JPWO2018212304A1 - スライドファスナー - Google Patents

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Abstract

スライドファスナー(100)のファスナーエレメント(20)は、先端部(22)と基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有する。中間部(23)は、スライダー(40)の移動方向に合致する軸線(CL)上で突出した係合凸部(24)と凹んだ被係合凹部(25)を有する。軸線(CL)に直交する直交方向において軸線(CL)から先端部(22)の先端面(22m)までの第1距離(L1)が、軸線(CL)から基部(21)の基端面(21m)までの第2距離(L2)未満である。

Description

本開示は、スライドファスナーに関する。
特許文献1は、より幅狭のスライドファスナーを提供する技術を開示する。左右のファスナーエレメントが、スライダーの移動方向にて互い違いに結合する。各ファスナーエレメントの長さが、互い違いに組み合わされた左右のファスナーエレメントの左右幅未満である。各ファスナーエレメントの形状は、曲がった又は湾曲した形状を含む。
英国特許出願公開第442809号明細書
本願の図9に示す従来型のスライドファスナーでは、左右のファスナーエレメント500を結合するためにスライダーを引く際、左側ファスナーエレメント500の頭部510が、右側のファスナーテープ上で隣接する右側ファスナーエレメント500の頭部510の間の隙間に入ることが要求され、同様に、右側ファスナーエレメント500の頭部510が、左側のファスナーテープ上で隣接する左側ファスナーエレメント500の頭部510の間の隙間に入ることが要求される。このファスナーエレメント20の結合を生じさせるスライダーの移動に要求される力は、身体的弱者、例えば、幼児や高齢者にとって決して小さいものではない。
本願発明者は、ファスナーエレメントを結合するためのスライダーの移動に要する力が低減されるスライドファスナーを提供する意義を新たに見出した。
本開示の幾つかの態様に係るスライドファスナーは、一対のファスナーストリンガーにして、各ファスナーストリンガーが、ファスナーテープと、前記ファスナーテープに取り付けられた複数のファスナーエレメントを備え、各ファスナーエレメントが、前記ファスナーテープに固定された基部と、前記基部の反対側に位置する先端部を有する、一対のファスナーストリンガーと、前記一対のファスナーストリンガーを開閉するための少なくとも一つのスライダーにして、上翼板と、下翼板と、前記上翼板と下翼板を連結し、前記ファスナーエレメントの先端部の先端面が対面又は接触する連結柱と、前記上翼板及び下翼板の少なくとも一方に設けられ、前記ファスナーエレメントの基部の基端面が対面又は接触するフランジ部を備える、スライダーを備えるスライドファスナーであって、前記ファスナーエレメントは、前記先端部と前記基部の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部を有し、前記中間部は、前記スライダーの移動方向に合致する軸線上で突出した係合凸部と凹んだ被係合凹部を有し、前記軸線に直交する直交方向において前記軸線から前記先端部の先端面までの第1距離が、前記軸線から前記基部の基端面までの第2距離未満である。
本開示の幾つかの態様に係るスライドファスナーは、前記軸線に沿う前記スライダーの移動方向を前後方向とし、前記スライダーの前進により前記一対のファスナーストリンガーが閉じられ、前記スライダーの後進により前記一対のファスナーストリンガーが開けられるスライドファスナーであって、前記ファスナーエレメントは、前記被係合凹部と反対側であり、前記係合凸部と同じ側において凹んだ第1凹部を有し、前記前後方向において、前記係合凸部の頂点位置と前記第1凹部の底位置の間隔が、前記先端部の最も後方に位置する点と前記被係合凹部の底位置の間隔に実質的に等しい。
本開示の幾つかの態様に係るスライドファスナーは、左右一対のファスナーストリンガーにして、各ファスナーストリンガーが、ファスナーテープと、ファスナーテープに取り付けられた複数のファスナーエレメントを備え、各ファスナーエレメントが、ファスナーテープに固定された基部と、基部の反対側に位置する先端部を有する、左右一対のファスナーストリンガーと、左右一対のファスナーストリンガーを開けるために前進し、また左右一対のファスナーストリンガーを閉じるために後進する少なくとも一つのスライダーを備えるスライドファスナーであって、左側及び右側それぞれのファスナーエレメントは、ファスナーエレメントの前側に係合凸部と、ファスナーエレメントの後側に被係合凹部を有するように屈曲又は湾曲し、左右一方側のファスナーエレメントの係合凸部と基部の間には、左右他方側のファスナーエレメントに設けられた後方に突出した第1小突起を受け入れるための第1凹部が設けられ、左側及び右側それぞれのファスナーエレメントにおいて、第1小突起よりも係合凸部が左右方向において基部寄りにシフトして設けられ、第1凹部が被係合凹部よりも左右方向において基部寄りにシフトして設けられる。
本開示の幾つかの態様に係るスライドファスナーは、左右一対のファスナーストリンガーにして、各ファスナーストリンガーが、ファスナーテープと、ファスナーテープに取り付けられた複数のファスナーエレメントを備え、各ファスナーエレメントが、ファスナーテープに固定された基部と、基部の反対側に位置する先端部を有する、左右一対のファスナーストリンガーと、左右一対のファスナーストリンガーを開閉するための少なくとも一つのスライダーを備えるスライドファスナーであって、左側及び右側それぞれのファスナーエレメントは、先端部と基部の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部を有し、中間部は、スライダーの移動方向に合致する軸線上で突出した係合凸部と凹んだ被係合凹部を有し、左側及び右側の一方側のファスナーエレメントは、左側及び右側の他方側のファスナーエレメントの上下方向に沿う変位を阻止する少なくとも1つの変位規制部を有する。
本開示の一態様によれば、ファスナーエレメントを結合するためのスライダーの移動に要する力が低減されるスライドファスナーを提供することができる。
本開示の一態様に係るスライドファスナーの概略的及び部分的な正面模式図であり、スライダーの連結柱及びフランジ部を断面にて示し、スライダーの上翼板及び下翼板の輪郭を破線で示す。 本開示の一態様に係るスライドファスナーのファスナーストリンガーの概略的及び部分的な正面模式図である。 図1のIII−IIIに沿う概略的な断面模式図である。 ファスナーエレメントの先端部の先端面を示すファスナーエレメントの概略的な側面模式図である。 左右のファスナーエレメントが結合する過程を説明するための参考図である。 左右のファスナーエレメントが結合する過程を説明するための参考図である。 左右のファスナーエレメントが結合する過程を説明するための参考図である。 左右のファスナーエレメントが結合する過程を説明するための参考図である。 従来のスライドファスナーの概略的及び部分的な正面模式図であり、結合状態のファスナーエレメントを図示する。 本開示の一態様に係るスライドファスナーの概略的及び部分的な正面模式図であり、スライダーを一点鎖線で模式的に示す。 結合状態の左右のファスナーストリンガーを示す概略的及び部分的な正面模式図である。 図11の二点鎖線X12−X12に沿う概略的な端面模式図である。 図11の二点鎖線X13−X13に沿う概略的な端面模式図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な斜視図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な正面模式図である。 図15の二点鎖線X16−X16に沿う概略的な端面模式図であり、ファスナーエレメントの先端部に設けられた傾斜面を示す。 図15の二点鎖線X17−X17に沿う概略的な端面模式図であり、ファスナーエレメントに設けられた停止壁を示す。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な前側面図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な後側面図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な側面図であり、ファスナーエレメントの先端部の先端面を示す。 (a)が本開示に係るファスナーエレメントを示し、(b)が従来のファスナーエレメントを示す。 ファスナーエレメントの概略的な正面模式図であり、スライダーの停止爪が係止可能である停止壁がファスナーエレメントの先端部の先端面まで延びる。 本開示の一態様に係るスライドファスナーの左右の結合したファスナーストリンガーを示す概略的及び部分的な正面模式図であり、ファスナーエレメントの基部が第1及び第2脚部を有する。 図23の二点鎖線X24−X24に沿う概略的な端面模式図である。 図23の二点鎖線X25−X25に沿う概略的な端面模式図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な正面模式図である。 図26の二点鎖線X27−X27に沿う概略的な端面模式図である。 図26の二点鎖線X28−X28に沿う概略的な端面模式図である。 本開示の一態様に係るスライドファスナーのファスナーエレメントの概略的な正面模式図であり、ファスナーエレメントの基部の第1脚部の幅が狭く見える。 図29の二点鎖線X30−X30に沿う概略的な端面模式図である。 本開示の一態様に係るスライドファスナーのファスナーエレメントの概略的な正面模式図であり、第2脚部が除去されている。 本開示の一態様に係るスライドファスナーのファスナーエレメントの概略的な正面模式図であり、基部に孔が設けられる。 本開示の一態様に係るスライドファスナーの左右の結合したファスナーストリンガーを示す概略的及び部分的な上面模式図である。 本開示の一態様に係るスライドファスナーの左右の結合したファスナーストリンガーを示す概略的及び部分的な下面模式図である。 図33の二点鎖線X35−X35に沿う概略的な端面模式図である。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な後側面図であり、ファスナーエレメントの中間部に設けられた凹部を示す。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な上面図であり、下側の構造が破線で示される。 ファスナーテープに固着したファスナーエレメントの概略的な下面図であり、上側の構造が破線で示される。
