本発明の圧力検出装置用パッケージを添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の圧力検出装置用パッケージの実施の形態の第1の例の構造を示す平面図であり、図2は、図1に示した圧力検出装置用パッケージのX−X’線における断面図である。本発明の圧力検出装置用パッケージは、表面に第1の電極7が形成された絶縁基体1と、第2の電極9を有するダイアフラム2と、絶縁基体1とダイアフラム2との間に形成されたスペーサ11と、絶縁基体1の表面の第1の電極7の周囲に形成された突起部12とを備えている。
絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラス−セラミックス等の電気絶縁材料から成る積層体である。絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、次のようにして製作される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に、適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を用いてシート状に成形することにより複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工,積層加工,切断加工を施すことにより絶縁基体1用の生セラミック成形体を得る。そして、この生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより、絶縁基体1が製作される。
絶縁基体1は、一方の面(図2では下面)に、半導体素子3が収容される凹部1aが形成されており、半導体素子3を収容する容器として機能する。そして、この凹部1aの底面の中央部に、半導体素子3が搭載される搭載部1bが形成されている。この搭載部1bに半導体素子3が搭載されるとともに、半導体素子3が凹部1a内において例えばエポキシ樹脂等の樹脂製封止材4により覆われることにより、半導体素子3が封止される。
なお、この例では、半導体素子3は、樹脂製封止材4によって覆われることにより封止されるが、絶縁基体1の一方の面に金属やセラミックスから成る蓋体を凹部1aを塞ぐように接合させることにより封止されてもよい。
また、搭載部1bには半導体素子3の各電極と電気的に接続される複数の配線導体5が導出されており、この配線導体5と半導体素子3の各電極を半田バンプ等の導電性材料から成る導電性接合材6を介して接合することにより、半導体素子3の各電極と各配線導体5とが電気的に接続されるとともに半導体素子3が搭載部1bに固定される。なお、図1に示した例では、半導体素子3の電極と配線導体5とが半田バンプを介して接続される構造としたが、半導体素子3の電極と配線導体5とはボンディングワイヤ等の他の電気的接続手段により接続されてもよい。
配線導体5は、半導体素子3の各電極を外部電気回路および第1の電極7,第2の電極9に電気的に接続するための導電路として機能し、その一部は絶縁基体1の一方の面(図1では下面)の外周部に導出され、別の一部は第1の電極7,第2の電極9に電気的に接続されている。そして、半導体素子3の各電極がこれら配線導体5に半田バンプ等の導電性接合材6を介して電気的に接続されるとともに半導体素子3が樹脂製封止材4で封止された後、配線導体5の絶縁基体1の一方の面(図1では下面)の外周部に導出された部位が外部電気回路基板の配線導体(図示せず)に半田等の導電性接合材を介して接合されることにより、内部に収容される半導体素子3が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
このような配線導体5は、タングステン,モリブデン,銅,銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これを絶縁基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによって絶縁基体1の内部および表面に所定のパターンに形成される。なお、配線導体5の露出表面には、配線導体5が酸化腐食することを防止するとともに、配線導体5と半田等の導電性接合材6との接合を良好なものとするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルメッキ層と厚みが0.1〜3μm程度の金メッキ層とが順次被着されていることが好ましい。
ダイアフラム2は、絶縁基体1の表面(図1では、絶縁基体1の上面)に対向する位置に配置されている。このダイアフラム2は、絶縁基体1との間に密閉空間を形成するように取着されている。ダイアフラム2は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,窒化珪素質焼結体,炭化珪素質焼結体,ガラスセラミックス等の電気絶縁材料から成る厚みが0.01〜5mmの平板状のものであり、外部の圧力に応じて絶縁基体1側に撓む。
