JPWO2018221173A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の有機ELエレクトロルミネッセンス素子は、一対の電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記正孔注入層が、硫化亜鉛を含有し、前記発光層が、前記正孔注入層上に直接積層され、前記発光層が、前記硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、前記発光層の密度が、1.0〜1.8g/cm3の範囲内である。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置に関し、特に、発光層の密度を向上させ、発光効率及び素子寿命を向上させることができ、かつ、製造しやすい有機エレクトロルミネッセンス素子、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した表示装置及び照明装置に関する。
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」ともいう。)素子がある。
有機EL素子は、発光する化合物(以下、「発光材料」ともいう。)を含有する発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・リン光)を利用して発光する素子である。このような有機EL素子は、数V〜数十Vの低電圧で発光が可能であり、さらに自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高い。また、有機EL素子は、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
今後の有機ELの素子開発として、さらに発光効率、輝度及び色度の良好な発光が可能な有機EL素子が望まれている。
ところで、近年、層構成をよりシンプルにした有機EL素子の作製が求められている。そこで、電極上に有機材料を用いた有機層を積層し、当該有機層上に発光層を積層した、電極/有機層/発光層の層構成を有する有機EL素子の場合、電子耐久性に問題があり、所望の素子寿命が得られない。また、発光層に直接、隣接する層に、有機材料を用いているため、発光層の溶媒の選択肢が狭くなるという問題があった。
そこで、発光層の溶媒の選択肢を広げるため、無機材料である硫化亜鉛(ZnS)を、正孔注入層に用いた有機EL素子(例えば、特許文献1参照。)や、電子輸送層及び保護層に用いた有機EL素子が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。
しかしながら、上記特許文献1では、正孔注入層に硫化亜鉛を用いているが、正孔注入層と発光層との間に、正孔輸送層としてNPDを用いた有機EL素子として、素子評価を行っている。そのため、電極/硫化亜鉛/発光層の順に積層した層構成(すなわち、硫化亜鉛を有する層の上に直接、発光層を積層した構成)における素子寿命などの評価については、詳細な検討は行われていない。
また、上記特許文献2及び3では、電子輸送層に硫化亜鉛を用いることにより、電子注入性の向上や応答速度の向上が図れる点が記載されているのみである。
特許第6041336号公報 特開2000−215984号公報 特開2008−277799号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、発光層の密度を向上させて、発光効率及び素子寿命を向上させることができ、かつ、製造しやすい有機エレクトロルミネッセンス素子、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した表示装置及び照明装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、硫化亜鉛を含有する層の上に、発光層を直接積層することで、発光層の密度が向上し、発光効率及び素子寿命が向上し、かつ、製造しやすい有機エレクトロルミネッセンス素子等を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.一対の電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記正孔注入層が、硫化亜鉛を含有し、
前記発光層が、前記正孔注入層上に直接積層され、
前記発光層が、前記硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、
前記発光層の密度が、1.0〜1.8g/cmの範囲内である有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記正孔注入層が、金属酸化物がドープされた硫化亜鉛を含有している第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記正孔注入層の厚さが、5〜10nmの範囲内である第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
5.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
本発明の上記手段により、発光層の密度を向上させ、高い発光効率及び素子の長寿命化を図ることができ、かつ、製造しやすい有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、少なくとも硫化亜鉛(ZnS)からなる正孔注入層上に、ZnSと相互作用する有機化合物を含有する発光層が直接積層されている。
したがって、当該正孔注入層が発光層の基板としての機能を果たすため、当該基板上に発光層を形成する際、ZnS(特にS)と有機化合物分子との相互作用(親和性)により有機化合物分子分子が正孔注入層と発光層との界面で規則的に配列することになり、それに伴い、界面近傍及び更に内部の有機化合物分子も規則的に配列する。このような有機化合物分子の規則的配列により発光層の密度が向上し、発光層の欠陥の生成も抑制されると推察される。
その結果として、高い発光効率でかつ長寿命の発光層を備えた素子を形成できたと推察される。
また、ZnSが正孔輸送機能や励起子安定化(ブロック)機能を有するため、正孔注入層と発光層の界面近傍でのキャリアの再結合が増加し発光効率の向上に寄与していることも推察される。また、このような現象は、発光層のモルフォルジー(形態・微細構造)の経時変化による密度の向上にも影響していると考えられる。
さらに、無機材料であるZnSを用いていることから、溶媒耐性に優れ、発光層の溶媒の選択肢も広がり、有機EL素子を製造しやくなる。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図 表示部Aの模式図 画素の回路を示した概略図 パッシブマトリクス方式フルカラー表示装置の模式図 照明装置の模式図 照明装置の断面図
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、一対の電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記正孔注入層が、硫化亜鉛を含有し、前記発光層が、前記正孔注入層上に直接積層され、前記発光層が、前記硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、前記発光層の密度が、1.0〜1.8g/cmの範囲内である。この特徴は、各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記正孔注入層が、金属酸化物がドープされた硫化亜鉛を含有していることが、発光効率がより向上する点で好ましい。
前記正孔注入層の厚さが、5〜10nmの範囲内であることが、発光効率及び素子寿命をより向上させることができる点で好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示装置や照明装置に好適に用いられる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の概要]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、一対の電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記正孔注入層が、硫化亜鉛を含有し、前記発光層が、前記正孔注入層上に直接積層され、前記発光層が、前記硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、前記発光層の密度が、1.0〜1.8g/cmの範囲内である。
