JPWO2018173807A1 - 配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

(a)支持体、剥離層及び多層配線板を順に備えた複合積層体を用意する工程と、(b)複合積層体をステージ上に載置して、複合積層体の一方の面をステージに密着させる工程と、(c)複合積層体の一方の面をステージに密着させながら、支持体又は多層配線板を剥離層から、支持体又は多層配線板が曲率半径200〜5000mmの凸曲面を形成するように剥離する工程とを含む、配線板の製造方法が提供される。本発明の方法によれば、コアレス配線板等の配線板の製造において、支持体の割れや、多層配線板のクラックや断線等の欠陥の発生を防止し、安定的な剥離を可能とする。

Description

本発明は、配線板の製造方法に関する。
コアレスビルドアップ法のようなコアレス配線板の製造においては、支持体/剥離層/多層配線板を備えた複合積層体から支持体を剥離して多層配線板を取り出す作業が行われている。従来、支持体の剥離は支持体又は多層配線板の端部を把持して機械的に剥離する手法が主流であった。
ところで、最近のトレンドとして、剛性を有する支持体が多くなる一方、多層配線板はより薄型となってきている。しかしながら、かかる状況で支持体の剥離を行おうとすると、支持体が割れたり、或いは多層配線板にクラックや断線等の不具合を生じさせたりする、という問題があった。
コアレス配線板の製造における支持体の剥離手法としては様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1(特開2015−005644号公報)には、刃物を剥離層界面に挿入し、界面圧縮空気を入れながら刃物を移動させて支持体を剥離していく方法が提案されている。
特開2015−005644号公報
しかしながら、特許文献1の手法は、この刃物を用いた手法は配線層にダメージを与えやすい。例えば、刃物が滑って配線層にダメージを与えることがある。また、刃物の挿入又は移動時に剥離層界面での局所応力に耐え切れず配線層がダメージを受けることもある。
本発明者らは、今般、複合積層体(支持体、剥離層及び多層配線板を含む)をステージに密着させながら、支持体又は多層配線板を剥離層から所定の凸曲面を形成するように剥離することにより、支持体の割れや、多層配線板のクラックや断線等の欠陥の発生を防止し、安定的な剥離が可能となるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、コアレス配線板等の配線板の製造において、支持体の割れや、多層配線板のクラックや断線等の欠陥の発生を防止し、安定的な剥離を可能とすることにある。
本発明の一態様によれば、(a)支持体、剥離層及び多層配線板を順に備えた複合積層体を用意する工程と、
(b)前記複合積層体をステージ上に載置して、前記複合積層体の一方の面を前記ステージに密着させる工程と、
(c)前記複合積層体の一方の面を前記ステージに密着させながら、前記支持体又は前記多層配線板を前記剥離層から、前記支持体又は前記多層配線板が曲率半径200〜5000mmの凸曲面を形成するように剥離する工程と、
を含む、配線板の製造方法が提供される。
本発明の方法における工程(a)及び(b)を示す図である。 本発明の方法における工程(c)の一態様を示す図である。 本発明の方法における工程(c)の他の態様を示す図である。 実施例で使用した円筒状ヘッドの一例を示す図である。
配線板の製造方法
本発明による配線板の製造方法は、(a)複合積層体の用意、(b)複合積層体のステージ上への載置、(c)支持体又は多層配線板の剥離を含む。したがって、本発明の配線板の製造方法は、支持体又は多層配線板の剥離方法、或いは支持体及び多層配線板の分離方法と称することもできる。以下、図1〜3を参照しながら、工程(a)〜(c)の各々について説明する。
(a)複合積層体の用意
まず、図1(iii)に示されるように、支持体12、剥離層14及び多層配線板25を順に備えた複合積層体26を用意する。このような複合積層体26はコアレスビルドアップ法等の多層配線板の製造方法において、支持体を剥離する前の中間製品に相当するものである。なお、支持体12の例としては、ガラス板、金属板、セラミック板、樹脂板等が挙げられる。剥離層14の例としては、有機剥離層、無機剥離層、炭素剥離層、剥離性粘着層等が挙げられる。複合積層体26は、図1(iii)に示されるように、キャリア付銅箔等の積層シート10上に多層配線板25に相当するビルドアップ層を形成することにより行うのが好ましい。キャリア付銅箔等の積層シート10を用いた複合積層体26の好ましい製造方法については後述する。
予め、複合積層体26の端部(特に剥離層14の界面)には切り込みを入れておくのが好ましい。こうすることで、工程(c)の剥離開始段階で複合積層体26が損傷を受けにくくなる。
