JP5212164B2 - 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体 - Google Patents

新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体 Download PDF

Info

Publication number
JP5212164B2
JP5212164B2 JP2009037633A JP2009037633A JP5212164B2 JP 5212164 B2 JP5212164 B2 JP 5212164B2 JP 2009037633 A JP2009037633 A JP 2009037633A JP 2009037633 A JP2009037633 A JP 2009037633A JP 5212164 B2 JP5212164 B2 JP 5212164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
formula
reaction
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009037633A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010189592A (ja
Inventor
秀直 森下
篤 須藤
治男 西田
剛 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2009037633A priority Critical patent/JP5212164B2/ja
Publication of JP2010189592A publication Critical patent/JP2010189592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5212164B2 publication Critical patent/JP5212164B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)

Description

本発明は、新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体に関する。
ノルボルネンは、付加重合体、開環重合体のモノマーとして知られており、重合に際して分子量の制御が簡便という優れた利点を有するモノマーである。
当該ノルボルネンとしては、例えば、下記式(α)
Figure 0005212164
で表されるエポキシ基含有ノルボルネンが知られており、当該エポキシ基含有ノルボルネンの製造方法として、1,3−シクロペンタジエンと3,4−エポキシブテンとを反応させる製造方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、当該式(α)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンは、製造するのに170℃の高温、反応時間66時間を必要とするという効率上の大きな問題があった。
特表2004−503614号公報
本発明の課題は、効率良くかつ簡便に製造できる新規ノルボルネン及びその(共)重合体を提供することである。
本発明者らは、新たなノルボルネンを得るべく鋭意研究を行ったところ、下記式(2)
Figure 0005212164
(式中、B1〜B3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基から選ばれる基を示し、、mは0又は1の整数を示す。)
で表されるエポキシ基含有ノルボルネンに二硫化炭素を反応させることにより、効率良くかつ簡便に下記式(1)
Figure 0005212164
(式中、B1〜B3及びmは前記と同じ。)
で表される新規な化合物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、第一に、上記式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを提供するものである。
本発明は、第二に、上記式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンと二硫化炭素とを反応させることを特徴とする上記式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンの製造方法を提供するものである。
本発明は、第三に、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを重合又は共重合させることを特徴とするノルボルネン系(共)重合体の製造方法を提供するものである。
本発明は、第四に、下記式(6)
Figure 0005212164
で表される繰り返し単位を有するノルボルネン系(共)重合体を提供するものである。
本発明の新規化合物は、効率良くかつ簡便に製造できる。従って、本発明によれば、工業的に優位に、分子量の制御されたノルボルネン系(共)重合体を製造できる。
本発明の新規化合物は、例えば、次の工程<A>及び<B>に従い製造できる。
Figure 0005212164
(式(3)中、B1〜B3及びmは前記と同じ。)
式(1)〜(3)中、B1〜B3で示される炭素数1〜10のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられる。
また、B1〜B3で示される炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基等が挙げられる。
また、式(1)〜(3)中、B1〜B3で示される炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等が挙げられる。
また、式(1)〜(3)中、B1〜B3で示される炭素数1〜10のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
また、式(1)〜(3)中、B1〜B3としては水素原子が好ましく、mとしては、0が好ましい。
また、式(1)〜(3)で表される化合物は、不斉中心を有し、S体及びR体から選ばれる異性体が存在するが、本発明においては、これらのいずれでもよく、ラセミ体であってもよい。なお、これら化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
