JP2001295480A - 建物内空間の評価方法及び装置 - Google Patents

建物内空間の評価方法及び装置

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JP2001295480A
JP2001295480A JP2000108251A JP2000108251A JP2001295480A JP 2001295480 A JP2001295480 A JP 2001295480A JP 2000108251 A JP2000108251 A JP 2000108251A JP 2000108251 A JP2000108251 A JP 2000108251A JP 2001295480 A JP2001295480 A JP 2001295480A
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Sachiko Sato
幸子 佐藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物使用者本人の主観等を十分に把握した上
で、生活に必要なスペースを検討し、建物内空間を評価
すると共に、評価結果を基に使いやすく快適な建物を提
案すること。 【解決手段】 建物使用者からの距離に基づく空間レベ
ルに応じた複数のエリアを予め測定し、建物内の各所に
存在させた対象に対する建物使用者からの距離を算出
し、この算出距離を前記エリアの距離と比較し、建物内
の各所において上記対象がどのエリアにあるかを判定
し、建物内の各所の空間レベルを評価する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物内空間の評価方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平7-249064号公報に記載の如
く、住宅設計支援装置として、オペレータの指示による
部材の割り付けの際に、配置可能な部材の寸法と該部材
が配置される住宅の領域の寸法をオペレータが考慮する
ことなく、単に部材を配置する住宅の領域を指示するこ
とで部材を割り付けることのできるものがある。
【0003】また、特開平9-297783号公報に記載の如
く、住宅収納空間設計支援装置として、住宅建築予定者
に対して、コンピュータ画面上で一定数の定型の質問を
し、該質問に対して回答者はタッチパネル方式で回答を
し、該回答者のした回答に対して、一定の方式で判定を
行い、回答者の性格に基づいた収納プランをコンピュー
タ画面に表示するものがある。
【0004】また、他の住宅設計支援システムとして、
身長や体重といった個人情報から身体能力を判定し、住
宅内での機器移動経路状態の予測、住宅設備等の最適設
置範囲を提示するものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には、建物の一種である住宅の全体の配置等をコンピ
ュータ上で行なうシステムはあるが、その評価を行なう
ものは少ない。また、あったとしても設計基準等をベー
スに一律に決定されているケースが多く、そのため、一
般の建物使用者並びに車椅子等の機器使用者に対して、
使えない、使い難い、負担が大きい等の問題が発生する
ことが非常に多かった。これらは例えば車椅子使用者の
場合、車椅子サイズや使用者の身体特性等、考慮しなけ
ればならない要素が多いにもかかわらず、1つの基準で
全体を網羅しようとしたところに無理があるためと思わ
れる。また、その際、使用者と建物内に存在する他の
人、ものとの接触を1つの基準と考えるが、接触のない
状態でも使用者に圧迫感を与える場合があるにもかかわ
らず、使用者のこのような主観的な部分を考慮できなか
ったことにもよると思われる。
【0006】また、従来の設計支援システムを使用した
場合でも、建物内における建物使用者の必要スペースは
一律に指定されており、使用者個々人に対する考慮を行
なっていないことから、一律な状態での一般的評価しか
行なえなかった。
【0007】本発明の課題は、建物使用者本人の主観等
を十分に把握した上で、生活に必要なスペースを検討
し、建物内空間を評価すると共に、評価結果を基に使い
やすく快適な建物を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1に記載の発