本発明に係る発光層の密度は、1.4〜1.7g/cmの範囲内であることが、発光層の密度をより向上させ、発光効率及び素子寿命がより向上する点で好ましい。
発光層の密度は、X線反射率法により求めることができる。極低角度、例えば、0.2〜2度の範囲内の反射率を測定し、得られた反射率曲線をフレネルの式より求められる多層膜試料の反射率の式にフィッティングすることにより求められる。フィッティングの方法については、L.G.Parratt.Phis.Rev.,95 359(1954年)を参考にすることができる。
具体的には、X線発生源は銅をターゲットとし、50kV−300mAで作動させ、多層膜ミラーとGe(111)チャンネルカットモノクロメーターにて単色化したX線を使用する。測定は、ソフトウェア−ATX−Crystal Guide Ver.6.5.3.4を用い、アライメント調整後、2θ/ω=0〜1度を0.002度/stepで0.05度/minで走査する。上記の測定条件で反射率曲線を測定した後、株式会社リガク製GXRR Ver.2.1.0解析ソフトウェアを用いて測定した。
前記一対の電極とは、陽極と陰極であり、本発明の有機EL素子は、好ましくは、基板上に、陽極と陰極、及びこれらの電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層されている。
発光層とは、広義には、陰極と陽極とからなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指し、具体的には、陰極と陽極とからなる電極に電流を流した際に発光する有機化合物を含有する層を指す。
本発明の有機EL素子は、必要に応じて、正孔注入層及び発光層の他に、電子注入層及び電子輸送層を有していてもよく、これらの層が陰極と陽極とで挟持された構造をとる。
また、以下に、基板上に有する有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、ZnSを含有する正孔注入層上に発光層が直接積層されていれば、その他の構成は限定されない。
(i) 陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(ii) 陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(iii)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi) 陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
さらに、電子注入層と陰極との間に、陰極バッファー層(例えば、フッ化リチウム等)を挿入してもよく、陽極と正孔注入層との間に、陽極バッファー層(例えば、銅フタロシアニン等)を挿入してもよい。
以下、基板と、有機EL素子の各層構成について詳細に説明する。
(基板)
本発明の有機EL素子に用いることのできる基板(以下、基体、支持基板、基材、支持体等ともいう)としては、特に限定は無く、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができ、また透明であっても不透明であってもよい。基板側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、透明プラスチック基板を挙げることができる。
また、基板としては、基板側からの酸素や水の侵入を阻止するため、JIS Z−0208に準拠した試験において、その厚さが1μm以上で水蒸気透過度が1g/(m・24h・atm)(25℃)以下であるものが好ましい。
ガラス基板としては、具体的には、例えば無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が挙げられる。水分の吸着が少ない点からは無アルカリガラスが好ましいが、充分に乾燥を行えばこれらのいずれを用いてもよい。
プラスチック基板は、可撓性が高く、軽量で割れにくいこと、さらに有機EL素子のさらなる薄型化を可能にできること等の理由で近年注目されている。
プラスチック基板の基材として用いられる樹脂フィルムとしては、特に限定は無く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル又はポリアリレート類、有機無機ハイブリッド樹脂等からなる樹脂フィルムを挙げることができる。有機無機ハイブリッド樹脂としては、有機樹脂とゾル・ゲル反応によって得られる無機高分子(例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等)を組み合わせて得られるものが挙げられる。これらのうちでは、特にアートン(JSR(株)製)又はアペル(三井化学(株)製)といったノルボルネン(又はシクロオレフィン系)樹脂が好ましい。
通常生産されているプラスチック基板は水分の透過性が比較的高く、また基板内部に水分を含有している場合もある。そのため、このようなプラスチック基板を用いる際には、樹脂フィルム上に水蒸気や酸素などの侵入を抑制する膜(以下、「バリアー膜」又は「水蒸気封止膜」という)を設けたものが好ましい。
バリアー膜を構成する材料は、特に限定は無く、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド等が用いられる。被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のガスバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、1×10−5g/(m・24h)以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。
バリアー膜を構成する材料としては、水分や酸素等、素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であれば特に限定は無く、例えば金属酸化物、金属酸窒化物又は金属窒化物等の無機物、有機物、又はその両者のハイブリッド材料等を用いることができる。金属酸化物、金属酸窒化物又は金属窒化物としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の金属窒化物、酸窒化ケイ素、酸窒化チタン等の金属酸窒化物等が挙げられる。
さらに、該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリアー膜は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のガスバリアー性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3mL/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、1×10−5g/(m・24h)以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。
前記樹脂フィルムに、バリアー膜を設ける方法は、特に限定されず、いかなる方法でもよいが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、CVD法(化学的気相堆積:例えば、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法など)、コーティング法、ゾル・ゲル法等を用いることができる。これらのうち、緻密な膜を形成できる点から、大気圧又は大気圧近傍でのプラズマCVD処理による方法が好ましい。
不透明な基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
(陽極)
有機EL素子の陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、金属の電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。ここで、「金属の電気伝導性化合物」とは、金属と他の物質との化合物のうち電気伝導性を有するものをいい、具体的には、例えば、金属の酸化物、ハロゲン化物等であって電気伝導性を有するものをいう。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウム・スズ酸化物(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。上記陽極は、これらの電極物質からなる薄膜を、蒸着やスパッタリング等の公知の方法により、前記基板上に形成させることで作製することができる。
