JPWO2019059320A1 - 含フッ素化合物並びに含フッ素重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、下記一般式1で表される含フッ素化合物、下記一般式2で表される含フッ素化合物、または、下記一般式3で表される含フッ素化合物に関する。さらに、本発明は、下記一般式I又はIIで表される構造単位を含む含フッ素共重合体に関する。【化1】

Description

本発明は含フッ素化合物並びに含フッ素重合体及びその製造方法に関する。特に含フッ素ノルボルネン誘導体及び該含フッ素ノルボルネン誘導体由来の構成単位を含む含フッ素重合体とその製造方法に関する。
従来、ノルボルネン骨格を持つ化合物(以下、「ノルボルネン誘導体」と称する。)は、金属触媒によるメタセシス反応により開環重合させて重合体を得るためのモノマーとして広く使用されている。このノルボルネン誘導体に基づく構成単位を含む重合体(ポリマー)及びその水素添加物は、高ガラス転移温度(高耐熱性)、低吸水性、高光線透過率等の諸特性のバランスに優れており、電気・電子材料、半導体材料、光学材料等の多種多様な分野に利用されている。
このノルボルネン誘導体にフッ素原子を含有させた含フッ素ノルボルネン誘導体由来の重合体は、フッ素原子を含まないノルボルネン誘導体の重合体に比べて化学耐久性、耐候性、光透過性に優れることが期待される(特許文献1〜3)。
日本国特許第4752399号公報 日本国特開2004−107277号公報 米国特許出願公開第2007−0191560号明細書
Analytica Chimica Acta(2004),504(1),53−62 CHEMICAL REVIEWS(2015),115,871−930
従来フッ素原子を含んだオレフィン誘導体は反応が進みにくいという知見があり、フッ素原子を含まないノルボルネン誘導体と置換基を有するシクロペンテン誘導体とに由来する共重合体(非特許文献1)が報告されている。しかしながら、フッ素原子を含むノルボルネン誘導体と置換基を有するシクロペンテン誘導体とに由来する共重合体が製造された報告はなかった。また、フッ素原子を含むノルボルネン誘導体とシクロペンテンとの共重合体(非特許文献2)が報告されているものの、フッ素原子を含むノルボルネン誘導体と置換基を有するシクロペンテン誘導体とに由来する共重合体が製造された報告はなかった。
そこで本発明では、フッ素原子を含むノルボルネン誘導体及び該ノルボルネン誘導体に由来する構造単位を含む、新規の含フッ素化合物、含フッ素重合体とその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成する構成として、本発明は下記<1>〜<15>に関する。
<1>下記一般式1で表される含フッ素化合物。
Figure 2019059320
ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2である。
<2>下記一般式2で表される含フッ素化合物。
Figure 2019059320
ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基であり、a21、a22はそれぞれ独立に1または2である。
<3>下記一般式3で表される含フッ素化合物。
Figure 2019059320
ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1である。
<4>下記一般式11で表される構造単位または下記一般式12で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2であり、m11は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<5>下記一般式21で表される構造単位または下記一般式22で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基、a21、a22はそれぞれ独立に1または2、m21は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<6>下記一般式31で表される構造単位または下記一般式32で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1であり、m31は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<7>下記一般式11’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2であり、m11は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<8>下記一般式21’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基であり、a21、a22はそれぞれ独立に1または2であり、m21は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<9>下記一般式31’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1であり、m31は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<10>下記一般式Iで表される構造単位又は下記一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、上記式中の記号は以下の意味を表す。
Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
jは0又は1であり、
m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<11>前記一般式I又は前記一般式IIにおけるR101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子が、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリールオキシ基、又はフッ素原子である、前記<10>に記載の含フッ素重合体。
<12>下記一般式I’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
Figure 2019059320
ただし、上記式中の記号は以下の意味を表す。
Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
jは0又は1であり、
m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<13>金属−カルベン錯体触媒の存在下、下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを共重合させる、下記一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
Figure 2019059320
ただし、上記式a、b及びI中の記号は以下の意味を表す。
Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
jは0又は1であり、
m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<14>下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを付加重合反応により共重合させる、下記一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
Figure 2019059320
ただし、上記式a、b及びII中の記号は以下の意味を表す。
Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
jは0又は1であり、
m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
<15>金属−カルベン錯体触媒の存在下、下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを共重合させて下記一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素重合体を得る工程、及び、得られた前記含フッ素重合体に水素添加する工程を含む、下記一般式I’で表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
Figure 2019059320
ただし、上記式a、b、I及びI’中の記号は以下の意味を表す。
Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
jは0又は1であり、
m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
本発明に係る含フッ素重合体は、化学耐久性、耐候性、光透過性、透明性、撥液性に優れ、さらには低誘電率が期待される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本明細書において、ペルフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を意味する。ペルフルオロアリール基についても同様に、アリール基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を意味する。
また(ペル)フルオロアルキル基とは、フルオロアルキル基とペルフルオロアルキル基とを合わせた総称で用いる。すなわち該基は1個以上のフッ素原子を有するアルキル基である。(ペル)フルオロアリール基についても同様である。
アリール基とは、芳香族化合物において芳香環を形成する炭素原子の内いずれか1の炭素原子に結合した1の水素原子を取り去った残基に相当する一価の基を意味し、炭素環化合物から誘導されるアリール基と、ヘテロ環化合物から誘導されるヘテロアリール基とを合わせた総称で用いる。
炭化水素基の炭素数とは、ある炭化水素基全体に含まれる炭素原子の総数を意味し、該基が置換基を有さない場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数を、該基が置換基を有する場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数に置換基中の炭素原子の数を加えた総数を表す。
ヘテロ原子とは、炭素原子と水素原子以外の原子を意味し、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子である。
一般式1で表される化合物を化合物1という。
<含フッ素化合物(ノルボルネン誘導体)>
本発明に係る含フッ素化合物は、下記一般式1で表される含フッ素化合物、下記一般式2で表される含フッ素化合物、または、下記一般式3で表される含フッ素化合物である。
Figure 2019059320
ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2である。また、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基、a21、a22はそれぞれ独立に1または2である。また、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1である。
11、R12としては、1価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む1価の炭化水素基が挙げられ、特に、エーテル性酸素原子を有する含フッ素炭化水素基が好ましい。1価の有機基の炭素数は1〜200が好ましく、1〜100がより好ましく、1〜20がさらに好ましい。すなわち含フッ素化合物1におけるノルボルネンの置換基(−(CHa11−O−CFX11−R11および−(CHa12−O−CFX12−R12)としては2個以上のエーテル性酸素原子を有する含フッ素炭化水素基が好ましい。
含フッ素化合物1における置換基(−(CHa11−O−CFX11−R11および−(CHa12−O−CFX12−R12)の具体例としては、例えば、下記に示す構造が挙げられる。
−O−CFCHF−(O−CFCFCFd22−O−CFCFCF (d22=0〜65)
−O−CFCHF−(O−CFd23−(O−CFCFd24−O−CF (d23=0〜198、d24=0〜99)
−O−CFCHF−(O−CFCFCFCF−O−CFCFd25−O−CF (d25=0〜33)
−O−CFCHF−(O−CFCFd26−O−CF (d26=0〜99)
−O−CFCHF−(O−CFd27−O−CF (d27=0〜198)
−O−CFCHF−(O−CFCF(CF))d28−O−CFCFCF (d28=0〜65)
−CH−O−CFCHF−(O−CFCFCFd1−O−CFCFCF (d1=0〜65)
−CH−O−CFCHF−(O−CFd2−(O−CFCFd3−O−CF (d2=0〜198、d3=0〜99)
−CH−O−CFCHF−(O−CFCFCFCF−O−CFCFd4−O−CF (d4=0〜33)
−CH−O−CFCHF−(O−CFCFd5−O−CF (d5=0〜99)
−CH−O−CFCHF−(O−CFd6−O−CF (d6=0〜198)
