JPWO2018194172A1 - 化合物又はその塩、抗ウイルス剤、医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、より高い抗ウイルス活性を有するトリシン誘導体を提供することである。本発明の化合物は、以下の式(I)で表される化合物又はその塩である。(式(I)中、R1〜R5は少なくとも1つがフッ素原子であり、R1〜R5のうちフッ素原子ではないものは水素原子又は水酸基である。)【化1】
Description
本発明は、化合物又はその塩、抗ウイルス剤、医薬組成物に関する。
フラボノイドの1種であるトリシン[4’,5,7−トリヒドロキシ−3’,5’−ジメトキシフラボン(4’,5,7−trihydroxy−3’,5’−dimethoxyflavone)(トリシン)]は、イネ科の植物等に含まれ、抗ウイルス作用、抗癌作用等の様々な生理活性を有することが知られる(例えば、特許文献1及び2)。
しかし、トリシンについて、例えば、ガンシクロビル(ヒトサイトメガロウイルスに対する抗ウイルス活性を有することが知られる。)等の既存の抗ウイルス薬と比較してより高い抗ウイルス活性を実現できることが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、より高い抗ウイルス活性を有するトリシン誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、トリシンの化学構造の所定の位置にフッ素原子を導入することで、トリシンよりも高い抗ウイルス活性を有する化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。
(2) R1及びR3のうち1以上がフッ素原子である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(3) R1、R2、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R3が水素原子又は水酸基である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(4) R2、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R1が水素原子又は水酸基である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(5) R1、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R2が水素原子又は水酸基である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(6) R1、R2、R3及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R4が水素原子又は水酸基である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(7) R1、R2、R3及びR4のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R5が水素原子又は水酸基である、(1)に記載の化合物又はその塩。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の化合物又はその塩を含む、抗ウイルス剤。
(9) (1)から(7)のいずれかに記載の化合物又はその塩を含む、医薬組成物。
本発明によれば、より高い抗ウイルス活性を有するトリシン誘導体が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに特に限定されない。
<化合物>
本発明の化合物は、以下の式(I)で表される。
本発明の化合物は、以下の式(I)で表される。
上記式(I)において、R1及びR3のうち1以上がフッ素原子である化合物は、高い抗ウイルス活性を有する化合物が得られやすいという観点から好ましい。
上記式(I)において、以下の化合物は、特に高い抗ウイルス活性を有する化合物が得られやすいという観点から好ましい。
R1、R2、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R3が水素原子又は水酸基である化合物。
R2、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R1が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R2が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R2、R3及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R4が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R2、R3及びR4のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R5が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R2、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R3が水素原子又は水酸基である化合物。
R2、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R1が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R2が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R2、R3及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R4が水素原子又は水酸基である化合物。
