JPWO2019082804A1 - 編地 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ストレッチ性に優れ、配色の異なる糸を使用し、編地が見る角度によって色や柄が変化する比較的安価な編地を提供することを目的とする。上記目的を達成するため、ヨコ編により編成された複数種の糸束がウェール方向に編み込まれた編地であって、この複数種の糸束は色相の異なる2色以上の糸束からなり、少なくとも2種の糸束がコース方向に交互に編成され、連続的にコース方向に凹凸を形成していることを特徴とする編地である。

Description

本発明は、特定の編成組織を有する編地に関する。
衣料に装飾性を付与するために、生地の表面に視角方向により異なる外観を発揮させる生地があり、従来、織物の経糸または緯糸に2色の糸を用いて交互に配列するものがある(特許文献1参照)。
また、織物の経糸と緯糸とに異なる組成の糸を用いてこれらの染色差を用いるものがあり(特許文献2、3参照)、これらの生地は、色糸の混色作用によって視角方向により色合いが異なる視覚効果、玉虫調が得られる。
しかしながら、角度によって色が変わる技術として、織物構造であるために伸縮性がないこと(特許文献4)や、ダブル編地や経編地(タテ編地)であるために厚地であったり、風合いが硬く(特許文献5、特許文献6)、また色変化効果が少なくなること、2重織やダブルラッセルなど比較的高価となり、伸縮性や目付感、風合い、低価格が要求されるスポーツ衣料やカジュアルウエアなどの用途には不向きであるという問題があった。
また、編物組織により実現した装飾生地としては、経編地において視角方向によって外観や色合いの異なる生地を開発し、高い装飾効果を備えた材料がある。しかし、厚地で硬い風合いとなるデメリットがある。緯編地(ヨコ編地)については、生地の表面が比較的平坦となるため、薄地で立体的な装飾視角効果を有する生地を構成するのは困難であった。
特開2001−336041号公報 特開平8−60563号公報 特開2003−41465号公報 特開2012−97390号公報 特開2013−124419号公報 特開2017−14676号公報
本発明は、特定の編成組織を有する編地を提供することを目的とするものである。編み目が横方向に連続するヨコ編地において、伸縮性や風合いが良好な編地であって、色相の異なる2種以上の糸を使用することにより、編地全体が立体感を持ちつつ、見る角度によって色や柄が変化する編地を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
ヨコ編により編成された複数種の糸束がウェール方向に編み込まれた編地であって、
複数種の糸束のうち少なくとも1つの糸束は、他の糸束と異なる色相を有し、少なくとも2つの糸束がコース方向に交互に編成され、連続的に凹凸を形成する、編地である。そして、前記複数種の糸束のうち、他の糸束と異なる色相を有する糸束が、コース方向の凹部または凸部に形成される編地か、あるいは、凸から凹間の側面または凹から凸間の側面に形成される編地である。
また、複数種の糸束のうち少なくとも1つの糸束が複数の糸からなる編地である。さらに、前記複数種の糸束はそれぞれ色相の異なる2色以上の色相の糸からなる編地である。
前記編地は、ウェール方向に沿って表側に突出したリブ状の表凸部と、同じくウェール方向に沿って裏側に湾曲して突出したリブ状の裏凸部(表凹部)とをコース方向に交互に連続させた形状を備え、前記コース 方向に沿った切断面の形状が波状に形成されてなる。
また、コース方向に交互に編み込まれている少なくとも2種の糸束が、染色性の異なる2種以上の糸束である、編地である。そして、編地を異なった染色法で染色することにより、編地内で2種以上の色相の異なる部位を有する。
さらに、前記複数種の糸束のうち2種以上の糸束において、ポリウレタン弾性糸、または、ポリウレタン弾性糸を用いたカバーリング糸、または、熱収縮率10%以上の糸を含む、編地である。
これら編地をウェール方向を縫製品の縦方向として使用する縫製品を提供する。
本発明の編地は、見る角度によって色相が変わる特異な編地であり、安価な方法で作成でき、伸長性やフィット感、風合いを有した運動性の良い衣料用編地、風合いや意匠性を持った資材用編地としても使用できる編物を提供できることになる。
本発明の凹凸形状を形成する編地の一例を示す概略平面イメージ図の1例である。 コース方向で切断した場合の編地の断面イメージ図である。 図1Bの一部を拡大した断面イメージ図である。 本発明の凹凸形状を形成する編地のほかの例を示す概略平面イメージ図である。 コース方向で切断した場合の編地の断面イメージ図である。 本発明の凹凸形状を形成する編地のほかの例を示す概略平面イメージ図である。 コース方向で切断した場合の編地の断面イメージ図である。 本発明の凹凸形状を形成する編地の一例を示す写真である。 コース方向で切断した場合の編地の断面写真の1例である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明において、「ヨコ編により編成された複数種の糸束がウェール方向に編み込まれた編地」とは、複数種の糸束がひとつの編成単位となって、複数種の糸束の編成単位が編地のウェール方向に繰り返し編み込まれた編地である。