JPWO2019004247A1 - 発光素子及びその製造に有用な高分子化合物 - Google Patents

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Abstract

外部量子効率が優れる発光素子を提供する。陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層とを有する発光素子であって、第1の有機層が、高分子化合物(TP)を含有する層であり、第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、高分子化合物(TP)が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位を含み、架橋材料が、特定の架橋基を有する低分子化合物、又は、特定の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、発光素子。

Description

本発明は、発光素子及びその製造に有用な高分子化合物に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、高分子化合物(HT−1)を含有する有機層と、式(C−1)で表される構成単位を含む高分子化合物を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。
Figure 2019004247
特開2010−196040号公報
しかし、上述した発光素子は、外部量子効率が必ずしも十分ではなかった。
そこで、本発明は、外部量子効率が優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[14]を提供する。
[1]陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第1の有機層と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
前記第1の有機層が、高分子化合物(TP)を含有する層であり、
前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
前記高分子化合物(TP)が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位を含み、
前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、又は、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、前記発光素子。

<架橋基A群>
Figure 2019004247
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
[2]前記架橋材料が、前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であり、且つ、前記架橋構成単位が、式(2)で表される構成単位又は式(2’)で表される構成単位である、[1]に記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R’)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2019004247
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、芳香族炭化水素環と複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R’)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[3]前記架橋材料が、前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物であり、且つ、前記低分子化合物が式(3)で表される低分子化合物である、[1]に記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
B1及びmB2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。mB3は、0以上5以下の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。mB3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar7は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、芳香族炭化水素環と複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar7が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R''')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R'''は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X''は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX''は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX''のうち、少なくとも1つは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[4]前記低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位が、式(1C)で表される構成単位、式(2C)で表される構成単位、式(3C)で表される構成単位又は式(4C)で表される構成単位である、[1]〜[3]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
1Cは、前記低分子化合物(T)から1個の水素原子を除いてなる基を表す。
Cは、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRBは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。LCが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
c1は0以上10以下の整数を表す。]
Figure 2019004247
[式中、
1Cは、前記と同じ意味を表す。
d及びLeは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA及びRBは、前記と同じ意味を表す。Ld及びLeが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
d1及びne1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一でも異なっていてもよい。
Ar1Mは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 2019004247
[式中、
d及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
2Cは、前記低分子化合物(T)から2個の水素原子を除いてなる基を表す。]
Figure 2019004247
[式中、
d及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
3Cは、前記低分子化合物(T)から3個の水素原子を除いてなる基を表す。]
[5]前記高分子化合物(TP)が、式(Y)で表される構成単位を更に含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、ArY1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
[6]前記式(Y)で表される構成単位が、式(Y-1)、式(Y-2)又は式(Y-3)で表される構成単位である、[5]に記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
Y1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
Figure 2019004247
[式中、
Y1は、前記と同じ意味を表す。
Y1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
Figure 2019004247
[式中、
Y1及びXY1は前記と同じ意味を表す。
但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
[7]前記低分子化合物(T)の振動子強度が0.0001以上1以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子。
[8]前記低分子化合物(T)が式(T−1)で表される低分子化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ArT1は、置換アミノ基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、ArT1の少なくとも1つは、置換アミノ基であるか、或いは、二重結合を有さない窒素原子を環内に含み、且つ、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、式(P):
Figure 2019004247
で表される基を環内に含まない、1価の複素環基である。ZT1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RT1')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
ArT2は、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T2は、1以上15以下の整数を表す。但し、ArT2がホウ素原子又は前記式(P)で表される基である場合、nT2は3である。ArT2が−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、又は、−S(=O)2−で表される基である場合、nT2は2である。
ArT1とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT2とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT1とArT2とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。]
[9]前記第1の有機層が、ホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の発光素子。
[10]前記第1の有機層が、前記発光材料として、式Ir-1で表される燐光発光性化合物を含有する、[9]に記載の発光素子。
Figure 2019004247
[式中、
D1、RD2、RD3、RD4、RD5、RD6、RD7及びRD8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RD1、RD2、RD3、RD4、RD5、RD6、RD7及びRD8が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
−AD1---AD2−は、アニオン性の2座配位子を表し、AD1及びAD2は、それぞれ独立に、イリジウム原子と結合する炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。−AD1---AD2−が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
D1は、1、2又は3を表す。
D2は、1又は2を表す。]
[11]前記第1の有機層が、前記発光材料として、蛍光発光性化合物を含有する、[9]に記載の発光素子。
[12]前記第1の有機層と前記第2の有機層とが隣接している、[1]〜[11]のいずれかに記載の発光素子。
[13]前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、[1]〜[12]のいずれかに記載の発光素子。
[14]式(S2−1’)で表される構成連鎖を含み、且つ、
前記構成連鎖が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位を含む、高分子化合物(以下、「高分子化合物A」と言う)。
Figure 2019004247
[式中、
kは、0又は1を表す。複数存在するkは、同一でも異なっていてもよい。
DA1は、0以上10以下の整数を表す。mDA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
d1は、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一でも異なっていてもよい。
T1は、1又は2を表す。
ArDA1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。ArDA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ArL1は、TDAで表される基から1個の水素原子を除いてなる基を表す。ArL1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。TDAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArTWは、前記式(Y-1)、前記式(Y-2)又は前記式(Y-3)で表される構成単位を表す。複数存在するArTWは、同一でも異なっていてもよい。
dは、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ldが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRBは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RT1')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環、又は、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を環内に含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。
T1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
XT1と環RT1が有していてもよい置換基、RXT1と環RT2が有していてもよい置換基、RXT1'と環RT1が有していてもよい置換基、及び、RXT1'と環RT2が有していてもよい置換基は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
3は、−N=で表される基、又は−CH=で表される基を表す。複数存在するZ3は、同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのZ3は、−N=で表される基を表す。
本発明によれば、外部量子効率が優れる発光素子、及びその製造に有用な高分子化合物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性又は輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香族炭化水素環が縮合されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2019004247
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Figure 2019004247
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[式中、R及びRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2019004247
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Figure 2019004247
Figure 2019004247
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[式中、R及びRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜式(XL-17)で表される架橋基である。
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は置換アミノ基を表す。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層と、陽極及び陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
前記第1の有機層が、高分子化合物(TP)を含有する層であり、
前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
前記高分子化合物(TP)が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(以下、「ΔEST」ともいう。)が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位(以下、「構成単位(C)」ともいう。)を含み、
前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、又は、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、前記発光素子である。
第1の有機層及び第2の有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等の乾式法、並びに、スピンコート法及びインクジェット法等の湿式法が挙げられ、湿式法が好ましい。
第1の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第1のインクを用いることが好ましい。
第2の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第2のインクを用いることが好ましい。第2の有機層を形成後、加熱又は光照射することで、第2の有機層に含有される架橋材料を架橋させることができ、加熱することで、第2の有機層に含有される架橋材料を架橋させることが好ましい。架橋材料が架橋した状態(架橋材料の架橋体)で、第2の有機層に含有されている場合、第2の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、第2の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25℃〜300℃であり、好ましくは50℃〜260℃であり、より好ましくは130℃〜230℃であり、更に好ましくは180℃〜210℃である。
加熱の時間は、通常、0.1分〜1000分である。
光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
第1の有機層又は第2の有機層に含有される成分の分析方法としては、例えば、抽出等の化学的分離分析法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分析法(MS)等の機器分析法、並びに、化学的分離分析法及び機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
第1の有機層又は第2の有機層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。不溶成分は赤外分光法又は核磁気共鳴分光法により分析することが可能であり、溶解成分は核磁気共鳴分光法又は質量分析法により分析することが可能である。
<第1の有機層>
第1の有機層に含有される高分子化合物(TP)は、ΔESTが0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位(C)を含む。
低分子化合物(T)は、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料であることが好ましい。
低分子化合物(T)のΔESTは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、0.0001eV以上0.45eV以下であり、より好ましくは、0.001eV以上0.20eV以下であり、更に好ましくは0.01eV以上0.11eV以下である。
低分子化合物(T)の振動子強度は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0.005以上1以下であり、より好ましくは0.01以上0.3以下である。
化合物のΔEST及び振動子強度の算出には、量子化学計算プログラムであるGaussian09を用いることができる。例えば、B3LYPレベルの密度汎関数法を用いて、化合物の基底状態を構造最適化した後、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法を用いることで、ΔEST及び振動子強度を算出することができる。基底関数としては、通常、6-31G*を使用するが、6-31G*を使用できない原子が化合物に含まれる場合は、該原子に対してLANL2DZを使用することができる。
低分子化合物(T)は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、式(T−1)で表される低分子化合物であることが好ましい。
T1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
T2は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは1以上3以下の整数であり、より好ましくは1である。