R1、R2、R3及びR4のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R5が水素原子又は水酸基である化合物。
式(I)で表される化合物のうち、R1がフッ素原子であり、かつ、R2及びR3が水素原子である化合物、及び、R2がフッ素原子であり、かつ、R1及びR3が水素原子である化合物は、トリシンよりも顕著に高い抗ウイルス活性を有する化合物が得られやすいという観点から好ましい。
上記式(I)で表される化合物は、塩の形態であってもよい。上記式(I)で表される化合物の塩としては、特に限定されないが、薬理学的に許容される塩であることが好ましく、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等)との塩、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との塩、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)との塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)との塩、金属(鉄、亜鉛等)との塩等が挙げられる。これらの薬理学的に許容しうる塩は、常法に従って調製することができる。
トリシンは、宿主因子(特に、ケモカイン)に依存した抗ウイルス作用を有することが知られている。その作用機序は、ウイルスDNA合成を阻害することで抗ウイルス作用を奏するという、既存の抗ウイルス薬(ガンシクロビル等)による作用機序とは全く異なる。本発明の化合物は、トリシンよりも高い抗ウイルス活性を有しつつ、トリシンと同様の作用機序を有するため、ガンシクロビル等とは異なる作用機序を有しながらも高いウイルス活性を有する新規抗ウイルス薬としての利用が期待できる。
本発明の化合物の抗ウイルス活性は、実施例の方法を用いて評価できる。
<化合物の製造方法>
本発明の化合物の製造方法について、以下に一例を説明する。しかし、本発明の化合物の製造方法はこれに限定されず、目的に応じて適宜変更することができる。
本発明の化合物の製造方法について、以下に一例を説明する。しかし、本発明の化合物の製造方法はこれに限定されず、目的に応じて適宜変更することができる。
以下に、式(I)で表される化合物のうち、R1がフッ素原子であり、R2、R3、R4及びR5が水素原子である化合物の製造方法の例を示す。下記化合物以外の化合物については、下記スキームを適宜変更することで製造することができる。例えば、各工程の間又は前後に、式(I)で表される化合物のうちの目的とする化合物を製造するための修飾を行ってもよく、下記化合物を製造した後に、目的とする化合物を製造するための修飾を行ってもよい。
なお、下式中の略号の意味は下記のとおりである。
Me メチル基
TBS tert−ブチルジメチルシリル基
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
THF テトラヒドロフラン
AcOH 酢酸
Me メチル基
TBS tert−ブチルジメチルシリル基
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
THF テトラヒドロフラン
AcOH 酢酸
<抗ウイルス剤>
本発明の化合物は高い抗ウイルス活性を有するため、抗ウイルス剤の成分として好適に用いることができる。本発明において「ウイルス」とは、動物ウイルス、昆虫ウイルス、植物ウイルス、細菌ウイルス(バクテリオファージ)を含み、特に、動植物に対して好ましくない影響を及ぼすウイルスを意味する。本発明において「抗ウイルス活性を有する」とは、上記ウイルスに対する殺傷効果や、上記ウイルスの増殖抑制効果を有することを示す。
本発明の化合物は高い抗ウイルス活性を有するため、抗ウイルス剤の成分として好適に用いることができる。本発明において「ウイルス」とは、動物ウイルス、昆虫ウイルス、植物ウイルス、細菌ウイルス(バクテリオファージ)を含み、特に、動植物に対して好ましくない影響を及ぼすウイルスを意味する。本発明において「抗ウイルス活性を有する」とは、上記ウイルスに対する殺傷効果や、上記ウイルスの増殖抑制効果を有することを示す。
本発明の抗ウイルス剤は、ヒト、ヒト以外の哺乳類、鳥類、魚貝類、甲殻類、昆虫類、両棲類、爬虫類等用の抗ウイルス剤としても有効である。従って、本発明の抗ウイルス剤は、これらの動物用の抗ウイルス剤(例えば、ペット用医薬、動物用飼料、ペットフード等)として使用することができる。さらに本発明の抗ウイルス剤は、動物以外に、各種植物に対する抗ウイルス剤としても有用であり、また、防腐剤としても有用である。
本発明の抗ウイルス剤が特に有効なウイルスとしては、DNA型ウイルスのサイトメガロウイルス(ヒトサイトメガロウイルス、サルサイトメガロウイルス、マウスサイトメガロウイルス等)、単純ヘルペスウイルス(ヒト単純ヘルペスウイルス1型、ヒト単純ヘルペスウイルス2型、魚類単純ヘルペスウイルス等)、水痘・帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、及びRNA型ウイルスのインフルエンザウイルス(インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC)、ジカウイルス等が挙げられる。
本発明の抗ウイルス剤には、上記式(I)で表される化合物及び/又はその塩を配合してもよい。上記式(I)で表される化合物の塩を配合する場合は、1種単独を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の抗ウイルス剤は、製剤化されていてもよい。剤形は、特に限定されず、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、軟膏等が挙げられる。製剤化の際に用いられる担体としては、通常の薬剤に汎用される希釈剤や賦形剤を使用でき、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等が挙げられる。
