JP2015199415A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015199415A
JP2015199415A JP2014078848A JP2014078848A JP2015199415A JP 2015199415 A JP2015199415 A JP 2015199415A JP 2014078848 A JP2014078848 A JP 2014078848A JP 2014078848 A JP2014078848 A JP 2014078848A JP 2015199415 A JP2015199415 A JP 2015199415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
steering
correction
target
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014078848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6387657B2 (ja
Inventor
資章 片岡
Motoaki Kataoka
資章 片岡
庸介 平手
Yosuke Hirate
庸介 平手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014078848A priority Critical patent/JP6387657B2/ja
Publication of JP2015199415A publication Critical patent/JP2015199415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6387657B2 publication Critical patent/JP6387657B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

【課題】操舵系機械要素の摩擦力の影響の相対的な変化に対してロバストな操舵感を実現できる電動パワーステアリング制御装置を提供する。【解決手段】路面負荷Txを推定する負荷推定部110と、推定した路面負荷Txに基づいて、補正前目標操舵トルクTid1を決定する補正前目標決定部120と、操舵角θを検出する舵角センサと、操舵角θに基づいて補正前目標操舵トルクTid1を補正して目標操舵トルクTidを決定する目標補正部130とを備え、目標操舵トルクTidと操舵トルクTsの偏差から、アシストトルク指令値Ta*を決定する。【選択図】図2

Description

本発明は、ドライバが行う車両のハンドル操作をモータでアシストする電動パワーステアリングシステムに備えられて、このシステムを制御する電動パワーステアリング制御装置に関する。
特許文献1の電動パワーステアリング制御装置は、操舵トルクとアシストトルク指令値から負荷を推定し、推定した負荷から目標操舵トルクを設定する。そして、操舵トルクがその目標操舵トルクと一致するようにするため、操舵トルクと目標操舵トルクの偏差からアシストトルク指令値を演算する。
特開2013−52793号公報
制御対象である操舵系機械要素の摩擦力が増えると操舵に要するトルクが増えるため、特許文献1の技術では、操舵系機械要素の摩擦力が増えるとアシストトルク指令値を大きくしなければならない。このアシストトルク指令値は、負荷推定にも用いているため、アシストトルク指令値が大きくなると、推定する負荷が高い値になる。
この摩擦力の影響により、切り込み状況下では、操舵時の目標操舵トルクが大きくなってしまい、それに追従して操舵トルクも大きくなってしまう。また、戻し状況下では、摩擦力の影響により、ハンドル角が0度に戻る前に操舵トルクが0になってしまう。したがって、ハンドル角の復元性が悪化し、ハンドル角を0度まで戻すためには、ドライバがハンドルを切る必要が生じる。
特に、低μ路では路面反力が小さくなるため、路面μが低くない時と比較すると、相対的に操舵系機械要素の摩擦力の影響が大きくなる。そのため、低μ路では、摩擦力が小さいときと比較して切り込み状況下での操舵トルクが特に増えてしまい、また、摩擦力が小さいときに比較してハンドル角の復元性が特に悪化してしまう。
また、低速走行時は、高速走時行に比較してセルフアライニングトルクが小さくなるので、低速走行時も、高速走行時に比較して、相対的に操舵系機械要素の摩擦力の影響が大きくなる。そのため、低速走行時も、高速走行時に比較して切り込み状況下での操舵トルクが増えてしまい、また、ハンドル角の復元性が悪化してしまう。
このように、従来は、操舵系機械要素の摩擦力自体が変化したり、また、路面μの変化や車速の変化により、相対的に操舵系機械要素の摩擦力の影響が変化すると、操舵感が変化してしまっていた。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、操舵系機械要素の摩擦力の影響の相対的な変化に対してロバストな操舵感を実現できる電動パワーステアリング制御装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、車両のハンドルの回転を操舵輪に伝達するトルク伝達経路の一部に設けられたトーションバーのねじれ角に基づいて、そのトーションバーに加えられているトルクである操舵トルクを検出するトルク検出部(4)と、ハンドルの操作による操舵輪の操舵時にハンドルの操作をアシストするためのアシストトルクを発生させるモータ(6)と、を備えた電動パワーステアリングシステム(1)に設けられ、モータを制御することによりアシストトルクを制御する電動パワーステアリング制御装置(100、200、300)であって、路面負荷を推定する負荷推定部(110)と、負荷推定部が推定した路面負荷に基づいて、操舵トルクの補正前の目標値である補正前目標操舵トルクを決定する補正前目標決定部(120)と、ハンドルの操作に伴い回転する部材の回転角である操舵角を検出する操舵角検出部(11)と、操舵角検出部が検出した操舵角に基づいて補正前目標操舵トルクを補正して目標操舵トルクを決定する目標補正部(130、230、330)と、目標操舵トルクと操舵トルクの偏差から、アシストトルク指令値を決定する指令値決定部(170、180)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、目標操舵トルクと操舵トルクの偏差から、アシストトルク指令値を決定している。そして、目標操舵トルクは、路面負荷に基づいて決定した補正前目標操舵トルクを、操舵角に基づいて補正して決定している。操舵系機械要素に生じる摩擦力が操舵トルクに与える影響は操舵角に応じて変化するので、本発明のように、路面負荷に基づいて決定した補正前目標操舵トルクを操舵角に基づいて補正することで、操舵系機械要素に生じる摩擦力の影響の変化を低減できる。したがって、操舵系機械要素の摩擦力の影響の相対的な変化に対してロバストな操舵感が実現できる。
