JPWO2019058875A1 - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Abstract

表示装置の左右方向での位置ずれを抑え、且つ、ユーザの鼻にかかる荷重を低減できるヘッドマウントディスプレイを提案する。鼻パッド組立体Hは、フレーム(31)と、フレーム(31)に取り付けられている鼻パッド(32)とを有している可動部(M2)と、装置本体(10)に取り付けられ、フレーム(31)を支持している支持機構(M1)とを有している。支持機構(M1)は、前後方向での鼻パッド(32)の動きを許容するようにフレーム(31)を支持している。

Description

本発明はヘッドマウントディスプレイに関する。
従来、ユーザの頭部に装着してユーザに映像を提示するヘッドマウントディスプレイが利用されている。ヘッドマウントディスプレイのなかには、頭部を囲む環状の装着バンドを有しているものがある。下記特許文献1のヘッドマウントディスプレイは、装着バンドの長さを調整するための調整機構を有している。また、ヘッドマウントディスプレイのなかには、ユーザの鼻上に配置される鼻パッドを有しているものがある(例えば、特許文献2)。
国際公開第2015/137165号 特開2012−168297号公報
鼻パッドを有しているヘッドマウントディスプレイを使用するとき、ヘッドマウントディスプレイからユーザの鼻に荷重が作用する。特に鼻パッドと調整機構とを有するヘッドマウントディスプレイにおいては、調整機構を操作して装着バンドの長さを小さくすると、ユーザの鼻に鼻パッドから荷重がかかる。鼻にかかる荷重を低減するために鼻パッドを柔らかい材料で形成すると、ユーザの眼の位置に対する左右方向での表示装置の位置ずれが許容されてしまう。表示装置の位置がずれていると、表示装置が高画質の映像を提供していても、ユーザはその高画質を十分には認識できない。
本開示の目的の1つは、表示装置の左右方向での位置ずれを抑え、且つ、ユーザの鼻にかかる荷重を低減できるヘッドマウントディスプレイを提案することにある。
本明細書で提案するヘッドマウントディスプレイは、表示装置を有している装置本体と、前記装置本体が接続されている、ユーザの頭部に装着するための装着部材と、ユーザの鼻に配置するための鼻パッド組立体と、を有している。前記鼻パッド組立体は、フレームと前記フレームに取り付けられている鼻パッドとを有している可動部と、前記装置本体に取り付けられ、前記可動部を支持している支持機構と、を有している。前記支持機構は、前後方向での前記鼻パッドの動きを許容するように前記フレームに連結されている。このヘッドマウントディスプレイによると、表示装置の左右方向での位置ずれを抑え、且つ、ユーザの鼻にかかる荷重を低減できる。
本発明の実施形態の一例としてのヘッドマウントディスプレイを示す斜視図である。 鼻パッド組立体及び装置本体に設けられている台部材の斜視図である。この図では、鼻パッド組立体の可動部は初期位置に配置されている。 鼻パッド組立体及び装置本体に設けられている台部材の斜視図である。この図では、鼻パッド組立体の可動部は最大傾斜位置に配置されている。 鼻パッド組立体と台部材とが分離した状態を示す斜視図である。 鼻パッド組立体と台部材とが分離した状態を示す斜視図である。 鼻パッド組立体の可動部の分解斜視図である。 鼻パッド組立体の可動部の分解斜視図である。 図2Aに示すV−V線での断面図である。 鼻パッド組立体の変形例を示す斜視図である。 図6に示す鼻パッド組立体と眼鏡との位置関係を示す斜視図である。 図6に示す鼻パッド組立体の動きを示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、図1のY1及びY2が示す方向をそれぞれ前方及び後方と称し、図1のZ1及びZ2の示す方向をそれぞれ上方及び下方と称する。また、図1のX1及びX2が示す方向をそれぞれ右方向及び左方向と称する。以下の説明では、ヘッドマウントディスプレイをHMDと称する。
