JP2020062970A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を高度に改善し得るエラストマー−金属コード複合体を用いたタイヤを提供する。【解決手段】少なくとも2層のベルト層105a、105bからなるベルト105を備えたタイヤ100であり、ベルト層105a、105bが、複数本の金属フィラメント1が撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2が、エラストマー3により被覆されてなり、金属フィラメント1に型付けがなされており、隣り合う金属フィラメント1同士の位相が異なる金属フィラメント1の対が少なくとも1つ存在し、ベルト層105a、105bのタイヤ周方向に対する角度が、タイヤセンター部において、35°以上である。【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤに関し、詳しくは、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆してなるエラストマー−金属コード複合体をベルトに用いたタイヤに関する。
一般に、強度が必要とされるタイヤの内部には、リング状のタイヤ本体の子午線方向に沿って埋設された補強コードを含むカーカスが配置され、カーカスのタイヤ半径方向外側には、ベルト層が配置される。このベルト層は通常、スチール等の金属コードをエラストマーで被覆してなるエラストマー−金属コード複合体を用いて形成され、タイヤに耐荷重性、耐牽引性等を付与している。
近年、自動車の燃費を向上させるために、タイヤを軽量化する要求が高まっている。タイヤの軽量化の手段として、ベルト補強用の金属コードが注目され、金属フィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用する技術が多数公開されている。例えば、特許文献1では、軽量性と耐久性とを改善するにあたって、高い引張り強度で細径の金属フィラメントを、撚らずに並列に引き揃えて金属フィラメント束とし、これを被覆ゴム中に幅方向に配列させた少なくとも2枚のベルトプライでベルト層を形成したタイヤが提案されている。このタイヤにおいては、金属フィラメント束内の金属フィラメント本数を、金属フィラメント径に応じて適正化している。また、金属フィラメント束の径方向厚みも、ベルトプライ厚みに対し特定の割合とすることも提案されている。
しかしながら、特許文献1では、軽量性と耐久性については検討されているものの、他の性能については、検討がなされていない。したがって、今後、タイヤの高性能化に伴い、金属フィラメントを撚らずにベルト用コードとして使用するにあたっては、さらなる改良が求められることが予想される。
そこで、本発明の目的は、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を高度に改善し得るエラストマー−金属コード複合体をベルトに用いたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードを用いると、ベルトトリートの圧縮入力時にスチールコードが面内への変形を抑制し、スチールコードの疲労性の悪化につながる。また、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードは隣接する金属フィラメント間ではゴムは浸透し難く、ゴムによって被覆されていない非ゴム被覆領域が発生する。したがって、タイヤ転動時に、金属フィラメントが相互にずれてしまい、面内剛性(タイヤ接地面内の剛性)の低下により、操縦安定性が損なわれるおそれがある。かかる知見に基づき、本発明者はさらに鋭意検討した結果、金属フィラメントの束の構成を下記のとおりとし、かつ、ベルト角度を所定のものとすることにより、操縦安定性、耐ベルト疲労性および耐摩耗性のバランスのよいタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタイヤは、一対のビード部間にトロイド状に延在するカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも2層のベルト層からなるベルトを備えたタイヤにおいて、
前記ベルト層が、複数本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されてなるエラストマー−金属コード複合体からなり、
前記金属フィラメントに型付けがなされており、隣り合う前記金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在し、
タイヤセンター部において、前記ベルト層のタイヤ周方向に対する角度が、35°以上であることを特徴とするものである。
前記ベルト層が、複数本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されてなるエラストマー−金属コード複合体からなり、
前記金属フィラメントに型付けがなされており、隣り合う前記金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在し、
タイヤセンター部において、前記ベルト層のタイヤ周方向に対する角度が、35°以上であることを特徴とするものである。
ここで、図1は、金属フィラメントの型付け量hおよび型付けピッチpの定義を示す金属フィラメントの説明図であり、型付け量hとは金属フィラメント1の線径を含まない変動の幅をいう。なお、金属フィラメント1の型付け高さhは、型付け後の金属フィラメント1を投影機にて投影し、金属フィラメントの投影像をスクリーン等に映して計測する。
