JPWO2018154936A1 - 振動センサ - Google Patents
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Abstract
振動センサは、上面に凹部を有する基板と、凹部内に位置しており、上面が凸状に湾曲している導電板と、基板に位置し、凹部の周囲を囲んだ枠状導電部材と、基板上に位置し、枠状導電部材で囲まれる領域に導電板と接触した球状導電部材と、基板上に位置し、枠状導電部材を取り囲む枠体と、基板上に位置し、凹部を取り囲むとともに枠状導電部材と接続されているメタライズ層と、枠体上に位置し、球状導電部材を覆う蓋体とを備えている。
Description
本発明は、振動センサに関する。
近年、転動可能な導電性球状電極と固定電極との電気的接触を利用して、傾斜や振動状態を検知する振動センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の一実施形態に係る振動センサは、上面に凹部を有する基板と、前記凹部内に位置しており、上面が凸状に湾曲している導電板と、前記基板上に位置し、前記凹部の周囲を囲んだ枠状導電部材と、前記基板上に位置し、前記枠状導電部材で囲まれる領域に前記導電板と接触した球状導電部材と、前記基板上に位置し、前記枠状導電部材を取り囲む枠体と、前記基板上に位置し、前記凹部を取り囲むとともに前記枠状導電部材と接続されているメタライズ層と、前記枠体上に位置し、前記球状導電部材を覆う蓋体とを備えている。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる振動センサの実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されないものとする。また、以下の実施形態における上下の区別は便宜的なものであり、実際に振動センサが使用されるときの上下を限定するものではない。
<振動センサの概略構成>
図1は、本実施形態に係る振動センサの概観斜視図であって、蓋体を取り付けた状態を示している。図2は、本実施形態に係る振動センサの外観斜視図であって、蓋体を取り外して内部が見える状態を示している。図3は、図1で示した振動センサの側面図である。図4(a)は、図1で示した振動センサの上面図であり、図4(b)は下面図である。図5は、図1のX−Xに沿った振動センサの断面を示す外観斜視図である。図6は、図5で示した振動センサの断面図である。図7は、図6で示した振動センサの要部を拡大して示す斜視図である。図8は、図1で示した振動センサを分解して示す斜視図である。図9(a)および(b)は、図1で示した振動センサを分解して示す平面図である。図10(a)は図1で示した振動センサに含まれるパッケージを上側から見た斜視図であり、図10(b)は下側から見た斜視図である。
図1は、本実施形態に係る振動センサの概観斜視図であって、蓋体を取り付けた状態を示している。図2は、本実施形態に係る振動センサの外観斜視図であって、蓋体を取り外して内部が見える状態を示している。図3は、図1で示した振動センサの側面図である。図4(a)は、図1で示した振動センサの上面図であり、図4(b)は下面図である。図5は、図1のX−Xに沿った振動センサの断面を示す外観斜視図である。図6は、図5で示した振動センサの断面図である。図7は、図6で示した振動センサの要部を拡大して示す斜視図である。図8は、図1で示した振動センサを分解して示す斜視図である。図9(a)および(b)は、図1で示した振動センサを分解して示す平面図である。図10(a)は図1で示した振動センサに含まれるパッケージを上側から見た斜視図であり、図10(b)は下側から見た斜視図である。
振動センサは、家電製品、電子機器等に組み込んで、それらの製品の傾斜や振動を検出するためのものである。家電製品や電子機器の例としては、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン等である。振動センサは、振動センサの導通状態の変化に応じて、各種家電製品や電子機器の動作を変化させることができる。
本実施形態に係る振動センサ1は、上面に凹部2aを有する基板2と、凹部2a内に位置しており、上面が凸状に湾曲している導電板3と、基板2上に位置し、凹部2aの周囲を囲んだ枠状導電部材4と、基板2上に位置し、枠状導電部材4で囲まれる領域に導電板3と接触した球状導電部材5と、基板2上に位置し、枠状導電部材4を取り囲む枠体6と、基板2上に位置し、凹部2aを取り囲むとともに枠状導電部材4と接続されているメタライズ層7と、枠体6上に位置し、球状導電部材5を覆う蓋体8とを備えている。
基板2は、絶縁性の基板であって、例えば、アルミナ、ムライトまたは窒化アルミ等のセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料等から成る。または、基板2は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料から成る。なお、基板2は、平面視して矩形状の外形であって、一辺の長さが1mm以上10mm以下に設定されている。基板2の厚みは、0.5mm以上3mm以下に設定されている。また、基板2の熱伝導率は、14W/m・K以上200W/m・K以下に設定されている。基板2の熱膨張係数は、4ppm/K以上8ppm/K以下に設定されている。
基板2は、例えばセラミックグリーンシート積層法で製作されたものであり、複数の絶縁層(符号なし)が上下に積層されたものでもよい。複数のグリーンシートのそれぞれが絶縁層になる。この実施形態の例では2層の絶縁層によって基板2が形成されている。基板2の製造方法の詳細については後述する。
