JP7274044B2 - スライドファスナー及びその設計方法 - Google Patents

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Description

本開示は、スライドファスナー及びその設計方法に関する。
特許文献1には、同文献の図4に図示のように噛合凸部が両面に設けられたファスナーエレメントが開示されている。同文献の図2に示される凹状部10を設け、同文献の図10に示す隆起部58の形成を回避している。
特許文献2には、片面に噛合凸部が設けられ、他面に噛合凹部が設けられたファスナーエレメントが開示されている。同文献の図2(b)に示されている傾斜面8を設け、エレメントの円滑な係合が促進される。
特許第5460862号公報 特許第5042358号公報
過去には殆ど無かったものの、近時、より小さい力でスライダーを動かしてスライドファスナーを閉じるニーズが高まっている。本願発明者らが鋭意検討したところ、特許文献1に開示の種類のスライドファスナーは、次の問題を有することが明らかになった。具体的には、図8に図示のように、スライダーの前進時にスライダー内において左右のファスナーエレメントE1’,E2’が初期接触する。この左右のファスナーエレメントE1’,E2’の後方のファスナーエレメントE2’の後突起が、ファスナーエレメントE3’の前突起に接触してしまうため、ファスナーエレメントE1’の後突起がファスナーエレメントE2’の前突起を乗り越えるためにより大きな力が必要となり、即ち、スライダーの摺動抵抗が増加してしまう。なお、初期接触するペアのファスナーエレメントE1’,E2’(E2’,E3’)は、スライダー9の連結柱93の後端から第1距離D1’だけ離れた第1位置からスライダー9の連結柱93の後端から第2距離D2’だけ離れた第2位置まで接触状態を維持する。
スライダーの摺動抵抗の増加を回避するため前突起及び後突起の突出高さを低くすることが検討され得るが、スライドファスナーの横引き強度が低下してしまう。従って、本願発明の課題は、ファスナーエレメントの前突起及び後突起の突出高さを維持しつつスライダーの摺動抵抗を低減させることにある。
本開示の一態様に係るスライドファスナーは、ファスナーエレメントがファスナーテープの対向した側縁部に取り付けられた左右のファスナーストリンガーにして、ファスナーエレメントが、ファスナーテープの側縁部に対して取り付けられた取付基部と、ファスナーテープの側縁部から離間した位置に係合突起が設けられた頭部を備え、係合突起が、前方に突出した前突起と後方に突出した後突起を含む左右のファスナーストリンガーと、左右のファスナーストリンガーに含まれる左右のファスナーエレメントを係合させるべく前進するスライダーにして、スライダーの前進に応じてスライダー内で左右のファスナーエレメントが各々の前突起と後突起にて交互に初期接触するスライダーを含む。左右のファスナーエレメントに含まれるある左右エレメントペアが左右エレメントペアの前側のファスナーエレメントの後突起と左右エレメントペアの後側のファスナーエレメントの前突起で初期接触する時、後側のファスナーエレメントの後突起は、後側のファスナーエレメントよりも更に1つ後側のファスナーエレメントの前突起に非接触である。
幾つかの実施形態においては、係合突起は、取付基部から離間するに応じてお互いに離間する近位傾斜面と、取付基部から離間するに応じてお互いに接近する遠位傾斜面と、近位傾斜面と遠位傾斜面に間に個別に形成される頂部を有する。遠位傾斜面が、斜度が異なる複数の傾斜領域に区分され、頂部寄りの傾斜領域が頂部から離れた傾斜領域よりも緩慢に傾斜し得る。
幾つかの実施形態においては、左右のファスナーエレメントは、頂部寄りの傾斜領域において初期接触する。頂部は、ファスナーテープの側縁部からの頭部の突出方向に沿って平坦に延びる平面を含み得る。左右のファスナーエレメントの初期接触位置は、スライダーの中心線上にあり得る。頭部は、前突起が設けられた前面と後突起が設けられた後面により厚みが規定され、取付基部の厚みよりも小さい厚みを有する平板部を含み得る。前突起と取付基部の間に前凹部が形成され、後突起と取付基部の間に後凹部が形成され得る。
本開示の別態様に係るスライドファスナーの設計方法は、ファスナーエレメントがファスナーテープの側縁部に取り付けられた左右のファスナーストリンガーにして、ファスナーエレメントが、ファスナーテープの側縁部に対して取り付けられた取付基部と、ファスナーテープの側縁部から離間した位置に係合突起が設けられた頭部を備え、係合突起が、前方に突出した前突起と後方に突出した後突起を含む左右のファスナーストリンガーと、