また、この薄膜にフォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、また、パターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
陽極から発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陽極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。さらに陽極の層厚は、構成する材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲内で選ばれる。
(正孔注入層)
本発明に係る正孔注入層(「正孔注入・輸送層」ともいう。)に用いられる材料は、正孔注入材料及び正孔輸送材料として適用可能な硫化亜鉛(ZnS)を含有している。
したがって、本発明における正孔注入層は、正孔輸送機能も有する正孔注入層である。
上記正孔注入材料とは、正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを有するものである。また、上記正孔輸送材料とは、電子の障壁性を有するとともに正孔を発光層まで輸送する働きを有するものである。
本発明に係る正孔注入層は、ZnSを含有していれば、金属酸化物などもドーピングされていてもよい。
ZnSにドーピング可能な金属酸化物としては、例えば、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン等が挙げられる。
金属酸化物のドープ濃度としては、25〜75%の範囲内であることが好ましい。
また、ZnS以外に、その他、正孔注入層に用いられる正孔注入材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
具体的には、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、ポルフィリン化合物、チオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマーが挙げられる。これらのうちでは、アリールアミン誘導体及びポルフィリン化合物が好ましい。アリールアミン誘導体の中では、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物が好ましく、芳香族第三級アミン化合物がより好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)ビフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5061569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(以下、α−NPDと略す。)、特開平4−308688号に記載されているトリフェニルアミンユニットが三つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。
正孔注入層は、ドライプロセス又はウェットプロセスのいずれで形成してもよく、上記正孔注入材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法、転写法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
正孔注入層の厚さは、5〜10nmの範囲内であることが、発光層の密度を1.0〜1.7g/cmの範囲内にすることができ、発光効率及び素子寿命をより向上させることができる点で好ましい。
(発光層)
本発明に係る発光層は、正孔注入層上に直接積層され、発光層が正孔注入層に含有される硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、発光層の密度が、1.0〜1.8g/cmの範囲内である。
発光層の密度は、1.4〜1.7g/cmの範囲内であることがより好ましい。このような密度の範囲にする手段として、例えば、正孔注入層の厚さを上述したように5〜10nmの範囲内に調整したり、ZnS層に金属酸化物をドープすることが挙げられる。
本発明に係る発光層は、電極又は電子輸送層、正孔注入層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。発光層は単一の組成を持つ層であってもよいし、同一又は異なる組成をもつ複数の層からなる積層構造であってもよい。
この発光層自体に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層及び電子輸送層等の機能を付与してもよい。すなわち、発光層に(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能のうちの少なくとも一つの機能を付与してもよい。なお、発光層は、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好ましい。
(発光層に用いられる有機化合物)
発光層に用いられる有機化合物としては、ホスト化合物及び発光ドーパントが含まれていることが好ましい。
発光層に含有される発光ドーパントは、発光層の層厚方向に対し、均一な濃度で含有されていても良いし、濃度分布を有していても良い。
タンデム構造の有機EL素子である場合には、各発光ユニットに包含される個々の発光層の層厚は、特に制限はないが、形成する層の均質性や、発光時に不必要な高電圧の印加を防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、5〜200nmの範囲内に調整することが好ましく、さらに好ましくは10〜100nmの範囲内に調整される。
以下、発光層に含まれるリン光ホスト化合物及びリン光ドーパントについて説明する。
(1)リン光ホスト化合物
本発明に用いられるリン光ホスト化合物としては、構造的には特に制限はないが、代表的には、例えば、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するものや、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
リン光ホスト化合物は、単独で用いても良いし、複数種併用して用いても良い。
本発明に係る発光層に用いられるリン光ホスト化合物としては、下記一般式(a)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018221173
一般式(a)中、Xは、NR′、O、S、CR′R″又はSiR′R″を表す。R′及びR″は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。Arは、芳香族環を表す。nは、0〜8の整数を表す。
一般式(a)において、R′及びR″で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリール基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す。)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていても良い。また、これらの置換基は、複数が互いに結合して環を形成していても良い。
一般式(a)において、Xは、NR′又はOを表すことが好ましく、R′は、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表すことが特に好ましい。
一般式(a)において、Arで表される芳香族環としては、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が挙げられる。
Arで表される芳香族環としては、単環又は縮合環のいずれであっても良く、さらには、未置換であっても上述のR′及びR″で表される置換基を有していても良い。
一般式(a)において、Arで表される芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
一般式(a)において、Arで表される芳香族複素環としては、例えば、フラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが窒素原子で置換されている環を示す。)等が挙げられる。
一般式(a)において、Arで表される芳香族環として、好ましくは、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ベンゼン環であり、より好ましくは、カルバゾール環、カルボリン環、ベンゼン環であり、特に好ましくは、置換基を有するベンゼン環であり、最も好ましくは、カルバゾリル基を有するベンゼン環である。
