JPWO2018203574A1 - オリゴヌクレオチドの製造方法 - Google Patents

オリゴヌクレオチドの製造方法 Download PDF

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Abstract

オリゴヌクレオチドのブロック体同士を高収率でカップリングさせる新規な液相製造方法を提供する。2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、5’位又は3’位に、ヒドロキシ基若しくは、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、擬似固相保護基を有さない別のヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドとをカップリングさせる工程を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。擬似固相保護基を有さないオリゴヌクレオチドは、レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドにヒドラジン誘導体等を反応させ、当該レブリニル型擬似固相保護基を選択的に脱保護することにより製造できる。

Description

本発明は、オリゴヌクレオチドの新規な製造方法に関する。
ゲノム創薬や遺伝子診断・治療などの最先端バイオ関連研究の急速な進歩・発展に伴い近年、DNAプローブ、siRNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAなどのオリゴヌクレオチドが盛んに利用されている。オリゴヌクレオチドの化学合成方法として、ホスホロアミダイト法、H−ホスホネート法などが知られている。
現在では、ホスホロアミダイト法による固相合成法のプロセス最適化及び自動化が進んでいるため、固相合成法がスピード面で有利であり、最も汎用されている。しかし、固相合成法では1残基ずつ伸長する必要があるため、比較的長鎖(例えば、15塩基以上)のオリゴヌクレオチドの合成には長時間を要する。
比較的長鎖のオリゴヌクレオチドの場合は、予め5塩基程度のブロック体を合成し、それをビルディングブロックとして用いる収束的な合成法が効率的と考えられる。しかし、固相担体との結合を切断する際に核酸塩基部やリン酸部の保護基も脱保護され、無保護のブロック体が得られるため、該ブロック体を、オリゴヌクレオチドのさらなる塩基の伸長に利用することは困難である。
近年では擬似固相保護基を用いる製造方法が検討されている(例えば、特許文献1から3、非特許文献1参照)。擬似固相保護基を用いる液相合成法においては、他の保護基が維持されたまま、擬似固相保護基を選択的に脱保護できるオリゴヌクレオチドの合成法(例えば、非特許文献1参照)が報告されている。また、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ基にイオン性官能基を結合させる方法も検討され、該イオン性官能基を選択的に除去する方法(例えば、特許文献4参照)が報告されている。
特開2010−275254号公報 国際公開第2012/157723号 国際公開第2014/077292号 国際公開第2013/026142号
オーガニック レターズ(Organic Letters)、2016年、18巻、800−803頁
非特許文献1においては、擬似固相保護基を除去する工程は、低収率である。そのため、オリゴヌクレオチドのビルディングブロックとなるブロック体を高収率で合成でき、大量合成に対応できる新規な、オリゴヌクレオチドの製造方法が望まれていた。
本発明の目的は、オリゴヌクレオチドの新規な収束的合成法、及び該合成法に利用できるビルディングブロック(オリゴヌクレオチド)の、高収率かつ大量合成可能な新規製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するために本発明者らは鋭意研究した結果、擬似固相保護基としての性能を有する、アルキルオキシ基で置換されたベンゼン環を、レブリニル基と結合させた新規なレブリニル型擬似固相保護基を見出した。また、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’位又は5’位ヒドロキシ基の保護基として該レブリニル型擬似固相保護基を用いる製造方法が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
さらに、本発明者らは、トリチル基の少なくとも1のベンゼン環がアルキルオキシ基で置換された、新規なトリチル型擬似固相保護基を見出した。またヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’位又は5’位ヒドロキシ基の保護基として該レブリニル型擬似固相保護基を用いる製造方法において、該トリチル型擬似固相保護基を併用することにより、さらに効率よく上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下を含む。
1. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを、
溶媒中、ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択される少なくとも1つのアミノ化合物を反応させ、
前記式(II)で表される保護基を除去する工程を含む、
3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドの製造方法。
2. 3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを反応させる、1.に記載の製造方法。
3. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン誘導体である、1.又は2.に記載の製造方法。
4. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン一水和物である、1.から3.のいずれか1つに記載の製造方法。
5. 前記アミノ化合物が、C1−6アルキルヒドラジンである、1.から3.のいずれか1つに記載の製造方法。
6. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程が、溶媒として、ハロゲン化炭化水素溶媒、環状エーテル溶媒、低級脂肪族酸溶媒及びピリジン系溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施される、1.から5.のいずれか1つに記載の製造方法。
7. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを含む低極性溶媒溶液と、極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、1.から6.のいずれか1つに記載の製造方法。
8. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、7.に記載の製造方法。
9. 前記一時保護基が、それぞれ独立して、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、1.から8.のいずれか1つに記載の製造方法。
10. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基、又はヒドロキシ基であるn個重合オリゴヌクレオチドと、
3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるp個重合オリゴヌクレオチドとを反応させ、
n個重合オリゴヌクレオチドとp個重合オリゴヌクレオチドとの結合体を生成するカップリング工程を含み、
n及びpは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、オリゴヌクレオチドの製造方法。
11. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基である、10.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
12. 前記カップリング工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’位又は3’位のヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する反応性リン化工程を含む、11.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
13. 前記反応性リン化工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去し、5’位及び3’位の一方にヒドロキシ基を生成する脱一時保護基工程を含む、12.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
14. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、ヒドロキシ基である、11.から13.のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
15. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方がヒドロキシ基であり、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、10.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
16. 前記カップリング工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する脱一時保護基工程を含む、15.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
17. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位がヒドロキシ基であり、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、15.又は16.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
18. 前記一時保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、10.から17.のいずれか1つに記載の製造方法。
19. 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、カップリング工程が亜リン酸ジエステル結合を形成する、10.から18.のいずれか1つに記載の製造方法。
20. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、19.に記載の製造方法。
21. 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、カップリング工程が亜リン酸トリエステル結合を形成する、10.から18.のいずれか1つに記載の製造方法。
22. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、21.に記載の製造方法。
23. 少なくとも1つの工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、10.から22.のいずれか1つに記載の製造方法。
24. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、23.に記載の製造方法。
25. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
5’位及び3’位の一方が、下記式(VI)
Figure 2018203574

(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを、
溶媒中、ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択される少なくとも1つのアミノ化合物を反応させ、
前記式(II)で表される保護基を除去する工程を含む、
3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドの製造方法。
26. 3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを反応させる、25.に記載の製造方法。
27. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン誘導体である、25.又は26.に記載の製造方法。
28. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン一水和物である、25.から27.のいずれか1つに記載の製造方法。
29. 前記アミノ化合物が、C1−6アルキルヒドラジンである、25.から28.のいずれか1つに記載の製造方法。
30. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程が、反応溶媒として、ハロゲン化炭化水素溶媒、環状エーテル溶媒、低級脂肪族酸溶媒及びピリジン系溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施される、25.から29.のいずれか1つに記載の製造方法。
31. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを含む低極性溶媒溶液と、極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、25.から30.のいずれか1つに記載の製造方法。
32. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、31.に記載の製造方法。
33. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程の前に、
3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドと、下記式(IX)
Figure 2018203574

(式中、Qは、脱離基を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表されるトリアリール化合物を反応させ、
3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
5’位及び3’位の一方が、前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、25.から32.のいずれか1つに記載の製造方法。
34. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基、又はヒドロキシ基であるn個重合オリゴヌクレオチドと、
3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、下記式(VI)
Figure 2018203574

(式中、*は、5’位又は3’位のヒドロキシ基との結合位置を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるp個重合オリゴヌクレオチドとを反応させ、
n個重合オリゴヌクレオチドとp個重合オリゴヌクレオチドとの結合体を生成するカップリング工程を含み、
n及びpは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、オリゴヌクレオチドの製造方法。
35. n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、
p個重合オリゴヌクレオチドの5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位がヒドロキシ基である、34.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
36. 前記カップリング工程の前に、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該式(VI)で表される保護基を除去し、5’位にヒドロキシ基を生成する工程を含む、34.又は35.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
37. 前記カップリング工程の前に、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該式(II)で表される保護基を除去し、3’位にヒドロキシ基を生成する工程を含む、34.から36.のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
38. 前記カップリング工程の前に、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’位のヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する反応性リン化工程を含む、35.に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
39. 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、カップリング工程が亜リン酸ジエステル結合を形成する、34.から38.のいずれか1つに記載の製造方法。
40. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、39.に記載の製造方法。
41. 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、カップリング工程が亜リン酸トリエステル結合を形成する、34.から38.のいずれか1つに記載の製造方法。
42. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、41.に記載の製造方法。
43. 少なくとも1つの工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、34.から42.のいずれか1つに記載の製造方法。
44. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、43.に記載の製造方法。
45. 下記式(I):
Figure 2018203574
[式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4‘位炭素原子に架橋する有機基を示し、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
が、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基、又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であるとき、Zは、下記式(II)で表される保護基を示し、
が、下記式(II)で表される保護基であるとき、Zは、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基を示し、
式(II)が
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)である]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
46. nが、1から100の整数である、45.に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
47. Xが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基である、45.又は46.に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
48. Yが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基又は基本保護基で置換されたスルファニル基である、45.から47.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
49. Zが、前記式(II)で表される保護基であり、Zが、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基である、45.から48.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
50. 下記式(Ia):
Figure 2018203574
[式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4‘位炭素原子に架橋する有機基を示し、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
11が、下記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基であるとき、Z12は、下記式(VI)で表される保護基を示し、
11が、下記式(VI)で表される保護基であるとき、Z12は、下記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基を示し、
式(II)が、
Figure 2018203574
(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)であり、
式(VI)が、
Figure 2018203574

(式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)である]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
51. nが、1から100の整数である、50.に記載の化合物、該化合物の互変異性体若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
52. Xが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基である、50.又は51.に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
53. Yが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基又は基本保護基で置換されたスルファニル基である、50.から52.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
54. Z11が、前記式(II)で表される保護基であり、Z12が、前記式(VI)で表される保護基である、50.から53.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
55. 少なくとも1つのBaseが、基本保護基で置換されたアデニル基であり、当該アデニル基のアミノ基の基本保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、45.から54.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
56. 少なくとも1つのBaseが、基本保護基で置換されたシトシル基及び5−メチルシトシル基から選択される少なくとも1つであり、当該シトシル基及び5−メチルシトシル基のアミノ基の基本保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、45.から54.のいずれか1つに記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
57. 10.から24.のいずれか1つに記載の方法で、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、1.から9.のいずれか1つに記載の製造方法。
58. 34.から44.のいずれか1つに記載の方法で、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、25.から33.のいずれか1つに記載の製造方法。
59. 3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基又はヒドロキシ基であり、2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選択される少なくとも1カ所に、擬似固相保護基を有する、n個重合オリゴヌクレオチドと、
5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、擬似固相保護基を有さない、p個重合オリゴヌクレオチドとをカップリングさせる工程を含み、
n及びpは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、n+pは、11以上であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
60. 前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、59.に記載の製造方法。
61. n+pは、15以上である、59.又は60.に記載の製造方法。
62. n及びpは、それぞれ独立して、4以上の整数である、59.から61.のいずれか1つに記載の製造方法。
63. 前記n個重合オリゴヌクレオチドが、核酸塩基部に擬似固相保護基を有する、59.から62.のいずれか1つに記載の製造方法。
64. 前記n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基である、59.から62.のいずれか1つに記載の製造方法。
65. 1.から9.及び57.のいずれか1つに記載の方法で、p個重合オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、59.に記載の製造方法。
66. 下記式(II)
Figure 2018203574
[式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である]で表される、擬似固相保護基。
67. 下記式(II)
Figure 2018203574
[式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基であり、
12は、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基である]で表される、擬似固相保護基。
68. 2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所にヒドロキシ基を有するか、又は2’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所にヒドロキシ基又はアミノ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを、
下記式(II−1)
Figure 2018203574
[式中、Rは、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合の時、L13は、単結合又は−C(O)−である]で表されるカルボキシ化合物、又は下記式(II−2)
Figure 2018203574
(式中、Wは、ハロゲン原子であり、s、R、L11、L12及びL13は、前記式(II−1)における定義と同じである)で表される酸ハロゲン化物と反応させ、
2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所が、下記式(II)
Figure 2018203574
[式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、s、R、L11、L12及びL13は、前記式(II−1)における定義と同じである]で表される擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基である、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの製造方法。
69. 前記n個重合オリゴヌクレオチド及びp個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも一方が、少なくとも1つのアデニル基を有し、当該アデニル基のアミノ基の保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、10.から24.又は34.から44.又は59.から65.のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
70. 前記n個重合オリゴヌクレオチド及びp個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも一方が、シトシル基及び5−メチルシトシル基から選択される少なくとも1つを有し、当該シトシル基及び5−メチルシトシル基のアミノ基の保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、10.から24.又は34.から44.又は59.から65.又は69.のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
本発明により、オリゴヌクレオチドの収束的合成法のビルディングブロックとなるブロック体を高収率で合成でき、大量合成に対応できるオリゴヌクレオチドの新規製造方法をを提供することが可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
特に記述がない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。本明細書に記載されたものと同様又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料を以下に記載する。
「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
尚、本明細書中「n−」はノルマル、「i−」はイソ、「s−」及び「sec−」はセカンダリー、「t−」及び「tert−」はターシャリー、を意味し、「Ph」はフェニル、「Py」はピリジル又はピリジン、「Me」はメチル、「Et」はエチル、「Ni−Pr」はジイソプロピルアミノ、「Bu」はブチル、「Bn」はベンジル、「Bz」はベンゾイル、「Boc」はターシャリーブトキシカルボニル、「TBS」はターシャリーブチルジメチルシリル、「TIPS」はトリイソプロピルシリル、「TBDPS」は、ターシャリーブチルジフェニルシリル、「DMTr」は4,4’−ジメトキシトリチルを意味する。「Scheme」は、スキームを意味する。
「−COO−」、「−OCO−」、「−CON(R)−」、「−N(R)CO−」、「−CO−」、「−CS−」、「−OCON(R12)−」、「−CON(R13)−」及び「−CSN(R14)−」は、それぞれ、「−C(O)O−」、「−OC(O)−」、「−C(O)N(R)−」、「−N(R)C(O)−」、「−C(O)−」、「−C(S)−」、「−OC(O)N(R12)−」、「−C(O)N(R13)−」及び「−C(S)N(R14)−」と同義である。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1から6の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基及びイソヘキシル基等が挙げられる。
「C2−6アルケニル基」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数が2から6の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基(ホモアリル基)、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
「C2−6アルキニル基」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数が2から6の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基等が挙げられる。
「C1−40アルキル基」とは、炭素数が1から40の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、デシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基、テトラコンチル基等が挙げられる。
「C2−40アルケニル基」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数が2から40の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、1−ブテニル基2−ブテニル基、3−ブテニル基(ホモアリル基)、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、10−デセニル基、18−オクタデセニル基、20−イコセニル基、30−トリアコンテニル基、40−テトラコンテニル基等が挙げられる。
「C2−40アルキニル基」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数が2から40の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、10−デシニル基、18−オクタデシニル基、20−イコシニル基、30−トリアコンチニル基、40−テトラコンチニル基等が挙げられる。
「C10−30アルキル基」とは、炭素数が10から30の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、デシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
「C10−40アルキル基」とは、炭素数が10から40の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、デシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基、テトラコンチル基等が挙げられる。
「C15−25アルキル基」とは、炭素数が15から25の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
「C15−22アルキル基」とは、炭素数が15から22の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
「C10−30アルケニル基」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数が10から30の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、2−デセニル基、10−デセニル基、18−オクタデセニル基、20−イコセニル基、30−トリアコンテニル基等が挙げられる。
「C10−40アルケニル基」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数が10から40の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、2−デセニル基、10−デセニル基、18−オクタデセニル基、20−イコセニル基、30−トリアコンテニル基、40−テトラコンテニル基等が挙げられる。
「C10−40アルキニル基」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数が10から40の直鎖又は分枝状の炭化水素基を意味し、例えば、10−デシニル基、18−オクタデシニル基、20−イコシニル基、30−トリアコンチニル基、40−テトラコンチニル基等が挙げられる。
「C1−6アルキレン基」とは、前記「C1−6アルキル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、メチレン基、エチレン基(エタンジイル基)、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、3−メチルブタン−1,2−ジイル基などが挙げられる。
「C2−6アルキレン基」とは、前記「C1−6アルキレン基」のうち、炭素数が2から6の直鎖又は分枝状の2価の基を意味し、例えば、エチレン基(エタンジイル基)、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、3−メチルブタン−1,2−ジイル基などが挙げられる。
「C2−6アルケニレン基」とは、前記「C2−6アルケニル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、エテン−1,1−ジイル基、エテン−1,2−ジイル基、プロペン−1,1−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、プロペン−1,3−ジイル基、ブタ−1−エン−1,4−ジイル基、ブタ−1−エン−1,3−ジイル基、ブタ−2−エン−1,4−ジイル基、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル基、ペンタ−2−エン−1,5−ジイル基、ヘキサ−3−エン−1,6−ジイル基、ヘキサ−2,4−ジエン−1,6−ジイル基などが挙げられる。
「C2−6アルキニレン基」とは、前記「C2−6アルキニル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、エチン−1,2−ジイル基、プロピン−1,3−ジイル基、ブタ−1−イン−1,4−ジイル基、ブタ−1−イン−1,3−ジイル基、ブタ−2−イン−1,4−ジイル基、ペンタ−2−イン−1,5−ジイル基、ペンタ−2−イン−1,4−ジイル基、ヘキサ−3−イン−1,6−ジイル基などが挙げられる。
「C1−40アルキレン基」とは、前記「C1−40アルキル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、メチレン基、エチレン基(エタンジイル基)、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジイル基、3−メチルブタン−1,2−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、オクタデカン−1,18−ジイル基、イコサン−1,20−ジイル基、トリアコンタン−1,30−ジイル基、テトラコンタン−1,40−ジイル基などが挙げられる。
「C10−20アルキレン基」とは、前記「C1−40アルキレン基」のうち、炭素数が10から20の2価の基を意味し、例えば、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、イコサン−1,20−ジイル基などが挙げられる。
「C2−40アルケニレン基」とは、前記「C2−40アルケニル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、エテン−1,1−ジイル基、エテン−1,2−ジイル基、プロペン−1,1−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、プロペン−1,3−ジイル基、ブタ−1−エン−1,4−ジイル基、ブタ−1−エン−1,3−ジイル基、ブタ−2−エン−1,4−ジイル基、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル基、ペンタ−2−エン−1,5−ジイル基、ヘキサ−3−エン−1,6−ジイル基、ヘキサ−2,4−ジエン−1,6−ジイル基、デカ−2−エン−1,10−ジイル基、オクタデカ−2−エン−1,18−ジイル基、イコサ−2−エン−1,20−ジイル基、トリアコンタ−2−エン−1,30−ジイル基、テトラコンタ−2−エン−1,40−ジイル基などが挙げられる。
「C2−40アルキニレン基」とは、前記「C2−40アルキニル基」から任意の位置の水素原子を1個取り除いた2価の基を意味し、例えば、エチン−1,2−ジイル基、プロピン−1,3−ジイル基、ブタ−1−イン−1,4−ジイル基、ブタ−1−イン−1,3−ジイル基、ブタ−2−イン−1,4−ジイル基、ペンタ−2−イン−1,5−ジイル基、ペンタ−2−イン−1,4−ジイル基、ヘキサ−3−イン−1,6−ジイル基、デカ−2−イン−1,10−ジイル基、オクタデカ−2−イン−1,18−ジイル基、イコサ−2−イン−1,20−ジイル基、トリアコンタ−2−イン−1,30−ジイル基、テトラコンタ−2−イン−1,40−ジイル基などが挙げられる。
「C1−6ハロアルキル基」とは、1以上の前記「ハロゲン原子」で前記「C1−6アルキル基」の任意の位置の水素原子が置換された基を意味し、例えば、モノフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、モノフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、モノクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,2−ジブロモエチル基及び1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル基等が挙げられる。
「C2−6ハロアルケニル基」とは、1以上の前記「ハロゲン原子」で前記「C2−6アルケニル基」の任意の位置の水素原子が置換された基を意味する。
「C3−6シクロアルキル基」とは、環を構成する炭素原子数が3乃至6個である、単環系、縮合多環系、橋架け環系又はスピロ環系の脂肪族炭化水素環から任意の位置の水素原子を1個取り除いた1価の基を意味し、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
「C1−6アルコキシ基」とは、前記「C1−6アルキル基」が、オキシ基(−O−)に結合した基を意味する。
「C1−6ハロアルコキシ基」とは、前記「C1−6ハロアルキル基」が、オキシ基(−O−)に結合した基を意味する。
「モノC1−6アルキルアミノ基」とは、1つの前記C1−6アルキル基がアミノ基に結合した基を意味し、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシル基アミノ及びイソヘキシルアミノ基等が挙げられる。
「ジC1−6アルキルアミノ基」とは、同一又は異なる2個の前記「C1−6アルキル基」がアミノ基に結合した基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−イソプロピル−N−メチルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−イソブチル−N−メチルアミノ基、N−t−ブチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−n−ペンチルアミノ基、N−n−ヘキシル−N−メチルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−イソプロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−イソブチルアミノ基、N−t−ブチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ基、N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ基などが挙げられる。
「C1−6アルキルカルボニル基」、「C1−6ハロアルキルカルボニル基」及び「C1−6ハロアルコキシカルボニル基」等は、それぞれ前記「C1−6アルキル基」、「C1−6ハロアルキル基」及び「C1−6ハロアルコキシ基」が、カルボニル基(−C(O)−)に結合した基を意味する。
「C1−6アルコキシカルボニル基」、「モノC1−6アルキルアミノカルボニル基」及び「ジC1−6アルキルアミノカルボニル基」等は、それぞれ前記「C1−6アルコキシ基」、「モノC1−6アルキルアミノ基」及び「ジC1−6アルキルアミノ基」が、カルボニル基(−C(O)−)に結合した基を意味する。
「C1−6アルコキシC1−6アルキル基」とは、1つの前記C1−6アルコキシ基が、1つの前記「C1−6アルキル基」の任意の位置に置換した基を意味し、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
「C1−6アルキルスルホニル基」及び「C1−6ハロアルキルスルホニル基」は、それぞれ前記「C1−6アルキル基」及び「C1−6ハロアルキル基」が、スルホニル基に結合した基を意味する。
「C6−10アリール基」とは、環を構成する原子が全て炭素原子であり、炭素原子数が6乃至10個である、単環式又は二環式の芳香族炭化水素環から任意の位置の水素原子を1個取り除いた1価の基を意味し、具体例としては、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
「5−10員ヘテロアリール基」とは、環を構成する原子の数が5乃至10個であり、環を構成する原子中に1乃至5個のヘテロ原子(該へテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を意味し、2個以上の場合は、同一でも異なっていてもよい。)を含有する単環系又は縮合多環系の芳香族複素環から任意の位置の水素原子を1個取り除いた1価の基を意味する。
単環系の「5−10員ヘテロアリール基」としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピラニル基、3−ピラニル基、4−ピラニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基、1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル基及び1,2,5−チアジアゾール−3−イル基等が挙げられる。
縮合多環系の「5−10員ヘテロアリール基」としては、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、1−イソベンゾチエニル基、4−イソベンゾチエニル基、5−イソベンゾチエニル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、2−クロメニル基、3−クロメニル基、4−クロメニル基、5−クロメニル基、6−クロメニル基、7−クロメニル基、8−クロメニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、2−プリニル基、6−プリニル基、7−プリニル基、8−プリニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2,7−ナフチリジン−1−イル基、2,7−ナフチリジン−3−イル基、2,7−ナフチリジン−4−イル基、2,6−ナフチリジン−1−イル基、2,6−ナフチリジン−3−イル基、2,6−ナフチリジン−4−イル基、1,8−ナフチリジン−2−イル基、1,8−ナフチリジン−3−イル基、1,8−ナフチリジン−4−イル基、1,7−ナフチリジン−2−イル基、1,7−ナフチリジン−3−イル基、1,7−ナフチリジン−4−イル基、1,7−ナフチリジン−5−イル基、1,7−ナフチリジン−6−イル基、1,7−ナフチリジン−8−イル基、1,6−ナフチリジン−2−イル基、1,6−ナフチリジン−3−イル基、1,6−ナフチリジン−4−イル基、1,6−ナフチリジン−5−イル基、1,6−ナフチリジン−7−イニル基、1,6−ナフチリジン−8−イル基、1,5−ナフチリジン−2−イル基、1,5−ナフチリジン−3−イル基、1,5−ナフチリジン−4−イル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−プテリジニル基、4−プテリジニル基、6−プテリジニル基及び7−プテリジニル基等が挙げられる。
「C1−6アルキルカルボニルオキシ基」、「C1−6ハロアルキルカルボニルオキシ基」及び「C6−10アリールカルボニルオキシ基」は、それぞれ前記「C1−6アルキル基」、「C1−6ハロアルキル基」及び「C6−10アリール基」が、カルボニルオキシ基に結合した基を意味する。
「C1−6アルキルスルホニルオキシ基」、「C1−6ハロアルキルスルホニルオキシ基」及び「C6−10アリールスルホニルオキシ基」は、それぞれ前記「C1−6アルキル基」、「C1−6ハロアルキル基」及び「C6−10アリール基」が、スルホニルオキシ基に結合した基を意味する。
「アラルキル基」とは、前記「C1−6アルキル基」の任意の位置の水素原子が、前記「C6−10アリール基」によって置き換えられた1価の基を意味する。
「ヘテロアラルキル基」とは、前記「C1−6アルキル基」の任意の位置の水素原子が、前記「5−10員ヘテロアリール基」によって置き換えられた1価の基を意味する。
「C6−10アリールメチル基」とは、1つの前記「C6−10アリール基」がメチル基に結合した基を意味する。
「ジC6−10アリールメチル基」とは、2つの前記「C6−10アリール基」がメチル基に結合した基を意味する。
「C6−10アリールスルホニル基」は、前記「C6−10アリール基」が、スルホニル基に結合した基を意味する。
「C6−10アリールアミノカルボニル基」、「5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基」、「C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基」及び「アラルキルアミノカルボニル基」は、それぞれ前記「C6−10アリール基」、「5−10員ヘテロアリール」及び「C6−10アリールスルホニル基」及び「アラルキル基」が、アミノカルボニル(HN−C(O)−)基の窒素原子に置換した基を意味する。
また「アミノカルボニル基」は、本明細書において「カルバモイル基」と互換可能に使用され、例えば「モノC1−6アルキルカルバモイル基」及び「ジC1−6アルキルカルバモイル基」は、それぞれ上記「モノC1−6アルキルアミノカルボニル基」及び「ジC1−6アルキルアミノカルボニル基」と同義であり、「N−(C6−10アリール)カルバモイル基」、「N−(5−10員ヘテロアリール)カルバモイル基」、「N−(C6−10アリールスルホニル)カルバモイル基」及び「N−アラルキルカルバモイル基」は、それぞれ上記「C6−10アリールアミノカルボニル基」、「5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基」、「C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基」及び「アラルキルアミノカルボニル基」と同義である。
「3−11員含窒素非芳香族ヘテロ環基」とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含有する、環を構成する原子数が3乃至11個である単環系、縮合多環系(該縮合多環系では、非芳香族環が非芳香族環又は芳香族環に縮合していてもよい。)、橋架け環系又はスピロ環系の非芳香族性の複素環から、任意の位置の水素原子を1個取り除いた1価の基を意味し、アゼチジニル基、ピロリジニル基、2−オキソピロリジニル基、ピペリジニル基、3−オキソピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモモルホリノ基、ホモピペラジノ基等が挙げられる。
「反応性リン含有基」とは、リン原子を含有する基であり、リン酸ジエステル構造、チオリン酸ジエステル構造、リン酸トリエステル構造、チオリン酸−O,O,S−トリエステル構造又はチオリン酸トリエステル構造が含まれるヌクレオシド間結合を形成するために有用な基を意味し、例えば、ヒドロキシホスフィニル基、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基等が挙げられる。当該分野で公知の反応性リン含有基を本発明に用いることができる。
前記「ヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基」とは、ヒドロキシ基及び前記「ジC1−6アルキルアミノ基」が、ホスフィノ基の水素原子に置換した基を意味する。ここで、該ジC1−6アルキルアミノ基は、それらが結合する窒素原子と一緒に3−11員含窒素非芳香族ヘテロ環基を形成していてもよい。
「置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基」とは、前記「ヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基」が有する、リン原子に結合したヒドロキシ基の水素原子が、C1−6アルキル基等により置き換えられていることを意味する。
ここで、前記C1−6アルキル基等は、無置換であるか又はハロゲン原子及びシアノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基により、置換されている。
「置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基」としては、例えば、シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ基等が挙げられる。
「C1−40アルキルチオ基」、「C3−6シクロアルキルチオ基」、「C6−10アリールチオ基」、「5−10員ヘテロアリールチオ基」、「アラルキルチオ基」及び「ヘテロアラルキルチオ基」等は、それぞれ前記「C1−40アルキル基」、「C3−6シクロアルキル基」、「C6−10アリール基」、「5−10員ヘテロアリール基」、「アラルキル基」及び「ヘテロアラルキル基」が、チオ基(−S−)に結合した基を意味する。
「C1−6アルキルヒドラジン」とは、1つの前記「C1−6アルキル基」で置換されたヒドラジンを意味し、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、イソブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジン、イソペンチルヒドラジン、ネオペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン及びイソヘキシルヒドラジン等が挙げられる。
「C3−6シクロアルキルヒドラジン」とは、1つの前記「C3−6シクロアルキル基」で置換されたヒドラジンを意味し、シクロプロピルヒドラジン、シクロブチルヒドラジン、シクロペンチルヒドラジン及びシクロヘキシルヒドラジン等が挙げられる。
「C1−6ハロアルキルヒドラジン」、「C6−10アリールヒドラジン」、「C6−10アリールスルホニルヒドラジン」及び「アラルキルヒドラジン」は、それぞれ1つの前記「C1−6ハロアルキル基」、「C6−10アリール基」、「C6−10アリールスルホニル基」及び「アラルキル基」で置換されたヒドラジンを意味する。
「C1−6カルバゼート」は、1つの前記「C1−6アルコキシカルボニル基」で置換されたヒドラジンを意味する。
本明細書において、オリゴヌクレオチドの構成単位となる「ヌクレオシド」とは、核酸塩基が糖(例えば、リボース、2’−デオキシリボース、2’位と4’位が架橋したリボース、2’位と3’位が架橋したリボース等)の1’位にN−グリコシド化により結合された化合物を意味する。当業者は、オリゴヌクレオチドの構成単位となる「ヌクレオシド」に使用される糖を、認識できる。
ここで、前記リボース及び2’−デオキシリボースは、無置換であるか又は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、基本保護基で置換されたアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されている。また、前記C1−6アルキル基は、無置換であるか、ハロゲン原子、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基及びジC1−6アルキルアミノカルボニル基等から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。前記C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基及びジC1−6アルキルアミノカルボニル基等は、無置換であるか又は、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基又は3−11員含窒素非芳香族ヘテロ環基より置換されている。また、リボースの2’位ヒドロキシ基は、無置換であるか又は基本保護基で置換されている。前記基本保護基で置換されたアミノ基の基本保護基としては、後述する核酸塩基における「アミノ基の基本保護基」と同様の基が挙げられる。
2’位と4’位が架橋したリボースとは、ヌクレオシドの2’位と4’位とが架橋基を介して架橋されている限り限定されないが、例えば、2’位と4’位とが、C2−6アルキレン基[該アルキレン基は無置換であるか、又はC1−6アルキル基で置換されている。また、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は−O−、−NR11−(R11は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)、−S−、−CO−、−CS−、−COO−、−OCONR12−(R12は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)、−CONR13−(R13は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)及び−CSNR14−(R14は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている]で架橋されたリボースが挙げられる。具体例としては、下記式の化合物が挙げられる。
Figure 2018203574
前記リボース及び2’−デオキシリボースは、好ましくは、無置換であるか又は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、基本保護基で置換されたアミノ基からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されている。ここで、前記C1−6アルキル基は、無置換であるか、ハロゲン原子、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基及びジC1−6アルキルアミノカルボニル基等から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。ここで、前記C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基及びジC1−6アルキルアミノカルボニル基等は、無置換であるか又は、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基又は3−11員含窒素非芳香族ヘテロ環基より置換されている。
ヌクレオシドの糖は、好ましくは、リボース又は2’−デオキシリボースである。
中でも好ましくは、リボース、基本保護基で置換されたリボース、又は2’−デオキシリボースであり、より好ましくは、リボース、C1−6アルキル基若しくはC1−6アルコキシC1−6アルキル基で置換されたリボース、又は2’−デオキシリボースである。ここで、前記C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシC1−6アルキル基等の基本保護基は、好ましくはリボースの2’位ヒドロキシ基に置換している。さらに好ましくは、リボース、2’−O−メチルリボース、2’−O−(メトキシエチル)リボース又は2’−デオキシリボースであり、さらにより好ましくは、リボース、2’−O−(メトキシエチル)リボース又は2’−デオキシリボースであり、特に好ましくは、2’−O−(メトキシエチル)リボース又は2’−デオキシリボースである。
本明細書において、「核酸塩基」とは、核酸の合成に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、シトシル基、ウラシル基、チミニル基、5−メチルシトシル基等のピリミジン塩基、アデニル基、グアニル基等のプリン塩基を挙げることができる。また、「基本保護基で置換された核酸塩基」とは、例えば、アミノ基を有する核酸塩基であるアデニル基、グアニル基、又はシトシル基において、アミノ基が基本保護基で置換されていること、ヒドロキシ基を有する核酸塩基である場合においてヒドロキシ基が基本保護基で置換されていること、スルファニル基を有する核酸塩基である場合においてスルファニル基が基本保護基で置換されていること、又はカルボニル基を有する核酸塩基において、その環に置換されているアミノ基又はヒドロキシ基と共役してカルボニル基がヒドロキシ基の形になって該ヒドロキシ基が基本保護基で置換されていること等を意味し、3’位又は5’位における一時保護基の脱保護条件に耐え得る保護基により保護されている核酸塩基が好ましい。
前記核酸塩基における「アミノ基の基本保護基」としては、特に限定されず、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等に記載されている保護基を挙げることができる。かかる「アミノ基の基本保護基」の具体例としては、例えば、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、4−tert−ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、ジメチルアセトアミジニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらの中でも、ピバロイル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、ジメチルアセトアミジニル基及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基が好ましく、ベンゾイル基及びイソブチリル基がより好ましい。
また、前記核酸塩基における「アミノ基の基本保護基」の具体例としては、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、アラルキルアミノカルボニル基等のアミノカルボニル型保護基を挙げることができる。
C6−10アリールアミノカルボニル基としては、フェニルアミノカルボニル基(ここで、フェニルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)等が挙げられる。
前記アミノカルボニル型保護基のC6−10アリールは、好ましくは、フェニル、2−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、2−シアノフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,6−ジメチルフェニル、ペンタフルオロフェニル、2−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキシフェニル、2,4,5−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニルである。
前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基は、好ましくは、2−ピリジルアミノカルボニル基、3−ピリジルアミノカルボニル基、4−ピリジルアミノカルボニル基である。
前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基は、好ましくは、N−(p−トルエンスルホニル)アミノカルボニル基、ベンゼンスルホニルアミノカルボニル基である。
前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、好ましくは、エチルアミノカルボニル基である。
前記アラルキルアミノカルボニル基は、好ましくは、ベンジルアミノカルボニル基等を挙げることができる。
アデニル基のアミノ基の保護基は、好ましくは、フェニルアミノカルボニル基(該フェニルアミノカルボニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)又は、ピリジルアミノカルボニル基であり、さらに好ましくは、2−ニトロフェニルアミノカルボニル基、2−トリフルオロメチルフェニルアミノカルボニル基、ペンタフルオロフェニルアミノカルボニル基、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニルアミノカルボニル基、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニルアミノカルボニル基、3−ピリジルアミノカルボニル基、又は4−ピリジルアミノカルボニル基であり、特に好ましくは、2−クロロ−6−トリフルオロメチルフェニルアミノカルボニル基である。
シトシル基及び5−メチルシトシル基のアミノ基の保護基は、好ましくは、フェニルアミノカルボニル基(該フェニルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は少なくとも1つのC1−6アルコキシ基若しくはC1−6ハロアルコキシ基で置換されている)又はピリジルアミノカルボニル基であり、より好ましくは、フェニルアミノカルボニル基、2,3−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基、2,4−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基、2,5−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基、3−ピリジルアミノカルボニル基、又は4−ピリジルアミノカルボニル基であり、さらに好ましくは、フェニルアミノカルボニル基、2,3−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基、2,4−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基又は2,5−ジメトキシフェニルアミノカルボニル基であり、特に好ましくは、フェニルアミノカルボニル基である。
前記核酸塩基における「ヒドロキシ基の基本保護基」としては、特に限定されず、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等に記載されている任意の保護基を挙げることができる。具体的には、C1−6アルキル基(メチル基、tert−ブチル基等)、C6−10アリールメチル基(ベンジル基、p−メトキシベンジル基等)、C1−6アルコキシC1−6アルキル基(メトキシメチル基、メトキシエチル基、シアノエトキシメチル基、エトキシエチル基等)、2−テトラヒドロピラニル基、2−シアノエチル基、カルバモイル基(フェニルカルバモイル基、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−チオカルバモイル基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、レブリニル基、3−ベンゾイルプロピオニル基等)、シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等)、[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル基(Tom基)、1−(4−クロロフェニル)−4−エトキシピペリジン−4−イル基(Cpep基)等を挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基又はp−メトキシベンジル基が好ましい。
前記核酸塩基における「スルファニル基の基本保護基」としては、「ヒドロキシ基の基本保護基」と同様の保護基に加えて、ジスルフィド結合を形成する保護基を挙げることができる。
また、核酸塩基のカルボニル基が共役してヒドロキシ基の形になって保護されているとき、例えば、フェノール、2,5−ジクロロフェノール、3−クロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2−ホルミルフェノール、2−ナフトール、4−メトキシフェノール、4−クロロフェノール、2−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、4−アセチルアミノフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−ピバロイロキシベンジルアルコール、4−ニトロフェネチルアルコール、2−(メチルスルホニル)エタノール、2−(フェニルスルホニル)エタノール、2−シアノエタノール、2−(トリメチルシリル)エタノール、ジメチルカルバミン酸クロリド、ジエチルカルバミン酸クロリド、エチルフェニルカルバミン酸クロリド、1−ピロリジンカルボン酸クロリド、4−モルホリンカルボン酸クロリド、ジフェニルカルバミン酸クロリド等を反応させて、カルボニル基を保護することが出来る。
また、該「核酸塩基」には、上記の基の他に、核酸塩基が任意の置換基(例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、アラルキル基、C1−6アルコキシ基、アシル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基等)により任意の位置に1から3個置換されている修飾核酸塩基(例えば、8−ブロモアデニル基、8−ブロモグアニル基、5−ブロモシトシル基、5−ヨードシトシル基、5−ブロモウラシル基、5−ヨードウラシル基、5−フルオロウラシル基、5−メチルシトシル基、8−オキソグアニル基、ヒポキサンチニル基等)及びデメチル化された修飾核酸塩基(例えば、チミンの5−デメチル化)等も包含される。また、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ−(2016年、59巻、21号、9645−9667頁)、メディシナル・ケミストリー・コミュニケーションズ(2014年、5巻、1454−1471頁)、フューチャー・メディシナル・ケミストリー(2011年、3巻、3号、339−365頁)等に、ヌクレオチドにおける塩基部分の修飾の例が開示されており、これらを用いることができる。
〔伸長反応サイクル〕
本明細書中「伸長反応サイクル」は、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基又は5’−ヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させるか、又は、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基又は5’−ヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換した後に、該3’位又は5’位の反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を、ヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させ、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基又はヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドとの結合体を得る反応サイクルを意味する。
伸長反応サイクルは、例えば、ある実施態様において、擬似固相保護基を少なくとも1つ有し、3’位又は5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して3’位又は5’位にヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを生成する反応を含む工程と、生成したヒドロキシ基を反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させ、これらが亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合等を介して結合したオリゴヌクレオチドを得る工程と、を含む。
伸長反応サイクルは、ある実施態様においては、擬似固相保護基を少なくとも1つ有し、3’位又は5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの一時保護基を除去してヒドロキシ基を生成する反応を含む工程と、生成したヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換する工程と、生成した反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を、ヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと反応させ、これらが亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合等を介して結合したオリゴヌクレオチドを得る工程と、を含む。
〔擬似固相保護基〕
本発明に使用される擬似固相保護基とは、該保護基を反応基質が有することにより、反応基質及び反応生成物が低極性溶媒に可溶化し、液相中の反応が可能であると共に、一定以上の極性溶媒の添加により反応生成物又は反応基質が沈殿し、固液分離が可能となる保護基である。擬似固相保護基を有する反応基質を使用することにより、反応性と後処理の簡便性とを両立することができる。
前記伸長反応サイクルにおける擬似固相保護基としては、5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基の下記一時保護基を除去する条件で安定であることが好ましく、「伸長反応サイクル」において安定であることが好ましい。
擬似固相保護基としては、下記式(III)で表される基が挙げられる。
Figure 2018203574
式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であるか、又は
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、
少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
及びLは、それぞれ独立して、単結合、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
及びLは、それぞれ独立して、単結合、−COO−、−CON(R)−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−OCO−、−N(R)CO−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−C(O)−又は−O−であり、
及びLは、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基であり、
mは、0又は1である。
本明細書において、「少なくとも1つのRの炭素数は10以上」であるとは、当該式中に存在する1又は複数のRの中で、少なくとも1つのRが、所与の選択肢のいずれかの基であって、かつ炭素数10以上の炭化水素部分を含む基(例えば、少なくとも1つのRが、C10−40アルキル基、C10−40アルケニル基又はC10−40アルキニル基であるか、又はRが、式 −L−O−Rであり、かつLが、C10−40アルキレン基、C10−40アルケニレン基又はC10−40アルキニレン基であるか、及び/又はRが、C10−40アルキル基、C10−40アルケニル基又はC10−40アルキニル基である)であることを意味する。
式(III)で表される基の一態様としては、以下が挙げられる。
Figure 2018203574
式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
は、単結合、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
は、単結合、−COO−、−CON(R)−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−OCO−、−N(R)CO−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−C(O)−又は−O−であり、
は、単結合、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
は、単結合、−COO−、−CON(R)−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−OCO−、−N(R)CO−(式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)、−C(O)−又は−O−であり、
は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基であり、
は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基であり、
mは、0又は1である。
ここで、Lが、−COO−又は−O−であり、Lが、−OCO−又は−O−であるとき、Lは、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であることが好ましい。また、Lが、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、Lが、単結合であるとき、Lは、単結合であることが好ましい。
擬似固相保護基が、オリゴヌクレオチドの2’位、3’位又は5’位を保護するとき、前記擬似固相保護基が保護する基は、前記2’位、3’位又は5’位のヒドロキシ基である。前記擬似固相保護基が、オリゴヌクレオチドの核酸塩基部を保護するとき、前記擬似固相保護基が保護する基は、前記核酸塩基部のヒドロキシ基又はアミノ基である。
擬似固相保護基としては、レブリニル基を部分構造として含み、該レブリニル基がオリゴヌクレオチドを保護する部位(2’位、3’位、5’位又は核酸塩基部)と結合する、レブリニル型擬似固相保護基も挙げられる。該レブリニル型擬似固相保護基としては、下記式(II)で表される基が挙げられる。
Figure 2018203574
式中、*は、前記擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であるか、又は式 −L−O−R(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、
12が、単結合のとき、L13は、単結合、又は−C(O)−である。
好ましいレブリニル型擬似固相保護基は、前記式(II)で表され、
式(II)中、*は、前記擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基であり、
12は、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基である。
擬似固相保護基としては、トリチル基を部分構造として含み、該トリチル基がオリゴヌクレオチドを保護する部位(2’位、3’位、5’位又は核酸塩基部)と結合する、トリチル型擬似固相保護基も挙げられる。該トリチル型擬似固相保護基としては、下記式(VI)で表される基が挙げられる。
Figure 2018203574