−CH−O−CFCHF−(O−CFCF(CF))d19−O−CFCFCF (d19=0〜65)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFCFCFd7−O−CFCFCF (d7=0〜65)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFd8−(O−CFCFd9−O−CF (d8=0〜198、d9=0〜99)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFCFCFCF−O−CFCFd10−O−CF (d10=0〜33)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFCFd11−O−CF (d11=0〜99)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFd12−O−CF (d12=0〜198)
−CHCH−O−CFCHF−(O−CFCF(CF))d20−O−CFCFCF (d20=0〜65)
含フッ素化合物1における置換基(−(CHa11−O−CFX11−R11および−(CHa12−O−CFX12−R12)としては、
−CH−O−CFCHF−O−CFCFCF
−CH−O−CFCHF−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF
−CH−O−CFCHF−O−CFCF−O−CF−O−CF−O−CF
−CH−O−CFCF−O−CFCF−O−CFCF3、
−CH−O−CFCF−O−CFCF−O−CFCFCFCF
−CH−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF
−CHCH−O−CFCHF−O−CFCFCF
−CHCH−O−CFCHF−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF
−CHCH−O−CFCHF−O−CFCF−O−CF−O−CF−O−CF
−CHCH−O−CFCF−O−CFCF−O−CFCF
−CHCH−O−CFCF−O−CFCF−O−CFCFCFCF
−CHCH−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF等が特に好適に例示される。
21、R22としては、R11、R12と好適な態様も含めて同様である。
化合物3は、例えば、後述するようなシクロペンタジエン等の五員環構造のジエンとオレフィンとのディールズアルダー(Diels−Alder)反応によって合成することができる。前記五員環構造のジエンの構造によってY31を定めることができる。なかでも、Y31はCH、O、又はNHであることが反応性、入手性の点から好ましく、CHが特に好ましい。
31としては、好ましくは、エーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の1価含フッ素炭化水素基、エーテル性酸素原子及びヘテロ原子(エーテル性酸素原子を除く)を含む炭素数2以上の1価含フッ素炭化水素基が挙げられる。すなわち化合物3におけるノルボルネンの置換基(OR31)としては、エーテル性酸素原子を2個以上(アルコキシ基の付け根の酸素原子も含めて2個以上)有する炭素数2以上の含フッ素アルコキシ基が好ましい。1価含フッ素有機基の炭素数は2〜200が好ましく、2〜100がより好ましく、3〜20がさらに好ましい。
OR31の具体例としては、例えば、下記に示す構造が挙げられる。
−(O−CFCFCFd13−O−CFCFCF (d13=0〜65)
−(O−CFd14−(O−CFCFd15−O−CF (d14=0〜199、d15=0〜99)
−(O−CFCFCFCF−O−CFCFd16−O−CF (d16=0〜33)
−(O−CFCFd17−O−CF (d17=0〜99)
−(O−CFd18−O−CF (d18=0〜199)
−(O−CFCF(CF))d21−O−CFCFCF (d21=0〜65)
OR31としては、
−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF
−O−CFCF−O−CF−O−CF−O−CF
−O−CFCFCF−O−CF
−O−CFCF(CF)−O−CFCF(CF)−O−CFCFCF等が特に好適に例示される。
32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、水素原子またはフッ素原子が好ましい。
以下に、化合物1〜3の合成方法を示す。
含フッ素化合物1は例えば、ヒドロキシル基を2つ有するノルボルネン誘導体と含フッ素化合物から合成することができる。
化合物1の合成方法の具体的な例として、以下の化合物1−1の合成方法が挙げられる。化合物1−1は、ノルボルネン誘導体に対して1種類の含フッ素化合物を2倍量で反応させて得られるため、対称化合物である。ノルボルネン誘導体に対して異なる種類の含フッ素化合物を1倍量ずつ反応させれば、非対称の含フッ素化合物1を得ることができる。
11、a12、X11は、上記化合物1における定義と好ましい態様を含めて同様である。R11’は、含フッ素炭化水素基、又はエーテル性酸素原子を有する含フッ素炭化水素基が好ましい。R11’の炭素数は1〜20が好ましい。
Figure 2019059320
含フッ素化合物2は例えば、ヒドロキシル基を2つ有するノルボルネン誘導体と含フッ素化合物から合成することができる。
化合物2の合成方法の具体的な例として、以下の化合物2−1の合成方法が挙げられる。化合物2−1は、ノルボルネン誘導体に対して1種類の含フッ素化合物を2倍量で反応させて得られるため、対称化合物である。ノルボルネン誘導体に対して異なる種類の含フッ素化合物を1倍量ずつ反応させれば、非対称の含フッ素化合物2を得ることができる。
21、a22、X21は、上記化合物2における定義と好ましい態様を含めて同様である。R21’は、含フッ素炭化水素基、又はエーテル性酸素原子を有する含フッ素炭化水素基が好ましい。R21’の炭素数は1〜20が好ましい。
Figure 2019059320
含フッ素化合物3は、例えば、五員環構造のジエンとオレフィンとのディールズアルダー反応によって合成することができる。ジエンとオレフィンとを反応させることでj31=0の含フッ素ノルボルネン誘導体を合成することができ、さらにジエンと再度反応させることで、j31=1の含フッ素ノルボルネン誘導体を合成することができる。ここでY31及びR31〜R34はそれぞれ先述したとおりである。
Figure 2019059320
<含フッ素重合体>
本発明に係る含フッ素重合体の一態様は、前記一般式Iで表される構造単位又は前記一般式IIで表される構造単位を含む共重合体である。
一般式Iで表される構造単位又は前記一般式IIで表される構造単位を含む共重合体は、少なくとも、下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体(含フッ素ノルボルネン誘導体)と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを、原料モノマーとし、それらを共重合することにより製造することができる。
Figure 2019059320
上記式中、Yはそれぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、R101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、R105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、jは0又は1である。
ここで、「R101〜R104」とは、R101、R102、R103及びR104を意味する。同様に、「R105〜R110」とは、R105、R106、R107、R108、R109及びR110を意味する。また、「R121〜R124」とは、R121、R122、R123及びR124を意味する。
(含フッ素ノルボルネン誘導体)
原料モノマーとなる含フッ素ノルボルネン誘導体は前記一般式aで表される。
一般式aにおいて、Yはそれぞれ独立してCR121122、O、S、NR123又はPR124である。
含フッ素ノルボルネン誘導体は、例えば、後述するようにシクロペンタジエン等の五員環構造のジエンとオレフィンとのディールズアルダー(Diels−Alder)反応によって合成することができる。前記五員環構造のジエンの構造によってYを定めることができる。
なかでも、YはCH、O、NHであることが反応性、入手性の点から好ましい。
一般式a中、R101〜R104は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよい。また、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれている。
101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれていれば、その他のR101〜R104で表される基又は原子の構造は特に限定されない。
101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子が、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリールオキシ基、又はフッ素原子であることが好ましく、炭素数1〜10の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜10の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む炭素数2〜10の(ペル)フルオロアルコキシ基、又はフッ素原子であることがより好ましい。
101〜R104のハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
101〜R104の有機基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよい。R101〜R104の有機基としては、炭素数1〜100の有機基が好ましく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、シクロアルキル基、ケイ素含有アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、シアノ基、シアノ基含有アルキル基、エステル基含有アルキル基、エーテル基含有アルキル基、ヒドロキシカルボニル基、カルボキシ基含有アルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基含有アルキル等が挙げられる。これらはヘテロ原子を有していてもよいし、ヘテロ原子を含む炭素数1〜100の置換基をさらに有していてもよい。また、環状構造としては単環に限定されず、複数の環が結合した多環構造を有していてもよい。多環構造は縮合環でもスピロ環でもよい。これら環状構造は炭素環化合物に限られず、1以上の炭素原子がヘテロ原子に置換されたヘテロ環化合物であってもよい。環を形成する水素原子のうち、一部又は全部の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい。
一般式a中、jは0又は1である。一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体は、例えば下記スキームに示すように、五員環構造のジエンとオレフィンとのディールズアルダー反応によってj=0の含フッ素ノルボルネン誘導体を合成することができ、さらにジエンと再度反応させることで、j=1の含フッ素ノルボルネン誘導体を合成することができる。ここでY及びR101〜R104はそれぞれ先述したとおりである。
Figure 2019059320
原料となるジエンはシクロペンタジエン及びその誘導体(Y=CR121122)、フラン(Y=O)、チオフェン(Y=S)、アゾール及びその誘導体(Y=NR123)、ホスホール及びその誘導体(A=PR124)を用いることができる。
原料となるオレフィン化合物において、R101〜R104は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれていればよい。
尚、含フッ素ノルボルネン誘導体の合成法はディールズアルダー反応に限定されず、他の合成法により得ることもできる。例えば反応性官能基を有するノルボルネン誘導体と含フッ素化合物から合成することができ、前記反応性官能基としてはヒドロキシル基やアミノ基、チオール基等が挙げられる。具体的な例として、以下の反応が挙げられる。なお、式中R’としては(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む(ペル)フルオロアルコキシ基、(ペル)フルオロアリール基、(ペル)フルオロアリールオキシ基、フッ素原子が挙げられる。
Figure 2019059320
一般式aで表される含フッ素化合物の例としては、下記化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2019059320
Figure 2019059320
(シクロペンテン誘導体)
原料モノマーとなるシクロペンテン誘導体は前記一般式bで表される。
一般式bにおいて、R105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。有機基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよい。
すなわち、一般式bで表されるシクロペンテン誘導体は、置換基を有するシクロペンテン誘導体と換言でき、一般式bにおけるR105〜R110がすべて水素原子である化合物は除かれる。
ヘテロ原子を有していてもよい有機基としては、例えば、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含んでいてもよい炭素数1〜200の一価炭化水素基やシアノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等が挙げられる。
