JPWO2019030816A1 - ビルシミュレーター及びビルシミュレーション方法 - Google Patents
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- G06Q50/16—Real estate
Abstract
Description
このような要望に対応する技術として、例えば、特許文献1に記載される技術が提案されている。特許文献1では、設備におけるパラメーターおよび機器の推薦装置が、稼動履歴データ、ビル設備状況データ、およびビル設備パラメーターオプションデータに基づいて推薦対象ビル設備における制御パラメーターの変更値や追加のオプション機器を推薦候補として抽出するパラメーター・機器推薦候補抽出部と、推薦候補と、推薦対象ビル設備の稼動履歴データ、ビル設備状況データ、およびビル設備パラメーターオプションデータと、に基づいて推薦対象ビル設備に対して推薦対象を適用した場合におけるシミュレーションによる評価を行うシミュレーション評価部と、評価結果判断部にて推薦候補を推薦すると判断された場合に当該推薦候補を出力する推薦結果出力部とを備える旨開示されている。
そこで、本発明は、エレベーター設備による利用者への影響度の評価並びに利用者の動線に関する評価を可能とし、各種用途のビルを好適にシミュレーション可能なビルシミュレーター及びビルシミュレーション方法を提供する。
また、本発明に係るビルシミュレーション方法は、少なくともシミュレーション部を有しビルの評価を行うビルシミュレーション方法であって、設定されるビル内の少なくともレイアウトを含むビル仕様と、設定されるエレベーター設備の少なくとも仕様を含むエレベーター情報と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報を含む利用者情報と、に基づき、ビル内を移動する利用者の動線が変化する条件において、少なくとも前記レイアウトをシミュレーションにより評価することを特徴とする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
<ビルシミュレーターの構成>
図1に示すように、ビルシミュレーター1は、利用者設定部2、ビル情報設定部3、エレベーター設備設定部4、エレベーター仕様設定部5、時間帯設定部6、及び、シミュレーション部10から構成される。ここで、利用者設定部2、ビル情報設定部3、エレベーター設備設定部4、エレベーター仕様設定部5、及び、時間帯設定部6は、例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。よって、詳細後述するシミュレーション部10は、上記特定の記憶領域(仮想領域)より読み出し各種処理を実行する。シミュレーション部10は、ビル内利用者制御部モデル11、入力装置モデル12、エレベーター群管理制御部モデル13、エレベーター制御部モデル14、乗り場出力装置モデル15、エレベーターモデル16、総合評価出力部17、及び、表示部18を備える。シミュレーション部10を構成する、ビル内利用者制御部モデル11、入力装置モデル12、エレベーター群管理制御部モデル13、エレベーター制御部モデル14、乗り場出力装置モデル15、エレベーターモデル16、及び総合評価出力部17は、例えば、CPU等のプロセッサ、プログラムを格納するROM、ROMより読み出されたプログラムをプロセッサが実行する過程のデータ等を一時的に格納するRAM等の記憶装置にて実現される。
利用者設定部2は、利用者に関する情報を設定するモジュールであり、上述のように例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。例えば、利用者がエレベーターホールへ入り込む階床を設定する発生階や、エレベーターの利用に伴い目的の階床を設定する目的階、一般利用者か車椅子利用者或いはVIP利用者などの利用者属性、エレベーターホール内を移動する速度となる歩行速度、発生階或いは目的階毎の利用者の発生割合等の発生分布などを設定する。
ビル情報設定部3とは、ビル情報について設定するモジュールであり、上述のように例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。例えば、ビルの階床数や、階床間の距離(階高距離とも称される)を設定することが可能となる。更にビルの各フロアに何名在席するか設定する在館人員数の設定を行う。また、各階床におけるビル仕様も設定可能とする。ビル仕様とは、例えば、ロビー階や、駐車場階、共用フロア等の情報が設定可能となる。換言すれば、ビル内のレイアウトを設定することが可能となる。