ArT1で表される1価の複素環基としては、例えば、後述の1価のドナー型複素環基及び後述の1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基が挙げられ、好ましくは、カルバゾリル基、1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾリル基、ジベンゾフリル基又はジベンゾチエニル基であり、より好ましくは、カルバゾリル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1で表される置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、後述のArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
「二重結合を有さない窒素原子」とは、窒素原子と、その窒素原子と結合するすべての原子との間に単結合のみを有する窒素原子を意味する。
「二重結合を有さない窒素原子を環内に含む」とは、−N(−RN)−(式中、RNは水素原子又は置換基を表す。)、又は、式:
Figure 2019004247
で表される基を環内に含むことを意味する。
二重結合を有さない窒素原子を環内に含み、且つ、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を環内に含まない、1価の複素環基(以下、「1価のドナー型複素環基」ともいう。)において、環を構成する二重結合を有さない窒素原子の数は、通常、1〜10である。
1価のドナー型複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。
1価のドナー型複素環基としては、例えば、ピロリル基、インドリル基、イソインドリル基、カルバゾリル基、1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾリル基、9,10-ジヒドロアクリジニル基、5,10-ジヒドロフェナジニル基、アクリドニル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基が挙げられ、好ましくは、ピロリル基、インドリル基、カルバゾリル基、1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾリル基、9,10-ジヒドロアクリジニル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。
1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基としては、例えば、ジアゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ジアザフェニル基、トリアジニル基、アザナフチル基、ジアザナフチル基、トリアザナフチル基、アザアントラセニル基、ジアザアントラセニル基、トリアザアントラセニル基、アザフェナントレニル基、ジアザフェナントレニル基、トリアザフェナントレニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾシロリル基、アザカルバゾリル基及びジアザカルバゾリル基が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
1価のドナー型複素環基及びドナー型複素環基以外の1価の複素環基は、好ましくは、複素環を構成するヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いてなる基である。
ArT1が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、アルキル基、アリール基、置換アミノ基又は1価の複素環基がより好ましく、アリール基又は1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基であるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、又はこれらの基が縮合した基が挙げられ、好ましくは、フェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基である1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1で表される1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、置換基として1価の複素環基を有することが好ましい。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基であるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基であるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1の少なくとも1つは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、後述の式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、1価のドナー型複素環基であり、より好ましくは、後述の式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
「2価の基」としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RArT1)−で表される基、−B(RArT1)−で表される基、−P(RArT1)−で表される基、−(O=)P(RArT1)−で表される基、−Si(RArT1')2−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2で表される基、−C(=ZT1)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1及びRArT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
2価の基であるアルキレン基及びシクロアルキレン基の例及び好ましい範囲は、後述のLAで表されるアルキレン基及びシクロアルキレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
2価の基であるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲は、後述のLT1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1及びRArT1'の例及び好ましい範囲は、各々、後述のRXT1及びRXT1'の例及び好ましい範囲と同じである。
2価の基が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
・式(T1−1)で表される基
Figure 2019004247
[式中、
環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環、又は、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を環内に含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。ZT1は前記と同じ意味を表す。
T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよい。]
「−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜18である。
−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ナフタセン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環及びこれらの環が縮合した環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
「=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を環内に含まない複素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。
=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、前記式(P)で表される基を環内に含まない複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、シロール環、及びホスホール環が挙げられ、これらの環は置換基を有していてもよい。
本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、環RT1が置換基として1価の複素環基若しくは置換アミノ基を有すること、又は、環RT2が置換基として1価の複素環基若しくは置換アミノ基を有することが好ましく、環RT1が置換基として1価の複素環基を有すること、又は、環RT2が置換基として1価の複素環基を有することがより好ましく、環RT1及び環RT2のいずれか一方のみが置換基として1価の複素環基を有することが更に好ましい。
環RT1及び環RT2が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
環RT1及び環RT2のうち、少なくとも1つは、−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環RT1及び環RT2の両方が−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
T1は、好ましくは単結合、酸素原子又は−C(RXT1')2−で表される基であり、より好ましくは単結合である。
XT1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
XT1'は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
XT1及びRXT1'で表されるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基であるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
XT1及びRXT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(T1−1)で表される基は、好ましくは、式(T1−1A)で表される基である。
Figure 2019004247
[式中、
T1は、前記と同じ意味を表す。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7及びRT8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
T1〜RT8は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
T1、RT2、RT4、RT5、RT7及びRT8は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
T3及びRT6のうち、少なくとも1つは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、1価の複素環基であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、RT3及びRT6のいずれか一方のみが、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、1価の複素環基であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
T1〜RT8で表されるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1〜RT8が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1は、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、アリーレン基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表されるアリーレン基としては、好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基又はジヒドロフェナントレンジイル基であり、より好ましくは、式(A-1)〜式(A-3)で表される基であり、更に好ましくは、式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表される2価の複素環基としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
T1が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、各々、ArT1が有していてもよい置換基及び該置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1'は、好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1'で表されるアリール基、1価の複素環基及び置換基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT2は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)2で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、より好ましくは、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、更に好ましくは=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1は、好ましくは、酸素原子である。
ZT1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ZT1で表されるアリール基、1価の複素環基及び置換基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜18である。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基における芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、インデン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、及びこれらの環が直接結合してなる環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
電子求引性基としては、例えば、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
フッ素原子を置換基として有するアルキル基としては、好ましくは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基である。
電子求引性基を有する芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基が有する電子求引性基の数は、通常、1〜10個であり、好ましくは、1個又は2個である。
ホウ素原子を環内に含む複素環基において、環を構成する炭素原子の数は、通常1〜60であり、好ましくは12〜18である。
ホウ素原子を環内に含む複素環基としては、例えば、ボロール環、ベンゾボロール環、ジベンゾボロール環基、ボリン環、ベンゾボリン環、ジベンゾボリン環、フェナザボリン環、フェノキサボリン環、フェノチアボリン環、フェノセレナボリン環、式(DB):
Figure 2019004247
で表される環、又は、これらの環が縮合してなる環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基が挙げられ、好ましくは、フェナザボリン環又は式(DB)で表される環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
=N−で表される基を環内に含む複素環基において、環を構成する二重結合を有する窒素原子の数は、通常、1〜10であり、好ましくは3である。
=N−で表される基を環内に含む複素環基において、環を構成する炭素原子の数は、通常1〜60であり、好ましくは3〜5である。
=N−で表される基を環内に含む複素環基としては、例えば、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、アクリジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、又は、これらの環が縮合してなる環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基が挙げられ、好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環又はトリアジン環から一部又は全部の水素原子を除いてなる基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2は、置換基として少なくとも1つの式(1T')で表される基を有する。
Figure 2019004247
[式中、LT1、nT1及びArT1は、前記と同じ意味を表す。]
ArT2は、置換基としてnT3個の式(D-C)で表される基を有していてもよく、少なくとも1つの式(D-C)で表される基を有することが好ましい。
T3は0以上15以下の整数を表し、好ましくは0以上5以下の整数であり、より好ましくは1又は2である。
Figure 2019004247
[式中、
DA1は、0以上10以下の整数を表す。
ArDA1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。ArDA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DAは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
DA1は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
ArDA1は、好ましくは、フェニレン基又はフルオレンジイル基であり、より好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数存在する場合、それらは同一であることが好ましい。
Figure 2019004247
[式中、
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAは、好ましくは式(TDA-1)又は式(TDA-2)で表される基であり、より好ましくは式(TDA-1)で表される基である。
Figure 2019004247
[式中、RDA及びRDBは、前記と同じ意味を表す。]
式(D-C)で表される基は、好ましくは式(D-C1)〜式(D-C4)で表される基であり、より好ましくは式(D-C1)で表される基である。
Figure 2019004247
[式中、
p4、Rp5及びRp6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rp4、Rp5及びRp6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np4は、0〜4の整数を表す。
np5及びnp6は、それぞれ独立に、は0〜5の整数を表す。]
np4は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0である。np5は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0である。np6は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0である。
p4〜Rp6は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基又はtert−オクチル基である。
ArT2が有していてもよい置換基(式(1T’)で表される基及び式(D-C)で表される基とは異なる。以下、同様である。)としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、アルキル基又はシクロアルキル基がより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2が=N−で表される基を環内に含む複素環基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、後述の式(T’−1)〜式(T’−14)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−4)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2が電子求引性基を有する芳香族炭化水素基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、後述の式(T’−15)〜式(T’−18)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−15)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2がホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基又は前記式(P)で表される基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、後述の式(T’−19)〜式(T’−22)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−21)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物において、ArT2がホウ素原子を環内に含む複素環基である場合、式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、後述の式(T’−23)又は式(T’−24)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−24)で表される化合物である。
式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−4)、式(T’−12)〜式(T’−14)、式(T’−15)、式(T’−17)、式(T’−18)、式(T’−20)、式(T’−21)、式(T’−23)又は式(T’−24)で表される化合物であり、より好ましくは式(T’−4)又は式(T’−24)で表される化合物であり、更に好ましくは式(T’−4)で表される化合物である。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