第1実施形態に係る電動パワーステアリングシステム1の概略的な構成を表す図である。 第1実施形態のEPSECU100が備える構成要素を示すブロック図である。 図2の目標トルク生成部123が備える目標操舵トルク生成マップを例示する図である。 補正前目標操舵トルクTid1で制御した場合の操舵角θと操舵トルクTsとの関係を例示する図である。 ヒステリシス補正部160の各部が出力する値の時間変化波形を説明する図である。 図5の操舵角θの変化に対する値d3の変化を表すリサージュ波形である。 Tid1、Tid2、Tid3、Tidの操舵角θに対する変化をそれぞれ例示するリサージュ波形である。 第1実施形態において、Tid1、Tidでそれぞれ制御した場合のリサージュ波形を比較して示す図である。 第2実施形態のEPSECU200が備える構成要素を示すブロック図である。 図9の下限決定部231が備える下限マップの一例である。 第2実施形態において、Tid1、Tidでそれぞれ制御した場合のリサージュ波形を比較して示す図である。 第3実施形態のEPSECU300が備える構成要素を示すブロック図である。 第3実施形態において、Tid1、Tidでそれぞれ制御した場合のリサージュ波形を比較して示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す電動パワーステアリングシステム1は、ドライバによるハンドル2の操作をモータ6によってアシストするものである。
ハンドル2は、入力軸であるステアリングシャフト3の一端に固定されている。ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサであり、請求項のトルク検出部に相当する。このトルクセンサ4は、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいて、そのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、ハンドル2の操舵力をアシストするものであり、その回転軸の先端にウォームギアが設けられ、このウォームギアが、インターミディエイトシャフト5に設けられたウォームホイールと噛み合っている。これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面から入力されるトルクによってインターミディエイトシャフト5が回転されると、その回転がモータ6に伝達されてモータ6も回転する。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、図示しないラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪10の向きが変わる。
また、ステアリングシャフト3には、ステアリングシャフト3の回転角を検出する舵角センサ11が設けられている。この舵角センサ11は請求項の操舵角検出部に相当する。
ステアリングシャフト3はハンドル2と一体回転するため、舵角センサ11が検出する角度は操舵角θを意味する。操舵角θは、車両が直進するときの角度を0度として、左右いずれか一方がプラス、他方がマイナスの値で表される。この操舵角θを示す信号はEPSECU100に入力される。また、車両における所定の部位には、車速Vcを検出するための車速センサ12も設けられている。車速Vcを示す信号もEPSECU100に入力される。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、インターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の操舵輪10が操舵される。
電動パワーステアリング制御装置であるEPSECU100は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作する。このEPSECU100は、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、舵角センサ11により検出された操舵角θ、および車速センサ12にて検出された車速Vcに基づいて、アシストトルク指令値Taを演算する。そして、そのアシストトルク指令値Taに基づいてモータ6を駆動制御することにより、ドライバがハンドル2を回す力をアシストするアシストトルクを制御する。
図2にEPSECU100が備える構成要素を示す。EPSECU100は、負荷推定部110、補正前目標決定部120、目標補正部130、減算部170、サーボコントローラ180、電流フィードバック部190を備えている。
負荷推定部110は、加算器111とローパスフィルタ112を備えた構成である。加算器111は、アシストトルク指令値Taと操舵トルクTsを加算する。加算した値はローパスフィルタ112にて高周波ノイズが除去される。ローパスフィルタ112から出力された値は、路面負荷の推定値である。以下、この推定値を推定負荷Txという。
通常、ドライバは主に10Hz以下の操舵反力情報を頼りに運転をしていることが知られている。そのため、ローパスフィルタ112は、たとえば、10Hz以下の周波数成分を通過するようになっている。
補正前目標決定部120は、絶対値生成部121、符号生成部122、目標トルク生成部123、乗算部124を備える。
負荷推定部110が出力した推定負荷Txは、絶対値生成部121、符号生成部122に入力される。絶対値生成部121は、推定負荷Txの絶対値を生成する。一方、符号生成部122は符号関数を備えており、入力された推定負荷Txが正の値であれば1を生成し、推定負荷Txが負であれば−1を生成する。
絶対値生成部121で絶対値とされた推定負荷Txは目標トルク生成部123に入力される。また、目標トルク生成部123には車速Vcも入力される。目標トルク生成部123は、図3に例示する目標操舵トルク生成マップを備えている。この目標操舵トルク生成マップは、20Km/h毎に、推定負荷Txと補正前目標操舵トルクTid1との関係を表したマップである。どの車速Vcにおける推定負荷Txと補正前目標操舵トルクTid1との関係も、推定負荷Txの上昇に対して対数的に補正前目標操舵トルクTid1が増加する。目標トルク生成部123は、図3のマップを、入力された車速Vc、推定負荷Txをもとに線形補間することで、補正前目標操舵トルクTid1の絶対値を求める。