炭素数1〜200の一価炭化水素基としては炭素数1〜200のアルキル基、炭素数1〜200のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基等が例示できる。該一価炭化水素基は、直鎖状又は分岐状でもよい。また、二価炭化水素基として環を形成していてもよい。
これらの好ましい基は少なくとも一部の炭素原子にハロゲン原子が結合していてもよい。すなわち例えば(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロアルコキシ基であってもよい。またこれらの好ましい基は、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有していてもよい。またこれらの好ましい基は、さらに、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アミド基(カルボニルアミノ基)、カルバメート基(オキシカルボニルアミノ基)、ニトロ基、カルボキシル基、エステル基(アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基)及びシリル基(アルキルシリル基、アルコキシシリル基又はハロゲン化シリル基)、カルボニル基、アルコキシ基等が例示できる。これらの基は更にアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。例えばアミノ基(−NH)はモノアルキルアミノ基(−NHR)、モノアリールアミノ基(−NHAr)、ジアルキルアミノ基(−NR)、またはジアリールアミノ基(−NAr)であってもよい。ただしRは炭素数1〜12のアルキル基または炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基であり、Arは炭素数5〜12のアリール基である。
中でも、R105〜R110は各々独立して、炭素数1〜10の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜10の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む炭素数1〜10の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素数1〜12のエステル基、炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を有するアルキル基、炭素数1〜12のシアノ基を有するアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシル基を有するアルキル基、炭素数1〜12のカルボキシル基を有するアルキル基、炭素数1〜12のイソシアネート基を有するアルキル基等がより好ましい。
一般式bで表されるシクロペンテン誘導体のより具体的な例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2019059320
(その他の原料モノマー)
本発明に係る含フッ素重合体は、一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体と一般式bで表されるシクロペンテン誘導体以外のモノマーをさらに原料モノマーとすることもできる。重合体11、21または31においても同様である。この場合のその他の原料モノマーとしては、オレフィン構造を有する化合物であればよく、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン、スチレン、環状オレフィン等が挙げられる。
本発明に係る含フッ素重合体のさらなる一態様は、前記一般式11で表される構造単位、前記一般式12で表される構造単位、前記一般式21で表される構造単位、前記一般式22で表される構造単位、前記一般式31で表される構造単位、前記一般式32で表される構造単位、前記一般式11’で表される構造単位、前記一般式21’で表される構造単位、又は、前記一般式31’で表される構造単位を含む重合体である。
<重合方法>
一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体と一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを原料モノマーとして少なくとも用い、重合反応を行うことにより下記一般式Iで表される構造単位又は下記一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素共重合体を得ることができる。式中の記号は前記したものとそれぞれ同じ意味を表す。
Figure 2019059320
重合反応においてメタセシス反応による開環重合(開環メタセシス重合、ROMP)を行うことにより一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素共重合体を得ることができ、付加重合反応による共重合を行うことにより一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素共重合体を得ることができる。
得られる共重合体としては、例えば交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体が合成可能であり、原料であるモノマーの仕込み比や、重合条件によって所望の共重合体を得ることができる。
原料のモノマーとしては、一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体を主モノマーとして用いてもよいし、コモノマーとして用いてもよいが、主モノマーとして用いることが化学耐久性、撥液性向上の点から好ましい。また、他のオレフィン化合物をさらに原料モノマーとして用いることで、3元系以上の多元共重合体とすることもできる。
化合物1〜3についても同様に、化合物1を開環メタセシス重合させることにより構造単位11を含む含フッ素重合体が、化合物1を付加重合させることにより構造単位12を含む含フッ素重合体が得られる。また化合物2を開環メタセシス重合させることにより構造単位21を含む含フッ素重合体が、化合物2を付加重合させることにより構造単位22を含む含フッ素重合体が得られる。また化合物3を開環メタセシス重合させることにより構造単位31を含む含フッ素重合体が、化合物3を付加重合させることにより構造単位32を含む含フッ素重合体が得られる。式中の記号は前記したものとそれぞれ同じ意味を表す。
Figure 2019059320
重合体の分子量は1,000〜1,000,000が機械的物性、物理的物性の点から好ましい。前記分子量は重量平均分子量であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて重合体溶液の条件下で測定される。
一般式I又は一般式IIで表される構造単位においてmで表される繰り返し単位の繰り返し数は1〜10,000であることが機械的物性、物理的物性の点から好ましく、より好ましくは5〜6,500である。また、nで表される繰り返し単位の繰り返し数は1〜10,000であることが機械的物性、物理的物性の点から好ましく、より好ましくは5〜6,500である。さらに、繰り返し単位の繰り返し数の総数は2〜10,000であることが好ましく、より好ましくは5〜6,500である。
前記一般式11、一般式12、一般式21、一般式22、一般式31、又は一般式32、及び、後述する一般式11’、一般式21’、又は一般式31’表される構造単位における、繰り返し単位の繰り返し数m11、m21、またはm31についても同様に、その繰り返し数は、1〜10,000であることが機械的物性、物理的物性の点から好ましく、より好ましくは5〜6,500である。
得られた重合体は高耐熱性、低吸水性、高光線透過率(透明性)、高化学耐久性、高耐候性、高撥液性等といった特性を有し、これら諸特性のバランスにも優れることから、電気・電子材料、半導体材料、光学材料、医療器具・細胞培養材料、撥液材料、エラストマー材料、架橋剤等の多種多様な分野に利用することができる。
[開環メタセシス重合]
原料モノマーとして一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体及び一般式bで表されるシクロペンテン誘導体を用い、金属−カルベン錯体触媒の存在下で共重合することにより、一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素共重合体を得ることができる。
それぞれ式中の記号は先述したとおりである。
Figure 2019059320
また原料モノマーとして化合物1を用い、金属−カルベン錯体触媒の存在下で重合することにより、一般式11で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。また原料モノマーとして化合物2を用い、金属−カルベン錯体触媒の存在下で重合することにより、一般式21で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。また原料モノマーとして化合物3を用い、金属−カルベン錯体触媒の存在下で重合することにより、一般式31で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。それぞれ式中の記号は先述したとおりである。
Figure 2019059320
Figure 2019059320
Figure 2019059320
上記開環メタセシス重合反応は触媒の存在下で進行するが、開環メタセシス重合する触媒であれば特に限定されない。[L]M=CAで表される金属−カルベン錯体化合物はその代表例である。金属−カルベン錯体化合物としては、ルテニウム−カルベン錯体、モリブデン−カルベン錯体、又はタングステン−カルベン錯体(以下、「金属−カルベン錯体」とも総称する。)が例示できる。
オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物は、含フッ素重合体の製造方法において触媒としての役割を果たすが、試薬として投入するもの及び反応中で生成するもの(触媒活性種)の両方を意味する。ここで、金属−カルベン錯体化合物は反応条件下、配位子のいくつかが解離することで触媒活性を示すようになるものと、配位子の解離なしで触媒活性を示すものが知られているが、本発明ではいずれでもよく限定されない。また一般に、開環メタセシス重合は触媒への環状オレフィンの配位と開環と解離とを繰り返しながら進行するため、反応中、触媒上に環状オレフィン以外の配位子がいくつ配位しているかは必ずしも明確でない。したがって本明細書中、[L]は配位子の数や種類を特定するものではない。また、金属−カルベン錯体化合物における金属はルテニウム、モリブデン、またはタングステンであることが好ましい。
これらの触媒のうち中心金属がルテニウムのものは一般的に「ルテニウム−カルベン錯体」と称されるものであり、例えばVougioukalakis,G.C.et al.,Chem.Rev.,2010,110,1746−1787.に記載されているルテニウム−カルベン錯体を利用することができる。また、例えばAldrich社やUmicore社から市販されているルテニウム−カルベン錯体を利用することができる。
ルテニウム−カルベン錯体の具体例としては、ビス(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−3−メチル−2−ブテニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ビス(2−メチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジシクロヘキシル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[ビス(3−ブロモピリジン)]ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(2−イソプロポキシフェニルメチリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[(トリシクロヘキシルホスホラニル)メチリデン]ジクロロルテニウムテトラフルオロボラート、UmicoreM2、UmicoreM51、UmicoreM52、UmicoreM71SIMes、UmicoreM71SIPr、UmicoreM73SIMes、UmicoreM73SIPr等が挙げられ、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(2−イソプロポキシフェニルメチリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[(トリシクロヘキシルホスホラニル)メチリデン]ジクロロルテニウムテトラフルオロボラート、UmicoreM2、UmicoreM51、UmicoreM52、UmicoreM71SIMes、UmicoreM71SIPr、UmicoreM73SIMes、UmicoreM73SIPrが特に好ましい。なお上記錯体のうち、「Umicore」で始まる名称は、Umicore社の製品の商品名である。
なお、上記ルテニウム−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
これらの触媒のうち中心金属がモリブデン、タングステンであるものは一般的に「モリブデン−カルベン錯体」、「タングステン−カルベン錯体」と称されるものであり、例えばGrela,K.(Ed)Olefin Metathesis:Theory and Practice,Wiley,2014.に記載されているモリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体を利用することができる。また、例えばAldrich社やStrem社、Ximo社から市販されているモリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体を利用することができる。
