JPWO2018163926A1 - タンデム型質量分析装置及び該装置用プログラム - Google Patents

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Abstract

質量分析によりデータが得られるとマススペクトル解析部(32)は直ちに、測定対象のm/z範囲全体を所定のm/z幅ずつ区切ったm/z小範囲毎に、マススペクトル上の信号強度の積算値を求める。そして、その信号強度積算値が所定の閾値以上であるm/z小範囲のみをMS/MS分析の対象として選択する。MS/MS分析制御部(41)は選択されたm/z小範囲毎に、m/zがm/z小範囲に含まれるイオンをプリカーサイオンとしたMS/MS分析を実行する。こうして1回の質量分析と1又は複数回のMS/MS分析とを含む測定周期を繰り返し実行したあと、同定処理部(35)は各プロダクトイオンの抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの保持時間に基づき同一成分由来のイオンを選別し成分を同定する。これにより、マススペクトルで観測されるイオン由来のプロダクトイオンの情報を極力漏れなく収集しつつ、MS/MS分析の実行回数を減らして1測定周期の時間を短縮することができる。

Description

本発明は、試料成分由来のイオンを解離させ、それにより生成されるプロダクトイオン(フラグメントイオン)の質量分析を行うことが可能であるタンデム型質量分析装置、及び該装置用のコンピュータプログラムに関する。
分子量が大きな化合物を同定したりその化学構造を解析したりするために、質量分析の一手法であるMS/MS分析(タンデム分析)は有用な手法であり、様々な分野において近年広く利用されている。MS/MS分析を行う質量分析装置としてよく知られているのは、衝突誘起解離(CID)を行うコリジョンセルを挟んでその前後に四重極マスフィルタを配置した三連四重極型質量分析装置である。また、三連四重極型質量分析装置において後段の四重極マスフィルタを飛行時間型質量分析器に置き換えたいわゆるQ−TOF型質量分析装置は、三連四重極型質量分析装置に比べて構造が複雑で高価であるものの、より精度の高いマススペクトルを取得することができる。また、前段の四重極マスフィルタも飛行時間型質量分析器に置き換えたTOF/TOF型の装置も知られている。
本明細書では、コリジョンセルに限らずイオンを解離させるイオン解離部を挟んでその前後にそれぞれ質量分析器を備えた、MS/MS分析が可能である質量分析装置全般をタンデム型質量分析装置と呼ぶ。また、タンデム型質量分析装置を単に質量分析装置ということがある。
タンデム型質量分析装置に限らず質量分析装置はしばしば、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)と組み合わせて用いられる。特に、試料に含まれる多数の化合物を一斉に分析する多成分一斉分析においては、液体クロマトグラフ又はガスクロマトグラフとタンデム型質量分析装置とを組み合わせた液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)又はガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)が有用である。以下、これらを総称してクロマトグラフ質量分析装置という。
クロマトグラフ質量分析装置を用いて試料中の目的成分に対するMS/MSスペクトルを取得したい場合、一般には、ターゲットであるその目的成分由来のプリカーサイオンの質量電荷比m/zを事前に分析条件の一つとして設定しておく必要がある。しかしながら、試料中の未知である含有成分の情報を取得したい場合には、当然のことながら、プリカーサイオンの質量電荷比を分析条件として予め設定しておくことができない。
これに対し、MS/MS分析におけるデータ取得手法の一つとして特許文献1に開示されているものがある。この手法を図4及び図5を用いて概略的に説明する。
質量分析装置では、所定の時間間隔で以てイオン解離操作を伴わない通常の質量分析を繰り返し実施する。図4(a)は1回の質量分析により得られたマススペクトルである。或る一回の質量分析が終了すると次の質量分析を実行するまでの期間中に、図4(b)に示すように、全質量電荷比範囲を所定の質量電荷比幅ΔMずつ区切った質量電荷比範囲毎にそれぞれMS/MS分析を実行する。図4(b)の例では、全質量電荷比範囲が10個に区切られているため、1回の通常の質量分析を実行する毎に10回のMS/MS分析を実行することになる。即ち、1回の通常の質量分析と10回のMS/MS分析とを1測定周期とし、これを繰り返すことでマススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータが蓄積される。例えば特許文献1に記載の方法では上記質量電荷比幅ΔMを15[amu]以上の幅としているが、このΔMは測定対象とする全質量電荷比範囲の広さや、CIDの前段において精度よくプリカーサイオンをフィルタリング可能な幅に合わせて適宜に定めることができる。