本発明のタイヤにおいては、型付けされた前記金属フィラメントが、同一型付け量および同一ピッチであることが好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記隣り合う金属フィラメント同士の位相差が、π/4〜7π/4であることが好ましい。さらに、本発明おタイヤにおいては、前記隣り合う金属フィラメントの、前記金属コードの幅方向側面におけるエラストマー被覆率が、単位長さ当たり10%以上であることが好ましい。本発明のタイヤにおいては、型付けされた前記金属フィラメントは、2次元型付けであっても、3次元型付けであってもよい。型付けされた金属フィラメントが2次元型付けの場合、前記金属フィラメントの型付け量が0.03〜0.30mm、前記金属フィラメントの型付けピッチが2〜30mmであることが好ましく、前記型付けされた金属フィラメントの型付け方向は、前記金属コードの幅方向であることが好ましい。さらに、本発明のタイヤにおいては、前記少なくとも2層のベルト層のタイヤ径方向内側または外側に、少なくとも1層のベルト補強層を有し、
前記少なくとも2層のベルト層における隣接するベルト層の金属フィラメント同士のタイヤ径方向における距離をh1、前記ベルト補強層の補強素子と、前記ベルト補強層と隣接するベルト層の金属フィラメントとのタイヤ径方向における距離をh2としたとき、下記式(1)、
h1>h2 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記ベルト層の厚さをS(mm)、前記金属フィラメントの径をs(mm)、前記ベルト補強層の厚さをT(mm)、前記ベルト補強層の補強素子の径をt(mm)、としたとき、下記式(2)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。
前記少なくとも2層のベルト層における隣接するベルト層の金属フィラメント同士のタイヤ径方向における距離をh1、前記ベルト補強層の補強素子と、前記ベルト補強層と隣接するベルト層の金属フィラメントとのタイヤ径方向における距離をh2としたとき、下記式(1)、
h1>h2 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記ベルト層の厚さをS(mm)、前記金属フィラメントの径をs(mm)、前記ベルト補強層の厚さをT(mm)、前記ベルト補強層の補強素子の径をt(mm)、としたとき、下記式(2)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。
ここで、エラストマー被覆率とは、例えば、エラストマーとしてゴムを用いた場合、金属コードをゴム被覆した後、ゴム−スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、スチールコードのゴムに被覆されている部分長さを測定し、下記算出式に基づいて算出した値をいう。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、エラストマーとして、ゴム以外のエラストマーを用いた場合も、同様に算出することができる。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、エラストマーとして、ゴム以外のエラストマーを用いた場合も、同様に算出することができる。
本発明によれば、金属フィラメントを撚り合わせずに引き揃えた束からなる金属コードをエラストマーで被覆した、タイヤの性能を高度に改善し得るエラストマー−金属コード複合体をベルトに用いたタイヤであって、操縦安定性、耐ベルト疲労性および耐摩耗性のバランスのよいタイヤを提供することができる。
以下、本発明のタイヤについて、図面を用いて詳細に説明する。
図2に、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図を示す。図示するタイヤ100は、接地部を形成するトレッド部101と、このトレッド部101の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部102と、各サイドウォール部102の内周側に連続するビード部103とを備えたタイヤ100である。
図2に、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤの概略片側断面図を示す。図示するタイヤ100は、接地部を形成するトレッド部101と、このトレッド部101の両側部に連続してタイヤ半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部102と、各サイドウォール部102の内周側に連続するビード部103とを備えたタイヤ100である。
図示するタイヤ100は、トレッド部101、サイドウォール部102およびビード部103は、一方のビード部103から他方のビード部103にわたってトロイド状に延びる一枚のカーカス層からなるカーカス104により補強されている。また、トレッド部101は、カーカス104のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設した少なくとも2層、図示する例では、2層の第1ベルト層105aと第2ベルト層105bとからなるベルト105により補強されている。ここで、カーカス104のカーカス層は複数枚としてもよく、タイヤ周方向に対してほぼ直交する方向、例えば、70〜90°の角度で延びる有機繊維コードを好適に用いることができる。