なお、静電容量型の圧力検出装置は、80kPa(低圧用圧力検出装置)〜2000kPa(高圧用圧力検出装置)の圧力の元で使用されることが一般的であり、ダイアフラム2は、その厚みが0.01mm未満では、その機械的強度が小さくなり、これに例えば80kPa程度の大きな外部圧力が加わった場合に破損しやすくなり、他方、5mmを超えると、例えば2000kPa程度の圧力では撓みにくくなり、圧力検出用のダイアフラムとしては不適なものとなりやすい。したがって、ダイアフラム2の厚みは0.01〜5mmの範囲が好ましい。
このようなダイアフラム2は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、次のようにして製作される。まず、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ,溶剤,可塑剤,分散剤を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法を用いてシート状に成形することによりセラミックグリーンシートを得る。しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工や切断加工を施すことによりダイアフラム2用の生セラミック成形体を得る。そして、この生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより、ダイアフラム2が製作される。
また、ダイアフラム2の密閉空間の内側となる面(図1では下面)の中央部には、静電容量形成用の第2の電極9が被着されている。この第2の電極9は、第1の電極7と対向するように配置されていることによって、感圧素子用の静電容量を形成するための電極として機能する。
第1の電極7は、絶縁基体1の他方の面(図1では上面)の中央部に形成されている。この第1の電極7は、後述する第2の電極9とともに感圧素子用の静電容量を形成するためのものであり、例えば円形状のパターンに形成されている。そして、この第1の電極7には、配線導体5aが電気的に接続され、この配線導体5aに半導体素子3の電極が半田バンプ等の導電性接合材6を介して接続されることにより、半導体素子3の電極と第1の電極7とが電気的に接続される。
このような第1の電極7は、研磨されたメタライズ層または薄膜形成法により被着された金属層からなる。第1の電極7は、例えば研磨されたメタライズ層から成る場合であれば、タングステン,モリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用して絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを焼成することによって絶縁基体1の上面中央部に所定のパターンに形成される。そして、第1の電極7の表面を平面研削機等により、メタライズ層の表面が平坦になるように研磨することで形成される。なお、第1の電極7の露出する表面には、第一電極7が酸化腐食するのを防止するために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されていることが好ましい。
また、第1の電極7は、例えば、薄膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、平面研削機等により絶縁基体1の表面を平坦にした後、ニッケルクロム等の金属を蒸着法等の薄膜形成法を用いることにより絶縁基体1の上面中央部に所定のパターンに被着形成することができる。なお、第1の電極7の露出する表面には、第1の電極7が酸化腐食するのを防止するために、厚みが0.01〜2.0μm程度の金等の金属膜を形成していても良い。
第2の電極9は、ダイアフラム2の絶縁基体1と対向する面(図1では下面)の表面に形成されている。第2の電極9は、研磨されたメタライズ層または薄膜形成法により被着された金属層からなる。この第2の電極9は、例えば研磨されたメタライズ層から成る場合であれば、タングステン,モリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズからなり、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してダイアフラム2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これを焼成することによってダイアフラム2の下面中央部に所定のパターンに形成される。そして、第2の電極9の表面を平面研削機等により、メタライズの表面が平坦になるように研磨することで形成される。なお、第2の電極9の露出する表面には、第2の電極9が酸化腐食することを防止するために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されているのが好ましい。
また、第2の電極9は、例えば、薄膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、ニッケルクロム等の金属を蒸着法等の薄膜形成法を用いることによりダイアフラム2の下面中央部に所定のパターンに被着形成することができる。なお、第2の電極9の露出する表面には、第2の電極9が酸化腐食するのを防止するために、厚みが0.01〜2.0μm程度の金等の金属膜を形成していても良い。
また、ダイアフラム2がセラミックスから成るものであれば、平面研削機等によりダイアフラム2の表面を平坦にした後に、薄膜形成法により金属層を被着することが好ましい。これにより、第1の電極7と第2の電極9との間隔を電極の全面にわたって均一にすることができる。