エレベーター設備設定部4とは、エレベーター設備について設定するモジュールであり、上述のように例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。例えば、エレベーターの乗りかごが何台設置されるか、エレベーターの乗りかごがフロアのどの位置に設置されるか、更に入力装置として、乗り場で行先階を登録する行先階登録装置や、乗り場から上方向行きか、下方向行きに対するサービス要求を行うための上下式乗り場ボタン、更に乗り場入口にゲートを設置し、ゲート通過時に行先階の登録を行うゲート連動設備や、出力装置として、エレベーターの到着時の方向性案内や、エレベーターを予約した際の予約号機、及び予約方向性を案内するエレベーターランタン、乗り場で行先階を登録した際に、乗り場にて各号機の停止予定階を案内する行先階停止階灯をフロアのどの位置に設置するか設定可能となる。なお、ここで行先階停止階灯とは、各号機の上部に設けられた表示部(例えば、LED表示)であり、乗り場(エレベーターホール)で利用者により所望の行先階指定ボタンが押下(或いはタッチ)されると、各号指定された行先階が表示される。
エレベーター仕様設定部5とは、設置したエレベーターの仕様を設定するモジュールであり、上述のように例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。例えば、エレベーターの速度、ドアの幅、定員数等が挙げられる。更に運転仕様として、乗り場ボタンからサービス要求を作成した瞬間、乗り場ボタンに対してサービスが決定した号機のエレベーターランタンを点灯する即時予約機能の有無などが挙げられる。
時間帯設定部6とは、シミュレーションを実行する時間帯の設定を行うモジュールであり、上述のように例えば、特定の記憶領域(仮想領域)をサーバー内に設けることで実現されるものである。一般的にビル内のエレベーター稼働状況は時間帯毎に異なる。例えば、オフィスビルの場合においては出勤時間帯では、ビル内に利用者が流入するケースが多くなり利用者の動きとしては、ロビー階から各利用者の在席階を目的階として利用される。昼食時間帯の前半では、ビル内に食堂階や、飲食店が存在するフロアがある場合、各利用者の在席階から、前述した食堂階や、飲食店が存在するフロアへ移動する利用者が多くなる。退勤時間帯では、出勤時間帯とは逆に各利用者の在席階からロビー階へ移動する利用者が多く存在する。
なお、ビルがマンションである場合には、外出或いは出勤時の時間帯においては、利用者である各居住者の入居階からロビー階を目的階として利用され、帰宅時には逆にロビー階から各利用者(各居住者)の入居階を目的階として利用される。
例えば、ロビー階から発生する利用者が200名、1階から発生する利用者が10名、4階への利用者が80名、5階への利用者が130名という設定や、具体的にロビー階から5階への利用者が125名、ロビー階から4階への利用者が75名、1階から4階への利用者が5名、1階から5階への利用者が5名と詳細に設定する方式でも良い。
これらの情報を設定が完了すると、シミュレーションが実行可能となる。
シミュレーションを実行するためのシミュレーション部10は、シミュレーション実行周期(以下、システム時間と称する)として、例えば、100msecに設定され、システム時間を常に更新し、各制御を起動する。起動する制御部は、時間帯設定部6により設定された時間帯毎に設定し、シミュレーションのため発生した利用者のフロア移動、エレベーターへの乗降を制御するビル内利用者制御部モデル11、ビル内利用者制御部モデル11からエレベーターへのサービス要求を設定するための入力装置モデル12、サービス要求に対して、運行管理を実施するエレベーター群管理制御部モデル13、エレベーター群管理制御部モデル13より、受けたサービス要求に対してエレベーターの乗りかごを制御、或いはドアの戸開閉を制御するエレベーター制御部モデル14、エレベーター群管理制御部モデル13、或いはエレベーター制御部モデル14より、利用者への案内を行う乗り場出力装置モデル15、シミュレーション上で利用者が乗降するエレベーターモデル16とで構成される。ビル内利用者制御部モデル11、入力装置モデル12、エレベーター群管理制御部モデル13、エレベーター制御部モデル14、乗り場出力装置モデル15、及びエレベーターモデル16は、それぞれ、ビル内利用者制御部、入力装置、エレベーター群管理制御部、エレベーター制御部、乗り場出力装置、及び、エレベーターを模擬するためのモデルである。
