JPWO2019039392A1 - フィルム状積層体、および、高分子薄膜の製造方法 - Google Patents

フィルム状積層体、および、高分子薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の高分子薄膜は、下記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有するノルボルネン系ポリマー(A)を含み、厚さが10nm以上1000nm以下であり、かつ、自己支持性を有することを特徴とする。(前記一般式(1)中、X1およびX2は、同一であるか、または異なり、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルケニル基、ヒドロキシ基、またはカルボキシ基を示し、X1およびX2は、互いに結合して環を形成してもよい。)

Description

本発明は、高分子薄膜、フィルム状積層体、および、高分子薄膜の製造方法に関する。
環状オレフィン系樹脂からなるフィルムは、例えば、フィルムコンデンサ用の誘電体フィルムとして使用されている。
例えば、特許文献1には、樹脂を主成分とする高絶縁性フィルムが記載されている。この高絶縁性フィルムにおいて、前記樹脂が非晶性樹脂である。また、前記高絶縁性フィルムの面方向における屈折率の最小値をNyとし、前記高絶縁性フィルムの面方向において前記Nyに直交する方向の屈折率をNxとし、前記高絶縁性フィルムの厚さをdとしたとき、下記式1で表されるレターデーション(R)が、10nm以下である。
R=(Nx−Ny)・d(式1)
特開2015−183181号公報
樹脂フィルムについては、厚さを数十から数百nmの範囲とすれば、静電気力および濡れ性により、接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着できる場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載の高絶縁性フィルムは、被着物に対して密着させることができなかった。また、特許文献1には、平均厚さは0.5μm以上7.0μm以下が好ましいとの記載があるが、特許文献1に記載の高絶縁性フィルムの製造方法では、フィルムの厚さをナノオーダーにすることはできなかった。また、特許文献1では、例えば、溶液キャスト法により作製したフィルムに延伸処理を施しているが、この方法によっても、フィルムの厚さをナノオーダーにすることはできなかった。
本発明の目的は、接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着させることができ、高い撥水性を有する高分子薄膜、フィルム状積層体、並びに、高分子薄膜の製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、下記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有するノルボルネン系ポリマー(A)を含み、厚さが10nm以上1000nm以下であり、かつ、自己支持性を有することを特徴とする高分子薄膜が提供される。
なお、下記一般式(1)中、XおよびXは、同一であるか、または異なり、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルケニル基、ヒドロキシ基、またはカルボキシ基を示し、XおよびXは、互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2019039392
前述の本発明の一態様において、前記ノルボルネン系ポリマー(A)が、ノルボルネン系コポリマーであることが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記高分子薄膜が、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を50質量%以上含むことが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記ノルボルネン系ポリマー(A)のガラス転移点が、140℃以下であることが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記ノルボルネン系ポリマー(A)の温度260℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレートが、20g/10min以上であることが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記高分子薄膜の表面炭素濃度が、90原子%以上であることが好ましい。
本発明の一態様によれば、工程フィルムと、前記工程フィルム上に形成された、前述の本発明の一態様に係る高分子薄膜とを備えることを特徴とするフィルム状積層体が提供される。
前述の本発明の一態様において、前記工程フィルムの表面自由エネルギーが、40mJ/m以下であることが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記工程フィルムの表面の算術平均粗さが、40nm以下であることが好ましい。
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る高分子薄膜を製造する高分子薄膜の製造方法であって、工程フィルム上に、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を含む高分子薄膜形成用溶液を塗布し、乾燥して、前記高分子薄膜を形成する工程と、前記高分子薄膜を、前記工程フィルムから剥離する工程と、を備えることを特徴とする高分子薄膜の製造方法が提供される。
