JP6531876B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)に備えられているトーションバーの捩れ角を、操舵角、車速、操舵状態等の車両運転情報に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現し、路面の状態に影響されず、経年による機構系特性の変化(摩擦、モータ出力特性など)に左右されない高性能な電動パワーステアリング装置に関する。
モータ制御装置を搭載した装置として電動パワーステアリング装置(EPS)があり、電動パワーステアリング装置は、車両の操舵系にモータの回転力でアシスト力(操舵補助力)を付与するものであり、インバータから供給される電力で制御されるモータの駆動力を、減速機構を含む伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸にアシスト力を付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシスト力を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構(ウォームとウォームホイールの噛み合い機構で減速比=1/N)3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、トーションバーを有するコラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクTsを検出するトルクセンサ10及び操舵角θhを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてCPU(MCU、MPU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(=Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI(比例積分)制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)34−3と慣性34−2を加算部34−4で加算し、その加算結果に更に収れん性34−1を加算部34−5で加算し、加算部34−5の加算結果を補償信号CMとしている。
このように従来のアシスト制御では、運転者の手入力にて加えた操舵トルク(トーションバーの捻れトルク)をトルクセンサで検出し、主にそのトルクに応じたアシスト電流としてモータ電流を制御している。しかしながら、この手法では、路面の状態(例えば傾斜)の違いにより、操舵角によって異なる操舵トルクとなってしまうことがある。また、モータ出力特性の経年製品によるバラツキにもより、異なる操舵特性になってしまう。
かかる問題を解決する車両制御装置として、例えば特許第5208894号公報(特許文献1)に示されるものがある。特許文献1の装置は、運転者の触覚特性に基づく適切な操舵トルクを与えることができるように、操舵角検出手段と、目標設定手段と、目標設定手段によって設定された操舵トルクの目標値が実現されるように制御する制御手段とを具備している。
特許第5208894号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、操舵角と操舵トルクとの対応関係を、操舵角又は操舵トルクと手応え量との関係に基づいて予め求めておく必要があり、その対応関係から操舵角に対応する操舵トルクを目標値として設定しなければならない煩雑さがある。また、特許文献1の装置は、操舵トルクの目標値と検出される操舵トルクとの偏差に対してPI制御を用いている。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、路面の状態に影響されず、経年によるステアリング操舵系の機構特性の変化(摩擦、モータ出力特性など)に左右されず、操舵角等の車両運転情報に対して同等の操舵トルクを容易に実現することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は車両のハンドルのコラム軸にトーションバーを備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、操舵角、車速及び操舵状態に基づいて目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、目標トルクを目標捩れ角に変換する変換部と、少なくとも前記目標捩れ角及び前記トーションバーの捩れ角を入力し、前記目標捩れ角に対して前記捩れ角を追従させるような前記電流指令値を算出する捩れ角制御部とを備え、前記捩れ角制御部が、モータ角速度をコラム角速度に変換する角速度変換部と、前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差に対して第1の目標コラム角速度を出力する捩れ角フィードバック補償部と、前記操舵角に基づいて第2の目標コラム角速度を出力する舵角外乱補償部と、前記第1の目標コラム角速度を前記第2の目標コラム角速度で補正した第3の目標コラム角速度及び前記コラム角速度に基づいて前記電流指令値を出力する速度制御部とで構成され、前記トーションバーの検出トルクを前記操舵角、前記車速及び前記操舵状態に