JPWO2019017257A1 - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

蓄電デバイスは、正極シート及び負極シートを含む積重体を捲回した電極体を備える。前記正極シートは、正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備える。前記負極シートは、負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備える。前記負極集電体の少なくとも一部において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成され、開口率が31〜59%である。

Description

関連出願の相互参照
本国際出願は、2017年7月18日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017−139097号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017−139097号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
本開示は蓄電デバイスに関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化は目覚ましく、それに伴い、当該電子機器の駆動用電源として用いられる電池に対しても小型化・軽量化の要求が一層高まっている。
このような小型化・軽量化の要求を満足するために、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が開発されている。また、高エネルギー密度特性及び高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電デバイスとして、リチウムイオンキャパシタが知られている。更に、リチウムより低コストで資源的に豊富なナトリウムを用いたナトリウムイオン型の電池やキャパシタも知られている。
このような電池やキャパシタにおいては、様々な目的のために、予めアルカリ金属を電極活物質に吸蔵させるプロセス(一般にプレドープと呼ばれている)が採用されている。例えば、リチウムイオンキャパシタでは、負極電位を下げエネルギー密度を高めるためにリチウムのプレドープが行われる。また、リチウムイオン二次電池では、負極の不可逆容量を低減させるためにプレドープが行われる。そして、プレドープを行う方法としては、貫通孔を有する集電体を利用する方法が主流となっている(例えば、特許文献1参照)。
このようなプレドープ型の蓄電デバイスに用いられる、貫通孔を有する集電体として、エッチング処理により、平均内径が100μm以下の貫通孔を形成した金属箔(特許文献2参照)や、パンチング加工により、平均孔径が300μm以下の貫通孔を形成した銅箔(特許文献3参照)等がある。
特開2007−67105号公報 国際公開第2011/122239号パンフレット 特開2013−93498号公報
開口幅が小さい貫通孔を備える集電体を量産することは困難である。例えば、エッチング処理により貫通孔を形成する場合、製造コストが非常に高くなる。また、貫通孔をパンチング加工により形成する場合、大面積のパンチング金型が必要になるが、開口幅が300μm以下の貫通孔を形成できる大面積のパンチング金型を作製することは技術的に極めて難しい。
そのため、集電体に形成する貫通孔のうち、少なくとも一部の開口幅を大きくすることが考えられる。しかしながら、大きな貫通孔が形成された集電体を用いると、プレドープ特性や捲回型の電極体の生産性の点で問題が生じる。
本開示の一局面では、負極集電体に形成された貫通孔の開口幅が大きくても、プレドープ特性や生産性において優れた蓄電デバイスを提供することが好ましい。
本開示の一局面は、正極シート及び負極シートを含む積重体を捲回した電極体を備え、前記正極シートは、正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備え、前記負極シートは、負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備え、前記負極集電体の少なくとも一部において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成され、開口率が31〜59%である蓄電デバイスである。
本開示の一局面である蓄電デバイスが備える負極集電体の少なくとも一部において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成され、開口率が31〜59%である。そのため、本開示の一局面である蓄電デバイスは、プレドープ特性及び生産性において優れる。
なお、プレドープ特性とは、プレドープの進行の程度が、蓄電デバイス内でばらつき難い特性を意味する。また、生産性とは、蓄電デバイスを量産するときに欠陥が生じ難い特性を意味する。
積重体を円筒状に捲回して構成される電極体を表す説明図である。 積重体を扁平円筒状に捲回して構成される電極体を表す説明図である。 積重体の構成を表す断面図である。 負極集電体における貫通孔の配列を表す説明図である。 積重体の形態を表す分解斜視図である。 蓄電デバイスの構成を表す分解斜視図である。
1…電極体、3…積重体、5…心棒、7…第1のセパレータ、9…負極シート、11…第2のセパレータ、13…正極シート、15…リチウムイオン供給源、17…負極活物質層、19…負極集電体、21…貫通孔、23…正極活物質層、25…正極集電体、27…活物質層未形成部、29…活物質層未形成部、30…蓄電デバイス、31…ケース、33…ケース本体、35…封口板、37…開口、39…正極端子、41…負極端子、43…扁平面
