各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図においては、適宜、周方向を矢印θで示す。本実施形態において径方向外側は、径方向一方側に相当し、径方向内側は、径方向他方側に相当する。
また、軸方向におけるZ軸方向の正の側を「上側」と呼び、軸方向におけるZ軸方向の負の側を「下側」と呼ぶ。本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当する。また、周方向における上側から下側に向かって視て反時計回りに進む側、すなわち矢印θの向きに進む側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向における上側から下側に向かって視て時計回りに進む側、すなわち矢印θの向きと逆に進む側を「周方向他方側」と呼ぶ。
なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1および図2に示すように、本実施形態のモータ10は、ハウジング11と、ロータ20と、ベアリング51,52と、ステータ30と、複数の第1バスバー100と、ベアリングホルダ50と、バスバーユニット90と、制御装置80と、を備える。本実施形態において第1バスバー100は、4つ設けられる。バスバーユニット90は、バスバーホルダ60と、複数の第2バスバー70と、を有する。すなわち、モータ10は、バスバーホルダ60と、複数の第2バスバー70と、を備える。本実施形態において第2バスバー70は、3つ設けられる。図1に示すように、ハウジング11は、モータ10の各部を収容する。ハウジング11は、中心軸Jを中心とする円筒状である。ハウジング11は、下側の底部にベアリング51を保持する。
ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、マグネット23と、を有する。シャフト21は、中心軸Jに沿って配置される。シャフト21は、ベアリング51,52によって回転可能に支持される。ロータコア22は、シャフト21の外周面に固定される円環状である。マグネット23は、ロータコア22の外周面に固定される。ベアリング51は、ロータコア22の下側においてシャフト21を回転可能に支持する。ベアリング52は、ロータコア22の上側においてシャフト21を回転可能に支持する。ベアリング51,52は、ボールベアリングである。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。ステータ30は、ロータ20の径方向外側においてロータ20を囲む。ステータ30は、ステータコア31と、複数のコイル34と、インシュレータ40と、を有する。すなわち、モータ10は、ステータコア31と、複数のコイル34と、インシュレータ40と、を備える。なお、図1においては、インシュレータ40は、簡略化して示す。ステータコア31は、コアバック32と、複数のティース33と、を有する。図2に示すように、コアバック32は、周方向に延びる。より詳細には、コアバック32は、中心軸Jを中心とする円筒状である。
図3に示すように、複数のティース33は、コアバック32から径方向に延びる。より詳細には、複数のティース33は、コアバック32の径方向内側面から径方向内側に延びる。複数のティース33は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。ティース33は、例えば、12個設けられる。
ティース33は、ティース本体33eと、アンブレラ部33fと、を有する。ティース本体33eは、コアバック32の径方向内側面から径方向内側に延びる部分である。アンブレラ部33fは、ティース本体33eの径方向内側の端部に繋がる。アンブレラ部33fは、ティース本体33eよりも周方向両側に突出する。
複数のコイル34は、インシュレータ40を介して複数のティース33にそれぞれ装着される。コイル34は、導線がインシュレータ40を介してティース33に巻き回されて構成される。コイル34は、例えば、12個設けられる。
図4に示すように、本実施形態においてコイル34は、角部が丸みを帯びた矩形枠状に導線が巻き回されて構成される。コイル34の外径は、コイル34を構成する導線のうち最外周に巻き回される最外周導線34eにおいて最大となる。最外周導線34eは、コイル34における径方向外側寄りに位置する部分である。最外周導線34eは、コイル34の径方向外側の端部よりも径方向内側に配置される。最外周導線34eは、角部が丸みを帯びた矩形枠状である。
各コイル34からはコイル引出線34a,34bが上側に引き出される。コイル引出線34a,34bは、コイル34から上側に延びる導線であり、コイル34を構成する導線の端部である。すなわち、複数のコイル34のそれぞれからは、各コイル34を構成する導線の両端部であるコイル引出線34aおよびコイル引出線34bが上側に延びる。コイル引出線34aは、コイル34を構成する導線の巻き始め側の端部である。コイル引出線34bは、コイル34を構成する導線の巻き終わり側の端部である。コイル引出線34aは、第2バスバー70に電気的に接続される。コイル引出線34bは、第1バスバー100に電気的に接続される。本実施形態においてコイル引出線34aは、第2導線に相当し、コイル引出線34bは、第1導線に相当する。
図3に示すように、各コイル34において、コイル引出線34aとコイル引出線34bとは、軸方向に沿って視て、ティース33の周方向両側にそれぞれ位置する。本実施形態において、各コイル引出線34aのそれぞれは、軸方向に沿って視て、各ティース33に
対して周方向の同じ側に位置する。各コイル引出線34bのそれぞれは、軸方向に沿って視て、各ティース33に対して周方向の同じ側に位置する。コイル引出線34aは、軸方向に沿って視て、ティース33の周方向他方側に位置する。コイル引出線34bは、軸方向に沿って視て、ティース33の周方向一方側に位置する。
各コイル34において、コイル引出線34aは、コイル34の径方向の中心よりも径方向内側に位置する。各コイル34において、コイル引出線34bは、コイル34の径方向の中心よりも径方向外側に位置する。すなわち、本実施形態において、各コイル引出線34aは、各コイル34の径方向の中心よりも径方向の同じ側に位置する。各コイル引出線34bは、各コイル34の径方向の中心よりも径方向の同じ側に位置する。
本実施形態においてコイル引出線34aは、コイル34の径方向内側の端部から上側に延びる。本実施形態においてコイル引出線34bは、コイル34の径方向外側の端部から上側に延びる。本実施形態の各コイル34において、コイル引出線34aとコイル引出線34bとは、軸方向に沿って視て、コイル34における周方向中心かつ径方向中心となる中心点に対して、略点対称に配置される。
図5に示すように、本実施形態においては、複数のコイル34を含むコイル群35が、複数構成される。本実施形態においてコイル群35は、4つ設けられる。各コイル群35は、3つのコイル34として、コイル34Uとコイル34Vとコイル34Wとをそれぞれ含む。各コイル群35のコイル34U,34V,34Wは、スター結線により接続される。
各コイル群35において、コイル34Uのコイル引出線34bとコイル34Vのコイル引出線34bとコイル34Wのコイル引出線34bとは、第1バスバー100に接続される。各コイル群35が接続される第1バスバー100は、それぞれ異なる。すなわち、本実施形態において複数の第1バスバー100には、それぞれ3本ずつコイル引出線34bが接続される。複数の第1バスバー100は、2本以上のコイル引出線34bを中性点として繋ぐ中性点バスバーである。