本発明のタイヤ100においては、少なくとも2層のベルト層が、複数本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されてなるエラストマー−金属コード複合体からなる。本発明のタイヤ100においては、エラストマー−金属コード複合体の金属フィラメントには型付けがなされており、隣り合う金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在する。これらの型付けされた金属フィラメントは、金属コードの厚み方向において重ならないように配置されていることが好ましい。このように、金属フィラメントを撚り合わせた、いわゆる撚りコードでなく、一列に引き揃えられた束からなる金属コードを用いることで、ベルト105の厚みを薄くすることができ、タイヤの軽量化を図ることができる。また、ベルトの耐摩耗性および操縦安定性を同時に向上させることができる。以下、本発明のタイヤ100にエラストマー−金属コード複合体について、詳細に説明する。
図3は、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤのベルト層に用いるエラストマー−金属コード複合体の幅方向における部分断面図であり、図4は、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤのベルト層に用いるエラストマー−金属コード複合体の金属コードの概略平面図であり、図5は、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤのベルト層に用いるエラストマー−金属コード複合体の金属コードの幅方向概略断面図であり、図6は、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤのベルト層に用いるエラストマー−金属コード複合体の金属コードの幅方向概略断面図の他の例である。
本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10は、複数本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コード2が、エラストマー3により被覆されたものである。金属フィラメント1は、好適には2本以上、より好適には5本以上であって、好適には20本以下、より好適には12本以下、さらに好適には10本以下、特に好適には9本以下の束で金属コード2を構成する。図示例においては、5本の金属フィラメント1が、撚り合わされずに引き揃えられて、金属コード2を形成している。
本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10の金属フィラメント1は型付けされてなり、隣り合う金属フィラメント1同士の位相が異なる金属フィラメント1の対が少なくとも1つ存在する。このようにすることで、両者の位相が合致することを避けている。好ましくは対の50%以上において、隣り合う金属フィラメント1同士の位相が異なる。このような構成とすることで、隣り合う金属フィラメント1間にエラストマーを十分に浸透させることが可能となり、その結果、圧縮入力時に、金属コードが面外変形でき、金属コード折れ性を抑止することができる。
また、前述のとおり、金属フィラメント1の束は、隣接するフィラメント間ではエラストマーは浸透し難く、エラストマーによって被覆されていない非エラストマー被覆領域が発生する。したがって、金属フィラメントを撚り合わせずに束ねた金属コードをベルト用コードとして用いた場合、この非エラストマー被覆領域において、タイヤ転動時に金属フィラメントが相互にずれてしまい、その結果、ベルトの面内剛性が低下し、操縦安定性が損なわれる結果となることがある。しかしながら、本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10は、隣り合う金属フィラメント1間にエラストマー3が十分に浸透するため上記の不具合が解消でき、ベルト105の面内剛性を向上させ、操縦安定性を改善することができる。
本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属コード2中の少なくとも一か所において、隣り合う金属フィラメント同士の位相が異なっているものであるが、その位相差としては、π/4〜7π/4が好ましい。位相差をかかる範囲とすることで、本発明の効果を良好に得ることができる。より好ましくはπ/2〜3π/2、特に好ましくは、位相差がπの場合である。
本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10において、型付けされた前記金属フィラメントが、同一型付け量および同一ピッチであることが好ましい。また、本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10においては、図示するような波型型付けやジグザグ型付けのような2次元型付けであっても、螺旋状の3次元型付けであってもよいが、軽量性の観点からは2次元型付けが好ましく、波型型付けがより好ましい。ただし、ベルト層を薄くし、タイヤの軽量化を図るとの観点から、金属コード2の厚み方向に、金属フィラメント1同士が重ならないことが好ましい。
本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10において、隣り合う金属フィラメント間における連続する非エラストマー被覆領域の存在を解消して、耐腐食進展性を確保するとともに、ベルトの面内剛性を向上させ、操縦安定性を改善する効果を良好に得るためには、隣り合う金属フィラメント1の、金属コード2の幅方向側面におけるエラストマー被覆率は、単位長さ当たり10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。さらに好ましくは50%以上被覆されており、80%以上被覆されていることが特に好ましい。もっとも好ましくは、90%以上被覆されている状態である。