図1に示すように、HMD1は表示装置11を有している装置本体10を有している。表示装置11は、例えば液晶表示装置や有機エレクトロルミネセンス表示装置であるが、その種類は特に限定されない。HMD1の使用時、表示装置11はユーザの眼前に配置される。HMD1の例では、装置本体10は表示装置11を収容しているハウジング12を有している。ハウジング12は、右眼用の開口12Rと左眼用の開口12Lとを有している。HMD1はハウジング12を有していなくてもよい。すなわち、本発明は、表示装置11が外部に露出している眼鏡型のヘッドマウントディスプレイに適用されてもよい。
図1に示すように、HMD1は、その上部に、ユーザの頭部に装着するための装着バンド13を有している。装着バンド13はHDM1の平面視において環状であり、HMD1の使用時にはユーザの頭部を取り囲む。装着バンド13は、その前部にユーザの額にあたるフロント支持部13aを有している。フロント支持部13aは装置本体10の上部に接続している。また、装着バンド13は調整機構13bを有している。調整機構13bには、ユーザが操作するための図示していない操作部が設けられている。ユーザは操作部を操作することによって装着バンド13の長さを調整でき、装着バンド13の長さを自身の頭部のサイズに合致させることができる。装着バンド13の構造は、HMD1の例に限られない。例えば、装着バンド13は、装置本体10の右部と左部とに接続されてもよい。
図1に示すように、装置本体10には、HMD1の使用時にユーザの鼻に配置されて装置本体10を支持するための鼻パッド組立体Hが取り付けられている。鼻パッド組立体Hは、装置本体10の左右方向での中心に配置されている。HMD1の例では、鼻パッド組立体Hは、ハウジング12が有している左右の開口12R、12Lの間に位置している。
図2A及び図2Bに示すように、鼻パッド組立体Hは、可動部M2を有している。後述するように、可動部M2は、その端部に設けられている鼻パッド32が前後方向で動くことができるように、支持機構M1によって支持されている。可動部M2は、フレーム31を有している。鼻パッド32はフレーム31の端部に取り付けられている。HMD1の使用時、鼻パッド32はユーザの鼻に接する。鼻パッド32は、クッション性を有する材料(例えばゴム)で形成されてもよいし、クッション性を有していない材料(例えば、プラスチック)で形成されてもよい。可動部M2は左右方向で離れた2つの鼻パッド32を有している。HMD1の例では、フレーム31は2本の延伸部31aを有しており、2つの鼻パッド32は2本の延伸部31aの端部にそれぞれ取り付けられている。
フレーム31は、例えば金属やプラスチックなど十分な剛性を有する材料で形成される。こうすることで、HMD1の使用時、鼻パッド組立体Hの位置がユーザの鼻によって規定され、表示装置11の位置が右方向又は左方向にずれてしまうことを防ぐことができる。HMD1の例では、棒状の金属を複数の位置で屈曲せることによって2本の延伸部31aを有するフレーム31が形成されている。鼻パッド32とフレーム31は同じ材料で形成されてもよいし、互いに異なる材料で形成されてもよい。鼻パッド32とフレーム31が同じ材料で形成される場合、それらは一体的に形成されてもよい。鼻パッド32とフレーム31が異なる材料で形成される場合、フレーム31は鼻パッド32よりも高い剛性を有する材料で形成されてもよい。
図2Aに示すように、フレーム31は、2本の延伸部31aの基部が固定されている板状のベース部31bを有している。延伸部31aはベース部31bから下方且つ後方に斜めに伸びている。可動部M2は後述する支持部材41に連結されるフレームベース部材33を有している。ベース部31bはこのフレームベース部材33に、固定具(例えば螺子34)によって固定されている。
可動部M2の構造は、HMD1の例に限られない。例えば、左右の鼻パッド32は互いに繋がっていてもよい。この場合、フレーム31は1つの延伸部で鼻パッド32を支持してもよい。さらに他の例では、フレームベース部材33は、フレーム31と一体的に形成された部材でもよい。この場合、フレーム31とフレームベース部材33はプラスチックによって形成されてもよい。
可動部M2におけるフレーム31の位置は上下方向において調整可能となっている。より具体的には、フレームベース部材33に対するフレーム31の位置が、上下方向において調整可能となっている。上述したように、HMD1の例では、フレーム31のベース部31bは螺子34によってフレームベース部材33に取り付けられている。図4Aに示すように、ベース部31bには螺子34が差し込まれる穴31cが形成されている。この穴31cは上下方向に細長い穴となっている。したがって、ユーザは自身の鼻の位置に合わせて、可動部M2の高さ、すなわち鼻パッド32の高さを調整できる。HMD1は、鼻パッド32の高さを調整するためのこのような機構を、必ずしも有していなくてもよい。
