JP7379270B2 - レイアウト支援装置、レイアウト支援方法およびプログラム - Google Patents

レイアウト支援装置、レイアウト支援方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、レイアウト支援装置、レイアウト支援方法およびプログラムに関する。
コンピュータシミュレーションにより、人の流れ、滞留、混雑度等の、人の分布を示す指標を算出することが可能になってきている。この技術を応用し、シミュレートされた人の分布に基づいて、オフィスや店舗、ショッピングモール等における什器のレイアウトを算出することが試みられている。
また、フロアを利用する人の属性に応じて、そのフロアに設置する什器のレイアウトを決定することも考えられている。例えば、フロアを利用する人の人数や体格などに応じて、そのフロアに設置する什器の種類や数、配置等を決定する技術が知られている。
特許第6240563号明細書 特開2019-75076号公報
既存の技術では、主に人の数やサイズに着目して、必要数の人を収容できることを主眼として什器のレイアウトが決定された。このため実際の運用において、フロアの効率的な運用という観点では工夫の余地がある。また、レイアウトは意匠という側面を持つことにも配慮する必要がある。つまり、決定されたレイアウトは意匠性を求めるものなのか、あるいは既に登録済の意匠に抵触しているかどうかが判りにくかったので、人による確認作業が求められた。
そこで、目的は、実際の運用に適するフロアレイアウトと、意匠に関する情報とを提示することのできるレイアウト支援装置、レイアウト支援方法およびプログラムを提供することにある。
実施形態によれば、レイアウト支援装置は、評価指標算出部と、運用条件判定部と、意匠類似度判定部とを具備する。評価指標算出部は、対象エリアのフロアレイアウトごとに、対象エリアの運用に関する評価指標の値を算出する。運用条件判定部は、対象エリアの運用に関する運用条件が満たされるか否かを、評価指標の値に基づいてフロアレイアウトごとに判定する。意匠類似度判定部は、運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて類似意匠の有無を判定する。
図1は、実施形態に係わるレイアウト支援装置について説明するための図である。 図2は、レイアウト支援装置1の一例を示す機能ブロック図である。 図3Aは、レイアウト支援装置1により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。 図3Bは、レイアウト支援装置1により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、実施形態における推定ルールの一例を示す図である。 図5は、実施形態における推定ルールの一例を示す図である。 図6は、実施形態における分布推定処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施形態において対象フロア内に設定される滞在エリアの一例を示す図である。 図8は、実施形態において目的地関数が決定する目的地の一例を示す図である。 図9は、実施形態における根拠情報の出力例を示す図である。 図10は、実施形態におけるフロアレイアウトの一例を示す図である。 図11は、実施形態におけるフロアレイアウトの一例を示す図である。 図12は、実施形態におけるフロアレイアウトの一例を示す図である。 図13は、実施形態においてフロアレイアウトについて推定される分布情報の一例を示す図である。 図14は、実施形態においてフロアレイアウトについて推定される分布情報の一例を示す図である。 図15は、図3BのステップS111における処理手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、類似度判定項目の表の例を示す図である。 図17は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例1を示す図である。 図18は、具体例1において意匠性類似度検索で検出された場合の結果の表を示す図である。 図19は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例2を示す図である。 図20は、具体例2において意匠性類似度検索で検出された場合の結果の表を示す図である。 図21は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例2に意匠性情報を記載した例を示す図である。 図22は、図22は、実施形態に係わるレイアウト支援システムの一例を示す図である。 図23は、ビル300内のフロアの一例を示す図である。
以下、実施形態のレイアウト支援装置、レイアウト支援方法、およびプログラムについて、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係わるレイアウト支援装置について説明するための図である。レイアウト支援装置1は、対象フロアにおける什器のレイアウトの決定を支援する機能を有する。例えば、レイアウト支援装置1は、与えられた複数のフロアレイアウトのうちから、対象フロアに関する運用条件を満たすフロアレイアウトを選択する。
フロアレイアウトは、対象フロアにおける什器の配置を示す情報であり、対象フロアに関して予め用意しておくことができる。例えばテーブルや椅子、パーティションなどを、什器の一例として挙げることができる。
運用条件は、対象フロアの運用において満たされるべき条件であり、その対象フロアに関して定められる情報である。運用条件は、例えば人の分布に関する条件を表す。人の分布に関する条件の例として、人の密度(混雑度とも称する)や滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無等に関する条件を挙げることができる。
因みに、混雑度、滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無、人の在不在、人流データなどの情報は、画像センサを用いて取得することができる。また、人の分布に関する条件は、フロアレイアウトにより変動し得る。
フロアの利用者にとっては、一般に、混雑度が低いほど快適である。このため、利用者の快適性を重視するフロアに対しては、例えば、混雑度を所定の閾値以下にするといった運用条件を設定することが考えられる。
フロアの運用者にとっては、混雑度が過度に低い場所と混雑度が過度に高い場所とが混在している状況は、フロアの運用効率のうえから、一般に好ましくない。このため、このような場合には、対象フロア内の混雑度を所定の上限値以下かつ下限値以上にするといった運用条件を設定することが考えられる。
また、フロアにおける人の分布の特性は、フロアの用途や目的によって一般に異なることが多い。例えば、対象フロアがフードコートである場合、利用者の快適性を確保しつつ運用効率を高めるためには、人の移動ができるだけ妨げられないようにすることが重要となる。そこで、例えば、混雑度が高い場所における人の滞留時間を所定時間以下としたり、それ以外の場所における人の流れを所定の速度以上にしたりするといった運用条件を設定することが考えられる。また、この場合、人が混雑する時間帯と、それ以外の時間帯とで異なる運用条件を設定することも考えられる。このように運用条件は、対象フロアの用途や目的に応じて任意に設定されてよい。
レイアウト支援装置1は、このように設定される運用条件に基づき、与えられた1つ以上のフロアレイアウトのそれぞれについて、運用条件を満たしているか否かを判定する。すなわち、レイアウト支援装置1は、それぞれのフロアレイアウトのもとで対象フロアを運用した場合における人の分布の変化をフロアレイアウトごとに推定する。そして、その推定結果に基づいて、レイアウト支援装置1は、運用条件を判定するための評価指標を各フロアレイアウトについて算出する。
また、レイアウト支援装置1は、与えられた各フロアレイアウトのうち、評価指標が運用条件を満たすものを処理結果として出力する。このようにして選択されたフロアレイアウトがユーザに提示されることにより、ユーザは、対象フロアの実際の運用状況により適したフロアレイアウトで対象エリアを運用することが可能となる。このような効果を奏する実施形態のレイアウト支援装置1について、以下に詳しく説明する。