本発明のタイヤ100に係るエラストマー−金属コード複合体10においては、金属フィラメント1の型付け量が大きすぎると、エラストマー−金属コード複合体10中の金属コード2間の距離wが短くなり、ベルトの強度低下の原因となる。そのため、金属フィラメント1の型付け量は、2次元型付けの場合、0.03mm以上0.30mm以下が好ましい。型付け量を0.30mm以下とすることで、ベルト層105a、105bの強力を確保でき、本発明の効果を十分に得られるものとなる。特に、金属コード2間の距離wおよび、金属フィラメント1の強力の観点から、金属フィラメント1に2次元型付けを施すにあたっては、型付け量は0.03mm以上0.30mm以下が好ましく、より好ましくは0.03mm以上0.25mm以下であり、もっとも好ましくは0.03mm以上0.20mm以下である。また、同様の理由から、2次元型付けの場合、金属フィラメント1の型付けピッチは2mm以上30mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm以上20mm以下であり、もっとも好ましくは3mm以上15mm以下である。金属フィラメント1の型付けピッチを2mm以上とすることで、フィラメント強度の低下やコード重量の増加を抑制することができる。
なお、図3〜5に示す金属コード2においては、型付けされている金属フィラメント1aは、金属コード2の幅方向に型付けされているが、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、図6に示すように、金属フィラメント1の型付け方向は金属コード2の幅方向に対して傾いていてもよい。このような構造であっても、隣り合う金属フィラメント1間にゴムを十分に浸透させることが可能であり、本発明の効果を得ることができる。しかしながら、本発明のタイヤ100に係るベルト層105a、105bにおいては、軽量性の観点からは、隣り合う金属フィラメント1同士の型付け方向が金属コード2の幅方向であるほうが、ベルト105を薄くできるため好ましい。
図7に、本発明の他の好適な実施の形態に係るタイヤのベルト層に用いるエラストマー−金属コード複合体の金属コードの幅方向概略断面図を示す。図7に示すように、金属フィラメント1が、3次元型付けの場合、金属フィラメント1の型付け量は、0.10mm以上0.50mm以下が好ましく、より好ましくは0.20mm以上0.30mm以下である。型付け量を0.50mm以下とすることで、ベルト層105a、105bの強力の低下を抑制して、本発明の効果を十分に得ることができる。3次元型付けの場合、金属フィラメント1の型付けピッチは5mm以上であることが好ましく、より好ましくは8mm以上20mm以下である。
また、本発明のタイヤ100においては、タイヤセンター部において、ベルト層105a、105bのタイヤ周方向に対する角度は、35°以上である。タイヤ周方向に対して金属コード2を高角度で配置することで、ベルト105に面内曲げ剛性を付与しており、タイヤ100の耐久性、耐摩耗性を確保している。好ましくは、ベルト層105a、105bのタイヤ周方向に対する角度は、45°以上である。
本発明のタイヤ100のベルト層(図示例では第1ベルト層105a、第2ベルト層105b)は、タイヤ周方向に対して35°以上の角度を有しているため、タイヤ周方向の引張剛性が十分ではない場合がある。このような場合、ベルト補強層106にて、不足するタイヤ周方向の引張剛性を補うことが好ましい。
そこで、本発明のタイヤ100においては、ベルト105のタイヤ半径方向内側または外側(図示例では外側)に、タイヤ周方向に対し0〜10°の角度で補強素子が埋設された少なくとも1層のベルト補強層106が設けられていることが好ましい。例えば、ベルト補強層106はトレッド幅全幅を覆う構造でもよく(いわゆる、キャップ層106a)、ベルト105の幅方向両端部のみを覆う構造としてもよい(いわゆる、レイヤー層106b)。また、第1のベルト補強層を少なくともベルト105の幅方向中央を覆うように設け、第2のベルト補強層でベルト105の幅方向両端部を覆うように設けてもよい(キャップ・レイヤー構造)。
さらに、本発明のタイヤ100は、ベルト補強層106の補強素子は有機繊維コードからなることが好ましい。補強素子として有機繊維からなるコードを用いることで、金属を用いた場合を比較してタイヤの軽量化を図ることができる。本発明のタイヤ100においては、ベルト補強層106を構成する補強素子は、タイヤ周方向における引張剛性の確保が目的であるので、タイヤから取り出した補強素子の見掛ヤング率が1〜50GPa(JIS L 1017:2002に基づいて測定)である有機繊維からなるコードを用いることが好ましい。有機繊維コードとしては、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン、ザイロン(登録商標)(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維)、脂肪族ポリアミド(ナイロン)等の有機繊維コード等を用いることができる。
図8は、本発明の一好適な実施の形態に係るタイヤのタイヤセンター近傍におけるのベルト層およびベルト補強層の関係を示す概略断面図である。本発明のタイヤ100においては、少なくとも2層のベルト層における隣接するベルト層(図示例においては、第1ベルト層105a、第2ベルト層105b)の金属フィラメント1同士のタイヤ径方向における距離をh1、ベルト補強層106aの補強素子107と、ベルト補強層106aと隣接するベルト層(図示例においては、第2ベルト層105b)の金属フィラメント1とのタイヤ径方向における距離をh2としたとき、下記式(1)、
h1>h2 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。
