなモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、捩れ角制御部が、目標捩れ角及び捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、目標捩れ角速度及び捩れ角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を補正モータ電流指令値によって補正してモータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、モータ電流指令値に基づいてモータを駆動制御する。【選択図】図9
Description
本発明は、トーションバー等の捩れ角に基づいて所望の操舵トルクを実現し、路面の状態に影響されず、経年による機構系特性の変化に左右されない高性能な車両用操向装置に関する。
車両用操向装置の1つである電動パワーステアリング装置(EPS)は、車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力(操舵補助力)を付与するものであり、インバータから供給される電力で制御されるモータの駆動力を、減速機構を含む伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力として付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、トーションバーを有するコラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTsを検出するトルクセンサ10及び操舵角θhを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(MCU、MPU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(=Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI(比例積分)制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
このように、従来の電動パワーステアリング装置でのアシスト制御では、運転者の手入力にて加えられた操舵トルクをトーションバーの捩れトルクとしてトルクセンサで検出し、主にそのトルクに応じたアシスト電流としてモータ電流を制御している。しかしながら、この方法で制御を行なう場合、路面の状態(例えば傾斜)の違いにより、操舵角によって異なる操舵トルクとなってしまうことがある。モータ出力特性の経年使用によるバラツキによっても、操舵トルクに影響を与えることがある。
かかる問題を解決するために、例えば、特許第5208894号公報(特許文献1)に示されるような電動パワーステアリング装置が提案されている。特許文献1の電動パワーステアリング装置では、運転者の触覚特性に基づく適切な操舵トルクを与えるために、操舵角又は操舵トルクと手応え量との関係に基づいて決定される操舵角と操舵トルクとの関係(操舵反力特性マップ)に基づいて、操舵トルクの目標値を設定している。
しかしながら、特許文献1の電動パワーステアリング装置では、操舵反力特性マップを予め求めておかなければならず、また、操舵トルクの目標値と検出される操舵トルクとの偏差に基づいて制御を行っているので、操舵トルクに対する影響が残ってしまうおそれがある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、路面の状態に影響されず、経年によるステアリング操舵系の機構特性の変化に左右されず、操舵角等に対して同等の操舵トルクを容易に実現することが可能な車両用操向装置を提供することにある。
本発明は、任意のバネ定数を有するトーションバー及び前記トーションバーの捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置に関し、本発明の上記目的は、目標捩れ角に対して前記捩れ角を追従させるようなモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
または、本発明の上記目的は、目標捩れ角、前記捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
または、本発明の上記目的は、目標捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角及び前記第1回転角より求められる目標回転角並びに前記第2回転角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、速度制御部が、第1角速度情報及びモータ情報に基づいて前記補正モータ電流指令値を算出する外乱オブザーバを具備することにより、或いは、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備することにより、或いは、前記捩れ角制御部が、前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備することにより、或いは、前記捩れ角制御部が、前記モータ電流指令値の上下限値を制限する出力制限部を更に具備することにより、或いは、目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、前記目標操舵トルクを、前記捩れ角制御部で使用される前記目標捩れ角に変換する変換部とを更に備えることにより、或いは、前記目標操舵トルク生成部が、車速感応である基本マップを用いて操舵角及び車速より第1トルク信号を求める基本マップ部と、車速感応であるダンパゲインマップを用いて第2角速度情報に基づいて第2トルク信号を求めるダンパ演算部と、操舵状態及び前記操舵角を用いてヒステリシス補正を行って第3トルク信号を求めるヒステリシス補正部とを具備し、前記第1トルク信号、前記第2トルク信号及び前記第3トルク信号の内の少なくとも1つの信号より前記目標操舵トルクを算出することにより、より効果的に達成される。
本発明の車両用操向装置によれば、目標捩れ角に基づいて演算される目標捩れ角速度に対して速度制御を行うことにより、目標捩れ角に捩れ角が追従するように動作し、所望の操舵トルクを実現し、運転者の操舵の感覚に基づく適切な操舵トルクを与えることができる。
また、外部オブザーバを用いることにより、路面からの外乱が加わった場合の目標捩れ角への影響を抑制することができる。
本発明は、路面の状態に影響されず、操舵角等に対して同等の操舵トルクを実現するための車両用操向装置であり、トーションバー等の捩れ角を、操舵角等に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現している。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