また、一般式(a)において、Arで表される芳香族環としては、下記に示すような、各々3環以上の縮合環であることが好ましい一態様である。
3環以上が縮合した芳香族炭化水素縮合環としては、具体的には、例えば、ナフタセン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、フェナントレン環、ピレン環、ベンゾピレン環、ベンゾアズレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、アセナフテン環、アセナフチレン環、トリフェニレン環、コロネン環、ベンゾコロネン環、ヘキサベンゾコロネン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フルオランテン環、ペリレン環、ナフトペリレン環、ペンタベンゾペリレン環、ベンゾペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、コロネン環、ナフトコロネン環、オバレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
また、3環以上が縮合した芳香族複素環縮合環としては、具体的には、例えば、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す。)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)等が挙げられる。
また、一般式(a)において、nは、0〜8の整数を表すが、0〜2の整数であることが好ましく、特に、XがO又はSである場合には、1又は2であることが好ましい。
以下、一般式(a)で表されるリン光ホスト化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
また、本発明に用いるリン光ホスト化合物は、低分子化合物でも、繰り返し単位を持つ高分子化合物でも良く、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でも良い。
リン光ホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。本発明においては、ガラス転移点が90℃以上の化合物が好ましく、さらには130℃以上の化合物が優れた特性を得られることから好ましい。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121に準拠した方法により求められる値である。
また、本発明においては、従来公知のホスト化合物を用いることもできる。
従来公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物を好適に用いることができる。例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等が挙げられる。
タンデム構造の有機EL素子においては、リン光ホスト化合物は各発光ユニットの発光層ごとに異なっていても良いが、同一の化合物であることが生産効率上、工程管理上好ましい。
また、リン光ホスト化合物は、その最低励起3重項エネルギー(T1)が、2.7eVより大きいことがより高い発光効率を得られることから好ましい。
本発明でいう最低励起3重項エネルギーとは、ホスト化合物を溶媒に溶解し、液体窒素温度において観測したリン光発光スペクトルの最低振動バンド間遷移に対応する発光バンドのピークエネルギーのことをいう。
(2)リン光発光ドーパント
本発明に用いることができるリン光発光ドーパントは、公知のものの中から選ぶことができる。例えば、元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物、好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物若しくは白金化合物(白金錯体系化合物)、又は希土類錯体から選ぶことができる。中でも、最も好ましいのはイリジウム化合物である。
白色発光を呈する有機EL素子を作製する場合、少なくとも緑、黄、赤領域の発光を担う発光体としては、リン光発光材料が好ましい。
(一般式(A)〜(C)で表される部分構造)
また、リン光発光ドーパントとして青色リン光発光ドーパントを用いる場合、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、下記一般式(A)〜(C)から選ばれる少なくとも一つの部分構造を有していることが好ましい。
Figure 2018221173
一般式(A)中、Raは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。A1は、芳香族環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表す。Mは、Ir又はPtを表す。
Figure 2018221173
一般式(B)中、Raは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。Rb、Rc、Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。A1は、芳香族環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表す。Mは、Ir又はPtを表す。
Figure 2018221173
一般式(C)中、Raは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。Rb及びRcは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。A1は、芳香族環又は芳香族複素環を形成するのに必要な残基を表す。Mは、Ir又はPtを表す。
一般式(A)〜(C)において、Raで表される脂肪族基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)が挙げられる。
Raで表される芳香族基としては、例えば、フェニル基、トリル基、アズレニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、o−テルフェニル基、m−テルフェニル基、p−テルフェニル基、アセナフテニル基、コロネニル基、フルオレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。
Raで表される複素環基としては、例えば、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、カルバゾリル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、クロマニル基等を挙げることができる。
これらの基は、一般式(a)におけるR′及びR″で表される置換基を有していても良い。
一般式(A)〜(C)において、Rb、Rc、Rb及びRcで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていても良い。
一般式(A)〜(C)において、A1で表される芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
A1で表される芳香族複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが窒素原子で置換されている環を示す。)等が挙げられる。
一般式(A)〜(C)において、Mは、Ir又はPtを表すが、中でもIrが好ましい。
一般式(A)〜(C)の構造は部分構造であり、それ自身が完成構造の発光ドーパントとなるには、中心金属の価数に対応した配位子が必要である。そのような配位子としては、具体的には、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、フタラジニル基等)、一般式(A)〜(C)の金属を除いた部分構造等が挙げられる。
発光ドーパントとしては、一般式(A)〜(C)の部分構造3個で完成構造となるトリス体が好ましい。
以下、上記一般式(A)〜(C)の部分構造を有するリン光発光ドーパントを例示するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2018221173
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(3)蛍光発光ドーパント
蛍光発光ドーパント(蛍光性ドーパント、蛍光発光体等ともいう。)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
(電子注入層及び電子輸送層)