複合積層体26の支持体12と反対側に第2支持体(図示せず)が設けられてもよい。こうすることで、支持体12を剥離する際に、複合積層体26は第2支持体によって補強されているため、局部的に大きく湾曲されずに済む。すなわち、剥離時の湾曲が効果的に防止ないし抑制され、その結果、多層配線層の接続信頼性を向上できる。第2支持体は剥離層14よりも高い剥離強度をもたらす第2剥離層(図示せず)を介して複合積層体26の支持体12と反対側に積層されるのが好ましい。第2剥離層が剥離層14よりも高い剥離強度をもたらすことで、支持体12を剥離する際に、第2支持体と多層配線板25との間(すなわち第2剥離層)で分離させることなく、支持体12と多層配線板25との間(すなわち剥離層14)での選択的な分離を効果的に行うことができる。第2剥離層の構成は特に限定されず、粘着剤層、粘着剥離層、剥離層等と称されるような公知の層であることができる。
(b)複合積層体のステージ上への載置
次に、図1(iv)に示されるように、複合積層体26をステージ30上に載置して、複合積層体26の一方の面をステージ30に密着させる。ステージ30に密着させる面は、複合積層体26の支持体12側であってもよいし、複合積層体26の多層配線板25側であってもよい。ステージ30の形状は特に限定されないが、典型的には平面を有する形状である。すなわち、ステージ30は、複合積層体26が載置される面が平面であるのが好ましい。ステージ30の材質は特に限定されず、金属、セラミックス、樹脂等であってもよいが、好ましいセラミックス材料の例としては、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素等が挙げられる。好ましい金属材料の例としては、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン合金等が挙げられる。ステージ30の表面には、複合積層体26との接触時における衝撃や応力を緩和するための、緩衝シートが設けられてもよい。緩衝シートの例としては樹脂シートが挙げられ、特に好ましくはゴムシート、発泡テフロン(登録商標)シート、ポリウレタンシートが挙げられる。
工程(b)におけるステージ30と複合積層体26との密着強度は、支持体12と多層配線板25との剥離強度よりも大きいのが好ましい。例えば、工程(b)におけるステージ30と複合積層体26との密着強度は、剥離層14の剥離強度の5〜250倍であるのが好ましく、より好ましくは25〜150倍であり、さらに好ましくは50〜100倍である。上記のような密着強度であると、無理なくスムーズな剥離が実現しやすくなる。
複合積層体26をステージ30に密着させる手法は特に限定されず、単なる接着(例えば接着剤や粘着テープを用いた接着)でもよいし、真空吸着であってもよい。好ましくは、真空吸着が、その後の複合積層体26の解放を容易に行える点で好ましい。例えば、図1に示される構成においては、ステージ30には吸引孔30aが設けられており、この吸引孔30aが真空ポンプや真空エジェクタ(図示せず)に接続されることで、吸引孔30aを介した真空吸着が可能となっている。上記のとおり、真空吸着を行う場合において、真空吸着時の吸着圧力は、ステージ30と複合積層体26との密着強度を、支持体12と多層配線板25との剥離強度よりも高くする範囲内で適宜設定され得る。吸着圧力は、大気圧に対して典型的には−20〜−95KPa、好ましくは−40〜−90KPa程度で設定されるものである。このような圧力範囲であると、複合積層体26に局所的な吸着跡を残さず、かつ、安定的な剥離動作が可能となる。
(c)支持体又は多層配線板の剥離
最後に、図2及び3に示されるように、複合積層体26の一方の面をステージ30に密着させながら、支持体12又は多層配線板25を剥離層14から、支持体12又は多層配線板25が曲率半径200〜5000mmの凸曲面を形成するように剥離する。このように、複合積層体26をステージ30に密着させながら、支持体12又は多層配線板25を剥離層14から所定の凸曲面を形成するように剥離することにより、支持体12の割れや、多層配線板25のクラックや断線等の欠陥の発生を防止し、安定的な剥離が可能となる。すなわち、従来、支持体の剥離は支持体又は多層配線板の端部を把持して機械的に剥離する剥離手法が主流であったが、そのような手法は曲率半径が小さくなりすぎて、応力が集中してしまい、支持体又は多層配線板に損傷が生じやすい。同様の問題は、特許文献1に記載されるような刃物を剥離層界面に挿入させる手法にも当てはまる。この点、本発明においては、支持体12又は多層配線板25が曲率半径200mm以上の凸曲面を形成するように剥離することで、小さい曲率半径に起因する応力の集中及び損傷の発生を回避することができる。しかも、上記凸曲面の曲率半径を5000mm以下とし、かつ、上記剥離を複合積層体26の一方の面をステージ30に密着させながら行うことで、極めて簡単にかつ極めて効率良く剥離を行うことができ、生産性が格段に向上する。つまり、多層配線板25を高い歩留まりかつ高い生産性で製造することが可能となる。