左右のファスナーストリンガーに含まれる左右のファスナーエレメントを係合させるべく前進するスライダーにして、スライダーの前進に応じて左右のファスナーエレメントが各々の前突起と後突起にて交互に初期接触するスライダーを備えるスライドファスナーの設計方法である。本設計方法においては、左右のファスナーエレメントに含まれるある左右エレメントペアが左右エレメントペアの前側のファスナーエレメントの後突起と左右エレメントペアの後側のファスナーエレメントの前突起でスライダー内で初期接触する時、後側のファスナーエレメントの後突起を、後側のファスナーエレメントよりも更に1つ後側のファスナーエレメントの前突起に非接触とする。
本開示の一態様によれば、ファスナーエレメントの前突起及び後突起の突出高さを維持しつつスライダーの摺動抵抗を低減させることが促進される。
本開示の一態様に係るスライドファスナーの正面図である。 本開示の一態様に係るファスナーエレメントの概略的な斜視図である。 本開示の一態様に係るファスナーエレメントの概略的な前又は後側面図である。 図3の一点鎖線沿いのファスナーエレメントの断面模式図である。 図4に対応する従来のファスナーエレメントの断面模式図である。 本開示の一態様に係るスライダー内におけるファスナーエレメントの状況を示す模式図であり、スライダーの連結柱から第1距離離れた初期接触点で左右エレメントペアが初期接触している。 本開示の一態様に係るスライダー内におけるファスナーエレメントの状況を示す模式図であり、スライダーの前進によって、図6と比較して一つ前側の左右エレメントペアが初期接触する状況を示す。 スライダー内における従来のファスナーエレメントの状況を示す模式図である。
以下、図1乃至図8を参照しつつ、様々な実施形態及び特徴について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている。各特徴は、本願に開示されたスライドファスナーにのみ有効であるものではなく、本明細書に開示されていない他の様々なスライドファスナーにも通用する普遍的な特徴として理解される。
本明細書では、スライダー9の動きに基づいて前後方向が理解される。前方は、ファスナーストリンガー3,4を閉じるためのスライダー9の移動方向に等しい。後方は、ファスナーストリンガー3,4を開けるためのスライダー9の移動方向に等しい。左右方向は、スライダー9により開閉されるファスナーストリンガー3,4に基づいて理解される。上下方向は、前後方向及び左右方向に直交し、例えば、ファスナーテープのテープ厚を規定するテープ面に直交する。
図1に示すように、スライドファスナー1は、左右のファスナーストリンガー3,4と、左右のファスナーストリンガー3,4を閉じるべく前進し、左右のファスナーストリンガー3,4を開けるべく後進するスライダー9を有する。ファスナーストリンガー3,4は、ファスナーテープ11,12と、ファスナーエレメント21,22を有する。ファスナーエレメント21,22は、ファスナーテープ11,12の対向した側縁部13,14に取り付けられる。各ファスナーテープ11,12にはファスナーエレメント21,22の配列の前端に隣接して前止め81,82が設けられ、ファスナーエレメント21,22の配列からのスライダー9の脱落が阻止される。左右のファスナーストリンガー3,4は、ファスナーエレメント21,22の配列の後端において共通の後止め83により連結される。左右に分離可能な後止めを採用することもできる。前止め81,82及び後止め83は省略可能である。スライドファスナーは、図1に示すものに限られるべきではない。ファスナーエレメントの視認がファスナーテープにより妨げられる隠しスライドファスナーにも本発明を適用可能である。
ファスナーテープ11,12は、織物又は編物又はこれらの混在物といった柔軟な布地であり、前後方向に長尺であり、左右方向に短尺である。ファスナーテープ11,12の厚みは、上下のテープ面により規定される。テープ面は、ファスナーテープ11,12の織又は編組織に応じたパターンを有する。幾つかの場合、ファスナーテープ11,12の対向した側縁部13,14には芯紐が設けられ、ファスナーエレメント21,22の強固な取り付けが促進される。芯紐は、ファスナーテープ11,12の厚みよりも大きい直径を有する。