更にエレベーター群管理制御部モデル13からは、シミュレーション上、(乗り場にて)行先階ボタンが押下され、エレベーターが当該行先階に到達するまでの時間から、入力された階床へ各エレベーターモデル16がサービスするまでにかかった時間や、エレベーターの目的階が入力(エレベーターモデル16の乗りかごに乗車後、乗りかご内の行先ボタンを押下した状態)された時間から目的階まで到着するまでにかかった時間、入力装置モデル12を入力した数などシミュレーション実行中の平均時間、最大時間、最小時間を出力する。
ビル内利用者制御部モデル11では、具体的に利用者の発生から、乗り場での利用者の動きを再現するため、機器によっての動作や、時間管理を行う。それらの動きは、エレベーター設備設定部4や、エレベーター仕様設定部5によって設定された機器や仕様に応じてエレベーター出力状況が変化し、利用者の動きは当該設定状況に応じて変化する。
それらの動きをフローチャートにて、以下、図2〜図12を用いてビルシミュレーター1の動作について説明する。
図2は、図1に示すビルシミュレーター1を構成するシミュレーション部10による利用者発生処理フローを示すフローチャートである。本処理では、シミュレーション部10によって更新されるシステム時間に従って利用者の発生処理を行う。
図2に示すように、ステップS11ではシステム時間と利用者の発生時間を比較し、発生時間と一致した場合、利用者を発生させる処理としてステップS12へ進む。一方、不一致の場合は、ステップS13へ進む。ここで利用者の発生時間は、事前に設定された利用者設定部2に基づいて作成された利用者データを使用する。利用者データは発生時間、利用者属性、歩行時間、発生階、或いは発生場所、更に目的階或いは目的場所によって構成され、これらのデータがシミュレーション対象の人数分作成される。
ステップS12では、利用者発生処理を実行する。利用者発生処理の詳細については図3にて後述する。発生処理が完了すると、ステップS13へ進む。
S122では、登録装置(行先階登録装置)が設置されているか否か判定する。登録装置が設置されてあれば、ステップS125に示す通り、行先階登録処理を実行する。なお、行先階登録処理の詳細については、図5にて後述する。一方、登録装置(行先階登録装置)が設置されてなければ、ステップS123へ進む。
図5に示すように、ステップS21では、利用者(自分)が0番目の整列者か否か判定する。すなわち、利用者(自分)が先頭に整列しているか判定する。利用者(自分)が先頭に整列している場合は行先階登録装置の使用許可、例えばゲート連動仕様である場合、ゲートへの操作が可能となり、行先階登録装置の場合、行先階の入力が可能となる。先頭であるかの確認はデータテーブルのテーブルNoを参照し、0番目であるか判定する。0番目の利用者であった場合、ステップS23に示す行先階登録処理を実行する。行先階登録処理の詳細は、図6を用いて後述する。行先階登録処理が完了するとステップS26へ進む。一方、ステップS21にて、0番目の利用者でなかった場合、ステップS22へ進む。
ステップS24では、待機処理を実行する。整列している利用者が存在し、目の前に利用者がいる状況のため、動作としては何もしないことを示し、テーブルNoの更新のみが実行される。完了すると、ステップS28へ進む。
ステップS26では、nを更新する。n=1であった場合、n=2(nを「1」だけインクリメント)とすることで、更新作業を実行する。更新作業が完了すると、ステップS28へ進む。
ステップS28では、nが待機利用者数よりも大きい値となっているか判定する。nが待機利用者数よりも大きい値である場合は終了し、nが待機利用者数以下である場合には利用者の中に待機利用者が存在することを意味するため、ステップS21へ戻る。
図6に示すように、ステップS231では、入力装置モデル12に対して、利用者属性情報及び行先階情報を登録する。これは通常、ゲート連動仕様である場合には、ゲートにかざすカードのIDに対して利用者の情報が関連付けされており、セキュリティ側から一般利用者或いは車椅子利用者又はVIP等の利用者属性情報である利用者情報、利用者の目的階がエレベーターモデル16側より送信される。但し、本シミュレーションにおいては、簡易的に処理するため、予め利用者のデータとして、利用者毎に利用者情報及び行先階情報を有しており、入力に必要なデータを、ビル内利用者制御部モデル11より入力装置モデル12に対して入力する。シミュレーション上では、入力装置モデル12が保有するメモリ上に必要な情報を格納することで、エレベーターモデル16側へのサービス要求の登録を完了する。入力が完了すると、ステップS232へ進む。