剥離時の支持体12又は多層配線板25の形成する凸曲面の曲率半径は200〜5000mmであり、好ましくは300〜3500mm、さらに好ましくは350〜3000mm、特に好ましくは600〜1900mm、最も好ましくは1000〜1800mmである。曲率半径が上記範囲内であると上述した本発明の効果がより効果的に実現できる。
工程(c)において、複合積層体26のステージ30と反対側の面に円筒状ヘッドを接触させるのが好ましい。本態様において円筒状ヘッドは、図3に示される円筒状ヘッド50のように断面が円形となる完全な円筒形状であってもよいし、図2に示される円筒状ヘッド40のように断面が円弧又は扇形となる不完全ないし部分的な円筒形状であってもよい。また、円筒状ヘッドは楕円に由来する形状を含んでいてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、円筒状ヘッドの表面には、部分的に溝加工やキャビティ加工、孔加工が施されていてもよい。円筒状ヘッドの材質は特に限定されず、金属、セラミックス、樹脂等であってもよいが、好ましい例としてはステンレス鋼、アルミニウム、チタン合金等が挙げられる。円筒状ヘッドの表面には、複合積層体26との接触時における衝撃や応力を緩和するための、緩衝シートが設けられてもよい。緩衝シートの例としてはシリコンゴムシートが挙げられる。
好ましくは、図2に示されるように、1)複合積層体26のステージ30と反対側の面における端部を、円筒状ヘッド40に密着させ、その後、2)円筒状ヘッド40を回転させて複合積層体26と円筒状ヘッド40との密着領域を増加させることにより、剥離層14から支持体12又は多層配線板25を剥離する。この場合、円筒状ヘッド40に200〜5000mmの曲率半径を予め持たせておくことで、円筒状ヘッド40への密着によって支持体12又は多層配線板25に曲率半径200〜5000mmの凸曲面を容易に付与することができる。この態様においては、円筒状ヘッド40には吸引孔40aを設けておき、この吸引孔40aが真空ポンプや真空エジェクタに接続されているのが好ましい。すなわち、工程(c)は真空吸着を含むのが好ましい。こうすることで、円筒状ヘッド40への支持体12又は多層配線板25の密着、並びにそれによる上記凸曲面の実現をより効果的に行うことができる。この態様において、円筒状ヘッド40は、上記密着を促進するため、吸盤、吸着パッド等の吸着部材が設けられてもよい。この吸着動作においては、真空吸着が好ましく、その際に設定される吸着圧力は、−20〜−95KPaが好ましく、より好ましくは−40〜−90KPa程度である。このような圧力範囲であると、複合積層体26に局所的な吸着跡を残さず、かつ、安定的な剥離動作が可能となる。
あるいは、図3に示されるように、1)複合積層体26の端部における支持体12と多層配線板25との間にローラ52を挿入し、その後、2)円筒状ヘッド50及びローラ52を同期させながら回転させ、それにより剥離層14から支持体12又は多層配線板25を剥離するのも好ましい。この場合、ローラ52及び円筒状ヘッド50の各径、並びにローラ52及び円筒状ヘッド50の位置関係を制御することで、支持体12又は多層配線板25に曲率半径200〜5000mmの凸曲面を容易に付与することができる。この態様においては、ローラ52の挿入が剥離を促進する一方、剥離される支持体12又は多層配線板25がローラ52に持ち上げられて曲がり過ぎる(それ故曲率半径が小さくなりすぎる)のを円筒状ヘッド50による上からの規制(下方への軽い押し下げ)により阻止することができる。
上記のいずれの態様においても、工程(c)における剥離速度は0.01〜2.0m/secであるのが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0m/sec、さらに好ましくは0.1〜0.5m/secである。上記範囲内とすることで、支持体及び多層配線板をスムーズかつ効率良く剥離することができる。剥離速度は、剥離開始時から剥離完了までの間に変化させるように制御してもよい。
工程(c)におけるステージ30と複合積層体26との密着強度が、支持体12と多層配線板25との剥離強度よりも大きい。例えば、工程(c)におけるステージ30と複合積層体26との密着強度が、剥離層14の剥離強度の5〜250倍であるのが好ましく、より好ましくは25〜150倍であり、さらに好ましくは50〜100倍である。上記のような密着強度であると、無理なくスムーズな剥離が実現しやすくなる。
工程(c)において複合積層体26をステージ30に密着させる手法は工程(b)で採用される手法と同様とすればよい。したがって、工程(b)において説明した真空吸着等の手法は工程(c)にもそのまま当てはまる。
工程(c)中、剥離層14の界面に圧縮空気を当てながら、剥離の補助を行ってもよい。こうることで、支持体12又は多層配線板25の剥離がしやすくなる。
工程(c)は液体中で行ってもよい。例えば、剥離層14が粘着層(特に可溶性粘着層)である場合、粘着層を溶解可能な液体中で剥離を行うことで、支持体12又は多層配線板25の剥離がしやすくなる。
(d)その他
