JPWO2020175624A1 - 化合物、発光材料および有機半導体レーザー素子 - Google Patents

化合物、発光材料および有機半導体レーザー素子 Download PDF

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Abstract

Z1−L−Z2で表される化合物は、優れた発光特性を示し、安定性が高い。Z1およびZ2は各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接または連結基を介して結合している。Lは、ベンゾフラン構造を含む共役系連結基を表し、Z1とZ2を結ぶ連結鎖中に5つ以上の環を含む。

Description

本発明は、発光材料として有用な化合物に関する。
レーザー発振閾値が低い有機半導体レーザー素子の実現に向けた研究が盛んに行われている。特に、そうした有機半導体レーザー素子の実現には、自然放出増幅光(ASE:Amplified Spontaneous Emissiom)を放射する化合物の開発が必須であることから、様々な化合物を合成してASE特性を調査し、レーザー材料として有用な化合物を見出す研究が精力的に進められている。その中には、スチルベン構造を基本構造として分子設計を行うことにより、自然放出増幅光放射の閾値(ASE閾値)が低いレーザー材料を実現しようとする研究も見受けられる。
例えば、非特許文献1には、下記式で表されるビススチルベン誘導体(BSB-Cz)が極めて低いASE閾値を示し、有機レーザー色素として優れていることが報告されている。
Figure 2020175624
Appl. Phys. Lett. 2005, 86, 071110
上記のように、BSB-Czが優れた有機レーザー色素であることが知られている。しかし、本発明者らがBSB-Czの実用性を評価したところ、ビススチルベン骨格に存在する二重結合が化学的に不安定であるために、BSB-Czを蒸着して発光層を形成すると、その高温での蒸着過程でシス−トランス異性化や分解が生じ、異性体や分解物等の不純物が生じることが判明した(後掲の実施例のNMRデータ参照)。こうした不純物の生成は光学物性の変化や半導体特性の低下を招く原因になることから、レーザー性能に優れたレーザー素子を実現すべく、より安定性が高いレーザー材料の開発が切望されている。
このような状況下において本発明者らは、BSB-Czと同等以上の優れた発光特性を示し、且つ、安定性が高い化合物を見出すことを目指して研究を重ねた。そして、レーザー発振閾値が低い有機半導体レーザー素子を実現することを目的として鋭意検討を進めた。
鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、BSB-Czのスチルベン構造のエテニレン基(−CH=CH−)を酸素原子でベンゼン環に連結させてフラン環を形成することにより、その安定性が顕著に向上し、高い量子収率と低いASE閾値を示すとともに、安定性にも優れた化合物を提供できることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて提案されたものであり、具体的に、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物。
一般式(1)
−L−Z
[一般式(1)において、ZおよびZは各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、前記ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接または連結基を介して結合している。Lは、ベンゾフラン構造を含む共役系連結基を表し、ZとZを結ぶ連結鎖中に5つ以上の環を含む。]
[2] 前記共役系連結基が、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフラン環、置換もしくは無置換の複素芳香環、および置換もしくは無置換のエテニレン基から選択される2以上が連結した構造を有する(ここで前記ベンゼン環とフラン環は縮合していてもよく、また、前記フラン環と前記複素芳香環は縮合していてもよい)、[1]に記載の化合物。
[3] 前記共役系連結基が置換もしくは無置換のベンゾフラン−2,6−ジイル基を含む、[1]または[2]に記載の化合物。
[4] 前記共役系連結基が、下記の群Aから選択される1以上の基が連結した構造を有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の化合物。
Figure 2020175624
[上記の群Aの各基における水素原子は置換されていてもよい。*は連結位置を示す。上記の群Aの中からはベンゾフラン構造を含む基が少なくとも1つは選択される。また、上記の群Aの中のベンゾフラン構造を含む基とフルオレン構造を含む基は、それらの基を構成するベンゼン環の環骨格構成原子の少なくとも1つが窒素原子に置換されていてもよい。]
[5] 前記共役系連結基が、下記の一般式(2)で表される基を含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の化合物。
Figure 2020175624
[一般式(2)において、RとRは互いに結合して−O−を形成する。RおよびRは、各々独立に水素原子または置換基を表すか、互いに結合して連結基を形成する。*は連結位置を示す。一般式(2)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換基で置換されていてもよい。]
[6] 前記共役系連結基の鎖長原子数が10〜30である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の化合物。
[7] ZおよびZが各々独立に下記一般式(3)で表される基である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の化合物。
Figure 2020175624
[一般式(3)において、R11〜R20は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R15とR16は互いに結合して単結合または連結基を形成する。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R19とR20は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。]
[8] ZおよびZが各々独立に下記一般式(4)〜(8)のいずれかで表される基である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の化合物。
Figure 2020175624
Figure 2020175624
[一般式(4)〜(8)において、R21〜R24、R27〜R38、R41〜R48、R51〜R58、R61〜R65、R81〜R90は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R21とR22、R22とR23、R23とR24、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R31とR32、R32とR33、R33とR34、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R41とR42、R42とR43、R43とR44、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R51とR52、R52とR53、R53とR54、R55とR56、R56とR57、R57とR58、R61とR62、R62とR63、R63とR64、R64とR65、R54とR61、R55とR65、R81とR82、R82とR83、R83とR84、R85とR86、R86とR87、R87とR88、R89とR90は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。]
[9] ZおよびZが各々独立に前記一般式(4)で表される基である、[8]に記載の化合物。
[10] [1]〜[9]のいずれか1項に記載の化合物からなる発光材料。
[11] 自然放出増幅光を放射する、[10]に記載の発光材料。
[12] 有機半導体レーザー素子用の発光材料である、[10]または[11]に記載の発光材料。
[13] 前記一般式(1)で表される化合物を含む有機半導体レーザー素子。
本発明の化合物は、高い量子収率と低いASE閾値を示し、安定性も高いため、発光材料として有用であり、特に有機半導体レーザー素子用の発光材料として有用性が高い。本発明の化合物をレーザー材料に用いた有機半導体レーザー素子は、低いレーザー発振閾値を実現しうる。
本発明の有機半導体レーザー素子の層構成例を示す概略断面図である。 化合物2およびBSB-Czの光耐性を示すグラフである。 化合物2の単独膜の発光強度とピーク半値全幅(FWHM)の励起光強度依存性を示すグラフである。 化合物2の単独膜のPLスペクトルとASEスペクトルである。 BSB-Czの単独膜の発光強度とピーク半値全幅(FWHM)の励起光強度依存性を示すグラフである。 BSB-Czの単独膜のPLスペクトルとASEスペクトルである。 化合物1、化合物2およびBSB-Czの各単独膜のASE発振時の耐久性を示すグラフである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。また、本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の同位体種は特に限定されず、例えば分子内の水素原子がすべてHであってもよいし、一部または全部がH(デューテリウムD)であってもよい。
