JP4822624B2 - 圧力検出装置用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を検出するための圧力検出装置に使用される圧力検出装置用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧力を検出するための圧力検出装置として静電容量型の圧力検出装置が知られている。この静電容量型の圧力検出装置は、例えば図3に断面図で示すように、セラミックス材料や樹脂材料から成る配線基板21上に、静電容量型の感圧素子22と、パッケージ28に収容された演算用の半導体素子29とを備えている。感圧素子22は、例えばセラミックス材料等の電気絶縁材料から成り、上面中央部に静電容量形成用の一方の電極23が被着された凹部を有する絶縁基体24と、この絶縁基体24の上面に絶縁基体24との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合され、下面に静電容量形成用の他方の電極25が被着された絶縁板26と、各静電容量形成用の電極23・25をそれぞれ外部に電気的に接続するための外部リード端子27とから構成されており、外部の圧力に応じて絶縁板26が撓むことにより各静電容量形成用の電極23・25間に形成される静電容量が変化する。そして、この静電容量の変化を演算用の半導体素子29により演算処理することにより外部の圧力を検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の圧力検出装置によると、感圧素子22と半導体素子29とを配線基板21上に個別に実装していることから、圧力検出装置が大型化してしまうとともに圧力検出用の電極23・25と半導体素子29との間の配線が長いものとなり、この長い配線間に不要な静電容量が形成されるため感度が低いという問題点を有していた。
【0004】
そこで、本願出願人は、先に特願2000-178618において、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体と、この絶縁基体の表面および内部に配設され、半導体素子の各電極が電気的に接続される複数の配線導体と、絶縁基体の他方の主面の中央部に被着され、配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一電極と、絶縁基体の他方の主面に、この主面の中央部との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合された絶縁板と、この絶縁板の内側主面に第一電極と対向して被着され、配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二電極とを具備する圧力検出装置用パッケージを提案した。
【0005】
この圧力検出装置用パッケージによると、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有する絶縁基体の他方の主面に静電容量形成用の第一電極を設けるとともに、この第一電極と対向する静電容量形成用の第二電極を内側面に有する絶縁板を、絶縁基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合させたことから、半導体素子を収容するパッケージに感圧素子が一体に形成され、その結果、圧力検出装置を小型とすることができるとともに圧力検出用の電極と半導体素子とを接続する配線を短いものとして、これらの配線間に発生する不要な静電容量を小さなものとすることができる。
【0006】
しかしながら、この特願2000-178618で提案した圧力検出装置用パッケージによると、絶縁板が脆性を有するセラミックス材料から成ることから、この絶縁板の外周縁に外部からの機械的衝撃が印加されると、絶縁板の外周縁に微小なクラックが発生し、これが徐々に絶縁板の中央部まで進行して、遂には、絶縁基体と絶縁板との間の密閉空間の気密性が低下し、そのため外部の圧力を正確に検出することができなくなってしまうことがあるという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、かかる上述の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、小型でかつ感度が高く、しかも外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な圧力検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力検出装置用パッケージは、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有するセラミック基体と、このセラミック基体の表面および内部に配設されており、半導体素子の各電極が電気的に接続される複数のメタライズ配線導体と、セラミック基体の他方の主面の中央部に被着されており、メタライズ配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一メタライズ電極と、セラミック基体の他方の主面にこの主面の中央部との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合されたセラミック板と、このセラミック板の内側主面に第一メタライズ電極と対向するように被着されており、メタライズ配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二メタライズ電極とを具備して成る圧力検出装置用パッケージであって、セラミック基体は、その他方の主面に、セラミック板を取り囲みかつセラミック板よりも高い枠部を有しており、該枠部の内側に位置しセラミック基体上面の