なお、上述した態様では、支持体12又は多層配線板25の剥離層14からの剥離に着目して説明しているが、本発明の工程(c)は、第2支持体(図示せず)又は多層配線板25の第2剥離層(図示せず)からの剥離にも同様に適用可能である。
また、支持体12及び/又は第2支持体の少なくとも一辺が多層配線板25の端部から延出しているのが好ましい。こうすることで、支持体12ないし第2支持体を剥離する際、円筒状ヘッド40への端部の吸着や、支持体12と多層配線板25との間へのローラ52の挿入がしやすくなり、剥離を容易にすることができるとの利点がある。
複合積層体の製造方法
本発明の工程(a)における複合積層体の好ましい製造方法を、図1を参照しながら以下に説明する。複合積層体26の製造方法は、(1)積層シート10の用意、(2)第1配線層18の形成、(3)複合積層体26の形成の各工程を含む。
(1)積層シートの用意
図1(i)に示されるように、多層配線板を形成するためのベースとなる積層シート10を用意する。積層シート10は、支持体12、剥離層14及び金属層16を順に備える。積層シート10は、いわゆるキャリア付銅箔の形態であってもよい。
支持体12の材質は特に限定されず、ガラス、セラミックス、樹脂、及び金属のいずれであってもよい。また、支持体12の形態も特に限定されず、シート、フィルム、板、及び箔のいずれであってもよい。また、支持体12はこれらのシート、フィルム、板、及び箔等が積層されたものであってもよい。例えば、支持体12はガラス板、セラミックス板、金属板等といった剛性を有する支持体として機能し得るものであってもよいし、金属箔や樹脂フィルム等といった剛性を有しない形態であってもよい。支持体12の好ましい例としては、金属シート、ガラスシート、セラミックス板(プレート)、金属シート及びプリプレグの積層体、接着剤が塗布された金属シート、樹脂シート(特に硬質樹脂シート)が挙げられる。支持体12の金属の好ましい例としては、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、アルミニウム等が挙げられる。セラミックスの好ましい例としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム(ファインセラミックス)等が挙げられる。樹脂の好ましい例としては、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、液晶ポリマー、PEEK樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等が挙げられる。より好ましくは、電子素子を搭載する際の加熱に伴うコアレス支持体の反り防止の観点から、熱膨張係数(CTE)が25ppm/K未満(好ましくは1.0〜23ppm/K、より好ましくは1.0〜15ppm/K、さらに好ましくは1.0〜10ppm/K)の材料であり、そのような材料の例としては上述したような各種樹脂(特にポリイミド樹脂、液晶ポリマー等の低熱膨張樹脂)、上述したような各種樹脂とガラス繊維とで形成されるプリプレグ、ガラス及びセラミックス等が挙げられる。また、ハンドリング性やチップ実装時の平坦性確保の観点から、支持体12はビッカース硬度が500〜3000HVであるのが好ましく、より好ましくは550〜2500HV、さらに好ましくは600〜2000HVである。
これらの特性を満たす材料として、支持体12は樹脂フィルム、ガラス又はセラミックスで構成されるのが好ましく、より好ましくはガラス又はセラミックスで構成され、特に好ましくはガラスで構成される。例えばガラスシートである。ガラスを支持体12として用いた場合、軽量で、熱膨脹係数が低く、絶縁性が高く、剛直で表面が平坦なため、金属層16の表面を極度に平滑にできる等の利点がある。また、支持体12がガラスである場合、電子素子搭載時に有利な表面平坦性(コプラナリティ)を有している点、プリント配線板製造工程におけるデスミアや各種めっき工程において耐薬品性を有している点等の利点がある。支持体12を構成するガラスの好ましい例としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、アミノシリケートガラス、及びそれらの組合せが挙げられ、特に好ましくは無アルカリガラスである。無アルカリガラスは、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、及び酸化カルシウムや酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物を主成分とし、更にホウ酸を含有する、アルカリ金属を実質的に含有しないガラスのことである。この無アルカリガラスは、0℃から350℃までの広い温度帯域において熱膨脹係数が3〜5ppm/Kの範囲で低く安定しているため、電子素子として半導体チップを搭載した際、ガラスの反りを最小限にできるとの利点がある。
支持体12の厚さは100〜2000μmが好ましく、より好ましくは300〜1800μm、更に好ましくは400〜1100μmである。このような範囲内の厚さであると、ハンドリングに支障を来たさない適切な強度を確保しながらプリント配線板の薄型化、及び電子部品搭載時に生じる反りの低減を実現することができる。