乗算部124は、目標トルク生成部123が求めた補正前目標操舵トルクTid1の絶対値に、符号生成部122が生成した1または−1の値を乗算する。乗算後の値が補正前目標操舵トルクTid1である。
第1実施形態では、この補正前目標操舵トルクTid1を減算部170に入力するのではなく、目標補正部130を備えており、補正前目標操舵トルクTid1を補正して最終的な目標操舵トルクTidとする。
この目標補正部130で補正を行う理由を説明する。図4は、操舵角θの時間変化がsin波形となるように操舵した状況で、補正前目標操舵トルクTid1をそのまま減算部170に入力した場合の操舵角θと操舵トルクTsとの関係を示す図である。図4において、実線は通常時、一点鎖線は、通常時よりも操舵系機械要素の摩擦が増大した時、破線は通常時よりも操舵系機械要素の摩擦が増大し、かつ、低μ路(摩擦係数μ=0.2)の場合である。なお、操舵系機械要素とは、ステアリングシャフト3から操舵輪10に至るまでのトルク伝達経路を構成する機械部品を意味する。
図4のグラフは、原点を中心にして、ほぼ点対称のグラフであるので、以下、操舵角θが正の値であるときを例にして説明する。図4のグラフの第1象限において、通常時と摩擦増大時とを比較すると分かるように、摩擦が増大することにより、切り込み状況における操舵トルクTsが増大していることが分かる。
また、ハンドルを戻していく時、すなわち操舵角θが小さくなっていくとき、通常時には、操舵トルクTsが0になるのは操舵角θが約4度であるのに対して、摩擦増大時は約10度で操舵トルクTsが0になっている。そして、通常時の波形よりも摩擦増大時の波形は第4象限において下側に膨らんだ形状となっている。このことから、摩擦が増大すると、ハンドルの復元性が悪くなることが分かる。したがって、操舵角θを0度に戻す際に切り込むような操舵が必要となる。
摩擦が増大し、かつ、低μ路の場合である破線の波形は、摩擦が増大しているだけの一点鎖線の波形よりも、さらに第4象限において下側に膨らんだ形状となる。これはハンドルを操舵した際のタイヤ横力が限界に達しやすくなり、タイヤ側からの復元力が低下したためである。復元力が小さいことで操舵トルクとしては通常時より下回ったり、第4象限側つまりは戻す際に切り込むような操舵が必要となってくるのである。
この図4に示したように、摩擦が増大したり、路面μが低下することにより、操舵トルクTsが変化することから、操舵感が変化してしまうことになる。また、図4には示していなが、低速走行時は同一ハンドル角に対するセルフアライニングトルクは高速走行時に比べて小さくなるため、摩擦が増大したときはその影響を強く受けて、操舵角θと操舵トルクTsとの関係は変化してしまう。しかし、ドライバにとっては操舵系機械要素の摩擦力、路面反力、車速Vcが増加して操舵感が変化することは好ましくない。そこで、補正前目標操舵トルクTid1をそのまま減算部170に入力するのではなく、目標補正部130により補正を行うのである。
その目標補正部130は、加算器131、目標補正トルク生成部140を備える。そして、目標補正トルク生成部140は、加算部に相当する加算器141と、舵角基準目標補正部150と、ヒステリシス補正部160とを備える。
舵角基準目標補正部150は、絶対値生成部151、符号生成部152、目標トルク補正部153、乗算部154を備える。絶対値生成部151には、舵角センサ11が検出した操舵角θが入力され、その操舵角θの絶対値を生成する。符号生成部152にも、舵角センサ11が検出した操舵角θが入力される。符号生成部152は符号関数を備えており、入力された操舵角θが正の値であれば1を生成し、負の値であれば−1を生成する。
目標トルク補正部153は、補正トルク生成マップを備えている。この補正トルク生成マップは、操舵角θと舵角基準補正トルクTid2との関係を表したマップである。補正トルク生成マップは、入力値が図3の目標操舵トルク生成マップとは異なっているが、入力値に対する出力値の傾向は同じである。すなわち、補正トルク生成マップは、操舵角θが大きくなるほど大きい舵角基準補正トルクTid2を出力するマップである。また、操舵角θと舵角基準補正トルクTid2が定まる関係を複数の車速Vcに対して記憶しており、車速Vcが高くなるほど、舵角基準補正トルクTid2が大きくなる点も、目標操舵トルク生成マップと同じである。目標トルク補正部153は、補正トルク生成マップを、車速Vc、操舵角θをもとに線形補間することで、舵角基準補正トルクTid2の絶対値を求める。
乗算部154は、目標トルク補正部153が決定した舵角基準補正トルクTid2の絶対値に、符号生成部152が生成した1または−1の値を乗算する。乗算後の値が舵角基準補正トルクTid2である。
ヒステリシス補正部160は、減算部161、制限部162、減算部163、前回値保持部164、増幅部165を備える。
減算部161は、逐次入力される操舵角θの今回値θ(n)から、前回値保持部164が保持している値、即ち操舵角θの前回値θ(n−1)と値d3の前回値d3(n−1)との差を減算する。以下、減算した値をd2とする。この値d2を制限部162に入力する。
制限部162は、上限値およびその上限値と絶対値が同じであり符号が反対符号である下限値を備えており、減算部161から入力された値d2が上限値と下限値の間であれば、その値d2をそのまま出力する。制限部162が出力する値をd3とする。入力された値d2が上限値以上であれば、d3として上限値を出力する。また、入力された値d2が下限値以下であれば、d3として下限値を出力する。
減算部163は、操舵角θの今回値θ(n)から制限部162が出力した値d3を減算する。前回値保持部164は、減算部163が減算した値を保持する。保持している値をd1とする。前回値保持部164が保持している値d1は、次回、操舵角θが減算部161に入力されたときに、減算部161に出力される。次回の操舵角θを基準にすると、前回値保持部164が保持している値d1は、前回の操舵角θ(n−1)を用いて演算した値である。増幅部165は、制限部162が出力した値d3を、予め設定されたゲインKhで増幅する。増幅後の値がヒステリシス補正トルクTid3である。このようにして決定するヒステリシス補正トルクTid3は、操舵角θが変化すると、所定のヒステリシストルクで一定となり、操舵角θの変化方向が反転すると、逆符号のヒステリシストルクまで変化し、その後は一定となる。
図5は、操舵角θの時間変化がsin波形となるように操舵したときの操舵角θ、値d1、d2、d3、ヒステリシス補正トルクTid3の時間変化波形を説明する図である。値d3(n)は、下記式1のように変形できる。なお、式1において、Guard()は、所定範囲、たとえば、±1degで制限することを表し、nは今回値、n−1は1演算周期前の値を表す。