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。この電子注入層に用いられる有機EL素子用材料(以下、「電子注入材料」ともいう。)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
また、特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として開示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入材料として用いうることが分かった。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料として用いることができる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alqと略す。)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子注入材料として用いることができる。
その他、メタルフリーやメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも電子注入材料として好ましく用いることができる。また、正孔注入層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子注入材料として用いることができる。
電子輸送層に用いられる好ましい有機EL素子用材料は、415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、電子輸送層に用いられる有機EL素子用材料は、電子輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
電子注入層は、上記電子注入材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法、転写法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
また、電子注入層としての厚さは特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層は、これらの電子注入材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
なお、本明細書においては、前記電子注入層のうち、発光層と比較してイオン化エネルギーが大きい場合には、特に電子輸送層と呼ぶこととする。したがって、本明細書においては、電子輸送層は電子注入層に含まれる。
上記電子輸送層は、正孔阻止層(ホールブロック層)ともいわれ、その例としては、例えば、WO00/70655号、特開2001−313178号公報、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されているものが挙げられる。特に発光層にオルトメタル錯体系ドーパントを用いるいわゆる「リン光発光素子」においては、前記(v)及び(vi)のように電子輸送層(正孔阻止層)を有する構成を採ることが好ましい。
(バッファー層)
陽極と正孔注入層の間、及び、陰極と発光層又は電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123〜166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層とがある。
陽極バッファー層は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その厚さは0.1〜100nmの範囲が好ましい。さらに、上記基本構成層の他に、必要に応じてその他の機能を有する層を適宜積層してもよい。
(陰極)
有機EL素子の陰極としては、一般に仕事関数の小さい(4eV未満)金属(以下、電子注入性金属と称する)、合金、金属の電気伝導性化合物又はこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、インジウム、希土類金属、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。
本発明においては、上記に列挙したものを陰極の電極物質として用いてもよいが、本発明の効果をより有効に発揮させる点からは、陰極は第13族金属元素を含有してなることが好ましい。すなわち本発明では、後述するように陰極の表面をプラズマ状態の酸素ガスで酸化して、陰極表面に酸化皮膜を形成することにより、それ以上の陰極の酸化を防止し、陰極の耐久性を向上させることができる。
したがって、陰極の電極物質としては、陰極に要求される好ましい電子注入性を有する金属であって、緻密な酸化皮膜を形成しうる金属であることが好ましい。
前記第13族金属元素を含有してなる陰極の電極物質としては、具体的には、例えば、アルミニウム、インジウム、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が挙げられる。なお、上記混合物の各成分の混合比率は、有機EL素子の陰極として従来公知の比率を採用することができるが、特にこれに限定されない。上記陰極は、上記の電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、前記有機機能層上に薄膜形成することにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/sq.以下が好ましく、層厚は、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光光を透過させるために、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方を透明又は半透明にすると、発光効率が向上して好ましい。
[有機EL素子の製造方法]
本発明に係る有機EL素子の製造方法の一例として、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の製造法について説明する。
まず、適当な基体上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの厚さになるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。
次に、この上に、上述した少なくともZnSを含有する正孔注入層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び正孔阻止層の有機化合物薄膜を順に形成させる。ここで、本発明の組成物を用いて発光層を形成することが好ましい。
これらの有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、上述したように、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法又はスピンコート法が好ましく、本発明においては、本発明の組成物を塗布溶液として用いることができる点でスピンコート法が特に好ましい。
また、層ごとに異なる成膜法を適用してもよい。成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、厚さ0.1nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の厚さになるように、例えば蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、1回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施してもかまわない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
[有機EL素子の封止]
有機EL素子の封止手段としては、特に限られないが、例えば、有機EL素子の外周部を封止用接着剤で封止した後、有機EL素子の発光領域を覆うように封止部材を配置する方法が挙げられる。
封止用接着剤としては、例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子を薄膜化することできる観点から、ポリマーフィルム及び金属フィルムを好ましく使用することができる。
封止部材と有機EL素子の発光領域との間隙には、封止用接着剤の他には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコーンオイルのような不活性液体を注入することもできる。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