1Tは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1Tは、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、複数存在するR1Tのうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基である。
1T'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、電子求引性基、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1T'は、同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、複数存在するR1T'のうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基であり、且つ、少なくとも1個は電子求引性基である。]
複数存在するR1T及びR1T'のうち、各々、nT3個は式(D-C)で表される基であることが好ましく、少なくとも1個は式(D-C)で表される基であることがより好ましい。
複数存在するR1T'のうち、1〜5個は電子求引性基であることが好ましく、1個又は2個が電子求引性基であることがより好ましい。
1Tは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子、シアノ基、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T'は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、電子求引性基、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、電子求引性基、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T及びR1T'が、それぞれ、式(1T’)で表される基又は式(D-C)で表される基ではない場合、R1T及びR1T'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
低分子化合物(T)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
1は、−N=で表される基、又は、−CH=で表される基を表す。
2は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
複数存在するZ1及びZ2は、各々、同一でも異なっていてもよい。]
1は−N=で表される基であることが好ましい。Z2は酸素原子であることが好ましい。
低分子化合物(T)は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.等から入手可能である。その他には、例えば、国際公開第2007/063754号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2011/032686号、国際公開第2012/096263号、特開2009−227663号公報、特開2010−275255号公報、Advanced Materials,26巻,7931-7958頁,2014年に記載されている方法に従って合成することができる。
[高分子化合物(TP)]
第1の有機層において、高分子化合物(TP)は、1種単独で含有されていてもよく、2種以上含有されていてもよい。
高分子化合物(TP)に含まれる構成単位(C)は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れ、且つ、高分子化合物(TP)の製造が容易であるので、好ましくは、低分子化合物(T)から1個以上5個以下の水素原子を除いてなる基を含む構成単位であり、より好ましくは、式(1C)〜式(4C)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(3C)で表される構成単位である。
・式(1C)で表される構成単位
Cで表されるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、後述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
Cは、好ましくは酸素原子、−C(RB2−又はアリーレン基である。
A、RB及びLCが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、後述のArY1で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
c1は、好ましくは1以上4以下の整数である。
・式(2C)で表される構成単位
d及びLeで表されるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、後述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
d及びLeは、好ましくは酸素原子、−C(RB2−又はアリーレン基であり、より好ましくはアリーレン基である。
d1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、0であることが好ましい。
e1は、好ましくは1以上4以下の整数である。
Ar1Mは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子3個を除いてなる基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
d、Le及びAr1Mが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、後述のArY1で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
・式(3C)で表される構成単位
2Cは、式(T-2C-1)〜式(T-2C-5)で表される基であることが好ましく、式(T-2C-2)又は式(T-2C-5)で表される基であることがより好ましく、式(T-2C-2)で表される基であることが更に好ましい。
Figure 2019004247
[式中、
DA1、nT1、nT2、nT3、ArDA1、ArT1、LT1及びTDAは前記と同じ意味を表す。mDA1、nT1、ArDA1、ArT1、LT1及びTDAが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
ArT2'は、ArT2から1個の水素原子を除いてなる基を表す。
ArT2''は、ArT2から2個の水素原子を除いてなる基を表す。
ArT3は、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。ZT1は前記と同じ意味を表す。
ArT3'は、ArT3で表される電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基から、1個の水素原子を除いてなる基を表す。
ArL1は、TDAから1個の水素原子を除いてなる基を表す。複数存在するArL1は、同一でも異なっていてもよい。
ArL2は、TDAから2個の水素原子を除いてなる基を表す。
ArK1は、ArT1から1個の水素原子を除いてなる基を表す。複数存在するArK1は、同一でも異なっていてもよい。
ArK2は、ArT1から2個の水素原子を除いてなる基を表す。]
ArT3で表される−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、及び、=N−で表される基を環内に含む複素環基の例及び好ましい範囲は、各々、ArT2で表される−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、及び、=N−で表される基を環内に含む複素環基の例及び好ましい範囲と同様である。
式(T-2C-1)〜式(T-2C-5)における、mDA1、nT1、nT2、nT3、ArDA1及びLT1の例及び好ましい範囲は、それぞれ、低分子化合物(T)におけるmDA1、nT1、nT2、nT3、ArDA1及びLT1の例及び好ましい範囲と同様である。
式(T-2C-1)〜式(T-2C-5)において、mDA1、nT1、ArDA1、ArT1、LT1及びTDAが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であることが好ましい。
・式(4C)で表される構成単位
式(1C)〜式(4C)で表される構成単位における、T1C、T2C及びT3Cで表される基は、低分子化合物(T−1)のArT1、ArT2又はTDAから1個以上の水素原子を除いてなる基であることが好ましく、ArT1又はTDAから1個以上の水素原子を除いてなる基であることがより好ましく、TDAから1個以上の水素原子を除いてなる基であることが更に好ましい。
式(3C)で表される構成単位は、好ましくは、式(3C-1)〜式(3C-3)で表される構成単位である。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
環RT1、環RT2、mDA1、nd1、nT1、ArDA1、ArL1、Ld、LT1、R1T及びXT1は前記と同じ意味を表す。環RT1、環RT2、mDA1、nd1、nT1、ArDA1、ArL1、Ld、LT1、R1T及びXT1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
kは、0又は1を表す。kが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
3は、−N=で表される基、−CH=で表される基、又は−CR1T=で表される基を表す。複数存在するZ3は、同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのZ3は、−N=で表される基を表す。]
式(3C-1)で表される構成単位において、環RT1又は環RT2の定義、例及び好ましい範囲は、低分子化合物(T)における環RT1又は環RT2の定義、例及び好ましい範囲と同様である。
式(3C-2)又は式(3C-3)で表される構成単位において、環RT1又は環RT2が有する−(Ld)nd1−を除いた部分の定義、例及び好ましい範囲は、低分子化合物(T)における環RT1又は環RT2の定義、例及び好ましい範囲と同様である。
式(3C-1)〜式(3C-3)で表される構成単位における、mDA1、nT1、ArDA1、LT1、R1T及びXT1の例及び好ましい範囲は、それぞれ低分子化合物(T)におけるmDA1、nT1、ArDA1、LT1、R1T及びXT1の例及び好ましい範囲と同じである。
式(3C-1)〜式(3C-3)で表される構成単位における、nd1及びLdの例及び好ましい範囲は、それぞれ式(3C)で表される構成単位におけるnd1及びLの例及び好ましい範囲と同じである。
式(3C-1)〜式(3C-3)で表される構成単位において、環RT1、環RT2、mDA1、nd1、nT1、ArDA1、ArL1、Ld、LT1、R1T及びXT1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であることが好ましい。
3は−N=で表される基であることが好ましく、複数存在するZ3は同一であることが好ましい。
kは1であることが好ましく、kが複数存在する場合、それらは同一であることが好ましい。
構成単位(C)としては、例えば、下記式で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
k、nc1、ne1、Lc、Le、R1T、RY2、Z1、Z2及びZ3は前記と同じ意味を表す。
jは、0又は1を表す。jが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
TSは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。複数存在するRTSは、同一でも異なっていてもよい。]
jは0であることが好ましく、jが複数存在する場合、それらは同一であることが好ましい。
TSは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基又はシアノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基又は1価の複素環基であることがより好ましい。
TSで表されるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
TSが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
高分子化合物(TP)において、構成単位(C)の合計量は、本発明の外部量子効率が優れるので、高分子化合物(TP)に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.01〜50モル%であり、より好ましくは0.1〜30モル%であり、更に好ましくは1〜20モル%であり、特に好ましくは6〜15モル%である。
高分子化合物(TP)は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、前記式(Y)で表される構成単位を更に含むことが好ましい。
ArY1は、好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)-式(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基は置換基を有することが好ましく、ArY1で表される基が有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、式(Y-1)、式(Y-2)又は式(Y-3)で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-1)又は式(Y-2)で表される構成単位であることがより好ましく、式(Y-1)で表される構成単位であることが更に好ましく。
式(Y-1)において、RY1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 2019004247
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-2)において、RY2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、両方がアリール基、又は、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)-式(Y-A5)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019004247
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)-(Y-B5)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019004247
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-2'')で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 2019004247
[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 2019004247
[式中、RY2及びRY11は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019004247
[式中、RY11及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)-式(Y-108)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
式(Y)で表される構成単位の合計量は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、高分子化合物(TP)に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
高分子化合物(TP)は、後述の式(X)で表される構成単位を更に含有していてもよい。高分子化合物(TP)が含有していてもよい式(X)で表される構成単位の例及び好ましい範囲は、それぞれ、後述の第2の高分子化合物が含有していてもよい式(X)で表される構成単位の例及び好ましい範囲と同じである。
高分子化合物(TP)において、式(X)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位は、それぞれ、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
・式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖
高分子化合物(TP)は、式(S−1)〜式(S−3)のいずれかで表される構成連鎖を有することが好ましく、式(S−2)で表される構成連鎖を有することがより好ましい。
Figure 2019004247
[式中、
ArTWは、前記式(Y-1)〜式(Y-3)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つの構成単位である。ArTWが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
S1は、前記式(1C)で表される構成単位である。
S2は、前記式(2C)で表される構成単位又は前記式(3C)で表される構成単位である。
S3は、前記式(4C)で表される構成単位である。]
式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖において、ArTWが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。式(S−1)〜式(S−3)におけるArTWの例及び好ましい範囲は、それぞれ、前記式(Y-1)〜式(Y-3)で表される構成単位の例及び好ましい範囲と同じである。
S1で表される構成単位の例及び好ましい範囲は、それぞれ、式(1C)で表される構成単位の例及び好ましい範囲と同じであり、LS2で表される構成単位の例及び好ましい範囲は、それぞれ、式(2C)で表される構成単位及び式(3C)で表される構成単位の例及び好ましい範囲と同じであり、LS3で表される構成単位の例及び好ましい範囲は、それぞれ、式(4C)で表される構成単位の例及び好ましい範囲と同じである。
式(S−2)で表される構成連鎖において、LS2で表される構成単位は、好ましくは、式(3C)で表される構成単位である。
式(S−2)で表される構成連鎖は、式(S2-1)〜式(S2-3)で表される構成連鎖であることが好ましく、式(S2-1)で表される構成連鎖であることがより好ましい。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
環RT1、環RT2、k、mDA1、nd1、nT1、ArDA1、ArL1、ArTW、Ld、LT1、R1T、XT1及びZ3は前記と同じ意味を表す。環RT1、環RT2、k、mDA1、nT1、ArDA1、ArL1、Ld、LT1、R1T、XT1及びZ3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。複数存在するnd1及びArTWは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
式(S2-1)〜式(S2-3)で表される構成連鎖における、環RT1、環RT2、mDA1、nT1、ArDA1、LT1、R1T及びXT1の例及び好ましい範囲は、それぞれ、低分子化合物(T)における環RT1、環RT2、mDA1、nT1、ArDA1、LT1、R1T及びXT1の例及び好ましい範囲と同じである。環RT1、環RT2、mDA1、nT1、ArDA1、LT1、R1T及びXT1が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であることが好ましい。
式(S2-1)〜式(S2-3)で表される構成連鎖における、k、nd1、ArL1、Ld及びZ3の例及び好ましい範囲は、それぞれ式(3C)で表される構成単位におけるk、nd1、ArL1、Ld及びZ3の例及び好ましい範囲と同じである。k、ArL1、Ld及びZ3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であることが好ましい。複数存在するnd1は、同一であることが好ましい。
式(S2-1)〜式(S2-3)で表される構成連鎖における、ArTWの例及び好ましい範囲は、式(S−2)表される構成連鎖における、ArTWの例及び好ましい範囲と同じである。ArTWが複数存在する場合、それらは同一であることが好ましい。
式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖としては、例えば、下記式で表される構成連鎖が挙げられる。なお、式中、k、ne1、Le、R1T、RTS、RY2、RY4、RY11、Z2及びZ3の定義、例及び好ましい範囲は前記と同じであり、それらが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖において、ArTWで表される基とLS1で表される基との結合、ArTWで表される基とLS2で表される基との結合、及び、ArTWで表される基とLS3で表される基との結合は、それぞれ、炭素−炭素結合であることが好ましい。
式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖において、ArTWで表される基とLS1で表される基との間の二面角をθ1、ArTWで表される基とLS2で表される基との間の二面角のうち、最小の二面角をθ2、ArTWで表される基とLS3で表される基との間の二面角のうち、最小の二面角をθ3とするとき、θ1、θ2及びθ3は、それぞれ、45°以上であることが好ましく、50°以上であることがより好ましく、55°以上であることが更に好ましい。
θ1、θ2及びθ3の算出には、量子化学計算プログラムであるGaussian09を用いることができる。例えば、式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖における結合手を、各々、水素原子に置き換えた化合物について、半経験的分子軌道法であるAM1を用いて、該化合物の基底状態を構造最適化することで、θ1、θ2及びθ3を算出することができる。
