JPWO2019065197A1 - 拘束部材および電池モジュール - Google Patents

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Abstract

拘束部材は、電池の積層方向Xに延在する本体部と、積層方向Xに延在するとともに本体部から突出して、電池積層体を支持する支持部と、支持部と所定の間隔をあけて配置される複数の付勢部であって、積層方向に配列されるとともに本体部から突出して、電池積層体を支持部に向けて付勢する複数の付勢部とを備える。本体部を支持部側領域と付勢部側領域とに2分したとき、支持部側領域は付勢部側領域よりも剛性が小さい。

Description

本発明は、拘束部材と、この拘束部材を備える電池モジュールに関する。
例えば車両用等の、高い出力電圧が要求される電源として、複数個の電池が直列接続された構造を有する電池モジュールが知られている。特許文献1には、積層された複数の電池とこれを挟むエンドプレートを含む電池積層体と、電池積層体を挟むとともにエンドプレートに固定される拘束部材とを備える電池モジュールが開示されている。
特開2015−99648号公報
本発明者は、従来の電池モジュールに用いられていた拘束部材について鋭意研究を重ねた結果、従来の拘束部材には、電池積層体を安定的に保持する上で改善の余地があることを見いだした。電池積層体の保持の安定性は、電池モジュールの動作を安定させる上で重要である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池モジュールの安定性を高めるための技術を提供することにある。
本発明のある態様は、拘束部材である。当該拘束部材は、積層された複数の電池を有する電池積層体を拘束する拘束部材であって、電池の積層方向に延在する本体部と、積層方向に延在するとともに、本体部から電池積層体と本拘束部材とが並ぶ第1方向に突出し、電池積層体を支持する支持部と、積層方向および第1方向と交わる第2方向において支持部と所定の間隔をあけて配置される複数の付勢部であって、積層方向に配列されるとともに本体部から第1方向に突出して、電池積層体を支持部に向けて付勢する複数の付勢部と、を備える。本体部を支持部側領域と付勢部側領域とに第2方向で2分したとき、支持部側領域は付勢部側領域よりも剛性が小さい。
本発明によれば、電池モジュールの安定性を高めることができる。
実施の形態に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。 電池モジュールの分解斜視図である。 実施の形態に係る拘束部材の概略構造を示す正面図である。 変形例に係る拘束部材の概略構造を示す斜視図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、同一の部材であっても、各図面間で縮尺等が若干相違する場合もあり得る。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合、特に言及がない限りいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
図1は、実施の形態に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。図2は、電池モジュールの分解斜視図である。電池モジュール1は、電池積層体2と、一対の拘束部材6(6A)と、冷却板8とを主な構成として備える。
電池積層体2は、積層された複数の電池10と、複数のセパレータ12と、一対のエンドプレート4とを有する。電池10は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。電池10は、いわゆる角形電池であり、扁平な直方体形状の外装缶14を有する。外装缶14の一面には略長方形状の開口が設けられ、この開口を介して外装缶14に電極体や電解液等が収容される。外装缶14は、シュリンクチューブ等の図示しない絶縁フィルムで被覆される。外装缶14の表面を絶縁フィルムで被覆することで、隣り合う電池10間の短絡と、電池10とエンドプレート4、拘束部材6および冷却板8のそれぞれとの間の短絡とを抑制することができる。外装缶14の開口には、外装缶14を封止する封口板16が設けられる。