明に係る建物内空間の評価方法は、建物使用者からの距
離に基づく空間レベルに応じた複数のエリアを予め測定
し、建物内の各所に存在させた対象に対する建物使用者
からの距離を算出し、この算出距離を前記エリアの距離
と比較し、建物内の各所において上記対象がどのエリア
にあるかを判定するようにしたものである。
【0009】即ち、建物使用者となる顧客にあわせた建
物内での必要スペースの算出・評価を以下の方法により
行なう。
【0010】先ず、顧客毎に必要となるスペースを空間
レベル毎のエリアとして計測する。計測されるレベル
は、「1.接触」「2.非接触」「3.楽に通過」の3
つとし、各々独立したエリアを有する(図3)。但し、
これは廊下等「閉空間」での「必要スペース」のレベル
であり、「開空間」に対しては異なるレベルが存在する
と考えられる。
【0011】「接触」レベルは、建物使用者の主観にか
かわらず、余裕分も無く「ぶつかってしまう」領域であ
る。よって、このエリアは、建物使用者の体全域に等し
いこととなり、必要距離は建物使用者の体型により決定
する。そのため、建物使用者の体型情報が必要となる
が、これについては、「身長」や「肩幅」、「胸厚」等
建物使用者の占有エリアに関連するデータを必要に応じ
て入力し使用することが考えられる。全てのデータをそ
の都度必要に応じて計測・入力することが困難である場
合は、建物使用者の体型を予測しそれにより算出された
値を使用する方法がある。体型を予測する場合、体型に
関するデータベースや各部位寸法とある特定寸法の関連
を使用した予測式等を使用する。よって、予測のために
は、身体寸法・体重・年齢若しくは生年月日・性別等、
基準となるデータが必要であり、これらを必要事項とし
て質問形式で入力し体型を予測する。
【0012】「非接触」とは「接触しないまでも接近で
きるぎりぎりの距離」・「これ以上は我慢できない限界
のエリア」であり、「楽に通過」とは「通過するのに支
障のない距離」・「圧迫感を感じない最低のエリア」と
なる。
【0013】距離の測定に関しては、正面のみではな
く、周囲全体に対して必要となるが、簡易的に行なう場
合には、正面及び側面と斜め前方方向に対しての測定で
行なう。また、測定を行なう距離は、対象が「人」であ
るか「もの」であるかによっても異なることから、両者
に対して計測を行なうものとする。更に、対象が「人」
の場合、建物使用者と対象「者」の親密度は必要となる
スペースを大きく左右する要因となると考えられる。対
象が「もの」の場合、対象「物」の高さは使用者に圧迫
感を与え、必要とするスペースに影響を与えるものを考
えられる。しかし、これら全体を加味した測定を行なう
ことは、評価を詳細にする反面、エリア測定に大きな時
間がかかる。そのため、詳細な測定を行なう場合には、
これらの点も考慮し、必要に応じて、対象を分類して、
計測を実施するものとする。
【0014】また、評価の方法は、基本的には、2次元
で考えられるが、体型や機器のデータに関して3次元で
あるため、3次元的な評価も可能である。しかし、3次
元評価は詳細となる分、評価時間が掛かる等の障害もあ
る。これらの選択は、評価時に行なうこととするが、入
力された建物内の情報が2次元である場合等、3次元で
行なう必要性が薄い場合もあるのでそれらに対しては、
システム使用時の設定により判断を行ない、過剰な判定
を行なうことを避ける。
【0015】加えて、距離状態に関しても、通常の歩行
以外に車椅子等を使用した移動が考えられる。特に、
「車椅子」を使用した移動の場合、それに必要となるス
ペースは通常の歩行と異なることが考えられ、これに関
しても別途計測・算出が必要となる。この場合、「建物
使用者」からの距離は勿論、余裕となるスペースという
観点から「車椅子」からの距離も必要となる。
【0016】また、これらの距離の測定方法としては、
幾つかの方法が考えられる。1つは、実際の対象物を使
用し、建物使用者の対象物に対する接近距離を計測し、
使用する方法もある。しかし、その方法では、評価条件
が細分化された場合、条件に合った測定状態を実現する
ことに手間が掛かり、測定自体が困難となってくる。そ
のため、もう1つの方法としては、仮想空間と使用し、
建物使用者に対して、これらの実験を体験してもらい、
計測を行なう方法がある。この場合、仮想空間を作成、
再現するシステム以外には、計測に必要なものはなくな
るが、反面、仮想システム自体が大掛かりになることが