各コイル群35におけるコイル34Uのコイル引出線34aは、複数の第2バスバー70のうち第2バスバー70Uにそれぞれ接続される。各コイル群35におけるコイル34Vのコイル引出線34aは、複数の第2バスバー70のうち第2バスバー70Vにそれぞれ接続される。各コイル群35におけるコイル34Wのコイル引出線34aは、複数の第2バスバー70のうち第2バスバー70Wにそれぞれ接続される。すなわち、本実施形態において、3つの第2バスバー70である第2バスバー70U,70V,70Wには、それぞれ4本ずつコイル引出線34aが接続される。各コイル引出線34aは、各第2バスバー70U,70V,70Wを介して、制御装置80に接続される。そのため、コイル引出線34aを制御装置80に接続しやすい。本実施形態において制御装置80は、ステータ30に電力を供給する電源である。
各コイル34Uのコイル引出線34aには、制御装置80から第2バスバー70Uを介してU相の交流電流が供給される。各コイル34Vのコイル引出線34aには、制御装置80から第2バスバー70Vを介してV相の交流電流が供給される。各コイル34Wのコイル引出線34aには、制御装置80から第2バスバー70Wを介してW相の交流電流が供給される。このように、本実施形態のモータ10は、U相、V相、W相の交流電流が供給される3相モータである。
上述したように、本実施形態によれば、各コイル34のそれぞれから、コイル34を構成する導線の両端部であるコイル引出線34a,34bが延びる。そのため、各コイル3
4はそれぞれ1本の導線によって構成され、各コイル34同士を繋ぐ渡り線が設けられない。これにより、各コイル34を作りやすくできる。また、渡り線を這い回す必要もないため、複数のコイル34の配置も容易にできる。また、渡り線を絶縁する絶縁チューブ等を設ける必要もない。したがって、モータを製造する手間を低減できる。また、渡り線が設けられないため、各第2バスバー70U,70V,70Wから各コイル34までの電流が流れる経路長を一定にしやすい。これにより、各コイル34に生じる磁界を精度よく一定にしやすく、モータ10の磁気特性を向上できる。
また、コイル引出線34aとコイル引出線34bとは、軸方向に沿って視て、ティース33の周方向両側にそれぞれ位置する。そして、コイル引出線34aは、コイル34の径方向の中心よりも径方向内側に位置し、コイル引出線34bは、コイル34の径方向の中心よりも径方向外側に位置する。そのため、コイル引出線34aとコイル引出線34bとを互いに周方向および径方向に離して配置することができる。これにより、各コイル34のそれぞれからコイル引出線34aとコイル引出線34bとが上側に延びる場合であっても、コイル引出線34aとコイル引出線34bとが接触して短絡することを抑制できる。したがって、コイル34に正常に電流が流れなくなることを抑制でき、ロータ20の回転を阻害する向きに生じるトルクが増大することを抑制できる。そのため、モータ10の効率が低下することを抑制できる。
以上により、本実施形態によれば、モータ10を製造する手間を低減しつつ、コイル34間に短絡を生じにくくできる。なお、以下の説明においては、ロータ20の回転を阻害する向きに生じるトルクを「ブレーキトルク」と呼ぶ。
また、電源である制御装置80に接続されるコイル引出線34aと、中性点バスバーである第1バスバー100に接続されるコイル引出線34bと、が接触して短絡した場合、その他の短絡が生じた場合に比べて、ブレーキトルクが特に増大しやすい。そのため、本実施形態によれば、より好適にブレーキトルクが増大することを抑制できる。なお、その他の短絡とは、例えば、コイル引出線34a同士が接触して短絡する場合等である。
また、本実施形態によれば、コイル引出線34aは、コイル34の径方向内側の端部から延び、コイル引出線34bは、コイル34の径方向外側の端部から延びる。そのため、コイル引出線34aとコイル引出線34bとをより径方向に離して配置できる。これにより、コイル引出線34aとコイル引出線34bとが接触して短絡することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、コイル引出線34aのそれぞれは、軸方向に沿って視て、各ティース33に対して周方向の同じ側に位置し、かつ、コイル34の径方向の中心よりも径方向の同じ側に位置する。そのため、周方向に隣り合うコイル34同士において、コイル引出線34a同士を周方向に離して配置できる。これにより、周方向に隣り合うコイル34のコイル引出線34a同士が接触して短絡することを抑制できる。したがって、モータ10の効率が低下することをより抑制できる。また、このようにコイル引出線34aを配置すれば、コイル引出線34bも、軸方向に沿って視て、各ティース33に対して周方向の同じ側に位置し、かつ、コイル34の径方向の中心よりも径方向の同じ側に位置する。そのため、周方向に隣り合うコイル34のコイル引出線34b同士が接触して短絡することも抑制できる。したがって、モータ10の効率が低下することをより抑制できる。
また、例えば、中性点バスバーが1つのみ設けられ、各コイル群における各中性点が1つの中性点バスバーに接続される場合について考える。この場合、1つのコイル群において短絡が生じた場合であっても、他のすべてのコイル群が1つの中性点バスバーを介して繋がるため、他のコイル群のコイルにも正常に電流が流れなくなる場合がある。したがっ
て、短絡が生じた場合に、ブレーキトルクがより増大しやすい。
これに対して、本実施形態によれば、2本以上のコイル引出線34bを中性点として繋ぐ中性点バスバーである第1バスバー100が複数設けられる。これにより、複数のコイル群35における中性点の接続を、複数の第1バスバー100に分けることができる。したがって、第1バスバー100を介して互いに繋がらないコイル群35を少なくとも2つ設けることができる。そのため、1つのコイル群35において短絡が生じた場合に、他のコイル群35のコイル34に正常に電流が流れなくなることを抑制できる。これにより、仮に短絡が生じた場合であっても、ブレーキトルクの増大量を低減することができる。
本実施形態では、モータ10が3相モータであり、各第1バスバー100には、3本ずつコイル引出線34bが接続される。そのため、各コイル群35の中性点をそれぞれ別の第1バスバー100に接続することができる。これにより、各コイル群35同士が第1バスバー100を介して互いに繋がることがなく、1つのコイル群35で生じた短絡によって他のコイル群35に流れる電流が影響を受けることがない。したがって、仮に短絡が生じた場合であっても、ブレーキトルクの増大量をより低減することができる。
図2および図3に示すように、インシュレータ40は、ステータコア31に装着される。本実施形態においてインシュレータ40は、第1バスバー100を保持する保持部材である。インシュレータ40は、複数のインシュレータピース40Pを有する。複数のインシュレータピース40Pは、周方向に沿って配置されティース33のそれぞれに装着される。本実施形態において、複数のインシュレータピース40Pは、互いに別部材である。複数のインシュレータピース40Pの形状は、互いに同じである。図4に示すように、インシュレータピース40Pは、例えば、2つの別部材が軸方向に連結されて構成される。
インシュレータピース40Pは、筒部41と、内側突出部42と、導線保持部43と、外側突出部44と、バスバー保持部45と、押さえ部48と、を有する。すなわち、インシュレータ40は、筒部41と、内側突出部42と、導線保持部43と、外側突出部44と、バスバー保持部45と、押さえ部48と、を有する。
筒部41は、径方向に延びる筒状である。より詳細には、筒部41は、矩形筒状である。図6に示すように、筒部41には、ティース33が通される。筒部41の内部には、ティース本体33eが挿入される。筒部41の外周にはコイル34が巻き回される。これにより、筒部41には、コイル34が装着される。図4に示すように、内側突出部42は、筒部41の径方向内側の端部のうち上側の縁部から上側に突出する。内側突出部42は、アンブレラ部33fの上側に配置される。なお、筒部41は、ティース33の外周面の一部を覆わなくてもよい。この場合、例えば、インシュレータピース40Pを構成する2つの別部材同士の間に隙間が設けられ、その隙間を介してティース33の外周面が筒部41の外部に露出してもよい。