ファスナーエレメント21,22は、金属又は樹脂製のエレメントである。ファスナーエレメント21,22が金属製である場合、ファスナーエレメント21,22は、ファスナーテープ11,12の側縁部13,14(例えば、そこの芯紐)に対して加締め付けられる。個々のファスナーエレメント21,22は、金属材料の切断とプレス加工によって製造される。個々のファスナーエレメント21,22の表面に光沢を出すために個々のファスナーエレメント21,22が研磨される。ファスナーエレメント21,22が樹脂製である場合、ファスナーエレメント21,22は、射出成形によってファスナーテープ11,12の側縁部13,14(例えば、そこの芯紐)に対して固着される。ファスナーエレメント21,22のために他の材料(例えば、セラミックス)を用いる形態も想定される。
図2乃至図4に示すように、ファスナーエレメント21,22は、ファスナーテープ11,12の側縁部13,14に対して取り付けられた取付基部31,32と、ファスナーテープ11,12の側縁部13,14から離間した位置に係合突起B1,B2が設けられた頭部33,34を有する。取付基部31,32は、ファスナーテープ11,12の側縁部13,14を挟むべく設けられた脚部51,52と、脚部51,52の基端部が連結した連結部53を有する。脚部51,52が連結部53から離間するように左右方向外側(左右方向においてスライドファスナーの中心線CLから離れる方向)に延び、脚部51,52の間にファスナーテープ11,12の側縁部13,14(例えば、そこに設けられた芯紐)の保持空間が画定される。脚部51,52の先端部には突起51a,52aが設けられ、脚部51,52の間の保持空間からの側縁部13,14(例えば、芯紐)の離脱が阻止される。
頭部33,34は、取付基部31,32から左右方向内側(左右方向においてスライドファスナーの中心線CLに向かう方向)に延びる。頭部33,34に設けられる係合突起B1,B2は、前方に突出した前突起41,43と後方に突出した後突起42,44を含む。前突起41と後突起42は同軸上で反対側に突出する。前突起43と後突起44も同様である。頭部33,34は、前突起41,43が設けられた前面56aと後突起42,44が設けられた後面56bにより厚みが規定される平板部56を含む。平板部56の(前後方向の)厚みは、取付基部31,32の(前後方向の)厚みよりも小さい。前突起41(前突起43も同様)と取付基部31の間に前凹部57が形成され、後突起42(後突起44も同様)と取付基部31の間に後凹部58が形成される。前突起41,43及び後突起42,44は、平板部56の先端面56cから取付基部31,32側に僅かにオフセットして設けられる。
図4に示すように、係合突起B1(係合突起B2も同様)は、取付基部31,32から離間するに応じてお互いに離間する前後の近位傾斜面61と、取付基部31,32から離間するに応じてお互いに接近する前後の遠位傾斜面62(62a,62b)と、近位傾斜面61と遠位傾斜面62に間に形成される前後の頂部63を有する。前突起41,43は、頭部33,34の平板部56から離間するに応じてお互いに接近する前側の近位傾斜面61と前側の遠位傾斜面62と前側の頂部63により画定される。後突起42,44は、頭部33,34の平板部56から離間するに応じてお互いに接近する後側の近位傾斜面61と後側の遠位傾斜面62と後側の頂部63により画定される。
遠位傾斜面62は、斜度が異なる複数の傾斜領域62a,62bに区分され、頂部63寄りの傾斜領域62aが頂部63から離れた傾斜領域62bよりも緩慢に傾斜する。図4(本実施形態に係るエレメント)及び図5(従来型エレメント)の比較から分かるように遠位傾斜面62を斜度が異なる傾斜領域62a,62bに区分することにより頂部63寄りの傾斜領域62aを緩慢な斜度にすることができる。これは、後述の説明から良く分かるようにスライダー9の摺動抵抗の低減に寄与する。なお、傾斜領域62bの斜度は、近位傾斜面61の斜度と同等である。頂部63は、ファスナーテープ11,12の側縁部13,14からの頭部33,34の突出方向に沿って平坦に延びる平面を含み、スライダー9の摺動抵抗の低減に寄与する。
ファスナーエレメント21,22は、前凹部57に受容された他のファスナーエレメント21,22の後突起42の上下変位を規制する壁54a,55aを更に有する(図3及び図4参照)。同様、ファスナーエレメント21,22は、後凹部58に受容された他のファスナーエレメント21,22の前突起41の上下変位を規制する壁54b,55bを更に有する(図4参照)。壁54a,54b,55a,55bは、取付基部31,32から左右方向内側に向けて先細り状に延びる。前凹部57と後凹部58の上下幅は、取付基部31,32から離間するに応じて漸増する。