工程<A>は、式(3)で表される化合物に式(4)で表される硫化メチレンを反応させて、式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンを得る反応である。
式(3)で表されるノルボルネンカルバルデヒド及び式(4)で表される硫化メチレン化合物は、公知の方法によって得ることができ、市販品を用いることもできるが、式(4)で表される硫化メチレン化合物については、操作の簡便性の点から、下記式(5)
Figure 0005212164
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で表されるトリメチルスルフィドと強塩基とを反応させて得るのが好ましい。
上記強塩基としては、例えば、アルカリ金属ヒドリド、アルキル金属、アルキル金属アミド、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物等が挙げられ、アルカリ金属ヒドリド、アルキル金属、アルカリ金属アルコキシドが好ましく、アルカリ金属アルコキシドがより好ましい。
また、アルカリ金属アルコキシドとしては、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等が挙げられ、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドが好ましく、カリウム−tert−ブトキシドがより好ましい。
上記Xとしては、塩素原子、炭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、ヨウ素原子が好ましい。
上記反応は、溶媒存在下、溶媒非存在下いずれでも行うことができるが、円滑な式(5)で表されるトリメチルスルフィドと強塩基との反応の点から、溶媒存在下で行うのが好ましい。当該溶媒としては、特に限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、エタノール、イソプロピルアルコール、メタノールが好ましく、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランがより好ましく、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。
上記反応の反応時間は、5分〜48時間が好ましく、10分〜24時間がより好ましく、30分〜4時間が特に好ましい。上記反応の反応温度は、−70℃〜200℃が好ましく、−20℃〜100℃がより好ましく、20℃〜40℃が特に好ましい。また、上記反応の反応圧力は1〜2気圧程度で行うことが好ましく、特には大気圧下で行うことが好ましい。
式(5)で表されるトリメチルスルフィドと強塩基との反応は、式(3)で表されるノルボルネンカルバルデヒドと式(4)で表される硫化メチレン化合物との反応系と別途反応させてもよく、当該系中で反応させてもよい。
また、式(3)で表されるノルボルネンカルバルデヒドと式(4)で表される硫化メチレン化合物との反応は、溶媒存在下、溶媒非存在下いずれでも行うことができるが、円滑な式(3)で表されるノルボルネンカルバルデヒドと式(4)で表される硫化メチレン化合物との反応の点から、溶媒存在下で行うことが好ましい。当該溶媒としては、特に限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、エタノール、イソプロピルアルコール、メタノールが好ましく、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランがより好ましく、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。
上記反応の反応時間は、10分〜72時間が好ましく、30分〜24時間がより好ましく、2時間〜5時間が特に好ましい。上記反応の反応温度は、−70℃〜150℃が好ましく、−20℃〜100℃がより好ましく、20℃〜35℃が特に好ましい。また、上記反応の反応圧力は1〜2気圧程度で行うことが好ましく、特には大気圧下で行うことが好ましい。
上記反応は、円滑な炭素−炭素結合生成反応の促進の点で、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等が挙げられ、窒素ガスが好ましい。
工程<B>は、式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンに二硫化炭素を反応させて、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを得る反応である。
式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンは、上記特許文献1の方法等により得ることができるが、効率及び簡便性の点で、上記工程<A>により得るのが好ましい。当該工程<A>により得られた式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンは、単離して又は単離せずに工程<B>に用いてもよいが、単離して用いるのが好ましい。
上記反応は、触媒の存在下又は非存在下いずれでも行うことができるが、触媒存在下で行うのが好ましい。
該触媒としては、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム又はハロゲン化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物、あるいはハロゲン化テトラブチルアンモニウム等のアルカリ四級アミンハロゲン化物が挙げられ、リチウムクロリド、リチウムブロミド、リチウムヨーダイド、ソジウムヨーダイドが好ましく、リチウムブロミドがさらに好ましい。
上記反応は、溶媒存在下、溶媒非存在下いずれでも行うことができるが、円滑な式(2)で表されるエポキシ基含有ノルボルネンと二硫化炭素との反応の点から、溶媒存在下で行うのが好ましい。当該溶媒としては、特に限定されないが、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン等の極性溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンがより好ましく、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトンが特に好ましい。