全周にわたって被着されている枠状の第一接合用メタライズ層と、セラミック板の下面外周部の全周にわたって被着されている枠状の第二接合用メタライズ層とが、銀−銅ろう材を介して接合されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、セラミック基体の他方の主面に、セラミック板を取り囲みかつセラミック板よりも高い枠部が形成されており、該枠部の内側に位置しセラミック基体上面の全周にわたって被着されている枠状の第一接合用メタライズ層と、セラミック板の下面外周部の全周にわたって被着されている枠状の第二接合用メタライズ層とが、銀−銅ろう材を介して接合されていることから、この枠部によりセラミック板が外部からの機械的衝撃から保護され、それによりセラミック板の外周縁に微小なクラックが発生することを有効に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明の圧力検出装置用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1はセラミック基体、2はセラミック板、3は半導体素子である。
【0011】
セラミック基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ガラス−セラミックス等のセラミックス材料から成る積層体であり、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することにより複数枚のセラミックグリーンシートを得、しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工・積層加工・切断加工を施すことにより絶縁基体1用の生セラミック成形体を得るとともにこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0012】
セラミック基体1は、その下面中央部に半導体素子3を収容するための凹部1aが形成されており、これにより半導体素子3を収容する容器として機能する。そして、この凹部1aの底面中央部が半導体素子3が搭載される搭載部1bとなっており、この搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに凹部1a内に例えばエポキシ樹脂等の樹脂製封止材4を充填することにより半導体素子3が封止される。なお、この例では半導体素子3は樹脂製封止材4を凹部1a内に充填することにより封止されるが、半導体素子3はセラミック基体1の下面に金属やセラミックスから成る蓋体を凹部1aを塞ぐように接合させることにより封止されてもよい。
【0013】
また、搭載部1bには半導体素子3の各電極と接続される複数のメタライズ配線導体5が導出しており、このメタライズ配線導体5と半導体素子3の各電極を半田バンプ6等の導電性材料から成る電気的接続手段を介して接続することにより半導体素子3の各電極と各メタライズ配線導体5とが電気的に接続されるとともに半導体素子3が搭載部1bに固定される。なお、この例では、半導体素子3の電極とメタライズ配線導体5とは半田バンプ6を介して接続されるが、半導体素子3の電極とメタライズ配線導体5とはボンディングワイヤ等の他の種類の電気的接続手段により接続されてもよい。
【0014】
メタライズ配線導体5は、半導体素子3の各電極を外部電気回路および後述する第一メタライズ電極7・第二メタライズ電極9に電気的に接続するための導電路として機能し、その一部はセラミック基体1の外周下面に導出し、別の一部は第一メタライズ電極7・第二メタライズ電極9に電気的に接続されている。そして、半導体素子3の各電極をこれらのメタライズ配線導体5に導電性接合材6を介して電気的に接続するとともに半導体素子3を樹脂製封止材4で封止した後、メタライズ配線導体5のセラミック基体1外周下面に導出した部位を外部電気回路基板の配線導体に半田等の導電性接合材を介して接合することにより、内部に収容する半導体素子3が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0015】
このようなメタライズ配線導体5は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してセラミック基体1用のセラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布し、これをセラミック基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによってセラミック基体1の内部および表面に所定のパターンに形成される。なお、メタライズ配線導体5の露出表面には、メタライズ配線導体5が酸化腐食するのを防止するとともにメタライズ配線導体5と半田等の導電性接合材との接合を良好なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されている。
【0016】
また、セラミック基体1の上面中央部には深さが0.01〜5mm程度の密閉空間形成用の凹部1cが形成されている。この凹部1cは、後述するように、セラミック板2との間に密閉空間を形成するためのものであり、この凹部1cの底面には静電容量形成用の第一メタライズ電極7が被着されている。
【0017】
この第一メタライズ電極7は、後述する第二メタライズ電極9とともに感圧素子用の静電容量を形成するためのものであり、例えば略円形のパターンに形成されている。そして、この第一メタライズ電極7にはメタライズ配線導体5の一つ5aが接続されており、それによりこのメタライズ配線導体5aに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の電気的接続手段を介して接続すると半導体素子3の電極と第一メタライズ電極7とが電気的に接続されるようになっている。