[一般式(1)で表される化合物]
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有するものである。
一般式(1)
−L−Z
一般式(1)において、ZおよびZは各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、そのジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接結合しているか、または連結基を介して結合している。Lは、ベンゾフラン構造を含む共役系連結基を表し、ZとZを結ぶ連結鎖中に5つ以上の環を含む。
一般式(1)のLは、ZとZを結ぶ連結鎖が共役構造をとっていて、ベンゾフラン構造を少なくとも1つ含み、なおかつ、連結鎖中に5つ以上の環を含む連結基である。共役構造は、ベンゼン環、複素芳香環、フラン環、エテニレン基、ベンゾフラン構造等の二重結合を有する構造を連結することにより形成することができる。ここでいう複素芳香環は5員環または6員環であることが好ましく、環骨格構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。より好ましい複素芳香環は窒素原子を環骨格構成ヘテロ原子として含む6員環および酸素原子を環骨格構成ヘテロ原子として含む5員環であり、例えばピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、フラン環を挙げることができる。Lが採りうる共役連結基として、例えば2つ以上のベンゾフラン構造を連結した構造を有するもの、1つ以上のベンゾフラン構造と1つ以上のベンゼン環を連結した構造を有するもの、1つ以上のベンゾフラン構造と1つ以上のエテニレン基を連結した構造を有するもの、1つ以上のベンゾフラン構造と1つ以上のベンゼン環と1つ以上のエテニレン基を連結した構造を有するものを挙げることができる。Lが表す共役連結基を構成するベンゼン環とフラン環は縮合していてもよく、また、複素芳香環とフラン環も縮合していてもよい。
Lが表す共役連結基は、下記の群Aから選択される1以上の基が連結した構造を有するものであることが好ましい。
Figure 2020175624
*は連結位置を示す。上記の群Aの中からはベンゾフラン構造を含む基が少なくとも1つは選択される。また、上記の群Aの中のベンゾフラン構造を含む基とフルオレン構造を含む基は、それらの基を構成するベンゼン環の環骨格構成原子の少なくとも1つが窒素原子に置換されていてもよい。1つの環に置換される窒素原子の数は1または2であることが好ましく、2である場合は2つの窒素原子が直接結合しない位置(隣接しない位置)に置換されていることが好ましい。本願でいう「ベンゾフラン構造を含む」とは、ベンゾフランを構成するベンゼン環にさらに別の環が縮合しているものや、ベンゾフランを構成するフラン環にさらに別の環が縮合しているものや、ベンゾフランを構成するベンゼン環とフラン環の両方にそれぞれ別の環が縮合しているものも含むことを意味する。縮合する環は、芳香環、複素芳香環、非芳香環、複素非芳香環のいずれであってもよく、また環数は特に制限されない。環数は、例えば2〜30の範囲内から選択したり、2〜15の範囲内から選択したり、2〜8の範囲内から選択したりしてもよい。
Lが表す共役連結基は、上記の構造の中でも特に以下のベンゾフラン構造を含むものであることが好ましい。
Figure 2020175624
また、Lが表す共役連結基は、以下の一般式(2)で表される構造を含むものであることも好ましい。
Figure 2020175624
一般式(2)において、RとRは互いに結合して−O−を形成する。RおよびRは、各々独立に水素原子または置換基を表すか、互いに結合して連結基を形成する。*は連結位置を示す。一般式(2)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換基で置換されていてもよい。
およびRが互いに結合して形成する連結基は−O−であることが特に好ましい。
Lは、ZとZを結ぶ連結鎖中に5つ以上の環を含む。ここでいう「連結鎖」には、分枝構造は含まない。また、縮合環については、縮合している環の数をカウントする。例えば、ベンゾフランであれば環は2つ、ジベンゾフランであれば環は3つとカウントする。ZとZを結ぶ連結鎖中に含まれる環の数は例えば7つ以上、9つ以上としたりすることが可能であり、また、30以下、20以下、15以下としたりすることが可能である。
Lで表される共役連結基を構成するベンゼン環、複素芳香環、フラン環、エテニレン基、ベンゾフラン構造等における水素原子は、置換基で置換されていてもよいし、無置換であることも好ましい。置換基として、例えばアルキル基(炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜6)、アルケニル基(炭素数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜6)、アルキニル基(炭素数は、好ましくは2〜20、より好ましくは2〜6)、アリール基(炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14)、ヘテロアリール基(環骨格構成原子数は、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜14)などを挙げることができる。ベンゼン環、複素芳香環、フラン環、ベンゾフラン環に結合する置換基は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。そのような環状構造としては、芳香環、複素芳香環、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環などを挙げることができる。一方、エテニレン基の置換基は、互いに結合して環状構造を形成してもよいが、芳香環や複素芳香環は形成せず、非芳香族炭化水素環、非芳香族複素環であれば形成してもよい。置換基が結合して形成される環状構造は5〜7員環であることが好ましく、5または6員環であることがより好ましい。
一般式(1)におけるZおよびZは、各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、前記ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接または連結基を介して結合している。ZおよびZは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、ZおよびZは、各々独立に記一般式(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 2020175624
一般式(3)において、R11〜R20は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R15とR16は互いに結合して単結合または連結基を形成する。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R19とR20は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。
11〜R20がとりうる置換基については、Lで表される共役連結基を構成する環等の置換基に関する説明を参照することができる。また、R11とR12等が互いに結合して形成する環状構造については、Lで表される共役連結基における環状構造に関する説明を参照することができる。
一般式(3)で表される基の好ましい例として、下記一般式(4)〜(8)のいずれかで表される基を挙げることができる。
Figure 2020175624
Figure 2020175624
一般式(4)〜(8)において、R21〜R24、R27〜R38、R41〜R48、R51〜R58、R61〜R65、R81〜R90は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R21とR22、R22とR23、R23とR24、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R31とR32、R32とR33、R33とR34、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R41とR42、R42とR43、R43とR44、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R51とR52、R52とR53、R53とR54、R55とR56、R56とR57、R57とR58、R61とR62、R62とR63、R63とR64、R64とR65、R54とR61、R55とR65、R81とR82、R82とR83、R83とR84、R85とR86、R86とR87、R87とR88、R89とR90は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。
ここでいう置換基と環状構造についても、一般式(1)のLに関する置換基と環状構造の説明を参照することができる。