封口板16には、長手方向の一端寄りに正極の出力端子18が設けられ、他端寄りに負極の出力端子18が設けられる。以下では適宜、正極の出力端子18を正極端子18aと称し、負極の出力端子18を負極端子18bと称する。また、出力端子18の極性を区別する必要がない場合、正極端子18aと負極端子18bとをまとめて出力端子18と称する。封口板16には、一対の出力端子18の間に安全弁(図示せず)が設けられる。安全弁は、外装缶14の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。外装缶14、封口板16及び出力端子18は導電体であり、例えば金属製である。
本実施の形態では、封口板16が設けられる側を電池10の上面、反対側を電池10の底面とする。また、電池10は、上面及び底面をつなぐ2つの主表面を有する。この主表面は、電池10が有する6つの面のうち面積の最も大きい面である。上面、底面及び2つの主表面を除いた残り2つの面は、電池10の側面とする。また、電池10の上面側を電池積層体2の上面とし、電池10の底面側を電池積層体2の底面とする。また便宜上、電池積層体2の上面側を鉛直方向上方とし、電池積層体2の底面側を鉛直方向下方とする。
複数の電池10は、隣り合う電池10の主表面同士が対向するようにして積層される。なお、「積層」は、任意の1方向に複数の部材を並べることを意味する。したがって、電池10の積層には、複数の電池10を水平に並べることも含まれる。また、各電池10は、出力端子18が同じ方向(ここでは便宜上、鉛直方向上方とする)を向くように配置される。隣接する2つの電池10は、一方の正極端子18aと他方の負極端子18bとが隣り合うように積層される。正極端子18aと負極端子18bとは、バスバー(図示せず)を介して電気的に接続される。なお、隣接する2つの電池10の同極性の出力端子18同士をバスバーで接続する場合もあり得る。
セパレータ12は、絶縁スペーサとも呼ばれ、例えば絶縁性を有する樹脂からなる。セパレータ12を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ノリル(登録商標)樹脂(変性PPE)等の熱可塑性樹脂が例示される。複数の電池10と複数のセパレータ12とは、交互に積層される。セパレータ12は、電池10の主表面に平行な平面部20と、平面部20の端部から電池10の積層方向X(各図において矢印Xで示す方向)に延在する壁部22とを有する。
平面部20は、隣接する2つの電池10の対向する主表面間に延在する。これにより、隣り合う電池10の外装缶14同士がより確実に絶縁される。また、平面部20は、電池10とエンドプレート4との間に延在する。これにより、電池10の外装缶14と、エンドプレート4とがより確実に絶縁される。また、壁部22によって電池10の上面の一部、側面、および底面の一部が覆われる。これにより、電池10またはエンドプレート4の表面での結露等が原因で生じ得る、隣り合う電池10間の短絡を抑制することができる。また、電池10の外装缶14と、拘束部材6とがより確実に絶縁される。
壁部22は、電池10の底面が露出するよう切り欠き24を有する。切り欠き24を設けることで、電池10と冷却板8との間の熱的な接続がセパレータ12によって阻害されることを、回避することができる。
また、セパレータ12は、電池10の積層方向Xと直交する水平方向Y(各図において矢印Yで示す方向)における両端部に、積層方向Xおよび水平方向Yと直交する鉛直方向Z(各図において矢印Zで示す方向)の上方を向く付勢受け部26を有する。
積層された複数の電池10および複数のセパレータ12は、一対のエンドプレート4で挟まれる。一対のエンドプレート4は、電池10の積層方向Xにおける電池積層体2の両端に配置される。エンドプレート4は、例えば金属板からなる。エンドプレート4の主表面には、締結ねじ28が螺合するねじ穴4aが設けられる。
一対の拘束部材6は、バインドバーとも呼ばれ、電池積層体2を拘束する部材である。一対の拘束部材6は、水平方向Yに配列され、その間に電池積層体2が配置される。拘束部材6は、本体部30と、支持部32と、複数の付勢部34と、一対の固定部36とを備える。