挙げられる。両者の中間的な方法として、各対象物に対
して、接近する映像を撮影し、建物使用者に映像により
判定を下してもらうことも考えられる。この場合、より
現実的に建物使用者に評価してもらうためにヘッドマウ
ントディスプレイを使用することや、簡易的に距離を測
定するために、ビデオ画面に対象物までの距離を表示し
ておくこと等も考えられる。何れの場合に対しても、測
定した各レベル・各条件での距離に対して、建物使用者
の体型データを加え、実際に必要となる「スペース」と
して算出し、評価の基準として使用する。
【0017】(2)請求項2に記載の発明に係る建物内空
間の評価装置は、建物使用者からの距離に基づく空間レ
ベルに応じた複数のエリアを予め保存してなる記憶装置
と、建物内の各所に存在させた対象に対する建物使用者
からの距離を算出し、この算出距離を前記記憶装置が記
憶している前記エリアの距離と比較し、建物内の各所に
おいて上記対象がどのエリアにあるかを判定し、建物内
の各所がどのエリアを形成するかを評価し、建物内の各
所の空間レベルを評価する評価部とを有してなるように
したものである
【0018】即ち、上記(1)の評価方法を用いて、建物
内での空間レベルを評価するシステムを提案する。評価
を行なうためには、評価対象となる建物内の情報を取得
する必要があり、方法としては、様々なものが考えられ
るが、直接、電子情報を入力する方法の他に、図面等出
力されたものを使用するためのスキャナ等を使用するこ
とも可能である。入力された建物内の情報から、宅内の
各箇所の広さを算出し、上記(1)の方法により取得した
建物使用者のエリアと比較し、建物内各所の空間レベル
を判定する。建物使用者が複数いる場合には、全員の判
定レベルから全体のレベルを算出することも考えられる
が、算出方法としては、全員中最低レベルを使用する場
合や、平均値を使用する場合、評価箇所により建物使用
者の使用頻度を重みとして算出する方法等が考えられ
る。また、判定方法に関しても、建物使用者個人のレベ
ルに対するエリアのみで評価する場合と、複数の建物使
用者が同一箇所に同時に存在するために必要となるエリ
アを各レベル毎に算出し、評価指標として使用すること
も考えられる。
【0019】更に、建物内全体に対して評価を行なう場
合には、各箇所の判定結果を個々に使用する場合の他
に、建物内全体を統合して評価した場合にどのレベルに
なるかを算出する必要がある。
【0020】この算出方法についても、建物使用者が複
数いる場合の算出方法と同様に、最低レベルを全体のレ
ベルとする方法や、平均値を使用する方法、各箇所の使
用頻度を重みとして算出する方法が挙げられる。
【0021】また、これら判定に対しては「その箇所」
又は「その建物」のレベルを算出するほかに、「その箇
所」又は「その建物」が指定レベル以上にあるかを判定
ことも考えられる。この場合、判定基準となるレベル
は、評価者やシステムが決定することとなり、通常「レ
ベル2以上」若しくは「レベル3以上」であることが考
えられるが、「通過できれば問題がない」という観点か
ら「レベル1以上であ有れば問題がない」とする場合も
あり得る。
【0022】更に、具体的に「レベル」という形で設定
を行なうのでは無く、「通過できればいい」「圧迫感が
無い」等の言葉を提示し、それを選択することにより、
システム自体が必要とされるレベルを推定することも考
えられる。
【0023】これらの結果は、単に全体の「レベル」若
しくは「判定結果」として表示されることも考えられる
が、建物使用者個人毎や評価箇所毎に表示することも考
えられ、全体を把握する良い材料となると思われる。
【0024】更に、これらを先に入力した建物内の図面
上に表記する等、映像を使用する方法もある。特に、使
用可不可判定では、何処に問題が生じたかを特定するこ
とが困難であることから、建物内の配置(間取りなど)
上に不具合箇所を表示することにより、問題を解決する
ことが可能となる。
【0025】また、表示の方法も、状態を表示する方法
と、状態を人間の形状をしたモデルを使用して再現し表
示する方法の他に、建物使用者の状態を再現しVRとし
て建物使用者に体験させる様なフィードバックを用いる
ことも考えられる。これらの出力方法も、プリンタ等を
使用して紙面上に行なう方法の他に、システムに連結し
たディスプレイ上に内容を提示し、建物使用者が必要に
応じて提示内容を変更する方法もある。