図4から分かるように、質量電荷比幅ΔMに含まれるイオン種は一種類のイオンである場合もあれば複数種のイオンである場合もあるし、或いは、質量電荷比幅ΔMにイオン種が全く含まれない場合もある。こうしたことは無関係に、質量電荷比幅ΔMに含まれる全てのイオン種をまとめてプリカーサイオンとするMS/MS分析が実行される。図5(a)に一つのMS/MSスペクトルの例を示す。異なる成分由来のイオン種をまとめてプリカーサイオンとしてMS/MS分析を実行した場合、MS/MSスペクトルにはその異なる成分由来のプロダクトイオンが混在して現れる。それらプロダクトイオンがいずれの成分に由来するものであるのかをMS/MSスペクトル上で識別することは殆ど不可能である。
分析終了後に、時間経過に伴って順次得られたマススペクトル及びMS/MSスペクトルを解析することで、試料中に含まれる化合物の同定を行う。例えば特許文献1に記載の方法では、予め取得された既知化合物のMS/MSスペクトル群(スペクトルライブラリ)を元に、各化合物のMS/MSスペクトル中のピーク(マスピーク)の質量電荷比に対応した抽出イオンクロマトグラム(慣用的にはマスクロマトグラムと呼ばれる)を測定データから作成する。そして、作成された抽出イオンクロマトグラムがスペクトルライブラリから予測されるパターンとどの程度一致しているのかを指標として、化合物の存在の有無を判定する。
一方、特許文献2に記載の方法では、時間経過に伴って順次得られたマススペクトル及びMS/MSスペクトルからピーク(マスピーク)を検出し、そのピークの質量電荷比毎にそれぞれ抽出イオンクロマトグラムを作成する。抽出イオンクロマトグラムにおいて、同じ成分由来のプリカーサイオン及びプロダクトイオンは同じ保持時間にピーク(クロマトピーク)を有する。そこで、図5(b)に示すように、保持時間が同じであるプリカーサイオン及びプロダクトイオンを集め、それらイオンの質量情報を化合物データベースと照合することにより、プリカーサイオンつまりは元の成分を同定する。図5の例では、保持時間がt1であるプリカーサイオン及び3種のプロダクトイオン(m/z=M1、M2、M3)から元の成分を同定する。
上記いずれの手法においても、マススペクトルで観測される特定のイオンピークをターゲットとするMS/MS分析ではなく、マススペクトルで観測される各種のイオンピークに対する網羅的なMS/MS分析が実行されるので、試料に含まれる様々な成分をほぼ漏れなく同定することができる。また、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの面積に基づいて定量的な解析を行うこともできる。
上記手法では、作成される抽出イオンクロマトグラムにおけるピーク(クロマトピーク)の保持時間がプリカーサイオンを同定するうえで重要な指標である。したがって、プリカーサイオンの同定精度を高めるには、クロマトピークの保持時間の正確性を高めることが必要である。そのためには、抽出イオンクロマトグラム上のピークを構成するデータのポイント数を多くすることが必要である。また、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの面積に基づいて定量的な解析を行う際にも、ピークを構成するデータのポイント数を多くしてピーク形状の精度を高めることが重要である。
単位時間当たりのデータのポイント数は1測定周期の時間が長くなるほど少なくなる。そのため、例えば質量電荷比幅ΔMが一定である場合、測定対象の全質量電荷比範囲を広げようとしてMS/MS分析の実行回数が増加すると、単位時間当たりのデータのポイント数は少なくなる。また、1回のMS/MS分析でターゲットとなる成分の数を抑えようとして質量電荷比幅ΔMを狭めると、やはりMS/MS分析の実行回数が増加して単位時間当たりのデータのポイント数は少なくなる。
また、単位時間当たりのデータのポイント数を増やす一つの手法として、例えば後段の質量分析器が四重極マスフィルタである場合には、該フィルタを構成する電極へ印加する電圧の走査速度を上げることにより、1回のMS/MS分析を高速化するように制御シーケンスを変更することが考えられる。また後段の質量分析器が飛行時間型質量分析器である場合には、飛行空間へイオンを射出する際の加速エネルギーを高くすることにより、1回のMS/MS分析を高速化するように制御シーケンスを変更することが考えられる。しかしながら、こうした方法では、得られるMS/MSスペクトルの感度や再現性が低下するおそれがあり、良好な品質の抽出イオンクロマトグラムを作成することは難しい。
米国特許第8809770号明細書 米国特許第8017908号明細書 特開2007−309661号公報 特開2008−298427号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、マススペクトルで観測される各種のイオンピークに対する網羅的なMS/MS分析を実行しながらMS/MS分析の実行回数を抑えることで、高い測定感度や再現性を確保しつつ、1測定周期の時間を短縮して抽出イオンクロマトグラムにおける単位時間当たりのデータのポイント数を多くすることができるタンデム型質量分析装置及び該装置用プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係るタンデム型質量分析装置は、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置であって、
a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御部と、
b)前記質量分析制御部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定部と、