図7に示すように、ステップS2341では、一定時間経過したか判定する。通常の行先階予約システムであれば、行先階登録装置やゲート連動時、入力処理を実行した後、入力したが割り当てされなかった、或いは異常な表示がされた場合、利用者の動きとしては再度登録装置の入力を実施する。そのため入力してから何かしらデータが出力されるまで待つ行動が存在する。一定時間とは任意に決定することが可能であり、例えば、3秒程度で設定される。一定時間経過した場合、ステップS2342へ進み、一方、一定時間経過していない場合、そのまま待機するため、処理を終了する。
ステップS2342では、再度利用者属性及び行先階情報の登録(再登録処理)を実行する。ここでは、上述の図6のステップS231と同様、入力装置モデル12が保有するメモリ上に必要な入力情報を格納する。格納が完了すると、当該処理を終了する。
図8に示すように、ステップS2331では、乗り場出力装置モデル15により出力された割り当て号機情報を利用者データ側へ格納する。利用者のエレベーター乗車処理時に割り当て号機情報を利用するため、利用者毎に割り当て号機情報が保有できるようなデータ構成を用意する。
ステップS2332では、待機利用者情報から0番目の利用者情報を削除する。ここで削除するのは、利用者情報そのものでなく、整列を模擬するための行先階登録装置毎に作成されるデータテーブル中の利用者情報である。これは行先階登録装置の登録を実行した後、割り当て号機が付与されると利用者は割り当て号機に向かって歩行するため行先階登録装置前には整列しなくなる。本動作をシミュレーション上で模擬するため、整列用のデータテーブルから0番目の利用者情報を削除する。
ステップS2333では、登録完了時間を現在のシステム時間に更新する。本情報に基づいて、後述する総合評価にて本時間(登録完了時間=システム時間)を利用し、登録完了時間―利用者発生時間により、登録時間が算出可能となる。その後、ステップS2334に進み、乗り場歩行処理(0番目利用者情報)を実行する。乗り場歩行処理(0番目利用者情報)の詳細については、図9を用いて説明する。
図9に示すように、ステップS31では、登録した距離から乗り場(エレベーターホール)までの距離LHを取得する。距離情報は事前に行先階登録装置等の乗り場装置を設定した時点で、各号機との距離が設定されており、割り当て号機が決定した時点で、事前に設定された情報を取得するのみとなる。例えば、乗り場(エレベーターホール)のレイアウトを設定した際に、行先階登録装置等の乗り場装置の中心座標位置と各号機の中心位置の座標位置から距離を算出する。すなわち、エレベーター設備設定部4によって設定された時点で距離を自動で算出することが可能となる。割り当てられた号機情報に基づいて、設定された距離情報を利用者情報内に格納することで実現される。
ステップS32では、歩行速度からシステム時間単位の歩行距離を取得する。システム時間が100msec単位であった場合、100msec単位で歩行する距離をm単位で算出する。
また、他の方式としては厳密に利用者の移動状況を模擬する方式を用いても良い。すなわち、各利用者に対して占有サイズを決定し、利用者の行先階登録装置の位置から各号機までの最短の移動経路を作成する。そして作成された移動経路に従い利用者が移動を開始する。システム時間の更新に対応して上述した歩行距離を、利用者が移動経路に沿って移動する。そこで、目の前に人の滞留或いは障害物があり、他の移動経路上に利用者の占有サイズ分のスペースが存在するか判定する方式でも良い。スペースが存在する場合にはステップS332へ進み、スペースが存在しない場合にはステップS335へ進む。
ステップS334では、ペナルティ1として、余分に歩行する距離を歩行速度で除した値とする。これにより、余分に歩いた時間がペナルティ1として、利用者毎に蓄えることが可能となる。本ステップが終了すると、歩行判定処理を終了する。
ステップS335では、ステップS331により歩くスペースが存在しないと判定されたため、その場で利用者は滞留することとなる。ペナルティ2として、滞留している時間(滞留時間)とする。本ステップが終了すると、歩行判定処理を終了する。