なお、上記モリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
具体例を下記に示す。なお、Meとはメチル基を、i−Prとはイソプロピル基を、t−Buとはターシャリーブチル基を、Phとはフェニル基を、それぞれ意味する。
Figure 2019059320
Figure 2019059320
Figure 2019059320
目的物収率向上の点で、原料となるモノマーは脱気及び脱水されたものを用いることが好ましい。脱気操作について、特に制限はないが、凍結脱気等を行うことがある。脱水操作について、特に制限はないが、通常モレキュラーシーブ等と接触させる。原料となるモノマーについて、前記脱気及び脱水操作は通常金属−カルベン錯体と接触させる前に行う。
また原料となるモノマーは微量の不純物(例えば過酸化物等)を含むことがあるので、目的物収率向上の点で精製してもよい。精製方法については特に制限はない。例えば文献(Armarego,W.L.F.et al.,Purification of Laboratory Chemicals(Sixth Edition),2009,Elsevier)に記載の方法に従って行うことができる。
原料となるモノマーを反応容器に投入するが、原料となる2種以上のモノマーを反応容器にあらかじめ混合してから投入しても、別々に投入しても構わない。
金属−カルベン錯体は試薬として投入しても、系内で発生させてもよい。
試薬として投入する場合、市販の金属−カルベン錯体をそのまま用いてもよく、あるいは市販試薬から公知の方法で合成した市販されていない金属−カルベン錯体を用いてもよい。
系内で発生させる場合、公知の方法で前駆体となる金属錯体から調製した金属−カルベン錯体を本発明に用いることができる。
用いる金属−カルベン錯体の量としては、特に制限はないが、原料となるモノマーの内、基準となる一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体1モルに対して、通常0.000001(1ppm)〜1モル程度用い、好ましくは0.00001(10ppm)〜0.2モル程度用いる。
用いる金属−カルベン錯体は、通常固体のまま反応容器に投入するが、溶媒に溶解又は懸濁させて投入してもよい。この時用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない範囲で特に制限はなく、有機溶媒、含フッ素有機溶媒、イオン液体、水等を単独又は混合して用いることができる。なお、これらの溶媒分子中、一部又はすべての水素原子が重水素原子で置換されていてもよい。
またモノマーが液体である場合(加熱して液化する場合も含む)は、溶媒を用いないでバルク重合とすることが好ましい。この場合一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体に金属−カルベン錯体化合物が溶解することが好ましい。
開環メタセシス重合を行う時は分子量、およびその分布を制御する目的で、連鎖移動剤としてオレフィンまたはジエンを使用することができる。
オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンまたはこれらのフッ素含有オレフィンを用いることができる。さらには、ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシラン、トリクロロビニルシラン、トリクロロアリルシラン、トリメトキシ(2−トリメトキシシリルエテニル)シラン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、トリクロロ(2−トリクロロシリルエテニル)シラン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリクロロシリル)−2−ブテン等のケイ素含有オレフィンまたはこれらのフッ素およびケイ素含有オレフィン等も連鎖移動剤として用いることもできる。
ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン等の非共役系ジエンまたはこれらのフッ素含有非共役系ジエンがあげられる。これらオレフィン、フッ素含有オレフィンまたはジエンはそれぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−,m−,p−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒等を使用することができる。含フッ素有機溶媒としては、例えば、ヘキサフルオロベンゼン、m−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン等を使用することができる。イオン液体としては、例えば、各種ピリジニウム塩、各種イミダゾリウム塩等を用いることができる。上記溶媒の中でも、金属−カルベン錯体の溶解性等の点で、ベンゼン、トルエン、o−,m−,p−キシレン、メシチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、ジオキサン、THF、ヘキサフルオロベンゼン、m−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン等、及びこれらの混合物が好ましい。
なお、目的物収率向上の点で、前記溶媒は脱気及び脱水されたものを用いることが好ましい。脱気操作について、特に制限はないが、凍結脱気等を行うことがある。脱水操作について、特に制限はないが、通常モレキュラーシーブ等と接触させる。前記脱気及び脱水操作は通常金属−カルベン錯体と接触させる前に行う。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる雰囲気としては、特に限定はないが、触媒の長寿命化の点で、不活性気体雰囲気下が好ましく、中でも窒素又はアルゴン雰囲気下が好ましい。ただし、反応条件において気体となる化合物を原料モノマーとして用いる場合、これらの気体雰囲気下で行うことができる。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる相としては、特に制限はないが、反応速度の点で、通常は液相が用いられる。原料となるモノマーが反応条件下で気体の場合、液相で実施するのが難しいため、気−液二相で実施することもできる。なお、液相で実施する場合には溶媒を用いることができる。このとき用いる溶媒としては、上記、金属−カルベン錯体の溶解又は懸濁に用いた溶媒と同様のものを利用することができる。なお、原料として用いるモノマーに反応条件下で液体のものが含まれる場合、無溶媒で実施できることがある(バルク重合)。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる容器としては、反応に悪影響を与えない範囲で特に制限はなく、例えば金属製容器又はガラス製容器等を用いることができる。なお、開環メタセシス重合は反応条件下、気体状態のモノマー化合物を扱うことがあるので、高気密が可能な耐圧容器が好ましい。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる温度としては、特に制限はないが、通常−100〜200℃の範囲で実施することができ、反応速度の点で、0〜150℃が好ましい。なお、低温では反応が開始せず、高温では錯体の速やかな分解が生じることがあるので適宜温度の下限と上限を設定する必要がある。通常、用いる溶媒の沸点以下の温度で実施される。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる時間としては、特に制限はないが、通常1分〜48時間の範囲で実施される。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる圧力としては、特に制限はないが、加圧下でも、常圧下でもよいし、減圧下でもよい。通常0.001〜10MPa程度、好ましくは0.01〜1MPa程度である。
モノマーの仕込み比や、上記反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件を適宜調整することで、得られる重合体の分子量を目的のものとすることができる。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させる際に、反応に悪影響を及ぼさない範囲で無機塩や有機化合物、金属錯体等を共存させてもよい。また、反応に悪影響を及ぼさない範囲で、モノマーと金属−カルベン錯体の混合物を攪拌してもよい。このとき、攪拌の方法としては、メカニカルスターラーやマグネティックスターラー等を用いることができる。
モノマーと金属−カルベン錯体を接触させて重合反応を終えた後、目的物である重合体は公知の方法で単離してもよい。単離方法としては、例えば、溶液の場合、撹拌下の貧溶媒中に反応溶液を排出し重合体水素化物を沈殿させスラリーとし、濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法、反応溶液にスチームを吹き込んで重合体を析出させるスチームストリッピング法、反応溶液から溶媒を加熱等により直接除去する方法等が挙げられ、スラリーの場合、そのまま濾過法、遠心分離法、デカンテーション法等により回収する方法等が挙げられる。その他、カラムクロマトグラフィー、リサイクル分取HPLC等が挙げられ、必要に応じてこれらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
本反応で得られた目的物は通常の高分子化合物と同様の公知の方法で同定することができる。例えば、H−,19F−,13C−NMR、GPC、静的光散乱、SIMSやGC−MS等が挙げられ、必要に応じてこれらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
得られる重合体が共重合体である場合、含フッ素共重合体を構成する2種以上の単位構造の比はモノマーの仕込み比に依存する。通常、基準となる一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体由来の繰り返し単位の繰り返し数を1とすると、一般式bで表されるシクロペンテン誘導体由来の繰返し単位の繰り返し数は0.01〜100程度であり、好ましくは0.1〜10程度である。また、3元系以上の多元共重合体である場合、その他のオレフィン由来の繰り返し単位の繰り返し数は合計で0.001〜1000程度であり、好ましくは0.01〜100程度である。
[開環メタセシス重合体の水素添加物]
本発明における一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素共重合体(開環メタセシス重合体)の水素添加物は、一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素共重合体の主鎖二重結合部分に水素添加されたものであり、一般式I’で表される構造単位を含む。
同様に構造単位11を含む含フッ素重合体の水素添加物は、構造単位11を含む含フッ素重合体の主鎖二重結合部分に水素添加されたものであり、一般式11’で表される構造単位を含む。また構造単位21を含む含フッ素重合体の水素添加物は、構造単位21を含む含フッ素重合体の主鎖二重結合部分に水素添加されたものであり、一般式21’で表される構造単位を含む。また構造単位31を含む含フッ素重合体の水素添加物は、構造単位31を含む含フッ素重合体の主鎖二重結合部分に水素添加されたものであり、一般式31’で表される構造単位を含む。
一般式I’で表される構造単位を含む含フッ素共重合体の構成単位のうち、一般式Iで表される構造単位から一般式I’で表される構造単位へと水素添加される反応率(還元率)は、好ましくは50%以上100%以下であり、より好ましくは80%以上100%以下である。同様に構造単位11’を含む含フッ素重合体の構成単位のうち、還元率は50〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい。また構造単位21’を含む含フッ素重合体の構成単位のうち、還元率は50〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい。また構造単位31’を含む含フッ素重合体の構成単位のうち、還元率は50〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい。
なお、式中の記号はそれぞれ先述したとおりである。
Figure 2019059320
Figure 2019059320
Figure 2019059320
Figure 2019059320
本発明に係る含フッ素重合体が、特定の波長に対して、特に紫外線領域の波長に対して光を吸収する主鎖二重結合を多く含有すると紫外線領域の波長に対する光透過性が低下し光学特性を損なうおそれがある。この光透過性は、開環メタセシス重合体の主鎖二重結合に対して水素原子を添加(付加)し、飽和結合にすることで必要とする透過率に制御できる。
また含フッ素重合体が有する二重結合の量が多いと屈折率は高くなり、水素添加することによって飽和結合の量を増すと屈折率を低下させることができる。この水素原子の添加の割合(以下、水素添加率ということがある)の増減で屈折率を任意に調整できる。
一方、これらの主鎖二重結合は、幾何学的に平面構造を有することでポリマーの自由な運動を制限する。すなわち、二重結合が多くあれば、ガラス転移温度は高くなり、耐熱特性が向上する。しかし、二重結合は酸化に対する安定性を悪化させることがあり、酸化を防止する目的で、一般的にオレフィン系重合体に使用することができる酸化防止剤などを適宜加えることによって問題を解決することができる。また、二重結合を酸化させてエポキサイドの構造を持たせてもよい。