【0018】
このような第一メタライズ電極7は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してセラミック基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これをセラミック基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによってセラミック基体1の凹部1c底面に所定のパターンに形成される。なお、第一メタライズ電極7の露出表面には、第一メタライズ電極7が酸化腐食するのを防止するために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0019】
また、セラミック基体1上面の凹部1c周囲にはその全周にわたり枠状の第一接合用メタライズ層8が被着されており、この第一接合用メタライズ層8には、下面に第二メタライズ電極9および第二接合用メタライズ層10を有するセラミック板2が銀−銅ろう材等の導電性接合材を介して接合されている。
【0020】
この第一接合用メタライズ層8にはメタライズ配線導体5の一つ5bが接続されており、それによりこのメタライズ配線導体5bに半導体素子3の電極を半田バンプ6等の電気的接続手段を介して電気的に接続するとメタライズ配線導体5bおよび第一接合用メタライズ層8および第二接合用メタライズ層10を介して第二メタライズ電極9と半導体素子3の電極とが電気的に接続されるようになっている。
【0021】
第一接合用メタライズ層8は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してセラミック基体1用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これをセラミック基体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによってセラミック基体1上面の凹部1c周囲に枠状の所定のパターンに形成される。なお、接合用メタライズ層8の露出表面には、接合用メタライズ層8が酸化腐食するのを防止するとともに接合用メタライズ層8と導電性接合材との接合を強固なものとするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0022】
また、セラミック基体1の上面には凹部1cとの間に密閉空間Sを形成するようにしてセラミック板2が接合されている。このセラミック板2は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラス−セラミックス等のセラミックス材料から成る厚みが0.01〜5mmの略平板であり、外部の圧力に応じて撓むいわゆる圧力検出用のダイアフラムとして機能する。
【0023】
なお、セラミック板2は、その厚みが0.01mm未満では、その機械的強度が小さいものとなってしまうため、これに大きな外部圧力が印加された場合に破壊されてしまう危険性が大きなものとなり、他方、5mmを超えると、小さな圧力では撓みにくくなり、圧力検出用のダイアフラムとしては不適となってしまう。したがって、セラミック板2の厚みは0.01〜5mmの範囲が好ましい。
【0024】
このようなセラミック板2は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクタブレード法を採用してシート状に成形することによりセラミックグリーンシートを得、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工や切断加工を施すことによりセラミック板2用の生セラミック成形体を得るとともにこの生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0025】
また、セラミック板2の下面中央部には、静電容量形成用の略円形の第二メタライズ電極9が被着されている。この第二メタライズ電極9は前述の第一メタライズ電極7とともに感圧素子用の静電容量を形成するための電極として機能する。
【0026】
このような第二メタライズ電極9は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してセラミック板2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これをセラミック板2用の生セラミック成形体とともに焼成することによってセラミック板2の下面の中央部に所定のパターンに形成される。なお、第二メタライズ電極9の露出表面には、第二メタライズ電極9が酸化腐食するのを防止するために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0027】
さらに、セラミック板2の下面外周部には、第二メタライズ電極9に電気的に接続された枠状の第二接合用メタライズ層10が被着されている。この第二接合用メタライズ層10はセラミック板2をセラミック基体1に接合するための接合用下地金属層として機能し、第一接合用メタライズ層8と第二接合用メタライズ層10とを銀−銅ろう等の導電性接合材を介して接合することによりセラミック基体1にセラミック板2が接合されるとともにメタライズ配線導体5bと第二メタライズ電極9とが電気的に接続される。
【0028】