図2は、レイアウト支援装置1の一例を示す機能ブロック図である。レイアウト支援装置1は、プログラム11aを記憶する記憶部11と、プログラム11aを実行するプロセッサ19とを備える。つまりレイアウト支援装置1はコンピュータであり、内部バスや補助記憶装置、通信インタフェース(図示せず)なども備える。実施形態ではさらに、レイアウト支援装置1は、意匠性照合用データベース17を備える。
プロセッサ19は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理ユニットである。プロセッサ19は、処理機能として、フロアレイアウト入力部101、運用条件入力部102、初期条件入力部103、記憶部11、分布推定部12、評価指標算出部13、運用条件判定部14、1次判定結果出力部15、意匠類似度判定部16、および、2次判定結果出力部18を備える。これらの機能ブロックは、プログラム11aに基づくプロセッサ19の計算処理により、実現される。プログラム11aは、レイアウト支援装置1を、フロアレイアウト入力部101、運用条件入力部102、初期条件入力部103、記憶部11、分布推定部12、評価指標算出部13、運用条件判定部14、1次判定結果出力部15、意匠類似度判定部16、および、2次判定結果出力部18として機能させるための命令を含む。
図2において、フロアレイアウト入力部101は、予め定められた1つ以上のフロアレイアウトを入力する機能を有する。フロアレイアウト入力部101は、入力されたフロアレイアウトを分布推定部12に出力する。
運用条件入力部102は、対象フロアの運用に関する運用条件を入力する機能を有する。運用条件入力部102は、入力された運用条件を示す情報を運用条件判定部14に出力する。
初期条件入力部103は、対象フロアにおける人の分布の変化を推定する際の初期条件を入力する機能を有する。初期条件入力部103は、入力された初期条件を示す情報を分布推定部12に出力する。
ここで、フロアレイアウト入力部101、運用条件入力部102、および初期条件入力部103は、例えばタッチパネル、マウス、およびキーボード等の入力装置を用いて各情報を入力するように構成される。あるいは、フロアレイアウト入力部101、運用条件入力部102、および初期条件入力部103は、例えば通信インタフェースを用いて構成され、外部の通信装置(図示せず)から各情報を取得するように構成されてもよい。取得されたフロアレイアウト、運用条件、初期条件は記憶部11に記憶される。
記憶部11は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶デバイスを備えて構成される。記憶部11は、プログラム11a、および推定パラメータ11bを記憶する。推定パラメータ11bは、分布推定モデルを構築するための各種のパラメータである。
分布推定モデルは、対象フロアにおける人の分布の変化を分布推定部12が推定する際に用いられる、計算モデルである。例えば、推定パラメータ11bは、分布推定モデルにおいて用いられる目的地関数や初期条件、各種閾値などである。
分布推定部12は、レイアウト支援装置1に入力されたフロアレイアウト、および初期条件を分布推定モデルに適用して、対象フロアにおける人の分布の変化を推定する機能を有する。分布推定モデルは、対象フロアにおける人の分布の変化を求めることができるものであればどのようなモデルが用いられてもよい。以下では、分布推定モデルとしてセルオートマトンを用いる場合について説明する。
セルオートマトンは、対象領域を複数のセルに分割し、各時刻における各セルの状態を注目セルの状態が周辺セルの影響により次の時刻にどのような状態になるか、所定のルールで定めていくことにより対象全体の状態を推定する方法である。実施形態では、対象フロアを、セルオートマトンの対象領域(対象エリア)とし、各セルの状態を人および障害物の有無で表す。分布推定部12は、このような推定処理の実行により、各セルにおける人の有無を時系列に示す情報(以下、分布情報と称する)を取得する。取得された分布情報は、評価指標算出部13に出力される。
評価指標算出部13は、対象フロアの各フロアレイアウトについて取得された分布情報に基づいて、その分布情報を得られたフロアレイアウトの運用に関する評価指標を算出する。例えば、評価指標算出部13は対象フロアにおける人の密度(以下「混雑度」という。)や滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無等が、評価指標として算出される。評価指標算出部13は、算出した評価指標の値を運用条件判定部14に出力する。
運用条件判定部14は、各フロアレイアウトについて算出された評価指標の値と、対象フロアの運用条件とに基づいて、各フロアレイアウトが運用条件を満たしているか否かを判定する。運用条件判定部14は、運用条件を満たすと判定したフロアレイアウト(以下、合格レイアウトと称する)を、1次判定結果出力部15に出力する。
1次判定結果出力部15は、運用条件判定部14から出力された合格レイアウトを出力し、ユーザに提示する。例えば、1次判定結果出力部15は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成され、これらの表示装置に合格レイアウトを表示させる。あるいは、1次判定結果出力部15に通信インタフェースの機能を実装し、合格レイアウトを他の通信装置に送信してもよい。
1次判定結果出力部15から出力されるレイアウト情報は、意匠類似度判定部16に渡されて、意匠類似度を判定される。意匠類似度判定部16は、意匠性照合用データベース17にアクセスし、対象とするレイアウト情報と、類似のレイアウトの有無を判定する。判定方法の詳細は後述する。意匠類似度の判定結果は、2次判定結果出力部18に渡される。
2次判定結果出力部18は、1次判定結果出力部15の出力に意匠類似度を加味して、レイアウトおよび意匠情報を提示する。表示方法は、1次判定結果出力部15に準じてよい。
図3Aおよび図3Bは、レイアウト支援装置1により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、レイアウト支援装置1が、与えられた複数のフロアレイアウトから合格レイアウトを識別する処理手順を示す。
図3Aにおいて、まず、分布推定部12は、分布推定モデルを構築する(ステップS101)。具体的には、分布推定部12は、記憶部11から推定パラメータ11bを読み出し、読み出した推定パラメータの値をセルオートマトンに適用することによって分布推定モデルを構築する。
次に、フロアレイアウト入力部101は、対象フロアについて予め定められたフロアレイアウトを入力する(ステップS102)。また、運用条件入力部102が、対象フロアの運用条件を入力する(ステップS103)。
ここで入力されるフロアレイアウトは、セルオートマトンに基づく分布推定モデルを適用することができるように、対象フロアをセルの集合として表すデータとして入力される。この場合、フロアレイアウトは、対象フロアを構成する各セルに、そのセルの属性を付与したデータとして表される。例えば、各セルには、そのセルに人が移動することのできるか否かを表す属性が付与される。この属性は、対象フロアにおける人の分布情報を推定する際に、人の移動を制約する条件の1つとして参照される。
フロアレイアウト入力部101は、入力したフロアレイアウトを分布推定部12に出力する。また、ここで入力される運用条件は、フロアレイアウトごとの運用条件であってもよいし、各フロアレイアウトに共通の運用条件であってもよい。
次に、初期条件入力部103は、分布推定モデルに与える初期条件を入力する(ステップS104)。初期条件は、分布推定モデルに対し、例えば対象フロアに入場する人の識別情報と、その初期位置とを与えるための情報である。例えば、対象フロアが開場した時点以降における人の分布の変化を求める場合、初期時刻において対象フロアに入場する全ての人の初期位置を対象フロアの入口に設定することができる。
一方、初期時刻よりも後の時刻で対象フロアに入場する人を想定する場合、初期時刻から入場時刻までの間、その人の位置を対象フロアの入口に固定するようにしてもよい。初期条件入力部103は、入力した初期条件を分布推定部12に出力する。
次に、分布推定部12は、フロアレイアウト入力部101により入力された1つ以上のフロアレイアウトから1つのフロアレイアウトを選択し、選択したフロアレイアウトと初期条件とを、ステップS101で構築した分布推定モデルに適用する。これにより、分布推定部12は、選択したフロアレイアウトで対象フロアを運用した場合における、人の分布の変化を推定する(ステップS105:分布推定処理)。