ステップS35では、利用者の移動距離Lpsnを登録した距離から乗り場(エレベーターホール)までの距離LHと比較し、同一か否か判定する。すなわち、目的地に到着したか否かを判定する。判定の結果、利用者の移動距離Lpsnが登録した距離から乗り場(エレベーターホール)までの距離LHと同一であった場合には目的地に到着したと判定し、ステップS36のホール待機処理を実行し、その後ステップS37へと進む。ホール待機処理の詳細については図11を用いて後述する。一方、判定の結果、利用者の移動距離Lpsnが登録した距離から乗り場(エレベーターホール)までの距離LHと同一でなかった場合にはそのまま乗り場歩行処理を終了する。
ステップS37では、利用者データとして、ホール到着時間を更新する。ホール到着時間は、現在のシステム時間をそのまま格納することで、後程発生時間をホール到着時間から減算すると、乗り場移動時間が評価可能となる。以上により、乗り場歩行処理を終了する。
図11に示すように、ステップS361では、サービス階表示有りか否か(分割急行運転仕様有りか否か)判定する。これは、エレベーター設備設定部4によって設定されたか否かを判定する。例えば一つのバンク内に高層、低層のバンク分割を行った場合、乗り場(エレベーターホール)での利用者は自身の目的階をサービス可能なバンクを選択する。そのため、乗り場(エレベーターホール)に看板或いはサイン表示によるサービス階表示が設けられており、それらの情報を利用して、自身が利用するバンクを選択する。サービス階表示が有る場合にはステップS362へ進み、一方、サービス階表示がない場合にはステップS363へ進む。
ステップS363では、割当て号機が付与されているか確認する。割り当て号機が付与されている場合はステップS364へ進み、一方、割り当て号機が付与されていない場合はステップS367へ進む。
図12に示すように、ステップS41では、対象号機の対象方向のランタンは点滅したか否かを判定する。例えば、利用者が1号機を対象としている場合、乗り場階が4階、目的階が9階であった場合、上方向の移動方向となる。そのため、1号機が到着時上方向のドアは開かず、ランタンが点滅した状況を示す。ここで、2号機の到着時や、1号機の下方向のランタン点滅時は対象とならない。対象号機の対象方向のランタンが点滅している場合はステップS42へ進み、一方、対象号機の対象方向のランタンが点滅しなかった場合はS43へと進む。
ステップS43では、対象号機が戸開したか否か判定する。判定の結果、戸開した場合はS114へと進む。一方、戸閉状態のままの場合は整列待機処理を完了し、次回のシステム起動まで待機する。
ステップS44では、対象号機への乗車可能人数分乗車処理を行う。例えば、定員数が20名、既に乗車している人数が10名とする。定員に対する乗り込み率が80%であった場合、乗車可能人数は(20×0.8)―10によって算出され、6名となる。乗り場(エレベーターホール)で待機している利用者が6名以下であれば全員乗車可能となり、7名以上の場合、余った利用者は、図11に示したホール待機処理の再登録処理を実行する。
ステップS45では、乗車完了した場合、乗車時間として、現在のシステム時間を格納する。
以上により、利用者の乗り場(エレベーターホール)での評価時間として、発生時間、登録完了時間、乗り場(エレベーターホール)到着時間、乗車時間を格納する。格納されるこれらの時間を利用して、様々なシミュレーションの評価が可能となる。
例えば、上下式乗り場ボタンの場合、乗り場階から上方階へのサービス要求か、下方階へのサービス要求かのデータのため、利用者情報、発生階情報、及び目的階情報に基づいて、利用者毎に上方向への入力か下方向かを判定し、入力を行う。ここで入力とは、シミュレーター内に含まれる仮想メモリへの情報の格納であり、ビル内利用者制御部モデル11と入力装置モデル12との間の共有メモリによって構成される。
図13は、図1に示す表示部18の表示画面例であって、ゲート連動仕様のレイアウトとシミュレーション結果の表示例である。図13に示すように、表示画面20は、例えば、レイアウト(シミュレーション条件)を表示する第1の表示領域21、及び、シミュレーション結果である、例えば、無駄時間としての「滞留時間」及び「余分に歩行した時間」等を表示する第2の表示領域22から構成されている。なお、第2の表示領域22には、滞留時間」及び「余分に歩行した時間」に加え、上述の総合評価出力部17からの出力である、「エレベーター待ち時間」、「乗り場(エレベータホール)に到着してから目的階まで辿り着くまでのサービス完了時間」、或は、「最大待ち人数」等を表示するよう構成しても良い。