一般式(4)〜(8)の中では、一般式(4)で表されるものであることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の例として、例えば下記一般式(9)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2020175624
一般式(9)において、R〜Rは各々独立に水素原子または置換基を表し、RとR、RとR、RとR、RとRのうちの少なくとも1組は、互いに結合して−O−を形成する。
一般式(9)では、4組とも−O−を形成する化合物も好ましく、RとR、RとRだけが−O−を形成する化合物や、RとR、RとRだけが−O−を形成する化合物も好ましい。一般式(9)において−O−を形成しないR〜Rは水素原子であることが好ましい。一般式(9)のベンゼン環に結合している水素原子は置換基で置換されていてもよい。また、2つの置換基が互いに結合して環状構造を形成してもよい。置換基については、一般式(1)のLにおける置換基の説明を参照することができる。環状構造については、一般式(1)のLで表される共役連結基における環状構造に関する説明を参照することができる。
以下において、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示する。ただし、本発明において用いることができる一般式(1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2020175624
Figure 2020175624
[一般式(1)で表される化合物の合成方法]
一般式(1)で表される化合物は新規化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、既知の反応を組み合わせることによって合成することができる。例えば、一般式(9)のRとR、RとRが互いに結合して−O−を形成している化合物は、以下の反応式(1)に示す2つの化合物を反応させることにより合成することが可能である。また、一般式(1)のRとR、RとRが互いに結合して−O−を形成している化合物は、以下の反応式(2)に示す2つの化合物を反応させることにより合成することが可能である。
Figure 2020175624
上記の反応式におけるR〜Rの説明については、一般式(1)における対応する記載を参照することができる。X〜Xはハロゲン原子を表し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、ヨウ素であることがより好ましい。
上記の反応は、公知のカップリング反応を応用したものであり、公知の反応条件を適宜選択して用いることができる。上記の反応の詳細については、後述の合成例、Adv. Funct. Mater., 2018, 28, 4.、 Synthesis., 2008,15, 2448.、j. New. Chem., 2018, 42, 2446.、J. Org. Chem., 2004, 69, 6832.を参考にすることができる。また、一般式(1)で表される化合物は、その他の公知の合成反応を組み合わせることによっても合成することができる。
[発光材料]
本発明の発光材料は、一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする。
一般式(1)で表される化合物は、優れた発光特性と高い安定性を示すため、発光材料として有用であり、特にASE閾値が低いため、有機レーザー素子用の発光材料として有用性が高い。これは、一般式(1)で表される化合物がBSB-Czと共通の構造を持ちながら、BSB-Czとは異なり、エテニレン基(−CH=CH−)がベンゼン環に連結してフラン環を構成しているという、特徴的な構造を有するためであると推測される。
すなわち、BSB-CzはASE閾値が低く、優れた有機レーザー色素であることが知られているが、反応性が高いエテニレン基(−CH=CH−)を分子内に2つ有しており、芳香族化合物に比べて安定性が劣る。しかし、安定性を高めるべく、仮にスチルベン構造をクリセンのようなベンゼン環の縮合構造(芳香族縮合環)に変換した場合には、芳香族性が大きくなって発光性能自体が変化してしまう。また、エテニレン基をアルキレン基でベンゼン環に連結すれば、芳香族性を増大させることなく、エテニレン基が環状構造に組み込まれ、安定性が向上すると考えられる。しかし、この場合には、合成工程が煩雑になることや、蒸着による成膜が困難になる等の問題を生じる。これに対して、本発明の一般式(1)で表される化合物は、BSB-Czが含むエテニレン基の少なくとも1つが、−O−を介してベンゼン環に連結した構造を有しており、これにより、エテニレン基がフラン構造に組み込まれた形になっている。ここで、フラン環は芳香族性を有するため、エテニレン基よりも安定性が高い一方で、特にフラン環はベンゼン環に比べれば芳香族性が低いため、フラン環が組み込まれてもスチルベン様の物性は保持されると考えられる。また、こうした連結構造により、二重結合のシストランス異性化は完全に回避される。
以上のことから、一般式(1)で表される化合物は、BSB-Czと同様に、低いASE閾値を示すことに加えて、安定性が高い。さらに、一般式(1)で表される化合物は、BSB-Czよりも量子収率が高い傾向がある。そして、BSB-Czが含むエテニレン基の少なくとも1つを−S−を介してベンゼン環に連結してチオフェン環を形成した化合物よりも量子収率が高い傾向がある。また、一般式(1)で表される化合物は、煩雑な工程を経ずに合成することが可能であり、また、真空蒸着法により容易に成膜することができる。これらのことから、一般式(1)で表される化合物は、発光材料、特に有機半導体レーザー素子用の発光材料として有用性が非常に高い。
[有機レーザー素子]
上記のように一般式(1)で表される化合物は、高い量子収率と低いASE閾値を示すとともに、安定性が高い。そのため、一般式(1)で表される化合物を有機レーザー素子の材料に用いることにより、その成膜時の蒸着プロセスで光学物性を損なうことがなく、優れたレーザー特性を実現することができる。
本発明の化合物が適用される有機レーザー素子は、発光層に励起光が照射されることでレーザー光を放射する光励起型の有機レーザー素子であってもよいし、発光層に正孔と電子が注入され、それらが再結合して生じたエネルギーによりレーザー光を放射する電流励起型の有機レーザー素子(有機半導体レーザー素子)であってもよい。光励起型の有機レーザー素子は、基板上に少なくとも発光層を形成した構造を有する。また、有機半導体レーザー素子は、少なくとも陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を形成した構造を有する。有機層は、少なくとも発光層を有するものであり、発光層のみからなるものであってもよいし、発光層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。そのような他の有機層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、励起子阻止層などを挙げることができる。正孔輸送層は正孔注入機能を有した正孔注入輸送層でもよく、電子輸送層は電子注入機能を有した電子注入輸送層でもよい。具体的な有機半導体レーザー素子の構造例を図1に示す。図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を表わす。電流励起型の有機半導体レーザー素子において、発光層で生じたレーザー光は、陽極を透過して外部に取り出されても、陰極を透過して外部に取り出されてもよく、陽極および陰極を透過して外部に取り出されてもよい。また、発光層で生じたレーザー光は、有機層の端面から外部に取り出されてもよい。
以下において、有機半導体レーザー素子の各部材および各層について説明する。なお、基板と発光層の説明は光励起型の有機レーザー素子と発光層にも該当する。
(基板)
本発明の有機半導体レーザー素子は、基板に支持されていることが好ましい。基板としては、有機半導体レーザー素子が基板側からレーザー光を取り出す構成である場合には、レーザー光に対して透光性を有する基板が用いられ、ガラス、透明プラスチック、石英などからなる透明基板を用いることが好ましい。一方、有機半導体レーザー素子が基板と反対側からレーザー光を取り出す構成である場合には、基板は特に制限されず、上記の透明基板の他、シリコン、紙、布からなる基板も用いることができる。
(陽極)
有機半導体レーザー素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO、TiN等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等の非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により成膜して形成することができる。また、形成した薄膜に、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成して陽極としてもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な材料を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。