導線保持部43は、内側突出部42の周方向他方側の部分から上側に延びる。本実施形態では、導線保持部43は、内側突出部42の周方向他方側の端部から上側に延びる。これにより、導線保持部43は、内側突出部42を介して、筒部41の径方向内側の端部に繋がり、筒部41よりも上側に突出する。導線保持部43は、略四角柱状である。導線保持部43の周方向の寸法は、下側から上側に向かうに従って小さくなる。なお、導線保持部43は、内側突出部42の周方向一方側の部分から上側に延びてもよい。また、導線保持部43は、内側突出部42の周方向一方側の端部から上側に延びてもよい。
図7に示すように、導線保持部43は、保持溝部43aを有する。保持溝部43aは、導線保持部43における径方向外側の面から径方向内側に窪み、軸方向に延びる。保持溝
部43aには、コイル引出線34aが保持される。そのため、保持溝部43aによって、コイル引出線34aが周方向に移動することを抑制できる。これにより、周方向に隣り合うコイル34同士のコイル引出線34aが接触して短絡することをより抑制できる。
保持溝部43aは、第1開口部43bと、第2開口部43cと、を有する。第1開口部43bは、径方向外側に開口する。第1開口部43bは、軸方向に延びる。第1開口部43bは、軸方向に長い長方形状である。第1開口部43bの上側の端部は、第2開口部43cに繋がる。第2開口部43cは、保持溝部43aの上側の端部において、上側に開口する。すなわち、保持溝部43aの上側の端部は、開口する。第2開口部43cは、略円形状である。保持溝部43aの下側の端部は、閉塞される。
軸方向と直交する断面において、保持溝部43aの内縁は、円弧状である。保持溝部43aの内径は、第1開口部43bの開口幅よりも大きい。第1開口部43bの開口幅は、第1開口部43bが延びる軸方向および第1開口部43bが開口する径方向の両方と直交する方向における第1開口部43bの寸法である。第1開口部43bの開口幅は、コイル引出線34aを保持しない状態において、軸方向の全体に亘って均一であり、コイル引出線34aの外径よりも小さい。第2開口部43cの開口幅は、コイル引出線34aの外径よりも大きい。第2開口部43cの開口幅は、保持溝部43aの上側の端部における内径である。
図7および図8に示すように、保持溝部43aの底面のうち下側の部分は、下側に向かうに従って径方向外側に位置する傾斜部43dである。傾斜部43dの下側の端部は、導線保持部43の径方向外側の面に繋がる。
保持溝部43aに保持されるコイル引出線34aは、第1部分34cと、第2部分34dと、を有する。第1部分34cは、第1開口部43bの下側の部分に挿入される部分である。第2部分34dは、第1部分34cの先端側、すなわち上側に繋がる。第2部分34dは、保持溝部43aの内部を通って第2開口部43cから保持溝部43aの外部に突出する部分である。
上述したように、コイル引出線34aを保持しない状態において、第1開口部43bの開口幅はコイル引出線34aの外径よりも小さい。そのため、コイル引出線34aの第1部分34cが第1開口部43bに挿入されると、第1開口部43bの周方向両側の縁部43e,43fが部分的に弾性変形し、第1開口部43bの開口幅が部分的に広がる。これにより、第1開口部43bの周方向両側の縁部43e,43fは、弾性変形した状態で第1部分34cと接触し、第1部分34cを挟む。したがって、保持溝部43aにコイル引出線34aを強固に固定できる。
一方、第2開口部43cの開口幅は、コイル引出線34aの外径よりも大きい。そのため、第2開口部43cを通る第2部分34dと第2開口部43cの内縁との間には、隙間が設けられる。これにより、コイル引出線34aを保持溝部43aに沿って上側に案内して、コイル引出線34aの位置決めをしつつも、第2開口部43cの内縁とコイル引出線34aとの隙間の分だけコイル引出線34aの位置を微調整できる。したがって、コイル引出線34aを他の部材に対して接続しやすい。本実施形態において他の部材とは、第2バスバー70である。
また、第1開口部43bの開口幅は、第1部分34cが挿入される部分およびその近傍においては広げられて第1部分34cの外径と同じとなるが、その他の部分においては第1部分34cの外径よりも小さい。これにより、保持溝部43aの上側の端部において、第1開口部43bの開口幅は、コイル引出線34aの外径よりも小さい。そのため、保持
溝部43aに収容された第2部分34dが、第1開口部43bから保持溝部43aの外部に抜け出ることを抑制できる。
また、第1開口部43bの上側の端部は、第2開口部43cと繋がる。そのため、コイル引出線34aを保持溝部43aに保持させる作業者等は、導線保持部43の径方向内側において導線保持部43よりも上側に延びるコイル引出線34aを、径方向内側に倒して第1開口部43bから保持溝部43aに押し込むことで、コイル引出線34aを容易に保持溝部43aに保持させることができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、容易かつ強固にコイル引出線34aを保持させることができ、かつ、コイル引出線34aの位置を微調整可能な構造を有するモータ10が得られる。なお、本明細書において「作業者等」とは、対象となる作業を行う作業者および対象となる作業を行う装置等を含む。
また、本実施形態によれば、保持溝部43aの底面のうち下側の部分は、下側に向かうに従って径方向外側に位置する傾斜部43dである。そのため、図8に示すように、コイル引出線34aを傾斜部43dに沿わせることができる。これにより、コイル引出線34aを保持溝部43aに保持させる際に、コイル引出線34aを大きく曲げる必要がなく、コイル引出線34aを保持溝部43aに保持させやすい。
また、本実施形態によれば、軸方向と直交する断面において、保持溝部43aの内縁は、円弧状である。そのため、保持溝部43aの内側面を、保持溝部43aの内部に収容される第2部分34dの外周面に沿わせることができる。したがって、第2部分34dを保持溝部43aの内部に安定して保持でき、コイル引出線34aを精度よく位置決めしやすい。
図4に示すように、外側突出部44は、筒部41の径方向外側の端部のうち上側の縁部から上側に突出する。外側突出部44は、筒部41よりも周方向一方側に延びる。より詳細には、外側突出部44は、筒部41よりも周方向両側に延びる。本実施形態において外側突出部44は、筒部41の径方向外側の端部の全周から筒部41の外側に延びるフランジ部分の一部である。本実施形態において外側突出部44は、軸方向突出部に相当する。
バスバー保持部45は、基部45aと、支持部45b,45cと、一対の壁部46a,46bと、一対の壁部47a,47bと、を有する。すなわち、インシュレータ40は、基部45aと、支持部45b,45cと、一対の壁部46a,46bと、一対の壁部47a,47bと、を有する。基部45aは、外側突出部44から上側に突出する。基部45aは、周方向に延びる略直方体状である。基部45aの周方向の中心は、筒部41の周方向の中心よりも周方向他方側寄りに配置される。
支持部45bは、基部45aの上端部のうち周方向一方側の部分から上側に突出する。図9に示すように、支持部45bは、筒部41の周方向の中心よりも周方向一方側に配置される。支持部45bは、軸方向と直交する方向に直線状に延びる。支持部45bの延びる方向は、周方向一方側に向かうに従って、インシュレータピース40Pが装着されたティース33の延びる径方向において内側に位置する方向である。支持部45bが延びる方向と平行な方向を「第1延伸方向」と呼ぶ。