以下、図1乃至図38を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態例について説明する。開示の1以上の実施形態例及び実施形態例に包含される各特徴は、個々に独立したものではない。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態例及び/又は各特徴を組み合わせることができる。また、当業者は、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態例間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている場合がある。
以下に記述において、あるスライドファスナーに関して記述される複数の特徴が、これらの特徴の組み合わせとして理解される他、他の特徴とは独立した個別の特徴として理解される。個別の特徴は、他の特徴との組み合わせを必須とすることなく独立した個別の特徴として理解されるが、1以上の他の個別の特徴との組み合わせとしても理解される。個別の特徴の組み合わせの全てを記述することは当業者には冗長である他なく、省略される。個別の特徴は、「幾つかの場合」といった表現により明示される。個別の特徴は、例えば、図面に開示されたスライドファスナーにのみ有効であるものではなく、他の様々なスライドファスナーにも通用する普遍的な特徴として理解される。
本明細書においては、次のように定義される方向を示す用語が用いられる。前後方向は、スライダーの移動方向に合致し、若しくはスライダーの移動方向に即して理解される。左右方向は、一対のファスナーストリンガーが存在する平面において前後方向に直交する。上下方向は、前後方向及び左右方向それぞれに直交する。なお、後述の説明に照らして、これらの用語が再定義可能であるものとする。本明細書及び/又は請求項で言及される前後方向、左右方向、及び上下方向は、別の基準、例えば、鉛直方向や看者を基準として理解される上下方向、左右方向、前後方向に一致する必要はないことに留意されたい。
図1に示すように、スライドファスナー100は、一対のファスナーストリンガー10と、一対のファスナーストリンガー10を開閉するための少なくとも一つのスライダー40を有する。スライドファスナー100に2以上のスライダーが設けられる例も想定される。説明の便宜上、一対のファスナーストリンガー10の左側ファスナーストリンガー10のファスナーテープ15やファスナーエレメント20を、各々、左側ファスナーテープ15や左側ファスナーエレメント20と呼ぶ場合がある。同様に、一対のファスナーストリンガー10の右側ファスナーストリンガー10のファスナーテープ15やファスナーエレメント20を、各々、右側ファスナーテープ15や右側ファスナーエレメント20と呼ぶ場合がある。
スライダー40の前進により左右のファスナーストリンガー10が閉じられ、スライダー40の後進により左右のファスナーストリンガー10が開けられる。左右のファスナーストリンガー10が閉じられることは、左右のファスナーエレメント20が結合することを意味する。左右のファスナーストリンガー10が開けられることは、左右のファスナーエレメント20の結合が解除されることを意味する。
一対のファスナーストリンガー10に含まれる各ファスナーストリンガー10は、ファスナーテープ15と、ファスナーテープ15に取り付けられた複数のファスナーエレメント20を有する。ファスナーテープ15は、可撓性薄材であり、一対のテープ面として上側テープ面と下側テープ面を有する。ファスナーテープ15は、ファスナーエレメント20が取り付けられる側縁部16を有する。ファスナーテープ15とファスナーエレメント20の結合を強めるべく、側縁部16には芯紐17が設けられる。幾つかの場合、ファスナーテープ15は、織物、編物、又はこれらの混成品である。芯紐17は、ファスナーテープ15と一緒に織成され、若しくはファスナーテープ15に対して縫い付けられる。
ファスナーエレメント20は、ファスナーテープ15に固定された基部21と、基部21の反対側に位置する先端部22を有する。先端部22は、基部21よりもファスナーテープ外方に設けられる。ファスナーテープ外方とは、ファスナーテープ15のテープ面上の点からテープ面外の点に向かう方向である。あるファスナーテープ15に設けられるファスナーエレメント20の先端部22は、そのファスナーエレメント20の基部21よりも他方のファスナーテープ15側に設けられる。基部21は、ファスナーテープ15のテープ面上に存在し、端的には、ファスナーテープ15の側縁部16及び芯紐17上に存在する。先端部22は、ファスナーテープ15のテープ面上に存在しない。ファスナーエレメント20は、ファスナーテープ15の側縁部16に固定された基部21からファスナーテープ15のテープ面上に存在しない先端部22に向けて左右方向に延びる。
ファスナーエレメント20の先端部22は、スライダー40の連結柱43に対面又は接触する先端面22mを有する。先端面22mは、幾つかの場合、スライダー40の連結柱43に接触し、その側面上を摺動する。ファスナーエレメント20の基部21は、スライダー40のフランジ部44に対面又は接触する基端面21mを有する。幾つかの場合、基端面21mは、スライダー40のフランジ部44に接触し、その内面上を摺動する。ファスナーエレメント20が、その先端面22mで連結柱43の側面に接触及び/又は摺動することにより、ファスナーエレメント20の姿勢が安定化する。同様に、ファスナーエレメント20が、その基端面21mでフランジ部44の内面に接触及び/又は摺動することにより、ファスナーエレメント20の姿勢が安定化する。幾つかの場合、基端面21m及び/又は先端面22mが少なくとも部分的に平坦面を含む。
ファスナーエレメント20の基部21は、ファスナーテープ15の上方に設けられる上部基部と、ファスナーテープ15の下方に設けられる下部基部を有する。基部21の基端面21mは、ファスナーテープ15により上下に分割される。基端面21mの上部領域が、スライダー40の上部フランジ部の内面に対面又は接触し、場合によっては、その上を摺動する。基端面21mの下部領域が、スライダー40の下部フランジ部の内面に対面又は接触し、場合によっては、その上を摺動する。
先端面22mと基端面21mの左右方向間隔が、ファスナーエレメント20の左右方向の幅に一致する。ファスナーエレメント20は、基端面21mと先端面22mの間を延びる前側面と、後側面を有する。前側面は、後述の一つの第1凹部29と一つの係合凸部24を形成するように左右方向にて延びる。前側面は、スライダーの移動方向に関する前方を臨む側面である。後側面は、後述の一つの被係合凹部25を形成するように左右方向にて延びる。後側面は、スライダーの移動方向に関する後方を臨む側面である。
図2に示すように、ファスナーエレメント20は、先端部22と基部21の間で屈曲又は湾曲した中間部23を有する。中間部23は、スライダー40の移動方向に合致する軸線CL上で突出した係合凸部24と軸線CL上で凹んだ被係合凹部25を有する。図示例を含む幾つかの場合、係合凸部24は、緩慢に前方に隆起する。係合凸部24の頂点は、軸線CL上に位置する。被係合凹部25は、緩慢に前方に窪む。被係合凹部25の底点は、軸線CL上に位置する。図1に示すように、軸線CLは、結合した左右の各ファスナーエレメント20の基部21の基端面21mの左右間隔W10の中心に位置する。軸線CLは、ファスナーテープ15の長手方向に平行である。中間部23の係合凸部24においてファスナーエレメント20の前側面が前方に突出するように屈曲し、或いは弧状に湾曲する。中間部23の被係合凹部25においてファスナーエレメント20の後側面が前方に突出するように屈曲し、或いは弧状に湾曲する。
図2に示すように、係合凸部24は、基部21の前後方向の幅W1の範囲を超えて前方に位置する。すなわち、係合凸部24の前側端部は、基部21の前側端部よりも前方に位置する。他方、被係合凹部25は、基部21の前後方向の幅W1の中心付近に位置する。端的には、係合凸部24の頂点は、基部21の最大幅W1の範囲外に位置し、被係合凹部25の底点は、基部21の最大幅W1の範囲内に位置する。なお、被係合凹部25の底点は、先端部22の最小幅W2の範囲内に位置する。ファスナーエレメント20がかかる態様で屈曲又は湾曲することでファスナーエレメント20の狭い左右幅が達成される。また、左右のファスナーエレメント20の結合時に結合対のファスナーエレメント20同士の不要な干渉が低減され、結合完了時には両者の良好な結合が確保される。なお、本明細書ではファスナーエレメント20が屈曲する場合のみが図示され、ファスナーエレメント20が湾曲する場合の図示が省略される。
幾つかの場合、先端部22の少なくとも一部は、基部21の最大幅W1の範囲内に位置する。幾つかの場合、先端部22の先端面22mは、基部21の最大幅W1の範囲内に位置する。
幾つかの場合、ファスナーエレメント20は、正面視して逆V字状に屈曲した形状を呈する。幾つかの場合、ファスナーエレメント20は、第1及び第2棒部27,28を有する。第1棒部27と第2棒部28の境界が軸線CL上に存在し得る。第1棒部27と第2棒部28の結合部分が、上述の中間部23に一致し得る。第2棒部28が上述の先端部22を含む。第1棒部27と基部21の境界は、例えば、軸線CLに平行であり、芯紐17の左右幅中心に存在する軸線AXに存在する。
左右のファスナーエレメント20が結合する時、左側ファスナーエレメント20は、右側ファスナーテープ15上で隣接する右側ファスナーエレメント20の間に挟まれる。幾つかの場合、左側ファスナーエレメント20の係合凸部24が前方に位置する右側ファスナーエレメント20の被係合凹部25に係合する。同様に、左側ファスナーエレメント20の被係合凹部25が後方に位置する右側ファスナーエレメント20の係合凸部24に係合する。
左右のファスナーエレメント20が結合する時、左側ファスナーエレメント20の第1棒部27の前側面と、前方に位置する右側ファスナーエレメント20の第2棒部28の後側面が対面又は接触する。左側ファスナーエレメント20の第1棒部27の後側面と、後方に位置する右側ファスナーエレメント20の第2棒部28の前側面が対面又は接触する。
左右のファスナーエレメント20が結合する時、左側ファスナーエレメント20の第2棒部28の前側面と、前方に位置する右側ファスナーエレメント20の第1棒部27の後側面が対面又は接触する。左側ファスナーエレメント20の第2棒部28の後側面と、後方に位置する右側ファスナーエレメント20の第1棒部27の前側面が対面又は接触する。