ただし、有機半導体レーザー素子が、陽極を透過させてレーザー光を取り出す構成である場合には、陽極はレーザー光に対して透光性を有することを要し、そのレーザー光の透過率が1%より大きくなるように構成することが好ましく、10%より大きくなるように構成することがより好ましい。具体的には、上記の導電性透明材料を陽極に用いるか、金属または合金を10〜100nmの厚さで形成した薄膜を陽極に用いることが好ましい。
陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
一方、陰極としては、陽極に用いる材料よりも仕事関数が小さい金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが用いられる。このような電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により成膜して形成することができる。
ただし、有機半導体レーザー素子が、陰極を透過させてレーザー光を取り出す構成である場合には、陰極はレーザー光に対して透光性を有することを要し、そのレーザー光の透過率が1%より大きくなるように構成することが好ましく、10%より大きくなるように構成することがより好ましい。具体的には、上記の電極材料を10〜100nmの厚さで形成した薄膜を陰極に用いることが好ましい。
陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
(発光層)
発光層は、陽極および陰極のそれぞれから注入された正孔および電子が再結合することにより励起子が生成し、反転分布が形成された後、レーザー光を放射する層である。
発光層は、発光材料のみで構成されていることが好ましいが、発光材料とホスト材料を含んでいてもよい。発光材料としては、一般式(1)で表される化合物群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。本発明の有機半導体レーザー素子の閾値電流密度をより低くするためには、発光材料に生成した一重項励起子および三重項励起子の少なくとも一方を、発光材料中に閉じ込めることが重要である。従って、発光層中に発光材料に加えてホスト材料を用いることが好ましい。ホスト材料としては、励起一重項エネルギー、励起三重項エネルギーの少なくとも何れか一方が、発光材料として用いる一般式(1)で表される化合物よりも、高い値を有する有機化合物を用いることができる。その結果、発光材料に生成した一重項励起子および三重項励起子を、発光材料の分子中に閉じ込めることが可能となり、そのレーザー光の放射を生ずるための閾値電流密度をより低くすることが可能となる。もっとも、一重項励起子および三重項励起子を十分に閉じ込めることができなくても、低閾値化やレーザー特性の改善に寄与しうる場合もあるため、低閾値化やレーザー特性の改善を実現しうるホスト材料であれば特に制約なく本発明に用いることができる。本発明の有機半導体レーザー素子において、レーザー光は、発光材料として含まれる一般式(1)で表される化合物から放射される。このレーザー光は自然放出増幅光であっても、外部から照射された光により誘導放出された誘導放出光であってもよい。また、発光層からの光は、ホスト材料から放出された光を含んでいてもよい。
一般式(1)で表されないホスト材料を用いる場合、発光材料に用いる一般式(1)で表される化合物が発光層中に含有される量は0.1重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、また、50重量%以下であることが好ましく、25重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましく、15重量%以下であることが特に好ましい。
発光層におけるホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する有機化合物であることが好ましい。なお、一般式(1)で表される化合物をホスト材料として用いてもよい。
(注入層)
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層または正孔輸送層の間、および陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
(阻止層)
阻止層は、発光層中に存在する電荷(電子もしくは正孔)および/または励起子の発光層外への拡散を阻止することができる層である。電子阻止層は、発光層および正孔輸送層の間に配置されることができ、電子が正孔輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。同様に、正孔阻止層は発光層および電子輸送層の間に配置されることができ、正孔が電子輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。阻止層はまた、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止するために用いることができる。すなわち電子阻止層、正孔阻止層はそれぞれ励起子阻止層としての機能も兼ね備えることができる。本明細書でいう電子阻止層または励起子阻止層は、一つの層で電子阻止層および励起子阻止層の機能を有する層を含む意味で使用される。
(正孔阻止層)
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は電子を輸送しつつ、正孔が電子輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。正孔阻止層の材料としては、後述する電子輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。
(電子阻止層)
電子阻止層とは、広い意味では正孔を輸送する機能を有する。電子阻止層は正孔を輸送しつつ、電子が正孔輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
(励起子阻止層)
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は発光層に隣接して陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。すなわち、励起子阻止層を陽極側に有する場合、正孔輸送層と発光層の間に、発光層に隣接して該層を挿入することができ、陰極側に挿入する場合、発光層と陰極との間に、発光層に隣接して該層を挿入することができる。また、陽極と、発光層の陽極側に隣接する励起子阻止層との間には、正孔注入層や電子阻止層などを有することができ、陰極と、発光層の陰極側に隣接する励起子阻止層との間には、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層などを有することができる。阻止層を配置する場合、阻止層として用いる材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーの少なくともいずれか一方は、発光材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーよりも高いことが好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。使用できる公知の正孔輸送材料としては例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、芳香族第3級アミン化合物を用いることがより好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。使用できる電子輸送層としては例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
(共振器構造)
本発明の有機半導体レーザー素子は、さらに、共振器構造を有していてもよい。「共振器構造」とは、発光材料が放出した光を発光層中で往復させるための構造である。これにより、光が繰り返し発光層中を走行して誘導放出を引き起こすため、より高い強度のレーザー光を得ることができる。共振器構造は、具体的には一対の反射鏡により構成され、一方の反射鏡は100%の反射率を有することが好ましく、他方の反射鏡は、反射率が50〜95%であることが好ましい。他方の反射鏡の反射率を比較的低く設定することにより、この反射鏡を透過させてレーザー光を外部に取り出すことが可能になる。以下では、レーザー光を取り出す側の反射鏡を「出力鏡」という。反射鏡および出力鏡は、上記の有機半導体レーザー素子を構成する各層および各部とは別に設けてもよいし、陽極や陰極に反射鏡または出力鏡の機能を兼ねさせてもよい。
例えば、陽極に反射鏡または出力鏡の機能を兼ねさせる場合には、陽極は、可視光の吸収が小さく、反射率が高く、且つ、仕事関数が比較的大きい(4.0eV以上)金属膜により構成することが好ましい。そのような金属膜として、例えばAg、Pt、Au等の金属膜、または、これらの金属を含む合金膜を挙げることができる。陽極の反射率および透過率は、例えば数十nm以上の範囲で、金属膜の膜厚を制御することにより所望の値に調整することができる。
陰極に反射鏡または出力鏡の機能を兼ねさせる場合には、陰極は、可視光の吸収が小さく、反射率が高く、且つ、仕事関数が比較的小さい金属膜により構成することが好ましい。そのような金属膜として、例えばAl、Mg等の金属膜、または、これらの金属を含む合金膜を挙げることができる。陰極の反射率および透過率は、例えば数十nm以上の範囲で、金属膜の膜厚を制御することにより所望の値に調整することができる。