応じた値に追従するように制御することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記捩れ角制御部では、前記速度制御部に前記第1の目標コラム角速度及前記第2の目標コラム角速度の加算値である前記第3の目標コラム角速度と、前記コラム角速度とが入力され、前記第3の目標コラム角速度と前記コラム角速度の偏差を積分し、前記積分の積分値から前記コラム角速度の比例値を減算して前記電流指令値を出力するようになっていることにより、或いは、前記捩れ角制御部が更に、前記モータ角速度に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備えることにより、或いは、前記伝達関数が1次フィルタ若しくは2次フィルタであることにより、或いは、前記捩れ角制御部が更に、前記捩れ角に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備えることにより、或いは、前記捩れ角制御部が更に、コラム角に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備えることにより、或いは、前記伝達関数が2次フィルタ若しくは4次フィルタであることにより、或いは、前記目標操舵トルク生成部に前記ハンドルの右切り/左切りの操舵状態が入力されていることにより、或いは、前記目標操舵トルク生成部が、前記操舵角に応じて車速感応の第1のトルク信号を出力する基本マップと、前記操舵角の微分値に車速感応ダンパゲインを乗算して第2のトルク信号を出力するダンパゲイン部と、前記操舵状態及び前記操舵角に応じてヒステリシス特性を持つ第3のトルク信号を出力するヒステリシス補正部と、前記第1のトルク信号、並びに、前記第2のトルク信号及び前記第3のトルク信号のうち少なくとも1つの信号を加算して前記目標操舵トルクを出力する出力部と、で構成されていることにより、或いは、前記車速感応ダンパゲインが、車速に応じて徐々に大きくなる特性であることにより、或いは、前記ヒステリシス補正部が、関数を用いて前記操舵角に応じたヒステリシス補正するようになっており、前記操舵状態が右切りの場合と左切りの場合とで前記関数を切り替え、前記関数の切り替え時には前記操舵角に対するオフセット調整値を更新することにより、或いは、前記オフセット調整値が、前記操舵角及び前記第3のトルク信号の前回値を用いて算出されることにより、或いは、前記速度制御部の後段に上下限値を制限するリミッタが設けられていることにより、或いは、前記捩れ角フィードバック補償部が伝達関数のゲイン値であることにより、或いは、前記舵角外乱補償部が、前記操舵角の変化による前記捩れ角への影響を抑制し、急操舵に対する目標捩れ角への前記捩れ角の追従性を向上する伝達関数の値であることにより、或いは、前記舵角外乱補償部の伝達関数の値が、前記操舵系及び車両系モデルの周波数伝達関数から定められることにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、ハンドルの右切り/左切りの操舵状態、車速及び操舵角等の車両運転情報から目標捩れ角を生成し、目標捩れ角と検出された捩れ角との偏差を適宜処理すること(例えば、偏差に補償値(伝達関数)を乗算した結果を目標コラム速度として、速度制御すること)で、目標捩れ角に捩れ角が追従するように動作し、操舵角等の車両運転情報に対して所望の操舵トルクを実現することができる。
更に、捩れ角制御に舵角外乱補償部を設けることにより、運転者から入力される操舵角の変化によるトーションバー捩れ角の影響を抑制し、急な操舵に対する目標捩れ角への捩れ角の追従性を一層向上することが可能である。
モータ角速度、捩れ角、又はコラム角に対し、安定化するために必要な伝達関数による安定化補償部を設けることにより、EPS制御システム全体の安定化を実現することも可能である。目標捩れ角へ捩れ角を追従させるために単純にゲインを上げると発振や振動が発生するが、安定化補償部による信号のフィードバックにより発振や振動を抑制できる。また、安定化補償部を設けることにより、高周波数帯域に発生する振動の発生を抑え、結果的に捩れ角フィードバック補償部のゲインを大きくし、指令値に対する追従性を向上することができる。
従来の電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)内の制御構成例を示すブロック図である。 本発明の基本構成を示すブロック図である。 EPS操舵系と各種センサの設置例を示す構造図である。 操舵の右切り/左切りを説明するための線図である。 本発明の基本的な動作例を示すフローチャートである。 目標操舵トルク生成部の構成例を示すブロック図である。 基本マップの特性例を示す線図である。 車速感応ダンパゲインマップの特性例を示す線図である。 ヒステリシス補正部の特性例を示す線図である。 目標操舵トルク生成部の動作例を示すフローチャートである。 捩れ角制御部の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 舵角外乱補償部の効果を説明するためのEPSプラントのブロック図である。 舵角外乱補償値の設定方法を説明するボード線図である。 同定結果に対する逆伝達関数とフィッティング結果を示すボード線図である。 