このような第二接合用メタライズ層10は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属粉末メタライズから成り、タングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ・溶剤・可塑剤・分散剤を添加混合して得たメタライズペーストを従来周知のスクリーン印刷法を採用してセラミック板2用のセラミックグリーンシートに印刷塗布し、これをセラミック板2用の生セラミック成形体とともに焼成することによってセラミック板2の下面の外周部に所定のパターンに形成される。なお、第二接合用メタライズ層10の表面には、第二接合用メタライズ層10が酸化腐食するのを防止するととも第二接合用メタライズ層10と導電性接合材との接合を良好とするために、通常であれば、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層が被着されている。
【0029】
このとき、第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9とは、セラミック基体1とセラミック板2との間に形成された密閉空間Sを挟んで対向しており、これらの間には、第一メタライズ電極7や第二メタライズ電極9の面積および第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間隔に応じて所定の静電容量が形成される。そして、セラミック板2の上面に外部の圧力が印加されると、その圧力に応じてセラミック板2がセラミック基体1側に撓んで第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間隔が変わり、それにより第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間の静電容量が変化するので、外部の圧力の変化を静電容量の変化として感知する感圧素子として機能する。そして、この静電容量の変化を凹部1a内に収容した半導体素子3にメタライズ配線導体5a・5bを介して伝達し、これを半導体素子3で演算処理することによって外部の圧力の大きさを知ることができる。
【0030】
なお、第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間隔が1気圧中において0.01mm未満の場合、セラミック板2に大きな圧力が印加された際に、第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9とが接触して圧力を検出することができなくなってしまう危険性があり、他方、5mmを超えると、第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間に形成される静電容量が小さなものとなり、圧力を検出する感度が低いものとなる傾向にある。したがって、第一メタライズ電極7と第二メタライズ電極9との間隔は、1気圧中において0.01〜5mmの範囲が好ましい。
【0031】
さらに本発明においては、セラミック基体1の上面外周部にセラミック板2を取り囲む枠部1dが形成されている。枠部1dは、セラミック板2の外周縁に外部からの機械的衝撃が直接印加されることがないように保護するための保護部材として機能し、セラミック板2よりも高くなっている。このように本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、セラミック基体1の上面外周部にセラミック板2を取り囲みかつセラミック板2よりも高い枠部1dが形成されていることから、外部から機械的衝撃が印加されたとしても、その衝撃はセラミック板2の外周縁に直接印加されることはなく、したがってセラミック板2に外部からの衝撃によるクラックが発生することはない。その結果、そのようなクラックがセラミック板2の中央部まで進行してセラミック基体1とセラミック板2との間に形成された密閉空間Sの気密性が低下することはなく、外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能である。
【0032】
なお、枠部1dは、その厚みがセラミック板2よりも0.05mm未満高い場合、外部からの機械的衝撃がセラミック板2の外周縁に直接印加されてクラックが発生してしまう危険性が大きくなる傾向にあり、他方0.5mmを超えて高い場合、そのような高さの枠部1dを設けるためにパッケージの厚みが不要に厚くなって、圧力検出装置の小型化が困難となってしまう。したがって、枠部1dの厚みはセラミック板2よりも0.05〜0.5mm厚いことが好ましい。
【0033】
また、枠部1dは、その幅が0.3mm未満では、外部からの機械的衝撃により破壊されてしまいやすく、セラミック板2を外部からの機械的衝撃から良好に保護することが困難となる傾向にあり、他方、1mmを超えると、そのような幅の枠部1dを設けるためにパッケージの大きさが大きくなってしまい、圧力検出装置の小型化が困難となってしまう。したがって、枠部1dの幅は0.3〜1mmの範囲が好ましい。
【0034】
さらに、枠部1dとセラミック板2との隙間が0.1mm未満の場合、セラミック板2とセラミック基体1とを接合する際に、枠部1d内にセラミック板2を効率良くはめ込むことが困難となる傾向にあり、他方、1mmを超えると、セラミック板2の外周縁に外部からの機械的衝撃が直接印加されてしまう危険性が大きくなってしまう。したがって、枠部1dとセラミック板2との隙間は0.1〜1mmの範囲が好ましい。
【0035】