上記反応の反応時間は、5分〜120時間が好ましく、10分〜48時間がより好ましく、30分〜24時間が特に好ましい。上記反応の反応温度は、−70〜200℃が好ましく、0〜120℃がより好ましく、20〜75℃が特に好ましい。また、上記反応の反応圧力は1〜2気圧程度で行うことが好ましく、大気圧下で行うのがより好ましい。
上記反応は、円滑な炭素−炭素結合生成反応の促進の点で、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、工程<A>と同様のものが挙げられ、窒素ガスが好ましい。
目的化合物である式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンは、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、遠心分離、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて、反応系から、単離、精製することで分離することができる。
斯くして工程<B>により得られる式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを重合又は共重合反応させることにより、効率良くかつ簡便にノルボルネン系(共)重合体を得ることができる(以下、工程<C>ともいう。)。
重合又は共重合の反応としては、通常の(共)重合反応であれば限定されないが、付加(共)重合、開環(共)重合が挙げられる。
これら付加共重合及び開環共重合可能な他の単量体としては、環状オレフィン構造を有する化合物であれば特には限定されないが、例えば、下記式(7)で表される環状オレフィン化合物が挙げられる。共重合可能な他の単量体は、単独で又は2種以上用いることができる。
Figure 0005212164
(式中、A1〜A4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基から選ばれた原子もしくは基、または加水分解性のシリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基から選ばれた極性基を有する有機基である。また、A1とA2またはA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、酸無水物基またはカルボンイミド基を形成していてもよい。また、mは0又は1の整数である。)
式(7)中、A1〜A4としては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシロキシシリル基、シリル基、オキセタニル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、トリアルキルシロキシカルボニル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。当該炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
付加(共)重合による重合体の製造は、公知の付加(共)重合反応であれば特に限定されず、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを含む単量体組成物を、重合触媒を用いて付加重合させることによって製造することができる。また、必要に応じて重合溶媒及び/又は分子量調節剤を用いて製造することができる。
付加(共)重合に用いられる重合触媒としては、通常付加重合に用いられる重合触媒であれば限定されるものではなく、例えば、スカンジウム系化合物、チタニウム系化合物、ジルコニウム系化合物、ハフニウム系化合物等の4〜6族遷移金属触媒;パラジウム系化合物、ニッケル系化合物、コバルト系化合物等の8〜10族遷移金属触媒等が挙げられ、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
4〜6族遷移金属触媒としては、例えば、TiCl3、TiCl4等を用いるチグラー−ナッタ触媒;(C552TiCl2、(C552ZrCl2、(C552Zr(CH32等の有機金属錯体を用いるメタロセン触媒;(C54Si(CH33)Sc(Si(CH332等の有機金属を用いるハーフメタロセン触媒等が挙げられる。
8〜10族遷移金属触媒としては、例えば、酢酸コバルト(II)、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(II)テトラフルオロボレート、塩化コバルト、コバルト(II)ベンゾエート等のコバルト化合物;酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、ニッケルエチルヘキサノエート、ニッケロセン、NiCl2[P(C653]2、ビスアリルニッケル、酸化ニッケル等のニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、酸化パラジウム、PdCl2[P(C653]2、PdCl2(C65CN)2、PdCl2(CH3CN)2、[Pd(CH3CN)4][BF42、[Pd(C25CN)4][BF42、パラジウムアセチルアセトナート、酢酸パラジウム等のパラジウム化合物等が挙げられる。
また、これらの触媒系では、必要に応じて助触媒を用いてもよい。助触媒としては、例えば、メチルアルミノキサン、ポリイソブチルアルミノキサン等のアルミノキサン類;B(C653、BF3・(C252O、[C65NH(CH32+[B(C654-、[(C653C]+[B(C654-、Li+[B(C654-、Na+[B(3,5−(CF3263)]4 -、等のボロン化合物;トリシクロペンチルホスフィン、ジシクロペンチル(イソプロピル)ホスフィン、ジシクロペンチルフェニルホスフィン、ジシクロペンチルシクロオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル(イソプロピル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(tert−ブチル)ホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(o−トリル)ホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられ、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