舵角外乱補償部による効果を示すシミュレーション結果である。 目標捩れ角に対する補償の有無の相違を示す波形図である。 ダンパゲインマップの効果を示すタイミングチャートである。 ダンパゲインマップがない場合の特性例を示すタイミングチャートである。 捩れ角制御部の構成例(第2実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の構成例(第3実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の動作例(第3実施形態)を示すフローチャートである。 安定化補償部の効果を示すタイミングチャートである。 捩れ角制御部の構成例(第4実施形態)を示すブロック図である。 捩れ角制御部の構成例(第5実施形態)を示すブロック図である。
本発明は、路面の状態に影響されず、操舵角、車速、操舵状態等の車両運転情報に対して同等の操舵トルクを実現するための電動パワーステアリング装置であり、コラム軸に備えられているトーションバーの捩れ角を、車両運転情報に応じた値に追従するように制御することにより所望の操舵トルクを実現している。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図3は本発明の基本構成を示すブロック図であり、運転者のハンドル操舵はEPS操舵系/車両系100内のモータでアシスト制御される。操舵角θh等の車両運転情報に応じた目標操舵トルクTrefを出力する目標操舵トルク生成部120には、操舵の右切り又は左切りの操舵状態STs、車速Vs及び操舵角θhが入力され、目標操舵トルク生成部120で生成された目標操舵トルクTrefは、コラム軸2に設けられているトーションバー2Aのバネ定数をKtorとして、“1/Ktor”の特性を有する変換部101で目標捩れ角Δθrefに変換され、目標捩れ角Δθrefは捩れ角制御部140に入力される。捩れ角制御部140には目標捩れ角Δθref、操舵角θh、捩れ角Δθ及びモータ角速度ωが入力されており、捩れ角制御部140で捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefとなるような電流指令値Irefが演算され、電流指令値IrefによりEPSのモータが駆動される。
EPS操舵系と各種センサの設置例は図4に示すようになっており、コラム軸2にはトーションバー2Aが備えられている。操向車輪8L,8Rには路面反力Fr及び路面情報μが作用し、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2のハンドル側には上側角度センサ(角度θ)が設けられ、トーションバー2Aを挟んでコラム軸2の操向車輪側には下側角度センサ(角度θ)が設けられている。操舵角θhはコラム軸2の上部に設けられた舵角センサで検出され、上側角度センサの角度θ及び下側角度センサの角度θの偏差から、下記数1及び数2によってトーションバー捩れ角Δθ及びトーションバートルクTtを求めることができる。なお、Ktorはトーションバー2Aのバネ定数である。
(数1)
θ−θ=Δθ
(数2)
tor・Δθ=Ktor・(θ−θ)=Tt
なお、トーションバートルクTtは、例えば特開2008−216172号公報で示されるトルクセンサを用いて検出することができる。また、操舵の右切り又は左切りの操舵状態STsは、例えば図5に示すような操舵角θh及びモータ角速度ωの関係で求めることができる。
このような構成において、本発明の動作例を図6のフローチャートを参照して説明する。
先ず、操舵角θh、操舵状態STs、車速Vsが目標操舵トルク生成部120に入力され(ステップS1)、目標操舵トルク生成部120は目標操舵トルクTrefを生成する(ステップS10)。目標操舵トルクTrefは変換部101に入力され、変換部101で目標捩れ角Δθrefに変換される(ステップS30)。目標捩れ角Δθref、操舵角θh、捩れ角Δθ及びモータ角速度ωが捩れ角制御部140に入力され(ステップS31)、捩れ角制御部140は捩れ角Δθが目標捩れ角Δθrefに追従するような電流指令値Irefを演算し(ステップS40)、電流指令値Irefに基づいてモータを駆動し、電流制御が実施される(ステップS60)。
なお、図6におけるデータの入力順番は適宜変更可能である。
図7は目標操舵トルク生成部120の構成例を示しており、操舵角θhは基本マップ121、微分部122及びヒステリシス補正部124に入力され、基本マップ121は、図8に示すような車速Vsをパラメータとするトルク信号Tref_aを出力する。図8では操舵角θhの絶対値|θh|でマップを構成しているが、正負の操舵角θhに応じてトルク信号Tref_aを出力するようにしても良い。トルク信号Tref_aは加算部126に入力される。
また、微分部122からは、操舵角θhを微分して得られる舵角速度ωが出力され、舵角速度ωは乗算部125に入力される。乗算部125には車速感応ダンパゲインDが入力されており、乗算結果(=D・ω)であるトルク信号Tref_bは加算部127に入力される。車速感応ダンパゲインDは車速感応のダンパゲインマップ123から車速Vsに応じて出力され、例えば図9に示すように車速Vsが高くなるに従って徐々に大きくなる特性である。なお、ダンパゲインマップ123及び乗算部125でダンパゲイン部を構成している。