本体部30は、電池10の積層方向Xに延在する矩形状の板状体である。本体部30は、各電池10の側面に対して平行に延在する。また、本体部30は、脆弱部40を有する。脆弱部40は、本体部30における他の部分よりも強度が低い。本実施の形態では、脆弱部40は、第1方向において本体部30を貫通する肉抜き部で構成されている。より具体的には、本体部30を水平方向Yに貫通する複数の貫通孔によって、複数の脆弱部40が構成されている。脆弱部40を設けることで、拘束部材6の軽量化を図ることができる。
支持部32は、積層方向Xに延在するとともに、本体部30から電池積層体2と拘束部材6とが並ぶ第1方向に突出する。本実施の形態では、支持部32は、本体部30の下端から水平方向Yに突出する。支持部32は、積層方向Xに連続する板状体であり、拘束部材6が電池積層体2に組み付けられた状態で電池積層体2を支持する。
複数の付勢部34は、積層方向Xおよび第1方向と交わる第2方向において、支持部32と所定の間隔をあけて配置される。そして、本体部30から第1方向に突出する。本実施の形態では、複数の付勢部34は、本体部30の上端に接続される。つまり、複数の付勢部34は、鉛直方向Zで支持部32と間隔をあけて配置される。支持部32と付勢部34とは、鉛直方向Zにおいて対向する。そして、本体部30の上端から水平方向Yに突出する。また、複数の付勢部34は、所定の間隔をあけて積層方向Xに配列される。各付勢部34は、各電池10に対応して配置される。各付勢部34は板ばね状であり、電池積層体2ひいては電池10を支持部32に向けて付勢する。各付勢部34の積層方向Xの長さは、支持部32の積層方向Xの長さよりも短い。
一対の固定部36は、積層方向Xにおける本体部30の両端部から水平方向Yに突出する板状体である。「端部」には、積層方向Xにおける最も外側の部分だけでなく、当該最外側部分の近傍も含まれる。一対の固定部36は、積層方向Xにおいて対向する。各固定部36には、締結ねじ28が挿通される貫通孔36aが設けられる。一対の固定部36により、拘束部材6が電池積層体2に固定される。
例えば拘束部材6は、脆弱部40を有する矩形状の金属板の各辺に将来的に支持部32、複数の付勢部34、および一対の固定部36となる突部を有する、所定形状の金属板を用意し、各辺に折り曲げ加工を施すことで形成することができる。
冷却板8は、複数の電池10を冷却するための機構である。冷却板8は、金属等の熱伝導性を有する材料で構成される。電池積層体2は、冷却板8の主表面上に載置され、支持部32の貫通孔32aと冷却板8の貫通孔8aとにねじ等の締結部材(図示せず)が挿通されることで、冷却板8に固定される。したがって、冷却板8は、電池積層体2の載置台としても機能する。各電池10は、冷却板8との間で熱交換することで冷却される。冷却板8には、冷媒が内部を流通する冷媒管(図示せず)を設けてもよい。
電池モジュール1は、例えば以下のようにして組み立てられる。すなわち、まず複数の電池10と複数のセパレータ12とが交互に配列され、これらが一対のエンドプレート4で挟まれて、電池積層体2が形成される。この電池積層体2に、一対の拘束部材6が取り付けられる。電池積層体2の一部は、各拘束部材6における支持部32、複数の付勢部34および一対の固定部36で囲まれる空間に進入する。また、各拘束部材6は、貫通孔36aがエンドプレート4のねじ穴4aと重なるように位置合わせされる。この状態で、締結ねじ28が貫通孔36aに挿通され、またねじ穴4aに螺合される。この結果、電池積層体2が一対の拘束部材6によって締結される。
電池積層体2に拘束部材6が組み付けられた状態で、複数の電池10は、一対の固定部36で挟まれて積層方向Xに締め付けられる。これにより、各電池10の積層方向Xの位置決めがなされる。また、電池積層体2は、底面が支持部32に当接する。したがって、各電池10は、底面が支持部32によって支持される。電池10の底面と支持部32との間にはセパレータ12の壁部22が介在する。また、電池積層体2は、上面が複数の付勢部34に当接する。各付勢部34は、各セパレータ12の付勢受け部26に当接する。各付勢部34は、付勢受け部26を介して各電池10を支持部32に向けて付勢する。すなわち、支持部32と複数の付勢部34とにより、電池積層体2が鉛直方向Zに挟み込まれる。この結果、各電池10の鉛直方向Zの位置決めがなされる。