先ず、本発明に係る車両用操向装置の1つである電動パワーステアリング装置に関連する情報を検出する各種センサの設置例について説明する。図3は、EPS操舵系と各種センサの設置例を示す図であり、コラム軸2にはトーションバー2Aが備えられている。操向車輪8L,8Rには路面反力Fr及び路面情報μが作用する。トーションバー2Aを挟んでコラム軸2のハンドル側には上側角度センサが設けられ、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2の操向車輪側には下側角度センサが設けられており、上側角度センサはハンドル角θ1を検出し、下側角度センサはコラム角θ2を検出する。操舵角θhはコラム軸2の上部に設けられた舵角センサで検出され、ハンドル角θ1及びコラム角θ2の偏差から、下記数1及び数2によってトーションバーの捩れ角Δθ及びトーションバートルクTtを求めることができる。なお、Ktはトーションバー2Aのバネ定数である。
次に、本発明の構成例について説明する。
図4は本発明の構成例(第1実施形態)を示すブロック図であり、運転者のハンドル操舵はEPS操舵系/車両系100内のモータでアシスト制御される。目標操舵トルクTrefを出力する目標操舵トルク生成部120には、操舵角θhの他に、車速Vs及び右切り/左切り判定部110から出力される右切り又は左切りの操舵状態STsが入力される。目標操舵トルクTrefは変換部130で目標捩れ角Δθrefに変換され、目標捩れ角Δθrefは捩れ角制御部140に入力される。捩れ角制御部140は、トーションバー2Aの捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefとなるようなモータ電流指令値Imcを演算し、その演算のために、目標捩れ角Δθrefの他に、捩れ角Δθ及びモータ角速度ωm、並びにメモリ150に記憶されている、捩れ角制御部140が前回(1サンプル前)に出力したモータ電流指令値Imc’を入力する。捩れ角制御部140からのモータ電流指令値ImcによりEPSのモータが駆動される。
右切り/左切り判定部110は、モータ角速度ωmを基に操舵が右切りか左切りかを判定し、判定結果を操舵状態STsとして出力する。即ち、モータ角速度ωmが正の値の場合は「右切り」と判定し、負の値の場合は「左切り」と判定する。なお、モータ角速度ωmの代わりに、操舵角θh、ハンドル角θ1又はコラム角θ2に対して速度演算を行って算出される角速度を用いても良い。
図5は目標操舵トルク生成部120の構成例を示しており、目標操舵トルク生成部120は、基本マップ部121、微分部122、ダンパゲイン部123、ヒステリシス補正部124、乗算部125並びに加算部126及び127を備え、操舵角θhは基本マップ部121、微分部122及びヒステリシス補正部124に入力され、右切り/左切り判定部110から出力される操舵状態STsはヒステリシス補正部124に入力される。
基本マップ部121は、基本マップを有し、基本マップを用いて、図6に示されるような車速Vsをパラメータとするトルク信号(第1トルク信号)Tref_aを出力する。即ち、トルク信号Tref_aの大きさは、操舵角θhの大きさ(絶対値)|θh|が増加するにつれて増加し、車速Vsが増加するにつれても増加するようになっている。操舵角θhの符号(+1、−1)を演算する符号部121Aからの符号がトルク信号Tref_aの大きさに乗算部121Bにて乗算され、トルク信号Tref_aが出力される。なお、図6では操舵角θhの大きさ|θh|でマップを構成しているが、正負の操舵角θhに応じてマップを構成しても良く、この場合、操舵角θhが正の場合と負の場合とで変化の態様を変えても良い。
微分部122は、操舵角θhを微分して第2角速度情報である舵角速度ωhを算出し、舵角速度ωhは乗算部125に入力される。
ダンパゲイン部123は、舵角速度ωhに乗算されるダンパゲインDGを出力する。乗算部125にてダンパゲインDGを乗算された舵角速度ωhは、トルク信号(第2トルク信号)Tref_bとして加算部127に入力される。ダンパゲインDGは、ダンパゲイン部123が有する車速感応型のダンパゲインマップを用いて、車速Vsに応じて求められる。ダンパゲインマップは、例えば、図7に示されるように、車速Vsが高くなるに従って徐々に大きくなる特性を有する。ダンパゲインマップは操舵角θhに応じて可変としても良い。なお、ダンパゲイン部123及び乗算部125でダンパ演算部を構成している。
ヒステリシス補正部124は操舵角θh及び操舵状態STsに基づき、下記数3に従ってトルク信号(第3トルク信号)Tref_cを演算する。なお、下記数3では、x=θh、y=Tref_cとしており、a>1、c>0であり、Ahysはヒステリシス幅である。
“a”として1より大きい任意の正数を用いることができ、例えば、ネイピア数“e”を用いた場合、数3及び数4は下記数5及び数6となる。
なお、ヒステリシス特性の出力幅を表す係数であるAhys及び丸みを表す係数であるcを、車速Vs及び/又は操舵角θhに応じて可変としても良い。
トルク信号Tref_a、Tref_b及びTref_cは、加算部126及び127で加算され、加算結果が目標操舵トルクTrefとして出力される。
なお、舵角速度ωhは、操舵角θhに対する微分演算により求めているが、高域のノイズの影響を低減するために適度にローパスフィルタ(LPF)処理を実施している。また、ハイパスフィルタ(HPF)とゲインにより、微分演算とLPFの処理を実施しても良い。更に、舵角速度ωhは、操舵角θhではなく、上側角度センサが検出するハンドル角θ1又は下側角度センサが検出するコラム角θ2に対して微分演算とLPFの処理を行って算出しても良い。舵角速度ωhの代わりにモータ角速度ωmを第2角速度情報として使用しても良く、この場合、微分部122は不要となる。
変換部130は、トーションバー2Aのバネ定数Ktの逆数の符号を反転した−1/Ktの特性を有しており、目標操舵トルクTrefを目標捩れ角Δθrefに変換する。
捩れ角制御部140は、目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθに基づいてモータ電流指令値Imcを演算する。図9は捩れ角制御部140の構成例を示すブロック図であり、捩れ角制御部140は、入力制限部141、レート制限部142、捩れ角フィードバック(FB)補償部143、捩れ角速度演算部144、速度制御部160、出力制限部145及び減算部146を備える。