具体的には、分布推定部12は、セルオートマトンの考え方に基づき、ある時刻tにおける注目セルの状態量と周辺セルの状態量に基づいて、その次の時刻t+1における注目セルの状態量を決定する。例えば、各セルにおける人や障害物の有無を示す値を、状態量として採用できる。この場合、例えば、人も障害物も存在しないことを表す“0”と、人が存在することを表す“1”、または人の通行を妨げる建築物の柱や壁、あるいは設置したテーブルやパーティションなどの什器を表す“2”のいずれかにより状態量を表すことができる。通常、これらの障害物は、移動せず、時間が経っても同じセル座標にある。分布推定部12は、全ての時刻の全てのセルについて“0”、“1”又は“2”の状態量を順次決定することとで、対象フロアの分布情報を得ることができる。
ここで、注目セルの状態量と周辺セルの状態量に基づいて次の時刻の注目セルの状態量をどのように決定するかは、セルオートマトンに適用するルール(以下、推定ルールと称する)として予め設定される。推定ルールは、例えば推定パラメータの1つとして予め記憶部11に記憶されてよい。
図4、および図5を参照して推定ルールについて説明する。ここでは簡単のため3×3のセルを用いて推定ルールを説明する。3×3のセルの外側に付した1~3の数値は各セルを識別するための数値である。例えば図4(A)の例では、人が存在するセルをセル(2,3)と表すことにする。ここで、図4は、以下の推定ルールに基づく人の移動の例を示す。
(ルール1)人は、目的地関数によって定められる目的地に移動する。
目的地関数は、各セルに存在する人について目的地を決定する関数であり、滞在エリアごとに異なる関数として与えられる。滞在エリアは、対象フロア内に設定される複数の領域であり、用途や目的に応じて定められた領域である。すなわち目的地に到達した人はその滞在エリアでの目的を達成したことになるため、目的地関数は目的地に到達した人については、その人が存在している滞在エリアとは異なる滞在エリアを次のとして決定するものとする。
なお、目的地に到達した人はある程度の時間その目的地にとどまることも考えられるので、目的地に到達した人に対しては、到達から所定時間後に次の目的地を与えるように、目的地関数を定義してもよい。ここで、図4、および図5は、同じ滞在エリア内のセルを表し、各セルには同じ目的地関数が適用されるものとする。すなわち、図4、および図5の例においては、目的地関数により、全てのセルについて図の実線矢印方向に目的地が決定されるものとする。
(ルール2)人は等速で移動する。
簡単のため、人は、対象フロアを等速で移動するものとする。このルール2に従えば、図4および図5において、ある時刻tから次の時刻t+1になったときに、人が1セルだけ移動するように設定される。ただし、人の移動速度は、目的地や対象フロアの状況に応じて変化することも考えられる。このことを考慮する場合、目的地関数は、各セルに存在する人について目的地とともに、その目的地に向かう移動速度とを決定する関数として定義されてもよい。図4および図5に関する以下の説明では、障害物や人により目的地への移動が妨げられたとき、3x3のセル内での回避方法が明確な場合に限り、次の時刻t+1で2セルまで移動可能に拡張したルール2として記述している。これは、回避方法がはっきりしているときには、慌てて障害物や人を避け、停滞せずに前に進むという人の動きに相当する。
(ルール3)目的地方向に他の人が存在している場合、人はその場にとどまる。
(ルール4)目的地方向に什器等の障害物や他の人が存在している場合、人はそれを迂回するいずれかの方向に移動する。例えば図4(E)の破線矢印は、迂回が必要な場合に選択される移動方向を表す。
さて、図4(A)においては、人Aが存在するセル(2,3)から見て進行方向に隣接するセル(2,2)には他の人が存在していない。そのため、ある時刻tにおいて図4(A)のセル(2,3)に存在する人Aは、その次の時刻t+1において図4(B)に示すようにセル(2,2)に移動していると推定される。
図4(C)においては、人Aが存在するセル(2,3)から見て進行方向に隣接するセル(2,2)に、他の人Bが存在している。一方、人Bが存在するセル(2,2)から見て進行方向に隣接するセル(2,1)には他の人が存在していない。そのため、時刻tにおいて図4(C)のセル(2,3)に存在する人Aは、図4(D)に示すようにその次の時刻t+1においてもセル(2,3)にとどまっていると推定される。一方、時刻tにおいて図4(C)のセル(2,2)に存在する人Bは、その次の時刻t+1において図4(D)に示すようにセル(2,1)に移動していると推定される。
図4(E)においては、人Aが存在するセル(2,3)から見て進行方向に隣接するセル(2,2)に、他の人Bが存在している。一方、人Bが存在するセル(2,2)から見て進行方向に隣接するセル(2,1)には障害物([障]で示す)が存在している。このため、時刻tにおいて図4(E)のセル(2,3)に存在する人Aは、図4(F)に示すように、その次の時刻t+1においてもセル(2,3)にとどまっていると推定される。一方、時刻tにおいて図4(E)のセル(2,2)に存在する人Bは、図4(F)に示すように、その次の時刻t+1においては障害物を迂回するために例えばセル(3,2)に移動していると推定される。ここで、障害物を迂回する方向が複数存在する場合、移動方向をいずれかの方向に固定してもよいし、ランダムに方向を選択するようにしてもよい。
図5は、図4の場合と同様の推定ルールに基づき移動する人の、他の移動例を示す。すなわち、図5における人の目的地は図4と同様に、目的地関数によって図の実線矢印方向に存在すると決定される。この場合、図5(A)においては、セル(2,3)に存在する人Aの目的地方向に隣接するセル(2,2)に障害物が存在するため、人Aはそれを回避するためにいずれかの破線矢印方向に移動した後、実線矢印の目的地方向に移動する。その結果、人Aはセル(2,3)からセル(1,2)又はセル(3,2)に移動すると推定される。
また、図5(B)においては、セル(2,3)に存在する人Aの目的地方向に隣接するセル(2,2)と、それに隣接するセル(3,2)とに障害物が存在する。この場合、人Aはセル(2,2)の障害物を回避するためにセル(3,3)に移動したとしても、移動先のセルから見て目的地方向のセル(3,2)にも障害物が存在するため元のセル(2,3)に戻るしかなくなる。このため、このように障害物が隣接して存在している場合には、人Aは障害物が隣接していない方向(破線矢印方向)に移動した後、実線矢印の目的地方向に移動する。その結果、人Aはセル(2,3)からセル(1,2)に移動すると推定される。
また、図5(C)においては、セル(2,3)に存在する人Aの目的地方向に隣接するセル(2,2)に障害物が存在し、その障害物に隣接するセル(1,2)に他の人Bが存在する。この場合、人Aはセル(2,2)の障害物を回避するためセル(1,3)に移動したとしても、移動先のセルから見て目的地方向のセル(1,2)に他の人Bが存在する。よって人Aは、移動したセル(1,3)にとどまることしかできなくなってしまう。このように、障害物や他の人が隣接して存在している場合には、人Aは障害物や他の人Bが隣接していない方向(破線矢印方向)に移動した後、実線矢印の目的地方向に移動する。その結果、人Aはセル(2,3)からセル(3,2)に移動すると推定される。
また、図5(D)においては、セル(2,3)に存在する人Aの目的地方向に隣接するセル(2,2)に障害物が存在し、その障害物に隣接するセル(1,2)、およびセル(3,2)にも障害物が存在する。この場合、人Aはどの方向に移動しても目的地方向に障害物が存在する。このため、このように移動先のセルから目的地方向に移動する経路が存在しない場合には、人Aは現在地であるセル(2,3)にとどまるか、隣接するセル(1,3)又はセル(3,3)に移動すると推定される。このうち、どのセルに移動するかは所定のルールに基づいて決定されてもよいし、ランダムに選択されてもよい。例えば、移動先のセルはより目的地に近い方が選択されてもよい。複数の移動経路があり、どの経路を通るかは、記載した他の一連の条件に優先して、目的地に近い方を選択するとしてもよい。
