JPWO2018194042A1 - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

高圧と低圧の2種類の圧油を吐出し、かつ始動も速やかに行うことができるベーンポンプを提供する。吸込口(30)を有するポンプボディ(2)と、カムリング(3)と、ロータ(4)と、複数のベーン(6)と、カムリング(3)の一端面側であって油の吐出側に配置されている第1サイドプレート(7)と、カムリング(3)の他端面側であって油の吸込側に配置されている第2サイドプレート(8)と、2箇所の油の吐出口(40,41)を有しポンプボディ(2)と接合されているポンプカバー(10)と、を備えて、第1および第2サイドプレート(7,8)のロータ(4)側には一対の背圧溝(70,71,80,81)を形成して、背圧溝(70)を第1背圧溝(70A)と、それよりも溝長さが短い第2背圧溝(70B)と、2つの背圧溝(70A,70B)とを連結する溝幅が最も狭い第3背圧溝(70C)を設ける。

Description

本発明は、油の流出入を制御することで自動車や産業用車輌に搭載されているオートマチックトランスミッションのクラッチ制御等を行う平衡形ベーンポンプに関する。
従来、自動車のオートマチックトランスミッションに使用されるベーンポンプにおいて、エンジンの停止時に回転軸(ロータ)よりも上方に位置するベーンはその自重によりロータ外周のベーン溝に収容される。
また、ロータよりも下方に位置するベーンはベーン溝から下方に飛び出しており、ベーンの外周にあるカムリングに接触している。
そのため、ロータが回転を開始すると(ベーンポンプが始動すると)、ロータの回転に伴ってベーンはベーン溝内に再度収容された後、ベーン溝に一旦収まったベーンが再度ロータから飛び出すまでには一定の時間を要する。
その結果、ベーンがロータよりも外周に飛び出すまでポンプとして作用をしない(圧力が発生しない)ので、ベーンポンプの始動に遅れが生じる。
さらに、雰囲気温度が相対的に暖かい場合には、油の粘度も比較的に低いので、ロータが回転を始めてもベーンは比較的にロータから飛び出しやすい。
ところが、冬季などの低温雰囲気になると、油の粘度が高くなり、ベーンと油との粘性抵抗も大きくなるので、結果としてロータからのベーンの飛び出しが遅くなり、暖かい雰囲気の場合に比べて所望の圧力が発生するまでに時間を要する。
そこで、特許文献1ではベーンポンプを構成するサイドプレートの端面に複数の背圧溝を設けて、これら複数の背圧溝どうしを連通溝により接続することで、ポンプの始動時にロータのベーン溝に落ち込んでいたベーンが速やかに飛び出すことでポンプの始動性が改善できることが開示されている。
日本国特開2012−092654号公報
特許文献1に開示されているベーンポンプではサイドプレートの端面に設けられた全ての背圧溝が連通溝により接続されているので、内部で複数の吐出ポートが存在してもベーンポンプの吐出口が1箇所のみであれば、最終的にはベーンポンプとしての吐出圧は1水準となる。
しかし、ベーンポンプが自動車用トランスミッションに適用される場合、高圧と低圧の2種類(2水準)の圧油が必要となる。
この場合、特許文献1に開示されたベーンポンプでは吐出圧が1水準であるため、油の圧力を高圧および低圧の2水準に分ける分配用バルブ等の別個の機器がさらに必要になる。
そこで、本発明においては1台のベーンポンプのみで高圧と低圧の2種類の圧油を吐出し、かつベーンポンプの始動を速やかに行うベーンポンプを提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明は、少なくとも、油の吸込口を有するポンプボディと、ポンプボディの凹部に収容されているカムリングと、カムリング内に収容されていて外周面に複数のベーン溝が放射状に形成されているロータと、複数のベーン溝に嵌め込まれている複数のベーンと、カムリングの一端面側であって油の吐出口側に配置されている第1サイドプレートと、カムリングの他端面側であって油の吸込口側に配置されている第2サイドプレートと、2箇所の油の吐出口を有しポンプボディの凹部の開口部分を覆うポンプカバーと、を備えるベーンポンプにおいて、前記第1および第2サイドプレートのロータ側には互いに独立した一対の背圧溝が形成されていることを特徴とする。