(式1) d3(n)=Guard(d2(n))
= Guard(θ(n)−d1(n))
= Guard(θ(n)−(θ(n−1)−d3(n−1)))
= Guard(θ(n)−θ(n−1)+d3(n−1))
式1の最終行より、値d3(n)は、制限範囲内では、操舵角θの1演算周期前からの変化が毎回積み上げられることが分かる。よって、制限範囲内では、操舵角θ(n)と同じ変化を示すことになる。図5の時間変化波形においては、時刻t0〜t1、t2〜t3の区間などのd3の波形がこれに相当する。
そして、Guard()内の値が上限値または下限値に達すると、上限値または下限値を維持することになる。図5の時間変化波形においては、時刻t1〜t2、t3〜t4の区間などのd3の波形がこれに相当する。
この図5に示した操舵角θ、d3の変化から、操舵角θに対する値d3の変化を表すと、図6に示すようなリサージュ波形になる。すなわち、値d3は、上限値または下限値である制限値で一定となり、方向が反転すると、逆符号の制限値までは操舵角θと同じ値になり、逆符号の制限値に達すると、その制限値で一定になる。
この値d3にゲインkhを乗じるとヒステリシス補正トルクTid3となるので、図7に示すヒステリシス補正トルクTid3のリサージュ波形も、図6の波形と同様の形状となる。
説明を図2に戻す。加算器141は、舵角基準目標補正部150が出力した舵角基準補正トルクTid2と、ヒステリシス補正部160が出力したヒステリシス補正トルクTid3を加算する。加算した値Tid2+Tid3が、請求項の補正トルクに相当する。
この値Tid2+Tid3は、加算器131にて補正前目標操舵トルクTid1に加算される。加算器131で加算された後の値が最終的な目標操舵トルクTidである。
図7は、これまでに説明した補正前目標操舵トルクTid1、舵角基準補正トルクTid2、ヒステリシス補正トルクTid3、目標操舵トルクTidの操舵角θに対する変化をそれぞれ例示するリサージュ波形である。
左上図に示すように、操舵角θが大きくなっていくときは、操舵角θの増加に伴い、補正前目標操舵トルクTid1は増加する。操舵角θの変化が反対方向になると、操舵角θが大きくなるときよりも小さい値で、操舵角θの減少に伴い、補正前目標操舵トルクTid1も小さくなる。
右上図に示すように、舵角基準補正トルクTid2は、操舵角θが大きくなるにつれて増加する。この舵角基準補正トルクTid2はヒステリシス幅を持っていない。そのため、舵角基準補正トルクTid2を補正前目標操舵トルクTid1に乗算しただけでは、トルクの絶対量に対するヒステリシス幅の割合が小さくなり、ハンドルの戻され感が強くなる。そこで、左下図に示すリサージュ波形の変化をするヒステリシス補正トルクTid3を加算している。ヒステリシス補正トルクTid3を加算することにより、最終的な目標操舵トルクTidのリサージュ波形は右下図に示すように、トルクの絶対量に対するヒステリシス幅の割合が補正前目標操舵トルクTid1と同等以上となる。
この目標操舵トルクTidは減算部170に入力される。減算部170は、目標操舵トルクTidから操舵トルクTsを減算する。すなわち、減算部170では目標操舵トルクTidと操舵トルクTsとの偏差であるトルク偏差ΔTが演算される。このトルク偏差ΔTがサーボコントローラ180に入力される。サーボコントローラ180は、トルク偏差ΔTがゼロになるように、すなわち、操舵トルクTsが目標操舵トルクTidになるように、アシストトルク指令値Taを演算する。なお、減算部170とサーボコントローラ180とにより請求項の指令値決定部が構成される。
そのサーボコントローラ180は、比例器181、積分器182、微分器183、加算器184を備える。比例器181はトルク偏差ΔTをゲインKp倍する。積分器182はトルク偏差ΔTを積分定数Kiで積分演算する。微分器183は微分定数Kdでトルク偏差ΔTを微分演算する。なお、sはラプラス演算子、τは時定数である。
アシストトルク指令値Taは、電流フィードバック部190、および、前述した加算器111に入力される。電流フィードバック部190は、アシストトルク指令値Taに基づき、そのアシストトルク指令値Taに対応したアシストトルクがトルクセンサ4よりも操舵輪10側に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、アシストトルク指令値Taに基づいて、モータ6の各相へ通電すべき目標電流を設定する。そして、各相の通電電流値Imを検出し、検出した各相の通電電流値Imがそれぞれ目標電流と一致するように駆動電圧Vdを制御することで、所望のアシストトルクを発生させる。
図8は、補正前目標操舵トルクTid1、目標操舵トルクTidでそれぞれ制御した場合のリサージュ波形を比較して示す図である。この図8は、図4と同様に、操舵角θの時間変化がsin波形となるように操舵した状況での操舵角θと操舵トルクTsとの関係を示す図である。
この図8において、実線、短一点鎖線、短破線は、それぞれ、補正前目標操舵トルクTid1をそのまま減算部170に入力した場合である。よって、図8の実線、短一点鎖線、短破線は、それぞれ、図4における実線、短一点鎖線、短破線と同じ形状である。
長一点鎖線、長破線は、目標操舵トルクTidを減算部170に入力した場合である。短一点鎖線と長一点鎖線との比較から、摩擦が増大した状況でも、操舵角θに基づいた補正を行うことで、ハンドル2を戻している状況下、すなわち、操舵角θが0度に向かう状況下での、戻す方向に対抗する操舵トルクTsが小さくなっていることが分かる。
より具体的に説明すると、たとえば、操舵角θが正、操舵トルクTsが負である第4象限では、ハンドル2を中立位置に戻す操作をしている。ここでは、ハンドル2を左から中立位置に戻す右回転操作をしているとする。ハンドル2がスムーズに左位置から中立位置に戻るためには、ハンドル2が左位置から中立位置になるまでは、操舵トルクTsは0に近い値か若干の正の値になることが好ましい。
しかし、第4象限では、操舵トルクTsが負になっているため、ハンドル2を操作する方向に対抗する操舵トルクTsが発生していることになり、ドライバはハンドル2を中立位置に戻すために、ハンドル2を中立位置に戻す方向に力を加える必要がある。
これに対して、長一点鎖線で示すリサージュ波形は、第4象限を通る部分が少なくなっている。したがって、補正前目標操舵トルクTid1を操舵角θに基づいて補正した目標操舵トルクTidとすることで、ハンドル2を中立位置にスムーズに戻せることが分かる。
また、長破線と短破線との比較から、摩擦が増大し、かつ、低μ路である状況でも、同様に、操舵角θに基づいた補正を行うことで、ハンドルを戻している状況下での戻す方向に対抗する操舵トルクTsが小さくなっていることが分かる。