支持部45bは、基部45aの上端部のうち周方向一方側寄りの部分から周方向一方側の端部まで延びる。図10に示すように、支持部45bの第1延伸方向と直交する断面形状は、上底が下底よりも小さい略台形状である。第1延伸方向と直交する方向において、支持部45bの上端部における両側の縁部は、丸みを帯びる。支持部45bは、後述する
第1バスバー本体100aを下側から支持する。
図4に示すように、支持部45cは、基部45aの上端部のうち周方向他方側の部分から上側に突出する。図9に示すように、支持部45cは、筒部41の周方向の中心よりも周方向他方側に配置される。支持部45cは、軸方向と直交する方向のうち支持部45bの第1延伸方向と交差する方向に直線状に延びる。支持部45cの延びる方向は、周方向他方側に向かうに従って、インシュレータピース40Pが装着されたティース33の延びる径方向において内側に位置する方向である。支持部45cが延びる方向と平行な方向を「第2延伸方向」と呼ぶ。
支持部45cは、基部45aの上端部のうち周方向の中央部分から周方向他方側の端部まで延びる。図示は省略するが、支持部45cの第2延伸方向と直交する断面形状は、例えば、支持部45bと同様である。支持部45cは、後述する第1バスバー本体100aを下側から支持する。支持部45cの延びる長さは、支持部45bの延びる長さよりも大きい。
図4に示すように、壁部46aは、基部45aの上端部のうち周方向一方側の部分における径方向内縁部から上側に突出する。壁部46bは、基部45aの上端部のうち周方向一方側の部分における径方向外縁部から上側に突出する。壁部46aは、支持部45bの径方向内側に配置される。壁部46bは、支持部45bの径方向外側に配置される。一対の壁部46a,46bは、第1延伸方向に延びる。図9に示すように、壁部46aの延びる長さおよび壁部46bの延びる長さは、支持部45bの延びる長さとほぼ同じである。
一対の壁部46a,46bは、軸方向と直交し第1延伸方向と交差する方向に並んで配置される。一対の壁部46a,46bが並ぶ方向を、第1挟持方向とする。本実施形態において第1挟持方向は、軸方向および第1延伸方向の両方と直交する方向である。一対の壁部46a,46bは、第1挟持方向に支持部45bを挟む。すなわち、支持部45bは、一対の壁部46a,46b同士の間に配置される。壁部46aにおける支持部45b側の壁面46cは、第1延伸方向に延びる。壁部46bにおける支持部45b側の壁面46dは、第1延伸方向に延びる。壁面46cと壁面46dとは、互いに隙間を介して対向する。すなわち、一対の壁部46a,46bは、互いに隙間を介して対向し第1延伸方向に延びる壁面46c,46dを有する。
図10に示すように、壁面46cの上側の部分と壁面46dの上側の部分との間の距離L2は、壁面46cの下側の部分と壁面46dの下側の部分との間の距離L1よりも大きい。したがって、一対の壁部46a,46b同士の間の距離は、上側の部分において大きくなる。
図4に示すように、壁部47aは、基部45aの上端部のうち周方向他方側の部分における径方向内縁部から上側に突出する。壁部47aは、支持部45cのうち周方向一方側の部分の径方向内側に配置される。支持部45cのうち周方向他方側の部分の径方向内側には、壁部47aが配置されない。壁部47bは、基部45aの上端部のうち周方向他方側の部分における径方向外縁部から上側に突出する。壁部47bは、支持部45cの径方向外側に配置される。
一対の壁部47a,47bは、第2延伸方向に延びる。図9に示すように、壁部47aの延びる長さは、支持部45cの延びる長さよりも小さい。壁部47bが延びる長さは、壁部46a,46b,47aが延びる長さよりも大きい。壁部47bが延びる長さは、支持部45cが延びる長さとほぼ同じである。壁部47aは、周方向において対称である点を除いて、壁部46aの形状とほぼ同じ形状である。
一対の壁部47a,47bは、軸方向と直交し第2延伸方向と交差する方向に並んで配置される。一対の壁部47a,47bが並ぶ方向を、第2挟持方向とする。本実施形態にいて第2挟持方向は、軸方向および第2延伸方向の両方と直交する方向である。一対の壁部47a,47bは、第2挟持方向に支持部45cを挟む。すなわち、支持部45cは、一対の壁部47a,47b同士の間に配置される。壁部47aにおける支持部45c側の壁面47cは、第2延伸方向に延びる。壁部47bにおける支持部45c側の壁面47dは、第2延伸方向に延びる。壁面47cと壁面47dとは、互いに隙間を介して対向する。すなわち、一対の壁部47a,47bは、互いに隙間を介して対向し第2延伸方向に延びる壁面47c,47dを有する。図示は省略するが、一対の壁部47a,47b同士の間の距離は、壁部46a,46bと同様に、上側の部分において大きくなる。
1つのインシュレータピース40Pにおいて、壁部46a,46bと壁部47a,47bとの間には、空間部G1が設けられる。支持部45bと支持部45cとは、空間部G1を介して周方向に離れて配置される。壁部46a,46bと壁部47a,47bとは、空間部G1を介して周方向に離れて配置される。本実施形態において空間部G1は、支持部45bと支持部45cとの周方向の間の空間、および壁部46a,46bと壁部47a,47bとの周方向の間の空間を含む。空間部G1は、バスバー保持部45を径方向に貫通する。空間部G1は、上側および径方向両側に開放される。空間部G1は、筒部41の周方向の中央と同じ周方向位置に配置される。
図3に示すように、支持部45bおよび一対の壁部46a,46bが延びる第1延伸方向は、周方向一方側に隣り合うインシュレータピース40Pにおける支持部45cおよび一対の壁部47a,47bが延びる第2延伸方向と平行である。支持部45bおよび一対の壁部46a,46bの延長線上に、周方向一方側に隣り合うインシュレータピース40Pにおける支持部45cおよび一対の壁部47a,47bが配置される。
周方向に隣り合う一対のインシュレータピース40Pにおいて、周方向一方側に配置されるインシュレータピース40Pにおける壁部47a,47bと、周方向他方側に配置されるインシュレータピース40Pにおける壁部46a,46bとの間には、空間部G2が設けられる。周方向一方側に配置されるインシュレータピース40Pにおける壁部47a,47bと、周方向他方側に配置されるインシュレータピース40Pにおける壁部46a,46bとは、空間部G2を介して周方向に離れて配置される。
図4に示すように、空間部G2は、周方向に隣り合う一対のインシュレータピース40Pにおけるバスバー保持部45同士の周方向の間の空間を含む。空間部G2は、上側および径方向両側に開放される。空間部G2の周方向の寸法は、空間部G1の周方向の寸法よりも大きい。
図11に示すように、支持部45bと支持部45cとが空間部G1を介して周方向に離れて配置されるため、支持部45bと支持部45cとの間には、下側に窪む凹部45dが設けられる。すなわち、インシュレータ40は、凹部45dを有する。凹部45dは、径方向両側に開口する。凹部45dの内部は、例えば、空間部G1に含まれる。
図9に示すように、バスバー保持部45は、溝部45e,45f,45g,45hを有する。すなわち、インシュレータ40は、溝部45e,45f,45g,45hを有する。図10に示すように、溝部45eは、壁部46aと支持部45bとの間において下側に窪む。溝部45fは、壁部46bと支持部45bとの間において下側に窪む。図9に示すように、溝部45e,45fは、第1延伸方向に延びる。溝部45e,45fの第1延伸方向の両端は、開口する。溝部45gは、壁部47aと支持部45cとの間において下側
に窪む。溝部45hは、壁部47bと支持部45cとの間において下側に窪む。溝部45g,45hは、第2延伸方向に延びる。溝部45g,45hの第2延伸方向の両端は、開口する。
押さえ部48は、外側突出部44から径方向内側に突出する。より詳細には、押さえ部48は、外側突出部44の周方向一方側の端部から径方向内側に突出する。押さえ部48は、筒部41よりも周方向一方側に配置される。押さえ部48は、コイル引出線34bを押さえる部分である。