本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1.蓄電デバイスの構成
(1−1)電極体
本開示の蓄電デバイスは、正極シート及び負極シートを含む積重体を捲回した電極体を備える。例えば、図1に示すように、電極体1は、長尺の積重体3を、その一端から心棒5に円筒状に捲回して構成される。積重体は、正極シート及び負極シートを含む。図1に示す例において、積重体3は、図3に示すように、第1のセパレータ7、負極シート9、第2のセパレータ11、及び正極シート13をこの順に積重して構成される。
また、例えば、図2に示すように、電極体1は、長尺の積重体3を、その一端から心棒5に扁平円筒状に捲回して構成される。図2に示す例においても、積重体3は、図3に示すように、第1のセパレータ7、負極シート9、第2のセパレータ11、及び正極シート13をこの順に積重して構成される。なお、図2における心棒5は、樹脂シートを捲回して作製したものである。
電極体の形態は、円筒状、扁平円筒状以外の形態であってもよい。例えば、楕円状、角型等の形態であってもよい。
(1−2)負極シート
負極シートは、負極集電体と、負極活物質層とを備える。負極活物質層は、負極集電体上に形成されている。例えば、図3に示すように、負極活物質層17は、負極集電体19の両面に形成されていてもよいし、負極集電体の片面に形成されていてもよい。
負極集電体は、例えば、シート状の金属箔から成る。負極集電体を構成する金属として、例えば、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。負極集電体の厚さは、好ましくは11〜19μmであり、さらに好ましくは11〜17μmである。負極集電体の厚さが11μm以上であると、負極集電体の搬送時にシワが生じ難い。負極集電体の搬送時にシワが生じ難いと、蓄電デバイスの生産性が向上する。負極集電体の厚さが19μm以下であると、蓄電デバイスのエネルギー密度を向上させることができる。
負極集電体の少なくとも一部の領域(以下では領域A1とする)において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成される。また、領域A1において、開口率が31〜59%である。領域A1は、負極活物質層が形成されており、且つ積重体の厚さ方向から見て、正極集電体と対向する領域(以下では「負極側対向領域」とする)であることが好ましい。
貫通孔の形状は特に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、四角形等の多角形が挙げられる。角部における電界集中を考慮すると、貫通孔の形状は、円形であることが好ましい。貫通孔の開口幅は、好ましくは350μm以上であり、より好ましくは370μm以上であり、特に好ましくは390μm以上である。貫通孔の開口幅の上限は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは480μm以下であり、特に好ましくは450μmである。貫通孔の開口幅が350μm以上であると、パンチング加工により貫通孔を形成することが容易となる。開口幅が500μm以下であると、負極集電体の破断強度とプレドープ特性との両立が容易になる。なお、貫通孔の開口幅は、測定対象に応じて光学顕微鏡又は電子顕微鏡により測定することができる。
なお、貫通孔の開口幅とは、負極集電体の厚さ方向から見て、貫通孔の輪郭上にある任意の2点間のうち最長となる距離を意味する。例えば、貫通孔の形状が円形の場合は、円の直径が開口幅である。貫通孔の形状が楕円形の場合は、楕円の長軸が開口幅である。貫通孔が多角形の場合は、多角形の任意の2つの頂点を結ぶ仮想線分のうち最も長い仮想線分の長さが開口幅である。
開口率は、下記式により求めることができる。
開口率(%)={1−(領域A1の質量/負極集電体を構成する金属の密度)/(領域A1の見かけ体積)}×100
上記の式において、領域A1の質量とは、領域A1に属する負極集電体の質量である。また、領域A1の見かけ体積とは、領域A1に属する負極集電体の、貫通孔を無視した体積である。なお、「貫通孔を無視した体積」とは、貫通孔が形成されている部分を含めた負極集電体の体積を意味する。
領域A1の面積は、負極集電体全体の面積に対して、好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。領域A1の面積が大きいほど、プレドープ特性が向上する。なお、領域A1の面積とは、貫通孔を無視した場合の面積である。すなわち、領域A1の面積とは、領域A1における、貫通孔を含めた面積である。
領域A1には、開口幅が350μm以上である貫通孔に加えて、開口幅が350μm未満である貫通孔が形成されていてもよい。領域A1において、全ての貫通孔の面積を100としたとき、開口幅が350μm未満である貫通孔の面積は20未満であることが好ましい。
領域A1における開口率は、31〜59%である。開口率の下限は、好ましくは35%以上であり、さらに好ましくは37%以上である。一方、開口率の上限は、好ましくは55%以下であり、さらに好ましくは52%以下であり、特に好ましくは48%以下である。開口率が31%以上であると、プレドープ特性が良好である。開口率が59%以下であると、負極集電体が破断し難くなり、負極集電体の搬送時にシワが生じ難くなる。負極集電体が破断し難くなり、負極集電体の搬送時にシワが生じ難いと、蓄電デバイスの生産性が向上する。
