JPWO2018181227A1 - 密封装置 - Google Patents

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聡祐 伊東
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Abstract

ポンプ作用を利用した場合であっても軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる密封装置を提供する。密封装置(1)は、密封装置本体(2)と、スリンガ(3)とを備え、密封装置本体(2)は、環状の補強環(10)と、補強環(10)に取り付けられている弾性体から形成されている環状の弾性体部(20)とを備えている。スリンガ(3)は、外周側に向かって延びる環状の部分であるフランジ部(31)を有している。弾性体部(20)は、内側(矢印a方向)に向かって延びる、フランジ部(31)に外側(矢印b方向側)から接触する環状のリップである端面リップ(21)を有している。スリンガ(3)のフランジ部(31)の他方の側(外側)には、少なくとも1つの溝(33)が形成されており、端面リップ(21)の内周側の面(内周面(22))には、複数の径方向突起(23)が周方向に並んで形成されており、また、少なくとも1つの周方向突起(24)が形成されている。

Description

本発明は、軸とこの軸が挿入される孔との間の密封を図るための密封装置に関する。
車両や汎用機械等において、例えば潤滑油等の密封対象物の漏洩の防止を図るために、軸とこの軸が挿入される孔との間を密封するために従来から密封装置が用いられている。このような密封装置においては、シールリップを軸に又は軸に取りけられる環状部材に接触させることにより軸と密封装置との間の密封を図っている。密封のためのこのシールリップの軸との接触は軸に対する摺動抵抗(トルク抵抗)ともなっている。近年、車両等の低燃費化の要求から、密封装置には、軸に対する摺動抵抗の低減が求められており、密封性能を維持又は向上させつつ軸に対する摺動抵抗の低減を図ることができる構造が求められている。
密封装置の密封性能の向上にはシールリップの数を増やすことが考えられるが、シールリップの数を増やすことにより摺動抵抗が上昇してしまう。これに対して、シールリップの増加による密封ではなく、シールリップ又は軸に取り付けられる環状部材にネジ構造を設けて、このネジ構造が発揮するポンプ作用によって密封装置の密封性能の向上を図る構造が開示されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許第5637172号公報 国際公開第2015/190450号
このようなポンプ作用を利用した従来の密封装置においては、密封性能の向上を図りつつ摺動抵抗の低減を図ることができる。しかしながら、このようなポンプ作用を利用した従来の密封装置である、軸に固定されたスリンガのフランジ面にシールリップが接触する所謂端面シールタイプの密封装置においては、軸の回転速度が高速になると密封対象物が外部に滲み出てきてしまう場合がある。
このように、従来のポンプ作用を利用した密封装置においては、軸の回転速度が高速になった場合でも密封対象物が滲み出ることがない構造が求められていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプ作用を利用した場合であっても、軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、前記孔に嵌着される密封装置本体と、前記軸に取り付けられるスリンガとを備え、前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線周りに環状の弾性体部とを有しており、前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びる、前記フランジ部に前記軸線方向において他方の側から接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、前記スリンガの前記フランジ部の前記他方の側には少なくとも1つの溝が形成されており、前記端面リップの内周側の面には、複数の径方向突起が周方向に並んで形成されており、また、少なくとも1つの周方向突起が形成されており、前記径方向突起は、前記他方の側から前記一方の側に向かって前記軸の回転方向に螺旋状に延びており、前記端面リップにおいて前記端面リップが前記スリンガに接触する部分であるスリンガ接触部よりも内周側に形成されており、前記周方向突起は、前記径方向突起の前記一方の側の端部よりも前記他方の側において、前記軸線周りに延びており、また、前記スリンガ接触部よりも前記軸線方向における前記他方の側において前記端面リップから突出していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記周方向突起は、少なくとも1つの前記径方向突起の前記軸の回転方向とは反対側に面する側面との間に間隙を形成している。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記周方向突起は、前記密封装置におけるポンプ領域よりも前記他方の側に設けられている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記径方向突起は、前記端面リップにおいて、前記スリンガ接触部から間隔を空けて形成されている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記径方向突起は、前記密封装置における還流領域からポンプ領域に至るように、前記スリンガ接触部から前記間隔を空けて形成されている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記スリンガに形成された溝はネジ溝である。
本発明に係る密封装置によれば、ポンプ作用を利用した場合であっても、軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図1に示す密封装置における弾性体部の部分拡大斜視図であり、基体部から内周側の部分における弾性体部が軸線に沿う面において切断された状態で示されている。 図1に示す密封装置におけるスリンガを外側から見た図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置がハウジング及び軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置における、端面リップの径方向突起及び周方向突起の作用による密封対象物の流れの様子を示すための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置における弾性体部の部分拡大斜視図であり、基体部から内周側の部分における弾性体部が軸線に沿う面において切断された状態で示されている。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置における、端面リップの径方向突起及び周方向突起の作用による密封対象物の流れの様子を示すための図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の密封装置本体を内側から見た斜視図である。 図11の線A‐Aに沿う断面を示す密封装置本体の部分斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置がハウジング及び軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における図9に示す密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の変形例を示す図である。 密封装置におけるスリンガの溝の変形例を示すための図であり、図17(a)は溝の一変形例を示し、図17(b)は溝の他の変形例を示している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における断面図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。