JPWO2018212171A1 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

半導体装置の製造方法であって、少なくとも、半導体チップにおけるバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップにおける前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えている、保護膜付き半導体チップを作製することと、この保護膜付き半導体チップが、バンプを介して基板に接合された積層構造体を作製することと、を含み;この保護膜付き半導体チップの作製では、第1保護膜は、このバンプの上部が第1保護膜を貫通して突出するよう形成され;第1保護膜又は第2保護膜は、この積層構造体のせん断強度比が1.05〜2となり破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である、半導体装置の製造方法。

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
本願は、2017年5月17日に、日本に出願された特願2017−097994号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、MPUやゲートアレー等に用いる多ピンのLSIパッケージをプリント配線基板に実装する場合には、半導体チップとして、その接続パッド部に共晶ハンダ、高温ハンダ、金等からなる凸状電極(以下、本明細書においては「バンプ」と称する)が形成されたものを用い、所謂フェースダウン方式により、それらのバンプをチップ搭載用基板上の相対応する端子部に対面、接触させ、溶融/拡散接合するフリップチップ実装法が採用されている。
この実装方法で用いる半導体チップの回路面には、バンプが形成されている。そして、この半導体チップの、回路面(換言するとバンプ形成面)や、回路面とは反対側の裏面には、目的に応じて、樹脂膜が形成されることがある(特許文献1〜3参照)。
例えば、上述の半導体チップは、回路面にバンプが形成された半導体ウエハを、ダイシングして個片化することにより得られる。そして、前記半導体ウエハの、回路面(バンプ形成面)とは反対側の面を研削することもある。このような半導体チップを得る過程においては、半導体ウエハのバンプ形成面及びバンプを保護する目的で、硬化性樹脂フィルムをバンプ形成面に貼付し、このフィルムを硬化させて、バンプ形成面に保護膜を形成することがある。
また、フリップチップ実装法を採用する場合、半導体チップの回路面(バンプ形成面)とは反対側の裏面は剥き出しとなることがある。そこで、回路面にバンプが形成された半導体ウエハをダイシングしたときや、ダイシングによって得られた半導体チップをパッケージングして半導体装置を製造するまでの間に、半導体チップにおいてクラックが発生するのを防止するために、半導体チップの前記裏面には、有機材料からなる樹脂膜を保護膜として形成することがある。
このような、樹脂膜として上述の保護膜を備えた半導体チップは、半導体装置の製造過程において汎用されるものであり、重要性が特に高い。
特開2012−169484号公報 特開2013−030766号公報 日本国特許第3957244号公報
一方で、半導体装置を製造する場合や、得られた半導体装置を用いる場合には、保護膜を備えた半導体チップが、基板に接合された状態で、高温条件下や低温条件下に置かれることがあり、厳しい温度条件に曝されることがある。その場合、このような温度の変化が原因となって、保護膜を備えた半導体チップと基板との接合状態が破壊されることがある。そこで、保護膜を備えた半導体チップには、温度変化が激しい条件下においても、基板に対する接合が安定した状態で維持されることが望まれる。
しかし、特許文献1〜3に記載の半導体チップが、このような安定性を有するか否かは、定かではない。
そこで、本発明は、温度変化が激しい条件下においても、保護膜を備えた半導体チップの基板に対する接合が安定した状態で維持される半導体装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の態様を含む。
[1]半導体装置の製造方法であって、
少なくとも、半導体チップにおけるバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップにおける前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えている、保護膜付き半導体チップを作製することと、
前記保護膜付き半導体チップが、バンプを介して基板に接合された積層構造体を作製することと、を含み;
前記保護膜付き半導体チップの作製では、前記第1保護膜は、前記バンプの上部が、前記第1保護膜を貫通して突出するよう形成され、
前記第1保護膜又は第2保護膜は、下記方法で前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2となり、かつ前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である、
半導体装置の製造方法。
<積層構造体のせん断強度比>
前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、
前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体の試験片と同じ構造の比較用試験片を作製し、前記積層構造体の試験片と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、
[前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
<積層構造体の破断危険因子>
前記積層構造体を構成しているすべての層の、幅5mm、長さ20mmの試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、
ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
[2]バンプを有する保護膜付き半導体チップが、前記バンプを介して基板に接合された積層構造体を含む半導体装置であって、
前記保護膜付き半導体チップは、少なくとも、半導体チップにおけるバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップにおける前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えており、
前記第1保護膜においては、前記バンプの上部が前記第1保護膜を貫通して突出しており、
前記第1保護膜又は第2保護膜は、下記方法で前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2となり、かつ前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である、半導体装置。
<積層構造体のせん断強度比>
前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、
前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体の試験片と同じ構造の比較用試験片を作製し、前記積層構造体の試験片と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、
[前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
<積層構造体の破断危険因子>
前記積層構造体を構成しているすべての層の、幅5mm、長さ20mmの試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、
ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
本発明によれば、温度変化が激しい条件下においても、保護膜を備えた半導体チップの基板に対する接合が安定した状態で維持される半導体装置、及びその製造方法が提供される。
本発明の製造方法で作製する積層構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法を採用する際に用いる、比較用積層構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法で作製する積層構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法で作製する積層構造体のさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法で用いる第1保護膜形成用シートの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法で用いる第1保護膜形成用シートの他の例を模式的に示す断面図である。
・半導体装置の製造方法
本発明の1実施形態である半導体装置の製造方法は、少なくとも、半導体チップのバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップの前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えている、保護膜付き半導体チップを作製する工程(本明細書においては「保護膜付き半導体チップ作製工程」と略記することがある)と、前記保護膜付き半導体チップが、バンプを介して基板に接合された積層構造体を作製する工程(本明細書においては「積層構造体作製工程」と略記することがある)と、を含み、前記保護膜付き半導体チップの作製では、前記保護膜付き半導体チップが前記第1保護膜を備えている場合、前記第1保護膜は、バンプの上部が、前記第1保護膜を貫通して突出するよう形成され、前記第1保護膜又は第2保護膜は、前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2であり、前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である。
<積層構造体のせん断強度比>
前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面(すなわち、銅基板を平面に載置したときの前記銅基板の上面)に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体と同じ構造の比較用積層構造体(比較用試験片ともいう)を作製し、前記積層の試験片と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、[前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
<積層構造体の破断危険因子>
前記積層構造体を構成しているすべての層の、上方から見下ろして平面視したとき、幅5mm、長さ20mmとなる試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
本発明の半導体装置の製造方法においては、保護膜付き半導体チップを構成する第1保護膜又は第2保護膜として、前記積層構造体が上述のせん断強度比及び破断危険因子の条件をともに満たす特定の特性を有する保護膜を選択していることにより、温度変化が激しい条件下においても、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が安定した状態で維持される半導体装置が得られる。
本発明の製造方法で得られる半導体装置は、前記積層構造体を備えていれば、特に限定されない。
・保護膜付き半導体チップ
前記製造方法における保護膜付き半導体チップを作製する工程で作製する保護膜付き半導体チップは、第1保護膜及び第2保護膜のいずれか一方又はその両方を備えている。すなわち、前記保護膜付き半導体チップは、第1保護膜を備え、第2保護膜を備えていなくてもよいし、第2保護膜を備え、第1保護膜を備えていなくてもよいし、第1保護膜及び第2保護膜をともに備えていてもよい。
第1保護膜は、半導体チップのバンプを有する第1面(換言すると、半導体チップの回路面又はバンプ形成面)に形成されている膜であり、樹脂膜(後述の硬化性樹脂層)である。第1保護膜は、半導体チップのバンプと第1面を保護する。
一方、第2保護膜は、半導体チップの第1面とは反対側の第2面(換言すると半導体チップの裏面)に形成されている膜であり、樹脂膜(後述の硬化性樹脂層)である。第2保護膜は、上述の半導体チップを作製するために、回路面にバンプが形成された半導体ウエハをダイシングしたときや、ダイシングによって得られた半導体チップをパッケージングして半導体装置を製造するまでの間に、半導体チップにおいてクラックが発生するのを防止する。
以下、まず、前記製造方法で作製する積層構造体について説明する。
・積層構造体
図1は、前記製造方法で作製する、前記積層構造体の一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す積層構造体1は、保護膜付き半導体チップ10及び基板14を備える。
保護膜付き半導体チップ10は、半導体チップ11の第1面11aに第1保護膜12を備え、半導体チップ11の第2面11bに第2保護膜13を備えて、構成されている。
半導体チップ11は、その第1面11aに、複数個の整列したバンプ111を有する。
第1保護膜12は、半導体チップ11の第1面11aと、バンプ111の表面111aのうち、半導体チップ11の第1面11aに近い側の領域と、を被覆しており、これら被覆領域を保護する。
バンプ111の上部1110、すなわち、バンプ111の半導体チップ11の第1面11aから遠い側の頂部とその近傍領域は、第1保護膜12を貫通して、第1保護膜12の表面(露出面)から突出している。そして、基板14の保護膜付き半導体チップ10に対向する表面(本明細書においては、基板の「第1面」と称することがある)14aと、バンプ111の上述の突出部位(例えば、前記頂部)と、が接触して、基板14と保護膜付き半導体チップ10とが、電気的に接続されている。
このように、積層構造体1は、保護膜付き半導体チップ10が、そのバンプ111を介して基板14に接合されて、構成されている。
次に、積層構造体1の前記せん断強度比について説明する。
積層構造体1を備えた半導体装置の製造方法において、基板14が銅基板である場合の積層構造体1のせん断強度とは、基板14を固定し、保護膜付き半導体チップ10に対して、基板14の表面(すなわち、基板を平面に載置したときの前記基板の上面、例えば、前記第1面14a)に対して平行な方向に力を加え、保護膜付き半導体チップ10と基板14との接合状態が破壊されたときに、保護膜付き半導体チップ10に加えていた前記力を意味する。
保護膜付き半導体チップ10に対して、前記力を加える場合には、例えば、半導体チップ11のみに前記力を加える等、力を加える領域に半導体チップ11が含まれるようにすることが好ましい。
前記製造方法においては、前記せん断強度比を求めるための積層構造体1に対応する比較用積層構造体として、第1保護膜12及び第2保護膜13を備えていない点以外は、積層構造体1と同じ構造の積層構造体を用いる。このような比較用積層構造体の一例を図2に示す。図2は、前記製造方法に係る比較用積層構造体の一例を模式的に示す断面図である。図2においては、符号9を付して、比較用積層構造体を示している。
なお、図2以降の図において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
前記製造方法において、比較用積層構造体9の比較用せん断強度(N)とは、積層構造体1の場合と同じ方法で、すなわち、基板14を固定し、半導体チップ11に対して、基板14の表面(すなわち、基板を平面に載置したときの前記基板の上面、例えば、前記第1面14a)に対して平行な方向に力(N)を加え、半導体チップ11と基板14との接合状態が破壊されたときに、半導体チップ11に加えていた前記力(N)を意味する。