図4に示すように、領域A1において貫通孔21は、破断強度の観点から、千鳥状に配列されていることが好ましい。この場合、負極集電体19の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔21のピッチPと、負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔21のピッチPとの比率(P/P)は、好ましくは0.3〜0.8であり、さらに好ましくは0.4〜0.7である。P/Pが上記の範囲内である場合、負極集電体の破断強度の点で優れる。
負極集電体の表面粗さRaは90nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがさらに好ましく、60nm以下であることが特に好ましい。負極集電体の表面粗さRaがこれらの範囲内である場合、負極シートを作製する際に負極集電体を発生源とする金属粉の発生が少なくなる傾向にある。一方、負極集電体を構成する金属の結晶粒子径が大きいことに起因して、或いはエッチング処理により負極集電体の表面粗さRaが大きくなると、負極集電体を発生源とする金属粉が発生しやすくなり、蓄電デバイスの生産性が悪化する傾向にある。負極集電体の表面粗さRaは、1nm以上であることが好ましい。なお、表面粗さRaは、後述する実施例に記載の方法により、集電体の貫通孔が形成されていない領域であって且つ貫通孔周辺のエッジ部分を含まない領域を測定した値をいう。
負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質層は、必要に応じて、バインダー、導電助剤、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。負極活物質として、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、黒鉛粒子をピッチや樹脂の炭化物で被覆した複合炭素材料等の炭素材料;リチウムと合金化が可能なSi、Sn等の金属若しくは半金属又はこれらの酸化物を含む材料等が挙げられる。
上記バインダーとして、例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、NBR等のゴム系バインダー;ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、特開2009−246137号公報に開示されているようなフッ素変性(メタ)アクリル系バインダー等が挙げられる。
上記導電助剤として、例えば、カーボンブラック、黒鉛、気相成長炭素繊維、金属粉末等が挙げられる。上記増粘剤として、例えば、カルボキシルメチルセルロース、そのNa塩又はアンモニウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
負極活物質層の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは40〜150μmである。なお、負極集電体の両面に負極活物質層が形成されている場合、負極活物質層の厚さは、両面での合計の厚さを意味する。後述する正極シートにおいても、正極集電体の両面に正極活物質層が形成されている場合、正極活物質層の厚さは、両面での合計の厚さを意味する。
(1−3)正極シート
正極シートは、正極集電体と、正極活物質層とを備える。正極活物質層は、正極集電体上に形成されている。例えば、図3に示すように、正極活物質層23は、正極集電体25の両面に形成されていてもよいし、正極集電体の片面に形成されていてもよい。
正極集電体は、例えば、シート状の金属箔から成る。正極集電体を構成する金属として、例えば、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。正極集電体の厚さは、エネルギー密度及び搬送時におけるシワの生じ難さの観点から、好ましくは15〜40μmであり、さらに好ましくは18〜35μmである。
積重体の厚さ方向から見て、正極集電体のうち、負極集電体と対向する領域を以下では正極側対向領域A3とする。なお、正極側対向領域A3には、正極活物質層が形成されている。正極側対向領域A3には、プレドープ特性等の観点から、複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。正極側対向領域A3における開口率は、蓄電デバイスの生産性と製造コストの観点から、領域A1における開口率以下であることが好ましい。また、正極側対向領域A3における貫通孔の開口幅は、蓄電デバイスの生産性と製造コストの観点から、領域A1における貫通孔の開口幅以下であることが好ましい。なお、正極側対向領域A3における開口率は、上述した領域A1における開口率と同様に求めることができる。
正極側対向領域A3における開口率は、蓄電デバイスの生産性と製造コストの観点から、負極側対向領域における開口率以下であることが好ましい。また、正極側対向領域A3における貫通孔の開口幅は、蓄電デバイスの生産性と製造コストの観点から、負極側対向領域における貫通孔の開口幅以下であることが好ましい。
正極側対向領域A3の第一の態様として、開口幅が350μm以上の貫通孔が形成され、開口率が31〜59%であることが好ましい。この場合、貫通孔の形状、開口幅、貫通孔の配置における好ましい態様は、負極集電体における貫通孔の好ましい態様と同様である。また、正極側対向領域A3における開口率は、領域A1における開口率以下であることが好ましい。なお、第一の態様において、正極側対向領域A3に開口幅が350μm未満の貫通孔が形成されていてもよい。正極側対向領域A3において、全ての貫通孔の面積を100としたとき、開口幅が350μm未満である貫通孔の面積は20未満であることが好ましい。