以上、説明した第1実施形態によれば、減算部170、サーボコントローラ180において、目標操舵トルクTidと操舵トルクTsの偏差であるトルク偏差ΔTから、アシストトルク指令値Taを決定している。そして、目標操舵トルクTidは、推定負荷Txに基づいて決定した補正前目標操舵トルクTid1を、操舵角θに基づいて補正して決定している。
第1実施形態における補正は、具体的には、操舵角θが大きくなるほど大きくなる舵角基準補正トルクTid2に、ヒステリシス補正トルクTid3を加えた補正トルクを、推定負荷Txに基づいて決定した補正前目標操舵トルクTid1に加算する補正である。
操舵系機械要素に生じる摩擦力が操舵トルクTsに与える影響は操舵角θに応じて変化するので、上記補正により、操舵系機械要素に生じる摩擦力が操舵トルクTsに与える影響の変化を低減できる。したがって、操舵系機械要素の摩擦力の影響の相対的な変化に対してロバストな操舵感が実現できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
第2実施形態の電動パワーステアリングシステムは、図2に示したEPSECU100に代えて、図9に示す構成のEPSECU200を備える。その他の構成は、第1実施形態の電動パワーステアリングシステム1と同じである。
EPSECU200は、第1実施形態と同じ負荷推定部110、補正前目標決定部120、減算部170、サーボコントローラ180、電流フィードバック部190を備えている。そして、目標補正部130に代えて目標補正部230を備える。
目標補正部230は、下限決定部231、上限決定部232、制限部233を備えている。下限決定部231は下限マップを備える。図10は下限マップの一例である。図10に示すように、下限マップは、0km/hでは、操舵角θによらず一定の値である。0km/h以外は、操舵角θが大きくなるに従い、制限トルクが大きくなる。また、操舵角θが正の範囲では、車速Vcが高いほど制限トルクが高くなる。反対に、操舵角θが負の範囲では、車速Vcが高いほど制限トルクが低くなる。下限決定部231は、この図10に例示した下限マップを、操舵角θと車速Vcをもとに線形補間することで、目標操舵トルクTidの下限値となる下限トルクを決定する。
上限決定部232は上限マップを備える。上限マップは図示していないが、下限マップと点対称の関係にある。上限決定部232は、上限マップを、操舵角θと車速Vcをもとに線形補間することで、目標操舵トルクTidの上限値となる上限トルクを決定する。この上限決定部232、および、上述の下限決定部231が請求項の上下限決定部に相当する。
なお、下限マップと上限マップとは点対称の関係にあることから、操舵角θの符号を反転させ、下限マップ、操舵角θ、車速Vcから値を求め、その値の符号を反転させて上限トルクを決定してもよい。
制限部233には、補正前目標操舵トルクTid1が入力される。制限部233は、この補正前目標操舵トルクTid1が下限トルクと上限トルクとの間であれば、入力された補正前目標操舵トルクTid1の値をそのまま目標操舵トルクTidとして出力する。入力された補正前目標操舵トルクTid1が下限トルク以下であれば、下限トルクを目標操舵トルクTidとして出力する。入力された補正前目標操舵トルクTid1が上限トルク以上であれば、上限トルクを目標操舵トルクTidとして出力する。
図11は、第2実施形態において、補正前目標操舵トルクTid1、目標操舵トルクTidでそれぞれ制御した場合の操舵角θと操舵トルクTsとの関係を表すリサージュ波形を比較して示す図である。この図11も、図4、図8と同様に、操舵角θの時間変化がsin波形となるように操舵した状況での操舵角θと操舵トルクTsとの関係を示す図である。また、図8と同様、実線、短一点鎖線、短破線は、それぞれ、補正前目標操舵トルクTid1をそのまま減算部170に入力した場合である。
長一点鎖線、長破線は、目標操舵トルクTidを減算部170に入力した場合である。短一点鎖線や短破線の波形は、通常時の波形である実線の波形との乖離が大きいのに対して、長一点鎖線、長破線の波形は、実線の波形に近い形状である。したがって、操舵角θに基づいて目標操舵トルクTidの上限、下限を制限する補正を行うと、操舵系機械要素の摩擦力が増大しても、さらには、低μ路になっても、操舵角θ−操舵トルクTsの特性はほぼ変化しないことが分かる。
したがって、第2実施形態の電動パワーステアリングシステムは、操舵系機械要素の摩擦力の変化や、路面反力の変化、すなわち、操舵系機械要素の摩擦力が操舵トルクTsに与える影響が相対的に増大する変化に対して、操舵感はロバストであると言える。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第2実施形態の改良である。第3実施形態の電動パワーステアリングシステムは、図9に示したEPSECU200に代えて、図12に示す構成のEPSECU300を備える。その他の構成は、第2実施形態の電動パワーステアリングシステムと同じである。EPSECU300は、目標補正部330の構成が第2実施形態の目標補正部230と相違する。その他の構成は第2実施形態のEPSECU200と同じである。
目標補正部330も、第2実施形態の目標補正部230が備えている制限部233を備える。これらに加えて、擬似微分部331、絶対値生成部332、増幅部333、補正量決定部334、補正前下限決定部335、減算部336、補正前上限決定部337、加算部に相当する加算器338を備える。
擬似微分部331は、フィルタにより操舵角θを擬似微分する。擬似微分後の値は操舵速度Vsを意味する。絶対値生成部332は、擬似微分部331が生成した操舵速度Vsの絶対値を生成して増幅部333に出力する。増幅部333は、絶対値生成部332が出力した操舵速度Vsの絶対値を、予め設定されたゲインKgで増幅する。補正量決定部334は、補正前下限トルク、補正前上限トルクを補正する補正量を決定する。この補正量決定部334は、補正量マップを備える。補正量マップは、増幅部333が出力した値を入力値とし、補正量を出力値とするマップである。この補正量マップは、補正量の下限値、上限値が定まっており、その下限値、上限値の範囲では、入力値と同じ値を出力する。補正量決定部334は、この補正量マップと、増幅部333が出力した値から補正量を決定する。
補正前下限決定部335は、第2実施形態の下限決定部231と同じである。ただし、第3実施形態では、この補正前下限決定部335が決定した値を補正前下限トルクとする。