また、図5(E)においては、図5(D)と同様にセル(1,2)、セル(2,2)、セル(3,2)に他の人B、人C、人Dが存在している。この場合、図5(D)の場合とは異なり、人B、人C、人Dが移動する可能性があるので、人Aから目的地方向への経路が開ける可能性がある。このため、このような場合には、人Aは所定時間の間は現在地であるセル(3,2)にとどまり、所定時間の間に目的地方向への経路が開けた場合には目的地方向に移動すると推定される。また、人Aは所定時間の間に目的地方向への経路が開けなかった場合には移動可能なセル(1,3)又はセル(3,3)に移動すると推定される。斜線で網掛けした矢印は人Aが所定時間の待機の後に移動する方向であることを表している。ただし、このような状況において、人Aは目的地方向への経路が開けるまで現在地にとどまると推定しても十分な場合もある。この場合、図5(F)のようにセル(3,2)に存在する人Aは次の時刻においてもセル(3,2)に存在していると推定されてもよい。
図4、図5で説明したように、分布推定部12は、推定ルールに基づいて各セルの各時刻における状態量を決定することにより対象フロアの分布情報を取得し、取得した分布情報を評価指標算出部13に出力する。なお、説明した推定ルールは一例であり、各セルの状態量をどのように決定するかは対象フロアの用途や性質等に応じて任意に決定されてよい。
図3Aに戻って説明を続ける。次に、評価指標算出部13は、処理対象のフロアレイアウトについて取得された分布情報に基づいて、その分布情報の得られたフロアレイアウトの運用に関する評価指標を算出する(ステップS106)。評価指標算出部13は、算出した評価指標の値を運用条件判定部14に出力する。
次に、運用条件判定部14は、処理対象のフロアレイアウトについて算出された評価指標の値と、ステップS103で入力された運用条件とに基づいて、処理対象のフロアレイアウトが運用条件を満たすか否かを判定する(ステップS107)。運用条件判定部14は、運用条件の判定結果に基づいて処理対象のフロアレイアウトが合格レイアウトであるか否かを判定する(ステップS108)。具体的には、運用条件判定部14は、処理対象のフロアレイアウトについて取得された評価指標の値が、与えられた全ての運用条件を満たすならば、処理対象のフロアレイアウトは合格レイアウトであると判定する。一方、処理対象のフロアレイアウトについて取得された評価指標の値が、いずれかの運用条件を満たさないならば、処理対象のフロアレイアウトは合格レイアウトでないと判定される。
ここで、処理対象のフロアレイアウトが合格レイアウトであると判定した場合(ステップS108でYES)、運用条件判定部14はその合格レイアウトを1次判定結果出力部15に出力し(ステップS109)、処理手順はステップS110に進む。一方、処理対象のフロアレイアウトが合格レイアウトでないと判定した場合(ステップS108でNO)、運用条件判定部14は合格レイアウトの出力を行うことなくステップS110に処理を進める。
次に、運用条件判定部14は、ステップS102において入力した全てのフロアレイアウトについて合格レイアウトか否かの判定処理を行ったか否かを判定する(ステップS110)。未処理のフロアレイアウトが残っていれば(ステップS110でNO)、運用条件判定部14は処理をステップS105に戻す。この場合、分布推定部12は未処理のフロアレイアウトのうちからいずれか1つのフロアレイアウトを選択して分布推定処理を実行する。
一方、全てのフロアレイアウトが処理済みになれば(ステップS110でYES)、運用条件判定部14は、1次判定結果を得て、処理手順は図3BのステップS111に移る。
図3Bにおいて、意匠類似度判定部16は、意匠性照合用データベースの検索/類似度計算を実施する(ステップS111)。1次判定にパスした合格レイアウトを、1次合格レイアウトと称する。意匠類似度判定部16は、1次合格レイアウトと類似のレイアウトを、意匠性照合用データベース17にアクセスして検索し、判定する。意匠性照合用データベース17は、意匠情報を収集したデータベースとして構築してもよい。あるいは、Webブラウザにより収集した画像/イラスト情報等をデータベースとして利用してもよい。
次に、意匠類似度判定部16は、1次合格レイアウトの意匠判定がOKか否かを判定する(ステップS113)。判定方法の詳細は後述される。判定の結果、YES、すなわち意匠判定により、類似意匠が無いと判定されれば(ステップS113でYES)、合格となり、処理手順はステップS114に移る。
意匠類似度判定部16は、判定結果を2次判定結果出力部18に渡し、2次合格レイアウトとして出力する(ステップS114)。一方、ステップS113で類似意匠が見つかれば(ステップS113でNO)、処理手順はステップS115に移る。意匠類似度判定部16は、1次合格レイアウトを、要意匠性改善レイアウトとして要留意の意匠があることを明示したうえで、出力する(ステップS115)。出力の方法は、例えば出力するレイアウトの優先度を変える、出力するレイアウトにマーキングを行い、得られたレイアウトが意匠上の類似例があるか否かがわかるようにする、あるいはリスト表示順を変更するなどの方法がある。マーキングの例については後述される。
図6は、図3AのステップS105の処理(分布推定処理)の一例を示すフローチャートである。まず、分布推定部12は、予め入力されているフロアレイアウトのうちからいずれか1つのフロアレイアウトを処理対象として選択する(ステップS201)。次に、分布推定部12は、選択したフロアレイアウトに基づいて、対象フロアの物理的制約や什器の配置等を各変数に設定する。
次に、分布推定部12は時刻tを0に初期化する(ステップS202)。次に、分布推定部12は、入力済みの初期条件に基づいて初期時刻t=0における各セルの状態量S(t,x,y)を設定する(ステップS203)。ここで状態量S(t,x,y)は時刻tのセル(x,y)における人や障害物の有無を表す。x、およびyはセルの座標を表す。
次に、分布推定部12は、時刻t=0においてセル(x,y)に存在する人の目的地関数D(t,x,y)を設定する(ステップS204)。上述したとおり、目的地関数は人の目的地を定める関数であり、人が存在している滞在エリアに応じて決定される関数である。例えば、目的地関数D(t,x,y)は次の式(1)によって表される。
式(1)において、iは人の滞在エリアの識別番号を示す。例えば対象フロアに4つの滞在エリアが定義されている場合、iは1から4のいずれかの値をとる。以下では識別番号iで識別される滞在エリアを「滞在エリア(i)」と記載する。またequation(t,x,y)は滞在エリア(i)ごとに異なる関数を表し、x、およびyは各滞在エリアに含まれるセルの座標を表す。すなわち式(1)は、目的地関数Dが滞在エリアごとに異なる関数として定義され、時刻t、およびセルの座標(x,y)を変数とする関数として定義されることを表している。
図7は、対象フロア内に設定される滞在エリアの一例を示す図である。滞在エリアは、対象フロア内に設定される複数の領域であり、用途や目的に応じて定められた領域である。例えば図7は、社員食堂を対象フロアとして、滞在エリア#1~#4の4つの滞在エリアが定義された例を示す。例えばこの例において滞在エリア#1~#4は、対象フロアに入場した人が下記の行動を行う領域として定義される。また、図7に示すように各滞在エリアはその一部が互いに重複するように定義されてもよい。
(滞在エリア#1)入口E1から入場した人が希望の配膳エリアに移動し、配膳エリアで配膳の順番待ちをする領域。
(滞在エリア#2)配膳を受けた人が希望のテーブルに移動する領域。
(滞在エリア#3)テーブルにて食事を終えた人が下膳エリアE3に移動し、下膳エリアE3で下膳の順番待ちをする領域。
(滞在エリア#4)下膳を終えた人が出口E2に移動する領域。
ここで、式(1)は滞在エリアに応じて目的地関数を一意に決定するが、人の目的地は、その人が存在している滞在エリアの状況に加えて、その周辺の滞在エリア(周辺エリアと称する)の状況に影響される可能性がある。よって、目的地の決定に際して周辺エリアの状況を考慮する必要がある場合には、例えば目的地関数D(t,x,y)を次の式(2)のように定義してもよい。
式(2)において、αは0から1までの値を取り得る定数であり、iβは、滞在エリア(i)の周辺エリアを示す識別番号である。すなわち式(2)は、目的地関数を、滞在エリア(i)について定義された関数と、滞在エリア(iβ)について定義された関数とのαに基づく重み付け和として定義することにより周辺エリアの状況を考慮することを表す。