前述の本発明の一態様において、前記工程フィルムの表面自由エネルギーが、40mJ/m以下であることが好ましい。
前述の本発明の一態様において、前記工程フィルムの表面の算術平均粗さが、40nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着させることができ、高い撥水性を有する高分子薄膜、フィルム状積層体、並びに、高分子薄膜の製造方法を提供できる。
本発明の実施形態に係る高分子薄膜を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る高分子薄膜の製造方法で用いる工程フィルムを示す概略図である。 本発明の実施形態に係る高分子薄膜の製造方法において、工程フィルム上に高分子薄膜を形成して、フィルム状積層体を作製した状態を示す概略図である。
以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大または縮小をして図示した部分がある。
[高分子薄膜]
本実施形態に係る高分子薄膜1は、図1に示すように、自己支持性を有する薄膜である。なお、本明細書において「自己支持性」とは、高分子薄膜1が他の支持体に積層されていない場合に、高分子薄膜1が単独で膜を形成できる性質のことをいい、より具体的には膜強度が5mN/1mmφ以上であることを言う。また、「自己支持性」を有する膜においては、膜強度が、10mN/1mmφ以上であることが好ましく、20mN/1mmφ以上であることがより好ましい。膜強度は、クリープメーター(例えば、株式会社山電製の商品名「クリープメーターRE2−3305CYAMADEN」)にて測定できる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
高分子薄膜1の厚さは、10nm以上1000nm以下であることが必要である。高分子薄膜1の厚さが10nm以上1000nm以下である場合、接着剤などを使用せずに、皮膚などの所望の被着物に貼り合わせることが可能となる。高分子薄膜1の厚さは、J.A.Woollam社製の分光エリプソメーター(製品名「M−2000」)にて測定できる。
高分子薄膜1の厚さは、好ましくは30nm以上であり、より好ましくは50nm以上であり、よりさらに好ましくは100nm以上であり、特に好ましくは150nm以上である。また、高分子薄膜1の厚さは、好ましくは900nm以下であり、より好ましくは700nm以下であり、よりさらに好ましくは550nm以下であり、特に好ましくは400nm以下である。
高分子薄膜1の表面炭素濃度は、撥水性の観点から、90原子%以上であることが好ましく、95原子%以上であることがより好ましく、99原子%以上であることが特に好ましい。表面炭素濃度は、X線光電子分光分析法(XPS)により測定できる。
高分子薄膜1は、下記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有するノルボルネン系ポリマー(A)を含むことが必要である。ノルボルネン系ポリマー(A)が下記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有しない場合には、所望の厚さで自己支持性を有し、かつ高い撥水性を有する高分子薄膜が得られない。高分子薄膜1中に占める下記一般式(1)で表される構成単位の含有量は、20mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましい。
Figure 2019039392
前記一般式(1)において、XおよびXは、同一であるか、または異なり、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルケニル基、ヒドロキシ基、またはカルボキシ基を示し、XおよびXは、互いに結合して環を形成してもよい。
アルキル基、アルコキシ基およびアルケニル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、およびエポキシ基などが挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1から5であることが好ましく、1から3であることがより好ましい。アルコキシ基の炭素数は、1から5であることが好ましく、1から3であることがより好ましい。アルケニル基の炭素数は、2から5であることが好ましく、2から3であることがより好ましい。
(ノルボルネン系ポリマー(A))
ノルボルネン系ポリマー(A)は、前記一般式(1)で表される構成単位を10mol%含有すればよく、ノルボルネン系ホモポリマーであってもよく、ノルボルネン系コポリマーであってもよい。
このノルボルネン系ポリマー(A)は、ノルボルネン系化合物を単量体の少なくとも一種とするポリマーである。
ノルボルネン系化合物としては、ノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン)、ノルボルネンに係るビシクロ環を含む環状構造を有する化合物(例えばジシクロペンタジエン)、およびこれらの誘導体が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ノルボルネン系化合物以外の単量体としては、シクロペンタジエン、およびテトラシクロドデセンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ノルボルネン系化合物を単量体の少なくとも一種とすることで、単量体を重合させて得られるポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)は、前記一般式(1)で表される構成単位を有する。