支持体12の剥離層14側(存在する場合には密着金属層側)の表面は、JIS B 0601−2001に準拠して測定される、0.1〜70nmの算術平均粗さRaを有するのが好ましく、より好ましくは0.5〜60nm、さらに好ましくは1.0〜50nm、特に好ましくは1.5〜40nm、最も好ましくは2.0〜30nmである。このように算術平均粗さが小さいほど、金属層16の剥離層14と反対側の表面(金属層16の外側表面)において望ましく低い算術平均粗さRaをもたらすことができ、それにより、積層シート10を用いて製造されるプリント配線板において、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μm〜1μm/1μm)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンの形成を形成するのに適したものとなる。
所望により、積層シート10は、支持体12の剥離層14側の表面に密着金属層及び/又は剥離補助層を有していてもよく、好ましくは密着金属層及び剥離補助層をこの順に有する。
所望により設けられる密着金属層は、支持体12との密着性を確保する点から、Ti、Cr及びNiからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成される層であるのが好ましく、純金属であってもよいし、合金であってもよい。密着金属層を構成する金属は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。また、特に制限されるものではないが、密着金属層の成膜後に大気に暴露される場合、それに起因して混入する酸素の存在は許容される。密着金属層はスパッタリング等の気相法により形成された層であるのが好ましい。密着金属層は、金属ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法により形成された層であるのが膜厚分布の均一性を向上できる点で特に好ましい。密着金属層の厚さは5〜500nmであるのが好ましく、より好ましく10〜300nm、さらに好ましくは18〜200nm、特に好ましくは20〜150nmである。
所望により設けられる剥離補助層は、剥離層14との剥離強度を所望の値に制御とする点から、銅で構成される層であるのが好ましい。剥離補助層を構成する銅は原料成分や成膜工程等に起因する不可避不純物を含んでいてもよい。剥離補助層はスパッタリング等の気相法により形成された層であるのが好ましい。剥離補助層は、銅ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法により形成された層であるのが膜厚分布の均一性を向上できる点で特に好ましい。剥離補助層の厚さは5〜500nmであるのが好ましく、より好ましく10〜400nm、さらに好ましくは15〜300nm、特に好ましくは20〜200nmである。
剥離層14は、支持体12の剥離を可能とする層であるかぎり、材質は特に限定されない。例えば、剥離層14は、キャリア付銅箔の剥離層として採用される公知の材料で構成されることができる。剥離層14は、有機剥離層及び無機剥離層のいずれであってもよい。有機剥離層に用いられる有機成分の例としては、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、カルボン酸等が挙げられる。窒素含有有機化合物の例としては、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。一方、無機剥離層に用いられる無機成分の例としては、Ni、Mo、Co、Cr、Fe、Ti、W、P、Znの少なくとも一種類以上の金属酸化物、金属と非金属の混合物、炭素層等が挙げられる。これらの中でも特に、剥離層14は主として炭素を含んでなる層であるのが剥離容易性や膜形成性の点等から好ましく、より好ましくは主として炭素又は炭化水素からなる層であり、さらに好ましくは硬質炭素膜であるアモルファスカーボン、又はカーボン−窒素混合物からなる。剥離層14の厚さは1〜20nmが好ましく、より好ましくは1〜10nmである。
剥離層14を剥離する際の第1配線層18への応力集中を極力低減し、剥離工程を容易なものとする点から、剥離層14の剥離強度は1〜30gf/cmであるのが好ましく、より好ましくは3〜20gf/cm、さらに好ましくは4〜15gf/cmである。剥離層14の剥離強度は以下のようにして測定されるものである。まず、支持体12上に剥離層14を形成し、その上に金属層16としての銅層を形成した積層シートを形成し、その上に厚さ18μmの電気銅めっき層を形成し、銅張積層板を形成する。その後、JIS C 6481−1996に準拠し、金属層16と一体となった電気銅めっき層を剥離した時の剥離強度(gf/cm)を測定する。
剥離層14の剥離強度は、剥離層14の厚さを制御すること、剥離層14の組成を選択すること等により、制御することができる。