例えば、周辺エリア(iβ)としては、滞在エリア(i)に存在する人の移動方向にある周辺エリアを選択することが考えれらる。また、周辺エリア(iβ)の状況に加え、他の周辺エリア(iγ)の状況を考慮する場合、式(2)は、滞在エリア(i)、周辺エリア(iβ)、および周辺エリア(iγ)の各equationの重み付け和を目的地関数とするように変形されてもよい。この場合、式(2)のαは、各滞在エリアの重みを決定するパラメータとなる。αは固定値として予め設定されていてもよいし、重みを変動させる要因によって変化する可変値として設定されてもよい。例えば重みを変動させる要因としては、周辺エリアの状況(例えば混雑度など)や対象とする人の状況(例えば目的地や移動速度など)などが考えられる。
また、人の目的地には、対象とする人の過去の状況や周辺エリアの過去の状況が影響することも考えられる。このような影響を考慮するには、そのような過去の状況に関する統計値(例えば平均値等)をパラメータとして含む関数として、目的地関数を定義してもよい。また、対象とする動体は、各個体と考え、対象空間にいる動体の数で総和を取る形でもよいし、集団としての1つの動体として扱っても良い。
このように対象エリアに用途や目的ごとの滞在エリアを設定し、対象エリアに存在する人の目的地をその人の滞在エリアに応じて定める目的地関数を定義することにより、対象エリアにおける混雑度を潜在的な要因も含めて分析することができる。例えば、次の式(3)に示す判定式により、座席を探している人の数に対して空席の数が足りているのか否かを分析することができる。
式(3)において、Nvacは座席を目的地とする滞在エリア(以下、座席エリアと称する。)における空席の数を表す。Nvacは0に近いほど満席に近い状態であることを表すため、座席エリアの混雑度を測る一つの指標として用いることができる。一方、Nareaは座席エリアにおいて座席を探している人の数を表す。ここで、座席エリアが「座席を目的地とする滞在エリア」であることは、その滞在エリアについて定義された目的地関数がその滞在エリア内の人の目的地を座席に決定するということである。また、目的地関数は目的地に到達した人については異なる滞在エリアを次の目的地として決定するため、Nareaは座席エリアにおいて座席に到着していない人の数ということができる。
また、Naddは座席エリアに隣接する滞在エリア(以下、隣接エリアと称する)に存在する人のうち、座席エリアの座席を目的地として所定の閾値を超える速度で移動している人の数を表す。Nsubは座席エリアに存在する人のうち、座席を目的地として所定の速度で移動している人の数を表す。この場合、座席エリア内に存在する人で座席を目的地とする人の移動速度が所定の閾値以下であると仮定すれば、座席エリア内に存在はしていても、別の滞在エリアを目的地として移動している人がNsubに数えられる。この場合の目的地関数は、目的地に加えて、その目的地に向かう移動速度を決定することができるものとする。また、目的地の決定には各滞在エリアの混雑度が考慮されてもよく、この場合には、目的地関数は目的地に加えて、その目的地の決定に影響する滞在エリアの混雑度を決定することができるものとする。
ここで、δは所定の定数であり、式(3)の判定結果を調整することを可能にするパラメータである。例えばδは、初期値(例えば1)での運用において得られたNvac、Narea、Nadd、Nsubの実測値に基づいて調整されてもよい。
このような目的地関数D(t,x,y)が設定されることにより、時刻tにおいてセル(x,y)に存在する人の目的地をその滞在エリアに応じて決定することができる。さらに、目的地関数D(t,x,y)を定めるequationには、時刻や滞在エリアのほか、人が目的地を決定する理由に相関する任意のパラメータを含んでもよい。例えば、人が過去に滞在した滞在エリアや、人が各滞在エリアに滞在した総時間、過去の目的地、現在までの移動経路などを上記パラメータとすることができる。
図6に戻って説明を続ける。ステップS204において、初期時刻t=0における各セル(x,y)の目的地関数D(t,x,y)を設定すると、分布推定部12は時刻tを次の時刻に進め(ステップS205)、時刻t-1における目的地関数D(t-1,x,y)に基づいて、現在時刻tにおける各セル(x,y)の状態量S(t,x,y)を決定する(ステップS206)。すなわち、ステップS206の初回実行時には、時刻t=0の目的地関数D(0,x,y)に基づいて、時刻t=1における各セルの状態量S(1,x,y)が決定される。
次に、分布推定部12は、現在時刻tが推定対象期間の最大時刻tmaxに達したか否かを判定する(ステップS207)。ここで、時刻tmaxは所望の推定対象期間に応じて任意に設定されてよく、分布推定モデルの1つのパラメータとして予め設定されているものとする。現在時刻tが時刻tmaxに達している場合(ステップS207でYES)、分布推定部12は処理結果を評価指標算出部13に出力して、処理対象のフロアレイアウトについての分布推定処理を終了する。一方、現在時刻tが時刻tmaxに達していない場合(ステップS207でNO)、分布推定部12は、現在時刻tにおける各セルの状態量S(t,x,y)に基づいて各セルに存在する人の目的地関数D(t,x,y)を更新し(ステップS208)、ステップS205に処理を戻す。このような処理が実行されることにより、初期時刻t=0から最大時刻t=tmaxまでの各時刻tにおける各セルの状態量S(t,x,y)が決定される。
図8は、図7に示した対象フロアの各滞在エリアに存在する人について、目的地関数が決定する目的地の一例を示す図である。まず、社員食堂の利用者は滞在エリア#1に含まれる入口E1から対象フロアに入場する。滞在エリア#1においては利用者の目的地がいずれかの配膳エリア(目標座標1a~1e)に設定される。目的地は、各配膳エリア付近の混雑度に応じて人が分散するように決定されてもよいし、各配膳エリア付近の混雑度に応じて目的地が途中で他の配膳エリアに変更されてもよい。
一方、滞在エリア#1において目的地であるいずれかの配膳エリアに到達した人に対しては、次の目的地として滞在エリア#2のいずれかの座席(目標座標2a~2d)が設定される。例えば次の目的地にはその時点における空席がランダムに割り当てられるようにしてもよいし、現在位置から近い空席が割り当てられるようにしてもよい。
次に、滞在エリア#2において目的地であるいずれかの座席に到達した人に対しては、次の目的地として滞在エリア#3のいずれかの下膳エリアE3(目標座標3a)が設定される。この場合においても、次の目的地は、各下膳エリアE3付近の混雑度に応じて人が分散するように決定されてもよいし、各下膳エリアE3付近の混雑度に応じて目的地が途中で他の下膳エリアE3に変更されてもよい。
次に、滞在エリア#3において目的地であるいずれかの下膳エリアE3に到達した人に対しては、次の目的地として出口E2(目標座標4a)が設定される。この場合、対象フロアから退場する利用者が出口E2に集中しすぎないように、対象フロアから退場する利用者の一部については、次の目的地が入口E1に設定されてもよい。なお、一部の利用者の次の目的地を入口E1とするか否かは、入口E1や出口E2付近の混雑度に応じて決定されてもよい。
このように、対象エリアを用途や目的に応じた複数の滞在エリアに分割し、滞在エリアごとに異なる目的地関数を定義することにより、対象エリア内を一連の目的に沿って移動する利用者の動きを分析することが可能となる。
このように、実施形態のレイアウト支援装置1は、予め定められた複数のフロアレイアウトのうちから、対象フロアの運用条件を満たすフロアレイアウトを選択することができる。具体的には、レイアウト支援装置1は、予め定められたフロアレイアウトについて分布推定処理を行うことにより対象フロアの混雑度を時系列に推定し、その推定結果に基づいて運用条件が満たされるか否かを判定する。これにより、実施形態のレイアウト支援装置1は、人の分布の経時的な変化を考慮した上で、対象フロアの実際の運用状況により適したフロアレイアウトを採用することが可能となる。
レイアウト支援装置1は、合格レイアウトが選択された根拠を示す情報(以下、根拠情報と称する)を出力するように構成されてもよい。例えば、1次判定結果出力部15は、合格レイアウトに関連付けて、その合格レイアウトに基づいて得られた分布情報や、その合格レイアウトがどのように運用条件を満たしているかを示す情報を根拠情報として出力してもよい。例えば、1次判定結果出力部15は、次の図9に示すような根拠情報を出力してもよい。