式中、*は、前記擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である。
トリチル型擬似固相保護基は、好ましくは、5’位に結合する。
擬似固相保護基の代表的な例としては、例えば、
3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジルオキシスクシニル基、
(3−{3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンジルオキシカルボニル}プロパノイル基)、
3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイル基、
4−オキソ−4−(2,4,6−トリス(オクタデシルオキシ)フェニル)ブチリル基、
2−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド)エトキシスクシニル基(3−[2−{3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド}エトキシカルボニル]プロパノイル基)、
2−(N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド)エトキシスクシニル基(3−[2−{N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド}エトキシカルボニル]プロパノイル基)、
(N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド)アセチル基、
((3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイル)オキシ)メチル基、
2−(N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド)エトキシスクシニルオキシメチル基({(3−[2−{N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド}エトキシカルボニル]プロパノイル)オキシ}メチル基)、
5−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−4−オキソ−ペンタノイル基、
5−(2,4,6−トリス(オクタデシルオキシ)ベンゾイルオキシ)−4−オキソ−ペンタノイル基、
4−オキソ−6−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)フェニル)ヘキサノイル基、
(E)−4−オキソ−6−(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)フェニル)−5−ヘキセノイル基、
ジフェニル(3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)フェニル)メチル基、
ジフェニル(3,4−ジ(ドコシルオキシ)フェニル)メチル基、
ジフェニル(3,5−ジ(ドコシルオキシ)フェニル)メチル基、
ビス(4−(ドコシルオキシ)フェニル)フェニルメチル基、
及び、(4−((12−(オクタデシルオキシ)ドデシル)オキシ)フェニル)ジフェニルメチル基
などが挙げられる。
擬似固相保護基の具体例としては、特開2010−275254号、国際公開第2012/157723号、国際公開第2014−077292号、オーガニック レターズ(Organic Letters)、2016年、18巻、800−803頁等に開示された基も挙げられる。
〔一時保護基〕
本発明に使用される一時保護基とは、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基を保護する保護基であって、前記「伸長反応サイクル」において脱保護される保護基であり、かつ前記「擬似固相保護基」が有する機能を有さない保護基である。脱保護された5’位ヒドロキシ基若しくは3’位ヒドロキシ基は、伸長反応サイクルにおいて、別のヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの反応性リン含有基との結合に利用されるか、又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換された後、別のヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基との結合に利用される。一時保護基は、例えば、以下の文献に記載されるような保護基が挙げられる。
Protective Groups in Organic Synthesis, Greene T. W. and Wuts P.G.M., published by Wiley Interscience, 1999及びProtecting Groups, Kocienski P. J., 1994, Georg Thieme Verlag。
〔基本保護基〕
本発明に使用される基本保護基とは、核酸塩基中のアミノ基、カルボニル基、ヒドロキシ基若しくはスルファニル基、又は2’位ヒドロキシ基若しくはアミノ基、3’位ヒドロキシ基若しくは5’位ヒドロキシ基、又はリン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合若しくは亜リン酸ジエステル結合のヒドロキシ基、又はチオリン酸ジエステル結合のスルファニル基を保護する保護基であり、前記「伸長反応サイクル」においては脱保護されず、かつ前記「擬似固相保護基」が有する機能を有さない一般的な保護基である。基本保護基は、例えば、以下の文献に記載される保護基が挙げられる。
Protective Groups in Organic Synthesis, Greene T. W. and Wuts P.G.M., published by Wiley Interscience, 1999及びProtecting Groups, Kocienski P. J., 1994, Georg Thieme Verlag。
擬似固相保護基、一時保護基、又は基本保護基により置換された官能基(ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基等)とは、官能基が有する水素原子が当該保護基により置き換えられた基を意味する。
擬似固相保護基又は基本保護基により置換された核酸塩基とは、核酸塩基が有する官能基(ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基等)の水素原子が当該保護基により置き換えられた核酸塩基を意味する。前記核酸塩基が有する官能基には、共役することにより生成する官能基も含まれる。
反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基とは、ヒドロキシ基が有する水素原子が前記「反応性リン含有基」により置き換えられた基を意味する。
「基本保護基で置換されたリン酸ジエステル結合」は、リン酸ジエステル結合がヒドロキシ基を有するとき、当該ヒドロキシ基が基本保護基で置換されていることを意味し、「リン酸トリエステル結合」に包含される。
「基本保護基で置換された亜リン酸ジエステル結合」は、亜リン酸ジエステル結合がヒドロキシ基を有するとき、当該ヒドロキシ基が基本保護基で置換されていることを意味し、「亜リン酸トリエステル結合」に包含される。
「基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合」は、チオリン酸ジエステル結合がヒドロキシ基又はスルファニル基を有するとき、当該ヒドロキシ基又はスルファニル基が基本保護基で置換されていることを意味し、それぞれ「チオリン酸トリエステル結合」、「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」に包含される。
本明細書中「4’位炭素原子に架橋する有機基」は、糖の2’位と4’位とを架橋する有機基を意味し、特に限定されないが、例えば、C2−6アルキレン基[該アルキレン基は無置換であるか、又はC1−6アルキル基で置換されている。ここで、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は−O−、−NR11−(R11は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)、−S−、−CO−、−CS−、−COO−、−OCONR12−(R12は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)、−CONR13−(R13は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)及び−CSNR14−(R14は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている]である架橋基を意味する。
〔オリゴヌクレオチドの製造方法〕
次に、本発明にかかるオリゴヌクレオチドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)について説明する。具体的には、擬似固相保護基で保護されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(以下、「n個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)から、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(以下、「p個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)で伸長され、擬似固相保護基で保護されたオリゴヌクレオチド(以下、「n+p個重合オリゴヌクレオチド」ともいう)を製造する方法について説明する。なお、n個重合オリゴヌクレオチドとは、n個のヌクレオシドがリン含有基を介して結合したオリゴヌクレオチドを意味し、n=1の場合、n個重合オリゴヌクレオチドはヌクレオシドと解され、p個重合オリゴヌクレオチドについても同様である。
ここで、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の核酸塩基部を有する場合、それぞれの核酸塩基部は同一であっても異なっていてもよく、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の擬似固相保護基を有する場合、それぞれの擬似固相保護基は同一であっても異なっていてもよく、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の基本保護基を有する場合、それぞれの基本保護基は同一であっても異なっていてもよく、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の4’位炭素原子に架橋する有機基を有する場合、それぞれの4’位炭素原子に架橋する有機基は同一であっても異なっていてもよい。
p個重合オリゴヌクレオチドについても同様である。
オリゴヌクレオチドの製造方法は、2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、5’位又は3’位がヒドロキシ基であるか又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、3’位又は5’位がヒドロキシ基であるか又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと結合体を生成させるカップリング工程を含む。
ここで、オリゴヌクレオチドの製造方法は、前記擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが反応性リン含有基を有するかによって、方法A又は方法Bに分類される。
方法Aでは、前記擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの5’位又は3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、前記擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、3’位又は5’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと結合する。
方法Bでは、前記擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの5’位又は3’位がヒドロキシ基であり、前記擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、3’位又は5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと結合する。
またオリゴヌクレオチドの製造方法は、前記カップリング工程を含む伸長反応サイクルを少なくとも1つ含む。
オリゴヌクレオチドの製造方法は、H−ホスホネート法を用いても、ホスホロアミダイト法を用いてもよい。
オリゴヌクレオチドの製造方法の方法Aは、好ましくは以下の工程aから工程dを伸長反応サイクルに含む。なお、工程aから工程dの順番は、工程a、工程b、工程c、工程dの順に行うか、工程a、工程d、工程b、工程cの順に行う。好ましい順は、工程a、工程b、工程c、工程dの順である。
方法Bは、好ましくは以下の工程a、工程c及び工程dを伸長反応サイクルに含む。その順番は、工程a、工程c、工程dの順に行うか、工程a、工程d、工程cの順に行う。好ましい順は、工程a、工程c、工程dの順である。
(工程a)
工程aは、伸長末端ではないヒドロキシ基、核酸塩基部及び2’位の中の少なくとも1つに擬似固相保護基を有し、かつ伸長末端のヒドロキシ基が一時保護基で保護されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの一時保護基を除去してヒドロキシ基とすることを含む脱一時保護基工程である。
(工程b)
工程bは、一時保護基が除去されたヒドロキシ基を反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換することを含む反応性リン化工程である。「反応性リン化」は、「反応性リン含有基化」とも言うことができる。
以下、H−ホスホネート法の場合の工程bを、工程b1とする。工程b1では、前記反応性リン含有基は、ヒドロキシホスフィニル基であり、反応性リン化工程は、H−ホスホネート化工程という。
以下、ホスホロアミダイト法の場合の工程bを、工程b2とする。工程b2では、前記反応性リン含有基は、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、反応性リン化工程は、アミダイト化工程という。
(工程c)
工程cは、工程aで一時保護基が除去されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド、又は工程bで反応性リン化されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに対して、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを添加して、そのヒドロキシ基を介して亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合により縮合させることを含むカップリング工程である。
方法Aでは、工程cにおいて、工程bで反応性リン化されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが用いられ、ヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが添加される。
方法Bでは、工程cにおいて、工程aで一時保護基が除去されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが用いられ、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが添加される。
以下、H−ホスホネート法の場合の工程cを、工程c1とする。工程c1では、前記反応性リン含有基は、ヒドロキシホスフィニル基であり、亜リン酸ジエステル結合が形成される。
以下、ホスホロアミダイト法の場合の工程cを、工程c2とする。工程c2では、前記反応性リン含有基は、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、亜リン酸トリエステル結合が形成される。
(工程d)
工程dは、形成された亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を、変換することを含む、変換工程である。
以下、H−ホスホネート法の場合の工程dを、工程d1とする。工程d1は、前記工程c1で形成された亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合等へと変換することを含む、亜リン酸ジエステル結合の変換工程である。
以下、ホスホロアミダイト法の場合の工程dを、工程d2とする。工程d2は、前記工程c2で形成された亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合等へと変換することを含む、亜リン酸トリエステル結合の変換工程である。
ここで、前記アミノリン酸ジエステル結合のアミノ基は、1若しくは2個のC1−6アルキル基で置換されている。
前記リン酸トリエステル結合は、リン酸ジエステル結合の1つのヒドロキシ基の水素原子が基本保護基等の置換基によって置き換えられた結合であり、例えば、C1−40アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合が挙げられる。
前記亜リン酸トリエステル結合は、亜リン酸ジエステル結合の1つのヒドロキシ基の水素原子が基本保護基等の置換基によって置き換えられた結合であり、例えば、C1−40アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合が挙げられる。
チオリン酸トリエステル結合は、チオリン酸ジエステル結合の1つのヒドロキシ基の水素原子が基本保護基等の置換基によって置き換えられた結合であり、C1−40アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合である。
チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合は、チオリン酸ジエステル結合の1つのスルファニル基の水素原子が基本保護基等の置換基によって置き換えられた結合であり、C1−40アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C6−10アリール基、5−10員ヘテロアリール基、アラルキル基又はヘテロアラルキル基等によって置き換えられた結合である。
ここで、前記リン酸トリエステル結合、前記亜リン酸トリエステル結合、チオリン酸トリエステル結合及びチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合における前記C1−40アルキル基は、無置換であるか又は、ハロゲン原子、シアノ基等によって置換されている。前記C3−6シクロアルキル基、前記C6−10アリール基、前記5−10員ヘテロアリール基、前記アラルキル基及び前記ヘテロアラルキル基は、無置換であるか又は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基等によって置換されている。
H−ホスホネート法の場合、方法Aでは、オリゴヌクレオチドの製造方法は、工程a、工程b1、工程c1及び工程d1を伸長反応サイクルに含む。順番は、工程a、工程b1、工程c1、工程d1の順に行うか、工程a、工程d1、工程b1、工程c1の順に行う。好ましい順は、工程a、工程b1、工程c1、工程d1の順である。
また、H−ホスホネート法の方法Bでは、オリゴヌクレオチドの製造方法は、工程a、工程c1及び工程d1を伸長反応サイクルに含む。このとき、工程b1は伸長反応サイクルに含まれない。順番は、工程a、工程c1、工程d1の順に行うか、工程a、工程d1、工程c1の順に行う。好ましい順は、工程a、工程c1、工程d1の順である。
ホスホロアミダイト法の場合、方法Aでは、オリゴヌクレオチドの製造方法は、工程a、工程b2、工程c2及び工程d2をこの順に伸長反応サイクルに含む。順番は、工程a、工程b2、工程c2、工程d2の順に行うか、工程a、工程d2、工程b2、工程c2の順に行う。好ましい順は、工程a、工程b2、工程c2、工程d2の順である。
また、ホスホロアミダイト法の方法Bでは、オリゴヌクレオチドの製造方法は、工程a、工程c2及び工程d2を伸長反応サイクルに含む。このとき、工程b2は伸長反応サイクルに含まれない。順番は、工程a、工程c2、工程d2の順に行うか、工程a、工程d2、工程c2の順に行う。好ましい順は、工程a、工程c2、工程d2の順である。
工程aに用いる擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオシド数nは、1以上の任意の整数であれば特に限定されないが、好ましくは、1から100であり、より好ましくは1から50であり、更に好ましくは1から30であり、更により好ましくは1から20であり、更により好ましくは1から10であり、特に好ましくは1から5である。
工程aに用いる擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの擬似固相保護基は、好ましくは、前記一時保護基を除去する条件で安定である。
工程cに用いるヒドロキシ基、又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオシド数pは、1以上の任意の整数であれば特に限定されないが、好ましくは、1から50であり、より好ましくは1から30であり、更に好ましくは1から20であり、更に好ましくは1から5であり、更により好ましくは1から3であり、特に好ましくは1、つまりヌクレオシドを用いることが特に好ましい。
ある実施態様において、工程cに用いるヒドロキシ基、又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(p個重合オリゴヌクレオチド)は、擬似固相保護基を有しても有さなくてもよいが、n+pが11以上の整数である場合、カップリング反応が良好に進行するという観点から、また、得られたカップリング体が後述する工程eで精製し易いという観点から、擬似固相保護基を有さないことが好ましい。また、n+pが11以上の整数である場合、pは1でもよいが、収束的合成の観点から、n及びpが、それぞれ独立して、2以上の整数であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましく、5以上であることがさらにより好ましい。このとき、nは、好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上である。また、n+pは、好ましくは、12以上であり、より好ましくは15以上であり、さらに好ましくは20以上である。
工程dで得られた反応混合物を、そのまま工程aに使用することもできる。また、工程d終了後に適宜昇温などを行うことで、同時に工程aを行うこともできる。
オリゴヌクレオチドの製造方法は、更に、下記工程eを含むことにより、簡便かつ効果的に過剰原料や副生物を除去してヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを精製することができる。
(工程e)
工程eは、工程aから工程dのいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合して、擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する分離工程である。
方法AのH−ホスホネート法の場合、工程a、工程b1、工程c1及び工程d1のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合する。
方法Aのホスホロアミダイト法の場合、工程a、工程b2、工程c2及び工程d2のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合する。
方法BのH−ホスホネート法の場合、工程a、工程c1及び工程d1のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合する。
方法Bのホスホロアミダイト法の場合、工程a、工程c2及び工程d2のいずれかで得られた反応混合物と極性溶媒とを混合する。
なお、工程eは、擬似固相保護基を用いない通常の液相合成法にも、固相合成法にも存在し得ない、擬似固相保護基を用いる液相合成法に特有の工程である。
前記反応混合物と極性溶媒とを混合する際、反応混合物に極性溶媒を添加してもよく、極性溶媒に反応混合物を添加してもよい。好ましくは、極性溶媒に反応混合物を添加する。
伸長反応サイクルに含まれる工程eの数は、特に制限されない。工程eは、工程aから工程dのいずれの工程の後にも、行うことができる。
方法Aの場合、工程eは、工程aから工程dの各工程の後に、それぞれ独立して、例えば0〜5回含まれ、好ましくは0〜3回含まれ、より好ましくは0〜2回含まれ、さらに好ましくは0又は1回含まれる。ここで、工程a〜dの後の少なくとも1つに、1回以上の工程eが含まれる。
伸長反応サイクルには、1から4回の工程eが含まれることが好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後、工程bの後及び工程dの後の少なくとも1つに、それぞれ1回含まれることが、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程bの後に1回含まれるか、工程dの後に1回含まれるか、又は工程b及び工程dの後にそれぞれ1回含まれることが、より好ましい。
その他の態様として、工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後に1回含まれるか、工程bの後に1回含まれるか、又は工程a及び工程bの後にそれぞれ1回含まれることが、より好ましく、工程aの後に1回含まれることがさらに好ましく、工程a及び工程bの後にそれぞれ1回含まれることが、さらにより好ましい。
原料の当量管理と反応を制御することによって副生物の発生量を制御できる状況であれば、工程aから工程dを基本単位として実施し、工程eを含有させることが好ましい。
方法Bの場合、工程eは、工程a、工程c、工程dの各工程の後に、それぞれ独立して、例えば0〜5回含まれ、好ましくは0〜3回含まれ、より好ましくは0〜2回含まれ、さらに好ましくは0又は1回含まれる。ここで、工程a、c、dの後の少なくとも1つに、1回以上の工程eが含まれる。
伸長反応サイクルには、1から3回の工程eが含まれることが好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後、工程cの後及び工程dの後の少なくとも1つに、それぞれ1回含まれることが、副生物発生を厳格に管理・制御でき、高純度のオリゴヌクレオチドに導けるという観点で好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後に1回含まれるか、工程dの後に1回含まれるか、又は工程a及び工程dの後にそれぞれ1回含まれることが、より好ましい。工程eは、伸長反応サイクル中に、工程aの後に1回含まれるか、又は工程a及び工程dの後にそれぞれ1回含まれることが、さらに好ましい。
原料の当量管理と反応を制御することによって副生物の発生量を制御できる状況であれば、工程a、工程c、工程dを基本単位として繰り返した後、工程eを行うことが好ましい。
オリゴヌクレオチドの製造方法は、更に、工程fを含んでいてもよい。これにより、所望のオリゴヌクレオチドを単離・製造することができる。
(工程f)
工程fは、工程aから工程eで得られたオリゴヌクレオチドの基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基を除去する全脱保護工程である。
オリゴヌクレオチドの製造方法は、前記工程fの代わりに、工程gを含んでもよい。なお、工程gの後に、擬似固相保護基が維持されている場合、工程gの後に工程fを実施してもよい。これにより、所望のオリゴヌクレオチドを単離、製造することができる。
(工程g)
工程gは、工程aから工程eで得られたオリゴヌクレオチドの基本保護基及び/又は一時保護基を維持しながら、選択的に擬似固相保護基を除去する、脱擬似固相保護基工程である。
工程gは、工程d又は工程eの後に実施されることが好ましい。
オリゴヌクレオチドの製造方法はオリゴヌクレオチドの伸長方向によって、方法Aは主に方法A(5’)又は方法A(3’)に、方法Bは主に方法B(5’)又は方法B(3’)に分類される。方法A(5’)及び方法B(5’)では、5’位のヒドロキシ基を工程aから工程dにより変換し、5’位にヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを伸長する。方法A(3’)及び方法B(3’)では、3’位のヒドロキシ基を工程aから工程dにより変換し、3’位にヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを伸長する。
方法A(5’)は、
2’位、3’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、3’位に基本保護基又は擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第一ヌクレオシド又は第一オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して5’−ヒドロキシ基を生成することを含む第一工程(工程a)と、
生成した5’−ヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換することを含む第二工程(工程b)と、
生成した、反応性リン含有基で置換された5’−ヒドロキシ基と、3’位にヒドロキシ基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第二ヌクレオシド又は第二オリゴヌクレオチドの3’−ヒドロキシ基とから、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第一ヌクレオシド又は第一オリゴヌクレオチドと、第二ヌクレオシド又は第二オリゴヌクレオチドとの結合体を得る第三工程(工程c)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換すること、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む第四工程(工程d)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
方法A(3’)は、
2’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、5’位に基本保護基又は擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第三ヌクレオシド又は第三オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して3’−ヒドロキシ基を生成することを含む第七工程(工程a)と、
生成した3’−ヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換することを含む第八工程(工程b)と、
生成した、反応性リン含有基で置換された3’−ヒドロキシ基と、5’位にヒドロキシ基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第四ヌクレオシド又は第四オリゴヌクレオチドの5’−ヒドロキシ基とから、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第三ヌクレオシド又は第三オリゴヌクレオチドと、第四ヌクレオシド又は第四オリゴヌクレオチドとの結合体を得る第九工程(工程c)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換すること、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む第十工程(工程d)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
方法B(5’)は、
2’位、3’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、3’位に基本保護基又は擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第五ヌクレオシド又は第五オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して5’−ヒドロキシ基を生成することを含む第十三工程(工程a)と、
生成した5’−ヒドロキシ基と、3’位に反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有し、5’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第六ヌクレオシド又は第六オリゴヌクレオチドの反応性リン含有基で置換された3’−ヒドロキシ基とから、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第五ヌクレオシド又は第五オリゴヌクレオチドと、第六ヌクレオシド又は第六オリゴヌクレオチドとの結合体を得る第十四工程(工程c)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換すること、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む第十五工程(工程d)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
方法B(3’)は、
2’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所に擬似固相保護基を有し、5’位に基本保護基又は擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第七ヌクレオシド又は第七オリゴヌクレオチドの一時保護基を除去して3’−ヒドロキシ基を生成することを含む第十八工程(工程a)と、
生成した3’−ヒドロキシ基と、5’位にに反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基を有し、3’位に一時保護基で置換されたヒドロキシ基を有する第八ヌクレオシド又は第八オリゴヌクレオチドの反応性リン含有基で置換された5’−ヒドロキシ基とから、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を形成して、第七ヌクレオシド又は第七オリゴヌクレオチドと、第八ヌクレオシド又は第八オリゴヌクレオチドとの結合体を得る第十九工程(工程c)と、
結合体の亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換すること、あるいは
結合体の亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む第二十工程(工程d)と、を含むオリゴヌクレオチドの製造方法である。
方法A(5’)、方法A(3’)、方法B(5’)及び方法B(3’)のいずれにおいても、H−ホスホネート法の場合、カップリング工程は亜リン酸ジエステル結合を形成し、該亜リン酸ジエステル結合は、工程dでリン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換される(工程c1、工程d1)。ホスホロアミダイト法の場合、カップリング工程は亜リン酸トリエステル結合を形成し、該亜リン酸トリエステル結合は、工程dでリン酸トリエステル結合、又はチオリン酸トリエステル結合に変換される(工程c2、工程d2)。
以下に、工程aから工程gについて順に詳細に説明する。
(工程a)(脱一時保護基工程)
まず、方法A(5’)、方法A(3’)、方法B(5’)又は方法B(3’)のそれぞれの場合の工程aをスキーム1又は2に示す。
方法A(5’)及び方法B(5’)における工程aは、低極性溶媒中において、5’位ヒドロキシ基がフッ素試薬、酸又は塩基で除去可能な一時保護基Rで保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(ia)(式中、nは、1以上の任意の整数を示し、n=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)の一時保護基Rを、フッ素試薬、酸又は塩基の添加により除去する工程(脱一時保護基工程)である(スキーム1)。
Figure 2018203574
スキーム中、nは、1以上の任意の整数を示し、Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基、基本保護基で置換された核酸塩基又は擬似固相保護基で置換された核酸塩基を示し、Rは、一時保護基を示し、Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、4’位炭素原子に架橋する有機基又は擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を示し、Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、Zは、基本保護基、一時保護基又は擬似固相保護基を示す。ここで、Vが硫黄原子のとき、該硫黄原子が結合するリン原子に結合するYは、基本保護基で置換されたヒドロキシ基を示す。ここで、Base、X及びZの中の少なくとも1つに擬似固相保護基が含まれる。
ここで、スキーム1中化合物(ia)又は(iia)が、2以上の核酸塩基部を有する場合、それぞれの核酸塩基部は同一であっても異なっていてもよく、(ia)又は(iia)が、2以上の擬似固相保護基を有する場合、それぞれの擬似固相保護基は同一であっても異なっていてもよく、(ia)又は(iia)が、2以上の基本保護基を有する場合、それぞれの基本保護基は同一であっても異なっていてもよく、n個重合オリゴヌクレオチドが、2以上の4’位炭素原子に架橋する有機基を有する場合、それぞれの4’位炭素原子に架橋する有機基は同一であっても異なっていてもよい。
方法A(3’)及び方法B(3’)における(工程a)は、低極性溶媒中において、3’位ヒドロキシ基がフッ素試薬、酸又は塩基で除去可能な一時保護基Rで保護されたn個重合オリゴヌクレオチド(ib)(式中、nは、1以上の任意の整数を示し、n=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)の一時保護基Rを、フッ素試薬、酸又は塩基の添加により除去する工程(脱一時保護基工程)である(スキーム2)。なお、スキーム中、n、Base、R、X、V、Y及びZは、スキーム1における定義に同じである。
Figure 2018203574
Baseにおける、核酸塩基、基本保護基で置換された核酸塩基又は擬似固相保護基で置換された核酸塩基の核酸塩基は、好ましくは、シトシン、ウラシル、チミン、5−メチルシトシン、アデニン及びグアニンから独立して選択される。
擬似固相保護基は、Base及びZの中の少なくとも1つに含まれることが好ましく、Zの中に含まれることがより好ましい。
Zは、好ましくは、基本保護基又は擬似固相保護基であり、より好ましくは擬似固相保護基である。
少なくとも1つの擬似固相保護基は、一時保護基を除去する条件で安定である。
又はZに含まれる好ましい擬似固相保護基は、前述の式(III)で表される基であり、より好ましくは、前述の式(III)中、mが0である基である。前述の式(III)中、Rは、好ましくは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基、又は式 −L−O−R(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、より好ましくは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である。
又はZに含まれる擬似固相保護基は、更に好ましくは、下記式(III−2)で表される基である。
Figure 2018203574