【0026】(3)請求項3に記載の発明に係る発明は、
請求項2に記載の発明において更に、前記記憶装置が建
物内の各所で必要とされる空間レベルを予め設定され、
前記評価部が上記建物内の各所における必要空間レベル
に応ずるエリアを必要エリアとして算出するとともに、
建物内の各所に存在させた対象に対する建物使用者毎の
距離を算出し、この算出距離を上記必要エリアの距離と
比較し、建物内の各所毎に各建物使用者が使用可能な状
態にあるかを評価し、必要により、使用可能とするに必
要な変更内容の提案も併せ行なうようにしたものであ
る。
【0027】即ち、上記(2)の評価レベルを使用して建
物内の提案を行なう。建物内の設備や廊下等の形状に対
して建物使用者が必要とする空間レベルを、各設備毎に
予め設定し、建物使用者の各レベルでのエリアが決定さ
れた時点で、各設備に対して建物使用者が必要としてい
るエリアとして算出する。建物内の情報等から、各設備
周辺の実際の広さを算出し、それらと建物使用者が必要
と算出されたエリアとを比較することにより、各設備毎
に使用者が使用可能な状態であるかを評価する。
【0028】更に、各設備に対して建物使用者が必要と
していると算出されたエリア情報から、各設備がそれら
のエリアを確保するためには、どのような変更が必要か
を提案することにより、より建物使用者にあった宅内空
間を実現する手法とする。提案内容としては、必要なエ
リアを如何に確保するかという観点から、「建物内の配
置の変更」・「建物内のサイズの変更」の他に「使用設
備の変更」も考えられる。「設備の変更」に対しては、
設備のサイズを変更することを提案し、具体的なサイズ
を提示する方法の他に実際の設備のサイズを予め保持
し、保持したデータの中から適合する設備のデータを提
示・提案する方法も考えられる。この場合、設備のサイ
ズのみならず、メーカや型番に加えて、設備の映像的な
データを提示することにより、建物使用者により具体的
なイメージを与えやすくなると考えられる。
【0029】各設備に対する必要空間レベルに関して
は、一般的なデータを使用することを基本とするが、評
価者による変更も可能とし、建物使用者毎のニーズも加
味できる状態とする。更に提案した結果に対して、VR
空間等を使用し、顧客に提示することも考えられる。
【0030】これらの場合の「必要エリアの算出」に関
しても、使用者が複数である場合が考えられ、その際に
使用する「エリア」も、上記(1)、(2)の場合と同様、全
員の条件を包括するように一番広いエリアを使用する場
合と、中間的なエリアを使用する場合、評価対象によっ
て使用頻度の高い使用者のデータを優先する場合等が考
えられる。
【0031】また、具体的にエリア候補を表示し、評価
者若しくは使用者となる顧客自身にエリアを選択しても
らう方法もある。この場合、個々人のエリアの中から選
択する以外に、具体的な数値入力を可能とすることも評
価方法としては考えられる。これらを表示・提案するこ
とにより、より具体的な設計システムとなる。
【0032】
【作用】本発明によれば、建物使用者が空間に対して必
要とするエリアを空間レベルという主観により分類する
ことが可能となる。これにより、建物内空間に対して、
必要とされるスペースを、個人毎・レベル毎に分類し、
算出可能となる。また、これらを評価指標として使用す
ることにより、入力された建物配置に対して、必要スペ
ースを評価できると共に、実際に必要と思われるスペー
スを算出し、現実を比較することによりスペースに関す
る問題点をより具体的に抽出可能とし、対処方法に関し
ても数値的に提案可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の評価装置を示すブ
ロック図、図2は本発明の評価方法を示す流れ図、図3
は空間レベルとエリアの関係を示す模式図である。
【0034】評価装置10は、図2に示す如く、必要情
報を入力するための入力部1、体型予測部2、レベル評
価部3、提案部4と、内容の表示及び出力を行なうため
の出力部5、記憶装置としてのDB部(データベース
部)6からなる。また、レベル評価部3に対しては、必
要に応じて、動作経路の予測を行なう経路予測部を設け
る。この実施例の形態では、入力部1はマウス及びキー
ボードとスキャナで構成され、出力部6は、ディスプレ
イ及びプリンターで構成される。また、演算装置として
コンピュータを使用し、体型予測部2・レベル評価部