図9は、同じ対象フロアに関して得られた合格レイアウトであって、それぞれ異なる特徴を持つフロアレイアウト#1~#4のそれぞれが、運用条件をどの程度のレベルで満足しているかを評価した結果を示す。ここで、図9に示す座席数のように、根拠情報には各フロアレイアウトに関連する各種の補助的な情報が含まれてもよい。この例において、フロアレイアウト#1は対象フロアを利用する利用者の収容効率を重視したフロアレイアウトである。例えばフロアレイアウト#1は図10に例示されるフロアレイアウトであり、その座席数は図7の例(座席数80)よりも10座席多い90座席となっている。このため、広さ、および混雑度の面での評価はそれほど高くはならず、運用条件#1、および運用条件#2の両方に関して中程度(図中△)と評価されている。
また、この例において、フロアレイアウト#2は対象フロアを顧客とのランチミーティングに適したスペースとすることを目的として設計されたフロアレイアウトである。例えばフロアレイアウト#2は、図11に例示されるフロアレイアウトである。この例では、対象フロアの左側半分には、パーティションにより区切られた複数の区画が顧客とのランチミーティング用のスペースとして比較的余裕を持った区割りで設けられている。一方、対象フロアの右側のスペースには、従業員向けのランチスペースが収納効率重視で設けられている。このようにフロアレイアウト#2は顧客とのランチミーティングを優先したフロアレイアウトであるため、運用条件#1、および#2ともに、顧客向けには高い評価(図中◎、および〇)となった一方で、従業員向けには中程度の評価(図中△)となったことを表している。
また、この例において、フロアレイアウト#3は対象フロアの利用者が長く滞在できることを重視して設計されたフロアレイアウトである。例えばフロアレイアウト#3は、図7に例示されたフロアレイアウトである。この例では、ソファを配置したテーブルを設けるなどして利用者が長時間滞在しやすいスペースが設けられており、運用条件#1、および#2のともに高い評価(図中◎、および〇)が得られたことを表している。
一方、フロアレイアウト#4はフロアレイアウト#3の動線の快適性をより高めることを目的として改良されたフロアレイアウトである。例えばフロアレイアウト#4はフロアレイアウト#3を改良したものであり、図12に例示されるフロアレイアウトである。フロアレイアウト#4は、紙面左端の什器を除去するとともに、各配膳エリア前に人の流れを整えるガイドを設けることで動線の快適性を高めたフロアレイアウトである。この場合、図9の例のような根拠情報の表示により、対象フロアの運用者は、運用条件#2についてフロアレイアウト#3よりも高い評価(図中◎)が得られたことから、フロアレイアウト#3に対する改良が妥当なものであるということを定量的に把握することが可能となる。
なお、ここでは運用条件の判定結果に基づく妥当性の評価を根拠情報として示したが、根拠情報は各フロアレイアウトの妥当性に関する情報であれば他のどのような情報であってもよい。例えば、1次判定結果出力部15は、各運用条件について算出された指標値と、その指標値に対して定められた閾値とを根拠情報として出力してもよいし、分布推定処理によって推定された分布情報を根拠情報として出力してもよい。
図13は、フロアレイアウト#3について推定された分布情報の一例を示す。この例によると、対象フロアの全体でみれば混雑が緩和されており、ある程度は望ましい状態にあるということができるものの、入口E1、および出口E2付近など、局所的に人の流れ(図中矢印)がぶつかり、人の滞留が起きているエリアA1~A5が存在することが分かる。例えば、入口E1付近では対象フロアに流入する人の流れと、配膳エリアに出入りする人の流れとがぶつかることにより滞留が広範囲に発生することが分かる。同様に、出口E2付近においても、左右、および下方向から出口に向かう人の流れがぶつかることにより滞留が広範囲に発生することが分かる。
図14は、フロアレイアウト#4について推定された分布情報の一例を示す。フロアレイアウト#4は、フロアレイアウト#3に対して動線の快適性を向上させるための改善を試みたフロアレイアウトである。この例によると、フロアレイアウト#3の入口E1、および配膳エリア付近で発生していた人の滞留状況が、レイアウトの一部変更により改善されていることが分かる。
具体的には、図14では、図13に示した什器E5が除去されるとともに、各配膳エリアにおける人の流れを整えるガイドE41~E45が設置されている。また、図14では、入口E1、および各配膳エリア付近での滞留が解消されることにより出口E2付近や下膳エリアE3付近の滞留も改善されることが分かる。図13では、下膳エリアE3に向かう人の流れと出口E2に向かう人の流れとがぶつかり、滞留が発生していた。対して図14では6席分の座席とテーブルの代わりに下膳棚E4を設けている。それにより出口E2に向かってすっきりした動線になったためである。
このように、各フロアレイアウトについて推定された分布情報が根拠情報として出力されることにより、対象フロアの運用者は設計したフロアレイアウトが実際の運用においてどのように有効であるかを視覚的かつ定量的に把握することが可能となる。また、このような分布情報がフロアレイアウト#3やフロアレイアウト#4のように一部が共通するフロアレイアウトの根拠情報として出力されることにより、対象フロアの運用者は想定しているレイアウトの改良が有効であるか否かを視覚的かつ定量的に把握することが可能となる。
なお、ここでは合格レイアウトの根拠を示す情報を根拠情報として示したが、根拠情報には、合格レイアウトと判定されなかった他のフロアレイアウト(以下、不合格レイアウトと称する)が不合格となった根拠を示す情報が含まれても良い。このように、合格レイアウトの根拠情報と、不合格レイアウトの根拠情報とが表示されることにより、対象フロアの運用者は、合格レイアウトと不合格レイアウトとの差を定量的に把握することが可能となる。なお、図13においては、前出の意匠性についての判定結果として、例えば「類似レイアウト意匠 なし」という文言を、1次合格レイアウトに表示し、意匠性について確認できるようにしている。
次に、図3BのステップS111の、意匠性照合用データベースの検索/類似度計算における手順について図15を参照して説明する。
図15は、図3BのステップS111における処理手順の一例を示すフローチャートである。先ず、意匠類似度判定部16は、形態の認定を行う(ステップS301)。形態とは、例えば物品の形状、模様若しくは色彩、又はこれらの結合である。形態の認定において具体的には、共通点・差異点の整理をする。この結果、類似意匠例が見つかった場合は、ステップS302でNOとなり、意匠類似度判定部16は、意匠性照合用データベース17から抽出された類似例を表示する(ステップS307)。
形態の認識評価OKの場合、すなわち類似意匠が検出されなかった場合は、ステップS302でYESとなり、意匠類似度判定部16は、共通点、および差異点の評価を行う(ステップS303)。具体的には、用途、および機能による評価を行う。評価の結果、類似意匠が検出された場合には、(ステップS304でNO)となり、処理手順はステップS307に移る。
共通点、および差異点の評価OK、すなわち類似意匠がない場合には、(ステップS304でYES)となり、処理手順はステップS305に移る。ステップS305では、意匠類似度判定部16は、意匠全体としての類似判断を行う。具体的には、共通点の総合評価、差異点の総合評価の比較を行う。比較の結果、意匠全体としての類似判断で、類似例がある場合には、次のステップS306でNOとなり、処理手順はステップS307に移る。類似例がない場合には、S306でYESとなり、次のステップS308で類似度評価点数の合計表示を行う。この一連の評価において、必ずしもすべての項目について判定する必要はなく、また点数化をせずに、検出した類例を表示することにとどめてもよい。
図15のフローチャートにおいて、例えばS302でNOの場合、以降の評価、判定を行わない例を示したが、他の評価項目の判定結果を参考にするため、S302でYESとして、以降の評価を行ってもよい。