ノルボルネン系ポリマー(A)としては、ノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合体水素化ポリマー(具体的には日本ゼオン株式会社製ZEONEX(登録商標)シリーズとして入手可能である。)、ノルボルネンとエチレンとのコポリマー(具体的にはポリプラスチックス株式会社製TOPAS(登録商標)シリーズとして入手可能である。)、ジシクロペンタジエンとテトラシクロペンタドデセンとの開環重合に基づくコポリマー(具体的には日本ゼオン株式会社製ZEONOR(登録商標)シリーズとして入手可能である。)、エチレンとテトラシクロドデセンとのコポリマー(具体的には三井化学株式会社製アペル(登録商標)シリーズとして入手可能である。)、並びに、ジシクロペンタジエンおよびメタクリル酸エステルを原料とする極性基を含む環状オレフィン樹脂(具体的にはJSR株式会社製アートン(登録商標)シリーズとして入手可能である。)などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ノルボルネン系ポリマー(A)は、架橋構造を有していてもよい。ここで、架橋構造をもたらす架橋剤の種類は任意である。この架橋剤としては、有機過酸化物(例えば、ジクミルパーオキサイドなど)、およびエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋剤は、ノルボルネン系ポリマー(A)を構成する高分子の一種類同士の間で架橋してもよく、異なる種類の高分子間で架橋してもよい。架橋剤の結合部位も任意である。ノルボルネン系ポリマー(A)を構成する高分子における主鎖を構成する原子と架橋していてもよく、側鎖または官能基など主鎖以外を構成する原子と架橋していてもよい。架橋の程度も任意であるが、架橋の程度が過度に進行すると、ノルボルネン系ポリマー(A)を含む高分子薄膜1の加工性(特に成形性)が過度に低下したり、高分子薄膜1の表面性状が過度に劣化したり、高分子薄膜1の耐脆性が低下することが懸念されるため、このような問題が発生しない範囲に留めるべきである。
ノルボルネン系ポリマー(A)は、熱可塑性を備える。この熱可塑性の程度は溶融時の粘度を示すメルトフローレート(MFR)で表すことができる。
ノルボルネン系ポリマー(A)の温度260℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレート(MFR)は、20g/10min以上であることが好ましく、20g/10min以上、150g/10min以下であることがより好ましく、25g/10min以上、50g/10min以下であることが特に好ましい。MFRが前記範囲内であれば、熱可塑性が十分に高くでき、成形などの加工性を向上できる。MFRは、ASTM D1238の記載に準じて測定できる。
ノルボルネン系ポリマー(A)のガラス転移点は、高分子薄膜形成用溶液の塗布性の観点から、140℃以下であることが好ましく、30℃以上120℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点が140℃以下であれば、溶剤可溶性を更に向上でき、他方、ガラス転移点が30℃以上であれば、室温でも自立膜形成能力を有する。ガラス転移点は、示差走査熱量計を用いて測定できる。例えば、示差走査熱量計(TA Instruments社製の「DSC(Q2000)」)を用い、昇温速度10℃/分で−40℃から200℃の温度範囲での測定を実施してグラフを作成し、そのグラフから変曲点を確認してガラス転移点を求めることができる。
(ノルボルネン系ポリマー(A)以外のオレフィン系ポリマー(B))
高分子薄膜1は、ノルボルネン系ポリマー(A)以外のオレフィン系ポリマー(B)(以下、場合により「非NBオレフィン系ポリマー(B)」と称する)を含んでいてもよい。
非NBオレフィン系ポリマー(B)を使用する場合、自己支持性および撥水性の観点から、ノルボルネン系ポリマー(A)の含有量は、ポリマー全量基準で、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
非NBオレフィン系ポリマー(B)は、直鎖状であってもよく、側鎖を有していてもよい。また、非NBオレフィン系ポリマー(B)は、ノルボルネン環を含まない限りいかなる官能基を有していてもよく、その種類および置換密度は任意である。アルキル基のように反応性の低い官能基であってもよく、カルボン酸基のように反応性が高い官能基であってもよい。
非NBオレフィン系ポリマー(B)は、オレフィンを単量体の少なくとも一種とするオレフィン系ポリマーであって、ノルボルネン系化合物を単量体として有さないオレフィン系ポリマーである。したがって、非NBオレフィン系ポリマー(B)は、高分子中にノルボルネン環を含まない限り、特に限定されず、芳香族環式ポリオレフィンであっても、非環式ポリオレフィンあってもよい。芳香族環式ポリオレフィンとしては、芳香族環の環状構造を有するオレフィンを単量体の少なくとも一種とするポリオレフィンが挙げられる。非NBオレフィン系ポリマー(B)は、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。
(被着物)
高分子薄膜1は、接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着させることができる。ここで、被着物としては、特に限定されないが、ステンレス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ガラス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、および半導体回路基板などが挙げられる。これらを被着物とすることで、任意の被着物に対して簡便に撥水性を付与することができる。また、上記以外の被着物としては、人、動物、衣類、帽子、靴および装飾品などが挙げられる。これらを被着物とすると、高分子薄膜1は、非常に薄いために、貼付部位が目立たず、また軽量であるために好ましい。