3、提案部4・DB部6を構成する。
【0035】入力部1のマウスやキーボードは、主に対
象者や使用機器の情報入力や、使用する際の条件選択、
DB部6にデータを保存する場合に使用される。スキャ
ナは、配置評価等を行なう場合の評価対象の図面等を入
力する場合や、DB部6に保存するデータの入力、特に
商品データの画像入力に使用する。
【0036】出力部5は、質問内容や使用方法の表示の
他に、提案内容の出力を行なう。特にプリンターは、図
面等の特定の情報の出力の他に、必要に応じてディスプ
レイに表示された内容を出力するためにも使用する。更
に、必要に応じて、評価状態を対象者に体験させるため
のVR機器を使用する場合もある。また、VR機器に関
しては、レベル評価部4で、各住宅使用者のレベル測定
を行なう際にも、使用する場合がある。
【0037】DB部6は、体型データ部・最適レベルデ
ータ部・経路データ部・機器スペースデータ部と提案内
容となる設備データや対象者情報の判定等に使用するデ
ータの保存部を有する。体型データは、対象者の年齢・
身長・体重等の個人属性から、対象者の各部位サイズを
予測するためのデータである。体型データ部ではこれら
のデータを、性別・年齢層により分類し、更に、身長と
体重をベースとした体型で分類した各部位のサイズデー
タを保存している。最適レベルデータとは、住宅内の各
箇所で、各設備毎に、使用者との間に必要とされるレベ
ルデータのことである。最適レベルデータ部は、これら
のデータを、住宅内の各シーン別に、保存している。ま
た、各設備のサイズ特に高さに対して詳細なエリア計測
が行なわれていない場合を想定して、一般的なエリアか
ら必要エリアを予測するための補正式も保持している。
データは、データの内容や特性毎に、設備の種類や使用
箇所・サイズをキーワードとして分類されている。機器
スペースデータ部は、予測された経路に沿って機器が移
動する際に、必要となるスペースと移動時の中心位置の
座標を保持する。また、機器の変更に伴う変化ルールも
保持されている。
【0038】体型予測部2は、入力部1より入力された
対象者の身長・体重のような個人属性を基に、システム
中で必要な対象者の体型データを指定する。体型予測部
2は、対象者に対応する体型データをDB部6の体型デ
ータから抽出し、抽出したデータと、実際の対象者のデ
ータ間の差を補間して使用する。
【0039】レベル評価部3は、各使用者の空間レベル
毎の必要距離を測定する測定部と、測定された距離と体
型予測部2により算出された使用者の体型データ、及び
移動機器を使用する場合には機器データを用いて住宅使
用者の各レベルでの必要エリアを算出する算出部と、こ
れらのデータを元に住宅内の各箇所に対してレベル評価
を行なう評価部と、機器を使用した場合の移動経路を予
測する経路予測部からなる。使用者中に車椅子等の機器
使用者がいる場合には、データベース部6の機器スペー
スデータより指定機器の条件にあうデータを選択する。
適切なデータが無い場合には、類似するデータから変更
ルールに基づき変更を行ない使用する。また、使用者中
に車椅子等の機器使用者がいる場合、経路予測部により
宅内の移動経路を予測し、評価箇所のスペースを算出し
評価を行なう。経路予測部は、入力された住宅内の情報
を基に、必要に応じて指定された機器での宅内の移動経
路の予測を行なう。予測経路は、宅内全体の移動と各部
屋に対する入退出の移動の両者となる。経路予測にはD
B部6の経路データを使用し、それらを宅内の廊下形状
等の条件に合わせて予測を行なう。必要スペースは、経
路判定を行なう方法により異なるが本件では、3次元形
状として算出を行なう。算出された経路データ上を、算
出された必要スペースを移動させ、周囲との状態を評価
し、通過が可能かどうかを判定する。移動に対しては、
経路に対して常に垂直状態にあるか等の条件を満たすよ
う設定し、機器移動等の回転等の動作に対しても予測可
能な状態とする。また、介助車椅子等、介助者を伴う機
器を使用する場合、介助者の体型を個人の属性データか
ら取得し、機器に伴いそれらのスペースも移動するもの
として、判定を行なう。
【0040】提案部4は、レベル評価部3の評価を元
に、各箇所の変更状態を提案すると共に、DB部6の設
備データを元に不具合となった設備の代替えとなるもの
を抽出し提案する。
【0041】判定結果及び提案内容は、出力部6に出力
されるが、内容は、対象となった宅内及び設備のレベル