また、基板2の上面に形成された凹部2aは、導電板3を収める大きさである。凹部2aは、基板2の上面の中央部分に設けられる。凹部2aは、平面視して円形状であって、例えば、直径が0.5mm以上5mm以下に設定されている。凹部2aは、例えば、上下方向の深さが、0.3mm以上2.5mm以下に設定されている。
導電板3は、凹部2aに収められる。導電板3は、球状導電部材5と電気的に接続される。この電気的な接続は、球状導電部材5の下側の端部分と導電板3の上面との直接の接触によって行なわれる。導電板3は、導電性の円板であって、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケル、コバルト、鉄、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。あるいは、導電板3は、それらの金属材料の合金、あるいはこれらの金属材料を含む複数の材料を混合した複合系材料、あるいはそれらの材料の複合層からなる。
導電板3は、例えば所定の厚みを持った円板状である。また、導電板3は、その上面が凸状に湾曲している。図5−図7に示す例では、導電板3の円形状の上面は、平面視における中心が最も高く、外周に近付くにつれて高さ位置が次第に低くなっている。すなわち、この例における導電板3の上面は、その全体が凸状に湾曲した面になっている。
導電板3の具体的な一例は次のとおりである。導電板3の熱膨張係数は、3ppm/K以上28ppm/K以下に設定されている。導電板3は、直径が0.2mm以上3mm以下であって、上下方向の厚みが0.3mm以上2.5mm以下に設定されている。例えば、平面視における導電板3の中心部分における厚みが約0.5〜2.5mmであり、外周部はそれよりも0.3〜2.3mm下側に位置するように設定される。また、上面が全体的に湾曲している上記の例において、その上面の曲率半径が0.3〜15mm程度の湾曲した面になるように、導電板3の厚みを設定してもよい。なお、導電板3は、凹部2aの底面にろう材を介して接続される。
導電板3は、所定の厚みを持った円板にすることで、球状導電部材5、凹部2aまたは振動センサ1の内部の空間内の熱を効率よく吸収して、基板2を介して熱を振動センサ1の外部に放熱しやすくすることができる。凹部2aを含む振動センサ1の内部の空間内は、振動センサ1を製造する工程や外部の実装基板にはんだを介して実装するときに加えられる熱、振動センサ1の環境試験および信頼性試験において加えられる熱、または振動センサ1が作動する際に生じる熱がこもりやすい。そこで、導電板3を設けることで、凹部2aを含む振動センサ1の内部の空間内の熱を導電板3および基板2を介して振動センサ1の外部に放散しやすくすることができる。導電板3の厚みは、球状導電部材5や振動センサ1の内部からの熱を吸収しやすいように、基板2の厚みの半分以上の大きさであって、球状導電部材5の直径の半分以上の大きさの直径に設定されている。
導電板3は、凹部2aに収めた状態で、導電板3の側面と凹部2aの内壁面との間に隙間sp1が設けられる。隙間sp1は、導電板3が熱膨張を起こしても、凹部2aの内壁面に導電板3の側面が当接しないように設定されている。仮に、導電板3が凹部2aに隙間なく嵌った状態に設定されている場合は、導電板3が熱膨張を起こして、凹部2aの内壁面に対して導電板3から熱応力が加わり、基板2が破壊される虞がある。そこで、導電板3の側面と凹部2aの内壁面との間に隙間sp1を設けることで、凹部2aの内壁面に対する導電板3からの熱応力を効果的に低減することができる。
基板2および枠体6といった絶縁体部分にはメタライズ層7(以下、第1メタライズ層7という)とは別に他のメタライズ層が配置されていてもよい。例えば、凹部2aの底面には、導電板3が銀ろう等の接合材を介して接合される、第2メタライズ層9aが設けられる。第2メタライズ層9aは、例えば導電板3を接合するための下地金属層として、機能することができる。
また、基板2は、第2メタライズ層9aと電気的に接続される内層配線導体(図示せず)が設けられてもよい。また、基板2は、上面から下面を貫通する、第1メタライズ層7と絶縁されるとともに、第2メタライズ層9aおよび内層配線導体と電気的に接続された第1基板貫通導体(図示せず)が設けられていてもよい。
このような場合に、第1基板貫通導体は、内層配線導体および第2メタライズ層9aを介して導電板3と電気的に接続される。また、第1基板貫通導体は、凹部2aの中心位置に設けられ、内層配線導体を設けずに凹部2aの底面から基板2の下面を貫通するように、第2メタライズ層9aに直接接続されてもよい。これにより、第1基板貫通導体には、導電板3からの熱が第2メタライズ層9aを介して伝わる。この熱は、第1基板貫通導体の下方に向かって伝わる。したがって、凹部2a内の熱を外部に伝える(放熱する)ことができる。
また、第1基板貫通導体は、上記のような複数の絶縁層が積層された基板2の上面から下面にわたって各層に設けられてもよく、基板2の各層に設けられた内層配線導および第2メタライズ層9aと電気的に接続されてもよい。なお、第1基板貫通導体は、円柱状のビア導体である。第1基板貫通導体は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、ニッケル、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。第1基板貫通導体は、それらの金属材料を含む合金材料からなるものでもよい。また、第1基板貫通導体は、これらの金属材料のうち複数の材料を混合した複合系材料、あるいはそれらの材料の複合層からなるものでもよい。なお、第1基板貫通導体は、直径が0.1mm以上1mm以下に設定されている。また、第1基板貫通導体は、上下方向の長さが、0.2mm以上2.7mm以下に設定されている。