この状態で、各電池10の出力端子18にバスバーが電気的に接続される。その後、カバー部材(図示せず)が電池積層体2の上面に取り付けられる。カバー部材は、トップカバーとも呼ばれ、電池10の出力端子18、バスバー、弁部等への結露水や塵埃等の接触を防止する。カバー部材は、ネジや周知の係止機構を含む周知の固定構造(図示せず)により、電池積層体2の上面に固定することができる。拘束部材6およびカバー部材が取り付けられた電池積層体2は、冷却板8に載置され、貫通孔8aおよび貫通孔32aに締結部材が挿通されることで冷却板8に固定される。以上の工程により、電池モジュール1が得られる。なお、電池積層体2を冷却板8に設置した上で、電池積層体2と冷却板8とをまとめて拘束部材6により固定して電池モジュール1を製造してもよい。この場合、冷却板8は一対の拘束部材6の内側に配置される。
拘束部材6は、鉛直方向Zの一端側に支持部32を有し、他端側に複数の付勢部34を有する。支持部32は積層方向Xに連続する構造体であり、各付勢部34は互いに切り離された小片である。本発明者は鋭意研究を重ねた結果、このような構造を有する拘束部材6では、拘束部材6の剛性に偏りが生じることを見いだした。すなわち、拘束部材6は、付勢部34が設けられた側の領域が支持部32が設けられた側の領域に比べて、剛性が小さくなる傾向にある。また、本実施の形態では、拘束部材6の支持部32側が冷却板8に固定される。このため、支持部32側に比べて付勢部34側の剛性がより一層小さくなる。
拘束部材6の剛性に偏りがあると、各電池10を均一に拘束することが困難であり、したがって電池積層体2を安定的に保持することが困難である。また、拘束部材6の剛性に偏りがあると、電池10の膨張等に起因して拘束部材6に生じる応力が一部に集中するおそれがある。具体的には、電池10が膨張すると、電池積層体2は剛性の低い付勢部34側が剛性の高い支持部32側に比べてより大きく変形する。したがって、エンドプレート4は、付勢部34側が支持部32側に比べて、積層方向Xの外側に向けてより大きく変位する。このため、拘束部材6の支持部32側に応力が集中する。
これに対し、本実施の形態に係る拘束部材6は、拘束部材6の剛性の不均衡を解消すべく、以下に説明する構造を備える。図3は、実施の形態に係る拘束部材の概略構造を示す正面図である。図3に示すように、本実施の形態の拘束部材6では、脆弱部40が支持部32側に偏在している。具体的には、本体部30を支持部側領域R1と付勢部側領域R2とに鉛直方向Z(第2方向)で2分したとき、水平方向Y(第1方向)から見て、支持部側領域R1における脆弱部40の総面積は、付勢部側領域R2における脆弱部40の総面積よりも大きい。
本実施の形態では、支持部側領域R1において、鉛直方向Zに長い略矩形状の脆弱部40が積層方向Xに所定の間隔をあけて配列されている。支持部側領域R1に配置される脆弱部40は、鉛直方向Zについて支持部側領域R1の略全域にわたって延在している。また、付勢部側領域R2において、支持部側領域R1に配置された脆弱部40と積層方向Xの長さが等しく、鉛直方向Zの長さが積層方向Xの長さよりも短い略矩形状の脆弱部40が積層方向Xに所定の間隔をあけて配列されている。付勢部側領域R2に配置される脆弱部40は、鉛直方向Zにおける本体部30の中心C寄りに配置されている。なお、支持部側領域R1における総面積が付勢部側領域R2における総面積よりも大きい限り、脆弱部40の形状や数、配置は特に限定されない。例えば、脆弱部40は付勢部側領域R2に設けられなくてもよい。
支持部側領域R1は、本体部30の中心Cから、支持部32との接続位置までの領域であり、付勢部側領域R2は、当該中心Cから付勢部34との接続位置までの領域である。なお、脆弱部40の総面積を比較する際、鉛直方向Zにおける支持部32および付勢部34の本体部30からの突出長さが等しい場合には、支持部側領域R1は、拘束部材6全体を鉛直方向Zで2分したときの支持部32側の領域としてもよい。つまり、支持部側領域R1に支持部32が含まれてもよい。また、付勢部側領域R2は、拘束部材6全体を鉛直方向Zで2分したときの付勢部34側の領域としてもよい。つまり、付勢部側領域R2に付勢部34が含まれてもよい。