本発明の抗ウイルス剤は、経口投与剤、非経口投与剤、局所投与剤のいずれであってもよい。経口投与剤としては錠剤、丸剤、粉剤、散剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、各種ドリンク剤、各種食品(チューインガム、飴、チョコレート、パン、クッキー、煎餅、ビスケット、そば、うどん、ゼリー、みそ汁、スープ、ポタージュ等)等が挙げられる。非経口投与剤としては、注射剤、座薬等が挙げられる。局所投与剤としては、クリーム、軟膏、フィルム剤、本発明の化合物を担体(天然繊維又は合成繊維製のガーゼ等)に含浸させたもの、本発明の化合物を化粧品(口紅等)に含有させたもの等が挙げられる。
本発明の抗ウイルス剤には、必要に応じて、公知の成分(着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤、基材成分、油性成分、保湿剤、防腐剤、安定化剤、界面活性剤等)を配合してもよい。また、本発明の抗ウイルス剤は、他の抗ウイルス剤と併用してもよい。
抗ウイルス剤に含まれる本発明の化合物の量は特に限定されず、得ようとする効果に応じて適宜選択できる。例えば、抗ウイルス剤に対して、好ましくは0.5〜50質量%、さらに好ましくは1.0〜8.0質量%の本発明の化合物を配合してもよい。また、抗ウイルス剤に対して、好ましくは1ppm〜1000ppm(固形分濃度)の本発明の化合物を配合してもよい。本発明の抗ウイルス剤を、ヒトに対して使用する場合、1日当たり、好ましくは体重1kgに対して0.01〜500mg、さらに好ましくは0.5〜200mg、さらにより好ましくは1〜100mgの本発明の化合物を投与できるように抗ウイルス剤を調製してもよい。投与形態は、投与対象の症状、年齢、体重等を考慮し、1回又は2〜6回程度に分けて投与してもよい。
本発明の抗ウイルス剤の投与方法は、製剤の形態、投与対象の年齢や性別、投与対象の症状の程度、その他の条件に応じて選択できる。
本発明の抗ウイルス剤の製造方法は特に限定されず、上記成分を適宜混合、撹拌等する方法や、公知の製剤方法を採用できる。
<医薬組成物>
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を含む。本発明の医薬組成物の構成、投与方法、製造方法等は、上記抗ウイルス剤と同様である。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を含む。本発明の医薬組成物の構成、投与方法、製造方法等は、上記抗ウイルス剤と同様である。
本発明の医薬組成物は、粘膜保護用組成物、ウイルス感染の予防及び/又は治療用組成物等として使用できる。本発明の医薬組成物によれば、例えば、目、鼻、喉、耳、肛門、陰部等の粘膜の保護効果、創傷部位及び皮膚からのウイルスの体内への侵入の抑制効果が奏される。
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<合成例>
以下の方法で、下記式で表される化合物(7−フルオロ−4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメトキシフラボン)を合成した。なお、該化合物は、上記式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2、R3、R4及びR5が水素原子である化合物である。
以下の方法で、下記式で表される化合物(7−フルオロ−4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメトキシフラボン)を合成した。なお、該化合物は、上記式(I)において、R1がフッ素原子であり、R2、R3、R4及びR5が水素原子である化合物である。
200mg(0.61mmol)の4−O−tert−ブチルジメチルシリル−3,5−ジメトキシベンゾエートと、188mg(1.22mmol)の4’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノンとを、テトラヒドロフラン(10ml)に溶解させた。得られた溶液に、1M リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液を4.88ml加え、室温で1日撹拌した。その後、得られた混合物に、10%塩酸水溶液を加え、酢酸エチルにて2度抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた残渣を、終夜真空ポンプを用いて十分に乾燥させた。次いで、得られた固形物を、0.5%硫酸含有酢酸に溶解させ、100度で3時間反応させた。得られた反応物に蒸留水を注ぎ、酢酸エチルにて2度抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)にて精製し、7−フルオロ−4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメトキシフラボンを137mg(収率71%)得た。以下にNMRスペクトルの分析結果を示す。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ9.33(s,1H,OH),8.08(dd,1H,J=9.2 and 6.4Hz,H−5),7.80(dd,1H,J=10.1 and 2.8Hz,H−8),7.40−7.32(m,3H,H−2’,H−6, and H−6’),7.09(s,1H,H−3),3.90(s,6H,2OMe).