左右のファスナーエレメント20が結合した状態で左側ファスナーエレメント20が左側に移動しようとしても、左側ファスナーエレメント20の第2棒部28が後方の右側ファスナーエレメント20の第1棒部27と干渉し、左側ファスナーエレメント20の第1棒部27が前方の右側ファスナーエレメント20の第2棒部28と干渉する。右側ファスナーエレメント20についても左側ファスナーエレメント20との関係において同様の説明が当てはまる。
本開示例を含む幾つかの場合、第1棒部27と第2棒部28のなす角θが、120°<θ<140°である。120°>θの場合、左右のファスナーエレメント20が結合する時、左右のファスナーエレメント20が干渉し、スライダー40の移動に要する力が増加し、若しくは左右のファスナーエレメント20が上手く結合しない。θ>140°の場合、同一のファスナーテープ15上で隣接するファスナーエレメント20の基部21の間隔W3が狭くなり、同一のファスナーテープ15上で隣接するファスナーエレメント20の基部21同士が干渉し、若しくはファスナーテープ15の側縁部16の可撓性が低下してしまう。
第1棒部27と第2棒部28の関係は、係合凸部24を形成する第1棒部27の前側面と第2棒部28の前側面の関係に当てはまり、同様に、被係合凹部25を形付ける第1棒部27の後側面と第2棒部28の後側面の関係に当てはまる。
幾つかの場合、第1棒部27と基部21の間には前後方向において係合凸部24と同じ側に、先述の被係合凹部25とは別の第1凹部29が設けられる。第1凹部29は、被係合凹部25と反対側であり、係合凸部24と同じ側において係合凸部24の突出方向と反対方向に凹んだ凹部である。第1凹部29は、ファスナーテープ15の芯紐17上に位置し、詳細には、第1凹部29の底点が、軸線AX上に位置し得る。第1凹部29の存在は、基部21の最大幅W1の増加をもたらし得る。図2から分かるように、係合凸部24の頂点位置と第1凹部29の底位置の前後方向の間隔W4は、先端部22の最も後方に位置する点と被係合凹部25の底位置の間隔W5に実質的に等しい。つまり、係合凸部24の突出の程度と、被係合凹部25の凹みの程度は、相補的である。これにより、左右同一形状のファスナーエレメント20の良好な結合が促進される。また、図1から分かるように、左右のファスナーストリンガー10が結合する時、左側のファスナーエレメント20の第1凹部29に右側ファスナーエレメント20の先端部22が進入する。従って、第1凹部29が設けられない場合に比べて、第1凹部29が設けられる場合、左右のファスナーエレメント20の係合の角度が大きくなり(或いは、深くなり)、スライドファスナー100の横引き強度が向上する。
第1棒部27の前側面と後側面は、軸線AXと軸線CLの間で左右方向に関して斜めに実質的に平行に延びる。第2棒部28の前側面と後側面は、軸線CLからファスナーテープ外方に向かって左右方向に関して斜めに平行に延びる。
図2乃至図4に示すように、幾つかの場合、ファスナーエレメント20の先端部22には、一対のファスナーストリンガー10が結合する時、結合相手のファスナーストリンガー10のファスナーテープ15の芯紐17が収容される凹状の収容部26が設けられる。凹状の収容部26は、芯紐17と同じく前後方向に延びる。ファスナーエレメント20の収容部26が芯紐17を収容することにより、結合時のファスナーエレメント20の先端部22の上下変位が効果的に規制される。図4に示すように、収容部26は、先端部22の上下方向の厚みの中心に設けられる。先端部22の先端面22mは、凹状の収容部26により上下で分割される。先端面22mの上部領域が、スライダー40の連結柱43の上側部分の側面に接触する。先端面22mの下部領域が、スライダー40の連結柱43の下側部分の側面に接触する。前後方向に延びる凹状の収容部26の深さD26は、芯紐17の左右幅未満である。
ファスナーエレメント20は、金属、樹脂、又はこれ以外の材料から成り得る。ファスナーエレメント20が金属製である場合、ファスナーエレメント20の基部21が二股状に構成され、加締め工程によりファスナーテープ15の側縁部16に対して固定される。ファスナーエレメント20が樹脂製である場合、ファスナーテープ15の側縁部16が金型のキャビティー内に配された状態で行われる射出成形工程によりファスナーエレメント20がファスナーテープ15の側縁部16に固定される。ファスナーエレメント20が、これ以外の材料から成る場合、この材料に適した任意の工程によりファスナーテープ15の側縁部16に固定される。
スライダー40は、上翼板41と、下翼板42と、上翼板41と下翼板42を連結し、ファスナーエレメント20の先端部22の先端面22mが対面又は接触する連結柱43と、上翼板41及び下翼板42の少なくとも一方に設けられ、ファスナーエレメント20の基部21の基端面21mが対面又は接触する一対のフランジ部44を有する。スライダー40は、金属、樹脂、又はこれ以外の材料から成り得る。スライダー40は、連結柱43の左右隣に一対の前口を有し、各前口を介して各ファスナーエレメント20がスライダー40内に進入する。スライダー40内で結合した左右のファスナーエレメント20は、スライダー40の一つの後口を介してスライダー40外に移動する。幾つかの場合、スライダー40の上翼板41には引手取付柱が設けられ、任意の種類の引手が引手取付柱に取り付けられる。
上翼板41と下翼板42は、連結柱43の上下高さ分の間隔をあけて互いに対向して設けられる。上翼板41と下翼板42の上下間隔は、ファスナーエレメント20の最大上下厚よりも僅かに大きい。
スライダー40の連結柱43は、前方において最大幅を有し、後方において最小幅を有する三角形状、より正確には二等辺三角形状の断面形状を有する。連結柱43は、後方に向かって互いに接近する左側面43mと右側面43nを有する。左側面43mが平坦面であり、左側のファスナーエレメント20の円滑な摺動が確保される。右側面43nが平坦面であり、右側のファスナーエレメント20の円滑な摺動が確保される。
連結柱43は、丸み付けられた後端部43rを有する。左側面43mと右側面43nの間の角度は、適切な値に設定され、幾つかの場合、35〜45°であり、本開示例においては40°である。連結柱43は前後方向に垂直に交差する前側面43fを有する。左側面43mと前側面43fの間には弧状面が設けられ、右側面43nと前側面43fの間にも弧状面が設けられ、ファスナーエレメント20の円滑な摺動が促進される。
スライダー40の一対のフランジ部44は、前方において最大左右間隔を有し、後方において最小左右間隔を有する。一対のフランジ部44は、左側フランジ部44mと右側フランジ部44nを有する。左側フランジ部44mは、右側フランジ部44nに対向する内面44m1を有する。右側フランジ部44nは、左側フランジ部44mに対向する内面44n1を有する。左側ファスナーエレメント20の基部21の基端面21mが、左側フランジ部44mの内面44m1に対面又は接触し、若しくはその内面44m1上を摺動する。右側ファスナーエレメント20の基部21の基端面21mが、右側フランジ部44nの内面44n1に対面又は接触し、若しくはその内面44n1上を摺動する。
本開示例を含む幾つかの場合、一対のフランジ部44が上翼板41及び下翼板42に個別に設けられる。すなわち、スライダー40は、上翼板41に設けられた一対の上部フランジ部と、下翼板42に設けられた一対の下部フランジ部を有する。合計4個のフランジ部44を設けることにより、上翼板41と下翼板42の間のエレメント通路を左右方向から好適に規制することができる。実施形態によっては、ファスナーエレメント20は、上部フランジ部と下部フランジ部の間の隙間に突入するフィン部を有することができる。スライダー40が合計2つのフランジ部44のみを有し、更に、その一方のフランジ部が上翼板41に設けられ、他方のフランジ部44が下翼板42に設けられる変形例も想定される。
本開示例を含む幾つかの場合、図1及び図2に示すように、軸線CLに直交する左右方向において軸線CLから先端部22の先端面22mまでの第1距離L1が、軸線CLから基部21の基端面21mまでの第2距離L2未満である。かかる構成によれば、左右のファスナーストリンガー10を結合するためのスライダー40の移動に要求される力が効果的に低減される。幾つかの場合、第1距離L1をPとし、第2距離L2をQとする時、0.39<P/Q<0.74を満足する。0.39>P/Qの場合、ファスナーエレメント20が、結合相手のファスナーエレメント20が設けられた芯紐17に到達することができず、結合時のファスナーエレメント20の上下変位が規制されないおそれがある。P/Q>0.74の場合、結合時に一方のファスナーエレメント20の第2棒部28が他方のファスナーエレメント20の第1棒部27に干渉してしまうおそれがある。
本開示例を含む幾つかの場合、一対のファスナーストリンガー10において結合した一方のファスナーエレメント20の基部21の基端面21mと他方のファスナーエレメント20の基部21の基端面21mの直交方向(すなわち左右方向)における間隔W10をTとする時、0.30<2P/T<0.70を満足する。0.30>2P/Tの場合、ファスナーエレメント20が、結合相手のファスナーエレメント20が設けられた芯紐17に到達することができず、結合時のファスナーエレメントの上下変位が規制されないおそれがある。2P/T>0.70の場合、結合時に、一方のファスナーエレメントの第2棒部28が他方のファスナーエレメントの第1棒部27に干渉してしまうおそれがある。
本開示例を含む幾つかの場合、軸線CLに平行な方向において、基部21の最大幅W1が、先端部22の最小幅W2よりも大きい。これにより、ファスナーテープ15に対するファスナーエレメント20の取付強度が高められる。
本開示例を含む幾つかの場合、軸線CLに平行な方向において、基部21の最大幅W1をRとし、同一のファスナーテープ15上で隣接するファスナーエレメント20の基部21の最小間隔W3をSとする時、
0.62<R/(R+S)<0.83
を満足する。
R/(R+S)>0.83の場合、左右のファスナーエレメント20が結合する時、同一のファスナーテープ15上で隣接するファスナーエレメント20の各基部21が干渉してしまうおそれがある。0.62>R/(R+S)の場合、ファスナーテープ15に対するファスナーエレメント20の取付強度が低下し、また基端面21mの十分な面積が確保し難くなり、このため、スライダー40内でのファスナーエレメント20の姿勢の安定化が損なわれるおそれがある。
図5乃至図8を参照して右側ファスナーエレメント20Aが、左側ファスナーエレメント20B,20Cと結合する過程を説明する。スライダー40の前進の結果、図5及び図6に示すように、ファスナーエレメント20Aの先端部22が、ファスナーエレメント20B,20Cの各先端部22の間に進入する。ファスナーエレメント20A〜Cでは、上述のように第1距離L1が第2距離L2未満である。従って、ファスナーエレメント20Aの先端部22は、ファスナーエレメント20B,20Cの各先端部22の間の隙間に円滑に進入できる。同一のファスナーテープ15上で隣接するファスナーエレメント20の基部21間に十分な隙間が確保されており、ファスナーエレメント20の姿勢変化の柔軟性も確保されている。