正極側対向領域A3の第二の態様として、開口幅0.1〜100μmの貫通孔が形成され、開口率が1〜30%であることが好ましい。第二の態様において、貫通孔の開口幅の下限は、より好ましくは0.2μm以上であり、特に好ましくは0.5μm以上である。一方、開口幅の上限は、より好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは30μm以下である。また、第二の態様において、開口率は、より好ましくは1〜25%であり、特に好ましくは1〜20%である。なお、第二の態様において、正極側対向領域A3に開口幅が0.1〜100μmの範囲を外れる貫通孔が形成されていてもよい。正極側対向領域A3において、全ての貫通孔の面積を100としたとき、開口幅が0.1〜100μmの範囲を外れる貫通孔の面積は20未満であることが好ましい。
上記のような正極集電体は、例えば、電解エッチング、ケミカルエッチング、パンチング加工により製造することができる。
正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質層は、必要に応じて、バインダー、導電助剤、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。正極活物質として、例えば、マンガン酸化物、バナジウム酸化物等の遷移金属酸化物;リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、ナトリウムコバルト酸化物、ナトリウムニッケル酸化物、ナトリウムマンガン酸化物等のアルカリ金属遷移金属複合酸化物;硫黄単体、金属硫化物等の硫黄系活物質;ニトロキシラジカル化合物等の有機活物質、活性炭等が挙げられる。
上記バインダー、上記導電助剤、及び上記増粘剤として、上記負極シートの説明において例示した材料と同様のものを挙げることができる。正極活物質層の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは50〜200μmである。
(1−4)セパレータ
電極体は、正極シートと負極シートとの間に、それらの物理的な接触を抑制するためのセパレータを備えることができる。セパレータの材質として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、これらの材質の層を複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造を有する積層体)、ポリイミド、アラミド等の樹脂製の微多孔質膜、セルロース系不織布等が挙げられる。これらの材質から成る層の少なくとも一方の面に上記無機フィラーや上記有機フィラーを主成分とする耐熱層が積層されていてもよい。
セパレータの厚さは、絶縁性、イオン伝導性及びスプリングバックの観点から、好ましくは5〜50μmであり、さらに好ましくは10〜20μmである。また、セパレータの透気度は、10〜200秒/100ccであることが好ましい。
(1−5)積重体の形態
積重体は、例えば、図5に示す形態を有する。積重体3において、負極シート9、第2のセパレータ11、及び正極シート13はこの順に積層されている。なお、図5では、第1のセパレータの記載は省略している。
負極シート9には、負極活物質層17が形成されている。負極活物質層17は、領域A1の上に形成されている。図5に示す例において、領域A1は、負極側対向領域である。負極シート9は、積重体3の幅方向Wにおける一端に、活物質層未形成部27を備える。活物質層未形成部27は、負極活物質層17が形成されていない部分である。活物質層未形成部27では、負極集電体が露出している。活物質層未形成部27は、積重体3の長手方向Lにおいて連続している。長手方向Lは、電極体を形成するときに積重体3を捲回した方向である。積重体3の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部27の少なくとも一部は、第2のセパレータ11と重なることなく、幅方向Wに突出している。活物質層未形成部27に、負極リードを接続することができる。負極リードは、負極シート9と蓄電デバイスの負極端子とを接続する。
正極シート13には、正極活物質層23が形成されている。正極活物質層23は、正極側対向領域A3の上に形成されていることが好ましい。正極シート13は、積重体3の幅方向Wにおける一端に、活物質層未形成部29を備える。活物質層未形成部29は、幅方向Wにおいて、活物質層未形成部27とは反対側に位置する。活物質層未形成部29は、正極活物質層23が形成されていない部分である。活物質層未形成部29では、正極集電体が露出している。活物質層未形成部29は、積重体3の長手方向Lにおいて連続している。積重体3の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部29の少なくとも一部は、第2のセパレータ11と重なることなく、幅方向Wに突出している。活物質層未形成部29に、正極リードを接続することができる。正極リードは、正極シート13と蓄電デバイスの正極端子とを接続する。
(1−6)電解質
本開示の蓄電デバイスは、通常、上記電極体とともに、電解質を備える。電解質は、通常、溶媒中に溶解された電解液の状態で用いられる。電解質として、リチウムイオンを生成することができる電解質が好ましい。リチウムイオンを生成することができる電解質として、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiN(CSO、LiN(CFSO、LiN(FSO等が挙げられる。これらの電解質は、単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