入力制限部141は、通信やマイコン、ECUの演算等において、目標捩れ角Δθrefが異常値となった場合に、捩れ角制御部140が異常なモータ電流指令値Imcを出力しないように、目標捩れ角Δθrefの上下限値を制限する。目標捩れ角Δθrefに対する上限値及び下限値を予め設定しておき、入力した目標捩れ角Δθrefが上限値以上の場合は上限値を目標捩れ角Δθref’とし、下限値以下の場合は下限値を目標捩れ角Δθref’とし、それ以外の場合は目標捩れ角Δθrefをそのまま目標捩れ角Δθref’として出力する。設定する上限値及び下限値としては、制御上使用する捩れ角の最大値及び最小値でも良いし、検出可能な捩れ角の範囲の最大値及び最小値でも良い。これにより、安全性の確保を図る。
レート制限部142は、目標捩れ角Δθrefが異常値となった場合に、値が連続的に変化せず、不連続的に変動することを防止するために、目標捩れ角Δθref’の変化量に対して制限をかける。通常では目標捩れ角は連続的に変化し、レート制限部142による制限はかからないが、何らかの異常により一時的に目標捩れ角が異常値になった場合、レート制限部142により制限をかけることによって、不連続的な変化を防止する。例えば、1サンプル前の目標捩れ角Δθref’からの差分を変化量とし、その変化量の絶対値が所定の値より大きい場合、変化量の絶対値がその所定の値となるように目標捩れ角Δθref’を加減算し、目標捩れ角Δθref”として出力し、所定の値以下の場合は、目標捩れ角Δθref’をそのまま目標捩れ角Δθref”として出力する。1サンプル前の目標捩れ角Δθref’に対する差分の割合を変化量とする等により、制限をかけても良い。
なお、入力制限部141とレート制限部142の配置は逆にしても良いが、図9のような配置が好ましい。また、異常値や不連続値への対応を別の手段で行なう場合等では、入力制限部141及び/又はレート制限部142は削除可能である。
捩れ角FB補償部143は、減算部146で算出される目標捩れ角Δθref”と捩れ角Δθの偏差Δθ0に対してFB補償器CFB(伝達関数)を用いて、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθが追従するような目標捩れ角速度ωrefを出力する。FB補償器CFBは単純なゲインKppでも、PI制御器など一般的に用いられている補償器でも良い。目標捩れ角速度ωrefは速度制御部160に入力される。捩れ角FB補償部143と速度制御部160により、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθを追従させ、所望の操舵トルクを実現することが可能となる。
捩れ角速度演算部144は、捩れ角Δθに対する微分演算により捩れ角速度ωtを算出し、捩れ角速度ωtは速度制御部160に入力される。微分演算として、HPFとゲインによる擬似微分を行なっても良い。また、捩れ角速度ωtを別の手段や捩れ角Δθ以外から算出し、速度制御部160に入力するようにしても良い。
速度制御部160は、目標捩れ角速度ωrefに捩れ角速度ωtが追従するようなモータ電流指令値Imcbを算出する。減算部162で目標捩れ角速度ωrefと捩れ角速度ωtとの差分(ωref−ωt)を算出し、その差分に対して補償部161にて補償器Cvを用いた演算を行い、モータ電流指令値(基本モータ電流指令値)Imc0として減算部163に出力する。補償器Cvとして比例(P)補償の補償器を使用するが、比例積分(PI)補償等の補償器を使用しても良い。更に、速度制御部160は、路面からの外乱が加わった場合の目標捩れ角Δθrefへの影響を抑制するために、外乱オブザーバ170にて外乱トルクを推定し、その推定値を基に外乱成分を相殺するためのモータ電流指令値(補正モータ電流指令値)Imccを算出する。モータ電流指令値Imccは減算部163に減算入力され、減算部163にてモータ電流指令値Imc0からモータ電流指令値Imccを減算することによりモータ電流指令値Imc0を補正し、モータ電流指令値Imcbが算出される。
ここで、外乱推定方法について説明する。
本実施形態ではモータ電流指令値の最終値に対応するモータ慣性周りに働く外乱トルクを推定する。
モータ慣性に関しての回転の運動方程式は、モータのロータ慣性モーメントをJm、回転速度に比例した粘性摩擦の係数をDm、モータ駆動トルクをTm、モータ周りに働く外乱トルクをTdとすると、下記数7で表される
外乱オブザーバ170は、数10を基に推定する外乱トルクTd’をモータ電流指令値Imccに変換するために、外乱トルクTd’にモータトルク定数Kmの逆数1/Kmを乗算し、更に大きさを調整するオブザーバゲインKOSを乗算する。
上述のことより、外乱オブザーバ170の構成は、例えば図10に示すようになる。外乱オブザーバ170は、モータ角速度ωmと、モータ電流指令値としてメモリ150に記憶されているモータ電流指令値Imc’を入力し、モータ電流指令値Imc’にブロック172にてモータトルク定数Kmを乗算することによりモータ駆動トルクTmを算出する。そして、数10を実装した、ブロック171及び173並びに減算部176からなる構成により、モータ角速度ωm及びモータ駆動トルクTmを基に外乱トルクTd’を推定する。推定された外乱トルクTd’はブロック174及び175にてモータトルク定数Kmの逆数1/Km及びオブザーバゲインKOSをそれぞれ乗算され、モータ電流指令値Imccとして出力される。
なお、外乱トルクTdに乗算するLPFとして1次遅れフィルタを使用しているが、2次フィルタでも、それ以上の次数のフィルタを使用しても良い。また、モータ駆動トルクTmを他の算出方法や計測によって求めても良い。また、コラム角θ2を微分演算によりコラム角速度ω2を求めて外乱オブザーバに入力し、外乱オブザーバ内でモータ角速度ωmに換算して、外乱トルクを演算しても良い。モータ角速度ωm及びコラム角速度ω2は第1角速度情報である。また、コラム軸上での外乱トルクを算出して、モータ電流指令値Imccを算出しても良い。更に、外乱トルクを他の方法により推定しても良い。
出力制限部145は、速度制御部160から出力されるモータ電流指令値Imcbの上下限値を制限して、モータ電流指令値Imcを出力する。入力制限部141と同様に、モータ電流指令値Imcbに対する上限値及び下限値を予め設定して制限をかける。なお、異常値への対応を別の手段で行なう場合等では、入力制限部141の場合と同様に、出力制限部145も削除可能である。
このような構成において、本実施形態の動作例を図11〜図13のフローチャートを参照して説明する。
動作を開始すると、右切り/左切り判定部110は、モータ角速度ωmを入力し、モータ角速度ωmの符号を基に操舵が右切りか左切りかを判定し、判定結果を操舵状態STsとして、目標操舵トルク生成部120に出力する(ステップS10)。
目標操舵トルク生成部120は、操舵状態STsと共に、操舵角θh及び車速Vsを入力し、目標操舵トルクTrefを生成する(ステップS20)。目標操舵トルク生成部120の動作例については、図12のフローチャートを参照して説明する。
目標操舵トルク生成部120に入力された操舵角θhは基本マップ部121、微分部122及びヒステリシス補正部124に、操舵状態STsはヒステリシス補正部124に、車速Vsは基本マップ部121及びダンパゲイン部123にそれぞれ入力される(ステップS21)。