また、高分子薄膜1は、高い撥水性を有するので、汗または雨などへの耐性もある。そのため、高分子薄膜1は、ウェアラブル端末などを皮膚に密着させるためのフィルムとして特に好適に用いることができる。
[高分子薄膜の製造方法]
本実施形態に係る高分子薄膜の製造方法は、高分子薄膜1を製造する高分子薄膜の製造方法である。そして、本実施形態に係る高分子薄膜の製造方法は、工程フィルム上に、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を含む高分子薄膜形成用溶液を塗布し、乾燥して、前記高分子薄膜を形成する工程(高分子薄膜形成工程)と、前記高分子薄膜を、前記工程フィルムから剥離する工程(剥離工程)と、を備える方法である。
(高分子薄膜形成工程)
図2は、本実施形態に係る高分子薄膜の製造方法で用いる工程フィルム2を示す断面概略図である。工程フィルム2は、第一の面2Aおよび第二の面2Bを有する。
高分子薄膜形成工程においては、図2に示すような工程フィルムの第一の面2Aおよび第二の面2Bのうち、第一の面2A上に、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を含む高分子薄膜形成用溶液を塗布し、乾燥して、高分子薄膜1を形成して、図3に示すようなフィルム状積層体100を得る。
ここで、高分子薄膜形成工程で用いる工程フィルムおよび高分子薄膜形成用溶液について説明する。
(工程フィルム)
工程フィルム2としては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、工程フィルム2は、剥離基材21と、剥離基材21の少なくとも一方の面上に形成された剥離剤層22とを備えることが好ましい。本実施形態では、剥離剤層22の表面が第一の面2Aに相当し、剥離基材21の剥離剤層22が形成された面とは反対側の面が第二の面2Bに相当する。
剥離基材21としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、並びにプラスチックフィルムなどが挙げられる。
紙基材としては、グラシン紙、上質紙、コート紙、およびキャストコート紙などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートなど)、並びにポリオレフィンフィルムなど(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレンなど)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
剥離剤層22は、剥離剤が塗布されて形成されてもよい。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂など)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、およびシリコーン系樹脂が挙げられる。これらの中でも剥離剤としては、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂など)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、およびフッ素系樹脂からなる群から選択されるいずれかの剥離剤であることが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。剥離剤層は、帯電防止剤をさらに含有してもよく、帯電防止剤を含有していなくてもよい。
工程フィルム2は、剥離剤層22により、第一の面2Aの表面自由エネルギーおよび算術平均粗さが調整されていることが好ましい。
工程フィルム2の第一の面2Aの表面自由エネルギーは、40mJ/m以下であることが好ましく、20mJ/m以上40mJ/m以下であることがより好ましい。表面自由エネルギーが20mJ/m以上であれば、工程フィルム2上に高分子薄膜形成用溶液を良好に塗布でき、また、表面自由エネルギーが40mJ/m以下であれば、工程フィルム2から高分子薄膜1を容易に剥離でき、生産性を向上できる。表面自由エネルギーは、各種液滴の接触角(測定温度:25℃)を測定し、その値をもとに北崎・畑理論により求めることができる。
工程フィルム2の第一の面2Aの表面の算術平均粗さ(Ra)は、40nm以下であることが好ましく、0.1nm以上30nm以下であることがより好ましく、0.5nm以上25nm以下であることが特に好ましい。表面の算術平均粗さが前記範囲内であれば、高分子薄膜1に形成される凹凸を十分に抑制でき、高分子薄膜1の膜強度を向上できる。算術平均粗さは、例えば、Veeco Instruments社製、光干渉顕微鏡 NT1100を用いて測定できる。
工程フィルム2の厚さは、特に限定されない。工程フィルム2の厚さは、通常、20μm以上200μm以下であり、25μm以上150μm以下であることが好ましい。
剥離剤層22の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を剥離基材の上に塗布して剥離剤層22を形成する場合、剥離剤層22の厚さは、0.01μm以上2.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
剥離基材21としてプラスチックフィルムを用いる場合、当該プラスチックフィルムの厚さは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上90μm以下であることがより好ましく、10μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