突起部12は、絶縁基体1の表面(図1では上面)の第1の電極7の周囲に形成されている。突起部12は、ダイアフラム2が配置される領域を規定するものである。すなわち、突起部12は、ダイアフラム2を絶縁基体1の表面の対向する位置に配置する際に、位置合わせに用いて、ダイアフラム2を絶縁基体1の表面の所定の位置に精度良く配置させることができ、第一電極と第二電極との位置精度を高いものとすることができる。
なお、突起部は、ダイアフラムの外辺が四角形状のものであれば、突起部をダイアフラムの3辺の外周に位置するように形成しておけばよい。例えば、図1および図3に示すように、ダイアフラムの3辺の外周に3つの突起部12を形成したものや、図4に示すように、1つの角部に鉤型の突起部12と異なる辺に突起部12とを形成したものであってもよい。
なお、突起部12は、絶縁板2の外周から150μmの範囲内に形成されていることが好ましい。150μmを越えると、ダイアフラム2の絶縁基体1との位置ずれを抑制する効果が小さくなる。
スペーサ11は、絶縁基体1とダイアフラム2との間隔を規定するものである。スペーサ11は、第1のメタライズ層8と、第2のメタライズ層10とろう材14とで構成されている。
第1のメタライズ層8は、絶縁基体1の他方の面(図1では下面)の第1の電極7の周囲に被着されている。第1のメタライズ層8は、第2のメタライズ層10に接合されることでダイアフラム2の第2の電極9に電気的に接合される。この第1のメタライズ層8には、配線導体5の一つである配線導体5bが電気的に接続されており、この配線導体5bに半導体素子3の電極が半田バンプ等の導電性接合材6を介して電気的に接続されることにより、第1のメタライズ層8に電気的に接続された第2の電極9と半導体素子3の電極とが電気的に接続される。
このような第1のメタライズ層8は、厚膜形成法または薄膜形成法により被着された金属層からなる。第1のメタライズ層8は、例えば、厚膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、タングステン,モリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤、を添加混合して得たメタライズペーストを、スクリーン印刷法により絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し焼成することによって、絶縁基体1の他方の面の第1の電極7の周囲に枠状の所定のパターンで形成される。
なお、第1のメタライズ層8の露出する表面には、第1のメタライズ層8が酸化腐食することを防止するとともに、後述する第2のメタライズ層10との接合を強固にするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルメッキ層8aが被着されているのが好ましい。
また、第1のメタライズ層8は、例えば、薄膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、ニッケルクロム等の金属を蒸着法等の薄膜形成法を用いることにより絶縁基体1の上面中央部に所定のパターンに被着形成することができる。なお、第1のメタライズ層8の露出する表面には、第1のメタライズ層8が酸化腐食するのを防止するとともに、後述する第2のメタライズ層10との接合を強固にするために、厚みが0.01〜2.0μm程度の金等の金属膜を形成していても良い。
第2のメタライズ層10は、ダイアフラム2の第2の電極9の周囲(図1ではダイアフラム2の下面)に形成されている。第2のメタライズ層10は、第2の電極9および第1のメタライズ層8に接合されているとともに、配線導体5bに半導体素子3の電極が半田バンプ等の導電性接合材6を介して接続されることにより、半導体素子3の電極と第2の電極9とが電気的に接続される。
第2のメタライズ層10は、厚膜形成法または薄膜形成法により被着された金属層からなる。第2のメタライズ層10は、例えば、厚膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、タングステン,モリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤、を添加混合して得たメタライズペーストをスクリーン印刷法によりダイアフラム2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し焼成することによって、ダイアフラム2の第2の電極9の周囲に枠状のパターンで形成される。なお、第2のメタライズ層10の露出する表面には、第2のメタライズ層10が酸化腐食することを防止するとともに、第1のメタライズ層8との接合を強固にするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
また、第2のメタライズ層8は、例えば、薄膜形成法により被着された金属層から成る場合であれば、ニッケルクロム等の金属を蒸着法等の薄膜形成法を用いることにより絶縁基体1の上面の中央部に所定のパターンに被着形成することができる。なお、第2のメタライズ層10の露出する表面には、第2のメタライズ層10が酸化腐食するのを防止するとともに、第1のメタライズ層8との接合を強固にするために、厚みが0.01〜2.0μm程度の金等の金属膜を形成していても良い。