式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、sは、1から5の整数であり、
は、C1−6アルキレン基又はC2−6アルケニレン基であり、
は、C1−6アルキレン基又はC2−6アルケニレン基であり、
は、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基又はC2−6アルケニル基である。
その他の態様として、X又はZに含まれる好ましい擬似固相保護基は、前述の式(II)で表される、レブリニル型擬似固相保護基である。
その他の態様として、X又はZに含まれる好ましい擬似固相保護基は、前述の式(VI)で表される、トリチル型擬似固相保護基である。
Baseに含まれる好ましい擬似固相保護基は、前述の式(III)で表される基であり、より好ましくは、前述の式(III)中、mが0であり、L、L、L及びLのうち単結合の数が0から3である基である。
擬似固相保護基のさらに好ましい形態及び他の態様は、X又はZに含まれる擬似固相保護基と同様である。
式(III)又は(III−2)において、Rは、好ましくは、C10−30アルキル基又はC10−30アルケニル基であり、より好ましくはC10−30アルキル基であり、さらに好ましくはC15−25アルキル基であり、さらにより好ましくは、C15−22アルキル基であり、特に好ましくは、オクタデシル基である。その他の態様として、特に好ましくは、ドコシル基である。
式(III)又は(III−2)において、sは、好ましくは、2から4の整数であり、より好ましくは3である。sが2から5であるとき、それぞれのRは、同一であっても異なっていてもよい。
式(III)又は(III−2)において、Lは、好ましくはC1−6アルキレン基であり、特に好ましくはエチレン基である。
式(III)又は(III−2)において、Lは、好ましくはC1−6アルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
式(III)又は(III−2)において、Rは、好ましくは水素原子又はC1−6アルキル基であり、より好ましくは水素原子又はメチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
前述式(III)において、mが1であるとき、L及びLは、好ましくは、水素原子又はC1−6アルキル基であり、より好ましくは、水素原子である。
前記式(II)において、Rは、好ましくはC10−30アルキル基又はC10−30アルケニル基であり、より好ましくはC10−30アルキル基であり、さらに好ましくはC15−25アルキル基であり、さらにより好ましくは、C15−22アルキル基であり、特に好ましくは、オクタデシル基である。その他の態様として、特に好ましくは、ドコシル基である。
前記式(II)において、sは、好ましくは、2から4の整数であり、特に好ましくは、3である。sが2から5であるとき、それぞれのRは、同一であっても異なっていてもよい。
前記式(II)において、L11は、好ましくは、C1−6アルキレン基又はC2−6アルケニレン基であり、より好ましくはC1−6アルキレン基であり、特に好ましくはメチレン基である。
前記式(II)において、L12は、好ましくは−O−である。
前記式(II)において、L13は、好ましくは−C(O)−である。
その他の態様として、前記式(II)において、L11は、好ましくは、エチレン基又はエテン−1,2−ジイル基であり、L12は、好ましくは単結合であり、L13は、好ましくは単結合である。
前記レブリニル型擬似固相保護基は、3’位又は5’位に結合することが好ましく、3’位に結合することがさらに好ましい。
前記式(VI)において、Rは、好ましくはC10−30アルキル基又はC10−30アルケニル基であり、より好ましくはC10−30アルキル基であり、さらに好ましくはC15−25アルキル基であり、特に好ましくは、オクタデシル基又はドコシル基である。
その他の態様として、Rは、好ましくは、−L−O−R
で表される基であり、中でもRは、好ましくは、C10−30アルキル基又はC10−30アルケニル基であり、より好ましくはC10−30アルキル基であり、さらに好ましくはC15−22アルキル基であり、特に好ましくは、オクタデシル基又はドコシル基であり、Lは、好ましくは、C10−20アルキレン基であり、特に好ましくは、ドデカン−1、12−ジイル基である。
前記式(VI)において、sは、好ましくは、1から3の整数である。
前記式(VI)において、tは、好ましくは0である。
前記式(VI)において、Arは、好ましくは、フェニル基である。
オリゴヌクレオチドの伸長末端のヒドロキシ基に用いることができる一時保護基Rは、フッ素試薬、酸又は塩基で脱保護可能であり、ヒドロキシ基の保護基として用いられるものであれば、特に限定はされない。フッ素試薬で脱保護可能な一時保護基Rとしては、シリル基(tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基等)が挙げられる。酸で脱保護可能な一時保護基Rとしては、キサンテニル基(9−(9−フェニル)キサンテニル基、9−フェニルチオキサンテニル基等)、アルコキシメチル基(1−メトキシ−1−メチルエチル基、1,3−ジオキソラン−2−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−2−イル基等)、アルキルチオメチル基(1,3−ジチオラン−2−イル基、1,3−ベンゾジチオール−2−イル基)、C1−6アルコキシカルボニル基(tert−ブチルオキシカルボニル基等)、及びトリアリールメチル基(トリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基等)等が挙げられる。塩基で脱保護可能な一時保護基Rとしては、レブリニル基、3−ベンゾイルプロピオニル基が挙げられる。好ましくは、tert−ブチルジメチルシリル基、トリチル基、9−(9−フェニル)キサンテニル基、9−フェニルチオキサンテニル基、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1−フェニルメチル基(ジメトキシトリチル基)、1−(4−メトキシフェニル)−1,1−ジフェニルメチル基(モノメトキシトリチル基)である。これらの中でも、脱保護のしやすさ、入手の容易さの観点から、tert−ブチルジメチルシリル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基であることが好ましく、tert−ブチルジメチルシリル基、ジメトキシトリチル基がより好ましく、ジメトキシトリチル基が特に好ましい。
前記一時保護基は、X又はZにおける擬似固相保護基及び後述の基本保護基に応じて選択される。
例えば、X又はZにおける擬似固相保護基がレブリニル型擬似固相保護基である場合、一時保護基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル基、又はトリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基等のトリアリールメチル基が好ましい。
又はZにおける擬似固相保護基がトリチル型擬似固相保護基である場合、一時保護基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル基、又はレブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基等が好ましい。
における「基本保護基で置換されたヒドロキシ基」の基本保護基としては、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等に記載されている保護基を挙げることができる。具体的には、C1−6アルキル基(メチル基、tert−ブチル基等);C6−10アリールメチル基(ベンジル基、p−メトキシベンジル基等);ジC6−10アリールメチル基(ジフェニルメチル基等);C1−6アルコキシC1−6アルキル基(メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、シアノエトキシメチル基等);2−テトラヒドロピラニル基;シアノエチル基;カルバモイル基(フェニルカルバモイル基、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−チオカルバモイル基等);アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、レブリニル基、3−ベンゾイルプロピオニル基等);シリル基(トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等);[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(Tom)基;1−(4−クロロフェニル)−4−エトキシピペリジン−4−イル(Cpep)基;カルバモイル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はジC1−6アルキルアミノカルボニル基等で置換されたC1−6アルキル基(N−メチルカルバモイルエチル基等)等を挙げることができる。これらの中でも、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、メチル基又はメトキシエチル基であることが好ましく、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、又はtert−ブチルジフェニルシリル基であることがより好ましく、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基であることがさらに好ましい。その他の態様として、レブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基が好ましく、レブリニル基がより好ましい。
は、好ましくは水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で保護されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基であり、より好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基、又はC1−6アルキル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基若しくはtert−ブチルジフェニルシリル基で置換されたヒドロキシ基であり、さらに好ましくは水素原子又は、C1−6アルキル基若しくはtert−ブチルジメチルシリル基で置換されたヒドロキシ基である。ここで、前記C1−6アルキル基は、無置換であるか、又はC1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基からなる群から選ばれる基で置換されている。Xは、さらにより好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基、メチル基又はメトキシエチル基であり、特に好ましくは、水素原子又はメトキシエチル基である。
その他の態様として、Xはより好ましくは、C2−6アルキレン基(該アルキレン基は無置換であるか、又はメチル基で置換されている。ここで、該アルキレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は−O−、−NR11−(R11は水素原子又はメチル基を示す)、−CO−、−CS−、−COO−、−OCONR12−(R12は水素原子又はメチル基を示す)、−CONR13−(R13は水素原子又はメチル基を示す)及び−CSNR14−(R14は水素原子又はメチル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている)で表される4’位炭素原子に架橋する有機基である。Xはより好ましくは、エチレン基(該エチレン基の1若しくは2つのメチレン基は、置き換えられていないか、又は−O−、−CONR13−(R13は水素原子又はメチル基を示す)及び−CSNR14−(R14は水素原子又はメチル基を示す)から選ばれる基で置き換えられている)で表される4’位炭素原子に架橋する有機基である。
Zにおける基本保護基としては、Xにおける「基本保護基で置換されたヒドロキシ基」の基本保護基として挙げられたものが挙げられる。
中でもtert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、レブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基が好ましく、レブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基がより好ましく、レブリニル基が更に好ましい。
又はZにおける基本保護基には、一時保護基及び擬似固相保護基を脱保護する条件で脱保護されない保護基を用いることができる。例えば、酸で脱保護される一時保護基又は擬似固相保護基を用いる場合、前記一時保護基に挙げられたものの内、酸では脱保護されず塩基又はフッ素試薬で脱保護される保護基を、基本保護基として用いることができる。逆に、塩基で脱保護される一時保護基又は擬似固相保護基を用いる場合、前記一時保護基に挙げられたものの内、塩基では脱保護されず酸又はフッ素試薬で脱保護される保護基を、基本保護基として用いることができる。また、フッ素試薬で脱保護される一時保護基を用いる場合、前記一時保護基に挙げられたものの内、フッ素試薬では脱保護されず酸又は塩基で脱保護される保護基を、基本保護基として用いることができる。
例えば、X又はZにおける基本保護基がレブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基等である場合、一時保護基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル基、又はトリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基等のトリアリールメチル基であることが好ましい。
一時保護基がレブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基等である場合、X又はZにおける基本保護基は、tert−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル基、又はトリチル基、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基等のトリアリールメチル基であることが好ましい。特に方法Bの場合に、レブリニル基又は3−ベンゾイルプロピオニル基等が一時保護基として用いられる。
nは、工程aに用いる擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドに含まれるヌクレオシド数nであり、その好ましい態様は、前述の通りである。
Vは、好ましくは酸素原子である。
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示す。基本保護基で置換されたヒドロキシ基は、前述の工程dで変換される「リン酸トリエステル結合」においてヒドロキシ基の水素原子を置き換える置換基と同様の基が挙げられる。基本保護基で置換されたスルファニル基は、前述の工程dで変換される「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」においてスルファニル基の水素原子を置き換える基と同様の基が挙げられる。
Yを含めたリン含有基は、例えば以下の構造(又は、以下の構造に塩を付した構造)を有する。
Figure 2018203574
Vが酸素原子であるとき、該酸素原子が結合するリン原子に結合するYは、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基又は基本保護基で置換されたスルファニル基であり、より好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基であり、さらに好ましくは、水素原子、ヒドロキシ基又は2−シアノエトキシ基であり、さらにより好ましくは、ヒドロキシ基又は2−シアノエトキシ基であり、特に好ましくは2−シアノエトキシ基である。その他の態様として、さらに好ましくは、水素原子又は2−シアノエチルチオ基である。
Vが硫黄原子であるとき、該硫黄原子が結合するリン原子に結合するYは、それぞれ独立して、基本保護基で置換されたヒドロキシ基であり、より好ましくは、2−シアノエトキシ基である。
工程aは、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。当該溶媒における溶解度が高い程、優れた反応性が期待できるため、目的とする化合物の溶解度の高い低極性溶媒を選択することが好ましい。具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。また、上記低極性溶媒に、ピリジンなどの含窒素芳香族系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等の極性溶媒を、n個重合オリゴヌクレオチドが溶解し得る限り、任意の割合で混合して用いてもよい。中でも、工程aに用いる溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、又は、これらの組合せが好ましく、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランがより好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。
工程aにおけるn個重合オリゴヌクレオチドの溶媒中の濃度は、溶解していれば特に限定されないが、好ましくは1から30重量%である。
工程aに使用されるフッ素試薬、酸又は塩基としては、一時保護基の良好な脱保護が達成できれば特に限定されない。当業者は、一時保護基の種類に応じて、適切なフッ素試薬、酸又は塩基を選択できる。
フッ素試薬としては、フッ化水素のピリジン塩、テトラブチルアンモニウムフルオリド、フッ化水素のトリエチルアミン塩、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化アンモニウムのフッ化水素付加体、フッ化カリウム又はフッ化カリウムのフッ化水素付加体が好ましく、中でも、フッ化水素のピリジン塩又はテトラブチルアンモニウムフルオリドがより好ましく、テトラブチルアンモニウムフルオリドが特に好ましい。
酸としては、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸、硝酸アンモニウムセリウム、ホスホン酸又はリン酸が好ましく、中でも、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸又は硝酸アンモニウムセリウムがより好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は酢酸がさらに好ましく、酢酸が特に好ましい。その他の態様として、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸又はホスホン酸が特に好ましい。また、塩化水素(水溶液、1,4−ジオキサン溶液等)も好ましく、塩化水素−1,4−ジオキサン溶液が特に好ましい。
塩基としては、ヒドラジン誘導体(ヒドラジン一水和物、ヒドラジン酢酸塩、硫酸ヒドラジニウム、メチルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン塩酸塩、tert−ブチルヒドラジン、アセトヒドラジド、メチルカルバゼート、フェニルヒドラジン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩、ベンジルヒドラジン塩酸塩、2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン(70%水溶液)及び2−シアノエチルヒドラジン等)、ジアミン誘導体(エチレンジアミン等)、ヒドロキシルアミン誘導体(ヒドロキシルアミン塩酸塩等)、アミノアルコール誘導体(エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン等)、及び無機塩基(炭酸カリウム等)等が挙げられる。前記ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体は、例えば後述の式(V)中、式(V−1)又は式(V−2)で表すことができる。塩基としては、ヒドラジン誘導体が好ましく、ヒドラジン一水和物又はメチルヒドラジンがより好ましい。
これらフッ素試薬、酸及び塩基は、上記低極性溶媒で希釈して使用することができる。 また、フッ素試薬、酸及び塩基以外では、Chirazyme L−2、Chirazyme L−5等の酵素により脱保護することも可能である。
工程aにおけるフッ素試薬、酸又は塩基の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド1モルに対し、1から100モル使用することができ、好ましくは1から40モルであり、より好ましくは1から30モルであり、さらに好ましくは1から20モルである。中でも下限は、好ましくは、2モルであり、より好ましくは、3モルであり、さらにより好ましくは、4モルである。
工程aの反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−30℃から60℃が好ましく、−10℃から50℃がより好ましく、0℃から40℃がさらに好ましく、20℃から40℃がさらにより好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、フッ素試薬、酸又は塩基の種類、溶媒の種類、反応温度等により異なるが、5分間から50時間が好ましく、5分間から12時間がより好ましく、30分間から6時間がより好ましい。
脱保護剤として使用されるフッ素試薬、酸又は塩基が、後述する工程cのカップリング反応中に存在すると、p個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)、(viiia又はviiib)又は(xia又はxib)の5’位若しくは3’位ヒドロキシ基の一時保護基Rの脱保護を誘発するため、クエンチ処理によって除去されることが必要である。クエンチ処理は、脱保護剤がフッ素試薬又は酸である場合、ケイ素試薬又は有機塩基により行い、脱保護剤が前記塩基である場合、ケトン化合物により行う。
クエンチ処理に使用されるケイ素試薬としては、前記フッ素試薬をクエンチすることができるものであれば特に限定されないが、ヘキサメチルジシロキサン[TMSO]、トリメチルシリルクロリド[TMSCl]、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルブロミド、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルシリルクロリド、トリイソプロピルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド、フェニルジメチルシリルクロリド、ジフェニルメチルシリルクロリド、トリフェニルシリルクロリドが好ましく、TMSO、TMSClがより好ましく、TMSOが特に好ましい。
クエンチ処理に使用される有機塩基としては、前出の酸を中和することができるものであれば特に限定されないが、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−クロロベンズイミダゾール、2−ブロモベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−フェニルベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾールが好ましく、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリンがより好ましく、ピリジンが特に好ましい。
クエンチ処理に使用されるケトン化合物としては、前出の塩基を消費することができるものであれば特に限定されないが、アセチルアセトン、アセトン等が挙げられ、好ましくは、アセチルアセトンである。
工程aにおけるクエンチ処理に使用されるケイ素試薬、有機塩基又はケトン化合物の使用量は、フッ素試薬、酸又は塩基1モルに対し、例えば0.01から100モルであり、好ましくは0.1から50モルであり、より好ましくは1から20モルであり、さらに好ましくは1から3モルである。
工程a、それに続く方法Aの工程b(工程b1又は工程b2)又は方法Bの工程c(工程c1又は工程c2)を液相で連続化して行うためには、工程aにおける一時保護基Rの脱保護反応中、又は脱保護反応後に、カチオン捕捉剤を添加することが好ましい。前記工程aと工程b、又は工程aと工程cを連続化しない場合には、カチオン捕捉剤を添加してもよく、しなくてもよいが、添加しないことが好ましい。
カチオン捕捉剤としては、除去された保護基Rによる再保護(原料戻り)や脱保護された官能基への副反応が進行しなければ、特に限定されないが、ピロール、2−メチルピロール、3−メチルピロール、2,3−ジメチルピロール、2,4−ジメチルピロール等のピロール誘導体;インドール、4−メチルインドール、5−メチルインドール、5−メトキシインドール、6−メチルインドール、7−メチルインドール、5,6−ジメチルインドール、6,7−ジメチルインドール等のインドール誘導体を使用することができる。良好なカチオン捕捉効果が得られるという観点で、ピロール、3−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、インドール、4−メチルインドール、5−メチルインドール、6−メチルインドール、7−メチルインドール、5,6−ジメチルインドール又は6,7−ジメチルインドールが好ましく、ピロール、3−メチルピロール又はインドールがより好ましく、ピロール又はインドールが更に好ましく、インド―ルが特に好ましい。
前記カチオン捕捉剤の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(ia又はib)1モルに対し、例えば1から50モルであり、好ましくは1から15モルであり、より好ましくは、1から5モルである。
方法Aでは、工程aの後に、工程b又は工程dが実施される。工程b又は工程dの前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去によって、工程b又は工程dで用いられる溶媒への置換、工程eを行いn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基の脱保護体(iia)若しくは3’位ヒドロキシ基の脱保護体(iib)の単離等を行うことができる。
方法Bでは、工程aの後に、工程c又は工程dが実施される。工程c又は工程dの前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去によって、工程c又は工程dで用いられる溶媒への置換、工程eを行いn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基の脱保護体(iia)若しくは3’位ヒドロキシ基の脱保護体(iib)の単離等を行うことができる。
(工程b1)(反応性リン化工程):H−ホスホネート化工程
まず、方法A(5’)又は方法A(3’)のそれぞれの場合について、H−ホスホネート法の工程bである工程b1をスキーム3又は4に示す。
方法A(5’)における工程b1は、方法A(5’)における前記工程a若しくは後述の工程d1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基の脱保護体(iia)の5’位ヒドロキシ基をH−ホスホネート化させる工程(下記スキーム3)である。スキーム3中、各記号は、前記定義と同義である。
Figure 2018203574
方法A(3’)における工程b1は、方法A(3’)における前記工程a若しくは後述の工程d1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ基の脱保護体(iib)の3’位ヒドロキシ基をH−ホスホネート化させる工程(下記スキーム4)である。スキーム4中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
工程b1で用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げられる。中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、又は、これらの組合せが好ましく、ピリジン、ジクロロメタン、又はこれらの組み合わせが更に好ましく、ピリジンが特に好ましい。
工程b1でピリジンなどの含窒素芳香族系溶媒以外の溶媒を用いる場合は、ピリジンなどの求核剤を添加することが好ましい。求核剤としては、良好なH−ホスホネート化が達成できれば特に限定されないが、具体的には、ピリジン、2,6−ジーtert−ブチルピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、3,4−ルチジン,2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,4,6−コリジン、4−アセチルピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、4−シアノピリジン、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピリジン、2−メトキシピリジン、3−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、ピコリン酸エチル、ニコチン酸エチル、イソニコチン酸エチルなどのピリジン系求核剤;(S,S)−2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、(R,R)−2,6−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジンなどのPybox系求核剤、キノリン、キニン、キニジン、シンコニンなどのキノリン系求核剤、N−メチルイミダゾール、ピリミジン、2−メチルピラジン、3−メチルピリダジン、1,10−フェナントロリンなどの含窒素芳香族系求核剤(上記ピリジン系求核剤は除く);;4−メトキシピリジン−N−オキシドなどのN−オキシド系求核剤;N,N−ジメチルアニリンなどのアニリン系求核剤;1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデンなどのN−ヘテロサイクリックカルベン系求核剤;トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリメチルなどのリン系求核剤;トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの脂肪族アミン系求核剤などが挙げられる。中でも、ピリジン、2−ピコリン、4−ピコリン、3,4−ルチジン,2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、3−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、(S,S)−2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、(R,R)−2,6−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、キノリン、キニジン、N−メチルイミダゾール、3−メチルピリダジン及び4−メトキシピリジン−N−オキシドが好ましく、ピリジン、2−ピコリン、4−ピコリン、3,4−ルチジン,2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、3−メトキシピリジン及び4−メトキシピリジンがより好ましく、ピリジンが特に好ましい。
工程b1における求核剤の使用量は、特に制限されないが、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から300モルであり、好ましくは1から100モルであり、より好ましくは1から40モルである。
工程b1に使用されるH−ホスホネート化試薬は、良好なH−ホスホネート化が達成できれば特に限定されないが、亜リン酸、亜リン酸ジアリール(亜リン酸ジフェニルなど)、アリール−H−ホスホネートのアンモニウム塩(フェニル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、p−トルイル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩など)、ハロゲン化リン(2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン、三塩化リンなど)などが挙げられる。中でも、亜リン酸、亜リン酸ジフェニル、フェニル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、p−トルイル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、2−クロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン又は三塩化リンが好ましく、亜リン酸又は亜リン酸ジフェニルがより好ましく、亜リン酸がさらにより好ましい。
H−ホスホネート化試薬として、亜リン酸、アリール−H−ホスホネートのアンモニウム塩を用いる場合は、縮合剤を添加することが好ましい。この縮合剤としては、H−ホスホネート法において通常使用される縮合剤を挙げることができ、具体的には、2,2−ジメチルブチリルクロリド、イソブチリルクロリド、ピバロイルクロリド、アセチルクロリド、1−アダマンチルクロリド、クロロリン酸ジフェニル、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2−(ベンゾイルトリアゾール1−イルオキシ)−1,3−ジメチル−2−ピロリジン−1−イル−1,3,2−ジアザホスホリジリニウム ヘキサフルオロホスフェート[BOMP]、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド[BopCl]、ベンゾイルクロリド、無水安息香酸、炭酸ジフェニル、炭酸ジ−p−ニトロフェニルや炭酸ビスペンタフルオロフェニル等の炭酸ジアリール等が挙げられる。中でも、2,2−ジメチルブチリルクロリド、イソブチリルクロリド、1−アダマンチルクロリド、クロロリン酸ジフェニル、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、BopClが好ましく、2,2−ジメチルブチリルクロリドがより好ましい。
H−ホスホネート化試薬として、亜リン酸ジアリール、アリール−H−ホスホネートのアンモニウム塩又はハロゲン化リンを用いる場合は、反応終了後に水とトリエチルアミンなどの3級アミンで処理することにより、H−ホスホネート基に変換することができる。
工程b1におけるH−ホスホネート化試薬の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、1から100モルが好ましく、1から40モルがより好ましく、10から40モルがさらに好ましい。
工程b1における縮合剤の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、1から100モル使用が好ましく、1から40モルがより好ましく、10から30モルがさらに好ましい。
工程b1の反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、20℃から50℃がより好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、溶媒の種類、求核剤の種類、H−ホスホネート化試薬の種類、縮合剤の種類、反応温度等により異なるが、5分間から24時間が好ましく、10分間から12時間がより好ましく、30分間から6時間がより好ましい。
工程b1の後に、工程c1が実施される。工程c1の前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去による工程c1で用いられる溶媒への置換、又は工程eによるn個重合オリゴヌクレオチドの5’位H−ホスホネート体(iiia)若しくは3’位H−ホスホネート体(iiib)の単離を行うことができる。
(工程b2)(反応性リン化工程):ホスホロアミダイト化工程
まず、方法A(5’)又は方法A(3’)のそれぞれの場合について、ホスホロアミダイト法の工程b(工程b2)をスキーム5又は6に示す。
方法A(5’)における工程b2は、方法A(5’)における前記工程a若しくは後述の工程d2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基の脱保護体(iia)の5’位ヒドロキシ基をホスホロアミダイト化合物と反応させて、ホスホロアミダイト化させる工程(下記スキーム5)である。スキーム5中、Prは、ジC1−6アルキルアミノ基であり、その他の記号は、前記定義と同義である。ここで、PrにおけるジC1−6アルキルアミノ基は、その2つのC1−6アルキル基が、それらが結合する窒素原子と一緒になって3−11員含窒素非芳香族ヘテロ環基を形成してもよい。
Figure 2018203574
方法A(3’)における工程b2は、方法A(3’)における前記工程a若しくは後述の工程d2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ基の脱保護体(iib)の3’位ヒドロキシ基をホスホロアミダイト化合物と反応させて、ホスホロアミダイト化させる工程(下記スキーム6)である。スキーム6中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
Prは、好ましくはジイソプロピルアミノ基又はモルホリノ基であり、より好ましくはジイソプロピルアミノ基である。
工程b2で用いられる溶媒は、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。当該溶媒における溶解度が高い程、優れた反応性が期待できるため、目的とする化合物の溶解度の高い低極性溶媒を選択することが好ましい。具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げ
られる。中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、又は、これらの組合せが好ましく、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランが更に好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。
工程b2に使用されるホスホロアミダイト化合物は、以下の式(IV)で表される構造で示される。
Figure 2018203574