基板2の上面には、枠状導電部材4と電気的に接続される、第1メタライズ層7が形成されている。第1メタライズ層7は平面視で凹部2aを取り囲んでいる。第1メタライズ層7の上面の一部と枠状導電部材4の下端とが直接に、または導電性接続材(図示せず)を介して接続し合い、第1メタライズ層7と枠状導電部材4とが互いに電気的に接続されている。
この実施の形態の例において、第1メタライズ層7は、枠状であり、凹部2aの周囲を除いて形成されており、凹部2aと反対側の第1周縁(外周縁)と、凹部2a側の第2周縁(内周縁)とを有している。第1メタライズ層7の第2周縁は、凹部2aの縁よりも基板2の上面の外周に近い。また、第1メタライズ層7は、凹部2aの内壁面には形成されない。
また、第1メタライズ層7は、一部に絶縁箇所(図示せず)が設けられていてもよく、絶縁箇所内に、第1基板貫通導体の上面が配置されてもよい。すなわち、第1メタライズ層7は枠状には限定されず、第1および第2周縁の長さ方向の一部において不連続な(複数に分割された)枠状のものでもよい。また、第1メタライズ層7は、第1周縁および第2周縁の少なくとも一方が凹凸を有する形状でも構わない。
この実施形態では、第1メタライズ層7は、平面視において枠状または環状のパターンである。実施形態の振動センサ1において、枠状等の第1メタライズ層7の第1周縁は、例えば図9に示すように、四角形状または角部が円弧状に成形された四角形状等である。この四角形状等の第1メタライズ層7の第1周縁は、基板2と枠体6との間に位置している。言い換えれば、第1メタライズ層7は、その第1周縁(外周縁)が基板2と枠体6とで挟まれた位置にあり、外部に露出していない。さらに言い換えれば、第1メタライズ層7の第1周縁が枠体6の外側面より内側に位置している。
この場合、第1メタライズ層7の第1周縁部分(外周部分)が基板2と枠体6とで挟まれているため、枠状導電部材4と球状導電部材5との接触に起因した応力が集中しやすいメタライズ層の外周部分の基板2との接合が効果的に向上している。そのため、例えば繰り返し第1メタライズ層7に応力が生じたとしても、第1メタライズ層7と基板2との間で剥離等の機械的な破壊が生じる可能性を低減することができる。また、第1メタライズ層7の外周部分を挟み込む基板2および枠体6と、第1メタライズ層7との熱膨張係数(線膨張係数等)の差に伴って生じる応力に起因した第1メタライズ層7の剥離等についても同様に、その可能性を低減することができる。
また、この場合には、第1メタライズ層7の第1周縁が振動センサ1の外側面に露出していないため、振動センサ1の外側に配置される外部の金属部材(電子機器の筐体等)との電気的な短絡等の可能性も低減することができる。
なお、第1メタライズ層7は、上記のように切断された枠状のものであるときには、そのそれぞれに、枠状導電部材4が接続される。すなわち、1つの枠状導電部材4が、複数の切断された枠状の第1メタライズ層7にまたがって接続される。また、この場合には、第1周縁および第2周縁の端同士の間をつなぐ側縁部分(図示せず)を有する。この側縁部分のうち第1周縁に近い部分は、第1周縁と同様に基板2と枠体6との間に位置するように設定されて構わない。このときにも、球状導電部材5を介した導電板3と枠状導電部材との接触による電気的接続で電子機器の傾きを検知することができる。
第1メタライズ層7は、導電板3および第2メタライズ層9aとは電気的に絶縁している。第1メタライズ層7は、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、第1メタライズ層7は、あるいはそれらの金属材料の合金材料からなる。また、第1メタライズ層7は、上記の金属材料を含む複数の材料を混合した複合系材料、あるいはそれらの材料の複合層からなる。
枠状導電部材4は、図5および図6に示すように、第1メタライズ層7上に設けられる。枠状導電部材4の下面は、ろう材を介して第1メタライズ層7に接続される。枠状導電部材4は、円筒状に形成されている。枠状導電部材4は、図9に示すように、平面視して、導電板3の中心と枠状導電部材4で囲まれた領域の中心とが一致するように設けられている。なお、枠状導電部材4は、例えば、タングステン、モリブデン、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、枠状導電部材4は、それらの合金材料からなるものでもよい。また、枠状導電部材4は、複数の材料を混合した複合系材料からなるものでもよい。なお、枠状導電部材4の熱膨張係数は、3ppm/K以上28ppm/K以下に設定されている。
枠状導電部材4は、枠体6内に収まる大きさであって、例えば、外形が0.45mm以上7.5mm以下であり、内径が0.3mm以上6mm以下の円筒状に設定されている。また、枠状導電部材4は、上下方向の長さが0.4mm以上4mm以下に設定されている。