反射鏡または出力鏡を、上記の各層および各部とは別に設ける場合には、陽極と有機層との間、または、基板と陽極の間に反射性の膜を形成して反射鏡または出力鏡として機能させることが好ましい。
陽極と有機層との間に反射鏡または出力鏡を設ける場合には、それらの材料として、可視光の吸収が小さく、高い反射率が得られ、且つ、仕事関数が大きい(仕事関数4.0eV以上)導電性材料を用いることが好ましい。具体的には、Ag、Pt、Au等の金属、または、これらの金属を含む合金からなる金属膜を反射鏡または出力鏡として用いることができる。この反射鏡または出力鏡の反射率および透過率は、例えば数十nm以上の範囲で、金属膜の膜厚を制御することにより所望の値に調整することができる。ここで、こうした反射鏡または出力鏡を陽極と有機層との間に設ける場合には、陽極の材料は、仕事関数が大きいものである必要はなく、公知の電極材料を広く用いることができる。
基板と陽極の間に反射鏡または出力鏡を設ける場合には、それらの材料として、可視光の吸収が小さく、高い反射率が得られるものを用いることが好ましい。具体的には、Al、Ag、Pt等の金属、または、これらの金属を含む合金からなる金属膜、AlとSiの合金膜上にTi膜を積層した積層膜、酸化ケイ素と酸化チタンを交互に成膜した誘電体多層膜等を反射鏡または出力鏡として用いることができる。このうち、金属膜の反射率および透過率は、例えば数十nm以上の範囲で膜厚を制御することにより所望の値に調整することができる。また、誘電体多層膜の反射率および透過率は、酸化ケイ素と酸化チタンの膜厚および積層数を制御することによって所望の値に調整することができる。
反射鏡と出力鏡の組み合わせとしては、出力鏡が陽極であり、反射鏡が陰極である組み合わせ、出力鏡が陽極と有機層の間または基板と陽極の間に配された反射性の膜であり、反射鏡が陰極である組み合わせ、反射鏡が陽極であり、出力鏡が陰極である組み合わせ、反射鏡が陽極と有機層の間または基板と陽極の間に配された反射性の膜であり、出力鏡が陰極である組み合わせを挙げることができる。
こうした共振器構造では、反射鏡と出力鏡の間に介在する層の光学膜厚の合計(各層のそれぞれについて、その膜厚に屈折率を乗じた値の合計)がレーザー光の半波長の整数倍となるように、素子の層構造を設計することが好ましい。これにより、反射鏡と出力鏡の間で定在波が形成されて光が増幅され、より高い強度のレーザー光を得ることができる。
また、以上の共振器構造は、基板の主面に対する垂直方向にレーザー光を往復させるものであるが、共振器構造は、基板の主面に対する水平方向にレーザー光を往復させるものであってもよい。こうした共振器構造は、有機層と空気との屈折率差による反射を利用し、有機層の端面を反射鏡または出力鏡として構成することができる。また、発光層付近に、λ/2n(λ:光の波長、n:1以上の整数)の格子間隔で回折格子を設け、発光層で発生した光を回折格子の格子間隔によって周期的に反射させるようにしてもよい。本発明では、有機層の端面から発光させる態様と、有機層(基板)に垂直な方向に発光させる態様の両方をとりうる。例えば、基板上に2次元DFB(distributed feedback)回折格子構造を形成して基板に垂直な方向に発光させる態様を例示することができる。
[ASE閾値]
本明細書中における「ASE閾値」とは、対象となる薄膜に励起光を照射して発光強度の励起光強度依存性を測定し、その励起光強度と発光強度の関係を一次関数とみなしたとき、その傾きが変化するところの励起光強度を意味する。ここで対象となる薄膜は、電流励起型の有機半導体レーザー素子が有する発光層であっても、光励起型の有機レーザー素子が有する発光層であってもよい。また、発光層は、一般式(1)で表される化合物のみから構成されていてもよいし、一般式(1)で表される化合物とホスト材料を含んでいてもよい。「ASE閾値」の具体的な測定条件については実施例の欄を参照することができる。
有機半導体レーザー素子が有する発光層は、このASE閾値が20μJ/cm以下であることが好ましく、10μJ/cm以下であることがより好ましく、5μJ/cm以下であることがさらに好ましく、1μJ/cm以下であることが特に好ましい。
[ASE閾値での発光ピークの半値全幅]
本明細書中における「ASE閾値での発光ピークの半値全幅」とは、発光層にASE閾値に対応する強度で励起光を照射して発光スペクトルを観測したとき、その発光スペクトルに現れる発光ピークのうち、最も強度が大きい発光ピークの半値全幅を意味する。ここで対象となる薄膜についての説明は、ASE閾値における薄膜についての説明を参照することができる。
有機半導体レーザー素子が有する発光層は、このASE閾値での発光ピークの半値全幅が30nm未満であることが好ましく、20nm未満であることがより好ましく、15nm未満であることがさらに好ましい。
以上のような有機半導体レーザー素子は、陽極と陰極の間に閾値電流密度以上の電流を流すことによりレーザー光を放射する。このとき、本発明の有機半導体レーザー素子では、一般式(1)で表される化合物を含むことにより閾値電流密度が低いため、比較的低い電流密度でレーザー光を放射させることができ、優れたレーザー特性を得ることができる。
本発明の有機半導体レーザー素子を作製する際には、一般式(1)で表される化合物を発光層に用いるだけでなく、発光層以外の層にも用いてもよい。その際、発光層に用いる一般式(1)で表される化合物と、発光層以外の層に用いる一般式(1)で表される化合物は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、上記の注入層、阻止層、正孔阻止層、電子阻止層、励起子阻止層、正孔輸送層、電子輸送層などにも一般式(1)で表される化合物を用いてもよい。これらの層の製膜方法は特に限定されず、ドライプロセス、ウェットプロセスのどちらで作製してもよい。一般式(1)で表される化合物は安定性が高いため、ドライプロセスにおいても構造が安定に保持され、成膜方法に関わらず、その構造から奏される性能を十分に発現させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、発光特性の評価は、蛍光分光光度計(日本分光社製:FP−8600)、絶対PL量子収率測定装置(浜松ホトニクス社製:C11347−01)、マルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製:PMA−12)、蛍光寿命測定装置(浜松ホトニクス社製:Quantaurus-Tau C11367-03)を用いて行った。また、熱的安定性の評価は、熱重量・示差熱同時測定装置(Bruker社製:TG-DTA 2400SA)を用いて行った。さらに、核磁気共鳴装置(Bruker社製:AVANCE III 500 MHz spectrometer)と電気化学測定(BAS社製:BAS 608D + DPV Electrochemical system)も用いた。
[1]化合物の合成
(合成例1)化合物1の合成
Figure 2020175624
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)と3−ブロモフェノール(30.0g,174mmol)を3口フラスコに入れ、氷浴で0℃に冷却した後、水素化ナトリウム(12.8g,320mmol)を加え、1−ブロモ−2,2−ジエトキシエタン(31.5g,209mmol)を滴下して150℃で5時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水を加えた後、ジエチルエーテルで抽出を行った。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。その残留物(反応生成物)を、ヘキサン:ジクロロメタン=1:1の混合溶媒を展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体1の透明な油状液体を収量42.8g、収率85.1%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.07-7.15 (m, 3H), 6.84-6.88 (m, 1H), 4.81 (BPBF-1H), 3.98-4.00 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.72-3.79 (m, 2H), 3.59-3.63 (m, 2H), 1.25 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
Figure 2020175624
βすずゼオライト(触媒,4.16g)を三口フラスコに入れて窒素で置換した後、中間体1(12.0g,41.7mmol)をベンゼントリフルオライド(200mL)に溶解してフラスコ内に注入し、112℃で72時間攪拌した。反応液を濾過し、残渣をベンゼントリフルオライドで洗浄して得た濾液から溶媒を減圧留去した。その残留物(反応生成物)を、ヘキサンを展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体2の透明な油状液体を収量4.24g、収率52.0%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.71 (s, 1H), 7.62 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.7 Hz, 1H).