コイル引出線34bは、軸方向に沿って視て、押さえ部48の周方向他方側において、押さえ部48とコイル34との間に配置される。そのため、コイル引出線34bを押さえ部48とコイル34との間に挟みやすく、コイル引出線34bがコイル34からばらけて移動することを抑制できる。これにより、コイル34を構成する導線のうち巻き終わり側の端部であるコイル引出線34bを、第1バスバー100に接続しやすい。また、コイル34を利用してコイル引出線34bを押さえることができるため、押さえ部48の形状を簡単化しやすい。これにより、インシュレータ40の構造を簡単化でき、モータ10の製造コストを低減できる。以上により、本実施形態によれば、簡単な構造で、かつ、巻き終わり側のコイル引出線34bが移動することを抑制できるインシュレータ40を備えるモータ10が得られる。
本実施形態では、コイル引出線34bは、最外周導線34eと外側突出部44との径方向の間に配置される。軸方向に沿って視て、最外周導線34eの周方向一方側の端部と押さえ部48との間の距離は、コイル引出線34bの外径よりも小さい。そのため、コイル引出線34bが最外周導線34eと押さえ部48との間から周方向一方側に抜け出ることを抑制できる。したがって、コイル引出線34bがコイル34からばらけて移動することをより抑制できる。
図4に示すように、押さえ部48は、軸方向に延びる。これにより、コイル引出線34bのうち押さえ部48によって支持される部分の軸方向の寸法を大きくできる。したがって、押さえ部48によって、コイル引出線34bが移動することをより抑制できる。また、押さえ部48に沿ってコイル引出線34bを上側に案内でき、コイル引出線34bを精度よく位置決めしやすい。
押さえ部48の下側の端部は、最外周導線34eの上側の角部34fよりも下側に配置される。最外周導線34eにおける角部34fよりも下側の部分は、軸方向に延びる部分であり、最外周導線34eの周方向一方側の端部である。そのため、押さえ部48を角部34fよりも下側に延ばすことで、最外周導線34eの周方向一方側の端部と押さえ部48の一部とを、軸方向と直交する方向に対向させることができる。これにより、コイル引出線34bが、最外周導線34eの周方向一方側の端部と押さえ部48との間から周方向一方側に抜け出ることをより確実に抑制できる。
図6に示すように、押さえ部48の下側の端部は、ティース33の上側の面と軸方向において同じ位置、またはティース33の上側の面よりも上側に配置される。そのため、押さえ部48が下側に延び過ぎることを抑制できる。これにより、導線を巻き回してコイル34を作製する際に、導線が押さえ部48に干渉することを抑制できる。したがって、コイル34を作製しやすい。本実施形態において押さえ部48の下側の端部は、ティース33の上側の面と軸方向において同じ位置に配置される。
押さえ部48の上側の端部は、コイル34よりも上側に配置される。そのため、押さえ部48の軸方向の寸法を大きくでき、コイル引出線34bのうち押さえ部48によって支
持される部分の軸方向の寸法をより大きくできる。したがって、押さえ部48によって、コイル引出線34bが移動することをより抑制できる。また、押さえ部48に沿ってコイル引出線34bをより上側に案内しやすく、コイル引出線34bをより精度よく位置決めしやすい。
図2に示すように、複数の第1バスバー100は、ステータ30の上側において、ステータ30と電気的に接続される。第1バスバー100は、板面が軸方向と直交する板状である。そのため、第1バスバー100の軸方向の寸法を小さくでき、モータ10を軸方向に小型化しやすい。第1バスバー100は、軸方向と直交する平面に沿って延びる。各第1バスバー100の形状は、互いに同じである。
なお、本明細書において、第1バスバーにおける各部分において、各部分の厚さ方向および各部分が延びる方向の両方と直交する方向を、各部分の「幅方向」と呼ぶ。本実施形態では、第1バスバーにおける幅方向は、軸方向と直交する方向である。
図3に示すように、1つの第1バスバー100は、周方向に隣り合う4つのインシュレータピース40Pによって下側から支持される。第1バスバー100を支持する4つのインシュレータピース40Pを、周方向一方側から周方向他方側に向かって順に、それぞれ、第1インシュレータピース40P1、第2インシュレータピース40P2、第3インシュレータピース40P3、第4インシュレータピース40P4とする。すなわち、複数のインシュレータピース40Pは、周方向に隣り合って配置されるインシュレータピース40Pとして、第1インシュレータピース40P1、第2インシュレータピース40P2、第3インシュレータピース40P3、および第4インシュレータピース40P4を含む。
第1バスバー100は、第1バスバー本体100aと、コイル接続部121,122,123と、を有する。第1バスバー本体100aは、軸方向と直交する平面に沿って延びる。本実施形態において第1バスバー本体100aは、周方向に沿った折れ線状に延びる。本明細書において「周方向に沿った折れ線状」とは、例えば、中心軸Jを中心とする仮想円に内接する多角形の辺に沿った形状を含む。本実施形態において第1バスバー本体100aは、中心軸Jを中心とする仮想円に内接する12角形のうち、隣り合う3辺に沿った形状である。
第1バスバー本体100aは、コイル34よりも径方向外側においてインシュレータ40に支持される。第1バスバー本体100aは、バスバー保持部45に保持される。第1バスバー本体100aは、第1延伸部101と、第2延伸部102と、第3延伸部103と、を有する。
第1延伸部101は、第1インシュレータピース40P1と第2インシュレータピース40P2とに跨って保持される。第1延伸部101は、第1インシュレータピース40P1の支持部45cと、第2インシュレータピース40P2の支持部45bとによって、下側から支持される。これにより、第1延伸部101は、第1インシュレータピース40P1の支持部45cから第2インシュレータピース40P2の支持部45bに架け渡される。すなわち、第1バスバー本体100aは、第1インシュレータピース40P1の支持部45cから第2インシュレータピース40P2の支持部45bに架け渡される。
第1延伸部101は、軸方向と直交する第1方向D1に延びる。本実施形態において第1方向D1は、第1インシュレータピース40P1における第2延伸方向であり、第2インシュレータピース40P2における第1延伸方向である。
第1延伸部101の第1方向D1の一端部は、第1インシュレータピース40P1にお
ける一対の壁部47a,47b同士の間に配置される。第1延伸部101の第1方向D1の一端部は、第1インシュレータピース40P1における一対の壁部47a,47bによって、軸方向と直交し第1方向D1と交差する方向である第1直交方向に挟まれる。本実施形態において第1直交方向は、第1インシュレータピース40P1における第2挟持方向であり、第2インシュレータピース40P2における第1挟持方向である。すなわち、本実施形態において第1直交方向は、軸方向および第1方向D1の両方と直交する。第1延伸部101の第1方向D1の一端部は、第1延伸部101の周方向一方側の端部であり、第1バスバー本体100aの周方向一方側の端部である。
第1延伸部101の第1方向D1の一端部は、第1直交方向の寸法が大きくなる拡幅部101aである。そのため、一対の壁部47a,47b同士の間において、第1延伸部101と一対の壁部47a,47bとの隙間を小さくできる。これにより、第1バスバー100をより安定してインシュレータ40に保持できる。第1延伸部101の第1方向D1の一端部の端面は、第1インシュレータピース40P1の空間部G1に露出する。
第1延伸部101の第1方向D1の他端部には、第2延伸部102が繋がる。すなわち、拡幅部101aである第1延伸部101の第1方向D1の一端部は、第1延伸部101における第2延伸部102と繋がる側と逆側の端部である。第1延伸部101の第1方向D1の他端部は、第2インシュレータピース40P2における一対の壁部46a,46b同士の間に配置される。第1延伸部101の第1方向D1の他端部は、第1延伸部101の周方向他方側の端部である。
以上のように、第1延伸部101は、第1直交方向において、第1インシュレータピース40P1における一対の壁部47a,47bに挟まれるとともに、第2インシュレータピース40P2における一対の壁部46a,46bに挟まれる。
第2延伸部102は、第2インシュレータピース40P2と第3インシュレータピース40P3とに跨って保持される。第2延伸部102は、第2インシュレータピース40P2の支持部45cと、第3インシュレータピース40P3の支持部45bとによって、下側から支持される。これにより、第2延伸部102は、第2インシュレータピース40P2の支持部45cから第3インシュレータピース40P3の支持部45bに架け渡される。すなわち、第1バスバー本体100aは、第2インシュレータピース40P2の支持部45cから第3インシュレータピース40P3の支持部45bに架け渡される。
第2延伸部102は、第1延伸部101の第1方向D1の他端部から、軸方向と直交し第1方向D1と交差する第2方向D2に延びる。本実施形態において第2方向D2は、第2インシュレータピース40P2における第2延伸方向であり、第3インシュレータピース40P3における第1延伸方向である。
第2延伸部102の第2方向D2の一端部は、第2インシュレータピース40P2における一対の壁部47a,47b同士の間に配置される。第2延伸部102の第2方向D2の一端部は、第2インシュレータピース40P2における一対の壁部47a,47bによって、軸方向と直交し第2方向D2と交差する方向である第2直交方向に挟まれる。本実施形態において第2直交方向は、第2インシュレータピース40P2における第2挟持方向であり、第3インシュレータピース40P3における第1挟持方向である。すなわち、本実施形態において第2直交方向は、軸方向および第2方向D2の両方と直交する。第2延伸部102の第2方向D2の一端部は、第2延伸部102の周方向一方側の端部である。第2延伸部102の第2方向D2の他端部には、第3延伸部103が繋がる。第2延伸部102の第2方向D2の他端部は、第3インシュレータピース40P3における一対の壁部46a,46b同士の間に配置される。第2延伸部102の第2方向D2の他端部は
、第2延伸部102の周方向他方側の端部である。
以上のように、第2延伸部102は、第2直交方向において、第2インシュレータピース40P2における一対の壁部47a,47bに挟まれるとともに、第3インシュレータピース40P3における一対の壁部46a,46bに挟まれる。
第3延伸部103は、第3インシュレータピース40P3と第4インシュレータピース40P4とに跨って保持される。第3延伸部103は、第3インシュレータピース40P3の支持部45cと、第4インシュレータピース40P4の支持部45bとによって、下側から支持される。これにより、第3延伸部103は、第3インシュレータピース40P3の支持部45cから第4インシュレータピース40P4の支持部45bに架け渡される。すなわち、第1バスバー本体100aは、第3インシュレータピース40P3の支持部45cから第4インシュレータピース40P4の支持部45bに架け渡される。
第3延伸部103は、第2延伸部102の第2方向D2の他端部から、軸方向と直交し第2方向D2と交差する第3方向D3に延びる。本実施形態において第3方向D3は、第3インシュレータピース40P3における第2延伸方向であり、第4インシュレータピース40P4における第1延伸方向である。第3方向D3は、第1方向D1と交差する方向である。
第3延伸部103の第3方向D3の一端部は、第3インシュレータピース40P3における一対の壁部47a,47b同士の間に配置される。第3延伸部103の第3方向D3の一端部は、第3インシュレータピース40P3における一対の壁部47a,47bによって、軸方向と直交し第3方向D3と交差する方向である第3直交方向に挟まれる。本実施形態において第3直交方向は、第3インシュレータピース40P3における第2挟持方向であり、第4インシュレータピース40P4における第1挟持方向である。すなわち、本実施形態において第3直交方向は、軸方向および第3方向D3の両方と直交する。第3延伸部103の第3方向D3の一端部は、第3延伸部103の周方向一方側の端部である。第3延伸部103の第3方向D3の他端部は、第4インシュレータピース40P4における一対の壁部46a,46b同士の間に配置される。第3延伸部103の第3方向D3の他端部は、第3延伸部103の周方向他方側の端部であり、第1バスバー本体100aの周方向他方側の端部である。
以上のように、第3延伸部103は、第3直交方向において、第3インシュレータピース40P3における一対の壁部47a,47bに挟まれるとともに、第4インシュレータピース40P4における一対の壁部46a,46bに挟まれる。
第3延伸部103の第3方向D3の他端部は、第3直交方向の寸法が大きくなる拡幅部103aである。そのため、一対の壁部46a,46b同士の間において、第3延伸部103と一対の壁部46a,46bとの隙間を小さくできる。これにより、第1バスバー100をより安定してインシュレータ40に保持できる。第3延伸部103の第3方向D3の他端部の端面は、第4インシュレータピース40P4の空間部G1に露出する。
各延伸部は、一対の壁部同士の間において、各壁部の壁面に沿って位置決めされる。これにより、第1バスバー100が位置決めされてインシュレータ40に保持される。
第1延伸部101と第2延伸部102とが接続された角部である第1角部111は、第2インシュレータピース40P2の空間部G1に配置される。第1角部111の幅方向両側には壁部が設けられず、第1角部111は、壁部に挟まれない。
例えば、第1角部の幅方向両側に一対の壁部が設けられる場合、一対の壁部は第1角部に沿って屈曲して延びる。この場合、一対の壁部における屈曲する角部同士の間に、第1角部が嵌め込まれる。しかし、第1延伸部の長さ、あるいは第2延伸部の長さに誤差が生じる等によって第1バスバーの寸法に誤差が生じると、一対の壁部における屈曲する角部に対して第1角部の位置がずれて、壁部同士の間に第1角部を嵌め込めない場合がある。したがって、第1バスバーを一対の壁部同士の間に配置できない場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、第1角部111は、空間部G1に配置される。そのため、第1バスバー100の寸法に誤差が生じた場合であっても、第1角部111は、空間部G1の幅の分だけ位置ずれが許容される。これにより、寸法誤差により第1角部111の位置がずれても、第1バスバー100を各壁部同士の間に配置できる。したがって、第1バスバー100を配置しやすくでき、モータ10の組み立て性を向上できる。以上により、本実施形態によれば、組み立て性を向上できる構造を有するモータ10が得られる。
また、本実施形態によれば、第1バスバー100を保持する保持部材は、インシュレータ40である。そのため、第1バスバー100を保持する保持部材を別途設けることなく、インシュレータ40を利用して第1バスバー100を保持できる。したがって、モータ10の部品点数を少なくでき、組み立て性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1バスバー本体100aは、コイル34よりも径方向外側においてインシュレータ40に支持される。そのため、例えば第1バスバー本体100aがコイル34よりも径方向内側においてインシュレータ40に支持される場合に比べて、インシュレータ40における第1バスバー本体100aを保持する領域を大きく確保しやすい。したがって、インシュレータ40に第1バスバー100を保持させやすい。また、第1バスバー本体100aは、周方向に沿った折れ線状に延びる。そのため、インシュレータ40のコイル34よりも径方向外側の部分に、第1バスバー本体100aを配置しやすい。