(高分子薄膜形成用溶液)
高分子薄膜形成用溶液における溶質としての高分子薄膜形成用の材料物質は、ノルボルネン系ポリマー(A)である。なお、この材料物質としては、非NBオレフィン系ポリマー(B)をさらに用いてもよい。ノルボルネン系ポリマー(A)および非NBオレフィン系ポリマー(B)は、既に説明したため、省略する。
高分子薄膜形成用溶液における溶剤の種類としては、高分子薄膜形成用の材料物質を溶解、または均一に分散でき、加熱により蒸発する溶剤であれば、特に限定されない。例えば、溶剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、およびクロロホルムなどが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤の沸点としては、30℃以上160℃以下の範囲内の値とすることが好ましく、35℃以上120℃以下の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、高分子薄膜形成用溶液中の材料物質の濃度を0.1質量%以上20質量%以下の範囲内の値とすることが好ましい。
高分子薄膜形成用溶液中の材料物質の濃度が0.1質量%以上であれば、必要な厚さが得られなくなる場合があるという不具合、および、溶液の粘度が最適にならないという不具合を抑制できる。一方、高分子薄膜形成用溶液中の材料物質の濃度が20質量%以下であれば、均一な塗膜が得られなくなる場合があるという不具合を抑制できる。
また、上記観点より、高分子薄膜形成用溶液中の材料物質の濃度を0.3質量%以上15質量%以下の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5質量%以上10質量%以下の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、高分子薄膜形成用溶液の粘度(測定温度:25℃)を1mPa・s以上500mPa・s以下の範囲内の値とすることが好ましい。
高分子薄膜形成用溶液の粘度が1mPa・s以上であれば、塗膜のハジキが発生するという不具合を抑制できる。一方、高分子薄膜形成用溶液の粘度が500mPa・s以下であれば、均一な塗膜が得られなくなるという不具合を抑制できる。
また、上記観点より、高分子薄膜形成用溶液の粘度(測定温度:25℃)を1.5mPa・s以上400mPa・s以下の範囲内の値とすることがより好ましく、2mPa・s以上300mPa・s以下の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、高分子薄膜形成用溶液の粘度は、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド型回転粘度計)に準拠して測定されたものである。
また、工程フィルム2上に形成された高分子薄膜形成用溶液の塗布層を、高分子薄膜1とするための乾燥条件としては、特に限定されない。塗布層の乾燥は、40℃以上120℃以下の温度条件で、かつ6秒間以上300秒間以下の乾燥時間で行うことが好ましい。
乾燥温度が40℃以上であれば、乾燥に時間がかかり過ぎたり乾燥不足になったりする不具合を抑制できる。一方、乾燥温度が120℃以下であれば、皺またはカールが生じたりする不具合を抑制できる。
また、乾燥時間が6秒以上であれば、乾燥不足になるという不具合を防止できる。一方、乾燥時間が300秒以下であれば、皺またはカールが生じたりする不具合を抑制できる。
また、上記観点より、高分子薄膜形成用溶液の塗布層を高分子薄膜1とするための乾燥条件を、50℃以上110℃以下の温度条件、かつ12秒間以上180秒間以下の乾燥時間とすることがより好ましく、60℃以上100℃以下の温度条件、かつ18秒間以上120秒間以下の乾燥時間とすることがさらに好ましい。
また、高分子薄膜形成用溶液の塗布を、ロールツーロール(Roll to Roll)法にて行うことが好ましい。
この理由は、ロールツーロール法であれば、所定の厚さを有する高分子薄膜1を、より効率的に形成することができることから、フィルム状積層体100をより効率よく大量生産することができるためである。
また、ロールツーロール法を実施するにあたり、塗布装置として、バーコータ、グラビアコータまたはダイコータが好ましく、リバースグラビアコータまたはスロットダイコータがより好ましい。
この理由は、これらの塗布装置であれば、所定の厚さを有する高分子薄膜1を、さらに効率的に形成することができるためである。
すなわち、バーコータ、リバースグラビアコータおよびスロットダイコータであれば、ナノメートルオーダーの厚さの高分子薄膜1を、その表面に皺を発生させることなく、かつ、均一な厚さで形成できる。しかも、バーコータ、リバースグラビアコータおよびスロットダイコータは、その構造が簡単である上、経済性にも優れる。
(剥離工程)
剥離工程においては、図3に示すようなフィルム状積層体100における高分子薄膜1を、工程フィルム2から剥離して、自己支持性を有する高分子薄膜1を得る。
剥離工程における工程フィルム2の高分子薄膜1からの剥離力は、5mN/20mm以上、100mN/20mm以下であることが好ましく、10mN/20mm以上、50mN/20mm以下であることがより好ましく、15mN/20mm以上、30mN/20mm以下であることが特に好ましい。
上記の剥離力が5mN/20mm以上であれば、高分子薄膜形成工程において、工程フィルムと高分子薄膜とが剥がれやすくなるという不具合を抑制できる。また、上記の剥離力が100mN/20mm以下であれば、剥離工程において、高分子薄膜から工程フィルムが剥離しにくくなり、高分子薄膜が破断するという不具合を抑制できる。
上記の剥離力は、例えば、工程フィルム2に用いる剥離剤の種類を変更することで調整できる。