枠状導電部材4の内側には、球状導電部材5が収まる。球状導電部材5は、図5および図6に示すように、球状導電部材5の中心を枠状導電部材4で囲まれる領域の中心付近に配置させる。この場合には、枠状導電部材4の内壁面と球状導電部材5の表面との間には絶縁空間sp2が設けられる。絶縁空間sp2の大きさは、球状導電部材5が導電板3上を移動することで変化する。絶縁空間sp2は、基板2の上面に沿った平面方向において、枠状導電部材4の内面と球状導電部材5の表面との間の最大距離が、0.05mm以上2mm以下に設定されている。そして、振動センサ1が実装される電子機器の振動等に起因した傾きに応じて移動する。電子機器が傾いたときには、球状導電部材5が枠状導電部材4の内側で移動して、枠状導電部材4の内側に当接する。この当接の結果、球状導電部材5と枠状導電部材4との間の電気的な導通に変化が生じる。その結果、電子機器が傾いたことを振動センサ1が検知することができる。
球状導電部材5は、基板2上であって枠状導電部材4で囲まれる領域に導電板3と接触して設けられている。球状導電部材5は、振動センサ1を傾けると、導電板3上を転がることができる。そして、球状導電部材5は、枠状導電部材4で囲まれた領域内を自由に移動することができる。
球状導電部材5は、少なくともその露出表面が、例えば、タングステン、モリブデン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。球状導電部材5は、その全体がそれらの金属材料からなるものでもよい。また、球状導電部材5は、それらの金属材料の合金材料からなるものでもよい。また、球状導電部材5は、それらの金属材料を含む複数の材料を混合した複合系材料からなるものでもよい。なお、球状導電部材5は、枠状導電部材4で囲まれる領域に収まる大きさであって、直径が0.2mm以上5mm以下に設定されている。球状導電部材5は、樹脂材料からなる球状の本体の露出表面に上記の金属材料の層が配置されたものでもよい。金属材料の層は、例えばめっき層またはメタライズ層等の形態で形成することができる。
実施形態の振動センサ1においては、導電板3の上面が凸状に湾曲しているため、導電板3の外周部分への転がりが容易である。つまり、導電板3の上面が凸状に湾曲しているため、球状導電部材5には、湾曲した面に沿った方向に重力(分力)も作用する。そのため、振動センサ1が傾いた方向に、導電板3の外周に向かって球状導電部材が転がりやすい。これによって、導電板3が収まっている凹部2aを囲む枠状導電部材4に対する球状導電部材5の当接が容易に行なわれる。
なお、このときの球状導電部材5の移動は、導電板3の上面のうちより高い中央部から、より低い外周部に向かう方向に限らず、外周部に沿った方向の移動(円弧状の経路での移動)も生じ得る。例えば、球状導電部材5が導電板3の外周の一部(振動センサ1が現に傾いている方向)に位置しているときに、振動センサ1の傾きの方向が変われば、その方向に、導電板3の上面の中央部を通らず、球状導電部材5が転がって移動する。このような移動のときにも、湾曲した導電板3の上面に沿って球状導電部材5が容易に移動できる。
この場合に、導電板3について、例えば前述したような厚み、または上面の湾曲の度合い(曲率半径等)が設定されていれば、球状導電部材5の導電板3外周方向への転がりを容易にすることができる。
図5に断面図で示す例のように、導電板3の上面の全体が凸状に、部分球面状に湾曲しているときには、球状導電部材5を転がりやすくする効果の偏りを抑える上で有効である。導電板3の上面が平面視で円形状のときには、その半径方向の全方向で、同じ程度に球状導電部材5が転がりやすくなる。
すなわち、導電板3の上面は、平面視における上面の中央部から外周部にかけて、上方向に湾曲した曲面状であるときには、方向に偏りなく振動センサ1の傾きを検知する上で有利である。
また、導電板3の上面が上記のように全体的に湾曲した面であるときに、例えば図9に示すように、平面視において、導電板3の中央部が、凹部2aの中央部に位置していてもよい。この場合には、導電板3の上面の最も高い位置から導電板3の外周、およびその外側に位置している枠状導電部材4までの距離が導電板3の全方向で同じ程度になる。そのため、方向に偏りなく振動センサ1の傾きを検知する効果を高めることができる。
また、図5に示す例では、導電板3の外周の高さ位置と凹部2aの開口端(基板2の凹部2aを囲む縁部分)の高さ位置とが互いに同じ程度である。この場合には、導電板3の外周部に沿って球状導電部材5が移動するようなときに、基板2の一部で球状導電部材5の移動が妨げられるような可能性を低減する上では有効である。
仮に、導電板3の外周部が凹部2aの開口端の高さ位置より凹部2aの底面側(より低い位置)に設けられる場合には、導電板3の外周部と凹部2aの開口端との間に段差部が生じる。このような段差部が生じると、段差部に球状導電部材5が落ち込み、球状導電部材5の転がりが妨げられる可能性が生じる。その結果、振動センサ1は、球状導電部材5の転がりによって電子機器の振動を検知する感度が低下する可能性が生じる。これに対して、導電板3の外周の高さ位置が、凹部2aの開口端の高さ位置と同じ程度であれば、上記のような振動の検知感度の低下の可能性を低減することができる。
上面が凸状に湾曲した導電板3は、例えば後述するように金属材料の原材料を金属研磨等の金属加工法で導電板3を作製するときに、その上面が湾曲するように金属研磨を行なうようにすればよい。導電板3の上面の湾曲の程度(湾曲している領域の範囲および曲率半径等の数値)は、例えばレーザ光を使用した3次元測定器等を用いて測定することができる。
導電板3は、湾曲した上面および平坦な下面を有する曲面部材と、円板状等の平板状の部材とによって構成されているもの(図示せず)でも構わない。曲面部材の下面を平板状の部材の上面にろう材等によって接合すれば、上面が凸状に湾曲した導電板3を作製することができる。このような接合構造の場合には、導電板3の上面の湾曲の度合いおよび上面に占める湾曲した部分の範囲等の設定が容易であり、設計の自由度等の向上に対しては有効である。この場合、曲面部材と平板状の部材とで、互いに異なる金属材料を用いて導電板3を作製してもよい。