電解質を溶解させるための溶媒として、非プロトン性の有機溶媒が好ましい。非プロトン性の有機溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、1−フルオロエチレンカーボネート、1−(トリフルオロメチル)エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。粘度が低く、イオン伝導度が高い電解液が得られることから、溶媒として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を用いることが好ましい。
電解液は、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン、ジエチルスルホン等の添加剤をさらに含有していてもよい。電解質は、ゲル状又は固体状であってもよい。この場合、電解質の漏液を抑制することができる。
(1−7)ケース
本開示の蓄電デバイスは、通常、上記電極体とともに、ケースを備える。ケースは、その中に電極体及び電解質を収納する。ケースの形態は、電極体及び電解質を収容することができれば特に限定されるものではない。電極体が捲回扁平構造を有する場合、角型のケースが好ましい。角型のケースの例を図6に示す。蓄電デバイス30が備えるケース31は、ケース本体33と、封口板35とを備える。ケース本体33は、一側面に開口37を有する扁平な矩形の箱である。封口板35は、ケース本体33の開口37を気密に塞ぐ板状部材である。ケース本体33及び封口板35の材質は金属が好ましい。金属として、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等が挙げられる。ケース本体33の材質と封口板35の材質とは同じであることが好ましい。
封口板35の上部には、正極端子39と負極端子41とが互いに離間して配置されている。正極端子39は、図示しない正極リードを介して、電極体1を構成する正極シート13に接続されている。また、負極端子41は、図示しない負極リードを介して、電極体1を構成する負極シート9に接続されている。
封口板35は、例えば、図示しない安全弁を備えることができる。安全弁を備える場合、ケース31の内部の圧力が所定値以上に上昇したときに安全弁が開弁し、ケース31の内部のガスが外部に放出されることから、蓄電デバイス30の安全性が向上する。
(1−8)リチウムイオン供給源
本開示の蓄電デバイスは、例えば、リチウムイオン供給源をさらに備えることができる。リチウムイオン供給源を備える場合、蓄電デバイスは、正極活物質又は負極活物質にリチウムイオンをプレドープすることが可能になる。
リチウムイオンをプレドープする方法として、例えば、リチウムイオン供給源をリチウム極としてケース内に配置し、正極シートおよび負極シートの少なくとも一方とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンをプレドープする方法が挙げられる。
例えば、 図1、図2に示すように、電極体1の外周側に、リチウムイオン供給源15を設けてもよい。図1に示す電極体1では、積重体3の最外周部分にリチウムイオン供給源15を配置する。図2に示す電極体1では、積重体3の最外周部分であって、扁平面43に位置する部分に、リチウムイオン供給源15を配置する。リチウムイオン供給源15は、第1のセパレータ7を介して負極シート9に対向する。リチウムイオン供給源15上に、図示しないリチウム極集電体を積層することができる。リチウム極集電体は負極シート9と電気的に接続されている。
2.実施例
<実施例1>
(1)正極シートの作製
シート状のアルミニウム箔を正極集電体とした。正極集電体の全面にわたって、電解エッチング加工により、開口幅1〜10μmの貫通孔を複数形成した。正極集電体における開口率は5%であった。正極集電体の厚みは20μmであった。原子間力顕微鏡により測定した正極集電体の表面粗さRaは131nmであった。なお、表面粗さRaの測定は、日立ハイテックサイエンス社製の走査型プローブ顕微鏡(NanoNaviReal/S−image)を用いて、タッピングモードで行った。表面粗さRaの測定は、集電体の表裏両面それぞれで任意に選んだ2ヶ所について10μm×10μmの範囲で行った。表面粗さRaの測定値として、2ヶ所での測定値の平均値を採用した。
上記正極集電体の両面に直接正極用スラリーを塗工した。正極用スラリーは、以下のようにして作製した。まず、D50が9μmであり、BET比表面積が2200m2 /gである活性炭粉末92質量部、導電助剤としてのアセチレンブラック粉末20質量部、イオン交換水100質量部に溶解させた増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース3質量部、およびイオン交換水170質量部を加えてプラネタリーミキサーを用いて混合した。その後、イオン交換水9質量部に分散させたフッ素変性アクリル系バインダー6質量部を添加し、再びプラネタリーミキサーを用いて混合することにより正極用スラリーを得た。活性炭粉末は正極活物質に対応する。正極用スラリーをこのような組成にすることにより、正極集電体と正極活物質層との間に導電層を設けなくとも、内部抵抗の低いリチウムイオンキャパシタを得ることができる。正極用スラリーの塗工には、縦型ダイ方式の両面塗工機を用いた。次に、減圧乾燥させることにより、正極集電体の両面に正極活物質層を形成した。正極活物質層の厚みは、両面合わせて160μmであった。
このとき、正極集電体の両面に、それぞれ、活物質層未形成部を設けた。活物質層未形成部は、正極活物質層が形成されていない部分である。活物質層未形成部は、正極集電体の幅方向W(図5参照)における一端に位置する。活物質層未形成部は、正極集電体の長手方向L(図5参照)において連続している。正極集電体のうち、正極活物質層を形成した部分が、正極側対向領域に対応する。なお、正極側対向領域における開口率は5%であった。
(2)負極シートの作製
