JPWO2018190309A1 - エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ - Google Patents

エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018190309A1
JPWO2018190309A1 JP2019512504A JP2019512504A JPWO2018190309A1 JP WO2018190309 A1 JPWO2018190309 A1 JP WO2018190309A1 JP 2019512504 A JP2019512504 A JP 2019512504A JP 2019512504 A JP2019512504 A JP 2019512504A JP WO2018190309 A1 JPWO2018190309 A1 JP WO2018190309A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
elastomer
cord
metal cord
filaments
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2019512504A
Other languages
English (en)
Inventor
一樹 上村
一樹 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Publication of JPWO2018190309A1 publication Critical patent/JPWO2018190309A1/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/0007Reinforcements made of metallic elements, e.g. cords, yarns, filaments or fibres made from metal
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/0057Reinforcements comprising preshaped elements, e.g. undulated or zig-zag filaments
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/18Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers
    • B60C9/20Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers built-up from rubberised plies each having all cords arranged substantially parallel
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/18Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers
    • B60C9/20Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers built-up from rubberised plies each having all cords arranged substantially parallel
    • B60C2009/2012Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers built-up from rubberised plies each having all cords arranged substantially parallel with particular configuration of the belt cords in the respective belt layers
    • B60C2009/2032Structure or arrangement of belts or breakers, crown-reinforcing or cushioning layers built-up from rubberised plies each having all cords arranged substantially parallel with particular configuration of the belt cords in the respective belt layers characterised by the course of the belt cords, e.g. undulated or sinusoidal
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を改善し得るエラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤを提供する。2〜10本の金属フィラメント1が撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2が、エラストマー3により被覆されたエラストマー−金属コード複合体10であり、金属フィラメント1が、同一型付け量および同一ピッチで型付けされており、金属コード2中に、隣り合う金属フィラメント1同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在する。

Description

本発明は、エラストマー−金属コード複合体およびタイヤに関し、詳しくは、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆したエラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤに関する。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤを軽量化する要求が高まっている。タイヤの軽量化の手段として、ベルト補強用の金属コードが注目され、金属フィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用する技術が多数公開されている。例えば、特許文献1では、軽量性と耐久性とを改善するにあたって、高い引張り強度で細径の金属フィラメントを、撚らずに並列に引き揃えて金属フィラメント束とし、これを被覆ゴム中に幅方向に配列させた少なくとも2枚のベルトプライでベルト層を形成したタイヤが提案されている。このタイヤにおいては、金属フィラメント束内の金属フィラメント本数を、金属フィラメント径に応じて適正化している。また、金属フィラメント束の径方向厚みも、ベルトプライ厚みに対し特定の割合とすることも提案されている。