例えば、凹部2aの底面(基板2)に接続される平板状の部材として熱伝導率が高い部材を用いたり、基板2の熱膨張係数との差が小さい部材を用いたりしてもよい。導電板3を上記のような構成にすることにより、振動センサ1の放熱性を高めたり、基板2に生じる応力を低減したりすることができる。また、例えば、上述の曲面部材として耐摩耗性に優れる部材を用いることにより、振動センサ1の長期信頼性を向上することもできる。すなわち、振動センサ1に求められる機能や用途、コストに応じた機能を、上述の導電板3によって追加することができる。
枠体6は、基板2上に設けられ、枠状導電部材4を取り囲むように設けられている。枠体6の外周は、基板2の外周縁に沿って設けられている。枠体6は、枠状導電部材4および球状導電部材5を封止するものである。枠体6は、絶縁性の材料からなり、例えば、アルミナ、ムライトまたは窒化アルミ等のセラミック材料、あるいはガラスセラミック材料等からなる。または、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料からなる。なお、枠体6は、平面視して外縁が矩形状であって、外縁の一辺の長さが1mm以上10mm以下に設定されている。枠体6の上下方向の厚みは、0.6mm以上6mm以下に設定されている。また、枠体6の熱伝導率は、14W/m・K以上200W/m・K以下に設定されている。
枠体6は、前述した他のメタライズ層の他の例として、上面に第3メタライズ層9bが設けられる。第3メタライズ層9bは、例えば、金−錫はんだを介して蓋体8が接合され、蓋体8と電気的に接合される。枠体6は、上面から下面を貫通するとともに、第3メタライズ層9bを介して蓋体8と電気的に接続される、配線導体としての枠内貫通導体(図示せず)が設けられている。枠内貫通導体は、枠体6の上面から枠体6内を通って、枠体6の下面にまで達している。また、枠内貫通導体は、下面が第1基板貫通導体の上面と電気的に接続される。これにより、基板2および枠体6は、枠体6の上面から基板2の下面にかけて、第1基板貫通導体と枠内貫通導体によって電気的に導通される。枠内貫通導体は、導電材料からなり、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、ニッケル、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、枠内貫通導体は、それらの合金材料からなるものでもよい。あるいは、枠内貫通導体は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料、あるいはそれらの材料の複合層からなるものでもよい。枠体6の熱膨張係数は、4ppm/K以上8ppm/K以下に設定されている。
実施形態の振動センサ1は、例えば図5および図6に示すように、第1メタライズ層7の内側の端が凹部2aから離れていても構わない。この場合にも、応力による基板2の機械的な破壊の可能性を効果的に低減することができる。すなわち、基板2のうち凹部2aに近い部分(凹部2aを囲む環状の領域等)は、後述する凹部2a形成時のストレス等によって機械的な強度が比較的小さくなっている。これに対して、この機械的な強度が比較的小さい部分に第1メタライズ層7が形成されていなければ、振動センサの製造工程において第1メタライズ層7を介して加えられる熱応力や、振動センサ1を作動させる際に、球状導電部材5が導電板3上を転がりながら枠状導電部材4に衝突し、枠状導電部材4を接合する接合材および第1メタライズ層7を介して加えられる応力が基板2の凹部2aに近い部分に加わる可能性が効果的に低減される。そのため、上記応力による基板2の機械的な破壊の可能性を効果的に低減することができる。
また、上記構成の振動センサ1について、例えば図5および図6に示す例のように、第1メタライズ層7の第1周縁が、枠体6の外側面と内側面との間の中央部(以下、単に中央部ともいう)に位置しているものでもよい。第1メタライズ層7の第1周縁が中央部に位置しているときには、第1メタライズ層7の第1周縁およびその周辺部分を起点にした第1メタライズ層7の剥がれ等を効果的に抑制することができる。すなわち、この場合には、第1メタライズ層7の第1周縁の位置を、応力の力点に相当する枠状導電部材4の接合位置から離すことができるので、第1メタライズ層7に作用する応力を小さく抑えることができる。また、第1メタライズ層7の第1周縁が、基板2と枠体6の内側面との接合界面から離れるので、この接合界面部分を起点にしたクラックまたは剥がれといった機械的な破壊の可能性を効果的に低減することができる。
また、実施形態の振動センサ1では、第1メタライズ層7は基本的に四角枠状であって、外側の角部分は円弧状に成形(いわゆる面取り)されている。この場合には、第1メタライズ層7の外側の角部分に応力が集中することが抑制される。そのため、角部分からの第1メタライズ層7のクラックまたは剥がれといった機械的な破壊の可能性を効果的に低減することができる。