ここで、ウェール方向に編み込まれるとは、編みを進める進行方向に、複数種の糸束が一種ずつ切り替わりながら編み込まれることである。複数種の糸束は、編地に特徴を出すための編成単位であって、たとえばリブ状の凸凹や波状の1つの形状を形成する編成単位となる。そして、複数種の糸束には、材質や繊度、色相、収縮性や伸張性などの特徴の組み合わせが重要であり、それぞれの糸束が異なっていても、同じであってもかまわない。但し、後述するとおり、少なくとも1つ(種)の糸束は他の糸束と色相が異なっている必要がある。それぞれの糸束には、編成単位内の役割に応じて、同じ糸束が用いられることがあってもよい。
後述する図面を用いての説明においては、複数種の糸束において、それぞれの糸束は、a、b、c、d、e・・・と表記する。たとえば、2種の糸束は、aとbで表され、4種の糸束は、a、b、cとdで表される。複数種の糸束の上限の数は、特に制限はないが、糸束を切り替る頻度や編地に形成するリブ状の凸凹を考慮すると、8種までが好ましく、より好ましくは4種である。次に、ヨコ編により編成されるとは、ヨコ方向に複数種の糸が順々に編み込まれていくが、たとえば、a、b、c、dの4種の糸束が繰り返し単位として、ヨコ編みが形成されていくことをいう。さらに、後述するように、4種の糸束、a、b、c、dがひとつの編成単位となり、1周期の凸凹形状を形成することが好ましい。これは、4種の繰り返し単位で凸凹形状を形成することで規則的で厚みが安定な編地が得られるためである。a、b、c、dの複数種の糸束で作るコース数は、糸束の太さや編み方にもよるが、数コースから多くても12コースで次の糸束に切り替えられる。糸束を切り替える方法は、一般的なヨコ編機(丸編機)で用いられる方法でよい。a、b、c、dの糸束は、数コース編み込まれるとエリアを形成するので、編地においては、それぞれa部、b部、c部、d部とも呼ばれ、a、b、c、dの数え方は、「種」でも「部位」でも構わない。
複数種の糸束のうち少なくとも1種の糸束は、他の糸束と異なる色相を有するとは、ヨコ編により編成された複数種の糸束をウェール方向に編み込まれた編地において、この複数種の糸束が全部同じ色相ではなく、何種かの糸束がほかの糸束とは色相の異なる糸束で構成されている状態である。4種の糸、a、b、c、dを繰り返し単位とするとき、たとえば、aが、ほかのbとcとdと異なる色である場合と、aとcが、他のbとdと異なる色である場合をも含む。他と異なる色相を有する糸束の数は、1種でもよいし、2種でもよい。異なる色相の糸束を配する位置(順序)も、aと隣り合っていても、aと隣り合っていなくてもよい。複数の糸束が有する色相の数は、後述する角度により異なる色に見える構成を満たす好適な色の数でよい。つまり、4種の場合、複数の糸束のうち他の糸束と異なる色を持つ糸束の数は、色の変化が現れるよう適宜選べばよく、1種でも2種でもまたすべての糸束が異なる色相でもよい。
次に、コース方向においてリブ状の凸凹を形成することについて説明する。本発明の編地は、少なくとも2種の糸束がコース方向に交互に編成され、連続的にコース方向に凹凸を形成している編地であることが重要である。
複数種の糸束を用いるということは、収縮率や伸長性が異なる糸束をコース方向に規則的に繰り返し配置することで、編地が連続的にコース方向に凹凸を形成することができる。規則的に繰り返すとは、複数種の糸束の数や配置パターンによっては、交互に繰り返されることを含む。本発明において「収縮率や伸長性が異なる糸束をコース方向に交互に配置する」とは、複数種の糸束において、隣り合う糸束の収縮率や伸長率が互いに異なっており、収縮率や伸張性が異なる糸束が交互に配置されることをいう。複数種の糸束が2種のときは、収縮率や伸張性が異なる糸束を交互に配置することで、コース方向に規則的な凸凹を形成する編地となる。複数種の糸束が3種のときには、収縮率や伸張性がほかと異なる糸束を1種含み、コース方向に3種の糸束を繰り返し配置して、コース方向に凸凹を連続的に形成し波状とすることが好ましい。複数種の糸束が4種のときには、収縮率や伸張性が異なる糸束を1種または2種含み、コース方向に4種の糸束を繰り返し配置して、凸凹を連続的に形成し波状とすることが好ましい。複数種の糸束が4種のときには、収縮率や伸長率の異なる糸束による凸凹形成の効果を、凸部と凹部、および、凸から凹間と凹から凸間の両側面の4部位で構成できるため、特に好ましい。