ここで、複数のベーンは、それぞれベーン溝に嵌め込まれた状態でカムリング側に向けて、出入り可能に装着されている。
そして、その背圧溝は、第1背圧溝と、第1背圧溝よりも溝長さが短い第2背圧溝と、第1背圧溝と第2背圧溝とを連結し、第1背圧溝および第2背圧溝よりも溝幅が狭い第3背圧溝を有する。
また、第1サイドプレートの第2背圧溝には第1サイドプレートのロータ側からロータの反対(逆)側へ貫通する孔部を設けている。
第1サイドプレートの第2背圧溝は、この孔部を介してポンプカバーに設けた凹部および第1サイドプレートから形成される高圧室と連結する構成にもできる。
さらに、第1背圧溝の溝深さを第3背圧溝へ近づくにつれて深くしても構わない。
本発明に係るベーンポンプによれば、分配バルブなどの別個の油圧機器を必要とせずに単体で高圧と低圧の2種類の圧油を吐出することができる。
加えて、油の粘性が最も低下する極低温(−30℃以下)の雰囲気であってもベーンポンプの始動を速やかに行えるという効果を奏する。
本発明の一実施形態を示すベーンポンプ1の断面図である。 図1におけるベーンポンプ1のX−X線断面図である。 図1におけるベーンポンプ1のY−Y線断面図である。 図1に示す第1サイドプレート7のロータ4側の平面図である。 図1に示す第1サイドプレート7の反ロータ4側の平面図である。 図4に示す第1サイドプレート7の背圧溝70の拡大図である。 図1に示す第2サイドプレート8のロータ4側の平面図である。 図1に示す第2サイドプレート8の反ロータ4側の平面図である。 図7に示す第2サイドプレート8の背圧溝80の拡大図である。 実施例で用いた性能試験装置200の全体構成を示す模式図である。 実施例にて本発明品を用いた性能試験の結果を示すグラフである。 実施例にて従来品を用いた性能試験の結果を示すグラフである。
1,201 ベーンポンプ
2 ポンプボディ
3 カムリング
4 ロータ
5 ベーン溝
6 ベーン
7 第1サイドプレート
8 第2サイドプレート
9 シャフト
10 ポンプカバー
20 ポンプボディの凹部
30 吸込口
40,41 吐出口
50,51 第1サイドプレートの孔部
60,61 高圧室
70,71 第1サイドプレートの背圧溝
70A,71A 第1サイドプレートの第1背圧溝
70B,71B 第1サイドプレートの第2背圧溝
70C,71C 第1サイドプレートの第3背圧溝
72 第1サイドプレートの第1吸込ポート
73 第1サイドプレートの第2吸込ポート
76 第1サイドプレートの第1吐出ポート
77 第1サイドプレートの第2吐出ポート
80,81 第2サイドプレートの背圧溝
80A,81A 第2サイドプレートの第1背圧溝
80B,81B 第2サイドプレートの第2背圧溝
80C,81C 第2サイドプレートの第3背圧溝
82 第2サイドプレートの第1吸込ポート
83 第2サイドプレートの第2吸込ポート
86 第2サイドプレートの第1貯留溝
87 第2サイドプレートの第2貯留溝
100,101 ポンプカバーの凹部
200 性能試験装置
210 オイルパン
220 モータ
230 回転計
240 圧力バルブ
250 圧力変換機
261〜264 油路
270 恒温室
la〜lc 第1サイドプレートの第1ないし第3背圧溝の溝長さ
fa〜fc 第2サイドプレートの第1ないし第3背圧溝の溝長さ
O1 第1サイドプレートの仮想中心
O2 第2サイドプレートの仮想中心
本発明の実施形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例であるベーンポンプ1の断面図、図2は図1におけるベーンポンプ1のX−X線断面図、図3は図1におけるベーンポンプ1のY−Y線断面図をそれぞれ示す。