基板2には、第1メタライズ層7と電気的に接続された、第2基板貫通導体(図示せず)が設けられていてもよい。第2基板貫通導体は、基板2の上面から基板2の下面にかけて、第1基板貫通導体および第2メタライズ層9aと電気的に接続されないように(つまり電気的短絡しないように)形成される。第2基板貫通導体は、第1メタライズ層7を介して枠状導電部材4と電気的に接続される。第2基板貫通導体は、導電材料からなり、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、ニッケル、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、第2基板貫通導体は、それらの金属材料を含む合金材料からなるものでもよい。あるいは第2基板貫通導体は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料、あるいはそれらの材料の複合層からなるものでもよい。
基板2の下面は、例えば図4および図10に示すように、基板2の対向する2辺に沿って一対の下面メタライズ層10が設けられている。一対の下面メタライズ層10は、矩形状に形成されている。そして、一対の下面メタライズ層10の一方10aが、基板2の一方の辺に沿って設けられている。また、一対の下面メタライズ層10の他方10bが、一方10aと間を空けて基板2の他方の辺に沿って設けられている。一方10aは、第1基板貫通導体と枠内貫通導体の両方と電気的に接続されている。他方10bは、第2基板貫通導体と電気的に接続されている。なお、下面メタライズ層10は、導電材料からなり、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、ニッケル、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、下面メタライズ層10は、それらの合金材料からなるものでもよい。あるいは、下面メタライズ層10は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料からなるものでもよい。
蓋体8は、枠体6上に、枠状導電部材4および球状導電部材5を覆うように設けられている。蓋体8は、基板2と枠体6とで囲まれる空間を封止する機能を備えている。蓋体8は、例えば、金−錫はんだを介して枠体6上面の第3メタライズ層9bに接合される。なお、蓋体8は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、金またはアルミニウム等の金属材料からなる。また、蓋体8は、それらの金属材料を含む合金材料からなるものでもよい。あるいは、蓋体8は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料からなる。
蓋体8は、配線導体としての第3メタライズ層9b、枠内貫通導体および第1基板貫通導体と電気的に接続されている。そして、蓋体8は、枠体6および基板2内を通って、下面メタライズ層10の一方10aと電気的に接続されている。また、蓋体8は、第1基板貫通導体と電気的に接続される基板2の内層配線導体を介して電気的に接続された、第2メタライズ層9aおよび導電板3と同電位となる。
以上の各実施形態の振動センサ1について、例えば図5および図6に示す例のように、枠状導電部材4の上端が、枠体6の上端よりも下側に位置していてもよい。言い換えれば、枠状導電部材4の上端部分に、枠体6および枠体6に接合される蓋体8との間に隙間があってもよい。このような隙間があるときには、枠状導電部材4と枠体6との熱膨張差を隙間で吸収することができる。そのため、例えば、振動センサ1の製造工程で加えられる熱や、振動センサ1の環境試験および信頼性試験において加えられる熱、または絶縁空間sp2に生じた熱で枠体6よりも枠状導電部材4が大きく膨張した(上方向に伸びた)としても、蓋体8等に枠状導電部材4から力が加わる可能性が低減される。また、枠状導電部材4と蓋体8との電気的な短絡を防ぐことができる。そのため、例えば球状導電部材5の封止の信頼性、ひいては振動センサ1としての長期信頼性や動作特性を向上させることができる。
振動センサ1は、上記の各例にいて、導電板3の上面の最も上方に位置する部分が、凹部2aの開口端よりも上方に位置するものであってよい。この例としては、例えば図6に示す例のように導電板3の上面の中央部およびその周囲が凹部2aの開口端よりも上側に位置する例を挙げることができる。また、例えば図11に示す例のように導電板3の上面の外周が凹部2aの開口端よりも上側に位置する例を挙げることができる。この例では導電板3の上面の全面が凹部2aの開口端よりも上側に位置している。
導電板3の上面の最も上方に位置する部分が、凹部2aの開口端よりも上方に位置するときには、球状導電部材5の枠状導電部材4に対する当接をより確実なものとすることができる。すなわち、導電板3の上面の最も上方に位置する部分からより低い位置に球状導電部材5が転がったときに、球状導電部材5と枠状導電部材4との間に基板2の一部が介在し、球状導電部材5が基板2と接触する可能性が低減される。言い換えれば、球状導電部材5が、基板2の一部によって妨げられず、かつ基板2と接触せずに枠状導電部材4に当接することが容易になる。その結果、振動センサ1が電子機器の振動を検知する感度が低下する可能性を低減できるとともに、球状導電部材5が凹部2aの開口端に接触することによる基板2または球状導電部材5の摩耗を抑制できる。したがって、振動センサ1の長期信頼性を向上させることができる。
<振動センサの変形例>
図11は、図6の変形例を示す断面図である。図12は、図6の他の変形例を示す断面図である。図11および図12において図1〜図10と同様の部位には同様の符号を付している。
図11は、図6の変形例を示す断面図である。図12は、図6の他の変形例を示す断面図である。図11および図12において図1〜図10と同様の部位には同様の符号を付している。