右切り/左切り判定部110は例えば図5に示すような判定を行い、判定結果である操舵状態STsをヒステリシス補正部124に入力する。ヒステリシス補正部124には操舵角θhが入力されており、ヒステリシス補正部124は操舵角θh及び操舵状態STsに基づき、下記数3に従ってトルク信号Tref_cを演算する。ただし、x=θh、y=Tref_c、y=Tref_cとし、a>1、c>0である。
Figure 0006531876
右切り操舵から左切り操舵、左切り操舵から右切り操舵へ切り替える際に、切り替え時の操舵角θh及びトルク信号Tref_cの前回値である最終座標(x1,y1)の値に基づき、切り替え後の数3中のx方向のオフセット調整値“b”に以下の数4を代入する。これにより、切り替え前後の連続性が保たれる。
Figure 0006531876
上記数4は、上記数3中のxにx1を、y及びyにy1を代入することにより導出することができる。
“a”として1より大きい任意の正数を用いることができ、例えば、ネイピア数“e”を用いた場合、数3及び数4は下記数5及び数6となる。
Figure 0006531876
Figure 0006531876
数5及び数6においてAhys=1[Nm]、c=0.3と設定し、0[deg]から開始し、+50[deg]、−50[deg]の操舵をした場合の、ヒステリシス補正されたトルク信号Tref_cの線図例を図10に示す。即ち、ヒステリシス補正部124からのトルク信号Tref_cは、0の原点→la(細線)→lb(破線)→lc(太線)のようなヒステリシス特性である。
なお、右切り/左切り判定部110での判定方法は、図5に示されるような判定に限られない。例えば、操舵角θhの現在値が過去値に対してプラス方向(増分が0以上)に変化したか、又はマイナス方向(増分が0未満)に変化したかを確認し、その方向に基づいて判定しても良い。また、操舵角θhの代わりに、上側角度センサの角度θを用いても良い。
このような構成において、目標操舵トルク生成部120の動作例(図6のステップS10)を、図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、操舵角θh及び車速Vsが入力され(ステップS11)、基本マップ121は図8の特性に従い、操舵角θh及び車速Vsに応じたトルク信号Tref_aを生成して出力する(ステップS12)。操舵角θhは微分部122及びヒステリシス補正部124にも入力され、微分部122は操舵角θhを微分して舵角速度ωを出力し(ステップS13)、ダンパゲインマップ123は車速Vsに応じた車速感応ダンパゲインDを出力し(ステップS14)、乗算部125は舵角速度ω及び車速感応ダンパゲインDを乗算してトルク信号Tref_bを演算し、トルク信号Tref_bを加算部127に入力する(ステップS15)。
また、右切り/左切り判定部110は操舵の右切り/左切りを判定し、判定結果である操舵状態STsをヒステリシス補正部124に入力する(ステップS16)。ヒステリシス補正部124は操舵角θhに対して、且つ操舵状態STsに応じて数5及び数6の演算を行ってヒステリシス補正を実施し(ステップS17)、トルク信号Tref_cを生成する(ステップS18)。トルク信号Tref_cは加算部127に入力される。
上述のようにして得られたトルク信号Tref_a、トルク信号Tref_b、トルク信号Tref_cは出力部を構成する加算部126及び127で加算され、目標操舵トルクTrefが演算される(ステップS19)。即ち、トルク信号Tref_bとトルク信号Tref_cが加算部127で加算され、その加算結果にトルク信号Tref_aが加算部126で加算され、その加算結果が目標操舵トルクTrefとして出力される。
なお、図11のデータ入力及び演算等の順番は適宜変更可能である。
また、図12は捩れ角制御部140の構成例(第1実施形態)を示すブロック図であり、目標捩れ角Δθrefと捩れ角Δθの偏差Δθが減算部141で算出され、偏差Δθは補償値CFB(伝達関数)の捩れ角フィードバック(FB)補償部142に入力される。捩れ角FB補償部142は偏差Δθに対し補償値CFB(伝達関数)を乗算し、目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθが追従するような目標コラム角速度ωref1を出力する。目標コラム角速度ωref1は、加算部143に入力される。なお、補償値CFBは単純なゲインKppでも、或いはPI制御の補償値などでも良い。
操舵角θhは補償値Ch(伝達関数)の舵角外乱補償部144に入力され、操舵角θhに対して補償値Ch(伝達関数)を乗算し、目標コラム角速度ωref2を出力する。舵角外乱補償144によれば、運転者から入力される操舵角θhの変化による、トーションバー捩れ角Δθへの影響を抑制し、急操舵に対する目標捩れ角Δθrefへの捩れ角Δθの追従性を向上することができる。目標コラム角速度ωref1と目標コラム角速度ωref2は加算部143で加算され、目標コラム角速度ω refとなる。目標コラム角速度ω refは、I−P制御(比例先行型PI制御)の速度制御部130に入力される。運転者の操舵により操舵角θhが変化すると、それが外乱として捩れ角Δθに影響してしまい、目標捩れ角Δθrefに対してずれが発生する。特に急な操舵に対しては、それが顕著に出てしまう。舵角外乱補償部144の基本的な目的は、この外乱としての操舵角θhの影響を低減させることである。また、舵角外乱補償部144の伝達関数Chは、後述するプラントモデルの周波数伝達特性などから決定することにより、外乱の影響を抑制することが可能である。