付加(共)重合に用いられる重合溶媒としては、重合に供される単量体組成物や触媒等が溶解してかつ触媒が失活することがなく、また、生成した付加重合体が溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素炭化水素溶媒;クロロブタン、ブロムヘキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
付加重合に用いられる分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィン類;シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、3−エチルシクロペンテン、3−イソプロピルシクロペンテン、3−n−プロピルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、4−エチルシクロペンテン、4−イソプロピルシクロペンテン、4−フェニルシクロペンテン等のシクロペンテン環を有する化合物類;シクロオクタ−1,5−ジエン、3−メチルシクロオクター1,5−ジエン、3−エチルシクロオクタ−1,5−ジエン、シクロオクタ−1,4−ジエン、シクロヘキサ−1,4−ジエン等のシクロアルカンジエン環を有する化合物等が挙げられる。
付加(共)重合における重合触媒、重合溶媒、分子量調節剤の使用量は、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンに対し、それぞれ、1×10-7当量以上1×10-1当量以下程度、0当量以上4000当量以下程度、0当量以上1当量以下程度である。
開環(共)重合による重合体の製造は、公知の開環メタセシス(共)重合反応であれば特に限定されず、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンを含む単量体組成物を、重合触媒を用いて開環重合させることによって製造することができる。また、必要に応じて重合溶媒及び/又は分子量調節剤を用いて製造することができる。
また、開環共重合は、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなど、主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下でノルボルネン系化合物を含む単量体組成物を開環重合させてもよい。
開環(共)重合に用いられる重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金等の白金族化合物;モリブデン、タングステン、レニウム等の第6、7族元素化合物とアルキルアルミニウムとから形成される第6、7族遷移金属触媒等が挙げられ、白金族化合物が好ましく、具体的には、ルテニウム化合物が好ましい。
上記ルテニウム化合物としては、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム(以下、グラブス触媒第一世代ともいう。)、ベンジリデン{1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン}ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(以下、グラブス触媒第二世代ともいう。)が挙げられ、グラブス触媒第一世代が好ましい。
開環(共)重合に用いられる重合溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等のハロゲン化化合物;酢酸エチル等の飽和カルボン酸エステル;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、芳香族炭化水素、ハロゲン化化合物、飽和カルボン酸エステルが好ましく、ハロゲン化化合物がより好ましく、具体的には、ジクロロメタンが特に好ましい。
開環(共)重合に用いられる分子量調節剤としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、1−ブテンが好ましい。
開環重合における重合触媒、重合溶媒、分子量調節剤の使用量は、それぞれ、式(1)で表されるジチオカーボナートノルボルネンに対し、1×10-7当量以上1×10-1当量以下程度、0当量以上4000当量以下程度、0当量以上1当量以下程度である。
なお、開環(共)重合において用いられる重合停止剤としては、アセトアルデヒド、ピバルアルデヒド等のアルデヒド類、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられ、ピバルアルデヒド、エチルビニルエーテルが好ましい。
上記(共)重合は、円滑な炭素−炭素結合生成反応の促進の点で、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、工程<A>と同様のものが挙げられ、窒素ガスが好ましい。
目的化合物は、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、遠心分離、各種溶媒による抽出、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて、反応系から、単離、精製することで分離することができる。
なお、上記重合又は共重合反応で得られる化合物のうち、下記式(6)
Figure 0005212164
(式中、B1〜B3及びmは前記と同じ。)
で表される繰り返し単位を有するノルボルネン系(共)重合体は新規化合物である。
1〜B3で示される炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基としては、前記と同様のものが挙げられる。
また、式(1)〜(3)中、B1〜B3としては水素原子が好ましく、mとしては、0が好ましい。
当該(共)重合体の分子量としては、Mw=1000〜500000、Mn=1000〜100000が好ましい。