高分子化合物(TP)において、式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖は、それぞれ、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよいが、1種のみ含まれていることが好ましい。
式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖の合計量は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、高分子化合物(TP)に含まれる構成単位(C)の合計量に対して、好ましくは20〜100モル%であり、より好ましくは50〜100モル%であり、更に好ましくは80〜100モル%であり、特に好ましくは100モル%である。
高分子化合物(TP)としては、例えば、高分子化合物A、及び、高分子化合物TP-A〜TP-Gが挙げられる。ここで、「その他」の構成単位とは、構成単位(C)、式(X)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 2019004247


[表中、p''、q''、r''、s''、t''及びu''は、各構成単位のモル比率を表す。p''+q''+r''+s''+t''=100であり、且つ、70≦p''+q''+r''+s''+t''+u''≦100である。]
高分子化合物(TP)は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
高分子化合物(TP)のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1.5×104〜1×105である。
[高分子化合物(TP)の製造方法]
次に、高分子化合物(TP)の製造方法について説明する。
高分子化合物(TP)は、例えば、式(M-1)で表される化合物と、式(MT-1)〜式(MT-4)で表される化合物と、他の化合物(例えば、式(M-2)〜式(M-4)で表される化合物)とを縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、本発明の高分子化合物(TP)の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
c、m、mA、n、nA、nc1、nd1、ne1、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar1M、ArY1、KA、Lc、Ld、Le、T1C、T2C、T3C、X及びX’は、前記と同じ意味を表す。
C1〜ZC16は、それぞれ独立に、置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基を表す。]
例えば、ZC1及びZC2が置換基A群から選ばれる基である場合、ZC3〜ZC16は、それぞれ、置換基B群から選ばれる基を選択する。
例えば、ZC1及びZC2が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC3〜ZC16は、それぞれ、置換基A群から選ばれる基を選択する。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、Rb又はCsを表す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;及び、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
−B(ORC2)2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 2019004247
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基及び置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
縮合重合は、通常、触媒、塩基及び溶媒の存在下で行われるが、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
触媒としては、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム等のパラジウム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(1,4-シクロオクタジエン)ニッケル(0)等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、 トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001〜3モル当量である。
塩基及び相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基及び相間移動触媒は、それぞれ、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
塩基及び相間移動触媒の使用量は、それぞれ、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100質量部に対して、10〜100000質量部である。
縮合重合の反応温度は、通常-100〜200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独、又は組み合わせて行う。高分子化合物の純度が低い場合、例えば、晶析、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[第1の組成物]
第1の有機層は、高分子化合物(TP)と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第1の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。但し、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び発光材料と、高分子化合物(TP)とは異なる。
第1の組成物が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料又は電子注入材料を含む場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料及び電子注入材料は、それぞれ、高分子化合物(TP)の有する最低励起三重項状態より高いエネルギー準位を有し、且つ、高分子化合物(TP)の有する最低励起一重項状態より高いエネルギー準位を有することが好ましい。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノンが挙げられ、好ましくはフラーレンである。
第1の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、高分子化合物(TP)を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
正孔輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の組成物において、電子輸送材料の配合量は、高分子化合物(TP)を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、高分子化合物(TP)を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子注入材料及び正孔注入材料は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、発光材料は低分子化合物であることが好ましい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体に代表される蛍光発光性化合物、並びに、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする燐光発光性化合物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、後述の式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料としては、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、式Ir-1〜Ir-5で表される燐光発光性化合物が好ましく、式Ir-1で表される燐光発光性化合物がより好ましい。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、
D11〜RD20、RD21〜RD26及びRD31〜RD37は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RD11〜RD20、RD21〜RD26及びRD31〜RD37が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
−AD1---AD2−、nD1、nD2及びRD1〜RD8は、前記と同じ意味を表す。]
−AD1---AD2−で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。
Figure 2019004247
[式中、*は、Irと結合する部位を表す。]
燐光発光性化合物としては、例えば、以下に示す燐光発光性化合物が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
第1の組成物が発光材料を含む場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、高分子化合物(TP)は、発光材料の有する最低励起三重項状態より高いエネルギー準位を有し、且つ、発光材料の有する最低励起一重項状態より高いエネルギー準位を有することが好ましい。
第1の組成物において、発光材料の含有量は、高分子化合物(TP)と発光材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.1〜50質量部である。
発光材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、高分子化合物(TP)と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の組成物において、酸化防止剤の配合量は、高分子化合物(TP)を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
酸化防止剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[第1のインク]
高分子化合物(TP)と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第1のインク」ともいう。)は、スピンコート法、インクジェット法等の湿式法に好適に使用することができる。
第1のインクの粘度は、湿式法の種類によって調整すればよいが、インクジェット法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
第1のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第1のインクにおいて、溶媒の配合量は、高分子化合物(TP)を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部である。
<第2の有機層>
架橋材料の架橋体は、架橋材料を上述した方法及び条件等により架橋した状態にすることで得られる。
架橋材料は、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物(以下、「第2の有機層の低分子化合物」ともいう。)、又は、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物(以下、「第2の有機層の高分子化合物」ともいう。)であり、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(XL-1)〜式(XL-4)、式(XL-7)〜式(XL-10)又は式(XL-14)〜式(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL-1)又は式(XL-17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL-17)で表される架橋基である。
[第2の有機層の高分子化合物]
第2の有機層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位は、式(2)で表される構成単位又は式(2')で表される構成単位であることが好ましいが、下記式で表される構成単位であってもよい。
Figure 2019004247
第2の有機層の高分子化合物が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位を2種以上含む場合、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する構成単位の少なくとも2種は、架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なる架橋基の組み合わせとしては、式(XL−1)、式(XL−2)、式(XL−5)〜式(XL−8)又は式(XL−14)〜式(XL−16)で表される架橋基と、式(XL−3)、式(XL−4)、式(XL−13)又は式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせが好ましく、式(XL−1)又は式(XL−16)で表される架橋基と、式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせがより好ましく、式(XL−1)で表される架橋基と、式(XL−17)で表される架橋基との組み合わせが更に好ましい。
・式(2)で表される構成単位
nAは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1である。
nは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは2である。
Ar3は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar3で表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Ar3で表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基及び複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基が好ましい。
Aで表されるアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。LAで表されるシクロアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基及びシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基又はフルオレンジイル基が好ましく、m-フェニレン基、p-フェニレン基、フルオレン−2,7-ジイル基、フルオレン−9,9−ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又は架橋基A群から選ばれる架橋基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表される2価の複素環基としては、好ましくは式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるので、好ましくは、アリーレン基又はアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xで表される架橋基としては、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは、式(XL-1)〜式(XL-4)、式(XL-7)〜式(XL-10)又は式(XL-14)〜式(XL-17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL-1)又は式(XL-17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL-17)で表される架橋基である。
式(2)で表される構成単位の合計量は、第2の有機層の高分子化合物の安定性及び架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは3〜65モル%であり、更に好ましくは5〜50モル%である。
式(2)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物が、式(2)で表される構成単位を2種以上含む場合、式(2)で表される構成単位の少なくとも2種は、Xで表される架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なるXで表される架橋基の組み合わせの好ましい範囲は、前述の互いに異なる架橋基の組み合わせの好ましい範囲と同じである。
・式(2')で表される構成単位
mAは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
cは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になり、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0である。
Ar5は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar5で表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義及び例は、後述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar5で表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義及び例は、後述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義及び例と同じである。
Ar5で表される「芳香族炭化水素環と複素環とが直接結合した基」のm個の置換基を除いた2価の基の定義及び例は、後述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義及び例と同じである。
Ar4及びAr6は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
Ar4及びAr6で表されるアリーレン基及び2価の複素環基の定義及び例は、後述の式(X)におけるArX1及びArX3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Ar4、Ar5及びAr6で表される基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が好ましい。
Aで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例は、それぞれ、LAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるので、フェニレン基又はメチレン基であることが好ましい。
X’で表される架橋基の定義及び例は、前述のXで表される架橋基の定義及び例と同じである。
式(2')で表される構成単位の合計量は、第2の有機層の高分子化合物の安定性が優れ、且つ、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは5〜20モル%である。
式(2')で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物が、式(2')で表される構成単位を2種以上含む場合、式(2')で表される構成単位の少なくとも2種は、X’で表される架橋基が互いに異なることが好ましい。互いに異なるX’で表される架橋基の組み合わせの好ましい範囲は、前述の互いに異なる架橋基の組み合わせの好ましい範囲と同じである。
・式(2)又は(2')で表される構成単位の好ましい態様
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2-1)〜式(2-13)で表される構成単位が挙げられる。式(2')で表される構成単位としては、例えば、式(2'-1)〜式(2'-4)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは式(2-1)〜式(2-13)で表される構成単位であり、より好ましくは式(2-1)〜式(2-6)又は式(2-13)で表される構成単位である。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
・その他の構成単位
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。また、第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、更に、前記式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 2019004247
[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2及びArX4が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2及びRX3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
X1は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは1である。
X2は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは0である。