h1>h2 (1)
で表される関係を満足することが好ましい。
本発明のタイヤ100は、高角度のベルト105を有しているため面内曲げ剛性が高い。そのため、コーナリング時等には高い接地性を確保できる。しかし、コーナリング限界時にはタイヤ横力に耐えられず、ベルトバックリングを起こす。その際、h1のゲージがh2より薄くなると、ベルト面外曲げ剛性が低下し、ベルトバックリング曲率が大きくなる。その結果、ベルト105の耐久性が低下してしまう可能性がある。そこで、隣接するベルト層(図示例においては、第1ベルト層105a、第2ベルト層105b)間のゴムゲージh1をベルト補強層106と隣接するベルト層(図示例においては、第2ベルト層105b)間のゴムゲージh2よりも大きくすることで、耐疲労性を向上させることができる。また、ベルト105は面内曲げ剛性が高いため、コーナリング中に発生するせん断歪みはベルト層間に集中し、ベルト層とベルト補強層間のせん断歪みは小さい。そこでh2をh1より薄くすることができ、タイヤ軽量化が可能になる。
また、本発明のタイヤ100においては、ベルト層(図示例においては、ベルト層105a、105b)の厚さをS(mm)、金属フィラメント1の径をs(mm)、ベルト補強層106aの厚さをT(mm)、ベルト補強層106aの補強素子107の径をt(mm)、としたとき、下記式(2)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。ここで、T=0.5〜2.0、t=0.2m〜1.8、S=0.66〜1.2、s=0.12〜0.45である。(T+S)/(t+s)を1.25以上とすることで、層間ゲージを保ち、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣接コード間に伝播するベルトエッジセパレーション(BES)を良好に防止することができる。一方、3.63以下とすることでゴムの使用量を低減し、耐ベルトエッジセパレーション性(以下、「耐BES性」と称する)と軽量性を両立させることができる。
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (2)
で表される関係を満足することが好ましい。ここで、T=0.5〜2.0、t=0.2m〜1.8、S=0.66〜1.2、s=0.12〜0.45である。(T+S)/(t+s)を1.25以上とすることで、層間ゲージを保ち、ベルト幅方向端部のコード端を起点としたゴム剥離が容易に隣接コード間に伝播するベルトエッジセパレーション(BES)を良好に防止することができる。一方、3.63以下とすることでゴムの使用量を低減し、耐ベルトエッジセパレーション性(以下、「耐BES性」と称する)と軽量性を両立させることができる。
さらに、本発明のタイヤ100においては、ベルト補強層106の幅は、トレッド幅の60%以上であることが好ましい。ベルト補強層106の幅をトレッド幅の60%以上とすることで、タイヤ周方向の引張剛性を効果的に向上させることができる。好ましくは、ベルト補強層106をトレッド幅の全幅に配置する。なお、トレッド幅とは、タイヤを正規リムに装着し、正規内圧を充填し、静止した状態で平板に対し垂直に置き、正規荷重を加えたときのタイヤ接地面のタイヤ軸方向の最大幅をいう。
さらにまた、本発明のタイヤ100においては、ベルト補強層106中の補強素子107である有機繊維コード107の打込み本数は20〜80本/50mmであることが好ましい。打込み本数を20本以上とすることで、タイヤ周方向の引張剛性を十分に確保することができる。一方、打込み本数を80本/50mm以下とすることで、タイヤ周方向の引張剛性と耐BES性を両立させることができる。
また、本発明のタイヤ100においては、ベルト補強層106中の有機繊維コード107の総繊度は、500〜8000dtexとするのが好ましい。有機繊維コード107の総繊度を500dtex以上とすることで、ベルト補強層106の周方向引張剛性を十分に確保することができる。一方、有機繊維コード107の総繊度は8000dtex以下が好ましく、総繊度を8000dtex以下とすることでベルト補強層106の薄肉化を図り、周方向引張剛性と軽量化とを両立させることができる。
なお、図示する本発明のタイヤ100においては、第1ベルト層105aと第2ベルト層105bの角度は、タイヤ周方向に対して対称の角度であることが好ましい。かかる構成とすることで、タイヤの生産性が向上し、また、応力を均等に分担することができるため、タイヤの耐久性の観点からも好ましい。
さらに、本発明のタイヤ100においては、ベルト層中の金属コード2を被覆するエラストマーの、JIS K 6251(2010年)に準拠し測定した50%モジュラス値が、1.5MPa以上であることが好ましい。好ましくは1.8MPa以上、より好ましくは2.0MPa以上である。このようなエラストマーをベルト層105a、105bの被覆に用いると、金属コード2が長手方向に伸張して締まった場合であっても、金属コード2内部のエラストマーが高剛性であるため、金属コード2の長手方向への伸張を阻害し、ベルト105の剛性をさらに向上させることができる。その結果、操縦安定性をより向上させることができる。