本実施の形態に係る密封装置1は、軸とこの軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であり、車両や汎用機械において、軸とハウジング等に形成されたこの軸が挿入される孔(軸孔)との間を密封するために用いられる。例えば、エンジンのクランクシャフトとフロントカバーやシリンダブロック及びクランクケースに形成されている軸孔であるクランク孔との間の環状の空間を密封するために用いられる。なお、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1が適用される対象は、上記に限られない。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向(軸線方向において一方の側)を内側とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向(軸線方向において他方の側)を外側とする。より具体的には、内側とは、密封対象空間の側(密封対象物側)であり潤滑油等の密封対象物が存在する空間の側であり、外側とは内側とは反対の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
図1に示すように、密封装置1は、後述する取付対象としての孔に嵌着される密封装置本体2と、後述する取付対象としての軸に取り付けられるスリンガ3とを備えている。密封装置本体2は、軸線x周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体から形成されている軸線x周りに環状の弾性体部20とを備えている。スリンガ3は、外周側(矢印c方向)に向かって延びる軸線x周りに環状の部分であるフランジ部31を有している。弾性体部20は、軸線x方向において一方の側(内側、矢印a方向)に向かって延びる、フランジ部31に軸線方向xにおいて他方の側(外側、矢印b方向側)から接触する軸線x周りに環状のリップである端面リップ21を有している。
スリンガ3のフランジ部31の他方の側(外側)には、少なくとも1つの溝33が形成されており、端面リップ21の内周側の面(内周面22)には、複数の径方向突起23が周方向に並んで形成されており、また、少なくとも1つの周方向突起24が形成されている。
径方向突起23は、後述するように、他方の側(外側)から一方の側(内側)に向かって後述する軸(スリンガ3)の回転方向に螺旋状に延びており、端面リップ21において端面リップ21がスリンガ3に接触する部分であるスリンガ接触部22aよりも内周側に形成されている。
周方向突起24は、後述するように、径方向突起23の一方の側(内側)の端部(内側端23a)よりも他方の側(外側)において、軸線x周りに延びており(後述する図3参照)、また、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向における他方の側において端面リップ21から突出している。
以下、密封装置1の密封装置本体2及びスリンガ3の各構成について具体的に説明する。
密封装置本体2において補強環10は、図1,2に示すように、軸線xを中心又は略中心とする環状の金属製の部材であり、後述するハウジングの軸孔に密封装置本体2が圧入されて嵌合されて嵌着されるように形成されている。補強環10は、例えば、外周側に位置する筒状の部分である筒部11と、筒部11の外側の端部から内周側に延びる中空円盤状の部分である円盤部12と、円盤部12の内周側の端部から内側且つ内周側へ延びる円錐筒状の環状の部分である錐環部13と、錐環部13の内側又は内周側の端部から内周側へ径方向に延びて補強環10の内周側の端部に至る中空円盤状の部分である円盤部14とを有している。補強環10の筒部11は、より具体的には、外周側に位置する円筒状又は略円筒状の部分である外周側円筒部11aと、外周側円筒部11aよりも外側及び内周側において延びる円筒状又は略筒状の部分である内周側円筒部11bと、外周側円筒部11aと内周側円筒部11bとを接続する部分である接続部11cとを有している。筒部11の外周側円筒部11aは、密封装置本体2が後述するハウジングの軸孔に嵌着された際に、密封装置本体2の軸線xと軸孔101の軸線との一致が図られるように、軸孔101に嵌め込まれる。補強環10には、略外周側及び外側から弾性体部20が取り付けられており、弾性体部20を補強している。
弾性体部20は、図1,2に示すように、補強環10の円盤部14の内周側の端の部分に取り付けられている部分である基体部25と、補強環10の筒部11に外周側から取り付けられている部分であるガスケット部26と、基体部25とガスケット部26との間において外側から補強環10に取り付けられている部分である後方カバー部27とを有している。ガスケット部26は、より具体的には、図2に示すように、補強環10の筒部11の内周側円筒部11bに取り付けられている。また、ガスケット部26の外径は、後述する軸孔の内周面(図5参照)の径よりも大きくなっている。このため、密封装置本体2が後述する軸孔に嵌着された場合、ガスケット部26は、補強環10の内周側円筒部11bと軸孔との間で径方向に圧縮され、軸孔と補強環10の内周側円筒部11bとの間を密封する。これにより、密封装置本体2と軸孔との間が密封される。ガスケット部26は、軸線x方向全体に亘って外径が軸孔の内周面の径よりも大きくなっていなくてもよく、一部において外径が軸孔の内周面の径よりも大きくなっていてもよい。例えば、ガスケット部26の外周側の面に、先端の径が軸孔の内周面の径よりも大きい環状の凸部が形成されていてもよい。
また、弾性体部20において、端面リップ21は、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から内側(矢印a方向)に向かって延びており、密封装置1が取付対象において所望の位置に取り付けられた後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代(スリンガ接触部22a)を持ってスリンガ3のフランジ部31に外側から接触するように形成されている。端面リップ21は、例えば、軸線x方向において内側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。つまり、図1,2に示すように、端面リップ21は、軸線xに沿う断面(以下、単に断面ともいう。)において、基体部25から内側及び外周側に、軸線xに対して斜めに延びている。端面リップ21の内周面22には、複数の径方向突起23が設けられており、また、少なくとも1つの周方向突起24が設けられている。径方向突起23及び周方向突起24の詳細については後述する。
また、弾性体部20は、ダストリップ28と中間リップ29とを有している。ダストリップ28は、基体部25から軸線xに向かって延びるリップであり、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってスリンガ3に外周側から接触するように形成されている。ダストリップ28は、例えば、軸線x方向において外側(矢印b方向)に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有している。ダストリップ28は、使用状態において、密封対象物側とは反対側である外側からダストや水分等の異物が密封装置1の内部に侵入することの防止を図っている。ダストリップ28は、密封装置1の使用状態においてスリンガ3に接触しないように形成されていてもよい。
中間リップ29は、図2に示すように、基体部25から断面略L字型に内側に向かって延びるリップであり、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、基体部25との間に内側に向かって開放する環状の凹部を形成している。中間リップ29は、後述する密封装置1の使用状態において、スリンガ3と接触していない。中間リップ29は、使用状態において、端面リップ21のスリンガ3と接触するスリンガ接触部22aを越えて密封対象物が内部に滲み入った場合に、この滲み入った密封対象物の基体部25との間に形成された凹部内への収容を図るために形成されている。中間リップ29は、後述する図9,10に示すように、軸線x方向において内側に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有していてもよい。中間リップ29は、密封装置1の使用状態においてスリンガ3に接触するように形成されていてもよい。