スライダー9は、左右のファスナーエレメント21,22を係合及び係合解除するように構成される。スライダー9の材質は、例えば、金属や樹脂やセラミックであり、これら材質が複合したものでも良い。スライダー9は、図1及び図6から分かるように、上翼板91、下翼板92、及び連結柱93を有し、連結柱93の左右両側に左右の前口94m,94nが配され、前口94m,94nの反対側に一つの後口95が配される。スライダー9の中心線は、スライドファスナー1の中心線CLに一致する。連結柱93は、後方に向かって左右幅が漸減する断面形状を有する。従って、連結柱93は、後方に向かってお互いに接近する左右のガイド面93m,93nを有する。ガイド面93m,93nにはファスナーエレメント21,22の頭部33,34の平板部56の先端面56cが接触し得る。
左右のファスナーエレメント21,22の左右変位を規制するために上翼板91の左右側縁部に下方に突出したフランジ部(不図示)が設けられる。同様、下翼板92の左右側縁部に上方に突出したフランジ部96m,96nが設けられる(図6参照)。上翼板91の左側縁部のフランジ部(不図示)と下翼板92の左側縁部のフランジ部96mが対向配置され、左側のファスナーテープ11の挿通空間が定められる。上翼板91の右側縁部のフランジ部(不図示)と下翼板92の右側縁部のフランジ部96nが対向配置され、左側のファスナーテープ12の挿通空間が定められる。
図6及び図7から分かるように、スライダー9の前進に応じてスライダー9内で左右のファスナーエレメント21,22が各々の前突起41,43と後突起42,44にて交互に初期接触する。初期接触は、スライダー9の前進時に生じる。スライダー9が前進する時、スライダー9の前口94m,94nを介して左右のファスナーエレメント21,22がスライダー9内に進入する。前口94m,94nを介してスライダー9内に進入した左右のファスナーエレメント21,22の間には連結柱93が存在し、お互いに分離されている。これらの左右のファスナーエレメント21,22は、スライダー9の更なる前進に応じて左右の前口94m,94nからより後方に離れていき、左右方向における両者の間隔Jが漸減していく。これらの左右のファスナーエレメント21,22が連結柱93から後方に所定距離だけ離れたところで左右のファスナーエレメント21,22が初期接触する。初期接触は、ファスナーエレメント21の後突起42とファスナーエレメント22の前突起43の間で生じる(図6参照)。同様、初期接触は、ファスナーエレメント21の前突起41とファスナーエレメント22の後突起44の間で生じる(図7参照)。この結果、上述のように、スライダー9の前進に応じてスライダー9内で左右のファスナーエレメント21,22が各々の前突起41,43と後突起42,44にて交互に初期接触する。
本実施形態においては、図6に示すように、左右のファスナーエレメント21,22に含まれるある左右エレメントペアE1,E2が左右エレメントペアE1,E2の前側のファスナーエレメントE1の後突起42と左右エレメントペアE1,E2の後側のファスナーエレメントE2の前突起43で初期接触する時、後側のファスナーエレメントE2の後突起44は、後側のファスナーエレメントE2がその後突起44で先に初期接触したファスナーエレメントE3(換言すれば、ファスナーエレメントE2よりも更に1つ後側のファスナーエレメントE3)の前突起41に非接触である。ファスナーエレメントE1,E2同士の係合のため、前側のファスナーエレメントE1の後突起42が、後側のファスナーエレメントE2の前突起43を乗り越える必要がある。上述のように、後側のファスナーエレメントE2の後突起44がファスナーエレメントE3の前突起41に非接触であり、すなわち、両者の間に隙間が存在する。従って、後側のファスナーエレメントE2がより自由に動くことが促進され、前側のファスナーエレメントE1の後突起42が後側のファスナーエレメントE2の前突起43を乗り越え易くなる。これによって、スライダー9の前進のための摺動抵抗が低減する。
図7においても図6と同様の説明が当てはまる。図7に示すように、左右エレメントペアE0,E1の前側のファスナーエレメントE0の後突起44と後側のファスナーエレメントE1の前突起41で初期接触する時、後側のファスナーエレメントE1の後突起42は、後側のファスナーエレメントE1がその後突起42で先に初期接触した(即ち、図6において初期接触した)ファスナーエレメントE2の前突起43に非接触である。ファスナーエレメントE1の後突起42とファスナーエレメントE2の前突起43の間に隙間があり、ファスナーエレメントE1がより自由に動くことができ、スライダー9の前進のための摺動抵抗が低減する。図6及び図7の比較から分かるように、スライダー9の前進に応じて、個々のファスナーエレメントは、左右反対側の隣接配置された2つのファスナーエレメントと異なるタイミングで合計2回初期接触する。
幾つかの場合、スライダー9の摺動抵抗の効果的な低減のため、ファスナーエレメントE1の後突起42とファスナーエレメントE2の前突起43は、それぞれの遠位傾斜面62の傾斜領域62aで接触する。図7の場合も同様、ファスナーエレメントE0の後突起44とファスナーエレメントE1の前突起41は、それぞれの遠位傾斜面62の傾斜領域62aで接触する。後突起は、前突起の傾斜領域62a上を摺動して頂部63を乗り越え、前凹部57に進入する。前突起は、後突起の傾斜領域62a上を摺動して頂部63を乗り越え、後凹部58に進入する。前突起と後凹部の嵌合及び後突起と前凹部の嵌合によって左右のファスナーエレメントE1,E2が係合し、スライドファスナー1の横引き強度が確保される。壁54a,54b,55a,55bが設けられる場合、スライドファスナー1の上下方向の突き上げに対する耐性も確保される。
幾つかの場合、ファスナーエレメントE1,E2は、スライダー9の中心線CL上で初期接触する。この初期接触点P1は、連結柱93の後端から第1距離D1だけ離れている。スライダー9の中心線CLとファスナーエレメントE2の後突起44(遠位傾斜面62の傾斜領域62a)の交点P2は、連結柱93の後端から第2距離D2だけ離れている(図6参照)。スライダー9の中心線CLとファスナーエレメントE3の前突起41(上述の遠位傾斜面62の傾斜領域62a)の交点P3は、連結柱93の後端から第3距離D3だけ離れている(図6参照)。交点P2,P3は、ファスナーエレメントE1,E2の初期接触時の交点である。第1距離D1<第2距離D2<第3距離D3の関係が満足される。第2距離D2<第3距離D3の関係は、ファスナーエレメントE2の後突起44とファスナーエレメントE3の前突起41の間の隙間の存在を意味する。
連結柱93の後端から第1距離D1だけ離れた初期接触点で初期接触したファスナーエレメントE1,E2(図6参照)は、次の初期接触のペアであるファスナーエレメントE0,E1(図7参照)が初期接触するタイミングの前に接触状態を解消する。次の初期接触のペアであるファスナーエレメントE0,E1が初期接触する時、前回の初期接触のペアであるファスナーエレメントE1,E2が非接触状態であり(具体的には、ファスナーエレメントE1の後突起42とファスナーエレメントE2の前突起43の間に隙間が生じ)、ファスナーエレメントE1がより自由に動くことができ、スライダー9の摺動抵抗が低減する。
左右エレメントペアE0,E1がその前側のファスナーエレメントE0の後突起44とその後側のファスナーエレメントE1の前突起41でスライダー9内で初期接触する時、後側のファスナーエレメントE1の後突起42を、後側のファスナーエレメントE1がその後突起42で先に初期接触したファスナーエレメントE2の前突起43に非接触とする設計を採用することができる。本設計方法は、ファスナーエレメント21,22の初期接触位置を適切に決定することを含み、例えば、従来よりも第1距離D1を短くする。本設計方法は、第1距離D1の調整のために、取付基部31,32からの係合突起B1,B2の離間位置を適切に決定することを含む。本設計方法は、第1距離D1の調整又はエレメント同士の円滑な係合のために前突起41と後突起42を適切に形状付けることを含み、例えば、遠位傾斜面62を上述のように区分する。本設計方法は、コンピューターのソフトウェア上において実施可能である。
上述の教示を踏まえ、当業者は、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。請求の範囲に盛り込まれた符号は、参考のためであり、請求の範囲を限定解釈する目的で参照されるべきものではない。
1 スライドファスナー
9 スライダー
11 ファスナーテープ
12 ファスナーテープ
13 側縁部
14 側縁部
21 ファスナーエレメント
22 ファスナーエレメント
31 取付基部
32 取付基部
33 頭部
34 頭部
41 前突起
42 後突起
43 前突起
44 後突起
56 平板部
B1 係合突起
B2 係合突起

Claims (10)