表示を基本とし、必要レベルを指定した場合にはレベル
に満たなかった箇所を宅内の配置図に表示しマーキング
したものを示す。その際、その箇所のレベルと実際に必
要なエリア情報の他に、複数人の住宅使用者に対しての
評価の場合には、不具合となる住宅使用者を示す。更
に、提案を行なう場合には、具体的に必要となる広さに
加えて、提案に沿って変更を行なった場合に使用可能と
なるスペースを具体的に示し、提案する。また、設備の
変更による問題解決を提案する場合には、設備情報も付
加する。この際、必要に応じて、これらの情報を加味し
た仮想空間を作成し、住宅使用者に体験してもらうこと
で、不具合箇所及び状態をより具体的なものとし、提案
との比較を可能とする。
【0042】以下、本発明を住宅の廊下設計に適用した
具体的実施例について説明する(図2)。複数人に対す
る使用例として、車椅子使用者を含む家族を住宅使用者
とした場合の廊下形状のレベル評価及び提案を例に取り
説明を行なう。 廊下形状の設計内容を入力部1より入力する。設計内
容の入力は入力部1のスキャナは使用せず、CADデー
タを直接入力することとする。
【0043】住宅使用者個々人の情報を入力する。住
宅使用者は、名前・身長・体重・性別・生年月日を入力
部1より入力する。入力された名前は、各個人を判別す
るためのラベルとなる。更に、住宅使用者が「杖」や
「車椅子」を使用している場合には、「器具情報の追
加」を選択し使用している器具を候補の中から選択、器
具の詳細情報を入力して、個人情報に追加する。今回の
場合、「車椅子」を選択し、詳細情報として、「自操」
や「介護」といった車椅子の種類や、タイヤの大きさ等
の具体的サイズを入力する。詳細情報に関しては、不明
の場合もあるが、その場合には既存値を使用するものと
する。今回は、「自操車椅子」を選択し、使用機器デー
タはDB部6に既存のものとする。これらの個人情報入
力を、住宅使用者全員について行なう。
【0044】入力された個人データを基に、先ず、各
個人の年齢を算出し、個人データに付加する。体型予測
部2では、入力された個人属性から、対象者に対応する
年代・性別で、最も近い体型データをDB部6の体型デ
ータから選択し、それらを変更ルールに従い、個人属性
にあうようなデータに加工することにより、対象者の各
部位サイズの推定を行なう。
【0045】レベル評価部3では、体型予測部2より
算出された体型を元に、レベル1のエリアを設定すると
共に、測定結果と併せて条件毎のレベル2/レベル3の
具体的なエリアも設定する。
【0046】レベル評価部3により、住宅使用者の各
レベルで必要となる対象物への距離を測定する。今回の
例では、室内の各所に存在させた対象としての、人とも
の両者に対して詳細なデータ取得を行なうこととする。
「人」に関しては、「親密度」を分類のキーワードとし
ながらも「親密な関係である家族しか使用しない」とし
て測定する。つまり、「家族」以外の関係者に関して
は、評価対象である設備及び宅内を使用しないので評価
不要とするのである。また、評価方法も幾つか選択可能
であるが、これらの条件から、各住宅使用者が、他の家
族に対して「どの程度から圧迫感を感じるか(レベル
2)」・「どこからは十分距離がとれていると感じるか
(レベル3)」をその場で測定して、値として入力する
こととする。それに対して「もの」に関しては、ヘッド
マウントディスプレイを装着し、ディスプレイ上に色々
な高さの壁を写し、人の場合と同様に各レベルの測定を
行なう。「人」・「もの」何れの場合にも、測定は正面
と左右の側面、そして左右の斜め前方の計5方向から実
施する。その他の設定として、宅内設備機器とも判定レ
ベルを「2」とし、不具合箇所に対しては設備の変更に
よる提案を行なうこととする。家族全員を評価対象とし
ていることから、各箇所のレベル判定方法は、一番エリ
アの広い使用者を優先することとした。また、車椅子使
用者に対しては、家族とのすれ違いを行なうことを設定
した。
【0047】入力部1に入力済の設計データから、レ
ベル評価部3は、宅内の廊下形状(広さ)を抽出する。
また、車椅子使用者がいることから宅内の廊下情報を取
得し、経路予測部で廊下全体に対する移動経路の予測を
行なう。予測方法は、DB部6の経路データから、指定
の車椅子の介助時での経路を使用して行なう。算出され
た経路データに対して、レベル評価部3は、指定車椅子
の移動判定を行なう。移動に伴い車椅子使用者が必要と