また、上記重合又は共重合(工程<C>)により得られた付加(共)重合体、開環(共)重合体を溶媒存在下、アミン化合物から選ばれる少なくとも一種と反応させることにより、付加(共)重合体または開環(共)重合体の架橋体を得ることができる。
具体的には、付加(共)重合体、開環(共)重合体に含まれる環状ジチオカーボナート構造が開環して生じたSH基の一部が隣接する同様のSH基と空気酸化によってカップリングし(S−S結合を形成)、架橋体が形成される。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミンまたは3級アミンを用いることができるが、1級アミンまたは2級アミンであることが好ましく、1級アミンであることがより好ましい。さらに1級
1級アミンの具体例としては、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、p−クロロベンジルアミン、p−(tert−ブチル)フェニルメチルアミン、アニリン、キトサンが挙げられ、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ベンジルアミン、p−クロロベンジルアミン、p−(tert−ブチル)フェニルメチルアミン、が好ましく、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ベンジルアミン、p−クロロベンジルアミン、p−(tert−ブチル)フェニルメチルアミンがより好ましい。
2級アミンの具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、モルホリンが挙げられ、ジエチルアミンがより好ましい。
3級アミンの具体例としては、トリエチルアミンが挙げられる。
なお、1級アミン、2級アミンまたは3級アミンとしては、炭素数1〜10のアルキル基を有する1級及び2級アミン、環状アミン、芳香族アミン等がより好ましく、このうち、ジチオカーボナートとの反応性の点で、1級アミンがより好ましい。
上記1級アミンおよび2級アミンから選ばれる少なくとも一種の化合物の添加量は、特に限定されないが、工程<C>で得られた付加(共)重合体、開環(共)重合体100重量部に対して0.01重量部〜5重量部であることが好ましく、0.05重量部〜1重量部であることがより好ましい。
また、本工程に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン等のハロゲン化化合物;酢酸エチル等の飽和カルボン酸エステル;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン等の含窒素化合物;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物等が挙げられ、ハロゲン化化合物、飽和カルボン酸エステル、エーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物が好ましく、ハロゲン化化合物、エーテル類がより好ましく、具体的には、クロロベンゼン、ジクロロメタンが特に好ましい。
上記反応の反応時間は、1分〜240時間が好ましく、5分〜48時間がより好ましく、15分〜20時間が特に好ましい。上記反応の反応温度は、−70〜200℃が好ましく、−15〜100℃がより好ましく、0〜50℃が特に好ましい。また、上記反応の反応圧力は1〜2気圧程度で行うことが好ましく、大気圧下で行うのがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
合成例1 2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル−オキシランの合成
Figure 0005212164
よく乾燥させた1Lのナスフラスコへ、乳鉢ですりつぶした79.6g(0.39mol)のトリメチルスルホニウムヨージド;(CH33SIの粉末を投入し、蒸留したジメチルスルホキシド(DMSO)400mlを加えて、窒素気流下にて攪拌した。減圧蒸留(10mmHg、54℃)した5−ノルボルネン−2−カルバルデヒドを35.6ml(36.7g、0.30mol)加え、さらに蒸留ジメチルスルホキシド50mlを、反応容器の壁についた試薬を洗い流しながら加えた。反応容器内の固形物がすべて溶解したのを確認した後、39.2g(0.35mol)のカリウム−tert−ブトキシドを反応容器へすばやく投入し、窒素気流下、室温で3.5時間攪拌した。攪拌終了後、反応液を600mlの氷水へ注入し、10分間攪拌して反応を終了させ、そこへジエチルエーテル300mlを加えて攪拌し、生成物を抽出した。この混合液を分液し、油層を食塩水で二回洗浄した。洗浄後の油層を、硫酸マグネシウムを加えて脱水し、ろ過した後、エバポレーターにて溶媒を減圧留去した(黄色液体の生成物を得た)。生成物は、減圧蒸留にて精製(71−72℃/12.7mmHg)し、32.2gの目的化合物を得た。収率81%。
1H−・13C−NMR、IR、GC−MSより、得られた生成物が目的の化合物(2)であることを同定した。
IR (neat) νmax 3053 (C-H, stretching), 1333, 1253, 871(epoxy-C-O), 834 (epoxy-C-O), 707 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ 6.22-5.98 (m, 2H, vinyl), 3.06-2.42 (m, 5H, epoxy-CH2, epoxy-CH, 1-CH, 2-CH), 1.96-0.75 (m, 5H, 3-CH2, 4-CH, 7-CH2); 13C-NMR (CDCl3) δ (mixture of 4 diastereomers) 137.64, 137.33, 137.30, 136.82, 136.15, 135.98, 132.71, 132.15, 55.71, 55.68, 55.65, 54.70, 49.64, 49.35, 47.16, 46.97, 46.63, 46.27, 45.98, 45.26, 45.19, 45.09, 44.82, 44.77, 42.47, 42.23, 42.20, 42.04, 41.98, 41.61, 41.47, 40.66, 29.77, 29.05, 28.69, 28.42; GC-MS (EI) m/z 136 (M+).