<抗ウイルス活性の評価−1>
上記で得られた化合物(本発明の化合物)及びトリシンを使用し、下記の手順に従い、各化合物の抗ウイルス活性を評価した。
上記で得られた化合物(本発明の化合物)及びトリシンを使用し、下記の手順に従い、各化合物の抗ウイルス活性を評価した。
8%牛胎児血清(FCS)を添加したDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)培地を用い、9.6cm2シャーレにコンフルエントになるまで培養したヒト胎児肺由来の2倍体線維芽細胞(Human embryonic lung fibroblast;HEL細胞)を準備した。該HEL細胞に、ヒトサイトメガロウイルス(Human cytomegalovirus;HCMV)のTowne株を、感染多重度(MOI)=1で吸着感染させ、37℃で1時間培養し、HCMV感染細胞を得た。
ジメチルスルホキシドで段階希釈(化合物濃度:0.001、0.01、0.1、1、10μM)した本発明の化合物又はトリシンを上記HCMV感染細胞に添加し、6日間培養し、培養上清中に産生された感染性HCMV粒子数(ウイルス量)を、プラーク法により定量した。
プラーク法は、下記の方法で行った。24ウェルプレートにコンフルエントになるまで培養したHEL細胞に、10倍段階希釈した培養上清を37℃で1時間吸着感染後、2%FCS及び0.4%寒天含有DMEM培地を重層した後に培養した。培養開始から数日(6〜12日)後、出現したプラークの数を顕微鏡下で数え、ウイルス量を測定した。
プラーク法により定量したウイルス量に基づく、各化合物が有する抗ウイルス活性の評価結果を図1に示す。各化合物が有する抗ウイルス活性は、HCMV感染細胞にジメチルスルホキシドのみを添加した「対照」におけるウイルス量(つまり、図1中の「化合物の濃度」が0である場合のウイルス量)を100とした際の、HCMV感染細胞に各化合物を添加した場合におけるウイルス量の相対値として表した。該相対値(対照に対するウイルス量)は、数値が低いほど、抗ウイルス活性が高いことを示す。
図1に示されるとおり、本発明の化合物は、トリシンよりも顕著に高い抗ウイルス活性を示した。トリシンに対する本発明の化合物の有利な効果は、特に、化合物濃度0.001〜1.000μMの範囲で明確に認められた。
<抗ウイルス活性の評価−2>
上記で得られた化合物(本発明の化合物)、トリシン及びガンシクロビル(GCV)を使用し、上記<抗ウイルス活性の評価−1>と同様の方法で、各化合物の抗ウイルス活性を評価した。その結果を図2に示す。
上記で得られた化合物(本発明の化合物)、トリシン及びガンシクロビル(GCV)を使用し、上記<抗ウイルス活性の評価−1>と同様の方法で、各化合物の抗ウイルス活性を評価した。その結果を図2に示す。
図2に示されるとおり、本発明の化合物は、トリシン及びガンシクロビルよりも顕著に高い抗ウイルス活性を示した。本発明の化合物の有利な効果は、特に、化合物濃度0.1〜1000nMの範囲で明確に認められた。
また、本発明の化合物、トリシン及びガンシクロビルのEC50値は、それぞれ、0.13nM、54.3nM、27.5nMだった。このように、本発明の化合物は、トリシンの約400倍、ガンシクロビルの約200倍の抗HCMV効果を示した。
<細胞毒性の評価>
上記で得られた化合物(本発明の化合物)、トリシン及びフラボピリドールを使用し、下記の手順に従い、HEL細胞への細胞毒性を評価した。なお、フラボピリドールは、抗ウイルス薬として機能するものの、毒性を有することが知られる、本試験例における対照化合物である。
上記で得られた化合物(本発明の化合物)、トリシン及びフラボピリドールを使用し、下記の手順に従い、HEL細胞への細胞毒性を評価した。なお、フラボピリドールは、抗ウイルス薬として機能するものの、毒性を有することが知られる、本試験例における対照化合物である。
上記の各化合物の存在下、又は非存在下で、HEL細胞を37℃で5日間培養した。培養後の生細胞の割合をLDH放出アッセイによって算出した。アッセイには、キット(商品名「Cyto Tox 96(登録商標)assay」、プロメガ社製)を使用した。試験を3回繰り返し、データは平均値± SDとして示した。その結果を図3に示す。
図3に示されるとおり、少なくとも10μMまでの濃度において、本発明の化合物による細胞毒性は認められなかった。
Claims (9)
- R1及びR3のうち1以上がフッ素原子である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R1、R2、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R3が水素原子又は水酸基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R2、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R1が水素原子又は水酸基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R1、R3、R4及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R2が水素原子又は水酸基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R1、R2、R3及びR5のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R4が水素原子又は水酸基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- R1、R2、R3及びR4のうち1以上がフッ素原子であり、かつ、R5が水素原子又は水酸基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 請求項1から7のいずれかに記載の化合物又はその塩を含む、抗ウイルス剤。
- 請求項1から7のいずれかに記載の化合物又はその塩を含む、医薬組成物。
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