[表示装置]
本発明の有機EL素子を用いる多色表示装置は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、他層は共通であるので、シャドーマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。
発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた多色表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
多色表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明に係る有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。
このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザー発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。又は、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
本発明の有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。ディスプレイ41は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。表示部Aは基板上に、複数の走査線55及びデータ線56を含む配線部と、複数の画素53等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。
図2においては、画素53の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。配線部の走査線55及び複数のデータ線56は、それぞれ導電材料からなり、走査線55とデータ線56は格子状に直交して、直交する位置で画素53に接続している(詳細は図示せず)。画素53は、走査線55から走査信号が印加されると、データ線56から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の回路を示した概略図である。画素は、有機EL素子60、スイッチングトランジスタ61、駆動トランジスタ62、コンデンサー63等を備えている。複数の画素に有機EL素子60として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部B(図3には図示せず、図1に示す。)からデータ線56を介してスイッチングトランジスタ61のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線55を介してスイッチングトランジスタ61のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ61の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサー63と駆動トランジスタ62のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサー63が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ62の駆動がオンする。駆動トランジスタ62は、ドレインが電源ライン67に接続され、ソースが有機EL素子60の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン67から有機EL素子60に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線55に移ると、スイッチングトランジスタ61の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ61の駆動がオフしてもコンデンサー63は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ62の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子60の発光が継続する。順次走査により、次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ62が駆動して有機EL素子60が発光する。すなわち、有機EL素子60の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子60に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ61と駆動トランジスタ62を設けて、複数の画素53(図3には図示せず、図2に示す。)それぞれの有機EL素子60の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子60の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサー63の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線55と複数の画像データ線56が画素53を挟んで対向して格子状に設けられている。順次走査により走査線55の走査信号が印加されたとき、印加された走査線55に接続している画素53が画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリクス方式では画素53にアクティブ素子が無く、製造コストの低減を図ることができる。
[照明装置]
本発明の照明装置は、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の露光光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれらに限定するものではない。
本発明の有機EL素子を具備した本発明の照明装置の一態様について説明する。
本発明の有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚さ300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを陰極上に重ねて透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止し、図5及び図6に示すような照明装置を形成することができる。
図5は、照明装置の模式図を示している。
図5に示すとおり、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている。
ガラスカバー102での封止作業は、好ましくは、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行われる。
図6は、照明装置の断面図を示している。
図6に示すとおり、照明装置は、主に陰極105、有機EL層106及び透明電極付きガラス基板107で構成され、これら部材がガラスカバー102で覆われている。
ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
このように、本発明の有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレイに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また露光光源のような一種のランプとして、また液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[実施例1]
以下に説明する実施例で用いられる化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
Figure 2018221173
<有機EL素子1−1の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide(インジウム・スズ酸化物))を100nm成膜した基板(AvanStrate株式会社製、NA45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧した。次いで、正孔注入層として、ZnSを10nm蒸着し、正孔注入層を設けた。
次いで、正孔注入層上に、ホスト化合物として1−6及びドーパントとしてD−28を1−6:D−28=100:5の割合で、70nm蒸着し、発光層を設けた。
次いで、電子注入層としてフッ化リチウムを1.0nm、陰極としてアルミニウムを110nmそれぞれ蒸着し、有機EL素子1−1を作製した。