式中、Jは脱離基を示し、その他の記号は前記定義に同じである。
Jで示される脱離基としては、ハロゲン原子、ジC1−6アルキルアミノ基が挙げられる。Jは、好ましくは、ハロゲン原子又はジイソプロピルアミノ基である。
ホスホロアミダイト化合物は、好ましくは、2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト又は2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイトである。
ホスホロアミダイト化合物の脱離基Jが、ジC1−6アルキル基アミノ基である場合、縮合剤を使用する。縮合剤は、ホスホロアミダイト化が良好に進行すれば特に限定されないが、具体的には、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、1H−テトラゾール、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール、5−ベンゾイルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、ヒドロキシベンズトリアゾール、1−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾロリアゾール、ピリジン・トリフルオロ酢酸塩、イミダゾリニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩を用いることができる。
ホスホロアミダイト化合物の脱離基Jがハロゲン原子である場合、塩基を使用する。塩基は、ホスホロアミダイト化が良好に進行すれば特に限定されないが、具体的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ベンズイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、N−フェニルイミダゾール、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、1,10−フェナントロリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−クロロベンズイミダゾール、2−ブロモベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−フェニルベンズイミダゾール、5−ニトロベンズイミダゾールを用いることができる。
工程b2におけるn個重合オリゴヌクレオチドの溶媒中の濃度は、溶解していれば特に限定されないが、好ましくは1から30重量%である。
工程b2におけるホスホロアミダイト化合物の使用量は、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、1から100モルが好ましく、1から50モルがより好ましく、1から10モルがさらに好ましい。
工程b2に使用される縮合剤は、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から100モルであり、好ましくは1から50モルであり、より好ましくは1から10モルである。
工程b2に使用される塩基は、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から100モルであり、好ましくは1から50モルであり、より好ましくは1から10モルである。
工程b2の反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−30℃から60℃が好ましく、−20℃から50℃がより好ましく、−10℃から40℃がさらに好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、溶媒の種類、求核剤の種類、縮合剤の種類、反応温度等により異なるが、1分間から48時間が好ましく、2分間から36時間がより好ましく、5分間から24時間が更に好ましい。
工程b2の後に、工程c2が実施される。工程c2の前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去による工程c2で用いられる溶媒への置換、又は工程eによるn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ホスホロアミダイト体(viia)若しくは3’位ホスホロアミダイト体(viib)の単離を行うことができる。
(工程c1)(カップリング工程):H−ホスホネート法のカップリング工程
まず、方法A(5’)、方法A(3’)、方法B(5’)及び方法B(3’)のそれぞれの場合の(工程c1)をスキーム7又は8に示す。
方法A(5’)における工程c1は、前記方法A(5’)における工程b1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基のH−ホスホネート体(iiia)と、5’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ3’位ヒドロキシ基を持つp個重合オリゴヌクレオチド(iva)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム7)。
Figure 2018203574
式中、pは、1以上の任意の整数を示し、他の記号は前記定義と同義であるが、化合物(iva)におけるBase及びXの中の少なくとも1つには擬似固相保護基が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。2以上の核酸塩基部を有する場合、2以上の擬似固相保護基を有する場合、及び2以上の基本保護基を有する場合も前記定義と同様である。
方法A(3’)における工程c1は、前記方法A(3’)における工程b1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ基のH−ホスホネート体(iiib)と、3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ5’位ヒドロキシ基を持つp個重合オリゴヌクレオチド(ivb)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム8)。スキーム8中、各記号は、前記定義に同義であるが、化合物(ivb)におけるBase及びXの中の少なくとも1つに擬似固相保護基が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。2以上の核酸塩基部を有する場合、2以上の擬似固相保護基を有する場合、及び2以上基本保護基を有する場合も前記定義と同様である。
Figure 2018203574
方法B(5’)における工程c1は、前記方法B(5’)における工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ体(iia)と、5’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ3’位ヒドロキシ基がH−ホスホネート化されたp個重合オリゴヌクレオチド(viiia)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム9)。
Figure 2018203574
式中、pは、1以上の任意の整数を示し、化合物(viiia)におけるBaseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を意味し、Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基を意味し、他の記号は前記定義と同義である。2以上の核酸塩基部を有する場合、及び2以上の基本保護基を有する場合も前記定義と同様である。Xの好適例は、Xと同様であり、Baseにおける、核酸塩基、基本保護基で置換された核酸塩基の好適な核酸塩基は、Baseと同様である。
方法B(3’)における工程c1は、前記方法B(3’)における工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ体(iib)と、3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ5’位ヒドロキシ基がH−ホスホネート化されたp個重合オリゴヌクレオチド(viiib)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム10)。スキーム10中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
工程c1で用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げられる。中でも、ピリジン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン等が好ましく、ピリジンが特に好ましい。
工程c1でピリジンなどの含窒素芳香族系溶媒以外の溶媒を用いる場合は、ピリジンなどの求核剤を添加することが好ましい。求核剤としては、良好なカップリング反応が達成できれば特に限定されないが、具体的には、前記工程b1と同様の求核剤が挙げられ、ピリジンが特に好ましい。
工程c1に使用される前記求核剤は、工程b1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドのH−ホスホネート体(iiia又はiiib)1モル又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位又は5’位ヒドロキシ体(iia又はiib)1モルに対し、例えば1〜100モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モルである。
工程c1に使用されるp個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)又は(viiia又はviiib)の使用量は、工程bで得られたn個重合オリゴヌクレオチドのH−ホスホネート体(iiia又はiiib)1モル又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’ 位又は5’ 位ヒドロキシ体(iia又はiib)1モルに対し、好ましくは1から10モルであり、より好ましくは1から5モルであり、さらに好ましくは1から3モルであり、特に好ましくは1から1.5モルである。
工程c1に使用される縮合剤は、カップリング反応が良好に進行すれば特に限定されないが、具体的には、前記工程b1と同様の縮合剤が挙げられる。中でも、2,2−ジメチルブチリルクロリド、イソブチリルクロリド、1−アダマンチルクロリド、クロロリン酸ジフェニル、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド、炭酸ビスペンタフルオロフェニル等が好ましく、2,2−ジメチルブチリルクロリド又は炭酸ビスペンタフルオロフェニルがより好ましく、炭酸ビスペンタフルオロフェニルが特に好ましい。
工程c1に使用される縮合剤は、工程b1で得られたn個重合オリゴヌクレオチドのH−ホスホネート体(iiia又はiiib)1モル又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’ 位又は5’ 位ヒドロキシ体(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から200モルであり、好ましくは1から100モルであり、より好ましくは1から50モルである。
工程c1の反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましく、0℃から30℃がさらに好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、溶媒の種類、求核剤の種類、縮合剤の種類、反応温度等により異なるが、1分間から12時間が好ましく、2分間から6時間がより好ましく、5分間から3時間が更に好ましい。
工程c1の反応の後に、スキーム7又は8中、式(iva又はivb)で表される化合物又はその塩、あるいはスキーム3、4、9又は10中、式(iia又はiib)で表される化合物又はその塩が残存している場合には、必要に応じて、得られた溶液をキャッピング反応に付してもよい。キャッピング反応は、無水酢酸、無水安息香酸などの酸無水物を用いて、又は前述の縮合剤に加えて、メチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、エチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、イソプロピル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩及び2−シアノエチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩などのアルキル−H−ホスホネートのアンモニウム塩を用いて、通常の方法により実施することができる。
なお、キャッピング反応とは、カップリング反応、酸化反応後に残存したヒドロキシ基を有する化合物のヒドロキシ基を、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを伸長できない置換基に変換する反応である。
キャッピング反応は、後述する工程d1の後に実施してもよい。キャッピング反応は、工程c1又は工程d1の後に実施することが好ましい。
工程c1の後には、工程d1又は工程aが実施される。工程d1又は工程aの前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去によって、工程d1又は工程aで用いられる溶媒への置換、工程eを行いn+p個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)又は(ixa又はixb)の単離等を行うことができる。また、工程c1の反応溶液をそのまま、次の工程d1又は工程aに用いることもできる。
(工程c2)(カップリング工程):ホスホロアミダイト法のカップリング工程
まず、方法A(5’)、方法A(3’)、方法B(5’)及び方法B(3’)のそれぞれの場合の(工程c2)をスキーム11又は12に示す。
方法A(5’)における工程c2は、前記方法A(5’)における工程b2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ基のホスホロアミダイト体(viia)と、5’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ3’位ヒドロキシ基を持つp個重合オリゴヌクレオチド(iva)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム11)。
Figure 2018203574
方法A(3’)における工程c2は、前記方法A(3’)における工程b2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ基のホスホロアミダイト体(viib)と、3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ5’位ヒドロキシ基を持つp個重合オリゴヌクレオチド(ivb)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム12)。スキーム11、12中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
方法B(5’)における工程c2は、前記方法B(5’)における工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの5’位ヒドロキシ体(iia)と、5’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ3’位ヒドロキシ基がホスホロアミダイト化されたp個重合オリゴヌクレオチド(xia)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム13)。スキーム13中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
方法B(3’)における工程c2は、前記方法B(3’)における工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの3’位ヒドロキシ体(iib)と、3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより保護され、かつ5’位ヒドロキシ基がホスホロアミダイト化されたp個重合オリゴヌクレオチド(xib)(式中、pは、1以上の任意の整数を示し、p=1の場合は、ヌクレオシドを示す。)と、を縮合させる工程である(スキーム14)。スキーム14中、各記号は、前記定義に同義である。
Figure 2018203574
工程c2で用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の低極性溶媒が挙げられる。中でも、ジクロロメタン、トルエン等が好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。
また、上記低極性溶媒に、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性エーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒を、5’位又は3’位ヒドロキシ基のホスホロアミダイト体(viia又はviib)、5’位又は3’位ヒドロキシ体(iia又はiib)が溶解し得る限り、適宜の割合で混合して用いてもよい。この場合、極性溶媒としては、アミド系溶媒、ニトリル系溶媒、及びこれらの組合せが好ましく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン、及びこれらの組合せがより好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
極性溶媒は、3’位又は5’位ヒドロキシ基がホスホロアミダイト化され、かつ5’位又は3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより置換されたp個重合オリゴヌクレオチド(xia又はxib)、又は3’位又は5’位がヒドロキシ基であり、かつ5’位又は3’位ヒドロキシ基が一時保護基Rにより置換されたp個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)及び縮合剤等の溶液として添加してもよい。
工程c2に使用されるp個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)、又は(xia又はxib)の使用量は、工程b2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドのホスホロアミダイト体(viia又はviib)1モル、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの脱保護体(iia又はiib)1モルに対し、好ましくは1から10モルであり、より好ましくは1から5モルであり、さらに好ましくは1から3モルであり、さらにより好ましくは1から1.6モルである。
工程c2に使用される縮合剤は、カップリング反応が良好に進行すれば特に限定されないが、ホスホロアミダイト法において通常使用される縮合剤を挙げることができ、具体的には、1H−テトラゾール、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾール、5−(エチルチオ)−1H−テトラゾール、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール、4,5−ジシアノイミダゾール、4,5−ジクロロイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾトリアゾール、ピリジン・トリフルオロ酢酸塩及びイミダゾリニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。中でも、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾール又は1H−テトラゾールが好ましく、5−ベンジルメルカプト−1H−テトラゾールがより好ましい。
工程c2に使用される縮合剤は、工程b2で得られたn個重合オリゴヌクレオチドのホスホロアミダイト体(viia又はviib)1モル、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの脱保護体(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から200モルであり、好ましくは1から100モルであり、より好ましくは1から50モルであり、さらにより好ましくは2から10モルである。
工程c2の反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましく、0℃から30℃がさらに好ましく、10℃から20℃がさらにより好ましく、20℃から30℃が特に好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、溶媒の種類、求核剤の種類、縮合剤の種類、反応温度等により異なるが、1分間から48時間が好ましく、2分間から36時間がより好ましく、5分間から24時間が更に好ましい。
工程c2の反応の後に、スキーム11又は12中、式(iva又はivb)で表される化合物又はその塩、あるいはスキーム5、6、13又は14中、式(iia又はiib)で表される化合物又はその塩が残存している場合には、必要に応じて、得られた溶液をキャッピング反応に付してもよい。キャッピング反応は、無水酢酸、無水安息香酸などの酸無水物を用いて、又は前述の縮合剤に加えて、メチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、エチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、イソプロピル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩及び2−シアノエチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩などのアルキル−H−ホスホネートのアンモニウム塩を用いて、通常の方法により実施することができる。
工程c2の後には、工程d2又は工程aが実施される。工程d2又は工程aの前に、必要に応じて分液処理、溶媒留去によって、工程d2又は工程aで用いられる溶媒への置換、工程eを行い、n+p個重合オリゴヌクレオチド(xa又はxb)又は(xiia又はxiib)の単離等を行うことができる。また、工程c2の反応溶液をそのまま、次の工程d2又は工程aに用いることもできる。
(工程d1)(変換工程):H−ホスホネート法の変換工程
工程d1は、工程c1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)若しくは(ixa又はixb)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドにリン原子を修飾する試薬を反応させることにより、該n+p個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)若しくは(ixa又はixb)又は、工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの亜リン酸ジエステル結合をリン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合へと変換する工程である。
方法A(5’)における工程d1は下記スキーム15(スキーム15中、各記号は、前記定義と同義であるが、工程a後の場合、Rは水素原子である)で表される。
Figure 2018203574
方法A(3’)における工程d1は下記スキーム16(スキーム16中、各記号は、前記定義と同義であるが、工程a後の場合、Rは水素原子である)で表される。
Figure 2018203574
方法B(5’)又は方法B(3’)における工程d1は、スキーム9又は10で生成した縮合体(ixa又はixb)を出発物質として用い、スキーム15又は16と同様に亜リン酸ジエステル結合が変換される。(工程a後の場合、(ixa又はixb)で表される化合物のRは水素原子である。)
工程d1は、工程c1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)又は(ixa又はixb)又は、工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)を単離することなく、工程c1又は工程a後の反応混合物に、リン原子を修飾する試薬を直接添加するだけで行うことができる。リン原子を修飾する試薬としては、酸化剤、硫化剤、アミダイト化剤又はホウ素化剤が使用される。酸化剤又は硫化剤を使用して、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合、又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合へ変換することが好ましく、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合へ変換することがより好ましく、チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合へ変換することがさらに好ましい。工程d1は、工程c1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(va又はvb)又は(ixa又はixb)又は、工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)を単離して行ってもよい。
工程d1で用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げられ、使用する酸化剤、硫化剤、アミダイト化剤又はホウ素化剤によって適宜選択される。
工程d1に使用される「酸化剤」は、他の部位を酸化することなく、亜リン酸ジエステル結合をリン酸ジエステル結合に酸化する能力があれば、特に限定されないが、ヨウ素、(1S)−(+)−(10−カンファニルスルフォニル)オキサジリジン、tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、2−ブタノンペルオキシド、1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカン、ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、m−クロロ過安息香酸が好ましい。収率又は反応速度が良好な酸化反応を達成できるという観点で、ヨウ素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、2−ブタノンペルオキシドがより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。かかる酸化剤は、0.05から2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ピリジン、テトラヒドロフラン[THF]、ジクロロメタン、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。中でも、例えば、ヨウ素/水/ピリジンの混合溶液若しくはヨウ素/水/ピリジン/THFの混合溶液を用いることが好ましく、ヨウ素/水/ピリジン/THFの混合溶液を用いることがより好ましい。
工程d1で前記酸化剤を使用する場合、工程d1の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
工程d1に使用される「硫化剤」は、亜リン酸ジエステル結合をチオリン酸ジエステル結合に変換しうる能力があれば、特に限定されないが、単体硫黄、3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(ADTT)、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(DDTT)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン、フェニルアセチルジスルフィド(PADS)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、N−(ベンゾイルチオ)−スクシンイミドが好ましい。収率又は反応速度が良好な反応が進行しうるという観点で、単体硫黄、ADTTがより好ましく、単体硫黄が特に好ましい。その他の態様として、DDTTが好ましい。かかる硫化剤は、0.05から2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程d1で前記硫化剤を使用する場合、工程d1の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
亜リン酸ジエステル結合を、「リン酸トリエステル結合」へ変換する際の試薬は、その変換能力を有していれば、特に限定されないが、対応するアルコール化合物と、四塩化炭素、ヨウ素、臭化三塩化炭素、N−クロロコハク酸イミド、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸ナトリウム、3,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N,N’−ジクロロビス(2,4,6−トリクロロフェニル)尿素などの酸化剤が好ましい。前記変換反応の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ジクロロメタン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはジクロロメタン又はピリジンであり、より好ましくはピリジンである。
亜リン酸ジエステル結合を、「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」へ変換する際の試薬は、その変換能力を有していれば、特に限定されないが、フタルイミド系硫化剤、含コハク酸系硫化剤及びモルホリンジオン系硫化剤等が挙げられる。前記変換反応の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ジクロロメタン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはジクロロメタン又はピリジンであり、より好ましくはピリジンである。
フタルイミド系硫化剤としては、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」に対応する、N−(C1−40アルキルチオ)フタルイミド、N−(C3−6シクロアルキルチオ)フタルイミド、N−(C6−10アリールチオ)フタルイミド、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)フタルイミド、N−(アラルキルチオ)フタルイミド及びN−(ヘテロアラルキルチオ)フタルイミド等が挙げられる。ここで、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」が、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基等の置換基を含む場合、前記N−(C1−40アルキルチオ)フタルイミド、N−(C3−6シクロアルキルチオ)フタルイミド、N−(C6−10アリールチオ)フタルイミド、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)フタルイミド、N−(アラルキルチオ)フタルイミド及びN−(ヘテロアラルキルチオ)フタルイミドの対応する部分にそれらの置換基を含む硫化剤を使用することができる。フタルイミド系硫化剤としては、具体的には、N−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド、N−(メチルチオ)フタルイミド、N−(エチルチオ)フタルイミド、N−(プロピルチオ)フタルイミド、N−(イソプロピルチオ)フタルイミド、N−(ブチルチオ)フタルイミド、N−(tert−ブチルチオ)フタルイミド、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、N−(ドデシルチオ)フタルイミド、N−(ベンジルチオ)フタルイミド、N−(フェニルチオ)フタルイミド、N−{(p−クロロフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(p−メチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−メチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−エチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−イソプロピルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−tert−ブチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(3−tert−ブチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(4−tert−ブチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−メチル−5−tert−ブチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−メトキシフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(3−メトキシフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(4−メトキシフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2,5−ジメトキシフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(3,4−ジメトキシフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−フルオロフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−クロロフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2−ブロモフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2,6−ジメチルフェニル)チオ}フタルイミド、N−{(2,6−ジクロロフェニル)チオ}フタルイミド及びN−{(2−ベンゾチアゾリル)チオ}フタルイミド等が挙げられる。
コハク酸系硫化剤としては、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」に対応する、N−(C1−40アルキルチオ)コハク酸イミド、N−(C3−6シクロアルキルチオ)コハク酸イミド、N−(C6−10アリールチオ)コハク酸イミド、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)コハク酸イミド、アラルキルチオコハク酸イミド及びN−(ヘテロアラルキルチオ)コハク酸イミド等が挙げられる。ここで、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」が、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基等の置換基を含む場合、前記N−(C1−40アルキルチオ)コハク酸イミド、N−(C3−6シクロアルキルチオ)コハク酸イミド、N−(C6−10アリールチオ)コハク酸イミド、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)コハク酸イミド、N−(アラルキルチオ)コハク酸イミド及びN−(ヘテロアラルキルチオ)コハク酸イミドの対応する部分にそれらの置換基を含む硫化剤を使用することができる。含コハク酸イミド硫化剤としては、具体的には、N−[(2−シアノエチル)チオ]コハク酸イミド、N−(メチルチオ)コハク酸イミド、N−(エチルチオ)コハク酸イミド、N−(プロピルチオ)コハク酸イミド、N−(イソプロピルチオ)コハク酸イミド、N−(ブチルチオ)コハク酸イミド、N−(tert−ブチルチオ)コハク酸イミド、N−(シクロヘキシルチオ)コハク酸イミド、N−(ドデシルチオ)コハク酸イミド、N−(ベンジルチオ)コハク酸イミド、N−(フェニルチオ)コハク酸イミド、N−{(p−クロロフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(p−メチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−メチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−エチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−イソプロピルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−tert−ブチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(3−tert−ブチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(4−tert−ブチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−メチル−5−tert−ブチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−メトキシフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(3−メトキシフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(4−メトキシフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2,5−ジメトキシフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(3,4−ジメトキシフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−フルオロフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−クロロフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2−ブロモフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2,6−ジメチルフェニル)チオ}コハク酸イミド、N−{(2,6−ジクロロフェニル)チオ}コハク酸イミド及びN−{(2−ベンゾチアゾリル)チオ}コハク酸イミド等が挙げられる。
モルホリンジオン系硫化剤としては、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」に対応する、N−(C1−40アルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(C3−6シクロアルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(C6−10アリールチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(アラルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン及びN−(ヘテロアラルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン等が挙げられる。ここで、目的の「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」が、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基等の置換基を含む場合、前記N−(C1−40アルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(C3−6シクロアルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(C6−10アリールチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(5−10員ヘテロアリールチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(アラルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオン及びN−(ヘテロアラルキルチオ)モルホリン−3,5−ジオンの対応する部分にそれらの置換基を含む硫化剤を使用することができる。モルホリンジオン系硫化剤としては、具体的には、N−[(2−シアノエチル)チオ]モルホリン−3,5−ジオン、N−(メチルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(エチルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(プロピルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(イソプロピルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(ブチルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(tert−ブチルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(シクロヘキシルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(ドデシルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(ベンジルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−(フェニルチオ)モルホリン−3,5−ジオン、N−{(p−クロロフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(p−メチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−メチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−エチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−イソプロピルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−tert−ブチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(3−tert−ブチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(4−tert−ブチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−メチル−5−tert−ブチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−メトキシフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(3−メトキシフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(4−メトキシフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2,5−ジメトキシフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(3,4−ジメトキシフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−フルオロフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−クロロフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2−ブロモフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2,6−ジメチルフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン、N−{(2,6−ジクロロフェニル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン及びN−{(2−ベンゾチアゾリル)チオ}モルホリン−3,5−ジオン等が挙げられる。
当業者は、前記フタルイミド系硫化剤、コハク酸イミド系硫化剤及びモルホリンジオン系硫化剤を、公知の合成法(フタルイミド系硫化剤及びモルホリンジオン系硫化剤:Tetrahedron,1997年,53巻, 14411頁−14416頁、コハク酸イミド系硫化剤:J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2002年, 2619頁−2633頁)を利用して、同様に製造できる。
亜リン酸ジエステル結合を、「チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合」へ変換する際の試薬は、好ましくは、フタルイミド系硫化剤であり、特に好ましくは、N−{(2−シアノエチル)チオ}フタルイミドである。
工程d1に使用する「アミダイト化剤」は、亜リン酸ジエステル結合をアミノリン酸ジエステル結合に変換しうる能力があれば、特に限定されないが、対応するアミン化合物と、四塩化炭素、ヨウ素、臭化三塩化炭素、N−クロロコハク酸イミド、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸ナトリウム、3,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、N,N’−ジクロロビス(2,4,6−トリクロロフェニル)尿素などの酸化剤が好ましい。前記変換反応の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ジクロロメタン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはジクロロメタン又はピリジンであり、より好ましくはピリジンである。
工程d1に使用する「ホウ素化剤」は、亜リン酸ジエステル結合をボラノリン酸ジエステル結合に変換しうる能力があれば、特に限定されないが、水素化ホウ素(BH)、BH−THF錯体、BH−ジメチルスルフィド錯体、BH−ピリジン錯体などが好ましい。前記変換反応の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ジクロロメタン、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはジクロロメタン又はピリジンであり、より好ましくはピリジンである。
リン原子を修飾する試薬の使用量は、工程c1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(va若しくはvb)又は(ixa若しくはixb)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia若しくはiib)1モルに対し、1から50モルが好ましく、より好ましくは1から15モルであり、さらに好ましくは1から10モルであり、さらにより好ましくは1から7モルであり、特に好ましくは1から3モルである。
反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、20℃から50℃がより好ましい。反応時間は、工程c1で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(va若しくはvb)又は(ixa若しくはixb)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia若しくはiib)の種類、使用するリン原子を修飾する試薬の種類、反応温度等によって異なるが、好ましくは1分間から24時間であり、より好ましくは、10分間から12時間であり、更に好ましくは、30分間から6時間である。
酸化剤や硫化剤を用いる場合、該酸化剤及び硫化剤は反応終了後又は次工程以降で望まない副反応を誘発する可能性があり、該副反応を抑制するため、反応終了後に還元剤を用いてクエンチ処理を行うことができる。具体的には、還元剤として、3価のリン試薬(例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン等の亜リン酸トリアルキルや、亜リン酸ジメチルや亜リン酸ジエチルなどの亜リン酸ジアルキル)、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を用いる。前記クエンチ処理は、省略することも可能である。
工程c1の後に工程d1を行う際、工程d1の反応の後に、スキーム7又は8中、式(iva又はivb)で表される化合物又はその塩、あるいはスキーム3、4、9又は10中、式(iia又はiib)で表される化合物又はその塩が残存している場合には、必要に応じて、得られた溶液をキャッピング反応に付してもよい。キャッピング反応は、無水酢酸、無水安息香酸などの酸無水物を用いて、又は前述の縮合剤に加えて、メチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、エチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、イソプロピル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩及び2−シアノエチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩などのアルキル−H−ホスホネートのアンモニウム塩を用いて、通常の方法により実施することができる。
キャッピング反応は、前述する工程c1の後に実施してもよい。
方法Aを用い、工程aの後に工程d1を行う際には、工程d1の後には、前記キャッピング反応を実施しない。
(工程d2)(変換工程):ホスホロアミダイト法の変換工程
工程d2は、工程c2で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(xa又はxb)若しくは(xiia又はxiib)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドにリン原子を修飾する試薬を反応させることにより、該n+p個重合オリゴヌクレオチド(xa又はxb)若しくは(xiia又はxiib)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチドの亜リン酸トリエステル結合をリン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合へと変換する工程である。
方法A(5’)における工程d2は下記スキーム17(スキーム17中、各記号は、前記定義と同義であるが、工程a後の場合、Rは水素原子である)で表される。
Figure 2018203574
方法A(3’)における工程d2は下記スキーム18(スキーム18中、各記号は、前記定義と同義であるが、工程a後の場合、Rは水素原子である)で表される。
Figure 2018203574
方法B(5’)又は方法B(3’)における工程d2は、スキーム13又は14で生成した縮合体(xiia又はxiib)を出発物質として用い、スキーム17又は18と同様に亜リン酸トリエステル結合が変換される。(工程a後の場合、(xiia)又は(xiib)で表される化合物のRは水素原子である。)
工程d2は、工程c2で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(xa又はxb)若しくは(xiia又はxiib)又は、工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)を単離することなく、工程c2後の反応混合物に、リン原子を修飾する試薬を直接添加するだけで行うことができる。リン原子を修飾する試薬としては、酸化剤又は硫化剤が使用される。酸化剤又は硫化剤を使用して、リン酸トリエステル結合、チオリン酸トリエステル結合変換することができる。工程d2は、工程c2で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(xa又はxb)若しくは(xiia又はxiib)又は、工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)を単離して行ってもよい。
工程d2で用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げられ、使用する酸化剤、硫化剤によって適宜選択される。
工程d2に使用される「酸化剤」は、他の部位を酸化することなく、亜リン酸トリエステル結合をリン酸トリエステル結合に酸化する能力があれば、特に限定されないが、ヨウ素、(1S)−(+)−(10−カンファニルスルホニル)オキサジリジン、tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、2−ブタノンペルオキシド、1,1−ジヒドロペルオキシシクロドデカン、ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、m−クロロ過安息香酸が好ましい。収率又は反応速度が良好な酸化反応を達成できるという観点で、ヨウ素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、2−ブタノンペルオキシドがより好ましく、ヨウ素が特に好ましい。かかる酸化剤は、0.05から2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、ピリジン、テトラヒドロフラン[THF]、ジクロロメタン、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。中でも、例えば、ヨウ素/水/ピリジンの混合溶液若しくはヨウ素/水/ピリジン/THFの混合溶液を用いることが好ましく、ヨウ素/水/ピリジン/THFの混合溶液を用いることが好ましい。
工程d2で前記酸化剤を使用する場合、工程d2の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
工程d2に使用される「硫化剤」は、亜リン酸トリエステル結合をチオリン酸トリエステル結合に変換しうる能力があれば、特に限定されないが、単体硫黄、3−アミノ−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(ADTT)、3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(DDTT)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬)、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン、フェニルアセチルジスルフィド(PADS)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、N−(ベンゾイルチオ)−スクシンイミドが好ましい。収率又は反応速度が良好な反応が進行しうるという観点で、単体硫黄、ADTTがより好ましく、単体硫黄がさらに好ましい。その他の態様として、DDTTが特に好ましい。かかる硫化剤は、0.05から2Mの濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することができる。かかる希釈溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、ピリジン又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
工程d2で前記硫化剤を使用する場合、工程d2の反応溶媒は、前記希釈溶媒と同様である。
リン原子を修飾する試薬の使用量は、工程c2で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(xa若しくはxb)又は(xiia若しくはxiib)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia若しくはiib)1モルに対し、1から50モルが好ましく、より好ましくは1から15モルであり、さらに好ましくは1から10モルであり、さらにより好ましくは1から7モルであり、特に好ましくは、1から3モルである。
反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましく、20℃から30℃がさらに好ましい。反応時間は、工程c2で得られたn+p個重合オリゴヌクレオチド(xa若しくはxb)又は(xiia若しくはxiib)、又は工程aで得られたn個重合オリゴヌクレオチド(iia若しくはiib)の種類、使用するリン原子を修飾する試薬の種類、反応温度等によって異なるが、好ましくは1分間から24時間であり、より好ましくは、10分間から12時間であり、更に好ましくは、30分間から6時間である。
該酸化剤及び硫化剤は反応終了後又は次工程以降で望まない副反応を誘発する可能性があり、該副反応を抑制するため、反応終了後に還元剤を用いてクエンチ処理を行うことができる。還元剤としては、例えば、3価のリン試薬(例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン等の亜リン酸トリアルキル;亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル等の亜リン酸ジアルキル)、チオ硫酸ナトリウム等が用いられる。前記クエンチ処理は、省略することも可能である。
工程c2の後に工程d2を行う際、工程c2の反応の後に、スキーム11又は12中、式(iva又はivb)で表される化合物又はその塩、あるいはスキーム5、6、13又は14中、式(iia又はiib)で表される化合物又はその塩が残存している場合には、必要に応じて、得られた溶液をキャッピング反応に付してもよい。キャッピング反応は、無水酢酸、無水安息香酸などの酸無水物を用いて、又は前述の縮合剤に加えて、メチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、エチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩、イソプロピル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩及び2−シアノエチル−H−ホスホネートのトリエチルアンモニウム塩などのアルキル−H−ホスホネートのアンモニウム塩を用いて、通常の方法により実施することができる。
方法Aを用い、工程aの後に工程d2を行う際には、工程d2の後には、前記キャッピング反応を実施しない。
(工程e)(沈殿化及び固液分離工程)
工程eは、工程aから工程dのいずれかで得られた反応溶液と極性溶媒とを混合することによりオリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得する工程である。
工程eにおける極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールn−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピペリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;水、ならびにこれら2種以上の混合溶媒が用いられる。工程eにおける極性溶媒は、好ましくはアルコール系溶媒、ニトリル系溶媒であり、より好ましくは、炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒であり、さらに好ましくはメタノール又はアセトニトリルであり、特に好ましくはアセトニトリルである。その他の態様として、さらに好ましくは、アセトニトリルとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、メタノールとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、アセトニトリルとアセトンの混合溶媒又はメタノールとアセトンの混合溶媒である。
工程dで得られた反応溶液を用いて工程eを行う場合、前述の還元剤を、沈殿化溶媒であるメタノールやアセトニトリルに加えた溶液として使用することにより、リン原子を修飾する試薬のクエンチ処理と同時に工程eを行うことができる。
本発明のオリゴヌクレオチドの製造方法は、上記工程aから工程eを所望の回数繰返すことで高純度かつ高収率で目的のオリゴヌクレオチドを得ることができる。
上記工程aから工程d及び工程f及び工程gにおける反応の進行の確認は、いずれも一般的な液相有機合成反応と同様の方法を適用できる。すなわち、薄層シリカゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を用いて反応を追跡することができる。
(工程f)(脱保護・オリゴヌクレオチド単離工程)
オリゴヌクレオチドの製造方法においては、工程eの後に、基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基の種類と性質に応じて、脱保護を行い、オリゴヌクレオチドを単離することができる。脱保護の方法としては、例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等に記載されている脱保護方法に従い、オリゴヌクレオチドの保護基を除去する工程を行うことができる。具体的には、擬似固相保護基、ならびに基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等、亜リン酸ジエステル結合、リン酸ジエステル結合又はチオリン酸ジエステル結合を保護している基本保護基である2−シアノエチル基等は、アンモニア水、アンモニア水/エタノール溶液、又はアンモニア水とメチルアミン水溶液の混合液で処理することにより、除去することができる。また、5’位又は3’位ヒドロキシ基の一時保護基は、工程aで使用されるフッ素試薬、酸又は塩基、又はそれらを適宜希釈した溶液で処理することにより除去することができる。また、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、2002年、2619頁−2633頁に記載されている脱保護方法に従い、DBU[1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン]及びトリメチルシリルクロリドで処理して、リン酸ジエステル結合又はチオリン酸ジエステル結合を保護している2−シアノエチル基等を除去した後に、アンモニア水で擬似固相保護基、ならびに基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等を除去する方法を用いることもできる。また、無機塩基(炭酸カリウム等)で基本保護基であるベンゾイル基、イソブチリル基、フェノキシアセチル基、アセチル基、レブリニル基等を除去する方法を用いることもできる。
基本保護基で置換されたリン酸ジエステル結合は、例えば、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、1999、1477頁−1486頁に記載されている方法((E)−2−ニトロベンズアルドキシム、ピリジン−2−アルドキシムなどのオキシム化合物及び、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、DBU等の塩基で処理する方法)で脱保護することにより、リン酸ジエステル結合へ変換することができる。2−シアノエチル基等、β脱離によって脱保護可能な基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合は、前記塩基性条件下での脱保護により、チオリン酸ジエステル結合へ変換できる。その他の基本保護基で置換されたチオリン酸ジエステル結合のうち、チオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に包含される結合は、例えば、ジャーナルオブザケミカルソサイエティー パーキントランザクション1、1999、1477頁−1486頁に記載されている方法(前記オキシム化合物及び前記塩基で処理する方法等)で脱保護することにより、リン酸ジエステル結合へ変換できる。
保護基を有しないオリゴヌクレオチドは、酵素により容易に分解されやすいため、空気清浄度管理下でオリゴヌクレオチドを単離することが好ましい。
基本保護基のうちC6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、アラルキルアミノカルボニル基等は、水存在下加熱することで除去することができる。この時、アンモニア水を用いてもよい。
工程e又は工程fより得られたオリゴヌクレオチドは、更に有機合成反応を施すことにより、所望のオリゴヌクレオチド誘導体へと導くこともできる。H−ホスホネート法の方法A、ホスホロアミダイト法の方法A、H−ホスホネート法の方法B及びホスホロアミダイト法の方法Bのいずれかを使用して製造されたオリゴヌクレオチドを用いて、H−ホスホネート法の方法A、ホスホロアミダイト法の方法A、H−ホスホネート法の方法B及びホスホロアミダイト法の方法Bのいずれかを使用してオリゴヌクレオチドを製造することもできる。擬似固相保護基を3’位に有する場合、方法A(5’)及び/又は方法B(5’)が使用され、擬似固相保護基を5’位に有する場合、方法A(3’)及び/又は方法B(3’)が使用される。
前記カップリング工程後の亜リン酸ジエステル結合による縮合体(va若しくはvb)又は(ixa若しくはixb)、又は亜リン酸トリエステル結合による縮合体(xa若しくはxb)又は(xiia又はxiib)、又はその亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合の変換体(via若しくはvib)又は(xiiia若しくはxiiib)を、スキーム1又は2中、式(ia又はib)で表される化合物として用い、方法A又は方法Bにおける工程aを実施することができる。
(工程g)(擬似固相保護基の選択的脱保護工程)
工程aから工程eのいずれかの後に、基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基の種類と性質に応じて、一時保護基及び/又は基本保護基を維持したまま、選択的に擬似固相保護基の脱保護を行うことが可能である。
工程gは、低極性溶媒中において、2’位、3’位又は5’位に擬似固相保護基を有する、オリゴヌクレオチドの当該擬似固相保護基を、ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択される少なくとも1つのアミノ化合物の添加により除去する工程(脱擬似固相保護基工程)である。
一時保護基及び/又は基本保護基を維持したまま、選択的に脱保護できる擬似固相保護基としては、前記レブリニル型擬似固相保護基が挙げられる。
前記レブリニル型擬似固相保護基としては、下記式(II)
Figure 2018203574