さらに、これら二重結合の量は、ポリマーの機械的強度、耐衝撃性にも影響を与え、その量が多ければ剛性を高め、二重結合を水素添加し飽和結合に変換すれば、柔軟性や耐衝撃強度を高めることができる。この主鎖二重結合の水素添加の割合は、光透過性、耐熱性、耐候性や機械的強度、耐衝撃性などのポリマー物性のバランスによって任意に決めることができる。
開環メタセシス重合体水素添加物の分子量は1,000〜1,000,000が機械的物性、物理的物性の点から好ましい。前記分子量は重量平均分子量で表される値であり、GPCを用いて重合体溶液の条件下で測定される。
[付加重合]
原料モノマーとして、一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体及び一般式bで表されるシクロペンテン誘導体を用いた付加重合反応による共重合により、一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素共重合体を得ることができる。
式中の記号は先述したとおりである。
Figure 2019059320
同様に原料モノマーとして化合物1を用い付加重合することにより、一般式12で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。また原料モノマーとして化合物2を用い付加重合することにより、一般式22で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。また原料モノマーとして化合物3を用い付加重合することにより、一般式32で表される構造単位を含む含フッ素重合体を得ることができる。
式中の記号は先述したとおりである。
Figure 2019059320
Figure 2019059320
Figure 2019059320
重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合が挙げられ、中でもラジカル重合又は配位重合が好ましい。
付加重合反応は公知の方法により実施する事ができる。好ましくは、含フッ素環状オレフィンを付加重合する方法である。付加重合の条件については、当業者に周知の条件を適宜最適化して採用することができる。
重合反応を終えた後の単離や同定は開環メタセシス重合の際と同様の方法を用いることができる。
得られた重合体が共重合体である場合、含フッ素共重合体を構成する単位構造の比はモノマーの仕込み比に依存する。通常、基準となる一般式aで表される含フッ素ノルボルネン誘導体由来の繰り返し単位の繰り返し数を1とすると、一般式bで表されるシクロペンテン誘導体由来の繰返し単位の繰り返し数は0.01〜100程度であり、好ましくは0.1〜10程度である。また、3元系以上の多元共重合体である場合、その他のオレフィン由来の繰り返し単位の繰り返し数は合計で0.01〜100程度であり、好ましくは0.1〜10程度である。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<市販試薬>
本実施例において、触媒および試薬は、特に記載しない場合においては、市販品をそのまま反応に用いた。溶媒は、脱水・脱酸素された市販品を用いた。
<評価方法>
本実施例において、合成した化合物の構造は日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置(JNM−AL300)によりH−NMR、19F−NMR測定を行うことで同定した。
また、分子量は株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010Ultra)を用いて、化学イオン化法(CI)により求めた。
含フッ素重合体の質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー社製、HLC−8220)によって得られたクロマトグラムから、分子量既知の標準ポリメチルメタクリレート試料を用いて作成した検量線を用いて求めた。
水およびn−ヘキサデカンの接触角は、協和界面科学社製固体表面エナジー解析装置CA−XE型を使用してJIS R3257(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)に準拠し、約2μLの液滴を基材表面に滴下し、静滴法により、基材表面に液敵が接触してから1分以内に接触角を測定した。
下記に示す例のうち、例1−1〜例1−3、例6−1〜例6−3は比較例であり、例2−1〜例2−3、例3−1〜例3−3、例4−1〜例4−3、例5−1〜例5−2、例7−1〜例7−3は実施例である。
また、例8−1〜例8−2、例9−1〜例9−2、例10−1〜例10−2、例11−1〜例11−2、例12−1〜例12−2は実施例である。
<例1−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体NM−PPVEの合成
水酸化カリウム(3.56g、63.4mmol)、アセトニトリル(25mL)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−メタノール(4.10g、33.0mmol)およびペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(18.6g、70.1mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み、ジムロートを取り付けて50℃で3時間反応させた。氷冷水150gを300mLのビーカーに仕込み攪拌を行い、先の反応液を氷冷水にゆっくりと連続的に導入した。更にAK−225(ジクロロペンタフルオロプロパン:AGC社製、40mL)を加え攪拌した後、有機相を分取した。前分液の水層にAK−225(40mL)を加え再抽出し、得られた有機相を先に得られた有機相と併せた。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン)にて精製しNDM−2PPVEで表される化合物を得た。収量は11.7g、収率は91%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.1〜5.7(m,3H)、4.1〜3.5(m,2H)、2.9〜0.5(m,7H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−81.8(3F)、−85.0〜−85.6(1F)、−87.2〜−87.7(1F)、−89.0〜−91.1(2F)、−130.3(s,2F)、−144.8〜−145.2(1F)。
GC−MS(CI):[M+H]=391
Figure 2019059320
<例1−2> NM−PPVEの開環メタセシス重合
窒素下で10mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(22mg、0.026mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、溶液(A)を調製した。次に、例1−1で得られたNM−PPVE(2.0g、5.13mmol)とジクロロメタン(19mL)を100mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(A)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(419μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AE−3000(1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル:AGC社製)を40mL加え反応液を希釈した。希釈された反応液をメタノール(200mL)に連続添加した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。目的のポリマー(P−NM−PPVE)の収率は98%であった。
これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例1−3>
例1−2で合成したポリマー(P−NM−PPVE)を3M社製HFE−7200に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7200溶液を調製した。次いで、P−NM−PPVEのHFE−7200溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は108度、n−ヘキサデカンの接触角は63度であった。
<例2−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体NDM−2PPVEの合成
水酸化カリウム(3.64g、64.8mmol)、アセトニトリル(50mL)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−ジメタノール(2.5g、16.2mmol)およびペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(17.3g、64.8mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み、ジムロートを取り付けて50℃で3時間反応させた。氷25gと水道水25gを200mLのビーカーに仕込み攪拌を行い、先の反応液を氷冷水に連続的に導入した。更にn−ペンタン(50mL)を加え攪拌した後、有機相を分取した。前分液の水層にAK−225(30mL)を加え再抽出し、得られた有機相を先に得られた有機相と併せた。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ペンタン)にて精製しNDM−2PPVEで表される化合物を得た。収量は9.3g、収率は84%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.3〜6.0(m,2H)、6.0〜5.7(m,2H)、4.1〜3.9(m,2H)、3.8〜3.6(m,2H)、2.91(s,1H)、2.68(s,1H)、1.6〜0.8(m,4H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−81.9(t,6F,J=3.1Hz)、−85.2〜−85.8(m,2F)、−87.1〜−87.7(m,2F)、−89.1〜−89.8(m,2F)、−90.6〜−91.8(m,2F)、−130.4(s,4F)、−145.0〜−145.3(m,2F)。
GC−MS(CI):[M+H]=687
Figure 2019059320
<例2−2> NDM−2PPVEの開環メタセシス重合
窒素下で10mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(6.2mg、0.0073mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、溶液(B)を調製した。次に、例2−1で得られたNDM−2PPVE(1.0g、1.46mmol)とジクロロメタン(9mL)を50mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(B)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(119μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AE−3000を30mL加え反応液を希釈した。希釈された反応液をメタノール(200mL)に連続添加した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。目的のポリマー(P−NDM−2PPVE)の収率は95%であった。
これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例2−3>
例2−2で合成したポリマー(P−NDM−2PPVE)を3M社製HFE−7300に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7300溶液を調製した。次いで、P−NDM−2PPVEのHFE−7300溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は115度、n−ヘキサデカンの接触角は84度であった。
<例3−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体NDM−2PHVEの合成
水酸化カリウム(4.4g、78.4mmol)、アセトニトリル(40mL)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−ジメタノール(3.0g、19.5mmol)および下記式1で表される含フッ素オレフィン(33.6g、77.8mmol)を300mLの丸底フラスコに仕込み、ジムロートを取り付けて50℃で3時間反応させた。氷35gと水道水35gを500mLのビーカーに仕込み攪拌を行い、先の反応液を氷冷水にゆっくりっと連続的に導入した。更にAK−225(30mL)を加え攪拌した後、有機相を分取した。前分液の水層にAK−225(30mL)を加え再抽出し、得られた有機相を先に得られた有機相と併せた。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン)にて精製しNDM−2PHVEで表される化合物を得た。収量は16.0g、収率は81%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.25(m,1H)、6.06(m,1H)、5.93(m,1H)、5.76(m,1H)、4.03(m,2H)、3.72(m,2H)、2.90(s,1H)、2.67(s,1H)、1.59〜1.50(m,3H)、0.84(m、1H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−80.7(m,6F)、−81.9(t,6F、J=6.5Hz)、−82.1〜−82.5(m,4F)、−83.8〜−86.7(m,4F)、−89.3〜−91.3(m,4F)、−130.3(s,4F)、−144.8〜−145.5(m,2F)、−145.7(q,2F、J=23.1Hz)。