第1角部111は、軸方向に沿って視て、第2インシュレータピース40P2と重なる位置に配置される。そのため、第1角部111の近傍を第2インシュレータピース40P2によって支持しやすい。これにより、第1バスバー100を安定してインシュレータ40に保持させることができる。
図11に示すように、第1角部111の頂点は、径方向外側を向く。第1角部111の径方向両側には、インシュレータ40の部分が配置されない。インシュレータ40を径方向外側から視て、第1角部111は、インシュレータ40の外部に露出する。インシュレータ40を径方向内側から視て、第1角部111は、インシュレータ40の外部に露出する。第1角部111は、軸方向に沿って視て、凹部45dと重なる。
例えば、直線状に延びる板部材を折り曲げて第1バスバー100を作製する場合、折り曲げられる第1角部111には撓みが生じ、第1角部111の一部が軸方向に座屈する場合がある。そのため、第1角部111を下側から支持する場合、座屈した部分によって、第1角部111が浮き上がる場合がある。これにより、第1バスバーが浮き上がり、第1バスバーを精度よく配置できない場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、第1角部111の一部が座屈した場合であっても、座屈した部分を凹部45dによって逃がすことができる。そのため、第1バスバー100が浮き上がることを抑制できる。したがって、第1バスバー100を精度よく配置できる。
図3に示すように、第2延伸部102と第3延伸部103とが接続された角部である第2角部112は、第3インシュレータピース40P3の空間部G1に配置される。第2角部112の幅方向両側には壁部が設けられず、第2角部112は、壁部に挟まれない。
このように、本実施形態では、1つの第1バスバー本体100aに、2つの角部として第1角部111と第2角部112とが設けられる。この場合において、例えば各角部の幅方向両側に一対の壁部が設けられる場合には、各角部の両方を一対の壁部における屈曲する角部のそれぞれに合わせる必要がある。そのため、第1バスバーの寸法に誤差が生じた場合、第1バスバーをより壁部同士の間に嵌め込めない場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、第1角部111と第2角部112とは、それぞれ空間部G1に配置されるため、第1角部111および第2角部112の位置ずれが許容される。これにより、寸法誤差により第1角部111の位置および第2角部112の位置がそれぞれずれても、第1バスバー100を各壁部同士の間に配置できる。したがって、本実施形態における第1バスバー100を各壁部同士の間に配置しやすくできる効果は、1つの第1バスバー本体100aに角部が2つ以上設けられる場合に、特に有用に得られる。
また、本実施形態によれば、上述したように一対の壁部46a,46b同士の間の距離および一対の壁部47a,47b同士の間の距離は、上側の部分において大きくなる。そのため、第1バスバー本体100aにおける各延伸部を、各壁部同士の間に上側から挿入しやすく、嵌め込みやすい。したがって、本実施形態によれば、第1バスバー100をより配置しやすくでき、モータ10の組み立て性をより向上できる。
第1バスバー本体100aは、中間部101b,102b,103bを有する。中間部101b,102b,103bは、空間部G2に配置される。中間部101bは、第1延伸部101の一部であり、第1バスバー本体100aのうち、第1インシュレータピース40P1の支持部45cに支持される部分と、第2インシュレータピース40P2の支持部45bに支持される部分との間に位置する部分である。
中間部102bは、第2延伸部102の一部であり、第1バスバー本体100aのうち、第2インシュレータピース40P2の支持部45cに支持される部分と、第3インシュレータピース40P3の支持部45bに支持される部分との間に位置する部分である。
中間部103bは、第3延伸部103の一部であり、第1バスバー本体100aのうち、第3インシュレータピース40P3の支持部45cに支持される部分と、第4インシュレータピース40P4の支持部45bに支持される部分との間に位置する部分である。
中間部101b,102b,103bの径方向両側には、インシュレータ40の部分が配置されない。インシュレータ40を径方向外側から視て、中間部101b,102b,103bは、インシュレータ40の外部に露出する。インシュレータ40を径方向内側から視て、中間部101b,102b,103bは、インシュレータ40の外部に露出する。
コイル接続部121,122,123は、第1バスバー本体100aから延びる。コイル接続部121は、中間部101bに繋がる。コイル接続部122は、中間部102bに繋がる。コイル接続部123は、中間部103bに繋がる。コイル接続部121は、中間部101bの第1方向D1の中央から径方向内側に突出し、周方向他方側に湾曲するフック状である。
中間部101bとコイル接続部121との間には、コイル引出線34bが挟まれる。すなわち、第1バスバー本体100aとコイル接続部121との間には、コイル引出線34bが挟まれる。図示は省略するが、コイル接続部122は、径方向外側にカシメられ、中間部101bとの間でコイル引出線34bを把持する。中間部101bおよびコイル接続部121は、例えば溶接によりコイル引出線34bと固定される。これにより、コイル引出線34bは、第1バスバー本体100aとコイル接続部121とに接続される。コイル接続部122およびコイル接続部123は、繋がる中間部が異なる点を除いて、コイル接続部121と同様である。
本実施形態によれば、コイル接続部121,122,123は、第1バスバー本体100aから径方向内側に突出し、周方向に曲がるフック状である。そのため、第1バスバー本体100aとコイル接続部121,122,123との径方向の間に挟まれたコイル引出線34bが、周方向において、コイル接続部121,122,123に引っ掛けられる。これにより、コイル引出線34bが周方向に移動することを抑制できる。したがって、周方向に隣り合うコイル34同士のコイル引出線34bが接触して短絡することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、コイル引出線34bは、コイル34を構成する導線の巻き終わり側の端部であり、かつ、軸方向に沿って視て、ティース33の周方向一方側に位置する。そして、コイル接続部121,122,123は、第1バスバー本体100aのうちコイル引出線34bよりも周方向一方側の部分から径方向内側に突出し、周方向他方側に曲がる。そのため、コイル接続部121,122,123によって、巻終わり側の端部であるコイル引出線34bがばらけて周方向一方側に移動することを抑制できる。これにより、周方向に隣り合うコイル34同士のコイル引出線34bが接触して短絡することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、中間部101b,102b,103bが空間部G2に配置され、コイル接続部121,122,123が中間部101b,102b,103bに繋がる。そのため、コイル接続部121,122,123をカシメる作業と、コイル接続部121,122,123および第1バスバー本体100aとコイル引出線34bとを溶接する作業とにおいて、作業するための空間を空間部G2によって確保できる。これにより、各作業を行いやすい。また、溶接する作業を行う際に、第1バスバー本体100aを保持するインシュレータ40が熱により損傷することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、コイル接続部121,122,123とコイル引出線34bとを接続しやすく、かつ、インシュレータ40が損傷することを抑制できる構造を有するモータ10が得られる。