c)前記質量分析制御部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定部で一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係るタンデム型質量分析装置用プログラムは、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置の動作を制御するためのコンピュータ用プログラムであって、該コンピュータを、
a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御機能部と、
b)前記質量分析制御機能部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定機能部と、
c)前記質量分析制御機能部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定機能部により一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御機能部と、
して動作させることを特徴としている。
本発明に係るタンデム型質量分析装置において、第1質量分離部及び第2質量分離部における質量分離手法は特に限定されないが、典型的には、第1質量分離部及び第2質量分離部としてそれぞれ四重極マスフィルタ又は飛行時間型質量分離器を用いるとよい。また、イオン解離部におけるイオンの解離手法も特に限定されないが、例えば衝突誘起解離などを利用するとよい。
本発明に係るタンデム型質量分析装置において、質量分析制御部は、第1質量分離部でのイオンの選別及びイオン解離部でのイオン解離を行わない通常の質量分析を実行するように各部を制御することにより、所定の質量電荷比範囲に亘るマススペクトルデータを取得する。質量電荷比小領域決定部はマススペクトルデータが得られると直ちに、そのマススペクトルデータに基づいて、MS/MS分析すべき対象の質量電荷比小範囲を決定する。
即ち、質量電荷比小領域決定部は、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から、有意であると推定される一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する、隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する、又はその両方の処理によって、MS/MS分析すべき対象の一又は複数の質量電荷比小範囲を決定する。なお、質量電荷比幅は狭くても10Da程度、広ければ数十Da以上とするとよく、操作者(ユーザー)が質量電荷比幅を設定できるようにしておくことが好ましい。
ここで、「有意であると推定される」質量電荷比小範囲とは、典型的には、MS/MS分析を行ったときに検出するのに十分な強度のプロダクトイオンが得られるようなプリカーサイオンが存在することをいう。したがって、一般には、信号強度が所定の閾値以上であるピークが少なくとも一つ存在すれば、その質量電荷比小範囲は有意であると推定することができる。また、質量電荷比小範囲内の全ての信号強度或いは質量電荷比小範囲内に存在する全ピークの信号強度を積算し、その積算値が或る基準値よりも大きければその質量電荷比小範囲は有意であると推定することができる。もちろん、信号強度が高いピークであっても、そのピークが、試料に含まれる夾雑物や測定が不要であることが分かっている成分由来のピークである場合には除外すればよい。
即ち、本発明に係るタンデム型質量分析装置では、前記測定対象小領域決定部は、マススペクトルデータに基づくマススペクトルにおける信号強度に基づいて各質量電荷比小範囲の有意性を判定し、有意性の高い質量電荷比小範囲を選択する、又は値が隣接する複数の有意性の低い質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する構成とすることができる。
MS/MS分析制御部は、上述したようにマススペクトルデータに基づいて一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されると直ちに、その決定された質量電荷比小領域のそれぞれに含まれるイオン種をターゲットとしたMS/MS分析を実行するように各部を制御することにより、上記決定された質量電荷比小領域毎に、所定の質量電荷比範囲に亘るMS/MSスペクトルデータを取得する。例えば、質量電荷比小領域決定部において有意であると推定される質量電荷比小範囲が選択された場合、実質的にイオンが観測されない質量電荷比小範囲に対するMS/MS分析は行われない。
本発明に係るタンデム型質量分析装置の前段にLC等のクロマトグラフが接続され、該クロマトグラフにおいて十分な成分分離が行われなかった場合であっても、通常、測定対象の質量電荷比範囲全体に満遍なくピークが存在することは実質的にあり得ない。そのため、実質的にイオンが観測されない質量電荷比小範囲が少なくとも一つ以上存在する。したがって、全ての質量電荷比小範囲についてMS/MS分析を実行する場合に比べてMS/MS分析の実行回数を減らすことができる。また、質量電荷比小領域決定部において、隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する場合でも、同様にMS/MS分析の実行回数を減らすことができる。