[フィルム状積層体]
本実施形態に係るフィルム状積層体100は、図3に示すように、高分子薄膜1と、工程フィルム2とを備えている。このフィルム状積層体100は、工程フィルム2上に前記高分子薄膜形成用溶液を塗布し、塗布層を乾燥して、高分子薄膜1を形成することによって得られる。すなわち、このフィルム状積層体100は、前述の本実施形態に係る高分子薄膜の製造方法における高分子薄膜形成工程により得られる。
(本実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)前記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有するノルボルネン系ポリマー(A)を含み、厚さが10nm以上1000nm以下であり、かつ、自己支持性を有する高分子薄膜1を効率よく製造できる。
(2)接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着させることができ、高い撥水性を有する高分子薄膜1を提供できる。
[実施形態の変形]
本実施形態は前述の実施形態に限定されず、本実施形態の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本実施形態に含まれる。
例えば、前述の実施形態では、剥離基材21および剥離剤層22を備える工程フィルム2を用いたが、これに限定されない。例えば、剥離基材21の表面自由エネルギーおよび表面の算術平均粗さが、適当な範囲内にある場合には、剥離基材21からなる単層のフィルムを工程フィルム2として使用してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されない。
[試験例1]
1.工程フィルムの選定
(1) 工程フィルムの製造
試験例1の工程フィルムは、剥離基材と、剥離基材上に設けられた剥離剤層とを有する。
シリコーン変性アルキッド樹脂とアミノ樹脂の混合物(信越化学工業株式会社製:商品名「KS−882」)100重量部と、p−トルエンスルホン酸(硬化剤)1重量部とをトルエンで希釈し、固形分濃度2質量%の塗布液を調製した。
次いで、得られた塗布液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱ケミカル株式会社製の「ダイアホイルT100」)上に、マイヤーバーにて塗布し、140℃、60秒間加熱して乾燥させ、平均厚さ0.1μmの剥離剤層を形成した工程フィルムを得た。そして、得られた工程フィルムの剥離剤層の表面における表面自由エネルギー、および、算術平均粗さを表1に示す。
(2) 高分子薄膜形成用溶液の調製
環状オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製の「APEL6011T」、ガラス転移点105℃、MFR26g/10min)の溶液(固形分10質量%)をトルエンに溶解させ、固形分3質量%に希釈して高分子薄膜形成用溶液を作製した。
(3) フィルム状積層体の形成
次いで、リバースグラビアコータを用いて、準備した工程フィルム上に乾燥後の高分子薄膜の厚さが800nmとなるように、高分子薄膜形成用溶液を塗布した後、100℃で60秒間乾燥させフィルム状積層体を得た。
2.測定・評価
(1)工程フィルムの表面自由エネルギーの測定
工程フィルムにおける高分子薄膜形成用溶液を塗布する面(高分子薄膜との接触面)における表面自由エネルギー(mJ/m)は、各種液滴の接触角(測定温度:25℃)を測定し、その値をもとに北崎・畑理論により求めた。
すなわち、「分散成分」としてのジヨードメタン、「双極子成分」としての1−ブロモナフタレン、「水素結合成分」としての蒸留水を液滴として使用し、協和界面科学(株)製、DM−70を用いて、静滴法により、JIS R3257に準拠して接触角(測定温度:25℃)を測定し、その値をもとに北崎・畑理論により、表面自由エネルギー(mJ/m)を求めた。
(2)工程フィルムの算術平均粗さRaの測定
剥離シートにおける高分子薄膜形成用溶液を塗布する面(高分子膜膜との接触面)における算術平均粗さRa(nm)は、Veeco Instruments社製、光干渉顕微鏡NT1100を用いて、250,000μm(500μm×500μm)の領域について観察し、算術平均粗さ(Ra)を求めた。
(3)工程フィルムに対する高分子薄膜形成用溶液の塗布性
フィルム状積層体を形成する際の塗布性を評価した。工程フィルムに対して高分子薄膜形成用溶液が均一に塗布できた場合を「A」と判定し、工程フィルムにハジキなどが発生して均一に塗布できなかった場合を「B」と判定した。得られた結果を表1に示す。
(4)高分子薄膜の剥離性
フィルム状積層体における、工程フィルムから高分子薄膜を剥離する際の剥離性を評価した。工程フィルムから高分子薄膜を容易に剥離できた場合を「A」と判定し、高分子薄膜が破れたりして剥離できなかった場合を「B」と判定した。得られた結果を表1に示す。
[試験例2]
試験例2では、工程フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル株式会社製の「ダイアホイルT100」、厚さ38μm)を用いた以外は、試験例1と同様の方法で、フィルム状積層体および高分子薄膜を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。また、試験例2で用いた工程フィルムの表面における表面自由エネルギー、および、算術平均粗さを表1に示す。
[試験例3]
試験例3では、工程フィルムとしてリンテック株式会社製の「SP−PET381031」を用いた以外は、試験例1と同様の方法で、フィルム状積層体および高分子薄膜を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。また、試験例3で用いた工程フィルムの剥離剤層の表面における表面自由エネルギー、および、算術平均粗さを表1に示す。