図1ないし図3に示すようにベーンポンプ1は、大きく分けてポンプボディ2とポンプカバー10から構成されている。
ポンプボディ2に設けられた1箇所の吸込口30より油をベーンポンプ1内部に吸入し、ポンプカバー10に設けられた2箇所の吐出口40,41からベーンポンプ1内部の油を排出(吐出)する。
また、ベーンポンプ1には図1に示すようにロータ4の中央の穴部とポンプカバー10の中央に設けられた穴部とを貫通する形態でシャフト9が取り付けられている。
ポンプボディ2の内部(凹部20)には、図2および図3に示すようにリング形状のカムリング3とそのカムリング3の内部にロータ4が共に入れ子状に収容されている。
ロータ4の外周面には複数のベーン溝5,5が放射状に設けられていて、各ベーン溝5,5には複数のベーン6,6がそれぞれロータ4の径方向に出入り可能な状態ではめ込まれている。
それぞれのベーン6は、ロータ4の回転に伴い、カムリング3の内側に沿って、このカムリングに向けて出入りしながら回転移動する。
また、図1に示すようにカムリング3の両端面には略円盤形状の第1サイドプレート7および第2サイドプレート8が、ロータ4を両側から挟み込む形態で配置されている。
図1ないし図3に示すように、カムリング3およびロータ4の一端面側であって吐出口40,41から近い位置に第1サイドプレート7を配置し、カムリング3およびロータ4の他端面側であって吸込口30から近い位置に第2サイドプレート8をそれぞれ配置する。
さらに、ポンプカバー10の凹部100,101と第1サイドプレート7により区画された空間は、図1に示すように高圧室60,61と呼ばれる空間である。
吸込口30からベーンポンプ1内部へ流入した油が高圧室60,61にて加圧された状態で吐出口40,41の方向へ送られる。
次に、第1サイドプレート7の形態について図面を用いて説明する。
図4は図1に示す第1サイドプレート7のロータ4側から見た平面図、図5は図1に示す第1サイドプレート7の反ロータ4側(ポンプカバー10側)から見た平面図を示す。
図4に示すようにロータ4側に配置される第1サイドプレート7の端面には、図1に示す吸込口30を介してベーンポンプ1内部に油が吸い込まれた後、ロータ4の方向に油を送る第1吸込ポート72および第2吸込ポート73が形成されている。
そして、ロータ4から出た油を2箇所の吐出口40,41の方向へ送る第1吐出ポート76および第2吐出ポート77もロータ4側に配置される第1サイドプレート7の端面に形成されている。
また、ロータ4側に配置される第1サイドプレート7の端面には、図4に示すようにシャフト9を通す中央の穴部の周囲に互いに対向するように一対の背圧溝70,71が円弧状に設けられている。
各背圧溝70,71は、大きく分けて第1背圧溝70A,71A、第2背圧溝70B,71Bおよび第3背圧溝70C,71Cから形成されている。
第1サイドプレート7の端面に設けられた背圧溝70の拡大図を図6に示す。
第1背圧溝70Aの溝長さlaは、図6に示すように第1サイドプレート7に設けられた第1ないし第3背圧溝70A〜70Cの中で最も長い。
また、第1背圧溝70Aの溝深さ(第1サイドプレート7の表面から溝底までの距離)は、第3背圧溝70Cへ近づくにつれて徐々に深くなっている。
第2背圧溝70Bは、図4および図6に示すように後述の第3背圧溝70Cを介して第1背圧溝70Aと連結している背圧溝である。
また、第2背圧溝70Bの溝長さlbは、図6に示すように第1背圧溝70Aの溝長さlaよりも短い。
さらに、第2背圧溝70Bには第1サイドプレート7の両面(ロータ4側とポンプカバー10側)をつなぐ孔部50を備えている。
第3背圧溝70Cは、図4および図6に示すように上述の第1背圧溝70Aと第2背圧溝70Bとをつなぐ背圧溝である。
第3背圧溝70Cの溝長さlcは第1ないし第3背圧溝70A〜70Cの中で最も短い。