また、本実施形態によれば、コイル接続部121,122,123は、第1バスバー本体100aの径方向内側の縁部に繋がる。これにより、上述したように第1バスバー本体100aがコイル34よりも径方向外側においてインシュレータ40に保持される場合に、コイル引出線34bをコイル接続部121,122,123に接続しやすい。
また、本実施形態によれば、中間部101b,102b,103bは、各支持部間に架け渡された各延伸部における中間の部分である。そのため、中間部101b,102b,103bは、インシュレータ40から上側に離れて配置される。これにより、上述したカシメる作業および溶接する作業をより行いやすい。また、溶接による熱が第1バスバー本体100aからインシュレータ40に伝達されることをより抑制でき、インシュレータ40が損傷することをより抑制できる。
図1に示すように、ベアリングホルダ50は、ステータ30の上側に配置される。ベアリングホルダ50は、中心軸Jを中心とする円環状である。ベアリングホルダ50の外周面は、ハウジング11の内周面に固定される。ベアリングホルダ50の内周面には、ベアリング52が保持される。ベアリングホルダ50は、ベアリングホルダ50を軸方向に貫通する貫通孔50aを有する。貫通孔50aには、コイル引出線34aが通される。
バスバーホルダ60は、ベアリングホルダ50の上側に配置される。バスバーホルダ60は、バスバーホルダ60を軸方向に貫通する貫通孔61を有する。第2バスバー70は、第2バスバー本体71と、接続端子72と、把持部73と、を有する。第2バスバー本体71は、バスバーホルダ60に埋め込まれる。把持部73は、貫通孔61の内部に突出し、コイル引出線34aを把持する。接続端子72は、制御装置80に接続される。
制御装置80は、バスバーユニット90の上側に配置される。制御装置80は、接続端子72を介して、第2バスバー70と電気的に接続される。上述したように、制御装置80は、第2バスバー70を介してステータ30に電力を供給する電源である。制御装置80は、ステータ30に供給される電力を制御するインバータ回路が設けられた基板等を有する。
本発明は上述の実施形態に限られず、以下の他の構成を採用することもできる。第1バスバーの数は、2つ以上であれば、特に限定されない。例えば、1つの第1バスバーに複数のコイル群の中性点が接続されてもよい。上述した実施形態の例では、第1バスバー100が2つ設けられ、1つの第1バスバー100に2つずつコイル群35が接続されてもよい。各第1バスバーに接続される第1導線の数は、互いに異なってもよい。
第1導線と第2導線とは、コイルの径方向の中心よりも径方向両側にそれぞれ位置するならば、コイルの径方向端部から延びなくてもよい。第1導線がコイルの径方向の中心よりも径方向内側に位置し、第2導線がコイルの径方向の中心よりも径方向外側に位置してもよい。周方向に隣り合うコイル同士において、各第2導線のそれぞれは、軸方向に沿って視て、各ティースに対して周方向の異なる側に位置してもよい。周方向に隣り合うコイル同士において、各第2導線のそれぞれは、各コイルの径方向の中心よりも径方向の異なる側に位置してもよい。これらは、第1導線においても同様である。
1つの第1バスバー本体において角部の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。すなわち、第1バスバー本体は、角部として第1角部のみ有してもよいし、第1角部および第2角部に加えて、他の角部を有してもよい。また、拡幅部は、第1延伸部と第2延伸部とが接続された第1角部が配置されるインシュレータピースにおける壁部同士の間に配置されてもよい。例えば、上述した実施形態においては、第2インシュレータピース40P2の壁部46a,46b同士の間に、第1延伸部101における拡幅部101aが配置されてもよい。この場合、第1延伸部101は、例えば、第2インシュレータピース40P2によってのみ支持される。また、この場合、第1延伸部101の長さは、例えば、第2延伸部102の長さよりも短い。拡幅部は、各延伸部における端部以外の部分に設けられてもよい。第1バスバーは、拡幅部を有しなくてもよい。
第1延伸部の延びる第1方向および第2延伸部の延びる第2方向は、軸方向と直交し、互いに交差する方向であれば、特に限定されない。第1直交方向は、軸方向と直交し第1方向と交差する方向であれば、第1方向と直交しなくてもよい。第2直交方向は、軸方向と直交し第2方向と交差する方向であれば、第2方向と直交しなくてもよい。第3直交方向は、軸方向と直交し第3方向と交差する方向であれば、第3方向と直交しなくてもよい。第1バスバーは、板面が軸方向と平行であってもよい。第1バスバーは、相用バスバーであってもよい。第1バスバーの製造方法は、限定されない。第1バスバーは、上述した
第1バスバー100の外形を板部材からそのまま打ち抜いて作製されてもよい。第2バスバーは、設けられなくてもよい。この場合、第2導線は、直接電源に接続されてもよい。
ステータコアは、互いに別部材の複数のコアピースが周方向に沿って連結されて構成されてもよい。この場合、複数のコアピースのそれぞれは、コアバックの一部と、コアバックの一部から径方向に延びる1つのティースと、を有してもよい。すなわち、ステータコアは、分割コアであってもよい。この構成によれば、各コアピースが分離された状態において、各ティースにコイルを装着することができる。そのため、コイルの装着が容易である。特に、上述した実施形態のように渡り線が設けられない構成においては、コイルが装着された各コアピース同士が渡り線で繋がることがない。したがって、コイルの装着をより容易にでき、かつ、コイルが装着されたコアピースを連結することも容易にできる。
インシュレータにおいて複数のインシュレータピースは、互いに連結されてもよい。第1バスバーを保持する保持部材は、特に限定されず、インシュレータでなくてもよい。例えば、第1バスバーを保持する保持部材が、インシュレータと別に設けられてもよい。壁部の数は、特に限定されない。壁部は、設けられなくてもよい。支持部の数は、特に限定されない。支持部は、設けられなくてもよい。凹部は、設けられなくてもよい。押さえ部の形状は、特に限定されない。保持溝部における第1開口部の開口幅は、軸方向において変化してもよい。保持溝部の底面のうち下側の部分は、傾斜しなくてもよい。保持溝部の内縁の形状は、特に限定されない。保持溝部に保持される第2導線は、コイルを構成する導線の巻き終わり側の端部であってもよい。
各空間部は、各壁部同士の間の空間に加えて、その周囲の空間を含んでもよい。各空間部は、例えば、各壁部よりも径方向外側の空間を含んでもよいし、各壁部よりも径方向内側の空間を含んでもよい。すなわち、例えば、各空間部に配置される各角部は、各一対の壁部よりも径方向外側に突出して設けられてもよいし、各一対の壁部よりも径方向内側に設けられてもよい。各空間部に配置される各中間部は、各一対の壁部よりも径方向外側に突出して設けられてもよいし、各一対の壁部よりも径方向内側に設けられてもよい。
モータは、3相モータでなくてもよい。モータは、Nを2以上の任意の整数としたとき、N相モータであってもよい。この場合、各第1バスバーには、N本ずつ第1導線が接続されてもよい。
なお、上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されない。また、上述した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。