なお、第2の電極9をダイアフラム2の絶縁基体1と対向する面(図1では下面)のほぼ全面に被着し、第2の電極9の外周部を第2のメタライズ層10としてもよい。また、第2の電極9をダイアフラム2の絶縁基体1と対向する面(図1では下面)の中央部に被着させるとともに、第2の電極9の周囲のダイアフラム2の主面に第2の電極9と電気的に接続される第2のメタライズ層10を別に形成しても良い。
第1の電極7と第2の電極9とが、間に空間が形成されるようにして接合されることで、第1の電極7および第2の電極9の対向面積および第1の電極7および第2の電極9の間隔に応じた所定の静電容量が形成される。そして、ダイアフラム2の上面に外部の圧力が加わると、その圧力に応じてダイアフラム2が絶縁基体1側に撓んで第1の電極7と第2の電極9との間隔が変わり、それにより第1の電極7と第2の電極9との間の静電容量が変化するので、外部の圧力の変化を静電容量の変化として感知する感圧素子として機能する。そして、この静電容量の変化が、配線導体5a,5bを介して凹部1a内に収容される半導体素子3に伝達され、これを半導体素子3で演算処理することによって外部の圧力の大きさを検出することができる。すなわち、半導体素子3は、第1の電極7と第2の電極9との間の静電容量の変化に基づいてダイアフラム2に加わる圧力を検出する。
本発明の圧力検出装置用パッケージは、絶縁基体1の表面の第1の電極7の周囲に形成され、ダイアフラムが配置される領域を規定する突起部12を備え、第1の電極7および第2の電極9が、表面が研磨されたメタライズ層または薄膜形成法により被着された金属層であることにより、圧力の検出精度を向上させつつ小型化を図ることができる。
すなわち、本発明の圧力検出装置用パッケージは、絶縁基体1の表面の第1の電極7の周囲に形成され、ダイアフラム2が配置される領域を規定する突起部12を備えることにより、ダイアフラム2を絶縁基体1の表面の対向する位置に配置する際に、突起部12をダイアフラム2と絶縁基体1との位置合わせ用として用いて、ダイアフラム2の位置ずれを抑制し、ダイアフラム2を絶縁基体1の表面の所定の位置に精度良く配置させることができ、第1の電極と第2の電極との位置精度を高いものとすることができる。従って、外部圧力の検出精度を向上させ、かつ、圧力検出のばらつきを低減させることができる。
また、第1の電極7および第2の電極9は、表面が研磨されたメタライズ層または薄膜形成法により被着された金属層であることにより、第1の電極7および第2の電極9のそれぞれの厚みばらつきを小さくすることができて、第1の電極7と第2の電極9との間隔を全面において均一にすることが容易となり、外部の圧力を精度良く検出することができる。
また、第2の電極をダイアフラム2の下面に薄く形成することができるので、ダイアフラム2にかかる第2の電極9の質量を小さくし、遠心力の作用を受けたときに第2の電極9の質量によるダイアフラム2の変位を小さく抑えることができる。また、第2の電極9をダイアフラム2に薄く形成することで、ダイアフラム2にかかる第2の電極9の質量を低減させることができ、ダイアフラム2の変形等に関して第2の電極9の影響を小さくすることができるので、ダイアフラム2を薄くかつ平坦なものとして形成しやすくなる。従って、外部の圧力が印加された際のダイアフラム2をより撓みやすくすることで、外部の圧力を感度良く検出することができるとともに、所要の容量を得るためのダイアフラム2や第2の電極9の面積を小さくすることができ、ダイアフラム2や第2の電極9の質量をさらに小さくして遠心加速の影響を低減させることができる。
また、図5に示すように、本発明の圧力検出装置用パッケージにおいて、突出部12は、ダイアフラム2より突出して形成されていることが好ましい。このような構成により、圧力検出装置用パッケージを取り扱う際に、ダイアフラム2の外辺や角部に装置等が接触する可能性を低減し、ダイアフラム2が割れることを防止することができる。
また、ダイアフラム2および突起部12は、セラミックスからなることが好ましい。この構成により、ダイアフラム2を絶縁基体1の表面に対向する位置に配置する際に、ダイアフラム2と突起部12とが擦れてしまってダイアフラム2や突起部12が欠け、または、擦れた際に屑が発生して屑が絶縁基体1とダイアフラム2との間に介在してしまうことを低減することができる。従って、外部の圧力を精度良く検出することができる圧力検出装置用パッケージとすることができる。
なお、ダイアフラム2と突起部12との機械的強度を近いものとするために、例えばダイアフラムが酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、突起部12も酸化アルミニウム質焼結体から成ることが好ましい。すなわち、ダイアフラムと突起部とは同じ材質からなることが好ましい。
また、図7に示すように、本発明の圧力検出装置用パッケージにおいて、スペーサ11は、絶縁基体1に形成された第1のメタライズ層8と、ダイアフラムに形成された第2のメタライズ層10と、第1のメタライズ層8および第2のメタライズ層10の間に形成されたメッキ層13とを有することが好ましい。この構成により、スペーサ11を薄く形成しやすくなり、静電容量を形成する第1の電極7と第2の電極9との間隔を小さなものとすることができる。
