JP5577579B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス材料、表示装置および照明装置 - Google Patents
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Description
具体的に本発明によれば、構成1において、カルバゾール環構造を部分構造として有する電子輸送材料であって、該カルバゾール環は置換基として、ピリジル基、ピラジニル基若しくはピリミジニル基から選ばれる少なくとも1つの基を有する芳香族炭化水素環若しくは芳香族複素環、または、ピリジル基、ピラジニル基若しくはピリミジニル基から選ばれる少なくとも1つの基を有し、且つ該電子輸送材料を電子輸送層に含有する有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
1.炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環の前記いずれかの環がN原子位に単結合したカルバゾール環構造を部分構造として有する電子輸送材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記電子輸送材料が下記一般式(I)で表されるカルバゾール環構造を部分構造として有する電子輸送材料であることを特徴とする1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記電子輸送材料が下記一般式(II)で表される電子輸送材料であることを特徴とする1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(II)
Cz1−Ar−(−Cz2)n
(式中、Arは炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環構造を含む部分構造を表し、Cz1および、Cz2はN原子位でArと単結合するカルバゾール環構造を含む部分構造を表し、nは0または1を表す。但し、Arはその炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環の前記いずれかの環が、Cz1および、Cz2のカルバゾール環構造のN原子位に単結合する。)
4.前記一般式(I)または(II)のArが、炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい窒素原子またはカルコゲン原子を含む複素芳香族5員環構造を含む部分構造であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記一般式(I)または(II)のArが、炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい窒素原子またはカルコゲン原子を含む複素芳香族5員環構造であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が青色燐光発光素子であることを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、電子輸送材料を含む有機層がウェットプロセスによって形成されたことを特徴とする1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
8.1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に含有される電子輸送材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス材料。
9.1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
10.1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
本発明に係る電子輸送材料は、炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環の前記いずれかの環がN原子位に単結合したカルバゾール環構造を部分構造として有する。
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。さらに、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明において電子輸送層は、本発明に係る電子輸送材料を含有することを特徴とする。
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられる発光ホスト化合物としては、構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、または、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも1つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常は、10〜1000nmの範囲であり、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
《有機EL素子1−1の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのタンタル製抵抗加熱ボートにα−NPD、CBP、Ir−12、BCP、Alq3をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取り付けた。
有機EL素子1−1の作製において、表1に記載のように電子輸送材料を変更した以外は同様にして、有機EL素子1−2〜1−6を作製した。
得られた有機EL素子1−2〜1−6を評価するに際しては、作製後の各有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図3、図4に示すような照明装置を形成して評価した。
有機EL素子を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。外部取り出し量子効率は有機EL素子1−1を100とする相対値で表した。
有機EL素子を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。発光寿命は有機EL素子1−1を100と設定する相対値で表した。
《フルカラー表示装置の作製》
(青色発光素子の作製)
実施例1の有機EL素子1−2を青色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1−1において、Ir−12をIr−1に変更した以外は同様にして、緑色発光素子を作製し、これを緑色発光素子として用いた。
実施例1の有機EL素子1−1において、Ir−12をIr−9に変更した以外は同様にして、赤色発光素子を作製し、これを赤色発光素子として用いた。
《白色発光素子及び白色照明装置の作製−1》
実施例1の透明電極基板の電極を20mm×20mmにパターニングし、その上に実施例1と同様に正孔注入/輸送層としてα−NPDを25nmの厚さで成膜し、さらにCBPの入った前記加熱ボートとIr−12の入ったボート及びIr−9の入ったボートをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるCBPと発光ドーパントであるIr−12及びIr−9の蒸着速度が100:5:0.6になるように調節し、膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
《白色発光素子及び白色照明装置の作製−2》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
3 画素
5 走査線
6 データ線
A 表示部
B 制御部
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (10)
- 炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環の前記いずれかの環がN原子位に単結合したカルバゾール環構造を部分構造として有する電子輸送材料であって、該カルバゾール環は置換基として、ピリジル基、ピラジニル基若しくはピリミジニル基から選ばれる少なくとも1つの基を有する芳香族炭化水素環若しくは芳香族複素環、または、ピリジル基、ピラジニル基若しくはピリミジニル基から選ばれる少なくとも1つの基を有し、且つ該電子輸送材料を電子輸送層に含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記電子輸送材料が下記一般式(II)で表される電子輸送材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(II)
Cz1−Ar−(−Cz2)n
(式中、Arは炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環構造を含む部分構造を表し、Cz1および、Cz2はN原子位でArと単結合するカルバゾール環構造を含む部分構造を表し、nは0または1を表す。但し、Arはその炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい複素芳香族5員環の前記いずれかの環が、Cz1および、Cz2のカルバゾール環構造のN原子位に単結合する。) - 前記一般式(I)または(II)のArが、炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい窒素原子またはカルコゲン原子を含む複素芳香族5員環構造を含む部分構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式(I)または(II)のArが、炭化水素芳香環または複素芳香環を縮合環として有してもよい窒素原子またはカルコゲン原子を含む複素芳香族5員環構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が青色燐光発光素子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、電子輸送材料を含む有機層がウェットプロセスによって形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子に含有される電子輸送材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス材料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
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