(式中、*は、前記擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基、又は
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される擬似固相保護基が挙げられる。
前記式(II)において、好適な、R、s、L11、L12及びL13は、前述の通りである。前記レブリニル型擬似固相保護基は、3’位又は5’位のヒドロキシ基の酸素原子に結合することが、好ましい。
前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドの3’位又は5’位の一時保護基は、好ましくは、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基であり、特に好ましくはジメトキシトリチル基である。
前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドに含まれるリン酸ジエステル結合、亜リン酸トリエステル結合及びチオリン酸ジエステル結合の基本保護基は、好ましくは、2−シアノエチル基である。
前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドの2’位の基本保護基は、好ましくは、tert−ブチルジメチルシリル基、メトキシエチル基又はメチル基であり、より好ましくは、メトキシエチル基又はメチル基であり、特に好ましくはメトキシエチル基である。
前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドの核酸塩基部の基本保護基は、好ましくは、ピバロイル基、フェノキシアセチル基、4−イソプロピルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、ジメチルアセトアミジニル基又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基であり、より好ましくは、ベンゾイル基又はイソブチリル基である。
その他の態様として、前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドの核酸塩基部の基本保護基は、好ましくは、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、アラルキルアミノカルボニル基等のアミノカルボニル型保護基である。
ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、及びアラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
アデニル基、シトシル基及び5−メチルシトシル基は、前記アミノカルボニル型保護基で置換されていることが好ましく、好ましいアミノカルボニル型保護基は、核酸塩基における「アミノ基の保護基」で前述した通りである。
工程gは、反応に影響を及ぼさない溶媒中で行われる。当該溶媒における溶解度が高い程、優れた反応性が期待できるため、目的とする化合物の溶解度の高い低極性溶媒を選択することが好ましい。具体的には、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。また、上記低極性溶媒に、酢酸などのカルボン酸系溶媒、ピリジンなどの含窒素芳香族系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等の極性溶媒を、n個重合オリゴヌクレオチドが溶解し得る限り、任意の割合で混合して用いてもよい。中でも、工程gに用いる溶媒は、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸、ピリジンと、又は、これらの組合せが好ましく、ジクロロメタン/酢酸/ピリジンの混合溶媒、ジクロロメタン/酢酸の混合溶媒、テトラヒドロフラン/酢酸/ピリジンの混合溶媒及びテトラヒドロフラン/酢酸の混合溶媒がさらに好ましく、テトラヒドロフラン/酢酸の混合溶媒が特に好ましい。
工程gにおけるn個重合オリゴヌクレオチドの溶媒中の濃度は、溶解していれば特に限定されないが、好ましくは1から30重量%である。
工程gにおける酢酸、ピリジン等の極性溶媒の低極性溶媒中の割合は、溶解していれば特に限定されない。
工程gに使用されるヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択されるアミノ化合物としては、擬似固相保護基の選択的脱保護が達成できれば特に限定されないが、例えば下記式(V)中、式(V−1)又は式(V−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018203574
式(V)中、L10は、単結合又はC2−6アルキレン基であり、
は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基、シアノ基で置換されたC1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C3−6シクロアルキル基、フェニル基、ベンゾイル基、フェニルスルホニル基、フェノキシカルボニル基、又はベンジル基(該フェニル基、ベンゾイル基、フェニルスルホニル基、フェノキシカルボニル基、及びベンジル基は、無置換であるか又は、ハロゲン原子、ニトロ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルコキシカルボニル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されている)である。
ここで、ベンゼン環上が、前記置換基で置換されているとき、該置換基は、ベンゼン環が置換されていても、メチレン基が置換されていてもよい。
式(V)中、L10は、単結合又はC2−6アルキレン基であり、
は、好ましくは、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、フェニル基、ベンゾイル基、フェニルスルホニル基又はフェノキシカルボニル基(該フェニル基、ベンゾイル基、フェニルスルホニル基及びフェノキシカルボニル基は、無置換であるか又は、ハロゲン原子、ニトロ基、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルコキシカルボニル基及びC1−6アルコキシ基からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されている)である。
工程gに使用されるヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択されるアミノ化合物は、前記式(V−1)又は前記式(V−2)で表される化合物の塩、又はその溶媒和物を含む。
前記式(V)中、(V−1)で表される化合物のうち、L10が単結合である化合物は、ヒドラジン誘導体に包含される。
前記式(V)中、(V−1)で表される化合物のうち、L10がC2−6アルキレン基である化合物は、ジアミン誘導体に包含される。
前記式(V)中、(V−2)で表される化合物のうち、L10が単結合である化合物は、ヒドロキシルアミン誘導体に包含される。
前記式(V)中、(V−2)で表される化合物のうち、L10がC2−6アルキレン基である化合物は、アミノアルコール誘導体に包含される。
前記ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体は、溶媒和物又は塩として用いられてもよい。
ヒドラジン誘導体としては、ヒドラジン、C1−6アルキルヒドラジン、C1−6ハロアルキルヒドラジン、C3−6シクロアルキルヒドラジン、C6−10アリールヒドラジン、C6−10アリールスルホニルヒドラジン、アラルキルヒドラジン、カルボン酸ヒドラジド、C1−6カルバゼート、又はその塩若しくはその水和物等であり、具体的には、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン酢酸塩、硫酸ヒドラジニウム、エチルヒドラジンシュウ酸塩、イソプロピルヒドラジン塩酸塩、t−ブチルヒドラジン塩酸塩、アセトヒドラジド、メチルカルバゼート、フェニルヒドラジン、p−トルエンスルホニルヒドラジン、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩、ベンジルヒドラジン塩酸塩、2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン(70%水溶液)及び2−シアノエチルヒドラジン等が挙げられる。好ましくは、ヒドラジン、C1−6アルキルヒドラジン、C3−6シクロアルキルヒドラジン、アラルキルヒドラジン、又はその塩若しくはその水和物等であり、具体的には、ヒドラジン一水和物、ヒドラジン酢酸塩、エチルヒドラジンシュウ酸塩、イソプロピルヒドラジン塩酸塩、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩及びベンジルヒドラジン塩酸塩が挙げられる。より好ましくは、ヒドラジン、C1−6アルキルヒドラジン、C3−6シクロアルキルヒドラジン、又はその塩若しくはその水和物等であり、具体的には、ヒドラジン一水和物、エチルヒドラジンシュウ酸塩、イソプロピルヒドラジン塩酸塩、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩及びシクロヘキシルヒドラジン塩酸塩等が挙げられる。
ヒドロキシルアミン誘導体としては、ヒドロキシルアミン塩酸塩、N−メチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩等が挙げられる。
ジアミン誘導体としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン等が挙げられる。
アミノアルコール誘導体としては、エタノールアミン、N−メチル−エタノールアミン等が挙げられる。
工程gに使用される前記アミノ化合物は、ヒドラジン誘導体が好ましく、ヒドラジン又はC1−6アルキルヒドラジンがより好ましく、ヒドラジン一水和物又はメチルヒドラジンがさらに好ましい。
前記ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体は、上記低極性溶媒で希釈して使用することができる。
前記ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体が塩である場合は、水に溶かして水溶液として使用することができる。また、塩の中和のために、無機塩基(酢酸ナトリウム等)又は有機塩基(2,4,6−コリジン等)の存在下、使用することができる。
工程gにおける前記アミノ化合物の使用量は、例えば、オリゴヌクレオチド1モルに対し、1から100モルであり、好ましくは1から40モルであり、より好ましくは1から30モルであり、さらに好ましくは、1から20モルであり、さらにより好ましくは1から10モルである。
工程gの反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましく、0℃から30℃がさらに好ましい。反応時間は、使用するオリゴヌクレオチドの種類、塩基の種類、溶媒の種類、反応温度等により異なるが、5分間から50時間が好ましく、5分間から12時間がより好ましく、30分間から6時間がより好ましい。
工程gで擬似固相保護基が選択的に脱保護されたオリゴヌクレオチドは、単離してもよく、そのまま連続的に次の工程に使用してもよい。
前述のように、レブリニル型新規擬似固相保護基は、オリゴヌクレオチドの他の保護基である、一時保護基及び/又は基本保護基を維持したまま、選択的に脱保護することが可能である。上記レブリニル型擬似固相保護基が選択的に脱保護されたオリゴヌクレオチドであるブロック体は、レブリニル型に限らず擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドとカップリングさせることが可能で、該カップリングが高収率で進行することを見出した。該製造方法は、以下の様に表すことができる。
[1] 3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基又はヒドロキシ基であり、2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所に、擬似固相保護基を有する、n個重合オリゴヌクレオチドと、
5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、擬似固相保護基を有さない、p個重合オリゴヌクレオチドとをカップリングさせる工程を含み、
n及びpは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、n+pは、11以上であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
[2] 前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、[1]に記載の製造方法。
[3] n+pは、15以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] n及びpは、それぞれ独立して、4以上の整数である、[1]から[3]のいずれか1つに記載の製造方法。
[5] 反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させることと、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、[1]から[4]のいずれか1つに記載の製造方法。
[6] 前記カップリング工程の前に、3’位及び5’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基であり、2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所に、擬似固相保護基を有するn個重合オリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去する工程を含む、[1]から[5]のいずれか1つに記載の製造方法。
[7] 前記一時保護基を除去する工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させることと、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、[6]に記載の製造方法。
[8] 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、[5]又は[7]に記載の製造方法。
[9] 前記n個重合オリゴヌクレオチドが、核酸塩基部に擬似固相保護基を有する、[1]から[8]のいずれか1つに記載の製造方法。
[10] 前記n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が基本保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、ヒドロキシ基であり、5’位が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、[9]に記載の製造方法。
[11] 前記n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、ヒドロキシ基であり、3’位が基本保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、[9]に記載の製造方法。
[12] 前記n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基である、[1]から[8]のいずれか1つに記載の製造方法。
[13] 前記n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、
前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、ヒドロキシ基であり、5’位が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、[12]に記載の製造方法。
[14] 前記n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、ヒドロキシ基であり、
前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、[12]に記載の製造方法。
[15] 前記一時保護基が、それぞれ独立して、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、[2]、[6]から[8]、[10]、[11]、[13]及び[14]のいずれか1つに記載の製造方法。
[16] 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、前記カップリング工程が、亜リン酸ジエステル結合を形成する、[1]から[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
[17] 前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、[16]に記載の製造方法。
[18] 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、前記カップリング工程が、亜リン酸トリエステル結合を形成する、[1]から[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
[19] 前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、[18]に記載の製造方法。
[1]から[18]における擬似固相保護基として、好ましくは、一時保護基を除去する条件では安定な保護基が用いられる。
具体的に、工程gで、3’位又は5’位のレブリニル型擬似固相保護基が選択的に脱保護されたオリゴヌクレオチドは、前述の工程c(カップリング工程)におけるp個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)として使用できる。また、工程gで3’位又は5’位のレブリニル型擬似固相保護基が選択的に脱保護されたオリゴヌクレオチドは、前述の工程b(反応性リン化工程)と同様の条件で、H−ホスホネート化又はホスホロアミダイト化した後、工程c(カップリング工程)におけるp個重合オリゴヌクレオチド(viiia又はviiib)又は(xia又はxib)として使用できる。
脱保護剤として使用される前記ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体又はアミノアルコール誘導体が、工程cのカップリング反応中に存在すると、n個重合オリゴヌクレオチド(iiia又はiiib)、(iia又はiib)又は(viia又はviib)の擬似固相保護基がレブリニル型擬似固相保護基である場合に、該擬似固相保護基の脱保護を誘発するため、クエンチ処理によって除去されることが好ましい。クエンチ処理は、ケトン化合物により行う。
クエンチ処理に使用されるケトン化合物としては、前記アミノ化合物を消費することができるものであれば特に限定されないが、アセチルアセトン、アセトン等が挙げられ、好ましくは、アセチルアセトンである。
工程gにおけるクエンチ処理に使用されるケトン化合物の使用量は、前記アミノ化合物1モルに対し、例えば0.01から100モルであり、好ましくは0.1から50モルであり、より好ましくは1から20モルであり、さらに好ましくは1から3モルである。
工程cにおける前記p個重合オリゴヌクレオチド(iva又はivb)、(viiia又はviiib)及び(xia又はxib)のうち、擬似固相保護基を有さないオリゴヌクレオチドを製造するための、レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、好ましくは、下記式(I)で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩である。
Figure 2018203574
式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基を示し、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
は、Z又はRであり、
がZのとき、ZはRであり、ZがRのとき、ZはZであり、
Zは、前記式(II)で表される保護基を示し、
Rは、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基、又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基を示す。
ここで、Vが硫黄原子のとき、該硫黄原子が結合するリン原子に結合するYは、基本保護基で置換されたヒドロキシ基を示す。
式(I)中、ZがZであり、ZはRである化合物は、方法A(5’)又は方法B(5’)における工程cに用いられる前記p個重合オリゴヌクレオチド又はその製造に使用できる。
式(I)中、ZがRであり、ZはZである化合物は、方法A(3’)又は方法B(3’)における工程cに用いられる前記p個重合オリゴヌクレオチド又はその製造に使用できる。
式(I)中、Z及びZ以外の記号の好適例は、工程aから工程dの好適例と同様である。
特に工程gでは、式(I)中、Zが前記式(II)で表される保護基であり、Rが一時保護基である化合物の当該式(II)で表される保護基を除去し、式(I)中、Zが水素原子であり、Rが一時保護基である化合物を得ることができる。
〔擬似固相保護基の位置と種類の変換〕
3’位又は5’位に、前記レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、以下の工程h及び工程iにより、5’位又は3’位に、前記トリチル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドへ変換することができる。
(工程h)
工程hは、5’位又は3’位がヒドロキシ基であり、3’位又は5’位がレブリニル型擬似固相保護基であるオリゴヌクレオチドの当該5’位又は3’位ヒドロキシ基を、式(VI)で表されるトリチル型擬似固相保護基で保護する工程である。
(工程i)
工程iは、5’位又は3’位がトリチル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位又は5’位がレブリニル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドのレブリニル型擬似固相保護基を、除去する工程である。
具体的には、スキーム1又は2中、Zがレブリニル型擬似固相保護基である、5’又は3’位ヒドロキシ体(iia又はiib)、又はスキーム15から18中、Zがレブリニル型擬似固相保護基である、5’又は3’位ヒドロキシ体(va若しくはvb、又はxa若しくはxb)の当該5’又は3’位ヒドロキシ基を、前記トリチル型擬似固相保護基で保護し、その後、前記レブリニル型擬似固相保護基を選択的に脱保護することにより、5’位又は3’位に、前記トリチル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドを得ることができる。
例えば、スキーム1中(iia)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体は、スキーム2中(iib)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体に変換できる。スキーム2中(iib)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体は、スキーム1中(iia)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体に変換できる。
同様に、スキーム15中(via)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体は、スキーム16中(vib)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体に変換できる。スキーム16中(vib)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体は、スキーム15中(via)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体に変換できる。
また、スキーム17中(xiiia)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体は、スキーム18中(xiiib)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体に変換できる。スキーム18中(xiiib)で表され、Zがレブリニル型擬似固相保護基である3’位ヒドロキシ体は、スキーム17中(xiiia)で表され、Zがトリチル型擬似固相保護基である5’位ヒドロキシ体に変換できる。
前記レブリニル型擬似固相保護基は、前記式(II)で表される基が挙げられる。
レブリニル型擬似固相保護基は、好ましくは、工程aにおける前記式(II)で表される擬似固相保護基と同様である。
前記トリチル型擬似固相保護基は、前記式(VI)で表される基が挙げられる。
トリチル型擬似固相保護基は、好ましくは、工程aにおける前記式(VI)で表される擬似固相保護基と同様である。
(工程h)(5’ヒドロキシ基又は3’ヒドロキシ基のトリチル型擬似固相保護工程)
工程hは、低極性溶媒中において、塩基存在下、3’位又は5’位にレブリニル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基を有し、5’位又は3’位にヒドロキシ基を有するn個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)に対して、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤を反応させ、当該n個重合オリゴヌクレオチドの5’位又は3’位ヒドロキシ基を前記トリチル型擬似固相保護基で保護する工程である(スキーム19又は20)。スキーム中、Zは、レブリニル型擬似固相保護基であり、Rは、トリチル型擬似固相保護基であり、その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
Figure 2018203574
前記長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤は、下記式(IX)で表される。
Figure 2018203574

式中、Qは、脱離基を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である。
ここで、Qで示される脱離基は、反応が進行すれば特に限定されないが、ハロゲン原子、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、C1−6ハロアルキルカルボニルオキシ基、C1−6アルキルスルホニルオキシ基、C1−6ハロアルキルスルホニルオキシ基、C6−10アリールカルボニルオキシ基及びC6−10アリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、ここで、C6−10アリールスルホニルオキシ基は、無置換であるか又は、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、ハロゲン原子及びニトロ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。当業者は、本工程に有用な脱離基を認識できる。
Qで示される脱離基は、好ましくは、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニルオキシ基、アセトキシ基又はトリフルオロアセトキシ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、塩素原子又は臭素原子である。
工程hで用いられる溶媒は、具体的には、前記工程aと同様の溶媒が挙げられる。中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ノナン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、又は、これらの組合せが好ましく、ピリジン、ジクロロメタン、又はこれらの組み合わせが更に好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。
工程hで用いられる長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤は、例えば、対応するトリアリールメタノールに、溶媒中、塩化水素−1,4−ジオキサン溶液、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化アセチル、無水トリフルオロメタンスルホン酸、無水−p−トルエンスルホン酸又は無水トリフルオロ酢酸などの試剤を添加することで、製造できる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
前記長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤は、対応する長鎖アルコキシトリアリールメタノールから製造した後に、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤を再沈殿などで単離して用いてもよく、適切なクエンチ処理の後単離を行わずに、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤を含有する反応混合物として用いてもよい。
長鎖アルコキシトリアリールメタノールは、既存の酸化、還元、加水分解等、一般的に知られている官能基変換法(例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ第2版(Comprehensive Organic Transformations, Second Edition)、ラロック(R.C.Larock)著、ワイリー−ブイシーエイチ(Wiley-VCH)(1999年)など参照)を行うことにより製造できる。例えば、対応する安息香酸エステルやベンゾフェノンと、アリールグリニャール試薬との反応により製造する方法が挙げられる。
工程hで用いられる長鎖アルコキシトリアリールメタノール又は長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤の使用量は、特に制限されないが、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から5モルであり、好ましくは1から2モルであり、より好ましくは1から1.5モルである。
工程hで用いられる塩基は、良好なトリチル型擬似固相保護基の導入が達成できれば特に限定されないが、ピリジンなどの含窒素芳香環化合物、トリエチルアミン等の鎖状アミン、N−メチルモルホリン等の環状アミンなどが挙げられる。中でも、ピリジンが好ましい。
工程hで用いられる塩基の使用量は、特に制限されないが、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1モルに対し、例えば1から300モルであり、好ましくは1から100モルであり、より好ましくは1から40モルである。
工程hでは、脱水剤を用いてもよい。脱水剤としては、例えば、モレキュラーシーブス(中でもモレキュラーシーブス3A及びモレキュラーシーブス4A)などが挙げられる。
工程hで用いられる脱水剤の使用量は、特に制限されないが、n個重合オリゴヌクレオチド(iia又はiib)1グラムに対し、例えば0.1から50グラムであり、好ましくは0.5から10グラムであり、より好ましくは1から5グラムである。
工程hの反応温度は、反応が進行すれば特に限定されないが、−10℃から60℃が好ましく、20℃から50℃がより好ましい。反応時間は、使用するn個重合オリゴヌクレオチドの種類、溶媒、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤、塩基等の種類や使用量、脱水剤の有無、種類や使用量、反応温度等により異なるが、5分間から48時間が好ましく、10分間から24時間がより好ましく、30分間から12時間がより好ましい。
トリチル型擬似固相保護基を導入した後、カチオン捕捉剤を用いて残存する長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤(IX)を、ピロール又はインドール誘導体に付加して除去してもよい。カチオン捕捉剤は、工程aと同様のカチオン捕捉剤を使用できる。
工程hで用いられるカチオン捕捉剤の使用量は、特に制限されないが、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤1モルに対し、例えば1から100モルであり、好ましくは1から50モルであり、より好ましくは1から20モルである。
工程hの後に、工程eと同様の操作による沈殿化及び固液分離工程を行ってもよく、工程eと同様の操作を実施することが好ましい。工程hの後に、工程eと同様の操作を実施するとき、好ましくは1〜3回、より好ましくは1又は2回、さらに好ましくは1回、工程eと同様の操作が実施される。
(工程i)(レブリニル型擬似固相保護基の選択的脱保護工程)
5’位又は3’位がトリチル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位又は5’位がレブリニル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドは、トリチル型擬似固相保護基を維持したまま、レブリニル型擬似固相保護基を選択的に除去できる。
反応条件や、試薬等は、工程gと同様である。
工程eと同様の操作による沈殿化及び固液分離工程は、工程iの前及び後の少なくとも一方に実施することが好ましく、工程iの後に実施することがより好ましく、工程iの前及び後の両方に実施することが特に好ましい。工程iの後に、工程eと同様の操作を実施するとき、好ましくは1〜3回、より好ましくは1又は2回、さらに好ましくは1回、工程eと同様の操作が実施される。工程iの前も同様である。
工程iで選択的にレブリニル型擬似固相保護基が除去された、トリチル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、必要に応じて、工程eと同様の条件で、沈殿化及び固液分離工程を実施した後、スキーム3又は4中(iia又はiib)又はスキーム5又は6中(iia又はiib)として用い、それぞれ前記反応性リン化工程b1又は工程b2を実施できる。また、スキーム9又は10中(iia又はiib)又はスキーム13又は14中(iia又はiib)として用い、それぞれ前記カップリング工程c1又は工程c2を実施できる。また、スキーム7又は8中(iva又はivb)又はスキーム11又は12中(iva又はivb)として用い、それぞれ前記カップリング工程c1又は工程c2と同様に、カップリング反応を実施し、縮合体を得ることができる(但し、この場合、スキーム7、8、11及び12中のRは、前記トリチル型擬似固相保護基である)。さらに、得られた縮合体は、スキーム15又は16中(va又はvb)又はスキーム17又は18中(xa又はxb)として用い、それぞれ前記変換工程d1又は工程d2と同様に、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を変換できる(但し、この場合、スキーム15、16、17及び18中のZ又はRは、前記トリチル型擬似固相保護基である)。さらに、得られた変換体は、スキーム1又は2中(ia又はib)として用いることができる。トリチル型でない擬似固相保護基と、トリチル型擬似固相保護基の両方を有するオリゴヌクレオチドでは、これら擬似固相保護基の脱保護条件に応じて、一方を一時保護基の代わりとして扱い、工程aと同様の条件で、一時保護基の代わりに用いた基を除去することができる(但し、この場合、スキーム1及び2中のRは、前記トリチル型擬似固相保護基又はトリチル型でない擬似固相保護基である)。
工程iで選択的にレブリニル型擬似固相保護基が除去された、トリチル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、特に好ましくは、レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドとのカップリング反応に使用できる。
工程iの後に、工程hで残留した長鎖アルコキシトリアリールメタノール、長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤のピロール又はインドール誘導体への付加体の除去を目的に、低極性溶媒を用いた沈殿化及び固液分離工程を行ってもよい。例えば、レブリニル型擬似固相保護基を除去したオリゴヌクレオチドを塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエンなどの低極性溶媒に溶解させ、当該溶液とヘプタンやヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒とを混合し、オリゴヌクレオチドを沈殿させて、固液分離により取得できる。前記溶液に、炭化水素系溶媒を添加してもよく、前記溶液を、炭化水素系溶媒に添加してもよい。
(工程j)(3’位又は5’位がレブリニル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドと、5’位又は3’位がトリチル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドとをカップリングする工程)
スキーム7中5’位ヒドロキシのH−ホスホネート体(iiia)と、スキーム2中3’位ヒドロキシ体(iib)とを、前記工程c1と同様の条件で、亜リン酸ジエステル結合により縮合させることができる。本工程をスキーム21に示す。スキーム中、(iiia)のnと(iib)のnは、同一でも異なっていてもよく、(iiia)のZと(iib)のZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基であり、その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
スキーム8中3’位ヒドロキシのH−ホスホネート体(iiib)と、スキーム1中5’位ヒドロキシ体(iia)とを、前記工程c1と同様の条件で、亜リン酸ジエステル結合により縮合させることができる。本工程をスキーム22に示す。スキーム中、(iiib)のnと(iia)のnは、同一でも異なっていてもよく、(iiib)のZと(iia)のZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基であり、その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
スキーム11中5’位ヒドロキシのホスホロアミダイト体(viia)と、スキーム2中3’位ヒドロキシ体(iib)とを、前記工程c2と同様の条件で、亜リン酸トリエステル結合により縮合させることができる。本工程をスキーム23に示す。スキーム中、(viib)のnと(iia)のnは、同一でも異なっていてもよく、(viib)のZと(iia)のZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基であり、その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
スキーム12中3’位ヒドロキシのホスホロアミダイト体(viib)と、スキーム1中5’位ヒドロキシ体(iia)とを、前記工程c2と同様の条件で、亜リン酸トリエステル結合により縮合させることができる。本工程をスキーム24に示す。スキーム中、(viib)のnと(iia)のnは、同一でも異なっていてもよく、(viib)のZと(iia)のZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基であり、その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
スキーム21から24において、好ましくは3’位のZがレブリニル型擬似固相保護基であり、5’位のZが、トリチル型擬似固相保護基である。
前記縮合されたオリゴヌクレオチド(xiv)の亜リン酸ジエステル結合を、工程d1と同様の条件で、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合等へとへと変換することができる。本工程をスキーム25に示す。スキーム中、式(xiv)中の2つのnは同一でも異なっていてもよく、式(xvi)中の2つのnは同一でも異なっていてもよい。式(xiv)中の2つのZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基である。式(xvi)中の2つのZも同様である。その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
前記縮合されたオリゴヌクレオチド(xv)の亜リン酸トリエステル結合を、工程d2と同様の条件で、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合等へとへと変換することができる。本工程をスキーム26に示す。スキーム中、式(xv)中の2つのnは同一でも異なっていてもよく、式(xvii)中の2つのnは同一でも異なっていてもよい。式(xv)中の2つのZの内、一方は、レブリニル型擬似固相保護基であり、他方は、トリチル型擬似固相保護基である。式(xvii)中の2つのZも同様である。その他の記号は、前記定義に同じである。
Figure 2018203574
前記亜リン酸ジエステル結合により縮合させる工程により得られた反応混合物を用いて、工程eと同様に、縮合された前記ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(xiv)を沈殿させて、固液分離により取得する分離工程を実施することができる。前記亜リン酸トリエステル結合により縮合させる工程により得られた反応混合物を用いて、工程eと同様に、縮合された前記ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(xv)を沈殿させて、固液分離により取得する分離工程を実施することができる。
前記亜リン酸ジエステル結合を変換する工程により得られた反応混合物を用いて、工程eと同様に、亜リン酸ジエステル結合が変換されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(xvi)を沈殿させて、固液分離により取得する分離工程を実施することができる。前記亜リン酸トリエステル結合を変換する工程により得られた反応混合物を用いて、工程eと同様に、亜リン酸トリエステル結合が変換されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチド(xvii)を沈殿させて、固液分離により取得する分離工程を実施することができる。
前記分離工程の後に、工程fと同様に、基本保護基、一時保護基及び擬似固相保護基の種類・性質に応じて、脱保護を行い、オリゴヌクレオチドを単離することができる。
(工程k)(トリチル型擬似固相保護基の選択的脱保護工程)
5’位又は3’位がトリチル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位又は5’位がレブリニル型擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドは、低極性溶媒中、酸を添加することにより、レブリニル型擬似固相保護基を維持したまま、トリチル型擬似固相保護基を選択的に除去できる。
工程kに用いられる溶媒、及び溶媒中のオリゴヌクレオチドの濃度は、工程aと同様である。
工程kに使用される酸は、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸、硝酸アンモニウムセリウム、ホスホン酸又はリン酸が好ましく、中でも、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、酢酸又は硝酸アンモニウムセリウムがより好ましく、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は酢酸がさらに好ましく、酢酸が特に好ましい。その他の態様として、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸又はホスホン酸が特に好ましい。また、塩化水素(水溶液、1,4−ジオキサン溶液等)も好ましく、塩化水素−1,4−ジオキサン溶液が特に好ましい。
工程kにおける酸の使用量は、オリゴヌクレオチド1モルに対し、1から100モル使用することができ、好ましくは1から40モルであり、より好ましくは1から30モルであり、さらに好ましくは1から20モルである。
工程kの反応温度は、工程aと同様である。
工程kにおいて、生成する長鎖アルコキシトリアリールメチル化剤を、カチオン捕捉剤を用いてピロール又はインドール誘導体に付加して、除去してもよい。カチオン捕捉剤は、工程aと同様の化合物を使用できる。
工程kで用いられるカチオン捕捉剤の使用量は、特に制限されないが、オリゴヌクレオチド1モルに対し、例えば1から100モルであり、好ましくは1から50モルであり、より好ましくは1から20モルである。
工程kの後に、工程j等のカップリング工程を実施する場合、脱保護剤として使用される酸が、カップリング反応中に存在すると、スキーム21から24中のオリゴヌクレオチド(iiia又はiiib)、(viia又はviib)の5’位若しくは3’位ヒドロキシ基のトリチル型擬似固相保護基の脱保護を誘発するため、クエンチ処理によって除去されることが必要である。クエンチ処理は、有機塩基により行う。
クエンチ処理に使用される有機塩基は、工程aと同様である。
工程kの後に、工程eと同様の操作による沈殿化及び固液分離工程を行ってもよく、工程eと同様の操作を実施することが好ましい。工程kの後に、工程eと同様の操作を実施するとき、好ましくは1〜3回、より好ましくは1又は2回、さらに好ましくは1回、工程eと同様の操作が実施される。
工程kで選択的にトリチル型擬似固相保護基が除去された、レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、必要に応じて、工程eと同様の条件で、沈殿化及び固液分離工程を実施した後、スキーム3又は4中(iia又はiib)又はスキーム5又は6中(iia又はiib)として用い、それぞれ前記反応性リン化工程b1又は工程b2を実施できる。また、スキーム9又は10中(iia又はiib)又はスキーム13又は14中(iia又はiib)として用い、それぞれ前記カップリング工程c1又は工程c2を実施できる。また、スキーム7又は8中(iva又はivb)又はスキーム11又は12中(iva又はivb)として用い、それぞれ前記カップリング工程c1又は工程c2と同様に、カップリング反応を実施し、縮合体を得ることができる(但し、この場合、スキーム7、8、11及び12中のRは、前記レブリニル型擬似固相保護基である)。さらに、得られた縮合体は、スキーム15又は16中(va又はvb)又はスキーム17又は18中(xa又はxb)として用い、それぞれ前記変換工程d1又は工程d2と同様に、亜リン酸ジエステル結合又は亜リン酸トリエステル結合を変換できる(但し、この場合、スキーム15、16、17及び18中のRは、前記レブリニル型擬似固相保護基である)。
工程kで選択的にトリチル型擬似固相保護基が除去された、レブリニル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドは、特に好ましくは、反応性リン化工程(前記工程b)を経てトリチル型擬似固相保護基を有するオリゴヌクレオチドとのカップリング反応(前記工程j)に使用できる。
レブリニル型擬似固相保護基及びトリチル型擬似固相保護基を使用してオリゴヌクレオチドを製造する方法は、例えば、以下のように表すことができる。
(1) 3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基、又はヒドロキシ基であるn個重合オリゴヌクレオチドと、
3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるp個重合オリゴヌクレオチドとを反応させ、
n個重合オリゴヌクレオチドとp個重合オリゴヌクレオチドとの結合体を生成するカップリング工程を含み、
n及びpは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、オリゴヌクレオチドの製造方法。
(2) n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、
p個重合オリゴヌクレオチドの5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位がヒドロキシ基である、(1)に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(3) 前記カップリング工程の前に、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’位のヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する反応性リン化工程を含む、(2)に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(4) n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位がヒドロキシ基であり、
p個重合オリゴヌクレオチドの5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、(1)に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(5) 前記カップリング工程の前に、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該3’位のヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換し、p個重合オリゴヌクレオチドを生成する反応性リン化工程を含む、(4)に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(6) 前記カップリング工程の前に、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該式(VI)で表される保護基を除去し、5’位にヒドロキシ基を生成する工程を含む、(1)から(5)のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(7) 前記カップリング工程の前に、5’位が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該式(II)で表される保護基を除去し、3’位にヒドロキシ基を生成する工程を含む、(1)から(6)のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
(8) 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、カップリング工程が亜リン酸ジエステル結合を形成する、(1)から(7)のいずれか1つに記載の製造方法。
(9) 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、(8)に記載の製造方法。
(10) 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、カップリング工程が亜リン酸トリエステル結合を形成する、(1)から(7)のいずれか1つに記載の製造方法。
(11) 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、(10)に記載の製造方法。
(12) 少なくとも1つの工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、(1)から(11)のいずれか1つに記載の製造方法。
(13) 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、(12)に記載の製造方法。
レブリニル型擬似固相保護基及びトリチル型擬似固相保護基を使用してオリゴヌクレオチド製造するためのオリゴヌクレオチドは、好ましくは、下記式(Ia)で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩である。
Figure 2018203574
[式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4’位炭素原子に架橋する有機基を示し、
Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
11が、下記式(II)で表される保護基、水素原子、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基又はヒドロキシホスフィニル基であるとき、Z12は、下記式(VI)で表される保護基を示し、
11が、下記式(VI)で表される保護基であるとき、Z12は、下記式(II)で表される保護基、水素原子、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基又はヒドロキシホスフィニル基を示し、
式(II)が、
Figure 2018203574
(式中、*は、前記保護基が保護する基との結合位置を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)であり、
式(VI)が、
Figure 2018203574

(式中、*は、前記基が保護する基との結合位置を示し、
Arは、下記式(VII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、
式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
Figure 2018203574