図11に示す例において、導電板3の上面の外周部の高さ位置が、凹部2aの開口端の高さ位置よりも上側に位置している。つまり、凹部2aの底面を基準にしたときに、導電板3の上面の外周の高さが、凹部2aの開口端の高さよりも高い。この例においても、図6等に示す例と同様に、導電板3の上面の全面が上方向に凸状に湾曲している。
この場合には、導電板3の上面の外周部まで球状導電部材5が移動するとき、および導電板3の外周部に沿って球状導電部材5が移動するときに、基板2の一部で球状導電部材5の移動が妨げられるような可能性を効果的に低減することができる。また、基板2の一部と球状導電部材5とが継続的に接触することによって生じる、それぞれの摩耗を効果的に低減することもできる。
また、上記の効果を得るときに、導電板3の上面の高さ位置を凹部2aの開口端に正確に合せるような必要がない。また、導電板3を凹部2aの底面に設置する際に、導電板3が傾いて設置されたとしても、導電板3の上面の外周部の高さ位置が、凹部2aの開口端の高さ位置よりも下側に位置する可能性が低くなる。そのため、図11に示すような形態は、生産性および経済性の向上についても有効である。
なお、図6および図11に示す例をあわせて考慮すれば、凹部2aの底面を基準にしたときに、導電板3の上面の外周の高さが、凹部2aの開口端の高さ以上であれば、球状導電部材5の枠状導電部材4に対する当接が、凹部2aの開口端等の基板2の一部で妨げられる可能性を効果的に低減することができる。すなわち、傾きの検知に関する動作特性の向上に有効な振動センサ1とすることができる。
図12に示す例において、導電板3の上面の平面視における中央部が平らになっている。この例は、図6に示す例において導電板3の上面の長部を平面に成形した形態とみなすこともできる。また、図6に示す例における導電板3の上面の中央部を平面状に研磨したものとみなすこともできる。
この場合には、導電板3の上面の中央部が平面状であるため、例えば、球状導電部材5が湾曲した上面に沿って加速されて移動する距離を小さくすることができる。そのため、球状導電部材5が枠状導電部材4に当接する速度が抑制され、当接時の衝撃が低減される。これによって、枠状導電部材4の剥がれを抑制する効果も向上させることができる。
また、この場合には、図6に示す例に比べて、この中央部に球状導電部材5を留まらせることが容易である。そのため、例えば振動センサ1のわずかな動きでは、球状導電部材5が導電板3の上面の中央部から外周部に向かって転がりにくい。したがって、誤って傾きを検知する可能性が低減された振動センサ1とすることができる。また、いったん球状導電部材5が転がり始めたときには、湾曲した上面に沿って容易に球状導電部材5を移動させて枠状導電部材4に当接させることができる。つまり、傾き検知の動作特性を効果的に向上させながら、誤検知の可能性も低減する上で有効な振動センサ1とすることができる。さらに、導電板3の上面の中央部が平面状であるため、振動センサ1の動作特性を効果的に維持しつつ、球状導電部材5の蓋体8側の頂部の高さ位置を低くすることができる。その結果、振動センサ1の低背化を図ることができる。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、導電板3の上面の湾曲の度合いを一部において他の部分よりも大きく(曲率半径を小さく)したときに、第1メタライズ層7の基板2と枠体6とで挟まれている範囲も部分的に変えてもよい。この場合、湾曲の度合いが大きく、球状導電部材5が枠状導電部材4に当接するときの応力が大きい部分において、第1メタライズ層7の基板2と枠体6とで挟まれている範囲を比較的大きくして、第1メタライズ層7の剥がれを抑制するようにしてもよい。
また、導電板3の上面は、その中央部が最も高い形状に限らず、外周部の一部において最も高い形状でも構わない。この場合には、例えば、振動センサ1の一部の方向において特に傾きの検知を容易にすることができる。つまり、振動センサ1の用途等に応じて、傾きを検知しやすい方向を調整することもできる。
また、第1メタライズ層7の厚みは一様なものでなくてもよく、一部において他の部分よりも厚い、または薄いものであっても構わない。例えば、基板2と枠体6とで挟まれた部分におけるメタライズ層の厚みが他の部分における厚みよりも小さくても構わない。この場合には、基板2と枠体6とメタライズ層の熱膨張系係数の差に起因して生じる応力が比較的大きい部分となる、基板2と枠体6とで挟まれた第1メタライズ層7の厚みが比較的小さい。そのため、基板2と枠体6とで挟まれた第1メタライズ層7に生じる応力を小さくできる。これにより、基板2と枠体6と第1メタライズ層7の接合界面を起点として、クラックや割れが生じる可能性を低減することができる。また、第1メタライズ層7の基板2や枠体6からの剥がれ等を効果的に抑制することができる。
また、第1基板貫通導体が複数であっても構わない。この場合には、第1基板貫通導体を介した外部への放熱の効果を高める上で有利である。また、第1基板貫通導体を介した外部への電気的な接続の導通抵抗を低減する上で有利である。
また、第1基板貫通導体等の、外部に露出する金属部分の表面を、ニッケルおよび金等のめっき層で被覆してもよい。めっき層によって、露出する金属部分の酸化等の劣化の抑制ができる。また、金属部分を外部部材(回路基板の端子またはセンサ機器の筐体等)にはんだ等の低融点ろう材で接続するときのろう材の濡れ性を向上させることもできる。
<振動センサの製造方法>
ここで、図1に示す振動センサ1の製造方法について説明する。
ここで、図1に示す振動センサ1の製造方法について説明する。