I−P制御の速度制御部130は、目標コラム角速度ωrefにコラム角速度ωが追従するような電流指令値Isを算出する。コラム角速度ωcは図12のように、モータ角速度ωに減速機構である減速比部145の減速比“1/N”を乗算した値としても良い。速度制御部130からの電流指令値Isの上下限値を制限して、電流指令値Irefを出力するリミッタ146が速度制御部130の後段に設けられている。
このような構成において、捩れ角制御部140の動作例(図6のステップS40)を、図13のフローチャートを参照して説明する。
先ず目標捩れ角Δθref及び捩れ角Δθが入力され(ステップS41)、減算部141で偏差Δθが算出される(ステップS42)。偏差Δθは捩れ角FB補償部142に入力されて補償され(ステップS43)、補償された目標コラム角速度ωref1が加算部143に入力される。次いで操舵角θhが入力され(ステップS44)、操舵角θhは舵角外乱補償部144に入力されて補償され(ステップS45)、補償された目標コラム角速度ωref2が加算部143に入力される(ステップS46)。加算部143の加算結果である目標コラム角速度ωrefは、速度制御部130に入力される。
また、モータ角速度ωは減速比部145で“1/N”を乗算され(ステップS47)、乗算結果であるコラム角速度ωが速度制御部130に入力される(ステップS48)。目標コラム角速度ωrefとコラム角速度ωの差分が減算部131で得られ、差分が積分部132で積分(Kvi/s)されて算部134に入力される(ステップS50)。コラム角速度ωは比例部133で比例処理(Kvp)され、比例結果が算部134に入力され(ステップS50)、算部134からの算結果である電流指令値Isがリミッタ146で上下限値を制限され(ステップS51)、リミッタ146からモータ制御の電流指令値Irefが出力される(ステップS52)。
捩れ角制御部140は捩れ角FB補償部142と速度制御部130があれば、基本的には目標捩れ角Δθrefに捩れ角Δθを追従させ、所望の操舵トルクを実現することが可能である。
次に、舵角外乱補償部144の効果について説明する。
EPS操舵系/車両系100を図14のように速度制御部130込みとして扱った場合のシステム全体において、目標コラム角速度ωrefを入力とし、出力をコラム角θc及び捩れ角Δθとし、速度制御部130を含むシステム全体の伝達関数モデルをPcとする。捩れ角Δθは単純にコラム角θcと操舵角θhの差分(θc−θh)であり、減算部103で求められる。ただし、EPS操舵系/車両系100及び速度制御部130を含む伝達関数ブロック(Pω)102−1は、入力を目標コラム角速度ωref、出力をコラム角速度ωとした伝達関数モデルであり、トーションバー2Aのバネ定数Ktor、コラム慣性などのEPS機構系特性と車両の動特性モデルも含む。また、伝達関数ブロック(Pω)102−1は、安定化補償部を含んでも良いし、含まなくても良い。コラム角速度ωcを、積分ブロック102−2で時間積分するとコラム角θcとなる。
図14を基に、捩れ角Δθを目標捩れ角Δθref、捩れ角FB補償部142の伝達関数CFB、舵角外乱補償部144の伝達関数Ch、システム全体の伝達関数Pcで表現すると、数7になる。
Figure 0006531876
数7の第1項が捩れ角Δθの目標捩れ角Δθrefへの追従性を表し、第2項が操舵角θhの捩れ角Δθへの外乱特性を表している。この数7の第2項目を“0”とすれば、理論的に操舵角θhに起因する外乱を除去できることから、舵角外乱補償部144の伝達関数Chを数8にすれば良い。つまり、数8となるように舵角外乱補償部144の伝達関数Chを設定すれば、操舵角θhによる外乱の影響を抑制することができる。
Figure 0006531876
次に、舵角外乱補償部144の伝達関数Chの設定方法について説明する。
シミュレーション上で、目標コラム角速度ωrefからコラム角θcまでの周波数特性Pcを同定した結果は、図15(A)及び(B)のボード線図であり、更にこの同定結果に対する逆伝達関数、つまり数8とそれにフィッティングした結果を図16に示す。図16の細線が逆伝達関数であり、太線がフィッティング結果である。フィッティングした伝達関数は、数9で示される3次のフィルタとしている。分子の係数b〜bと分母の係数a〜aは、それぞれ図16の細線に対し、ゲインと位相が一致するようなフィルタの係数として、繰り返し計算により求めた。
Figure 0006531876
上記のフィッティング結果を舵角外乱補償部144の伝達関数Chとして設定する。