合成例2 4−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5’−エン−2’−イル−1,3−オキサチオラン−2−チオンの合成
Figure 0005212164
ジムロートおよび滴下ロートを装着した100mlの二又ナスフラスコに、4.09g(30.0mmol)の化合物(2)と15mlのテトラヒドロフラン(THF)を入れ、250mg(2.88mmol)のリチウムブロミド:LiBrを反応容器にすばやく加えた後、容器内を窒素気流によって窒素雰囲気下とした。2.88g(37.5mmol)の二硫化炭素:CS2と25mlのTHFを滴下ロートに入れ、これを20分間かけて攪拌中の反応液へ室温下にて滴下した後、その反応液を油浴で40℃に加熱して13時間攪拌した。攪拌終了後、反応容器を室温に戻した後、反応液をエバポレーターにて濃縮した。濃縮後の残渣へクロロホルム約150mlを加え、さらに蒸留水を加えて激しく攪拌した後、分液操作を行い、有機層を取り出した。得られた有機層溶液は、蒸留水でさらに二回洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、ろ過後、エバポレーターにてその溶媒を減圧留去した。残存する液体をカラムクロマトグラフィーによって精製した。カラムにはシリカゲルを充填し、展開溶媒としてジクロロメタンを用いた。淡黄色のメインフラクションを取り出し、溶媒を減圧留去して、4.53gの目的化合物を得た。収率71%。
1H−・13C−NMR、IR、GC−MSより、得られた生成物が目的の化合物(1)であることを同定した。
IR (neat) νmax 3053, 2961 (C-H, stretching), 2865, 1432, 1330, 1182 (C=S, stretching), 1054(C-S, stretching), 707 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ 6.34-5.89 (m, 2H, vinyl), 5.00-4.42 (m, 1H, cyclic-dithiocarbonate-CH), 3.75-3.37 (m, 2H, cyclic-dithiocarbonate-CH2), 3.25-2.67 (m, 2H, 1,4-CH), 2.66-0.60 ppm (m, 5H, 2-CH, 3-CH2, 7-CH2); 13C-NMR (CDCl3) δ (mixture of 4 diastereomers) 212.05, 212.24, 212.26, 212.28, 139.48, 138.31, 137.71, 136.88, 136.10, 135.41, 132.49, 130.30, 97.25, 96.35, 95.60, 95.22, 49.59, 49.08, 49.05, 45.57, 44.96, 44.63, 44.32, 44.26, 43.97, 43.11, 43.06, 43.02, 42.68, 42.31, 42.11, 41.83, 39.11, 38.80, 38.70, 38.62, 30.30, 30.19, 29.13, 28.51 ppm; MS (EI) m/z 212 (M+).
合成例3 開環メタセシス重合(1)
Figure 0005212164
溶媒のジクロロメタンは、水素化カルシウム存在下で二時間還流した後、常圧蒸留し、凍結脱気したものを使用した。 5−ブチル−2−ノルボルネン(C4NB)は、使用前に、アルミナカラムに通した後、減圧蒸留で精製し、モレキュラーシーブ4Aを加えて凍結脱気を行った。また、化合物(1)を2Mのジクロロメタン溶液に調製し、これを凍結脱気して反応に供じた。
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、0.05mol/Lのグラブス触媒第一世代/ジクロロメタン溶液を調製した。密閉容器に封入した後、グローブボックスから取り出した。
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、10mlのねじ口・耐圧バイアル瓶に上記化合物(1)の2Mジクロロメタン溶液を0.5ml(1mmol)、C4NBを175μl(150mg、1mmol)入れ、ジクロロメタン2.1mlを加えた後、攪拌子を投入してテフロン(登録商標)ライナー栓と穴あきスクリューキャップで密栓し、グローブボックス外に取り出した。
反応容器中の溶液を攪拌しながら、グラブス触媒第一世代/ジクロロメタン溶液0.4mlをシリンジにてすばやく反応容器内へ注入し、室温下で攪拌して重合反応を行った。1.5時間反応後、ピバルアルデヒド0.25mlを反応容器内へ注入し、室温下、約40分間攪拌して反応を終了させた。反応容器を開封した後、反応溶液を50mlのメタノールへ滴下し、黄褐色の固体の沈殿物および分散液を得た。ろ過によって黄褐色固体を取り出し、真空乾燥(約50℃)してメタセシス開環共重合体282.6mgを得た。収率78%。1H−NMR測定によって、ブチル基のメチル基由来のシグナル(0.85ppm)と環状ジチオカーボネート由来のブロードなシグナル(5.2−4.9ppmおよび3.2−3.8ppm)を確認した。IR測定により、C=Sの伸縮振動バンド(1189cm-1)を確認した。1H−NMRスペクトルから共重合体のC4NBと化合物(1)の組成比を算出(C4NB/化合物(1)=53/47)した。GPC(溶媒:クロロホルム)測定により分子量を算出(Mn = 14000、Mw = 26000:ポリスチレン換算)した。
IR (neat) νmax 2922 (C-H, stretching), 2851 (C-H, stretching), 1453, 1189 (C=S, stretching), 1048 (C-S, stretching), 966 (olefin-C-H) cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ 5.70-5.20 (broad m, H-C=C-H of main chain), 5.20-4.90 (broad m, cyclic-dithiocarbonate -CH), 3.20-3.80 (broad m, cyclic-dithiocarbonate-CH2), 3.10-0.70 ppm (broad m, CH and CH2 signals of main chain and butyl-side chain including CH3 broadening singlet signal at 0.85 ppm).