また、第3背圧溝70Cの溝幅は、第1ないし第3背圧溝70A〜70Cの中で最も狭い。
ここで、第3背圧溝70Cは、油が第1背圧溝70Aから第2背圧溝70Bに移動する際に、その流れを絞り込むためのものである。
その1つの手段として、第3背圧溝70Cの溝幅を他より狭くしたものである。
よって、一旦流量を絞り込むことができれば、他の手段でもよい。
なお、本願では第1ないし第3背圧溝70A〜70Cの溝長さla〜lcは、図6に示すように第1サイドプレート7の仮想中心O1と各背圧溝70A〜70Cの両端部を結んで形成される円弧の長さ(円弧長)とする。
また、以上の説明は、背圧溝70の構成に関するものであるが、他方の背圧溝71を形成する第1背圧溝71A,第2背圧溝71B,第3背圧溝71Cの配置関係や溝長さ等についても同様である。
ポンプカバー10側に配置される第1サイドプレート7の端面には図5に示すように、前述した第1吐出ポート76および第2吐出ポート77が形成されている。
つまり、第1吐出ポート76および第2吐出ポート77は、前述の孔部50,51と同様に第1サイドプレート7の両面(ロータ4側とポンプカバー10側)を貫通する形態で第1サイドプレート7に設けられている。
次に、第2サイドプレート8の形態について図面を用いて説明する。
図7は図1に示す第2サイドプレート8のロータ4側から見た平面図、図8は図1に示す第2サイドプレート8の反ロータ4側(吸込口30側)から見た平面図をそれぞれ示す。
まず、図1に示す吸込口30を介してベーンポンプ1内部に油が吸い込まれた後、ロータ4の方向に油を送る第1吸込ポート82および第2吸込ポート83が図7および図8に示すように第2サイドプレート8に設けられている。
ロータ4側に配置される第2サイドプレート8の端面には、図7に示すようにベーンポンプ1内部の油を一定量貯留する第1貯留溝86および第2貯留溝87が形成されている。
また、ロータ4側に配置される第2サイドプレート8の端面には、図7に示すようにシャフト9を通す中央の穴部の周囲に互いに対向するように一対の背圧溝80,81が円弧状に設けられている。
各背圧溝80,81は第1背圧溝80A,81A、第2背圧溝80B,81Bおよび第3背圧溝80C,81Cから形成されている。図7に示す第2サイドプレート8の背圧溝80の拡大図を図9に示す。
第1背圧溝80Aの溝長さfaは、図9に示すように第2サイドプレート8に設けられた第1ないし第3背圧溝80A〜80Cの中で最も長い。
また、第1背圧溝80Aの溝深さ(第2サイドプレート8の表面から溝底までの距離)は、第3背圧溝80Cへ近づくにつれて徐々に深くなっている。
第2背圧溝80Bは、図7および図9に示すように後述の第3背圧溝80Cを介して第1背圧溝80Aと連結している背圧溝である。
また、第2背圧溝80Bの溝長さfbは、第1背圧溝80Aの溝長さfaよりも短い。
第3背圧溝80Cは、図7および図9に示すように上述した第1背圧溝80Aと第2背圧溝80Bをつなぐ背圧溝である。
第3背圧溝80Cの溝長さfcは、第1ないし第3背圧溝80A〜80Cの中で最も短い。
また、第3背圧溝80Cの溝幅は、第1ないし第3背圧溝80A〜80Cの中で最も狭い。
なお、ここでは第1ないし第3背圧溝80A〜80Cの溝長さfa〜fcは、図9に示すように第2サイドプレート8の仮想中心O2と各背圧溝80A〜80Cの両端部を結んで形成される円弧の長さ(円弧長)とする。
また、以上の説明は背圧溝80の構成に関するものであるが、他方の背圧溝81を形成する第1背圧溝81A,第2背圧溝81B,第3背圧溝81Cの配置関係や溝長さ等についても同様である。
以上の実施形態にもとづいて、本発明のベーンポンプの作用を図面を用いて説明する。
本発明のベーンポンプ1は、図2および図3に示すシャフト9が回転することでロータ4が回転し、複数のベーン6,6がそれぞれベーン溝5,5に沿って出入りしながら回転移動することで、吸込口30から油を吸入して吐出口40,41から油を排出する。