X1、RX2及びRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)又は式(A-9)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)又は式(AA-7)-式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)-式(A-11)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1及びArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2及びArX4で表される「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2019004247
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4及びRX1〜RX3で表される基が有していてもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは式(X-1)-式(X-7)で表される構成単位である。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
[式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)-式(X1-11)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れ、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例は、前述の高分子化合物(TP)が含んでいてもよい式(Y)で表される構成単位の定義及び例と同じである。
式(X)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。式(Y)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物が式(X)で表される構成単位を含む場合、式(X)で表される構成単位の合計量は、正孔輸送性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜90モル%であり、より好ましくは35〜70モル%であり、更に好ましくは45〜50モル%である。
第2の有機層の高分子化合物が式(Y)で表される構成単位を含む場合、式(Y)で表される構成単位の合計量は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜90モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
第2の有機層の高分子化合物としては、例えば、高分子化合物IP-A〜IP-Hが挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(2)、式(2’)、式(X)及び式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 2019004247


[表中、p’、q’、r’、s’及びt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、かつ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
第2の有機層の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーが共重合した共重合体であることが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1.5×104〜1×105である。
[第2の有機層の高分子化合物の製造方法]
第2の有機層の高分子化合物は、前述の高分子化合物(TP)の製造方法と同様の方法で製造することができる。
[第2の有機層の低分子化合物]
第2の有機層の低分子化合物は、式(3)で表される低分子化合物が好ましい。
B1は、架橋材料の合成が容易になるので、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0である。
B2は、架橋材料の合成が容易となり、且つ、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは1である。
B3は、架橋材料の合成が容易になるので、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0である。
Ar7で表される芳香族炭化水素基のmB3個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義及び例は、前述の式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar7で表される複素環基のmB3個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義及び例は、前述の式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義及び例と同じである。
Ar7で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のmB3個の置換基を除いた2価の基の定義及び例は、前述の式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義及び例と同じである。
Ar7で表される基が有していてもよい置換基の定義及び例は、前述の式(X)におけるArX2で表される基が有していてもよい置換基の定義及び例と同じである。
Ar7は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、好ましくは芳香族炭化水素基であり、この芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
B1で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例は、それぞれ、前述のLAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例と同じである。
B1は、架橋材料の合成が容易になるので、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子であり、より好ましくはフェニレン基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X''は、好ましくは、式(XL-1)〜式(XL-17)のいずれかで表される架橋基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、式(XL-16)で表される架橋基、又は、ナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
第2の有機層の低分子化合物としては、例えば、式(3-1)〜式(3-16)で表される低分子化合物が挙げられる。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
第2の有機層の低分子化合物は、例えば、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。第2の有機層の低分子化合物は、その他には、例えば、国際公開第1997/033193号、国際公開第2005/035221号、国際公開第2005/049548号に記載されている方法に従って合成することができる。
第2の有機層において、架橋材料の架橋体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
[第2の組成物]
第2の有機層は、架橋材料の架橋体と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第2の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。
第2の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料の例及び好ましい範囲と同じである。
第2の組成物に含有される発光材料としては、例えば、第1の組成物が含有していてもよい蛍光発光性化合物、及び、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする燐光発光性化合物が挙げられる。発光材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
第2の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の配合量は、各々、架橋材料の架橋体を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部である。
第2の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲と同じである。第2の組成物において、酸化防止剤の配合量は、架橋材料の架橋体を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
[第2のインク]
架橋材料と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第2のインク」ともいう。)は、第1のインクの項で説明した湿式法に好適に使用することができる。第2のインクの粘度の好ましい範囲は、第1のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。第2のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲は、第1のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。
第2のインクにおいて、溶媒の配合量は、架橋材料を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極、陰極、第1の有機層及び第2の有機層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、第1の有機層は、通常、発光層(以下、「第1の発光層」とも言う。)である。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、通常、正孔輸送層、第2の発光層又は電子輸送層であり、好ましくは正孔輸送層又は第2の発光層であり、より好ましくは正孔輸送層である。
本発明の発光素子において、第1の有機層と第2の有機層とは、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陽極及び第1の有機層の間に設けられた層であることが好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層又は第2の発光層であることがより好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層であることが更に好ましい。
本発明の発光素子の第1の有機層において、高分子化合物(TP)は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。本発明の発光素子の第2の有機層において、架橋材料の架橋体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の外部量子効率が優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子の具体的な層構成としては、例えば、(D1)〜(D15)で表される層構成が挙げられる。本発明の発光素子は、通常、基板を有するが、基板上に陽極から積層されていてもよく、基板上に陰極から積層されていてもよい。
(D1)陽極/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D2)陽極/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D3)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D4)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D5)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D6)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D10)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D11)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D12)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層(第2の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D14)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層(第2の有機層)/電子注入層/陰極
(D15)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第2の発光層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D1)〜(D15)中、「/」は、その前後の層が隣接して積層されていることを意味する。具体的には、「第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)」とは、第2の発光層(第2の有機層)と第1の発光層(第1の有機層)とが隣接して積層されていることを意味する。
本発明の発光素子において、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第1の発光層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極の厚さは、通常、1nm〜1μmである。
本発明の発光素子において、積層する層の順番、数、及び厚さは、発光素子の外部量子効率、駆動電圧及び輝度寿命を勘案して調整すればよい。
[第2の発光層]
第2の発光層は、通常、第2の有機層又は発光材料を含有する層であり、好ましくは、発光材料を含有する層である。第2の発光層が発光材料を含有する層である場合、第2の発光層に含有される発光材料としては、例えば、前述の第2の組成物が含有していてもよい発光材料が挙げられる。第2の発光層に含有される発光材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が第2の発光層を有し、且つ、後述の正孔輸送層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、第2の発光層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、通常、第2の有機層又は正孔輸送材料を含有する層であり、好ましくは、第2の有機層である。正孔輸送層が正孔輸送材料を含有する層である場合、正孔輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔輸送材料が挙げられる。正孔輸送層に含有される正孔輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が正孔輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、正孔輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、通常、第2の有機層又は電子輸送材料を含有する層であり、好ましくは、電子輸送材料を含有する層である。電子輸送層が電子輸送材料を含有する層である場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子輸送材料が挙げられる。電子輸送層に含有される電子輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が電子輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び前述の正孔輸送層が第2の有機層ではない場合、電子輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔注入層及び電子注入層]
正孔注入層は、正孔注入材料を含有する層である。正孔注入層に含有される正孔注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入層に含有される正孔注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
電子注入層は、電子注入材料を含有する層である。電子注入層に含有される電子注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入層に含有される電子注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、スズのうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本発明の発光素子において、陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明である。
陽極及び陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等の乾式法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本発明の発光素子において、第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、乾式法及び湿式法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、湿式法が挙げられる。
第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層は、第1のインク、第2のインク、並びに、上述した発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、湿式法により形成することができる。
[発光素子の用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD-10Avp)を用いた。
LC-MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させ、LC-MS(Agilent製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC-MSの移動相には、アセトニトリル及びテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L-column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300又はMERCURY 400VX)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC-20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフラン又はクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD-M20A)を用いた。
化合物のΔEST、振動子強度、θ1、θ2及びθ3の算出には、量子化学計算プログラムであるGaussian09を用いた。B3LYPレベルの密度汎関数法を用いて化合物の基底状態を構造最適化した後、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法を用いることで、ΔEST及び振動子強度を算出した。高分子化合物が前記式(S−1)〜式(S−3)で表される構成連鎖を含む場合、該構成連鎖における結合手を、各々、水素原子に置き換えた化合物について、半経験的分子軌道法であるAM1を用いて該化合物の基底状態を構造最適化した後、θ1、θ2及びθ3を算出した。
<合成例1> 化合物T1の合成
化合物T1は、特開2010−196040号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2019004247
<合成例2> 化合物T2の合成
(化合物T2−1の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、1-ブロモ-3-ヘキシルベンゼン(60.0g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)(10.2g)、ビスピナコラートジボロン(75.8g)、酢酸カリウム(35.9g)及び1,2-ジメトキシエタン(510mL)を加え、還流温度まで昇温し、24時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘプタン(510mL)及びCelite545(Aldrich製、72g)を加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、薄黄色油状物として化合物T2−1を56.4g得た。HPLC面積百分率値(UV=220nm)は97.6%であった。
(化合物T2−2の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、3,6-ジブロモカルバゾール(13.0g)、化合物T2−1(25.4g)、トルエン(390mL)及びエタノール(130mL)を加えた。得られた混合物を攪拌しながらアルゴンガスで5分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.3g)を加え、次いで、炭酸カリウム(33.2g)と水(130mL)とから調製した炭酸カリウム水溶液を加え、7時間加熱還流した。得られた混合物を室温まで冷却した後、水層を分離し、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えた。得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、薄黄色固体として化合物T2−2を12.8g得た。HPLC面積百分率値は96.1%であった。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δ(ppm):8.35-8.30(m,2H),8.07(brs,1H),7.75-7.30(m,10H),7.18-7.16(m,2H),2.72(t,4H),1.76-1.64(m,4H),1.48-1.20(m,12H),0.98-0.84(m,6H).