減算部336は、補正前下限決定部335が決定した補正前下限トルクから補正量決定部334が決定した補正量を減算する。第3実施形態では、減算部336で減算した後の値が下限トルクである。
補正前上限決定部337は、第2実施形態の上限決定部232と同じである。ただし、第3実施形態では、この補正前上限決定部337が決定した値を補正前上限トルクとする。
加算器338は、補正前上限決定部337が決定した補正前上限トルクに補正量決定部334が決定した補正量を加算する。第3実施形態では、加算器338で加算した後の値が上限トルクである。第3実施形態では、補正前下限決定部335、減算部336、補正前上限決定部337、加算器338が、請求項の上下限決定部に相当する。
制限部233は、第2実施形態と同じである。ただし、第3実施形態では、下限値と上限値との間の範囲が、補正量×2だけ、第2実施形態よりも広がっている。また、操舵速度Vsが高くなるほど補正量は大きくなるので、操舵速度Vsが高くなるほど、下限値と上限値との間の範囲が広がることになる。
図13は、第3実施形態において、補正前目標操舵トルクTid1、目標操舵トルクTidでそれぞれ制御した場合の操舵角θと操舵トルクTsとの関係を表すリサージュ波形を比較して示す図である。この図13も、図4、図8、図11と同様に、操舵角θの時間変化がsin波形となるように操舵した状況での操舵角θと操舵トルクTsとの関係を示す図である。また、図8、図11と同様、実線、短一点鎖線、短破線は、それぞれ、補正前目標操舵トルクTid1をそのまま減算部170に入力した場合である。
長一点鎖線、長破線は、目標補正部330で補正した目標操舵トルクTidを減算部170に入力した場合である。図11における長一点鎖線、長破線の波形は、ほぼ実線と同じ波形であったが、第3実施形態では、長一点鎖線、長破線の波形は、実線の波形よりもヒステリシス幅が広がっている。また、ヒステリシス幅は、操舵速度Vsが高いほど広くなる。
操舵速度Vsが高い場合に、操舵角θ−操舵トルクTsの関係におけるヒステリシス幅が広くなるため、ドライバが意図的に切り返しを行う場合には、このヒステリシス幅が広くなる。これにより、ハンドルが戻ろうとする復元力から、ハンドルを止めようとする抵抗力への変化が緩やかになる。
ドライバが意図的に切り返しを行った場合など、操舵速度Vsが速いと、通常時のリサージュ波形が示すループでは、操舵トルクTsが短時間で反対符号に切り替わることになる。したがって、ドライバがハンドル2から受ける力が急に変化することになってしまう。
これに対して、第3実施形態では、操舵速度Vsが速いと、操舵角θ−操舵トルクTsの関係におけるヒステリシス幅が広くなり、これにより、操舵トルクTsの変化が緩やかになる。したがって、操舵速度Vsが速い場合にも、ドライバがハンドル2から受ける力が急に変化することが抑制されるので、操舵感が向上する。
なお、操舵速度Vsに応じて制限部233の制限幅を変化させているものの、第2実施形態と同様に、操舵角θに応じて目標操舵トルクTidを制限している。したがって、第3実施形態でも、操舵系機械要素の摩擦力の影響の相対的な変化に対しては、操舵感はロバストである。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
たとえば、前述の実施形態では、ハンドル2の操作に伴い回転する部材の回転角である操舵角θとして、ステアリングシャフト3の回転角を用いていたが、操舵角θを検出する部材はステアリングシャフト3にかぎられない。たとえば、インターミディエイトシャフト5の回転角、モータ6の回転角、操舵輪10の回転角を操舵角θとしてもよい。
<変形例2>
第1実施形態では、補正前目標操舵トルクTid1に、舵角基準補正トルクTid2とヒステリシス補正トルクTid3を加算して目標操舵トルクTidとしていた。しかし、ヒステリシス補正トルクTid3は加算せず、補正前目標操舵トルクTid1に、舵角基準補正トルクTid2を加算して目標操舵トルクTidとしてもよい。
<変形例3>
また、第1実施形態あるいは変形例2と、第2実施形態または第3実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、舵角基準補正トルクTid2、または、舵角基準補正トルクTid2にヒステリシス補正トルクTid3である補正トルクを、補正前目標操舵トルクTid1に加えた値を、目標補正部230、330で制限してもよい。
<変形例4>
第3実施形態では、操舵角θを擬似微分して操舵速度Vsを算出していたが、これに限られない。たとえば、モータ6の回転速度を検出して操舵速度Vsとしてもよい。
<変形例5>
また、前述の第1実施形態では、操舵角θが変化しても、所定のトルクで一定となるヒステリシス補正トルクTid3を演算していたが、これに限られない。操舵角θによってゲインKhを変えることで、操舵角θに応じてヒステリシス幅を大きくしてもよい。
ヒステリシス幅を操舵角θに応じて変化させると、操舵角θの絶対値が大きくなるに従い、目標操舵トルクTidは、絶対量に対するヒステリシス幅の割合が大きくなることになる。そのため、よりドライバに好ましい操舵フィールに調整することができる。
<変形例6>
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリングシステムの方式として、インターミディエイトシャフト5の回転をモータ6でアシストする、いわゆるシャフトアシスト式の構成を例に挙げて説明した。しかし、これもあくまでも一例である。例えばタイロッド8の往復運動、即ちステアリングギアボックス7内のラックの往復運動をモータでアシストする、いわゆるラックアシスト式のものにも適用できるなど、種々のアシスト方式の電動パワーステアリングシステムに対して本発明を適用することが可能である。
1:電動パワーステアリングシステム、 100:EPSECU、 110:負荷推定部、 120:補正前目標決定部、 121:絶対値生成部、 122:符号生成部、 123:目標トルク生成部、 124:乗算部、 130:目標補正部、 150:舵角基準目標補正部、 160:ヒステリシス補正部、 170:減算部 200:EPSECU、 230:目標補正部、 300:EPSECU、 330:目標補正部、 Im:通電電流値、 Tid:目標操舵トルク、 Tid1:補正前目標操舵トルク、 Tid2:舵角基準補正トルク、 Tid3:ヒステリシス補正トルク、 Ts:操舵トルク、 Tx:推定負荷、 Vs:操舵速度、 θ:操舵角

Claims (6)

  1. 車両のハンドルの回転を操舵輪に伝達するトルク伝達経路の一部に設けられたトーションバーのねじれ角に基づいて、そのトーションバーに加えられているトルクである操舵トルクを検出するトルク検出部(4)と、