以上説明したように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子3が搭載されるセラミック基体1の他方の主面に、静電容量形成用の第一メタライズ電極7を設けるとともにこの第一メタライズ電極7と対向する静電容量形成用の第二メタライズ電極9を内側主面に有するセラミック板2をセラミック基体1との間に密閉空間Sを形成するように可撓な状態で接合させたことから、半導体素子3を収容する容器と感圧素子とが一体となり、その結果、圧力検出装置を小型化することができる。また、静電容量形成用の第一メタライズ電極7および第二メタライズ電極9を、セラミック基体1に設けたメタライズ配線導体5a・5bを介して半導体素子3に接続することから、第一メタライズ電極7および第二メタライズ電極9を短い距離で半導体素子3に接続することができ、その結果、これらのメタライズ配線導体5a・5b間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置を提供することができる。また、セラミック基体1の上面外周部にセラミック板2を取り囲みかつセラミック板2よりも高い枠部1dが形成されていることから、この枠部1dによりセラミック板2が機械的衝撃から良好に保護され、その結果、セラミック板2にクラックが発生することはなく、密閉空間Sの気密性を常に維持されて外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することができる。
【0036】
かくして、上述の圧力検出装置用パッケージによれば、搭載部1bに半導体素子3を搭載するとともに半導体素子3の各電極とメタライズ配線導体5とを電気的に接続し、しかる後、半導体素子3を封止することによって小型でかつ感度の高く、しかも外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することが可能な高信頼性の圧力検出装置となる。
【0037】
なお、本発明は、上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば上述の実施の形態の一例では、セラミック基体1の上面中央部に密閉空間S形成用の凹部1cを設け、このセラミック基体1上面にセラミック板2を接合することにより凹部1cとセラミック板2との間に密閉空間Sを設けるようにしたが、図2に断面図で示すように、セラミック板2の下面中央部に密閉空間S形成用の凹部2aを設け、このセラミック板2をセラミック基体1上面に接合することによってセラミック基体1と凹部2aとの間に密閉空間Sを設けるようにしてもよい。なお、図2で示した実施形態例においては、図1で示した実施形態例と実質的に共通の部分については図1で用いた符号と同じ符号を用い、その説明を省略した。
【0038】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の圧力検出装置用パッケージによれば、一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有するセラミック基体の他方の主面に静電容量形成用の第一メタライズ電極を設けるとともに、この第一メタライズ電極と対向する静電容量形成用の第二メタライズ電極を内側面に有するセラミック板を、セラミック基体の他方の主面との間に密閉空間を形成するようにして可撓な状態で接合させたことから、半導体素子を収容するパッケージに感圧素子が一体となり、その結果、圧力検出装置を小型とすることができる。また、静電容量形成用の第一メタライズ電極および第二メタライズ電極を、絶縁基体に設けたメタライズ配線導体を介して半導体素子に接続することから、第一メタライズ電極および第二メタライズ電極を短い距離で半導体素子に接続することができ、その結果、これらのメタライズ配線導体間に発生する不要な静電容量を小さなものとして感度の高い圧力検出装置を提供することができる。さらに、セラミック基体の他方の主面にセラミック板を取り囲みかつセラミック板よりも高い枠部を設けたことから、この枠部によりセラミック板が外部からの機械的衝撃から良好に保護され、その結果、セラミック板にクラックが発生することはなく、セラミック基板とセラミック板との間に形成された密閉空間の気密性が常に良好に保たれて外部の圧力を長期間にわたり正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力検出装置用パッケージの実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の圧力検出装置用パッケージの実施形態の他の例を示す断面図である。
【図3】従来の圧力検出装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・セラミック基体
1b・・・・搭載部
1d・・・・枠部
2・・・・・セラミック板
3・・・・・半導体素子
5・・・・・メタライズ配線導体
7・・・・・第一メタライズ電極
9・・・・・第二メタライズ電極
S・・・・・密閉空間
Claims (1)
- 一方の主面に半導体素子が搭載される搭載部を有するセラミック基体と、該セラミック基体の表面および内部に配設されており、前記半導体素子の各電極が電気的に接続される複数のメタライズ配線導体と、前記セラミック基体の他方の主面の中央部に被着されており、前記メタライズ配線導体の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第一メタライズ電極と、前記他方の主面に前記中央部との間に密閉空間を形成するように可撓な状態で接合されたセラミック板と、前記セラミック板の内側主面に前記第一メタライズ電極と対向するように被着されており、前記メタライズ配線導体の他の一つに電気的に接続された静電容量形成用の第二メタライズ電極とを具備して成る圧力検出装置用パッケージであって、前記セラミック基体は、前記他方の主面に、前記セラミック板を取り囲みかつ前記セラミック板よりも高い枠部を有しており、該枠部の内側に位置し前記セラミック基体上面の全周にわたって被着されている枠状の第一接合用メタライズ層と、前記セラミック板の下面外周部の全周にわたって被着されている枠状の第二接合用メタライズ層とが、銀−銅ろう材を介して接合されていることを特徴とする圧力検出装置用パッケージ。
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