スライダー40の更なる前進の結果、図6及び図7に示すように、ファスナーエレメント20Aは、右側のフランジ部の内面に押されて左側に移動する。同様に、ファスナーエレメント20B,20Cは、左側のフランジ部の内面に押されて右側に移動する。ファスナーエレメント20Aの先端部22は、ファスナーエレメント20Cの係合凸部24を乗り越える。ファスナーエレメント20Aの被係合凹部25とファスナーエレメント20Cの係合凸部24が係合する。ファスナーエレメント20Bの先端部22及び第2棒部28は、ファスナーエレメント20Aにより前方に押される。ファスナーエレメント20Bは、ファスナーエレメント20Aとファスナーエレメント20Cの係合を強く阻害しない。
スライダー40の更なる前進の結果、図7及び図8に示すように、ファスナーエレメント20A〜20Cが結合し、ファスナーエレメント20Aの係合凸部24がファスナーエレメント20Bの被係合凹部25に係合し、ファスナーエレメント20Aの被係合凹部25がファスナーエレメント20Cの係合凸部24に係合する。ファスナーエレメント20Bは、ファスナーエレメント20Aよりも一つ前方のファスナーエレメント20Dの被係合凹部25が、ファスナーエレメント20Bの係合凸部24に結合するに際して後方に押される。
上述のように、本開示例を含む幾つかの場合、軸線CLに直交する直交方向、すなわち左右方向において軸線CLから先端部22の先端面22mまでの第1距離L1が、軸線CLから基部21の基端面21mまでの第2距離L2未満である。従って、図5乃至図8のように左右のファスナーエレメント20が結合する時に互いに強く干渉することが抑制され、左右のファスナーエレメント20を結合するためにスライダー40を引く力が低減される。上述のように0.39<P/Q<0.74を満足する場合、このスライダー40を引く力の低減の効果を得ながら、左右方向の引っ張り強度と、上下方向の突き上げ耐性が好適に確保される。
―実施例―
L1:1.98mm、L2:3.40mm、θ:120°、W1:2.09mm、W2:0.92mm、W3:0.81mm、スライダー40の連結柱43の左側面43mと右側面43nのなす角:40°とした例では、ファスナーエレメントの結合のためのスライダーの移動には、0.9Nの力を要した。図9に示すタイプのスライドファスナーでは、ファスナーエレメントの結合のためのスライダーの移動には、2.0〜4.0Nの力を要する。
別の実施例においては、L1:1.08mm、L2:2.80mm、θ:140°、W1:1.84mm、W2:1.14mm、W3:0.71mm、スライダー40の連結柱43の左側面43mと右側面43nのなす角:40°である。ファスナーエレメントの結合のためのスライダーの移動には、0.9Nの力を要した。
以下、図10乃至図38を参照して本開示の更なる態様について更に記述する。図10は、スライドファスナー100の概略的及び部分的な正面模式図であり、スライダー40を一点鎖線で模式的に示す。図11は、結合状態の左右のファスナーストリンガー10を示す概略的及び部分的な正面模式図である。図12は、図11の二点鎖線X12−X12に沿う概略的な端面模式図である。図13は、図11の二点鎖線X13−X13に沿う概略的な端面模式図である。図14は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な斜視図である。図15は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な正面模式図である。図16は、図15の二点鎖線X16−X16に沿う概略的な端面模式図であり、ファスナーエレメント20の先端部22に設けられた傾斜面36を示す。図17は、図15の二点鎖線X17−X17に沿う概略的な端面模式図であり、ファスナーエレメント20に設けられた停止壁33を示す。図18は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な前側面図である。図19は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な後側面図である。図20は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な側面図であり、ファスナーエレメント20の先端部22の先端面22mを示す。
図1乃至図8に示したファスナーエレメント20とは異なり、図10等の本開示に係るファスナーエレメント20は、正面視して逆V字状に屈曲した形状を呈するものではないが、図1及び図2に示したファスナーエレメント20と同様の中間部23を有する。図11に示すように、中間部23は、スライダー40の移動方向に合致する軸線CL上で突出した係合凸部24と凹んだ被係合凹部25を有する。更には、軸線CLに直交する直交方向(つまり、左右方向)において軸線CLから先端部22の先端面22mまでの第1距離L1が、軸線CLから基部21の基端面21mまでの第2距離L2未満である。左右のファスナーストリンガー10を結合するためのスライダー40の移動に要求される力が効果的に低減され、スライダー40をより軽い力で簡単に動かすことができる。
左側及び右側のファスナーエレメント20が結合する時、左側及び右側の一方側のファスナーエレメント20の係合凸部24と左側及び右側の他方側のファスナーエレメント20の被係合凹部25が係合又は嵌合することに変わりは無い。図1乃至図8に開示の形態では、左側及び右側の一方側のファスナーストリンガー10に含まれるファスナーエレメント20は、左側及び右側の他方のファスナーストリンガー10のファスナーテープ15に対して、より端的には芯紐17に対して係合可能である。他方、図10乃至図38に開示の形態では、左側及び右側の一方側のファスナーエレメント20(端的には、先端部22)が、左側及び右側の他方側の(結合相手)のファスナーエレメント20の変位規制部30に対して係合可能であり、これにより、その上下変位が阻止される。芯紐17と比較してファスナーエレメント20が硬いため、ファスナーエレメント20の上下変位がより十分に阻止される。ファスナーエレメント20の左右長が減少し、間隔W10も減少し、結果として、専用又は特殊なスライダー(図1参照)を用いることなく既存のスライダー(図10参照)を用いることが促進される。専用又は特殊なスライダーの使用の回避によりスライドファスナーの製造効率が高められ(或いは、スライドファスナーの製造の管理負担が低減され)、或いは、スライドファスナーの低コスト化が促進される。
図11から分かるように、ファスナーエレメント20は、中間部23に隣接して設けられた少なくとも1つの変位規制部30、又は前後方向で中間部23を挟む態様で設けられた一対の変位規制部30を有する。変位規制部30は、基部21からファスナーテープ外方に突出する。中間部23の前方に位置する変位規制部30は、係合凸部24と基部21の間の空間を少なくとも部分的に埋める態様で設けられる。中間部23の後方の位置する変位規制部30は、基部21から先端部22(後述の第1小突起31)に向けて延びる。変位規制部30は、基部21の上下厚の中心の位置又は高さに設けられるが、必ずしもこの限りではない。変位規制部30は、図11に示す場合、肩部とも呼ぶことができる。
ファスナーエレメント20の先端部22と結合相手のファスナーエレメント20の変位規制部30の係合に関して様々な態様が想定される。図11乃至図13に示すように、ファスナーエレメント20の先端部22には変位規制部30が収容される凹状の収容部26が設けられる。凹状の収容部26は、軸線CLに平行に延びる溝を有するが、必ずしもこの限りではない。結合状態の2つのファスナーエレメント20に関して、一方のファスナーエレメント20の先端部22の収容部26に他方のファスナーエレメント20の変位規制部30が収容される。これにより、上下方向に沿うファスナーエレメント20の変位が規制される。例えば、スライドファスナー100の長手方向に沿うスライドファスナー100の屈曲に応じてファスナーエレメント20が局所的に非結合になることが抑制される。なお、ある1つのファスナーエレメント20において、凹状の収容部26は、係合凸部24及び被係合凹部25よりも基部21から離れて配置される。
図12及び図13に示すように変位規制部30が基部21の上下厚の中心の位置又は高さに設けられる形態では、ファスナーエレメント20の先端部22の上下厚の中心の位置又は高さに凹状の収容部26が設けられる。ファスナーエレメント20の先端部22は、凹状の収容部26を挟むように設けられる上側部分22pと下側部分22qを有する(図12及び図13参照)。
ファスナーエレメント20の先端部22の後側端部には、被係合凹部25が凹む方向とは反対方向(つまり、後方)に突出した第1小突起31が設けられる。代替的又は追加的に、ファスナーエレメント20の先端部22の前側端部には、係合凸部24と同じ方向(つまり、前方)に係合凸部24よりも小さい突出量で突出した第2小突起32が設けられる。凹状の収容部26が長くなり、収容部26と変位規制部30のより十分な係合が促進される。必ずしもこの限りではないが、幾つかの場合、ファスナーエレメント20の先端部22の上側部分22pと下側部分22qのそれぞれに第1及び第2小突起31,32が設けられる。
なお、第2小突起32が係合凸部24と比較して小さい突出量を有することは、図15に示す平面B1,T1,T2の関係から理解することができる。第2小突起32と係合凸部24の間にある後述の中間凹部34の底位置に設定された平面B1と第2小突起32の頂点に設定された平面T1の間の距離は、平面B1と係合凸部24の頂点に設定された平面T2の間の距離よりも小さい。なお、平面B1,T1,T2は、いずれも軸線CLに直交する平面である。
図1乃至図8に示した形態と同様、ファスナーエレメント20は、係合凸部24と基部21の間で凹んだ第1凹部29を有する(図11参照)。図1乃至図8に示した形態とは異なり、第1凹部29は、芯紐17上に位置せず、芯紐17よりもファスナーテープ外方に設けられる。結合状態の2つのファスナーエレメント20に関して、一方のファスナーエレメント20の先端部22の第1小突起31が、他方のファスナーエレメント20の第1凹部29に係合する。係合凸部24と被係合凹部25のより十分な係合が促進される。