    前記ハンドルの操作による前記操舵輪の操舵時に前記ハンドルの操作をアシストするためのアシストトルクを発生させるモータ(6)と、を備えた電動パワーステアリングシステム(1)に設けられ、
    前記モータを制御することにより前記アシストトルクを制御する電動パワーステアリング制御装置(100、200、300)であって、
    路面負荷を推定する負荷推定部(110)と、
    前記負荷推定部が推定した路面負荷に基づいて、前記操舵トルクの補正前の目標値である補正前目標操舵トルクを決定する補正前目標決定部(120)と、
    前記ハンドルの操作に伴い回転する部材の回転角である操舵角を検出する操舵角検出部(11)と、
    前記操舵角検出部が検出した操舵角に基づいて前記補正前目標操舵トルクを補正して目標操舵トルクを決定する目標補正部(130、230、330)と、
    前記目標操舵トルクと前記操舵トルクの偏差から、アシストトルク指令値を決定する指令値決定部(170、180)と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記目標補正部(130)は、前記操舵角に基づいて補正トルクを決定し、その補正トルクを、前記補正前目標決定部が決定した前記補正前目標操舵トルクに加算して、前記目標操舵トルクとすることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記目標補正部は、
    前記操舵角に基づいて、前記操舵角が大きいほど大きくなる舵角基準補正トルクを決定する舵角基準目標補正部(150)と、
    前記操舵角の変化に対して、所定のヒステリシストルクを付与し、前記操舵角の変化方向が反転すると、逆符号の前記ヒステリシストルクを付与するヒステリシス補正トルクを決定するヒステリシス補正部(160)と、
    前記舵角基準目標補正部が決定した前記舵角基準補正トルクと、前記ヒステリシス補正部が決定した前記ヒステリシス補正トルクを加算して前記補正トルクとする加算部(141)と
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記目標補正部(230、330)は、
    前記操舵角に基づいて、前記目標操舵トルクの下限トルクおよび上限トルクを決定する上下限決定部(231、232、335、336、337、338)と、
    前記補正前目標操舵トルクを、前記上下限決定部が決定した前記下限トルクおよび前記上限トルクで制限して前記目標操舵トルクとする制限部(233)と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記上下限決定部(335、336、337、338)は、操舵速度が高くなるほど前記上限トルクと前記下限トルクとの間が広がるように、前記上限トルク、前記下限トルクを変更することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記負荷推定部は、前記トルク検出部が検出した操舵トルクと、前記アシストトルクを指示するアシストトルク指令値とに基づいて前記路面負荷を推定することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
JP2014078848A 2014-04-07 2014-04-07 電動パワーステアリング制御装置 Expired - Fee Related JP6387657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014078848A JP6387657B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 電動パワーステアリング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014078848A JP6387657B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 電動パワーステアリング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015199415A true JP2015199415A (ja) 2015-11-12
JP6387657B2 JP6387657B2 (ja) 2018-09-12

Family

ID=54551115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014078848A Expired - Fee Related JP6387657B2 (ja) 2014-04-07 2014-04-07 電動パワーステアリング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6387657B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017187492A1 (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 三菱電機株式会社 操舵制御装置
WO2019082835A1 (ja) * 2017-10-24 2019-05-02 日本精工株式会社 車両用操向装置
JPWO2019167661A1 (ja) * 2018-02-27 2021-03-25 日本精工株式会社 車両用操向装置
JP2022037344A (ja) * 2020-08-25 2022-03-09 株式会社デンソー ステアリング制御装置
WO2023148885A1 (ja) * 2022-02-03 2023-08-10 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0314771A (ja) * 1989-03-31 1991-01-23 Nissan Motor Co Ltd パワーステアリング装置の操舵力制御装置
JP2000238654A (ja) * 1998-12-25 2000-09-05 Toyota Motor Corp 操舵制御装置
JP2002029441A (ja) * 2000-07-19 2002-01-29 Mitsubishi Electric Corp 電動式ステアリング装置の制御装置