(式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)である]化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
ここで、Vが硫黄原子のとき、該硫黄原子が結合するリン原子に結合するYは、基本保護基で置換されたヒドロキシ基を示す。
11及びZ12の組み合わせは、好ましくは、Z11が、前記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基であり、Z12が、前記式(VI)で表される保護基であるか、又は、
11が、前記式(VI)で表される保護基であり、Z12は、前記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基である。
11及びZ12の組み合わせは、より好ましくは、Z11が、前記式(II)で表される保護基又は、ヒドロキシホスフィニル基であり、Z12が、前記式(VI)で表される保護基である。
11及びZ12の組み合わせは、さらに好ましくは、Z11が、前記式(II)で表される保護基であり、Z12が、前記式(VI)で表される保護基である。
式(Ia)中、Z11及びZ12以外の記号の好適例は、工程aから工程iの好適例と同様である。前記式(II)で表される基及び前記式(VI)で表される基の好ましい例は、工程aから工程iと同様である。
11又はZ12が、水素原子又は、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であるとき、前記式(VI)において、
sは2から5の整数であるか、又は
sが1であって、Rが、 式 −L−O−R
(式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、Rの炭素数が10以上であることが好ましい。
その他の態様として、前記式(VI)において、sが1であって、Rが、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、Rの炭素数が19以上であることが好ましく、21以上であることがより好ましい。
工程aからdの各出発原料は、固相合成機により合成して、使用することも可能である。例えば、スキーム2中3’位ヒドロキシ体(iib)及びスキーム1中5’位ヒドロキシ体(iia)は、固相合成機により合成して、使用してもよい。
また、スキーム8中3’位ヒドロキシのH−ホスホネート体(iiib)及びスキーム12中3’位ヒドロキシのホスホロアミダイト体(viib)は、固相合成機により合成された3’位ヒドロキシ体(iib)から工程b1又は工程b2を実施して合成し、用いても良い。スキーム7中5’位ヒドロキシのH−ホスホネート体(iiia)及びスキーム11中5’位ヒドロキシのホスホロアミダイト体(viia)は、固相合成機により合成された5’位ヒドロキシ体(iia)から工程b1又は工程b2を実施して合成し、用いてもよい。
また、工程hと同様の反応を、固相合成に適用することも可能である。
オリゴヌクレオチドの製造方法における出発物質は、既存の酸化、還元、加水分解、エステル化反応、アミド縮合等、一般的に知られている官能基変換法(例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ第2版(Comprehensive Organic Transformations, Second Edition)、ラロック(R.C.Larock)著、ワイリー−ブイシーエイチ(Wiley-VCH)(1999年)など参照)を行うことにより製造できる。
例えば、2’位と4’位が−CSNR14−(R14は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)で架橋したリボースに、核酸塩基が結合したヌクレオシドは、対応する−CONR13−(R13は水素原子又はC1−6アルキル基を示す)で架橋した構造を有するヌクレオシド等から、チオカルボニル化試薬(例えばローソン試薬等)を用いて、必要に応じて保護反応及び脱保護反応を行って、合成することができる。
擬似固相保護基が導入されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは以下に示す方法によって製造することができるが、下記製造方法は一般的な製造方法の一例を示すものであり、本実施形態に係る擬似固相保護基が導入されたヌクレオシド等の製造方法を限定するものではない。
前記式(III)で表される擬似固相保護基のうち、mが0である基が導入されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、例えば、下記式(X−1)に示されるカルボン酸若しくは下記式(X−2)に示されるカルボン酸ハライドと、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基若しくは核酸塩基との反応により得ることができる。
Figure 2018203574
式中、Wは、ハロゲン原子を意味し、その他の記号は前記式(III)における定義に同じである。
擬似固相保護基の導入にカルボン酸を用いる場合は、溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート及びカルボニルジイミダゾール等の縮合剤を用いて、擬似固相保護基をヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドへ導入することができる。必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の添加剤を組み合わせて用いることができる。カルボン酸ハライドを用いる場合は、溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基を用いる方法が挙げられる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
当該カルボン酸若しくは酸ハライドは、既存の酸化、還元、加水分解等、一般的に知られている官能基変換法(例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ第2版(Comprehensive Organic Transformations, Second Edition)、ラロック(R.C.Larock)著、ワイリー−ブイシーエイチ(Wiley-VCH)(1999年)など参照)を行うことにより製造できる。
また、LとL間の結合、LとL間の結合、LとL間の結合の内、任意の結合を上記縮合法や官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。また、Lが、−COO−、−CON(R)−、OCO−又は−N(R)CO−である場合、Lが含むエステル結合又はアミド結合を、上記縮合法や官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。Lが、−COO−、−CON(R)−、OCO−又は−N(R)CO−である場合も同様である。ここで、Rは前記定義に同じである。
例えば、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、式(X−4)で表されるジカルボン酸無水物(コハク酸無水物等)とを反応させ、カルボキシ基を有する下記式(X−5)で表される基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを得た後に、該カルボキシ基を有する式(X−5)で表される基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、下記式(X−6)に示されるアルコール化合物又は下記式(X−7)に示されるアミン化合物とを縮合させ、前記式(III)で表される擬似固相保護基のうち、mが0であり、Lが−COO−又は−CON(R)−である基を有する、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを製造することができる。
Figure 2018203574

式中、Lは前記式(III)における定義に同じである。
Figure 2018203574

式中の記号は前記式(III)における定義に同じである。
Figure 2018203574

式中の記号は前記式(III)における定義に同じである。
前記カルボキシ基を有する式(X−5)で表される基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドと、前記式(X−6)に示されるアルコール化合物又は前記式(X−7)に示されるアミン化合物との縮合は、通常、溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスファート又はカルボニルジイミダゾール等の縮合剤を用いて行われる。必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の添加剤を組み合わせて用いることができる。溶媒は、前記式(X−1)若しくは式(X−2)に示される化合物と、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドとの反応と同様である。
また、例えば、下記式(X−8)若しくは(X−10)に示されるカルボン酸又は下記式(X−9)若しくは(X−11)に示されるカルボン酸ハライドと、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基若しくは核酸塩基とを、前記縮合反応と同様の条件で縮合させ、必要に応じてその後脱保護反応を行うことにより、下記式(X−12)で表されるアルコール化合物又は下記式(X−13)で表されるアミノ化合物を得て、得られた式(X−12)で表されるアルコール化合物又は式(X−13)で表されるアミノ化合物と、式(X−14)で表されるカルボキシ化合物又は式(X−15)で表されるアリールカルボン酸ハライドとを前記縮合反応と同様の条件で縮合させ、前記式(III)で表される擬似固相保護基のうち、mが0であり、Lが−OCO−又は−N(R)CO−である基を有する、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを製造することができる。
Figure 2018203574
(式中、Pはヒドロキシ基の保護基を表し、Pはアミノ基の保護基を表し、Wはハロゲン原子を表し、その他の記号は前記式(III)における定義に同じである。)Pは、ヒドロキシ基を保護する一時保護基又は基本保護基から選択することができ、Pは、アミノ基を保護する基本保護基から選択することができる。
Figure 2018203574
式中の記号は前記式(III)における定義に同じである。
Figure 2018203574
式中の記号は前記式(III)における定義に同じであり、Wはハロゲン原子を表す。
前記脱保護反応の条件は、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS)、第3版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILLY & SONS)出版(1999年)等を参照できる。
前記式(III)に示される擬似固相保護基のうち、mが1である基が導入されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、例えば、下記式(X−3)に示されるアルキルハライドと、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基若しくは核酸塩基とを溶媒中で反応させることにより得ることができる。
Figure 2018203574
式中、Wは、ハロゲン原子を意味し、その他の記号は前記式(III)における定義に同じである。
前記式(X−3)に示されるアルキルハライドと、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの反応には、塩基(炭酸カリウム、トリエチルアミン等)が用いられる。前記溶媒としては、前述のハロゲン系溶媒、芳香族系溶媒、エステル系溶媒、脂肪族系溶媒、エーテル系溶媒又はアミド系溶媒等が用いられ、中でもアミド系溶媒が用いられる。
前記式(X−3)に示されるアルキルハライドは、前記式(X−1)に示されるカルボン酸とクロロメタンスルホン酸クロリドを溶媒中で反応させることにより(国際公開第2014−144285号に記載の方法)、また前記式(X−1)に示されるカルボン酸、パラホルムアルデヒド及び塩化亜鉛を溶媒中で反応させることにより(ジャーナルオブメディシナルケミストリー、2009年、52巻、771頁−778頁の方法)、製造できる。
また、LとLの間の結合、LとLの間の結合、LとLの間の結合の内、任意の結合を上記縮合法や官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。また、Lが、−COO−、−CON(R)−、OCO−又は−N(R)CO−である場合、Lが含むエステル結合又はアミド結合を、上記縮合法や官能基変換法等を用いて形成させ、段階的に擬似固相保護基を導入することもできる。Lが、−COO−、−CON(R)−、OCO−又は−N(R)CO−である場合も同様である。ここで、Rは前記定義に同じである。
前記式(II)で表される保護基は、例えば、下記式(II−1)に示されるカルボン酸若しくは下記式(II−2)に示されるカルボン酸ハライドと、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基若しくは核酸塩基等との反応により得ることができる。
Figure 2018203574