[試験例4]
試験例4では、工程フィルムとしてリンテック株式会社製の「SP−PET38T100X」を用いた以外は、試験例1と同様の方法で、フィルム状積層体および高分子薄膜を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。また、試験例4で用いた工程フィルムの剥離剤層の表面における表面自由エネルギー、および、算術平均粗さを表1に示す。
Figure 2019039392
表1に示す結果からも明らかな通り、環状オレフィンコポリマーを含有する高分子薄膜形成用溶液を用いる場合、試験例1で用いる工程フィルムを使用することが好ましいことが分かった。そこで、以下の実施例および比較例では、試験例1で用いる工程フィルムを使用した。
[実施例1]
1.高分子薄膜の製造
(1) 工程フィルムの製造
実施例1の工程フィルムは、基材と、基材上に設けられた剥離剤層とを有する。
シリコーン変性アルキッド樹脂とアミノ樹脂の混合物(信越化学工業株式会社製:商品名「KS−882」)100重量部と、p−トルエンスルホン酸(硬化剤)1重量部とをトルエンで希釈し、固形分濃度2質量%の塗布液を調製した。
次いで、得られた塗布液を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱ケミカル株式会社製の「ダイアホイルT100」)上に、マイヤーバーにて塗布し、140℃、60秒間加熱して乾燥させ、平均厚さ0.1μmの剥離剤層を形成した工程フィルムを得た。
(2) 高分子薄膜形成用溶液の調製
環状オレフィンコポリマー(三井化学株式会社製の「APEL6011T」、ガラス転移点105℃、MFR26g/10min)の溶液(固形分10質量%)をトルエンに溶解させ、固形分3質量%に希釈して高分子薄膜形成用溶液(粘度2.4mPa・s)を作製した。そして、実施例1で用いた環状オレフィンコポリマーのガラス転移点(T)およびMFRを表2に示す。
(3) フィルム状積層体の形成
次いで、リバースグラビアコータを用いて、準備した工程フィルム上に乾燥後の高分子薄膜の厚さが800nmとなるように、高分子薄膜形成用溶液を塗布した後、100℃で60秒間乾燥させフィルム状積層体を得た。
(4) 高分子薄膜の製造
次いで、フィルム状積層体の工程フィルムを剥離することによって、高分子薄膜を得た。
2.測定・評価
(1)高分子薄膜の表面炭素濃度
高分子薄膜の表面炭素濃度を求めるため、高分子薄膜の表面のXPS測定を行った。測定には、PHI Quantera SXM(アルバック・ファイ株式会社製)を使用した。X線源に単色化Al・Kαを用い光電子取り出し角度45°にて測定を行い、表面に存在する炭素の元素濃度(単位:原子%)を算出した。得られた結果を表2に示す。
(2)高分子薄膜の剥離力
得られたフィルム状積層体における、工程フィルムから高分子薄膜を剥離する際の剥離力を測定した。
すなわち、フィルム状積層体における高分子薄膜に対して粘着テープ(日東電工株式会社製、No.31B)を貼合した後、粘着テープが貼合された状態の高分子薄膜を工程フィルムから180°剥離する際の剥離力(mN/20mm)を測定した。得られた結果を表2に示す。
(3)高分子薄膜の貼付性
先ず、支持基材(東洋紡株式会社製の「クリスパー75K2323」)の四方の端部に両面テープを貼付して、両面テープ貼付部を有する支持体を作製した。次に、この支持体の両面テープ貼付部を、フィルム状積層体の高分子薄膜上に貼付した。そして、支持体および高分子薄膜を、工程フィルムから剥離して、高分子薄膜を、支持体の表面に転移させた。次いで、高分子薄膜が転移した支持体から両面テープ貼付部を切り落とし、高分子薄膜と支持基材との積層体を作製した。この積層体を、高分子薄膜側が下記の被着物と接するように、被着物上に配置し、支持基材の上から2kgローラーを2往復して、高分子薄膜と被着物とを圧着させた。その際の貼付性を評価した。圧着後、高分子薄膜全面が被着物に貼り付いたまま、剥離しない場合を「A」と判定し、圧着後、高分子薄膜が被着物に貼り付かない、浮き、または剥がれがある場合を「B」と判定した。得られた結果を表2に示す。
PP:ポリプロピレン板(日立化成株式会社製の「PP−N−BN」、大きさ2mm×70mm×150mm)
ガラス:フロート板ガラス(旭硝子株式会社製の「フロート板ガラス R3202 糸面加工」、大きさ2mm×70mm×150mm)
(4)高分子薄膜上の水の接触角
高分子薄膜の水に対する濡れ性を評価するため、高分子薄膜上の水の接触角の測定を行った。測定には、接触角計(協和界面科学株式会社製、DM−701)を用いた。水に対する接触角を測定した(23℃、50%RH)。得られた結果を表2に示す。
(5)高分子薄膜上の水の滑落角
高分子薄膜の水に対する撥水性を評価するため、高分子薄膜上の水の滑落角の測定を行った。水平に設置された高分子薄膜上に、水滴を置き、高分子薄膜を徐々に傾けたときに水滴が流れ始める高分子薄膜の角度を滑落角として測定した。得られた結果を表2に示す。
(6)膜強度
膜強度は、クリープメーター(株式会社山電製の商品名「クリープメーターRE2−3305CYAMADEN」)にて測定した。具体的には、温度23℃、湿度50%RHの環境下にて24時間静置したフィルム状積層体の高分子薄膜面を直径1cmの穴の開いた冶具に貼り付け、工程フィルムを剥離した。直径1mmφの円柱型プランジャーを、高分子薄膜の治具の穴の中心部に対応する箇所に進入させた。なお、プランジャーの進入速度は、0.5mm/秒とした。プランジャーを穴の深さ方向に深度5mmまで進入させたときの最大応力(単位:mN/1mmφ)を測定した。なお、測定は10回行い、平均値を高分子薄膜の膜強度とした。得られた結果を表2に示す。