Figure 2020175624
中間体2(4.11g,20.9mmol)、カルバゾール(Cz,5.12g,30.6mmol)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2,0.16g,0.713mmol)および炭酸カリウム(3.58g,25.9mmol)を三口フラスコに入れて窒素で置換した後、トルエン(150mL)、トリ−tert−ブチルフォスフィン(0.732g,3.62mmol)を加えて120℃で48時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出を行った後、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去した。その残留物(反応生成物)を、ヘキサン:ジクロロメタン=1:1の混合溶媒を展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体3の透明な油状液体を収量3.66g、収率61.6%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.17 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.80 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.73 (s,1H), 7.45 (dd, J = 8.2, 1.9 Hz, 1H), 7.41-7.43 (m, 4H), 7.28-7.32 (m, 2H), 6.91 (dd, J = 2.2 Hz, 1H); 13C NMR (CHCl3): δ 155.3, 146.3, 141.3, 134.2, 126.9, 125.9, 123.3, 122.4, 122.0, 120.3, 120.0, 110.6, 109.8, 106.7; Anal. Calcd for C20H13NO: C, 84.78; H, 4.62; N, 4.94. Found: C, 84.65; H, 4.61.
Figure 2020175624
中間体3(0.496g,1.75mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解して、予めアルゴン置換しておいた三口フラスコに入れ、−40℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(n-BuLi,1.6M,1.64mL,2.63mmol)を滴下して1時間攪拌した。この混合物に、ヨウ素(0.724g,2.85mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させた溶液を滴下した後、室温に戻し、さらに12時間攪拌した。この反応液に、飽和したチオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)を加えた後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルによる抽出を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、さらに溶媒を減圧留去した。その残留物(反応生成物)を、ジクロロメタンを展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体4の透明な油状液体を収量0.734gで得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.16 (s, 1H) , 8.15 (t, J = 0.95, 1H) 7.71 (s, 1H) 7.69-7.70 (m, 2H), 7.39-7.45 (m, 4H), 7.28-7.32 (m, 2H), 7.09 (d, J = 0.95 Hz, 1H); 13C NMR (CHCl3): δ 158.4, 141.1, 134.2, 128.6, 126.0, 123.4, 122.7, 120.4, 120.3, 120.1, 117.3, 110.0, 110.0, 97.1; Anal. Calcd for C20H12INO: C, 58.70; H, 2.96; N, 3.42. Found: C, 58.47; H, 2.99; N, 3.25.
Figure 2020175624
4,4´−ビフェニルジボロン酸(0.169g,0.698mmol)とテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4,0.226g,0.196mmol)を二口フラスコに入れて窒素で置換した後、中間体4(0.730g,1.78mmol)をトルエン(50mL)に溶解して加え、続いて炭酸カリウム(0.436g,3.15mmol)を水(50mL)に溶解して加え、40時間還流を行った。反応液を濾過し、残渣をジクロロメタンと塩基水溶液で洗浄した後、o−ジクロロベンゼン(30mL)に溶解し、180℃に加熱して溶解させた。この溶液にメタノールを加え、析出した固体をろ取することにより、目的の化合物1の黄色固体を収量0.063g、収率12.2%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.17 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 4H), 8.04 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.82-7.84 (m, 6H), 7.72 (s, 2H), 7.47 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 6H), 7.42-7.46 (m, 4H) 7.29-7.33 (t, 4H), 7.27 (d, J = 0.95 Hz, 2H); Anal. Calcd for C52H32N2O2: C, 87.13; H, 4.50; N, 3.91. Found: C, 86.86; H, 4.46; N, 3.83.
(合成例2)化合物2の合成
Figure 2020175624
合成例1と同様の工程で得た中間体2(1.03g,5.26mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン(B2pin2,0.645g,2.54mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2(dppf),0.150g,0.205mmol)、炭酸カリウム(2.13g,15.4mmol)を二口フラスコに入れ、窒素置換した後、ジメチルスルホキシド(30mL)を加えて80℃で24時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却して水を加え、析出物をろ取した。この析出物を、ヘキサン:ジクロロメタン=9:1の混合溶媒を展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体5の無色固体を収量0.379g、収率62.0%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.78 (s , 2H), 7.65-7.67 (m, 4H), 7. 55 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 2H), 6.81 (dd, J = 1.1 Hz, 2H); 13C NMR (CHCl3): δ 155.8, 145.6, 138.3, 126.7, 122.8, 121.4, 110.3, 106.6; Anal. Calcd for C16H10O2: C, 82.04; H, 4.30. Found: C, 81.97; H, 4.46.
Figure 2020175624
中間体5(0.315g,1.35mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解して、予めアルゴン置換しておいた三口フラスコに入れ、−40℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(n−BuLi,1.6M,2.80mL,4.34mmol)を滴下して1時間攪拌した。この混合物に、ヨウ素(1.03g,4.06mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させた溶液を滴下した後、室温に戻し、さらに12時間攪拌した。この反応液に、飽和したチオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)を加えた後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルによる抽出を行った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、さらに溶媒を減圧留去した。残留物(反応生成物)を、ジクロロメタンを展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離、精製し、中間体6の無色固体を収量0.506g、収率77.5%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.70 (s, 2 H), 7.57 (d, J = 8.2, 2H), 7.49 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 0.95 Hz, 2H); 13C NMR (CHCl3): δ 161.6, 140.4, 131.2, 125.7, 122.6, 119.9, 112.3, 99.0.
Figure 2020175624
4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニルボロン酸(1.06g,3.69mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4,0.124g,0.107mmol)を二口フラスコに入れて窒素で置換した後、中間体6(0.510g,1.04mmol)をトルエン(50mL)に溶解して加え、続いて炭酸カリウム(1.20g,8.68mmol)を水(50mL)に溶解して加え、48時間還流を行った。反応液を濾過し、残渣をジクロロメタンと塩基水溶液で洗浄した後、o−ジクロロベンゼン(30mL)に溶解し、180℃に加熱して溶解させた。この溶液を濾過して触媒を除去し、メタノールを加えて析出した固体をろ取することにより、目的の化合物2の黄色固体を収量0.464g、収率62.2%で得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.17 (d, J = 8.5, 8H), 7.92 (s, 2H), 7.71-7.77 (m, 6H), 7.67 (dd, J = 8.2, 1.6 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 7.43-7.47 (m, 4H) 7.30-7.33 (m, 4H), 7.24 (d, J = 0.63 Hz, 2H); 13C NMR (CHCl3): δ 155.8, 140.6, 138.2, 137.8, 129.3, 128.5, 127.3, 126.3, 126.0, 123.5, 122.9, 121.3, 120.3, 120.1, 109.8, 109.6, 101.9; Anal. Calcd for C52H32N2O2: C, 87.13; H, 4.50; N, 3.91. Found: C, 86.99; H, 4.51; N, 3.67.