図16は、類似度判定項目の表の例を示す。図16は、図15の処理手順において、形態の認定の内容、用途、および機能による評価、並びに意匠全体としての類似性判断を順次行う際の実施内容、および結果の例を示す。評価値の欄が記入されている行は、図15のYES、NOの判定に利用される。すなわち、得られた評価値が評価閾値を超えて大きい値になっている場合、それぞれの類似度判定項目で類似性が高いことを示しており、図15のフローチャートでNOに対応する。
形態の認定においては、模様若しくは色彩、又はこれらの両方を含む対象とする物品の形状が比較される。比較の際は、意匠を構成する物品の形状の、特徴的な個々のパーツの共通点および差異点を抽出し、個々のパーツの類似度を個別に評価する。すなわち、対象物品の特徴量を抽出可能な構成パーツに分離して比較することにより、類似度を評価する。
図16の表の「類似値-差異値」は、特徴的な部分を、個々のパーツとして分離した場合の類似と判断した部品点数と、差異があると判断した部品点数の差分になる。この場合、対象物品は10個のパーツに分離された例である。類似値は、対象とする部分の類似性と、意匠におけるその占有面積とから計算される。類似性の高い個別の場所が、2か所あり、一方類似性の低い個別の場所が8か所あり、引き算として引かれる。この10個の、個別の場所の総和が評価値として入力される。
閾値Aは、閾値A<0であることから、個々のパーツの類似値の和より、差異値の和が大きいことが条件となる。評価値が+6であることから、閾値A以下にはならず、個別評価の結果は類似性ありとなる。類似例がある場合は、類似例の有無として記載される。項目1に対して閾値Aが設定されるのと同様に、項目2に対しても閾値Bがあり、項目3に対しても閾値Cが評価閾値となる。これらの閾値が0に設定されている例を示したが、それぞれ異なっていてもよい。
用途、および機能による評価においては、対象物品が何に使われるかが用途となり、用途を実現するために物品が有しているものが機能になる。これら用途および機能の両方を合わせて類似度判定を行う。用途および機能は、イラストからだけではわからない場合も多い。意匠登録がされている意匠性照合用データベース17の場合は、意匠対象となる物品の、用途および機能についての記載が通常あるため、記載されている単語、句、節から、作成したレイアウト情報に関する表現の有無を抽出、判断すればよい。より高機能化するのであれば、コンピュータによる自然言語処理により、用途および機能の抽出、比較をおこなってもよい。
意匠全体としての類似性判断は、この場合、物品全体としての類似性の判断となる。2つの画像間の類似度を端的に判断することとなる。意匠固有の方法である必要はなく、昨今多くの画像間の類似性に関する手法が提示されている。対象物を含む領域全体の輝度勾配をヒストグラム化したとき、対象物の形状の違いに着目することになるため、形状の類似性を把握するHOG(Histogram of Oriented Gradients)や、CoHOG(Co-occurrence Histogram of Oriented Gradients)などの手法がある。
このように、類似度判定項目では、複数の観点からの判断により、評価値を求め、その総合判断を、合計として、類似度評価値の合計点、それぞれ設定した評価閾値、類似例の有無として示している。類似例がある場合は、検出された例を、[事例1参照]などのように表記して、参照できるようにしておくとよい。評価閾値は、評価例の蓄積により、見直してもよい。このようにして得られた意匠に関する情報を、作成したレイアウトに加味して表示する例については後述する。
図17は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例1を示す。図15および図16に示した意匠性照合用データベースの検索/類似度判定を行った例に用いられたレイアウトである。全体としては食堂のレイアウトに机や椅子を配置したレイアウトであるが、特徴的な部分は、右上隅と左上隅の什器である。この什器は、個人のプライバシーを尊重しながら、座っている場所で身体の向きを180度変えれば、周辺との会話ができるよう相手の顔を見て話しができるように設計されたものである。この場所では、例えば外部からの顧客がここで作業や食事をすることができる。つまり、この什器は、比較的長時間滞在ができる空間を提供することができる。
図18は、具体例1において意匠性類似度検索で検出された場合の結果を示す表である。部分図における類似性が高いことが、抽出された類似例から示される。レイアウト例における什器配置の意味は、個別の空間を有しながら、向きを変えれば話し合いが容易にできる正六角形の組み合わせにより形成された構造を示している。これは抽出された類似例の形態、特に部分図における形状の類似性が高い。
加えて、意匠の特徴として記載されている、用途および機能としても、集中できる個人のユニットを用意する一方集まって議論するためのスタンディングデスクとしている点に特徴がある、ということから、用途としての類似性が高いことがわかる。
図19は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例2を示す図である。レイアウトの左半分の椅子、机の形状および配置は、左半分を俯瞰したときに、花の模様を描くように配置されている。これは、社員食堂でありながら、外来客の利用も想定した、自由で印象的な滞在空間を提供している例である。
図20は、具体例2において意匠性類似度検索で検出された場合の結果の表を示す図である。部分図における類似例は検出されなかったが、全体図における類似性として、抽出された机および椅子の配置がほぼ同様の形態をしている。社員食堂と図書館という違いがあるものの、机と椅子の用途と機能という点では、類似性が高い。
図21は、実施形態におけるフロアレイアウトの具体例2に意匠性情報を記載した例を示す図である。この例では、図の右下に、レイアウト類似例(有り)として、得られたレイアウトが、意匠性照合用データベース17で検索した結果、類似例があったことを理解することができる。
以上述べたように、実施形態のレイアウト支援装置1は、評価指標算出部13と、運用条件判定部14とを備える。評価指標算出部13は、対象フロアにおける什器類のレイアウトを示すフロアレイアウトと、対象フロアにおける人の分布の変化を示す分布情報とに基づいて、対象フロアの運用に関する評価指標の値を予め定められた1つ以上のフロアレイアウトのそれぞれについて算出する。運用条件判定部14は、1つ以上のフロアレイアウトのそれぞれについて算出された評価指標の値に基づいて、各フロアレイアウトで対象フロアを運用した場合に、対象フロアの運用に関して予め定められた所定の運用条件が満たされるか否かを、各フロアレイアウトのそれぞれについて判定する。
さらに、このようにして1次判定したフロアレイアウトに対して、登録済の意匠との類似性を判定する意匠類似度判定部16を設けることにより、レイアウトとして採用に適しているかどうかを判定することができる。さらに、意匠類似度判定部16により、類似の意匠の有無について判定または、類似意匠を出力し、ユーザに提示する。
従って実施形態によれば、実際の運用に適するフロアレイアウトと、意匠に関する情報とを提示することのできるレイアウト支援装置、レイアウト支援方法およびプログラムを提供することが可能になる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、意匠性照合用データベース17を、レイアウト支援装置1によりアクセス可能なネットワークに設けることも可能である。
図22は、実施形態に係わるレイアウト支援システムの一例を示す図である。図22において、クラウド600に設けられたサーバ400に、レイアウト支援装置1の機能が実装される。ここで、意匠性照合用データベース17は、サーバ400からアクセス可能なデータベースとしてクラウド600に設けられる。
ユーザは、タブレット100を用いて無線基地局200経由でクラウド600のサーバ400にアクセスし、レイアウト支援に係わるサービスを受けることができる。つまりタブレット100の画面に、合格レイアウトの図面や、類似意匠の有無が提示される。サービス事業者は、サービスを受けるユーザに対して例えばサブスクリプション形式で課金することができる。
さらに、クラウドに、オフィスビル300が接続されることができる。オフィス内ネットワークはファイヤウォール4を経由してクラウド600に接続される。オフィス内ネットワークには複数の画像センサ3が接続される。画像センサ3は、複数のセル5からなるエリアAを撮影し、画像データを得る。