図4A及び図4Bに示すように、鼻パッド組立体Hは可動部M2を支持している支持機構M1を有している。支持機構M1は装置本体10に取り付けられ、前後方向での鼻パッド32の動きを許容するようにフレーム31を支持している。この支持機構M1によると、ユーザの鼻に作用する荷重を軽減できる。例えばユーザが調整機構13bを操作して、装着バンド13の長さを自身の頭部のサイズに適合させたときにユーザの鼻に作用する荷重を軽減できる。その結果、ユーザはHMD1を快適に装着できる。また、ユーザの鼻のサイズの違いを鼻パッド組立体Hで吸収できる。その結果、ユーザは、自身の鼻のサイズによることなく、HMD1を快適に装着できる。
HMD1の例では、図4A及び図4Bに示すように、支持機構M1は、支持部材41と、支持部材41によって支持され左右方向に沿って配置されている支持軸42とを有している。支持部材41は、支持軸42を介してフレーム31を支持している。詳細には、支持軸42は、支持部材41に形成された穴41aと、フレーム31が取り付けられているフレームベース部材33に形成された筒部33aとに差し込まれている。したがって、フレームベース部材33とフレーム31は、支持軸42(すなわち、左右方向に沿った軸線R1(図2A参照))を中心として回転可能となっており、鼻パッド32は支持軸42を中心として前後方向において動くことができる。鼻パッド32は、図5に示すように、支持軸42より下方に位置している。
支持機構M1は、HMD1の例に限られない。例えば、支持軸42は、支持部材41と一体的に形成されてもよい。そして、フレームベース部材33はこの支持軸42に引っかかるように構成されてもよい。さらに他の例では、支持軸42は、フレームベース部材33と一体的に形成された部位であってもよい。そして、支持部材41は、この支持軸に引っかかるように構成されてもよい。さらに他の例では、支持機構M1は可動部M2が前後方向において平行に動くことができるように、フレーム31を支持してもよい。
可動部M2は、初期位置(図2A参照)と、初期位置よりも前方に規定されている最大傾斜位置(図2B参照)との間で動くことができる。支持機構M1は、可動部33を初期位置に向けて付勢する弾性部材を有している。この構造によると、HMD1の使用時に鼻パッド32が適度な力でユーザの鼻に押しつけられ、HMD1の装着安定性を向上できる。
HMD1の例では、支持機構M1は弾性部材として板ばね43(図4A参照)を有している。板ばね43はその上部に、支持部材41に固定されている固定部43aを有している。図5に示すように、板ばね43は、固定部43aから上述した支持軸42の前側を通過して、下方に伸びている押し部43bを有している。押し部43bは、フレーム31が取り付けられている上述したフレームベース部材33の前方に位置し、フレームベース部材33を初期位置に向けて付勢する。このように板ばね43がフレームベース部材33を押すので、2つの鼻パッド32を1つの板ばね43で初期位置に向けて付勢することができる。その結果、例えば、ばねが2本の延伸部31aのそれぞれに設けられる構造に比して、部品数を低減できる。
可動部M2を初期位置に付勢するための構造はHMD1の例に限られない。例えば、支持機構M1は板ばね43に代えて、コイルばねや、トーションばね、ゴムなどを弾性部材として用いてもよい。
支持機構M1は、最大傾斜位置を超える可動部M2の動きを規制するストッパを有してもよい。HMD1の例では、図5に示すように、フレームベース部材33の筒部33aの外周面に被ストッパ部33bを有している。被ストッパ部33bは筒部33aの外周面から突出している。一方、支持部材41はストッパ部41cを有している。図5の二点鎖線で示されるように、可動部M2が最大傾斜位置にあるとき、被ストッパ部33bはストッパ部41cにあたり、最大傾斜位置を超える可動部M2の動きが規制される。被ストッパ部33bとストッパ部41cの位置や形状は変更されてよい。