[実施例2〜4]
環状オレフィンコポリマーの種類およびの高分子薄膜の厚さを表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム状積層体および高分子薄膜を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。また、実施例2〜4で用いた環状オレフィンコポリマーのガラス転移点(T)、MFRおよび高分子薄膜形成用溶液の粘度を表2に示す。
[比較例1および2]
環状オレフィンコポリマーの種類およびの高分子薄膜の厚さを表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、フィルム状積層体および高分子薄膜を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。また、比較例1および2で用いた環状オレフィンコポリマーのガラス転移点(T)、MFRおよび高分子薄膜形成用溶液の粘度を表2に示す。なお、比較例1では、ポリマーを所望の濃度に溶解させることができず、実施例1と同様の方法でフィルム状積層体および高分子薄膜を製造することはできなかった。
Figure 2019039392
表2に示す結果のように、ノルボルネン系ポリマー(A)を含み、厚さが10nm以上1000nm以下である高分子薄膜(実施例1〜4)は、貼付性が良好で、水の接触角が大きく、水の滑落角が小さいことが確認された。このことから、実施例1〜4で得られた高分子薄膜は、接着剤などを用いずとも、被着物に対して密着させることができ、高い撥水性を有することが確認された。また、実施例1〜4で得られた高分子薄膜は、膜強度が高く、自己支持性を有することが確認された。
1…高分子薄膜、2…工程フィルム、2A…第一の面、2B…第二の面、100…フィルム状積層体。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位を10mol%以上含有するノルボルネン系ポリマー(A)を含み、厚さが10nm以上1000nm以下であり、かつ、自己支持性を有することを特徴とする高分子薄膜。
    Figure 2019039392

    (前記一般式(1)中、XおよびXは、同一であるか、または異なり、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルケニル基、ヒドロキシ基、またはカルボキシ基を示し、XおよびXは、互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 請求項1に記載の高分子薄膜において、
    前記ノルボルネン系ポリマー(A)が、ノルボルネン系コポリマーである
    ことを特徴とする高分子薄膜。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高分子薄膜において、
    前記高分子薄膜が、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を50質量%以上含む
    ことを特徴とする高分子薄膜。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高分子薄膜において、
    前記ノルボルネン系ポリマー(A)のガラス転移点が、140℃以下である
    ことを特徴とする高分子薄膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の高分子薄膜において、
    前記ノルボルネン系ポリマー(A)の温度260℃、荷重2.16kgfにおけるメルトフローレートが、20g/10min以上である
    ことを特徴とする高分子薄膜。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の高分子薄膜において、
    前記高分子薄膜の表面炭素濃度が、90原子%以上である
    ことを特徴とする高分子薄膜。
  7. 工程フィルムと、前記工程フィルム上に形成された、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の高分子薄膜とを備える
    ことを特徴とするフィルム状積層体。
  8. 請求項7に記載のフィルム状積層体において、
    前記工程フィルムの表面自由エネルギーが、40mJ/m以下である
    ことを特徴とするフィルム状積層体。
  9. 請求項7または請求項8に記載のフィルム状積層体において、
    前記工程フィルムの表面の算術平均粗さが、40nm以下である
    ことを特徴とするフィルム状積層体。
  10. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の高分子薄膜を製造する高分子薄膜の製造方法であって、
    工程フィルム上に、前記ノルボルネン系ポリマー(A)を含む高分子薄膜形成用溶液を塗布し、乾燥して、前記高分子薄膜を形成する工程と、
    前記高分子薄膜を、前記工程フィルムから剥離する工程と、を備える
    ことを特徴とする高分子薄膜の製造方法。
  11. 請求項10に記載の高分子薄膜の製造方法において、
    前記工程フィルムの表面自由エネルギーが、40mJ/m以下である
    ことを特徴とする高分子薄膜の製造方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の高分子薄膜の製造方法において、
    前記工程フィルムの表面の算術平均粗さが、40nm以下である
    ことを特徴とする高分子薄膜の製造方法。
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