後述するが、収縮率や伸長性が高い糸束は、ベースの糸に収縮弾性を有する糸を付加することで得ることができる。そのため、前述の複数種の糸束が有する色相とは独立に機能を付加することができる。結果、収縮率や伸長性が異なる糸束の数や配置パターンは、複数種の糸束が有する色相とは無関係に決定でき、複数種の糸束による異なる色の効果が得られやすいように、凸凹形状を設計することが好ましい。この編地の凹凸高さは使用する用途によって適宜変更して構わないが、衣料用として用いる場合には、凹凸高さ(凹部から凸部までの高さ)は0.3〜3.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは、0.3〜1.5mmである。カーテンやカバー類のような資材で用いる場合には、0.3〜4.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは、0.3〜2.5mmである。ここで、凸凹の高さは、マイクロスコープを用いて深度測定より得られる値である。0.3mm未満では、凸凹の深さが不足して色相効果が得られにくい。3mmまたは4mmを超えると凸部がつぶれやすくなって色相効果が得られにくい。
次に、複数種の糸束(a、b、c、d、e・・・)を構成する、それぞれの糸について説明する。糸束は、複数の糸からなることが多い。以下の説明においては、便宜的に、それぞれの糸は、糸(1)、糸(2)、糸(3)、糸(4)、糸(5)、糸・・・糸(n)と表す。糸(1)から糸(n)は、材質、繊度、色相、収縮率、伸張性などの特性が異なる糸である。前記複数種の糸束のうち各糸束は、糸(1)から糸(n)までの1本以上の糸から構成されている。前記複数種の糸束のうち1種の糸束(a、b、c、d、または、e・・・)は、糸(1)から糸(n)までの任意の糸から選ばれる。本発明においては、色の効果と凸凹形成の2つの効果を考慮して、たとえば、糸(1)と糸(2)を組み合わせて、1種の糸束(a)とすることが好ましい。また、複数種の糸束の全部に同じ糸を用い、かつ、目的によって別の糸をそれぞれ組み合わせて用いてもよい。
ここで一例として、糸(1)〜(4)が、収縮率や伸長性が低く、糸(5)が収縮率や伸長性が高い糸とする。複数種の糸束が4種の場合、aからdには糸(1)から糸(4)をそれぞれ配置し、糸(5)は糸(1)のみと組み合わせてaに配置する。すると、糸(1)と糸(5)が含まれる複数種の糸束の1種:aは、収縮しやすく伸張性も高くなる。つまり、糸(5)が含まれる糸束:aは、糸束が収縮し、立体的な編地になりやすい。複数種の糸束のうちいずれかの糸束に、収縮率の高い糸(5)を組み合わせた糸束を有する編地は、その糸束の部位で平面から窪んだり、浮きあがったりしやすい。なお、前述の複数の糸束が有する色相との関係において、1種がほかと異なる色相の糸束であればよいが、複数種の糸束の編成単位に従って、異なる色の糸束が常に凸部または凹部に形成され、残る凹部または凸部、凸から凹間の側面と、凹から凸間の側面に形成することになる。
以下、図1Aに示す編地を用いて、糸束における糸の構成と、複数種の糸束の構成とリブ状の凸凹について説明する。
図1Aは、本発明の凹凸形状を形成する編地の一例を示す概略図である。図1Aは表面から見た編地のイメージ図、図1Bはコース方向で切断した場合の編地の断面イメージ図である。図1Cは図1Bの一部を拡大した断面イメージ図である。図1A中、編地10は、コース方向に複数種の糸束、4種(a、b、c、d)が繰り返しており、a〜dは編地上でそれぞれ連続している。
複数種の糸束は、全部で糸(1)から糸(5)の5つの糸を用いる。
糸(1)から糸(5)の色と収縮率は次のとおりである
糸(1):黄色、収縮率小さい
糸(2):青色、収縮率小さい
糸(3):黄色、収縮率小さい
糸(4):青色、収縮率小さい
糸(5):白色、収縮率大きい 。
複数種の糸束(a、b、c、d)における、糸(1)から糸(4)の組み合わせは次のとおりである
a:糸(1)と糸(5)、黄色
b:糸(2)と糸(5)、青色
c:糸(3)と糸(5)、黄色
d:糸(4)、青色 。
図1A中、編地10は、横方向がウェール方向、縦方向がコース方向である。aは、糸(1)と糸(5)の2本の糸を含んだコースで、糸(5)の作用で糸束aは収縮しやすい。色は黄色である。bは糸(2)と糸(5)の2本の糸を含んだコースで、糸(5)の作用で糸束bは収縮しやすい。色は青色であるcは糸(3)と糸(5)の2本の糸を含んだコースで、糸(5)の作用で糸束cは収縮しやすい。色は黄色である。dは糸(4)のみで、収縮率が大きい糸(5)を含んでいないコースである。dは1本の糸であるが、複数の糸を含んでいてもよい。色は青色である。糸束aは複数コースに編み込まれるが、好ましくは1コース以上10コース以下である。ほかの糸束b、c、dについても同様である。図1Aでは、わかりやすいために、aとbとの間に空白があるが、複数種の糸束はコース方向に空白はなく連続して配置されている。このように、複数種の糸束(a,b,c,d)のうち少なくとも1種の糸束は、他の糸束と異なる色相を有し、少なくとも2種の糸束がコース方向に交互に編成されている。
図1Bは、図1Aの編地10における、コース方向A−A間断面イメージ図である。おもて面であるニードル面11を矢印で示している。図1Bに示すとおり、本発明の編地はコース方向の断面形状がリブ状の凸凹となっている。高さHは、最高凸部から最低凹部までの距離を高さとして測定する。
図1Cは、複数種の糸束と凸凹の形状との位置関係を示している。糸(1)と糸(5)を含むaは、リブ状凸凹の側面に位置する。糸(2)と糸(5)を含むbが、表面(ここではニードル面11)から見た凹凸の凹部に位置する。糸(3)と糸(5)を含むcは、リブ状凸凹の側面に位置する。糸(4)を含むdが、ニードル面11から見た凸凹の凸部に位置する。実施の1つ態様では、収縮しやすい糸(5)を含むa、bおよびcが収縮することで、収縮しにくいdを持ち上げて凸部を形成している。aからdの凸凹上の位置は、糸の収縮率等から特定の位置になるように制御でき、コース方向に連続的に形成される凸凹形状と糸束の位置関係は規則的である。なお、表凸部とは、図1Aのdのことであり、裏凸部(凹部)とは図1Aのb部で形成されている。
また、aからdのいずれかに色相の異なる糸束を少なくとも1つ配置することにより、同じ編地の中に複数の色を有することができる。そして、凸凹形状の特定の場所に特定の糸束、つまり特定の色相の色を配置する構成が得られる。図1Cでは、aとcが黄色、bとdが青色であるので、観察者が正面から編地を見ると、凸凹部のbとdの青色に見え、観測者が斜めから編地を見ると、青色に加え黄色も見えるので全体として緑がかった色に見える。なお、aからdが、それぞれ色相の異なる2色以上の色相の糸を含むと、色相の変化が多様な色で構成されるので、見る角度によって色相が微妙に変化し、より好ましい。また、それぞれ色相の異なる2色以上の色相の糸は模様や柄を形成し、見る角度によって柄が変化し、より好ましい。
これら編地の凸凹形状と複数の色相を組み合わせることで、見る角度によって色や柄が変化する編地を作成することができる。ここで、表面がニードル面11として表記しているが、製品において、シンカー面を表として使用することも可能である。シンカー面を製品の表とした場合、製品の表における糸の配置や設計は反対となる。
ウェール方向に沿って表側に突出したリブ状の表凸部(図1B中d)と、同じくウェール方向に沿って裏側に湾曲して突出したリブ状の裏凸部(表凹部、図1B中b)とをコース方向に交互に連続させた形状を備え、前記コース方向に沿った切断面の形状が図1、C編地断面イメージ拡大図のようにabcdabcdの繰り返しのように波状に形成される編地が好ましく使用される。
ここで、見る角度によって色が変化する状態を説明する。リブ状に凹凸を形成することで、見る角度と凸部の関係によって、凹部にある色や凸部の視認方向とは反対側の色を隠すことができるためである。たとえば、正面から見たときは、リブ状の凸凹部の色が見えやすく、上斜めから見たときは凸部の側面の色が見えやすく、かつ、凸部の視認方向とは反対の側面の色は見えにくい。
また、リブ状の形状は任意に設定することが可能であり、細かく短ピッチや薄いリブ状凹凸を形成するためには、ハイゲージの編機を使用することや、糸の繰り返し間隔を短くすることで対応できる。また、大きなリブ状凹凸形状にするには、ローゲージの編機を使用し、糸の繰り返し間隔を大きくすれば良い。また、表凸部分を大きく広くし、任意の場所、任意の間隔に裏凸部(表凹部)を形成することも可能である。また、リブ状凹凸は染色加工時のプレセットや仕上げセットで間隔を調整することもでき、裏凸部(表凹部)を収縮させることで、裏凸部(表凹部)が見えにくく、生地を伸長させた時に裏凸部(表凹部)が現れる編地に設定することも可能である。
以上のように、複数種の糸束を備え、複数種の糸束(a,b,c,d)のうち少なくとも1種の糸束は、他の糸束と異なる色相を有し、少なくとも2種の糸束がコース方向に交互に編成されている。その色相と表面凸凹形状を制御しつつヨコ編で編成された編地は、伸縮性や風合いが良好で、見る角度によって色や柄が変化するため効果を有する。
別の実施態様を図2Aと図2Bおよび図3Aと図3Bを用いて説明する。
図2Aは、糸(1)と糸(5)を含むa2が異なる色を有し、a2を表凹部(図2B参照)に配置した編地例である。
複数種の糸束は、全部での5つの糸を用いる。
糸(1)〜糸(5)の色と収縮率は次のとおりである
糸(1):黄色、収縮率小さい
糸(2):青色、収縮率小さい
糸(3):青色、収縮率小さい
糸(4):青色、収縮率小さい
糸(5):白色、収縮率大きい 。
複数種の糸束(a、b、c、d)における、糸の組み合わせは次のとおりである
a2:糸(1)と糸(5)、黄色
b2:糸(2)と糸(5)、青色
c2:糸(3)、青色
d2:糸(4)と糸(5)、青色 。
図3Aは、糸(1)と糸(5)を含むa3と糸(3)と糸(5)を含むc3が異なる色を有し、a3とc3を凹凸形状の凸部の両側の側面に配置した編地例である。
複数種の糸束は、全部で糸(1)から糸(5)の5つの糸を用いる。
糸(1)から糸(5)の色と収縮率は次のとおりである
糸(1):黄色、収縮率小さい
糸(2):青色、収縮率小さい
糸(3):白色、収縮率小さい
糸(4):青色、収縮率小さい
糸(5):白色、収縮率大きい 。
複数種の糸束(a、b、c、d)における、糸(1)から糸(4)の組み合わせは次のとおりである
a3:糸(1)と糸(5)、黄色
b3:糸(2)と糸(5)、青色
c3:糸(3)と糸(5)、白色
d3:糸(4)、青色 。
図2Aにおいて、糸(1)と糸(5)を含む糸束aによる編目は、表凹部であるa2の位置に配置され、糸(3)が表凸部c2に位置し、その他の糸がb2とd2に位置する。図3Aにおいて、糸(2)と糸(5)を含む糸束bによる編目は、表凹部のb3に位置し、糸(4)を含む糸束dによる編目は表凸部のd3に位置する。糸(1)と糸(5)を含む糸束aによる編目が凸部の側面にあるa3の位置する。糸(3)と糸(5)を含む糸束cによる編目がc3(凸部の側面の他方)に位置する。ここで、a2〜d2は1コースでもよく、複数コースでもよい。また、a2からb2、b2からc2、c2からd2、d2からa2は編地上において連続している。a3〜d3についても同様である。
図2Aの実施態様において、編地は、ヨコ編であって、かつ、表面凸凹が伸縮するため伸張性が良好である。さらに、正面から編地を見たときには青色と黄色が観察され、斜めから編地を見たときは青色に観察される。また、編地の表面凸凹が伸長したときには黄色がよく観察される。このように、見る角度によって色相が変化する伸縮性が良好な編地が得られる。
図3Aの実施態様において、編地は、ヨコ編であって、かつ、表面凸凹が伸縮するため伸張性が良好である。さらに、正面から編地を見たときには青色が観察され、斜めから編地を見たときは黄色が観察され、逆方向の斜めから編地を見たときは白色が観察される。このように、見る角度によって色相が変化する伸縮性が良好な編地が得られる。
図4は、本発明の凹凸形状を形成する編地の一例を示す概略図であり、図4Aは表面から見た編地の写真であり、図4Bはコース方向で切断した場合の編地の断面写真である。
複数種の糸束が2色以上の色相となる方法は、以下に限定されないが、コース方向に交互に編み込まれている少なくとも2種の糸束が、染色性の異なる2種以上の糸束であることが好ましい。染色性の異なる糸束は、それぞれの糸束に用いる糸において、染色性の異なる糸を用いることが好ましい。それぞれの糸束(a、b、c、d)は、複数の糸(糸(1)、糸(2)、糸(3)・・・)を用いるが、その1本の糸の染色性がほかと異なっていることが好ましい。そして、編地内に形成する異なる色相を染色により設定することができる。これは、同一の生機にて複数の色目にも対応することができ、多品種小ロットの要求にも対応できる。また、生機を在庫として確保し、色目や量に対応できることは納期を短くすることもできるため、染色工程で色を設定できることは優位である。ここで、染色性が異なるとは、同一の染色法あるいは同一の染料では同色に染色されない糸を言い、異なった染色法あるいは異なった染料で染色することにより染め分けられる糸を言う。例えば、ナイロン糸とレーヨン糸を用いた編地は、酸性染料と直接染料で交互に染色することにより染め分けることができる。また、ポリエステルの原着糸とナイロンを用いる場合には、ナイロンのみを酸性染料または直接染料などで染色することで、2種以上の色相を持つ編地が得られることになる。
編地を異なった染色法で染色することにより、編地内で2種以上の色相の異なる部位が存在し、見る角度によって色や柄が変化するように設計することが好ましい。例えば、コース方向に凹凸を形成している編地の凸の頂点部や凹の底辺部の色相を変えることで、見る角度により凹部が凸部に隠され、凹部の色が見えないことになる。これにより、見る角度により凹部の色が現れる編地となる。また、他の例として、凸部を形成するリブ状の側面に異なる色相を持つ糸をそれぞれ配置することで、見る角度により、一方の側面の色が隠される。これにより、見る角度により凹部の色が現れる編地となる。
ここで、より好ましくは、3種以上の色相を持つ編地である。3種以上の色相を持つことで、角度を変えた場合と角度を逆方向に変えた場合と、正面から見た場合と色の変化が強調されるためである。表面からは表凸部と裏凸部(表凹部)の色相が中心となり、角度を変えた場合には、リブ状凹凸の片側の側面に配置した色、角度を反対に変えた場合には、リブ状凹凸のもう一方の側面に配置した色となり、色の変化が強調される。
糸(1)から糸(4)としては、ナイロン糸、ポリエステル糸、レーヨン糸等の編地として使用可能なものであればよい。なお、編地内の糸ごとに染色性を変化させるために、2種以上の原料が好ましく用いられる。
収縮率が大きく伸張性を有する糸(5)としては、ポリウレタン弾性糸、または、ポリウレタン弾性糸を用いたカバーリング糸、または、沸騰水収縮率の10%以上の高収縮糸を編地の少なくとも一部に配した糸が好ましい。高収縮糸のより好ましい範囲は、沸騰水収縮率は10%以上30%以下である。
この編地の特徴であるリブ状凹凸形状は、通常ポリエステルや通常ナイロン糸と、ポリウレタン弾性糸のような伸長性や熱での収縮性が異なる糸を、編地のコース方向に交互に配置することで部分的に収縮する編地となる。これにより、編地にリブ状凹凸を形成することができる。より好ましくは、ポリウレタン弾性糸のような伸長性や熱での収縮性糸が異なる糸をナイロン糸やポリエステル糸とプレーティング編することや、高収縮糸をリバーシブル組織(表裏引き揃え組織)のような表裏組織を、部分的に配置することで綺麗な凹凸を形成することができる。この場合、通常ポリエステルや通常ナイロン糸の収縮特性は沸騰水収縮率が10%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタン弾性糸が好ましいが、熱収縮率が高い共重合ポリエステル糸や熱収縮率が高いナイロン糸などを使用してリブ状凹凸を形成することもできる。
縫製品にて使用する場合に、編地のウェール方向を縫製品の緯方向にしてボーダー状に使用しても良いが、編地のウェール方向を縫製品の経方向に使用してストライプ状に使用してもよい。ストライプ状に使用することで、衣料品とした場合に、左と右で色が異なる生地となる。ここで、縫製品とは、スポーツウェアや水着、ボトム、コートのような衣料品や縫製品の一部の他、カバン類、靴類、帽子やマフラーなどの小物、クッションやカバー類、カーテンやシート材、テーブル掛等の室内装飾品など資材用の生地としても使用できる。
本発明の編地においては、従来の編地で用いられる各種の糸、例えば、各種合成繊維、再生繊維のフィラメント糸、天然繊維、人造繊維、及びそれらの繊維を含んでなる紡績糸、ポリウレタン(スパンデックス)糸の如き弾性糸等を用いることができ、さらに合糸、カバリング糸としてもよく、目的に応じて任意に用いることができる。仮撚糸や捲縮糸を用いることで部分的に収縮させた生地において、収縮が小さい部位がプレーンな表面感になるために好ましく使用される。一方、収縮しにくいフラットヤーンを収縮が小さい部位に用いて、織物サッカー調のシボを出すことも可能である。また、原着糸や先染め糸など目的や加工方法に応じて使用することができる。
上記の繊維の繊度は特に限定されるものではなく、市販のものを目的に応じて用いることができるが、ソフトな風合いにするには、単糸繊度を1.5dtex以下にすることが好ましい。さらに好ましくは、繊度0.1dtex以上で、単糸繊度が細すぎると発色性が小さくなり衣料用途や資材用途でも使用できる範囲が狭くなる。また、上記の繊維には、つや消し剤としての酸化チタン等の添加剤を含有させることもできるが、色相において彩度の高い色を有する編地を得る目的のためには、つや消し剤を含有しないブライト糸が好ましい。
生地表面と裏面が凹凸形状であるので、生地に優れた伸縮性を有し、そしてまた、リブ状の凹凸部で肌に当たる面も少ないため、発汗時のべたつきを抑え、更に凹部が常に空気に触れ、表面積も大きいため速乾性にも優れている。さらには、異形断面糸やフィラメント数が多い糸など吸水速乾性の機能糸を使用することで吸い取った汗を拡散し更なる速乾性を得ることができる。また、表凸部を親水性繊維、裏凸部(表凹部)を疎水性繊維で編成すれば凸部で吸い取った汗を素早く表側へ移行し蒸発するので発汗時のべたつきを効果的に抑えさらなる快適性を得ることができる。色変化の意匠性だけでなく、機能性素材としてスポーツウエアやニットウエアなどの衣料の使用にも好適である。
本発明の編地においては、シングル編機を用いて編成することで、薄く、目付の軽い編地を作成することができる。薄く、目付を軽くすることで、衣料用にも適した生地になり、カバー類として使用する場合にも、小さい製品にも使用できるようになる。
使用する編機としては、本発明の目的とする編地が得られるものであればよいが、特に丸編機やヨコ編機が好ましい。この他に、靴下編機でも編成でき、さらに、サントーニ社製特殊丸編機や島精機製ホールガーメントなどの無縫製編機を使用して部分的にこの編地形態を作成することも可能である。
編物組織としては編地が得られるものであれば限定されるものではないが、2つの糸を部分的にプレーティング編成した変形リバーシブル天竺組織、変形ベア天竺組織、変形ベア鹿の子、変形ベアメッシュなどシングル編地が好ましく使用される。
実施例で用いた特性値の測定法を以下に説明する。
(1)通気量:
通気量は、2015年度版JIS−L−1096(フラジール形法)によって測定した。通気量は、1秒間に単位面積あたりの気体量[cc/cm/秒]で表す。測定は、温度20℃、湿度65RH%で行った。
(2)裏面保水率:
ガラス板上に蒸留水1.0ccを滴下し、その上にサンプルサイズ10cm×10cmの編物を、裏面が蒸留水に接する下側を向くように載置した。60秒間放置した後、この編地を別のガラス板上に移し、同一サイズにカットしたろ紙2枚でサンドイッチ状に挟み、5g/mの荷重をかけたまま60秒間放置した。その後、もとの編地質量と吸水後の編地質量との差から編地の保水質量を算出した。また、表面と裏面に接した各々のろ紙の含水質量から編地の表面および裏面の保水率を算出した。このような操作を編地3枚について同様に行い、平均値を裏面保水率とした。なお、裏面とは、編地が肌と接する面を示す。
裏面保水率が小さいものは、滴下された蒸留水を効率よく表面側に移動し、いわゆる透水能力に優れ着用時にベタツキ感が少ない。裏面保水率は以下のように評価する
A:裏面保水率20%未満
B:裏面保水率20%以上 。
(3)吸水性
編地からサイズ約15cm×15cmの試験片を3枚採取し、各試験片を直径10cm以上の刺繍枠あるいはビーカーに、余分な張力がかからないように、肌面側を上にして、試験片の表面が水平となるように置いて固定する。測定は、温度20℃で実施した。
また、1滴(約0.005cc)の蒸留水が垂直に滴下するように調整した注射針(TERUMO26G1/2,0.45×13mm,注射器の容量1cc)の先端が、水平に置いた試験片の表面から5cm離れるように所定のホルダーに固定する。
この状態で、水滴を試験片上に1滴滴下した時から、試験片上の水滴が特別な反射をしなくなるまでの吸水時間をストップウォッチで測定し、0.1秒単位で読み取る。ここで、「特別な反射をしなくなる」状態とは、試験片が水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え、湿潤だけが残った状態をいう。
以上の操作を全ての試験片について行い、吸水速度の平均値をその編地の吸水速度とする。
(4)速乾性
拡散性残留水分率を用いて評価する。まず、温度20℃、湿度65%RHで調湿した編地からサイズ10cm×10cmの試験片を3枚採取した後、各試験片の重量を測定し、これを元重量とする。
続いて、ガラス板上に蒸留水0.3mlを滴下し、試験片の肌面が蒸留水に接するように載せ、5秒間放置する。
試験片を上記の如くガラス板上に載せてから5秒経過した後、直ちに試験片をハンガー型重量測りにつり下げて重量測定を行う。その後、5分ごとに試験片の重量を測定する。なお、重量の測定値は小数第3位まで求める。そして、5分ごとに測定した重量と元重量とを用いることにより、次式で定義される拡散性残留水分率(%)を算出する。
拡散性残留水分率(%)
={[測定時重量−元重量]/[測定開始時重量−元重量]}×100
5分ごとの試験片の重量測定および拡散性残留水分率の算出は、拡散性残留水分率の値が10%以下になるまで継続して行い、その値が10%以下になった時点の測定時間を求める。
以上の操作を全ての試験片に対して行い、得られた測定時間(拡散性残留水分率が10%以下になった時点の測定時間)の平均値を算出する。
(5)凹凸高さ(mm)
凹部から凸部までの高さは、キーエンス製マイクロスコープVHX−5000を用いて、倍率100倍(VH−ZSTレンズ)で、編地を表面から撮影し、深度測定にて最高凸部からから最低凹部までの高さを計測した。
(6)沸騰水収縮率
測定は糸の状態で行った。JISL1013(2010年度版)の方法の熱水寸法変化率の方法と同様に、熱水を98℃の熱水を沸騰水として、寸法変化率の評価を行った。
[実施例1]
28ゲージの丸編機を用い、図2Aに示すような組織の編地を作製した。糸束aから形成したa部は、糸(1)として84dtexのナイロン糸を用い、リブ状凹部に配置した。b部からd部には、糸(2)、糸(3)糸(4)は84dtexのカチオン可染ポリエステル仮撚糸で、リブ状凹凸の凸部と側面に配置した。糸(5)は78dtexのポリウレタン弾性糸で、糸(1)を含むa部と糸(2)を含むb部、糸(4)を含むd部にプレーティングで編成された変形ベア天竺組織である。各糸束のコース数は表1に示すとおりで、各糸束はすべて2コースとした。
得られた編地を、青色の酸性染料で染色し、次いで、緑色のカチオン染料で染色し、浴中吸水加工を行った。a部が青色に、b部からd部が緑色に染色された。その結果、編地を見る角度により、凸部と側面の色目である青色が隠れ、編地が緑色がかって見える丸編地が得られた。また、生地のコース方向の伸長により緑色編地から青色が見える効果もあった。良好な吸水・速乾性とべとつき感を軽減したスポーツウェア、遊泳水着としても良好な編地であった。評価結果を表1に示す。なお、べとつき感については、裏面保水率で評価した。裏面保水率は評価A;20%未満と小さく、べとつき感が軽減した。
[実施例2]
実施例1と類似の編み方にて、図3Aのように糸束aから形成したa部は、糸(1)として56dtexのナイロン糸を含み、c部において糸(3)は56dtexのカチオン可染ポリエステル糸を含んでいた。、図3Bに示すように、糸(1)を含むa部と糸(3)を含むc部は、リブ状凹凸の側面のそれぞれに配置した。糸(2)を含むb部は、84dtexのポリエチレンテレフタレートの黒原着仮撚糸を用いた糸(4)を含むd部は、167dtexのポリエチレンテレフタレートの黒原着仮撚糸を用いた。糸(5)は156dtexのポリウレタン弾性糸で、糸(1)〜糸(3)にプレーティングで編成された変形ベア天竺組織である。糸(1)を含むa部と糸(3)を含むc部は、リブ状凸凹の側面に配置した。糸(2)を含むb部はリブ状凸凹の凹部に、糸(4)を含むd部はリブ状凸凹の凸部に配置した。
得られた編地を、青色の酸性染料で染色し、次いで、緑色のカチオン染料で染色し、浴中吸水加工を行った。a部が青色に、c部が緑色に染色された。b部とd部は黒色であった。その結果、角度により色目が変化する丸編地が得られた。正面から見たときは黒色に見え、斜めから視認すると青色に、反対方向の斜めから視認すると緑色に見えた。良好な吸水・速乾性とべとつき感を軽減したスポーツウェア、遊泳水着としても良好な編地であった。評価結果を表1に示す
[実施例3、4]