次に、舵角外乱補償部144による効果を、シミュレーション結果を用いて説明する。目標操舵トルク生成部の設定は基本マップのみ行い、操舵角θhの100[deg]に対し、目標捩れ角Δθrefが5[deg]となるような目標操舵トルクの直線の設定とした。ダンパゲインマップ123の出力D、ヒステリシス補正部124の出力Tref_cは0[Nm]としている。図17に、操舵入力及び外乱としての操舵角θhの時間応答を示す。0[sec]から5[sec]にかけて周波数が高くなり、急操舵を想定した入力としている。図17の操舵角θhを舵角外乱補償の有りと無しの両方の場合に用い、図18の結果を得た。なお、図18では見難いが、細線で示す目標捩れ角[deg]は破線の補償有りの特性とほぼ重なっている。図18より、舵角外乱補償が有る方が目標捩れ角へ良く追従しているのが分かる。また、急操舵の場合にも目標捩れ角へ追従し、所望の操舵トルクを実現している。
目標操舵トルク生成部120内に車速感応型のダンパゲインマップ123が設けられており、舵角速度ωに比例した目標操舵トルクを補償することにより、フィーリングとしての粘性感を持たせることが出来る。ステアリングの舵角を切った状態から、手放しをすることにより、ハンドルが発振することなく収れん性を持たせ、システム安定性を向上させることができる。手放しを想定するために、ハンドル1の上側からの手入力を0〜1[sec]の間で3[Nm]加え、1[sec]以降は0[Nm]としたシミュレーションを行った。図19及び図20はシミュレーション結果を示しており、図19(B)に示すように、1[sec]まで手入力トルクを3[Nm]加えた状態(図19(A)の舵角は30[deg]弱)から0[Nm]にステップ的に変化させることで手放しを想定しているが、図19(A)に示すように舵角が、0[deg]に安定して収束しているのが分かる。それに対し、ダンパゲインマップ123を設けない場合で、同じ手入力トルクを加えた応答は、図20に示すように振動的になり収束性が悪く、また、制御的に発振してしまう場合がある。
なお、捩れ角制御部140は、図21に示す構成例(第2実施形態)のように、トーションバーの下側角度のコラム角θcを入力し、操舵角θhを算出して用いるようにしても良い。即ち、捩れ角Δθ、操舵角θh及びコラム角θcの関係は、数10となる。
(数10)
Δθ=θc−θh
数10を操舵角θhについて変形すると、数11となる。
(数11)
θh=θc−Δθ
よって、図21に示すように、捩れ角Δθ及びコラム角θcを減算部141Aに入力し、減算部141Aで数11を演算することによって操舵角θhを得ることができるので、この算出された操舵角θhを舵角外乱補償部144に入力することで、上述と同様な制御性能を達成できる。
捩れ角制御部が安定化補償部を備える構成例(第3〜第5実施形態)について説明する。システムの安定性を向上させる安定化補償部を設けることで、発振現象の対策を行うことができる。
図22は、モータ角速度ωに対して安定化補償部を設けた捩れ角制御部の構成例(第3実施形態)を示すブロック図である。図12に示される第1実施形態の捩れ角制御部と比べると、安定化補償部147及び加算部148が追加されており、モータ角速度ωは補償値Cs(伝達関数)の安定化補償部147に入力され、安定化補償部147からの電流指令値Isbが加算部148に入力される。追従性及び外乱特性を向上させるために、捩れ角FB補償部142、舵角外乱補償部144のゲインを上げると、高域の制御的な発振現象が発生してしまう。この対策として、モータ角速度ωに対し、安定化するために必要な伝達関数(Cs)を安定化補償部147に設定する。これにより、EPS制御システム全体の安定化を実現することができる。安定化補償部147の伝達関数(Cs)として、例えば2次フィルタ、4次フィルタ等でも良い。
速度制御部130からの電流指令値Is及び安定化補償部147からの電流指令値Isbは加算部148で加算され、加算で得られた電流指令値Isaがリミッタ146に入力される。
第3実施形態の捩れ角制御部の動作例では、第1実施形態の捩れ角制御部の動作例に対して、図23に示されるように、安定化補償部147及び加算部148の動作(ステップS50A、S50B)が加わる。即ち、速度制御部130内の加算部134から出力された電流指令値Isは、加算部148に入力される。そして、減速比部145に入力されたモータ角速度ωは安定化補償部147にも入力され、安定化補償部147で安定化補償が実施され(ステップS50A)、安定化補償部147からの電流指令値Isbは加算部148に入力される。加算部148で電流指令値Is及びIsbの加算が行われ(ステップS50B)、加算結果である電流指令値Isaはリミッタ146に入力される。その他の動作は、第1実施形態の捩れ角制御部の動作と同じである。
図17と同一の操舵角θhを入力した場合について、安定化補償部147の効果を示すシミュレーション結果を図24に示して説明する。安定化補償部147を設けない場合において、振動的になるように捩れ角FB補償部142のゲインを調整した。また、操舵角θhが増加する方向に操舵した場合、捩れ角Δθがプラスとなるように、符号を調整した。図24(A)が安定化補償部147が無い場合の特性であり、図24(B)が安定化補償部147を設けた場合であり、0[sec]から 1[sec]を表示している。安定化補償部147を設けることにより、高域の制御的な発振や振動を抑制していることが確認できる。図24ではほぼ重なっているが、細線が目標捩れ角Δθref[deg]であり、太線が捩れ角Δθ[deg]である。また、安定化補償部147を設けることにより、捩れ角FB補償部142のゲインを大きく設定することができ、結果的に目標捩れ角Δθref[deg]への追従性を高めることができる。本シミュレーションでは、安定化補償部147の設定で、モータ角速度ωに対して数12の1次フィルタを設定した。