特開2001−334810号公報
しかしながら、特許文献1では、軽量性と耐久性については検討されているものの、他の性能については、検討がなされていない。したがって、今後、タイヤの高性能化に伴い、金属フィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用するにあたっては、さらなる改良が求められることが予想される。
そこで、本発明の目的は、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を改善し得るエラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードを用いると、ベルトトリートの圧縮入力時にスチールコードが面内への変形を抑制し、スチールコードの疲労性の悪化につながる。また、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードは隣接する金属フィラメント間ではゴムは浸透し難く、ゴムによって被覆されていない非ゴム被覆領域が発生する。したがってタイヤ転動時に、金属フィラメントが相互にずれてしまい、面内剛性の低下により、操縦安定性が損なわれるおそれがある。かかる知見に基づき、本発明者はさらに鋭意検討した結果、金属フィラメントの束の構成を下記のとおりとすることにより、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のエラストマー−金属コード複合体は、2〜10本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されたエラストマー−金属コード複合体において、
前記金属フィラメントが、同一型付け量および同一ピッチで型付けされており、前記金属コード中に、隣り合う金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在することを特徴とするものである。ここで、図1は、金属フィラメントの型付け量hおよび型付けピッチpの定義を示す金属フィラメントの説明図であり、型付け量hとは金属フィラメント1の線径を含まない変動の幅をいう。なお、金属フィラメント1の型付け高さhは、型付け後の金属フィラメント1を投影機にて投影し、金属フィラメントの投影像をスクリーン等に映して計測する。
本発明のエラストマー−金属コード複合体においては、前記隣り合う金属フィラメント同士の位相差は、π/4〜7π/4であることが好ましい。また、本発明のエラストマー−金属コード複合体においては、前記隣り合う金属フィラメントの、前記金属コードの幅方向側面におけるエラストマー被覆率が、単位長さ当たり10%以上であることが好ましい。さらに、本発明のエラストマー−金属コード複合体においては、前記金属フィラメントの型付け量が0.03〜0.30mm、前記金属フィラメントの型付けピッチが2〜10mmであることが好ましい。なお、本発明のエラストマー−金属コード複合体においては、真直の金属フィラメントとは、意図的に型付けをしておらず、実質的に型がついていない状態の金属フィラメントを指す。
ここで、エラストマー被覆率とは、例えば、エラストマーとしてゴムを用いた場合、本発明のエラストマー−金属コード複合体をゴム被覆した後、ゴム−スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、スチールコードのゴムに被覆されている部分長さを測定し、下記算出式に基づいて算出した値をいう。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、エラストマーとして、ゴム以外のエラストマーを用いた場合も、同様に算出することができる。
本発明のタイヤは、本発明のエラストマー−金属コード複合体が用いられてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を改善し得るエラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤを提供することができる。
金属フィラメントの型付け量hおよび型付けピッチpの定義を示す金属フィラメントの説明図である。 本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー−金属コード複合体の幅方向における部分断面図である。 本発明の一好適な実施の形態のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの概略平面図である。 本発明の一好適な実施の形態のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの幅方向概略断面図である。 本発明のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの他の好適な実施の形態に係る金属コードの幅方向概略断面図である。 本発明のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードのさらに他の好適な実施の形態に係る金属コードの幅方向概略断面図である。 本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図である。
以下、本発明のエラストマー−金属コード複合体について、図面を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の一好適な実施の形態に係るエラストマー−金属コード複合体の幅方向における部分断面図であり、図3は、本発明の一好適な実施の形態のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの概略平面図であり、図4は、本発明の一好適な実施の形態のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの幅方向概略断面図である。本発明のエラストマー−金属コード複合体10は、2〜10本の金属フィラメント1が撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2が、エラストマー3により被覆されたものである。図示例においては、5本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに引き揃えられ、金属コード2を形成している。