金属層16は、金属で構成される層であり、好ましくは後述する第1配線層18への給電を可能とする給電層16aを含む。金属層16ないし給電層16aは、いかなる方法で製造されたものでよく、例えば、無電解銅めっき法及び電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング及び真空蒸着等の物理気相成膜法、化学気相成膜、又はそれらの組合せにより形成した銅箔であってよい。給電層16aを構成する好ましい金属は銅であり、それ故、好ましい給電層16aは極薄銅層でありうる。特に好ましい給電層16aは、極薄化によるファインピッチ化に対応しやすい観点から、スパッタリング法や及び真空蒸着等の気相法により形成された銅層であり、最も好ましくはスパッタリング法により製造された銅層である。また、極薄銅層は、無粗化の銅層であるのが好ましいが、プリント配線板製造時の配線パターン形成に支障を来さないかぎり予備的粗化やソフトエッチング処理や洗浄処理、酸化還元処理により二次的な粗化が生じたものであってもよい。金属層16を構成する給電層16a(例えば極薄銅層)の厚さは特に限定されないが、上述したようなファインピッチ化に対応するためには、50〜3000nmが好ましく、より好ましくは70〜2500nm、さらに好ましくは80〜2000nm、特に好ましくは90〜1500nm、特により好ましくは120〜1000nm、最も好ましくは150〜500nmである。このような範囲内の厚さの給電層16a(例えば極薄銅層)はスパッタリング法により製造されるのが成膜厚さの面内均一性や、シート状やロール状での生産性の観点で好ましい。
金属層16の剥離層14と反対側の表面(金属層16の外側表面)が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される、1.0〜100nmの算術平均粗さRaを有するのが好ましく、より好ましくは2.0〜40nm、さらに好ましくは3.0〜35nm、特に好ましくは4.0〜30nm、最も好ましくは5.0〜15nmである。このように算術平均粗さが小さいほど、積層シート10を用いて製造されるプリント配線板において、ライン/スペース(L/S)が13μm以下/13μm以下(例えば12μm/12μm〜1μm/1μm)といった程度にまで高度に微細化された配線パターンの形成を形成するのに適したものとなる。なお、このような平滑な表面の場合、算術平均粗さRaの測定には、非接触式表面粗さ測定法を採用するのが好ましい。
金属層16は2層以上の層構成を有していてもよい。例えば、図1に示されるように、金属層16は上述の給電層16aに加え、給電層16aの剥離層14側の面に反射防止層16bを有していてもよい。すなわち、金属層16は給電層16a及び反射防止層16bを含むものであってもよい。反射防止層16bはCr、W、Ta、Ti、Ni及びMoからなる群から選択される少なくとも1種の金属で構成されるのが好ましい。反射防止層16bは、少なくとも給電層16a側の表面が金属粒子の集合体であるのが好ましい。反射防止層16bは、全体が金属粒子の集合体で構成される層構造であってもよいし、金属粒子の集合体からなる層とその下部に粒子状ではない層とを含む複数層の構造であってもよい。反射防止層16bの給電層16a側の表面を構成する金属粒子の集合体は、その金属質の材質及び粒状形態に起因して望ましい暗色を呈し、その暗色が銅で構成される配線層との間で望ましい視覚的コントラストをもたらし、その結果、画像検査(例えば自動画像検査(AOI))における視認性を向上させる。
反射防止層16bは、Cr、W、Ta、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1種の金属で構成され、好ましくはTa、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1種の金属で、より好ましくはTi、Ni及びMoから選択される少なくとも1種の金属で、最も好ましくはTiで構成される。これらの金属は純金属であってもよいし、合金であってもよい。いずれにしても、これらの金属は本質的に酸化されていない(本質的に金属酸化物ではない)のがCuとの視覚的コントラストを向上する望ましい暗色を呈するため好ましく、具体的には、反射防止層16bの酸素含有量が0〜15原子%であるのが好ましく、より好ましくは0〜13原子%、さらに好ましくは1〜10原子%である。いずれにしても上記金属は、銅フラッシュエッチング液に対して溶解しないという性質を有し、その結果、銅フラッシュエッチング液に対して優れた耐薬品性を呈することができる。反射防止層16bの厚さは1〜500nmであるのが好ましく、より好ましく10〜300nm、さらに好ましくは20〜200nm、特に好ましくは30〜150nmである。
(2)第1配線層の形成