Figure 2019059320
<例3−2> NDM−2PHVEの開環メタセシス重合
窒素下で20mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(16.7mg、0.020mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、溶液(C)を調製した。次に、例3−1で得られたNDM−2PHVE(2.0g、1.96mmol)、ジクロロメタン(19mL)および1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを100mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(C)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(160μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AK−225を20mL加え反応液を希釈した。希釈された反応液をメタノール(200mL)に連続添加した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。目的のポリマー(P−NDM−2PHVE)の収率は95%であった。
これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例3−3>
例3−2で合成したポリマー(P−NDM−2PHVE)を3M社製HFE−7300に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7300溶液を調製した。次いで、P−NDM−2PHVEのHFE−7300溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は124度、n−ヘキサデカンの接触角は87度であった。
<例4−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体NDM−2,3−2PHVEの合成
水酸化カリウム(7.28g、129.7mmol)、アセトニトリル(100mL)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジメタノール(5.0g、32.4mmol)および下記式1で表される含フッ素オレフィン(56.0g、129.7mmol)を200mLの丸底フラスコに仕込み、ジムロートを取り付けて70℃で4時間反応させた。氷50gと水道水50gを500mLのビーカーに仕込み攪拌を行い、先の反応液を氷冷水にゆっくりっと連続的に導入した。更にAK−225(100mL)を加え攪拌した後、有機相を分取した。前分液の水層にAK−225(50mL)を加え再抽出し、得られた有機相を先に得られた有機相と併せた。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン)にて精製しNDM−2,3−2PHVEで表される化合物を得た。収量は26.4g、収率は80%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.18(m,2H)、5.93(m,1H)、5.75(m,1H)、3.6−4.1(m,4H)、2.95(s,2H)、2.8−2.50(m,2H)、1.3−1.6(m、2H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−80.7(m,6F)、−81.9(m,6F)、−82.1〜−82.5(m,4F)、−83.8〜−86.7(m,4F)、−89.5〜−90.9(m,4F)、−130.2(s,4F)、−144.9〜−145.2(m,2F)、−145.6〜−145.8(m,2F)。
Figure 2019059320
<例4−2> NDM−2,3−2PHVEの開環メタセシス重合
窒素下で20mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(16.7mg、0.020mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、溶液(D)を調製した。次に、例4−1で得られたNDM−2,3−2PHVE(2.0g、1.96mmol)、ジクロロメタン(19mL)を100mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(D)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(160μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AK−225を20mL加え反応液を希釈した。希釈された反応液をメタノール(200mL)に連続添加した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。目的のポリマー(P−2,3−NDM−2PHVE)の収率は79%であった。
これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例4−3>
例4−2で合成したポリマー(P−2,3−NDM−2PHVE)を3M社製HFE−7300に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7300溶液を調製した。次いで、P−2,3−NDM−2PHVEのHFE−7300溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は130度、n−ヘキサデカンの接触角は87度であった。
<例5−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体NDM−2,2−2PEVEの合成
窒素雰囲気下、1Lの丸底フラスコに水酸化カリウム(14.8g、263mmol)、アセトニトリル(269mL)およびビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−ジメタノール(13.5g、87.6mmol)を仕込み氷冷下で攪拌し内温を1.5℃とした。次いで、C7PEVE(109g、262mmol)を10分間かけて滴下し、ジムロートを取り付けてオイルバスにて85 ℃で7時間反応させた。反応液にAE3000(288g)を加えセライトろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:AE3000)にて精製し2,2−NDM−2PEVEで表される化合物を得た。収量は79.2g、収率は92%であった。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.3〜6.1(m,2H)、5.9〜5.7(m,2H)、4.1〜4.0(m,2H)、3.8〜3.7(m,2H)、2.90(s,1H)、2.68(s,1H)、1.6〜1.5(m,3H)、0.85(m,1H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−53.9〜−54.0(m,4F)、−56.1(q,4F,J=9.16Hz)、−57.6(t,6F,J=9.16Hz)、−89.5〜−92.0(m,12F)、−145.0〜145.4(m,2F)。
Figure 2019059320
<例5−2>連鎖移動剤存在下での2,2−NDM−2PEVEの開環メタセシス重合
窒素下で100mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第一世代触媒(921mg、1.12mmol)をジクロロメタン(92mL)に溶解し、触媒溶液を調製した。次に、例5−1で得られた2,2−NDM−2PEVE(55.1g、56.1mmol)、ジクロロメタン(412mL)、ヘキサフルオロベンゼン(56mL)を1Lの丸底フラスコに仕込み、氷水で冷却した。反応容器内を減圧脱気した後、エチレンで置換し、ガス採集袋でエチレン雰囲気下とした。室温下で45分撹拌した後、先に調製した触媒溶液を全量加え室温下でそれぞれ23時間反応させた。反応液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製しE−2,2−NDM−2PEVEで表される化合物を得た。収量は47.3g、収率は83%であった。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)5.93〜5.69(m,4H)、5.09〜4.94(m,4H)、3.94〜3.71(m,4H)、2.63〜2.52(m,2H)、2.00〜1.76(m,2H)、1.57〜1.42(m,2H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−53.83〜−53.98(m,4F)、−56.11(td,4F、J=18.3、9.2Hz)、−57.56(t,6F、J=9.2Hz)、−89.48〜−92.31(m,12F)、−144.66〜−145.16(m,2F)。
Figure 2019059320
<例6−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体N−PPVEの合成
ステンレス鋼(SUS316)製高圧ミニチュア・ボンベにペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(20.0g、75.2mmol)、ジシクロペンタジエン(4.95g、37.5mmol)、ジエチルエーテル(8mL)およびヒドロキノン(0.12g、1.12mmol)を仕込み、100〜150℃で11時間反応させた。反応液を30mLのフラスコに移液し、減圧蒸留にてN−PPVEを含む留分を分画した(蒸留条件30〜50mmHg,60〜65℃)。更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:n−ヘキサン)にて精製し、N−PPVEで表される化合物を得た。収量は1.83g、収率は7%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.3〜5.6(m,2H)、3.9〜3.1(m,2H)、2.8〜2.0(m,2H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−79.3〜−86.6(2F)、−81.7〜−81.9(3F)、−105.0〜−126.5(3F)、−130.2〜−130.4(2F)。
Figure 2019059320
<例6−2> N−PPVEの開環メタセシス重合
窒素下で20mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(9.8mg、0.011mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、溶液(A)を調製した。次に、例6−1で得られたN−PPVE(0.38g、1.15mmol)、1−ヘキセン(2μL)およびジクロロメタン(3mL)を20mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(A)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(93μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AE−3000(AGC社製)を5mL加えた。次に反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:AE−3000)にて精製し、P−N−PPVEで表される化合物を得た。目的のポリマー(P−N−PPVE)の収率は66%であった。これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例6−3>
例6−2で合成したポリマー(P−N−PPVE)を3M社製HFE−7200に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7200溶液を調製した。次いで、P−NM−PPVEのHFE−7200溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は104度、n−ヘキサデカンの接触角は54度であった。
<例7−1> 含フッ素ノルボルネン誘導体N−PEVEの合成
ステンレス鋼(SUS316)製高圧ミニチュア・ボンベに下記式2で表される含フッ素オレフィン(25.4g、61.0mmol)、ジシクロペンタジエン(3.93g、29.7mmol)およびヒドロキノン(0.10g、0.92mmol)を仕込み、180℃で20時間反応させた。反応液を30mLのフラスコに移液し、減圧蒸留にて精製し、N−PEVEで表される化合物を得た(57〜62℃、5mmHg)。収量は14.6g、収率は51%であった。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)6.3〜5.6(m,2H)、3.8〜3.1(m,2H)、2.8〜2.0(m,2H)。