本発明のエラストマー−金属コード複合体10に係る金属コード2は、全ての金属フィラメント1が、同一型付け量および同一ピッチで型付けされており、金属コード2中に、隣り合う金属フィラメントと位相が異なるように配置された、金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在する。このように、本発明のエラストマー−金属コード複合体10では、型付け量および型付けピッチが同一の金属フィラメント1の位相を異ならせることで、両者の位相が合致することを避けている。このような構成とすることで、隣り合う金属フィラメント1間にエラストマーを十分に浸透させることが可能となり、その結果、圧縮入力時にスチールコードが面内への変形することができ、スチールコードの疲労性の悪化を防ぐことができる。
また、前述のとおり、金属フィラメントの束は、隣接するフィラメント間ではエラストマーは浸透し難く、エラストマーによって被覆されていない非エラストマー被覆領域が発生する。したがって、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードをベルト用コードとして用いた場合、この非エラストマー被覆領域において、タイヤ転動時に金属フィラメントが相互にずれてしまい、その結果、ベルトの面内剛性が低下し、操縦安定性が損なわれる結果となることがある。しかしながら、本発明のエラストマー−金属コード複合体10は、隣り合う金属フィラメント1間にエラストマー3が十分に浸透するため上記の不具合が解消でき、本発明のエラストマー−金属コード複合体10をベルト用コードとして用いることで、ベルトの面内剛性を向上させ、操縦安定性を改善することができる。かかる効果を良好に得るためには、隣り合う金属フィラメント1の、金属コード2の幅方向側面におけるエラストマー被覆率は、単位長さ当たり10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。より好ましくは50%以上被覆されており、80%以上被覆されていることが更に好ましい。もっとも好ましくは90%以上被覆されている状態である。
本発明のエラストマー−金属コード複合体は、金属コード2中の少なくとも一か所において、隣り合う金属フィラメント同士の位相が異なっているが、位相差はπ/4〜7π/4が好ましい。位相差をかかる範囲とすることで、本発明の効果を良好に得ることができる。より好ましくはπ/2〜3π/2、特に好ましくは、位相差がπの場合である。
本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1の型付け量が大きすぎると、エラストマー−金属コード複合体10中の金属コード2間の距離wが短くなり、本発明のエラストマー−金属コード複合体10をベルトとして用いた場合、ベルトの強度低下の原因となる。そのため、金属フィラメント1の型付け量は、0.03〜0.30mm程度が好ましい。型付け量が0.30mmを超えると、エラストマー−金属コード複合体の強力が低下してしまい、本発明の効果を十分に得られなくなってしまう。特に、金属コード2間の距離wおよび、金属フィラメント1の強力の観点から、金属フィラメント1に型付けを施すにあたっては、型付け量は0.03〜0.30mmが好適であり、より好ましくは、0.03〜0.25mmであり、もっとも好ましくは0.03〜0.20mmである。また、金属フィラメント1の型付けピッチは2〜30mmであることが好ましく、より好ましくは、2〜20mmであり、もっとも好ましくは3〜15mmである。
なお、図3、4に示す金属コード2においては、型付けされている金属フィラメント1は、金属コード2の幅方向に型付けされているが、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1の型付け方向は金属コード2の幅方向に対して傾いていてもよい。図5は、本発明のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードの他の好適な実施の形態に係る金属コードの幅方向概略断面図である。このような構造であっても、隣り合う金属フィラメント1間にゴムを十分に浸透させることが可能であり、本発明の効果を得ることができる。しかしながら、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、軽量性の観点からは、隣り合う金属フィラメント1同士の型付け方向が金属コード2の幅方向であるほうが、エラストマー−金属コード複合体を薄くできるため好ましい。
また、本発明のエラストマー−金属コード複合体においては、型付けは2次元型付けのみに限らず、3次元型付けであってもよい。図6は、本発明のエラストマー−金属コード複合体に係る金属コードのさらに他の好適な実施の形態に係る金属コードの幅方向概略断面図である。図示例においては、金属フィラメント1は螺旋型付けが施されており、螺旋型付けが施された5本の金属フィラメント1が撚り合わされずに一列に引き揃えられて金属コード2を形成している。
本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1は、一般に、鋼、すなわち、鉄を主成分(金属フィラメントの全質量に対する鉄の質量が50質量%を超える)とする線状の金属をいい、鉄のみで構成されていてもよいし、鉄以外の、例えば、亜鉛、銅、アルミニウム、スズ等の金属を含んでいてもよい。
また、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1の表面には、メッキが施されていてもよい。メッキの種類としては、特に制限されず、例えば、亜鉛メッキ、銅メッキ、ブラスメッキ、ブロンズメッキ等が挙げられる。これらの中でもブラスメッキが好ましい。ブラスメッキを有する金属フィラメントは、ゴムとの接着性が優れているからである。なお、ブラスメッキは、通常、銅と亜鉛との割合(銅:亜鉛)が、質量基準で60〜70:30〜40である。また、メッキ層の層厚は、一般に100nm〜300nmである。
さらに、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1の線径、抗張力、断面形状については特に制限はない。例えば、金属フィラメント1の線径は0.15mm〜0.40mmとすることができる。また、金属フィラメント1として、抗張力が2500MPa以上のものを用いることができる。さらに、金属フィラメント1の幅方向の断面形状も特に制限されず、楕円状、矩形状、三角形状、多角形状等であってもよいが、円状が好ましい。なお、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属コード2を構成する金属フィラメント1を拘束する必要がある場合には、ラッピングフィラメントを使用してもよい。