脆弱部40は、拘束部材6の剛性を低下させる方向に作用する。このため、脆弱部40を支持部側領域R1に偏在させることで、支持部側領域R1における剛性を下げ、相対的に付勢部側領域R2における剛性を上がることができる。したがって、本体部30は、支持部側領域R1における剛性が付勢部側領域R2における剛性よりも小さい。
以上説明したように、本実施の形態に係る拘束部材6は、電池10の積層方向Xに延在する本体部30と、積層方向Xに延在するとともに本体部30から突出して電池積層体2を支持する支持部32と、支持部32と所定の間隔をあけて配置される複数の付勢部34とを備える。複数の付勢部34は、積層方向Xに配列されるとともに本体部30から突出して、電池積層体2を支持部32に向けて付勢する。本体部30は、支持部側領域R1と付勢部側領域R2とに2分したとき、支持部側領域R1が付勢部側領域R2よりも剛性が小さい。
拘束部材6は、連続体である支持部32が配置される側の剛性が高く、小片である複数の付勢部34が配置される側の剛性が低くなる傾向にある。一方、本実施の形態の本体部30は剛性に偏りを有し、支持部側領域R1が付勢部側領域R2よりも剛性が小さい。このため、支持部32および付勢部34による剛性への作用と、本体部30における剛性の偏りとが合わさって、拘束部材6全体の剛性の偏りが小さくなる。
拘束部材6の剛性の偏りが解消することで、各電池10の保持の均一性が高まり、電池積層体2を安定的に保持することができる。また、拘束部材6の剛性を均一化することで、電池10が膨張した際に電池積層体2をより均一に変形させることができる。したがって、拘束部材6に生じる応力の集中を緩和することができる。以上より、電池モジュール1の安定性を高めることができる。
また、本実施の形態の本体部30は、脆弱部40を有する。そして、本体部30を支持部側領域R1と付勢部側領域R2とに2分したとき、支持部側領域R1における脆弱部40の総面積は、付勢部側領域R2における脆弱部40の総面積よりも大きい。このように脆弱部40を偏在させることで、支持部側領域R1における拘束部材6の剛性を低下させ、付勢部側領域R2における拘束部材6の剛性を増大させることができる。このため、支持部32および付勢部34による剛性への作用と、脆弱部40による剛性への作用とにより、拘束部材6全体の剛性の偏りを小さくすることができる。
また、脆弱部40は、冷却板8側に偏在する。つまり、付勢部側領域R2は、支持部側領域R1に比べて本体部30の残存部分が多い。このため、付勢部側領域R2の熱容量を大きくすることができる。電池10の冷却効率は冷却板8から離れるほど低下する。これに対し、支持部側領域R1に比べて冷却板8から離間した付勢部側領域R2の熱容量を大きくすることで、電池10の冷却効率の均一化を図ることができる。
また、本実施の形態の脆弱部40は、本体部30を貫通する肉抜き部で構成されている。これにより、簡単な構造で拘束部材6の剛性の均一化を図ることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることが可能であり、変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれる。上述した実施の形態への変形の追加によって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
図4は、変形例に係る拘束部材の概略構造を示す斜視図である。本変形例に係る拘束部材6(6B)は、脆弱部40の配置および構造に特徴を有する点を除いて、実施の形態1に係る拘束部材6の構成と共通する。具体的には、支持部32は、積層方向Xにおける本体部30の端部領域R1aを除く領域に延在している。端部領域R1aは、例えばエンドプレート4と重なる領域である。そして、脆弱部40は、支持部側領域R1のうち積層方向Xで支持部32が延在していない端部領域R1aに配置される。