  1. ファスナーエレメント(21,22)がファスナーテープ(11,12)の対向した側縁部(13,14)に取り付けられた左右のファスナーストリンガー(3,4)にして、前記ファスナーエレメント(21,22)が、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)に対して取り付けられた取付基部(31,32)と、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)から離間した位置に係合突起(B1,B2)が設けられた頭部(33,34)を備え、前記係合突起(B1,B2)が、前方に突出した前突起(41,43)と後方に突出した後突起(42,44)を含む左右のファスナーストリンガー(3,4)と、
    前記左右のファスナーストリンガー(3,4)に含まれる左右のファスナーエレメント(21,22)を係合させるべく前進するスライダー(9)にして、前記スライダー(9)の前進に応じて前記スライダー(9)内で前記左右のファスナーエレメント(21,22)が各々の前突起(41,43)と後突起(42,44)にて交互に初期接触するスライダー(9)を備えるスライドファスナーであって、
    前記左右のファスナーエレメント(21,22)に含まれるある左右エレメントペア(E0,E1)が前記左右エレメントペア(E0,E1)の前側のファスナーエレメント(E0)の後突起(44)と前記左右エレメントペア(E0,E1)の後側のファスナーエレメント(E1)の前突起(41)で初期接触する時、前記前側のファスナーエレメント(E0)よりも1つ前側のファスナーエレメントが前記スライダー(9)の中心線(CL)に交差しないように配向されると共に、前記後側のファスナーエレメント(E1)の後突起(42)は、前記後側のファスナーエレメント(E1)よりも更に1つ後側のファスナーエレメント(E2)の前突起(43)に非接触である、スライドファスナー。
  2. 前記係合突起(B1,B2)は、前記取付基部(31,32)から離間するに応じてお互いに離間する近位傾斜面(61)と、前記取付基部(31,32)から離間するに応じてお互いに接近する遠位傾斜面(62)と、前記近位傾斜面(61)と前記遠位傾斜面(62)間に個別に形成される頂部(63)を有し、
    前記遠位傾斜面(62)が、斜度が異なる複数の傾斜領域(62a,62b)に区分され、前記頂部(63)寄りの傾斜領域(62a)が前記頂部(63)から離れた傾斜領域(62b)よりも緩慢に傾斜することを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー。
  3. 前記左右のファスナーエレメント(21,22)は、前記頂部(63)寄りの傾斜領域(62a)において初期接触することを特徴とする請求項2に記載のスライドファスナー。
  4. 前記頂部(63)は、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)からの前記頭部(33,34)の突出方向に沿って平坦に延びる平面を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のスライドファスナー。
  5. 前記左右のファスナーエレメント(21,22)の初期接触位置(P1)は、前記スライダー(9)の中心線上にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  6. 前記頭部(33,34)は、前記前突起(41,43)が設けられた前面(56a)と前記後突起(42,44)が設けられた後面(56b)により厚みが規定され、前記取付基部(31,32)の厚みよりも小さい厚みを有する平板部(56)を含み、前記前突起(41,43)と前記取付基部(31,32)の間に前凹部(57)が形成され、前記後突起(42,44)と前記取付基部(31,32)の間に後凹部(58)が形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスライドファスナー。
  7. ファスナーエレメント(21,22)がファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)に取り付けられた左右のファスナーストリンガー(3,4)にして、前記ファスナーエレメント(21,22)が、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)に対して取り付けられた取付基部(31,32)と、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)から離間した位置に係合突起(B1,B2)が設けられた頭部(33,34)を備え、前記係合突起(B1,B2)が、前方に突出した前突起(41,43)と後方に突出した後突起(42,44)を含む左右のファスナーストリンガー(3,4)と、