[2]評価
合成した各化合物と下記のBSB-Cz(比較化合物)について、安定性と発光特性の評価を行った。
Figure 2020175624
(安定性の評価)
化合物1、2およびBSB-Czについて、それぞれ真空蒸着法にて、10−4〜10−5Paの真空度で蒸着膜を形成した後、溶融させ、その後、NMR分析を行った。また、これとは別に、化合物1、2およびBSB-Czをそれぞれ昇華させた後、NMR分析を行った。ここで、昇華装置内の圧力は、真空蒸着装置内の圧力よりも高くなるため、昇華温度は真空蒸着法の蒸発温度よりも高めになる。
NMR分析を行った結果、BSB-Czでは、蒸着膜の溶融後に測定したNMRスペクトルにおいて、真空蒸着前のNMRスペクトルには見られない小さいピークが観測され、不純物の生成が確認された。また、昇華後に測定したNMRスペクトルには、さらに新たな不純物ピークが観測され、その中には、フェニルカルバゾールに由来するピークも確認された。このことから、BSB-Czは、真空蒸着や昇華などの熱プロセスにより不純物を生じ、特に昇華の場合には、分解がかなり進行することがわかった。一方、化合物1、2では、蒸着膜の溶融後または昇華後に測定したNMRスペクトルに分解物由来のピークは認められず、分解が抑えられていた。
また、化合物1、2およびBSB-Czについて、1Paでの熱重量測定(TG)および1atmでの熱重量・示差熱測定(TG−DTA)を行ったところ、昇華温度は同じ程度であったものの、分解温度はBSB-Czが478℃であるのに対して、化合物1は539℃、化合物2は543℃であり、高い分解温度を示した。
以上の結果から、化合物1、2は、BSB-Czに比べて熱的安定性が格段に高いことが確認された。
(溶液のPL発光特性および電気化学的特性の評価)
化合物1、2およびBSB-Czを、それぞれトルエン、クロロホルムまたはN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して9種類の溶液を調製した。このとき、各溶液の濃度は10−5Mとした。
調製した各溶液について、吸収スペクトルおよび340nm励起光による発光特性を調べた。発光特性の測定結果を表1に示す。ここで、フォトルミネッセンス量子収率(PL量子収率ΦPL)および発光寿命Τについては、大気下(in air)で測定した値と窒素雰囲気下(in N2)で測定した値の両方を示した。
Figure 2020175624
化合物1、2およびBSB-Czの各溶液は、吸収スペクトル、発光寿命Τおよび放射速度定数krがよく一致していた。ここで、放射速度定数krはASE発振閾値と相関があるため、この結果から、化合物1、2はBSB-Czと同様に低いASE発振閾値を示すことが示唆された。また、発光ピークについては、いずれの化合物も溶媒の極性が大きいもの程(N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンの順に)長波長側にシフトしたが、そのシフトの度合は同程度であり、溶媒が同じもの同士では、発光極大波長も概ね同じであった。一方、フォトルミネッセンス量子収率は、化合物1、2の溶液の方が、BSB-Czの溶液よりも高い値を示した。
このことから、化合物1、2は、BSB-Czと同様の発光特性を保持しつつ、安定性と量子収率が向上しており、発光材料として改善されたものであることがわかった。
また、化合物1およびBSB-Czを、それぞれジクロロメタンに溶解し、サイクリックボルタンメトリー(CV)および微分パルスボルタンメトリー(DPV)により電気化学的特性を測定した。その結果を表2に示す。表2における各値は、基準物質フェロセンの半波電位を0として求めたものであり、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)およびLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の各エネルギー準位は、CVにより測定した酸化電位、還元電位から算出した。
Figure 2020175624
表2に示すように、化合物1とBSB-Czは、酸化電位、還元電位がともに類似しており、HOMOおよびLUMOの各エネルギー準位も近い値であった。
(単独膜のPL発光特性の評価)
石英基板上に真空蒸着法にて、真空度10−4Pa以下の条件で化合物2の薄膜(単独膜)を100nmの厚さで形成した。また、同様の条件で、石英基板上にBSB-Czの薄膜(単独膜)を100nmの厚さで形成した。形成した各薄膜について、原子間力顕微鏡による表面粗さの評価およびX線回折分析による結晶性の評価を行ったところ、いずれも表面粗さが低く、アモルファスであることがわかった。
また、各単独膜について、340nm励起光による発光特性を測定した結果、BSB-Czの単独膜は、発光極大波長λmaxが480nm、大気下でのPL量子収率ΦPLが69%、大気下での発光寿命Τが1.6ns、放射速度定数kが4.4×10−1であった。また、化合物2の単独膜は、発光極大波長λmaxが452nm、大気下でのPL量子収率ΦPLが79%、窒素雰囲気下でのPL量子収率ΦPLが87%、大気下での発光寿命Τが1.7ns、窒素雰囲気下での発光寿命Τが1.8ns、放射速度定数kが4.7×10−1であり、BSB-Czよりも、PL量子収率および放射速度定数が高く、発光特性が改善されていることがわかった。
(単独膜の光耐久性の評価)
PL発光特性の評価で用いたのと同じ条件で作製した、化合物2の単独膜およびBSB-Czの単独膜に405nm励起光をCWレーザー光源から強度18μWで連続照射し、その発光強度の経時変化を調べた。その結果を図2に示す。なお、ここでは各薄膜で励起子密度が等しくなるように照射強度を調節した。
図2に示すように、化合物2の単独膜では、励起光照射の間、発光強度が一定に保たれているのに対して、BSB-Czの単独膜では、発光強度が経時的に減少した。このことから、化合物2は、BSB-Czに比べて励起状態での安定性(光耐久性)が高く、励起子密度が必然的に高くなるレーザー材料用の化合物として適していることがわかった。
(ドープ膜のPL発光特性の評価)
石英基板上に真空蒸着法にて、真空度10−4Pa以下の条件で、化合物2とCBPとを異なる蒸着源から共蒸着し、化合物2の濃度が6.0重量%である薄膜(ドープ膜)を130nmの厚さで形成した。また、同様の条件で、石英基板上に、BSB-CzとCBPとを異なる蒸着源から共蒸着し、BSB-Czの濃度が6.0重量%である薄膜(ドープ膜)を130nmの厚さで形成した。
各ドープ膜について、340nm励起光による発光特性を測定したところ、BSB-Czのドープ膜は、発光極大波長λmaxが462nm、大気下でのPL量子収率ΦPLが87%、大気下での発光寿命Τが1.1ns、放射速度定数kが7.9×10−1であった。また、化合物2のドープ膜は、発光極大波長λmaxが445nm、大気下および窒素雰囲気下でのPL量子収率ΦPLが共に100%、大気下での発光寿命Τが1.3ns、窒素雰囲気下での発光寿命Τが1.6ns、放射速度定数kが7.6×10−1であり、BSB-Czのドープ膜に比べて高い量子収率を示した。
(ドープ膜のASE発光特性の評価)
PL発光特性の評価で用いたのと同じ条件で作製した、化合物2のドープ膜およびBSB-Czのドープ膜について、窒素ガスレーザーの337nm励起光によるASE発光特性を調べた。
化合物2のドープ膜について、発光強度と発光ピーク半値全幅FWHMの励起強度依存性を測定した結果を図3に示し、PLスペクトルおよびASEスペクトルを図4に示す。PLスペクトルは0.7μJ/cmの励起強度で測定した発光スペクトルである。BSB-Czのドープ膜について、発光強度と発光ピーク半値全幅FWHMの励起強度依存性を測定した結果を図5に示し、PLスペクトルおよびASEスペクトルを図6に示す。PLスペクトルは、0.2μJ/cmの励起強度で測定した発光スペクトルであり、ASEスペクトルは、15μJ/cmの励起強度で測定した発光スペクトルである。