画像データを解析することで、混雑度、滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無、人の在不在、人流データなどの情報をリアルタイムで取得することができる。また、これらのデータに基づいて、システム稼働後のレイアウトを再評価することも可能である。
図23は、ビル300内のフロアの一例を示す図である。図23に示されるように、照明設備1、空調機器2の吹き出し口、および画像センサ3は各フロアの例えば天井に配設される。画像センサ3には、それぞれのセンシング対象とするエリアが割り当てられる。図23において、エリアA1,A2がそれぞれフロアのおよそ半分をカバーしていることが示される。すべてのエリアを合わせれば、対象空間のフロアをカバーすることができる。図中ハッチングで示すように、異なる画像センサ3の割り当てエリアの一部が重なっていてもよい(重複部分)。
画像センサ3は、割り当てられたエリアを見下し画角で視野内に捉え、視野内の映像を撮影して画像データを取得する。この画像データは画像センサ3において処理され、人物情報、あるいは環境情報などが計算される。すなわち画像センサ3は、対象空間における対象を検知(センシング)して、この対象に係わるセンシングデータを算出する。
環境情報は、対象とする空間(ゾーン)の環境に関する情報であり、例えば、フロアの照度や温度等である。人物情報は、対象空間における人間に関する情報である。例えばエリア内の人数、人の行動、人の活動量、人の存在または不在を示す在不在、あるいは、人が歩いているか、または1つの場所に留まっているかを示す歩行滞留などが人物情報の例である。
近年では、人の居住環境においてこれらの情報に基づき照明機器や空調機器を制御することで、人の快適性や安全性等を確保することが検討されている。環境情報および人物情報を、ゾーンを複数に分割した小領域ごとに算出することも可能である。この小領域を、画像センサ3ごとの割り当てエリアに対応付けてもよい。
実施形態のレイアウト支援装置1、レイアウト支援システムは、画像センサ3を備えるオフィスビルと組み合わせて利用することが可能である。
実施形態におけるレイアウト支援装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROMなどの可搬媒体、あるいは、コンピュータに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…照明設備、2…空調機器、3…画像センサ、4…ファイヤウォール、5…セル、11…記憶部、11a…プログラム、11b…推定パラメータ、12…分布推定部、13…評価指標算出部、14…運用条件判定部、15…次判定結果出力部、16…意匠類似度判定部、17…意匠性照合用データベース、18…次判定結果出力部、19…プロセッサ、100…タブレット、101…フロアレイアウト入力部、102…運用条件入力部、103…初期条件入力部、200…無線基地局、300…オフィスビル、400…サーバ、600…クラウド。

Claims (9)

  1. 混雑度、滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無、人の在不在、および、人流データの少なくともいずれかを含む情報を取得する画像センサを備えるオフィスビルと組み合わせて利用可能なレイアウト支援装置であって、
    対象エリアのフロアレイアウトごとに、前記対象エリアにおける人の分布の変化を推定して分布情報を得る分布推定部と、
    前記対象エリアの前記フロアレイアウトごとに、前記対象エリアの運用に関する評価指標の値を前記分布情報に基づいて算出する評価指標算出部と、
    前記対象エリアの用途に応じて予め設定された運用条件が満たされるか否かを、前記評価指標の値に基づいて前記フロアレイアウトごとに判定する運用条件判定部と、
    前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて類似意匠の有無を判定する意匠類似度判定部と、
    前記画像センサで取得された情報に基づいて、稼働後の前記フロアレイアウトを再評価する手段とを具備する、レイアウト支援装置。
  2. 前記運用条件は、前記混雑度を所定の閾値以下にするという条件、前記滞留時間を所定時間以下にするという条件、または、前記人の流れを所定の速度以下にするという条件のいずれかである、請求項1に記載のレイアウト支援装置。
  3. 前記評価指標算出部は、前記対象エリアにおける什器類のレイアウトを示すフロアレイアウト情報に基づいて前記評価指標の値を算出する、請求項1に記載のレイアウト支援装置。
  4. 前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて前記類似意匠が有ると判定された発見された場合に、当該フロアレイアウトと当該類似意匠とを提示する出力部をさらに具備する、請求項1に記載のレイアウト支援装置。
  5. 前記意匠類似度判定部は、権利を設定された意匠に関する情報を予め登録した意匠性照合用データベースにアクセスして、前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて前記類似意匠の有無を判定する請求項1に記載のレイアウト支援装置。
  6. 前記意匠類似度判定部は、前記意匠性照合用データベースに登録された意匠と、前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトとの類似度を算出し、当該類似度が既定の閾値以上であるか否かを判定する、請求項5に記載のレイアウト支援装置。
  7. 前記意匠類似度判定部は、形態の認定、共通点、差異点、部分、および全体の少なくともいずれかについて、前記意匠性照合用データベースに登録された意匠と、前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトとの類似度を算出する、請求項6に記載のレイアウト支援装置。
  8. 混雑度、滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無、人の在不在、および、人流データの少なくともいずれかを含む情報を取得する画像センサを備えるオフィスビルと組み合わせて利用可能なコンピュータによるレイアウト支援方法であって、
    前記コンピュータが、対象エリアのフロアレイアウトごとに、前記対象エリアにおける人の分布の変化を推定して分布情報を得る過程と、
    前記コンピュータが、前記対象エリアの前記フロアレイアウトごとに、前記対象エリアの運用に関する評価指標の値を前記分布情報に基づいて算出する過程と、
    前記コンピュータが、前記対象エリアの用途に応じて予め設定された運用条件が満たされるか否かを、前記評価指標の値に基づいて前記フロアレイアウトごとに判定する過程と、
    前記コンピュータが、前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて類似意匠の有無を判定する過程と
    前記コンピュータが、前記画像センサで取得された情報に基づいて、稼働後の前記フロアレイアウトを再評価する過程とを具備する、レイアウト支援方法。
  9. プロセッサおよびメモリを具備し、混雑度、滞留時間、人の流れ、使用率の低いエリアの有無、人の在不在、および、人流データの少なくともいずれかを含む情報を取得する画像センサを備えるオフィスビルと組み合わせて利用可能なコンピュータの前記プロセッサに、
    対象エリアのフロアレイアウトごとに、前記対象エリアにおける人の分布の変化を推定して分布情報を得させる命令と、
    前記対象エリアの前記フロアレイアウトごとに、前記対象エリアの運用に関する評価指標の値を前記分布情報に基づいて算出させる命令と、
    前記対象エリアの用途に応じて予め設定された運用条件が満たされるか否かを、前記評価指標の値に基づいて前記フロアレイアウトごとに判定させる命令と、
    前記運用条件を満たすと判定されたフロアレイアウトについて類似意匠の有無を判定させる命令と
    前記画像センサで取得された情報に基づいて、稼働後の前記フロアレイアウトを再評価させる命令とを含む、プログラム。
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