<有機EL素子1−2〜1−5の作製>
有機EL素子1−1の作製において、正孔注入層の材料を下記表Iに示す材料に変更した。それ以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−5を各々作製した。
<有機EL素子の評価>
上記で作製した有機EL素子を、以下の方法で、(1)発光効率、(2)耐久性(半減寿命)、(3)発光層の密度をそれぞれ測定した。測定結果を下記表Iに示す。
(1)発光効率(外部取り出し量子効率(EQE))の評価
各有機EL素子について、室温23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で、2.5mA/cm定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m]を測定することにより外部取り出し量子効率を算出した。ここで、発光輝度の測定は、分光放射輝度計「CS−1000」(コニカミノルタ社製)を用いた。この外部取り出し量子効率を発光効率の指標とした。
(2)耐久性(半減寿命)の評価
各有機EL素子を、50℃の一定環境条件下で、初期輝度が1000cd/mを与える電流で定電流駆動させ、初期輝度の1/2(500cd/m)に到達するまでの時間(50℃保存時の半減寿命)を求め、これを耐久性の尺度とした。
(3)発光層の密度の評価
X線反射率法により各有機EL素子の発光層の密度を算出した。
X線発生源は銅をターゲットとし、50kV−300mAで作動させ、多層膜ミラーとGe(111)チャンネルカットモノクロメーターにて単色化したX線を使用した。測定は、ソフトウェア−ATX−Crystal Guide Ver.6.5.3.4を用い、アライメント調整後、2θ/ω=0〜1度を0.002度/stepで0.05度/minで走査した。上記の測定条件で反射率曲線を測定した後、株式会社リガク製GXRR Ver.2.1.0解析ソフトウェアを用いて測定した。
Figure 2018221173
表Iから明らかなとおり、本発明に係るZnSを正孔注入層の材料として使用した有機EL素子は、ZnSを正孔注入層の材料として用いない比較例の有機EL素子に比べ、初期性能の発光効率、半減寿命、及び発光層の密度のいずれにおいても優れている。
[実施例2]:ZnSを正孔注入層に用いた際の厚さによって、発光層の密度をコントロールすることができる場合の例
<有機EL素子2−1の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITOを100nm製膜した基板(AvanStrate株式会社製、NA45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにZnSを入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに1−6を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−28を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにLiFを入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、ZnSの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、透明支持基板に蒸着し10nmの正孔注入層を設けた。
さらに、1−6とD−28の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、1−6:D−28=100:5の割合で、正孔注入層上に共蒸着し70nmの発光層を設けた。
さらに、LiFの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、電子注入層として蒸着し0.5nmの電子注入層、陰極としてアルミニウム110nmを設けた。
<有機EL素子2−2〜2−7の作製>
有機EL素子2−1の作製において、正孔注入層のZnSの厚さを表IIに示すように変更した。それ以外は同様にして、有機EL素子2−2〜2−7を各々作製した。
作製した有機EL素子について、上記実施例1と同様にして、発光効率(外部取り出し量子効率(EQE))及び発光寿命、発光層の密度を測定した。測定結果を下記表IIに示す。
Figure 2018221173
表IIから明らかなとおり、ZnSからなる正孔注入層の厚さが5〜10nmの範囲内である有機EL素子は、それ以外の有機EL素子に比べて、発光効率(外部取り出し量子効率)、半減寿命(発光寿命)及び発光層の密度のいずれにおいても優れている。
[実施例3]:発光層の材料の種類によらず、正孔注入層に含有されるZnSによる効果を示すための例
<有機EL素子3−1の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITOを100nm製膜した基板(AvanStrate株式会社製、NA45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにZnSを入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに1−6を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−28を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにKFを入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後ZnSの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、透明支持基板に蒸着し10nmの正孔注入層を設けた。
さらに、1−6とD−28の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、1−6:D−28=100:5の割合で、正孔注入層上に共蒸着し70nmの発光層を設けた。
さらに、KFの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、電子注入層として蒸着し0.5nmの電子注入層、陰極としてアルミニウム110nmを設けた。
<有機EL素子3−2〜3−10の作製>
有機EL素子3−1の作製において、発光層のホスト材料及びドーパント材料を下記表IIIに示すように変更した。それ以外は同様にして、有機EL素子3−2〜3−10を各
々作製した各々作製した。
<有機EL素子3−11の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITOを100nm製膜した基板(AvanStrate株式会社製、NA45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにZnSを入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)、を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに1−6を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−28を入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにKFを入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後ZnSの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、透明支持基板に蒸着し10nmの正孔注入層を設けた。
さらに、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、正孔注入層上に蒸着し5nmの有機層を設けた。
さらに、1−6とD−28の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、1−6:D−28=100:5の割合で、前記有機層上に共蒸着し70nmの発光層を設けた。
さらに、KFの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、電子注入層として蒸着し、0.5nmの電子注入層、陰極としてアルミニウム110nmを設けた。
<有機EL素子3−12〜3−20の作製>
有機EL素子3−11の作製において、発光層のホスト材料及びドーパント材料を下記表IIIに示すように変更した。それ以外は同様にして、有機EL素子3−12〜3−20