積層構造体1を備えた半導体装置の製造方法において、[積層構造体1のせん断強度(N)]/[比較用積層構造体9の比較用せん断強度(N)]の値である、積層構造体1のせん断強度比は、1.05〜2である。
次に、積層構造体1の前記破断危険因子について説明する。
積層構造体1の破断危険因子を算出するためには、まず、積層構造体1を構成しているすべての層、すなわち、半導体チップ11、第1保護膜12、第2保護膜13及び基板14の、上方から見下ろして平面視したとき、幅5mm、長さ20mmとなる試験片を作製する。これら各層の試験片の厚さは、積層構造体1中での各層の厚さと同じとする。
次いで、これらすべての試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμm(E>0)と、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμm(S>0)と、を測定する。そして、各試験片ごとに、膨張量Eと収縮量Sとの合計量である膨張収縮量ESμmを求める。
さらに、各試験片ごとに、[試験片の膨張収縮量ES(μm)]×[試験片の厚さ(μm)]の値である膨張収縮パラメータPμmを求める。
次いで、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[基板14以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値(μm)]の値である、膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求める。
より具体的には、積層構造体1の場合、膨張収縮パラメータ差ΔP1μmは、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−([半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]+[第1保護膜12の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]+[第2保護膜13の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)])により算出する。
次いで、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値(μm)]の値である、膨張収縮基準パラメータ差ΔP0を求める。
より具体的には、積層構造体1の場合、膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmは、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]により算出する。
積層構造体1を備えた半導体装置の製造方法において、ΔP1/ΔP0の値である、積層構造体1の破断危険因子は、−0.9〜0.9である。
図3は、前記製造方法で作製する、前記積層構造体の他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層構造体2は、第2保護膜13を備えていない点以外は、図1に示す積層構造体1と同じものである。
積層構造体2は、保護膜付き半導体チップ20が、そのバンプ111を介して基板14に接合されて、構成されている。
積層構造体2を備えた半導体装置の製造方法において、[積層構造体2のせん断強度(N)]/[比較用積層構造体9の比較用せん断強度(N)]の値である、積層構造体2のせん断強度比は、1.05〜2である。
積層構造体2を備えた半導体装置の製造方法において、ΔP1/ΔP0の値である、積層構造体2の破断危険因子は、−0.9〜0.9である。
積層構造体2の場合、膨張収縮パラメータ差ΔP1μmは、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−([半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]+[第1保護膜12の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)])により算出する。
一方、積層構造体2の場合、膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmは、積層構造体1の場合と同様に、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]により算出する。
図4は、前記製造方法で作製する、前記積層構造体のさらに他の実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す積層構造体3は、第1保護膜12を備えていない点以外は、図1に示す積層構造体1と同じものである。
積層構造体3は、保護膜付き半導体チップ30が、そのバンプ111を介して基板14に接合されて、構成されている。
積層構造体3を備えた半導体装置の製造方法において、[積層構造体3のせん断強度(N)]/[比較用積層構造体9の比較用せん断強度(N)]の値である、積層構造体3のせん断強度比は、1.05〜2である。
積層構造体3を備えた半導体装置の製造方法において、ΔP1/ΔP0の値である、積層構造体3の破断危険因子は、−0.9〜0.9である。
積層構造体3の場合、膨張収縮パラメータ差ΔP1μmは、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−([半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]+[第2保護膜13の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)])により算出する。
一方、積層構造体3の場合、膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmは、積層構造体1の場合と同様に、[基板14の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[半導体チップ11の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]により算出する。
前記製造方法で作製する積層構造体は、図1及び図3〜4に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1及び図3〜4に示すものにおいて、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、前記積層構造体は、半導体チップ11、第1保護膜12、第2保護膜13及び基板14以外の他の層を備えていてもよい。
前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。好ましい前記他の層としては、例えば、後述する中間層(第1中間層、第2中間層)が挙げられる。
前記他の層は、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。前記他の層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、前記他の層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
前記積層構造体は、前記他の層を、保護膜付き半導体チップ(例えば、保護膜付き半導体チップ10、20又は30)及び基板(例えば、基板14)のいずれに備えていてもよい。ただし、上述のせん断強度比、破断危険因子の調節がより容易である点では、前記他の層を、保護膜付き半導体チップのいずれかの部位に、直接接触した状態で備えていることが好ましい。
前記他の層を備えた積層構造体の場合、ΔP1を求めるときには、前記他の層の試験片を「基板以外のすべての試験片」として取り扱う。同様に、ΔP0を求めるときには、前記他の層の試験片を「基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片」として取り扱う。
前記製造方法において、前記積層構造体のせん断強度比は、1.05〜2であり、1.1〜1.65であることが好ましく、1.15〜1.3であることがより好ましい。前記せん断強度比が前記下限値以上であることで、温度変化が激しい条件下でも、半導体装置中の前記積層構造体において、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が安定した状態で維持される効果が高くなる。一方、前記せん断強度比が前記上限値以下であることで、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合力が過度に強くなることが避けられ、例えば、半導体装置の信頼性がより向上し、また、半導体装置(前記積層構造体)の作製自体がより容易となる。
前記積層構造体のせん断強度比は、前記積層構造体のせん断強度を調節することで、調節できる。前記積層構造体のせん断強度は、例えば、第1保護膜又は第2保護膜の硬さ(硬化度)を調節することで、調節でき、第1保護膜又は第2保護膜の硬さは、これらの構成材料、厚さ等により調節できる。例えば、第1保護膜又は第2保護膜の硬さを向上させることで、保護膜付き半導体チップに加えられた力(せん断力)が、これら保護膜内でより良好に分散し、その結果、前記積層構造体のせん断強度が向上すると推測される。
前記製造方法において、前記積層構造体の破断危険因子は、−0.9〜0.9であり、−0.8〜0.8、及び−0.5〜0.5のいずれかであってもよい。前記破断危険因子がこのような範囲内であることで、温度変化が激しい条件下でも、半導体装置中の前記積層構造体において、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が安定した状態で維持される効果が高くなる。特に、前記破断危険因子が−0.9以上であることで、バンプの、半導体チップの第1面側の部位(根元部位)及び前記第1面側とは反対側の頂部とその近傍領域における破損が、より抑制される。
通常、前記積層構造体においては、温度変化時に、半導体チップは基板よりも膨張収縮し難い(基板は半導体チップよりも膨張収縮し易い)。これに対して、第1保護膜及び第2保護膜は、通常、半導体チップよりも膨張収縮し易いため、保護膜付き半導体チップは、単独の半導体チップよりも、温度変化時に基板の膨張収縮に追従し易い。したがって、破断危険因子が前記範囲内であることで、本発明の効果が得られる。
前記基板は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、基板の構成材料は、銅、金、アルミニウム等の金属;ポリイミド、エポキシ樹脂等の樹脂;酸化アルミニウム、ガラス等のセラミック等が挙げられる。
基板の構成材料は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。例えば、構成材料が2種以上である基板としては、2種以上の樹脂を併用したポリマーアロイからなる基板、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂成分と非樹脂成分とを併用した材料からなる基板等が挙げられる。ただし、これらは一例である。
基板の厚さは、特に限定されないが、10〜3000μmであることが好ましく、100〜2000μmであることがより好ましく、500〜1000μmであることが特に好ましい。基板の厚さがこのような範囲内であることで、本発明の効果がより高くなる。
第1保護膜の厚さは、特に限定されないが、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。第1保護膜の厚さが前記下限値以上であることで、半導体チップの第1面、半導体ウエハのバンプを有する面(回路面又はバンプ形成面)、並びに半導体チップ及び半導体ウエハのバンプに対する、第1保護膜の保護能がより高くなる。また、第1保護膜の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
なお、本明細書において、「表面にバンプを有する半導体ウエハ」については、表面にバンプを有する半導体チップの場合と同様に、バンプを有する面(半導体ウエハの回路面又はバンプ形成面)を第1面と称し、第1面とは反対側の面(換言すると半導体ウエハの裏面)を第2面と称することがある。
第2保護膜の厚さは、特に限定されないが、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。第2保護膜の厚さが前記下限値以上であることで、半導体チップに対する、第2保護膜の保護能がより高くなる。また、第2保護膜の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
半導体チップの厚さは、特に限定されないが、20〜1000μmであることが好ましく、40〜500μmであることがより好ましく、例えば、100〜300μm等であってもよい。半導体チップの厚さがこのような範囲内であることで、本発明の効果がより高くなる。
なお、本明細書において、「半導体チップの厚さ」とは、特に断りのない限り、「半導体チップのバンプを除いた部位の厚さ」を意味する。すなわち、半導体チップの厚さには、後述するバンプの高さを含めない。
半導体チップにおけるバンプの種類及び配置形態は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
例えば、バンプの高さは、特に限定されないが、120〜300μmであることが好ましく、150〜270μmであることがより好ましく、180〜240μmであることが特に好ましい。バンプの高さが前記下限値以上であることで、バンプの機能をより向上させることができる。また、バンプの高さが前記上限値以下であることで、第1保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムを半導体ウエハの第1面へ貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
なお、本明細書において、「バンプの高さ」とは、バンプのうち、半導体ウエハ又は半導体チップの第1面から最も高い位置に存在する部位での高さを意味する。
バンプの幅は特に限定されないが、170〜350μmであることが好ましく、200〜320μmであることがより好ましく、230〜290μmであることが特に好ましい。バンプの幅が前記下限値以上であることで、バンプの機能をより向上させることができる。また、バンプの幅が前記上限値以下であることで、第1保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムを半導体ウエハの第1面へ貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
なお、本明細書において、「バンプの幅」とは、半導体ウエハ又は半導体チップの第1面に対して垂直な方向からバンプを見下ろして平面視したときに、バンプ表面上の異なる2点間を直線で結んで得られる線分の最大値を意味する。
隣り合うバンプ間の距離は、特に限定されないが、250〜800μmであることが好ましく、300〜600μmであることがより好ましく、350〜500μmであることが特に好ましい。前記距離が前記下限値以上であることで、バンプの機能をより向上させることができる。また、前記距離が前記上限値以下であることで、第1保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムを半導体ウエハの第1面へ貼付したときに、バンプ上部での硬化性樹脂フィルムの残存を抑制する効果がより高くなる。
なお、本明細書において、「隣り合うバンプ間の距離」とは、隣り合うバンプ同士の表面間の距離の最小値を意味する。
次に、前記製造方法について、より具体的に説明する。
・保護膜付き半導体チップ作製工程
前記保護膜付き半導体チップ作製工程は、例えば、半導体チップの第1面に第1保護膜を備えた保護膜付き半導体チップは、第1保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムを、半導体ウエハの第1面(バンプ形成面、回路面)に貼付した後、この硬化性樹脂フィルムを硬化させて第1保護膜を形成してから、ダイシングによって、この第1保護膜ごと半導体ウエハを固片化(分割)するか、又は、ダイシングによって、この硬化性樹脂フィルムごと半導体ウエハを固片化(分割)してから、この硬化性樹脂フィルムを硬化させて第1保護膜を形成することにより、作製できる。