JP2002104220A (ja) * 2000-09-28 2002-04-10 Toyoda Mach Works Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2004203089A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2007125973A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Mitsubishi Electric Corp 車両用操舵装置
JP2013052793A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Denso Corp 電動パワーステアリング制御装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0314771A (ja) * 1989-03-31 1991-01-23 Nissan Motor Co Ltd パワーステアリング装置の操舵力制御装置
JP2000238654A (ja) * 1998-12-25 2000-09-05 Toyota Motor Corp 操舵制御装置
JP2002029441A (ja) * 2000-07-19 2002-01-29 Mitsubishi Electric Corp 電動式ステアリング装置の制御装置
JP2002104220A (ja) * 2000-09-28 2002-04-10 Toyoda Mach Works Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2004203089A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP2007125973A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Mitsubishi Electric Corp 車両用操舵装置
JP2013052793A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Denso Corp 電動パワーステアリング制御装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017187492A1 (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 三菱電機株式会社 操舵制御装置
JPWO2017187492A1 (ja) * 2016-04-26 2018-09-27 三菱電機株式会社 操舵制御装置
WO2019082835A1 (ja) * 2017-10-24 2019-05-02 日本精工株式会社 車両用操向装置
JPWO2019082835A1 (ja) * 2017-10-24 2020-04-02 日本精工株式会社 車両用操向装置
US11034382B2 (en) 2017-10-24 2021-06-15 Nsk Ltd. Steering apparatus for vehicles
JPWO2019167661A1 (ja) * 2018-02-27 2021-03-25 日本精工株式会社 車両用操向装置
JP2022037344A (ja) * 2020-08-25 2022-03-09 株式会社デンソー ステアリング制御装置
JP7235022B2 (ja) 2020-08-25 2023-03-08 株式会社デンソー ステアリング制御装置
WO2023148885A1 (ja) * 2022-02-03 2023-08-10 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6387657B2 (ja) 2018-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9914473B2 (en) Electric power steering system
EP2272735B1 (en) Electric power steering system
US10933909B2 (en) Vehicle control apparatus
JP5915811B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US9688307B2 (en) Electric power steering controller
JP6327198B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP5407171B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2018183046A (ja) モータ制御装置
US8823305B2 (en) Electric power steering system
JP4581694B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP6387657B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
US10981598B2 (en) Vehicle control apparatus controlling motor for steering based on steering condition
JP6252027B2 (ja) ステアリング制御装置
JP2009096265A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6790452B2 (ja) ステアリング制御装置
JP2021138335A (ja) 操舵制御装置
JP2019131073A (ja) 操舵制御装置
JP2020175865A (ja) 車両操舵装置
JP6036522B2 (ja) 電動ステアリング制御装置
JP6252062B2 (ja) ステアリング制御装置
JP6252059B2 (ja) ステアリング制御装置
JP2004284569A (ja) 操作反力生成制御装置
JP5105184B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5040414B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2009286350A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180730

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6387657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees