JPWO2019082803A1 - 樹脂組成物、その硬化膜、それを具備する半導体素子および半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
フィラーおよびポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記フィラーの内部に、アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種、および/または、500℃以上で熱分解する有機化合物、を含むことを特徴とすることで、高温焼成後にクラックが発生しないシロキサン樹脂組成物となる。
Description
本発明は、樹脂組成物、その硬化膜、それを具備する半導体素子および半導体素子の製造方法に関する。
一般に、基材表面を保護するため、基材表面に保護膜が形成される。特に、電気・電子産業においては、近年の半導体デバイスの高集積化・多層化に伴い、半導体デバイスの複雑化および半導体デバイス表面の凹凸が著しくなってきている。このような半導体の進化に伴い、半導体デバイスを、機械的損傷、化学的損傷、静電的損傷、イオン性汚染、非イオン性汚染および放射線汚染等から保護する目的や、半導体デバイス表面の凹凸を平坦化する目的で、半導体デバイス表面にパッシベーション膜または回路の多層化に伴い配線間の絶縁および平坦化を目的とした層間絶縁膜が形成される。
半導体デバイス表面に形成されるパッシベーション膜および層間絶縁膜としては酸化ケイ素膜が一般に用いられる。半導体デバイス表面に酸化ケイ素膜を形成する方法としては、例えば、CVD(化学気相蒸着)法およびスピンコート法がある。スピンコート法により半導体デバイス表面に酸化ケイ素膜を形成する方法としては、例えば、無機スピンオングラス(SOG)および有機SOGを用いる方法がある。
しかし、無機SOGにより形成された酸化ケイ素膜は、その膜厚が0.3μmを越えるとクラックを生じるため、1μm以上の凹凸を有するデバイス基板の段差を埋める場合、重ね塗りが必要である。しかし、被膜自体の平坦化能力が乏しいため、被膜形成後エッチバックや化学機械研磨(CMP)による平坦化工程が必要であった。
一方、有機SOGにより形成された酸化ケイ素膜は、1回の塗布でクラックを有しない1μm以上の膜を形成することは可能ではあるが、無機SOGと同様、被膜自体の平坦化能力が乏しいため、被膜形成後エッチバックによる平坦化工程が必要であった。また、酸化ケイ素被膜中に多量のシラノール基およびアルコキシ基が残存するため吸湿性が高く、また酸素プラズマ処理の際に残存アルコキシ基によるカーボンポイズン(炭素汚染)の問題が生じ、層間絶縁剤としての電気的信頼性が劣るという問題があった。
このため、無機SOGおよび有機SOGにより形成された酸化ケイ素膜の問題点を改良する方法として、シリカ粒子とポリシロキサン化合物とを含む組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらのシロキサン組成物は依然としてクラック耐性が不足しており、1回の高温焼成で3μm以上の厚膜を形成させることができないという問題があった。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、高温焼成後にクラックが発生しないシロキサン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、フィラーおよびポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記フィラーの内部に、アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種、および/または、500℃以上で熱分解する有機化合物、のいずれか1種を含むことを特徴とする樹脂組成物である。
また本発明は、フィラーおよびポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記フィラーが、当該樹脂組成物を用いて形成される塗布膜を500〜1200℃の温度で焼成した際の前記フィラー平均粒径の収縮率が10%以上85%以下であるフィラーであることを特徴とする樹脂組成物である。
本発明によれば、半導体デバイス表面のパッシベーション膜や回路の多層化に伴う配線間の絶縁膜等において、従来より厚膜である3μm以上の硬化膜を提供できる。
以下、本発明に係る樹脂組成物、その硬化膜、それを具備する半導体素子およびその製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、フィラーおよびポリシロキサンを含む。
(ポリシロキサン)
本発明に用いられるポリシロキサンは、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで示される部分構造を少なくとも1つ以上含むことが好ましい。
本発明に用いられるポリシロキサンは、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで示される部分構造を少なくとも1つ以上含むことが好ましい。
一般式(1)〜(3)において、R1は水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、アルコシキ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基および炭素数6〜15のアリール基から選ばれた基を表し、複数のR1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、およびアリール基は、いずれも無置換体および置換体のいずれでもよい。R2は水素、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアシル基、または炭素数6〜20のアリール基のいずれかを表し、複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、アシル基、およびアリール基はいずれも無置換体または置換体のどちらでもよい。
ポリシロキサンは、下記一般式(4)で表されるオルガノシランおよび下記一般式(5)で表されるオルガノシランから選ばれた1種以上のオルガノシランを、加水分解し、脱水縮合させることによって得られるポリシロキサンであることが好ましい。
一般式(4)において、R3は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基および炭素数6〜20のアリール基から選ばれた基を表し、複数のR3はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、およびアリール基は、いずれも無置換体および置換体のいずれでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、その置換基としては、例えば、ハロゲン、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基、コハク酸無水物残基などが挙げられる。置換されたアルキル基の具体例としては、例えば、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル基、1−カルボキシ−2−カルボキシペンチル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基や、下記の構造の基などが挙げられる。
アルケニル基およびその置換体の具体例としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、2−メタクリロキシエチル基、2−アクリロキシエチル基などが挙げられる。アリール基およびその置換体の具体例としては、例えば、フェニル基、4−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−スチリル基、2−フェニルエチル基、1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基などが挙げられる。ただし、R3はこれらの具体例に限定されない。
一般式(4)におけるR4は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基、または炭素数6〜20のアリール基のいずれかを表し、複数のR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、アシル基、およびアリール基はいずれも無置換体または置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。アシル基の具体例としては、例えば、アセチル基などが挙げられる。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、4−トリル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、1−ナフチル基などが挙げられる。ただし、R4はこれらの具体例に限定されない。
一般式(4)のnは1〜3の整数を表す。n=1の場合は3官能性シラン、n=2の場合は2官能性シラン、n=3の場合は1官能性シランである。
一般式(4)で表されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−トリルトリメトシキシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−t−ブチルフェニルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、4−スチリルトリメトシキシラン、2−フェニルエチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、1−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリメトキシシラン、[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などの3官能シラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシランなどの2官能シラン;トリメチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシランなどの1官能シランが挙げられる。これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのオルガノシランの中でも、焼成時の耐クラック性の観点からは、1官能シランまたは2官能シランが好ましく用いられ、硬度の点からは、3官能シランが好ましく用いられる。
一般式(4)で表されるオルガノシラン単位の好ましい含有比率は、以下の通りである。ポリシロキサン中の、全シランモノマーに対する1官能シラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で0〜10モル%が好ましく、0〜5モル%であることがより好ましい。1官能シラン単位の含有比率が10モル%を超えると、ポリシロキサンの分子量が低くなる可能性がある。全シランモノマーに対する2官能シラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で0〜60モル%が好ましく、0〜40モル%であることがより好ましい。2官能シラン単位の含有比率が60モル%を超えると、ポリシロキサンの焼成後の収縮率が大きくなり、収縮応力が発生することにより、クラックが生じやすくなる。全シランモノマーに対する3官能シラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で50〜100モル%が好ましく、60〜100モル%であることがより好ましい。3官能シラン単位の含有比率が50モル%未満では、焼成後の硬度が低下する可能性がある。
一般式(4)で表されるオルガノシラン単位の含有比率は、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IR、TOF−MS、元素分析法および灰分測定などを組み合わせて求めることができる。
一般式(5)において、R5〜R8は、それぞれ独立に水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基および炭素数6〜15のアリール基から選ばれた基を表す。これらのアルキル基、アシル基、およびアリール基はいずれも無置換体または置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。
アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。アシル基の具体例としては、例えば、アセチル基などが挙げられる。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。ただし、R5〜R8はこれらの具体例に限定されない。一般式(5)のmは1〜8の整数を表す。
一般式(5)で表されるオルガノシランを用いることで、高い機械強度、つまり、高弾性率の硬化膜が形成できる樹脂組成物が得られる。
ポリシロキサン中の一般式(5)で表されるオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で30モル%以下が好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。含有比率が上記好ましい範囲であると、得られる硬化膜について高い弾性率が得られる。一般式(5)で表されるオルガノシラン単位の含有比率が30モル%より多いと、硬化膜にクラックが発生する場合がある。一般式(5)で表されるオルガノシラン単位の含有比率は、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、IR、TOF−MS、元素分析法および灰分測定などを組み合わせて求めることができる。
一般式(5)で表されるオルガノシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラアセトキシシランなどの4官能シラン;「メチルシリケート51」(商品名、扶桑化学工業(株)製)、「Mシリケート51」、「シリケート40」、「シリケート45」(以上、商品名、多摩化学工業(株)製)、「メチルシリケート51」、「メチルシリケート53A」、「エチルシリケート40」、「エチルシリケート48」(以上、商品名、コルコート(株)製)などのシリケート化合物などが挙げられる。これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリシロキサンが、酸性基または/かつ炭素数6〜20のアリール基を含むことが、耐クラック性を向上させる観点から好ましい。
ポリシロキサンは酸性基を有することが好ましい。酸性基としては、pH6未満の酸性度を示す基が好ましく、具体的には、カルボキシ基、酸無水物基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、ヒドロキシイミド基、シラノール基、メルカプト基などが挙げられる。酸性基を有するオルガノシランの具体例としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、1−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ポリシロキサン中の酸性基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で、0.1〜20モル%、好ましくは、1〜15モル%、さらに好ましくは、3〜12モル%である。含有比率が上記好ましい範囲であると、耐クラック性を向上させることから好ましい。
酸性基の導入は、上述のように酸性基を有するシランモノマーを用いることで導入することができる。また、ポリシロキサン中の反応性基と、酸性基を含有してかつポリシロキサン中の反応性基と反応する基を有する化合物とを反応させることで導入することもできる。
ポリシロキサンは、耐クラック性と硬度の両立という観点から、炭素数6〜20のアリール基を含むことが好ましい。アリール基を含有するシラン化合物として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−トリルトリメトシキシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン、4−t−ブチルフェニルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、4−スチリルトリメトシキシラン、2−フェニルエチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、1−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。これらの中で、多環式芳香族基がさらに耐クラック性を向上させる観点から好ましく、コストと性能の観点から、ナフチル基を含有するシラン化合物を適用することが好ましい。さらに、3官能シランであることがこのましい。具体的には、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシランが特に好ましく用いられる。1−ナフチルトリメトキシシランは、ポリシロキサンの重合における加水分解の段階において、シラノール基が3つ発生するが、続く脱水縮合の段階において、1−ナフチル基の立体障害のために3つのシラノール基のうち、3つ目の反応が遅いと考えられる。そのため、重合初期にポリマー鎖がリニア状になっており、さらに、縮合反応が進むとラダー型になると考えられる。このように秩序だったコンフォメーションを取っているため、その後、塗布膜形成、焼成工程において、膜収縮ストレスが発生しにくくなり、耐クラック性が向上し、かつ、硬度が両立できていると推測できる。
ポリマー中の全シラン元素中、前記アリール基を有するシラン元素は、40〜99モル%、より好ましくは、70〜99モル%、さらに好ましくは、80〜98モル%、いっそう好ましくは、85〜97モル%である。
アリール基の中でもナフチル基が最も好ましい。ポリマー中の全シラン元素中、ナフチル基を有するシラン元素は、40〜99モル%、より好ましくは、60〜98モル%、さらに好ましくは、85〜97モル%である。
ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサンの29Si−NMRを測定し、アリール基が結合したSiのピーク面積と、アリール基が結合していない、オルガノシラン単位由来のSiのピーク面積の比から求めることができる。
また、本発明で用いられるポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、好ましくはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定されるポリスチレン換算で、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは500〜50,000である。上記好ましい範囲であると、得られる樹脂組成物の塗膜性が良好である。
オルガノシランを加水分解および脱水縮合させるには、一般的な方法を用いることができる。例えば、オルガノシランを含む混合物に、溶媒、水および必要に応じて触媒を添加し、50〜150℃、好ましくは90〜130℃で0.5〜100時間程度加熱撹拌する。なお、撹拌中、必要に応じて蒸留によって加水分解副生物(メタノールなどのアルコール)や縮合副生物(水)の留去を行ってもよい。
上記の溶媒としては特に制限は無いが、通常は後述の溶剤と同様のものが用いられる。溶媒の添加量は、オルガノシランの量と、オルガノシランと反応させる無機粒子の量との合計を100重量部として、10〜1,000重量部が好ましい。また、加水分解反応に用いる水の添加量は、加水分解性基1モルに対して0.5〜2モルが好ましい。
必要に応じて添加される触媒としては、特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒が好ましく用いられる。酸触媒の具体例としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、多価カルボン酸、これらの無水物およびイオン交換樹脂などが挙げられる。塩基触媒の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有するアルコキシシランおよびイオン交換樹脂などが挙げられる。触媒の添加量は、オルガノシランの量と、オルガノシランと反応させる無機粒子の量との合計を100重量部として、0.01〜10重量部が好ましい。
また、樹脂組成物の塗液の保存安定性の観点から、加水分解および脱水縮合後のポリシロキサン溶液には上記触媒が含有されないことが好ましく、必要に応じて触媒の除去を行うことができる。触媒の除去方法に特に制限は無いが、操作の簡便さと除去性の点で、水洗浄および/またはイオン交換樹脂による処理が好ましい。水洗浄とは、ポリシロキサン溶液を適当な疎水性溶剤で希釈した後、水で数回洗浄して得られた有機層をエバポレーターなどで濃縮する方法である。イオン交換樹脂による処理とは、ポリシロキサン溶液を適当なイオン交換樹脂に接触させる方法である。
(フィラー)
本発明の樹脂組成物は、フィラーを含む。フィラーを含むことで、硬化膜の耐クラック性とボイド抑制を維持することができる。
本発明の樹脂組成物は、フィラーを含む。フィラーを含むことで、硬化膜の耐クラック性とボイド抑制を維持することができる。
ボイド抑制の観点から、フィラーの平均粒径は1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがより一層好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、70nm以下であることが特に好ましい。また、耐クラック性の観点から、フィラーの平均粒径は1nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがより一層好ましい。
フィラーの平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することで計測することができる。樹脂組成物のプリベーク膜もしくは焼成膜の表面もしくは断面を1万倍に拡大したSEM写真において、任意の200nm四方内に観測される10個の粒子の最大径を測定し、測定した粒子の数で割った値を平均粒径とする。
フィラーを含むとは、本樹脂組成物が単にフィラーを含む態様と、樹脂組成物に用いられるフィラーとして、前述の一般式(4)で表されるオルガノシランおよび一般式(5)で表されるオルガノシランから選ばれる1種以上のオルガノシランならびにフィラーを反応させることによって得られる、フィラー表面からポリシロキサンがグラフト化しているフィラーを用いる態様の両方を含む。
オルガノシランとフィラーを反応させるとは、フィラー存在下で、オルガノシランを加水分解し、脱水縮合させ、フィラー含有ポリシロキサンを得ることである。フィラーは予め、シランカップリング剤で前処理を行っていてもよい。
以下、オルガノシランとフィラーを反応させて得たポリシロキサンを、フィラー含有ポリシロキサンと呼称する。フィラーがシリカ粒子の場合、シリカ粒子含有ポリシロキサンと呼称する。また、フィラーを反応させずに得たポリシロキサンを、フィラーを含有しないポリシロキサンと呼称する。
本樹脂組成物は、フィラー表面からポリシロキサンがグラフト化しているフィラーを含むことが硬化膜の緻密化の観点から好ましい。
本樹脂組成物に含有するフィラーは、500℃以上の焼成に耐えうる点から、無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子とは、金属化合物、または半導体化合物からなる粒子である。金属化合物、または半導体化合物の例としては、ケイ素、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ジルコニア、チタン、錫、タングステン、バリウムからなる群より選ばれる元素が挙げられる。金属化合物、または半導体化合物は、前記金属、または半導体のハロゲン化物、酸化物、窒化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、メタケイ酸塩などである。
無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、フッ化リチウム粒子、塩化リチウム粒子、臭化リチウム粒子、酸化リチウム粒子、炭酸リチウム粒子、硫酸リチウム粒子、硝酸リチウム粒子、メタケイ酸リチウム粒子、水酸化リチウム粒子、フッ化ナトリウム粒子、塩化ナトリウム粒子、臭化ナトリウム粒子、炭酸ナトリウム粒子、炭酸水素ナトリウム粒子、硫酸ナトリウム粒子、硝酸ナトリウム粒子、メタケイ酸ナトリウム粒子、水酸化ナトリウム粒子、フッ化マグネシウム粒子、塩化マグネシウム粒子、臭化マグネシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、硫酸マグネシウム粒子、硝酸マグネシウム粒子、水酸化マグネシウム粒子、フッ化カリウム粒子、塩化カリウム粒子、臭化カリウム粒子、炭酸カリウム粒子、硫酸カリウム粒子、硝酸カリウム粒子、フッ化カルシウム粒子、塩化カルシウム粒子、臭化カルシウム粒子、酸化カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸カルシウム粒子、硝酸カルシウム粒子、水酸化カルシウム粒子、フッ化ストロンチウム粒子、フッ化バリウム粒子、フッ化ランタン粒子などが挙げられる。
これらのうち、シリカ粒子がポリシロキサンとの相溶性の観点から好ましい。半導体プロセスにおいて、ウェット剥離プロセスに適用するため、フッ化水素酸に可溶なケイ素化合物粒子が好ましい観点からも、シリカ粒子がより好ましい。
さらに、シリコン半導体への適用する観点から、Siを主成分とする化合物を含むことが好ましい。Siを主成分とする化合物として、酸化ケイ素、窒化珪素等が挙げられる。
フィラーの含有率について、フィラー含有率が少ないと耐クラック性が不足し、フィラー含有率が多いとろ過性が乏しくなる。耐クラック性とろ過性の観点から、フィラー含有率は、フィラーとポリシロキサンの総量に対して、40〜80重量%であることが好ましく、45〜75重量%であることがより好ましく、50〜70重量%であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるフィラーの一つの実施形態としては、フィラー内部に、アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種、および/または、500℃以上で熱分解する有機化合物のいずれか1種を含む。
アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属のうち、アミン化合物が特に好ましい。アミン化合物の中でも、アルカノールアミン化合物が特に好ましい。
アミン化合物の具体例として、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−セチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノペンタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、N,N−ジメチルプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、ベンジルアミン、アニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、イミダゾール、ピラゾールなどの芳香族アミン、アンモニア、などが挙げられる。
500℃以上で熱分解するとは、室温での重量を100重量部とした場合、熱重量分析(TGA)で、大気下、10℃/分で昇温して500℃に到達した時点の残存重量部が、1重量部以下であることをいう。500℃以上で熱分解する有機化合物としては、特に制限はないが、熱分解が容易である観点から、アルキレングリコール構造を含有する化合物が好ましい。
アルキレングリコール構造を有する化合物は、熱分解性とフィラーとの親和性の観点から、エチレングリコール構造またはプロピレングリコール構造を有する化合物を含むことが好ましい。エチレングリコール構造またはプロピレングリコール構造を有する化合物として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
熱分解後の残留物が1%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5%以下、さらに好ましくは、0.1%以下であることが好ましい。
本発明に用いられるフィラーの別の実施形態としては、その粒径の収縮率について以下のような性質を有するものである。本発明の樹脂組成物を用いて形成される塗布膜を500〜1200℃の少なくとも一点の温度で焼成した際のフィラー平均粒径の収縮率が10%以上85%以下である。
フィラー平均粒径の収縮率は、下記のように定義される。焼成前(プリベーク膜)のフィラー平均粒径をa、焼成後のフィラー平均粒径をbとした場合、収縮率は((a−b)/a)×100(%)と表される。
フィラーを含有するポリシロキサンを500〜1200℃で焼成した場合、通常、フィラーは収縮しないが、バインダーのポリシロキサンの収縮率は一般的に20〜90%であるため、自己収縮に耐え切れずクラックが発生してしまう。
500〜1200℃の少なくとも一点の温度で焼成した際のフィラー平均粒径の焼成前(プリベーク膜)から焼成後の収縮率が10%以上85%以下であると、バインダーであるポリシロキサンの収縮率と近い値となる。そのため、焼成中に含有フィラーも収縮することで、密着しているバインダーであるシロキサン膜の自己収縮によるストレスが低減し、耐クラック性が向上すると推測できる。上記収縮率は、下限としては20%以上であることがより好ましく、上限としては65%以下であることがより好ましい。
焼成温度が低い場合、硬化不足の恐れがある。一方、焼成温度が高い場合、工程時間が長くなるというデメリットが生じる。前述の観点から、上記焼成温度は、600℃〜1000℃が好ましく、さらに、800℃であることが、有機成分を除去でき膜強度や絶縁耐圧向上の観点、かつ、焼成時間を短縮できることから好ましい。
500〜1200℃の少なくとも一点の温度で焼成した際のフィラー粒径の収縮率が10%以上85%以下であるフィラーの具体例として、「クォートロン(登録商標) BS−3」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径31nmのシリカ粒子(アミン化合物含有))、「クォートロン(登録商標) BS−2H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径26nmのシリカ粒子(アミン化合物含有))、「クォートロン(登録商標) BS−1H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径14nmのシリカ粒子(アミン化合物含有))、オルガノシリカゾル「MEK−EC−6150P」商品名、日産化学工業(株)製、分散溶液がメチルエチルケトンである粒径30〜40nmのシリカ粒子)、オルガノシリカゾル「MEK−EC−7150P」商品名、日産化学工業(株)製、分散溶液がメチルエチルケトンである粒径50〜60nmのシリカ粒子)などが挙げられる。また、前述の、フィラーの収縮を制御する触媒、および/または、500℃以上で熱分解する有機化合物、のいずれか1種を含むフィラーも挙げられる。
(溶剤)
本発明の樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。溶剤の種類に特に制限はないが、各成分を均一に溶解し、得られる焼成膜の平坦性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボニル基を有する化合物、エーテル結合を3つ以上有する化合物などが好ましく用いられる。これらの溶剤は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は溶剤を含有してもよい。溶剤の種類に特に制限はないが、各成分を均一に溶解し、得られる焼成膜の平坦性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物、カルボニル基を有する化合物、エーテル結合を3つ以上有する化合物などが好ましく用いられる。これらの溶剤は単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物がより好ましい。沸点を110℃以上とすることで、塗布時に適度に溶剤が揮発して塗膜の乾燥が進行し、塗布ムラのない良好な塗膜が得られる。また、沸点を250℃以下とすることで、塗膜中の残存する溶剤量を少なく抑えることができ、焼成時の膜収縮量を低減できるため、より良好な平坦性が得られる。
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、例えば、ヒドロキシアセトン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、n−ブタノール、n−ペンタノールなどが挙げられる。
これらのうち、塗布性の観点から、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどが好ましい。
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、例えば、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−n−ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、2−ヘプタノン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。
これらのうち、塗布性の観点から、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが好ましい。
エーテル結合を3つ以上有し、大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物の具体例としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテルなどが挙げられる。
これらのうち、塗布性の観点から、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが好ましい。
溶剤の含有量は、特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量を含有させることができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、樹脂組成物全体の50重量%〜95重量%とすることが一般的である。
(硬化膜)
樹脂組成物から形成される硬化膜の弾性率が5GPa以上であることが好ましい。化学機械研磨(CMP)に耐えうる機械強度を有する観点から、弾性率は5GPa以上、より好ましくは7GPa以上、さらに好ましくは10GPa以上である。
樹脂組成物から形成される硬化膜の弾性率が5GPa以上であることが好ましい。化学機械研磨(CMP)に耐えうる機械強度を有する観点から、弾性率は5GPa以上、より好ましくは7GPa以上、さらに好ましくは10GPa以上である。
弾性率はナノインデンター(東洋テクニカ製G200)を用いて、膜厚1μmの焼成膜を対象として測定することができる。測定の際、OpenMethodにおいて、「DCM/DCM-SA2 Basic Hardness Modulus, Tip Ca, Load Control」を、Surface find Parameters>において、「Allowable Drift Rate」を0.5、ポアソン比を0.18として選択する。
硬化膜の屈折率が、1.2〜1.4であることが硬化膜をデバイス半導体素子への適用した際の高周波特性が良好となる観点から好ましい。一般的なCVDで形成したSiO2膜は1.45であり、高周波で影響をやや受けやすいが、本樹脂組成物から形成した硬化膜であれば、屈折率が1.40以下となり、高周波信号のノイズを受けにくくなる。屈折率は、633nmの光源を用いて、Metricon社製プリズムカップラーで測定することができる。膜厚は、焼成後約3μmとする。
本発明の樹脂組成物を用いて硬化膜を形成する方法について、例を挙げて説明する。まず、本発明の樹脂組成物を基板上に塗布する。基板としては、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどのウェハ、または、それらの上に銅、金、チタンなどの金属が電極、あるいは配線として形成されているものが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの方法がある。塗布膜厚は、塗布方法、樹脂組成物の固形分濃度や粘度などによって異なるが、通常は塗布、プリベーク後の膜厚が0.1〜15μmになるように塗布する。
次に、樹脂組成物が塗布された基板をプリベークし、樹脂組成物のプリベーク膜を作製する。プリベークは、オーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50〜150℃で1分間〜数時間行うのが好ましい。必要に応じて、80℃で2分間プリベークした後、120℃で2分間プリベークするなど、2段あるいはそれ以上の多段でプリベークしてもよい。
次に、本発明の樹脂組成物の硬化膜を作製するため、プリベーク膜を200〜1200℃の温度で加熱する。加熱温度は500℃以上であることがより好ましい。この加熱処理は、空気雰囲気下、あるいは窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことができる。またこの加熱処理は、段階的に昇温するか、連続的に昇温し、0.5分間〜5時間行うのが好ましい。例えば、ランプアニールを用いて、800℃1分の熱処理をする、あるいは、130℃、200℃および800℃で、各30分間ずつ焼成炉を用いて熱処理する、あるいは室温から800℃まで、2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
本発明の硬化膜は、化学機械研磨(CMP)後に剥離する場合がある。剥離法としては、フッ化水素酸、バッファードフッ酸、フッ硝酸、またはTMAHなどを用いたウェットプロセス、プラズマ処理などのドライプロセスなどが挙げられるが、これらに限定されない。低コストという観点から、ウェットプロセスが好ましい。
本発明の半導体素子の製造方法は、上記の方法で樹脂組成物を用いて膜を形成する工程と、その膜を500℃以上1200℃以下で加熱する工程を少なくとも含む。より詳しくは、半導体基板上に、本発明の樹脂組成物を塗布してプリベーク膜を形成する工程、そのプリベーク膜を焼表面に成し硬化膜を得る工程を含む。CMP後に剥離する場合は、硬化膜を剥離する工程を含む。
上記半導体素子の製造方法においては、一回の膜形成および500℃以上での加熱で膜厚3μm以上の硬化膜を形成することができる。
本発明の硬化膜は、半導体素子において、デバイスの金属配線が配置された凸凹のある表面を平坦化するための平坦化・絶縁膜、マイクロレンズなどの光学素子への表面反射防止膜として適用される光学膜、太陽電池、パワー半導体向けへの半導体基板への不純物ドーピング拡散バリヤ膜として好適である。また、半導体素子として、記憶素子や光学素子、太陽電池が好ましく、記憶素子がより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、名称を以下に示す。