鼻パッド組立体Hと装置本体10のうち一方には、ユーザが操作するための操作部が設けられている。鼻パッド組立体Hは、ユーザによる操作部の操作を受けて、装置本体10から取り外すことができる。HMD1の例では、図3Aに示すように、支持部材41に操作部41eが設けられており、ユーザは操作部41eを操作することで、鼻パッド組立体Hを装置本体10から取り外ことができる。ユーザは、鼻パッド組立体Hを装置本体10から取り外すことで、例えば眼鏡を使用しながらHMD1を容易に装着できる。
図3Aに示すように、装置本体10は台部材15を有している。台部材15は、固定具(例えば、螺子15a(図5参照))によって、ハウジング12に取り付けられている。ハウジング12がフレームを有している場合には、台部材15はそのフレームに取り付けられてもよい。さらに他の例では、台部材15は、ハウジング12やフレームに一体的に形成されてもよい。
支持部材41は台部材15に取り付けられている。詳細には、図3Aに示すように、台部材15には穴15bが形成されている。支持部材41には穴15bに嵌まる突部41f(図3B及び図5参照)を有している。突部41fは、その端部に、突部41fの他の部分よりも太い係合部41g(図3B参照)を有している。HMD1の例では、左右方向での係合部41gの幅が、突部41fのその他の部分よりも大きい。係合部41gは台部材15に形成されている穴15bの縁に引っかかっている。このことによって、係合部41gの後方への移動、すなわち鼻パッド組立体Hの後方への移動が規制されている。すなわち、鼻パッド組立体Hの台部材15からの分離(言い換えれば、装置本体10からの分離)が規制されている。
図3Aに示すように、穴15bは上下方向に細長い穴である。穴15bは、その最下部に、穴15bの他の部分よりも大きい大径部15eを含んでいる。大径部15eのサイズは、支持部材41の係合部41g(突部41fの端部)の左右方向での幅よりも大きい。従って、突部41fが穴15bの最下部にあるときに、支持部材41は台部材15から後方に取り外すことができる。反対に、突部41fが最下部よりも高い位置にあるとき、支持部材41の台部材15からの分離は規制される。以下では、突部41fが穴15bの最下部(大径部15e)にあるときの鼻パッド組立体Hの位置を「分離位置」と称する。
図4Aに示すように、支持部材41は、その最上部に、上述した操作部41eを有している。操作部41eは、その上端に、係合部41hを有している。係合部41hは、例えば鉤状である。一方、台部材15は被係合部15c(図5参照)を有している。上述した支持部材41の突部41fが台部材15の穴15bの上部に位置しているとき、係合部41hは被係合部15cに係合している(図5参照)。係合部41hと被係合部15cとの係合によって、鼻パッド組立体Hの下方への移動(すなわち、鼻パッド組立体Hの分離位置に向けた移動)が規制されている(以下では、係合部41hが被係合部15cに係合している状態での鼻パッド組立体Hの位置を「ロック位置」と称する。)。すなわち、係合部41hと被係合部15cとの係合によって、鼻パッド組立体Hの装置本体10への取り付けが維持されている。
ユーザは、操作部41eを操作して被係合部15cと係合部41hとの係合を解除することによって、鼻パッド組立体Hを上述した分離位置まで移動でき、鼻パッド組立体Hを台部材15から取り外すことができる。鼻パッド組立体Hの取り付け作業時には、支持部材41の突部41fを台部材15の穴15bの大径部15eに差し込み、その後に、鼻パッド組立体Hを上方にスライドさせる。そして、鼻パッド組立体Hが上述したロック位置に配置されると、操作部41eの係合部41hが被係合部15cに係合し、突部41fの係合部41gが穴15bの縁に引っかかる。これによって、鼻パッド組立体Hの台部材15に取り付けられる。このように、鼻パッド組立体Hは、ロック位置と分離位置との間で上下方向において移動可能となっている。
図5に示すように、操作部41eは支持軸42の位置からを上方に伸びている。HMD1の例では、操作部41eは、操作部41eの下部に位置し上方に伸びている弾性部41iを有している。弾性部41iはその下端を中心として前後方向において弾性的に揺動可能である。係合部41hは台部材15の被係合部15cの前方に位置している。したがって、操作部41eが前方に押されると、弾性部41iが前方に傾き、係合部41hと被係合部15cとの係合が解除される。