図12及び図13に示すように変位規制部30が基部21の上下厚の中心の位置又は高さに設けられる形態では、変位規制部30により第1凹部29が上下に分割される。図12に示すように、第1凹部29は、上下方向において変位規制部30を挟むように設けられた上側凹部29pと下側凹部29qを有する。結合状態の2つのファスナーエレメント20に関して、一方のファスナーエレメント20の先端部22の上側部分22pが、他方のファスナーエレメント20の第1凹部29の上側凹部29pに配される。同様に、一方のファスナーエレメント20の先端部22の下側部分22qが、他方のファスナーエレメント20の第1凹部29の下側凹部29qに配される。ファスナーエレメント20の先端部22の上側部分22pと下側部分22qの間で変位規制部30が挟まれる。第1凹部29についてした説明は、第2凹部39にも当てはまり、従って、重複説明は省略する。なお、第2凹部39は、上下方向において変位規制部30を挟むように設けられた上側凹部39pと下側凹部39qを有する。
図1乃至図8に示した形態とは異なり、ファスナーエレメント20は、被係合凹部25と基部21の間の位置で凹んだ第2凹部39を有する(図11参照)。第1凹部29と第2凹部39は、中間部23(後述の延在部23j)を前後方向で挟むように設けられる。第2凹部39は、芯紐17よりもファスナーテープ外方に設けられる。結合状態の2つのファスナーエレメント20に関して、一方のファスナーエレメント20の先端部22の第2小突起32が、他方のファスナーエレメント20の第2凹部39に係合する。係合凸部24と被係合凹部25のより十分な係合が促進される。被係合凹部25と第2凹部39の間には中間凸部38が設けられる。左右のファスナーエレメント20が結合する時、前側のファスナーエレメント20の中間凸部38は、後側のファスナーエレメント20の第2小突起32と係合凸部24の中間にある中間凹部34に進入し、これにより、第2小突起32と第2凹部39のより十分な係合が促進される。中間凸部38は、後方に向かって突出する。中間凹部34は、後方に向かって凹む。
上述の説明から理解できるようにファスナーエレメント20の様々な形状が想定される。幾つかの場合、ファスナーエレメント20の先端部22は、係合凸部24から被係合凹部25に向かう方向に沿って幅狭になるテーパー部37を有する。図示例では、ファスナーエレメント20の先端部22は、軸線CLに沿って延びる一対の傾斜面36を有し、一対の傾斜面36は、係合凸部24から被係合凹部25に向かう方向に沿って延びるに応じて互いに接近する。これによりファスナーエレメント20がスライダー40の上翼板41及び下翼板42と接触する確率が低下し、ファスナーストリンガー10が捻られた状態でスライダー40が前進する時、スライダー40内にファスナーエレメント20が上手く進入せず、スライダー40の円滑な動きが妨げられることが抑制される。なお、一対の傾斜面36の一方が平坦面である形態も想定される。つまり、テーパー部37は、ファスナーテープ15に平行な平面といったある平面に関して対称に構成される必要はない。
傾斜面36は、スライダー40内へのファスナーエレメント20の円滑な進入を促すことの代替又は追加として、スライダー40に組み込まれ得る停止爪45のための摺動面を提供し得る。具体的には、スライダー40の前進時にスライダー40に組み込まれた停止爪45が傾斜面36を摺動する。これにより、停止爪45が組み込まれたスライダー40の移動が円滑化される。この目的のため、傾斜面36は、軸線CLに交差する態様で左右方向に延びる。これにより、軸線CLに沿って移動する停止爪45が傾斜面36上を円滑に摺動することができる。追加又は代替として、傾斜面36は、ファスナーエレメント20の先端部22から基部21に向かって延びる。更なる追加又は代替として、傾斜面36は、ファスナーエレメント20の先端部22及び中間部23に亘って形成される。換言すれば、傾斜面36は、ファスナーエレメント20の先端部22に含まれる第1領域と中間部23に含まれる第2領域を含む。図示例では、傾斜面36は、先端部22と中間部23に亘って、前側から後側に向かう方向に下り傾斜する傾斜面である。スライダー40の前進時、停止爪45がファスナーエレメント20を簡単に乗り越えることができ、又は、ファスナーエレメント20が停止爪45により傷つくのを防ぐことができる。
幾つかの場合、ファスナーエレメント20は、スライダー40の停止爪45が係止可能である停止壁33を有し、係合凸部24が停止壁33から(前方に)突出する。停止壁33は、例えば、ファスナーエレメント20の中間部23の上面又は下面に凹部を設けることにより、或いは、(後述の)中間部23の延在部23jに係合凸部24を凸設することにより形成される。スライダー40の停止爪45は、スライダー40内の板バネといった弾性部材により下方に付勢されている。スライダー40の停止爪45は、スライダー40の引手の操作に応じて上方に変位可能である。人がスライダー40の引手を把持してスライダー40を動かす時、スライダー40の停止爪45は、停止壁33を乗り越えることができる。図17及び図18から分かるように、係合凸部24は、凹状の収容部26の上下幅よりも大きい上下長を有することができる。停止壁33を設けるとしても係合凸部24と被係合凹部25のより十分な係合が促進される。
基部21、先端部22、及び中間部23の区分は、図15に示すとおりであるが、必ずしもこの限りではない。基部21は、ファスナーテープ15に固定された部分である。先端部22は、ファスナーテープ15から離間するように延びるファスナーエレメント20において基部21とは反対側に設けられる。中間部23は、基部21と先端部22の間に設けられる。図1乃至図8に示した形態と同様、ファスナーエレメント20は、先端部22と基部21の間で屈曲又は湾曲した部分を含む。図示例では、ファスナーエレメント20は、第1及び第2棒部27,28を含む(図15参照)。図示例では、図15に示すように、中間部23は、基部21から先端部22に向かって延びる延在部23jを有する。係合凸部24は、中間部23の延在部23jの前側面から前方に突出する。被係合凹部25は、中間部23の延在部23jの後側面に設けられた凹部である。
中間部23の延在部23jの前側面は、第1凹部29、停止壁33、第2小突起32を形状付けるように延びる。中間部23の延在部23jの後側面は、第2凹部39、中間凸部38、被係合凹部25、第1小突起31を形状付けるように延びる。なお、停止壁33は、中間部23の延在部23jの前側面の一部である。なお、前側の変位規制部30が中間部23の延在部23jの前側面に結合する。後側の変位規制部30が中間部23の延在部23jの後側面に結合する。
図1乃至図8に示した形態と同様、係合凸部24は、軸線CL上に位置する角部を含み、被係合凹部25は、軸線CL上に位置し、角部24cと相補的な形状を有する溝を含む。幾つかの場合、係合凸部24は、前側に向かって左右幅が狭くなるように構成され、例えば、一対の傾斜面24a,24bによりV字状に画定される。一対の傾斜面24a,24bは、軸線CLに沿って前方に延びるに応じて互いに接近する。一方の傾斜面24aは、基部21から先端部22に向かう方向に沿って延びるに応じて前方に傾斜する。他方の傾斜面24bは、先端部22から基部21に向かう方向に沿って延びるに応じて前方に傾斜する。一対の傾斜面24a,24bの交点がV字状の係合凸部24(角部)の頂点である。V字状の係合凸部24の頂点は、軸線CL上に位置し得る。被係合凹部25も同様、前側に向かって左右幅が狭くなるように構成され、例えば、一対の傾斜面25a,25bによりV字状に画定される。一対の傾斜面25a,25bは、軸線CLに沿って前方に延びるに応じて互いに接近する。一方の傾斜面25aは、基部21から先端部22に向かう方向に沿って延びるに応じて前方に傾斜する。他方の傾斜面25bは、先端部22から基部21に向かう方向に沿って延びるに応じて前方に傾斜する。一対の傾斜面25a,25bの交点がV字状の被係合凹部25(溝)の底点である。V字状の被係合凹部25の底点は、軸線CL上に位置し得る。
係合凸部24の一対の傾斜面24a,24bは、軸線CLに関して実質的に対称である。同様、被係合凹部25の一対の傾斜面25a,25bは、軸線CLに関して実質的に対称である。更には、傾斜面24aと傾斜面25aが少なくとも部分的に実質的に平行であり、傾斜面24bと傾斜面25bが少なくとも部分的に実質的に平行である。かかる点を踏まえれば、図1乃至図8に示した形態と同様、ファスナーエレメント20が第1及び第2棒部27,28を含むことは明らかである。すなわち、図15で点線により示された第1及び第2棒部27,28がファスナーエレメント20に含まれる。第1棒部27と第2棒部28のなす角θは、120°<θ<140°である。
第2小突起32は、第2棒部28の前側面から前方に突出する。第2凹部39は、第1棒部27の後側面に形成される。第2小突起32と第2凹部39の係合により、横引きに対するスライドファスナー100の耐性が高められる。
ここで、図21を参照して、本開示に係るファスナーエレメントと従来のファスナーエレメントの相違点についても検討する。図21は、(a)本開示に係るファスナーエレメント20と、(b)従来のファスナーエレメント20’を示す。従来のファスナーエレメント20は、基部21’、頭部22’及び首部23’を有する。本開示に係るファスナーエレメント20の係合凸部24は、従来のファスナーエレメント20の頭部22’の前方に延びる突出部24’を矢印で示すように基部21’側に変位させた位置にあるものとも理解することができる。すなわち、本開示に係るファスナーエレメント20において、第1小突起31よりも係合凸部24が左右方向において基部21寄りにシフトして設けられ、第1凹部29が被係合凹部25よりも左右方向において基部21寄りにシフトして設けられる。これにより、スライダー40の移動に要する力を低減する場合においてもスライドファスナー100の横引き強度の向上を促進することができる。
係合凸部24は、ファスナーエレメント20の先端部22及び中間部23において最も前側に突出した部分であり、前側頂点Aを有する。第1小突起31は、ファスナーエレメント20の先端部22及び中間部23において最も後側に突出した部分であり、後側頂点Bを有する。更には、被係合凹部25は、ファスナーエレメント20の先端部22及び中間部23において最も前側に凹んだ部分であり、後側底点Cを有する。第1凹部29は、ファスナーエレメント20の先端部22及び中間部23において最も後側に凹んだ部分であり、前側底点Dを有する。軸線CLに平行であり、頂点Aを含む第1平面と、軸線CLに平行であり、頂点Bを含む第2平面の間隔W11は、軸線CLに平行であり、底点Cを含む第3平面と、軸線CLに平行であり、底点Dを含む第4平面の間隔W12に等しい。同様に、第1平面と第4平面の間隔は、第2平面と第3平面の間隔に等しい。