脆弱部40を、支持部側領域R1且つ端部領域R1aに配置することで、電池10の膨張に対して、支持部側領域R1をより確実に変形させることができる。これにより、拘束部材6に生じる応力の集中をより緩和することができる。
また、端部領域R1aに配置される脆弱部40は、鉛直方向Z(第2方向)で支持部32側に開放された切り欠きで構成されている。これにより、拘束部材6に生じる応力の集中をより確実に緩和することができる。なお、端部領域R1aに配置される脆弱部40は、実施の形態と同様に、外周が閉じられた貫通孔で構成されてもよい。また、実施の形態で説明した配置をとる脆弱部40と本変形例で説明した配置をとる脆弱部40とが組み合わされてもよい。すなわち、本願発明には、脆弱部40の少なくとも一部が端部領域R1aに配置された構造が含まれる。
(その他)
上述した実施の形態および変形例において、冷却板8は省略されてもよい。例えば、冷却板8に代えて、冷却効果が期待されない台座が用いられてもよい。また、拘束部材6とエンドプレート4との固定は、ボルト締結に限定されない。例えば、拘束部材6とエンドプレート4とに互いに係合される構造を設けて係合させたり、溶接により両者を固定してもよい。係合による固定構造の場合、拘束部材6は、積層方向Xにおける両端部からそれぞれ少し中央に寄った端部近傍で、エンドプレート4に固定される。また、セパレータ12以外の絶縁部材を用いて、電池10の外装缶14と、拘束部材6等の他の部材との間の短絡が抑制されてもよい。
上述した実施の形態および変形例では、電池10は角形電池であるが、電池10の形状は特に限定されず円筒状等であってもよい。また、電池積層体2が備える電池10の数も特に限定されない。また、脆弱部40は、本体部30における他の部分よりも肉厚の薄い薄肉部や、他の部分よりも低剛性の材料で構成される部分であってもよい。
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
1 電池モジュール
2 電池積層体
6 拘束部材
10 電池
30 本体部
32 支持部
34 付勢部
40 脆弱部
R1 支持部側領域
R1a 端部領域
R2 付勢部側領域

Claims (6)

  1. 積層された複数の電池を有する電池積層体を拘束する拘束部材であって、
    前記電池の積層方向に延在する本体部と、
    前記積層方向に延在するとともに、前記本体部から前記電池積層体と本拘束部材とが並ぶ第1方向に突出し、前記電池積層体を支持する支持部と、
    前記積層方向および前記第1方向と交わる第2方向において前記支持部と所定の間隔をあけて配置される複数の付勢部であって、前記積層方向に配列されるとともに前記本体部から前記第1方向に突出して、前記電池積層体を前記支持部に向けて付勢する複数の付勢部と、を備え、
    前記本体部を支持部側領域と付勢部側領域とに前記第2方向で2分したとき、前記支持部側領域は前記付勢部側領域よりも剛性が小さいことを特徴とする拘束部材。
  2. 前記本体部は、強度が他の部分よりも低い脆弱部を有し、
    前記第1方向から見て、前記支持部側領域における前記脆弱部の総面積は、前記付勢部側領域における前記脆弱部の総面積よりも大きい請求項1に記載の拘束部材。
  3. 前記支持部は、前記積層方向における前記本体部の端部領域を除く領域に延在し、
    前記脆弱部の少なくとも一部は、前記支持部側領域のうち前記端部領域に配置される請求項2に記載の拘束部材。
  4. 前記脆弱部は、第1方向において前記本体部を貫通する肉抜き部で構成される請求項2または3に記載の拘束部材。
  5. 前記端部領域に配置される前記脆弱部は、前記第2方向で前記支持部側に開放された切り欠きで構成される請求項3に記載の拘束部材。
  6. 積層された複数の電池を有する電池積層体と、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の拘束部材と、を備えることを特徴とする電池モジュール。
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