吸込口30からベーンポンプ1内に吸入された油は、第1サイドプレート7の第1および第2吸込ポート72,73および第2サイドプレート8の第1および第2吸込ポート82,83などを経由して、ロータ4およびベーン6の周辺に入り込む。
ロータ4の外周に設けられた複数のベーン溝5,5に入り込んだ油は、第2サイドプレート8側から第1サイドプレート7側へ移動すると、同時にロータ4側にも入り込む。
すなわち、ベーン溝5からロータ4側への油の移動がベーン6をロータ4の外側へ飛び出す方向の作用として働く。
これに対して、シャフト9の回転がさらに進むとカムリング3の内周面の形状に沿ってベーン6がロータ4のベーン溝5内に収容される方向に作用する。
このとき、ロータ4の周囲に存在する油もロータ4のベーン溝5内に入り込む。
ベーン溝5内に入り込んだ油は、ロータ4の両側に配置されている2枚のサイドプレート(第1サイドプレート7、第2サイドプレート8)の背圧溝に集約される。
例えば、第1サイドプレート7の背圧溝70に集約された油は、まず第1背圧溝70Aに集中する。
ここでシャフト9の回転が図2の紙面上で反時計周りの場合、第1背圧溝70Aにある油は、複数のベーン6,6がロータ4のベーン溝5内に収容されるため、その圧力によって第2背圧溝70Bの方向へ移動する。
第1背圧溝70A内の油は、第2背圧溝70Bへ移動するまでに溝幅が最も狭い第3背圧溝70Cを通過することになる。
そのため、第1背圧溝70A内に集約された油の移動は、第2背圧溝70Bの方向へ移動するまでに第3背圧溝70Cによって一旦絞り込まれる。
その結果、第1背圧溝70A内に集約された油の大部分はロータ4のベーン溝5の方向へ移動し、ベーン溝5へ移動しなかった残りの油のみが第3背圧溝70Cを通過して第2背圧溝70Bへ移動する。
他方の第1背圧溝71A内の油についても同様な要領でベーン溝5の方向および第2背圧溝71Bの方向へ移動する。
また、第2サイドプレート8の背圧溝80,81に集約された油の移動についても同様である。
以上より、第1サイドプレート7の第1背圧溝70A,71A内および第2サイドプレート8の第1背圧溝80A,81A内に集約された油の大部分がロータ4のベーン溝5へ移動するので、第1背圧溝70A,71A,80A,81Aからベーン溝5へ移動した油の圧力は、ロータ4の周囲からベーン溝5内の方向へ入り込む油の圧力と比べると高圧となり、ベーン溝5から外径方向に向けてベーン6の飛び出しを容易に行える。
したがって、本発明のベーンポンプを構成するサイドプレートに設けた背圧溝の上記構造によりベーン溝からベーンの飛び出しを容易に行える。
結果として、ベーンポンプの始動時における油圧の発生を速やかに行うことができる。
また、本発明のベーンポンプは、図4ないし図9に示すように2枚のサイドプレートに設けた背圧溝が別個に独立して設けられている。
特に、2箇所の吐出口40,41側に設置された第1サイドプレート7の第2背圧溝70B,71Bには上述したようにロータ4側から反ロータ4側(ポンプカバー10側)につながる孔部50,51がそれぞれ設けられている。
そして、これらの孔部50,51は第1サイドプレート7とポンプカバー10の間に形成された高圧室60,61とつながっており、さらにこれらの高圧室60,61はそれぞれ2箇所の吐出口40,41につながっている。
つまり、第1サイドプレート7の第2背圧溝70B,71B内の油は、それぞれの孔部50,51および高圧室60,61を経由して、2箇所の吐出口40,41から排出される。
以上より、本発明のベーンポンプは、サイドプレートに設けた背圧溝を1対の独立したものとして形成し、各背圧溝から各吐出口までの油の通路も別個に設けた。
それにより1台で高圧および低圧の2種類の圧油を供給することができる。
本実施例におけるベーンポンプの性能試験について図面を用いて説明する。
本性能試験は、本発明に係るベーンポンプ(以下、「本発明品」という)および従来のベーンポンプ(以下、「従来品」という)を用いて極低温(−30℃)の雰囲気におけるベーンポンプの始動性能を確認する目的で行った。