基本マップ部121は、図6に示される基本マップを用いて、操舵角θh及び車速Vsに応じたトルク信号Tref_aを生成して、加算部126に出力する(ステップS22)。
微分部122は操舵角θhを微分して舵角速度ωhを出力し(ステップS23)、ダンパゲイン部123は図7に示されるダンパゲインマップを用いて車速Vsに応じたダンパゲインDGを出力し(ステップS24)、乗算部125は舵角速度ωh及びダンパゲインDGを乗算してトルク信号Tref_bを演算し、加算部127に出力する(ステップS25)。
ヒステリシス補正部124は、操舵角θhに対して、操舵状態STsに応じて数5及び数6による演算を切り替えてヒステリシス補正を実施し(ステップS26)、トルク信号Tref_cを生成し、加算部127に出力する(ステップS27)。なお、数5及び数6におけるヒステリシス幅Ahys、c、x1及びy1は予め設定し保持されているが、数6よりb及びb’を予め算出し、x1及びy1の代わりにb及びb’を保持するようにしても良い。
そして、加算部127にてトルク信号Tref_b及びTref_cが加算され、更に、その加算結果にトルク信号Tref_aが加算部126にて加算され、目標操舵トルクTrefが演算される(ステップS28)。
目標操舵トルク生成部120で生成された目標操舵トルクTrefは変換部130に入力され、変換部130で目標捩れ角Δθrefに変換される(ステップS30)。目標捩れ角Δθrefは捩れ角制御部140に入力される。
捩れ角制御部140は、目標捩れ角Δθrefと共に、捩れ角Δθ、モータ角速度ωm及びメモリ150に記憶されているモータ電流指令値Imc’を入力し、モータ電流指令値Imcを演算する(ステップS40)。捩れ角制御部140の動作例については、図13のフローチャートを参照して説明する。
捩れ角制御部140に入力された目標捩れ角Δθrefは入力制限部141に、捩れ角Δθは捩れ角速度演算部144及び減算部146に、モータ角速度ωm及びモータ電流指令値Imc’は速度制御部160にそれぞれ入力される(ステップS41)。
入力制限部141は、予め設定された上限値及び下限値により目標捩れ角Δθrefの上下限値を制限し、目標捩れ角Δθref’としてレート制限部142に出力し(ステップS42)、レート制限部142は、目標捩れ角Δθref’の変化量に対して制限をかけて、目標捩れ角Δθref”として減算部146に出力する(ステップS43)。
減算部146では、目標捩れ角Δθref”から捩れ角Δθを減算することにより、偏差Δθ0が算出される(ステップS44)。偏差Δθ0は捩れ角FB補償部143に入力され、捩れ角FB補償部143は、偏差Δθ0に対してFB補償器CFBを用いた演算により偏差Δθ0を補償し(ステップS45)、目標捩れ角速度ωrefとして速度制御部160に出力する。
捩れ角Δθを入力した捩れ角速度演算部144は、捩れ角Δθに対する微分演算により捩れ角速度ωtを算出し(ステップS46)、速度制御部160に出力する。
速度制御部160では、目標捩れ角速度ωrefと捩れ角速度ωtの差分が減算部162で算出され、その差分に対して補償部161にて補償器Cvを用いた演算が行われ、モータ電流指令値Imc0として減算部163に加算入力される(ステップS47)。モータ角速度ωm及びモータ電流指令値Imc’は外乱オブザーバ170に入力され、外乱オブザーバ170は、モータ電流指令値Imc’にモータトルク定数Kmをブロック172にて乗算することによりモータ駆動トルクTmを算出し(ステップS48)、モータ駆動トルクTm及びモータ角速度ωmを用いて、ブロック171及び173並びに減算部176により外乱トルクTd’を推定する(ステップS49)。そして、外乱トルクTd’にブロック174及び175にてモータトルク定数Kmの逆数1/Km及びオブザーバゲインKOSをそれぞれ乗算し、モータ電流指令値Imccとして出力する(ステップS50)。モータ電流指令値Imccは減算部163に減算入力され、モータ電流指令値Imc0を補正するために、モータ電流指令値Imc0からモータ電流指令値Imccが減算され、モータ電流指令値Imcbとして出力制限部145に出力される(ステップS51)。
出力制限部145は、予め設定された上限値及び下限値によりモータ電流指令値Imcbの上下限値を制限し(ステップS52)、モータ電流指令値Imcとして出力する(ステップS53)。
捩れ角制御部140から出力されたモータ電流指令値Imcに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される(ステップS60)。モータ電流指令値Imcは、捩れ角制御部140中の外乱オブザーバ170での次回の外乱トルク推定のために、メモリ150にモータ電流指令値Imc’として記憶される。
なお、図11〜図13におけるデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
本実施形態による効果として、外乱トルクに対する効果について、シミュレーション結果を基に説明する。
外乱オブザーバ170の補正による効果を確認するために、捩れ角FB補償部143の補償値CFB及び速度制御部160の補償部161の補償値Cvは共に比例ゲインとし、捩れ角速度演算部144は、カットオフ周波数が100Hzで、伝達関数が下記数11で表されるHPFの構造とし(Thpfはフィルタの時定数)、外乱オブザーバ170で使用するLPFはカットオフ周波数が100Hzの1次遅れフィルタとしてシミュレーションを行った。
図14(B)は外乱オブザーバによる補正がない場合の捩れ角Δθの応答であり、図15(B)は外乱オブザーバによる補正がある場合の捩れ角Δθの応答である。なお、図14(B)及び図15(B)において、横軸は時間[sec]、縦軸は捩れ角[deg]であり、図14(B)と図15(B)とでは縦軸の目盛の幅が異なっている。また、図15(A)は図14(A)と同じグラフである。
図14(B)と図15(B)とを比べると、外乱オブザーバによる補正がある場合の方が、捩れ角Δθの振幅が0.1deg前後に抑えられており、外乱オブザーバによる補正を行うことにより、コラム軸に発生する外乱トルクの影響を抑制できていることが確認できる。
本発明の他の構成例について説明する。
トーションバー2Aの捩れ角Δθは、数1で示されるように、ハンドル角θ1及びコラム角θ2の偏差として置き換えることができるので、図9に示される第1実施形態での捩れ角制御部140を、第1実施形態が有する効果はそのままで、図16に示されるような構成例(第2実施形態)に等価的に変換することができる。