(化合物T2−4の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、化合物T2−3(Eur. J. Org. Chem. 2013, 6619に記載の方法に準じて合成;4.6g)、化合物T2−2(8.6g)、ヨウ化銅(I)(1.5g)、trans-1,2-シクロヘキサンジアミン(1.1g)及びキシレン(106mL)を加えた。得られた混合物をアルゴンガスで5分間バブリングした後、リン酸カリウム(6.8g)を加え、130℃まで昇温し、130℃で8時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘプタン(70mL)を加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をワコーゲル50C18(和光純薬工業製、展開溶媒:アセトニトリル/酢酸エチル)を用いて精製して、白色固体として化合物T2−4を8.8g得た。HPLC面積百分率値は99.3%であった。
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δ(ppm):8.50(d,2H),8.39(d,4H),8.17(d,2H),7.96(d,2H),7.81(dd,2H),7.68-7.63(m,4H),7.55-7.50(m,8H),7.48-7.43(m,4H),7.40-7.31(m,6H),7.19-7.13(m,4H),2.70(t,8H),2.41(s,3H),1.74-1.63(m,8H),1.45-1.23(m,24H),0.94-0.84(m,12H).
(化合物T2−5の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、化合物T2−4(8.8g)、テトラヒドロフラン(70mL)、ジメチルスルホキシド(42mL)及び33質量%水酸化カリウム水溶液(11.6g)を加え、2時間加熱還流した。得られた混合物を室温まで冷却した後、水(141mL)及びトルエン(211mL)を加え、水層を分離した後、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、白色固体として化合物T2−5を7.2g得た。HPLC面積百分率値は98.9%であった。この操作を繰り返し行うことで、化合物T2−5の必要量を得た。
(化合物T2−6の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、化合物T2−5(8.3g)、1-ブロモ-4-ヨードベンゼン(6.2g)、ヨウ化銅(I)(1.4g)、trans-1,2-シクロヘキサンジアミン(1.0g)及びキシレン(83mL)を加えた。得られた混合物をアルゴンガスで5分間バブリングした後、リン酸カリウム(6.2g)加え、80℃まで昇温し、80℃で8時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘプタン(83mL)を加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、白色固体として化合物T2−6を8.8g得た。HPLC面積百分率値は94.9%であった。
(化合物T2−7の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、化合物T2−6(8.5g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl2(dppf)・CH2Cl2)(0.5g)、ビスピナコラートジボロン(3.4g)、酢酸カリウム(1.3g)及び1,2-ジメトキシエタン(85mL)を加え、還流温度まで昇温し、還流温度で17時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、トルエン(85mL)及びCelite545(Aldrich製、7g)を加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、白色固体として化合物T2−7を6.1g得た。HPLC面積百分率値は99.0%であった。
(化合物T2の合成)
Figure 2019004247
撹拌器を備えたフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した後、化合物T2−7(6.1g)、化合物T2−8(特開2010−260879号公報に記載の方法に準じて合成;2.9g)、トルエン(109mL)及びエタノール(22mL)を加えた。得られた混合物を攪拌しながらアルゴンガスで5分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.5g)を加え、次いで、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム(15.1g)と水(38mL)との混合液を加え、50℃に昇温し、50℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、水層を分離し、得られた有機層をさらに水で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をアルミナカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製し、次いで、シリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、薄黄色固体として化合物T2を4.6g得た。HPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
LC-MS(ESI,positive):1602[M+H]+
1H-NMR(CDCl3,300MHz)δ(ppm):9.09(d,2H),8.70-8.65(m,4H),8.44-8.37(m,6H),8.00(d,2H),7.84(d,2H),7.77-7.65(m,10H),7.57-7.46(m,12H),7.41-7.35(m,4H),7.18-7.15(m,4H),2.70(t,8H),1.75-1.64(m,8H),1.44-1.26(m,24H),0.95-0.84(m,12H).
<合成例3> 化合物T3の合成
(化合物T3−1の合成)
Figure 2019004247
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、4-ヘキシルアニリン(19.2g)、3-ブロモトリフェニルアミン(28.0g)、Pd2(dba)3(dba)0.73(1.45g)、t-Bu3PHBF4(0.75g)、t-BuONa(16.6g)及びトルエン(350mL)を加え、50℃で2.5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルショートカラムでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して茶色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)を用いて精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T3−1(29.6g、無色オイル)を得た。化合物T3−1のHPLC面積百分率値は99.2%であった。
(化合物T3−2の合成)
Figure 2019004247
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、3-ブロモ-4,5-ジクロロトルエン(8.2g)、化合物T3−1(14.8g)、Pd2(dba)3(dba)0.73(0.56g)、t-Bu3PHBF4(0.30g)、t-BuONa(6.6g)及びo-キシレン(130g)を加え、50℃で2.5時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、シリカゲル・セライトを積層したショートカラムでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して茶色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)を用いて精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T3−2(14.9g、無色オイル)を得た。化合物T3−2のHPLC面積百分率値は99.0%であった。
(化合物T3−3の合成)
Figure 2019004247
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミン(7.0g)、化合物T3−2(12.5g)、Pd2(dba)3(dba)0.73(0.42g)、t-Bu3PHBF4(0.23g)、t-BuONa(3.7g)及びo-キシレン(42g)を加え、50℃で10時間撹拌し、次いで、70℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、シリカゲル・セライトを積層したショートカラムでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して茶色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)を用いて精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T3−3(9.2g、無色オイル)を得た。化合物T3−3のHPLC面積百分率値は92.2%であった。
(化合物T3−Hの合成)
Figure 2019004247
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物T3−3(7.5g)及びtert-ブチルベンゼン(56mL)を加え、0℃に冷却した後、0℃を維持しながらt-BuLi・ペンタン溶液(1.5M,9.6mL)をゆっくりと加えた。得られた混合物を60℃で3時間撹拌した後、減圧下でペンタンを留去した。得られた混合物を-50℃まで冷却した後、BBr3(4.5g)を加え、-50℃で0.5時間撹拌した。得られた混合物を120℃まで昇温し、120℃で3時間反応させた。得られた混合物を室温まで冷却した後、酢酸ナトリウム水溶液及び酢酸エチルを加え、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮して黄色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、黄色の固体を得た。得られた固体をアセトニトリルに分散させた後、ろ過して、化合物T3−H(1.1g、黄色固体)を得た。化合物T3−HのHPLC面積百分率値は99.4%であった。
LC-MS(APCI,positive):m/z=798.5 [M+H]+
1H-NMR(CD2Cl2,400MHz)δ(ppm):0.92(m,3H),1.36(m,6H),1.39(s,9H),1.44(s,9H),1.58(m,2H),2.08(s,3H),2.61(dd,2H),5.92(d,2H),6.19(d,1H),6.61(d,1H),6.87(dd,1H),7.02(t,2H),7.07(m,6H),7.2-7.3(m,8H),7.42(dd,1H),7.68(d,2H),8.67(d,1H),8.79(d,1H).
(化合物T3の合成)
Figure 2019004247
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物T3−H(0.91g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(B2pin2;0.58g)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジル(dtbpy;0.013g)、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)ダイマー([Ir(cod)(OMe)]2;0.0155g)及びシクロヘキサン(23mL)を加え、90℃で2時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を分液し、有機層に不溶の固体をろ過して取り除き、得られたろ液を減圧濃縮して黄色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T3(0.21g、黄色オイル)を得た。化合物T3のHPLC面積百分率値は97.4%であった。化合物T3は、4種の異性体の混合物として得られ、そのモル比は化合物T3−a:化合物T3−b:化合物T3−c:化合物T3−d=7.5:37.1:43.0:12.4であった。
1H-NMR(CD2Cl2,400MHz)δ(ppm):0.92(m,3H),1.30,1.32,1.38,1.39,1.44(s,計33H),1.3-1.4(m,(6H)),1.44(s,9H),1.58(m,2H),2.08(m,3H),2.59(t,2H),5.92(m,2H),6.09(d,0.12H:化合物T3−d),6.11(d,0.43H:化合物T3−c),6.20(d,0.37H:化合物T3−b),6.26(d,0.08H:化合物T3−a),6.60(d,0.6H),6.61(d,0.4H),6.80(m,0.6H),6.86(m,0.4H),7.0-7.1(m,4.3H),7.1-7.2(m,1.2H),7.2-7.3(m,5.5H),7.4-7.5(m,2.6H),7.51(m,0.27H:化合物T3−d),7.59(m,1H),7.68(d,2H),7.83(m,0.13H:化合物T3−d),8.6-8.7(m,1H),8.79(m,1H).
Figure 2019004247
<合成例4> 化合物T4の合成
(化合物T4−1の合成)
Figure 2019004247
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、3−メチル−9H−カルバゾール(6.05g)、1−クロロ―4−ヨードベンゼン(9.95g)、Pd2(dba)3(dba)0.75(0.55g)、t-Bu3PHBF4(0.30g)、t-BuONa(4.18g)及びキシレン(121mL)を加え、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物にトルエン(121mL)を加えた後、室温まで冷却し、得られた混合物をシリカゲルショートカラムでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して茶色のオイルを得た。得られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T4−1(5.4g、薄黄色固体)を得た。化合物T4−1のHPLC面積百分率値は96.1%であった。
(化合物T4−2の合成)
Figure 2019004247
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T4−1(4.44g)、クロロホルム(58mL)及びトリフルオロ酢酸(8.9mL)を仕込み、氷冷した。得られた混合物にN−ヨードスクシンイミド(3.39g)を2分割して加えた後、1時間保温攪拌した。得られた混合物に10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、次いで、水(58mL)及びヘキサン(115mL)を加えた後、分液し、得られた有機層を水(58mL)で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加えた後、シリカゲルショートカラムでろ過した。得られたろ液を減圧濃縮して黄褐色固体を得た。得られた固体をトルエンとエタノールとの混合液で再結晶した。
これらの操作を繰り返して、化合物T4−2(6.3g、白色固体)を得た。化合物T4−2のHPLC面積百分率値は98.8%であった。
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ(ppm):8.39 (d, 1H), 7.85(s, 1H), 7.61(dd, 1H), 7.58-7.52 (m, 2H), 7.47-7.41 (m, 2H), 7.25-7.22 (m, 2H), 7.10 (d, 1H), 2.50 (s, 3H).