また、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属コード2を被覆するエラストマー3に関しても特に制限はなく、従来、金属コードを被覆するために用いていたゴム等を用いることができる。これ以外にも、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBRおよび低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等のジエン系ゴムおよびその水添物、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー等のオレフィン系ゴム、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)等の含ハロゲンゴム、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム等のシリコンゴム、ポリスルフィドゴム等の含イオウゴム、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム等のフッ素ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを好ましく使用することができる。これらのエラストマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、エラストマーには、硫黄、加硫促進剤、カーボンブラックの他に、タイヤやコンベアベルト等のゴム製品で通常使用される老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等を適宜配合することができる。
本発明のエラストマー−金属コード複合体は、既知の方法にて製造することができる。例えば、本発明に係る金属コードを所定の間隔で平行に並べ、この金属コードを上下両側から、エラストマーからなる厚さ0.5mm程度のシートでコーティングして製造することができる。また、金属フィラメントの型付けについても、通常の型付け機を用いて、従来の手法で行うことができる。
次に、本発明のタイヤについて説明する。
本発明のタイヤ100は、本発明のエラストマー−金属コード複合体10を用いてなるものであり、例えば、乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤを挙げることができる。図7に、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図を示す。図示するタイヤ100は、接地部を形成するトレッド部101と、このトレッド部101の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部102と、各サイドウォール部102の内周側に連続するビード部103とを備えた空気入りタイヤ100である。
図示するタイヤ100は、トレッド部101、サイドウォール部102およびビード部103は、一方のビード部103から他方のビード部103にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカス層からなるカーカス104により補強されている。また、トレッド部101は、カーカス104のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層、図示する例では2層の第1ベルト層105aと第2ベルト層105bとからなるベルト105により補強されている。ここで、カーカス104のカーカス層は複数枚としてもよく、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向、例えば、70〜90°の角度で延びる有機繊維コードを好適に用いることができる。
本発明のタイヤ100においては、第1ベルト層105aおよび第2ベルト層105bに、上記本発明のエラストマー−金属コード複合体10を用いることができる。本発明のエラストマー−金属コード複合体10を用いることにより、第1ベルト層105aのスチールコードと第2ベルト層105bの厚みを薄くすることができ、タイヤの軽量化を図ることができる。また、本発明のエラストマー−金属コード複合体10をベルト用コードに用いることで、ベルトの耐久性および操縦安定性を同時に向上させることができる。
本発明のタイヤ100は、本発明のエラストマー−金属コード複合体10を用いてなるものであればよく、それ以外の具体的なタイヤ構造についても、特に制限されるものではない。また、本発明のエラストマー−金属コード複合体10の適用箇所はベルト105に限られるものではない。例えば、ベルト105のタイヤ径方向外側に配置されたベルト補強層や、その他の補強部材としても用いてもよい。なお、タイヤ100に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜6>
図3に示すような、5本のスチールフィラメント(線径:0.25mm)を束ねたスチールコードを作製した。型付け量、型付けピッチは表1に示すとおりである。得られたスチールコードを上下両側から、ゴムからなる厚さ0.5mm程度のシートでコーティングし、160℃、20分にて加硫を行った。なお、ゴムとしては、下記のものを用いた。
天然ゴム 100質量部
カーボンブラック*1 61質量部
亜鉛華 5質量部
老化防止剤*2 1質量部
加硫促進剤*3 1質量部
硫黄 5質量部
*1 N326、DBP吸油量 72ml/100g、NSA 78m/g
*2 N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業株式会社製)
*3 N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーDZ、大内新興化学工業株式会社製)
<比較例1>
全てのスチールフィラメントを真直なものとしたこと以外は実施例1と同様にしてゴム−スチールコード複合体を作製した。
<比較例2>
位相差を設けなかったこと以外は実施例1と同様にしてゴム−スチールコード複合体を作製した。
得られた各ゴム−スチールコード複合体を、ベルト層の補強材として用い、図6に示すタイプのタイヤ(サイズ:205/55R16)を作製した。ゴム−スチールコード複合体のスチールコードの打ち込み数は25本/50mm、ベルト角度は62°とした。得られたタイヤにつき、スチールコード折れ性および操縦安定性について、下記の手順で評価を行った。なお、エラストマー被覆率は、以下の手順で算出した。得られた結果を表1に併記する。
<エラストマー被覆率(%)>