なお、鼻パッド32を取り外すための構造は、HMD1の例に限られない。例えば、鼻パッド組立体Hの全体が台部材15から取り外されるのではなく、可動部M2だけ、或いは、鼻パッド32とフレーム31だけが、装置本体10から取り外し可能であってもよい。さらに他の例として、鼻パッド組立体Hと装置本体10のうち一方には、ユーザが操作するための操作部として、ユーザが引っ張ることのできる部位が設けられてもよい。
HMD1の例では、操作部41eを有している支持部材41はプラスチックによって形成されている。弾性部41iは他の部材によって補強されてもよい。例えば、弾性部41iは金属で形成されている部材によって補強されてもよい。HMD1の例では、可動部M2を初期位置に付勢する板ばね43が補強部材として機能している。詳細には、図5に示すように、板ばね43は、固定部43aから上方に伸びている補強部43dを有している。補強部43dは操作部41eの弾性部41iの前方に位置している。操作部41eが前方に押され、弾性部41iが前方に傾くとき、補強部43dは弾性部41iが過剰に大きく傾くことを防ぐ。このように板ばね43の一部を補強部43dとして利用するので、部品数の低減を図ることができる。なお、補強部43dと弾性部41iとの間には隙間が設けられてもよい。この場合、弾性部41iが補強部43dに当たるまでは、比較的小さな力で操作部41eを押すことができる。弾性部41iが補強部43dに当たった後には、操作部41eを押すためにはより大きな力が必要とされ、補強部41iが過剰に大きく傾くことを防ぐことができる。
図5に示すように、操作部41eは、係合部41hと弾性部41iとの間に、下側水平部41mと、上側水平部41nと、被押圧部41pとを有している。下側水平部41mは弾性部41iの上端から後方に伸びている。被押圧部41pは、下側水平部51mの後端から上方に伸びており、操作部41eの他の部分よりも後方に位置している。このため、ユーザは操作部41eを操作するとき、被押圧部41pを押すことができる。上側水平部41nは被押圧部41pの上端から前方に伸び、係合部41hに繋がっている。
図3Aに示すように、操作部41eは、下側水平部41mと、上側水平部41nと、被押圧部41pの左右の縁に、それらを繋ぐ補強壁部41qを有している。この補強壁部41qによって、操作部41eの剛性を向上でき、弾性部41i以外の部位が変形することを抑えることができる。
鼻パッド組立体Hと装置本体10は、左右方向及び前後方向での装置本体10に対する鼻パッド組立体Hの位置を規定し且つ上下方向でのそれらの相対動を許容するガイド部及び被ガイド部をそれぞれ有している。HMD1の例では、図3Bに示すように、支持部材41は、上下方向において伸びており且つ台部材15に向かって突出している被ガイド部41rを有している。被ガイド部41rは、例えば突部41fの右側と左側とに形成される。一方、台部材15は、図3Aに示すように、左右の被ガイド部41rの間に配置されるガイド部15fを有している。上述した穴15bはガイド部15fに形成されている。ガイド部15fの左右の側面15gに左右の被ガイド部41rの内側の面があたり、そのことによって、ガイド部15fは左右方向での被ガイド部41rの位置を規定する。ガイド部15fと左右の被ガイド部41rは上下方向における相対動は可能となっている。
図3Aに示すように、ガイド部15fは、被ガイド部41rの前方に位置し且つ上下方向において伸びている前側ストッパ部15hを有している。HMD1の例では、前側ストッパ部15hはガイド部15fの側面15gから右方向及び左方向に張り出している。支持部材41の被ガイド部41rは前側ストッパ部15hに当たる。上述したように、鼻パッド組立体Hの後方への移動は、支持部材41に形成されている突部41fと台部材15の穴15bとの作用によって規制されている。この突部41fと穴15bの作用と、前側ストッパ部15hと被ガイド部41rとの作用とによって、前後方向での装置本体10に対する鼻パッド組立体Hの位置が規定されている。
左右方向及び前後方向での装置本体10に対する鼻パッド組立体Hの位置を規定するための構造は、HMD1の例に限られない。例えば、台部材15にガイド用の溝が形成され、この溝に被ガイド部41rが差し込まれてもよい。そして、溝の縁によって左右方向での位置が規定され、溝の底部によって前後方向での位置が規定されてもよい。