(化合物T4−3の合成)
Figure 2019004247
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T4−2(5.50g)、3,6−ジメチル−9H−カルバゾール(3.09g)、ヨウ化銅(I)(1.25g)、trans-1,2-シクロヘキサンジアミン(0.90g)及びキシレン(110mL)を加えた。得られた混合物をアルゴンガスで5分間バブリングした後、リン酸カリウム(11.18g)を加え、130℃まで昇温し、130℃で2時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘプタン(220mL)を加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製した後、減圧濃縮し、乾燥させて、化合物T4−3(6.3g、白色固体)得た。HPLC面積百分率値は99.5%であった。
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ(ppm):8.22-8.19 (m, 1H), 7.94-7.91 (m, 2H), 7.90-7,87 (m, 1H), 7.64-7.55 (m, 4H), 7.52-7.49 (m, 2H), 7.33-7.17 (m, 6H), 2.56 (s, 6H), 2.53 (s, 3H).
(化合物T4−4の合成)
Figure 2019004247
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T4−3(4.00g)、パラジウム触媒( (2-Dicyclohexylphosphino-2’,4’,6’-triisopropyl-1,1’-biphenyl)[2-(2’-amino-1,1’-biphenyl)]palladium(II) methanesulfonate、Xphos Pd G3、Aldrich製)(0.21g)、ビスピナコラートジボロン(6.28g)、酢酸カリウム(3.17g)及びシクロペンチルメチルエーテル(48mL)を加え、還流温度まで昇温し、還流温度で1時間撹拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘプタン(34mL)及びセライト(Celite545、Aldrich製)(5g)を加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製した。
これらの操作を繰り返して、白色固体として化合物T4−4 (5.5g、薄黄色固体)得た。HPLC面積百分率値は99.4%であった。
(化合物T4の合成)
Figure 2019004247
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T4−4(4.33g)、化合物T2−8(4.79g)、トルエン(153mL)及びエタノール(31mL)を加えた。得られた混合物を攪拌しながらアルゴンガスで5分間バブリングした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.87g)を加え、次いで、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム(24.9g)と水(53mL)との混合液を加えた後、50℃に昇温して50℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、水層を分離し、得られた有機層を水で洗浄した。得られた有機層に硫酸マグネシウムを加え、得られた混合液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をアルミナカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製し、次いで、シリカゲルカラム(展開溶媒:ヘキサン/トルエン)を用いて精製して、薄黄色固体として化合物T4(4.0g、薄黄色固体)得た。HPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ(ppm):9.92-8.97 (m, 2H), 8.67-8.63 (m, 4H), 8.24 (d, 1H), 7.96-7.85 (m, 5H), 7.75-7.68 (m, 5H), 7.56-7.48 (m, 2H), 7.33-7.27 (m, 3H), 7.23-7.19 (m, 2H), 2.57-2.54 (m, 9H).
<合成例MC1及びMC2> 燐光発光性化合物MC−1及びMC−2の合成
燐光発光性化合物MC−1は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
燐光発光性化合物MC−2は、特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2019004247
<合成例E1> 蛍光発光性化合物E1の合成
蛍光発光性化合物E1は、国際公開第2007/058368号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2019004247
<合成例M1〜M15> 化合物M1〜M15の合成及び入手
化合物M1、M2及びM6は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物M3は、国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。
化合物M4は、特開2011―174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M5は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M7は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M8、M9及びM15は、国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M10は、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
化合物M11は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M12は、市販品を利用した。
化合物M13は、国際公開第2012/086671号に記載の方法に従って合成した。
化合物M14は、国際公開第2013/191086号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
Figure 2019004247
<合成例TP1> 高分子化合物TP−1の合成
高分子化合物TP−1は、化合物M11、化合物M6及び化合物T1を用いて、特開2010−196040号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物TP−1のMnは1.2×105であり、Mwは4.0×105であった。
高分子化合物TP−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物T1から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。なお、化合物T1−HのΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.16eV及び0.0001であった。
Figure 2019004247
高分子化合物TP−1は、下記式で表される構成連鎖を含み、該構成連鎖のθ2は57°であった。
Figure 2019004247
<実施例TP2> 高分子化合物TP−2の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M11(825mg)、化合物M6(772mg)、化合物T2(547mg)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)及びトルエン(35mL)を加え、105℃に加熱した。得られた反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(26mL)を滴下し、5.5時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(83mg)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、17時間還流させた。得られた反応液を冷却後、水で1回、10質量%希塩酸水で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、水で2回洗浄した。得られた溶液に硫酸マグネシウムを加えた後、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物TP−2を1.1g得た。高分子化合物TP−2のMnは5.7×104であり、Mwは1.2×105であった。
高分子化合物TP−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物T2から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。なお、化合物T2−HのΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.06eV及び0.0922であった。
Figure 2019004247
高分子化合物TP−2は、下記式で表される構成連鎖を含み、該構成連鎖のθ2は57°であった。
Figure 2019004247
<実施例TP3> 高分子化合物TP−3の合成
化合物T3(0.104g)、化合物M12(0.502g)、化合物M13(0.628g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.86mg)及びトルエン(27mL)を混合し、105℃に加熱した。その後、そこへ、10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(18mL)を滴下し、4時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(48.8mg)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.9mg)を加え、6時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で2回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水で2回、水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番に通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物TP−3を0.68g得た。高分子化合物TP−3のMnは4.5×104であり、Mwは1.1×105であった。
高分子化合物TP−3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物T3から誘導される構成単位と、化合物M13から誘導される構成単位とが、45:5:50のモル比で構成された共重合体である。なお、化合物T3−HのΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.44eV及び0.3782であった。
<実施例TP4> 高分子化合物TP−4の合成
化合物M11(0.643g)、化合物M14(0.613g)、化合物T2(0.427g)、ジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.22mg)及びトルエン(24.2g)を混合し、80℃に加熱した。その後、そこへ、10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(20mL)を滴下し、12時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(64.7mg)及びジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.12mg)を加え、11時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で1回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、水で2回洗浄した。得られた混合物を減圧下で蒸留することにより水分を除いた。得られた溶液を、アルミナとシリカゲルとの混合物を充填したカラムに通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物TP−4を0.76g得た。高分子化合物TP−4のMnは5.3×104であり、Mwは1.1×105であった。
高分子化合物TP−4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M14から誘導される構成単位と、化合物T2から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物TP−4は、高分子化合物TP−2と同じ構成連鎖を含む。
<実施例TP5> 高分子化合物TP−5の合成
化合物M11(0.626g)、化合物M15(0.629g)、化合物T2(0.414g)、ジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.28mg)及びトルエン(24.5g)を混合し、80℃に加熱した。その後、そこへ、10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(20mL)を滴下し、7時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(62.9mg)及びジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.12mg)を加え、10時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で1回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、水で2回洗浄した。得られた混合物を減圧下で蒸留することにより水分を除いた。得られた溶液を、アルミナとシリカゲルとの混合物を充填したカラムに通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物TP−5を0.98g得た。高分子化合物TP−5のMnは5.2×104であり、Mwは1.1×105であった。
高分子化合物TP−5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M15から誘導される構成単位と、化合物T2から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。高分子化合物TP−5は、高分子化合物TP−2と同じ構成連鎖を含む。
<実施例TP6> 高分子化合物TP−6の合成
化合物M11(0.798g)、化合物M6(0.730g)、化合物T4(0.280g)、ジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.48mg)及びトルエン(24.2g)を混合し、80℃に加熱した。その後、そこへ、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(20mL)を滴下し、2.5時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(81.2mg)及びジクロロビス(トリ-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.47mg)を加え、6時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で1回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、水で2回洗浄した。得られた混合物を減圧下で蒸留することにより水分を除いた。得られた溶液を、アルミナとシリカゲルとの混合物を充填したカラムに通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物TP−6を0.71g得た。高分子化合物TP−6のMnは9.5×104であり、Mwは2.2×105であった。
高分子化合物TP−6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物T4から誘導される構成単位とが、50:40:10のモル比で構成された共重合体である。なお、化合物T4−HのΔEST及び振動子強度は、それぞれ、0.06eV及び0.0781であった。
Figure 2019004247
高分子化合物TP−6は、下記式で表される構成連鎖を含み、該構成連鎖のθ2は57°であった。
Figure 2019004247
<合成例IP1> 高分子化合物IP−1の合成
高分子化合物IP−1は、化合物M1及び化合物M2を用いて、特開2012−36381号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物IP−1のMnは8.1×104であり、Mwは3.4×105であった。
高分子化合物IP−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成された共重合体である。
<合成例IP2> 高分子化合物IP−2の合成
高分子化合物IP−2は、化合物M1、化合物M2及び化合物M3を用いて、国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物IP−2のMnは8.9×104であり、Mwは4.2×105であった。
高分子化合物IP−2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とが、50:42.5:7.5のモル比で構成された共重合体である。
<合成例IP3> 高分子化合物IP−3の合成
高分子化合物IP−3は、化合物M4、化合物M5、化合物M6及び化合物M7を用いて、特開2012−144722号公報に記載の方法に準じて合成した。高分子化合物IP−3のMnは5.0×104であり、Mwは2.5×105であった。
高分子化合物IP−3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位と、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:30:12.5:7.5のモル比で構成された共重合体である。
<合成例IP4> 高分子化合物IP−4の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M8(1.07g)、化合物M9(0.198g)、化合物M2(0.919g)、ジクロロビス〔トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)及びトルエン(50mL)を加え、100℃に加熱した。得られた反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.7mL)を滴下し、6時間還流させた。その後、そこへ、2-エチルフェニルボロン酸(60.0mg)、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8.7mL)及びジクロロビス〔トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、16時間還流させた。その後、そこへ、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、3.6質量%塩酸で2回、2.5質量%アンモニア水溶液で2回、水で6回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物IP−4を1.14g得た。高分子化合物IP−4のMnは3.6×104であり、Mwは2.0×105であった。
高分子化合物IP−4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M8から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位とが、40:10:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例IP5> 高分子化合物IP−5の合成
高分子化合物IP−5は、化合物M10、化合物M9及び化合物M5を用いて、国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。高分子化合物IP−5のMnは2.3×104であり、Mwは1.2×105であった。