このようなエラストマーとしては、ゴムであれば、例えば、従来のゴム以外にも、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBRおよび低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等のジエン系ゴムおよびその水添物、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー等のオレフィン系ゴム、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)等の含ハロゲンゴム、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム等のシリコンゴム、ポリスルフィドゴム等の含イオウゴム、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム等のフッ素ゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。なお、被覆ゴムの50%モジュラス値は、各サンプルのゴム組成物を、145℃で40分間加硫して加硫ゴムとした後、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定した値である。
本発明のタイヤ100のベルト層105a、105bにおいては、金属フィラメント1は、一般に、鋼、すなわち、鉄を主成分(金属フィラメントの全質量に対する鉄の質量が50質量%を超える)とする線状の金属をいい、鉄のみで構成されていてもよいし、鉄以外の、例えば、亜鉛、銅、アルミニウム、スズ等の金属を含んでいてもよい。
また、本発明のタイヤ100のベルト層105a、105bにおいて、金属フィラメント1の表面状態については特に制限されないが、例えば、下記の形態をとることができる。すなわち、金属フィラメント1としては、表面のN原子が2原子%以上60原子%以下であって、かつ、表面のCu/Zn比が1以上4以下であることが挙げられる。また、金属フィラメント1としては、フィラメント半径方向内方にフィラメント最表層5nmまでの酸化物として含まれるリンの量が、C量を除いた全体量の割合で、7.0原子%以下である場合が挙げられる。
また、本発明のタイヤ100のベルト層105a、105bにおいて、金属フィラメント1の表面には、めっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、特に制限されず、例えば、亜鉛(Zn)めっき、銅(Cu)めっき、スズ(Sn)めっき、ブラス(銅−亜鉛(Cu−Zn))めっき、ブロンズ(銅−スズ(Cu−Sn))めっき等の他、銅−亜鉛−スズ(Cu−Zn−Sn)めっきや銅−亜鉛−コバルト(Cu−Zn−Co)めっき等の三元めっきなどが挙げられる。これらの中でもブラスめっきや銅−亜鉛−コバルトめっきが好ましい。ブラスめっきを有する金属フィラメントは、ゴムとの接着性が優れているからである。なお、ブラスめっきは、通常、銅と亜鉛との割合(銅:亜鉛)が、質量基準で60〜70:30〜40、銅−亜鉛−コバルトめっきは、通常銅が60〜75重量%、コバルトが0.5〜10重量%である。また、めっき層の層厚は、一般に100nm以上300nm以下である。
さらに、本発明のタイヤ100のベルト層105a、105bにおいては、金属フィラメント1の線径や抗張力、断面形状については、特に制限はない。例えば、金属フィラメント1の線径は、0.15mm以上0.40mm以下とすることができる。また、金属フィラメント1としては、抗張力が2500MPa(250kg/mm2)以上のものを用いることができる。さらに、金属フィラメント1の幅方向の断面形状も特に制限されず、楕円状や矩形状、三角形状、多角形状等であってもよいが、円状が好ましい。なお、本発明のエラストマー−金属コード複合体10においては、金属コード2を構成する金属フィラメント1の束を拘束する必要がある場合には、ラッピングフィラメント(スパイラルフィラメント)を使用してもよい。
本発明のタイヤ100は、ベルト105の構造を上記のものとすればよく、それ以外の具体的なタイヤ構造についても、特に制限されるものではない。例えば、ベルト105のタイヤ径方向外側にベルト補強層106を配置してもよく、その他の補強部材を用いてもよい。なお、タイヤ100に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。本発明のタイヤは、乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤに好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例および比較例:ゴム−スチールコード複合体の作製>
下記表中に示す条件に従う金属コードを、上下両側からゴムシートでコーティングし、160℃、20分にて加硫を行い、各実施例および比較例のエラストマー−金属コード複合体を作製する。コーティングゴムは、下記の配合に従って、常法に従い配合・混練することで調製する。
<実施例および比較例:ゴム−スチールコード複合体の作製>
下記表中に示す条件に従う金属コードを、上下両側からゴムシートでコーティングし、160℃、20分にて加硫を行い、各実施例および比較例のエラストマー−金属コード複合体を作製する。コーティングゴムは、下記の配合に従って、常法に従い配合・混練することで調製する。
天然ゴム 100質量部
カーボンブラック*1 61質量部
亜鉛華 5質量部
老化防止剤*2 1質量部
加硫促進剤*3 1質量部
硫黄*4 5質量部
*1 N326、DBP吸油量 72ml/100g、N2SA 78m2/g
*2 N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業株式会社製)
*3 N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーDZ、大内新興化学工業株式会社製)
*4 不溶性硫黄(商品名:クリステックスHS OT−20、フレキシス社製)
カーボンブラック*1 61質量部
亜鉛華 5質量部
老化防止剤*2 1質量部
加硫促進剤*3 1質量部
硫黄*4 5質量部
*1 N326、DBP吸油量 72ml/100g、N2SA 78m2/g