19F−NMR(CDCl3):δ(ppm)−53.7〜−54.1(2F)、−56.0〜−56.3(2F)、−57.4〜−57.7(3F)、−81.8〜−91.0(4F)、−104.9〜−132.2(3F)。
GC−MS(EI):[M]+=480
Figure 2019059320
<例7−2> N−PEVEの開環メタセシス重合
窒素下で20mLのスクリュー管瓶に、Grubbs第二世代触媒(7.1mg、0.0083mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、溶液(B)を調製した。次に、例7−1で得られたN−PEVE(0.40g、0.83mmol)、1−ヘキセン(2μL)およびジクロロメタン(4mL)を30mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した溶液(B)を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(68μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AE−3000(AGC社製)を5mL加えた。次に反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:AE−3000)にて精製し、P−N−PEVEで表される化合物を得た。目的のポリマー(P−N−PEVE)の収率は76%であった。これら一連の反応を以下に示す。なお、式中mは繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例7−3>
例7−2で合成したポリマー(P−N−PEVE)を3M社製HFE−7200に3wt%濃度で溶解し、ポリマーのHFE−7200溶液を調製した。次いで、P−N−PEVEのHFE−7200溶液をガラス基板に塗布し、スピンコーターを用いて均一にコートした後、150℃で10分乾燥して評価基板を作成した。コート面の水接触角は119度、n−ヘキサデカンの接触角は73度であった。
例1−3(比較例)と、例2−3、例3−3及び例4−3(実施例)との対比から、含フッ素有機基の置換数が2以上のノルボルネン誘導体の重合体が、高い撥液性能を有する事が分かった。例6−3(比較例)と例7−3(実施例)との対比から、含フッ素有機基中にエーテル性酸素原子を2以上含むノルボルネン誘導体の重合体が、高い撥液性能を有する事が分かった。
<例8−1>NM−PPVEとシクロペンテン誘導体(MCPC)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例1−1で得られたNM−PPVE(1.0g、2.56mmol)を主モノマーとし、3−シクロペンテン−1−カルボン酸メチル(MCPC、0.32g、2.56mmol)をコモノマーとして20mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(2.2mg、0.0026mmol)を仕込み室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(209μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルム(7mL)とAK−225(2mL)加えポリマーを溶解させた。前記ポリマー溶液をメタノール(150mL)に滴下した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。収量は1.13gであった。得られたポリマーを重クロロホルムとヘキサフルオロベンゼンの混液に溶解させ、H−NMRを測定した結果、得られたポリマーは初期のコポリマーAで表される共重合体であった。ポリマー中成分のmol比は主モノマー:コモノマー=1.0:0.34であった。これより、モノマー転化率は主モノマーが100%、コモノマーが35%であった。GPC分析より、本ポリマーの重量平均分子量(Mw)は303,611、分子量分布(Mw/Mn)は2.091であった。
これら一連の反応を以下に示す。なお、式中m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を示す正の整数である。
Figure 2019059320
<例8−2>NM−PPVEとシクロペンテン誘導体(CPMO)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例1−1で得られたNM−PPVE(1.0g、2.56mmol)を主モノマーとし、4−ヒドロキシメチル−1−シクロペンテン(CPMO、0.25g、2.56mmol)をコモノマーとして20mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(2.2mg、0.0026mmol)を仕込み室温下で3時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(209μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルム(3mL)、AK−225(3mL)、メタノール(1mL)加え重合懸濁液を希釈した。前記ポリマー懸濁液をn−ペンタン(150mL)に全量導入した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥した。収量は0.85gであった。得られたポリマーを重クロロホルムに溶解させ、H−NMRを測定した結果、得られたポリマーは初期のコポリマーBで表される共重合体であった。ポリマー中成分のmol比は主モノマー:コモノマー=1.0:0.53であった。これより、モノマー転化率は主モノマーが75%、コモノマーが40%であった。
Figure 2019059320
<例9−1>NDM−2PPVEとシクロペンテン誘導体(MCPC)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例2−1で得られたNDM−2PPVE(1.0g、1.46mmol)を主モノマーとし、3−シクロペンテン−1−カルボン酸メチル(MCPC、0.184g、1.46mmol)をコモノマーとして6mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(2.5mg、0.0029mmol)を仕込み室温下で30分間攪拌した。次いで反応器を80℃のオイルバスで5分間加熱し再度室温に戻して4時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(238μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルム(2mL)とAK−225(1mL)加えポリマーを溶解させた。前記ポリマー溶液をメタノール(100mL)に滴下した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、60℃で減圧乾燥した。収量は0.94gであった。得られたポリマーを重クロロホルムとヘキサフルオロベンゼンの混液に溶解させ、H−NMRを測定した結果、得られたポリマーは初期のコポリマーCで表される共重合体であった。ポリマー中成分のmol比は主モノマー:コモノマー=1.0:0.67であった。これより、モノマー転化率は主モノマーが83%、コモノマーが56%であった。GPC分析より、本ポリマーの重量平均分子量(Mw)は240,525、分子量分布(Mw/Mn)は6.674であった。
Figure 2019059320
<例9−2>NDM−2PPVEとシクロペンテン誘導体(CPMO)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例2−1で得られたNDM−2PPVE(1.0g、1.46mmol)を主モノマーとし、4−ヒドロキシメチル−1−シクロペンテン(CPMO、0.14g、1.46mmol)をコモノマーとして6mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(2.5mg、0.0029mmol)を仕込み室温下で30分間攪拌した。次いで反応器を80℃のオイルバスで5分間加熱し再度室温に戻して4時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(238μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルム(2mL)とメタノール(1mL)加え重合懸濁液を希釈した。前記ポリマー懸濁液をn−ヘキサン(150mL)に全量導入した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、60℃で減圧乾燥しコポリマーDで表される共重合体を得た。収量は0.80gであった。
Figure 2019059320
<例10−1>NDM−2PHVEとシクロペンテン誘導体(MCPC)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例3−1で得られたNDM−2PHVE(1.0g、0.98mmol)を主モノマーとし、3−シクロペンテン−1−カルボン酸メチル(MCPC、0.125g、0.98mmol)をコモノマーとして6mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(0.79mg、0.0009mmol)を仕込み60℃で2時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(80μL)を反応液に加え重合を停止させた後、AK−225(4mL)加えポリマーを溶解させた。前記ポリマー溶液をメタノール(100mL)に滴下した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、60℃で減圧乾燥した。収量は0.72gであった。得られたポリマーを重クロロホルムに溶解させ、H−NMRを測定した結果、得られたポリマーは初期のコポリマーEで表される共重合体であった。ポリマー中成分のmol比は主モノマー:コモノマー=1:0.59であった。これより、モノマー転化率は主モノマーが67%、コモノマーが39%であった。
Figure 2019059320
<例10−2>NDM−2PHVEとシクロペンテン誘導体(CPMO)のROMP共重合
窒素雰囲気下、例3−1で得られたNDM−2PHVE(1.0g、0.98mmol)を主モノマーとし、4−ヒドロキシメチル−1−シクロペンテン(CPMO、97mg、0.99mmol)をコモノマーとして6mLのスクリュー管瓶に投入し、最後にGrubbs第二世代触媒(1.09mg、0.0013mmol)を仕込み60℃で1.5時間反応させた。次いでエチルビニルエーテル(80μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルム(1mL)とメタノール(2mL)加え攪拌しポリマー懸濁液とした。前記ポリマー懸濁液中に析出したポリマーを減圧濾過で回収し、60℃で減圧乾燥しコポリマーFで表される共重合体を得た。収量は1.0gであった。
Figure 2019059320
<例11−1>含フッ素ノルボルネン誘導体(4)の合成
(1)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−ジメタノール(3.50g、22.7mmol)、ジクロロメタン(45mL)、および2,6−ルチジン(5.82g、54.4mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み氷冷下で攪拌する。氷冷攪拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物( 14.0g、49.6mmol)を反応液に滴下する。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製しNDM−Tfで表される化合物を得る。
Figure 2019059320
(2)窒素雰囲気下、NDM−Tf(1.30g、3.1mmol)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(20mL)、下記式3で表される含フッ素化合物(2.16g、6.2mmol)およびフッ化セシウム(1.88g、12.4mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み室温下で16時間攪拌する。反応液にジクロロメタン(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え攪拌後、有機相を分取する。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去する。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(4)で表される化合物を得る。
Figure 2019059320
<例11−2>含フッ素ノルボルネン(2)のROMP単独重合
窒素雰囲気下、Grubbs第二世代触媒(9.9mg、0.012mmol)を10mLのスクリュー管瓶に秤取りジクロロメタン(5mL)に溶解させ触媒溶液を調製する。次に、例11−1で得られた化合物(4)(2.0g、2.34mmol)とジクロロメタン(19mL)を100mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した触媒溶液を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させる。次いでエチルビニルエーテル(422μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルムを40mL加え重合懸濁液を希釈する。前記ポリマー懸濁液をメタノール(250mL)に連続導入した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥し目的のポリマーを得る。