(式中の記号は前記式(II)における定義と同じである。)
Figure 2018203574

(式中、Wは、ハロゲン原子を意味し、その他の記号は前記式(II)における定義と同じである。)
擬似固相保護基の導入にカルボン酸を用いる場合、カルボン酸ハライドを用いる場合の反応条件は、前述の通りである。
当該カルボン酸若しくは酸ハライドは、既存の酸化、還元、加水分解等、一般的に知られている前記の官能基変換法により製造できる。
前記式(VI)で表される擬似固相保護基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、必要に応じて保護と脱保護を行い、前記工程hと同様の条件で、合成できる。
アデニン、シトシン及び5−メチルシトシン等の核酸塩基のアミノ基の保護基がアミノカルボニル型保護基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、対応するアリールイソシアネート若しくはアリールアミン等と、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの核酸塩基との反応により得ることができる。
例えば、アリールイソシアネートを用いる前記C6−10アリールアミノカルボニル基の導入は、溶媒中、対応するアリールイソシアネートを混合することで、実施できる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
アリールアミンを用いる前記C6−10アリールアミノカルボニル基の導入は、溶媒中、塩基とケイ素試薬を用いてヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドのヒドロキシ基を保護した後、カルボニルジイミダゾールなどのカルボニル化剤で核酸塩基のアミノ基をカルボニル化し、対応するアリールアミンを添加することで、実施できる。溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。塩基としては、ピリジンなどの含窒素芳香環アミン、トリエチルアミン等の鎖状アミン、N−メチルモルホリン等の環状アミンなどが挙げられる。ピリジンを用いる場合、塩基兼溶媒として用いてもよい。ケイ素試薬としては、TMSCl、トリメチルシリルブロミド、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルシリルクロリド、トリイソプロピルシリルクロリド、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド、フェニルジメチルシリルクロリド、ジフェニルメチルシリルクロリド、トリフェニルシリルクロリドなどを用いることができる。
アリールイソシアネートを用いる場合でも、アリールアミンを用いる場合と同様に、ピリジン溶媒中、TMSClでヒドロキシ基を保護した後にアリールイソシアネートと反応させてもよい。
C5−10ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、アラルキルアミノカルボニル基及びモノC1−6アルキルアミノカルボニル基も、対応するイソシアネート若しくはアミンを用いて、C6−10アリールアミノカルボニル基の導入と同様に、導入できる。
カップリング工程で使用されるp個重合オリゴヌクレオチドである、スキーム7から14中、(iva若しくはivb)、(viiia若しくはviiib)又は(xia若しくはxib)で表されるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、従来のホスホロアミダイト法又はH−ホスホネート法により、又は前記工程aから工程gの条件を用いて合成できる。例えば、前記(viiia若しくはviiib)又は(xia若しくはxib)で表されるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドは、その反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基部分がヒドロキシ基である化合物を、上述の工程bの条件でH−ホスホネート化又はホスホロアミダイト化することにより、合成できる。
製造されたオリゴヌクレオチドは、各種人体用又は動物用の医薬品(RNA、DNA、オリゴヌクレオチド医薬、等)、機能性食品、特定保健食品、食品、化成品、生体用高分子材料、工業用高分子材料等の各種用途に使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、NMRは核磁気共鳴スペクトルを、MSは質量分析を意味する。
H−NMRデータが記載されている場合には、300MHz(JNM−ECP300;日本電子(JEOL)社製、又はJNM−ECX300;日本電子(JEOL)社製)で測定し、テトラメチルシランを内部標準としたシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)(分裂パターン、積分値)を表す。「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「quint」はクインテット、「dd」はダブレット・オブ・ダブレット、「dt」はダブレット・オブ・トリプレット、「m」はマルチプレット、「brs」はブロードシングレット、「CDCl」は重クロロホルム、「DMSO−d」は重ジメチルスルホキシドを意味する。
31P−NMRデータが記載されている場合には、JNM−ECX300;日本電子(JEOL)社製)で測定したシグナルの化学シフトδ(単位:ppm)を表す。
MSは、下記表1に記載の条件1〜7のいずれかで、ESI(エレクトロスプレーイオン化)法を用いて測定した。特に記述がない場合は、条件1で測定した。「ESI」はESI正イオンモード、「ESI」はESI負イオンモードを意味する。
Figure 2018203574
なお、表1中の略語は、以下の通りである。
装置A:AB SCIEX TripleTOF 5600
装置B:BRUKER maXis
カラムA:Kinetex PFP(2.6μm、2.1×75mm)
カラムB:XBridgeC18(2.6μm、2.1×75mm)
カラムC:L−column ODS(3.0μm、3.0×150mm)
溶離液種類A:有機層は、テトラヒドロフラン[THF]/アセトニトリル[MeCN]=1/1(体積比)を、水層は、10mM ギ酸アンモニウム水溶液を用いた。
溶離液種類B:有機層は、MeCNを、水層は、水を用いた。
溶離液組成A:有機層と水層の混合比(体積比)を50/50で測定開始後、10分間で90/10に直線的に変えた。その後5分間、当該混合比を90/10に固定した。
溶離液組成B:有機層と水層の混合比(体積比)を50/50で測定開始後、5分間固定し、8分間で95/5に直線的に変えた。その後5分間、当該混合比を95/5に固定した。
溶離液組成C:有機層と水層の混合比(体積比)を2/98で測定開始後、12分間で98/2に直線的に変えた。その後3分間、当該混合比を98/2に固定した。
溶離液組成D:有機層と水層の混合比(体積比)を90/10で測定開始後、8分間固定し、2分間で99/1に直線的に変えた。その後5分間、混合比を99/1に固定した。
溶離液組成E:有機層と水層の混合比(体積比)を90/10で測定開始後5分間固定し、8分間で99/1に直線的に変えた。その後5分間、当該混合比を99/1に固定した。
溶離液組成F:有機層と水層の混合比(体積比)を70/30で測定開始後、10分間で90/10に直線的に変えた。その後5分間、当該混合比を90/10に固定した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、山善製Hi−Flashカラムを用いた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで使用された混合溶媒の比は、体積比である。
薄層シリカゲルクロマトグラフィーでの精製は、特に記述がない場合は、メルク社製PLCプレートを用いた。薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで使用された混合溶媒の比は、体積比である。
表2から4中、「No.」は、化合物番号を意味する。
実施例1−1:化合物4の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物3の合成
窒素雰囲気下、化合物1(国際公開第2014−077292号に記載の方法に準じて合成した)(3.75g、4.0mmol)、及び化合物2(New Journal of Chemistry, 2016, 40, 8786-8808に記載の方法に準じて合成した)(1.85g、6.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド[DMF](77mL)懸濁液に、60℃で炭酸水素ナトリウム(0.68g、8.1mmol)を加え、22時間52分間撹拌した。室温まで冷却し、反応混合物にTHF(40g)を加えて撹拌した後、吸引ろ過を行い、不溶物を除いた。得られたろ液を減圧下濃縮し、反応混合物をメタノール[MeOH](501g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物3(4.1g、収率90%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.87(t,9H),1.08-1.80(m,96H),2.73-2.82(m,4H),4.00-4.05(m,6H),4.88-4.90(m,2H),5.11-5.12(m,2H),7.25-7.37(m,7H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1131.9532.(条件1)
工程2 化合物4の合成
窒素雰囲気下、化合物3(3.99g、3.5mmol)のTHF(53g)溶液に、室温で10%パラジウム−炭素(Kタイプ)(0.39g)を加え、水素置換を行い6時間10分間撹拌した。窒素置換を行った後に、セライトろ過を行い、不溶物を除いた。得られたろ液を減圧下濃縮し、反応混合物をMeCN(508g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物4(3.6g、収率97%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.86(t,9H),1.13-1.81(m,96H),2.72-2.77(m,4H),4.00-4.02(m,6H),4.86-4.92(m,2H),7.23-7.34(m,2H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1041.9151.(条件1)
実施例1−2:化合物6の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物6の合成
窒素雰囲気下、化合物4(1.0g、0.96mmol)、化合物5(東京化成工業社製)(0.87g、1.6mmol)、及びN,N−ジメチルアミノピリジン[DMAP](0.18g、1.5mmol)の塩化メチレン(31g)溶液に、室温で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩[WSC・HCl](0.29g、1.5mmol)を加え、30時間54分間撹拌した。反応混合物をMeCN(303g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物6(1.4g、収率94%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.79(m,99H),2.42-2.46(m,2H),2.65-2.69(m,2H),2.79-2.83(m,2H),3.44(d,2H),3.78(s,6H),4.00(q,6H),4.13(d,1H),4.89(s,2H),5.46(d,1H),6.41(q,1H),6.83(d,4H),7.24-7.39(m,11H),7.57(s,1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1566.1142.(条件1)
工程2 化合物7の合成
窒素雰囲気下、化合物6(1.4g、0.87mmol)、及びインドール(0.40g、3.5mmol)の塩化メチレン溶液(20mL)を10℃に冷却し、ホスホン酸(1.0g、13mmol)を加え、40分間撹拌した。塩化メチレン(5.0mL)を追加して3時間23分間撹拌した。ピリジン(5.0mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeCN(500g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物7(1.1g、収率99%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.83(m,96H),1.92(d,3H),2.38-2.47(m,2H),2.68(t,2H),2.83(t,2H),3.89-3.91(m,2H),4.01(q,6H),4.09(d,2H),4.90(s,2H),5.35-5.37(m,1H),6.17-6.21(m,1H),7.29(s,2H),7.46(d,2H),8.33(brs,1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1263.9780.(条件1)
実施例2:化合物9の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物7(97mg、77μmol)及び化合物8(Link Technologies社から購入)(0.33g、0.38mmol)の塩化メチレン(6.0mL)及びMeCN(0.60mL)の混合溶液に、室温で5−(ベンジルチオ)−1H−テトラゾール[BTT](81mg、0.42mmol)を加え、1時間51分間撹拌した。その後0.1Mのヨウ素を含む、ピリジン、THF及び水の溶液(4.0mL、0.40mmol)を加え、1時間36分間撹拌した。その後、反応混合物をMeOH(60g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物9(0.14g、収率90%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.25-1.82(m,96H),1.91-1.92(m,3H),2.26-2.44(m,2H),2.66-2.81(m,7H),3.10-3.18(m,1H),3.39-3.50(m,2H),3.77(s,6H),3.97-4.03(m,6H),4.16-4.46(m,6H),4.87(s,2H),5.27-5.33(m,2H),6.21-6.30(m,1H),6.48-6.52(m,1H),6.77-6.81(m,4H),7.23-7.37(m,12H),7.52-7.60(m,3H),8.01(s,1H),8.03(s,1H),8.14(s,1H),8.70(d,1H),9.02(s,1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ-2.02,-1.94.
MS(ESI+):[M+H]+ 2038.2223.(条件1)
実施例3:化合物10の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物9(50mg、25μmol)のTHF(1.0mL)溶液に室温でピリジン(0.50mL)及び酢酸(0.25mL)を加えた後に10℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(3.6μL、74μmol)を加え、2時間31分間撹拌した。THF(1.0mL)を加え、3時間59分間撹拌した。アセチルアセトン(50μL)を加えて室温に昇温し、減圧下濃縮した。その後、反応混合物をMeOH(5.1g)に加えて析出した固体をろ過し、固体をMeOHで洗浄した。得られたろ液を減圧下濃縮し、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/MeOH=9/1、体積比)にて精製し、化合物10(24mg、収率96%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ1.81-1.83(m,3H),2.25(t,2H),2.84-2.86(m,3H),3.31-3.42(m,3H),3.73-3.74(m,6H),4.04-4.06(m,1H),4.25-4.44(m,6H),5.40-5.46(m,1H),6.19-6.25(m,1H),6.50-6.55(m,1H),6.74-6.79(m,4H),7.17-7.57(m,13H),8.05-8.08(m,2H),8.42-8.44(m,1H),8.56-8.57(m,1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ3.81,4.01.
MS(ESI+):[M+H]+ 1015.3334.(条件3)
実施例4:化合物10の合成
窒素雰囲気下、化合物9(10mg、4.7μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温でピリジン(0.10mL)及び酢酸(50μL)を加えた後に10℃に冷却し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(0.90μL、14μmol)を加え、1時間30分間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物10の生成を確認した。
実施例5:化合物10の合成
窒素雰囲気下、化合物9(9.3mg、4.6μmol)のTHF(0.40mL)溶液に室温で酢酸(50μL)を加えた後に0℃に冷却し、メチルヒドラジン(3.9μL、74μmol)を加え、16時間50分間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物10が主生成物であることを確認した。
実施例6:化合物11の生成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物7(4.6mg、3.6μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温で酢酸(50μL)を加え、室温で水(1.3μL、72μmol)、メチルヒドラジン(0.78μL、15μmol)を加え、4時間40分間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物11が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 1051.9344.(条件1)
実施例7:化合物13の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物7(50mg、39μmol)及び化合物12(Link Technologies社から購入)(49mg、66μmol)の塩化メチレン(3.4g)及びMeCN(0.42g)の混合溶液に、室温でBTT(30mg、0.16mmol)を加え、1時間55分撹拌した(カップリング反応)。その後3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン[DDTT](16mg、76μmol)を加え、1時間30分撹拌した(硫化反応)。その後、反応混合物を2分割して10℃に冷却し、トリフルオロ酢酸[TFA](15μL、0.20mmol)を加えて2時間29分間撹拌した。MeOH(0.50g)を加えて10分間撹拌し、ピリジン(16μL、0.20mmol)を加えて10分間撹拌した。35℃に昇温し、14時間31分間撹拌した。MeOH(30g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物13(22mg、収率68%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.21-1.83(m,96H),1.89(s,3H),1.96(s,3H),2.28-2.84(m,11H),3.88(s,2H),3.98-4.04(m,6H),4.20-4.34(m,4H),4.90(s,2H),5.15-5.36(m,2H),6.15(t,1H),6.29(t,1H),7.26-7.42(m,3H),7.44(d,3H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ66.98,67.34.
MS(ESI+):[M+H]+ 1639.0296.(条件1)
実施例8:化合物16の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物15の合成
窒素雰囲気下、化合物4(0.80g、0.77mmol)、化合物14(Hongene Biotech社製)(0.72g、1.2mmol)、及びDMAP(0.14g、1.2mmol)の塩化メチレン(30g)溶液に、室温でWSC・HCl(0.22g、1.2mmol)を加え、19時間20分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、MeCN(103g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物15(1.2g、収率97%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.24-1.80(m,99H),2.69-2.75(m,4H),3.26(s,3H),3.38-4.01(m,18H),4.24(d,1H),4.42-4.47(m,1H),4.90(s,2H),5.40(q,1H),6.00-6.08(m,1H),6.82-6.85(m,4H),7.23-7.37(m,11H),7.55(d,1H).
MS(ESI+):[M+NH4]+ 1659.1710.(条件1)
工程2 化合物16の合成
窒素雰囲気下、化合物15(1.2g、0.73mmol)、及びインドール(0.26g、2.2mmol)の塩化メチレン溶液(25mL)を10℃に冷却し、TFA(0.28mL、3.7mmol)を加え、3時間32分間撹拌した。ピリジン(0.30mL、3.7mmol)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeOH(300g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物16(0.97g、収率97%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1340.0201.(条件1)
実施例9:化合物19の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物18の合成
実施例8の工程1と同様の条件で、化合物14の代わりに化合物17(Hongene Biotech社製)(0.85g、1.2mmol)を用いて反応を実施し、化合物18(1.2g、収率91%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.25-1.82(m,96H),2.79-2.83(m,4H),3.14(s,3H),3.36-3.66(m,6H),3.77(s,6H),3.96-4.04(m,6H),4.37(q,1H),4.91(d,2H),5.06(t,1H),5.54(q,1H),6.16(d,1H),6.79(d,4H),7.22-7.61(m,14H),8.03(d,2H),8.21(s,1H),8.71(s,1H),9.02(brs,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1755.1882.(条件1)
工程2 化合物19の合成
窒素雰囲気下、化合物18(10mg、5.7μmol)の塩化メチレン溶液(0.2mL)を10℃に冷却し、TFA(4.4μL、58μmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物19が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 1453.0515.(条件1)
実施例10:化合物22の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物21の合成
実施例8の工程1と同様の条件で、化合物14の代わりに化合物20(Hongene Biotech社製)(0.82g、1.2mmol)を用いて反応を実施し、化合物21(1.3g、収率94%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.75(d,3H),0.85-0.95(m,12H),1.20-1.82(m,96H),2.70-2.82(m,4H),3.11-3.77(m,16H),3.96-4.04(m,6H),4.25(d,1H),4.91(d,2H),5.12(q,1H),5.60(q,1H),5.81(d,1H),6.76-6.81(m,4H),7.22-7.52(m,11H),7.82(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1737.1490.(条件1)
工程2 化合物22の合成
実施例9の工程2と同様の条件で、化合物18の代わりに化合物21(1.2g、0.68mmol)を用いて反応を実施し、3時間25分間撹拌した。MeOH(1.0mL)を加えて10分間撹拌し、ピリジン(0.82mL、10mmol)を加えて12分間撹拌した。室温に昇温した後、MeOH(301g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物22(0.95g、収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88-1.85(m,111H),2.62-2.87(m,4H),3.13(s,3H),3.29-4.04(m,13H),4.32(s,1H),4.70(q,1H),4.94(q,2H),5.55(d,1H),5.81(d,1H),7.29(s,2H),7.78(s,1H),8.45(s,1H),12.11(brs,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1435.0575.(条件1)
実施例11:化合物24の合成
Figure 2018203574
実施例7と同様の条件で、化合物7の代わりに化合物22(0.93g、0.65mmol)を、化合物12の代わりに化合物23(Hongene Biotech社製)(1.70g、1.9mmol)を用いて反応を実施した。硫化反応後の反応混合物をMeOH(300g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物24(1.4g、収率92%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.86-1.83(m,117H),2.60-2.89(m,8H),3.16-3.78(m,22H),3.97-4.39(m,12H),4.71(t,1H),4.85-4.92(m,3H),5.55(d,1H),5.89(d,1H),6.80-6.83(m,4H),7.22-7.31(m,9H),7.40-7.42(m,2H),7.78-7.81(m,1H),7.93(s,1H),8.69-8.94(m,1H),9.97-10.53(m,1H),12.23(brs,1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ67.83,68.37.
MS(ESI+):[M+H]+ 2279.3339.(条件2)
実施例12:化合物28の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物25の合成
窒素雰囲気下、オクタデシルブロミド(東京化成工業社製)(3.1g、9.3mmol)、及び2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸メチル(Alfa Aesar社製)(0.55g、3.0mmol)のDMF(3.0mL)懸濁液に、室温で炭酸カリウム(2.6g、19mmol)を加え、70℃に昇温して19時間48分間撹拌した。室温まで冷却し、水とジエチルエーテルを加えて分液した。得られた水層をジエチルエーテルで2回抽出し、得られた有機層を合わせて、塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた水層をジエチルエーテルで抽出し、得られた有機層を合わせて、減圧下濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=9/1→1/1)により精製し、化合物25(1.4g、収率51%)を白色ロウ状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.06-1.80(m,96H),3.84(s,3H),3.90-3.95(m,6H),6.05(s,2H).
MS(ESI+):[M+H]+ 941.8906.(条件1)
工程2 化合物26の合成
窒素雰囲気下、化合物25(0.28g、0.29mmol)のエタノール(2.0g)懸濁液に、室温で水酸化カリウム(0.19g、3.5mmol)を加え、80℃に昇温して24時間20分間撹拌した。室温まで冷却し、反応混合物を減圧下濃縮し、35%塩酸(0.36g)と水(3.3g)の混合液を加えて、析出した固体をろ過した。得られた粗物にMeOH(5.0g)を加えて50℃に昇温し、析出した固体をろ過し、化合物26(0.24g、収率87%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.06-1.79(m,96H),3.89-3.97(m,6H),6.07(s,2H).
MS(ESI-):[M-H]- 925.8669.(条件1)
工程3 化合物27の合成
実施例1−1の工程1と同様の条件で、化合物1の代わりに化合物26(0.19g、0.20mmol)を用いて反応を実施した。室温まで冷却し、反応混合物にTHF(3mL)を加えて撹拌した後、吸引ろ過を行い、不溶物を除いた。得られたろ液を減圧下濃縮し、反応混合物を氷冷したMeOH(10g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物27(0.20g、収率84%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.25-1.80(m,96H),2.67(t,3H),2.92(t,3H),3.93(t,6H),4.76(s,2H),5.11(s,2H),6.06(s,2H),7.30-7.35(m,5H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1131.9482.(条件1)
工程4 化合物28の合成
実施例1−1の工程2と同様の条件で、化合物3の代わりに化合物27(0.17g、0.15mmol)を用いて反応を実施した。窒素置換を行った後に、セライトろ過を行い、不溶物を除いた。得られたろ液を減圧下濃縮し、反応混合物を氷冷したMeCN(20g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物28(0.15g、収率92%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.06-1.79(m,96H),2.67-2.87(m,4H),3.91-3.97(m,6H),4.75-4.77(m,2H),6.07(s,2H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1041.9039.(条件1)
実施例13:化合物29の合成
Figure 2018203574
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物4の代わりに化合物28(0.12g、0.12mmol)を用いて反応を実施した。反応混合物をMeOH(20g)に加えた後に氷冷し、析出した固体をろ過し、化合物29(0.12g、収率65%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.10-1.79(m,99H),2.42-2.92(m,6H),3.05-3.49(m,2H),3.79(s,6H),3.92-3.96(m,6H),4.14(s,1H),4.76(s,2H),5.46(d,1H),6.07(s,2H),6.42(t,1H),6.83(d,4H),7.23-7.60(m,10H).
MS(ESI+):[M+NH4]+ 1585.1657.(条件1)
実施例14:化合物30の生成
Figure 2018203574
実施例12の工程3と同様の条件で、化合物26(10mg、11μmol)を用いて反応を実施して得られた、化合物27の固体をTHFに溶解した(0.90g)。このうち0.40gを用いて、実施例5と同様の条件で、化合物9の代わりに化合物27を用いて反応を実施し、室温で1時間50分間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物30が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 1051.9392.(条件1)
実施例15:化合物31の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−3,4,5−トリス(オクタデシルオキシ)ベンズアミド(特開第2001−253896号に記載の方法に準じて合成した)(5.0g、5.1mmol)と無水コハク酸(1.0g、10mmol)の塩化メチレン(50g)溶液に、室温でトリエチルアミン(2.1mL、15mmol)を加え、1時間57分撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(513g)に加えて固体を析出させた後にろ過し、化合物31(5.3g、収率95%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.86-0.90(m、9H)、1.09-1.84(m、96H)、2.65(s、4H)、3.05(s、3H)、3.76(brs、2H)、3.96(t、6H)、4.38(brs、2H)、6.58(s、2H).
MS(ESI):[M-H]- 1082.9343.(条件1)
実施例16:化合物35の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物32の合成
窒素雰囲気下、5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’−デオキシシチジン(ジャーナルオブオーガニックケミストリー、2011年、76巻、105頁−126頁に記載の方法に準じて合成した)(2.5g、7.3mmol)と化合物31(5.3g、4.9mmol)の塩化メチレン(155mL)及びDMF(25mL)の混合溶液に、40℃で1−ヒドロキシベンゾトリアゾール[HOBt](無水)(0.74g、5.5mmol)を加え、続いてWSC・HCl(1.9g、9.9mmol)を加えて、1時間40分撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した後にMeOH(503g)に加えて固体を析出させた後にろ過し、化合物32(6.8g、収率98%)を黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.09-0.10(m、6H)、0.84-0.90(m、18H)、1.20-1.81(m、96H)、2.12-2.21(m、1H)、2.28-2.36(m、1H)、2.61-2.77(m、5H)、3.05(s、3H)、3.76(brs、2H)、3.81-3.97(m、8H)、4.07(q、1H)、4.37(brs、2H)、4.40-4.45(m、1H)、6.29(t、1H)、6.57(s、2H)、7.31(d、1H)、8.31(d、1H)、8.88(brs、1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1406.1107.(条件1)
工程2 化合物33の合成
窒素雰囲気下、化合物32(6.7g、4.8mmol)、DMAP(0.062g、0.50mmol)、及びレブリン酸(0.86g、7.4mmol)のTHF(69g)溶液に、室温でWSC・HCl(1.4g、7.5mmol)を加え、50分間撹拌した。その後、DMAP(0.26g、2.1mmol)を加えて、室温で3日間撹拌した。反応混合物をろ過後に、得られたろ液を減圧下濃縮し、THF(38g)を加えて溶液とした後、MeCN(505g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物33(6.7g、収率93%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.09(s、6H)、0.86-0.90(m、18H)、1.26-1.81(m、96H)、2.01-2.13(m、2H)、2.20(s、3H)、2.52-2.80(m、8H)、3.06(s、3H)、3.77(brs、2H)、3.86-3.98(m、8H)、4.20(s、1H)、4.38(brs、2H)、5.26(d、1H)、6.32-6.37(m、1H)、6.57(s、2H)、7.33(d、1H)、8.27(d、1H)、9.17(brs、1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1504.1412.(条件1)
工程3 化合物34の合成
窒素雰囲気下、化合物33(6.5g、4.3mmol)、及び酢酸(2.9mL、50mmol)のTHF(71g)溶液に、30℃で1.0M テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド[TBAF]/THF溶液(28mL、28mmol)を加え、4時間53分撹拌した。その後、反応混合物をMeOH(531g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物34(6.0g、定量的)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t、9H)、1.20-1.80(m、96H)、2.20(s、3H)、2.38-2.80(m、10H)、3.05(s、3H)、3.78(brs、2H)、3.88-3.98(m、8H)、4.18(d、1H)、4.39(brs、2H)、5.36(quint、1H)、6.20(dd、1H)、6.59(s、2H)、7.21-7.31(m、1H)、8.19(d、1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1390.0541.(条件1)
工程4 化合物35の合成
窒素雰囲気下、亜リン酸(1.20g、14.6mmol)のピリジン(40mL)溶液に、40℃で2,2−ジメチルブチリルクロリド(1.28mL、9.3mmol)を加え、30分間撹拌した。この溶液に化合物34(2.0g、1.4mmol)を加えて40℃で1時間23分撹拌した。その後、反応混合物をMeCNに加えて析出した固体をろ過し、化合物35(2.2g)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t、9H)、1.26-1.83(m、96H)、2.19(s、3H)、2.38-2.88(m、10H)、3.06(s、3H)、3.75(brs、2H)、3.92-4.35(m、11H)、5.37(d、1H)、6.17(t、1H)、6.58(s、2H)、6.88(d、1H)、7.26-7.28(m、1H)、8.51(d、1H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ5.73.
MS(ESI-):[M-H]- 1454.0237.(条件1)
実施例17:化合物41の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物37の合成
窒素雰囲気下、化合物35(1.2g)のピリジン(20mL)溶液に5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)チミジン(東京化成工業社製)(0.44g、0.80mmol)、及び炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.67g、1.7mmol)を加え、23分間撹拌した。その後N−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(テトラへドロン、1997年、53巻、14411−14416頁に記載の方法に準じて合成した)(0.19g、0.83mmol)を加え、1時間32分間撹拌した。その後、亜リン酸トリエチル(90μL、0.52mmol)、水(0.28mL、16mmol)を加えて25℃で50分間撹拌し、反応混合物を減圧下濃縮した。トルエン(25g)を加えて減圧下濃縮する操作を3回繰り返した後に、塩化メチレン(20mL)を加え、ピロール(0.11mL、1.6mmol)、ジクロロ酢酸(0.43mL、5.3mmol)を10℃で加え、2時間27分間撹拌した。ピリジン(3.0mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeCN(200g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物36(0.72g)を薄い肌色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t、9H)、1.25-1.89(m、99H)、2.20(s、3H)、2.21-2.89(m、13H)、3.06-3.20(m、5H)、3.21-3.98(m、11H)、4.19-4.4.44(m、6H)、5.32-5.34(m、2H)、6.10-6.23(m、2H)、6.58(s、2H)、7.41(t、1H)、7.51(d、1H)、7.95-8.08(m、1H)、8.70-9.60(m、2H).
31P-NMR:(300MHz;CDCl3)δ27.55、27.94.
MS(ESI+):[M+H]+ 1765.1162.(条件1)
窒素雰囲気下、得られた化合物36(0.72g)の塩化メチレン(15mL)とピリジン(2.3mL)の混合溶液に室温でホスホン酸(0.56g、6.8mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.56mL、4.1mmol)を4分割して10分間おきに加えて31分間撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.42mL、3.1mmol)を加えてさらに23分間撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(203g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物37(0.72g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1829.0819.(条件1)
工程2 化合物39の合成
窒素雰囲気下、化合物37(0.72g)のピリジン(19mL)溶液にN−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジン(東京化成工業社製)(0.49g、0.77mmol)、炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.60g、1.5mmol)を加え、22分間撹拌した(カップリング反応)。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(0.18g、0.76mmol)を加え、1時間10分間撹拌した(硫化反応)。その後、反応混合物を2分割し、一方を減圧下濃縮した。トルエン(10g)を加えて減圧下濃縮の操作を3回繰り返した後に、塩化メチレン(10mL)を加え、ピロール(51μL、0.74mmol)、ジクロロ酢酸(0.20mL、2.4mmol)を10℃で加え、2時間10分撹拌した。ピリジン(1.2mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をさらに2分割し、一方をMeCN(50g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物38(0.18g)を薄い肌色固体として得た。
窒素雰囲気下、得られた化合物38(0.18g)の塩化メチレン(3.0mL)とピリジン(0.50mL)の混合溶液に室温でホスホン酸(0.12g、1.5mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.13mL、0.96mmol)を4分割して10分間おきに加えて57分間撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(33μL、0.24mmol)を加えてさらに40分間撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(51g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物39(0.15g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2291.1664.(条件1)
工程3 化合物40の合成
工程2と同様の条件で、化合物37の代わりに化合物39を、N−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジンの代わりにN−イソブチリル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシグアノシン(東京化成工業社製)(86mg)を用いて、反応を実施し、化合物40(0.12g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2759.2472.(条件1)
工程4 化合物41の合成
工程2と同様の条件で、化合物37の代わりに化合物40を、N−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシシチジンの代わりにN−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−デオキシアデノシン(東京化成工業社製)(0.73g)を用いて、カップリング反応及び硫化反応を実施した。硫化反応後の反応混合物をMeOHに加えて析出した固体をろ過し、化合物41(2.3g、90%)を薄い肌色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1742.2655.(条件1)
実施例18:化合物42の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物41(0.50g、0.14mmol)のTHF(20mL)溶液を0℃に冷却し、酢酸(3.0mL)を加えた後に、ヒドラジン1水和物(14μL、0.29mmol)を加え、6時間撹拌した。反応混合物にアセチルアセトン(100μL)を加えて室温まで昇温し、減圧下濃縮した後に、MeOH(102g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物42(0.45g)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1693.2456.(条件1)
実施例19:化合物44の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物43の合成
窒素雰囲気下、化合物41(0.51g、0.15mmol)の塩化メチレン溶液(10mL)を10℃に冷却し、ピロール(30μL、0.43mmol)を加えて14分間撹拌した。その後、ジクロロ酢酸(82μL、1.0mmol)を加え、4時間3分撹拌した。ピリジン(1.5mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeCN(86g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物43(0.46g)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1591.1922.(条件1)
工程2 化合物44の合成
窒素雰囲気下、化合物43(0.45g、0.14mmol)の塩化メチレン(5.0mL)とピリジン(1.0mL)の混合溶液に40℃でホスホン酸(0.20g、2.4mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.19mL、1.4mmol)を4分割して10分間おきに加えて1時間53分撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.42mL、0.71mmol)を加えてさらに1時間8分撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(84g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物44(0.42g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1623.1824.(条件1)
実施例20:化合物45の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物42(0.44g、0.13mmol)と化合物44(0.41g)のピリジン(10mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.80g、2.0mmol)を加え、11分間撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(62mg、0.27mmol)を加え、1時間52分撹拌した。反応混合物をMeOH(102g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物45(0.81g)を得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 2232.9346.(条件1)
実施例21:化合物47の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物46の合成
窒素雰囲気下、化合物45(0.39g、58μmol)、及びインドール(21mg、0.18mmol)の塩化メチレン溶液(8.0mL)を10℃に冷却し、ジクロロ酢酸(33μL、0.40mmol)を加え、2時間撹拌した。更にジクロロ酢酸(14μL、0.17mmol)を加え、2時間32分撹拌した。ピリジン(0.60mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeOH(100g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物46(0.35g)を得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 2132.2235.(条件1)
工程2 化合物47の合成
窒素雰囲気下、化合物46(0.17g、27μmol)の塩化メチレン(1.0mL)とピリジン(0.20mL)の混合溶液に40℃でホスホン酸(38mg、0.46mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(36μL、0.27mmol)を4分割して10分間おきに加えて1時間5分撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(73μL、0.53mmol)を加えてさらに49分間撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(51g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物47(0.17g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 2153.5570.(条件1)
参考合成例1(5mer合成):化合物55の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物49の合成
3’−O−レブリニルチミジン(バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー、2013年、21巻、8013頁−8018頁に記載の方法に準じて合成した)(0.75g、2.2mmol)を用いて、特表2003−525305に記載の方法に準じて合成した化合物48を含有する塩化メチレン(26g)溶液にインドール(0.78g、6.6mmol)を加えて10℃に冷却し、ジクロロ酢酸(0.90mL、11mmol)を加え、1時間17分撹拌した。更にジクロロ酢酸(0.90mL、11mmol)を加え、40分間撹拌した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて分液した。得られた水層に塩化メチレンを加えて分液を行う再抽出操作を11回実施し、得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、化合物49(0.65g)を得た。
MS(ESI):[M+H] 714.1865.(条件3)
工程2 化合物51の合成
窒素雰囲気下、化合物49(0.65g、0.91mmol)とN−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−ヒドロキシホスフィニル−2’−デオキシシチジントリエチルアミン塩(ケムジーンズ社製)(1.0g、1.3mmol)のピリジン(8mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(1.3g、3.2mmol)を加え、15分間撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(0.43g、1.9mmol)を加え、1時間57分撹拌した。塩化メチレンと5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、得られた水層を塩化メチレンで2回洗浄した。得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、化合物50を含有する反応混合物(13g)を得た。このうち12gを更に減圧下濃縮し、トルエンを加えて減圧下濃縮の操作を3回繰り返した後に、塩化メチレン(16g)、インドール(0.30g、2.6mmol)を加えて10℃に冷却し、ジクロロ酢酸(0.69mL、8.4mmol)を加え、1時間40分撹拌した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて分液した。得られた水層に塩化メチレンを加えて分液を行う再抽出操作を2回実施し、得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、化合物51(0.30g)を得た。
MS(ESI):[M+H] 1176.2650.(条件3)
工程3 化合物53の合成
窒素雰囲気下、化合物51(0.24g、0.20mmol)とN−イソブチリル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−ヒドロキシホスフィニル−2’−デオキシグアノシントリエチルアミン塩(ケムジーンズ社製)(0.23g、0.29mmol)のピリジン(6mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.43g、1.1mmol)を加え、27分間撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(0.10g、0.43mmol)を加え、1時間34分撹拌した。塩化メチレンと5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、得られた水層を塩化メチレンで2回洗浄した。得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、化合物52を含有する反応混合物を得た。トルエンを加えて減圧下濃縮の操作を3回繰り返した後に、塩化メチレン(8.0g)及びインドール(77mg、0.66mmol)を加えて10℃に冷却し、ジクロロ酢酸(0.17mL、2.0mmol)を加え、2時間8分撹拌した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて分液した。得られた水層に塩化メチレンを加えて分液を行う再抽出操作を2回実施し、得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、化合物53(0.12g)を得た。
MS(ESI):[M+H] 1644.3648.(条件3)
工程4 化合物55の合成
窒素雰囲気下、化合物53(0.12g、74μmol)とN−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−ヒドロキシホスフィニル−2’−デオキシアデノシントリエチルアミン塩(ケムジーンズ社製)(90mg、0.11mmol)のピリジン(5mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.28g、0.71mmol)を加え、1時間2分撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(37mg、0.16mmol)を加え、2時間8分撹拌した。塩化メチレン、アセトニトリルと5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、得られた水層を塩化メチレンとアセトニトリルの混合溶媒で2回洗浄した。得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、化合物54を含有する反応混合物を得た。この反応混合物に塩化メチレン(3.1g)を加えて0℃に冷却し、酢酸(0.15mL)を加えた後に、ヒドラジン1水和物(36μL、0.74mmol)を加え、1時間26分撹拌した。反応混合物にアセチルアセトン(0.30mL)を加えて室温まで昇温し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液した得られた水層に塩化メチレンを加えて分液を行う再抽出操作を2回実施し、得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、化合物55(55mg)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2334.5224.(条件3)
実施例22:化合物57の合成
Figure 2018203574
Figure 2018203574
工程1 化合物56の合成
窒素雰囲気下、化合物47(43mg)と化合物55(19mg、8.3μmol)のピリジン(1.4mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(59mg、0.15mmol)を加え、58分間撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(10mg、44μmol)を加え、40分間撹拌した。その後、反応混合物を減圧下濃縮した。トルエン(2g)を加えて減圧下濃縮の操作を3回繰り返した後に、塩化メチレン(1.2mL)を加え、インドール(2.5mg、21μmol)、ジクロロ酢酸(6.2μL、76μmol)を10℃で加え、1時間51分間撹拌した。その後、ジクロロ酢酸(6.2μL、76μmol)を追加し、2時間41分間撹拌した。さらに、ジクロロ酢酸(6.2μL、76μmol)を追加し、1時間38分間撹拌した。ピリジン(0.20mL)を加えて室温まで昇温し、反応混合物をMeCN(38g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物56(51mg)を薄い肌色固体として得た。
MS(ESI+):[M+4H]4+ 2140.0080.(条件1)
工程2 化合物57の合成
窒素雰囲気下、化合物56(50mg、5.8μmol)の塩化メチレン(2.0mL)とピリジン(0.12mL)の混合溶液に40℃でホスホン酸(19mg、0.23mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(25μL、0.18mmol)を5分割して加えて1時間12分間撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(39g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物57(44mg)を薄い肌色固体として得た。
MS(ESI+):[M+4H]4+ 2155.9794.(条件1)
実施例23:化合物58の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物55(19mg、8.1μmol)と化合物57(44mg)のピリジン(1.2mL)溶液に、室温で炭酸ビスペンタフルオロフェニル(274mg、0.69mmol)を加え、1時間撹拌した。その後、硫化剤としてN−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(5.1mg、22μmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をMeOH(30g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物58(46mg)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+5H]5+ 2205.1210.(条件1)
実施例24:化合物65の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物59の合成
実施例9の工程2と同様の条件で、化合物18の代わりに化合物24(1.3g、0.59mmol)を用いて反応を実施し、化合物59(1.1g、収率96%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1977.2053.(条件2)
工程2 化合物61の合成
実施例11と同様の条件で、化合物22の代わりに化合物59(1.1g、0.56mmol)を、化合物23の代わりに化合物60(Hongene Biotech社製)(1.5g、1.7mmol)を用いて反応を実施し、化合物61(1.4g、収率92%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2726.4152.(条件2)
工程3 化合物62の合成
実施例9の工程2と同様の条件で、化合物18の代わりに化合物61(1.4g、0.50mmol)を用いて反応を実施し、化合物62(1.1g、収率91%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2424.3080.(条件2)
Figure 2018203574
工程4 化合物64の合成
実施例24の工程2と同様の条件で、化合物59の代わりに化合物62(1.0g、0.42mmol)を、化合物60の代わりに化合物63(Hongene Biotech社製)(1.2g、1.3mmol)を用いて反応を実施し、化合物64(1.2g、収率85%)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1639.7885.(条件4)
工程5 化合物65の合成
窒素雰囲気下、化合物64(0.20g、61μmol)、インドール(36mg、0.31mmol)の塩化メチレン(2mL)溶液を10℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(48μL,0.61mmol)を加えて50分間撹拌した。ピリジン(0.50mL)を加えて室温に昇温し、反応混合物をMeCN(150g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物65(0.14g、収率79%)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1487.7157.(条件5)
実施例25:化合物67の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物66(国際公開第2012−157723号に記載の方法に準じて合成した)(5.8g、7.0mmol)のTHF(70mL)溶液に、65℃で1.0M フェニルマグネシウムブロミド/THF溶液(14mL、14mmol)を加え、4時間30分撹拌した。反応混合物に塩化メチレン(130mL)、水(130mL)を加えて分液し、得られた水層を塩化メチレンで2回洗浄した。得られた有機層を合わせて5%炭酸水素ナトリウム水溶液(130mL)で洗浄し、MeCN(500mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物67(6.0g、収率95%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,6H),1.19-1.80(m,80H),2.68(s,1H),3.90-3.95(m,4H),6.79-6.82(m,4H),7.11-7.15(m,4H),7.23-7.30(m,5H).
MS(ESI-):[M-H]- 907.7946.(条件4)
実施例26:化合物72の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物69の合成
窒素雰囲気下、化合物67(0.50g、0.55mmol)と化合物68(Berry社製)(0.22g、0.60mmol)の塩化メチレン(5mL)とピリジン(5mL)の混合溶液に、室温で塩化チオニル(0.12mL、1.6mmol)を加え、1時間撹拌した。その後、化合物68(0.84mg、2.4mmol)、塩化チオニル(0.30mL、4.1mmol)を追加し、26時間撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(300g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物69の3’−OTBS保護体の湿結晶(2.4g)を得た。
窒素雰囲気下、化合物69の3’−OTBS体の湿結晶(2.4g)のTHF(35mL)溶液に、室温で1.0M TBAF/THF溶液(1.0mL、1.0mmol)を加えて21時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、MeCN(253g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物69の粗結晶(0.34g)を得た。薄層シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=49/49/2)にて精製した。得られた固体を塩化メチレンに溶解させた後、MeCN(5mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物69(50mg、収率8%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.89(t,6H),1.27-1.81(m,83H),2.33-2.40(m,2H),3.37-3.53(m,2H),3.91-3.96(m,4H),4.04-4.05(m,1H),4.52-4.67(m,1H),6.40(t,1H),6.83(d,4H),7.24-7.58(m,9H),7.90(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1133.8825.(条件6)
Figure 2018203574
工程2 化合物71の合成
窒素雰囲気下、ホスホン酸(31mg、0.38mmol)のピリジン(0.40mL)溶液に40℃で2,2−ジメチルブチリルクロリド(31μL、0.23mmol)を加え、30分間撹拌した。その後、化合物65(69mg、23μmol)を加えて1時間撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(62μL、0.46mmol)を加えて3時間撹拌した。反応混合物をMeCN(14mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物70(56mg)を得た(H−ホスホネート化工程)。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1519.7002.(条件4)
窒素雰囲気下、化合物70(56mg)のピリジン(0.20mL)溶液に化合物69(23mg、20μmol)、炭酸ビスペンタフルオロフェニル(27mg、70μmol)を加え、1時間撹拌した(カップリング工程)。その後、N−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(8.1mg、35μmol)を加え、20時間30分撹拌した(硫化工程)。その後、反応混合物をMeCN(20mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物71(40mg、収率41%)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 2119.6333.(条件6)
Figure 2018203574
工程3 化合物72の合成
窒素雰囲気下、化合物71(1.0mg、0.24μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温で酢酸(50μL)、2,4,6−コリジン(50μL)を加え、ベンジルヒドラジン塩酸塩(0.19μg、1.2μmol)を含む水(2.3μL)溶液を加え、3時間撹拌した。その後、ベンジルヒドラジン塩酸塩(0.38μg、2.4μmol)を含む水(4.7μL)溶液を加え、3時間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物72が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1608.1779.(条件5)
実施例27:化合物73の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物64(10mg、3.1μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温で酢酸(50μL)を加え、メチルヒドラジン(1.6μL、30μmol)を加え、18時間40分撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物73が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 2253.6741.(条件3)
実施例28:化合物73の合成
実施例28−1 tert−ブチルヒドラジン塩酸塩を用いる検討
窒素雰囲気下、化合物64(10mg、3.1μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温で酢酸(50μL)、2,4,6−コリジン(50μL)を加え、tert−ブチルヒドラジン塩酸塩(4.4mg、35μmol)を含む水(30μL)溶液を加え、7時間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物73の生成を確認した。
実施例28−2から28−9 ヒドラジン誘導体の検討
実施例28−1と同様の条件で、tert−ブチルヒドラジン塩酸塩の代わりに、シクロペンチルヒドラジン塩酸塩(4.2mg、30μmol;実施例28−2)、イソプロピルヒドラジン塩酸塩(3.4mg、30μmol;実施例28−3)、ベンジルヒドラジン塩酸塩(2.4mg、15μmol;実施例28−4)、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩(4.6mg、30μmol;実施例28−5)又はエチルヒドラジンシュウ酸塩(4.6mg、30μmol;実施例28−6;水は60μL用いた)を用いて反応を実施した。各反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物73が主生成物であることを確認した。
実施例28−1と同様の条件で、tert−ブチルヒドラジン塩酸塩の代わりに2,2,2−トリフルオロエチルヒドラジン(70%水溶液)(5.0μL、30μmol;実施例28−7)又は2−シアノエチルヒドラジン(2.6mg、30μmol;実施例28−8)を用いて、溶解のための水を用いずに反応を実施した。各反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物73の生成を確認した。
実施例28−1と同様の条件で、tert−ブチルヒドラジン塩酸塩の代わりにベンジルヒドラジン塩酸塩(2.4mg、15μmol;実施例28−9)、2,4,6−コリジンの代わりに酢酸ナトリウム(1.3mg、15μmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物73が主生成物であることを確認した。
参考合成例2:化合物75の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物74(Chem-Impex社製)(10g、18mmol)のピリジン(100mL)溶液に室温でトリメチルシリルクロリド[TMSCl](9.1mL、72mmol)を加えて30分間撹拌し、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナート(3.8mL、25mmol)を加え、4時間撹拌した。28%アンモニア水(50mL)を加え、15時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、塩化メチレン(600g)、水(150g)を加えて分液した。得られた水層に塩化メチレン(40g)を加えて分液し、得られた有機層を合わせて溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=71/24/5→酢酸エチル/MeOH/トリエチルアミン=94/1/5)にて精製し、化合物75(11g、収率79%)を淡黄色泡状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ2.37-2.90(m,3H),3.41-3.46(m,2H),3.77(s,6H),4.14-4.17(m,1H),4.70(s,1H),6.44-6.48(m,1H),6.78-6.82(m,4H),7.19-7.41(m,10H),7.64-7.73(m,2H),8.18(s,1H),8.48(s,1H),8.60(s,1H),11.66(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 775.2190.(条件3)
参考合成例3:化合物77の合成
Figure 2018203574
参考合成例2と同様の条件で、化合物74の代わりに化合物76(ChemGenes社製)(5.4g、8.7mmol)を用いて反応を実施した。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=71/24/5→酢酸エチル/MeOH/トリエチルアミン=94/1/5)にて精製し、化合物77(6.4g、収率87%)を白色泡状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;DMSO-d6)δ3.16-4.14(m,16H),4.48(s,1H),4.68-4.70(m,1H),5.20-5.31(brs,1H),6.15-6.16(m,1H),6.80-6.85(m,4H),7.18-7.26(m,7H),7.35(d,2H),7.60(t,1H),7.82(d,1H),7.95(d,1H),8.56(s,1H),8.63(s,1H),10.65(s,1H),11.64(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 849.2548.(条件3)
参考合成例4:化合物79の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物78(Cool Pharm社製)(10g、18mmol)のDMF(200mL)溶液に室温で2,5−ジメトキシフェニルイソシアナート(3.0g、17mmol)を加え、19時間撹拌した。MeOH(2.5mL)を加えて減圧下濃縮し、ヘプタンによるDMFの共沸除去を3回実施した。水(100g)、酢酸エチル(100g)を加えて分液し、得られた水層に酢酸エチル(100g)を加えて分液した後、得られた有機層を合わせて水(100g)で洗浄した。得られた有機層を減圧下濃縮し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=47.5/47.5/5→酢酸エチル/MeOH/トリエチルアミン=94/1/5)にて精製し、化合物79(9.8g、収率82%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;DMSO-d6)δ1.71(s,3H),2.19-2.36(m,2H),3.18-4.32(m,15H),5.36-5.37(m,1H),5.76-5.77(m,1H),6.19-6.22(m,1H),6.57-6.61(m,1H),6.57-6.61(m,1H),6.89-6.97(m,5H),7.25-7.41(m,9H),7.85-7.87(m,2H),9.13(s,1H),12.76(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 723.3010.(条件3)
参考合成例5:化合物81の合成
Figure 2018203574
参考合成例4と同様の条件で、化合物78の代わりに化合物80(ChemGenes社製)(20g、32mmol)を、DMFの代わりに塩化メチレン(400mL)を用いて反応を実施した。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=47.5/47.5/5→0/95/5)にて精製し、化合物81(21g、収率90%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;DMSO-d6)δ1.60(s,3H),3.26-3.33(m,5H),3.50-3.54(m,2H),3.70-3.86(m,17H),4.00-4.06(m,2H),4.26-4.28(m,1H),5.10-5.13(m,1H),5.87-5.88(m,1H),6.57-6.61(m,1H),6.90-6.97(m,5H),7.25-7.42(m,9H),7.80-7.86(m,2H),9.12(s,1H),12.71(s,1H).
参考合成例6:化合物82の合成
Figure 2018203574
参考合成例5と同様の条件で、2,5−ジメトキシフェニルイソシアナートの代わりにフェニルイソシアナート(1.9mL、18mmol)を用いて反応を実施した。1時間34分撹拌後に水(51g)を加えて分液した。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン=51/44/5→31/64/5→酢酸エチル/クロロホルム/トリエチルアミン=94/1/5)にて精製し、化合物82(8.2g、収率69%)を白色泡状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ1.26-1.63(m,3H),3.38-4.27(m,18H),5.93-6.03(m,1H),6.83-7.62(m,19H),8.14(s,1H),12.06-12.85(m,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 737.3108.(条件3)
参考合成例7:化合物83の合成
Figure 2018203574
参考合成例3と同様の条件で、化合物76の代わりに化合物80(6.9g、11mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりに4−イソシアナトピリジン(4.0g、34mmol)を用いて反応を実施した。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH/トリエチルアミン=85.5/9.5/5)にて精製し、化合物83(7.0g、収率85%)を白色泡状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;DMSO-d6)δ1.52(s,3H),3.15-4.27(m,18H),5.17(d,1H),5.83(d,1H),6.88-8.40(m,17H).
MS(ESI+):[M+H]+ 738.3097.(条件3)
参考合成例8:化合物85−95の合成
Figure 2018203574
化合物85〜95のXは、表2の通りである。
Figure 2018203574
参考合成例8−1 化合物85の合成
窒素雰囲気下、化合物84(Organic Letters, 2014年, 16巻, 4059頁−4061頁に記載の方法に準じて合成した)(0.10g、0.20mmol)のピリジン(2.0mL)溶液に室温でp−トルエンスルホニルイソシアナート(0.19mL、1.2mmol)を加えて18時間30分間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液した。得られた有機層を減圧下濃縮し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/MeOH=18/1)にて精製し、化合物85(99mg、収率71%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 691.2713.(条件3)
参考合成例8−2 化合物86の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに2−ニトロフェニルイソシアナート(0.24g、1.5mmol)を用いて反応を実施し、化合物86(97mg、収率73%)を黄色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 658.2784.(条件3)
参考合成例8−3 化合物87の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナート(0.18μL、1.2mmol)を用いて反応を実施し、化合物87(0.17g、定量的)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 681.2802.(条件3)
参考合成例8−4 化合物88の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに3−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナート(0.11μL、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物88を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 681.2796.(条件3)
参考合成例8−5 化合物89の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに4−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナート(0.12μL、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物89(58.7mg、収率43%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 681.2846.(条件3)
参考合成例8−6 化合物90の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに2−シアノフェニルイソシアナート(0.12mg、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物90(25mg、収率18%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.86-1.11(m,28H),2.67-2.82(m,2H),3.90-3.95(m,1H),4.06-4.08(m,2H),4.92-5.00(m,1H),6.34-6.37(m,1H),7.16(t,1H),7.58-7.65(m,2H),8.36(s,1H),8.55(d,1H),8.71(s,2H),13.14(s,1H).
参考合成例8−7 化合物91の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに2−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアナート(0.12μL、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物91(53mg、収率38%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 697.2735.(条件3)
参考合成例8−8 化合物92の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナート(89mg、0.40mmol)を用いて反応を実施し、化合物92(30mg、収率42%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88-1.25(m,28H),2.67-2.76(m,2H),3.90-3.93(m,1H),4.05-4.07(m,2H),4.92-4.95(m,1H),6.32-6.36(m,1H),7.53(dd,1H),7.63(d,1H),8.29(s,1H),8.34(d,1H),8.43(s,1H),8.54(s,1H),12.42(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 715.2489.(条件3)
参考合成例8−9 化合物93の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりに4−イソシアナトピリジン(0.22g、1.8mmol)を用いて反応を実施し、化合物93を白色泡状固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 614.2952.(条件3)
参考合成例8−10 化合物94の合成
参考合成例8−1と同様の条件で、p−トルエンスルホニルイソシアナートの代わりにペンタフルオロフェニルイソシアナート(0.11μL、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物94(69mg、収率48%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 703.2538.(条件3)
参考合成例8−11 化合物95の合成
窒素雰囲気下、ニコチン酸(30mg、0.24mmol)、及びジフェニルホスホリルアジド(47μL、0.22mmol)のMeCN(0.80mL)溶液に室温でトリエチルアミン(61μL、0.44mmol)を加えて20時間撹拌した。反応混合物を8分割し化合物84(5.5mg、11μmol)を加えて、60℃で2日間撹拌した。その後室温まで冷却した後、析出した固体をろ取して、化合物95(2.8mg、収率41%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 614.2864.(条件3)
参考合成例9:化合物97−106の合成
Figure 2018203574
化合物97から106のXは、表3の通りである。
Figure 2018203574
参考合成例9−1 化合物97の合成
窒素雰囲気下、化合物96(Organic Letters, 2014年, 16巻, 4059頁−4061頁に記載の方法に準じて、2’−デオキシアデノシンの代わりに2’−デオキシ−5−メチルシチジン(東京化成工業社製)(3.0g、12mmol)を用いて合成し、化合物96(2.3g、収率39%)を得た)(0.10g、0.21mmol)のピリジン(2.0mL)溶液に室温で2−(トリフルオリメチル)フェニルイソシアナート(0.13mL、0.83mmol)を加えて2時間30分間撹拌した。酢酸エチル、水を加えて分液した。得られた有機層を減圧下濃縮し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルムのみ)にて精製し、化合物97(65mg、収率46%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 671.2830.(条件3)
参考合成例9−2 化合物98の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりに2−ニトロフェニルイソシアナート(0.13mg、0.81mmol)を用いて反応を実施し、化合物98(0.10g、収率76%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 648.2807.(条件3)
参考合成例9−3 化合物99の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりにフェニルイソシアナート(90μL、0.83mmol)を用いて反応を実施し、化合物99を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 603.3000.(条件3)
参考合成例9−4 化合物100の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりに2−クロロフェニルイソシアナート(0.10mL、0.83mmol)を用いて反応を実施し、化合物100(77mg、収率59%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 637.2566.(条件3)
参考合成例9−5 化合物101の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりに2−フルオロフェニルイソシアナート(93μL、0.83mmol)を用いて反応を実施し、化合物101(25mg、収率20%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 621.2862.(条件3)
参考合成例9−6 化合物102の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりにベンジルイソシアナート(0.10mL、0.83mmol)を用いて反応を実施し、化合物102(0.14g、定量的)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 617.3167.(条件3)
参考合成例9−7 化合物103の合成
参考合成例9−1と同様の条件で、2−(トリフルオロメチル)フェニルイソシアナートの代わりにエチルイソシアナート(65μL、0.83mmol)を用いて反応を実施し、化合物103(82mg、収率71%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 555.3019.(条件3)
参考合成例9−8 化合物104の合成
参考合成例8−11と同様の条件で、ニコチン酸の代わりにピコリン酸(60mg、0.49mmol)を用いて反応を行った。反応混合物を2分割して、化合物84の代わりに化合物96(30mg、62μmol)を用いて反応を実施し、化合物104(3.5mg、収率9%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 604.2959.(条件3)
参考合成例9−9 化合物105の合成
参考合成例9−8と同様の条件で、ピコリン酸の代わりにニコチン酸(30mg、0.24mmol)を用いて反応を行った。反応混合物を2分割して化合物96(10mg、21μmol)を用いて反応を実施し、化合物105(1.5mg、収率12%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 604.2967.(条件3)
参考合成例9−10 化合物106の合成
窒素雰囲気下、1,1’−カルボニルジイミダゾール[CDI](0.10g、0.62mmol)の塩化メチレン(2.0mL)溶液に室温で4−アミノピリジン(59mg、0.63mmol)のDMF(1.0mL)溶液を加えて3時間35分間撹拌した。化合物96(74mg、0.15mmol)を加えて1晩撹拌した後、酢酸エチル、水を加えて分液した。得られた有機層を減圧下濃縮し、粗物を得た。粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/MeOH=30/1)にて精製し、化合物106(64mg、収率68%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 604.2951.(条件3)
参考合成例10:化合物107−124の合成
Figure 2018203574
化合物107から123のXは、表4の通りである。
Figure 2018203574
参考合成例10−1 化合物107の合成
参考合成例7と同様の条件で、化合物80の代わりに化合物78(6.9g、13mmol)を用いて反応を実施し、粗物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン=85.5/9.5/5)にて精製し、化合物107(4.2g、収率49%)を白色泡状固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 664.2762.(条件3)
参考合成例10−2 化合物108の合成
窒素雰囲気下、化合物78(36mg、66μmol)のDMF(0.70mL)溶液に室温で2−メトキシフェニルイソシアナート(8.5μL、66μmol)を加えて16時間20分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、粗物を得た。粗物を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/トリエチルアミン=95/5)にて精製し、化合物108(32mg、収率70%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 693.2883.(条件3)
参考合成例10−3 化合物109の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアナート(10μL、66μmol)を用いて反応を行い、化合物109(36mg、収率72%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 747.2594.(条件3)
参考合成例10−4 化合物110の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2,6−ジクロロフェニルイソシアナート(13μL、66μmol)を用いて反応を行った。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物110が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 731.1975.(条件3)
参考合成例10−5 化合物111の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2−クロロフェニルイソシアナート(8.0μL、66μmol)を用いて反応を行い、化合物111(15mg、収率33%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 697.2391.(条件3)
参考合成例10−6 化合物112の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2−フルオロフェニルイソシアナート(7.5μL、66μmol)を用いて反応を行い、化合物112(13mg、収率29%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 681.2701.(条件3)
参考合成例10−7 化合物113の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2−メチルフェニルイソシアナート(8.2μL、66μmol)を用いて反応を行い、化合物113(28mg、収率63%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 677.2956.(条件3)
参考合成例10−8 化合物114の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2,6−ジメチルフェニルイソシアナート(9.2μL、66μmol)を用いて反応を行い、化合物114(33mg、収率73%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 691.3101.(条件3)
参考合成例10−9 化合物115の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2,6−ジフルオロフェニルイソシアナート(10mg、66μmol)を用いて反応を行い、化合物115(29mg、収率62%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 699.2597.(条件3)
参考合成例10−10 化合物116の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりにフェニルイソシアナート(2.0mL、18mmol)を用いて反応を行い、化合物116(5.5g、収率45%)を白色泡状固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;DMSO-d6)δ1.59-2.78(m,3H),2.23-2.49(m,2H),3.23-3.34(m,2H),3.73(s,6H),3.95-4.32(m,2H),5.36-5.37(m,1H),6.17-6.22(m,1H),6.89-6.92(m,4H),7.09-7.85(m,15H),9.20-9.75(m,1H),12.52-12.69(m,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 663.2767.(条件3)
参考合成例10−11 化合物117の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに2,4−ジメトキシフェニルイソシアナート(12mg、74μmol)を用いて反応を行い、化合物117(37mg、収率77%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 723.2998.(条件3)
参考合成例10−12 化合物118の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに3,4−ジメトキシフェニルイソシアナート(11μL、74μmol)を用いて反応を行い、化合物118(31mg、収率59%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 723.3019.(条件3)
参考合成例10−13 化合物119の合成
参考合成例10−2と同様の条件で、2−メトキシフェニルイソシアナートの代わりに3,5−ジメトキシフェニルイソシアナート(13mg、74μmol)を用いて反応を行い、化合物119(12mg、収率23%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 723.3010.(条件3)
参考合成例10−14 化合物120の合成
窒素雰囲気下、化合物78(50mg、92μmol)のピリジン(1.0mL)溶液に、室温でTMSCl(47μL、0.37mmol)を加えて30分間撹拌した。その後、CDI(22mg、0.14mmol)を加えて1時間撹拌し、2,6−ジメトキシアニリン(21mg、0.14mmol)を加え、16時間15分撹拌した。28%アンモニア水(0.25mL)を加え、21時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、塩化メチレン(0.75g)、及び水(0.40g)を加えて分液した。得られた有機層を水(0.40mL)で洗浄した後に溶媒を減圧下留去し、粗物を得た。粗物を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/MeOH/トリエチルアミン=90/5/5)にて精製し、化合物120(46mg、収率61%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 723.3003.(条件3)
参考合成例10−15 化合物121の合成
参考合成例10−14と同様の条件で、2,6−ジメトキシアニリンの代わりに3,4,5−トリメトキシアニリン(25mg、0.14mmol)を用いて反応を実施し、化合物121(22mg、収率32%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 753.3112.(条件3)
参考合成例10−16 化合物122の合成
参考合成例10−14と同様の条件で、2,6−ジメトキシアニリンの代わりに2,4,5−トリメトキシアニリン(25mg、0.14mmol)を用いて反応を実施し、化合物122(31mg、収率44%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 753.3075.(条件3)
参考合成例10−17 化合物123の合成
参考合成例10−14と同様の条件で、2,6−ジメトキシアニリンの代わりに2,3,4−トリメトキシアニリン(25mg、0.14mmol)を用いて反応を実施し、化合物123(19mg、収率27%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 753.306.(条件3)
実施例29:化合物131の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物124の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物5の代わりに化合物75(1.1g、1.4mmol)を用いて反応を実施し、化合物124(1.6g、収率94%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.20-1.82(m,96H),2.68-3.10(m,6H),3.42-3.44(m,2H),3.78(s,6H),3.96-4.04(m,6H),4.31-4.32(m,1H),4.91(s,2H),5.50-5.60(m,1H),6.40-6.51(m,1H),6.78-6.81(m,4H),7.21-7.39(m,10H),7.64-7.73(m,2H),8.11(s,1H),8.21(s,1H),8.47(s,1H),11.57(s,1H).
MS(ESI-):[M-H]- 1796.1126.(条件7)
Figure 2018203574
工程2 化合物127の合成
窒素雰囲気下、化合物124(1.5g、0.86mmol)、及びインドール(0.30g、2.6mmol)の塩化メチレン(30mL)溶液を10℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.20mL,2.6mmol)を加えて1時間撹拌した。ピリジン(4.6mL)を加えて室温に昇温し、反応混合物をMeCN(339g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物125(1.2g、収率97%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1495.9817.(条件7)
窒素雰囲気下、ホスホン酸(0.64g、7.8mmol)のピリジン(29mL)溶液に、40℃で2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.64mL、4.7mmol)を加え、30分間撹拌した。この溶液に化合物125(1.2g、0.78mmol)を加えて40℃で1時間15分撹拌した。その後、反応混合物をMeCN(250g)に加えて析出した固体をろ過し、H−ホスホネート体(7.3g)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1559.9517.(条件6)
窒素雰囲気下、前記H−ホスホネート体(6.9g)のピリジン(23mL)溶液に化合物126(東京化成工業社製)(0.75g、1.2mmol)、炭酸ビスペンタフルオロフェニル(1.8g、4.7mmol)を加え、30分間撹拌した。その後、N−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(0.27g、1.2mmol)を加え、1時間50分撹拌した。その後、無水イソ酪酸(2.6mL,16mmol)、N−メチルイミダゾール(0.62mL、7.8mmol)を加えて1時間15分撹拌し、反応混合物をMeOH(230g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物127(1.5g、収率85%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2266.1980.(条件7)
Figure 2018203574
工程3 化合物129の合成
窒素雰囲気下、化合物127(1.2g、0.53mmol)、及びインドール(1.2g、11mmol)の塩化メチレン(24mL)溶液に10℃で、4.0M塩化水素−ジオキサン溶液(0.26mL,1.1mmol)を加えて2時間35分撹拌して、化合物128を得た(脱一時保護基工程)。ピリジン(3.6mL)を加えて室温に昇温し、ホスホン酸(0.65g、7.9mmol)を加え、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.11mL、0.79mmol)を5分割して10分間隔で加えて1時間40分撹拌し、2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.11mL、0.79mmol)を加えて40分間撹拌し、さらに2,2−ジメチルブチリルクロリド(0.11mL、0.79mmol)を加えて55分間撹拌した。反応混合物をMeCN(254g)に加えて析出した固体をろ過し、H−ホスホネート体(1.3g)を得た。
窒素雰囲気下、前記H−ホスホネート体(1.3g)のピリジン(24mL)溶液に化合物126(0.50g、0.79mmol)、炭酸ビスペンタフルオロフェニル(0.62g、1.6mmol)を加え、2時間撹拌した。その後、N−[(2−シアノエチル)チオ]フタルイミド(0.18g、0.79mmol)を加え、1時間50分撹拌した。その後、無水イソ酪酸(0.88mL,5.3mmol)、N−メチルイミダゾール(0.42mL、5.3mmol)を加えて1時間40分撹拌し、反応混合物をMeOH(241g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物129(1.2g、収率87%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2734.3031.(条件6)
Figure 2018203574
工程4 化合物130の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物129(1.1g、0.40mmol)、化合物126の代わりに化合物75(0.46g、0.60mmol)を用いて反応を実施し、化合物130(1.1g、収率87%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1669.1845.(条件6)
Figure 2018203574
工程5 化合物131の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物130(0.96g、0.29mmol)、化合物126の代わりに化合物116(0.29g、0.43mmol)を用いて反応を実施し、化合物131(0.93g、収率86%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1914.7332.(条件6)
実施例30:化合物135の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物132の合成
実施例29の工程3の脱一時保護基工程と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物130(0.10g、30μmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeOH(20g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物132(75mg、収率83%)を得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1518.1199.(条件6)
工程2 化合物133の合成
窒素雰囲気下、化合物67(0.25g、0.28mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に、室温で塩化チオニル(10μL、0.14mmol)を加えて30分間撹拌し、クロロ化体の溶液を調製した。
窒素雰囲気下、上記クロロ化体の溶液のうち3分の1に、ピリジン(0.60mL)を加えた。この溶液に室温で化合物132(58mg、19μmol)を加えて、17時間撹拌した。5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、得られた有機層をMeCN(25g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物133(0.14g)を得た。
MS(ESI-):[M-2H]2- 1961.5124.(条件7)
Figure 2018203574
工程3 化合物134の合成
窒素雰囲気下、化合物133(0.13g)のTHF(1.5mL)溶液に室温で酢酸(0.25mL)を加え、メチルヒドラジン(10μL、0.20mmol)を加え、6時間30分撹拌した。その後、反応混合物をMeOH(27g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物134(0.11g)を白色固体として得た。
MS(ESI-):[M-2H]2- 1450.0510.(条件6)
工程4 化合物135の合成
窒素雰囲気下、化合物134のTHF溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物135が主生成物であることを確認した。その後、HPLC分析を行い、化合物135の面積百分率は90%であった。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1006.6731.(条件3)
HPLC分析条件は、以下の通りである。
カラム:L−column ODS(3.0μm、3.0×150mm)
カラム温度:50℃
溶離液組成:有機層としてMeCNを、水層として水を用いた。
有機層と水層の混合比(体積比)を10/90で5分間固定した後、10分間で95/5に直線的に変えた。その後5分間、有機層と水層の混合比を95/5に固定した。
流速:0.80mL/min
検出波長:260nm
比較例1:化合物135の合成
Figure 2018203574
窒素雰囲気下、化合物132(10mg、3.3μmol)のTHF(0.20mL)溶液に室温で酢酸(38μL)を加え、メチルヒドラジン(1.7μL、33μmol)を加え、5時間撹拌した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物135が主生成物であることを確認した。その後、HPLC分析を行い、化合物135の面積百分率は82%であった。
実施例31:化合物138の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物137の合成
窒素雰囲気下、ドコシルブロミド(東京化成工業社製)(6.6g、17mmol)、及び化合物136(東京化成工業社製)(1.4g、8.1mmol)のDMF(20mL)懸濁液を80℃に昇温して、炭酸カリウム(4.4g、32mmol)を加えて50時間20分撹拌した。室温まで冷却し、反応混合物にTHFを加えて撹拌した後、吸引ろ過し、不溶物を除いた。得られたろ液を減圧下濃縮した後、MeOH(702g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物137(6.3g、収率99%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,6H),1.05-1.88(m,80H),3.88(s,3H),4.00-4.06(m,4H),6.85(d,1H),7.53(d,1H),7.63(dd,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 785.7363.(条件6)
工程2 化合物138の合成
窒素雰囲気下、化合物137(5.2g、6.7mmol)のTHF(102g)溶液に、室温で1.0M フェニルマグネシウムブロミド/THF溶液(20mL、20mmol)を加え、50℃で3時間撹拌した。室温に冷却し、1 mol/L塩酸(30g)、酢酸エチル(31g)を加えて分液した。得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、5%塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄した後、反応混合物をMeOH(52g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物138(5.9g、収率97%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.90(t,6H),1.08-1.86(m,80H),2.77(s,1H),3.88(t,2H),3.98(t,2H),6.64(dd,1H),6.77(d,1H),6.88(d,1H),7.24-7.34(m,10H).
実施例32:化合物143の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物139の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物5の代わりに化合物126(0.92g、1.4mmol)を用いて反応を実施し、化合物139(1.5g、収率96%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1663.1637.(条件6)
Figure 2018203574
工程2 化合物140の合成
実施例29の工程2と同様の条件で、化合物124の代わりに化合物139(1.5g、0.88mmol)、化合物126の代わりに化合物75(0.84g、1.1mmol)を用いて反応を実施し、化合物140(1.3g、収率80%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2266.2098.(条件6)
Figure 2018203574
工程3 化合物141の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物140(0.97g、0.43mmol)、化合物126の代わりに化合物116(0.43g、0.64mmol)を用いて反応を実施し、化合物141(0.90g、収率76%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2638.2663.(条件6)
Figure 2018203574
工程4 化合物142の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物141(0.82g、0.30mmol)、化合物126の代わりに化合物5(0.25g、0.45mmol)を用いて反応を実施し、化合物142(0.74g、収率81%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1565.6859.(条件6)
Figure 2018203574
工程5 化合物143の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物142(0.69g、0.22mmol)、化合物126の代わりに化合物120(0.22g、0.33mmol)を用いて反応を実施し、化合物143(0.61g、収率77%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1811.2333.(条件6)
実施例33:化合物148の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物144の合成
実施例29の工程3と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物143(0.41g、0.11mmol)を用いて脱一時保護基工程を実施し、反応混合物をMeCN(80g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物144(0.34g、収率92%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1660.1891.(条件6)
工程2 化合物145の合成
窒素雰囲気下、化合物138(0.12g、0.14mmol)の塩化メチレン(2.2)溶液に、室温で4.0M 塩化水素/ジオキサン溶液(0.10mL、0.41mmol)を加えて30分間撹拌し、化合物138のクロロ化体の溶液を調製した。
窒素雰囲気下、化合物144(0.20g、61μmol)、ピリジン(48μL、0.60mmmol)及びモレキュラーシーブス4A(0.20g)の塩化メチレン(4.0mL)懸濁液を室温で45分間撹拌し、上記クロロ化体の溶液の6割を加えて15時間撹拌した。インドール(36mg、0.31mmol)を加えて3時間撹拌し、反応混合物をMeCN(44g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物145(0.22g)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 2105.5634.(条件6)
Figure 2018203574
工程3 化合物146の合成
実施例30の工程3と同様の条件で、化合物133の代わりに化合物145(0.16g)を用いて反応を実施し、化合物146(63mg)を黄色固体として得た。
MS(ESI+):[M+2H]2+ 1594.1236.(条件6)
Figure 2018203574
工程4 化合物148の合成
実施例26の工程2(H−ホスホネート化工程)と同様の条件で、化合物65の代わりに化合物144(0.12g、30μmol)を用いて反応を実施し、化合物147を得た。実施例26の工程2(カップリング工程及び硫化工程)と同様の条件で、化合物70の代わりに化合物147、化合物69の代わりに化合物146(42mg)を用いて反応を実施し、化合物148(0.11g)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 2212.8775.(条件6)
実施例34:化合物150の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物149の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物5の代わりに化合物77(1.2g、1.4mmol)を用いて反応を実施し、化合物149(1.6g、収率93%)を薄肌色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.82(m,96H),2.70-2.95(m,4H),3.15(s,3H),3.37-4.02(m,18H),4.35-4.45(m,1H),4.80-5.15(m,3H),5.46-5.55(m,1H),6.10-6.20(m,1H),6.78-6.82(m,4H),7.22-7.78(m,14H),8.20(s,1H),8.35(s,1H),8.47(s,1H),11.59(s,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1872.1504.(条件6)
Figure 2018203574
工程2 化合物150の合成
実施例29の工程2と同様の条件で、化合物124の代わりに化合物149(1.5g、0.82mmol)、化合物126の代わりに化合物83(0.90g、1.2mmol)を用いて反応を実施し、化合物150(1.6g、収率91%)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2438.2903.(条件6)
実施例35:化合物152の合成
Figure 2018203574
実施例31の工程2と同様の条件で、化合物137の代わりに化合物151(国際公開第2016−117663号に記載の方法に準じて合成した)(1.0g、1.1mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(133g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物152(1.1g、収率92%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.25-1.76(m,96H),2.75(s,1H),3.80(t,4H),3.94(t,2H),6.24(s,2H),7.25-7.33(m,10H).
実施例36:化合物158の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物155の合成
実施例31の工程1と同様の条件で、化合物136の代わりに化合物154(0.89g,5.9mmol)、ドコシルブロミドの代わりに化合物153(国際公開第2010−104169号に記載の方法に準じて合成した)(3.2g、5.6mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(90mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物155(3.9g、収率81%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,3H),1.19-1.85(m,60H),3.39(t,4H),3.88(s,3H),4.00(t,2H),6.87-6.92(m,2H),7.95-8.00(m,2H).
MS(ESI+):[M+H]+ 645.5813.(条件6)
工程2 化合物156の合成
実施例31の工程2と同様の条件で、化合物137の代わりに化合物155(1.5g、2.3mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(151g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物156(1.6g、収率92%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.89(t,3H),1.27-1.82(m,60H),2.76(s,1H),3.40(t,4H),3.95(t,2H),6.83(dt,2H),7.16(dt,2H),7.24-7.35(m,10H).
MS(ESI+):[M+H]+ 769.6353.(条件6)
Figure 2018203574
工程3 化合物157の合成
窒素雰囲気下、化合物156(0.32mg、0.40mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、室温で塩化オキサリル(0.10mL、1.2mmol)を加えて、2時間撹拌した。反応混合物をMeCN(30mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物157(0.33g、定量的)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,3H),1.25-2.00(m,60H),3.38(t,4H),3.95(t,2H),6.80(dt,2H),7.11(dt,2H),7.22-7.32(m,10H).
Figure 2018203574
工程4 化合物158の合成
窒素雰囲気下、化合物128(31mg、16μmol)、ピリジン(6.2μL、77μmol)、モレキュラーシーブス4A(アルドリッチ社製)(34mg)の塩化メチレン(1mL)懸濁液に、室温で化合物157(16mg、20μmol)を加えて、17時間撹拌した。反応混合物をMeOHに加えて析出した固体をろ過し、化合物158(34mg、収率83%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2714.7099.(条件6)
実施例37:化合物161の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物160の合成
実施例31と同様の条件で、化合物137の代わりに化合物159(国際公開第2012−157723号に記載の方法に準じて合成した)(2.7g、3.4mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(278g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物160(3.0g、収率95%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,6H),1.25-1.88(m,80H),2.76(s,1H),3.84(t,4H),6.36-6.41(m,3H),7.03-7.60(m,10H).
MS(ESI+):[M+H]+ 909.8009.(条件6)
工程2 化合物161の合成
窒素雰囲気下、化合物160(0.53g、0.58mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、室温で塩化オキサリル(0.15mL、1.7mmol)を加えて2時間撹拌した。反応混合物をMeCN(30mL)に加えて析出した固体をろ過し、化合物161(0.49g、収率92%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,6H),1.07-1.74(m,80H),3.83(t,4H),6.36-6.39(m,3H),7.23-7.32(m,10H).
実施例38:化合物164の合成及びヒドラジン1水和物との反応
Figure 2018203574
工程1 化合物163の合成
窒素雰囲気下、ジクロロ酢酸(0.18mL、2.2mmol)、レブリン酸(0.45mL、4.4mmol)のTHF(5.1g)溶液に室温でピロリジン(0.17mL、2.1mmol)を加え、66℃に昇温した。その後、化合物162(Chem. Asian. J., 2010年, 5巻, 904頁−909頁に記載の方法に準じて合成した)(1.0g、1.1mmol)のTHF(5.3g)溶液を加えて、2時間19分撹拌した。反応混合物をMeCN(101g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物163(1.0g、収率90%)を黄土色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.95(m,96H),2.70(t,2H),2.99(t,2H),3.98(t,6H),6.62(d,1H),6.74(s,2H),7.47(d,1H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1009.9120.(条件7)
工程2 化合物164の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物4の代わりに化合物163(0.10g、0.10mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(12g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物164(0.13g、収率81%)を茶色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.86(m,99H),2.43-2.51(m,2H),2.69-2.72(m,2H),3.00-3.07(m,2H),3.40-3.58(m,2H),3.78(s,6H),3.96-4.00(m,6H),4.16-4.17(m,1H),5.45-5.55(m,1H),6.44-6.45(m,1H),6.62(d,1H),6.74(s,2H),6.82-7.40(m,13H),7.48(d,1H),7.61(d,1H),8.00-8.18(brs,1H).
MS(ESI+):[M+NH4]+ 1553.1530.(条件7)
Figure 2018203574
工程3 化合物164のヒドラジン1水和物との反応
実施例5と同様の条件で、化合物9の代わりに化合物164(10mg、6.5μmol)を用いて反応を実施した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物5及び化合物165が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 1005.9341.(条件6、化合物165)
実施例39:化合物167の合成及びヒドラジン1水和物との反応
Figure 2018203574
工程1 化合物166の合成
実施例1−1の工程2と同様の条件で、化合物3の代わりに化合物163(0.30g、0.30mmol)を、10%パラジウム−炭素(Kタイプ)の代わりに5%パラジウム−アルミナ(92mg)を用いて反応を実施し、化合物166(0.21g、収率70%)を得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.82(m,98H),2.51-2.81(m,6H),3.81-3.95(m,6H),6.35(s,2H).
MS(ESI+):[M+H]+ 1011.9281.(条件7)
工程2 化合物167の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物4の代わりに化合物166(0.10g、0.10mmol)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(11g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物167(0.11g、収率70%)を白色固体として得た。
1H-NMR:(300MHz;CDCl3)δ0.88(t,9H),1.26-1.80(m,101H),2.25-2.78(m,8H),3.40-3.52(m,2H),3.79(s,6H),3.90-3.94(m,6H),4.10-4.17(m,1H),5.40-5.50(m,1H),6.35(s,2H),6.43(t,1H),6.82-6.85(m,4H),7.24-7.39(m,9H),7.61(s,1H),7.85-8.15(brs,1H).
MS(ESI+):[M+NH4]+ 1555.1683.(条件6)
Figure 2018203574
工程3 化合物167とヒドラジン1水和物との反応
実施例5と同様の条件で、化合物9の代わりに化合物167(10mg、6.5μmol)を用いて反応を実施した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物5及び化合物168が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+H]+ 1007.9448.(条件6、化合物168)
実施例40:化合物170の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物169の合成
実施例1−2の工程1と同様の条件で、化合物5の代わりに化合物81(2.5g、3.2mmol)を用いて反応を実施し、化合物169(3.6g、収率94%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 1820.2229.(条件6)
Figure 2018203574
工程2 化合物170の合成
実施例29の工程2と同様の条件で、化合物124の代わりに化合物169(3.5g、1.9mmol)、化合物126の代わりに化合物81(2.3g、2.9mmol)を用いて反応を実施し、化合物170(4.1g、収率88%)を得た。
MS(ESI+):[M+H]+ 2445.3879.(条件6)
実施例41:化合物174の合成
Figure 2018203574
工程1 化合物171の合成
実施例30の工程3と同様の条件で、化合物133の代わりに化合物148(40mg)を用いて反応を実施し、化合物171(30mg)を得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 1871.8923.(条件6)
Figure 2018203574