図3、5に示すように、いずれのドープ膜も、発光強度の励起強度依存性グラフにおいて、その傾きが変化する変化点(閾値Eth)が確認されるとともに、励起強度に依存してFWHMが狭くなる相関関係が認められた。また、図4、6に示すように、閾値Eth以上の励起強度で、ASEピークと認めうる急峻な発光ピークが観測された。ここで、これらの測定結果から、BSB-Czのドープ膜は、ASEの極大波長λASEが458nm、ASE閾値Ethが0.89μJ/cmであり、化合物2のドープ膜は、ASEの極大波長λASEが442nm、ASE閾値Ethが0.90μJ/cmで、BSB-Czドープ膜と同等であった。
以上の結果から、一般式(1)で表される化合物は、BSB-Czと同様に、ASEを放射しうる化合物であり、さらに、BSB-Czよりも量子収率と安定性が高く、より優れた発光材料であることがわかった。
(単独膜のASE発振時の耐久性の評価)
PL発光特性の評価で用いたのと同じ条件で作製した、化合物1の単独膜および化合物2の単独膜およびBSB-Czの単独膜に、ASE発光特性の評価で用いたのと同じ励起光源(337nm、パルス幅0.8ns、10Hz)を用い、ASE発振しきい値よりも十分に高い強度950μJ/cmで照射を行い、窒素雰囲気下で、その発光強度の経時変化を調べた。その結果を図7に示す。なお、横軸は測定時間を示す。
図7に示すように、化合物1および化合物2の単独膜の発光強度の減少は、BSB-Czの単独膜の発光強度の減少よりも小さかった。このことから、化合物1および化合物2は、BSB-Czに比べてレーザー発振状態においても安定性(光耐久性)が高く、レーザー材料用の化合物として適していることがわかった。
Figure 2020175624
本発明の化合物は、高い量子収率と低いASE閾値を示し、安定性も高い。そのため、本発明の化合物を有機半導体レーザー素子の発光材料として用いることにより、レーザー発振閾値が低い阪有機半導体レーザー素子を実現しうる。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    一般式(1)
    −L−Z
    [一般式(1)において、ZおよびZは各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、前記ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接または連結基を介して結合している。Lは、ベンゾフラン構造を含む共役系連結基を表し、ZとZを結ぶ連結鎖中に5つ以上の環を含む。]
  2. 前記共役系連結基が、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のフラン環、置換もしくは無置換の複素芳香環、および置換もしくは無置換のエテニレン基から選択される2以上が連結した構造を有する(ここで前記ベンゼン環とフラン環は縮合していてもよく、また、前記フラン環と前記複素芳香環は縮合していてもよい)、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記共役系連結基が置換もしくは無置換のベンゾフラン−2,6−ジイル基を含む、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 前記共役系連結基が、下記の群Aから選択される1以上の基が連結した構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2020175624
    [上記の群Aの各基における水素原子は置換されていてもよい。*は連結位置を示す。上記の群Aの中からはベンゾフラン構造を含む基が少なくとも1つは選択される。また、上記の群Aの中のベンゾフラン構造を含む基とフルオレン構造を含む基は、それらの基を構成するベンゼン環の環骨格構成原子の少なくとも1つが窒素原子に置換されていてもよい。]
  5. 前記共役系連結基が、下記の一般式(2)で表される基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2020175624
    [一般式(2)において、RとRは互いに結合して−O−を形成する。RおよびRは、各々独立に水素原子または置換基を表すか、互いに結合して連結基を形成する。*は連結位置を示す。一般式(2)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換基で置換されていてもよい。]
  6. 前記共役系連結基の鎖長原子数が10〜30である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. およびZが各々独立に下記一般式(3)で表される基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2020175624
    [一般式(3)において、R11〜R20は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R15とR16は互いに結合して単結合または連結基を形成する。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R19とR20は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。]
  8. およびZが各々独立に下記一般式(4)〜(8)のいずれかで表される基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2020175624
    Figure 2020175624
    [一般式(4)〜(8)において、R21〜R24、R27〜R38、R41〜R48、R51〜R58、R61〜R65、R81〜R90は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R21とR22、R22とR23、R23とR24、R27とR28、R28とR29、R29とR30、R31とR32、R32とR33、R33とR34、R35とR36、R36とR37、R37とR38、R41とR42、R42とR43、R43とR44、R45とR46、R46とR47、R47とR48、R51とR52、R52とR53、R53とR54、R55とR56、R56とR57、R57とR58、R61とR62、R62とR63、R63とR64、R64とR65、R54とR61、R55とR65、R81とR82、R82とR83、R83とR84、R85とR86、R86とR87、R87とR88、R89とR90は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*は結合位置を示す。]
  9. およびZが各々独立に前記一般式(4)で表される基である、請求項8に記載の化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物からなる発光材料。
  11. 自然放出増幅光を放射する、請求項10に記載の発光材料。
  12. 有機半導体レーザー素子用の発光材料である、請求項10または11に記載の発光材料。
  13. 下記一般式(1)で表される化合物を含む有機半導体レーザー素子。
    一般式(1)
    −L−Z
    [一般式(1)において、ZおよびZは各々独立に置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を表し、前記ジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに直接または連結基を介して結合している。Lは、ベンゾフラン構造を含む共役系連結基を表す。]
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