また、第1の電極7と第2の電極9との間隔を小さくできることから、所要の静電容量を形成する第1の電極7と第2の電極9との対向面積を小さくしてダイアフラム2を小さく形成することができ、本発明の圧力検出装置用パッケージをより小型化することができるとともに、ダイアフラム2および第2の電極9の質量をさらに小さくでき、遠心力による影響をさらに低減することができるものとなる。
なお、第1のメタライズ層8は、第1の電極7と同様に形成し、同じ厚みとしていることが好ましい。例えば、第1の電極7が研磨されたメタライズ層からなるものであれば、第1のメタライズ層8は研磨されたメタライズ層とし、第1の電極7が薄膜形成法により被着された金属層から成るものであれば、第1のメタライズ層8は薄膜形成法により被着された金属層とすることが好ましい。また、第2のメタライズ層10は、第2の電極9と同様に形成し、同じ厚みとしていることが好ましい。例えば、第2の電極9が研磨されたメタライズ層からなるものであれば、第2のメタライズ層10は研磨されたメタライズ層とし、第2の電極9が薄膜形成法により被着された金属層から成るものであれば、第2のメタライズ層10は薄膜形成法により被着された金属層とすることが好ましい。これにより、メッキ層13およびろう材14の厚みを第1の電極7と第2の電極9との間に静電容量を形成するための間隔とすることができ、第1の電極7と第2の電極9との間隔や絶縁基体1とダイアフラム2との間隔を調整しやすくなる。
また、第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とがメッキ層13を介してろう材14によって強固に接合されているので、絶縁基体1とダイアフラム2とを気密性の高いものとして接合することができ、密閉空間内の圧力を一定に保持して外部の圧力を感度良く検出するものとすることができる。
また、第1の電極7と第2の電極9との間隔を小さくできることから、所要の静電容量を形成する第1の電極7と第2の電極9との対向する面積を小さくしてダイアフラム2を小さくすることができ、本発明の圧力検出装置用パッケージを小型化することができるとともに、ダイアフラム2および第2の電極9の質量をさらに小さくでき、遠心力による影響をさらに低減することができる。
また、ろう材14は、金−錫合金半田等から成り、薄膜形成法等により薄く被着形成しておくと、第1の電極7と第2の電極9との間をより小さいものし、感度が高く小型なものとすることができる。
なお、メッキ層13は、例えば0.3〜10μm程度の金等の金属を無電解メッキ法等により第2のメタライズ層上に枠状に被着されることによって、第1の電極7を囲繞するような枠部となるとともに、第1のメタライズ層8とを金−錫合金半田等のろう材14により接合させることによって、絶縁基体1とダイアフラム2との間に密閉空間を形成するとともに、第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とを電気的に接続させて第2の電極9を半導体素子に電気的に接続させる。
なお、メッキ層13は、厚さ0.3〜10μm程度の金箔のような金属板をダイアフラム2の外周部に枠状に被着させたものとしてもよい。また、メッキ層13は第2のメタライズ層10の表面に形成される例を示したが、第1のメタライズ層8の表面に形成され、このめっき層11をダイアフラム2の外周部の第2のメタライズ層10にろう材14によって接合させてもよい。また、メッキ層13を第1のメタライズ層8および第2のメタライズ層10のそれぞれの表面に形成し、これらのメッキ層13同士をろう材14によって接合させてもよい。
また、図8に示すように、第1のメタライズ層8および第2のメタライズ層10の少なくとも一方の表面にメッキ層13を形成し、メッキ層13を介して第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とが熱圧着によって接合されていても良い。これにより、ろう材14によらずに第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とを接合することができるので、メッキ層13の厚みを第1の電極7と第2の電極9との間隔とすることとなり、メッキ層13は、絶縁基体1またはダイアフラム2の外周部に形成される従来の枠状の突起部よりも薄く形成しやすいので、静電容量を形成する第1の電極7と第2の電極9との間隔を小さいものとすることができる。
また、第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とがメッキ層13を介して熱圧着されるので、絶縁基体1とダイアフラム2とをろう材14等の接合材を使用せずに接合でき、接合時に接合材の厚みが偏るのを有効に防止して絶縁基体1とダイアフラム2とをきわめて平行にすることができる。その結果、外部の圧力をより精度良く検出するものとすることができる。