Figure 2018203574
工程2 化合物172の合成
実施例29の工程3(脱一時保護基工程)と同様の条件で、化合物127の代わりに化合物148(55mg)を用いて反応を実施し、反応混合物をMeCN(10g)に加えて析出した固体をろ過し、化合物172(41mg)を白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 1915.9278.(条件6)
工程3 化合物174の合成
実施例26の工程2(H−ホスホネート化工程)と同様の条件で、化合物65の代わりに化合物172(30mg)を用いて反応を実施し、化合物173を得た。
MS(ESI+):[M+3H]3+ 1937.2397.(条件6)
実施例26の工程2(カップリング工程及び硫化工程)と同様の条件で、化合物70の代わりに化合物173(7.7mg)、化合物69の代わりに化合物171(4.5mg)を用いて反応を実施した。反応混合物をLC−MSにより分析し、化合物174が主生成物であることを確認した。
MS(ESI+):[M+5H]5+ 2298.6761.(条件6)
擬似固相保護基としての性能を有する長鎖アルキル基が導入されたベンゼン環部分と、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの2’位、3’位、5’位又は核酸塩基部とをレブリニル基を介して結合させた、レブリニル型新規擬似固相保護基を用いる製造方法により、オリゴヌクレオチドの収束的合成法のビルディングブロックとなるブロック体を高収率で合成でき、大量合成に対応できるオリゴヌクレオチドの新規製造方法を提供することが可能となった。
したがって、本発明は、siRNA、アンチセンス核酸、ワクチンのアジュバントなどのオリゴヌクレオチドの製造に適用することができ、ゲノム創薬や遺伝子診断・治療などの分野において極めて有用なものである。
日本国特許出願2017−091747号(出願日:2017年5月2日)及び2017−097467号(出願日:2017年5月16日)の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (48)

  1. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
    5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを、
    溶媒中、ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択される少なくとも1つのアミノ化合物を反応させ、
    前記式(II)で表される保護基を除去する工程を含む、
    3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドの製造方法。
  2. 3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを反応させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン誘導体である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記アミノ化合物が、ヒドラジン一水和物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記アミノ化合物が、C1−6アルキルヒドラジンである、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程が、溶媒として、ハロゲン化炭化水素溶媒、環状エーテル溶媒、低級脂肪族酸溶媒及びピリジン系溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒中で実施される、請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記式(II)で表される保護基を除去する工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを含む低極性溶媒溶液と、極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記一時保護基が、それぞれ独立して、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、請求項1から8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
    5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基、又はヒドロキシ基であるn個重合オリゴヌクレオチドと、
    3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるp個重合オリゴヌクレオチドとを反応させ、
    n個重合オリゴヌクレオチドとp個重合オリゴヌクレオチドとの結合体を生成するカップリング工程を含み、
    n及びpは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、オリゴヌクレオチドの製造方法。
  11. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基である、請求項10に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  12. 前記カップリング工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方がヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該5’位又は3’位のヒドロキシ基を、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基へ変換し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する反応性リン化工程を含む、請求項11に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  13. 前記反応性リン化工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去し、5’位及び3’位の一方にヒドロキシ基を生成する脱一時保護基工程を含む、請求項12に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  14. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、3’位が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
    p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、ヒドロキシ基である、請求項11から13のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  15. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方がヒドロキシ基であり、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、請求項10に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  16. 前記カップリング工程の前に、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの当該一時保護基を除去し、n個重合オリゴヌクレオチドを生成する脱一時保護基工程を含む、請求項15に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  17. n個重合オリゴヌクレオチドの5’位がヒドロキシ基であり、3’位が前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
    p個重合オリゴヌクレオチドの3’位が反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、請求項15又は16に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  18. 前記一時保護基が、tert-ブチルジメチルシリル基、トリチル基、モノメトキシトリチル基又はジメトキシトリチル基である、請求項10から17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記反応性リン含有基が、ヒドロキシホスフィニル基であり、カップリング工程が亜リン酸ジエステル結合を形成する、請求項10から18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸ジエステル結合を、リン酸ジエステル結合、チオリン酸ジエステル結合、ボラノリン酸ジエステル結合、アミノリン酸ジエステル結合、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸−O,O,S−トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸ジエステル結合の変換工程を更に含む、請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記反応性リン含有基が、置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であり、カップリング工程が亜リン酸トリエステル結合を形成する、請求項10から18のいずれか1項に記載の製造方法。
  22. 前記カップリング工程の後に、前記亜リン酸トリエステル結合を、リン酸トリエステル結合又はチオリン酸トリエステル結合に変換することを含む亜リン酸トリエステル結合の変換工程を更に含む、請求項21に記載の製造方法。
  23. 少なくとも1つの工程の反応後に、反応液と極性溶媒とを混合して沈殿物を生成させ、生成した沈殿物を固液分離により取得する精製工程を更に含む、請求項10から22のいずれか1項に記載の製造方法。
  24. 前記極性溶媒が炭素数1から6のアルコール溶媒又は炭素数1から6のニトリル溶媒である、請求項23に記載の製造方法。
  25. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、
    5’位及び3’位の一方が、下記式(VI)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    Arは、下記式(VII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
    Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
    10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
    置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
    tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを、
    溶媒中、ヒドラジン誘導体、ジアミン誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体及びアミノアルコール誘導体から選択される少なくとも1つのアミノ化合物を反応させ、
    前記式(II)で表される保護基を除去する工程を含む、
    3’位及び5’位の一方がヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が前記式(VI)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドの製造方法。
  26. 3’位及び5’位の一方が、下記式(II)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基、又はヒドロキシ基であるn個重合オリゴヌクレオチドと、
    3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が、下記式(VI)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、5’位又は3’位のヒドロキシ基との結合位置を示し、
    Arは、下記式(VII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
    Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
    10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
    置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
    tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であるp個重合オリゴヌクレオチドとを反応させ、
    n個重合オリゴヌクレオチドとp個重合オリゴヌクレオチドとの結合体を生成するカップリング工程を含み、
    n及びpは、それぞれ独立して、1以上の整数であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、オリゴヌクレオチドの製造方法。
  27. 下記式(I):
    Figure 2018203574

    [式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
    Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
    Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4‘位炭素原子に架橋する有機基を示し、
    Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
    Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
    が、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基、又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基であるとき、Zは、下記式(II)で表される保護基を示し、
    が、下記式(II)で表される保護基であるとき、Zは、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基を示し、
    式(II)が
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)である]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  28. nが、1から100の整数である、請求項27に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  29. Xが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は基本保護基で置換されたヒドロキシ基である、請求項27又は28に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  30. Yが、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基又は基本保護基で置換されたスルファニル基である、請求項27から29のいずれか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  31. が、前記式(II)で表される保護基であり、Zが、水素原子、一時保護基、ヒドロキシホスフィニル基又は置換されたヒドロキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィノ基である、請求項27から30のいずれか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  32. 下記式(Ia):
    Figure 2018203574

    [式中、nは、1以上の任意の整数を示し、
    Baseは、それぞれ独立して、核酸塩基又は基本保護基で置換された核酸塩基を示し、
    Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基又は4‘位炭素原子に架橋する有機基を示し、
    Yは、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、基本保護基で置換されたヒドロキシ基、スルファニル基、基本保護基で置換されたスルファニル基、水素化ホウ素基、モノC1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基を示し、
    Vは、それぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、
    11が、下記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基であるとき、Z12は、下記式(VI)で表される保護基を示し、
    11が、下記式(VI)で表される保護基であるとき、Z12は、下記式(II)で表される保護基又はヒドロキシホスフィニル基を示し、
    式(II)が、
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である)であり、
    式(VI)が、
    Figure 2018203574

    (式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、
    Arは、下記式(VII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Arが結合する炭素原子を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基、又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数である)で表される基であり、
    Ar及びArは、それぞれ独立して、前記式(VII)で表される基又は下記式(VIII)
    Figure 2018203574

    (式中、*は、Ar及びArが結合する炭素原子を示し、
    10は、置換基群Aから選択される置換基であり、
    置換基群Aは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6ハロアルケニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、モノC1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6ハロアルコキシカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルホニル基及びC1−6ハロアルキルスルホニル基により構成される置換基群を意味し、
    tは、0から5の整数であり、tが2から5のとき、R10は、同一でも異なっていてもよい)で表される基である)である]で表される化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  33. 11が、前記式(II)で表される保護基であり、Z12が、前記式(VI)で表される保護基である、請求項32に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  34. 少なくとも1つのBaseが、基本保護基で置換されたアデニル基であり、当該アデニル基のアミノ基の基本保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、請求項32又は33に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  35. 少なくとも1つのBaseが、基本保護基で置換されたシトシル基及び5−メチルシトシル基から選択される少なくとも1つであり、当該シトシル基及び5−メチルシトシル基のアミノ基の基本保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、請求項32から34のいずれか1項に記載の化合物、該化合物の互変異性体又はその塩。
  36. 請求項10から24のいずれか1項に記載の方法で、3’位及び5’位の一方が、前記式(II)で表される保護基で置換されたヒドロキシ基であり、5’位及び3’位の一方が一時保護基で置換されたヒドロキシ基であるオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法。
  37. 3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基又はヒドロキシ基であり、2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選択される少なくとも1カ所に、擬似固相保護基を有する、n個重合オリゴヌクレオチドと、
    5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基又は反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であり、擬似固相保護基を有さない、p個重合オリゴヌクレオチドとをカップリングさせる工程を含み、
    n及びpは、それぞれ独立して、2以上の整数であり、n+pは、11以上であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、ヒドロキシ基であり、
    n個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、ヒドロキシ基であるとき、p個重合オリゴヌクレオチドの5’位及び3’位の一方が、反応性リン含有基で置換されたヒドロキシ基である、n+p個重合オリゴヌクレオチドの製造方法。
  38. 前記p個重合オリゴヌクレオチドの3’位及び5’位の一方が、一時保護基で置換されたヒドロキシ基である、請求項37に記載の製造方法。
  39. n+pは、15以上である、請求項37又は38に記載の製造方法。
  40. n及びpは、それぞれ独立して、4以上の整数である、請求項37から39のいずれか1項に記載の製造方法。
  41. 前記n個重合オリゴヌクレオチドが、核酸塩基部に擬似固相保護基を有する、請求項37から40のいずれか1項に記載の製造方法。
  42. 前記n個重合オリゴヌクレオチドの3’位が、擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基である、請求項37から40のいずれか1項に記載の製造方法。
  43. 請求項1から9及び36のいずれか1項に記載の方法で、p個重合オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、請求項37に記載の製造方法。
  44. 下記式(II)
    Figure 2018203574

    [式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
    は、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合のとき、L13は、単結合又は−C(O)−である]で表される、擬似固相保護基。
  45. 下記式(II)
    Figure 2018203574

    [式中、*は、擬似固相保護基が保護する基との結合位置を示し、
    は、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基であり、
    12は、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基である]で表される、擬似固相保護基。
  46. 2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部からなる群から選ばれる少なくとも1か所にヒドロキシ基を有するか、又は2’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所にヒドロキシ基又はアミノ基を有するヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを、
    下記式(II−1)
    Figure 2018203574

    [式中、Rは、それぞれ独立して、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基、C2−40アルキニル基又は、
    式 −L−O−R
    (式中、Lは、C1−40アルキレン基、C2−40アルケニレン基又はC2−40アルキニレン基であり、Rは、C1−40アルキル基、C2−40アルケニル基又はC2−40アルキニル基である)で表される基であり、少なくとも1つのRの炭素数は10以上であり、sは、1から5の整数であり、
    11は、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基又はC2−6アルキニレン基であり、
    12は、単結合、−O−又は−N(R)−(式中、Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C2−6アルケニル基又はC2−6ハロアルケニル基を示す)であり、
    13は、単結合、−C(O)−又はC1−6アルキレン基であり、L12が単結合の時、L13は、単結合又は−C(O)−である]で表されるカルボキシ化合物、又は下記式(II−2)
    Figure 2018203574

    (式中、Wは、ハロゲン原子であり、s、R、L11、L12及びL13は、前記式(II−1)における定義と同じである)で表される酸ハロゲン化物と反応させ、
    2’位、3’位、5’位及び核酸塩基部の少なくとも1カ所が、下記式(II)
    Figure 2018203574

    [式中、*は、ヒドロキシ基との結合位置を示し、s、R、L11、L12及びL13は、前記式(II−1)における定義と同じである]で表される擬似固相保護基で置換されたヒドロキシ基である、ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの製造方法。
  47. 前記n個重合オリゴヌクレオチド及びp個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも一方が、少なくとも1つのアデニル基を有し、当該アデニル基のアミノ基の保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、請求項10から26又は請求項37から43のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
  48. 前記n個重合オリゴヌクレオチド及びp個重合オリゴヌクレオチドの少なくとも一方が、シトシル基及び5−メチルシトシル基から選択される少なくとも1つを有し、当該シトシル基及び5−メチルシトシル基のアミノ基の保護基が、C6−10アリールアミノカルボニル基、5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、モノC1−6アルキルアミノカルボニル基又はアラルキルアミノカルボニル基(ここで、前記C6−10アリールアミノカルボニル基、前記5−10員ヘテロアリールアミノカルボニル基、前記C6−10アリールスルホニルアミノカルボニル基、及び前記アラルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C1−6ハロアルキル基及びC2−6ハロアルケニル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換され、前記モノC1−6アルキルアミノカルボニル基は、無置換であるか、又は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C1−6アルコキシ基及びC1−6ハロアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている)である、請求項10から26又は請求項37から43又は47のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドの製造方法。
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