以上説明したように、HMD1において、鼻パッド組立体Hは、フレーム31と、フレーム31に取り付けられている鼻パッド32とを有している可動部M2と、装置本体10に取り付けられ、フレーム31を支持している支持機構M1とを有している。支持機構M1は、前後方向での鼻パッド32の動きを許容するようにフレーム31を支持している。この構造によると、HMD1の使用時、鼻パッド組立体Hの位置がユーザの鼻によって規定され、表示装置11の位置が右方向又は左方向にずれてしまうことをフレーム31によって防ぐことができる。また、ユーザの鼻に作用する荷重を支持機構M1によって軽減できる。例えばユーザが調整機構13bを操作して、装着バンド13の長さを自身の頭部のサイズに適合させたときにユーザの鼻に作用する荷重を軽減できる。
図6乃至図8は、鼻パッド組立体Hの変形例である鼻パッド組立体H1を示す図である。これらの図では、これまで説明した鼻パッド組立体Hの部位と同一の部位には同一符号を付している。以下では、鼻パッド組立体Hとは異なる点を中心にして説明する。鼻パッド組立体H1に関して説明の無い事項については、鼻パッド組立体Hと同様である。
図6に示すように、鼻パッド組立体H1は、鼻パッド132を有している。鼻パッド132は、上述した鼻パッド32と同様、フレーム31に取り付けられている。鼻パッド132は鼻パッド32よりも大型であり、鼻パッド132の上部132bはフレーム31の左右の延伸部31aの双方に取り付けられている。すなわち、上部132bは左右の延伸部31aに掛け渡されている。この取付構造により、フレーム31への鼻パッド132の取付安定性を向上できる。
図6に示すように、鼻パッド132は、ユーザの鼻背部にフィットするように湾曲している。すなわち、鼻パッド132は、鉛直線L1を取り囲む円弧状に湾曲している。鼻パッド132のこの湾曲形状により、及びユーザの鼻によるHMD1の支持安定性を向上できる。また、鼻パッド132は、下方に伸びている遮光部132aを有している。遮光部132は鉛直線L1を囲むように湾曲し、且つ、下側に行くにつれて鉛直線L1から遠ざかるように広がっている。鼻パッド132のこの形状により、HMD1の下側からユーザの瞳に向かう光を、遮光部132で遮ることができる。HMD1の使用時、例えば、遮光部132aの上部132fとその近傍がユーザの鼻で支持される。遮光部132aは、フレーム31の延伸部31aの下端31dよりもさらに下方に伸びている(図8A参照)。遮光部132はHMD1の下面の近傍に達していてもよい。遮光部132aはフレーム31によって支持されているので、ユーザの鼻のサイズに合わせて、支持軸42(左右方向に沿った軸線)を中心として前後方向に動くことができる。そのため、ユーザの鼻のサイズによらず高い遮光性を確保できる。
鼻パッド132は、可撓性及び/又は弾性を有する材料(例えば、シリコーンゴム)で形成される。これによって、ユーザの鼻の形状に鼻パッド132の形状をフィットさせることができる。鼻パッド組立体H1では、フレーム31は2本の棒状の延伸部31aで鼻パッド132を支持している。そのため、遮光部132aの形状はフレーム31によっては完全には拘束されず、HMD1の使用時、遮光部132aはユーザの鼻に合わせて変形できる。図8Aに示すように、鼻パッド組立体H1の例では、遮光部132aはフレーム31の下端31dよりもさらに下方に伸びており、フレーム31の下端31dよりも下方に位置する部分は、その形状について高い自由度を有する。遮光部132aの右部と左部との間には、スリット132eが形成されてもよい。このスリット132eにより、遮光部132aの形状の自由度をさらに増すことができる。
フレーム31のサイズ・形状と遮光部132aのサイズ・形状は、鼻パッド組立体H1の例に限られない。例えば、フレーム31の延伸部31aは遮光部132aの下端に達していてもよい。
図8Aに示すように、鼻パッド132は、その上部の後側の縁(左右の縁)に、切り欠きN1を有している。言い換えれば、上部132bの後縁132dは、遮光部(下部)132aの後縁132cよりも前方に位置している。そして、2つの後縁132d、132cは、側面視において、水平な縁を介して繋がっている。この切り欠きN1の存在により、図8Bに示すように、ユーザが眼鏡を使用するとき、その眼鏡が鼻パッド132と干渉することを抑えることができ、眼鏡を使用するユーザも快適にHMD1を使用できる。なお、図8Bでは、ユーザの鼻によって前方に押され、前方に傾斜した鼻パッド132が示されている。