第2実施形態での捩れ角制御部240には、第1実施形態での捩れ角制御部140と比べると、目標捩れ角Δθref、捩れ角Δθ、モータ角速度ωm及びモータ電流指令値Imc’の他に、ハンドル角(第1回転角)θ1及びコラム角(第2回転角)θ2が入力され、捩れ角Δθに対する捩れ角速度演算部144の代わりに、ハンドル角θ1及びコラム角θ2それぞれに対する角速度演算部244及び247が追加され、更に加算部248が追加されている。目標捩れ角速度ωrefにハンドル角θ1を微分演算して算出されるハンドル角速度(第1角速度)ω1を加算したものを目標角速度ωrefcとすることにより、速度制御部160をコラム角速度(第2角速度)の速度制御構成と見ることができる。
第2実施形態の動作例は、第1実施形態と比較すると、捩れ角制御部の動作が異なるだけで、他の動作は同じである。
第2実施形態の捩れ角制御部240の動作例を図17のフローチャートで示しており、動作開始から捩れ角FB補償を行なうステップS45までは第1実施形態と同じ動作で、捩れ角FB補償部143から出力された目標捩れ角速度ωrefは加算部248に入力される。また、ハンドル角θ1を入力した角速度演算部244は、微分演算によりハンドル角速度ω1を算出し(ステップS46A)、ハンドル角速度ω1は加算部248で目標捩れ角速度ωrefを加算され、目標角速度ωrefcとして速度制御部160に出力される(ステップS46B)。コラム角θ2を入力した角速度演算部247は、微分演算によりコラム角速度ω2を算出し(ステップS46C)、速度制御部160に出力する。そして、速度制御部160が目標角速度ωrefcとコラム角速度ω2の差分を減算部162で算出して以降の動作(ステップS47〜)は、第1実施形態と同じ動作である。
捩れ角Δθをハンドル角θ1及びコラム角θ2の偏差に置き換えることにより、第2実施形態の他に、図18に示されるような構成例(第3実施形態)に、第1実施形態が有する効果はそのままで、捩れ角制御部140を等価的に変換することができる。
第3実施形態での捩れ角制御部340には、第2実施形態での捩れ角制御部と比べると、捩れ角Δθが入力されておらず、加算部349が追加されている。目標捩れ角Δθref”にハンドル角θ1を加算したものを目標回転角θrefcとし、目標回転角θrefcとコラム角θ2との偏差Δθ0に補償値CFBを乗算し、更にハンドル角速度ω1を加算したものを目標角速度ωrefcとすることにより、第2実施形態の場合と同様に、速度制御部160をコラム角速度の速度制御構成と見ることができる。
第3実施形態の動作例は、第2実施形態と比較すると、捩れ角制御部の動作が異なるだけで、他の動作は同じである。
第3実施形態の捩れ角制御部340の動作例を図19のフローチャートで示しており、動作開始からレート制限を行なうステップS43までは第2実施形態と同じ動作で、レート制限部142から出力された目標捩れ角Δθref”は加算部349に入力される。加算部349にはハンドル角θ1も入力されており、目標捩れ角Δθref”及びハンドル角θ1の加算結果が目標回転角θrefcとして出力される(ステップS43A)。目標回転角θrefcは減算部146にてコラム角θ2を減算され、偏差Δθ0が算出される(ステップS44)。それ以降は、第2実施形態と同じ動作である。
なお、第2及び第3実施形態において、減速機構を単純に減速比変換とすることにより、モータ角速度を減速比で除算したデータを、コラム角速度ω2として使用しても良い。この場合、角速度演算部247は不要となる。また、ハンドル角θ1の代わりに操舵角θhを使用しても良い。
第1〜第3実施形態での目標操舵トルク生成部120において、コストや処理時間を重視する場合等では、基本マップ部121、ダンパ演算部及びヒステリシス補正部124の内の少なくとも1つを残して、他を省略しても良い。基本マップ部121を省略する場合、加算部126も省略可能で、ダンパ演算部を省略する場合、微分部122及び加算部127も省略可能で、ヒステリシス補正部124を省略する場合、右切り/左切り判定部110及び加算部127も省略可能である。また、基本マップ部121の前段又は後段に位相補償を行なう位相補償部128を挿入しても良い。つまり、図5中の破線で囲まれた領域Rの構成を、図20(A)又は(B)に示されるような構成にしても良い。位相補償部128において、位相補償として位相進み補償を設定し、例えば、分子のカットオフ周波数を1.0Hz、分母のカットオフ周波数を1.3Hzとした1次フィルタで位相進み補償を行う場合、スッキリしたフィールを実現することができる。目標操舵トルク生成部に関しては、操舵角に基づいた構成であるならば、上述の構成に限られない。
なお、図1及び図3では本発明の一つの実施例として、コラムアシスト型EPSに適用した例を開示しているが、本発明はこの実施例に限定されない。本発明は、ユニバーサルジョイント4aとハンドル1との間に、モータ20が発生するアシスト力を付与するように構成された、いわゆる上流アシスト型EPSに適用することができる。なお、コラムアシスト型EPSは、上流アシスト型EPSの一態様である。
また、本発明は、ユニバーサルジョイント4aと操向車輪8L,8Rとの間に、モータ20が発生するアシスト力を付与するように構成された、いわゆる下流アシスト型EPSに適用することができる。更に、目標捩れ角に基づくフィードバック制御を行うということでは、トーションバー(バネ定数任意)及び捩れ角検出用のセンサを少なくとも備えるステアバイワイヤ(SBW)反力装置等にも適用可能である。本発明を、トーションバーを備えたSBW反力装置に適用した場合の実施形態(第4実施形態)について説明する。
まずは、SBW反力装置を含むSBWシステム全体について説明する。図21はSBWシステムの構成例を、図1に示される電動パワーステアリング装置の一般的な構成に対応させて示した図である。なお、同一構成には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
SBWシステムは、ユニバーサルジョイント4aにてコラム軸2と機械的に結合されるインターミディエイトシャフトがなく、ハンドル1の操作を電気信号によって操向車輪8L,8R等からなる転舵機構に伝えるシステムである。図21に示されるように、SBWシステムは反力装置60及び駆動装置70を備え、コントロールユニット(ECU)50が両装置の制御を行う。反力装置60は、舵角センサ14にて操舵角θhの検出を行うと同時に、操向車輪8L,8Rから伝わる車両の運動状態を反力トルクとして運転者に伝達する。反力トルクは、反力用モータ61により生成される。なお、SBWシステムの中には反力装置内にトーションバーを有さないタイプもあるが、本発明を適用するSBWシステムはトーションバーを有するタイプであり、トルクセンサ10にて操舵トルクTsを検出する。また、角度センサ74が、反力用モータ61のモータ角θmを検出する。駆動装置70は、運転者によるハンドル1の操舵に合わせて、駆動用モータ71を駆動し、その駆動力を、ギア72を介してピニオンラック機構5に付与し、タイロッド6a,6bを経て、操向車輪8L,8Rを転舵する。ピニオンラック機構5の近傍には角度センサ73が配置されており、操向車輪8L,8Rの転舵角θtを検出する。ECU50は、反力装置60及び駆動装置70を協調制御するために、両装置から出力される操舵角θhや転舵角θt等の情報に加え、車速センサ12からの車速Vs等を基に、反力用モータ61を駆動制御する電圧制御指令値Vref1及び駆動用モータ71を駆動制御する電圧制御指令値Vref2を生成する。