本発明に係るタンデム型質量分析装置及び該装置用プログラムにおけるMS/MSスペクトルデータ取得手法は、一種のデータ依存性解析(DDA=Data Dependent Acquisition)であるといえる。但し、特許文献3、4に開示されている従来のデータ依存性解析(特許文献4では「オートMSn分析」と呼ばれる)では、マススペクトル上のピーク単位でMS/MS分析のプリカーサイオンが選択されるため、マススペクトルに多数の成分由来のピークが観測されると、そのピーク全てに対するMS/MS分析を実行することができなくなる場合がある。その結果、一部のイオンをターゲットとするMS/MSスペクトルが取得されず、成分の同定等に必要な情報が不足する場合がある。これに対し本発明に係るタンデム型質量分析装置及び該装置用プログラムでは、マススペクトル上で観測される全てのピークについてのプロダクトイオン情報を収集することができ、全ての成分の網羅的な解析に有用である。
また本発明に係るタンデム型質量分析装置では、好ましくは、
d)前記質量分析制御部の制御の下での質量分析と前記MS/MS分析制御部の制御の下での1又は複数回のMS/MS分析とを繰り返し実行することで得られたマススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータに基づいて、観測されるイオン毎に抽出イオンクロマトグラムを作成するクロマトグラム作成部と、
e)前記イオン毎の抽出イオンクロマトグラム上のピークの保持時間情報に基づいて前記観測されるイオンを分類し、一つの成分又は該成分由来のプリカーサイオンに対応するプロダクトイオン情報を収集する解析処理部と、
をさらに備える構成とするとよい。
一つの質量電荷比小範囲には複数の成分由来のピークが含まれる可能性があり、その場合、該質量電荷比小範囲に対して得られたMS/MSスペクトルには複数の成分由来のプロダクトイオンが混在する。その場合でも、クロマトグラフ分析におけるその複数の成分の保持時間は通常同一とはならない。そのため、上記構成において、クロマトグラム作成部が、観測されるイオン毎に抽出イオンクロマトグラムを作成すると、同じ成分由来のプロダクトイオンであればほぼ同じ保持時間にピークが現れる。そこで解析処理部は、イオン毎の抽出イオンクロマトグラム上のピークの保持時間情報に基づいて観測されるイオンを分類し、一つの成分又は該成分由来のプリカーサイオンに対応するプロダクトイオン情報を収集する。
これにより、複数の成分由来のプロダクトイオンが混在するMS/MSスペクトルから、成分毎のプロダクトイオン情報とそれに対応するプリカーサイオン情報とを分けて得ることができる。こうして得られたプロダクトイオン情報及びプリカーサイオン情報を用いて適宜の化合物データベースにおけるデータベース検索を実行することで、成分や成分由来のプリカーサイオンを同定することができる。
本発明に係るタンデム型質量分析装置及び該装置用プログラムによれば、質量分析によって得られるマススペクトル上に多数の成分由来のイオンピークが観測されるような場合でも、それらイオンピークに対する網羅的なMS/MS分析を実行しながら、そのMS/MS分析の実行回数を抑えることができる。それにより、1回の質量分析と1又は複数回のMS/MS分析とを1測定周期としてこれを繰り返し実行する場合に、1測定周期の時間を短縮して抽出イオンクロマトグラムにおける単位時間当たりのデータのポイント数を多くすることができる。その結果、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの保持時間の精度が向上し、一つの成分由来のプロダクトイオンを的確に収集することができるようになる。また、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの形状が良好になることで、ピーク面積値に基づく定量的な解析の精度も向上する。さらにまた、測定周期を短縮するためにMS/MS分析自体の高速化を無理に図る必要がなくなるので、高い測定感度や再現性を確保することが容易になる。
本発明に係るタンデム型質量分析装置の一実施例の要部の構成図。 本実施例のタンデム型質量分析装置における制御シーケンスの一例を示す概略図。 本実施例のタンデム型質量分析装置における制御シーケンスの他の例を示す概略図。 従来のタンデム型質量分析装置における制御シーケンスの一例を示す概略図。 従来のタンデム型質量分析装置におけるプリカーサイオン同定処理の説明図。
以下、本発明に係るタンデム質量分析装置の一実施例であるQ−TOF型質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例のQ−TOF型質量分析装置の要部の構成図である。図示しないが、このQ−TOF型質量分析装置の前段には液体クロマトグラフが接続され、液体クロマトグラフのカラムで時間的に分離された成分を含む試料が当該Q−TOF型質量分析装置に導入される。
本実施例のQ−TOF型質量分析装置は、測定部1、データ処理部3、分析制御部4、中央制御部5、入力部6、表示部7、を備える。
測定部1において、チャンバ10の内部には、略大気圧雰囲気であるイオン化室101から高真空雰囲気である第2分析室105まで順に真空度が高くなる、第1中間真空室102、第2中間真空室103、第1分析室104が設けられている。即ち、測定部1は多段差動排気系の構成である。
イオン化室101には、エレクトロスプレイイオン化(ESI)法によるイオン化を行うESIスプレー11がイオン源として設けられ、イオン化室101内と第1中間真空室102内とは加熱される脱溶媒管12を通して連通している。第1中間真空室102及び第2中間真空室103にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へと輸送するイオンガイド13、15が設置されており、第1中間真空室102と第2中間真空室103とはスキマー14の頂部に穿設された小孔を通して連通している。
第1分析室104には、第1質量分離部としての四重極マスフィルタ16と、その内部に多重極イオンガイド18が配設されたコリジョンセル17とが設置され、第2分析室105には、第2質量分離部としての直交加速式リフレクトロン型飛行時間型質量分析器とイオン検出器24が設置されている。直交加速式リフレクトロン型の飛行時間型質量分析器は、直交加速部21と、飛行空間22と、反射器23とを含む。コリジョンセル17と直交加速部21との間には、第1分析室104と第2分析室105とを隔てる壁面に形成されたイオン通過孔20を挟んでイオンガイド19が配置されている。
分析制御部4はMS分析制御部40及びMS/MS分析制御部41を含み、測定部1に含まれる各部の動作を制御する。イオン検出器24による検出信号が入力されるデータ処理部3は、データ収集部30、マススペクトル作成部31、マススペクトル解析部32、判定条件記憶部33、クロマトグラム作成部34、及び、同定処理部35、を機能ブロックとして含む。また、中央制御部5は、システム全体の統括的な制御及びユーザーインターフェイスを担うものである。
なお、一般に、データ処理部3、分析制御部4、及び中央制御部5の実体はパーソナルコンピュータ(又はワークステーション)であり、該コンピュータにインストールされた専用の制御/処理ソフトウェアを該コンピュータ上で実行することにより上記各機能ブロックによる機能が達成される構成とすることができる。こうした制御/処理ソフトウェアが本発明に係るタンデム型質量分析装置用プログラムに相当する。
測定部1における一般的なMS/MS分析時の動作を概略的に説明する。
図示しない液体クロマトグラフのカラムからの溶出液がESIスプレー11に導入されると、ESIスプレー11は片寄った電荷を溶出液に付与しつつ該液を噴霧する。帯電した微小液滴はイオン化室101内で大気ガスと接触して微細化され、溶媒が蒸発する過程で該液滴中の成分がイオン化される。生成されたイオンは、脱溶媒管12、イオンガイド13、15を経て四重極マスフィルタ16に導入される。分析制御部4の制御の下で、四重極マスフィルタ16には特定の質量電荷比又は質量電荷比幅を有するイオンのみを通過させるような電圧が印加される。それにより、試料成分由来の様々なイオンの中で、特定の質量電荷比又は質量電荷比幅を有するイオンのみがプリカーサイオンとして選択的に四重極マスフィルタ16を通り抜けコリジョンセル17内に導入される。
コリジョンセル17の内部には所定のコリジョンガス(He、Arなど)が導入され、プリカーサイオンがコリジョンガスに接触すると解離して各種のプロダクトイオンが生成される。生成されたプロダクトイオンはイオンガイド19を経て直交加速部21に送り込まれる。直交加速部21は、所定の時間間隔で以てイオン流をその流れに略直交する方向に加速し飛行空間22に送り出す。送り出されたイオンは反射器23により形成されている電場によって折り返され、最終的にイオン検出器24に到達する。
イオン飛行開始時点が同一である各イオンは飛行中に質量電荷比に応じて分離され、質量電荷比が小さなイオンから順にイオン検出器24に達する。したがって、データ処理部3では、直交加速部21でのイオン加速時点(つまりイオン飛行開始時点)を飛行時間ゼロとして、各イオンの飛行時間と信号強度との関係を示す飛行時間スペクトルを得ることができる。質量電荷比と飛行時間との関係は予め求めておくことができるから、その関係に基づいて飛行時間を質量電荷比に換算することにより、飛行時間スペクトルからマススペクトル(MS/MSスペクトル)を求めることができる。直交加速部21においてパルス的にイオンを加速する毎に、所定の質量電荷比範囲のマススペクトルを得ることができる。
なお、イオン解離を伴わない通常の質量分析を行う際には、四重極マスフィルタ16でイオンの選択を行わず、つまりは全てのイオンを素通りさせ、コリジョンセル17内にコリジョンガスを導入せずに又は解離に必要なコリジョンエネルギーをイオンに付与しないことでイオンの解離を抑制する。それによって、試料成分由来の幅広い質量電荷比を有するイオンが直交加速部21に導入され質量分析に供される。
次に、本実施例のQ−TOF型質量分析装置に特徴的なMS/MS分析動作を利用した成分同定の第1の手法について図2を参照して説明する。
本実施例のQ−TOF型質量分析装置では、分析に先立って操作者が、MS/MS分析のターゲットであるプリカーサイオンの質量電荷比幅ΔMと、MS/MS分析を実施する質量電荷比小範囲を選択するための判定条件とを入力部6から設定する。質量電荷比幅ΔMの情報は判定条件記憶部33に格納されるとともにMS/MS分析制御部41に送られ、判定条件は判定条件記憶部33に格納される。もちろん、これらの情報を操作者が入力せずに、予め装置に定められたデフォルトの情報が利用されるようにしてもよい。ここでは、一例として、質量電荷比小範囲に含まれる信号強度の積算値に対する閾値を判定条件として定めるものとする。
本実施例のQ−TOF型質量分析装置では、上記従来のタンデム型質量分析装置と同様に、1回の通常の質量分析と1又は複数回のMS/MS分析とを1測定周期として、これを繰り返すことでマススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータを収集する。但し、上記従来装置とは異なり、本実施例のQ−TOF型質量分析装置では1測定周期において実施されるMS/MS分析の回数は決まっておらず、その測定周期中の質量分析で得られるマススペクトルデータに依存する。したがって、1測定周期の時間も固定ではなく変動する。
即ち、或る一つの測定周期においてMS分析制御部40はまず、イオン解離を伴わない通常の質量分析を実行するように測定部1の各部の動作を制御する。これにより、図2に示すような所定の質量電荷比範囲に亘るマススペクトルを構成するデータが得られ、このデータがデータ収集部30に格納される。マススペクトル作成部31はマススペクトルデータが収集されると直ちに該データに基づいてマススペクトルを作成する。
次にマススペクトル解析部32は、判定条件記憶部33に格納されている質量電荷比幅ΔMの情報に基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を質量電荷比幅ΔMずつ区切った質量電荷比小範囲を求め、その質量電荷比小範囲毎にマススペクトル上の信号強度の積算値を計算する。相対的に大きなピークが数多く存在する質量電荷比小範囲ほど信号強度積算値は大きくなり、逆に、目立ったピークが存在しない質量電荷比小範囲では信号強度積算値は小さくなる。マススペクトル解析部32は質量電荷比小範囲毎に求まった信号強度積算値が、判定条件記憶部33に判定条件として格納されている閾値以上であるか否かを判定する。そして、信号強度積算値が閾値以上である質量電荷比小範囲を有意である質量電荷比小範囲として選択し、その選択結果をMS/MS分析制御部41に送る。
図2に示す例では、図4と同様に、測定対象である質量電荷比範囲全体が10個の質量電荷比小範囲に区切られているが、そのうち、5個の質量電荷比小範囲のみが有意であるとして選択されている。MS/MS分析制御部41は選択されている質量電荷比小範囲のみについてそれぞれ、質量電荷比が一つの質量電荷比小範囲に含まれるイオン全てをプリカーサイオンとしたMS/MS分析を実行するように測定部1の各部の動作を制御する。したがって、図2の例では、1測定周期中に、1回の質量分析に引き続き5回のMS/MS分析が実行され、そのMS/MS分析に対応してMS/MSスペクトルを構成するデータがデータ収集部30に格納される。
1測定周期の所要時間は、或る一つの成分を含む試料が測定部1に導入されている時間に比べれば十分に短い。そのため、1測定周期中の質量分析とMS/MS分析とでは測定対象である試料中の成分は全く同じであるとみなせ、MS/MS分析により得られるMS/MSスペクトルには同じ測定周期におけるマススペクトルで観測されたイオンが解離して生成されたプロダクトイオンが観測される。一方、マススペクトル解析部32において選択されなかった質量電荷比小範囲には実質的にイオンは存在しないため、該質量電荷比小範囲に対するMS/MS分析は実行されないものの、そのことで不足するプロダクトイオン情報は実質的にはない。したがって、1測定周期においてMS/MS分析の実行回数は従来装置に比べて減少するが、全ての質量電荷比小範囲についてMS/MS分析を実行したときと実質的に同等のプロダクトイオン情報を得ることができる。
各測定周期において上記のような制御及び処理を実行することにより、マススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータが収集される。全ての測定が終了したあと、クロマトグラム作成部34は、収集されたマススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータに基づいて、同じ質量電荷比を有するプリカーサイオン及びプロダクトイオン毎に抽出イオンクロマトグラムを作成する。同定処理部35は、すでに説明した図5(b)に示したように、同じ保持時間を有するプリカーサイオン及びプロダクトイオンを集め、それらイオンの質量電荷比を用いたデータベース検索を行うことで成分を同定する。一つのMS/MSスペクトルにおいて複数の成分由来のプロダクトイオンが混在している場合であっても、それらプロダクトイオンを保持時間によって成分毎に分離することができるので、成分毎のプロダクトイオンの情報(質量電荷比値)を的確に収集することができる。
1測定周期中で実施されるMS/MS分析の回数が少なければそれだけ1測定周期の所要時間が短くなるため、抽出イオンクロマトグラムにおける単位時間当たりのデータポイント数は増加する。そのため、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの波形形状の精度が向上する。それによって、保持時間の算出精度も向上し、同一成分由来のプロダクトイオンを的確に収集することができるために成分同定の精度も向上する。また、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの面積値に基づいて同定した成分の定量的な解析を行う際にも、抽出イオンクロマトグラムにおけるピークの波形形状の精度が高まることで定量値の精度も向上する。
次に、本実施例のQ−TOF型質量分析装置に特徴的なMS/MS分析動作を利用した成分同定の第2の手法について図3を参照して説明する。
この場合、通常のマススペクトルデータが得られたあと、マススペクトル解析部32は、上記第1の手法と同様に、判定条件記憶部33に格納されている質量電荷比幅ΔMの情報に基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を質量電荷比幅ΔMずつ区切った質量電荷比小範囲を求め、その質量電荷比小範囲毎にマススペクトル上の信号強度の積算値を計算する。そして、質量電荷比小範囲毎に求まった信号強度積算値が、判定条件記憶部33に判定条件として格納されている閾値以上であるか否かを判定し、信号強度積算値が閾値以上である質量電荷比小範囲を有意である質量電荷比小範囲としてそのまま選択する。一方、信号強度積算値が閾値未満である質量電荷比小範囲については、隣接する(つまりは質量電荷比値が連続する)質量電荷比小範囲も同様に信号強度積算値が閾値未満であれば、それらを統合して質量電荷比幅が広い新たな質量電荷比小範囲を形成する。但し、隣接する両側の質量電荷比小範囲において信号強度積算値が閾値以上である場合には、上記のような統合を行わずに、信号強度積算値が閾値未満である質量電荷比小範囲もそのまま選択する。
図3に示す例では、図2及び図4と同様に、測定対象である質量電荷比範囲全体が10個の質量電荷比小範囲に区切られているが、上記のような統合処理によって、質量電荷比小範囲の数は10から9に減少する。したがって、この場合には、1測定周期中において1回の質量分析に引き続き9回のMS/MS分析が実行されることになる。この第2の手法は、一般的に、上記第1の手法に比べてMS/MS分析の実行回数の減り方は少なく、測定周期の短縮効果は小さい。その反面、測定対象である質量電荷比範囲全体の中でMS/MS分析が行われない部分がなくなるので、マススペクトル上で観測される小さなピーク由来のプロダクトイオン情報も確実に収集することができるという利点がある。
なお、上記第1の手法と第2の手法とのいずれを用いるのかを操作者が入力部6で選択できるようにしてもよい。また、第1の手法と第2の手法とのいずれかだけでなく、マススペクトルデータの内容に依らず、質量電荷比幅毎に区切った全ての質量電荷比小範囲についてのMS/MS分析を実行する従来の手法を含めて、いずれかを操作者が選択できるようにしてもよい。
また、上記第1の手法と第2の手法とを組み合わせても構わない。例えば判定条件を二段階に定めておき、第1段階の判定条件を満たさない質量電荷比小範囲はMS/MS分析の対象から除外し、第2段階の判定条件を満たさず且つ隣接する質量電荷比小範囲については統合するという処理を行ってもよい。
また、上記実施例は本発明をQ−TOF型質量分析装置に適用したものであるが、三連四重極型質量分析装置、TOF/TOF型質量分析装置、さらには、イオントラップ質量分析装置、イオントラップ飛行時間型質量分析装置など、MS/MS分析が可能である様々な方式の質量分析装置に適用可能であることは明らかである。
また、上記実施例や変形例はいずれも本発明の一例であるから、上記記載以外にも、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…測定部
10…チャンバ
101…イオン化室
102…第1中間真空室
103…第2中間真空室
104…第1分析室
105…第2分析室
11…ESIスプレー
12…脱溶媒管
13…イオンガイド
14…スキマー
16…四重極マスフィルタ
17…コリジョンセル
18…多重極イオンガイド
19…イオンガイド
20…イオン通過孔
21…直交加速部
22…飛行空間
23…反射器
24…イオン検出器
3…データ処理部
30…データ収集部
31…マススペクトル作成部
32…マススペクトル解析部
33…判定条件記憶部
34…クロマトグラム作成部
35…同定処理部
4…分析制御部
40…MS分析制御部
41…MS/MS分析制御部
5…中央制御部
6…入力部
7…表示部
上記課題を解決するために成された本発明に係るタンデム型質量分析装置は、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置であって、
a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御部と、
b)前記質量分析制御部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成するものであり、マススペクトルデータに基づくマススペクトルにおける信号強度に基づいて各質量電荷比小範囲の有意性を判定し、有意性の高い質量電荷比小範囲を選択する、又は値が隣接する複数の有意性の低い質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定部と、
c)前記質量分析制御部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定部で一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係るタンデム型質量分析装置用プログラムは、試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置の動作を制御するためのコンピュータ用プログラムであって、該コンピュータを、
a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御機能部と、
b)前記質量分析制御機能部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成するものであり、マススペクトルデータに基づくマススペクトルにおける信号強度に基づいて各質量電荷比小範囲の有意性を判定し、有意性の高い質量電荷比小範囲を選択する、又は値が隣接する複数の有意性の低い質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定機能部と、
c)前記質量分析制御機能部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定機能部により一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御機能部と、
して動作させることを特徴としている。

Claims (5)

  1. 試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置であって、
    a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御部と、
    b)前記質量分析制御部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定部と、
    c)前記質量分析制御部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定部で一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御部と、
    を備えることを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  2. 請求項1に記載のタンデム型質量分析装置であって、
    前記測定対象小領域決定部は、マススペクトルデータに基づくマススペクトルにおける信号強度に基づいて各質量電荷比小範囲の有意性を判定し、有意性の高い質量電荷比小範囲を選択する、又は値が隣接する複数の有意性の低い質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成することを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載のタンデム型質量分析装置であって、
    d)前記質量分析制御部の制御の下での質量分析と前記MS/MS分析制御部の制御の下での一又は複数回のMS/MS分析とを繰り返し実行することで得られたマススペクトルデータ及びMS/MSスペクトルデータに基づいて、観測されるイオン毎に抽出イオンクロマトグラムを作成するクロマトグラム作成部と、
    e)前記イオン毎の抽出イオンクロマトグラム上のピークの保持時間情報に基づいて前記観測されるイオンを分類し、一つの成分又は該成分由来のプリカーサイオンに対応するプロダクトイオン情報を収集する解析処理部と、
    を備えることを特徴とするタンデム型質量分析装置。
  4. 試料由来のイオンの中で特定の質量電荷比又は質量電荷比範囲を有するイオンをプリカーサイオンとして選別する第1質量分離部と、該プリカーサイオンを解離させるイオン解離部と、その解離により生成された各種プロダクトイオンを質量分析する第2質量分離部と、を具備するタンデム型質量分析装置の動作を制御するためのコンピュータ用プログラムであって、該コンピュータを、
    a)前記第1質量分離部でのイオンの選別及び前記イオン解離部でのイオン解離を行うことなく前記第2質量分離部で質量分析を行ってマススペクトルデータを取得するように各部を制御する質量分析制御機能部と、
    b)前記質量分析制御機能部の制御の下で得られたマススペクトルデータに基づいて、測定対象の質量電荷比範囲全体を所定の質量電荷比幅ずつ区切ることで得られる複数の質量電荷比小範囲の中から一又は複数の質量電荷比小範囲を選択する及び/又は隣接する複数の質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成する質量電荷比小領域決定機能部と、
    c)前記質量分析制御機能部の制御の下でマススペクトルデータが得られ、前記質量電荷比小領域決定機能部により一又は複数の質量電荷比小範囲が決定されたあと、該決定された質量電荷比小領域のそれぞれについて、前記第1質量分離部で質量電荷比が質量電荷比小範囲に含まれるイオンを選別し前記イオン解離部で該イオンを解離したうえで前記第2質量分離部で質量分析を行ってMS/MSスペクトルデータを取得するように各部を制御するMS/MS分析制御機能部と、
    して動作させることを特徴とするタンデム型質量分析装置用プログラム。
  5. 請求項4に記載のタンデム型質量分析装置用プログラムであって、
    前記測定対象小領域決定機能部では、マススペクトルデータに基づくマススペクトルにおける信号強度に基づいて各質量電荷比小範囲の有意性を判定し、有意性の高い質量電荷比小範囲を選択する、又は値が隣接する複数の有意性の低い質量電荷比小範囲を結合して質量電荷比幅がより大きな質量電荷比小範囲を形成することを特徴とするタンデム型質量分析装置用プログラム。
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