シート状の銅製箔を負極集電体とした。負極集電体の全面にわたって、パンチング加工により、開口幅350μmの貫通孔を複数形成した。複数の貫通孔は、千鳥状になるように配置した。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPLは600μmであった。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPWは1000μmであった。負極集電体における開口率は32%であった。負極集電体の全体が領域A1に対応する。負極集電体の厚みは15μmであった。原子間力顕微鏡により測定した負極集電体の表面粗さRaは34nmであった。
縦型ダイ方式の両面塗工機を用い、負極集電体の両面に負極用スラリーを塗工した。負極用スラリーは、D50が5μmであり、BET比表面積が10m2 /gである被覆黒鉛粒子92質量部、アセチレンブラック粉体6質量部、フッ素変性アクリル系バインダー5質量部、カルボキシメチルセルロース4質量部、およびイオン交換水200質量部を加えて2軸遊星攪拌機にて充分混合することにより作製した。被覆黒鉛粒子は、天然黒鉛を非晶質性炭素(ピッチの焼成物)で被覆した粒子である。被覆黒鉛粒子は負極活物質に対応する。
次に、減圧乾燥させることにより、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した。負極活物質層の厚みは両面合わせて70μmであった。
負極集電体の両面に、それぞれ、活物質層未形成部を設けた。活物質層未形成部は、負極活物質層が形成されていない部分である。活物質層未形成部は、負極集電体の幅方向W(図5参照)における一端に位置する。活物質層未形成部は、負極集電体の長手方向L(図5参照)において連続している。負極集電体のうち、負極活物質層を形成した部分が、負極側対向領域に対応する。なお、負極側対向領域における開口率は32%であった。
(3)セパレータの作製
厚みが15μmであるポリプロピレン製のシートから切り出すことで、第1のセパレータ及び第2のセパレータをそれぞれ作製した。
(4)電極体の作製
上記(3)で作製した第1のセパレータ、上記(2)で作製した負極シート、上記(3)で作製した第2のセパレータ、及び上記(1)で作製した正極シートをこの順に積層した。このとき、図5に示すように、負極シート9の活物質層未形成部27と、正極シート13の活物質層未形成部29とは、幅方向Wにおいて反対の位置関係とした。積重体3の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部27の少なくとも一部は、第2のセパレータ11と重なることなく、幅方向Wに突出するようにした。また、積重体3の厚み方向Dから見て、活物質層未形成部29の少なくとも一部は、第2のセパレータ11と重なることなく、幅方向Wに突出するようにした。
次に、直径44mmのステンレス製の芯棒の外周面に、第1のセパレータ7が内側となるように、積重体3を捲回することにより、内径44mm、外径59mmの円筒状の電極体1を作製した。次に、円筒状の電極体1をプレスすることにより、捲回扁平構造を有する電極体1を作製した。この電極体1の電極体高さは85mmであり、図2の紙面に直交する方向での幅は145mmであり、電極体厚さは14mmであった。電極体高さとは、図2における左右方向での高さである。電極体厚さとは、図2における上下方向での厚さである。
(5)リチウムイオンキャパシタの作製
超音波溶接により、アルミニウム製のリード部材を正極シート13の活物質層未形成部29に接続した。また、超音波溶接により、銅製のリード部材を負極シート9の活物質層未形成部27に接続した。次に、リチウム箔から成るリチウムイオン供給源15を、積重体3の最外周部分であって、扁平面43に位置する部分に配置した。このとき、リチウムイオン供給源15は、第1のセパレータ7を介して負極シート9に対向した。なお、リチウムイオン供給源15には、負極シートに用いた負極活物質の充電容量に対して100%を超えない量のリチウム箔を用いた。
次に、図6に示すように、アルミニウム製の封口板35を用意した。封口板35は正極端子39及び負極端子41を備えていた。また、封口板35は図示しない注液口を備えていた。封口板35の寸法は、縦150mm×横15mm×厚さ1mmであった。正極端子39及び負極端子41は、インサート樹脂成型により、PP製の樹脂ホルダーを介して、封口板35に一体化されていた。次に、上述したとおり、負極シート9の活物質層未形成部27に接続していたリード部材の他端を負極端子41に抵抗溶接して電気的に接続した。また、正極シート13の活物質層未形成部29に接続していたリード部材の他端を正極端子39に抵抗溶接して電気的に接続した。その結果、電極体1が封口板35に接続した。
次に、図6に示すように、一側面に開口37を有する角型のアルミニウム製ケース本体33を用意した。ケース本体33の寸法は、縦幅92mm×横幅150mm×厚さ15mmであった。次に、封口板35と接続した電極体1を、開口37から、ケース本体33の内部に挿入した。この状態で、開口37の外周縁部と封口板35の外周縁部とをかしめることにより、開口37を封口した。ケース本体33と封口板35とにより、ケース31が形成された。
次に、120mlの電解液を、封口板35に形成された注液口からケース31の内部に注入し、注液口を安全弁で封止することにより、プレドープ前のリチウムイオンキャパシタのセルを作製した。電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びジエチルカーボネートを質量比で3:1:4の比率で混合した溶媒に、1モル/Lの濃度でLiPF6を溶解したものであった。リチウムイオンキャパシタのセルは、捲回扁平構造を有する電極体1がケース31の内部に収容された構造を有していた。