Figure 2019059320
<例12−1>含フッ素ノルボルネン誘導体(5)の合成
(1)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジメタノール(3.50g、22.7mmol)、ジクロロメタン(45mL)、および2,6−ルチジン(5.82g、54.4mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み氷冷下で攪拌する。氷冷攪拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(14.0g、49.6mmol)を反応液に滴下する。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し2,3−NDM−Tfで表される化合物を得る。
Figure 2019059320
(2)窒素雰囲気下、2,3−NDM−Tf(1.30g、3.1mmol)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(20mL)、下記式3で表される含フッ素化合物(2.16g、6.2mmol)およびフッ化セシウム(1.88g、12.4mmol)を100mLの丸底フラスコに仕込み室温下で16時間攪拌する。反応液にジクロロメタン(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を加え攪拌後、有機相を分取する。有機相に無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した後、減圧濾過にて不溶物を除去する。得られた有機相をエバポレーターで濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(5)で表される化合物を得る。
Figure 2019059320
<例12−2>含フッ素ノルボルネン(5)のROMP単独重合
窒素雰囲気下、Grubbs第二世代触媒(9.9mg、0.012mmol)を10mLのスクリュー管瓶に秤取りジクロロメタン(5mL)に溶解させ触媒溶液を調製する。次に、例12−1で得られた化合物(5)(2.0g、2.34mmol)とジクロロメタン(19mL)を100mLのスクリュー管瓶に仕込み溶解させた後、先に調製した触媒溶液を1mL(触媒0.1mol%相当)加え室温下で3時間反応させる。次いでエチルビニルエーテル(422μL)を反応液に加え重合を停止させた後、クロロホルムを40mL加え重合懸濁液を希釈する。前記ポリマー懸濁液をメタノール(250mL)に連続導入した後、析出したポリマーを減圧濾過で回収し、50℃で減圧乾燥し目的のポリマーを得る。
Figure 2019059320
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2017年9月21日出願の日本特許出願(特願2017−181540)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、含フッ素ノルボルネン誘導体由来の構成単位とシクロペンテン誘導体由来の構成単位とを含む新規な含フッ素重合体が得られ、当該重合体は機能性高分子として電気・電子材料、半導体材料、光学材料、医療器具・細胞培養材料、撥液材料、エラストマー材料、架橋剤等の多種多様な分野に利用することができる。

Claims (15)

  1. 下記一般式1で表される含フッ素化合物。
    Figure 2019059320

    ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2である。
  2. 下記一般式2で表される含フッ素化合物。
    Figure 2019059320

    ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基であり、a21、a22はそれぞれ独立に1または2である。
  3. 下記一般式3で表される含フッ素化合物。
    Figure 2019059320

    ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1である。
  4. 下記一般式11で表される構造単位または下記一般式12で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2であり、m11は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  5. 下記一般式21で表される構造単位または下記一般式22で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基、a21、a22はそれぞれ独立に1または2、m21は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  6. 下記一般式31で表される構造単位または下記一般式32で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1であり、m31は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  7. 下記一般式11’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、X11、X12はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R11、R12はそれぞれ独立に一価有機基であり、a11、a12はそれぞれ独立に0、1または2であり、m11は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  8. 下記一般式21’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、X21、X22はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R21、R22はそれぞれ独立に一価有機基であり、a21、a22はそれぞれ独立に1または2であり、m21は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  9. 下記一般式31’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、Y31は、それぞれ独立して、CR131132、O、S、NR133又はPR134であり、R31はエーテル性酸素原子を有する炭素数2以上の一価含フッ素有機基であり、R32〜R34はそれぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R131〜R134はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、j31は0又は1であり、m31は繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  10. 下記一般式Iで表される構造単位又は下記一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、上記式中の記号は以下の意味を表す。
    Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
    101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
    105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
    121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
    jは0又は1であり、
    m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  11. 前記一般式I又は前記一般式IIにおけるR101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子が、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を含む炭素数2〜200の(ペル)フルオロアルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリールオキシ基、又はフッ素原子である、請求項10に記載の含フッ素重合体。
  12. 下記一般式I’で表される構造単位を含む含フッ素重合体。
    Figure 2019059320

    ただし、上記式中の記号は以下の意味を表す。
    Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
    101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
    105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
    121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
    jは0又は1であり、
    m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  13. 金属−カルベン錯体触媒の存在下、下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを共重合させる、下記一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
    Figure 2019059320

    ただし、上記式a、b及びI中の記号は以下の意味を表す。
    Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
    101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
    105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
    121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
    jは0又は1であり、
    m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  14. 下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを付加重合反応により共重合させる、下記一般式IIで表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
    Figure 2019059320

    ただし、上記式a、b及びII中の記号は以下の意味を表す。
    Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
    101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
    105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
    121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
    jは0又は1であり、
    m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
  15. 金属−カルベン錯体触媒の存在下、下記一般式aで表されるフッ素原子を含むノルボルネン誘導体と、下記一般式bで表されるシクロペンテン誘導体とを共重合させて下記一般式Iで表される構造単位を含む含フッ素重合体を得る工程、及び、得られた前記含フッ素重合体に水素添加する工程を含む、下記一般式I’で表される構造単位を含む含フッ素重合体の製造方法。
    Figure 2019059320

    ただし、上記式a、b、I及びI’中の記号は以下の意味を表す。
    Yは、それぞれ独立して、CR121122、O、S、NR123又はPR124であり、
    101〜R104はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、R101又はR102と、R103又はR104とが結合して環を形成していてもよく、R101〜R104のうち少なくとも1の基又は原子にフッ素原子が1以上含まれており、
    105〜R110はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、ただしR105〜R110のうち少なくとも1の基はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はヘテロ原子を有していてもよい有機基であり、
    121〜R124はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基であり、
    jは0又は1であり、
    m及びnはそれぞれ繰り返し単位の繰り返し数を表す自然数である。
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