左右のファスナーエレメント20が結合する時、左右それぞれのファスナーエレメント20の係合凸部24と被係合凹部25が同一軸線上に配置される。同様に、左右それぞれのファスナーエレメント20の第1小突起31と第1凹部29が同一軸線上に配置される。これにより、図5〜8と同様、左右一方のファスナーエレメント20が左右他方のファスナーエレメント20の間に進入する時に生じ得る干渉を低減しつつも、その後の左右のファスナーエレメント20の結合を強めることができる。
第2凹部39の底点Fは、前後方向において被係合凹部25の底点Cと第1小突起31の頂点Bの間に位置する。中間凹部34の底点Eは、前後方向において係合凸部24の頂点Aと第1凹部29の底点Dの間に位置する。
なお、図21から分かるように、図1乃至図8に示した形態と同様、第1凹部29の底位置と係合凸部24の頂点位置の前後方向の間隔W4は、被係合凹部25の底位置と先端部22(特には、第1小突起31)の最も後方に位置する点の間隔W5に実質的に等しい。
図22は、ファスナーエレメントの概略的な正面模式図である。図22に示すように、スライダー40の停止爪45が係止可能である停止壁33がファスナーエレメント20の先端部22の先端面22mまで延びる。これにより、図10に示した状態においても停止爪45と停止壁33の係合が確保でき、より狭ピッチでスライダー40の停止位置を定めることができる。停止爪45は、左右両方のファスナーエレメント20の停止壁33に接触することができる。スライダー40の移動方向が鉛直方向に一致する時、スライダー40を前進させて解放した後、スライダー40の停止爪45が左右いずれかのファスナーエレメント20の停止壁33に接触してスライダー40の後進が阻止される。ファスナーエレメント20は、被係合凹部25から第1小突起31に向けて延びるに応じて徐々に後方に向かう非平坦の湾曲面46を有する。これによりスライドファスナー100の横引き強度が高められる。
図23乃至図28を参照して更に説明する。図23は、スライドファスナー100の左右の結合したファスナーストリンガー10を示す概略的及び部分的な正面模式図であり、ファスナーエレメント20の基部21が第1及び第2脚部51,52を有する。図24は、図23の二点鎖線X24−X24に沿う概略的な端面模式図である。図25は、図23の二点鎖線X25−X25に沿う概略的な端面模式図である。図26は、ファスナーテープ15に固着したファスナーエレメント20の概略的な正面模式図である。図27は、図26の二点鎖線X27−X27に沿う概略的な端面模式図である。図28は、図26の二点鎖線X28−X28に沿う概略的な端面模式図である。
本実施形態においては、基部21は、一対のファスナーストリンガー10の横引き時、係合凸部24と被係合凹部25の係合に応じて生じる回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように構成される。図23において符号20F,20G,20Hで示すファスナーエレメント20について述べれば、一対のファスナーストリンガー10の横引き時、ファスナーエレメント20Gの先端部22からファスナーエレメント20Fの係合凸部24が力F1を受ける位置P1とファスナーエレメント20Hの係合凸部24からファスナーエレメント20Fの先端部22が力F2を受ける位置P2が左右方向において異なる。結果として、ファスナーエレメント20Fが時計回りに回転する回転モーメントが生じる。この回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように基部21が構成される。
一対のファスナーストリンガー10の横引き時、右側のファスナーストリンガー10が左側のファスナーストリンガー10から離れるように引かれ、左側のファスナーストリンガー10が右側のファスナーストリンガー10から離れるように引かれる。結合状態の各ファスナーエレメント20は、それ自体が結合したファスナーテープ15の芯紐17から左右方向外側に向けて押される。ファスナーテープ15の芯紐17まで到達する少なくとも1つの切り欠き部53が基部21に設けられる場合、芯紐17の延びる方向に沿ってファスナーエレメント20の基部21に対して芯紐17が与える力の分布に変化を付けることができる。切り欠き部53が適切に位置付けられ、一対のファスナーストリンガー10の横引き時、ファスナーエレメント20Fが反時計回りに回転する反対向きの回転モーメントが生じる。幾つかの場合、少なくとも基部21の基端面21m側に位置する芯紐17の部分17eが、切り欠き部53を介して露出する。
切り欠き部53は、芯紐17に到達するまで基部21の基端面21mから先端部22に向かって延び、ファスナーテープ15の上面を露出させる。結果として、基部21は、被係合凹部25側(つまり、後側)に設けられた第1脚部51と係合凸部24側(つまり、前側)に設けられた第2脚部52を有する。第1脚部51と第2脚部52は、切り欠き部53を挟むように設けられる。第1脚部51とファスナーテープ15の接触面積は、第2脚部52とファスナーテープ15の接触面積よりも大きい。芯紐17の延在方向に沿う第1脚部51の幅W51は、第2脚部52の幅W52よりも大きい。幾つかの場合、次の条件が満足され、回転モーメントの大きさが適切に設定される。
1.2<(W51/W52)<3
図23乃至図28に示す形態においても、ファスナーエレメント20は、第1小突起31、第2小突起32、停止壁33、傾斜面36、第1凹部29、及び第2凹部39といった個別の特徴を有するが、選択される1以上の特徴が省略される形態も想定される。
図29及び図30に示す形態では、第1脚部51は、第1脚部51の幅が減じられて見える態様で第2脚部52側の領域において部分的に薄肉化される。換言すれば、第1脚部51は、第2脚部52側に設けられた凹部(或いは段差部)54を有し、第1脚部51の幅W51が幅51’まで減じられて見える。これにより第1脚部51と第2脚部52が同一又は近い幅で延びるように見える。一対のファスナーストリンガー10が左右方向において反対側に引かれる時、ファスナーエレメント20が回転する回転方向とは反対向きの回転モーメントが生じるように、例えば、第2脚部52側に切り欠き部53を設けることに伴って、基部21の外観が非対称に見えてしまうことが回避される。なお、凹部54の段差面55は、水平面に限らず、傾斜面であっても良い。図31に示すように、切り欠き部53は、第1脚部51のみが残存する態様で設けられ得る。図32に示すように、切り欠き部53の追加又は代替として孔53が基部21の前側寄りの位置に設けられ得る。このような場合においても上述と同一の原理に基づいて上述と同様の結果が得られものと予期される。切り欠き部53及び孔53は、ファスナーエレメント20のファスナーテープ15に関して上側及び下側の一方側のみに設けられる形態も想定される。
図33乃至図38に示す形態においては、ファスナーエレメント20は、ファスナーテープ15の上面側の上半分61とファスナーテープ15の下面側の下半分62において異なるように構成され、端的には、異なる形状を有する。言わば、ファスナーエレメント20は、ファスナーテープ15が存在する平面に関して非対称に構成され、端的には、非対称な形状を有する。必ずしもこの限りではないが、ファスナーエレメント20の上半分61が、四角形状の輪郭を有し、ファスナーエレメント20のデザイン機能を担う(図33参照)。他方、ファスナーエレメント20の下半分62が、上述と同様、基部21、先端部22、及び中間部23を有し、ファスナーエレメント20の結合機能を担う。このような場合においても、矛盾しない限り、上述と同一の効果が得られる。
ファスナーエレメント20の上半分61は、左右のファスナーテープ15の間の隙間を被覆する被覆部63を有する。被覆部63は、ファスナーテープ15からファスナーテープ外方に突出する。左右のファスナーストリンガー10が閉じられる時、左右方向で隣接するファスナーエレメント20の上半分61同士が接触及び係合する。被覆部63は、1以上又は一対の変位規制部30を含むことができる。あるファスナーエレメント20に関して、ファスナーエレメント20の下半分62の中間部23は、ファスナーエレメント20の上半分61の被覆部63に結合する。中間部23の係合凸部24も上半分61の被覆部63に結合する。下半分62の中間部23の延在部23jは、上半分61の被覆部63よりも基部21からより遠くまで延びる。下半分62の先端部22は、上半分61の被覆部63よりも基部21からより遠くに位置付けられる。結合状態の2つのファスナーエレメント20に関して、あるファスナーエレメント20の中間部23と先端部22の上面35上に他方のファスナーエレメント20の変位規制部30が載置される。
図10乃至図38に示した形態に係るスライドファスナー100においては、図10に示したスライダー40の追加又は代替として、図10に示したスライダー40とは反対方向(つまり、スライダー40の進行方向に関する後方)に進んで左右のファスナーストリンガー10を開閉することができる追加又は代替のスライダー40を含むことができる。
本開示には次の発明も記載されている。以下の付記に記載の各発明に対して、本開示に係る個別の特徴又は個別の特徴の組み合わせを適用することができる。
−付記1−
一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、前記ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、前記ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、前記基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、一対のファスナーストリンガー(10)と、
前記一対のファスナーストリンガー(10)を開閉するための少なくとも一つのスライダー(40)にして、上翼板(41)と、下翼板(42)と、前記上翼板(41)と下翼板(42)を連結し、前記ファスナーエレメント(20)の先端部(22)が対面又は接触する連結柱(43)と、前記上翼板(41)及び下翼板(42)の少なくとも一方に設けられ、前記ファスナーエレメント(20)の基部(21)が対面又は接触するフランジ部(44)を備える、スライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
前記ファスナーエレメント(20)は、前記先端部(22)と前記基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有し、
前記中間部(23)は、前記スライダー(40)の移動方向に合致する軸線(CL)上で突出した係合凸部(24)と凹んだ被係合凹部(25)を有し、
前記基部(21)は、前記一対のファスナーストリンガー(10)の横引き時、前記係合凸部(24)と前記被係合凹部(25)の係合に応じて生じる回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように構成される、スライドファスナー。