Figure 0006531876
図25は、捩れ角Δθに対して安定化補償部を設けた捩れ角制御部の構成例(第4実施形態)を示すブロック図である。図22に示される第3実施形態の捩れ角制御部と比べると、安定化補償部247には、モータ角速度ωではなく、捩れ角Δθが入力されている。その他の構成は、第3実施形態の捩れ角制御部と同じである。
第4実施形態の捩れ角制御部の動作例は、第3実施形態の捩れ角制御部の動作例と比べると、安定化補償部247に捩れ角Δθが入力される動作が異なるだけで、その他は同じである。
第4実施形態における安定化補償部247の設定では、捩れ角Δθに対して数13の2次フィルタを設定することで、第3実施形態の場合とほぼ同等の効果が得られる。但し、第4実施形態でのシミュレーション結果例は割愛する。
Figure 0006531876
図26は、コラム角θcに対して安定化補償部を設けた捩れ角制御部の構成例(第5実施形態)を示すブロック図である。図22に示される第3実施形態の捩れ角制御部と比べると、安定化補償部347には、モータ角速度ωではなく、コラム角θcが入力されている。その他の構成は、第3実施形態の捩れ角制御部と同じである。
第5実施形態の捩れ角制御部の動作例は、第3実施形態の捩れ角制御部の動作例と比べると、安定化補償部247にコラム角θcが入力される動作が異なるだけで、その他は同じである。
なお、第3〜第5実施形態では、モータ角速度ω、捩れ角Δθ及びコラム角θcそれぞれに対する安定化補償部を1つ使用しているが、各安定化補償部を適宜組み合わせて使用しても良い。
上述の実施形態(第1〜第5実施形態)において、基本マップ121、ダンパゲインマップ123及びヒステリシス補正部124は車速Vsに感応したものでも良く、基本マップ121の後段若しくは前段に位相補償部を挿入してもよい。例えば操舵に対してスッキリ感を持たせたい場合は、位相進み補償を設定すれば良い。捩れ角制御部の電流指令値Irefに従来のアシスト制御の電流指令値、或いはSAT(Self-Aligning Torque)推定値の電流指令値、或いはハンドル振動抑制のための電流指令値を加算しても良い。
更に、上述の実施形態では速度制御部をI−P制御(比例先行型PI制御)で構成しているが、PI制御、P制御、PID制御、PI−D制御、モデルマッチング制御、モデル規範制御などの一般的に用いられるものでも良い。
また、上述の実施形態では、舵角速度は、操舵角θhに対する微分演算により求めているが、高域のノイズの影響を低減するために適度にLPF(ローパスフィルタ)処理を実施している。また、HPF(ハイパスフィルタ)とゲインにより、微分演算とLPFの処理を実施しても良い。更に、舵角速度は、操舵角θhではなく、上側角度センサの検出角度θに対する微分演算とLPFの処理を行った信号でも良い。
なお、上述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例(例えば、目標操舵角、実舵角、トーションバートルク、コラム角、モータ角速度等のセンサ情報又は制御量等)を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるものではない。例えば、上述の実施形態では本発明をコラム型EPSに適用しているが、本発明はコラム型等の上流型に限られず、ラック&ピニオン等の下流型EPSにも適用可能である。更に、目標捩れ角に基づくフィードバック制御を行うということでは、トーションバー(バネ定数任意)及び捩れ角検出用のセンサを少なくとも備えるステアバイワイヤ反力装置等にも適用可能である。また、上述の実施形態の説明において使用した図は一例を示すものであり、これらに限られない。関係式や数式も上記に限られず、実現可能なものであれば良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
3 減速機構
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
100 EPS操舵系/車両系
101 変換部
110 右切り/左切り判定部
120 目標操舵トルク生成部
121 基本マップ
123 ダンパゲインマップ
124 ヒステリシス補正部
130 速度制御部
140 捩れ角制御部
142 捩れ角フィードバック(FB)補償部
144 舵角外乱補償部
147、247、347 安定化補償部

Claims (16)

  1. 車両のハンドルのコラム軸にトーションバーを備え、前記コラム軸に接続されたモータを電流指令値に基づいて駆動制御することにより、操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング装置において、
    操舵角、車速及び操舵状態に基づいて目標操舵トルクを生成する目標操舵トルク生成部と、
    前記目標操舵トルクを目標捩れ角に変換する変換部と、
    少なくとも前記目標捩れ角及び前記トーションバーの捩れ角を入力し、前記目標捩れ角に対して前記捩れ角を追従させるような前記電流指令値を算出する捩れ角制御部と、
    を備え、
    前記捩れ角制御部が、