次に、リチウムイオンキャパシタのセルを60℃の恒温槽中に静置することで、リチウムイオン供給源15のリチウム箔が目視で完全に無くなるまでプレドープを進行させた。このようにして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。リチウムイオンキャパシタのセルは蓄電デバイスに対応する。
(6)プレドープ特性の評価
上記(5)で作製したリチウムイオンキャパシタのセルをドライルーム内で解体し、負極シートを取り出した。取り出した負極シートのうち、積重体3を捲回して成る電極体1の最外に位置し、偏平面を構成する部分を、以下では最外部とする。また、取り出した負極シートのうち、電極体1の最内に位置し、偏平面を構成する部分を、以下では最内部とする。
最外部におけるドープ率を以下のように測定した。ドープ率とは、プレドープの進行の程度を表す指標である。まず、最外部をデジタルカメラで撮影し、カラー画像を取得した。なお、カラー画像において、プレドープ前の負極活物質層は黒色であるのに対して、プレドープされた負極活物質層は金色に変色する。次に、カラー画像を紙にカラー印刷した。カラー印刷した紙のうち、負極活物質層を表す部分を切り出し、切り出した部分の質量W1を精密電子天秤により測定した。次に、カラー印刷した紙のうち、負極活物質層を表す部分であって、金色に変色している部分を切り出し、切り出した部分の質量W2を精密電子天秤により測定した。W2/W1をドープ率とした。また、最内部についても、最外部の場合と同様の方法で、ドープ率W2/W1を算出した。
次に、(最内部におけるドープ率/最外部におけるドープ率)をプレドープ指数とした。プレドープ指数は、電極体の全体にわたって均一にプレドープが進行している程度を表す指標である。プレドープ指数に基づき、以下の評価基準によりプレドープ特性を評価した。評価結果を表1に示す。
○:プレドープ指数が0.25以上である。
△:プレドープ指数が0.1以上、0.25未満である。
×:プレドープ指数が0.1未満である。
Figure 2019017257
(7)生産性の評価
長さ100mの負極集電体を搬送しながら、負極集電体に負極用スラリーを塗工して負極シートを作製する工程において、搬送状態を目視で確認し、以下の評価基準により生産性を評価した。評価結果を上記表1に示す。
○:負極用スラリーを塗工した際に、ハジキにより負極集電体が露出する部分もシワも発生しない。
△:負極用スラリーを塗工した際に、ハジキにより負極集電体が露出する部分は発生しないが、負極集電体にシワが1ヶ所以上発生する。
×:負極用スラリーを塗工した際に、ハジキにより負極集電体が露出する部分が1ヶ所以上発生する。
なお、「ハジキ」とは、負極集電体に発生した大きなシワの上で負極用スラリーが弾いてしまうことを意味する。
<実施例2>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例1と相違する。負極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は400μmである。負極集電体における開口率は40%である。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは620μmである。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは1000μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<実施例3>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例1と相違する。負極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は430μmである。負極集電体における開口率は54%である。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは540μmである。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは1000μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<実施例4>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例1と相違する。負極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は400μmである。負極集電体における開口率は57%である。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは500μmである。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは880μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<実施例5>
基本的には実施例2と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例2と相違する。負極集電体の厚みは10μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<実施例6>
基本的には実施例2と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例2と相違する。