先ず、基板2を準備する。基板2が、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に、有機バインダー、可塑剤、および溶剤等を添加混合して得た混合物よりグリーンシートを成型する。
また、タングステンまたはモリブデン等の高融点金属粉末を準備し、この粉末に有機バインダー、可塑剤または溶剤等を添加混合して金属ペーストを得る。
そして、基板2の上層となるグリーンシートにパンチ等の打ち抜き加工を施し、金属ペーストを充填して第2基板貫通導体を形成する。そして、基板2の上層となるグリーンシートの上面には、第2基板貫通導体と電気的に接続されるように、例えばスクリーン印刷法を用いて、金属ペーストを塗って第1メタライズ層7を形成する。また、同様にして、基板2の下層となるグリーンシートにパンチ等の打ち抜き加工を施し、金属ペーストを充填して第1基板貫通導体および第2基板貫通導体を形成する。そして、基板2の下層となるグリーンシートの上面には、第2基板貫通導体と絶縁されるとともに第1基板貫通導体と電気的に接続されるように、例えばスクリーン印刷法を用いて、第2メタライズ層9aと内層配線導体が形成され、下面に対しては、第1基板貫通導体および第2基板貫通導体と電気的に接続される下面メタライズ層10を形成する。
また、グリーンシート状態の基板2のうち上層のグリーンシートには、あらかじめ、金型を用いたパンチ(打ち抜き加工)等の機械的な加工で凹部2aになる孔あけ部分を形成しておく。基板2の下層となるグリーンシートは、基板2の上層の孔あけした部分の下側に基板2の上層と下層に設けられた第2基板貫通導体が電気的に接続されるように積層されて凹部2aが構成される。そして、前述の基板2の上層および下層となるグリーンシート、および基板2と同様の方法で準備したグリーンシートからなる枠体6を積層して未焼成の基板2および枠体6を一体的に設け、約1600℃の温度で焼成することによって一体的に設けられた基板2および枠体6を得ることができる。そして、第1メタライズ層7、第2メタライズ層9aおよび第3メタライズ層9bは、表面にニッケルめっきが施される。
次に、導電板3、枠状導電部材4、球状導電部材5および蓋体8を準備する。これらは、溶融した金属材料を型枠に鋳込んで固化させたインゴットに対して、金属研磨等の金属加工法を用いることで、所定形状に作製することができる。
次に、準備した焼結後の基板2の凹部2aに設けられた第2メタライズ層9aに導電板3を銀ろうでろう付けで接続する。また、基板2上の第1メタライズ層7に枠状導電部材4を銀ろうでろう付けで接続する。さらに、枠状導電部材4で囲まれた領域に球状導電部材5を配置した状態で、枠体6上の第3メタライズ層9bに蓋体8を金−錫はんだではんだ付けする。このようにして、振動センサ1を作製することができる。
1 振動センサ
2 基板
2a 凹部
3 導電板
4 枠状導電部材
5 球状導電部材
6 枠体
7 第1メタライズ層
8 蓋体
9a 第2メタライズ層
9b 第3メタライズ層
10 下面メタライズ層
sp1 隙間
sp2 絶縁空間
2 基板
2a 凹部
3 導電板
4 枠状導電部材
5 球状導電部材
6 枠体
7 第1メタライズ層
8 蓋体
9a 第2メタライズ層
9b 第3メタライズ層
10 下面メタライズ層
sp1 隙間
sp2 絶縁空間
Claims (5)
- 上面に凹部を有する基板と、
前記凹部内に位置しており、上面が凸状に湾曲している導電板と、
前記基板上に位置し、前記凹部の周囲を囲んだ枠状導電部材と、
前記基板上に位置し、前記枠状導電部材で囲まれる領域において前記導電板と接触した球状導電部材と、
前記基板上に位置し、前記枠状導電部材を取り囲む枠体と、
前記基板上に位置し、前記凹部を取り囲むとともに前記枠状導電部材と接続されているメタライズ層と、
前記枠体上に位置し、前記球状導電部材を覆う蓋体とを備える振動センサ。 - 前記導電板の上面は、平面視における該上面の中央部から外周部にかけて、上方向に湾曲した曲面状である請求項1記載の振動センサ。
- 平面視において、前記導電板の中央部が、前記凹部の中央部に位置している請求項1または請求項2記載の振動センサ。
- 前記導電板の上面の最も上方に位置する部分は、前記凹部の開口端よりも上方に位置する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の振動センサ。
- 前記凹部の底面を基準にしたときに、前記導電板の上面の外周の高さが、前記凹部の開口端の高さ以上である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の振動センサ。
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JPH1164087A (ja) * | 1997-08-19 | 1999-03-05 | Koshin:Kk | 振動検出センサ |
JP2015087220A (ja) * | 2013-10-30 | 2015-05-07 | 京セラ株式会社 | 振動センサ |
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2017
- 2017-12-18 JP JP2019501076A patent/JPWO2018154936A1/ja active Pending
- 2017-12-18 WO PCT/JP2017/045335 patent/WO2018154936A1/ja active Application Filing
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