図13に示す表示画面例では、第1の表示領域21に表示されるレイアウト100に示されるように、ゲート設置位置が悪いレイアウトのシミュレーション状況を表している。エレベーター101が任意に設置され、ランタン102、乗り場行先階登録装置103が設置され、2号機に割り付けられた利用者104が待機している。6号機に割り付けられた利用者106がランタン108の点灯号機前に滞留している。このような条件が重なると、ゲート105を通過する利用者107は、6号機に割り付けられた利用者106によって移動可能なスペースが存在しなくなる。そのため、利用者107が増えると、ゲート105に登録できない利用者が増加し、エレベーター101はサービス可能号機が存在するにもかかわらず、登録までに要する時間が他のシミュレーション条件、仕様に比べて悪化する結果となり、当該評価結果が第2の表示領域22に表示される。
また、本実施例によれば、ビルシミュレーターを構成する表示部の画面上に、シミュレーション条件であるレイアウトが第1の表示領域21に表示され、当該レイアウトにてシミュレーションを実行した結果が第2の表示領域22に表示されることから、目視により容易にレイアウトのシミュレーション結果を把握することができ、各種用途のビルのレイアウトを事前に評価することが可能となる。
更にまた、本実施例によれば、過去の類似ビル仕様の現地計測データに基づいて時間帯毎の発生分布を設定することから、設置計画時点である程度将来ビル運用が開始された際の利用状況を模擬することが可能となる。
ステップS52では、利用者はエレベーターから降車し、降車時間を現在のシステム時間として仮想メモリ内に格納し、ステップS53へ進む。
ステップS53では、目的階にてエレベーターから降車した利用者の目的位置歩行処理を実行し、処理を終了する。目的位置歩行処理の詳細については、図21を用いて後述する。
ステップS55では、エレベーターの乗りかごの後ろに乗車している利用者が降車可能となるよう、エレベーターの乗りかごの前側(かご戸側)に位置する利用者は一時的に降車し、ステップS56へ進む。ステップS56では、降車する利用者がいなくなったか否かを判定し、判定の結果、当該階床(フロア)にて降車する利用者がいなくなった場合には処理を終了する。一方、当該階床(フロア)にて降車する利用者が存在する場合にはステップS56の処理を繰り返し実行する。
図21に示すように、ステップS531では、降車位置から目的位置までの距離LDを取得する。降車位置から目的位置までの距離LDは、事前に利用者設定部2により設定された利用者属性情報及びビル情報設定部3により設定された降車位置のフロアのレイアウトに基づき、ビルが仮にオフィスビルの場合は当該利用者のオフィスが目的位置として抽出され、ビルが仮にマンションの場合には、利用者が居住する部屋が目的位置として抽出される。また、降車位置については、上述の実施例1と同様に事前に行先階登録装置等の乗り場装置を設定した時点で各号機の位置が取得されることから距離LDは算出される。
ステップS533では、歩行判定処理を実行する。ここでの歩行判定処理は上述の実施例1において図10を用いて説明した処理と同様であり、ステップS331における利用者の歩くスペース及びステップS332における歩行方向に対してのスペースは、それぞれ、降車位置から目的位置までの移動経路上のスペースとなる。
ステップS535では、利用者の移動距離Lpsnを降車位置から目的位置までの距離LDと比較し、同一か否か判定する。すなわち、利用者が目的位置に到着したか否かを判定する。判定の結果、利用者の移動距離Lpsnが降車位置から目的位置までの距離LDと同一であった場合には目的地に到着したと判定し、ステップS536へ進む。一方、判定の結果、利用者の移動距離Lpsnが降車位置から目的位置までの距離LDと同一でなかった場合にはそのまま処理を終了する。
ステップS536では、利用者データとして、目的位置到着時間を更新する。目的位置到着時間は、現在のシステム時間をそのまま格納する。
[0004]
しかしながら特許部文献1に記載されるシミュレーターでは、設備の設定による影響度を評価できたとしても、エレベーター設備に関する仕様に係る利用者への影響度の評価や、利用者の動線に関する評価については考慮されていない。そのため、ビル設備の設置計画時に充分な検討が必要なため、設置計画の作成(策定)に多大な時間を要することになる。また、検討が不十分な場合、利用者の使い勝手が悪化する利用シーンが存在し、ビル内に警備員などの案内を実施するなど運用面でカバーするなど、不要な人件費を要することが懸念される。