を各々作製した。
作製した有機EL素子について、上記実施例1と同様にして、発光層における密度の測定を行った。測定結果を下記表IIIに示す。
Figure 2018221173
表IIIから明らかなとおり、ホスト材料及びドーパント材料の種類にかかわらず、正孔
注入層にZnSが含有され、かつ、ZnSを含有する層上に、直接、発光層が形成された有機EL素子は、発光層の密度の点で優れている。
[実施例4]:ZnSを含有する層の溶媒耐性
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにZnSを入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、ZnSの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、基板に蒸着し50nmの正孔注入層を設けた単膜を作成した。
作製したZnSを含有する正孔注入層(単膜)に対して、下記表IVに示すような各種の溶媒を滴下しスピンコートし、乾燥後、厚さを測定して、ZnSを含有する層の溶媒耐性を検討した。
表IVにおける各略語は以下のとおりである。
TFPO:2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール
THF:テトラヒドロフラン
2mTHF:2−メチルテトラヒドロフラン
Figure 2018221173
表IVから明らかなとおり、ZnSを含有する層の各種溶媒耐性を確認することができた。
[実施例5]:照明装置の作製
<白色発光有機EL素子4−1の作製>
有機EL素子1−1の作製で用いたITO透明電極を設けた透明支持基板を真空蒸着装置に取付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧した。次いで、正孔注入層として、ZnSを10nm蒸着し、正孔注入層を設けた。
次に、ホスト化合物としてHOST−56(100mg)、ドーパントとしてD−86(3mg)及びIr−19(3mg)をトルエン10mLに溶解した溶液を用い、2000rpm、30秒の条件下、スピンコート法により薄膜を形成した。60℃で1時間真空乾燥し、第1発光層を形成した。
さらに、この第1発光層上に、ホスト化合物としてHOST−94(100mg)とドーパントとしてD−84(16mg)を6mLのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解した溶液を用い、2000rpm、30秒の条件でスピンコート法により薄膜を形成し、60℃で1時間真空乾燥し、第2発光層を形成した。
この基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、第2発光層上に、ET−35を蒸着して厚さ30nmの電子輸送層を形成し、続いてフッ化リチウムを蒸着して厚さ0.5nmの陰極バッファー層を形成し、さらにアルミニウムを蒸着して厚さ110nmの陰極を形成することで、有機EL素子4−1を作製した。
作製した有機EL素子4−1に通電したところ、ほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることが分かった。なお、ホスト化合物やドーパントとして、他の例示化合物に置き換えても同様に白色の発光が得られることが分かった。
[実施例6]:フルカラー表示装置の作製
<青色発光素子の作製>
実施例1の有機EL素子1−1を青色発光素子として用いた。
<緑色発光素子の作製>
D−86を緑色発光ドーパントとして用いた以外は、有機EL素子1−1と同様にして緑色発光素子を作製した。
<赤色発光素子の作製>
Ir−9を赤色発光ドーパントとして用いた以外は、有機EL素子1−1と同様にして赤色発光素子を作製した。
上記で作製した、各々赤色、緑色、青色発光有機EL素子を同一基板上に並べて置き、図1に記載のような形態を有するアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置を作製し、図2には、作製した前記表示装置の表示部Aの模式図のみを示した。
すなわち、同一基板上に、複数の走査線55及びデータ線56を含む配線部と、並置した複数の画素53(発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有し、配線部の走査線55及び複数のデータ線56はそれぞれ導電材料からなり、走査線55とデータ線56は格子状に直交して、直交する位置で画素53に接続している(詳細は図示せず)。前記複数の画素53は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動されており、走査線55から走査信号が印加されると、データ線56から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。このように各赤、緑、青の画素を適宜、並置することによって、フルカラー表示装置を作製した。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度が高く、高耐久性を有し、かつ、鮮明なフルカラー動画表示が得られることが分かった。
[実施例7]:正孔注入層のZnSに金属酸化物をドープする例
<有機EL素子6−1の作製>
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITO(Indium Tin Oxide(酸化インジウム・スズ))を100nm製膜した基板(AvanStrate株式会社製、NA45)にパターニングを行った。その後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥して、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧した。次いで、正孔輸送層として、ZnSを10nm蒸着し、正孔注入層を設けた。
次いで、正孔注入層上に、ホスト化合物としての1−6及びドーパントとしてのD−28を1−6:D−28=100:5の割合で、70nm蒸着し、発光層を設けた。
次いで、電子注入層としてフッ化リチウムを1.0nm、陰極としてアルミニウムを110nmそれぞれ蒸着し、有機EL素子6−1を作製した。
<有機EL素子6−2〜6−4の作製>
有機EL素子6−1の作製において、正孔注入層としてZnSに下記表Vに示す金属酸化物をそれぞれドープした以外は同様にして、有機EL素子6−2〜6−4を作製した。
作製した有機EL素子について、上記実施例1と同様にして、発光効率(外部取り出し量子効率(EQE))及び発光寿命、発光層の密度を測定した。測定結果を下記表Vに示す。
Figure 2018221173
表Vから明らかなとおり、正孔注入層が、金属酸化物がドープされたZnSを含有する有機EL素子は、金属酸化物をドープしない場合に比べて、発光効率に優れている。
本発明は、発光層の密度を向上させ、発光効率及び素子寿命を向上させることができ、かつ、製造しやすい有機エレクトロルミネッセンス素子、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した表示装置及び照明装置に利用することができる。
41 ディスプレイ(表示装置)
53 画素
55 走査線
56 データ線
60 有機EL素子
61 スイッチングトランジスタ
62 駆動トランジスタ
63 コンデンサー
67 電源ライン
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
A 表示部
B 制御部

Claims (5)

  1. 一対の電極間に、少なくとも正孔注入層及び発光層が積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記正孔注入層が、硫化亜鉛を含有し、
    前記発光層が、前記正孔注入層上に直接積層され、
    前記発光層が、前記硫化亜鉛と相互作用を有する有機化合物を含有し、かつ、
    前記発光層の密度が、1.0〜1.8g/cmの範囲内である有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記正孔注入層が、金属酸化物がドープされた硫化亜鉛を含有している請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記正孔注入層の厚さが、5〜10nmの範囲内である請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
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