次いで、端面リップ21の形状についてより詳細に説明する。図3は、内周側から見た弾性体部20の部分拡大斜視図であり、基体部25から内周側の部分における弾性体部20が軸線xに沿う面において切断された状態で示されている。図3に示すように、端面リップ21の内周面22には、複数の径方向突起23が、同一の又は略同一の円周上に、周方向に等角度間隔又は略等角度間隔で配列されており、等ピッチ間隔又は略等ピッチ間隔で配列されている。各径方向突起23は、上述したように、外側(図3において下側)から内側(図3において上側)に向かって後述する軸(スリンガ3)の回転方向に螺旋状に延びている。つまり、各径方向突起23は、端面リップ21の根元21b側から端面リップ21の先端21a側に向かってスリンガ3の回転方向に傾斜して又は曲がって延びている。また、各径方向突起23は、スリンガ接触部22aから間隔を空けて形成されており、スリンガ接触部22aよりも内周側(外側)に、つまりスリンガ接触部24よりも端面リップ21の根元21bの側に形成されている。
端面リップ21において、径方向突起23は、スリンガ接触部22aから間隔を空けて形成されている。具体的には、図3に示すように、径方向突起23の内側(外周側)の端部である内側端23aは、スリンガ接触部22aの外側(内周側)の縁部である外側縁22bから、内周面22に沿って軸線xに沿った方向に、所定の間隔Gを空けた位置に位置している。この間隔Gは、後述する密封装置1の使用状態において、スリンガ3の溝33に基づくポンプ作用が発生する領域(ポンプ領域)よりも内周側の領域に、少なくとも部分的に径方向突起23が存在するような間隔である。
また、各径方向突起23は、図2に示すように、密封装置1の使用状態において、スリンガ3と接触しないような形状に形成されている。つまり、使用状態において、径方向突起23がスリンガ3のフランジ部31の外側の面に接触しないように、径方向突起23の内周面22からの高さ、及び間隔Gが設定されている。本実施の形態においては、径方向突起23は、図2,3に示すように、内側端23aから端面リップ21の根元21b側の端部である外側端23bに向かって内周面22からの高さが高くなっているが、径方向突起23の内周面22からの高さはこれに限られない。径方向突起23は、内側端23aから外側端23bに亘って内周面22から一定の高さであってもよく、内側端23aから外側端23bに向かって内周面22からの高さが低くなっているものであってもよい。また、径方向突起23は、内側端23aから外側端23bに亘る内周面22からの高さが、上述の高くなる、低くなる、及び一定であるの種々の組み合わせであってもよい。また、径方向突起23の延び方向に直交する断面における形状は、種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。密封装置1の使用状態において径方向突起23は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されているため、径方向突起23によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、径方向突起23の延び方向の形状は、図3に示すように、外側端23bから内側端23aに向かって先細になる形状であってもよく、外側端23bと内側端23aとの間に亘って、延び方向に直交する方向の幅が一定の幅である形状であってもよく、種々の形状であってよい。また、突起23は、内側端23aと外側端23bとの間をまっすぐに延びていてもよく、曲がって延びていてもよい。
図3に示すように、端面リップ21の内周面22には、少なくとも1つの周方向突起24が、軸線xを中心又は略中心とする同一の又は略同一の円周上に設けられている。本実施の形態においては、1つの周方向突起24が端面リップ21に設けられている。周方向突起24は、上述したように、径方向突起23の内側端23aよりも外側(端面リップ21の根元21b側)において、軸線x周りに延びている。本実施の形態においては、周方向突起24は、密封装置1における後述するポンプ領域よりも他方の側(外側若しくは内周側)に設けられている。周方向突起24は、好ましくは、後述する還流領域に設けられている。
また、周方向突起24は、図1,2に示したように、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向において外側の領域内で、端面リップ21から突出しており、周方向突起24の内側の端部である先端24aは、軸線x方向において、スリンガ接触部22aよりも外側に位置している。このように、密封装置1の使用状態において周方向突起24は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されているため、周方向突起24によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、周方向突起24は、図2に示すように、軸線x方向において内側に向かって、径方向突起23よりも突出している。周方向突起24は、軸線x方向において内側に向かって径方向突起23よりも突出していなくてもよく、周方向突起24の軸線x方向における突出量は、径方向突起23の軸線x方向における突出量と同一であってもよい。また、周方向突起24の延び方向に直交する断面(図2参照)における形状は、矩形に限られずに種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。周方向突起24の外周側に面する面である外周面24bは、少なくとも密封装置1の使用状態において、外周側に面する面であることが好ましく、軸線xに沿って延びる面であることが好ましく、または、内周面22側に傾いた軸線xに対して外周側に斜めに延びる面であることが好ましい。
上述のように、弾性体部20は、端面リップ21、基体部25、ガスケット部26、後方カバー部27、ダストリップ28、及び中間リップ29を有しており、各部分は一体となっており、弾性体部20は同一の材料から一体に形成されている。
上述の補強環10は、金属材から形成されており、この金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。また、弾性体部20の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成形によって成形される。この架橋成形の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20と補強環10とが一体的に成形される。
スリンガ3は、後述する密封装置1の使用状態において軸に取り付けられる環状の部材であり、軸線xを中心又は略中心とする円環状の部材である。スリンガ3は、断面が略L字状の形状を有しており、フランジ部31と、フランジ部31の内周側の端部に接続する軸線x方向に延びる筒状又は略筒状の筒部34とを有している。
フランジ部31は、具体的には、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の内周側円盤部31aと、内周側円盤部31aよりも外周側において広がっている径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の外周側円盤部31bと、内周側円盤部31aの外周側の端部と外周側円盤部31bの内周側の端部とを接続する接続部31cとを有している。外周側円盤部31bは、内周側円盤部31aよりも軸線x方向において外側に位置している。なお、フランジ部31の形状は、上述の形状に限られるものではなく、適用対象に応じて種々の形状とすることができる。例えば、フランジ部31は、内周側円盤部31a及び接続部31cを有しておらず、外周側円盤部31bが筒部34まで延びており筒部34に接続しており、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の部分であってもよい。