このようなSBWシステムに本発明を適用した第4実施形態の構成について説明する。
図22は第4実施形態の構成を示すブロック図である。第4実施形態は、捩れ角Δθに対する制御(以下、「捩れ角制御」とする)と、転舵角θtに対する制御(以下、「転舵角制御」とする)を行い、反力装置を捩れ角制御で制御し、駆動装置を転舵角制御で制御する。なお、駆動装置は他の制御方法で制御しても良い。
捩れ角制御では、第1実施形態と同様の構成及び動作により、捩れ角Δθが、操舵角θh等を用いて目標操舵トルク生成部120及び変換部130を経て算出される目標捩れ角Δθrefに追従するような制御を行う。モータ角θmは角度センサ74で検出され、モータ角速度ωmは、角速度演算部951にてモータ角θmを微分することにより算出される。転舵角θtは角度センサ73で検出される。また、第1実施形態ではEPS操舵系/車両系100内の処理として詳細な説明は行われていないが、電流制御部180は、図2に示される減算部32B、PI制御部35、PWM制御部36及びインバータ37と同様の構成及び動作により、捩れ角制御部140から出力されるモータ電流指令値Imc及びモータ電流検出器190で検出される反力用モータ61の電流値Imrに基づいて、反力用モータ61を駆動して、電流制御を行う。
転舵角制御では、目標転舵角生成部910にて操舵角θhに基づいて目標転舵角θtrefが生成され、目標転舵角θtrefは転舵角θtと共に転舵角制御部920に入力され、転舵角制御部920にて、転舵角θtが目標転舵角θtrefとなるようなモータ電流指令値Imctが演算される。そして、モータ電流指令値Imct及びモータ電流検出器940で検出される駆動用モータ71の電流値Imdに基づいて、電流制御部930が、電流制御部180と同様の構成及び動作により、駆動用モータ71を駆動して、電流制御を行う。
目標転舵角生成部910の構成例を図23に示す。目標転舵角生成部910は、制限部931、レート制限部932及び補正部933を備える。
制限部931は、操舵角θhの上下限値を制限して、操舵角θh1を出力する。捩れ角制御部内の出力制限部145と同様に、操舵角θhに対する上限値及び下限値を予め設定して制限をかける。
レート制限部932は、操舵角の急変を回避するために、操舵角θh1の変化量に対して制限値を設定して制限をかけ、操舵角θh2を出力する。例えば、1サンプル前の操舵角θh1からの差分を変化量とし、その変化量の絶対値が所定の値(制限値)より大きい場合、変化量の絶対値が制限値となるように、操舵角θh1を加減算し、操舵角θh2として出力し、制限値以下の場合は、操舵角θh1をそのまま操舵角θh2として出力する。なお、変化量の絶対値に対して制限値を設定するのではなく、変化量に対して上限値及び下限値を設定して制限をかけるようにしても良く、変化量ではなく変化率や差分率に対して制限をかけるようにしても良い。
補正部933は、操舵角θh2を補正して、目標転舵角θtrefを出力する。例えば、目標操舵トルク生成部120内の基本マップ部121のように、操舵角θh2の大きさ|θh2|に対する目標転舵角θtrefの特性を定義したマップを用いて、操舵角θh2より目標転舵角θtrefを求める。或いは、単純に、操舵角θh2に所定のゲインを乗算することにより、目標転舵角θtrefを求めるようにしても良い。
転舵角制御部920の構成例を図24に示す。転舵角制御部920は、転舵角フィードバック(FB)補償部921、転舵角速度演算部922、速度制御部923、出力制限部926及び減算部927を備え、目標転舵角θtref及び転舵角θtに基づいてモータ電流指令値Imctを演算する。
転舵角FB補償部921は、減算部927で算出される目標転舵角θtrefと転舵角θtの偏差Δθt0に対して、捩れ角制御部内の捩れ角FB補償部141と同様の動作により、目標転舵角θtrefに転舵角θtが追従するような目標転舵角速度ωtrefを算出する。目標転舵角速度ωtrefは速度制御部923に入力される。
転舵角速度演算部922は、捩れ角制御部内の捩れ角速度演算部144と同様の動作により、転舵角θtから転舵角速度ωttを算出する。転舵角速度ωttは速度制御部923に入力される。
速度制御部923は、I−P制御(比例先行型PI制御)により、目標転舵角速度ωtrefに転舵角速度ωttが追従するようなモータ電流指令値Imctaを算出する。減算部928で目標転舵角速度ωtrefと転舵角速度ωttとの差分(ωtref−ωtt)を算出し、その差分を、ゲインKviを有する積分部924にて積分し、積分結果は減算部929に加算入力される。転舵角速度ωttは比例部925にも入力され、ゲインKvpによる比例処理を施され、減算部929に減算入力される。減算部929での減算結果がモータ電流指令値Imctaとして出力される。
出力制限部926は、モータ電流指令値Imctaの上下限値を制限して、モータ電流指令値Imctを出力する。捩れ角制御部内の出力制限部145と同様に、モータ電流指令値Imctaに対する上限値及び下限値を予め設定して制限をかける。
このような構成において、第4実施形態の動作例を図25のフローチャートを参照して説明する。
動作を開始すると、角度センサ73は転舵角θtを検出し、角度センサ74はモータ角θmを検出し(ステップS110)、転舵角θtは転舵角制御部920に、モータ角θmは角速度演算部951にそれぞれ入力される。
角速度演算部951は、モータ角θmを微分してモータ角速度ωmを算出し、右切り/左切り判定部110及び捩れ角制御部140に出力する(ステップS120)。
その後、目標操舵トルク生成部120において、図11に示されるステップS10〜S60と同様の動作を実行し、反力用モータ61を駆動し、電流制御を実施する(ステップS130〜S170)。
一方、転舵角制御においては、目標転舵角生成部910が操舵角θhを入力し、操舵角θhは制限部931に入力される。制限部931は、予め設定された上限値及び下限値により操舵角θhの上下限値を制限し(ステップS180)、操舵角θh1としてレート制限部932に出力する。レート制限部932は、予め設定された制限値により操舵角θh1の変化量に対して制限をかけ(ステップS190)、操舵角θh2として補正部933に出力する。補正部933は、操舵角θh2を補正して目標転舵角θtrefを求め(ステップS200)、転舵角制御部920に出力する。