HMD1及び鼻パッド組立体H、H1は本発明の一例にすぎず、本発明は種々の変更が可能である。本発明の主旨を保った適宜の変更は本発明の範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 表示装置を有している装置本体と、
    前記装置本体が接続されている、ユーザの頭部に装着するための装着部材と、
    ユーザの鼻に配置するための鼻パッド組立体と、を有し、
    前記鼻パッド組立体は、
    フレームと、前記フレームに取り付けられている鼻パッドとを有している可動部と、
    前記装置本体に取り付けられ、前記フレームを支持している支持機構と、を有し、
    前記支持機構は、前後方向での前記鼻パッドの動きを許容するように前記フレームを支持している
    ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記支持機構は、左右方向に沿った軸部を中心にして前記フレームが回転可能となるように、前記フレームを支持している
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 前記フレームは、初期位置である第1の位置と、前記第1の位置よりも前方に規定されている第2の位置との間で動くことができ、
    前記支持機構は、前記フレームを前記第1の位置に向けて付勢する弾性部材を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 前記フレームは、端部に前記鼻パッドが取り付けられている右延伸部と、端部に前記鼻パッド部が取り付けられている左延伸部とを有し、
    前記可動部は、前記右延伸部の基部と前記左延伸部の基部とが取り付けられているフレームベース部を有し、
    前記弾性部材は、前記フレームベース部を付勢している
    ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. 前記鼻パッド組立体と前記装置本体のうちは一方はユーザが操作するための操作部を有し、
    前記鼻パッド組立体のうち前記少なくとも鼻パッドは、ユーザによる前記操作部の操作を受けて前記装置本体から取り外し可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記装置本体は被係合部を有し、
    前記鼻パッド組立体は係合部を有し、
    前記係合部と前記被係合部との係合によって、前記鼻パッド組立体の前記装置本体への取り付けが維持されており、
    前記係合部と前記被係合部との係合は、ユーザによる前記操作部の操作によって、解除可能である
    ことを特徴とする請求項5に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 前記鼻パッド組立体は、前記鼻パッド組立体と前記装置本体との分離が規制されるロック位置と、前記鼻パッド組立体と前記装置本体との分離が許容される分離位置との間で、上下方向において動くことができる
    ことを特徴とする請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 前記鼻パッドは、前記フレームに取り付けられている上部と、前記上部から下方に伸びている遮光部とを有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 前記遮光部は鉛直線を囲むように湾曲している
    ことを特徴とする請求項8に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  10. 前記鼻パッドの右縁と左縁とに切り欠きが形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載のヘッドマウントディスプレイ。
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