半導体チップの第2面に第2保護膜を備えた保護膜付き半導体チップも、保護膜の形成部位が異なる点以外は、第1面に第1保護膜を備えた保護膜付き半導体チップの場合と同じ方法で作製できる。
例えば、第2保護膜を形成するための硬化性樹脂フィルムを、半導体ウエハの第2面に貼付した後、この硬化性樹脂フィルムを硬化させて第2保護膜を形成してから、ダイシングによって、この第2保護膜ごと半導体ウエハを固片化(分割)するか、又は、ダイシングによって、この硬化性樹脂フィルムごと半導体ウエハを固片化(分割)してから、この硬化性樹脂フィルムを硬化させて第2保護膜を形成することにより、第2面に第2保護膜を備えた保護膜付き半導体チップを作製できる。
第1保護膜及び第2保護膜をともに備えた保護膜付き半導体チップを作製する場合には、これら保護膜の形成順序は特に限定されない。例えば、第1保護膜を形成してから第2保護膜を形成してもよいし、第2保護膜を形成してから第1保護膜を形成してもよいし、第1保護膜及び第2保護膜を同時に形成してもよい。
より具体的には、例えば、第1保護膜形成用の硬化性樹脂フィルムの半導体ウエハへの貼付と、第2保護膜形成用の硬化性樹脂フィルムの半導体ウエハへの貼付とは、いずれか一方を先に行い、他方を後に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
また、硬化性樹脂フィルムの硬化による第1保護膜の形成と、硬化性樹脂フィルムの硬化による第2保護膜の形成とは、いずれか一方を先に行い、他方を後に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
第1保護膜の形成は、例えば、第1支持シートを備え、前記第1支持シート上に、第1保護膜形成用の硬化性樹脂フィルムを備えてなる第1保護膜形成用シートを用いて、行うことができる。なお、本明細書においては、「硬化性樹脂フィルム」を「硬化性樹脂層」と称することもある。
第1保護膜形成用シートの使用時には、第1保護膜形成用シートを構成している硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)を介して、第1保護膜形成用シートを、半導体ウエハの第1面に貼付する。そして、貼付後の前記硬化性樹脂層を加熱することにより、その流動性を増大させ、バンプを覆うようにしてバンプ間に広げ、半導体ウエハの第1面に密着させるとともに、バンプの表面、特に半導体ウエハの第1面近傍部位の表面を覆うようにし、バンプを前記硬化性樹脂層に埋め込む。これにより、半導体ウエハの第1面における硬化性樹脂層の形成が完了する。半導体ウエハ又は半導体チップの第1面に形成された硬化性樹脂層に対しては、目的とするタイミングで、加熱又はエネルギー線の照射によって硬化させることで、第1保護膜を形成する。第1保護膜は、半導体ウエハ又は半導体チップの第1面とバンプとを、これらに密着した状態で保護する。
第1保護膜形成用シート中の第1支持シートは、硬化性樹脂層の硬化前後の適したタイミングで、取り除けばよい。
第2保護膜の形成は、例えば、第2支持シートと、前記第2支持シート上に備えられた第2保護膜形成用の硬化性樹脂フィルム(硬化性樹脂層)とを有する第2保護膜形成用シートを用いて、行うことができる。
第2保護膜形成用シートの使用時には、第2保護膜形成用シートを構成する硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)を介して、第2保護膜形成用シートを、半導体ウエハの第2面に貼付する。これにより、半導体ウエハの第2面における硬化性樹脂層の形成が完了する。半導体ウエハ又は半導体チップの第2面に形成された硬化性樹脂層を、目的とするタイミングで、加熱又はエネルギー線の照射によって硬化させることで、第2保護膜を形成する。第2保護膜は、半導体ウエハ又は半導体チップの第2面を、これに密着した状態で保護する。
第2保護膜形成用シート中の第2支持シートは、硬化性樹脂層の硬化前後の適したタイミングで、取り除けばよい。また、第2支持シートは、硬化性樹脂層又はその硬化物である第2保護膜を備えた半導体ウエハをダイシングするときの、ダイシングシートとして用いることもできる。
なお、本明細書においては、硬化性樹脂層が硬化して第1保護膜となった場合も、第1支持シート及び第1保護膜の積層構造が維持されている限り、この積層物を第1保護膜形成用シートと称する。同様に、硬化性樹脂層が硬化して第2保護膜となった場合も、第2支持シート及び第2保護膜の積層構造が維持されている限り、この積層物を第2保護膜形成用シートと称する。
以下、第1保護膜形成用シートの構成について説明する。
◇第1保護膜形成用シート
◎第1支持シート
前記第1支持シートは、1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
好ましい第1支持シートとしては、例えば、第1基材を備え、前記第1基材上に第1粘着剤層が積層されてなるもの;第1基材を備え、前記第1基材上に第1中間層が積層され、前記第1中間層上に第1粘着剤層が積層されてなるもの;第1基材のみからなるもの;剥離フィルムのみからなるもの等が挙げられる。
また、第1保護膜形成用シートは、第1粘着剤層に代えて、後述するエネルギー線硬化性第1粘着剤層のエネルギー線硬化物を備えていてもよい。
○第1基材
前記第1基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPEと略すことがある)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPEと略すことがある)、高密度ポリエチレン(HDPEと略すことがある)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(すなわち、モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(すなわち、モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステルとそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステルとそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語につても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
第1基材を構成する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第1基材は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1基材の厚さは、5〜1000μmであることが好ましい。
ここで、「第1基材の厚さ」とは、第1基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1基材の厚さとは、第1基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
第1基材は、前記樹脂等の主たる構成材料以外に、充填材、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、軟化剤(可塑剤)等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
第1基材と、第1粘着剤層等の第1基材と接触して設けられる層と、の密着性を向上させるために、第1基材は、その表面にアンカーコート層を有していてもよいし、表面が改質されていてもよい。
第1基材は、公知の方法で製造できる。例えば、樹脂を含有する第1基材は、前記樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで製造できる。
○剥離フィルム
前記剥離フィルムは、この分野で公知のものでよい。
好ましい前記剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面が、シリコーン処理等によって剥離処理されたもの;フィルムの少なくとも一方の表面が、ポリオレフィンで構成された剥離面となっているもの等が挙げられる。
剥離フィルムの厚さは、第1基材の厚さと同様であることが好ましい。
○第1粘着剤層
前記第1粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
なお、本発明において、「粘着性樹脂」とは、粘着性を有する樹脂と、接着性を有する樹脂と、の両方を含む概念であり、例えば、樹脂自体が粘着性を有するものだけでなく、添加剤等の他の成分との併用により粘着性を示す樹脂や、熱又は水等のトリガーの存在によって接着性を示す樹脂等も含む。
第1粘着剤層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1粘着剤層の厚さは1〜1000μmであることが好ましい。
ここで、「第1粘着剤層の厚さ」とは、第1粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1粘着剤層の厚さとは、第1粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
第1粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されたものでもよいし、非エネルギー線硬化性粘着剤から形成されたものでもよい。エネルギー線硬化性の粘着剤から形成された第1粘着剤層は、硬化前及び硬化後での物性を、容易に調節できる。
本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
<<第1粘着剤組成物>>
第1粘着剤層は、粘着剤を含有する第1粘着剤組成物から形成できる。例えば、第1粘着剤層の形成対象面に第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に第1粘着剤層を形成できる。
第1粘着剤組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
第1粘着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、後述する溶媒を含有する第1粘着剤組成物は、加熱乾燥させることが好ましい。溶媒を含有する第1粘着剤組成物は、例えば、70〜130℃で10秒〜5分間の条件で乾燥させることが好ましい。
第1粘着剤層がエネルギー線硬化性である場合、エネルギー線硬化性粘着剤を含有する第1粘着剤組成物、すなわち、エネルギー線硬化性の第1粘着剤組成物としては、例えば、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)(以下、「粘着性樹脂(I−1a)」と略記することがある)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する第1粘着剤組成物(I−1);非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)(以下、「粘着性樹脂(I−2a)」と略記することがある)を含有する第1粘着剤組成物(I−2);前記粘着性樹脂(I−2a)と、エネルギー線硬化性低分子化合物と、を含有する第1粘着剤組成物(I−3)等が挙げられる。
第1粘着剤組成物としては、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物以外に、非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物も挙げられる。
非エネルギー線硬化性の第1粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I−1a)を含有する第1粘着剤組成物(I−4)が挙げられ、アクリル系樹脂を含有するものが好ましい。
<<第1粘着剤組成物の製造方法>>
第1粘着剤組成物(I−1)〜(I−4)等の前記第1粘着剤組成物は、前記粘着剤と、必要に応じて前記粘着剤以外の成分等の、第1粘着剤組成物を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
○第1中間層
前記第1中間層は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料は目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
第1中間層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
第1中間層の厚さは、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
ここで、「第1中間層の厚さ」とは、第1中間層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1中間層の厚さとは、第1中間層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
<<第1中間層形成用組成物>>
第1中間層は、その構成材料を含有する第1中間層形成用組成物から形成できる。
例えば、第1中間層の形成対象面に第1中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させたり、エネルギー線の照射によって硬化させることで、目的とする部位に第1中間層を形成できる。
<<第1中間層形成用組成物の製造方法>>
第1中間層形成用組成物は、配合成分が異なる点以外は、上述の第1粘着剤組成物の場合と同じ方法で得られる。
◎硬化性樹脂層
前記硬化性樹脂層は、熱硬化性樹脂層(熱硬化性樹脂フィルムともいう)及びエネルギー線硬化性樹脂層(エネルギー線硬化性樹脂フィルムともいう)のいずれであってもよい。
前記硬化性樹脂層は、硬化により第1保護膜を形成する。
硬化性樹脂層は1層(単層)のみでもよいし、2層以上の複数層でもよく、複数層である場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
○熱硬化性樹脂層
熱硬化性樹脂層は、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するものが好ましい。重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成された成分である。また、熱硬化性成分(B)は、熱を反応のトリガーとして、硬化(重合)反応し得る成分である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
前記熱硬化性樹脂層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。熱硬化性樹脂層の厚さが前記下限値以上であることで、保護能がより高い第1保護膜を形成できる。また、熱硬化性樹脂層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「熱硬化性樹脂層の厚さ」とは、熱硬化性樹脂層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる熱硬化性樹脂層の厚さとは、熱硬化性樹脂層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
前記熱硬化性樹脂層を半導体ウエハの第1面に貼付し、硬化させて、第1保護膜を形成するときの硬化条件は、第1保護膜が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り特に限定されず、熱硬化性樹脂層の種類に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、熱硬化性樹脂層の硬化時の加熱温度は、100〜200℃であることが好ましく、110〜180℃であることがより好ましく、120〜170℃であることが特に好ましい。そして、前記硬化時の加熱時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、0.5〜3.5時間であることがより好ましく、1〜2.5時間であることが特に好ましい。