さらに、第1の電極7と第2の電極9との間隔を小さくできることから、所要の静電容量を形成する第1の電極7と第2の電極9との対向する面積を小さくすることができるので、ダイアフラム2を小さくすることができ、本発明の圧力検出装置用パッケージを小型化することができるとともに、ダイアフラム2および第2の電極9の質量をさらに小さくでき、遠心力による影響をさらに低減することができる。
なお、第1のメタライズ層8は、第1の電極7と同様に形成し、同じ厚みとしていることが好ましい。例えば、第1の電極7が研磨されたメタライズ層からなるものであれば、第1のメタライズ層8は研磨されたメタライズ層とし、第1の電極7が薄膜形成法により被着された金属層から成るものであれば、第1のメタライズ層8は薄膜形成法により被着された金属層とすることが好ましい。また、第2のメタライズ層10は、第2の電極9と同様に形成し、同じ厚みとしていることが好ましい。例えば、第2の電極9が研磨されたメタライズ層からなるものであれば、第2のメタライズ層10は研磨されたメタライズ層とし、第2の電極9が薄膜形成法により被着された金属層から成るものであれば、第2のメタライズ層10は薄膜形成法により被着された金属層とすることが好ましい。これにより、メッキ層13の厚みを第1の電極7と第2の電極9との間に静電容量を形成するための間隔とすることができ、第1の電極7と第2の電極9との間隔や絶縁基体1とダイアフラム2との間隔を調整しやすくなる。
メッキ層13は、例えば、0.3〜10μm程度の金等の金属を無電解メッキ法等により、第2のメタライズ層10の外周部に枠状に被着することによって、第2の電極9を囲繞するような枠部となるとともに、第1のメタライズ層8とメッキ層13とを熱圧着させることによって、絶縁基体1とダイアフラム2との間に密閉空間を形成するとともに、第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とを電気的に接続させて第2の電極9を半導体素子3に電気的に接続させる。
なお、メッキ層13は、厚さ0.3〜10μm程度の金箔のような金属板をダイアフラム2の外周部に枠状に熱圧着等によって被着させてもよい。また、メッキ層13は第2のメタライズ層10の表面に被着される例を示したが、第1のメタライズ層8の表面に被着させ、このメッキ層13をダイアフラム2の外周部の第2のメタライズ層10に熱圧着によって接合させても良い。また、メッキ層13を第1のメタライズ層8および第2のメタライズ層10のそれぞれの表面に形成し、これらメッキ層13同士を熱圧着によって接合させてもよい。
また、メッキ層13を熱圧着し、第1のメタライズ層8と第2のメタライズ層10とを接合した後、メッキ層13の外周部を金−錫合金半田等のろう材14により覆われていても構わない。これにより、熱圧着により接合された絶縁基体1と絶縁板2との間の密閉空間を外周部のろう材14によってさらに封止することにより、さらに気密性の高いものとすることができる。従って、密閉空間内の圧力を一定に保持することができるので、外部の圧力が変化した際に、外部の圧力を精度良く検出することができる小型の圧力検出装置用パッケージとすることができる。
また、本発明の圧力装置は、本発明の圧力検出装置用パッケージと、絶縁基体の搭載部に搭載され、第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量の変化に基づいてダイアフラムに加わる圧力を検出する半導体素子とを備えている。このような構成により、小型化を図りつつ圧力の検出精度を向上させたとすることができる。
このように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子3が搭載される絶縁基体1の他方の主面に静電容量形成用の第一電極7が被着されるとともに、絶縁基体1との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で絶縁基体1に接合されたダイアフラム2の内側の主面にこの第1の電極7と対向するように被着された静電容量形成用の第2の電極9とを具備することから、半導体素子3を収容する容器と感圧素子とが一体となり、その結果、圧力検出装置を小型化することができる。
また、静電容量形成用の第1の電極7および第2の電極9を、絶縁基体1の表面および内部に配設された配線導体5a,5bを介して半導体素子3の各電極に接続することから、第一電極7および第二電極9を短い距離で半導体素子3に接続することができ、その結果、これらの配線導体5a,5b間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置用パッケージを提供することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、メッキ層13は、第1のメタライズ層8または第2のメタライズ層10の外周部まで形成していなくても良く、メッキ層13を介して絶縁基体1とダイアフラム2とを接合した後、ろう材14がメッキ層13の外周部を覆うとともに、第1のメタライズ層8または第2のメタライズ層10の外周部を覆うようにしても良い。また、第1の電極7および第2の電極9の少なくとも一方の表面に絶縁膜を被着させても良い。第1の電極7および第2の電極9の少なくとも一方に絶縁膜を被着させることにより、ダイアフラム2が撓んだ際に、第1の電極7と第2の電極9とが短絡することを防止することができる。