エラストマー被覆率は、タイヤから各ゴム−スチールコード複合体を、タイヤ周上4箇所、ベルト幅全域から引き抜き、コード上に残っているゴム付き量を測定し求めた。エラストマー被覆率の算出式は以下のとおりである。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、ゴム被覆長は引き抜いたスチールコードをコード長手方向に直行する方向から観察した際にスチールコード表面がゴムで完全に被覆されている領域の長さである。数字が大きいほど接着力が高く、性能がよいことを示す。
<強力>
得られたゴム−スチールコード複合体から、所定本数のスチールフィラメントからなる束コードを採取し、解剖した束コードを間隔約100mmでつかみ、破断するまで徐々に引っ張り、破断荷重をインストロン社の万能材料試験機にて測定した。得られた値を、比較例1を100とする指数にて表示した。この値が大きいほど、強力に優れていることを意味する。得られた結果を表1、2に併記する。
<スチールコード折れ性評価法>
各供試タイヤをJATMA規格に定める標準リムに装着後、正規荷重の1.05倍の荷重条件にて、100kPa内圧を充填し、8の字旋回走行が可能な自動操縦装置を備えた車両にて、8の字旋回テストコースを旋回加速度0.7G、時速25km/hで300ラップ走行後、タイヤを解剖してベルト折れ性を比較した。実施例は比較例1を基準としてスチールコードの破断発生率を指数化し、100未満の場合を◎(良好)、100以上110未満の場合を○(同等)、110以上を×(悪い)とした。結果を表1に併記する。この数値が小さいほど、コード疲労性に優れている。
<操縦安定性評価法>
各供試タイヤをJATMA規格に定める標準リムに装着後、乾燥状態(ドライ)のサーキットにおけるドライバーのフィーリング走行により、操縦安定性の評価を行った。実施例は比較例1を基準の○として、劣っている場合を×、優れている場合を◎として、表1に示す。
Figure 2018190309
以上より、本発明のエラストマー−金属コード複合体は、エラストマー被覆率に優れていることがわかる。
1 金属フィラメント
2 金属コード
3 エラストマー
10 エラストマー−金属コード複合体
100 タイヤ(空気入りタイヤ)
101 トレッド部
102 サイドウォール部
103 ビード部
104 カーカス
105 ベルト層

Claims (5)

  1. 2〜10本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されたエラストマー−金属コード複合体において、
    前記金属フィラメントが、同一型付け量および同一ピッチで型付けされており、前記金属コード中に、隣り合う金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在することを特徴とするエラストマー−金属コード複合体。
  2. 前記隣り合う金属フィラメント同士の位相差が、π/4〜7π/4である請求項1記載のエラストマー−金属コード複合体。
  3. 前記隣り合う金属フィラメントの、前記金属コードの幅方向側面におけるエラストマー被覆率が、単位長さ当たり10%以上である請求項1または2記載のエラストマー−金属コード複合体。
  4. 前記金属フィラメントの型付け量が0.03〜0.30mm、前記金属フィラメントの型付けピッチが2〜10mmである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のエラストマー−金属コード複合体。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のエラストマー−金属コード複合体が用いられてなることを特徴とするタイヤ。
JP2019512504A 2017-04-11 2018-04-09 エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ Ceased JPWO2018190309A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078441 2017-04-11
JP2017078441 2017-04-11
PCT/JP2018/014966 WO2018190309A1 (ja) 2017-04-11 2018-04-09 エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018190309A1 true JPWO2018190309A1 (ja) 2020-02-27

Family

ID=63792920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019512504A Ceased JPWO2018190309A1 (ja) 2017-04-11 2018-04-09 エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20200039294A1 (ja)
EP (1) EP3611034B1 (ja)
JP (1) JPWO2018190309A1 (ja)
CN (1) CN110494301A (ja)
WO (1) WO2018190309A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020080444A1 (ja) * 2018-10-17 2021-09-30 株式会社ブリヂストン エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
US20210354515A1 (en) * 2018-10-17 2021-11-18 Bridgestone Corporation Tire
CN112867609A (zh) 2018-10-17 2021-05-28 株式会社普利司通 轮胎
JP7312100B2 (ja) * 2019-12-13 2023-07-20 株式会社ブリヂストン タイヤ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07145578A (ja) * 1993-11-22 1995-06-06 Tokyo Seiko Co Ltd 形付け素線収束コード及び車両用タイヤ
JPH0913288A (ja) * 1995-06-22 1997-01-14 Bridgestone Corp ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ
JP2002339276A (ja) * 2001-05-09 2002-11-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤ

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3682222A (en) * 1970-01-06 1972-08-08 Steelastic Co Pneumatic tire having helical reinforcing filaments
JPS5235784B2 (ja) * 1973-04-26 1977-09-10
JP2883355B2 (ja) * 1989-07-06 1999-04-19 株式会社ブリヂストン 航空機用ラジアルタイヤ
JP3016622B2 (ja) * 1991-04-27 2000-03-06 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JPH1111107A (ja) * 1997-06-25 1999-01-19 Bridgestone Corp 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP2000129583A (ja) * 1998-10-16 2000-05-09 Yokohama Rubber Co Ltd:The スチールコード及びこれを用いた空気入りラジアルタイヤ
JP2000198311A (ja) * 1999-01-06 2000-07-18 Toyo Tire & Rubber Co Ltd タイヤ用補強材および空気入りタイヤ
JP4153127B2 (ja) * 1999-07-07 2008-09-17 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
DE60043552D1 (de) * 1999-07-07 2010-01-28 Sumitomo Rubber Ind Luftreifen
JP2001334810A (ja) 2000-05-29 2001-12-04 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP2006160121A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
EP2123483B1 (en) * 2006-12-26 2017-06-07 Bridgestone Corporation Pneumatic tire
KR100916917B1 (ko) * 2007-11-06 2009-09-09 주식회사 효성 단선 스틸코드
US8079392B2 (en) * 2008-12-19 2011-12-20 The Goodyear Tire & Rubber Company Alternating straight/wavy reinforcement structure for pneumatic tire

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07145578A (ja) * 1993-11-22 1995-06-06 Tokyo Seiko Co Ltd 形付け素線収束コード及び車両用タイヤ
JPH0913288A (ja) * 1995-06-22 1997-01-14 Bridgestone Corp ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ
JP2002339276A (ja) * 2001-05-09 2002-11-27 Sumitomo Rubber Ind Ltd 金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
CN110494301A (zh) 2019-11-22
EP3611034A1 (en) 2020-02-19
EP3611034A4 (en) 2020-11-18
EP3611034B1 (en) 2022-06-15
US20200039294A1 (en) 2020-02-06
WO2018190309A1 (ja) 2018-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7073345B2 (ja) エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
JPWO2018190309A1 (ja) エラストマー−金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
US20150107745A1 (en) Pneumatic Radial Tire for Use on Passenger Car
JP2018176960A (ja) エラストマー−金属コード複合体およびタイヤ
JPH11227424A (ja) 空気入り安全タイヤ
JP6930262B2 (ja) 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
US11833867B2 (en) Tire
US20210354515A1 (en) Tire
JP7351846B2 (ja) エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
JP7420731B2 (ja) エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
CN114786962A (zh) 轮胎
WO2020080446A1 (ja) タイヤ
JP2020062970A (ja) タイヤ
JP7199311B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2020062968A (ja) タイヤ
WO2020080445A1 (ja) タイヤ
WO2020080440A1 (ja) エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ
JP7397656B2 (ja) タイヤ
JP7430525B2 (ja) タイヤ
JP2000225806A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP2019217918A (ja) 空気入りタイヤ
JP2000225809A (ja) 乗用車用空気入りラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220506

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20220927