<<熱硬化性樹脂層形成用組成物>>
熱硬化性樹脂層は、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂層形成用組成物から形成できる。例えば、熱硬化性樹脂層の形成対象面に熱硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に熱硬化性樹脂層を形成できる。
熱硬化性樹脂層形成用組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、上述の第1粘着剤組成物の塗工の場合と同じ方法で行うことができる。
また、熱硬化性樹脂層形成用組成物の乾燥条件は、特に限定されず、例えば、上述の第1粘着剤組成物の場合と同じであってもよい。
<樹脂層形成用組成物(III)>
熱硬化性樹脂層形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性樹脂層形成用組成物(III)(本明細書においては、単に「樹脂層形成用組成物(III)」と略記することがある)等が挙げられる。
[重合体成分(A)]
重合体成分(A)は、熱硬化性樹脂層に造膜性や可撓性等を付与するための重合体化合物である。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する重合体成分(A)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
重合体成分(A)としては、例えば、ポリビニルアセタール、アクリル系樹脂、ポリエステル、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、フェノキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、ポリビニルアセタール、アクリル系樹脂が好ましい。
重合体成分(A)における前記ポリビニルアセタールとしては、公知のものが挙げられる。
なかでも、好ましいポリビニルアセタールとしては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられ、ポリビニルブチラールがより好ましい。
ポリビニルブチラールとしては、下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有するものが挙げられる。
Figure 2018212171


(式中、l、m及びnは、それぞれ独立に1以上の整数である。)
ポリビニルアセタールの重量平均分子量(Mw)は、5000〜200000であることが好ましく、8000〜100000であることがより好ましい。ポリビニルアセタールの重量平均分子量がこのような範囲であることで、熱硬化性樹脂層を前記第1面に貼付したときに、バンプの前記上部(バンプの頂部とその近傍領域)での熱硬化性樹脂層の残存を抑制する効果がより高くなる。
本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
ポリビニルアセタールのガラス転移温度(Tg)は、40〜80℃であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましい。ポリビニルアセタールのTgがこのような範囲であることで、熱硬化性樹脂層を前記第1面に貼付したときに、バンプの前記上部での熱硬化性樹脂層の残存を抑制する効果がより高くなる。
ポリビニルアセタールを構成する3種以上のモノマーの比率は任意に選択できる。
重合体成分(A)における前記アクリル系樹脂としては、公知のアクリル重合体が挙げられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、熱硬化性樹脂層の形状安定性(保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へ熱硬化性樹脂層が追従し易くなり、被着体と熱硬化性樹脂層との間でボイド等の発生がより抑制される。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが前記下限値以上であることで、第1保護膜と第1支持シートとの接着力が抑制されて、第1支持シートの剥離性が向上する。また、アクリル系樹脂のTgが前記上限値以下であることで、熱硬化性樹脂層及び第1保護膜の被着体との接着力が向上する。
アクリル系樹脂としては、例えば、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの重合体;(メタ)アクリル酸エステル以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN−メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーが共重合してなる共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチルともいう)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチルともいう)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリルともいう)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1〜18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸イミド;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基を意味する。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
アクリル系樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。アクリル系樹脂の前記官能基は、後述する架橋剤(F)を介して他の化合物と結合してもよいし、架橋剤(F)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル系樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性が向上する傾向がある。
1つの側面として、アクリル系樹脂としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーを共重合してなるアクリル系樹脂が好ましい。
本発明においては、例えば、重合体成分(A)として、ポリビニルアセタール及びアクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を、ポリビニルアセタール及びアクリル系樹脂を用いずに単独で用いてもよいし、ポリビニルアセタール又はアクリル系樹脂と併用してもよい。前記熱可塑性樹脂を用いることで、第1保護膜の第1支持シートからの剥離性が向上したり、被着体の凹凸面へ熱硬化性樹脂層が追従し易くなり、被着体と熱硬化性樹脂層との間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は1000〜100000であることが好ましく、3000〜80000であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する前記熱可塑性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
重合体成分(A)の含有量は、重合体成分(A)の種類によらず、樹脂層形成用組成物(III)を構成する溶媒以外の全ての成分の総質量に対して(すなわち、熱硬化性樹脂層の総質量に対して)、5〜85質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、例えば、5〜70質量%、5〜60質量%、5〜50質量%、5〜40質量%、及び5〜30質量%のいずれかであってもよい。ただし、樹脂層形成用組成物(III)におけるこれら含有量は一例である。
重合体成分(A)は、熱硬化性成分(B)にも該当する場合がある。本発明においては、樹脂層形成用組成物(III)が、このような重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の両方に該当する成分を含有する場合、樹脂層形成用組成物(III)は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するとみなす。
[熱硬化性成分(B)]
熱硬化性成分(B)は、熱硬化性樹脂層を硬化させて、硬質の第1保護膜を形成するための成分である。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する熱硬化性成分(B)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
熱硬化性成分(B)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等が挙げられ、エポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。
(エポキシ系熱硬化性樹脂)
エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・エポキシ樹脂(B1)
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂(B1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。そのため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いることで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性が向上する。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を有する基に変換されてなる化合物が挙げられる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へ(メタ)アクリル酸又はその誘導体を付加反応させることにより得られる。
また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基ともいう)、2−プロペニル基(アリル基ともいう)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)の数平均分子量は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂層の硬化性、並びに硬化後の第1保護膜の強度及び耐熱性の点から、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
本明細書において、「数平均分子量」は、特に断らない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリスチレン換算の値で表される数平均分子量を意味する。
エポキシ樹脂(B1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、130〜800g/eqであることがより好ましい。
本明細書において、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物のグラム数(g/eq)を意味し、JIS K 7236:2001の方法に従って測定することができる。
エポキシ樹脂(B1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
・熱硬化剤(B2)
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられ、フェノール性水酸基、アミノ基、又は酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基又はアミノ基であることがより好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(本明細書においては、「DICY」と略記することがある)等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(B2)としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合してなる化合物等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
熱硬化剤(B2)としてフェノール系硬化剤を用いる場合には、第1保護膜の第1支持シートからの剥離性が向上する点から、熱硬化剤(B2)は軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、多官能フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等の樹脂成分の数平均分子量は、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
熱硬化剤(B2)のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60〜500であることが好ましい。
熱硬化剤(B2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層において、熱硬化剤(B2)の含有量は、エポキシ樹脂(B1)の含有量100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましく、例えば、1〜100質量部、1〜80質量部及び1〜60質量部のいずれかであってもよい。熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、熱硬化性樹脂層の硬化がより進行し易くなる。また、熱硬化剤(B2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、熱硬化性樹脂層の吸湿率が低減されて、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層において、熱硬化性成分(B)の含有量(例えば、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)の総含有量)は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましく、60〜950質量部であることがより好ましく、70〜900質量部であることが特に好ましい。熱硬化性成分(B)の前記含有量がこのような範囲であることで、第1保護膜と第1支持シートとの接着力が抑制されて、第1支持シートの剥離性が向上する。
[硬化促進剤(C)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、硬化促進剤(C)を含有していてもよい。硬化促進剤(C)は、樹脂層形成用組成物(III)の硬化速度を調整するための成分である。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(すなわち、1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(すなわち、1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する硬化促進剤(C)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