図1(ii)に示されるように、金属層16の表面に第1配線層18を形成する。典型的には、第1配線層18の形成は、公知の手法に従い、フォトレジスト層の形成、電気銅めっき層の形成、フォトレジスト層の剥離、及び所望により銅フラッシュエッチングを経て行われる。例えば、以下のとおりである。まず、金属層16の表面にフォトレジスト層を所定のパターンで形成する。フォトレジストは感光性フィルムであるのが好ましく、例えば感光性ドライフィルムである。フォトレジスト層は、露光及び現像により所定の配線パターンを付与すればよい。金属層16の露出表面(すなわちフォトレジスト層でマスキングされていない部分)に電気銅めっき層を形成する。電気銅めっきは公知の手法により行えばよく、特に限定されない。次いで、フォトレジスト層を剥離する。その結果、電気銅めっき層が配線パターン状に残って第1配線層18を形成し、配線パターンを形成しない部分の金属層16が露出する。
金属層16が給電層16aのみならず反射防止層16bを含む場合、金属層16の給電層16aに相当する部分をフラッシュエッチングにより除去して反射防止層16bを露出させてもよい。こうすることで、後述する第1配線層18の画像検査がしやすくなる。このフラッシュエッチング液は、硫酸/過酸化水素混合液や、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムの少なくともいずれか1種を含む液を用いるのが、電気銅めっき層の過度なエッチングを回避しながら、露出した金属層16を確実にエッチングできる点で好ましい。また、反射防止層16bを含む場合、配線パターンを形成しない部分の反射防止層16bがフラッシュエッチング液により溶解されず残留し、表面に露出することとなる。このとき、反射防止層16bを構成しうるCr、W、Ta、Ti、Ni及びMoから選択される少なくとも1種の金属は、銅フラッシュエッチング液に対して溶解しないという性質を有するので、銅フラッシュエッチング液に対して優れた耐薬品性を呈することができる。すなわち、反射防止層16bは、存在する場合、銅フラッシュエッチングで除去されることなく、所望により行われる後続の画像検査工程のために露出状態で残されるのが好ましい。
必要に応じて、上記フラッシュエッチング後、反射防止層16bを露出させたままの状態で、配線層付コアレス支持体(具体的には第1配線層18)を画像検査する工程を行ってもよい。画像検査は、典型的には、光学式自動外観検査(AOI)装置を用いて光源から所定の光を照射して、配線パターンの二値化画像を取得し、この二値化画像と設計データ画像とのパターンマッチングを試み、両者間における一致/不一致を評価することにより行われる。このとき、反射防止層16bの表面が金属粒子の集合体で構成される場合、その金属質の材質及び粒状形態に起因して望ましい暗色を呈し、その暗色が第1配線層18との間で望ましい視覚的コントラストをもたらすので、画像検査(例えば自動画像検査(AOI))における視認性を向上させる。
(3)複合積層体の形成
図1(iii)に示されるように、積層シート10の第1配線層18が形成された面に絶縁層20及び配線層22を交互に形成して、第1配線層18が埋込み配線層の形で組み込まれた、多層配線板25ないし複合積層体26を得る。配線層22は1層以上であり、第1配線層18の表現に倣って、第n配線層22(nは2以上の整数)と称することもできる。絶縁層20は1層以上であればよい。すなわち、本発明における多層配線板25は少なくとも2層の配線層(すなわち少なくとも第1配線層18及び第2配線層22)を少なくとも1層の絶縁層20とともに有するものである。第1配線層18、第n配線層22及び絶縁層20で構成される逐次積層構造はビルドアップ層ないしビルドアップ配線層と一般的に称される。本発明の製造方法においては、一般的にプリント配線板において採用される公知のビルドアップ配線層の構成を採用すればよく特に限定されない。ただし、本発明の円筒状ヘッド40に追従させる形でビルドアップ配線層を剥離する場合、ビルドアップ配線層の損傷を防ぐ点から、絶縁層20は、樹脂を含有する絶縁層で構成されるのが好ましい。
また、ビルドアップ配線層の最表面における配線層上には、必要に応じて、ソルダ―レジスト層及び/又は表面金属処理層(例えば、OSP(Organic Solderbility Preservative)処理層、Auめっき層、Ni−Auめっき層等)が形成されていてもよい。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1〜5
(1)多層積層体の作製
支持体(キャリア)として厚さ1.1mmのソーダガラス板を用意した。このソーダガラス板に、密着金属層(厚さ100nmのチタン層)、剥離補助層(厚さ100nmの銅層)、剥離層(厚さ3nmのアモルファスカーボン層)及び極薄銅層(厚さ300nmの銅層)をこの順でスパッタリングにより形成して、キャリア付銅箔を得た。得られたキャリア付銅箔の極薄銅層に対してビルドアップ法により2層構成の配線層を含む多層配線板(絶縁層/配線層からなる複合層1層の合計厚さ:0.03mm、剥離層上の配線層の幅10μm)を形成して、510mm×400mmのサイズの複合積層体を得た。
(2)支持体又は多層配線板の剥離