合成例4 開環メタセシス重合(2)
Figure 0005212164
化合物(1)の2Mジクロロメタン溶液を1.0ml(2mmol)使用した以外は開環メタセシス重合(1)と同様に行なった。グラブス触媒第一世代/ジクロロメタン溶液0.4mlを反応容器内へ注入して約30分後、反応液中に溶媒に不溶な黄褐色の固体が沈殿してきた。1.5時間反応後、ピバルアルデヒド0.25mlを反応容器内へ注入し、室温下、約50分間攪拌して反応を終了させた。反応容器を開封した後、反応溶液および黄褐色の固体を50mlのメタノールへ投入し、黄褐色の固体の沈殿物および分散液(黄濁溶液)を得た。ろ過によって黄褐色固体を取り出し、真空乾燥(約50℃)してメタセシス開環共重合体293.0mgを得た。収率は69%であった。IR測定により、C=Sの伸縮振動バンド(1180cm-1)を確認した。
IR (neat) νmax 2930 (C-H, stretching), 2852 (C-H, stretching), 1436, 1334, 1180 (C=S, stretching), 1045 (C-S, stretching), 965 (olefin-C-H) cm-1.
合成例5 合成例3で得られた共重合体の高分子反応
Figure 0005212164
反応容器(容量30mlの試験管)に合成例3で得られたポリマー49.7mg(0.28mmol、組成比;ブチル基/ジチオカーボナート=53/47、分子量(GPC、溶媒:クロロホルムより算出、ポリスチレン換算); Mn=14000、Mw=26000)、クロロベンゼン0.3ml、および攪拌子を入れ、内容物が溶けるまで室温下で攪拌した。ベンジルアミン0.05mlを加えた後、空気中、室温下で16時間攪拌して反応を行った。反応終了時には、反応溶液は黄白色に濁っていた。反応後、反応液をメタノール(25ml)へ滴下して、黄白色の沈殿物を得た。沈殿物をろ過して取り出し、真空乾燥(約40℃)して生成物51.2mgを得た。得られた生成物は、トルエン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、DMSO、ジメチルホルムアミド等の一般的な有機溶媒に対して不溶であった。IR測定により、ベンジルアミンの付加反応後に形成されるチオウレタン部位に由来する振動バンド(1662、1511、1170cm-1)およびチオールのS−H伸縮振動(2590cm-1)を確認し、さらに、環状ジチオカーボナートのC=S伸縮由来の振動バンド(1191cm-1)が消失していることを確認した。また、S−S結合由来の振動吸収が528cm-1に観測された。このことから、環状ジチオカーボナートが開環して生じたSH基の一部が隣接する同様のSH基と空気酸化によってカップリングし(S−S結合を形成)、架橋体が形成されたことが示された。
スペクトルデータ:IR (neat) νmax 3410 (N―H, stretching), 2928(C―H, stretching), 2855 (C―H, stretching), 1662 (thiourethane), 1511 (thiourethane), 1455, 1392, 1343, 1170 (thiourethane), 970(olefin-C―H), 733 (phenyl), 698 (phenyl), 528 (S―S) cm-1.