硬化促進剤(C)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層において、硬化促進剤(C)の含有量は、熱硬化性成分(B)の含有量100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(C)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(C)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、硬化促進剤(C)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(C)が、高温・高湿度条件下で熱硬化性樹脂層中において被着体との接着界面側に移動して偏析することを抑制する効果が高くなり、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
[充填材(D)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、充填材(D)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂層が充填材(D)を含有することにより、熱硬化性樹脂層を硬化して得られた第1保護膜は、熱膨張係数の調整が容易となる。そして、この熱膨張係数を第1保護膜の形成対象物に対して最適化することで、第1保護膜形成用シートを用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、熱硬化性樹脂層が充填材(D)を含有することにより、第1保護膜の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
充填材(D)は、有機充填材及び無機充填材のいずれでもよいが、無機充填材であることが好ましい。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する充填材(D)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
充填材(D)の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜20μmであることが好ましく、0.1〜15μmであることがより好ましく、0.3〜10μmであることが特に好ましい。充填材(D)の平均粒子径がこのような範囲であることで、第1保護膜の形成対象物に対する接着性を維持しつつ、第1保護膜の光の透過率の低下を抑制できる。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折散乱法によって求められた粒度分布曲線における、積算値50%での粒子径(D50)の値を意味する。
充填材(D)を用いる場合、充填材(D)の含有量(すなわち、熱硬化性樹脂層の充填材(D)の含有量)は、樹脂層形成用組成物(III)の溶媒以外の全ての成分の総質量に対して(すなわち、熱硬化性樹脂層の総質量に対して)、3〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましい。充填材(D)の含有量がこのような範囲であることで、上記の熱膨張係数の調整がより容易となる。また、充填材(D)の含有量が前記上限値以下であることで、硬化性樹脂層及び第1保護膜の赤外線透過率がより向上する。
[カップリング剤(E)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、カップリング剤(E)を含有していてもよい。カップリング剤(E)として、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有するものを用いることにより、熱硬化性樹脂層の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(E)を用いることで、熱硬化性樹脂層を硬化して得られた第1保護膜は、耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。
カップリング剤(E)は、重合体成分(A)、熱硬化性成分(B)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有するカップリング剤(E)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
カップリング剤(E)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層において、カップリング剤(E)の含有量は、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(E)の前記含有量が前記下限値以上であることで、充填材(D)の樹脂への分散性の向上や、熱硬化性樹脂層の被着体との接着性の向上等、カップリング剤(E)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、カップリング剤(E)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
[架橋剤(F)]
重合体成分(A)として、上述のアクリル系樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、架橋剤(F)を含有していてもよい。架橋剤(F)は、重合体成分(A)中の前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための成分であり、このように架橋することにより、熱硬化性樹脂層の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(F)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤(金属キレート構造を有する架橋剤)、アジリジン系架橋剤(アジリジニル基を有する架橋剤)等が挙げられる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物及び脂環族多価イソシアネート化合物(以下、これら化合物をまとめて「芳香族多価イソシアネート化合物等」と略記することがある);前記芳香族多価イソシアネート化合物等の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体;前記芳香族多価イソシアネート化合物等とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記「アダクト体」は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味する。前記アダクト体の例としては、後述するようなトリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等が挙げられる。また、「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、ウレタン結合を有するとともに、分子の末端部にイソシアネート基を有するプレポリマーを意味する。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて又は一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートのいずれか1種又は2種以上が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
架橋剤(F)として有機多価イソシアネート化合物を用いる場合、重合体成分(A)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(F)がイソシアネート基を有し、重合体成分(A)が水酸基を有する場合、架橋剤(F)と重合体成分(A)との反応によって、熱硬化性樹脂層に架橋構造を簡便に導入できる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する架橋剤(F)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
架橋剤(F)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)において、架橋剤(F)の含有量は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。架橋剤(F)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(F)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。また、架橋剤(F)の前記含有量が前記上限値以下であることで、架橋剤(F)の過剰使用が抑制される。
[エネルギー線硬化性樹脂(G)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していてもよい。熱硬化性樹脂層は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
エネルギー線硬化性樹脂(G)は、エネルギー線硬化性化合物を重合(硬化)して得られたものである。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;エポキシ変性(メタ)アクリレート;前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート;イタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性化合物の重量平均分子量は、100〜30000であることが好ましく、300〜10000であることがより好ましい。
重合に用いる前記エネルギー線硬化性化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)が含有するエネルギー線硬化性樹脂(G)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エネルギー線硬化性樹脂(G)を用いる場合、エネルギー線硬化性樹脂(G)の含有量は、樹脂層形成用組成物(III)の溶媒以外のすべての成分の総質量に対して(すなわち、熱硬化性樹脂層の総質量に対して)、1〜95質量%であることが好ましく、5〜90質量%であることがより好ましく、10〜85質量%であることが特に好ましい。
[光重合開始剤(H)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、エネルギー線硬化性樹脂(G)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(G)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(H)を含有していてもよい。
樹脂層形成用組成物(III)における光重合開始剤(H)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサント、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;;1,2−ジフェニルメタン;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン;2−クロロアントラキノン等が挙げられる。
また、光重合開始剤(H)としては、例えば、1−クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
樹脂層形成用組成物(III)が含有する光重合開始剤(H)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
光重合開始剤(H)を用いる場合、樹脂層形成用組成物(III)において、光重合開始剤(H)の含有量は、エネルギー線硬化性樹脂(G)の含有量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、2〜5質量部であることが特に好ましい。
[着色剤(I)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、着色剤(I)を含有していてもよい。着色剤(I)は、例えば、熱硬化性樹脂層及び第1保護膜に、適切な光線透過率を付与するための成分である。
着色剤(I)は、公知のものでよく、例えば、染料及び顔料のいずれであってもよい。
例えば、染料は、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料及びカチオン染料等のいずれであってもよい。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する着色剤(I)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)の着色剤(I)の含有量は、熱硬化性樹脂層の可視光線透過率及び赤外線透過率が目的の値となるように適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、前記着色剤(I)の含有量は、着色剤(I)の種類や、2種以上の着色剤(I)を併用する場合には、これら着色剤(I)の組み合わせ等に応じて、適宜調節すればよい。
着色剤(I)を用いる場合、着色剤(I)の含有量(すなわち、熱硬化性樹脂層の着色剤(I)の含有量)は、樹脂層形成用組成物(III)を構成する溶媒以外の全ての成分の総含有量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。
[汎用添加剤(J)]
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、汎用添加剤(J)を含有していてもよい。
汎用添加剤(J)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ゲッタリング剤等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層が含有する汎用添加剤(J)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)及び熱硬化性樹脂層の汎用添加剤(J)の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
[溶媒]
樹脂層形成用組成物(III)は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する樹脂層形成用組成物(III)は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
樹脂層形成用組成物(III)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(III)が含有する溶媒は、樹脂層形成用組成物(III)中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(III)の溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、溶媒以外の成分の種類に応じて適宜選択すればよい。
<<熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造方法>>
樹脂層形成用組成物(III)等の熱硬化性樹脂層形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
○エネルギー線硬化性樹脂層
好ましいエネルギー線硬化性樹脂層としては、例えば、エネルギー線硬化性成分(a)を含有するものが挙げられる。
エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。ここで、「エネルギー線」及び「エネルギー線硬化性」とは、先に説明したとおりである。