40ゲージの丸編機を用い、実施例2と同様な設計で編地を作製した。糸束aから形成されたa部は、糸(1)として56dtexのナイロン糸、c部において糸(3)は56dtexのレーヨン糸とした。図3Bに示すように、a部とc部は、リブ状凹凸の側面のそれぞれに配置した。糸(2)を含むb部は56dtexのカチオン可染ポリエステル仮撚糸を含み、リブ状凹凸の凹部に配置した。糸(4)を含むd部は84dtexのカチオン可染ポリエステル仮撚糸を含み、リブ状凸凹の凸部に配置した。糸(5)は78dtexのポリウレタン弾性糸で、糸(1)〜(3)にプレーティングで編成された変形ベア天竺組織である。表1に示すとおり、実施例3と実施例4は各糸のコース数を変えた。
得られた編地を、実施例1と同一の方法で染色加工をおこなった。a部と青色に、b部とd部は緑色に、c部は青色に染色された。その結果、薄地でありながら、角度により色目が変化する丸編地が得られた。良好な吸水・速乾性とべとつき感を軽減したスポーツウェア、遊泳水着、クッション皮地としても良好な編地であった。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
32ゲージの丸編機を用い、実施例2と同様な設計で編地を作製した。糸束aから形成されたa部は、糸(1)として56dtexのナイロン糸を含み、c部は糸(3)として56dtexのカチオン可染ポリエステル仮撚糸を含でいた。を図3Bに示すように、a部とc部は、リブ状凹凸の側面のそれぞれに配置した。b部は糸(2)として56dtexの黒原着ポリエチレンテレフタレート仮撚糸を含み、リブ状凹凸の凹部に配置した。d部は糸(4)として84dtexの黒原着ポリエチレンテレフタレート仮撚糸を含み、リブ状凸凹の凸部に配置した。糸(5)は56dtexのポリエステル共重合の高収縮糸で、糸(1)と糸(3)、リブ状の表凹部の糸(2)にプレーティングで編成された変形リバーシブル天竺組織である。用いたポリエステル共重合の高収縮糸の沸騰収縮率は、8%であった。
得られた編地を、実施例1と同一の方法で染色加工をおこなった。その結果、薄地でありながら、伸長性は不足したが角度により色目が変化する丸編地が得られた。カーテンやカバー類としても良好な編地であった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
32ゲージの丸編機を用い、通常のベア天竺編地を作製した。糸束aには糸(1)として84dtexのカチオン可染ポリエステル仮撚糸、糸(5)として78dtexのポリウレタン弾性糸を用いた。編地の全コースをa部とした。
得られた編地を、緑色のカチオン染料で染色し、浴中吸水加工を行った。編地全体が緑色に染色された。その結果、角度により色目が変化はなく、プレーンな通常のベア天竺丸編地が得られた。評価結果を表1に示す。
a,a2,a3,b,b2,b3,c,c2,c3,d,d2,d3 : 糸束
H :凸−凹間の高さ
10:編地
11:ニードル面(おもて面)

Claims (10)

  1. ヨコ編により編成された複数種の糸束がウェール方向に編み込まれた編地であって、
    複数種の糸束のうち少なくとも1つの糸束は、他の糸束と異なる色相を有し、
    少なくとも2つの糸束がコース方向に交互に編成され、連続的に凹凸を形成する、編地。
  2. 前記複数種の糸束のうち、他の糸束と異なる色相を有する糸束は、コース方向の凸部および/または凹部に形成される、請求項1記載の編地。
  3. 複数種の糸束のうち少なくとも1つの糸束が複数の糸からなる、請求項1または2に記載の編地。
  4. 前記複数種の糸束はそれぞれ色相の異なる2色以上の色相の糸からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の編地。
  5. ウェール方向に沿って表側に突出したリブ状の表凸部と、同じくウェール方向に沿って裏側に湾曲して突出したリブ状の裏凸部(表凹部)とをコース方向に交互に連続させた形状を備え、前記コース方向に沿った切断面の形状が波状に形成される請求項1から4いずれかに記載の編地。
  6. コース方向に交互に編み込まれている少なくとも2種の糸束が、染色性の異なる2種以上の糸束である、請求項1〜5いずれかに記載の編地。
  7. 編地を異なった染色法で染色することにより、編地内で2種以上の色相の異なる部位を有する請求項1〜6のいずれかに記載の編地。
  8. 前記複数種の糸束のうち2種以上の糸束において、ポリウレタン弾性糸、または、ポリウレタン弾性糸を用いたカバーリング糸、または、熱収縮率10%以上の糸を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の編地。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の編地ウェール方向を縫製品の縦方向として使用することを特徴とする縫製品。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の編地が、2種以上の色相を現出することを特徴とする編地。
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