−付記2−
左右一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、左右一対のファスナーストリンガー(10)と、
左右一対のファスナーストリンガー(10)を開けるために前進し、また左右一対のファスナーストリンガー(10)を閉じるために後進する少なくとも一つのスライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)は、ファスナーエレメント(20)の前側に係合凸部(24)と、ファスナーエレメント(20)の後側に被係合凹部(25)を有するように屈曲又は湾曲し、
左側及び右側の一方側のファスナーエレメント(20)の係合凸部(24)と基部(21)の間には、左側及び右側の他方側のファスナーエレメント(20)に設けられた後方に突出した第1小突起(31)を受け入れるための第1凹部(29)が設けられ、
左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)において、第1小突起(31)よりも係合凸部(24)が左右方向において基部(21)寄りにシフトして設けられ、第1凹部(29)が被係合凹部(25)よりも左右方向において基部(21)寄りにシフトして設けられる、スライドファスナー。
−付記3−
左右一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、左右一対のファスナーストリンガー(10)と、
左右一対のファスナーストリンガー(10)を開閉するための少なくとも一つのスライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)は、先端部(22)と基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有し、中間部(23)は、スライダー(40)の移動方向に合致する軸線(CL)上で突出した係合凸部(24)と凹んだ被係合凹部(25)を有し、
左側及び右側の一方側のファスナーエレメント(20)は、左側及び右側の他方側のファスナーエレメント(20)の上下方向に沿う変位を阻止する少なくとも1つの変位規制部(30)を有する、スライドファスナー。
上述の教示を踏まえると、当業者をすれば、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。請求の範囲に盛り込まれた符号は、参考のためであり、請求の範囲を限定解釈する目的で参照されるべきものではない。
100 スライドファスナー
10 ファスナーストリンガー
15 ファスナーテープ
16 側縁部
17 芯紐
20 ファスナーエレメント
21 基部
21m 基端面
22 先端部
22m 先端面
23 中間部
24 係合凸部
25 被係合凹部
40 スライダー
41 上翼板
42 下翼板
43 連結柱
44 フランジ部
L1 第1距離
L2 第2距離
CL 軸線

Claims (47)

  1. 一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、前記ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、前記ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、前記基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、一対のファスナーストリンガー(10)と、
    前記一対のファスナーストリンガー(10)を開閉するための少なくとも一つのスライダー(40)にして、上翼板(41)と、下翼板(42)と、前記上翼板(41)と下翼板(42)を連結し、前記ファスナーエレメント(20)の先端部(22)の先端面(22m)が対面又は接触する連結柱(43)と、前記上翼板(41)及び下翼板(42)の少なくとも一方に設けられ、前記ファスナーエレメント(20)の基部(21)の基端面(21m)が対面又は接触するフランジ部(44)を備える、スライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
    前記ファスナーエレメント(20)は、前記先端部(22)と前記基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有し、
    前記中間部(23)は、前記スライダー(40)の移動方向に合致する軸線(CL)上で突出した係合凸部(24)と凹んだ被係合凹部(25)を有し、
    前記軸線(CL)に直交する直交方向において前記軸線(CL)から前記先端部(22)の先端面(22m)までの第1距離(L1)が、前記軸線(CL)から前記基部(21)の基端面(21m)までの第2距離(L2)未満である、スライドファスナー。
  2. 前記係合凸部(24)は、前記軸線(CL)上に位置する角部を含み、前記被係合凹部(25)は、前記軸線(CL)上に位置し、前記角部と相補的な形状を有する溝を含む、請求項1に記載のスライドファスナー。
  3. 前記ファスナーエレメント(20)は、結合相手のファスナーエレメント(20)の上下方向に沿う変位を阻止する少なくとも1つの変位規制部(30)を有する、請求項1又は2に記載のスライドファスナー。
  4. 前記変位規制部(30)は、前記係合凸部(24)と前記基部(21)の間の空間を少なくとも部分的に埋める態様で設けられる、請求項3に記載のスライドファスナー。
  5. 前記ファスナーエレメント(20)の先端部(22)には、前記被係合凹部(25)が凹む方向とは反対方向に突出した第1小突起(31)が設けられる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  6. 前記ファスナーエレメント(20)の先端部(22)には、前記係合凸部(24)と同じ方向に前記係合凸部(24)よりも小さい突出量で突出した第2小突起(32)が設けられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  7. 前記ファスナーエレメント(20)は、前記スライダー(40)の停止爪(45)が係止可能である停止壁(33)を有し、前記係合凸部(24)が前記停止壁(33)から突出する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  8. 前記基部(21)は、前記一対のファスナーストリンガー(10)の横引き時、前記係合凸部(24)と前記被係合凹部(25)の係合に応じて生じる回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  9. 前記基部(21)は、前記ファスナーテープ(15)の芯紐(17)まで到達する少なくとも1つの切り欠き部又は孔(53)を有する、請求項8に記載のスライドファスナー。
  10. 前記基部(21)は、前記被係合凹部(25)側に設けられた第1脚部(51)と前記係合凸部(24)側に設けられた第2脚部(52)を有し、前記第1脚部(51)と前記ファスナーテープ(15)の接触面積は、前記第2脚部(52)と前記ファスナーテープ(15)の接触面積よりも大きい、請求項8又は9に記載のスライドファスナー。
  11. 前記ファスナーエレメント(20)の先端部(22)は、前記軸線(CL)に沿って後方に向けて幅狭になるテーパー部(37)を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  12. 前記ファスナーエレメント(20)は、前記係合凸部(24)と前記基部(21)の間で凹んだ第1凹部(29)を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  13. 前記ファスナーエレメント(20)は、前記被係合凹部(25)と前記基部(21)の間で凹んだ第2凹部(39)を有する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  14. 前記第1距離(L1)をPとし、前記第2距離(L2)をQとする時、
    0.39<P/Q<0.74を満足する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  15. 前記一対のファスナーストリンガー(10)において結合した一方のファスナーエレメント(20)の基部(21)の基端面(21m)と他方のファスナーエレメント(20)の基部(21)の基端面(21m)の前記直交方向における間隔(W10)をTとする時、0.30<2P/T<0.70を満足する、請求項14に記載のスライドファスナー。
  16. 前記係合凸部(24)の突出の程度と、前記被係合凹部(25)の凹みの程度は相補的である、請求項1乃至15のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  17. 前記ファスナーエレメント(20)は、前記被係合凹部(25)と反対側であり、前記係合凸部(24)と同じ側において凹んだ第1凹部(29)を有する、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  18. 前記ファスナーエレメント(20)は、第1及び第2棒部(27,28)を含み、
    前記第1棒部(27)と前記第2棒部(28)のなす角θが、
    120°<θ<140°
    を満足する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  19. 前記係合凸部(24)の頂点は、前記基部(21)の最大幅(W1)の範囲外に位置し、
    前記被係合凹部(25)の底点は、前記基部(21)の最大幅(W1)の範囲内に位置する、請求項1に記載のスライドファスナー。
  20. 前記先端部(22)の少なくとも一部は、前記基部(21)の最大幅(W1)の範囲内に位置する、請求項1に記載のスライドファスナー。
  21. 前記ファスナーエレメント(20)の前記先端部(22)には、前記一対のファスナーストリンガー(10)が結合する時、結合相手のファスナーストリンガー(10)のファスナーテープ(15)の芯紐(17)が収容される凹状の収容部(26)が設けられる、請求項1に記載のスライドファスナー。
  22. 前記軸線(CL)に平行な方向において、前記基部(21)の最大幅(W1)が、前記先端部(22)の最小幅(W2)よりも大きい、請求項1に記載のスライドファスナー。
  23. 前記軸線(CL)に平行な方向において、前記基部(21)の最大幅(W1)をRとし、同一のファスナーテープ(15)上で隣接する前記ファスナーエレメント(20)の基部(21)の最小間隔(W3)をSとする時、