前記エネルギー線硬化性樹脂層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。エネルギー線硬化性樹脂層の厚さが前記下限値以上であることで、保護能がより高い第1保護膜を形成できる。また、エネルギー線硬化性樹脂層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「エネルギー線硬化性樹脂層の厚さ」とは、エネルギー線硬化性樹脂層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるエネルギー線硬化性樹脂層の厚さとは、エネルギー線硬化性樹脂層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
前記エネルギー線硬化性樹脂層を半導体ウエハの第1面に貼付し、硬化させて、第1保護膜を形成するときの硬化条件は、第1保護膜が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り特に限定されず、エネルギー線硬化性樹脂層の種類に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、エネルギー線硬化性樹脂層の硬化時における、エネルギー線の照度は、180〜280mW/cmであることが好ましい。そして、前記硬化時における、エネルギー線の光量は、450〜1000mJ/cmであることが好ましい。
<<エネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物>>
エネルギー線硬化性樹脂層は、その構成材料を含有するエネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物から形成できる。例えば、エネルギー線硬化性樹脂層の形成対象面にエネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にエネルギー線硬化性樹脂層を形成できる。
エネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、上述の第1粘着剤組成物の塗工の場合と同じ方法で行うことができる。
また、エネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物の乾燥条件は、特に限定されず、例えば、上述の第1粘着剤組成物の場合と同じであってもよい。
<樹脂層形成用組成物(IV)>
エネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物としては、例えば、前記エネルギー線硬化性成分(a)を含有するエネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物(IV)(本明細書においては、単に「樹脂層形成用組成物(IV)」と略記することがある)等が挙げられる。
[エネルギー線硬化性成分(a)]
エネルギー線硬化性成分(a)は、エネルギー線の照射によって硬化する成分であり、エネルギー線硬化性樹脂層に造膜性や、可撓性等を付与するための成分でもある。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000〜2000000の重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有する、分子量が100〜80000の化合物(a2)が挙げられる。前記重合体(a1)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
前記重合体(a1)としては、例えば、他の化合物が有する基と反応可能な官能基を有するアクリル系重合体と、前記官能基と反応する基、及びエネルギー線硬化性二重結合等のエネルギー線硬化性基を有するエネルギー線硬化性化合物と、が反応してなるアクリル系樹脂等が挙げられる。
前記他の化合物が有する基と反応可能な官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基(アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換されてなる基)、エポキシ基等が挙げられる。ただし、半導体ウエハや半導体チップ等の回路の腐食を防止するという点では、前記官能基はカルボキシ基以外の基であることが好ましい。
これらの中でも、前記官能基は、水酸基であることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(IV)及びエネルギー線硬化性樹脂層が含有する前記重合体(a1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100〜80000の化合物(a2)が有するエネルギー線硬化性基としては、エネルギー線硬化性二重結合を含む基が挙げられ、好ましいものとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。好ましくは、エネルギー線硬化性基として(メタ)アクリロイル基を有する、低分子量化合物であることが好ましい。
前記化合物(a2)は、上記の条件を満たすものであれば、特に限定されないが、エネルギー線硬化性基を有する低分子量化合物、エネルギー線硬化性基を有するエポキシ樹脂、エネルギー線硬化性基を有するフェノール樹脂等が挙げられる。
前記化合物(a2)のうち、エネルギー線硬化性基を有する低分子量化合物としては、例えば、多官能のモノマー又はオリゴマー等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
樹脂層形成用組成物(IV)及びエネルギー線硬化性樹脂層が含有する前記化合物(a2)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)]
樹脂層形成用組成物(IV)及びエネルギー線硬化性樹脂層は、前記エネルギー線硬化性成分(a)として前記化合物(a2)を含有する場合、さらにエネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)も含有することが好ましい。
前記重合体(b)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)としては、例えば、アクリル系重合体、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル、ゴム系樹脂、アクリルウレタン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、前記重合体(b)は、アクリル系重合体(以下、「アクリル系重合体(b−1)」と略記することがある)であることが好ましい。
樹脂層形成用組成物(IV)は、エネルギー線硬化性成分(a)以外に、さらに目的に応じて、エネルギー線硬化性成分(a)及び重合体(b)のいずれにも該当しない、熱硬化性成分、光重合開始剤、着色剤、充填材、カップリング剤、架橋剤及び汎用添加剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含有していてもよい。例えば、前記エネルギー線硬化性成分及び熱硬化性成分を含有する樹脂層形成用組成物(IV)を用いることにより、形成されるエネルギー線硬化性樹脂層は、加熱によって被着体に対する接着力が向上し、このエネルギー線硬化性樹脂層から形成された第1保護膜の強度も向上する。
樹脂層形成用組成物(IV)における前記熱硬化性成分、光重合開始剤、着色剤、充填材、カップリング剤、架橋剤及び汎用添加剤としては、それぞれ、樹脂層形成用組成物(III)における熱硬化性成分(B)、光重合開始剤(H)、着色剤(I)、充填材(D)、カップリング剤(E)、架橋剤(F)及び汎用添加剤(J)と同じものが挙げられる。
樹脂層形成用組成物(IV)において、前記熱硬化性成分、光重合開始剤、着色剤、充填材、カップリング剤、架橋剤及び汎用添加剤は、それぞれ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
樹脂層形成用組成物(IV)における前記熱硬化性成分、光重合開始剤、着色剤、充填材、カップリング剤、架橋剤及び汎用添加剤の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
樹脂層形成用組成物(IV)は、希釈によってその取り扱い性が向上することから、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
樹脂層形成用組成物(IV)が含有する溶媒としては、例えば、樹脂層形成用組成物(III)における溶媒と同じものが挙げられる。
樹脂層形成用組成物(IV)が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
1つの側面として、樹脂層形成用組成物(IV)は、エネルギー線硬化性成分(a)と、所望により、エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)、熱硬化性成分、光重合開始剤、着色剤、充填材、カップリング剤、架橋剤、汎用添加剤、及び溶媒からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含む。
<<エネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物の製造方法>>
樹脂層形成用組成物(IV)等のエネルギー線硬化性樹脂層形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
上述の第1保護膜形成用シートの例を、図面を参照しながら説明する。
図5は、第1保護膜形成用シートの一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す第1保護膜形成用シート801は、第1支持シートとして、第1基材上に第1粘着剤層が積層されてなるものを用いている。すなわち、第1保護膜形成用シート801は、第1基材811を備え、第1基材811上に第1粘着剤層812を備え、第1粘着剤層812上に硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)82を備えて、構成されている。別の側面として、第1支持シートは、第1基材811と、第1基材811上に積層された第1粘着剤層812と、第1粘着剤層812上に積層された硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)82とを含む。
第1支持シート810は、第1基材811及び第1粘着剤層812の積層体であり、第1支持シート810の一方の表面810a上、すなわち第1支持シート810における第1粘着剤層812が積層された側の表面812a上に、硬化性樹脂層82が設けられている。
図6は、第1保護膜形成用シートの他の例を模式的に示す断面図である。
ここに示す第1保護膜形成用シート802は、第1支持シートとして、剥離フィルムのみからなるものを用いている。すなわち、第1保護膜形成用シート802は、剥離フィルム821上に硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)82を備えて、構成されている。別の側面として、第1保護膜形成用シート802は、剥離フィルム821と、剥離フィルム821上に積層された硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)82とを含む。
第1支持シート820は剥離フィルム821であり、第1支持シート820の一方の表面820a上、すなわち剥離フィルム821の一方の表面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)821a上に、硬化性樹脂層82が設けられている。
剥離フィルム821の第1面821aは、剥離処理されている(剥離処理面である)ことが好ましい。
なお、第1支持シートが第1基材のみからなる第1保護膜形成用シートも、図6に示すものと同様の構成となる。すなわち、図6に示す第1保護膜形成用シート802において、符号821を付したものが、剥離フィルムではなく第1基材であるものも、第1保護膜形成用シートとして好適である。
第1保護膜形成用シートは、上述のいずれの場合であっても、第1保護膜形成用シートにおける第1支持シートが設けられている側とは反対側の最表層(例えば硬化性樹脂層の表面)に、さらに剥離フィルムを備えていてもよい。このように剥離フィルムを備えた第1保護膜形成用シートは、保管及び取り扱いが容易である。
この場合の剥離フィルムは、第1保護膜形成用シートの使用時に取り除けばよい。第1支持シートが、先に説明したように剥離フィルムのみからなる場合、第1支持シートとしての剥離フィルムと、第1支持シートとは反対側の最表層に設けられた剥離フィルムとは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
◇第1保護膜形成用シートの製造方法
第1保護膜形成用シートは、上述の各層を対応する位置関係となるように順次積層することで製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、第1基材、第1粘着剤層及び硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる第1保護膜形成用シート(図5に示す第1保護膜形成用シート等)は、以下に示す方法で製造できる。すなわち、第1基材上に、上述の第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、第1粘着剤層を積層する。また、剥離フィルムの剥離処理面上に、上述の硬化性樹脂層形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、硬化性樹脂層を積層する。そして、この剥離フィルム上の硬化性樹脂層を第1基材上の第1粘着剤層と貼り合わせることで、第1基材、第1粘着剤層、硬化性樹脂層及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる第1保護膜形成用シートを得る。剥離フィルムは、第1保護膜形成用シートの使用時に取り除けばよい。
上述の第1保護膜形成用シートは、以下に示す方法でも製造できる。すなわち、剥離フィルムの剥離処理面上に、第1粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、第1粘着剤層を積層する。また、別途、上記と同じ方法で、剥離フィルムの剥離処理面上に、硬化性樹脂層を積層する。そして、剥離フィルム上の第1粘着剤層を第1基材と貼り合わせ、第1粘着剤層上の剥離フィルムを取り除いた後、さらに、第1粘着剤層の剥離フィルムが積層されていた面(露出面)と、上記で得られた、剥離フィルム上の硬化性樹脂層とを貼り合わせることで、第1基材、第1粘着剤層、硬化性樹脂層及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる第1保護膜形成用シートを得る。
上述の各層以外の他の層を備えた第1保護膜形成用シートは、上述の製造方法において、前記他の層の積層位置が適切な位置となるように、前記他の層の積層工程を適宜追加して行うことで、製造できる。
例えば、第1支持シートが、第1基材、第1中間層及び第1粘着剤層がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる場合の第1保護膜形成用シートは、上述の製造方法において、第1基材と第1粘着剤層との間に、第1中間層が配置されるように、第1中間層の積層工程を追加して行うことで、製造できる。
また、上述の各層のうち、いずれかの任意の層を備えていない第1保護膜形成用シートは、上述の製造方法において、前記任意の層の積層工程を省略することで、製造できる。
例えば、第1支持シートが、第1基材のみからなる場合の第1保護膜形成用シートは、上述の製造方法において、第1粘着剤層の積層工程を省略することで、製造できる。
◇第2保護膜形成用シート及びその製造方法
第2保護膜形成用シートとしては、例えば、上述の第1保護膜形成用シートと同様のものが挙げられる。ただし、第2保護膜形成用シートは、第1保護膜形成用シートとは求められる機能が異なるため、必ずしも、第1保護膜形成用シートと同じになる訳ではない。
特に、第2保護膜形成用シートにおける硬化性樹脂層は、第1保護膜形成用シートにおける硬化性樹脂層の場合と同様の成分で構成できるが、硬化性樹脂層の各成分の含有量は、第2保護膜が目的とする機能を十分に発揮できるように、適宜調節することが好ましい。
なお、本明細書においては、第1保護膜形成用シート中の第1基材、第1中間層及び第1粘着剤層は、第2保護膜形成用シートにおいては、それぞれ第2基材、第2中間層及び第2粘着剤層と称する。
第2保護膜形成用シートは、上述の第1保護膜形成用シートの場合と同じ方法で製造できる。
・積層構造体作製工程
前記積層構造体作製工程においては、前記保護膜付き半導体チップを、このチップが有するバンプを介して、基板に接合することにより、前記積層構造体を作製する。
前記積層構造体は、新規のものである。
前記積層構造体作製工程は、例えば、保護膜付き半導体チップのうち、バンプの上部の表面にフラックス剤を塗布し、このバンプの上部を基板と接触させて、この状態でバンプ及び基板を加熱することにより、バンプと基板とを接合して、積層構造体を作製する。この場合の加熱条件は、特に限定されないが、例えば、220〜320℃で0.5〜10分間加熱することが好ましい。
前記積層構造体作製工程以降は、得られた積層構造体を用いて、従来法と同様の方法で、半導体装置を製造できる。
例えば、積層構造体を樹脂で封止して、半導体パッケージとし、この半導体パッケージを用いて、目的とする半導体装置を製造できる。
・半導体装置
上述の製造方法で得られた半導体装置は、前記積層構造体を備えており、新規のものである。
すなわち、本発明の一実施形態である半導体装置は、バンプを有する保護膜付き半導体チップが、前記バンプを介して基板に接合された積層構造体を含む半導体装置であって、前記保護膜付き半導体チップは、少なくとも、半導体チップのバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップの前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えており、前記保護膜付き半導体チップが前記第1保護膜を備えている場合、前記第1保護膜においては、前記バンプの上部が前記第1保護膜を貫通して突出しており、前記第1保護膜又は第2保護膜は、下記方法で前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2であり、前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である。
<積層構造体のせん断強度比>
前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、
前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体の試験片と同じ構造の比較用積層構造体(比較用試験片)を作製し、前記積層構造体と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、
[前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
<積層構造体の破断危険因子>
前記積層構造体を構成しているすべての層の、幅5mm、長さ20mmの試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、
ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
本発明の半導体装置は、前記積層構造体を備えている点以外は、従来の半導体装置と同じ構成とすることができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
保護膜形成用組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
[重合体成分(A)]
(A)−1:下記式(i)−1、(i)−2及び(i)−3で表される構成単位を有するポリビニルブチラール(積水化学工業社製「エスレックBL−10」、重量平均分子量25000、ガラス転移温度59℃)。
(A)−2:アクリル酸n−ブチル(1質量部)、メタクリル酸メチル(79質量部)、メタクリル酸グリシジル(5質量部)及びアクリル酸2−ヒドロキシエチル(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量370000、ガラス転移温度7℃)。
Figure 2018212171


(式中、lは約28であり、mは1〜3であり、nは68〜74の整数である。)
[熱硬化性成分(B)]
・エポキシ樹脂(B1)
(B1)−1:液状エポキシ樹脂(柔軟性骨格が導入されたエポキシ樹脂、DIC社製「EXA4850−150」、分子量900)
(B1)−2:多官能芳香族型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN−502H」)
(B1)−3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「エピクロンHP−7200HH」、エポキシ当量274〜286g/eq)
(B1)−4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本触媒社製「BPA328」)・熱硬化剤(B2)
(B2)−1:ノボラック型フェノール樹脂(昭和電工社製「BRG−556」)
(B2)−2:ジシアンジアミド(固体分散型潜在性硬化剤、ADEKA社製「アデカハードナーEH−3636AS」、活性水素量21g/eq)[硬化促進剤(C)]
(C)−1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ−PW」)
[充填材(D)]
(D)−1:溶融石英フィラー(球状シリカ(龍森社製「SV−10」)を物理的に破砕したもの、平均粒子径8μm)
[カップリング剤(E)]
(E)−1:シランカップリング剤(エポキシ基、メチル基及びメトキシ基を含有するオリゴマー型シランカップリング剤、信越シリコーン社製「X−41−1056」、エポキシ当量280g/eq)
(E)−2:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(シランカップリング剤、信越シリコーン社製「KBE−403」、メトキシ当量8.1mmol/g、分子量278.4)
(E)−3:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、信越シリコーン社製「KBM−403」、メトキシ当量12.7mmol/g、分子量236.3)
[着色剤(I)]
(I)−1:カーボンブラック(三菱化学社製「MA600」、平均粒径20nm)
[実施例1]
<積層構造体の製造>
(熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造(1))
重合体成分(A)−1、エポキシ樹脂(B1)−1、エポキシ樹脂(B1)−2、エポキシ樹脂(B1)−3、熱硬化剤(B2)−1、及び硬化促進剤(C)−1を、これらの含有量の割合が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性樹脂層形成用組成物として、固形分濃度が55質量%である樹脂層形成用組成物(III)−1を得た。なお、表1中の含有成分の欄の「−」との記載は、熱硬化性樹脂層形成用組成物がその成分を含有していないことを意味する。また、表1に示す各成分の含有量は、すべて固形分量である。
(粘着性樹脂(I−2a)の製造)
アクリル酸2−エチルヘキシル(80質量部)及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(20質量部)を共重合してなるアクリル系重合体(分子量約700000)に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(以下、「MOI」と略記する)(前記アクリル系重合体中のHEA由来の水酸基の総モル数に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基の総モル数が0.8倍となる量)を加えて、室温下で1日反応させ、側鎖にメタクリロイルオキシ基を有するアクリル系共重合体である、紫外線硬化性の粘着性樹脂(I−2a)を得た。
(第1粘着剤組成物(I−2)の製造)
上記で得られた粘着性樹脂(I−2a)(100質量部)に対し、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製「コロネートL」、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート三量体付加物)(2.0質量部)、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)(0.1質量部)を添加し、撹拌することで、紫外線硬化性である第1粘着剤組成物(I−2)を得た。
(第1支持シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた第1粘着剤組成物(I−2)を塗工し、100℃で1分加熱乾燥させることにより、厚さ10μmの第1粘着剤層を形成した。
次いで、剥離フィルム上の第1粘着剤層と、ポリウレタンアクリレート製フィルムからなる第1基材(厚さ400μm)とを貼り合わせて、第1基材及び第1粘着剤層が積層されてなり、第1粘着剤層上に剥離フィルムを備えた第1支持シートを得た。
(第1保護膜形成用シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた樹脂層形成用組成物(III)−1を塗工し、120℃で2分間加熱乾燥させることにより、厚さ30μmの熱硬化性樹脂フィルムを形成した。
次いで、前記第1支持シートから剥離フィルムを取り除き、露出した第1粘着剤層と、上記で得られた剥離フィルム上の熱硬化性樹脂フィルムと、を貼り合わせて、第1基材、第1粘着剤層、熱硬化性樹脂フィルム及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる、図5に示す構成を有する第1保護膜形成用シートを得た。
(熱硬化性樹脂層形成用組成物の製造(2))
重合体成分(A)−2、エポキシ樹脂(B1)−3、エポキシ樹脂(B1)−4、熱硬化剤(B2)−2、硬化促進剤(C)−1、充填材(D)−1、カップリング剤(E)−1、カップリング剤(E)−2、カップリング剤(E)−3、及び着色剤(I)−1を、これらの含有量の割合が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性樹脂層形成用組成物として、固形分濃度が55質量%である樹脂層形成用組成物(III)−2を得た。
(第2支持シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上述の第1粘着剤組成物(I−2)を塗工し、加熱乾燥させることにより、第1粘着剤層を形成した。
次いで、剥離フィルム上の第1粘着剤層と、ポリオレフィン製フィルムからなる第2基材(厚さ100μm)とを貼り合わせて、第2基材、第1粘着剤層及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる積層物を作製した。
次いで、得られた積層物の剥離フィルム側から第1粘着剤層に対して、照度230mW/cm、光量120mJ/cmの条件で紫外線を照射し、紫外線硬化させることで、第2粘着剤層として、厚さ10μmの第1粘着剤層の紫外線硬化物が第2基材上に積層され、さらに第2粘着剤層上に剥離フィルムを備えた第2支持シートを得た。
(第2保護膜形成用シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた樹脂層形成用組成物(III)−2を塗工し、120℃で2分間加熱乾燥させることにより、厚さ25μmの熱硬化性樹脂フィルムを形成した。
次いで、前記第2支持シートから剥離フィルムを取り除き、露出した第2粘着剤層と、上記で得られた剥離フィルム上の熱硬化性樹脂フィルムと、を貼り合わせて、第2基材、第2粘着剤層、熱硬化性樹脂フィルム及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる、図5に示す構成を有する第2保護膜形成用シートを得た。
(積層構造体の製造)
半導体ウエハとして、8インチシリコンウエハの回路面に、図1に示すものと同様の形状で、高さが200μm、幅が250μmであるバンプを、バンプ間の距離を400μmとして多数有するシリコンウエハ(直径200mm、厚さ250μm)を用意した。
そして、上記で得られた第1保護膜形成用シートから剥離フィルムを取り除き、熱硬化性樹脂フィルムを70℃で加熱しながら、この熱硬化性樹脂フィルムの新たに生じた露出面(第1粘着剤層を備えている側とは反対側の面)を、上述のシリコンウエハの第1面(バンプ形成面)に貼付し、熱硬化性樹脂フィルムを回路面とバンプの表面に密着させた。
次いで、熱硬化性樹脂フィルムから第1支持シートを取り除いた。
一方、上記で得られた第2保護膜形成用シートから剥離フィルムを取り除き、熱硬化性樹脂フィルムを70℃で加熱しながら、この熱硬化性樹脂フィルムの新たに生じた露出面(第2粘着剤層を備えている側とは反対側の面)を、上述のシリコンウエハの第2面(裏面)に貼付した。
以上により、第2基材、第2粘着剤層、硬化性樹脂フィルム、半導体ウエハ、及び硬化性樹脂フィルムがこの順に積層されてなる積層体を得た。
次いで、上記の2層の熱硬化性樹脂フィルムを、130℃で2時間加熱処理することで熱硬化させて、第1保護膜及び第2保護膜を形成した。
次いで、ダイシングブレードを用いて、これら第1保護膜及び第2保護膜を備えた半導体ウエハをダイシングして個片化することにより、大きさが6cm×6cmであり、第1面に第1保護膜を備え、第2面に第2保護膜を備えてなる、保護膜付き半導体チップを得た。
次いで、この保護膜付き半導体チップを、第2基材及び第2粘着剤層の積層シート(ダイシングシートに相当)から引き離して、ピックアップした。
次いで、この保護膜付き半導体チップの、第1保護膜を貫通して突出しているバンプ上部の表面にフラックス剤を塗布し、このバンプの上部に、ガラスエポキシ樹脂を構成材料とする有機基板(厚さ930μm)を載せて、この状態でバンプ及び有機基板を、300℃のヒーター上で1分間加熱することにより、バンプを介して保護膜付き半導体チップを有機基板に接合して、積層構造体を得た。加熱後、得られた積層構造体を洗浄して、フラックス剤を取り除いた。ここで得られた積層構造体は、第1面に第1保護膜を備え、第2面に第2保護膜を備えた保護膜付き半導体チップが、そのバンプを介して有機基板に接合されたものである。
<積層構造体の評価>
(せん断強度比の算出)
上記と同じ方法で保護膜付き半導体チップを得た。
次いで、この保護膜付き半導体チップの、第1保護膜を貫通して突出しているバンプ上部の表面にフラックス剤を塗布し、このバンプの上部に、銅基板(厚さ930μm)を載せて、この状態でバンプ及び銅基板を、300℃のヒーター上で1分間加熱することにより、バンプを介して保護膜付き半導体チップを銅基板に接合して、積層構造体を得た。加熱後、得られた積層構造体を洗浄して、フラックス剤を取り除いた。ここで得られた積層構造体は、有機基板に代えて銅基板を備えている点以外は、上述の有機基板を備えた積層構造体と同じものである。このような積層構造体を4個製造した。
次いで、接合強度試験機器(Nordson社製「DAGE4000 ダイシェアテスター」)を用いて、上記で得られた、銅基板を備えた積層構造体について、ダイシェアテストを行うことにより、保護膜付き半導体チップと銅基板との接合強度、すなわちせん断強度を測定した。