高分子化合物IP−5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、45:5:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例IP6> 高分子化合物IP−6の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M11(1.74g)、化合物M5(3.19g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.5mg)及びトルエン(40mL)を加え、80℃に加熱した。反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(12mL)を滴下し、8時間還流させた。反応後、そこへ、フェニルボロン酸(0.427g)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.5mg)を加え、17時間還流させた。その後、そこへ、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物IP−6を3.00g得た。高分子化合物IP−6のMnは4.5×104であり、Mwは1.5×105であった。
高分子化合物IP−6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とが、50:50のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例IP7> 高分子化合物IP−7の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M11(3.995g)、化合物M5(6.237g)、化合物M7(0.519g)、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(7.1mg)及びトルエン(190mL)を加え、105℃に加熱した。その後、そこへ、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(28mL)を滴下し、4時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(97.5mg)、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(28mL)及びジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(7.1mg)を加え、6時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で2回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水で2回、水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番に通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物IP−7を6.65g得た。高分子化合物IP−7のMnは2.6×104であり、Mwは1.4×105であった。
高分子化合物IP−7は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位とが、50:42.5:7.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるAQ-1200(Plectronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜した。大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
キシレンに高分子化合物IP−1を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。
(第1の有機層の形成)
キシレンに、高分子化合物TP−1及び燐光発光性化合物MC−1(高分子化合物TP−1/燐光発光性化合物MC−1=70質量%/30質量%)を1.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、150℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における外部量子効率(EQE)を測定した。結果を表3に示す。
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるAQ-1200(Plectronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜した。大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
キシレンに高分子化合物IP−2を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層を形成した。この加熱により、高分子化合物IP−2は、架橋体となった。
(第1の有機層の形成)
キシレンに、高分子化合物TP−1及び燐光発光性化合物MC−1(高分子化合物TP−1/燐光発光性化合物MC−1=70質量%/30質量%)を1.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、150℃、10分間加熱させることにより第1の有機層を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるEQEを測定した。結果を表3に示す。
<実施例D2〜D16、D4’、D14’、D15’及び比較例CD2> 発光素子D2〜D16、D4’、D14’、D15’及びCD2の作製と評価
実施例D1において、第1の有機層及び第2の有機層を表3に示すとおりとした以外は、実施例D1と同様にして発光素子D2〜D16、D4’、D14’及びD15’を作製し、EQEを測定した。比較例CD1において、第1の有機層及び第2の有機層を表3に示すとおりとした以外は、比較例CD1と同様にして発光素子CD2を作製し、EQEを測定した。結果を表3に示す。
Figure 2019004247

本発明によれば、外部量子効率が優れる発光素子、及びその製造に有用な高分子化合物を提供することができる。

Claims (14)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第1の有機層と、前記陽極及び前記陰極の間に設けられた第2の有機層とを有する発光素子であって、
    前記第1の有機層が、高分子化合物(TP)を含有する層であり、
    前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
    前記高分子化合物(TP)が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位を含み、
    前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物、又は、架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物である、前記発光素子。

    <架橋基A群>
    Figure 2019004247
    [式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよい。]
  2. 前記架橋材料が、前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物であり、且つ、前記架橋構成単位が、式(2)で表される構成単位又は式(2’)で表される構成単位である、請求項1に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R’)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、芳香族炭化水素環と複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R’)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
  3. 前記架橋材料が、前記架橋基A群から選ばれる少なくとも1種の架橋基を有する低分子化合物であり、且つ、前記低分子化合物が式(3)で表される低分子化合物である、請求項1に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    B1及びmB2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。mB3は、0以上5以下の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。mB3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar7は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、芳香族炭化水素環と複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar7が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R''')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R'''は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X''は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX''は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX''のうち、少なくとも1つは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
  4. 前記低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位が、式(1C)で表される構成単位、式(2C)で表される構成単位、式(3C)で表される構成単位又は式(4C)で表される構成単位である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    1Cは、前記低分子化合物(T)から1個の水素原子を除いてなる基を表す。
    Cは、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRBは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。LCが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    c1は0以上10以下の整数を表す。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    1Cは、前記と同じ意味を表す。
    d及びLeは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RA及びRBは、前記と同じ意味を表す。Ld及びLeが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    d1及びne1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一でも異なっていてもよい。
    Ar1Mは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    d及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
    2Cは、前記低分子化合物(T)から2個の水素原子を除いてなる基を表す。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    d及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
    3Cは、前記低分子化合物(T)から3個の水素原子を除いてなる基を表す。]
  5. 前記高分子化合物(TP)が、式(Y)で表される構成単位を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、ArY1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
  6. 前記式(Y)で表される構成単位が、式(Y-1)、式(Y-2)又は式(Y-3)で表される構成単位である、請求項5に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1は、前記と同じ意味を表す。
    Y1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1及びXY1は前記と同じ意味を表す。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
  7. 前記低分子化合物(T)の振動子強度が0.0001以上1以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記低分子化合物(T)が式(T−1)で表される低分子化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    ArT1は、置換アミノ基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。但し、ArT1の少なくとも1つは、置換アミノ基であるか、或いは、二重結合を有さない窒素原子を環内に含み、且つ、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、式(P):
    Figure 2019004247
    で表される基を環内に含まない、1価の複素環基である。ZT1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RT1')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
    ArT2は、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、前記式(P)で表される基、電子求引性基を有する芳香族炭化水素基、ホウ素原子を環内に含む複素環基、又は、=N−で表される基を環内に含む複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T2は、1以上15以下の整数を表す。但し、ArT2がホウ素原子又は前記式(P)で表される基である場合、nT2は3である。ArT2が−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、又は、−S(=O)2−で表される基である場合、nT2は2である。
    ArT1とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT2とLT1とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。ArT1とArT2とは直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。]
  9. 前記第1の有機層が、ホスト材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記第1の有機層が、前記発光材料として、式Ir-1で表される燐光発光性化合物を含有する、請求項9に記載の発光素子。
    Figure 2019004247
    [式中、
    D1、RD2、RD3、RD4、RD5、RD6、RD7及びRD8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RD1、RD2、RD3、RD4、RD5、RD6、RD7及びRD8が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    −AD1---AD2−は、アニオン性の2座配位子を表し、AD1及びAD2は、それぞれ独立に、イリジウム原子と結合する炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。−AD1---AD2−が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    D1は、1、2又は3を表す。
    D2は、1又は2を表す。]
  11. 前記第1の有機層が、前記発光材料として、蛍光発光性化合物を含有する、請求項9に記載の発光素子。
  12. 前記第1の有機層と前記第2の有機層とが隣接している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光素子。
  13. 前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の発光素子。
  14. 式(S2−1’)で表される構成連鎖を含み、且つ、
    前記構成連鎖が、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.5eV以下である低分子化合物(T)から1個以上の水素原子を除いてなる基を含む構成単位を含む、高分子化合物。
    Figure 2019004247
    [式中、
    kは、0又は1を表す。複数存在するkは、同一でも異なっていてもよい。
    DA1は、0以上10以下の整数を表す。mDA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    d1は、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一でも異なっていてもよい。
    T1は、1又は2を表す。
    ArDA1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。ArDA1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    ArL1は、TDAで表される基から1個の水素原子を除いてなる基を表す。ArL1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。TDAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArTWは、式(Y-1)、式(Y-2)又は式(Y-3)で表される構成単位を表す。複数存在するArTWは、同一でも異なっていてもよい。
    dは、酸素原子、硫黄原子、−N(RA)−、−C(RB2−、−C(RB)=C(RB)−、−C≡C−、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ldが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRBは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(RT1')−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、環を形成してもよい。
    環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、−C(=ZT1)−で表される基を環内に含まない芳香族炭化水素環、又は、=N−で表される基、ホウ素原子、−C(=ZT1)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基、及び、式(P):
    Figure 2019004247
    で表される基を環内に含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。
    T1は、酸素原子、硫黄原子又は=NRZT1で表される基を表す。RZT1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    XT1と環RT1が有していてもよい置換基、RXT1と環RT2が有していてもよい置換基、RXT1'と環RT1が有していてもよい置換基、及び、RXT1'と環RT2が有していてもよい置換基は、それぞれ直接結合して、又は、2価の基を介して結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    3は、−N=で表される基、又は−CH=で表される基を表す。複数存在するZ3は、同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのZ3は、−N=で表される基を表す。
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1は、前記と同じ意味を表す。
    Y1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
    Figure 2019004247
    [式中、
    Y1及びXY1は、前記と同じ意味を表す。
    但し、少なくとも1つのRY1は水素原子ではない。]
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