転舵角θt及び目標転舵角θtrefを入力した転舵角制御部920は、減算部927にて目標転舵角θtrefから転舵角θtを減算することにより、偏差Δθt0を算出する(ステップS210)。偏差Δθt0は転舵角FB補償部921に入力され、転舵角FB補償部921は、偏差Δθt0に対してFB補償器を用いた演算により偏差Δθt0を補償し(ステップS220)、目標転舵角速度ωtrefを速度制御部923に出力する。転舵角速度演算部922は転舵角θtを入力し、転舵角θtに対する微分演算により転舵角速度ωttを算出し(ステップS230)、速度制御部923に出力する。速度制御部923は、I−P制御によりモータ電流指令値Imctaを算出し(ステップS240)、出力制限部926に出力する。出力制限部926は、予め設定された上限値及び下限値によりモータ電流指令値Imctaの上下限値を制限し(ステップS250)、モータ電流指令値Imctとして出力する(ステップS260)。
モータ電流指令値Imctは電流制御部930に入力され、電流制御部930は、モータ電流指令値Imct及びモータ電流検出器940で検出された駆動用モータ71の電流値Imdに基づいて、駆動用モータ71を駆動し、電流制御を実施する(ステップS270)。
なお、図25におけるデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。また、転舵角制御部920内の速度制御部923は、I−P制御ではなく、PI制御、P(比例)制御、PID(比例積分微分)制御、PI−D制御(微分先行型PID制御)等、実現可能で、P、I及びDのいずれかの制御を用いていれば良く、更に、転舵角制御部920での追従制御は、一般的に用いられている制御構造で行っても良い。
第4実施形態では、図21に示されるように、1つのECU50で反力装置60及び駆動装置70の制御を行っているが、反力装置60用のECUと駆動装置70用のECUをそれぞれ設けても良い。この場合、ECU同士は通信によりデータの送受信を行うことになる。また、図21に示されるSBWシステムは反力装置60と駆動装置70の間には機械的な結合を持たないが、システムに異常が発生した場合に、コラム軸2と転舵機構をクラッチ等で機械的に結合する機械的トルク伝達機構を備えるSBWシステムにも、本発明は適用可能である。このようなSBWシステムでは、システム正常時はクラッチをオフにして機械的トルク伝達を開放状態とし、システム異常時はクラッチをオンにして機械的トルク伝達を可能状態とする。
上述の第1〜第4実施形態での捩れ角制御部は、直接的にモータ電流指令値Imcを演算しているが、それを演算する前に、先ず出力したいモータトルク(目標トルク)を演算してから、モータ電流指令値を演算するようにしても良い。この場合、モータトルクからモータ電流指令値を求めるには、一般的に用いられている、モータ電流とモータトルクの関係を使用する。
なお、上述で使用した図は、本発明に関して定性的な説明を行うための概念図であり、これらに限定されるものではない。また、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。また、ハンドルと、モータ又は反力モータの間に任意のバネ定数を有する機構であれば、トーションバーに限定しなくても良い。
本発明の主たる目的は、目標捩れ角に対して捩れ角を追従制御させるための捩れ角制御部の実現手段についてであり、目標操舵トルク生成部の実現手段に関しては上記に限定しなくても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
2A トーションバー
3 減速機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30、50 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
38、190、940 モータ電流検出器
60 反力装置
61 反力用モータ
70 駆動装置
71 駆動用モータ
72 ギア
73、74 角度センサ
100 EPS操舵系/車両系
110 右切り/左切り判定部
120 目標操舵トルク生成部
121 基本マップ部
123 ダンパゲイン部
124 ヒステリシス補正部
128 位相補償部
130 変換部
140、240、340 捩れ角制御部
141 入力制限部
142 レート制限部
143 捩れ角フィードバック(FB)補償部
144 捩れ角速度演算部
145、926 出力制限部
150 メモリ
160、923 速度制御部
161 補償部
170 外乱オブザーバ
180、930 電流制御部
244、247、951 角速度演算部
910 目標転舵角生成部
920 転舵角制御部
921 転舵角フィードバック(FB)補償部
922 転舵角速度演算部
931 制限部
932 レート制限部
933 補正部
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
2A トーションバー
3 減速機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30、50 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
38、190、940 モータ電流検出器
60 反力装置
61 反力用モータ
70 駆動装置
71 駆動用モータ
72 ギア
73、74 角度センサ
100 EPS操舵系/車両系
110 右切り/左切り判定部
120 目標操舵トルク生成部
121 基本マップ部
123 ダンパゲイン部
124 ヒステリシス補正部
128 位相補償部
130 変換部
140、240、340 捩れ角制御部
141 入力制限部
142 レート制限部
143 捩れ角フィードバック(FB)補償部
144 捩れ角速度演算部
145、926 出力制限部
150 メモリ
160、923 速度制御部
161 補償部
170 外乱オブザーバ
180、930 電流制御部
244、247、951 角速度演算部
910 目標転舵角生成部
920 転舵角制御部
921 転舵角フィードバック(FB)補償部
922 転舵角速度演算部
931 制限部
932 レート制限部
933 補正部
Claims (17)
- 任意のバネ定数を有するトーションバー及び前記トーションバーの捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
目標捩れ角に対して前記捩れ角を追従させるようなモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
前記捩れ角より捩れ角速度を算出する捩れ角速度演算部と、
外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記捩れ角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、