より具体的には、せん断強度は以下の方法で測定した。すなわち、接合強度試験機器に積層構造体をセットして、積層構造体中の銅基板を固定し、積層構造体中の保護膜付き半導体チップに対して、銅基板の表面に対して平行な方向に力を加えた。このとき、保護膜付き半導体チップに力を加えるツールとしては型番「SHR−250−9000」のものを用い、ロードセルとしては型番「DS100」のものを用い、シェア速度100μm/sec、シェア高さ5μmの条件で力を加えた。そして、保護膜付き半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときに加えられていた力を読み取って、その値を積層構造体のせん断強度(N)とした。4個の積層構造体について、このようにせん断強度を測定し、このときの測定値の平均値を積層構造体のせん断強度(N)として採用した。
別途、第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、上述の銅基板を備えた積層構造体と同じ構造の比較用積層構造体を4個作製した。
次いで、この比較用積層構造体に対して、上述の積層構造体の場合と同じ方法で力を加え、半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときに加えられていた力を読み取って、その値を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)とした。4個の比較用積層構造体について、このように比較用せん断強度を測定し、このときの測定値の平均値を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)として採用した。
これらせん断強度(N)の測定値を用いて、[積層構造体のせん断強度(N)]/[比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)]の値を算出し、この値を積層構造体のせん断強度比とした。結果を表2に示す。
(積層構造体の破断危険因子の算出)
上述の有機基板を備えた積層構造体を構成しているすべての層、すなわち、基板(有機基板)、第1保護膜、半導体チップ及び第2保護膜の試験片を作製した。これら試験片は、その幅が5mmであり、長さが20mmであって、このように大きさ(幅と長さ)が異なる点以外は、積層構造体を構成している各層と同じ(すなわち、各試験片の厚さは積層構造体を構成している各層の厚さと同じ)ものである。試験片は1種につきそれぞれ4個作製した。
次いで、熱機械分析装置(NETCH社製「TMA4000SA」)を用いて、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの試験片の収縮量Sμmと、を測定した。
そして、試験片ごとに、これら測定値の合計量(絶対値の和)である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[試験片の膨張収縮量ES(μm)]×[試験片の厚さ(μm)]の値を算出し、膨張収縮パラメータPμmとした。4個の試験片について、このように膨張収縮パラメータPμmを求め、その平均値を試験片の膨張収縮パラメータPμmとして採用した。
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値(μm)]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求めた。ここで、「基板以外のすべての試験片」とは、半導体チップ、第1保護膜及び第2保護膜の試験片である。
次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP(μm)]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値(μm)]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めた。ここで、「基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片」とは、半導体チップの試験片である。
次いで、ΔP1/ΔP0の値を算出し、この値を積層構造体の破断危険因子とした。結果を表2に示す。
(信頼性評価)
上述の有機基板を備えた積層構造体について、JEDEC STANDERD 22−A104Eに準拠して、条件C(−65℃〜150℃、晒し時間10分間)によって、温度サイクル試験(TCTと略すことがある)を行い、保護膜付き半導体チップと有機基板との接合状態が破壊されるまでのサイクル数(回)を確認した。4個の積層構造体についてこの温度サイクル試験を行い、前記サイクル数の平均値を求めて、その値を積層構造体の信頼性の指標とした。結果を表2に示す。
<積層構造体の製造及び評価>
[実施例2]
第2保護膜を形成しなかった点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層構造体を得た。ここで得られた積層構造体は、第1面に第1保護膜を備え、第2面に第2保護膜を備えていない保護膜付き半導体チップが、そのバンプを介して基板に接合されたものである。
そして、得られた積層構造体を、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
半導体ウエハとして、厚さが250μmではなく500μmであり、その他の点は実施例2で用いたものと同じであるシリコンウエハを用意した。そして、このシリコンウエハを用いた点以外は、実施例2の場合と同じ方法で積層構造体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例4]
半導体ウエハとして、厚さが250μmではなく500μmであり、その他の点は実施例1で用いたものと同じであるシリコンウエハを用意した。
また、表1に示すように、充填材(D)−1(230質量部)を新たに用いた点以外は、上述の樹脂層形成用組成物(III)−1の場合と同じ方法で、熱硬化性樹脂層形成用組成物として、固形分濃度が69質量%である樹脂層形成用組成物(III)−3を得た。
そして、これらシリコンウエハと樹脂層形成用組成物(III)−3を用いた点以外は、実施例2の場合と同じ方法で積層構造体を製造し、評価した。結果を表2に示す。
[実施例5]
第2保護膜の厚さを25μmに代えて43μmとし、第1保護膜を形成しなかった点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層構造体を得た。ここで得られた積層構造体は、第2面に第2保護膜を備え、第1面に第1保護膜を備えていない保護膜付き半導体チップが、そのバンプを介して基板に接合されたものである。
そして、得られた積層構造体を、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表3に示す。
[比較例1]
硬化促進剤(C)−1を用いなかった点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、熱硬化性樹脂層形成用組成物として、樹脂層形成用組成物(IX)−1を得た。
そして、樹脂層形成用組成物(III)−1に代えて、この樹脂層形成用組成物(IX)−1を用いた点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、積層構造体を製造し、その評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
半導体ウエハとして、厚さが250μmではなく500μmであり、その他の点は実施例1で用いたものと同じであるシリコンウエハを用意した。
そして、このシリコンウエハを用い、第1保護膜を形成しなかった点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層構造体を得た。ここで得られた積層構造体は、第2面に第2保護膜を備え、第1面に第1保護膜を備えていない保護膜付き半導体チップが、そのバンプを介して基板に接合されたものである。
そして、得られた積層構造体を、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表3に示す。
<比較用積層構造体の製造及び評価>
[実験例1]
半導体ウエハとして、実施例1で用いたものと同じもの(すなわち、8インチシリコンウエハ)を用い、その第2面(裏面)にダイシングシートを貼付した。
次いで、実施例1の場合と同じ方法で、この第1保護膜及び第2保護膜をいずれも備えていない半導体ウエハをダイシングして個片化することにより、半導体チップとし、この半導体チップをピックアップした。
次いで、上述の保護膜付き半導体チップに代えて、この第1保護膜及び第2保護膜をいずれも備えていない半導体チップを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層構造体(比較用積層構造体)を得た。ここで得られた比較用積層構造体は、半導体チップが単独で、そのバンプを介して基板に接合されたものであり、上述の銅基板を備えた比較用積層構造体とは異なるものである。
次いで、この比較用積層構造体について、実施例1の場合と同じ方法で、信頼性評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2018212171
Figure 2018212171
Figure 2018212171
上記結果から明らかなように、実施例1〜5においては、積層構造体のせん断強度比が1.15〜2.00であり、破断危険因子が0.83〜0.90であることにより、保護膜付き半導体チップと有機基板との接合状態が破壊されるまでのサイクル数が300回以上であり、温度変化が激しい条件下においても、長時間にわたって、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が安定していた。
これに対して、比較例1においては、積層構造体のせん断強度比が1.05未満であり、破断危険因子が0.9より大きいことにより、保護膜付き半導体チップと有機基板との接合状態が破壊されるまでのサイクル数が少なく、温度変化が激しい条件下において、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が不安定であった。
比較例2においては、積層構造体のせん断強度比が2より大きく、破断危険因子が0.9より大きいことにより、保護膜付き半導体チップと有機基板との接合状態が破壊されるまでのサイクル数が少なく、温度変化が激しい条件下において、保護膜付き半導体チップの基板に対する接合が不安定であった。
本発明は、フリップチップ実装方法で使用される、接続パッド部にバンプを有する半導体チップ等の製造に利用可能である。
1,2,3・・・積層構造体
10,20,30・・・保護膜付き半導体チップ
11・・・半導体チップ
11a・・・半導体チップの第1面
11b・・・半導体チップの第2面
111・・・バンプ
111a・・・バンプの上部
12・・・第1保護膜
13・・・第2保護膜
14・・・基板
14a・・・基板の第1面
9・・・比較用積層構造体

Claims (2)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    少なくとも、半導体チップにおけるバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は半導体チップにおける前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えている、保護膜付き半導体チップを作製することと、
    前記保護膜付き半導体チップが、バンプを介して基板に接合された積層構造体を作製することと、を含み;
    前記保護膜付き半導体チップの作製において、前記第1保護膜は、前記バンプの上部が、前記第1保護膜を貫通して突出するよう形成され;
    前記第1保護膜又は第2保護膜は、下記方法で前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2となり、かつ前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である、
    半導体装置の製造方法。
    <積層構造体のせん断強度比>
    前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、
    前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体の試験片と同じ構造の比較用試験片を作製し、前記積層構造体の試験片と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、
    [前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
    <積層構造体の破断危険因子>
    前記積層構造体を構成しているすべての層の、幅5mm、長さ20mmの試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、
    次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、
    次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、
    ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
  2. バンプを有する保護膜付き半導体チップが、前記バンプを介して基板に接合された積層構造体を含む半導体装置であって、
    前記保護膜付き半導体チップは、少なくとも、半導体チップにおけるバンプを有する第1面に第1保護膜を備えているか、又は前記半導体チップにおける前記第1面とは反対側の第2面に第2保護膜を備えており、
    前記第1保護膜においては、前記バンプの上部が前記第1保護膜を貫通して突出しており、
    前記第1保護膜又は第2保護膜は、下記方法で前記積層構造体のせん断強度比及び破断危険因子を測定したとき、前記せん断強度比が1.05〜2となり、かつ前記破断危険因子が−0.9〜0.9となる特性を有する保護膜である、半導体装置。
    <積層構造体のせん断強度比>
    前記基板が銅基板である前記積層構造体の試験片を作製し、前記積層構造体の試験片中の前記銅基板を固定し、前記積層構造体の試験片中の保護膜付き半導体チップに対して、前記銅基板の表面に対して平行な方向に力を加え、前記保護膜付き半導体チップと前記銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を前記積層構造体のせん断強度(N)とし、
    前記第1保護膜及び第2保護膜を備えていない点以外は、前記積層構造体の試験片と同じ構造の比較用試験片を作製し、前記積層構造体の試験片と同じ方法で力を加え、前記比較用試験片の半導体チップと銅基板との接合状態が破壊されたときの前記力を比較用積層構造体の比較用せん断強度(N)としたときに、
    [前記積層構造体のせん断強度]/[前記比較用積層構造体の比較用せん断強度]の値を、前記積層構造体のせん断強度比とする。
    <積層構造体の破断危険因子>
    前記積層構造体を構成しているすべての層の、幅5mm、長さ20mmの試験片を作製し、すべての前記試験片について、−70℃から昇温速度5℃/minで200℃まで昇温させ、200℃から降温速度5℃/minで−70℃まで降温させる加熱冷却試験を行い、23℃から150℃まで昇温させたときの前記試験片の膨張量Eμmと、23℃から−65℃まで降温させたときの前記試験片の収縮量Sμmと、の合計量である膨張収縮量ESμmを求め、さらに、[前記試験片の膨張収縮量ES]×[前記試験片の厚さ]の値である膨張収縮パラメータPμmを求め、
    次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮パラメータ差ΔP1μmを求め、
    次いで、[基板の試験片の膨張収縮パラメータP]−[基板、第1保護膜及び第2保護膜以外のすべての試験片の膨張収縮パラメータPの合計値]の値である膨張収縮基準パラメータ差ΔP0μmを求めたときの、
    ΔP1/ΔP0の値を、前記積層構造体の破断危険因子とする。
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