正極集電体の全面にわたって、パンチング加工により、開口幅400μmの貫通孔を複数形成した。正極集電体の貫通孔は千鳥状になるように配置した。正極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは620μmであった。正極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは1000μmであった。正極集電体における開口率は40%であった。正極集電体の厚みは20μmであった。原子間力顕微鏡により測定した正極集電体の表面粗さRaは8nmであった。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<実施例7>
基本的には実施例6と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例6と相違する。正極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は350μmである。正極集電体における開口率は32%である。正極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは600μmである。正極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは1000μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<比較例1>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例1と相違する。負極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は400μmである。負極集電体における開口率は28%である。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは900μmである。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは1000μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
<比較例2>
基本的には実施例1と同様にして、リチウムイオンキャパシタのセルを作製した。ただし、以下の点で実施例1と相違する。負極集電体に形成されている貫通孔の開口幅は400μmである。負極集電体における開口率は63%である。負極集電体の長手方向Lに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは500μmである。負極集電体の幅方向Wに直線状に並ぶ貫通孔のピッチPは800μmである。作製したセルについて、実施例1と同様の手法によって評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
3.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)本開示の電極体を用いて、リチウムイオンキャパシタ以外の蓄電デバイスを製造してもよい。リチウムイオンキャパシタ以外の蓄電デバイスとして、例えば、リチウムイオン二次電池等が挙げられる。
(2)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3)上述した蓄電デバイスの他、当該蓄電デバイスを構成要素とするシステム、電極体の製造方法、積重体の製造方法、蓄電デバイスの製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。

Claims (7)

  1. 正極シート及び負極シートを含む積重体を捲回した電極体を備え、
    前記正極シートは、正極集電体及び前記正極集電体上に形成された正極活物質層を備え、
    前記負極シートは、負極集電体及び前記負極集電体上に形成された負極活物質層を備え、
    前記負極集電体の少なくとも一部において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成され、開口率が31〜59%である蓄電デバイス。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイスであって、
    原子間力顕微鏡を用いて測定された前記負極集電体の表面粗さRaは90nm以下である蓄電デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載の蓄電デバイスであって、前記負極集電体の厚みが11〜19μmである蓄電デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスであって、
    前記正極集電体のうち、前記負極集電体と対向する正極側対向領域において、複数の貫通孔が形成され、
    前記正極側対向領域における開口率は、前記負極集電体のうち、前記正極集電体と対向する負極側対向領域における開口率以下である蓄電デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスであって、
    前記正極集電体のうち、前記負極集電体と対向する正極側対向領域において、開口幅が350μm以上である貫通孔が形成され、開口率が31〜59%である蓄電デバイス。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスであって、
    前記正極集電体のうち、前記負極集電体と対向する正極側対向領域において、開口幅0.1〜100μmの貫通孔が形成され、開口率が1〜30%である蓄電デバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイスであって、
    リチウムイオン供給源をさらに備える蓄電デバイス。
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