Claims (7)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005212164
    (式中、B1〜B3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基から選ばれる基を示し、、mは0又は1の整数を示す。)
    で表される化合物。
  2. 下記式(2)
    Figure 0005212164
    (式中、B1〜B3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基から選ばれる基を示し、、mは0又は1の整数を示す。)
    で表される化合物と二硫化炭素とを反応させることを特徴とする式(1)
    Figure 0005212164
    (式中、B1〜B3及びmは前記と同じ。)
    で表される化合物の製造方法。
  3. 式(2)で表される化合物が、下記式(3)
    Figure 0005212164
    (式中、B1〜B3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基から選ばれた原子もしくは基である。また、mは0又は1の整数である。)
    で表される化合物と下記式(4)
    Figure 0005212164
    で表される硫化メチレンとを反応させて得られるものである請求項2記載の製造方法。
  4. 式(4)で表される硫化メチレンが下記式(5)
    Figure 0005212164
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表されるトリメチルスルフィドと強塩基とを反応させて得られるものである請求項3記載の製造方法。
  5. 請求項1に記載のジチオカーボナートノルボルネンを重合又は共重合させることを特徴とするノルボルネン系(共)重合体の製造方法。
  6. 重合又は共重合が、付加重合、付加共重合、開環メタセシス重合又は開環メタセシス共重合である請求項5記載の製造方法。
  7. 下記式(6)
    Figure 0005212164
    (式中、B1〜B3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシル基から選ばれた原子もしくは基である。また、mは0又は1の整数である。)
    で表される繰り返し単位を有するノルボルネン系(共)重合体。
JP2009037633A 2009-02-20 2009-02-20 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体 Expired - Fee Related JP5212164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037633A JP5212164B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009037633A JP5212164B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010189592A JP2010189592A (ja) 2010-09-02
JP5212164B2 true JP5212164B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=42815961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009037633A Expired - Fee Related JP5212164B2 (ja) 2009-02-20 2009-02-20 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5212164B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10220719B2 (en) 2014-11-17 2019-03-05 Siemens Industry, Inc. EVSE-based energy automation, management, and protection systems and methods

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07145164A (ja) * 1993-09-30 1995-06-06 Nippon Zeon Co Ltd ジチオカーボネート誘導体及びそれを用いる架橋方法
JPH0959324A (ja) * 1995-06-14 1997-03-04 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd チオカーボネート基含有コポリマー及びそれを含む樹脂組成物
EP1127899A1 (en) * 2000-02-25 2001-08-29 Shipley Company LLC Polymer and photoresist compositions
JP5380867B2 (ja) * 2008-03-14 2014-01-08 Jsr株式会社 エポキシ基含有ノルボルネン化合物及びその(共)重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010189592A (ja) 2010-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2231686B1 (en) Process for one-pot synthesis of 1,1-diphenyl-1-(3-substituted-cyclopentadienyl)-1-(2,7-di-t-butyl-fluoren-9-yl)methane type ligands
WO2016067776A1 (ja) 極性基含有オレフィン系重合体の製造方法
JP2009024147A (ja) フルオレン基を有するノルボルネン単量体およびその重合体
US20200347159A1 (en) Catalyst for olefin polymerization and production method for polar group-containing olefin-based polymers
JP6332978B2 (ja) 極性基含有オレフィン系重合体の製造方法
KR20130025409A (ko) 극성기 함유 올레핀계 공중합체의 제조 방법
JP5212164B2 (ja) 新規ジチオカーボナートノルボルネン及びその(共)重合体
WO2012029432A1 (ja) カルボキシラート金属錯体及びオレフィン重合用触媒
JP7165368B2 (ja) オレフィン重合用触媒及び極性基含有オレフィン系重合体の製造方法
JP2010254880A (ja) 架橋重合体
JP5380867B2 (ja) エポキシ基含有ノルボルネン化合物及びその(共)重合体の製造方法
JP5396918B2 (ja) カーボネート基含有化合物及びその(共)重合体の製造方法
JP2012162617A (ja) カルボン酸エステルモノマーの重合方法
WO2007046352A1 (ja) 有機遷移金属錯体化合物の製造方法、その方法で製造されるメタセシス触媒、それによる開環メタセシス重合体および重合体の製造方法
JP2003012682A (ja) ジルコニウム化合物、その製造方法およびその用途
JP5213717B2 (ja) 環状オレフィン重合体製造用触媒
JP2003252881A (ja) シリルノルボルネン化合物、シリルテトラシクロドデセン化合物、それらの製造方法およびそれらの用途
WO2019059318A1 (ja) 含フッ素化合物、含フッ素重合体及び含フッ素重合体の製造方法
JPH10292008A (ja) α−オレフィンの重合方法
JP4843956B2 (ja) ノルボルネン誘導体の製造法
KR101601493B1 (ko) 환상올레핀계 고분자 화합물의 개환중합용 촉매 및 이를 이용한 환상올레핀계 고분자 화합물의 제조방법
WO2023037849A1 (ja) オレフィン重合用触媒及びオレフィン系重合体の製造方法
RU2579148C1 (ru) Способ получения норборнензамещенных циклопропановых производных фуллеренов и полимеров на их основе
JP5157585B2 (ja) カーボネート基含有ノルボルネン系(共)重合体の製造方法
JP2013166725A (ja) フェノール類およびその製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5212164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees