JPWO2018158979A1 - 熱電変換装置 - Google Patents

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和也 前川
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Abstract

本発明に係る熱電変換装置(1)は、厚さ方向に互いに対向する第1の面(2a)及び第2の面(2b)を有する基板(2)と、前記基板(2)の前記第1の面(2a)側に配設された熱電変換体(4)と、前記基板(2)の面内方向に沿った第1方向(L1)に間隔をあけて複数形成され、前記熱電変換体(4)との間で熱伝達を行う伝熱部(21)と、を備え、前記第1方向(L1)に隣り合う前記伝熱部(21)の間には、前記伝熱部(21)の熱伝導率よりも熱伝導率が低い低熱伝導部(22)が設けられ、前記基板(2)のうち、前記熱電変換体(4)に対して前記厚さ方向に対向する対向部分(25)の少なくとも一部の厚さ(T1)が、前記基板(2)の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄い。

Description

本発明は、熱電変換装置に関する。
本願は、2017年3月3日に日本に出願された特願2017−040521号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、省エネルギーの観点より、利用されないまま消失している熱の利用が着目されている。特に内燃機関や燃焼装置に関連する分野において、排熱を利用した熱電変換に関する研究が盛んに行われている。
熱電変換装置の研究においては、これまで室温付近で高い性能を有するBiTe系の材料が主流であったが、その毒性や材料コストの上昇の課題があることに加え、材料系としての熱電効率の向上化が限界に近づきつつあることから、研究の主流から外れる傾向にある。そこで近年では、BiTe系の材料に代わって、多層膜やナノコンポジット配合膜などを用いて量子構造によって熱伝導率を下げ、それによって熱電効率を向上させるといった方向に研究の着眼点が移行してきている。
例えば、下記特許文献1に示されるように、全面に亘って一様な厚さに形成された基板と、基板の第1の面に形成された熱電変換膜と、基板の第1の面側に配設された第1の伝熱部材と、第1の面の反対側に位置する基板の第2の面側に配設された第2の伝熱部材と、を備える熱電変換モジュール(熱電変換装置)が知られている。
第1の伝熱部材及び第2の伝熱部材の一面には、凸部がそれぞれ設けられている。第1の伝熱部材の凸部は、熱電変換膜の一端部に形成された高温側の電極に接触している。第2の伝熱部材の凸部は、基板の第2の面のうち、熱電変換膜の他端部に形成された低温側の電極に対して基板の厚さ方向に対向する部分に接触している。
国際公開第2011/065185号
上記従来の熱電変換モジュールでは、第1の伝熱部材からの熱が凸部を介して熱電変換膜に伝わった際に、熱電変換膜を通じて基板にも熱が伝わってしまう。このとき、基板の厚さが全面に亘って一様とされているので、基板に伝わった熱が基板の面内方向に均一に拡がるように移動し易い。そのため、基板を通じて、熱電変換膜の温接点側から冷接点側に向けて熱の伝導が促されてしまい、熱電変換膜の冷接点側が昇温し易かった。
従って、熱電変換膜の温接点側と冷接点側との間の温度差が小さくなってしまい、発電量が小さくなってしまうという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大きな発電量を得ることができる熱電変換装置を提供することである。
(1)本発明に係る熱電変換装置は、厚さ方向に互いに対向する第1の面及び第2の面を有する基板と、前記基板の前記第1の面側に配設された熱電変換体と、前記基板の面内方向に沿った第1方向に間隔をあけて複数形成され、前記熱電変換体との間で熱伝達を行う伝熱部と、を備え、前記第1方向に隣り合う前記伝熱部の間には、前記伝熱部の熱伝導率よりも熱伝導率が低い低熱伝導部が設けられ、前記基板のうち、前記熱電変換体に対して前記厚さ方向に対向する対向部分の少なくとも一部の厚さが、前記基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄いことを特徴とする。
本発明に係る熱電変換装置によれば、第1方向に隣り合う伝熱部の間に、伝熱部の熱伝導率よりも熱伝導率が低い低熱伝導部が設けられているので、伝熱部を通じた熱電変換体との間の熱伝達を、低熱伝導部を通じた熱伝達よりも優先的に行うことができる。これにより、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、熱電変換体のうち、伝熱部に近い端部を温接点側の端部とすることができ、基板の面内方向に伝熱部から見て温接点側の端部よりも離れた端部を冷接点側の端部とすることができる。従って、熱電変換体において、温接点側と冷接点側との間に温度差を生じさせることができ、ゼーベック効果に基づく起電力を生じさせて発電量を得ることができる。
ところで上述した場合において、伝熱部から熱電変換体に伝わった熱は、熱電変換体の内部を温接点側から冷接点側に向けて伝導するだけでなく、主に熱電変換体の温接点側から基板に伝わり、該基板を通じて放熱或いは冷却される。このとき、基板は従来のように全面に亘って一様な厚さとされているのではなく、基板のうち熱電変換体に対して厚さ方向に対向する対向部分の少なくとも一部の厚さが、基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄く形成されている。従って、基板に伝わった熱が基板内部において温接点側から冷接点側に向けて移動してしまうことを抑制することができる。つまり、基板の厚さ変化を利用して、基板内部において温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導を抑制することができる。
これにより、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、基板を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
なお、例えば基板側から熱電変換体に熱が伝わる場合であっても、上述の場合と同様に、基板の厚さ変化を利用して、基板内部において温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導を抑制することができる。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、基板を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
(2)前記基板の前記第1の面側に配設された第1の伝熱部材を備え、前記熱電変換体及び前記伝熱部は、前記第1の伝熱部材よりも前記基板側に配設されても良い。
この場合には、例えば第1の伝熱部材を受熱部材として機能させることができ、第1の伝熱部材で受けた熱を、伝熱部を通じて優先的に熱電変換体に伝えることができる。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。また、例えば基板側から熱電変換体に熱が伝わる場合には、第1の伝熱部材による放熱或いは冷却効果を利用することができるので、同様に、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。
従って、第1の伝熱部材を具備することで、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
(3)前記低熱伝導部は、空隙部であっても良い。
この場合には、低熱伝導部が空隙部、いわゆる空気で満たされた隙間であるので、低熱伝導部を簡便に構成することができる。また、伝熱部よりも低熱伝導部の熱伝導率をより顕著に低くすることができるので、より選択的に伝熱部と熱電変換体との間で熱を伝達させることができ、大きな発電量を得易い。
(4)前記基板のうち、前記第1方向に隣り合う前記伝熱部同士の前記第1方向における中間に位置する第1部分の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚くても良い。
この場合には、第1部分の厚さが、対向部分の少なくとも一部の厚さ(すなわち、対向部分のうち、基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄い部分の厚さ)よりも厚いので、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、熱電変換体の冷接点側の端部を、基板の第1部分における放熱或いは冷却効果により、効率良く冷却することができる。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差をより大きくすることができ、より大きな発電量を得ることができる。よって、伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、特に有効である。
(5)前記基板のうち、前記伝熱部に対して前記厚さ方向に対向する第2部分の少なくとも一部の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚くても良い。
この場合には、第2部分の少なくとも一部の厚さが、対向部分の少なくとも一部の厚さ(すなわち、対向部分のうち、基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄い部分の厚さ)よりも厚いので、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、熱電変換体の温接点側から基板に伝わった熱を、基板の面内方向に移動させるよりも、基板の第2部分を通じて放熱或いは冷却することができる。これにより、基板内部において、温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導をさらに抑制することができる。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差をさらに大きくすることができ、さらに大きな発電量を得ることができる。
特にこの場合には、伝熱部側で受ける熱量が大きい場合に有効であり、熱の一部を逃がしながら、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を確保でき、大きな発電量を得ることができる。
なお、例えば基板側から熱電変換体に熱が伝わる場合であっても、基板に伝わった熱を、基板の面内方向に移動させるよりも、基板の第2部分及び伝熱部を通じて放熱或いは冷却することができる。従って、基板内部において温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導を抑制することができ、上述の場合と同様に、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差を大きくすることができる。
(6)前記基板のうち、前記第1方向に隣り合う前記伝熱部同士の前記第1方向における中間に位置する第1部分の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚く、前記基板のうち、前記伝熱部に対して前記厚さ方向に対向する第2部分の少なくとも一部の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚くても良い。
この場合には、第1部分の厚さ及び第2部分の少なくとも一部の厚さが、対向部分の少なくとも一部の厚さ(すなわち、対向部分のうち、基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄い部分の厚さ)よりも厚い。従って、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、熱電変換体の温接点側から基板に伝わった熱を、基板の面内方向に移動させるよりも、基板の第2部分を通じて放熱或いは冷却することができる。また、これと同時に、熱電変換体の冷接点側の端部を、基板の第1部分における放熱或いは冷却効果により、効率良く冷却することができる。
従って、基板の第2部分を利用した放熱或いは冷却効果と、基板の第1部分を利用した放熱或いは冷却効果と、を両方利用できるので、伝熱部を通じて熱電変換体に伝わる熱量に左右され難く、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を安定的に大きくすることができる。従って、大きな発電量をより安定的に得ることができる。よって、伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、特に有効である。
(7)前記第2部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅は、前記第1部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅よりも広くても良い。
この場合には、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合において、基板の第1部分を利用した放熱或いは冷却効果よりも、基板の第2部分を利用した放熱或いは冷却効果をより効果的に奏功させることができる。従って、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に伝わる熱量が大きい場合には、その熱の一部を基板の第2部分を通じて外部に速やかに逃がし易い。そのため、熱量の大きな熱が、基板内部において温接点側から冷接点側に向かって伝導することを効果的に抑制することができる。従って、伝熱部を通じて熱電変換体に伝わる熱量が大きい場合であっても、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
(8)前記第1部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅は、前記第2部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅よりも広くても良い。
この場合には、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合において、基板の第2部分を利用した放熱或いは冷却効果よりも、基板の第1部分を利用した放熱或いは冷却効果をより効果的に奏功させることができる。従って、基板の第1部分における放熱或いは冷却効果により、熱電変換体の冷接点側を効果的に冷却し易い。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
(9)(4)に記載の熱電変換装置において、前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、前記第2の伝熱部材は、前記基板の前記第1部分と熱的に接合され、前記対向部分よりも前記第1部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、例えば伝熱部を通じて熱電変換体に熱が伝わる場合には、第2の伝熱部材による放熱或いは冷却効果を利用して、基板の第1部分を通じて熱電変換体の冷接点側をさらに効果的に冷却し易い。従って、熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
(10)(5)に記載の熱電変換装置において、前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第2部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第2部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、基板及び熱電変換体が多段化された熱電変換モジュールを備えているので、例えば最上段に位置する熱電変換体に伝熱部を通じて熱が伝えられる場合、最上段に位置する基板の第2部分を通じて放熱される熱を、その基板の下段側に位置する熱電変換体の温接点側の端部に伝えることができるので、この熱電変換体を利用して発電量をさらに得ることができる。このように、基板及び熱電変換体を多段化しているので、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換体において発電量を得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
(11)(10)に記載の熱電変換装置において、多段に重なった前記基板のうち、前記厚さ方向の最下段に位置する前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、前記第2の伝熱部材は、多段に重なった前記基板のうち、最下段に位置する前記基板の前記第2部分と熱的に接合され、最下段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、最下段に位置する前記基板の前記第2部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、第2の伝熱部材を受熱部材として利用することができ、第2の伝熱部材側から熱が伝わる場合にも対応することが可能である。すなわち、第2の伝熱部材で受けた熱を、最下段に位置する基板の第2部分を通じて、最下段に位置する熱電変換体の温接点側の端部に伝えることができると共に、最下段に位置する基板の第2部分を通じて放熱される熱を、該基板の上段側に位置する2段目の基板の第2部分を通じて、2段目に位置する熱電変換体の温接点側の端部に伝えることができる。このように、第2の伝熱部材側から熱が伝わる場合であっても、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換体において発電量を得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
特に、伝熱部を通じて最上段に位置する熱電変換体に熱が伝えられ、且つ第2の伝熱部材を通じて最下段に位置する熱電変換体に熱が伝えられる場合、すなわち厚さ方向の両方から熱が伝わる場合にも好適に対応することが可能である。
(12)(4)に記載の熱電変換装置において、前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第1部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第1部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、基板及び熱電変換体が多段化された熱電変換モジュールを備えているので、各段の熱電変換体において発電量を得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。特に、例えば最上段に位置する熱電変換体に伝熱部を通じて熱が伝えられる場合、各段の熱電変換体の冷接点側の端部を、各段の基板の第1部分を通じて効率良く冷却することができるので、各段の熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。従って、このことによっても、大きな発電量を得やすい。
(13)(6)から(8)のいずれか1つに記載の熱電変換装置において、前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第1部分及び前記第2部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第1部分及び前記第2部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、基板及び熱電変換体が多段化された熱電変換モジュールを備えているので、例えば最上段に位置する熱電変換体に伝熱部を通じて熱が伝えられる場合、最上段に位置する基板の第2部分を通じて放熱される熱を、その基板の下段側に位置する熱電変換体の温接点側の端部に伝えることができるので、この熱電変換体を利用して発電量をさらに得ることができる。このように、基板及び熱電変換体を多段化しているので、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換体において発電量を得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
さらに、各段の熱電変換体の冷接点側の端部を、各段の基板の第1部分を通じて効率良く冷却することができるので、各段の熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。従って、このことによっても、大きな発電量を得やすい。
(14)(12)又は(13)に記載の熱電変換装置において、多段に重なった前記基板のうち、前記厚さ方向の最下段に位置する前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、前記第2の伝熱部材は、多段に重なった前記基板のうち、最下段に位置する前記基板の前記第1部分と熱的に接合され、最下段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、最下段に位置する前記基板の前記第1部分との間で熱伝達を行っても良い。
この場合には、例えば最上段に位置する熱電変換体に伝熱部を通じて熱が伝えられる場合、第2の伝熱部材による冷却効果を利用して、最下段に位置する基板の第1部分を通じて熱電変換体の冷接点側の端部を効果的に冷却することができる。そのため、結果的に各段における基板の第1部分を通じて、各段の熱電変換体の冷接点側の端部を効果的に冷却でき、各段の熱電変換体において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。
本発明によれば、基板の厚さ変化を利用して大きな発電量を得ることができ、熱電変換効率に優れた高品質、高性能な熱電変換装置とすることができる。
本発明に係る熱電変換装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す基板を第1主面側から見た平面図である。 図1に示すA−A線に沿った熱電変換装置の縦断面図である。 第1実施形態の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の第2実施形態を示す縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の第3実施形態を示す縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第3実施形態の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第3実施形態の別の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の第4実施形態を示す縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の第5実施形態を示す縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の第6実施形態を示す縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第6実施形態の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第1実施形態の別の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第1実施形態のさらに別の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第1実施形態のさらに別の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 図15に示す基板を第1主面側から見た平面図である。 第1実施形態のさらに別の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 本発明に係る熱電変換装置の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。 第5実施形態の変形例を示す図であって、熱電変換装置の縦断面図(図3の視点に対応した縦断面図)である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る熱電変換装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の熱電変換装置1は、厚さ方向に互いに対向する第1主面(本発明に係る第1の面)2a及び第2主面(本発明に係る第2の面)2bを有する基板2と、基板2の第1主面2a側に配設された第1伝熱板(本発明に係る第1の伝熱部材)3と、基板2と第1伝熱板3との間に配設された熱電変換膜(本発明に係る熱電変換体)4と、を備えている。つまり、熱電変換膜4は、第1伝熱板3よりも基板2側に配設されている。
本実施形態では、基板2の厚さ方向に沿った第1伝熱板3側を上方、その反対方向を下方という。すなわち、基板2の第2主面2bから第1主面2aに向かう方向を上方、その反対方向を下方という。また、基板2の面内に沿う方向のうち一方向を第1方向L1といい、第1方向L1に直交する方向を第2方向L2という。
また本実施形態では、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。ただし、この場合に限定されるものではなく、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合であっても構わない。
(基板)
基板2は、第2方向L2よりも第1方向L1に長い平面視矩形状に形成されている。ただし、基板2の形状は、この場合に限定されるものではなく、例えば平面視正方形状に形成されていても構わない。
基板2の一例としては、例えばシート抵抗が10Ω以上の高抵抗シリコン(Si)基板が挙げられる。なお、抵抗値としては10Ω以上に限定されるものではないが、熱電変換膜4間における電気的な短絡を防止する観点において、シート抵抗が10Ω以上の高抵抗基板を用いることが好ましい。
ただし、基板2としては、高抵抗シリコン基板に限定されるものではなく、例えば基板内部に酸化絶縁層を有する高抵抗SOI基板、その他の高抵抗単結晶基板、或いはセラミック基板であっても構わない。また、シート抵抗が10Ω以下の低抵抗基板を基板2として用いることも可能である。この場合には、例えば低抵抗基板の表面と熱電変換膜4との間に、高抵抗の材料を設ければ良い。
基板2は、全面に亘って厚さが一様に形成されているのではなく、基板2に形成された凹部6によって選択的に厚さが薄くなるように形成されている。これについては、後に詳細に説明する。ただし、部分的に厚さが薄くなっていたとしても、基板2全体としては所定の剛性を有している。
(熱電変換膜)
熱電変換膜4は、基板2の第1主面2a上に形成され、複数の第1熱電変換膜10、及び複数の第2熱電変換膜11を備えている。
第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、第1方向L1に沿って一定の隙間をあけて交互に並ぶように配置されている。本実施形態では、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、互いに同じ数だけ形成され、具体的には共に4つ形成されている。
ただし、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の数は、4つに限定されるものではなく、例えば熱電変換装置1の全体サイズ、用途、使用環境等に応じて適宜変更して構わない。
上述のように第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11が第1方向L1に沿って交互に配置されているので、第1熱電変換膜10の1つが第1方向L1に沿った一方向側の最も外側に位置し、第2熱電変換膜11の1つが第1方向L1に沿った他方向側の最も外側に位置する。
本実施形態では、第1熱電変換膜10の1つが最も外側に位置する上記一方向側を前方といい、第2熱電変換膜11の1つが最も外側に位置する上記他方向側を後方という。
第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、第1方向L1よりも第2方向L2に長い平面視矩形状にそれぞれ形成され、互いに同形、同サイズに形成されている。これら第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、例えばスパッタ装置を用いて基板2の第1主面2a上に成膜され、その後、エッチング加工によって選択的にパターニングされることで、第1方向L1に沿って一定の間隔をあけて交互に並んで配置されるように形成されている。
ただし、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の形成方法は、この場合に限定されるものではなく、その他の方法で形成しても構わない。
第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、半導体多層膜とされている。
具体的には、第1熱電変換膜10は、高濃度(例えば1018〜1019cm−3)のアンチモン(Sb)がそれぞれドープされたn型のシリコン(Si)とn型のシリコン・ゲルマニウム合金(SiGe)との多層膜で形成され、n型半導体として機能する。第2熱電変換膜11は、高濃度(例えば1018〜1019cm−3)のボロン(B)がそれぞれドープされたp型のシリコン(Si)とp型のシリコン・ゲルマニウム合金(SiGe)との多層膜で形成され、p型半導体として機能する。
これにより、n型半導体である第1熱電変換膜10は、冷接点側から温接点側に向けて(すなわち後述する第2電極14側から第1電極13側に向けて)電流が流れ、p型半導体である第2熱電変換膜11は、温接点側から冷接点側に向けて(すなわち後述する第1電極13側から第2電極14側に向けて)電流が流れる。
なお、複数の第1熱電変換膜10は、互いに同じ構成からなるn型半導体多層膜であっても構わないし、互いに異なる構成のn型半導体多層膜であっても構わない。同様に、複数の第2熱電変換膜11は、互いに同じ構成からなるp型半導体多層膜であっても構わないし、互いに異なる構成のp型半導体多層膜であっても構わない。
さらに、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、半導体多層膜に限定されるものではなく、p型又はn型半導体の単層膜でもよい。また、半導体として酸化物の半導体を用いることもできる。さらに、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、例えば有機高分子膜、金属膜など、他の熱電変換膜で形成されていても構わない。
(電極)
基板2の第1主面2a上には、隣り合う第1熱電変換膜10と第2熱電変換膜11とを電気的に接続する電極12が複数形成されている。
電極12は、第1熱電変換膜10と第2熱電変換膜11との間に配置されているだけでなく、最も前方寄りに位置する第1熱電変換膜10のさらに前方側に位置するように配置されていると共に、最も後方寄りに位置する第2熱電変換膜11のさらに後方側に位置するように配置されている。
電極12は、平面視で第2方向L2に長い縦長状に形成され、第2方向L2に沿った長さが第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11と同等の長さとなるように形成されている。
ただし、第2方向L2に沿った電極12の長さは、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11よりも長くても構わないし、短くても良い。
電極12はその厚さが第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の膜厚よりも厚く形成されており、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11よりも上方に突出している。
ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば電極12の厚さが第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の膜厚と同等であっても、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の膜厚よりも薄くても構わない。
複数の電極12のうち、第1熱電変換膜10に隣接し、且つ第1熱電変換膜10の後方に位置する電極12は、第1電極13として機能する。複数の電極12のうち残りの電極12、すなわち第1熱電変換膜10に隣接し、且つ第1熱電変換膜10の前方に位置する電極12は、第2電極14として機能する。なお、最も後方に位置する電極12についても、第2電極14として機能する。
これにより、各第1熱電変換膜10における後端部10aは、第2方向L2の全長に亘って第1電極13に接触している。また、各第1熱電変換膜10における前端部10bは、第2方向L2の全長に亘って第2電極14に接触している。
同様に、各第2熱電変換膜11における前端部11bは、第2方向L2の全長に亘って第1電極13に接触している。また、各第2熱電変換膜11における後端部11aは、第2方向L2の全長に亘って第2電極14に接触している。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11は、第1電極13及び第2電極14を介して電気的に直列に接続されている。
図1〜図3に示す例では、第1電極13は、後述する凸部21を介して第1伝熱板3に熱的に接続され、第1伝熱板3からの熱を第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bに伝える機能を有している。よって、第1電極13は温接点として機能する。これに対して、第2電極14は、第1方向L1に隣り合う第1電極13の中間に位置し、冷接点として機能する。
なお、第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bは、凸部21に対して近接する位置に配置された温接点側の端部として機能する。これに対して、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aは、基板2の面内方向に、凸部21から見て上記温接点側の端部(後端部10a及び前端部11b)よりも離れた位置に配置され、冷接点側の端部として機能する。
なお、電極12の材料としては、例えば導電性及び熱伝導率が高く、パターニングによる形状加工を行い易い材料が好ましく、銅(Cu)又は金(Au)などの金属材料が特に好ましい。
ただし、電極12の材料としては、金属材料に限定されるものではなく、導電性を有し、空気の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成されていれば良い。
(端子)
基板2の第1主面2a上には第1端子15及び第2端子16がさらに形成されている。
第1端子15は、最も前方寄りに位置する第2電極14のさらに前方側に位置するように形成され、第2電極14に対して接触して電気的に接続されている。第2端子16は、最も後方寄りに位置する第2電極14のさらに後方側に位置するように形成され、第2電極14に対して接触して電気的に接続されている。
第1端子15は、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16で構成される熱電変換回路の電気的な始端となる。これに対して、第2端子16は上記熱電変換回路の終端となる。これら第1端子15及び第2端子16は、図示しない外部回路と電気的に接続される。これにより、第1端子15及び第2端子16を通じて、熱電変換装置1から起電力を取り出すことが可能とされている。
なお、第1端子15及び第2端子16の材料としては、例えば導電性が高く、パターニングによる形状加工を行い易い材料が好ましく、銅(Cu)又は金(Au)などの金属材料が特に好ましい。
ただし、第1端子15及び第2端子16の材料としては、金属材料に限定されるものではなく、導電性を有する材料で形成されていれば良い。
(第1伝熱板、凸部)
第1伝熱板3は平板状の部材であり、熱電変換装置1における受熱部材として機能し、熱電変換膜4を挟んで基板2の上方に配設されている。
第1伝熱板3は、基板2の形状に対応して、第2方向L2よりも第1方向L1に長い平面視矩形状に形成されていると共に、基板2の外形と同サイズに形成されている。なお、第1伝熱板3の上面は全面に亘って平坦な受熱面20とされている。
ただし、第1伝熱板3の外形サイズは、この場合に限定されるものではなく、例えば基板2よりも大きな外形サイズの平板状に形成し、受熱面20の面積を大きくしても構わない。
第1伝熱板3よりも基板2側に位置する部分には、第1伝熱板3との間、及び熱電変換膜4との間で熱伝達を行う凸部(本発明に係る伝熱部)21が設けられている。本実施形態の場合では、凸部21は第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に向けて熱を伝える。
凸部21は、第1伝熱板3と一体に形成されていると共に第1伝熱板3の下面から下方に向けて突出するように形成され、第1方向L1に一定の間隔をあけて複数形成されている。
具体的には、凸部21は、第1電極13の個数に対応して、第1方向L1に間隔をあけて4つ形成され、温接点として機能する各第1電極13に対して上方から対向するように配置されている。これにより、冷接点として機能する第2電極14は、第1方向L1に隣り合う凸部21同士の中間に位置している。
凸部21は、第1電極13の形状に対応して、平面視で第2方向L2に長い縦長に形成されている。具体的には、凸部21は、第2方向L2に沿って第1伝熱板3の全長に亘って縦長に形成され、第1電極13よりも第2方向L2に長く形成されている。
ただし、第2方向L2に沿った凸部21の長さは、第1電極13の長さと同等、或いは第1電極13よりも短くても構わない。
凸部21の下端面は、平坦に形成されている。第1方向L1に沿った凸部21の幅は、第1方向L1に沿った第1電極13の幅と同等とされている。ただし、第1方向L1に沿った凸部21の幅は、第1方向L1に沿った第1電極13の幅よりも広くても構わないし、狭くても構わない。
上述のように構成された凸部21は、第1電極13に対して、図示しない絶縁性部材を介して電気的に絶縁された状態で熱的に接合されている。なお、凸部21の下端面と第1電極13の上端面とを、絶縁性部材を介してできるだけ面接触に近い状態で接合することが好ましい。この場合には、上述した熱的な接合を安定して行えると共に、第1伝熱板3を安定して組み合わせることができる。
なお、絶縁性部材としては、空気の熱伝導率よりも熱伝導率の高い材料で形成され、例えばUV硬化型樹脂やシリコン系樹脂、熱伝導グリース(例えばシリコーン系のグリースや、金属酸化物を含む非シリコーン系のグリース等)などが挙げられる。
第1伝熱板3の下面に複数の凸部21が形成されているので、第1方向L1に隣り合う凸部21の間には、空隙部(本発明に係る低熱伝導部)22が設けられている。図3に示す例では、第1方向L1に隣り合う凸部21の間が低熱伝導部(空隙部22)とされている。空隙部22は、凸部21の形成箇所を除いた第1伝熱板3の下面と、熱電変換膜4及び第2電極14と、の間に形成された空間、すなわち空気層であって、凸部21の熱伝導率よりも熱伝導率が低い。
第1伝熱板3は、空気の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。従って、受熱面20を介して第1伝熱板3で受けた熱を、優先的に凸部21を通じて第1電極13に伝え、該第1電極13を介して第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11に伝えることが可能とされている。すなわち、第1伝熱板3で受けた熱が、凸部21を通らずに、上記空隙部22を介して熱電変換膜4側に伝わってしまうよりも優先して、凸部21及び第1電極13を通じて熱電変換膜4側に伝わる。
なお、第1伝熱板3の材料としては、基板2の熱伝導率よりも高いことが好ましく、熱伝導率がさらに高く、凸部21などの凸形状を加工し易い材料、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)などの金属材料が特に好ましい。
(基板の厚さ)
先に述べたように、基板2は全面に亘って厚さが一様に形成されているのではなく、凹部6によって選択的に厚さが薄くなるように形成されている。この点について詳細に説明する。
図3に示すように、基板2には、第2主面2b側に開口した平面視矩形状の上記凹部6が第1方向L1に間隔をあけて複数形成されている。具体的に凹部6は、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11及び第1電極13の下方に位置するように形成されている。
これにより、基板2のうち、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11に対して厚さ方向に対向する対向部分25における少なくとも一部の厚さT1は、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分(例えば、後述する基板2の第1部分26)の厚さよりも薄くなっている。また、基板2のうち、凸部21及び第1電極13に対して厚さ方向に対向する第2部分27の厚さは、上述した対向部分25における少なくとも一部の厚さT1と同じ厚さとされている。
さらに、上述のように第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11及び第1電極13の下方に位置するように凹部6が形成されているので、基板2のうち、第1方向L1に隣り合う凸部21同士の第1方向L1における中間に位置する第1部分26の厚さT2は、上述した対向部分25における少なくとも一部の厚さT1よりも厚くなっている。つまり、図3に示す例では、基板2における第2部分27の厚さは、第1部分26の厚さT2よりも薄くなっている。
なお、図3に示す例では、第1部分26は、第1方向L1に隣り合う凸部21同士の中間に位置する仮想の中間線C上に位置し、且つ基板2のうち第2電極14に対して厚さ方向に対向する部分とされている。
また、第1部分26の厚さT2は、対向部分25における少なくとも一部の厚さT1よりも厚く形成されていれば良く、例えば基板2のうち対向部分25以外の部分の厚さよりも薄くても構わない。
(熱電変換装置の作用)
次に、上述のように構成された熱電変換装置1の作用について説明する。
はじめに、熱電変換装置1において、熱電変換は第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11のゼーベック効果を用いて行われる。下記式(1)は、ゼーベック効果に関する式である。
E=S×|△T|・・・式(1)
式(1)におけるE(V)は、熱電変換によって得られる電場(起電力)であり、式(1)に示されるように、第1熱電変換膜10又は第2熱電変換膜11の材料定数であるゼーベック係数S(V/K)と、第1熱電変換膜10又は第2熱電変換膜11における前端部10b、11bと後端部10a、11aとの間の温度差△T(K)と、により規定される。
本実施形態の熱電変換装置1によれば、図3に示す点線矢印のように、受熱面20を介して第1伝熱板3で受けた熱を、凸部21を通じて優先的に第1電極13に伝えることができると共に、第1電極13から第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bに熱を伝えることができる。
そのため、第1熱電変換膜10において、温接点である第1電極13側に位置する後端部10a(温接点側の端部)と、冷接点である第2電極14側に位置する前端部10b(冷接点側の端部)と、の間に温度差を生じさせることができる。同様に、第2熱電変換膜11において、温接点である第1電極13側に位置する前端部11b(温接点側の端部)と、冷接点である第2電極14側に位置する後端部11a(冷接点側の端部)と、の間に温度差を生じさせることができる。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11のそれぞれにおいて、ゼーベック効果に基づく起電力を生じさせることができる。
特に、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11が直列に電気接続されているので、第1端子15及び第2端子16を通じて、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11のそれぞれから生じた起電力を総和した起電力を得ることができ、熱電変換膜4の数に応じた発電量を得ることができる。
上記起電力について詳細に説明すると、第1熱電変換膜10はn型半導体であるので、冷接点となる第2電極14側から温接点となる第1電極13側に向けて、図2に示す矢印F1のように電流が流れる。これに対して、第2熱電変換膜11はp型半導体であるので、温接点となる第1電極13側から冷接点となる第2電極14側に向けて、図2に示す矢印F2のように電流が流れる。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、同じ向きの起電力を生じさせることができ、上述したように複数の第1熱電変換膜10及び複数の第2熱電変換膜11のそれぞれで生じた起電力を、第1端子15及び第2端子16を通じて、その総和として取り出すことができる。
ところで、凸部21を介して第1伝熱板3から第1電極13に伝わった熱は、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11に伝わり、これら第1熱電変換膜10の内部及び第2熱電変換膜11の内部を移動するだけでなく、主に第1電極13から基板2にも伝わり、該基板2を通じて放熱或いは冷却される。
このとき、本実施形態の基板2は、従来のように全面に亘って一様な厚さとされているのではなく、部分的に厚さが変化している。
つまり、基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、第1電極13から基板2に伝わった熱が、基板2内部において温接点側から冷接点側に向けて移動してしまうことを抑制することができる。つまり、基板2の厚さ変化を利用して、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導を抑制することができる。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、基板2を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の熱電変換装置1によれば、基板2の厚さ変化を利用することで大きな発電量を得ることができ、熱電変換効率に優れた高品質、高性能な熱電変換装置1とすることができる。また、基板2の厚さを変化させるだけの簡便な構成で済むので、熱電変換装置1の構成の簡略化を図ることができると共に、軽量化にも繋げることができる。
それに加え、基板2における第1部分26の厚さT2が、対向部分25の少なくとも一部の厚さT1よりも厚いので、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の冷接点側の端部、すなわち第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11後端部11aを、基板2の第1部分26における放熱或いは冷却効果により効率良く冷却することができる。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差をより大きくすることができ、より大きな発電量を得ることができる。
(第1実施形態の変形例)
上述した第1実施形態では、基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さ及び第2部分27の厚さを、ともに厚さT1としたが、例えば図4に示すように、基板2を厚み方向に貫通するように凹部6を形成することで、基板2を部分的に除去しても構わない。つまり、基板2の対向部分25及び第2部分27を除去しても構わない。
このように構成した熱電変換装置30の場合には、第1実施形態と同様の作用効果を、さらに効果的に奏功することができる。
なお、基板2を厚み方向に貫通するように凹部6を形成する構成は、第1実施形態以外の他の実施形態に採用しても構わない。
また、図4に示す例において、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13及び第2電極14を、例えば基板2の面内方向に互いに密に接合させ、全体として一定の剛性を有するように組み合わせることが好ましい。これにより、基板2を貫通するように凹部6を形成したとしても、基板2と第1伝熱板3との間に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13及び第2電極14を安定した状態で配設させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る熱電変換装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の熱電変換装置40は、基板2に形成される凹部6の位置が第1実施形態と異なっている。本実施形態の凹部6は、基板2の第2主面2b側に開口すると共に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11及び第2電極14の下方に位置するように基板2に形成されている。
なお、本実施形態の熱電変換装置40は、第1実施形態に対して上述した点が主に異なっているだけで、それ以外の構成については第1実施形態と同じである。さらに本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。
上述した位置に凹部6が形成されているので、基板2における第1部分26の厚さは、対向部分25の少なくとも一部の厚さと同じ厚さT1とされている。また、基板2における第2部分27の厚さT3は、対向部分25における少なくとも一部の厚さT1よりも厚くなっている。また、図5に示す例では、基板2における第1部分26の厚さは、第2部分27の少なくとも一部の厚さT3よりも薄くなっている。
ただし、第2部分27の厚さT3は、対向部分25における少なくとも一部の厚さT1よりも厚く形成されていれば良く、例えば基板2のうち対向部分25以外の部分の厚さよりも薄くても構わない。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された本実施形態の熱電変換装置40によれば、図5に示す点線矢印のように、第1電極13を介して凸部21から基板2に伝わった熱を、基板2の面内方向に伝熱させるよりも、基板2の第2部分27を通じて放熱或いは冷却することができる。これにより、基板2内部において温接点側から冷接点側に向かうような熱の伝導をさらに抑制することができる。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差をより大きくすることができ、より大きな発電量を得ることができる。
特に、第1伝熱板3が受ける熱量が大きい場合には有効であり、熱の一部を基板2の第2部分27を通じて外部に逃がしながら、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を確保でき、大きな発電量を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る熱電変換装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の熱電変換装置50は、基板2に形成される凹部6の位置が第1実施形態と異なっている。本実施形態の凹部6は、基板2の第2主面2b側に開口すると共に、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の下方に位置するように基板2に形成されている。
なお、本実施形態の熱電変換装置50は、第1実施形態に対して上述した点が主に異なっているだけで、それ以外の構成については第1実施形態と同じである。さらに本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。
上述した位置に凹部6が形成されているので、基板2における第2部分27の厚さT3は、第1部分26の厚さT2と同じ厚さとされている。
ただし、第2部分27の厚さT3は、第1部分26の厚さT2と同じ厚さである必要がなく、対向部分25における少なくとも一部の厚さT1よりも厚ければ、第1部分26の厚さT2よりも厚い或いは薄くても構わない。
なお、本実施形態では、第1部分26の第1方向に沿った幅W1と、第2部分27の第1方向に沿った幅W2と、は同じ幅とされている。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された本実施形態の熱電変換装置50によれば、第1実施形態と同様に、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の冷接点側の端部、すなわち第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aを、基板2の第1部分26における放熱或いは冷却効果により、効率良く冷却することができる。
また、これと同時に第2実施形態と同様に、図6に示す点線矢印のように第1電極13を介して凸部21から基板2に伝わった熱を、基板2の面内方向に伝熱させるよりも、基板2の第2部分27を通じて放熱或いは冷却することができる。
このように、基板2の第2部分27を利用した放熱或いは冷却効果と、基板2の第1部分26を利用した放熱或いは冷却効果と、を両方利用できるので、第1伝熱板3が受ける熱量に左右され難く、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側と冷接点側との間の温度差を安定的に大きくすることができる。従って、大きな発電量をより安定的に得ることができる。
(第3実施形態の変形例)
上述した第3実施形態では、基板2の第1部分26の第1方向L1に沿った幅W1と、基板2の第2部分27の第1方向L1に沿った幅W2と、を同じ幅としたが、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
例えば、図7に示すように、第1方向L1において、基板2の第2部分27の第1方向L1に沿った幅W2を、基板2の第1部分26の第1方向L1に沿った幅W1よりも広く形成しても構わない。
このように構成された熱電変換装置60では、基板2の第1部分26を利用した放熱或いは冷却効果よりも、基板2の第2部分27を利用した放熱或いは冷却効果をより効果的に奏功することできるので、例えば第1伝熱板3が受ける熱量が大きい場合には、その熱の一部を基板2の第2部分27を通じて外部に速やかに逃がし易い。従って、熱量が大きい熱が、基板2内部において温接点側から冷接点側に向けて伝導することを効果的に抑制することができる。
そのため、第1伝熱板3が受ける熱量が大きい場合であっても、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を確保し易く、大きな発電量を得ることができる。
さらには、図8に示すように、第1方向L1において、基板2の第1部分26の第1方向L1に沿った幅W1を、基板2の第2部分27の第1方向L1に沿った幅W2よりも広く形成しても構わない。
このように構成された熱電変換装置70では、基板2の第2部分27を利用した放熱或いは冷却効果よりも、基板2の第1部分26を利用した放熱或いは冷却効果をより効果的に奏功することできるので、基板2の第1部分26における放熱或いは冷却効果により、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における冷接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の前端部10b側及び第2熱電変換膜11の後端部11a側)を効果的に冷却し易い。
従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を確保し易く、大きな発電量を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る熱電変換装置の第4実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の熱電変換装置80は、基板2の第2主面2b側に配設され、基板2との間で熱伝達を行う第2伝熱板(本発明に係る第2の伝熱部材)81を備えている。
なお、本実施形態の熱電変換装置80は、第1実施形態に対して上述した点が主に異なっているだけで、それ以外の構成については第1実施形態と同じである。さらに本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。そのため、第2伝熱板81には、基板2を通じて熱が伝えられる。
第2伝熱板81は、基板2に伝わった熱を放熱或いは冷却するための平板状の部材であり、空気の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。第2伝熱板81は、基板2の第1部分26と熱的に接合され、対向部分25よりも第1部分26との間で熱伝達を行う。すなわち、第2伝熱板81には、対向部分25よりも第1部分26を通じて熱が伝えられる。
また、図9に示す例では、第2伝熱板81は、第1方向L1に隣り合う第1部分26の間に挟まれた部分(すなわち対向部分25、第2部分27及び凹部6)よりも、第1部分26との間で熱伝達を行う。
具体的には、第2伝熱板81は、ペースト状の物質82を介して基板2の第2主面2bに対して接合されることで、第1部分26と熱的に接合されている。
ただし、ペースト状の物質82は必須なものではなく、具備しなくても構わない。つまり、第2伝熱板81を基板2の第2主面2bに対して直接的に接合しても構わない。
第2伝熱板81は、基板2の形状に対応して、第2方向L2よりも第1方向L1に長い平面視矩形状に形成されていると共に、基板2の外形と同サイズに形成されている。本実施形態では、第2伝熱板81の外形サイズは基板2と同サイズに形成されているが、この場合に限定されるものではなく、例えば基板2よりも大きな外形サイズの平板状に形成しても構わない。
第2伝熱板81の形状としては、放熱或いは冷却に適した形状であることが好ましい。例えば、第2伝熱板81は、空冷又は水冷のための流路を内部に有することが好ましい。また、第2伝熱板81は、例えば熱交換のためのフィン形状を基板2と接合される上面とは反対側の下面側に有していることが好ましい。
第2伝熱板81の材料としては、基板2の熱伝導率よりも高いことが好ましく、熱伝導率が特に高い材料、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)などの金属材料が特に好ましい。
ペースト状の物質82は、第2伝熱板81の上面に全面に亘って形成され、基板2と第2伝熱板81との間に配設されている。ペースト状の物質82によって、基板2と第2伝熱板81との間の摩擦抵抗が軽減されている。
なお、ペースト状の物質82の具体的な材料としては、例えば銀(Ag)又はダイヤモンド(C)などの高熱伝導材料をフィラーとして含ませた熱伝導グリースが挙げられる。また、基板2と第2伝熱板81との間の熱伝導性を高めるという観点において、ペースト状の物質82の熱伝導率は空気の熱伝導率よりも高いことが好ましい。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された本実施形態の熱電変換装置80によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、以下の作用効果をさらに奏功することができる。
すなわち、第2伝熱板81による放熱或いは冷却効果を利用して、基板2の第1部分26を通じて第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における冷接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の前端部10b側及び第2熱電変換膜11の後端部11a側)を効果的に冷却することができる。従って、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る熱電変換装置の第5実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第5実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の熱電変換装置90は、第1主面2a上に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16が設けられた基板2が厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュール91を備えている。
熱電変換モジュール91における各基板2には、第2実施形態と同様に、第2主面2b側に開口すると共に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11及び第2電極14の下方に位置するように凹部6が形成されている。
なお、本実施形態の熱電変換装置90は、第2実施形態に対して熱電変換モジュール91を具備する点が主に異なっているだけで、基板2、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16の構成は第2実施形態と同じである。
さらに本実施形態では、基板2が4段に重なった熱電変換モジュール91とされている。ただし、熱電変換モジュール91は、4段に限定されるものではなく、2段以上重なった多段構造とされていれば良い。
さらに本実施形態においても、第2実施形態と同様に、第1伝熱板3側から最上段(4段目)に位置する熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。
第1伝熱板3は、熱電変換モジュール91において最上段(4段目)に位置する基板2の第1主面2a側に配設され、この基板2の第1主面2aに設けられた第1電極13に対して、第2実施形態と同様に凸部21及び図示しない絶縁性部材を介して接合されている。
熱電変換モジュール91において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する基板2は、その上段に位置する基板2に対して、第1主面2aと第2主面2b同士とが向かい合うように配置されている。
これにより、熱電変換モジュール91において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する第1電極13は、その上段に位置する基板2の第2部分27に対して接合されている。この場合、第1電極13は、第2部分27に対して図示しないペースト状の物質等の他の部材を介して接合されていても良い。
従って、熱電変換モジュール91において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4は、第1電極13を介して、その上段に位置する基板2の第2部分27に対して熱的に接合され、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第2部分27との間で熱伝達を行う。すなわち、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4には、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第2部分27を通じて熱が伝えられる。
また、図10に示す例では、最上段以外の段に位置する熱電変換膜4は、その上段に位置する基板2の第1方向L1に隣り合う第2部分27の間に挟まれた部分(すなわち対向部分25、第1部分26及び凹部6)よりも、その上段に位置する基板2の第2部分27との間で熱伝達を行う。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された本実施形態の熱電変換装置90によれば、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、以下の作用効果をさらに奏功することができる。
すなわち、熱電変換モジュール91を備えているので、例えば4段目に位置する基板2の第2部分27を通じて放熱される熱を、図10に示す点線矢印のように、その下段に位置する3段目の第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して、3段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の後端部10a側及び第2熱電変換膜11の前端部11b側)に伝えることができる。
このように、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明に係る熱電変換装置の第6実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第6実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の熱電変換装置100は、第1主面2a上に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16が設けられた基板2が厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュール105を備えている。
熱電変換モジュール105における各基板2には、第3実施形態と同様に、第2主面2b側に開口すると共に、第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の下方に位置するように凹部6が形成されている。
なお、本実施形態の熱電変換装置100は、第3実施形態に対して熱電変換モジュール105を具備する点が主に異なっているだけで、基板2、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16の構成は第3実施形態と同じである。
さらに本実施形態では、基板2が4段に重なった熱電変換モジュール105とされている。ただし、熱電変換モジュール105は、4段に限定されるものではなく、2段以上重なった多段構造とされていれば良い。
さらに本実施形態においても、第3実施形態と同様に、第1伝熱板3側から最上段(4段目)に位置する熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明する。
また、本実施形態の熱電変換装置100は、熱電変換モジュール105において、最下段(1段目)に位置する基板2の第2主面2b側に配設され、この基板2との間で熱伝達を行う第2伝熱板(本発明に係る第2の伝熱部材)101を備えている。すなわち、第2伝熱板101には、最下段に位置する基板2を通じて熱が伝えられる。
第1伝熱板3は、熱電変換モジュール105において最上段(4段目)に位置する基板2の第1主面2a側に配設され、この基板2の第1主面2aに設けられた第1電極13に対して、第3実施形態と同様に凸部21及び図示しない絶縁性部材を介して接合されている。
熱電変換モジュール105において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する第1電極13は、その上段に位置する基板2の第2部分27に対して接合され、且つ最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する第2電極14は、その上段に位置する基板2の第1部分26に対して接合されている。この場合、第1電極13は、第2部分27に対して図示しないペースト状の物質等の他の部材を介して接合されていても良い。同様に、第2電極14は、第1部分26に対して図示しないペースト状の物質等の他の部材を介して接合されていても良い。
従って、熱電変換モジュール105において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4は、第1電極13を介して、その上段に位置する基板2の第2部分27に対して熱的に接合され、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第2部分27との間で熱伝達を行う。すなわち、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4には、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第2部分27を通じて熱が伝えられる。
また、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4は、第2電極14を介して、その上段に位置する基板2の第1部分26に対して熱的に接合され、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。すなわち、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4には、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第1部分26を通じて熱が伝えられる。
第2伝熱板101は、最下段(1段目)に位置する基板2に伝わった熱を放熱或いは冷却するための平板状の部材であり、空気の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成され、1段目に位置する基板2の第1部分26と後述する凸部102を介して熱的に接合され、1段目に位置する基板2の対向部分25よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。すなわち、第2伝熱板101には、1段目に位置する基板2の対向部分25よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26を通じて熱が伝えられる。
また、第2伝熱板101は、1段目に位置する基板2の第2部分27に対して非接触状態で、1段目に位置する基板2の第1部分26に対して後述する凸部102を介して下方から接合されている。これにより、第2伝熱板101は、1段目に位置する基板2の第1部分26に対して熱的に接合され、1段目に位置する基板2の第2部分27よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。すなわち、第2伝熱板101には、1段目に位置する基板2の第2部分27よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26を通じて熱が伝えられる。換言すると、図11に示す例では、第2伝熱板101は、1段目に位置する基板2の第1方向L1に隣り合う第1部分26の間に挟まれた部分(すなわち対向部分25、第2部分27および凹部6)よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。
本実施形態では、第2伝熱板101の上面に、複数の凸部102が第2伝熱板101と一体に形成されている。凸部102は、第2伝熱板101の上面から上方に向けて突出すると共に第1方向L1に一定の間隔をあけて配置されている。
具体的には、凸部102は、1段目に位置する基板2の第1部分26に対応して形成され、これら第1部分26に対して下方から対向するように配置されている。そして、第2伝熱板101は、これら凸部102が基板2の第1部分26に接合することで、1段目に位置する基板2に対して組み合わされている。
図11に示す例では、凸部102は第1部分26に直接接合されているが、凸部102は、第4実施形態の第2伝熱板81と同様に、ペースト状の物質等の他の部材を介して第1部分26に接合されるようにしてもよい。
上述のように、第2伝熱板101の上面に複数の凸部102が形成されているので、1段目に位置する基板2の下面(凸部102の形成箇所を除いた下面)と第2伝熱板101との間には、厚さ方向に隙間(空気層)が確保されている。従って、上述したように、第2伝熱板101は、第2部分27に対して非接触状態とされている。
なお、本実施形態においても第4実施形態と同様に、第2伝熱板101の形状としては、放熱或いは冷却に適した形状であることが好ましい。また、第2伝熱板101の材料としては、基板2の熱伝導率よりも高いことが好ましく、熱伝導率が特に高い材料、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)などの金属材料が特に好ましい。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された本実施形態の熱電変換装置100によれば、第3実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、以下の作用効果をさらに奏功することができる。
すなわち、熱電変換モジュール105を備えているので、例えば4段目に位置する基板2の第2部分27を通じて放熱される熱を、図11に示す点線矢印のように、その下段に位置する3段目の第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して、3段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の後端部10a側及び第2熱電変換膜11の前端部11b側)に伝えることができる。
このように、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
さらに、各段の基板2の第1部分26を通じて、各段の第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の冷接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11a)を効率良く冷却することができる。従って、各段における第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
特に、第2伝熱板101による冷却効果を利用して、1段目に位置する基板2の第1部分26を通じて第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における冷接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の前端部10b側及び第2熱電変換膜11の後端部11a側)を効果的に冷却することができる。従って、結果的に、各段の第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11において、温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができる。
なお、本実施形態では、第2伝熱板101を具備した場合を例にして説明したが、第2伝熱板101は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。
(第6実施形態の変形例)
上述した第6実施形態では、第2伝熱板101に凸部102を設けたが、凸部102は必須ではなく、具備しなくても構わない。例えば、図12に示すように、平板状に形成された第2伝熱板101を具備する熱電変換装置110としても構わない。
この場合には、1段目に位置する基板2において、第2部分27の厚さを、第1部分26の厚さT2よりも薄くすれば良い。これにより、第2伝熱板101には、1段目に位置する基板2の第2部分27よりも、1段目に位置する基板2の第1部分26を通じて熱が伝えられる。
このように構成された熱電変換装置110の場合であっても、第6実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。それに加え、第2伝熱板101に凸部102を形成しない分、熱電変換装置110全体の薄型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。各実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能であることに加え、各実施形態における変形例を適宜組み合わせてもよい。さらに、これら実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記各実施形態では、第1伝熱板3及び第2伝熱板81、101を基板2と同形、同サイズに形成された1枚の平板状に形成したが、この場合に限定されるものではなく、複数の部材によって構成しても構わない。
また、上記各実施形態では、熱電変換体の一例として熱電変換膜4を例に挙げて説明したが、膜に限定されるものではなく、例えばバルク状の熱電変換素子などであっても構わない。
また、上記各実施形態では、伝熱部として第1伝熱板3と一体に形成された凸部21を例に挙げて説明したが、凸部21は第1伝熱板3と一体に形成されている必要はない。例えば第1伝熱板3を平板状に形成し、第1伝熱板3とは別体の凸部を第1伝熱板3と第1電極13との間に配設させても構わない。この場合には、例えば凸部を第1伝熱板3とは異なる材料で形成できるので、材料選択性の自由度を向上することができる。
また、上記各実施形態では、第1方向L1に隣り合う凸部21の間に、凸部21の熱伝導率よりも熱伝導率が低い空気層である空隙部22を形成、すなわち凸部21の形成箇所を除いた第1伝熱板3の下面と、熱電変換膜4及び第2電極14と、の間に空気層である空隙部22を形成したが、この場合に限定されるものではない。例えば図13に示すように、凸部21よりも熱伝導率が低い低熱伝導材121を低熱伝導部として、空気層である空隙部22に置き換わるように第1伝熱板3の下面側に形成した熱電変換装置120としても構わない。低熱伝導材121としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、或いはポリイミド樹脂等を用いることができる。
この場合であっても、第1伝熱板3が受けた熱を、優先的に凸部21を通じて第1電極13に伝えることができると共に、第1電極13から熱電変換膜4の温接点側の端部に熱を伝えることができる。
なお、図13に示す例では、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16を、熱電変換膜4と同じ厚さにしている。これにより、熱電変換装置120の全体の厚さを例えば第1実施形態の場合に比べて薄くすることができ、薄型化、コンパクト化を図ることができる。さらに図13に示す例では、基板2を厚さ方向に貫通するように凹部6を形成している場合を例にしている。
また、上記各実施形態において伝熱部としては凸部21に限定されるものではない。例えば、第1電極13を、熱電変換膜4、第2電極14、第1端子15及び第2端子16よりも上方に突出させ、平板状に形成した第1伝熱板3の下面に、第1電極13の上端面を接触させても構わない。
この場合であっても、第1伝熱板3で受けた熱を、優先的に第1電極13に伝えることができると共に、第1電極13から熱電変換膜4の温接点側の端部に熱を伝えることができる。よって、この場合には、第1電極13を伝熱部として機能させることができる。
いずれにしても、伝熱部としては、伝熱部を通らずに熱電変換膜4との間で熱伝達するよりも優先して、伝熱部を通じて熱電変換膜4との間で熱伝達することができれば良く、種々の構成を採用することが可能である。
さらに、上記各実施形態において、第1電極13及び第2電極14は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
例えば、図14に示す熱電変換装置140では、基板2の第1主面2a上に、第1熱電変換膜10と第2熱電変換膜11とを第1方向L1に沿って交互に配置し、且つ第1熱電変換膜10と第2熱電変換膜11とが互いに接触するように形成している。そして、第1伝熱板3と一体に形成された凸部21は、第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bに対して、例えば第1実施形態と同様に絶縁性部材を介して接合するように設けられている。
この場合であっても、例えば第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
さらに、上記各実施形態では、n型半導体である第1熱電変換膜10、及びp型半導体である第2熱電変換膜11で熱電変換膜4を構成したが、この場合に限定されるものではなく、n型半導体或いはp型半導体のいずれかで形成される熱電変換膜であっても構わない。
例えば、図15及び図16に示す熱電変換装置150は、基板2の第1主面2a上に複数形成されたp型半導体である熱電変換膜(本発明に係る熱電変換体)151を備えている。なお、熱電変換膜151は、n型半導体であっても構わない。
熱電変換膜151は、第1方向L1に一定の間隔をあけて並ぶように配置されている。熱電変換膜151は、例えば第1実施形態と同様に第1方向L1よりも第2方向L2に長い平面視矩形状に形成されている。
基板2の第1主面2a上には、温接点として機能する第1電極152及び冷接点として機能する第2電極153が、それぞれ複数形成されている。第1電極152及び第2電極153は、各熱電変換膜151に対してそれぞれ設けられている。
具体的には、第1電極152及び第2電極153は、熱電変換膜151を第1方向L1から挟むように熱電変換膜151の前端部151b側或いは後端部151a側に配置され、熱電変換膜151に対して接触している。第1電極152及び第2電極153は、熱電変換膜151の第2方向L2に沿う全長に亘って形成されている。
各熱電変換膜151に設けられた第1電極152は、凸部21の下方に配置されるように形成されている。これにより、第1方向L1に互いに隣接する熱電変換膜151同士の関係においては、それぞれに接合された第1電極152同士及び第2電極153同士は、第1方向L1に若干の隙間をあけて隣接配置されている。
基板2の第1主面2a上には、接続電極154、第1端子15及び第2端子16がさらに形成されている。
接続電極154は、第1方向L1に隣接し合う熱電変換膜151において、一方の熱電変換膜151に設けられた第1電極152と、他方の熱電変換膜151に設けられた第2電極153とを接続するように形成されている。接続電極154は、熱電変換膜151を第2方向L2の外側から回り込むように形成されている。
第1端子15は、最も前方寄りに位置する熱電変換膜151に設けられた第2電極153のさらに前方側に位置するように形成され、接続電極154を介して最も前方寄りに位置する熱電変換膜151に設けられた第1電極152に接続されている。第2端子16は、最も後方寄りに位置する熱電変換膜151に設けられた第2電極153のさらに後方側に位置するように形成され、第2電極153に対して接触している。
これにより、接続電極154を介して各熱電変換膜151を直列に電気接続することができ、第1端子15及び第2端子16を通じて熱電変換装置150から起電力を取り出すことが可能とされている。
このように構成された熱電変換装置150の場合であっても、例えば第1実施形態に対して、熱電変換膜151に流れる電流の流れ方が異なるだけで、同様の作用効果を奏功することができる。
具体的には図15に示す点線矢印のように、受熱面20を介して第1伝熱板3で受けた熱を、凸部21を通じて優先的に第1電極152に伝えることができると共に、第1電極152から熱電変換膜151の前端部151b又は後端部151a(熱電変換膜151の温接点側の端部)に熱を伝えることができる。熱電変換膜151はp型半導体であるので、温接点となる第1電極152側から冷接点となる第2電極153側に向けて、図16に示す矢印F3のように電流が流れる。
この際、接続電極154が形成されているので、結果的に各熱電変換膜151において同じ向きの起電力が生じさせることができ、各熱電変換膜151のそれぞれで生じた起電力を、第1端子15及び第2端子16を通じて、その総和として取り出すことができる。
従って、図15及び図16に示す熱電変換装置150の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
また、上記各実施形態では、第1伝熱板3を具備した場合を例にして説明したが、第1伝熱板3は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。
例えば図17に示すように、第1実施形態から第1伝熱板3を省略した構成とされる熱電変換装置160としても構わない。なお、図17に示す形態では、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
熱電変換装置160は、第1伝熱板3を具備しない以外に、さらに第1電極13を伝熱部として機能させている点で第1実施形態とは異なる。それ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
この熱電変換装置160では、第1電極13が熱電変換膜4、第2電極14、第1端子15及び第2端子16よりも上方に突出している。そして、第1電極13の上端面が、熱源Hに対して熱的に接している。これにより、熱源Hからの熱を、第1電極13を通じて熱電変換膜4の温接点側の端部、すなわち第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bに、優先的に伝えることができる。
従って、このように構成した熱電変換装置160の場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。特に、第1伝熱板3を具備しない分、熱電変換装置160の全体の厚さを第1実施形態に比べて薄くすることができ、薄型化及びコンパクト化を図り易い。
なお、図17では、第1実施形態をベースとして第1伝熱板3を具備しない熱電変換装置160の一例を説明したが、その他の実施形態において第1伝熱板3を具備しない構成としても構わない。
さらに上記各実施形態では、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、先に述べたように、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合であっても構わない。
例えば、図1〜図3に示す第1実施形態における熱電変換装置1を例に挙げて簡単に説明する。
熱電変換装置1において、例えば基板側に図示しない熱源が存在し、基板2が熱源から熱を受ける場合には、基板2側から熱電変換体4側に熱が伝わり、第1伝熱板3を通じて放熱或いは冷却される。このとき、第1実施形態において説明したように、基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、熱源から基板2に伝わった熱が、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうように移動してしまうことを抑制することができる。
従って、基板2の厚さ変化を利用することで、熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、基板2を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
そのため、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合であっても、第1伝熱板3側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合と同様の作用効果を奏功することができる。
なお、この場合の熱電変換装置1では、基板2からの熱が第1部分26を通じて第2電極14に伝わり易いので、第2電極14が温接点として機能し、第1電極13が冷接点として機能する。そのため、第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bは冷接点側の端部として機能し、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aは温接点側の端部として機能する。
しかしながら、この場合であっても、上述したように基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、熱源から基板2に伝わった熱が、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうように移動してしまうことを抑制することができる。従って、熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
さらに、第1伝熱板3を例えば放熱或いは冷却部材等として機能させることができるので、第1伝熱板3による放熱或いは冷却効果を利用して、基板2に伝わった熱を、基板2の面内方向に移動させるよりも凸部21及び第1伝熱板3を通じて放熱或いは冷却させることができる。従って、熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得易い。
ところで、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合には、例えば、図18に示すように、第1実施形態における基板2を厚さ方向に多段に重ねた熱電変換装置170としても構わない。
なお、図18に示す形態では、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図18に示す熱電変換装置170は、第1主面2a上に、第1熱電変換膜10、第2熱電変換膜11、第1電極13、第2電極14、第1端子15及び第2端子16が設けられた基板2が厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュール171を備えている。
なお、図18に示す例では、基板2が4段に重なった熱電変換モジュール171とされている。ただし、熱電変換モジュール171は、4段に限定されるものではなく、2段以上重なった多段構造とされていれば良い。
さらに、熱電変換装置170は、最下段(1段目)に位置する基板2の第2主面2b側に配設され、この基板2との間で熱伝達を行う第2伝熱板(本発明に係る第2の伝熱部材)172を備えている。
第2伝熱板172は、熱電変換装置170における受熱部材として機能する平板状の部材であり、その下端面が図示しない熱源に対して熱的に接している。これにより、第2伝熱板172で受けた熱源からの熱を、最下段に位置する基板2に伝えることが可能とされている。
第2伝熱板172は、空気の熱伝導率よりも熱伝導率が高い材料で形成され、最下段に位置する基板2の第1部分26に対して下方から熱的に接合され、最下段に位置する基板2の対向部分25及び第2部分27よりも、最下段に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。これにより、第2伝熱板172で受けた熱を、最下段に位置する基板2の対向部分25及び第2部分27よりも、最下段に位置する基板2の第1部分26に伝えることができる。
すなわち、図18に示す例では、第2伝熱板172は、最下段に位置する基板2の第1方向L1に隣り合う第1部分26の間に挟まれた部分(すなわち対向部分25、第2部分27及び凹部6)よりも、最下段に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。
第1伝熱板3は、熱電変換モジュール171において最上段(4段目)に位置する基板2の第1主面2a側に配設され、この基板2の第1主面2aに設けられた第1電極13に対して、第1実施形態と同様に凸部21及び図示しない絶縁性部材を介して接合されている。
熱電変換モジュール171において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する基板2は、その上段に位置する基板2に対して、第1主面2a及び第2主面2b同士が向かい合うように配置されている。
これにより、熱電変換モジュール171において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する第2電極14は、その上段に位置する基板2の第1部分26に対して接合されている。この場合、第2電極14は、第1部分26に対して図示しないペースト状の物質等の他の部材を介して接合されていても良い。
従って、熱電変換モジュール171において、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4は、第2電極14を介して、その上段に位置する基板2の第1部分26に対して熱的に接合され、その上段に位置する基板2の対向部分25よりも、その上段に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。これにより、各段の熱電変換膜4には、各段の基板2の対向部分25よりも、各段の基板2の第1部分26を通じて熱が伝えられる。
また、図18に示す例では、最上段以外の段(1段目〜3段目)に位置する熱電変換膜4は、その上段に位置する基板2の第1方向L1に隣り合う第1部分26の間に挟まれた部分(すなわち対向部分25、第2部分27及び凹部6)よりも、その上段に位置する基板2の第1部分26との間で熱伝達を行う。
なお、この場合の熱電変換装置170には、第2伝熱板172で受けた熱を最下段に位置する基板2に伝えるので、各段における第2電極14が温接点として機能し、第1電極13が冷接点として機能する。そのため、各段における第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bが冷接点側の端部として機能し、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aが温接点側の端部として機能する。
(熱電変換装置の作用)
上述したように構成された熱電変換装置170であっても、第1伝熱板3側から熱が伝わる場合と同様の作用効果を奏功することができる。それに加え、この熱電変換装置170によれば、熱電変換モジュール171を備えているので、放熱される熱を有効に利用することができ、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができる。従って、大きな発電量を効率良く得ることができる。
すなわち、この熱電変換装置170によれば、図17に示す点線矢印のように、第2伝熱板172で受けた熱を、最下段に位置する基板2の第1部分26を通じて優先的に最下段に位置する第2電極14に伝えることができ、この第2電極14を介して最下段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
さらに、最下段に位置する基板2の第1部分26から最下段の第2電極14に伝わった熱を、2段目に位置する基板2の第1部分26を通じて2段目に位置する第2電極14に伝えることができ、この第2電極14を介して2段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
このように、熱電変換膜4から第2電極14を通じて放熱される熱を、該熱電変換膜4の上段に位置する基板2の第1部分26を通じて上段に位置する熱電変換膜4における温接点側に伝えることができるので、放熱される熱を有効に利用することができる。従って、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができ、大きな発電量を効率良く得ることができる。
つまり、この熱電変換装置170によれば、第2伝熱板172が図10に示す第5実施形態における熱電変換装置90の第1伝熱板3と同様の役目を果たしており、放熱される熱の流れに着目すると、図10に示す熱電変換装置90と同様の作用効果を奏効することができる。
さらに、この熱電変換装置170によれば、第1伝熱板3を例えば放熱或いは冷却部材として利用することができる。従って、第1伝熱板3による放熱或いは冷却効果を利用して、凸部21及び最上段に位置する第1電極13を通じて、最上段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における冷接点側を効果的に冷却することができる。
なお、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合には、第1実施形態に限られず、全ての各実施形態及びその変形例に適用することが可能であり、いずれの場合であっても同様の作用効果を奏功することができる。
例えば、図5に示す第2実施形態における熱電変換装置40において、基板2側から熱電変換膜4側に熱が伝わる場合には、基板2に伝わった熱を、基板2の面内方向に移動させるよりも、基板2の第2部分27、凸部21及び第1伝熱板3を通じてより効果的に放熱或いは冷却させることができる。従って、熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差をさらに効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得易い。
さらに、図9に示す第4実施形態における熱電変換装置80の場合には、例えば第2伝熱板81を受熱部材として機能させ、第1伝熱板3を放熱或いは冷却部材として機能させることができる。従って、第2伝熱板81を通じて基板2を介して熱電変換膜4側に効率良く熱を伝えることができ、大きな発電量を得ることができる。
なお、この熱電変換装置80の場合には、第2伝熱板81からの熱は、基板2の第1部分26を通じて第2電極14に伝わり易いので、第2電極14が温接点として機能し、第1電極13が冷接点として機能する。そのため、第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bは冷接点側の端部として機能し、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aは温接点側の端部として機能する。
しかしながら、この場合であっても、基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、第2伝熱板81から基板2に伝わった熱が、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうように移動してしまうことを抑制することができる。従って、熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を大きくすることができ、大きな発電量を得ることができる。
さらに、図10に示す第5実施形態における熱電変換装置90の場合であっても、最下段に位置する基板2側から熱が伝えられても良い。
この場合には、最下段に位置する基板2で受けた熱を、最下段に位置する基板2の第2部分27を通じて最下段に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して、最下段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側(すなわち、第1熱電変換膜10の後端部10a側及び第2熱電変換膜11の前端部11b側)に伝えることができる。
このとき、最下段に位置する基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、最下段に位置する基板2で受けた熱が、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうように移動してしまうことを抑制することができる。従って、基板2の厚さ変化を利用することで、最下段に位置する熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、最下段に位置する基板2を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
また、最下段に位置する基板2の第2部分27から最下段の第1電極13に伝わった熱を、2段目に位置する基板2の第2部分27を通じて2段目に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して2段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
このように、基板2の第2部分27を通じて放熱される熱を、該基板2の上段に位置する基板2の第2部分27を通じて第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができるので、放熱される熱を有効に利用することができる。従って、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができ、大きな発電量を効率良く得ることができる。
上述のように、図10に示す第5実施形態における熱電変換装置90において、最下段に位置する基板2側から熱が伝わる場合であっても、第1伝熱板3側から熱が伝わる場合と同様の作用効果を奏功することができる。
それに加え、最下段に位置する基板2側から熱が伝わる場合には、第1伝熱板3を例えば放熱或いは冷却部材等として機能させることができるので、第1伝熱板3による放熱或いは冷却効果を利用して、最上段に位置する基板2に伝わった熱を、最上段に位置する基板2の面内方向に移動させるよりも凸部21及び第1伝熱板3を通じて放熱或いは冷却させることができる。従って、結果的に、各段の熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得易い。
ところで、図10に示す第5実施形態における熱電変換装置90において、最下段に位置する基板2側から熱が伝わる場合、例えば図19に示すように、最下段(1段目)に位置する基板2の第2主面2b側に、最下段に位置する基板2との間で熱伝達を行う第2伝熱板(本発明に係る第2の伝熱部材)180を設けても構わない。
第2伝熱板180は、熱電変換装置90における受熱部材として機能する平板状の部材であり、その下端面が図示しない熱源に対して熱的に接している。これにより、第2伝熱板180で受けた熱源からの熱を、最下段に位置する基板2の第2部分27を通じて最下段に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して、最下段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
このように、第2伝熱板180を具備することで、より効率良く最下段に位置する基板2に熱を伝え易くなる。従って、各段の熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得易い。
さらに、第2伝熱板180を具備する場合には、第2伝熱板180及び第1伝熱板3の両方を受熱部材として機能させ、第2伝熱板180及び第1伝熱板3の両方で熱を受けても構わない。
この場合には、図19に示す点線矢印のように、第1伝熱板3で受けた熱を、凸部21を通じて優先的に最上段(4段目)に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して最上段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
さらに、最上段に位置する第1電極13に伝わった熱を、最上段に位置する基板2の第2部分27を通じて3段目に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して3段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
これと同時に、図18に示す点線矢印のように、第2伝熱板180で受けた熱を、最下段に位置する基板2の第2部分27を通じて最下段に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して、最下段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
さらに、最下段の第1電極13に伝わった熱を、2段目に位置する基板2の第2部分27を通じて2段目に位置する第1電極13に伝えることができ、この第1電極13を介して2段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
従って、第2伝熱板180及び第1伝熱板3の両方で熱を受けたとしても、放熱される熱を有効に利用することができる。従って、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができ、大きな発電量を効率良く得ることができる。
なお、第2伝熱板180及び第1伝熱板3の両方で熱を受ける場合には、例えば、第2方向L2に沿って冷却風等の気流を熱電変換装置90に向けて供給することで、熱電変換装置90の内部から外部に向けて放熱を適切に行うことができる。
さらに、図11に示す第6実施形態における熱電変換装置100の場合であっても、第2伝熱板101側から熱が伝えられても良い。
この場合には、第2伝熱板101を受熱部材として利用することができる。また、第2伝熱板101で受けた熱を最下段に位置する基板2に伝えるので、各段における第2電極14が温接点として機能し、第1電極13が冷接点として機能する。そのため、各段における第1熱電変換膜10の後端部10a及び第2熱電変換膜11の前端部11bが冷接点側の端部として機能し、第1熱電変換膜10の前端部10b及び第2熱電変換膜11の後端部11aが温接点側の端部として機能する。
この場合の熱電変換装置100によれば、第2伝熱板101で受けた熱を、凸部102及び最下段に位置する基板2の第1部分26を通じて最下段に位置する第2電極14に伝えることができ、この第2電極14を介して、最下段に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
このとき、最下段に位置する基板2における対向部分25の少なくとも一部の厚さT1が、対向部分25以外の基板2の他の少なくとも一部分よりも薄く形成されているので、最下段に位置する基板2に伝わった熱が、基板2内部において、温接点側から冷接点側に向かうように移動してしまうことを抑制することができる。従って、基板2の厚さ変化を利用することで、最下段に位置する熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間に生じる温度差が、最下段に位置する基板2を介した熱の伝導の影響によって小さくなることを抑制することができ、大きな発電量を得ることができる。
また、最下段に位置する基板2の第1部分26から最下段の第2電極14に伝わった熱を、2段目に位置する基板2の第1部分26を通じて2段目に位置する第2電極14に伝えることができ、この第2電極14を介して2段目に位置する第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができる。
このように、基板2の第1部分26を通じて放熱される熱を、該基板2の上段に位置する基板2の第1部分26を通じて第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11における温接点側に伝えることができるので、放熱される熱を有効に利用することができる。従って、各段の熱電変換膜4において発電量をそれぞれ得ることができ、大きな発電量を効率良く得ることができる。
上述のように、図11に示す第6実施形態における熱電変換装置100において、第2伝熱板101側から熱が伝わる場合であっても、第1伝熱板3側から熱が伝わる場合と同様の作用効果を奏功することができる。
さらに、第2伝熱板101側から熱が伝わる場合には、第1伝熱板3を例えば放熱或いは冷却部材等として機能させることができるので、第1伝熱板3による放熱或いは冷却効果を利用して、各段の第1熱電変換膜10及び第2熱電変換膜11の冷接点側を効果的に冷却することができる。従って、結果的に、各段の熱電変換体4において温接点側と冷接点側との間の温度差を効果的に大きくすることができ、大きな発電量を得易い。
本発明によれば、基板の厚さ変化を利用して大きな発電量を得ることができ、熱電変換効率に優れた高品質、高性能な熱電変換装置を得ることができる。従って、産業上の利用可能性を有する。
1、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、140、150、160、170…熱電変換装置
2…基板
2a…第1主面(第1の面)
2b…第2主面(第2の面)
3…第1伝熱板(第1の伝熱部材)
4、151…熱電変換膜(熱電変換体)
13…第1電極(伝熱部)
21…凸部(伝熱部)
22…空隙部(低熱伝導部)
25…基板の対向部分
26…基板の第1部分
27…基板の第2部分
81、101、172、180…第2伝熱板(第2の伝熱部材)
91、105、171…熱電変換モジュール
121…低熱伝導材(低熱伝導部)

Claims (14)

  1. 厚さ方向に互いに対向する第1の面及び第2の面を有する基板と、
    前記基板の前記第1の面側に配設された熱電変換体と、
    前記基板の面内方向に沿った第1方向に間隔をあけて複数形成され、前記熱電変換体との間で熱伝達を行う伝熱部と、を備え、
    前記第1方向に隣り合う前記伝熱部の間には、前記伝熱部の熱伝導率よりも熱伝導率が低い低熱伝導部が設けられ、
    前記基板のうち、前記熱電変換体に対して前記厚さ方向に対向する対向部分の少なくとも一部の厚さが、前記基板の他の少なくとも一部分の厚さよりも薄いことを特徴とする熱電変換装置。
  2. 請求項1に記載の熱電変換装置において、
    前記基板の前記第1の面側に配設された第1の伝熱部材を備え、
    前記熱電変換体及び前記伝熱部は、前記第1の伝熱部材よりも前記基板側に配設されている、熱電変換装置。
  3. 請求項1又は2に記載の熱電変換装置において、
    前記低熱伝導部は、空隙部である、熱電変換装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱電変換装置において、
    前記基板のうち、前記第1方向に隣り合う前記伝熱部同士の前記第1方向における中間に位置する第1部分の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い、熱電変換装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱電変換装置において、
    前記基板のうち、前記伝熱部に対して前記厚さ方向に対向する第2部分の少なくとも一部の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い、熱電変換装置。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱電変換装置において、
    前記基板のうち、前記第1方向に隣り合う前記伝熱部同士の前記第1方向における中間に位置する第1部分の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚く、
    前記基板のうち、前記伝熱部に対して前記厚さ方向に対向する第2部分の少なくとも一部の厚さが、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い、熱電変換装置。
  7. 請求項6に記載の熱電変換装置において、
    前記第2部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅は、前記第1部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅よりも、広い、熱電変換装置。
  8. 請求項6に記載の熱電変換装置において、
    前記第1部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅は、前記第2部分のうち、前記対向部分の少なくとも一部の厚さよりも厚い部分の前記第1方向に沿った幅よりも、広い、熱電変換装置。
  9. 請求項4に記載の熱電変換装置において、
    前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、
    前記第2の伝熱部材は、前記基板の前記第1部分と熱的に接合され、前記対向部分よりも前記第1部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
  10. 請求項5に記載の熱電変換装置において、
    前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、
    前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、
    前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、
    多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第2部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第2部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
  11. 請求項10に記載の熱電変換装置において、
    多段に重なった前記基板のうち、前記厚さ方向の最下段に位置する前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、
    前記第2の伝熱部材は、多段に重なった前記基板のうち、最下段に位置する前記基板の前記第2部分と熱的に接合され、最下段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、最下段に位置する前記基板の前記第2部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
  12. 請求項4に記載の熱電変換装置において、
    前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、
    前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、
    前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、
    多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第1部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第1部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
  13. 請求項6から8のいずれか1項に記載の熱電変換装置において、
    前記基板及び前記熱電変換体が前記厚さ方向に多段に重なった熱電変換モジュールを備え、
    前記第2の面から前記第1の面に向かう方向を上方向としたとき、
    前記伝熱部は、多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段に位置する前記熱電変換体との間で熱伝達を行い、
    多段に重なった前記熱電変換体のうち、前記厚さ方向の最上段以外の段に位置する前記熱電変換体は、その上段に位置する前記基板の前記第1部分及び前記第2部分に熱的に接合され、その上段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、その上段に位置する前記基板の前記第1部分及び前記第2部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
  14. 請求項12又は13に記載の熱電変換装置において、
    多段に重なった前記基板のうち、前記厚さ方向の最下段に位置する前記基板の前記第2の面側に配設された第2の伝熱部材を備え、
    前記第2の伝熱部材は、多段に重なった前記基板のうち、最下段に位置する前記基板の前記第1部分と熱的に接合され、最下段に位置する前記基板の前記対向部分よりも、最下段に位置する前記基板の前記第1部分との間で熱伝達を行う、熱電変換装置。
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