    モータ角速度をコラム角速度に変換する角速度変換部と、
    前記目標捩れ角及び前記捩れ角の偏差に対して第1の目標コラム角速度を出力する捩れ角フィードバック補償部と、
    前記操舵角に基づいて第2の目標コラム角速度を出力する舵角外乱補償部と、
    前記第1の目標コラム角速度を前記第2の目標コラム角速度で補正した第3の目標コラム角速度及び前記コラム角速度に基づいて前記電流指令値を出力する速度制御部と
    構成され、
    前記トーションバーの検出トルクを前記操舵角、前記車速及び前記操舵状態に応じた値に追従するように制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記捩れ角制御部では、
    前記速度制御部に前記第1の目標コラム角速度及前記第2の目標コラム角速度の加算値である前記第3の目標コラム角速度と、前記コラム角速度とが入力され、前記第3の目標コラム角速度と前記コラム角速度の偏差を積分し、前記積分の積分値から前記コラム角速度の比例値を減算して前記電流指令値を出力するようになっている請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記捩れ角制御部が更に、
    前記モータ角速度に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備える請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記伝達関数が1次フィルタ若しくは2次フィルタである請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記捩れ角制御部が更に、
    前記捩れ角に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備える請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記捩れ角制御部が更に、
    コラム角に対して伝達関数を設定してシステム全体の安定性を向上する安定化補償部を備える請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記伝達関数が2次フィルタ若しくは4次フィルタである請求項又はに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記目標操舵トルク生成部に前記ハンドルの右切り/左切りの操舵状態が入力されている請求項乃至のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記目標操舵トルク生成部が、
    前記操舵角に応じて車速感応の第1のトルク信号を出力する基本マップと、
    前記操舵角の微分値に車速感応ダンパゲインを乗算して第2のトルク信号を出力するダンパゲイン部と、
    前記操舵状態及び前記操舵角に応じヒステリシス特性を持つ第3のトルク信号を出力するヒステリシス補正部と、
    前記第1のトルク信号、並びに、前記第2のトルク信号及び前記第3のトルク信号のうち少なくとも1つの信号を加算して前記目標操舵トルクを出力する出力部と、
    で構成されている請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記車速感応ダンパゲインが、車速に応じて徐々に大きくなる特性である請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 前記ヒステリシス補正部が、関数を用いて前記操舵角に応じたヒステリシス補正するようになっており、前記操舵状態が右切りの場合と左切りの場合とで前記関数を切り替え、前記関数の切り替え時には前記操舵角に対するオフセット調整値を更新する請求項又は10に記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 前記オフセット調整値が、前記操舵角及び前記第3のトルク信号の前回値を用いて算出される請求項11に記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 前記速度制御部の後段に上下限値を制限するリミッタが設けられている請求項乃至12のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 前記捩れ角フィードバック補償部が伝達関数のゲイン値である請求項乃至13のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 前記舵角外乱補償部が、前記操舵角の変化による前記捩れ角への影響を抑制し、急操舵に対する目標捩れ角への前記捩れ角の追従性を向上する伝達関数の値である請求項乃至14のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  16. 前記舵角外乱補償部の伝達関数の値が、前記操舵系及び車両系モデルの周波数伝達関数から定められる請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
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