前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。 - 前記速度制御部が、
第1角速度情報及びモータ情報に基づいて前記補正モータ電流指令値を算出する外乱オブザーバを具備する請求項1に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項1又は2に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記モータ電流指令値の上下限値を制限する出力制限部を更に具備する請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 任意のバネ定数を有するトーションバー及び前記トーションバーの捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
目標捩れ角、前記捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、
前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、
外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、
前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。 - 前記速度制御部が、
第1角速度情報及びモータ情報に基づいて前記補正モータ電流指令値を算出する外乱オブザーバを具備する請求項6に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項6又は7に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項6乃至8のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記モータ電流指令値の上下限値を制限する出力制限部を更に具備する請求項6乃至9のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 任意のバネ定数を有するトーションバー及び前記トーションバーの捩れ角を検出するセンサを少なくとも備え、モータを駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する車両用操向装置において、
目標捩れ角、第1回転角及び第2回転角に基づいてモータ電流指令値を演算する捩れ角制御部を備え、
前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角及び前記第1回転角より求められる目標回転角並びに前記第2回転角の偏差より目標捩れ角速度を算出する捩れ角フィードバック補償部と、
前記第1回転角より第1角速度を算出する第1角速度演算部と、
前記第2回転角より第2角速度を算出する第2角速度演算部と、
外乱トルクを推定して補正モータ電流指令値を算出し、前記目標捩れ角速度及び前記第1角速度より求められる目標角速度並びに前記第2角速度に基づいて算出される基本モータ電流指令値を前記補正モータ電流指令値によって補正して前記モータ電流指令値を算出する速度制御部とを具備し、
前記モータ電流指令値に基づいて前記モータを駆動制御することを特徴とする車両用操向装置。 - 前記速度制御部が、
第1角速度情報及びモータ情報に基づいて前記補正モータ電流指令値を算出する外乱オブザーバを具備する請求項11に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の上下限値を制限する入力制限部を更に具備する請求項11又は12に記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記目標捩れ角の変化量に対して制限をかけるレート制限部を更に具備する請求項11乃至13のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 前記捩れ角制御部が、
前記モータ電流指令値の上下限値を制限する出力制限部を更に具備する請求項11乃至14のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、
前記目標操舵トルクを、前記捩れ角制御部で使用される前記目標捩れ角に変換する変換部とを更に備える請求項1乃至15のいずれかに記載の車両用操向装置。 - 前記目標操舵トルク生成部が、
車速感応である基本マップを用いて操舵角及び車速より第1トルク信号を求める基本マップ部と、
車速感応であるダンパゲインマップを用いて第2角速度情報に基づいて第2トルク信号を求めるダンパ演算部と、
操舵状態及び前記操舵角を用いてヒステリシス補正を行って第3トルク信号を求めるヒステリシス補正部とを具備し、
前記第1トルク信号、前記第2トルク信号及び前記第3トルク信号の内の少なくとも1つの信号より前記目標操舵トルクを算出する請求項16に記載の車両用操向装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020019779A JP2021123288A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 車両用操向装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020019779A JP2021123288A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 車両用操向装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021123288A true JP2021123288A (ja) | 2021-08-30 |
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ID=77458076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020019779A Pending JP2021123288A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | 車両用操向装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2021123288A (ja) |
-
2020
- 2020-02-07 JP JP2020019779A patent/JP2021123288A/ja active Pending
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