表1に示される様々な曲率半径の円筒状ヘッドを用意した。図4に円筒状ヘッドの一例が示される。図4に示される円筒状ヘッド40’(材質:ステンレス鋼SUS304)は、所定の曲率の円筒状板を含み、その一面側に吸盤42(材質:アクリルニトリルブタジエンゴム)及びスペーサ44(材質:アクリルニトリルブタジエンゴム)を備える。吸盤42内は吸引孔を有しており、この吸引孔を真空ポンプに接続させた。一方、図1及び2に示されるように、平板ステージ30(材質:ステンレス鋼SUS304)を用意した。この平板ステージ30も吸引孔を有しており、この吸引孔も真空ポンプに接続させた。図1に示されるように平板ステージ30に上記(1)で作製された複合積層体26を、支持体12が平板ステージ30と向かい合う向きで載置した。真空ポンプを作動させて吸引孔30aを介して真空吸着することで複合積層体26を平板ステージ30に密着させるとともに、同様に吸盤42の吸引孔を真空吸引状態とした。複合積層体26を平板ステージ30に密着させながら、多層配線板25の端部に円筒状ヘッド40’を接触させて吸盤42の吸引孔を介して多層配線板25を真空吸着した。この状態で円筒状ヘッド40’を回転させて、複合積層体26と円筒状ヘッド40’との密着領域を増加させることにより、多層配線板25を円筒状ヘッド40’に真空吸着させながら0.2m/secの剥離速度で剥離した。このときの支持体12と極薄銅層との剥離強度は5gf/cmであったため、その平板ステージ30と複合積層体26の密着強度及び円筒状ヘッド40’と複合積層体26の密着強度が上記剥離強度の50〜100倍となるように平板ステージ30及び円筒状ヘッド40’の真空吸着圧を調整した。こうして、支持体12又は多層配線板25を表1に示される曲率半径の凸曲面を形成するように剥離した。
(3)評価
剥離後の支持体12と剥離後の多層配線板25を観察して以下の基準により評価した。結果は表1に示されるとおりであった。
<評価1:支持体の割れ>
・評価A:支持体の割れが発生せず
・評価B:支持体の端部に割れが発生
・評価C:支持体の中央部から割れが発生(不可)。
<評価2:多層配線板のクラック>
・評価AA:クラック発生率が0%
・評価A:クラック発生率が0%を超え5%未満
・評価B:クラック発生率が5%を超え10%未満
・評価C:クラック発生率が10%以上(不可)
<総合評価>
・評価AA:全ての評価がA以上であり、かつ、少なくとも1つの評価がAA
・評価A:全ての評価がAであるもの
・評価B:全ての評価がB以上であり、かつ、評価AA及びAに該当しないもの
・評価C:少なくとも1つの評価がCであるもの(不可)
例6(比較)
円筒状ヘッドを用いないで、多層配線板の端部を手で把持して剥離したこと以外は、例1〜5と同様にして、配線板の製造及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。
例7(比較)
円筒状ヘッドの代わりに平板状ヘッドを用いたこと以外は、例1〜5と同様にして、配線板の製造及び評価を行った。結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 2018173807

Claims (5)

  1. (a)支持体、剥離層及び多層配線板を順に備えた複合積層体を用意する工程と、
    (b)前記複合積層体をステージ上に載置して、前記複合積層体の一方の面を前記ステージに密着させる工程と、
    (c)前記複合積層体の一方の面を前記ステージに密着させながら、前記支持体又は前記多層配線板を前記剥離層から、前記支持体又は前記多層配線板が曲率半径200〜5000mmの凸曲面を形成するように剥離する工程と、
    を含む、配線板の製造方法。
  2. 前記工程(c)が、前記複合積層体の前記ステージと反対側の面に円筒状ヘッドを接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(c)が、
    前記複合積層体の前記ステージと反対側の面における端部を、前記円筒状ヘッドに密着させ、その後、
    前記円筒状ヘッドを回転させて前記複合積層体と前記円筒状ヘッドとの密着領域を増加させることにより、前記剥離層から前記支持体又は前記多層配線板を剥離することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記工程(c)が、
    前記複合積層体の端部における前記支持体と前記多層配線板との間にローラを挿入し、その後、
    前記円筒状ヘッド及び前記ローラを同期させながら回転させ、それにより前記剥離層から前記支持体又は前記多層配線板を剥離することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記工程(c)における剥離速度が0.01〜2.0m/secである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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