スリンガ3が端面リップ21に接触する部分であるリップ接触部32は、フランジ部31において、外周側円盤部31bの外側に面する面である外側面31dに位置されている。外側面31dは径方向に広がる平面に沿う面であることが好ましい。また、図4に示すように、フランジ部31の外側面31dには、内側に凹む凹部によって溝33が形成されている。溝33は、例えばネジ溝である。この溝33により、スリンガ3が回転した際に、ポンプ作用を発生させることができる。フランジ部31の外側面31dにおいて、溝33は、リップ接触部32よりも内周側からリップ接触部32よりも外周側の領域に亘って形成されている。溝33は、外周側円盤部31bの外側面31dにおいて内周側の端部から外周側の端部まで延びて形成されていてもよく、リップ接触部32を含む外側面31dの径方向の一部の幅の領域(周面)に形成されていてもよい。また、溝33は、外周側円盤部31bの外側面31dにおいて、リップ接触部32よりも内周側に位置していてもよい。フランジ部31の外側面31dには、例えば複数の溝33が形成されており、フランジ部31の外側面31dには、図4に示すように、例えば4つのネジ状の溝33が形成されており、これら4つのネジ状の溝33は4条ネジを形成している。溝33の個数や溝33が延びて描く形状は4条ネジではなく他のものであってもよい。溝33は、例えば、円錐面に形成された螺旋状のネジ溝をこの円錐面の軸線に直交する平面に投影した際にこの平面に描かれる線に沿った形状となっている。
また、スリンガ3において、筒部34は、図2に示すように、少なくとも部分的に、円筒状又は略円筒状の部分である円筒部35を有しており、この円筒部35は軸に嵌着可能に形成されている。つまり、円筒部35が軸に締り嵌め可能となるように、円筒部35の内径が軸の外周面の径よりも小さくなっている。スリンガ3は、円筒部35が軸に締り嵌めされることにより固定されるものに限られず、筒部34において軸に接着されて固定されるものであってもよく、他の公知の固定方法によって軸に固定されるものであってもよい。なお、筒部34は、その全体が円筒部35によって形成されているものであってもよい。
スリンガ3は、金属材料を基材として作られており、例えば、SPCC(冷間圧延鋼)を基材とし、SPCCにリン酸塩皮膜処理が施されて防錆処理がなされて作られている。リン酸塩皮膜処理としては、例えばリン酸亜鉛皮膜処理がある。防錆性能の高いスリンガ3により、端面リップ21に対する摺動部であるリップ接触部32に錆が発生することを抑制することができ、端面リップ21の密封機能や密封性能を長く維持することができる。また、錆が発生することにより、溝33の形状が変化することを抑制することができ、溝33の発揮するポンプ効果の低減を抑制することができる。スリンガ3の基材としては、ステンレス等の耐錆性、防錆性に優れている他の金属が用いられてもよい。また、スリンガ3の基材の防錆処理は、金属メッキ等の他の処理であってもよい。
次いで、上述の構成を有する密封装置1の作用について説明する。図5は、密封装置1が取付対象としてのハウジング100及びこのハウジング100に形成された貫通孔である軸孔101に挿入された軸102に取り付けられた使用状態における密封装置1の部分拡大断面図である。ハウジング100は、例えばエンジンのフロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースであり、軸孔101は、フロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースに形成されたクランク孔である。また、軸102は、例えば、クランクシャフトである。
図5に示すように、密封装置1の使用状態において、密封装置本体2は軸孔101に圧入されて軸孔101に嵌着されており、スリンガ3は軸102に締り嵌めされて軸102に取り付けられている。より具体的には、補強環10の外周側円筒部11aが軸孔101の内周面101aに接触して、密封装置本体2の軸孔101に対する軸心合わせが図られ、また、弾性体部20のガスケット部26が軸孔101の内周面101aと補強環10の内周側円筒部11bとの間で径方向に圧縮されてガスケット部26が軸孔101の内周面101aに密着して、密封装置本体2と軸孔101との間の密封が図られている。また、スリンガ3の円筒部35が軸102に圧入され、円筒部35の内周面35aが軸102の外周面102aに密着し、軸102にスリンガ3が固定されている。
密封装置1の使用状態において、弾性体部20の端面リップ21が、内周面22の先端21a側の部分であるスリンガ接触部22aにおいて、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bの外側面31dの部分であるリップ接触部32に接触するように、密封装置本体2とスリンガ3との間の軸線x方向における相対位置が決められている。また、ダストリップ28は先端側の部分においてスリンガ3の筒部34に外周側から接触している。ダストリップ28は、例えば、スリンガ3の円筒部35の外周面35bに接触している。
このように、密封装置1の使用状態において、端面リップ21は、スリンガ接触部22aにおいて、フランジ部31のリップ接触部32にスリンガ3がリップ接触部32において摺動可能に接触しており、端面リップ21及びスリンガ3は、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32を越えて密封対象物側から内部に潤滑油等の密封対象物が滲み出ることの防止を図っている。また、ダストリップ28はスリンガ3の筒部34が摺動可能に筒部34に接触しており、外部から内部への異物の進入の防止を図っている。
また、密封装置1の使用状態において、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bに形成された4条ネジを形成する溝33は、軸(スリンガ3)が回転した場合にポンプ作用をもたらす。軸(スリンガ3)の回転により、フランジ部31と端面リップ21との間の空間である挟空間Sにおいて、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32近傍の領域にポンプ作用が生じる。このポンプ作用により、密封対象物側から密封対象物が挟空間Sに滲み出た場合であっても、滲み出た密封対象物が挟空間Sからスリンガ接触部22a及びリップ接触部32を越えて密封対象物側に戻される。このように、スリンガ3のフランジ部31に形成された溝33が生ずるポンプ作用により、挟空間Sへの密封対象物の滲み出が抑制されている。
挟空間Sにおいて、溝33によるポンプ作用が生ずる領域(以下、ポンプ領域ともいう。)を越えて更に外部側に滲み出た密封対象物は、軸の回転により、ポンプ領域に内周側で隣接する領域において、スリンガ3の回転方向に軸線x周りに回転し、その領域(以下、還流領域ともいう。)に留められる。
端面リップ21には、内周面22に径方向突起23が形成されており、径方向突起23は、スリンガ接触部22aの外側縁22bから間隔Gの位置より延びており、少なくとも部分的に還流領域の中に延びている。このため、還流領域に回転しながら留まる密封対象物は径方向突起23にぶつかり、又は還流領域に回転しながら留まる密封対象物は径方向突起23に沿って径方向突起23の外側(内周側)の端部である外側端23b側から内側(外周側)の端部である内側端23aに導かれ、還流領域に留まっていた密封対象物はポンプ領域に導かれる。径方向突起23によってポンプ領域に導かれた密封対象物はポンプ作用を受けて密封対象物側に戻される。
また、端面リップ21には、内周面に周方向突起24が形成されており、周方向突起24は、径方向突起23の内側端23aよりも内周側において延びており、本実施の形態においては、還流領域において延びている。このため、還流領域に回転しながら留まる密封対象物は、周方向突起24にぶつかって径方向突起23に導かれ、径方向突起23によってポンプ領域に導かれてポンプ作用を受けて密封対象物側に戻される。また、密封対象物は周方向突起24に沿って回転し、周方向突起24は、密封対象物が安定して還流領域に留まるように密封対象物を案内する。また、周方向突起24は、端面リップ21の内周面22を先端21a側から根元21b側に流れる密封対象物にぶつかり、密封対象物の内周面22の先端21a側から根元21b側への流れを堰き止める。
図6は、端面リップ21の径方向突起23及び周方向突起24の作用を説明するための、端面リップ21の径方向突起23及び周方向突起24の作用による密封対象物の流れの様子を示すための図である。図6において、破線F1で示すように、ポンプ領域を超えて還流領域側に滲み出た密封対象物は、径方向突起23の外周側に面する側面である側面23cにぶつかり、ポンプ領域側に跳ね返されるか、径方向突起23の側面23cに沿って内側端23aまで導かれ、内側端23aからポンプ領域に戻される。このため、径方向突起23は、端面リップ21の内周面22において、内側端23a側の一部がポンプ領域に進入するように形成されていることが好ましい。後述するように、ポンプ領域は軸の回転速度によって径方向の幅が変化すると考えられる。このため、径方向突起23の内側端23a側の一部は、軸の回転速度に拘らずにポンプ領域に進入しているように形成されていることが好ましい。また、径方向突起23全体が還流領域に存在するように形成されている場合は、上述のようにポンプ領域を超えて還流領域側に滲み出た密封対象物を再度ポンプ領域に戻すことができる範囲において、スリンガ接触部22aの外側縁22bからの間隔Gが設定されている。
また、径方向突起23の側面23cに当たらず、当たっても跳ね返されずに側面23cを越えて、また、側面23cに沿って内側端23aまで導かれずに側面23cを越えて、端面リップ21の根元21b側に更に進む密封対象物もある。このように、径方向突起23が上述のように作用せずに、密封対象物を再度ポンプ領域に戻すことができなかった場合においても、端面リップ21の根元21b側に更に進む密封対象物は、周方向突起24にぶつかる。このため、図6において破線F2で示すように、径方向突起23が作用せずに根元21b側に更に進む密封対象物は、周方向突起24の外周面24bにぶつかってポンプ領域まで跳ね返されてポンプ領域に戻されるか、周方向突起24の外周面24bに沿って径方向突起23に導かれ、径方向突起23の側面23cにぶつかって跳ね返されてポンプ領域に戻されるか、径方向突起23の側面23cに沿って内側端23aまで導かれて、内側端23aからポンプ領域に戻される。また、図6において破線F3で示すように、径方向突起23が作用せずに根元21b側に更に進む密封対象物は、周方向突起24の外周面24bに沿って流れ、安定して還流領域に留められる。
また、スリンガ3の静止状態において、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32から滲み出た密封対象物は、その自重により端面リップ21の内周面22を先端21a側から根元21b側に流れ落ちるが、周方向突起24の外周面24bにぶつかり堰き止められる。このため、スリンガ3の静止状態において、つまり、軸102の静止状態において、周方向突起24は密封対象物の外部への滲み出しの防止を図ることができる。スリンガ3の静止状態における密封対象物の外部への滲み出しの防止を図るために、周方向突起24の外周面24bは、軸線xに対して外周側に斜めに又は曲がって延びていることが好ましい。端面リップ21の内周面22と周方向突起24の外周面24bとの間に密封対象物を容易に留めることができるからである。
また、上述のように端面リップ21の根元21b側に更に進む密封対象物があるため、径方向突起23は、軸102(スリンガ3)の回転方向側において隣接する径方向突起23と、軸線x方向において内周側(外側)から外周側(内側)に見て部分的に重なるように配列されていることが好ましい。図6の左側の破線F4で示すように、密封対象物が内側端23a側の径方向突起23の側面23cを越えて端面リップ21の根元21b側に流れても、この径方向突起23を越えた密封対象物は、スリンガ3の回転方向側において隣接する径方向突起23の側面23cに当たり、密封対象物を跳ね返し、又は密封対象物を側面23cに沿って内側端23aまで導き、密封対象物をポンプ領域に戻すことができるからである。また、スリンガ3の回転方向とは反対側で隣接する径方向突起23と軸線x方向において外周側(内側)から内周側(外側)に見て重なっていない径方向突起23の部分に、スリンガ3の回転方向側で隣接する径方向突起23が軸線x方向において内周側(外側)から外周側(内側)に見て部分的に重なるように、径方向突起23が配列されていることが好ましい。
また、上述の隣接する径方向突起23を越えた密封対象物をポンプ領域に戻す機能を向上させるために、互いに隣接する径方向突起23が軸線x方向において内周側から外周側に見て重なる部分を大きくするために、径方向突起23の延び方向(角度)や、互いに隣接する径方向突起23の間隔(ピッチ)を調整することが好ましい。また、上述の径方向突起23の機能を端面リップ21が周方向において均等に有するように、径方向突起23は、互いに等しい間隔で隣接していることが好ましい。
このように、密封装置1においては、ポンプ作用が働くポンプ領域を超えて更に還流領域にまで密封対象物が滲み出たとしても、この滲み出た密封対象物を径方向突起23及び周方向突起24によりポンプ領域に戻すことができ、更にポンプ作用により密封対象物側に戻すことができる。
スリンガ3の溝33に基づくポンプ作用は、スリンガ3の回転が高速になるほど低減する。これは、スリンガ3の回転が高回転になるほど、ポンプ領域がスリンガ接触部22a及びリップ接触部32側に向かって収縮するためであると考えられる。このため、密封対象物が密封対象物側から挟空間Sに滲み出た場合、スリンガ3の回転が高速になるほど、還流領域に進入する密封対象物が増すことになる。還流領域を還流する密封対象物の量が、還流領域に留めておくことができる密封対象物の量を超えると、密封対象物は更に内部に滲み出ることになり、更に密封装置1の外部に滲み出ることがある。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1においては、上述のように、ポンプ領域を超えて還流領域にまで密封対象物が滲み出たとしても、この滲み出た密封対象物を径方向突起23及び周方向突起24によりポンプ領域に戻すことができ、更にポンプ作用により密封対象物側に戻すことができる。加えて、周方向突起24は、ポンプ領域を超えて還流領域にまで滲み出た密封対象物を安定して還流領域に留めるように案内することができる。このため、スリンガ3の回転が高回転になり、還流領域に留まる密封対象物が増したとしても、この還流領域に留まる密封対象物を径方向突起23及び周方向突起24によりポンプ領域に戻すことができ、還流領域を還流する密封対象物の量が還流領域に留めておくことができる密封対象物の量を超えることを抑制することができる。また、スリンガ3の高回転によりポンプ作用が低減したとしても、径方向突起23及び周方向突起24により密封対象物をポンプ領域に戻すので、スリンガ3の高回転時において、ポンプ作用により密封対象物側に戻すことができる密封対象物を多くすることができる。また、周方向突起24は、密封対象物を安定して還流領域に留めるように案内することができるので、還流領域に留めることができる密封対象物の量を増やすことができ、スリンガ3の高回転によりポンプ作用が低減したとしても、密封対象物が更に外部に漏れ出ることを抑制することができる。
このように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、スリンガ3の溝33によるポンプ作用を利用した場合であっても、軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置4について説明する。本発明の第2の実施の形態に係る密封装置4は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、周方向突起の形態が異なり、周方向突起24に変えて周方向突起41を有している。以下、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1と同一の又は類似する機能を有する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
図7は、上述の図3に対応する図であり、密封装置4における弾性体部20の部分拡大斜視図であり、基体部25から内周側の部分における弾性体部20が軸線xに沿う面において切断された状態で示されている。密封装置4において、周方向突起41は、上述の密封装置1の周方向突起24と同様に、径方向突起23の内側端23aよりも外側(内周側)において軸線x周りに延びており、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向における外側において端面リップ21から突出している。
具体的には、端面リップ21の内周面22には、周方向突起41が、軸線xを中心又は略中心とする同一の又は略同一の円周上に設けられている。周方向突起41は、上述したように、径方向突起23の内側端23aよりも外側(端面リップ21の根元21b側)において、軸線x周りに延びており、例えば、密封装置4におけるポンプ領域よりも外側(若しくは内周側)に設けられている。
また、周方向突起41は、上述の周方向突起24と同様に(図1,2参照)、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向において外側の領域内で、端面リップ21から突出しており、周方向突起41の内側の端部である先端41aは、軸線x方向において、スリンガ接触部22aよりも外側に位置している。このように、密封装置4の使用状態において周方向突起41は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されており、周方向突起41によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、周方向突起41は、上述の周方向突起24(図2参照)と同様に、軸線x方向において内側に向かって、径方向突起23よりも突出している。周方向突起41は、軸線x方向において内側に向かって、径方向突起23よりも突出していなくてもよく、周方向突起41の軸線x方向における突出量は、径方向突起23の軸線x方向における突出量と同一であってもよい。また、周方向突起41の延び方向に直交する断面(図2参照)における形状は、矩形に限られずに種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。周方向突起41の外周側に面する面である外周面41bは、少なくとも密封装置4の使用状態において、外周側に面する面であることが好ましく、軸線xに沿って延びる面であることが好ましく、または、内周面22側に傾いた軸線xに対して外周側に斜めに延びる面であることが好ましい。
周方向突起41は、図7に示すように、少なくとも1つの径方向突起23のスリンガ3の回転方向とは反対側に面する側面23cとの間に間隙42を有している。間隙42は、周方向に延びる隙間であり、互いに隣接する径方向突起23の間の幅の一部に形成されている。つまり、互いに隣接する径方向突起23の間の空間の少なくとも1つにおいて、スリンガ3の回転方向側の径方向突起23の側面23cからスリンガ3の回転方向とは反対側の一部の範囲で周方向突起41が途切れており、この途切れた部分において周方向突起41に間隙42が形成されている。間隙42は、互いに隣接する径方向突起23の間の空間の複数において形成されていてもよく、図示の実施の形態においては、互いに隣接する径方向突起23の間の空間の全てにおいて間隙42が形成されている。
次いで、上述の構成を有する密封装置4の作用について説明する。図8は、端面リップ21の径方向突起23及び周方向突起41の作用による密封対象物の流れの様子を示すための図である。密封装置4においては、図8に示すように、上述の密封装置1と同様に、径方向突起23が滲み出た密封対象物に作用し(破線F1,F4)、周方向突起41が上述の密封装置1の周方向突起24と同様に滲み出た密封対象物に作用する(破線F2,F3)。また、周方向突起41は、軸52の静止状態において、上述の密封装置1の周方向突起24と同様に堰として働く。
また、図8に示すように、周方向突起41を越えて更に内周側に密封対象物が進んだ場合であっても、密封対象物が径方向突起23にぶつかった場合は、密封対象物はポンプ領域側に跳ね返されるか、径方向突起23の側面23cに沿って内周端23a方向に導かれ、周方向突起41に至る。本実施の形態に係る密封装置4においては、周方向突起41が間隙42を有しているため、周方向突起41を越えて径方向突起23に跳ね返された密封対象物、又は径方向突起23の側面23cに沿って内周端23a方向に導かれた密封対象物を、間隙42を通って周方向突起41よりもポンプ領域側まで戻すことができる(破線F5)。間隙42を通って周方向突起41よりもポンプ領域側まで戻された密封対象物には、上述のように、径方向突起23や周方向突起42が作用して、ポンプ領域に戻すことができる。このように、密封装置4においては、周方向突起41を越えて漏れ出た密封対象物もポンプ領域に戻すことができ、密封対象物が外部に漏れ出ることをより抑制することができる。
このように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置4によれば、スリンガ3の溝33によるポンプ作用を利用した場合であっても、軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる。
以下、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5について図面を参照しながら説明する。
本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、弾性体部の形態が異なる。以下、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して同一の又は類似する機能を有する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における断面図であり、図10は、密封装置5の軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。本実施の形態に係る密封装置5は、上述の密封装置1と同様に、軸とこの軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置である。
図9,10に示すように、密封装置5は、上述の密封装置1の密封装置本体2に対応する密封装置本体50と、スリンガ3とを備えている。密封装置本体50は、補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体から形成されている軸線x周りに環状の弾性体部51とを備えている。弾性体部51は、上述の密封装置1の弾性体部20に対して、径方向突起の形態が異なり、上述の弾性体部20の径方向突起23とは異なる径方向突起52を有しており、また、周方向突起の形態が異なり、上述の弾性体部20の周方向突起24とは異なる周方向突起53,54を有している。
弾性体部51において、端面リップ21の内周面22には、図11に示すように、複数の径方向突起52が周方向に並んで形成されている。径方向突起52は、径方向突起23と同様に、後述するように、外側から内側に向かって軸102(スリンガ3)の回転方向に螺旋状に延びており、端面リップ21においてスリンガ接触部22aよりも内周側に形成されている。
図11,12に示すように、端面リップ21の内周面22には、複数の径方向突起52が、同一の又は略同一の円周上に、周方向に等角度間隔又は略等角度間隔で配列されており、等ピッチ間隔又は略等ピッチ間隔で配列されている。各径方向突起52は、上述したように、外側(図11,12において下側)から内側(図11,12において上側)に向かって軸102(スリンガ3)の回転方向に螺旋状に延びている。つまり、各径方向突起52は、端面リップ21の根元21b側から先端21a側に向かってスリンガ3の回転方向に傾斜して延びている。また、各径方向突起52は、スリンガ接触部22aから間隔を空けて形成されており、スリンガ接触部22aよりも内周側(外側)に、つまり端面リップ21の根元21bの側に形成されている。
端面リップ21において、径方向突起52は、上述の径方向突起23と同様に、スリンガ接触部22aから間隔を空けて形成されており、径方向突起52の内側(外周側)の端部である内側端52aは、スリンガ接触部22aの外側縁22bから、内周面22に沿って軸線xに沿った方向に、所定の間隔Gを空けた位置に位置している(図3参照)。また、径方向突起52は、端面リップ21の内周面22に沿って後述する周方向突起54まで延びており、径方向突起52の外側(内周側)の端部である外側端52bは、後述する周方向突起54の外周面54bに接続している。
また、各径方向突起52は、後述するように、上述の密封装置1の径方向突起23と同様に、密封装置5の使用状態において、スリンガ3と接触しないような形状に形成されている。つまり、使用状態において、径方向突起52がスリンガ3のフランジ部31の外側面31dに接触しないように、径方向突起52の内周面22からの高さ、及び間隔Gが設定されている。本実施の形態においては、径方向突起52は、図10,12に示すように、内側端52aから外側端52bに向かって内周面22からの高さが高くなっている。また、径方向突起52は、外側端52bにおいて周方向突起54の外周面54bの軸線x方向における幅全体の一部に亘って延びている。径方向突起52は、中間リップ29まで延びていてもよく、径方向突起52の外側端52bが中間リップ29の外周側の面である外周面29aに接続していてもよく、中間リップ29と周方向突起54との間の位置まで延びていてもよい。
上述のように、径方向突起52は、端面リップ21の内周面22において、スリンガ接触部22aの外側縁22bから間隔Gの位置から内周側に向かってリブ状に形成されており、周方向に面する面である側面52c,52dが端面リップ21の内周面22に直交して又は略直交して延びている。側面52c,52dは、内周面22に直交しておらず傾斜して延びていてもよく、例えば、側面52cは内周面22側に傾斜していてもよい。側面52cと側面52dとは互いに平行に又は略平行に延びており、径方向突起52のスリンガ3側の面を形成する端面52eは、平面状に又は略平面状に延びている。端面52eは、図12に示すように、内側端52aにおいて端面リップ21の内周面22に滑らかに接続するように、内側端52a側の部分の形状が設定されている。例えば、端面52eは、内側端52a側の部分が他の部分から屈曲又は湾曲している。
径方向突起52の内周面22からの高さは上記具体的な形状に限られない。径方向突起52は、内側端52aから外側端52bに亘って内周面22から一定の高さであってもよく、内側端52aから外側端52bに向かって内周面22からの高さが低くなっているものであってもよい。また、径方向突起52は、内側端52aから外側端52bに亘る内周面22からの高さが、上述の高くなる、低くなる、及び一定であるの種々の組み合わせであってもよい。また、径方向突起52の延び方向に直交する断面における形状は、矩形に限られず種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。密封装置5の使用状態において径方向突起52は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されているため、径方向突起52によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、径方向突起52の延び方向の形状は、上述の径方向突起23と同様に(図3参照)、外側端52bから内側端52aに向かって先細になる形状であってもよく、外側端52bと内側端52aとの間に亘って、延び方向に直交する方向の幅が延び方向に向かって変化する形状であってもよく、種々の形状であってよい。また、径方向突起52は、内側端52aと外側端52bとの間をまっすぐ延びていてもよく、曲がって延びていてもよい。
端面リップ21の内周面22には、少なくとも1つの周方向突起が、軸線xを中心又は略中心とする同一の又は略同一の円周上に設けられている。本実施の形態に係る密封装置5においては、図9〜12に示すように、周方向突起として2つの周方向突起53,54が端面リップ21に設けられている。
周方向突起53は、上述の周方向突起24と同様に、図10,12に示すように、径方向突起52の内側端52aよりも外側(外側端52b側)において、軸線x周りに延びている。本実施の形態においては、周方向突起53は、密封装置5におけるポンプ領域よりも内周側に設けられている。周方向突起53は、好ましくは還流領域に設けられている。
また、周方向突起53は、図10,12に示すように、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向において外側の領域内で、端面リップ21から突出しており、周方向突起53の内側の端部である先端53aは、軸線x方向において、スリンガ接触部22aよりも外側に位置している。このように、密封装置5の使用状態において周方向突起53は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されているため、周方向突起53によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、周方向突起53は、図10,12に示すように、軸線x方向において内側に向かって、径方向突起52よりも突出している。周方向突起53は、軸線x方向において内側に向かって径方向突起52よりも突出していなくてもよく、周方向突起53の軸線x方向における突出量は、径方向突起52の軸線x方向における突出量と同一であってもよい。また、周方向突起53の延び方向に直交する断面(図10参照)における形状は、矩形に限られずに種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。
周方向突起53の外周側に面する面である外周面53bは、少なくとも密封装置5の使用状態において、軸線xに沿って延びる面であることが好ましく、または、内周面22側に傾いた軸線xに対して外周側に斜めに延びる面であることが好ましい。つまり、周方向突起53の外周面53bは、軸線x方向において内側に向かうに連れて拡径する円錐面状又は略円錐面状であることが好ましい。
周方向突起54は、図10,12に示すように、周方向突起53よりも外側又は内周側(端面リップ21の根元21b側)において、軸線x周りに延びている。また、周方向突起54は、図10,12に示すように、スリンガ接触部22aよりも軸線x方向において外側の領域内で、端面リップ21から突出しており、周方向突起54の内側の端部である先端54aは、軸線x方向において、スリンガ接触部22aよりも外側に位置している。このように、密封装置5の使用状態において周方向突起54は、スリンガ3と接触しないような形状に形成されているため、周方向突起54によりスリンガ3に対する摺動抵抗が増加することはない。
また、周方向突起54は、図10,12に示すように、軸線x方向において内側に向かって、径方向突起52よりも突出している。周方向突起54は、軸線x方向において内側に向かって径方向突起52よりも突出していなくてもよく、周方向突起54の軸線x方向における突出量は、径方向突起52の軸線x方向における突出量と同一であってもよい。また、周方向突起54の延び方向に直交する断面(図10参照)における形状は、矩形に限られずに種々の形状であってよく、例えば三角形や四角形、逆U字状等の形状である。
周方向突起54の外周側に面する面である外周面54bは、少なくとも密封装置5の使用状態において、軸線xに沿って延びる面であることが好ましく、または、内周面22側に傾いた軸線xに対して外周側に斜めに延びる面であることが好ましい。つまり、周方向突起54の外周面54bは、軸線x方向において内側に向かうに連れて拡径する円錐面状又は略円錐面状であることが好ましい。
上述のように、径方向突起52は内周側に周方向突起54まで延びており、径方向突起52の外側端52bは、周方向突起54の外周面54bに接続している。周方向突起54は、例えば、径方向において、先端54aが外周側円盤部31bに面する位置(範囲)に形成されている。