本性能試験に用いた性能試験装置200の全体構成を図10に示す。
まず、本性能試験に用いた本発明品は図1ないし図9に示す形態のベーンポンプとした。
これに対して、従来品は図4に示す第1サイドプレート7および図7に示す第2サイドプレート8の第3背圧溝70C,71C,80C,81Cを設けずに、第1背圧溝70A,71A,80A,81Aおよび第2背圧溝70B,71B,80B,81Bが一体となった背圧溝の形態を有する(第1および第2)サイドプレートを用いた。
他の構成部品については、本発明品と同じものとした。
次に、性能試験装置200は、ベーンポンプ201の他にモータ220や圧力バルブ240等から構成されており、これらの機材は互いに油路261〜264を介して連結している。
モータ220のシャフトが回転することでオイルパン210の油が油路261を介してベーンポンプ201に吸い込まれる。
モータ220のシャフトの回転数は、シャフトに設置されている回転計230によって計測することができる。
ベーンポンプ201に吸い込まれた油は、図2に示す吐出口40,41から吐出されて油路262,263を介して圧力バルブ240に送られる。
この圧力バルブ240の開閉度によって性能試験装置200の油の圧力(油圧)が調整される。
圧力バルブ240から出た油は、油路264を介して最終的にオイルパン210へ戻される。
また、これらのベーンポンプ201,モータ220,圧力バルブ240等の機材一式は図10に示すように恒温室270内にすべて収容されており、試験雰囲気(試験温度)を自在に調整できる構成となっている。
なお、性能試験装置200には、図示しないモータ220の供給電源,回転計230や圧力変換機250を制御する電気配線,モータ220の回転数や油路261〜264の油圧を測定する種々の計測機器等も設けられている。
次に、本性能試験の試験方法について説明する。
図10に示す性能試験装置200の恒温室270内の温度を25℃に設定した状態でモータ220を回転させて、ベーンポンプ201へ油を供給する。
同時に圧力バルブ240によりベーンポンプ201からの油の圧力(吐出圧)を1.8MPaに設定する。
その状態で一定時間が経過した後、モータ220を停止して、ベーンポンプ201への油の供給を停止する。
その後、恒温室270内の温度を−30℃に変更して、ベーンポンプ201等の機材一式をその状態で8時間保持する。
恒温室270内の温度が−30℃に達してから8時間が経過した後、モータ220を回転数200rpmで起動させて1.5秒間保持する。
その後、モータ220の回転数を200rpmから1800rpmへ変更する。
本性能試験では、モータ220を200rpmにて起動させてから約12秒間におけるベーンポンプ201から吐出される油の圧力(吐出圧)の変化を圧力変換機250および図示しない計測機器を用いて経時的に測定した。
本発明品および従来品の各ベーンポンプを用いた性能試験結果について、図面を用いて以下に説明する。
本発明品を用いた性能試験の結果(グラフ)を図11、従来品を用いた性能試験の結果(グラフ)を図12にそれぞれ示す。
試験結果を示すグラフは、図11および図12ともに横軸はモータ220の回転数を200rpmで起動してからの経過時間(単位:秒)を表しており、右側の縦軸は図10に示す回転計230で計測したモータ220の回転数(単位:rpm)、左側の縦軸は図10に示す圧力変換機250で計測したベーンポンプ201から吐出される油の圧力(単位:MPa)をそれぞれ表している。
なお、両図面の横軸はモータが起動を開始する時間を起点として(0秒として)表している。
また、図11および図12のグラフにおいて、モータが起動して回転数が200rpmに達してから1.5秒間経過するまでの時間帯をA1,B1、その後にベーンポンプから油の吐出が確認されるまでの時間をA2,B2、その後に油の圧力が最高値(最大圧)に達するまでの時間をA3,B3として区分した。