*2 N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業株式会社製)
*3 N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーDZ、大内新興化学工業株式会社製)
*4 不溶性硫黄(商品名:クリステックスHS OT−20、フレキシス社製)
<タイヤの評価>
図2に示すタイプの、2層のベルト層からなるベルト有するタイヤ(サイズ:145/65R16)を、上記ゴム−スチールコード複合体をベルト層として用いて作製する。ベルト角度は、下記表に示すとおりである。また、ベルト補強層は、同表に示すとおりであり、トレッド幅方向の全幅にわたってタイヤ周方向に対して略平行となるように配置する。第1ベルト層105a、第2ベルト層105bのゴムゲージh1、第2ベルト層105bとベルト補強層106とのゴムゲージh2、(T+S)/(t+s)は下記表に示すとおりである。得られた各供試タイヤにつき、耐ベルト疲労性、耐摩耗性について、評価を行う。得られた結果を下記の表中に併記する。
図2に示すタイプの、2層のベルト層からなるベルト有するタイヤ(サイズ:145/65R16)を、上記ゴム−スチールコード複合体をベルト層として用いて作製する。ベルト角度は、下記表に示すとおりである。また、ベルト補強層は、同表に示すとおりであり、トレッド幅方向の全幅にわたってタイヤ周方向に対して略平行となるように配置する。第1ベルト層105a、第2ベルト層105bのゴムゲージh1、第2ベルト層105bとベルト補強層106とのゴムゲージh2、(T+S)/(t+s)は下記表に示すとおりである。得られた各供試タイヤにつき、耐ベルト疲労性、耐摩耗性について、評価を行う。得られた結果を下記の表中に併記する。
<エラストマー被覆率>
エラストマー被覆率は、金属コードをゴム被覆した後、ゴム−スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、金属コード内で隣り合うスチールフィラメントの、金属コードの幅方向側面上に残っているゴム付き量を測定し求める。エラストマー被覆率の算出式は以下のとおりである。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、ゴム被覆長は引き抜いた金属コードをコード長手方向に直交する方向から観察した際にスチールフィラメント表面がゴムで完全に被覆されている領域の長さである。数字が大きいほど接着力が高く、性能がよいことを示す。
エラストマー被覆率は、金属コードをゴム被覆した後、ゴム−スチールコード複合体からスチールコードを引き抜き、金属コード内で隣り合うスチールフィラメントの、金属コードの幅方向側面上に残っているゴム付き量を測定し求める。エラストマー被覆率の算出式は以下のとおりである。
エラストマー被覆率=(ゴム被覆長/試料長)×100(%)
なお、ゴム被覆長は引き抜いた金属コードをコード長手方向に直交する方向から観察した際にスチールフィラメント表面がゴムで完全に被覆されている領域の長さである。数字が大きいほど接着力が高く、性能がよいことを示す。
<操縦安定性>
得られたゴム−スチールコード複合体を用いて作製した交錯ベルト層サンプルを用いて面内剛性の評価を行い、操縦安定性の指標とする。交錯ベルト層サンプルの下2点、上1点に冶具を配置し、上1点から押し込んだ時の荷重を面内剛性とし評価する。結果は比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
得られたゴム−スチールコード複合体を用いて作製した交錯ベルト層サンプルを用いて面内剛性の評価を行い、操縦安定性の指標とする。交錯ベルト層サンプルの下2点、上1点に冶具を配置し、上1点から押し込んだ時の荷重を面内剛性とし評価する。結果は比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
<耐ベルト疲労性>
各タイヤをJATMAで規定する正規リムに組みつけ、正規荷重の1.05倍の荷重を負荷し、100kPaの内圧を充填して、8の字走行が可能な自動操縦装置を備えた車両にて、8の字旋回テストコースを旋回加速度0.7G、時速25km/h、300ラップで走行後、タイヤを解剖して、ベルト折れの有無を評価する。各タイヤのコード折れ発生率を、比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
各タイヤをJATMAで規定する正規リムに組みつけ、正規荷重の1.05倍の荷重を負荷し、100kPaの内圧を充填して、8の字走行が可能な自動操縦装置を備えた車両にて、8の字旋回テストコースを旋回加速度0.7G、時速25km/h、300ラップで走行後、タイヤを解剖して、ベルト折れの有無を評価する。各タイヤのコード折れ発生率を、比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
<耐摩耗性>
各タイヤを実車に装着して、実車耐久走行(限界走行モードにて1周3.5kmの既設サーキットを20周走行)後のタイヤ残溝深さ(センターリブ溝)を測定し、比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
各タイヤを実車に装着して、実車耐久走行(限界走行モードにて1周3.5kmの既設サーキットを20周走行)後のタイヤ残溝深さ(センターリブ溝)を測定し、比較例2を基準の△として、劣っている場合を×、比較例2と同等の場合を△、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎として評価する。
<ベルト重量>