そこで、本発明は、エレベーター設備による利用者への影響度の評価並びに利用者の動線に関する評価を可能とし、各種用途のビルを好適にシミュレーション可能なビルシミュレーター及びビルシミュレーション方法を提供する。
課題を解決するための手段
[0005]
上記課題を解決するため、本発明に係るビルシミュレーターは、設定されるビル内の少なくともレイアウトを含むビル仕様と、設定されるエレベーター設備の少なくとも仕様及び前記レイアウト上の設置位置を含むエレベーター情報と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報を含む利用者情報と、に基づき、前記エレベーター設備が設置された前記レイアウトを評価するシミュレーション部を備え、前記シミュレーション部は、前記エレベーター設備の前記仕様に応じた前記利用者の動きを制御するビル内利用者制御部モデルを少なくとも含み、前記エレベーター設備は、前記利用者によってサービス要求が行われる入力装置、又は、前記利用者案内を行う出力装置であることを特徴とする。
また、本発明に係るビルシミュレーション方法は、少なくともシミュレーション部を有しビルの評価を行うビルシミュレーション方法であって、設定されるビル内の少なくともレイアウトを含むビル仕様と、設定されるエレベーター設備の少なくとも仕様及び前記レイアウト上の設置位置を含むエレベーター情報と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報を含む利用者情報と、に基づき、前記エレベーター設備が設置された前記レイアウトをシミュレーションにより評価し、前記シミュレーション部は、前記エレベーター設備の前記仕様に応じた前記利用者の動きを制御するビル内利用者制御部モデルを少なくとも含み、前記エレベーター設備は、前記利用者によってサービス要求が行われる入力装置、又は、前記利用者案内を行う出力装置であることを特徴とする。
Claims (14)
- 設定されるビル内の少なくともレイアウトを含むビル仕様と、
設定されるエレベーター設備の少なくとも仕様を含むエレベーター情報と、
前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報を含む利用者情報と、に基づき、ビル内を移動する利用者の動線が変化する条件において、少なくとも前記レイアウトを評価するシミュレーション部を備えることを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項1に記載のビルシミュレーターにおいて、
前記シミュレーション部は、
前記ビル仕様と前記エレベーター情報と前記利用者情報とに基づき、前記利用者がビルに入ってから前記エレベーター設備を利用し前記ビル内の目的位置に到達するまでに要する時間をシミュレーションし、当該シミュレーションの結果に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項2に記載のビルシミュレーターにおいて、
少なくとも階床及び前記レイアウトを含むビル仕様を設定するビル情報設定部と、
前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報と、利用者がエレベーターホールへ入り込む階床を設定する発生階と、エレベーターの利用に伴い目的の階床を設定する目的階とを設定する利用者設定部と、を有することを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項3に記載のビルシミュレーターにおいて、
前記シミュレーション部は、
前記ビル情報設定部により設定された情報及び前記利用者設定部により設定された情報に基づき、エレベーターホール入口付近のエレベーター待ち人数が所定の閾値を超えた場合、エレベーターホール内で所望のエレベーター号機前に利用者が到達する時間をシミュレーションにより余分歩行時間として求め、当該求めた余分歩行時間に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項3に記載のビルシミュレーターにおいて、
前記シミュレーション部は、
前記ビル情報設定部により設定された情報及び前記利用者設定部により設定された情報に基づき、所望のエレベーター号機の方向にエレベーターホール内で利用者が歩行可能なスペースが存在しない場合、シミュレーションにより利用者の滞留時間を求め、当該求めた滞留時間に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項3に記載のビルシミュレーターにおいて、