    前記左右のファスナーストリンガー(3,4)に含まれる左右のファスナーエレメント(21,22)を係合させるべく前進するスライダー(9)にして、前記スライダー(9)の前進に応じて左右のファスナーエレメント(21,22)が各々の前突起(41,43)と後突起(42,44)にて交互に初期接触するスライダー(9)を備えるスライドファスナーの設計方法であって、
    前記左右のファスナーエレメント(21,22)に含まれるある左右エレメントペア(E0,E1)が前記左右エレメントペア(E0,E1)の前側のファスナーエレメント(E0)の後突起(44)と前記左右エレメントペア(E0,E1)の後側のファスナーエレメント(E1)の前突起(41)で前記スライダー(9)内で初期接触する時、前記前側のファスナーエレメント(E0)よりも1つ前側のファスナーエレメントを、前記スライダー(9)の中心線(CL)に交差しないように配向させると共に、前記後側のファスナーエレメント(E1)の後突起(42)を、前記後側のファスナーエレメント(E1)よりも更に1つ後側のファスナーエレメント(E2)の前突起(43)に非接触とする、スライドファスナーの設計方法。
  8. ファスナーエレメント(21,22)がファスナーテープ(11,12)の対向した側縁部(13,14)に取り付けられた左右のファスナーストリンガー(3,4)にして、前記ファスナーエレメント(21,22)が、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)に対して取り付けられた取付基部(31,32)と、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)から離間した位置に係合突起(B1,B2)が設けられた頭部(33,34)を備え、前記係合突起(B1,B2)が、前方に突出した前突起(41,43)と後方に突出した後突起(42,44)を含む左右のファスナーストリンガー(3,4)と、
    前記左右のファスナーストリンガー(3,4)に含まれる左右のファスナーエレメント(21,22)を係合させるべく前進するスライダー(9)にして、前記スライダー(9)の前進に応じて前記スライダー(9)内で前記左右のファスナーエレメント(21,22)が各々の前突起(41,43)と後突起(42,44)にて交互に初期接触するスライダー(9)を備えるスライドファスナーであって、
    前記左右のファスナーエレメント(21,22)に含まれるある左右エレメントペア(E0,E1)が前記左右エレメントペア(E0,E1)の前側のファスナーエレメント(E0)の後突起(44)と前記左右エレメントペア(E0,E1)の後側のファスナーエレメント(E1)の前突起(41)で初期接触する時、前記後側のファスナーエレメント(E1)の後突起(42)は、前記後側のファスナーエレメント(E1)よりも更に1つ後側のファスナーエレメント(E2)の前突起(43)に非接触であり、
    前記係合突起(B1,B2)は、前記取付基部(31,32)から離間するに応じてお互いに離間する近位傾斜面(61)と、前記取付基部(31,32)から離間するに応じてお互いに接近する遠位傾斜面(62)と、前記近位傾斜面(61)と前記遠位傾斜面(62)の間に個別に形成される頂部(63)を有し、
    前記遠位傾斜面(62)が、斜度が異なる複数の傾斜領域(62a,62b)に区分され、前記頂部(63)寄りの傾斜領域(62a)が前記頂部(63)から離れた傾斜領域(62b)よりも緩慢に傾斜する、スライドファスナー。
  9. 前記左右のファスナーエレメント(21,22)は、前記頂部(63)寄りの傾斜領域(62a)において初期接触することを特徴とする請求項8に記載のスライドファスナー。
  10. 前記頂部(63)は、前記ファスナーテープ(11,12)の側縁部(13,14)からの前記頭部(33,34)の突出方向に沿って平坦に延びる平面を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のスライドファスナー。
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