本発明品を用いた性能試験では、まず準備運転として図11に示すようにモータを起動して約0.5秒後に回転数が200rpmに達し、その状態で1.5秒間保持した(図11に示すA1区間)。
その後、モータの回転数を200rpmから1800rpmに変更した。
モータの回転数が1800rpmに変更されると、本発明のベーンポンプからは瞬間的(0.046秒後:図11に示すA2区間)に油の昇圧(油による圧力の上昇)が確認された。
ベーンポンプによる油の昇圧が確認されてから約0.6秒後に油の圧力は最高値(約4.2MPa)に達して(図11に示すA3区間)、その後に油の圧力は約1.7MPaまで下がり、その圧力を維持したことが確認された。
これに対して、従来品を用いた性能試験では、本発明品を用いた性能試験の場合と同様に図12に示すようにモータの回転数が200rpmに達してから1.5秒間保持した後(図12に示すB1区間)、モータの回転数を200rpmから1800rpmに変更した。
モータの回転数が1800rpmに変更されると、従来品からはモータの回転数が変更してから約4.6秒後(図12に示すB2区間)に油の昇圧が確認された。
ベーンポンプによる油の昇圧が確認されてから約0.2秒後(図12に示すB3区間)に油の圧力は最高値(約5MPa)に達して、その後は本発明品の性能試験結果と同様に油の圧力は約1.7MPaまで下がり、その圧力を維持した。
以上の試験結果から、極低温(−30℃)の使用環境下におけるベーンポンプの始動性能を比較すると、従来のベーンポンプ(従来品)ではモータの回転に伴って油の供給を受けてから油の吐出が開始されるまで(ベーンポンプが始動するまで)の時間が約4.6秒を要した。
一方、本発明のベーンポンプでは吸込口を経由した油の供給を受けてから瞬間的にその油をベーンポンプ外へ吐出する、すなわちモータの回転数の上昇に伴って瞬間的にベーンポンプが始動することが確認された。
本発明に係るベーンポンプは、複数の吐出圧の制御が可能であり、始動性に優れているので、各種用途のベーンポンプに利用できる。

Claims (3)

  1. 少なくとも、吸込口を有するポンプボディと、前記ポンプボディの凹部に収容されているカムリングと、前記カムリング内に収容されていて外周面に複数のベーン溝が放射状に形成されているロータと、前記複数のベーン溝に嵌め込まれている複数のベーンと、前記カムリングの一端面側であって吐出口側に配置されている第1サイドプレートと、前記カムリングの他端面側であって前記吸込口側に配置されている第2サイドプレートと、2箇所の前記吐出口を有し前記ポンプボディの凹部の開口部分を覆うポンプカバーと、を備えるベーンポンプであって、
    前記第1および第2サイドプレートの前記ロータ側には互いに独立した一対の背圧溝が形成されており、
    前記背圧溝は、第1背圧溝と、
    前記第1背圧溝よりも溝長さが短い第2背圧溝と、
    前記第1背圧溝と前記第2背圧溝とを連結し、前記第1背圧溝および前記第2背圧溝よりも溝幅が狭い第3背圧溝と、を有している
    ことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記第1サイドプレートの第2背圧溝は、前記第1サイドプレートの前記ロータ側から前記ロータの反対側へ貫通する孔部を有しており、
    前記孔部を介して前記ポンプカバーに設けられた凹部と前記第1サイドプレートから形成される高圧室につながっていることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記第1背圧溝の溝深さは、前記第3背圧溝へ近づくにつれて深くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載のベーンポンプ。
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