    0.62<R/(R+S)<0.83
    を満足する、請求項1に記載のスライドファスナー。
  24. 前記軸線(CL)に沿う前記スライダー(40)の移動方向を前後方向とし、前記スライダー(40)の前進により前記一対のファスナーストリンガー(10)が閉じられ、前記スライダー(40)の後進により前記一対のファスナーストリンガー(10)が開けられる、請求項1乃至23のいずれか一項に記載のスライドファスナーであって、
    前記ファスナーエレメント(20)は、前記被係合凹部(25)と反対側であり、前記係合凸部(24)と同じ側において凹んだ第1凹部(29)を有し、
    前記前後方向において、前記係合凸部(24)の頂点位置(A)と前記第1凹部(29)の底位置(D)の間隔(W4)が、前記先端部(22)の最も後方に位置する点(B)と前記被係合凹部(25)の底位置(C)の間隔(W5)に実質的に等しい、スライドファスナー。
  25. 左右一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、左右一対のファスナーストリンガー(10)と、
    左右一対のファスナーストリンガー(10)を開けるために前進し、また左右一対のファスナーストリンガー(10)を閉じるために後進する少なくとも一つのスライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
    左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)は、ファスナーエレメント(20)の前側に係合凸部(24)と、ファスナーエレメント(20)の後側に被係合凹部(25)を有するように屈曲又は湾曲し、
    左右一方側のファスナーエレメント(20)の係合凸部(24)と基部(21)の間には、左右他方側のファスナーエレメント(20)に設けられた後方に突出した第1小突起(31)を受け入れるための第1凹部(29)が設けられ、
    左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)において、第1小突起(31)よりも係合凸部(24)が左右方向において基部(21)寄りにシフトして設けられ、第1凹部(29)が被係合凹部(25)よりも左右方向において基部(21)寄りにシフトして設けられる、スライドファスナー。
  26. ファスナーエレメント(20)は、先端部(22)と基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有し、この中間部(23)に前述の係合凸部(24)と被係合凹部(25)が設けられる、請求項25に記載のスライドファスナー。
  27. 左側及び右側のファスナーエレメント(20)が結合する時、左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)の係合凸部(24)と被係合凹部(25)が同一軸線(CL)上に配置され、左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)の第1小突起(31)と第1凹部(29)が同一軸線(AX,X12)上に配置される、請求項25又は26に記載のスライドファスナー。
  28. 第1小突起(31)は、ファスナーエレメント(20)の先端部(22)に設けられる、請求項25乃至27のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  29. 係合凸部(24)は、軸線(CL)上に位置する角部を含み、被係合凹部(25)は、軸線(CL)上に位置し、角部と相補的な形状を有する溝を含む、請求項25乃至28のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  30. 左右一方側のファスナーエレメント(20)は、左右他方側のファスナーエレメント(20)の上下方向に沿う変位を阻止する少なくとも1つの変位規制部(30)を有する、請求項25乃至29のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  31. ファスナーエレメント(20)の先端部(22)には、係合凸部(24)と同じ方向に係合凸部(24)よりも小さい突出量で突出した第2小突起(32)が設けられる、請求項25乃至30のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  32. ファスナーエレメント(20)は、スライダー(40)の停止爪(45)が係止可能である停止壁(33)を有し、係合凸部(24)が停止壁(33)から突出する、請求項25乃至31のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  33. 基部(21)は、左右一対のファスナーストリンガー(10)が左右方向において反対側に引かれる時、係合凸部(24)と被係合凹部(25)の係合に応じて生じる回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように構成される、請求項25乃至32のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  34. 基部(21)は、ファスナーテープ(15)の芯紐(17)まで到達する少なくとも1つの切り欠き部又は孔(53)を有する、請求項33に記載のスライドファスナー。
  35. 基部(21)は、被係合凹部(25)側に設けられた第1脚部(51)と係合凸部(24)側に設けられた第2脚部(52)を有し、第1脚部(51)とファスナーテープ(15)の接触面積は、第2脚部(52)とファスナーテープ(15)の接触面積よりも大きい、請求項33又は34に記載のスライドファスナー。
  36. 軸線(CL)に直交する直交方向において軸線(CL)から先端部(22)の先端面(22m)までの第1距離(L1)が、軸線(CL)から基部(21)の基端面(21m)までの第2距離(L2)未満であり、
    第1距離(L1)をPとし、第2距離(L2)をQとする時、0.39<P/Q<0.74を満足する、請求項25乃至35のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  37. 左右一対のファスナーストリンガー(10)において結合した左右一方のファスナーエレメント(20)の基部(21)の基端面(21m)と左右他方のファスナーエレメント(20)の基部(21)の基端面(21m)の直交方向における間隔(W10)をTとする時、0.30<2P/T<0.70を満足する、請求項36に記載のスライドファスナー。
  38. 係合凸部(24)の突出の程度と、被係合凹部(25)の凹みの程度は相補的である、請求項25乃至37のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  39. ファスナーエレメント(20)は、第1及び第2棒部(27,28)を含み、
    第1棒部(27)と第2棒部(28)のなす角θが、
    120°<θ<140°
    を満足する、請求項25乃至38のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  40. 前後方向において、係合凸部(24)の頂点位置(A)と第1凹部(29)の底位置(D)の間隔(W4)が、先端部(22)の最も後方に位置する点(B)と被係合凹部(25)の底位置(C)の間隔(W5)に実質的に等しい、請求項25乃至39のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  41. 左右一対のファスナーストリンガー(10)にして、各ファスナーストリンガー(10)が、ファスナーテープ(15)と、ファスナーテープ(15)に取り付けられた複数のファスナーエレメント(20)を備え、各ファスナーエレメント(20)が、ファスナーテープ(15)に固定された基部(21)と、基部(21)の反対側に位置する先端部(22)を有する、左右一対のファスナーストリンガー(10)と、
    左右一対のファスナーストリンガー(10)を開閉するための少なくとも一つのスライダー(40)を備えるスライドファスナー(100)であって、
    左側及び右側それぞれのファスナーエレメント(20)は、先端部(22)と基部(21)の間で屈曲又は湾曲した部分を含む中間部(23)を有し、中間部(23)は、スライダー(40)の移動方向に合致する軸線(CL)上で突出した係合凸部(24)と凹んだ被係合凹部(25)を有し、
    左側及び右側の一方側のファスナーエレメント(20)は、左側及び右側の他方側のファスナーエレメント(20)の上下方向に沿う変位を阻止する少なくとも1つの変位規制部(30)を有する、スライドファスナー。
  42. 係合凸部(24)は、軸線(CL)上に位置する角部を含み、被係合凹部(25)は、軸線(CL)上に位置し、角部と相補的な形状を有する溝を含む、請求項41に記載のスライドファスナー。
  43. ファスナーエレメント(20)の先端部(22)には、係合凸部(24)と同じ方向に係合凸部(24)よりも小さい突出量で突出した第2小突起(32)が設けられる、請求項41又は42に記載のスライドファスナー。
  44. ファスナーエレメント(20)は、スライダー(40)の停止爪(45)が係止可能である停止壁(33)を有し、係合凸部(24)が停止壁(33)から突出する、請求項41乃至43のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  45. 基部(21)は、左右一対のファスナーストリンガー(10)が左右方向において反対側に引かれる時、係合凸部(24)と被係合凹部(25)の係合に応じて生じる回転モーメントを低減する反対向きの回転モーメントが生じるように構成される、請求項41乃至44のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  46. 基部(21)は、ファスナーテープ(15)の芯紐(17)まで到達する少なくとも1つの切り欠き部又は孔(53)を有する、請求項45に記載のスライドファスナー。
  47. 基部(21)は、被係合凹部(25)側に設けられた第1脚部(51)と係合凸部(24)側に設けられた第2脚部(52)を有し、第1脚部(51)とファスナーテープ(15)の接触面積は、第2脚部(52)とファスナーテープ(15)の接触面積よりも大きい、請求項45又は46に記載のスライドファスナー。
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