比較例2のタイヤの重量を基準の△として、タイヤ重量を計算し、劣っている場合を×、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎表示した。
比較例2のタイヤの重量を基準の△として、タイヤ重量を計算し、劣っている場合を×、優れている場合を○、非常に優れている場合を◎表示した。
表1〜3より、本発明のタイヤは、操縦安定性、耐ベルト疲労性および耐摩耗性のバランスが取れていることがわかる。
1 金属フィラメント
2 金属コード
3 エラストマー
10 エラストマー−金属コード複合体
100 タイヤ
101 トレッド部
102 サイドウォール部
103 ビード部
104 カーカス
105 ベルト
105a,105b ベルト層
106 ベルト補強層
106a キャップ層
106b レイヤー層
107 補強素子(有機繊維コード)
2 金属コード
3 エラストマー
10 エラストマー−金属コード複合体
100 タイヤ
101 トレッド部
102 サイドウォール部
103 ビード部
104 カーカス
105 ベルト
105a,105b ベルト層
106 ベルト補強層
106a キャップ層
106b レイヤー層
107 補強素子(有機繊維コード)
Claims (10)
- 一対のビード部間にトロイド状に延在するカーカスを骨格とし、該カーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも2層のベルト層からなるベルトを備えたタイヤにおいて、
前記ベルト層が、複数本の金属フィラメントが撚り合わされずに一列に引き揃えられた束からなる金属コードが、エラストマーにより被覆されてなるエラストマー−金属コード複合体からなり、
前記金属フィラメントに型付けがなされており、隣り合う前記金属フィラメント同士の位相が異なる金属フィラメントの対が少なくとも1つ存在し、
タイヤセンター部において、前記ベルト層のタイヤ周方向に対する角度が、35°以上であることを特徴とするタイヤ。 - 型付けされた前記金属フィラメントが、同一型付け量および同一ピッチである請求項1記載のタイヤ。
- 前記隣り合う金属フィラメント同士の位相差が、π/4〜7π/4である請求項1または2記載のタイヤ。
- 前記隣り合う金属フィラメントの、前記金属コードの幅方向側面におけるエラストマー被覆率が、単位長さ当たり10%以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のタイヤ。
- 型付けされた前記金属フィラメントが、2次元型付けされている請求項1〜4のうちいずれか一項記載のタイヤ。
- 前記金属フィラメントの型付け量が0.03〜0.30mm、前記金属フィラメントの型付けピッチが2〜30mmである請求項5記載のタイヤ。
- 前記型付けされた金属フィラメントの型付け方向が、前記金属コードの幅方向である請求項5または6記載のタイヤ。
- 型付けされた前記金属フィラメントが、3次元型付けされている請求項1〜4のうちいずれか一項記載のタイヤ。
- 前記少なくとも2層のベルト層のタイヤ径方向内側または外側に、少なくとも1層のベルト補強層を有し、
前記少なくとも2層のベルト層における隣接するベルト層の金属フィラメント同士のタイヤ径方向における距離をh1、前記ベルト補強層の補強素子と、前記ベルト補強層と隣接するベルト層の金属フィラメントとのタイヤ径方向における距離をh2としたとき、下記式(1)、
h1>h2 (1)
で表される関係を満足する請求項1〜8のうちいずれか一項記載のタイヤ。 - 前記ベルト層の厚さをS(mm)、前記金属フィラメントの径をs(mm)、前記ベルト補強層の厚さをT(mm)、前記ベルト補強層の補強素子の径をt(mm)、としたとき、下記式(2)、
1.24<(T+S)/(t+s)<3.63 (2)
で表される関係を満足する請求項9記載のタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018196211A JP2020062970A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | タイヤ |
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---|---|---|---|
JP2018196211A JP2020062970A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | タイヤ |
Publications (1)
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---|---|
JP2020062970A true JP2020062970A (ja) | 2020-04-23 |
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ID=70386717
Family Applications (1)
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JP2018196211A Pending JP2020062970A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | タイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020062970A (ja) |
-
2018
- 2018-10-17 JP JP2018196211A patent/JP2020062970A/ja active Pending
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