前記シミュレーション部は、
前記ビル仕様と類似するビル仕様を有するビルの過去の計測データ及び前記利用者設定部により設定された情報に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項6に記載のビルシミュレーターにおいて、
前記ビル仕様と類似するビル仕様を有するビルは、少なくともビルの用途の一致、及びビルの階床数並びにエレベーター設置規模がシミュレーションの対象となるビルと所定の誤差以内のビルであることを特徴とするビルシミュレーター。 - 請求項4乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のビルシミュレーターにおいて、
表示部を備え、
前記表示部の表示画面は、シミュレーション条件であるビルのレイアウトを表示する第1の表示領域と、前記第1の表示領域に表示されるレイアウトのシミュレーション結果を表示する第2の表示領域と、を有することを特徴とするビルシミュレーター。 - 少なくともシミュレーション部を有しビルの評価を行うビルシミュレーション方法であって、
設定されるビル内の少なくともレイアウトを含むビル仕様と、設定されるエレベーター設備の少なくとも仕様を含むエレベーター情報と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報を含む利用者情報と、に基づき、ビル内を移動する利用者の動線が変化する条件において、少なくとも前記レイアウトをシミュレーションにより評価することを特徴とするビルシミュレーション方法。 - 請求項9に記載のビルシミュレーション方法において、
前記ビル仕様と前記エレベーター情報と前記利用者情報とに基づき、前記利用者がビルに入ってから前記エレベーター設備を利用し前記ビル内の目的位置に到達するまでに要する時間をシミュレーションし、当該シミュレーションの結果に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーション方法。 - 請求項10に記載のビルシミュレーション方法において、
設定される少なくとも階床及び前記レイアウトを含むビル仕様と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報と、利用者がエレベーターホールへ入り込む階床を設定する発生階と、エレベーターの利用に伴い目的の階床を設定する目的階とに基づき、エレベーターホール入口付近のエレベーター待ち人数が所定の閾値を超えた場合、エレベーターホール内で所望のエレベーター号機前に利用者が到達する時間をシミュレーションにより余分歩行時間として求め、当該求めた余分歩行時間に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーション方法。 - 請求項10に記載のビルシミュレーション方法において、
設定される少なくとも階床及び前記レイアウトを含むビル仕様と、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報と、利用者がエレベーターホールへ入り込む階床を設定する発生階と、エレベーターの利用に伴い目的の階床を設定する目的階とに基づき、所望のエレベーター号機の方向にエレベーターホール内で利用者が歩行可能なスペースが存在しない場合、シミュレーションにより利用者の滞留時間を求め、当該求めた滞留時間に基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーション方法。 - 請求項10に記載のビルシミュレーション方法において、
前記ビル仕様と類似するビル仕様を有するビルの過去の計測データと、前記ビル内に設置される各種設備を利用する利用者の少なくとも属性情報と、利用者がエレベーターホールへ入り込む階床を設定する発生階と、エレベーターの利用に伴い目的の階床を設定する目的階とに基づき、少なくとも前記レイアウトを評価することを特徴とするビルシミュレーション方法。 - 請求項13に記載のビルシミュレーション方法において、
前記ビル仕様と類似するビル仕様を有するビルは、少なくともビルの用途の一致、及びビルの階床数並びにエレベーター設置規模がシミュレーションの対象となるビルと所定の誤差以内のビルであることを特徴とするビルシミュレーション方法。
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