次いで、上述の構成を有する密封装置5の作用について説明する。径方向突起52は、上述の密封装置1における径方向突起23と同様に滲み出た密封対象物に作用する(図6の破線F1,F4参照)。また、周方向突起53は、上述の密封装置1における周方向突起24と同様に作用する(図6のF2,F3)。また、内周側の周方向突起54は、外周側の周方向突起53を越えて更に外部側に漏れ出てきた密封対象物に作用する。具体的には、周方向突起54は、更に漏れ出てきた密封対象物にぶつかって、密封対象物を内周側に跳ね返す。この跳ね返された密封対象部が周方向突起53よりも内側における径方向突起52に達した場合、径方向突起52は側面52cの作用により、密封対象物をポンプ領域まで戻すことができる。このように、周方向突起54は、径方向突起52の密封対象物をポンプ領域に戻す機能を補助する機能を有している。
また、周方向突起54は、内周側の周方向突起53と同様に、密封対象物を安定して還流領域に留めることができ、また、スリンガ3の静止状態において、その自重により端面リップ21の内周面22を先端21a側から根元21b側に流れ落ちる密封対象物を堰き止めることができる。
このように、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5においては、径方向突起52及び周方向突起53,54によって、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32を越えて漏れ出た密封対象物をポンプ領域に戻すことができ、ポンプ領域の狭まる軸102の高回転時においても、周方向突起53,54によって多くの密封対象物を還流領域に保持することができ、ポンプ領域に戻される密封対象物の量を多くすることができる。また、周方向突起53,54によって、軸102の静止時における密封対象物の中間リップ28側への漏れ出しを抑制することができる。
このように、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5によれば、スリンガ3の溝33によるポンプ作用を利用した場合であっても、軸の回転速度の値に拘らず密封対象物の滲み出を抑制することができる。
次いで、本発明の実施の形態に係る密封装置1,4,5の変形例について説明する。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の変形例を示す図であり、図15は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置4の変形例を示す図である。密封装置1,4の端面リップ21は、複数の周方向リップを有していてもよく、例えば、図14,15に示すように、密封装置1,4の端面リップ21は、周方向リップ24に加えて、密封装置5の端面リップ21の有する周方向突起54を更に有していてもよい。
図16は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置5の変形例を示す図であり、図16に示すように、端面リップ21の周方向突起53は、密封装置4の周方向突起41と同様に、少なくとも1つの径方向突起52のスリンガ3の回転方向とは反対側に面する側面52cとの間に間隙42を有していてもよい。図16に示した変形例においては、互いに隣接する径方向突起52の間の空間の全てにおいて間隙42が形成されている。
また、径方向突起23,52は、螺旋状に延びているとしたが、端面リップ21の内周面22上で種々の形状を形成するように延びており、端面リップ21の内周面22上に螺旋状に配設されていてもよい。また、突起23,52の夫々の側面23c,23d及び側面52c,52dは、平面状であってもよく、曲面状であってもよい。
スリンガ3の有する溝33は、上述のように、図4に示すネジ(4条ネジ)形状に限らず、他の形状であってもよい。例えば、図17(a)に示すように、内周側から外周側に向かって軸線xを中心又は略中心として放射状に延びる溝であってもよく、また、図17(b)に示すように、周方向に傾いて延びる溝であってもよい。
密封装置1,4,5において、弾性体部20,51は、ダストリップ28及び中間リップ29を有しているとしたが、弾性体部20,51は、ダストリップ28及び中間リップ29を有していなくてもよく、ダストリップ28及び中間リップ29のいずれか一方のみを有していてもよい。
また、本実施の形態に係る密封装置1,4,5は、エンジンのクランク孔に適用されるものとしたが、本発明に係る密封装置の適用対象はこれに限られるものではなく、他の車両や汎用機械、産業機械等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
1,4,5 密封装置
2,50 密封装置本体
3 スリンガ
10 補強環
11 筒部
11a 外周側円筒部
11b 内周側円筒部
11c 接続部
12,14 円盤部
13 錐環部
20,51 弾性体部
21 端面リップ
21a 先端
21b 根元
22 内周面
22a スリンガ接触部
22b 外側縁
23,52 径方向突起
23a,52a 内側端
23b,52b 外側端
23c,23d,52c,52d 側面
24,41,53,54 周方向突起
24a,41a,53a,54a 先端
24b,41b,53b,54b 外周面
25 基体部
26 ガスケット部
27 後方カバー部
28 ダストリップ
29 中間リップ
29a 外周面
31 フランジ部
31a 内周側円盤部
31b 外周側円盤部
31c 接続部
31d 外側面
32 リップ接触部
33 溝
34 筒部
35 円筒部
35a 内周面
35b 外周面
42 間隙
52e 端面
100 ハウジング
101 軸孔
101a 内周面
102 軸
102a 外周面
G 間隔
S 挟空間
x 軸線

Claims (6)

  1. 軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、
    前記孔に嵌着される密封装置本体と、
    前記軸に取り付けられるスリンガとを備え、
    前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線周りに環状の弾性体部とを有しており、
    前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、
    前記弾性体部は、前記軸線方向において一方の側に向かって延びる、前記フランジ部に前記軸線方向において他方の側から接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、
    前記スリンガの前記フランジ部の前記他方の側には少なくとも1つの溝が形成されており、
    前記端面リップの内周側の面には、複数の径方向突起が周方向に並んで形成されており、また、少なくとも1つの周方向突起が形成されており、
    前記径方向突起は、前記他方の側から前記一方の側に向かって前記軸の回転方向に螺旋状に延びており、前記端面リップにおいて前記端面リップが前記スリンガに接触する部分であるスリンガ接触部よりも内周側に形成されており、
    前記周方向突起は、前記径方向突起の前記一方の側の端部よりも前記他方の側において、前記軸線周りに延びており、また、前記スリンガ接触部よりも前記軸線方向における前記他方の側において前記端面リップから突出していることを特徴とする密封装置。
  2. 前記周方向突起は、少なくとも1つの前記径方向突起の前記軸の回転方向とは反対側に面する側面との間に間隙を形成していることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記周方向突起は、前記密封装置におけるポンプ領域よりも前記他方の側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の密封装置。
  4. 前記径方向突起は、前記端面リップにおいて、前記スリンガ接触部から間隔を空けて形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の密封装置。
  5. 前記径方向突起は、前記密封装置における還流領域からポンプ領域に至るように、前記スリンガ接触部から前記間隔を空けて形成されていることを特徴とする請求項4記載の密封装置。
  6. 前記スリンガに形成された溝はネジ溝であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の密封装置。
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