するレベル2のエリアが確保可能かを評価すると共に、
そのエリアと廊下の壁の間に他の家族とすれ違うための
スペースが確保されているかを評価する。評価は3次元
エリアに対して行ない、他の家族は横を向いてすれ違い
を行なうこととする。また、この評価は、家族全員に対
して行なわず、最も必要エリアの大きな住宅使用者につ
いてのみ行ない、廊下上に他の設備がある場合には、そ
の設備に対してのエリアも併せて評価する。ここで両エ
リアが接触する場合には、必要スペースが確保されてい
ないと判定し、接触状態(接触した距離)が廊下に対し
て変更を必要とする値となる。但し、本実施例では、設
備及び機器の変更を提案内容とすることから、提案部4
は、エリア同士が非接触となるスペースの小さな車椅子
の提案や、廊下上の他設備に原因がある場合にはその設
備の撤去及びサイズの変更を提案内容とし、具体的に使
用可能な設備をDB部6から選択し、提案する。
【0048】レベル評価部3は、車椅子使用者以外の
住宅使用者に関しても評価を行なう。評価の方法として
は、住宅使用者中で、最も必要エリアの大きな住宅使用
者と、2番目に大きな住宅使用者の両者が横を向いてす
れ違い可能かを判定基準とする以外は、車椅子使用者と
同様である。但し、通常の住宅使用者の場合、廊下全体
に関しての評価は行なわず、廊下の幅や、狭くなってい
る箇所、他の設備が置かれている箇所等の測定ポイント
を抽出し、それらに対して評価を行なう。
【0049】抽出された問題箇所に関しては、チェッ
クされた箇所と、その際の接触状態を各エリアを掲示し
て明確化し、出力部6のディスプレイ上で表示すると共
に、必要に応じてプリンターにより出力し、対象者が確
認可能なものとする。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、建物使用者の主観等に
適合する住宅建物内空間の評価を行ない、使いやすく快
適な建物を容易に提案できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の評価装置を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は本発明の評価方法を示す流れ図である。
【図3】図3は空間レベルとエリアの関係を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 入力部 2 体型予測部 3 レベル評価部 4 提案部 5 出力・表示部 6 データベース部 10 評価装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物使用者からの距離に基づく空間レベ
    ルに応じた複数のエリアを予め測定し、 建物内の各所に存在させた対象に対する建物使用者から
    の距離を算出し、この算出距離を前記エリアの距離と比
    較し、建物内の各所において上記対象がどのエリアにあ
    るかを判定する建物内空間の評価方法。
  2. 【請求項2】 建物使用者からの距離に基づく空間レベ
    ルに応じた複数のエリアを予め保存してなる記憶装置
    と、 建物内の各所に存在させた対象に対する建物使用者から
    の距離を算出し、この算出距離を前記記憶装置が記憶し
    ている前記エリアの距離と比較し、建物内の各所におい
    て上記対象がどのエリアにあるかを判定し、建物内の各
    所がどのエリアを形成するかを評価し、建物内の各所の
    空間レベルを評価する評価部とを有してなる建物内空間
    の評価装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶装置が建物内の各所で必要とさ
    れる空間レベルを予め設定され、前記評価部が上記建物
    内の各所における必要空間レベルに応ずるエリアを必要
    エリアとして算出するとともに、建物内の各所に存在さ
    せた対象に対する建物使用者毎の距離を算出し、この算
    出距離を上記必要エリアの距離と比較し、建物内の各所
    毎に各建物使用者が使用可能な状態にあるかを評価し、
    必要により、使用可能とするに必要な変更内容の提案も
    併せ行なう請求項2記載の建物内空間の評価装置。
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