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
IPA:イソプロピルアルコール
BS−3:「“クォートロン”(登録商標) BS−3」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径31nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%))
BS−2H:「“クォートロン”(登録商標) BS−2H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径14nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%)))
BS−1H:「“クォートロン”(登録商標) BS−1H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である粒子径15〜20nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%))
PL−2L−IPA:「“クォートロン”(登録商標) PL−2L−IPA」(商品名、扶桑化学工業(株)製、イソプロピルアルコールを分散媒とした粒子径15〜20nmのシリカ粒子)。
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
IPA:イソプロピルアルコール
BS−3:「“クォートロン”(登録商標) BS−3」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径31nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%))
BS−2H:「“クォートロン”(登録商標) BS−2H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である1次粒子径14nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%)))
BS−1H:「“クォートロン”(登録商標) BS−1H」(商品名、扶桑化学工業(株)製、分散溶液が水である粒子径15〜20nmのシリカ粒子(アルカノールアミン含有、ポリアルキレングリコール含有(シリカ濃度:20.1wt%))
PL−2L−IPA:「“クォートロン”(登録商標) PL−2L−IPA」(商品名、扶桑化学工業(株)製、イソプロピルアルコールを分散媒とした粒子径15〜20nmのシリカ粒子)。
合成例1:ポリシロキサン溶液(A−1)の合成
三口フラスコに1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を44.70g(90.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM75.68gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(シリカ濃度:20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−1)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−1)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3200であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
三口フラスコに1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を44.70g(90.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM75.68gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(シリカ濃度:20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−1)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−1)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3200であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例2:ポリシロキサン溶液(A−2)の合成
BS−3の代わりにBS−2H(20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−2)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−2)の固形分濃度は41wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3の代わりにBS−2H(20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−2)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−2)の固形分濃度は41wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例3:ポリシロキサン溶液(A−3)の合成
BS−3の代わりにBS−1H(20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−3)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−3)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3の代わりにBS−1H(20.1wt%の水溶液)を111.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−3)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−3)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例4:ポリシロキサン溶液(A−4)の合成
BS−3を74.64g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して45.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−4)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−4)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3300であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3を74.64g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して45.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−4)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−4)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3300であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例5:ポリシロキサン溶液(A−5)の合成
BS−3を169.42g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して65.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−5)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−5)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3を169.42g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して65.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−5)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−5)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例6:ポリシロキサン溶液(A−6)の合成
BS−3を253.6g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して75.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−6)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−6)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3を253.6g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して75.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−6)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−6)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例7:ポリシロキサン溶液(A−7)の合成
BS−3を516.94g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して85.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−7)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−7)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
BS−3を516.94g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して85.0wt%)とした以外は、すべて合成例1と同様に実施し、ポリシロキサン溶液(A−7)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−7)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は3500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例8:ポリシロキサン溶液(A−8)の合成
三口フラスコに1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を42.22g(85.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、テトラメトシキシラン0.76g(5.0mol%)、DPM95.13gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を163.91g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して65.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−8)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−8)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は5000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で85.0mol%であった。
三口フラスコに1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を42.22g(85.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、テトラメトシキシラン0.76g(5.0mol%)、DPM95.13gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を163.91g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して65.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−8)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−8)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は5000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で85.0mol%であった。
合成例9:ポリシロキサン溶液(A−9)の合成
三口フラスコにフェニルトリメトキシシランを17.85g(90.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM48.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を71.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−9)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−9)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
三口フラスコにフェニルトリメトキシシランを17.85g(90.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM48.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を71.50g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−9)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−9)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で90.0mol%であった。
合成例10:ポリシロキサン溶液(A−10)の合成
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを4.09g(30.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を29.80g(60.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM61.79gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を91.04g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−10)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−10)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で60.0mol%であった。
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを4.09g(30.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を29.80g(60.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM61.79gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を91.04g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−10)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−10)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で60.0mol%であった。
合成例11:ポリシロキサン溶液(A−11)の合成
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを6.81g(50.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を19.87g(40.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM52.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を77.40g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−11)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−11)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で40.0mol%であった。
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを6.81g(50.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を19.87g(40.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM52.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、BS−3(20.1wt%の水溶液)を77.40g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55.0wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−11)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−11)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で40.0mol%であった。
合成例12:ポリシロキサン溶液(A−12)の合成
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを4.09g(30.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を29.80g(60.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM61.79gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、PL−2L−IPA(25.1wt%のIPA溶液)を72.91g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−12)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−12)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で60.0mol%であった。
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを4.09g(30.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を29.80g(60.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM61.79gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、PL−2L−IPA(25.1wt%のIPA溶液)を72.91g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−12)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−12)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4000であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で60.0mol%であった。
合成例13:ポリシロキサン溶液(A−13)の合成
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを6.81g(50.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を19.87g(40.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM52.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、PL−2L−IPA(25.1wt%のIPA溶液)を61.99g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−13)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−13)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で40.0mol%であった。
三口フラスコにメチルトリメトキシシランを6.81g(50.0mol%)、1−ナフチルトリメトキシシランの50wt%IPA溶液を19.87g(40.0mol%)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を2.62g(10.0mol%)、DPM52.53gを仕込んだ。フラスコ内に窒素を0.05L/minで流し、混合溶液を撹拌しながらオイルバスで40℃に加熱攪拌した。さらに、PL−2L−IPA(25.1wt%のIPA溶液)を61.99g(シリカ粒子含有ポリシロキサンの重量に対して55wt%)を、混合溶液を攪拌しながら投入後、40℃で30分間撹拌して、シラン化合物を加水分解させた。その後、バス温を70℃に設定して1時間撹拌した後、続いてバス温を130℃まで昇温した。昇温開始後、約1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから4時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。4時間加熱撹拌して得られた樹脂溶液を氷浴にて冷却した後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を、それぞれ樹脂溶液に対して2wt%加えて12時間撹拌した。撹拌後、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をろ過して除去し、ポリシロキサン溶液(A−13)を得た。得られたポリシロキサン溶液(A−13)の固形分濃度は40wt%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4500であった。ポリシロキサン中のアリール基を有するオルガノシラン単位の含有比率は、ポリシロキサン全体のオルガノシラン由来のSi原子モル数に対するSi原子モル比で40.0mol%であった。
合成例1〜13の組成を、まとめて表1に示す。また、各実施例、比較例における評価方法を以下に示す。
(1)ポリシロキサン溶液の固形分濃度
重量を測定したアルミカップにポリシロキサン溶液を1g秤量し、ホットプレート「HP−1SA」(商品名、アズワン(株)製)を用いて250℃で30分間加熱して蒸発乾固させた。加熱後、固形分が残存したアルミカップの重量を測定し、加熱前後の重量の差分から残存した固形分の重量を算出し、ポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
重量を測定したアルミカップにポリシロキサン溶液を1g秤量し、ホットプレート「HP−1SA」(商品名、アズワン(株)製)を用いて250℃で30分間加熱して蒸発乾固させた。加熱後、固形分が残存したアルミカップの重量を測定し、加熱前後の重量の差分から残存した固形分の重量を算出し、ポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
(2)ポリシロキサンの重量平均分子量
GPC分析装置「HLC−8220」(東ソー(株)製)を用い、流動層としてTHFを用いてGPC測定を行い、ポリスチレン換算により求めた。
GPC分析装置「HLC−8220」(東ソー(株)製)を用い、流動層としてTHFを用いてGPC測定を行い、ポリスチレン換算により求めた。
(3)ポリシロキサン中の各オルガノシラン単位の含有比率
29Si−NMRの測定を行い、オルガノシラン由来のSi全体の積分値に対する、特定のオルガノシラン単位由来のSiの積分値の割合を算出して、それらの含有比率を計算した。試料(液体)は、直径10mmの“テフロン(登録商標)”製NMRサンプル管に注入して測定に用いた。29Si−NMR測定条件を以下に示す。
装置:核磁気共鳴装置「JNM−GX270」(日本電子(株)製)
測定法:ゲーテッドデカップリング法
測定核周波数:53.6693MHz(29Si核)
スペクトル幅:20000Hz
パルス幅:12μs(45°パルス)
パルス繰り返し時間:30.0s
溶媒:アセトン−d6
基準物質:テトラメチルシラン
測定温度:室温
試料回転数:0.0Hz。
29Si−NMRの測定を行い、オルガノシラン由来のSi全体の積分値に対する、特定のオルガノシラン単位由来のSiの積分値の割合を算出して、それらの含有比率を計算した。試料(液体)は、直径10mmの“テフロン(登録商標)”製NMRサンプル管に注入して測定に用いた。29Si−NMR測定条件を以下に示す。
装置:核磁気共鳴装置「JNM−GX270」(日本電子(株)製)
測定法:ゲーテッドデカップリング法
測定核周波数:53.6693MHz(29Si核)
スペクトル幅:20000Hz
パルス幅:12μs(45°パルス)
パルス繰り返し時間:30.0s
溶媒:アセトン−d6
基準物質:テトラメチルシラン
測定温度:室温
試料回転数:0.0Hz。
(4)硬化膜の作製
ポリシロキサン溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、Siウェハ上にスピンコーター「MS−A100」(製品名、ミカサ(株)製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ホットプレート「SCW−636」(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて100℃で2分間プリベークした。その後、大型電気マッフル炉「FUW263PA」(商品名、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、800℃で焼成した。焼成条件は、800℃で焼成する場合、大気気流下、1時間20分かけて800℃に昇温させ、800℃で1時間保持した。その後自然冷却して、硬化膜を作製した。1000℃で焼成する場合、大気気流下、1時間40分かけて1000℃に昇温させ、1000℃で1時間保持した。その後自然冷却して、硬化膜を作製した。
ポリシロキサン溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、Siウェハ上にスピンコーター「MS−A100」(製品名、ミカサ(株)製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ホットプレート「SCW−636」(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて100℃で2分間プリベークした。その後、大型電気マッフル炉「FUW263PA」(商品名、アドバンテック東洋(株)製)を用いて、800℃で焼成した。焼成条件は、800℃で焼成する場合、大気気流下、1時間20分かけて800℃に昇温させ、800℃で1時間保持した。その後自然冷却して、硬化膜を作製した。1000℃で焼成する場合、大気気流下、1時間40分かけて1000℃に昇温させ、1000℃で1時間保持した。その後自然冷却して、硬化膜を作製した。
(5)膜厚測定
光干渉式膜厚測定装置「ラムダエース VM−1030」(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、屈折率を1.55に設定して測定した。
光干渉式膜厚測定装置「ラムダエース VM−1030」(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、屈折率を1.55に設定して測定した。
(6)フィラー平均粒径の収縮率
上記の方法で、Siウェハ上に樹脂組成物のプリベーク膜を作製した。その後、800℃での焼成膜を作製した。プリベーク膜と焼成膜の断面を、電界放出型走査電子顕微鏡「S−4800」(商品名、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、1万倍で観察し、任意の200nm四方内に観測される10個の粒子の最大径を測定し、測定した粒子の数で割った平均値を算出することで、平均粒径を測定した。フィラー平均粒径の収縮率は、下記のように定義される。焼成前のフィラー平均粒径をa、焼成後のフィラー平均粒径をbとした場合、収縮率は((a−b)/a)×100(%)と表される。
上記の方法で、Siウェハ上に樹脂組成物のプリベーク膜を作製した。その後、800℃での焼成膜を作製した。プリベーク膜と焼成膜の断面を、電界放出型走査電子顕微鏡「S−4800」(商品名、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、1万倍で観察し、任意の200nm四方内に観測される10個の粒子の最大径を測定し、測定した粒子の数で割った平均値を算出することで、平均粒径を測定した。フィラー平均粒径の収縮率は、下記のように定義される。焼成前のフィラー平均粒径をa、焼成後のフィラー平均粒径をbとした場合、収縮率は((a−b)/a)×100(%)と表される。
(7)耐クラック膜厚
上記の方法で、1.0〜8.0μmまでの膜厚で0.1μmきざみに、各Siウェハ上に樹脂組成物の焼成膜を作製した。焼成後、焼成膜表面におけるクラック発生の有無を、FPD検査顕微鏡「MX−61L」(商品名、オリンパス(株)製)を用いて観察した。クラックが発生しなかった焼成膜の最大膜厚値を耐クラック膜厚とし、それぞれの耐クラック膜厚を比較した。耐クラック膜厚が大きいほど、耐クラック性が良好であることを示す。
上記の方法で、1.0〜8.0μmまでの膜厚で0.1μmきざみに、各Siウェハ上に樹脂組成物の焼成膜を作製した。焼成後、焼成膜表面におけるクラック発生の有無を、FPD検査顕微鏡「MX−61L」(商品名、オリンパス(株)製)を用いて観察した。クラックが発生しなかった焼成膜の最大膜厚値を耐クラック膜厚とし、それぞれの耐クラック膜厚を比較した。耐クラック膜厚が大きいほど、耐クラック性が良好であることを示す。
(8)弾性率
(株)東洋テクニカ製ナノインデンターDCMを用いてナノインデンテーション法で測定できる。Siウエハ上に測定対象樹脂組成物の硬化膜を形成し、硬化膜表面を、株東洋テクニカ製ナノインデンターDCMを用いて測定する。測定のとしては、DCM Basic Hardness, Modulus,Tip Cal,Load Control.msm(マルチロード・アンロード・メソッド,MultiLoad Method)を用い、押し込み試験のパラメーターは、Percent To Unload=90%、Maximum Load=1gf、Load Rate Multiple For Unlosd Rate=1、Number Of Times to Load=5、Peak Hold time=10s、Time To Load=15s、Poisson's ratio=0.18とした。ヤングモジュラスは、「Modulas At Max Load」の値とした。
(株)東洋テクニカ製ナノインデンターDCMを用いてナノインデンテーション法で測定できる。Siウエハ上に測定対象樹脂組成物の硬化膜を形成し、硬化膜表面を、株東洋テクニカ製ナノインデンターDCMを用いて測定する。測定のとしては、DCM Basic Hardness, Modulus,Tip Cal,Load Control.msm(マルチロード・アンロード・メソッド,MultiLoad Method)を用い、押し込み試験のパラメーターは、Percent To Unload=90%、Maximum Load=1gf、Load Rate Multiple For Unlosd Rate=1、Number Of Times to Load=5、Peak Hold time=10s、Time To Load=15s、Poisson's ratio=0.18とした。ヤングモジュラスは、「Modulas At Max Load」の値とした。
(9)屈折率の測定
上記の方法で、Siウェハ上に樹脂組成物のプリベーク膜を作製した。その後、1000℃での焼成膜を作製した。プリズムカプラーMODEL2010(Metricon(株)製)を用いて、22℃での633nm(He−Neレーザー使用)における膜面に対して垂直方向の屈折率(TE)を測定した。
上記の方法で、Siウェハ上に樹脂組成物のプリベーク膜を作製した。その後、1000℃での焼成膜を作製した。プリズムカプラーMODEL2010(Metricon(株)製)を用いて、22℃での633nm(He−Neレーザー使用)における膜面に対して垂直方向の屈折率(TE)を測定した。
(10)ろ過性の評価
(4)硬化膜の作製の項、ポリシロキサン溶液を0.45μmのフィルターでろ過する際、0.1Mpa未満でろ過できたものをA、0.1Mpa以上でろ過できたものをBとした。
(4)硬化膜の作製の項、ポリシロキサン溶液を0.45μmのフィルターでろ過する際、0.1Mpa未満でろ過できたものをA、0.1Mpa以上でろ過できたものをBとした。
実施例1
合成例1で得られたポリシロキサン溶液(A−1)を用いて、(4)の方法で硬化膜を作製し、(5)〜(10)の方法で膜厚、フィラー平均粒径の収縮率、耐クラック膜厚、弾性率、屈折率およびろ過性の測定を行った。
合成例1で得られたポリシロキサン溶液(A−1)を用いて、(4)の方法で硬化膜を作製し、(5)〜(10)の方法で膜厚、フィラー平均粒径の収縮率、耐クラック膜厚、弾性率、屈折率およびろ過性の測定を行った。
フィラーの平均粒径は、プリベーク膜で50nm、焼成膜で38nmであり、収縮率は24%であった。硬化膜の屈折率は、1.26(633nm)であった。硬化膜の弾性率は40GPaであった。プリベーク膜と硬化膜の断面の顕微鏡写真を図1、2に示す。
実施例2〜22、比較例1〜4
合成例2〜13で得られたポリシロキサン溶液(A−2)〜(A−13)を用いて、上記、実施例1と同様に膜厚、フィラー平均粒径の収縮率、耐クラック膜厚および弾性率の測定を行った。それらの結果を、表2に示す。
合成例2〜13で得られたポリシロキサン溶液(A−2)〜(A−13)を用いて、上記、実施例1と同様に膜厚、フィラー平均粒径の収縮率、耐クラック膜厚および弾性率の測定を行った。それらの結果を、表2に示す。
Claims (19)
- フィラーおよびポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記フィラーの内部に、アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種、および/または、500℃以上で熱分解する有機化合物、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 前記フィラーの内部にアミン化合物を含む請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記フィラーが、さらに内部に500℃以上で熱分解する有機化合物を含む請求項2記載の樹脂組成物。
- 前記500℃以上で熱分解する有機化合物が、アルキレングリコール構造を有する化合物である請求項1または3に記載の樹脂組成物。
- フィラーおよびポリシロキサンを含む樹脂組成物であって、前記フィラーが、当該樹脂組成物を用いて形成される塗布膜を500〜1200℃の温度で焼成した際の前記フィラー平均粒径の収縮率が10%以上85%以下であるフィラーであることを特徴とする樹脂組成物。
- 前記焼成における温度が800℃以上である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記フィラーの含有率が、前記フィラーと前記ポリシロキサンの総量に対して40〜80重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記フィラーがSiを主成分とする化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記フィラーの表面にポリシロキサンをグラフト化している請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリシロキサンが酸性基を含む請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリシロキサンが炭素数6〜20のアリール基を含む請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリシロキサンがナフチル基を含む請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化膜。
- 弾性率が5GPa以上である請求項13に記載の硬化膜。
- 屈折率が1.2〜1.4である請求項13または14に記載の硬化膜。
- 請求項13〜15のいずれかに記載の硬化膜を具備する半導体素子。
- 前記半導体素子が記憶素子である請求項16記載の半導体素子。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて膜を形成する工程と、前記膜を500℃以上、1200℃以下で加熱する工程を有する半導体素子の製造方法。
- 一回の膜形成および500℃以上、1200℃以下での加熱で膜厚3μm以上の硬化膜を形成する請求項18記載の半導体素子の製造方法。
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