JP5338578B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Description
具体的に本発明によれば、構成1〜4において、
一般式(1)のArが一般式(3)、(4)及び(5)で表される2価の連結基群から選択される少なくとも1つを部分構造として有し、
一般式(4)のXが各々−N(R)−、−O−、−S−、−Si(R)(R’)−を表し、一般式(5)のXが各々−O−、−S−、−Si(R)(R’)−を表し、
一般式(4)、(5)のXにおけるR、R’が、各々水素原子または置換基を表し、当該置換基がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、ホスホノ基を表し、当該置換基が互いに結合して環を形成してもよく、
一般式(7)、(8)のR、R’は各々水素原子または置換基を表し、当該置換基が一般式(4)、(5)のXにおける置換基と同義である有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
該正孔輸送層が正孔輸送性置換基を有するπ共役系高分子を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記Arが、下記一般式(2)、(3)、(4)及び(5)で表される2価の連結基群から選択される少なくとも1つを部分構造として有することを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記Aが、下記一般式(6)、(7)または(8)で表されるいずれかの基を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記正孔輸送層が塗布により形成されることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)において、Arで表される3価の基としては、上記一般式(2)、(3)、(4)または(5)のいずれかで表される部分構造を有することが好ましい態様として挙げられ、また、一般式(2)、(3)、(4)または(5)の各々で表される2価の連結基の各々の末端は、水素原子または置換基を表す。置換基については後述する。
一般式(1)で表される化合物において、Aで表される正孔輸送性置換基としては、上記一般式(6)、(7)または(8)のいずれかで表される基が好ましい。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(vi)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(vii)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
本発明に係る正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
本発明に係る有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工し、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の表示装置について説明する。
本発明の照明装置について説明する。本発明の照明装置は上記有機EL素子を有する。
本発明の有機EL素子を具備した、本発明の照明装置の一態様について説明する。
《有機EL素子1の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
有機EL素子1の作製において、正孔輸送層をα−NPDから下記の評価結果の欄に記載の化合物に変更し、スピンコート法で塗布した以外は同様にして、有機EL素子2〜11を作製した。
得られた有機EL素子1〜5を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図5、図6に示すような照明装置を形成して評価した。
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。
有機EL素子を室温(約23℃〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下により駆動したときの電圧を各々測定し、測定結果を下記に示すように、有機EL素子1(比較例)を100として各々相対値で示した。
尚、値が小さいほうが比較に対して駆動電圧が低いことを示す。
1 α−NPD 100 100 比較例
2 P1 102 98 参考例
3 P2 103 97 参考例
4 P3 120 85 参考例
5 P4 122 84 本発明
6 P5 127 84 本発明
7 P6 132 82 参考例
8 P7 132 81 参考例
9 P8 138 81 参考例
10 P9 143 80 本発明
11 P10 151 77 本発明
上記の評価結果から、本発明に係る一般式(1)で表される正孔輸送性置換基を有するπ共役系高分子を用いて作製した有機EL素子は、比較の有機EL素子1に比べ、高い外部取り出し量子効率と低駆動電圧での駆動を達成できることが明らかである。
《フルカラー表示装置の作製》
(青色発光素子の作製)
実施例1の有機EL素子4を青色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1において、Ir−12をIr−1に変更した以外は同様にして緑色発光素子を作製し、これを緑色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1において、Ir−13をIr−9に変更した以外は同様にして、赤色発光素子を作製し、これを赤色発光素子として用いた。
《白色発光素子及び白色照明装置の作製》
実施例1の透明電極基板の電極を20mm×20mmにパターニングし、その上に実施例1と同様に正孔輸送層(正孔注入/輸送層)としてα−NPDを25nmの厚さで成膜し、更に、H−4の入った前記加熱ボートと例示化合物Ir−13の入ったボート及びIr−9の入ったボートをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるH−4と発光ドーパントであるIr−13及びIr−9の蒸着速度が100:5:0.6になるように調節し、膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (7)
- 支持基板上に少なくとも陽極、陰極を有し、該陽極と該陰極間に少なくとも正孔輸送層と発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子において、
該正孔輸送層が正孔輸送性置換基を有するπ共役系高分子を含有し、
前記π共役系高分子が下記一般式(1)で表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Aは前記正孔輸送性置換基であって、下記一般式(7)または(8)で表されるいずれかの基を有する。
nは、2〜10000の整数である。〕
mは2〜10000の整数を表す。
一般式(4)のXは各々−N(R)−、−O−、−S−、−Si(R)(R’)−を表し、一般式(5)のXは各々−O−、−S−、−Si(R)(R’)−を表し、R、R’は各々水素原子または置換基を表し、当該置換基がアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、ホスホノ基を表し、当該置換基が互いに結合して環を形成してもよい。〕
- 前記正孔輸送層が塗布により形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記発光層がリン光性化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記リン光性化合物が、イリジウム化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 白色に発光することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
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